(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2018208108
(22)【出願日】2018-11-05
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】宮原 真敏
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-035705(JP,A)
【文献】特開2016-174229(JP,A)
【文献】特開2007-036404(JP,A)
【文献】特開2017-220705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像処理装置と第2の画像処理装置とを含むシステムであって、
前記
第1の画像処理装置は、
前記第2の画像処理装置
で画像を読み取って得たデータに対して実行する所定の処理を
、ワークフローとして設定する設定手段
であって、少なくともデータのフォーマットを含む配信形式を設定する前記設定手段と、
前記処理の内容を識別する
二次元コードであって、設定された前記配信形式に関する情報を含む前記二次元コード、を発行する発行手段と、
前記第2の画像処理装置が画像を読み取って得たデータであって、前記第2の画像処理装置で読み取られた前記二次元コードに含まれる前記配信形式に基づいて前記第2の画像処理装置に変換され、前記第2の画像処理装置がネットワークを介して情報処理装置に格納した前記データを、前記ネットワークを
介して前記情報処理装置と定期的に通信
することにより、前記情報処理装置から取得する取得手段と、
前記取得手段が前記データを取得した場合に、前記データ
を用いて前記ワークフローに係る処理を実行する実行手段と
を含み、
前記
第2の画像処理装置は、
前記二次元コードを読み取る読取手段と、
スキャナ装置と、
前記
スキャナ装置で画像を読み取って得たデータ
を、
読み取った前記
二次元コードに含まれる前記配信形式に基づいて変換し、変換したデータを前記ネットワーク
を介して前記情報処理装置に格納する格納手段と
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記発行手段は、ユーザを識別する認証情報を含む
前記二次元コードを発行する、請求項1に記載の
システム。
【請求項3】
前記発行手段が前記
二次元コードを発行したことを契機に、前記取得手段が前記
情報処理装置との通信を開始することを特徴とする、請求項1または2に記載の
システム。
【請求項4】
前記
ワークフローに係る処理は、取得した前記データを、所定のメールアドレスに送信する処理である、請求項1
~3のいずれか1項に記載の
システム。
【請求項5】
前記
データのフォーマットは、JPEG、ビットマップ、PDFのいずれかである、請求項1~4のいずれか1項に記載の
システム。
【請求項6】
前記発行手段が発行する
前記二次元コードが、用紙または端末画面に出力されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の
システム。
【請求項7】
前記読取手段は、前記スキャナ装置を制御することにより、前記二次元コードを読み取る、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記設定手段は、前記第1の画像処理装置の表示部に表示されたワークフロー設定画面を介して入力された入力に基づいて、前記所定の処理を前記ワークフローとして設定する、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ワークフロー設定画面は、前記配信形式の設定を受け付ける第1の画面と、前記データを配信する配信先の設定を受け付ける第2の画面と、を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記情報処理装置を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の高度化に伴い、情報配信も多様化し、種々のシステムが提案されている。特に、MFP(Multi-Function Peripheral)でスキャンしたデータを管理し、配信する技術(スキャンソリューションシステム)が開発されている。
【0003】
例えば、特開2016-178480号公報(特許文献1)には、スキャンした内容をモバイル端末上でプレビューしたり、モバイル端末からプレビュー画像を配信したりできるスキャンソリューションシステムが開示されている。特許文献1によれば、MFPを直接的に操作せず、種々のワークフローを実行することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のスキャンソリューションシステムは、管理者の管理下にある特定の環境で実行する構成であることから、例えば外出先などのように管理外の環境ではワークフローが実行できないものであった。したがって、ユーザにとって更なる利便性の向上が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、設定したワークフローを任意の環境下で実行することができる情報処理装置、システム、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明によれば、第1の画像処理装置と第2の画像処理装置とを含むシステムであって、前記第1の画像処理装置は、前記第2の画像処理装置で画像を読み取って得たデータに対して実行する所定の処理を、ワークフローとして設定する設定手段であって、少なくともデータのフォーマットを含む配信形式を設定する前記設定手段と、前記処理の内容を識別する二次元コードであって、設定された前記配信形式に関する情報を含む前記二次元コード、を発行する発行手段と、前記第2の画像処理装置が画像を読み取って得たデータであって、前記第2の画像処理装置で読み取られた前記二次元コードに含まれる前記配信形式に基づいて前記第2の画像処理装置に変換され、前記第2の画像処理装置がネットワークを介して情報処理装置に格納した前記データを、前記ネットワークを介して前記情報処理装置と定期的に通信することにより、前記情報処理装置から取得する取得手段と、前記取得手段が前記データを取得した場合に、前記データを用いて前記ワークフローに係る処理を実行する実行手段とを含み、前記第2の画像処理装置は、前記二次元コードを読み取る読取手段と、スキャナ装置と、前記スキャナ装置で画像を読み取って得たデータを、読み取った前記二次元コードに含まれる前記配信形式に基づいて変換し、変換したデータを前記ネットワークを介して前記情報処理装置に格納する格納手段と、を含むシステムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本発明によれば、設定したワークフローを任意の環境下で実行することができる情報処理装置、システム、方法、およびプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態におけるシステム全体のハードウェアの概略構成を示す図。
【
図2】本実施形態のMFPに含まれるハードウェア構成を示す図。
【
図3】本実施形態のシステムに含まれるソフトウェアブロック図。
【
図4】本実施形態におけるシステムが実行する処理のシーケンス図。
【
図5】本実施形態における社内MFPの画面の例を示す図。
【
図6】本実施形態におけるワークフロー設定画面の例を示す図。
【
図7】本実施形態において出力される二次元コードの例を示す図。
【
図8】本実施形態における社外MFPの画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。
【0010】
図1は、本発明の実施形態におけるシステム100全体のハードウェアの概略構成を示す図である。
図1に示すシステム100では、例として、複数のMFP110と、サーバ装置120とが、インターネットやLANなどのネットワーク130を介して接続された環境を例示している。なお、MFP110やサーバ装置120の台数は、
図1に示したものに限らず、システムに含まれる各ハードウェアの台数に制限はない。また、MFP110やサーバ装置120から、ネットワーク130へ接続する方法は、有線または無線のどちらでもよい。
【0011】
MFP110は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能などを搭載する複合機として参照される画像処理装置である。また、MFP110は、ネットワーク130を介してスキャンしたデータを電子メールとして送信することなどもできる。MFP110は、オフィスなどに設置され、社内LANなどによって、パソコン端末から送信される印刷ジョブを実行したり、スキャンした画像をパソコン端末に送信したりできる。また、MFP110は、コンビニエンスストアなどに設置されることもあり、外出先においても印刷やスキャンなどを行うことができる。以下の説明では、便宜的に、オフィスなどの特定の環境下に設置されたMFP110を「社内MFP110a」として参照し、オフィス以外の環境に設置されたMFP110を「社外MFP110b」として参照する。
【0012】
サーバ装置120は、主としてネットワーク通信を管理する情報処理装置である。本実施形態のサーバ装置120は、いわゆるクラウドサーバとして機能し、クラウド上で種々のデータを管理することができる。
【0013】
次に、MFP110のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態のMFP110に含まれるハードウェア構成を示す図である。MFP110は、CPU201と、RAM202と、ROM203と、記憶装置204と、プリンタ装置205、スキャナ装置206、通信I/F207と、表示部208と、操作部209とを含んで構成され、各ハードウェアはバスを介して接続されている。
【0014】
CPU201は、MFP110の動作を制御するプログラムを実行し、所定の処理を行う装置である。RAM202は、CPU201が実行するプログラムの実行空間を提供するための揮発性の記憶装置であり、プログラムやデータの格納用、展開用として使用される。ROM203は、CPU201が実行するプログラムやファームウェアなどを記憶するための不揮発性の記憶装置である。
【0015】
記憶装置204は、MFP110を機能させるOSや種々のソフトウェア、設定情報、各種データなどを記憶する、読み書き可能な不揮発性の記憶装置である。記憶装置204の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0016】
プリンタ装置205は、レーザ方式やインクジェット方式などによって、用紙に画像を形成する構成の装置である。スキャナ装置206は、印刷物の画像を読み取り、データ化する構成の装置である。また、例えばMFP110は、スキャナ装置206とプリンタ装置205の協働により、印刷物のコピーを行うことができる。
【0017】
通信I/F207は、MFP110とネットワーク130とを接続し、ネットワーク130を介して、他の装置との通信を可能にする。ネットワーク130を介した通信は、有線通信または無線通信のいずれであってもよく、TCP/IPなどの所定の通信プロトコルを使用し、各種データを送受信できる。
【0018】
表示部208は、各種データやMFP110の設定状態などを、ユーザに対して表示する装置であり、例として、LCD(Liquid Crystal Display)パネルなどが挙げられる。操作部209は、ユーザがMFP110を操作するための装置であり、一例として、複数のボタンによって構成される。なお、表示部208と操作部209は、それぞれ別個の装置であってもよいし、タッチパネルディスプレイのような両方の機能を備えるものであってもよい。
【0019】
以上、本実施形態のMFP110に含まれるハードウェア構成について説明した。次に、本実施形態における各ハードウェアによって実行される機能手段について、
図3を以て説明する。
図3は、本実施形態のMFP110に含まれるソフトウェアブロック図である。
【0020】
以上、本実施形態のMFP110に含まれるハードウェア構成について説明した。次に、本実施形態における各ハードウェアによって実行される機能手段について、
図3を以て説明する。
図3は、本実施形態のシステム100に含まれるソフトウェアブロック図である。
【0021】
社内MFP110aには、ワークフロー設定部311と、コード生成部312と、定期通信部313と、ワークフロー実行部314とが含まれている。社外MFP110bには、コード読取部315と、データアップロード部316とが含まれている。サーバ装置120には、記憶部320が含まれている。以下に、各機能手段の詳細について説明する。
【0022】
まず、社内MFP110aについて説明する。ワークフロー設定部311は、社外MFP110bにおいて入力されたデータに対して実行する処理を、ワークフローとして設定する手段である。ワークフロー設定部311では、例えば、スキャンした画像のフォーマットや、PDF化の有無、OCR(Optical Character Recognition)処理の有無、配信先などを設定することができる。
【0023】
コード生成部312は、ワークフロー設定部311において設定したワークフローに基づいて、当該ワークフローに固有のコードを生成する手段である。本実施形態のコード生成部312が生成するコードの例としては、QRコード(登録商標)、VeriCode、DataMatrixなどの二次元コードを挙げることができるが、実施形態を限定するものではない。したがって、二次元コード以外のコードを生成してもよく、バーコードやその他スキャナ装置206によって識別可能な符号を生成する構成であってもよい。なお、以下では、二次元コードを生成する場合を例に説明する。
【0024】
定期通信部313は、通信I/F207を介してサーバ装置120に定期的にアクセスする手段である。定期通信部313がサーバ装置120に対して定期的なアクセスを行うことで、サーバ装置120にデータがアップロードされたか否かを逐一監視する、いわゆる「ポーリング」をすることができる。
【0025】
ワークフロー実行部314は、定期通信部313によるポーリングの結果、サーバ装置120にデータのアップロードがあった場合に、当該データに基づくワークフローを実行する手段である。
【0026】
次に社外MFP110bについて説明する。コード読取部315は、スキャナ装置206を制御し、社内MFP110aが出力したコードを読み取る手段である。コード読取部315は、コードを読み取ると、当該コードに含まれる認証情報の照合や、ワークフローの処理内容の識別を行う。
【0027】
データアップロード部316は、スキャナ装置206がスキャンしたデータを、通信I/F207を介してサーバ装置120にアップロードする手段である。データアップロード部316は、スキャンしたデータを、コード読取部315が読み取った二次元コードの内容に基づく処理をして、アップロードすることができる。また、データアップロード部316は、認証情報やスキャンのメタデータなどを併せてアップロードすることができる。
【0028】
次にサーバ装置120について説明する。記憶部320は、社外MFP110bからアップロードされたデータを格納する手段である。サーバ装置120は、例えばHDDなどを備えており、記憶部320は、HDDを制御することで、アップロードされたデータを格納することができる。社内MFP110aの定期通信部313は、記憶部320を監視することで、二次元コードに基づくデータのアップロードの有無を監視する。アップロードがあった場合に、ワークフロー実行部314は、当該データを取得し、所定のワークフローを実行する。
【0029】
なお、上述したソフトウェアブロックは、各ハードウェアが備えるCPUが本実施形態のプログラムを実行することで、各ハードウェアを機能させることにより、実現される機能手段に相当する。また、各実施形態に示した機能手段は、全部がソフトウェア的に実現されても良いし、その一部または全部を同等の機能を提供するハードウェアとして実装することもできる。さらに、上述した各機能手段は、必ずしも全てが
図3に示すような構成で含まれていなくてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態におけるシステム100が実行する処理のシーケンス図である。まずユーザは、ステップS1001において社内MFP110aを操作し、所望の処理を実行するためのワークフローを設定する。ステップS1001におけるワークフローの設定は、ワークフロー設定部311によって行うことができ、スキャンしたドキュメントの配信形式や、配信先、ポーリング時間などを設定することができる。
【0031】
次にステップS1002において、ユーザは社内MFP110aを操作し、設定したワークフローを識別する二次元コードの発行を、当該社内MFP110aに対して要求する。社内MFP110aのコード生成部312は、二次元コード発行要求を受けて、ステップS1003において、ワークフローを識別する二次元コードを発行する。ステップS1003で発行される二次元コードは、ドキュメントの配信形式や配信先を示す情報が含まれる。また、二次元コードには、当該ワークフローを作成したユーザを認証するための情報や、所属する企業や団体などの情報などを含むことができる。
【0032】
またステップS1004で、社内MFP110aは、ステップS1003の二次元コードの発行と併せて、サーバ装置120に対してポーリングの設定を行う。ステップS1004では、社内MFP110aとサーバ装置120との通信を確立し、設定されたポーリング時間間隔で通信するためのスタンバイをする。
【0033】
社内MFP110aの定期通信部313は、二次元コードの発行を契機に、サーバ装置120に定期的にアクセスし、スキャンされたファイルのアップロードの有無を問い合わせる。すなわち、社内MFP110aは、ステップS1005において、サーバ装置120に対してポーリングを行う。また、スキャンされたファイルがない場合には、サーバ装置120は、ステップS1006で、社内MFP110aからのポーリングに対して、アップロードがない旨の応答をする。その後、定期通信部313は、設定されたポーリング時間が経過した後、再度ステップS1005に戻り、ポーリングを実行する。このようにして、社内MFP110aは、定期的なアクセスによってサーバ装置120へのファイルのアップロードの有無を監視することができる。
【0034】
一方で、例えば外出したユーザが、外出先でワークフローを実行する場合には、発行された二次元コードを持ち出して、外出先に設置されている社外MFP110bに読み込ませる。ユーザは、ステップS1007において、社外MFP110bを操作し、二次元コードおよび配信するドキュメントをスキャンする。ここで、社外MFP110bのコード読取部315は、スキャンした二次元コードを解析し、当該二次元コードに含まれる配信形式情報や認証情報などを抽出する。そして、データアップロード部316は、ステップS1008において、スキャンしたドキュメントを所定の配信形式に変換したうえで、サーバ装置120にアップロードする。また、社外MFP110bは、ドキュメント併せて、ユーザの認証情報をサーバ装置120に通知することができる。サーバ装置120は、アップロードされた各種データを記憶部320に格納する。
【0035】
社内MFP110aは、ステップS1009において、ステップS1005と同様に、サーバ装置120に対してポーリングする。このとき、サーバ装置120には、ドキュメントがアップロードされていることから、サーバ装置120は、ステップS1010の応答で、記憶部320に格納されているデータを社内MFP110aに送信する。
【0036】
なお、セキュリティ保護の観点から、サーバ装置120は、データを社内MFP110aに送信する際に、認証などを行うことが好ましい。例えば、サーバ装置120は、社外MFP110bが読み込んだ二次元コードに含まれる、ユーザが属する企業等の情報と、ポーリングをしている社内MFP110aが接地されている企業等が一致するか否かを照合する。両社が一致する場合には、送信先として適切であると認証し、一致しない場合には認証エラーを返すなどの処理を行うことで、セキュリティ性を向上できる。
【0037】
ステップS1011では、社内MFP110aは、設定に基づいてワークフローを実行する。例えば、ワークフロー実行部314は、サーバ装置120から受領したデータを、所定のメールアドレスに対して送信する。なお、セキュリティ保護の観点から、記憶部320に格納されているデータは、社内MFP110aへ送信した後、削除することが好ましい。
【0038】
上述した処理によって、ユーザ外出先から所望のワークフローを実行することができる。なお、サーバ装置120に対するポーリングは、ワークフローの実行後も継続して行う構成としてもよい。また、ポーリングを開始するタイミングは、上述したように二次元コードの発行を契機とするものに限らず、ユーザが任意の日時を設定することができる。
【0039】
次に、本実施形態における操作画面などについて、
図5~8を以て説明する。
図5は、本実施形態における社内MFP110aの画面の例を示す図である。
図5(a)は、社内MFP110aのメインメニューが表示された画面の例であり、
図5(b)は、二次元コードを発行する画面の例である。
【0040】
図5(a)において、ユーザが「ワークフローコード発行」を選択すると、
図5(b)に示す画面が表示される。さらにユーザは、
図5(b)の画面から所望の操作を行う。ここで、ユーザが「ワークフロー設定」を選択した場合、
図6に示す画面表示に移行する。
図6は、本実施形態におけるワークフロー設定画面の例を示す図である。
【0041】
図6に示す画面では、ワークフローに関する種々の設定を行うことができ、例えば、「配信形式」設定タブ、「配信先」設定タブなどによって設定することができる。
図6(a)に示す画面では、配信形式として「JPEG」、「ビットマップ」、「PDF」などを選択することができる。また、スキャンしたドキュメントを光学文字認識(OCR)するか否かなどを選択することもできる。
【0042】
図6(b)に示す画面では、スキャンしたドキュメントの配信先を選択することができる。配信先は、チェックボックスによって選択する構成であっても良いし、所属や役職、その他の属性などによって一括で選択する構成であってもよい。
【0043】
図6(c)に示す画面では、ポーリングの時間間隔やポーリング開始のタイミングを設定することができる。ポーリングを開始するタイミングは、例えば、二次元コードの発行を契機にしてもよいし、任意の日時から開始することとしてもよい。
【0044】
ユーザは、
図6に示す設定画面で、所望のワークフローを形成した後、
図5(b)に示す画面に戻り、二次元コードを出力させる。二次元コードは、用紙に印刷することで出力してもよいし、ユーザが所有する携帯電話やスマートホンなどの端末に出力してもよい。
【0045】
図7は、本実施形態において出力される二次元コードの例を示す図である。
図7(a)は、用紙に印刷された二次元コードの例を示し、
図7(b)は、端末の画面に出力された二次元コードの例を示す。出力された二次元コードには、ユーザが設定した所望のワークフローを識別する情報や、当該ユーザの認証情報などが含まれている。
【0046】
ユーザは、
図7のように出力された二次元コードを、外出先に設置されている社外MFP110bに読み込ませることで、当該社外MFP110bにおける操作を省略してワークフローを実行することができる。
図8は、本実施形態における社外MFP110bの画面の例を示す図である。
【0047】
ユーザが
図8(a)に示す画面において「ワークフロー実行」を選択すると、
図8(b)に示す画面が表示される。ここでユーザは、社外MFP110bのスキャナ装置206に二次元コードが印刷された用紙をセットし、「スキャン開始」を選択する。コード読取部315は、二次元コードを読み取り、解析する。また、社外MFP110bは、二次元コードに含まれる認証情報が登録されているものであるか否かを問い合わせることによって、ユーザの認証を行うこともできる。これによって、セキュリティ性を向上したワークフローの実行を行うことができる。
【0048】
なお、二次元コードの読み取りは、スキャナ装置206以外の装置によって行われてもよい。例えば、社外MFP110bが、レーザ光の反射よって二次元コードを読み取るリーダを備える構成であってもよく、当該二次元コードリーダによって二次元コードを読み取ることで、認証など処理を行ってもよい。
【0049】
二次元コードによってユーザを認証した後、社外MFP110bは、
図8(c)に示す画面を表示し、ユーザにドキュメントをスキャンさせる。ドキュメントのスキャンが完了すると、データアップロード部316は、あらかじめ設定された形式でデータをサーバ装置120にアップロードする。これによって、ポーリングをしている社内MFP110aは、サーバ装置120にアップロードされたデータを取得し、ワークフローを実行することができる。
【0050】
なお、ここまでに説明した本実施形態の例では、社内MFP110aが二次元コードを発行し、ポーリングを行う実施形態について説明したが、実施形態を限定するものではない。他の実施形態の例としては、パソコン端末などの種々の情報処理装置が、二次元コードの発行やポーリングなどを行ってもよい。
【0051】
以上、説明した本発明の実施形態によれば、設定したワークフローを任意の環境下で実行することができる情報処理装置、システム、方法、およびプログラムを提供することができる。
【0052】
上述した本発明の実施形態の各機能は、C、C++、C#、Java(登録商標)等で記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD-ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROM等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0053】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
100…システム、110…MFP、110a…社内MFP、110b…社外MFP、120…サーバ装置、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…記憶装置、205…プリンタ装置、206…スキャナ装置、207…通信I/F、208…表示部、209…操作部、311…ワークフロー設定部、312…コード生成部、313…定期通信部、314…ワークフロー実行部、315…コード読取部、316…データアップロード部、320…記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】