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特許7131308画像形成装置、情報処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220830BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04N1/00 J
H04N1/00 127Z
H04N1/32 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018208455
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2020077920
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小川 昌宏
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-184164(JP,A)
【文献】特開2009-246790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置で任意に決定された保存先情報を含む送信ジョブを、該情報処理装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により取得された前記送信ジョブをFAX送信する送信実行部と、
前記送信ジョブのFAX送信の送信結果を含む送信履歴情報を、該送信ジョブに含まれる前記保存先情報が示す保存先に保存させる保存部と
前記送信実行部によりFAX送信された前記送信ジョブに含まれる前記保存先情報を管理情報に登録する登録部と、
前記管理情報に登録された前記保存先情報が示す保存先から、前記送信履歴情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記送信履歴情報を表示部に表示させる表示制御部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記保存部は、前記第1取得部により保存先情報を含まない送信ジョブが取得された場合、前記管理情報に登録された所定の保存先情報が示す保存先に、該送信ジョブについての前記送信履歴情報を保存させる請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保存部は、前記保存先情報が示す保存先に前記送信履歴情報を保存させることに失敗した場合、所定の保存先に保存させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置によるFAX送信の送信結果を含む送信履歴情報の保存先を任意に決定する決定部と、
前記決定部により決定された保存先を示す保存先情報を含む送信ジョブを生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記送信ジョブを、前記画像形成装置からFAX送信させるために該画像形成装置へ転送する転送部と、
を備え
前記決定部は、決定した保存先を示す前記保存先情報を記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶された前記保存先情報が示す保存先から、前記送信履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記送信履歴情報を表示部に表示させる表示制御部と、
をさらに備えた情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、保存先を入力するための表示領域を含む画面を前記表示部に表示させた場合に、前記記憶部に記憶された前記保存先情報を前記表示領域に表示させる請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、初期設定情報に固定の保存先情報が設定されている場合、該固定の保存先情報が示す保存先を、前記送信履歴情報を保存するための保存先として決定する請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに
情報処理装置で任意に決定された保存先情報を含む送信ジョブを、該情報処理装置から取得する第1取得ステップと、
取得した前記送信ジョブをFAX送信する送信実行ステップと、
前記送信ジョブのFAX送信の送信結果を含む送信履歴情報を、該送信ジョブに含まれる前記保存先情報が示す保存先に保存させる保存ステップと、
FAX送信した前記送信ジョブに含まれる前記保存先情報を管理情報に登録する登録ステップと、
前記管理情報に登録された前記保存先情報が示す保存先から、前記送信履歴情報を取得する第2取得ステップと、
取得した前記送信履歴情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
画像形成装置によるFAX送信の送信結果を含む送信履歴情報の保存先を任意に決定する決定ステップと、
決定した保存先を示す保存先情報を含む送信ジョブを生成する生成ステップと、
生成した前記送信ジョブを、前記画像形成装置からFAX送信させるために該画像形成装置へ転送する転送ステップと、
決定した保存先を示す前記保存先情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶部に記憶した前記保存先情報が示す保存先から、前記送信履歴情報を取得する取得ステップと、
取得した前記送信履歴情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機(MFP:Multi Function Peripherals)(以下、MFPと称する)は、コピー、印刷機能の他、スキャナで原稿を読み取ったデータをFAX送信する機能がある。このようなMFPにおいて、PC(Personal Computer)等の情報処理装置からネットワークを介して原稿データを受信し、上述のFAX機能を利用して、相手先に当該原稿データをファックス送信するPC-FAXという技術が知られている。PC-FAXでは、FAX送信するために、用紙に印刷して原稿を作成する必要がないため、用紙およびインクを節約することができる利点がある。
【0003】
このようなPC-FAXを利用した技術として、PC-FAXを実行した際に、MFPでFAX送信された後、送信された画像データおよびジョブデータをPCへ送り、当該PC側のフォルダで管理する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術では、PC-FAXによるFAX送信履歴の情報をPCの所定のフォルダに保存させているので、FAX送信したMFP自体、サーバまたはクラウド等の任意の場所に保存することができず柔軟性に欠けるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、FAX送信した履歴情報を任意の場所に蓄積することができる画像形成装置、情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置で任意に決定された保存先情報を含む送信ジョブを、該情報処理装置から取得する第1取得部と、前記第1取得部により取得された前記送信ジョブをFAX送信する送信実行部と、前記送信ジョブのFAX送信の送信結果を含む送信履歴情報を、該送信ジョブに含まれる前記保存先情報が示す保存先に保存させる保存部と、前記送信実行部によりFAX送信された前記送信ジョブに含まれる前記保存先情報を管理情報に登録する登録部と、前記管理情報に登録された前記保存先情報が示す保存先から、前記送信履歴情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得された前記送信履歴情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、FAX送信した履歴情報を任意の場所に蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保存先設定・履歴表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、PC-FAXにおける送信ジョブのフォーマットの一例を示す図である。
図7図7は、ドライバの初期設定ファイルの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る画像形成装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図9図9は、保存先管理テーブルの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る画像形成装置に表示される履歴表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る情報処理装置のPC-FAXの送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る画像形成装置のPC-FAXの送信履歴保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る情報処理装置の送信履歴情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る画像形成装置の送信履歴情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図1図14を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、情報処理装置、通信システムおよびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
(通信システムの全体構成)
図1は、実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。図1を参照しながら、本実施形態に係る通信システムの構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る通信システム1は、PC10a、10bと、MFP20a、20bと、を含む。PC10a、10bおよびMFP20a、20bは、それぞれ互いにLAN(Local Area Network)2を介して通信可能に接続されている。なお、LAN2は、限定区域内のネットワークに限定されるものではなく、例えば、WAN(Wide Area Network)、インターネットまたは専用線等のネットワークであってもよく、有線通信または無線通信のいずれのネットワークを含んでいてもよい。
【0012】
PC10a、10bは、PC-FAXによりFAX送信させるための原稿データをMFP20a、20bへ、LAN2を介して送信する情報処理装置である。なお、当該情報処理装置は、PCであることに限定されるものではなく、例えば、ワークステーション、または、スマートフォンもしくはタブレット端末等のモバイル端末等であってもよい。また、PC10a、10bについて、任意のPCを示す場合、または総称する場合、単に「PC10」と称するものとする。また、図1に示す通信システム1では、情報処理装置であるPCとしてPC10a、10bの2台が含まれる構成としているが、これに限定されるものではなく、1台または3台以上の情報処理装置が含まれるものとしてもよい。
【0013】
MFP20a、20bは、PC-FAXにより、PC10a、10bからFAX送信するための原稿データを、LAN2を介して受信し、当該原稿データをFAX送信先であるFAX50へ、公衆回線網3を介してFAX送信する画像形成装置である。ここで、MFPとは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびFAX機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機である。また、公衆回線網3は、例えば、アナログ回線、またはISDN(Integrated Services Digital Network)等のデジタル回線である。なお、MFP20a、20bについて、任意のMFPを示す場合、または総称する場合、単に「MFP20」と称するものとする。また、図1に示す通信システム1では、画像形成装置であるMFPとしてMFP20a、20bの2台が含まれる構成としているが、これに限定されるものではなく、1台または3台以上の画像形成装置が含まれるものとしてもよい。
【0014】
FAX50は、PC10およびMFP20によるPC-FAXにより、原稿データを3を介してFAX受信し、当該原稿データを印刷出力するFAX装置の一例である。なお、FAX50は、FAX機能のみを有するFAX装置に限定されるものではなく、FAX受信した原稿データについて印刷処理を行える装置であれば、MFP等の装置であってもよい。
【0015】
(PCのハードウェア構成)
図2は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態に係るPC10のハードウェア構成について説明する。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係るPC10は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、通信I/F304と、入出力I/F305と、入力装置306と、表示装置307と、補助記憶装置308と、を備えている。このうち、CPU301、ROM302、RAM303、通信I/F304、入出力I/F305および補助記憶装置308は、アドレスバスおよびデータバス等のバス310によって互いに通信可能に接続されている。
【0017】
CPU301は、PC10全体の動作を制御する集積回路である。ROM302は、起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)およびファームウェア等のプログラムを記憶している不揮発性の記憶装置である。RAM303は、CPU301のワークエリア等として使用される揮発性の記憶装置である。
【0018】
通信I/F304は、PC10をLAN2に接続し、LAN2に接続された外部装置との通信を行うためのネットワークインターフェースである。
【0019】
入出力I/F305は、マウスまたはディスプレイ等の入出力機器を接続するためのインターフェースである。入力装置306は、マウスまたはキーボード等の入力装置であり、入出力I/F305に接続されている。表示装置307は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であり、入出力I/F305に接続されている。
【0020】
なお、PC10がスマートフォンまたはタブレット端末等の情報端末である場合、入力装置306および表示装置307は、タッチパネルディスプレイによって実現される。この場合、入力装置306は、タッチパネルディスプレイのタッチ入力機能によって実現され、表示装置307は、タッチパネルディスプレイの表示機能によって実現される。
【0021】
補助記憶装置308は、PC10の動作を実現するOS(Operating System)および各種プログラム、ならびに後述する初期設定ファイルおよび保存先情報等を記憶する不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置308は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等である。
【0022】
なお、PC10のハードウェア構成は一例を示すものであり、図2に示す構成に限定されるものではなく、例えば、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
【0023】
(MFPのハードウェア構成)
図3は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、本実施形態に係るMFP20のハードウェア構成について説明する。
【0024】
図3に示すように、本実施形態に係るMFP20は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ネットワークI/F404と、補助記憶装置405と、パネルI/F406と、USB(Universal Serial Bus) I/F407と、モデム408と、エンジン部409と、タッチパネル420と、を備えている。
【0025】
CPU401は、MFP20全体の動作を制御する集積回路である。なお、CPU401に代えて、CPUコアと周辺回路等を制御するための機能とを搭載した集積回路であるSoC(System on a Chip)を用いるものとしてもよい。
【0026】
ROM402は、例えば、MFP20の起動時に実行されるBIOS、および各種の設定等を記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM403は、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性の記憶装置である。
【0027】
ネットワークI/F404は、MFP20をLAN2に接続し、LAN2に接続された外部装置との通信を行うためのネットワークインターフェースである。
【0028】
補助記憶装置405は、例えば、OS、アプリケーションプログラム、および各種データ等、ならびに後述する保存先管理テーブル等を記憶する不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置405は、例えば、フラッシュメモリ、HDDまたはSSD等である。
【0029】
パネルI/F406は、タッチパネル420と通信するためのインターフェースである。USB I/F407は、外部の各種USB機器と通信するためのインターフェースである。
【0030】
モデム408は、公衆回線網3に接続し、FAX機能によりデータを送受信する装置である。
【0031】
エンジン部409は、コピー機能、スキャナ機能、およびプリンタ機能等の機能を実現させるための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン部409には、例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ部、および用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ部等が含まれる。なお、エンジン部409は、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャ、または原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder:自動原稿給送装置)のような特定のオプションが含まれていてもよい。
【0032】
タッチパネル420は、タッチ入力機能、および液晶ディスプレイ等による表示機能を有するタッチパネルディスプレイである。
【0033】
なお、MFP20のハードウェア構成は一例を示すものであり、図3に示す構成に限定されるものではなく、例えば、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
【0034】
(PCの機能ブロックの構成および動作)
図4は、実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図5は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保存先設定・履歴表示画面の一例を示す図である。図6は、ドライバの初期設定ファイルの一例を示す図である。図7は、PC-FAXにおける送信ジョブのフォーマットの一例を示す図である。図4図7を参照しながら、本実施形態に係るPC10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0035】
図4に示すように、本実施形態に係るPC10は、保存先決定部101(決定部)と、送信ジョブ生成部102(生成部)と、履歴情報取得部103(取得部)と、通信部104(転送部)と、記憶部105と、入力部106と、表示制御部107と、表示部108と、を有する。
【0036】
保存先決定部101は、PC10からPC-FAXによりFAX送信される原稿データについての送信結果等を示す送信履歴についての情報(以下、単に「送信履歴情報」と称する場合がある)の保存先を決定(確定)する機能部である。また、保存先決定部101は、決定した保存先を、PC10にログインしているユーザのユーザIDと関連付けた保存先情報として、記憶部105へ記憶させる。
【0037】
例えば、図5に示す表示部108に表示された保存先設定・履歴表示画面1000において、保存先表示領域1002(表示領域)に送信履歴情報を保存する保存先(例えば、特定の装置での特定のディレクトリを示すパス)が表示されている状態であるものとする。この状態で、ユーザにより送信ボタン1003が押下操作された場合に、保存先決定部101は、保存先表示領域1002に表示された保存先を、送信履歴情報を保存する保存先として決定し、当該保存先の情報をユーザIDと関連付けて、記憶部105へ記憶させる。また、保存先表示領域1002に対する送信履歴情報を保存する保存先の入力については、ユーザの入力部106の操作による直接入力の他、参照ボタン1001を押下操作することにより表示されるダイアログボックス等で保存先のパス(ディレクトリ)を選択することにより入力することができる。また、保存先表示領域1002で指定できる保存先として、例えば、PC10、MFP20、サーバ、またはクラウド等の記憶装置の領域(ディレクトリ)を指定することができる。
【0038】
また、後述するように、保存先設定・履歴表示画面1000が表示制御部107によって表示部108に表示する際、表示制御部107は、PC10にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が既に記憶部105に記憶されている場合には、当該保存先情報を読み出して、保存先表示領域1002に表示させるものとしてもよい。
【0039】
また、送信履歴取得ボタン1004は、後述するように、履歴情報取得部103に対して、送信履歴情報を、保存先情報が示す保存先から取得させるためのボタンである。送信履歴表示領域1005は、履歴情報取得部103により取得された送信履歴情報が表示される表示領域である。図5に示す例では、送信履歴表示領域1005には、「日時」、「枚数」、「相手先」、「オプション」および「結果」が表示されるものとしている。「日時」は、PC-FAXによりMFP20から相手先のFAX装置に、原稿データが送信された日時を示す。「枚数」は、例えば、MFP20からFAX送信された原稿データのページ数を示す。「相手先」は、MFP20から原稿データをFAX送信する相手先のFAX装置(例えば、図1に示すFAX50)のFAX番号等を示す。「オプション」は、原稿データのFAX送信についての付随的な情報(例えば、原稿データが経由した公衆回線網3の種類、または相手先のFAX装置の種別等)を示す。「結果」は、PC-FAXによるMFP20からの原稿データのFAX送信の結果を示す。
【0040】
なお、図5に示す送信履歴表示領域1005に表示される情報は、上述の情報に限定されるものではなく、上述の情報の一部のみ表示、または他の情報を表示するものとしてもよい。
【0041】
送信ジョブ生成部102は、保存先決定部101により決定された保存先を示す保存先情報、およびFAX送信する原稿データ等を含む送信ジョブを生成する機能部である。送信ジョブ生成部102により生成された送信ジョブは、通信部104により、LAN2を介してMFP20へ送信される。
【0042】
送信ジョブ生成部102により生成される送信ジョブは、例えば、図6に示すように、PJL(Printer Job Language)部、送信オプション情報、送信先情報、ページ情報、および画像データを含むフォーマットで構成される。PJL部は、ユーザにより指定された印刷設定等をPJLコマンド等で表した制御情報を示す。送信オプション情報は、原稿データのFAX送信に関する付随的な情報を示し、送信ジョブに係るユーザのユーザID、および保存先決定部101により決定された保存先を示す保存先情報を含む。送信先情報は、原稿データのFAX送信先(相手先)のFAX装置のFAX番号等を示す情報である。ページ情報は、原稿データのページ枚数等の情報である。画像データは、原稿データの本体であるJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の画像情報である。
【0043】
なお、送信ジョブ生成部102は、保存先表示領域1002に保存先が表示されていない状態であっても、送信ジョブを生成できるものとしてもよい。この場合、後述するように、送信履歴情報が保存される保存先としては、保存先管理テーブル(後述)に登録されたデフォルトの保存先、または、登録されていなければMFP20のシステムとして定義しているデフォルトの保存先に保存される。
【0044】
履歴情報取得部103は、PC10にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が示す保存先から、FAX送信についての送信履歴情報を取得する機能部である。例えば、図5に示す保存先設定・履歴表示画面1000において、ユーザにより送信履歴取得ボタン1004が押下操作されると、履歴情報取得部103は、ユーザIDに対応する保存先情報を記憶部105から読み出す。次に、履歴情報取得部103は、当該保存先情報が示す保存先(例えば、PC10、MFP20、サーバ、またはクラウド等の記憶装置の領域(ディレクトリ))から、送信履歴情報を、通信部104を介して取得する。そして、表示制御部107は、履歴情報取得部103により所得された送信履歴情報を、保存先設定・履歴表示画面1000の送信履歴表示領域1005に表示させる。図5に示す保存先設定・履歴表示画面1000の例では、送信履歴表示領域1005に送信履歴情報として、日時が「2018/10/1」、枚数が「3」、相手先が「03-1234-5678」、オプションが無し、結果が「送信OK」のように表示されている。
【0045】
通信部104は、LAN2を介して外部装置とのデータ通信を行う機能部である。具体的には、通信部104は、送信ジョブ生成部102により生成された保存先情報等を含む送信ジョブを、LAN2を介してMFP20へ送信(転送)する。また、通信部104は、履歴情報取得部103により記憶部105から読み出された保存先情報が示す保存先から、送信履歴情報を受信して、履歴情報取得部103へ送る。通信部104は、例えば、図2に示すCPU301により実行されるプログラム、および通信I/F304によって実現される。
【0046】
記憶部105は、後述する初期設定ファイル、および保存先情報等を記憶する機能部である。記憶部105は、図2に示す補助記憶装置308によって実現される。
【0047】
入力部106は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能部である。入力部106は、図2に示す入力装置306によって実現される。
【0048】
表示制御部107は、表示部108の表示動作を制御する機能部である。例えば、表示制御部107は、上述した図5に示す保存先設定・履歴表示画面1000を表示部108に表示させる。また、表示制御部107は、上述したように、履歴情報取得部103により取得された送信履歴情報を、保存先設定・履歴表示画面1000の送信履歴表示領域1005に表示させる。
【0049】
表示部108は、表示制御部107の制御に従って各種情報を表示する機能部である。表示部108は、図2に示す表示装置307によって実現される。
【0050】
保存先決定部101、送信ジョブ生成部102、履歴情報取得部103および表示制御部107は、例えば、図2に示すCPU301によって実行されるプログラムによって実現される。なお、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0051】
また、上述の保存先設定・履歴表示画面1000等のUI(User Interface)を提供するPC-FAX用ドライバがPC10にインストールされる際、予め記憶部105に保存、または、当該ドライバのインストールファイルに含まれている初期設定ファイル(初期設定情報)が参照される。この初期設定ファイルの例を、図7に示す。図7に示す初期設定ファイルの例では、PC-FAX用ドライバの初期設定(デフォルト設定)として、両面印刷の有効、および、集約印刷の有効が設定されている。また、図7に示すように、初期設定ファイルでは、送信履歴情報を保存する保存先を示す保存先情報(図7に示す「FAX送信履歴フォルダ」)も設定しておくことが可能であってもよい。このように、初期設定ファイルにより保存先情報が定義されている場合には、PC-FAX用ドライバがインストールされると、送信履歴情報を保存するための保存先情報が固定され、当該保存先情報が変更不可となる。ただし、管理者権限を有するユーザIDでPC10にログインした場合に、当該保存先情報を変更可能とするものとしてもよい。固定の保存先情報は、記憶部105に記憶されるものとしてもよく、固定の情報であるためレジストリに記憶されるものとしてもよい。なお、図7に示した初期設定ファイルが示す初期設定内容は一例であって、異なる初期設定が設定されているものとしてもよいのは言うまでもない。
【0052】
なお、図4に示すPC10の保存先決定部101、送信ジョブ生成部102、履歴情報取得部103、通信部104、記憶部105、入力部106、表示制御部107および表示部108は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4に示すPC10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4に示すPC10で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0053】
(MFPの機能ブロックの構成および動作)
図8は、実施形態に係る画像形成装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図9は、保存先管理テーブルの一例を示す図である。図10は、実施形態に係る画像形成装置に表示される履歴表示画面の一例を示す図である。図8図10を参照しながら、本実施形態に係るMFP20の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0054】
図8に示すように、本実施形態に係るMFP20は、ジョブ取得部201(第1取得部)と、ジョブ送信実行部202(送信実行部)と、登録部203と、保存部204と、履歴情報取得部205(第2取得部)と、FAX通信部206と、通信部207と、記憶部208と、入力部209と、表示制御部210と、表示部211と、を有する。
【0055】
ジョブ取得部201は、PC10から通信部207を介して、PC-FAXの送信ジョブを取得する機能部である。
【0056】
ジョブ送信実行部202は、ジョブ取得部201により取得された送信ジョブを、当該送信ジョブに含まれる送信先情報が示す相手先へ、公衆回線網3を介してFAX通信部206にFAX送信させる機能部である。また、ジョブ送信実行部202は、相手先へ送信ジョブがFAX送信された結果を示す情報等を送信履歴情報として取得する。
【0057】
登録部203は、ジョブ取得部201により取得された送信ジョブに含まれるユーザIDと保存先情報とを関連付けて、記憶部208に記憶されている保存先管理テーブル(管理情報の一例)へ登録する機能部である。ここで、保存先管理テーブルの一例として、図9に保存先管理テーブル2000を示す。図9に示す保存先管理テーブル2000では、ユーザIDと保存先情報(図9における「履歴保存先」)とが関連付けて登録されている。例えば、ユーザIDが「aaa」に関連付けられている保存先情報は「xxxx.xxxx.xxxx/bbb/ccc」となっている。また、送信ジョブに保存先情報が含まれていなかった場合のデフォルトの保存先情報として、ユーザID「Default」に関連付けられた保存先情報「xxxx.xxxx.xxxx/aaa/aaa」が登録されている。なお、保存先管理テーブル2000は、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、テーブルの各カラムの値が互いに関連付けて管理することができれば、どのような形式の情報であってもよい。
【0058】
保存部204は、ジョブ送信実行部202により取得された送信履歴情報を、FAX送信された送信ジョブに含まれる保存先情報が示す保存先に保存させる機能部である。
【0059】
履歴情報取得部205は、記憶部208に記憶されている保存先管理テーブルを参照し、MFP20にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が示す保存先から、FAX送信についての送信履歴情報を取得する機能部である。例えば、図10に示す表示部211に表示された履歴表示画面2100において、ユーザにより送信履歴取得ボタン2103が押下操作されると、履歴情報取得部205は、保存先管理テーブルを参照し、ユーザID設定部2101に表示されているユーザIDに対応する保存先情報を読み出す。次に、履歴情報取得部205は、当該保存先情報が示す保存先(例えば、PC10、MFP20、サーバ、またはクラウド等の記憶装置の領域(ディレクトリ))から、送信履歴情報を、通信部207を介して取得する。そして、表示制御部210は、履歴情報取得部205により取得された送信履歴情報を、履歴表示画面2100の送信履歴表示領域2104に表示させる。図10に示す履歴表示画面2100の例では、送信履歴表示領域2104に送信履歴情報として、日時が「2018/10/5」、枚数が「2」、相手先が「06-1234-5678」、オプションが無し、結果が「送信OK」のように表示されている。
【0060】
また、表示制御部210は、履歴表示画面2100を表示部211に表示させる場合、ユーザID設定部2101にMFP20にログインしているユーザのユーザIDを表示させ、保存先管理テーブルを参照して当該ユーザIDに対応する保存先情報を読み出して、保存先表示領域2102に表示させるものとしてもよい。この場合、履歴情報取得部205は、保存先管理テーブル2000を参照せずに、保存先表示領域2102に表示された保存先情報が示す保存先から、送信履歴情報を、通信部207を介して取得するものとしてもよい。また、ユーザID設定部2101では、異なるユーザIDを設定できるものとしてもよい。ユーザID設定部2101で異なるユーザIDが設定されると、表示制御部210は、保存先管理テーブルを参照し、ユーザID設定部2101に設定されたユーザIDに対応する保存先情報を読み出して、保存先表示領域2102に表示させる。
【0061】
FAX通信部206は、公衆回線網3を介して外部のFAX装置とFAX通信を行う機能部である。具体的には、FAX通信部206は、ジョブ送信実行部202の指令に従って、ジョブ取得部201により取得された送信ジョブを、当該送信ジョブに含まれる送信先情報が示す相手先へ、公衆回線網3を介してFAX送信する。FAX通信部206は、例えば、図3に示すCPU401により実行されるプログラム、およびモデム408によって実現される。
【0062】
通信部207は、LAN2を介して外部装置とのデータ通信を行う機能部である。具体的には、通信部207は、PC10からLAN2を介して、PC-FAXの送信ジョブを受信して、ジョブ送信実行部202へ送る。また、通信部207は、履歴情報取得部205により保存先管理テーブルから読み出された保存先情報が示す保存先から、送信履歴情報を受信して、履歴情報取得部205へ送る。通信部207は、例えば、図3に示すCPU401により実行されるプログラム、およびネットワークI/F404によって実現される。
【0063】
記憶部208は、上述した保存先管理テーブル等を記憶する機能部である。記憶部208は、図3に示す補助記憶装置405によって実現される。
【0064】
入力部209は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能部である。入力部209は、図3に示すタッチパネル420のタッチ入力機能によって実現される。また、入力部209は、タッチパネル420のタッチ入力機能の他、タッチパネル420近傍に設置されたハードスイッチ等によって実現されるものとしてもよい。
【0065】
表示制御部210は、表示部211の表示動作を制御する機能部である。例えば、表示制御部210は、上述した図10に示す履歴表示画面2100を表示部211に表示させる。また、表示制御部210は、上述したように、履歴情報取得部205により取得された送信履歴情報を、履歴表示画面2100の送信履歴表示領域2104に表示させる。
【0066】
表示部211は、表示制御部210の制御に従って各種情報を表示する機能部である。表示部211は、図3に示すタッチパネル420の表示機能によって実現される。
【0067】
ジョブ取得部201、ジョブ送信実行部202、登録部203、保存部204、履歴情報取得部205および表示制御部210は、例えば、図3に示すCPU401によって実行されるプログラムによって実現される。なお、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGAまたはASIC等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0068】
なお、図8に示すMFP20のジョブ取得部201、ジョブ送信実行部202、登録部203、保存部204、履歴情報取得部205、FAX通信部206、通信部207、記憶部208、入力部209、表示制御部210および表示部211は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図8に示すMFP20で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図8に示すMFP20で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0069】
(PC側のPC-FAXの送信処理)
図11は、実施形態に係る情報処理装置のPC-FAXの送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11を参照しながら、本実施形態に係るPC10によるPC-FAXの送信処理の流れについて説明する。なお、予め上述のPC-FAX用ドライバがPC10にインストールされているものとする。
【0070】
<ステップS11>
PC10の表示制御部107は、ユーザの入力部106に対する操作入力に従って、表示部108に保存先設定・履歴表示画面1000を表示させる。そして、ステップS12へ移行する。
【0071】
<ステップS12>
表示制御部107は、PC-FAX用ドライバのインストール時に参照された初期設定ファイルに基づき、記憶部105(またはディレクトリ)に固定の保存先情報が記憶されているか否かを確認する。固定の保存先情報が記憶されていない場合(ステップS12:Yes)、ステップS13へ移行し、記憶されている場合(ステップS12:No)、ステップS15へ移行する。
【0072】
<ステップS13>
表示制御部107は、PC10にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が既に記憶部105に記憶されている場合には、当該保存先情報を読み出して、保存先表示領域1002に表示させる。すなわち、この場合に表示される保存先情報は、前回(直近に)当該ユーザIDに対応するFAX送信されたときの送信結果等を示す送信履歴情報が保存された保存先を示す情報とすればよい。これによって、ユーザは、PC-FAXを利用する度に保存先表示領域1002へ保存先を入力する必要がなく、操作性を向上させることができる。そして、ステップS14へ移行する。
【0073】
<ステップS14>
ユーザは、保存先表示領域1002に表示された保存先を確認し、別の保存先の指定を所望する場合、入力部106に対する操作によって別の保存先に変更する。そして、ステップS16へ移行する。
【0074】
<ステップS15>
固定の保存先情報が記憶されている場合、表示制御部107は、記憶部105またはレジストリに記憶された当該固定の保存先情報を読み出し、保存先表示領域1002に表示させる。この場合、固定の保存先情報の設定変更は不可であるものとして、表示制御部107は、保存先表示領域1002に表示された固定の保存先をグレーダウンするものとしてもよい。そして、ステップS16へ移行する。
【0075】
<ステップS16>
ユーザにより、保存先設定・履歴表示画面1000において送信ボタン1003が押下操作(送信実行操作)されると、PC10の保存先決定部101は、保存先表示領域1002に表示された保存先を、PC10からPC-FAXによりFAX送信される原稿データについての送信結果等を示す送信履歴情報の保存先として決定(確定)するこの場合、保存先決定部101は、保存先表示領域1002に表示された保存先が固定の保存先情報でない場合、当該保存先情報をユーザIDと関連付けて、記憶部105へ記憶させる。そして、ステップS17へ移行する。
【0076】
<ステップS17>
PC10の送信ジョブ生成部102は、保存先決定部101により決定された保存先を示す保存先情報、ユーザID、およびFAX送信する原稿データ等を含む送信ジョブを生成する。そして、ステップS18へ移行する。
【0077】
<ステップS18>
PC10の通信部104は、送信ジョブ生成部102により生成された保存先情報等を含む送信ジョブを、LAN2を介してMFP20へ送信(転送)する。
【0078】
以上のステップS11~S18の流れで、PC10によるPC-FAXの送信処理が行われる。
【0079】
(MFP側のPC-FAXの送信処理)
図12は、実施形態に係る画像形成装置のPC-FAXの送信履歴保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12を参照しながら、本実施形態に係るMFP20によるPC-FAXの送信処理の流れについて説明する。
【0080】
<ステップS21>
MFP20の通信部207は、PC10からLAN2を介して、PC-FAXの送信ジョブを受信する。MFP20のジョブ取得部201は、通信部207から当該送信ジョブを取得する。そして、ステップS22へ移行する。
【0081】
<ステップS22>
MFP20のジョブ送信実行部202は、ジョブ取得部201により取得された送信ジョブを、当該送信ジョブに含まれる送信先情報が示す相手先へ、公衆回線網3を介してFAX通信部206にFAX送信させる。そして、ジョブ送信実行部202は、相手先へ送信ジョブがFAX送信された結果を示す情報等を送信履歴情報として取得する。そして、ステップS23へ移行する。
【0082】
<ステップS23>
ジョブ取得部201により取得された送信ジョブに、保存先情報が含まれている場合(ステップS23:Yes)、ステップS24へ移行し、含まれていない場合(ステップS23:No)、ステップS27へ移行する。
【0083】
<ステップS24>
MFP20の登録部203は、ジョブ取得部201により取得された送信ジョブに含まれるユーザIDと保存先情報とを関連付けて、記憶部208に記憶されている保存先管理テーブルへ登録する。ステップS25へ移行する。
【0084】
<ステップS25>
MFP20の保存部204は、ジョブ送信実行部202により取得された送信履歴情報を、FAX送信された送信ジョブに含まれる保存先情報(ステップS24を経由した場合)、または、保存先管理テーブルに登録されたデフォルトの保存先情報(ステップS27を経由した場合)に示す保存先に保存させる。なお、保存部204は、登録部203により保存先管理テーブルに登録された該当するユーザIDの保存先情報を参照して、当該保存先情報が示す保存先に送信履歴情報を保存させるものとしてもよい。このように、PC10側で保存先が指定されなかったために、送信ジョブに保存先情報が含まれていなくても、デフォルトの保存先情報が保存先管理テーブルに登録されていることによって、送信履歴情報を保存させることができる。そして、ステップS26へ移行する。
【0085】
<ステップS26>
保存部204による送信履歴情報の保存先への保存が成功した場合(ステップS26:Yes)、MFP20によるPC-FAXの送信処理を終了し、保存が失敗した場合(ステップS26:No)、ステップS28へ移行する。ここで、送信履歴情報の保存先への保存の失敗としては、例えば、保存先情報が示す保存先が、見つからない、または故障等によって保存不可の状態となっていることにより保存ができなかった場合等が挙げられる。
【0086】
<ステップS27>
ジョブ取得部201により取得された送信ジョブに、保存先情報が含まれていなかった場合、保存部204は、保存先管理テーブルを参照し、デフォルトの保存先情報(所定の保存先情報)が登録されているか否かを確認する。例えば、上述したように、図9に示す保存先管理テーブル2000の例では、デフォルトの保存先情報として、ユーザID「Default」に関連付けられた保存先情報「xxxx.xxxx.xxxx/aaa/aaa」が登録されている。デフォルトの保存先情報が登録されている場合(ステップS27:Yes)、ステップS25へ移行し、登録されていない場合(ステップS27:No)、ステップS28へ移行する。
【0087】
<ステップS28>
保存部204は、通常の履歴保存処理として、ジョブ送信実行部202により取得された送信履歴情報を、MFP20のシステムとして定義しているデフォルトの保存先(例えば、MFP20の記憶部208の既定のフォルダ)(所定の保存先)へ保存させる。そして、MFP20によるPC-FAXの送信処理を終了する。
【0088】
以上のステップS21~S28の流れで、MFP20によるPC-FAXの送信処理が行われる。
【0089】
(PC側の送信履歴情報の表示処理)
図13は、実施形態に係る情報処理装置の送信履歴情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13を参照しながら、本実施形態に係るPC10による送信履歴情報の表示処理の流れについて説明する。
【0090】
<ステップS31>
ユーザは、PC10の表示部108に表示された保存先設定・履歴表示画面1000において送信履歴取得ボタン1004を押下操作する。そして、ステップS32へ移行する。
【0091】
<ステップS32>
PC10の履歴情報取得部103は、PC10にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が示す保存先から、FAX送信についての送信履歴情報を取得する。そして、ステップS33へ移行する。
【0092】
<ステップS33>
PC10の表示制御部107は、履歴情報取得部103により取得された送信履歴情報を、保存先設定・履歴表示画面1000の送信履歴表示領域1005に表示させる。そして、PC10による送信履歴情報の表示処理を終了する。
【0093】
(MFP側の送信履歴情報の表示処理)
図14は、実施形態に係る画像形成装置の送信履歴情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14を参照しながら、本実施形態に係るMFP20による送信履歴情報の表示処理の流れについて説明する。
【0094】
<ステップS41>
ユーザは、入力部209に対する操作入力により、MFP20の表示部211に履歴表示画面2100を表示させる。そして、ステップS42へ移行する。
【0095】
<ステップS42>
ユーザは、表示された履歴表示画面2100において、ユーザID設定部2101にユーザIDを指定して、送信履歴取得ボタン2103を押下操作する。そして、ステップS43へ移行する。
【0096】
<ステップS43>
MFP20の履歴情報取得部205は、記憶部208に記憶されている保存先管理テーブルを参照し、MFP20にログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が示す保存先から、FAX送信についての送信履歴情報を取得する。そして、ステップS44へ移行する。
【0097】
<ステップS44>
MFP20の表示制御部210は、履歴情報取得部205により取得された送信履歴情報を、履歴表示画面2100の送信履歴表示領域2104に表示させる。そして、MFP20による送信履歴情報の表示処理を終了する。
【0098】
以上のように、本実施形態に係るPC10およびMFP20を含む通信システム1では、PC10側でPC-FAXによる送信履歴情報を保存する保存先を任意に決定することができる。そして、PC10は、決定した保存先情報を送信ジョブに含めてMFP20へ送信(転送)し、MFP20は、送信ジョブに含まれる保存先情報が示す保存先に、当該送信ジョブをFAX送信した場合の送信履歴情報を保存させるものとしている。これによって、PC-FAXによるFAX送信した場合の送信履歴情報を任意の場所(保存先)に蓄積することができる。また、ユーザごとに送信履歴情報を任意の場所に蓄積させることができるので、特定の装置の記憶装置に偏って蓄積されることがなく、当該記憶装置の容量の圧迫を回避することもできる。
【0099】
また、MFP20は、PC10から転送されてきた送信ジョブに含まれる保存先情報を、ユーザIDと関連付けて保存先管理テーブルに登録するものとしている。これによって、MFP20は、履歴表示画面2100上で指定されたユーザIDに対応する保存先情報を保存先管理テーブル2000から取得し、当該保存先情報が示す保存先から送信履歴情報を取得して、履歴表示画面2100に表示させることができる。
【0100】
また、PC10は、保存先表示領域1002に表示された保存先を送信履歴情報の保存先として決定し、当該保存先を示す保存先情報をユーザIDと関連付けて記憶するものとしている。これによって、PC10は、保存先設定・履歴表示画面1000においてログインしているユーザのユーザIDに対応する保存先情報が示す保存先から送信履歴情報を取得して、保存先設定・履歴表示画面1000に表示させることができる。
【0101】
なお、上述のようにMFP20は、少なくともFAX機能を有するMFPであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、PC-FAX機能を有する装置であればMFP以外の画像形成装置であってもよい。
【0102】
また、上述の実施形態において、PC10およびMFP20の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態に係るPC10およびMFP20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るPC10およびMFP20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るPC10およびMFP20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るPC10およびMFP20で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0103】
1 通信システム
2 LAN
3 公衆回線網
10、10a、10b PC
20、20a、20b MFP
50 FAX
101 保存先決定部
102 送信ジョブ生成部
103 履歴情報取得部
104 通信部
105 記憶部
106 入力部
107 表示制御部
108 表示部
201 ジョブ取得部
202 ジョブ送信実行部
203 登録部
204 保存部
205 履歴情報取得部
206 FAX通信部
207 通信部
208 記憶部
209 入力部
210 表示制御部
211 表示部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 通信I/F
305 入出力I/F
306 入力装置
307 表示装置
308 補助記憶装置
310 バス
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 ネットワークI/F
405 補助記憶装置
406 パネルI/F
407 USB I/F
408 モデム
409 エンジン部
410 バス
420 タッチパネル
1000 保存先設定・履歴表示画面
1001 参照ボタン
1002 保存先表示領域
1003 送信ボタン
1004 送信履歴取得ボタン
1005 送信履歴表示領域
1100 初期設定ファイル
1200 送信ジョブ
2000 保存先管理テーブル
2100 履歴表示画面
2101 ユーザID設定部
2102 保存先表示領域
2103 送信履歴取得ボタン
2104 送信履歴表示領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【文献】特開2012-186559号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14