(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理装置の画面表示方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220830BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 L
G03G21/00 386
G03G21/00 376
(21)【出願番号】P 2018239750
(22)【出願日】2018-12-21
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】山内 慎
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-164967(JP,A)
【文献】米国特許第06859287(US,B1)
【文献】特開2017-038237(JP,A)
【文献】特開平11-109797(JP,A)
【文献】特開2000-341463(JP,A)
【文献】特開2014-175918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動原稿給送装置と、
原稿載置台と、
前記自動原稿給送装置と前記原稿載置台の少なくとも一方に設けられ、原稿を検知する原稿検知部と、
表示部に画像を表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記原稿検知部の検知の結果に応じて、前記自動原稿給送装置に配置される原稿の向きを選択させる第1画面、又は、前記原稿載置台に配置される原稿の向きを選択させる第2画面のいずれかを前記表示部に表示させ
、
前記第1画面と前記第2画面とは、互いに切り替えることが可能であって、
画面を切り替え前の一方の画面において選択された原稿の向きが、画面を切り替え後の他方の画面において選択される
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1画面は、前記自動原稿給送装置に異なる向きに配置された原稿の複数の第1画像を備え、
前記第2画面は、前記原稿載置台に異なる向きに配置された原稿の複数の第2画像を備え、
前記第1画像のいずれか一つ又は前記第2画像のいずれか一つを選択させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1画像と、前記第2画像は、前記表示部の画面上に同じ並び方で表示され、
原稿が同じ向きに配置された前記第1画像と前記第2画像は、前記表示部の同じ箇所に表示される
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記自動原稿給送装置と、前記原稿載置台とでは、原稿の読み取られる面が、重力方向に対して逆であり、
前記第1画像と前記第2画像は、文字の画像を含み、
前記第2画像の前記文字は左右反転している
ことを特徴とする請求項2乃至
3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
自動原稿給送装置と、
原稿載置台と、
前記自動原稿給送装置と前記原稿載置台の少なくとも一方に設けられ、原稿を検知する原稿検知部と、
表示部に画像を表示させる表示制御部と、を備える画像処理装置の画面表示方法であって、
前記原稿検知部が、前記自動原稿給送装置と前記原稿載置台の少なくとも一方において、原稿を検知する原稿検知ステップと、
前記表示制御部が、前記原稿検知ステップでの検知の結果に応じて、前記自動原稿給送装置に配置される原稿の向きを選択させる第1画面、又は、前記原稿載置台に配置される原稿の向きを選択させる第2画面のいずれかを表示部に表示させる画面表示ステップと、を備え
、
前記第1画面と前記第2画面とは、互いに切り替えることが可能であって、
画面を切り替え前の一方の画面において選択された原稿の向きが、画面を切り替え後の他方の画面において選択される
ことを特徴とする画像処理装置の画面表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理装置の画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置等では、ADF(Auto Documennt Feeder)やコンタクトガラス等において、原稿の方向を設定し、設定された方向に原稿をセットすることで、ユーザの意図した印刷面で処理が実行される。
【0003】
従来の画像処理装置において、原稿の方向の設定が求められる処理とは、例えば両面印刷処理や集約印刷処理、ステープル処理等である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿の方向の設定を容易に行うために、原稿の向きを画像の一覧から選択することが考えられる。
【0005】
従来の画像処理装置では、ADFに原稿をセットした画像とコンタクトガラスに原稿をセットした画像を表示していた(特許文献1)。しかしながら、両方の画像について、原稿の方向を画像の一覧により設定しようとすると、ADFとコンタクトガラスのそれぞれの場合について画像が必要なため、表示画面に多くの画像を表示しなければならなかった。また、多くの画像があるため、画像の選択が困難であった。
【0006】
開示の技術は、ユーザが原稿の方向の設定を容易に行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術は、自動原稿給送装置と、原稿載置台と、前記自動原稿給送装置と前記原稿載置台の少なくとも一方に設けられ、原稿を検知する原稿検知部と、表示部に画像を表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記原稿検知部の検知の結果に応じて、前記自動原稿給送装置に配置される原稿の向きを選択させる第1画面、又は、前記原稿載置台に配置される原稿の向きを選択させる第2画面のいずれかを前記表示部に表示させ、
前記第1画面と前記第2画面とは、互いに切り替えることが可能であって、画面を切り替え前の一方の画面において選択された原稿の向きが、画面を切り替え後の他方の画面において選択される画像処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、ユーザが原稿の方向の設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】画像処理装置の操作装置及び本体装置に含まれるプログラム群の階層構造の一例を示す図である。
【
図4】対象処理記憶部に格納された一覧を説明する図である。
【
図5】操作装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】操作装置の操作パネルにおける画面遷移の例を示す図である。
【
図9】操作装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下に図面を参照して、本実施形態について説明する。本実施形態では、配置される原稿の向きの設定が要求される処理の実行指示がなされた際に、原稿の向きを設定する設定画面を表示させる。
【0011】
図1は、画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0012】
本実施形態の画像処理装置100は、複合機等のMFP(Multifunction Printer)であり、例えば、コピー機能、スキャン機能、FAX機能、プリント機能等の画像処理機能を有している。なお、本実施形態の画像処理装置100は、MFPに限らず、複写機やFAX等でもよい。
【0013】
図1に示すように、画像処理装置100は、操作装置200及び本体装置300を有している。
【0014】
操作装置200は、本体装置300に実行させる画像処理機能の選択、画像処理機能を実行させるための各種設定値の入力、画像処理機能の実行を開始させるための実行指示の入力、表示画面の切り替え等、ユーザが各種操作を行う際に用いられる。
【0015】
本体装置300は、操作装置200におけるユーザの各種操作に応じて、画像処理機能の実行等の各種の処理を実行する。また、本体装置300は、操作装置200に対して、各種のメッセージを表示させるための要求を行う。
【0016】
本実施形態の操作装置200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、及びRAM(Random Access Memory)203を有している。また、操作装置200は、フラッシュメモリ204、操作パネル205、接続I/F(Interface)206、及び通信I/F207を有している。これら各ハードウェアは、バス208を介して相互に接続されている。
【0017】
CPU201は、RAM203をワークエリアとしてROM202又はフラッシュメモリ204に記憶された各種プログラムを実行することにより、操作装置200全体を制御する演算装置である。
【0018】
ROM202は、電源を切ってもデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。RAM203は、プログラムやデータを一時保存する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
【0019】
フラッシュメモリ204は、不揮発性の記憶媒体であり、CPU201が実行する各種プログラム(例えば、本実施形態を実現するプログラム)や各種データを記憶する。
【0020】
操作パネル205は、タッチパネル等であり、ユーザが各種操作を行う際に用いられる。また、操作パネル205は、各種のメッセージを表示する。すなわち、操作パネル205は、例えば、画像処理装置100の各種機能に対してユーザが各種操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)表示画面や、画像処理装置100の処理結果等の情報(エラーメッセージやガイダンスメッセージ等)を表示する。
【0021】
なお、本実施形態の操作パネル205は、表示部の一例である。
【0022】
接続I/F206は、通信路209を介して本体装置300と通信するためのインタフェースである。接続I/F206には、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格のインタフェースが用いられる。
【0023】
通信I/F207は、他の機器等と通信するためのインタフェースである。通信I/F207は、例えば、Wi-Fi規格の無線LANが用いられる。
【0024】
本実施形態の本体装置300は、CPU301、ROM302、及びRAM303を有している。また、本体装置300は、HDD(Hard Disk Drive)304、画像処理エンジン305、接続I/F306、通信I/F307、及び紙センサ309を有している。これら各ハードウェアは、バス308を介して相互に接続されている。
【0025】
CPU301は、RAM303をワークエリアとしてROM302又はHDD304に記憶された各種プログラムを実行することにより、本体装置300全体を制御する演算装置である。
【0026】
ROM302は、電源を切ってもデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。RAM303は、プログラムやデータを一時保存する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
【0027】
HDD304は、不揮発性の記憶媒体であり、CPU301が実行する各種プログラム(例えば、本実施形態を実現するプログラム)や各種データを記憶する。
【0028】
画像処理エンジン305は、コピー機能、スキャン機能、FAX機能、及びプリント機能等の各種の画像処理機能を実現するための画像処理を行うハードウェアである。
【0029】
画像処理エンジン305には、例えば、原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、及びFAX通信を行うFAX通信装置等が含まれる。また、画像処理エンジン305には、例えば、印刷済みのシート材を仕分けるフィニッシャ等が含まれていてもよい。
【0030】
本実施形態の画像処理装置100の画像処理エンジン305は、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)350を備える。ADF350に置かれた原稿はスキャナで読み取られて画像データが生成される。また、画像処理エンジン305は、原稿載置台351を備える。原稿載置台351には、コンタクトガラスが設けられている。原稿載置台351に置かれた原稿はスキャナで読み取られて画像データが生成される。
【0031】
ADF350に原稿が配置される場合と、原稿載置台351に原稿が配置される場合とでは、原稿のスキャナで読み取られる面が重力方向に対して逆になっている。すなわち、ADF350に原稿が配置される場合は、原稿の読み取られる面(文字が印刷されている面)が天井を向くように原稿が配置される。原稿載置台351に原稿が配置される場合は、原稿の読み取られる面(文字が印刷されている面)が地面を向くように原稿が配置される。
【0032】
接続I/F306は、通信路209を介して操作装置200と通信するためのインタフェースである。接続I/F306には、例えば、USB規格のインタフェースが用いられる。
【0033】
通信I/F307は、他の機器等と通信するためのインタフェースである。通信I/F307は、例えば、Wi-Fi規格の無線LANが用いられる。
【0034】
紙センサ309は、原稿を検知するセンサである。紙センサ309は、ADF350に設けられる。紙センサ309は、ADF350に紙が置かれた場合に、原稿を検知する。紙センサ309は、発光部と受光部を備え、原稿が置かれた場合に光が遮られるように、発光部と受光部をADF350に配置する。
【0035】
紙センサ309は、受光部が発光部の光を検知しない場合は、原稿を検知したことを表す検知信号を画像処理エンジン305に出力する。それに対して、受光部が発光部の光を検知した場合は、当該検知信号を画像処理エンジン305に出力しない。
【0036】
なお、本実施形態の紙センサ309は、原稿検知部の一例である。
【0037】
本実施形態の画像処理装置100は、上記ハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
【0038】
なお、
図1では、画像処理装置100が操作装置200を有している構成を一例として示したが、これに限定されない。操作装置200は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PDA等の情報処理端末であってもよい。すなわち、これらの情報処理端末は、操作装置200の通信I/F207又は本体装置300の通信I/F307を介して画像処理装置100と通信することにより、当該画像処理装置100を制御することができてもよい。
【0039】
次に、
図2を参照して、画像処理装置100の操作装置200及び本体装置300に含まれるプログラム群の階層構造について説明する。
図2は、画像処理装置の操作装置及び本体装置に含まれるプログラム群の階層構造の一例を示す図である。
【0040】
図2は、操作装置200に含まれるプログラム群の階層構造、及び本体装置300に含まれるプログラム群の階層構造を示している。
【0041】
操作装置200に含まれるプログラム群は、ROM202、フラッシュメモリ204等に格納されている。本体装置300に含まれるプログラム群は、ROM302、HDD304等に格納されている。
【0042】
はじめに、本体装置300に含まれるプログラム群の階層構造について説明する。本体装置300に含まれるプログラム群は、アプリケーション層310、サービス層320、及びOS(Operating System)層330に大別することができる。
【0043】
アプリケーション層310に区分されるプログラムは、ハードウェア資源を動作させて画像処理機能を実現させるためのプログラムである。具体的には、コピーアプリケーション、スキャンアプリケーション、FAXアプリケーション、及びプリントアプリケーション等が挙げられる。
【0044】
サービス層320に区分されるプログラムは、アプリケーション層310とOS層330との間に介在するプログラムである。当該プログラムは、本体装置300が備えるハードウェア資源を、アプリケーション層310のプログラムが利用したり、本体装置300が備えるハードウェア資源の状態を通知したりするインタフェースとしての役割を果たす。
【0045】
具体的には、ハードウェア資源に対する動作要求を受け付けたり、受け付けた動作要求の調停を行ったりする。また、ハードウェア資源において検出されたエラーを、エラー情報として送信したりする。なお、サービス層320が受け付ける動作要求には、例えば、画像処理エンジン305による画像処理の動作要求(スキャナによる読み取り動作要求やプロッタによる印刷動作要求等)が含まれる。
【0046】
なお、サービス層320に区分されるプログラムが果たすインタフェースとしての役割は、操作装置200のアプリケーション層210に対しても同様である。すなわち、操作装置200のアプリケーション層210に区分されるプログラムも、サービス層320にアクセスすることにより、本体装置300のハードウェア資源を動作させて、画像処理機能を実現させることができる。
【0047】
OS層330に区分されるプログラムは、基本ソフトウェアと呼ばれるプログラムであり、本体装置300が有するハードウェア資源を制御する基本機能を提供する。OS層330に区分されるプログラムは、アプリケーション層310に区分されるプログラムからのハードウェア資源に対する動作要求を、サービス層320に区分されるプログラムを介して受け付けて、当該動作要求に応じた処理を実行する。また、OS層330に区分されるプログラムが実行されることにより、ハードウェア資源において検出されたエラーを受信し、エラー情報としてサービス層320に渡す。
【0048】
次に、操作装置200に含まれるプログラム群の階層構造について説明する。本体装置300と同様に、操作装置200に含まれるプログラム群も、アプリケーション層210、サービス層220、及びOS層230に大別することができる。
【0049】
ただし、アプリケーション層210に区分されるプログラムが提供する機能や、サービス層220が受け付け可能な動作要求の種類は、本体装置300とは異なる。操作装置200のアプリケーション層210に区分されるプログラムは、主として、各種操作や表示を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。
【0050】
なお、本実施形態では、操作装置200と本体装置300とで、OSは独立して動作するものとする。また、操作装置200と本体装置300とが相互に通信可能であれば、OSが同じ種類である必要はない。例えば、操作装置200ではOSにAndroid(登録商標)を用いる一方で、本体装置300ではOSにLinux(登録商標)を用いることも可能である。
【0051】
このように、画像処理装置100では、操作装置200と本体装置300とが異なるOSにより制御されるため、操作装置200と本体装置300との間の通信は、一装置内のプロセス間通信ではなく、異なる情報処理装置間の通信として行われる。例えば、操作装置200が受け付けたユーザの各種操作を示す操作情報を本体装置300へ送信する動作や、本体装置300が操作装置200へ表示画面の表示を指示する表示要求を送信する動作が、これに該当する。
【0052】
ただし、本実施形態の画像処理装置100は、操作装置200と本体装置300とで異なる種類のOSが動作している場合に限られず、操作装置200と本体装置300とで同一種類のOSが動作していてもよい。また、本実施形態の画像処理装置100は、操作装置200と本体装置300とでOSが独立して動作している場合に限られず、操作装置200及び本体装置300上で一のOSが動作していてもよい。
【0053】
なお、
図1及び
図2では、画像処理装置100は、操作装置200と本体装置300とを有する構成としたが、これに限定されない。本実施形態の画像処理装置100は、例えば本体装置300に操作装置200が含まれていてもよい。この場合、本体装置300には操作パネル205が設けられることになる。
【0054】
次に、
図3を参照して本実施形態の操作装置200の機能について説明する。
図3は、操作装置の機能を説明する図である。なお、操作装置200の各機能は、CPU201がアプリケーション層210に区分されるプログラムを実行することで実現される。
【0055】
本実施形態の操作装置200は、表示制御処理部240、本体連携部250、対象処理記憶部260を有する。
【0056】
本実施形態の表示制御処理部240は、操作装置200が受けた操作に基づき、セットした原稿の向きを設定する設定画面を操作パネル205に表示させる。表示制御処理部240の詳細は後述する。
【0057】
本実施形態の本体連携部250は、本体装置300に対して画像処理機能の実行要求を送信したり、操作パネル205上にエラーメッセージやガイダンスメッセージ等の各種メッセージを表示させるためのメッセージ表示要求を本体装置300から受信したりする。
【0058】
対象処理記憶部260は、画像処理装置100で実行される処理の種類と、設定画面を表示する対象の処理であるか否かを示す情報と、が対応付けられた一覧を格納する。本実施形態では、設定画面の表示対象となる処理は、予め決められているものとした。
【0059】
本実施形態における設定画面の表示対象の処理とは、実行する際に原稿の向きの設定が要求される処理である。言い換えれば、設定画面の表示対象の処理とは、操作装置200において設定された原稿の向きを示す情報を用いて実行される処理である。
【0060】
以下に、
図4を参照して、対象処理記憶部260に格納された一覧について説明する。
図4は、対象処理記憶部に格納された一覧を説明する図である。
【0061】
本実施形態の対象処理記憶部260に格納された一覧261は、処理の種類と、設定画面を表示する対象の処理であるか否かを示す情報(以下、表示対象情報)とが対応付けられている。つまり、一覧261では、複数の処理のそれぞれに対し、原稿の向きを示す情報を用いる種類であるか否かを示す情報を対応付けている。
【0062】
処理の種類は、例えば画像処理装置100において実行される全ての処理の種類が含まれてもよいし、コピー処理の種類のみが含まれていてもよい。
【0063】
図4では、処理の種類「フルカラーコピー処理」と対応する表示対象情報は「×」である。したがって、処理の種類「フルカラーコピー処理」は、設定画面の表示する対象となる処理ではないことがわかる。
【0064】
同様に、処理の種類「両面印刷処理」と対応する表示対象情報は「○」である。したがって、処理の種類「両面印刷処理」は、設定画面の表示する対象となる処理であることがわかる。
【0065】
なお、
図4の例では、表示対象情報において表示対象であることを示す例として「○」、表示対象でないことを示す例として「×」としたが、これに限定されない。表示対象情報では、表示対象であることを、例えば「Yes」等とし、表示対象でないことを例えば「No」等としてもよい。表示対象情報は、対応する処理の種類が、設定画面を表示する対象の処理であるか否かが判別できればよい。
【0066】
なお、設定画面を表示する対象の処理は、
図4に示す「両面印刷処理」、「集約印刷処理」、「分割印刷処理」、「ステープル処理」、「パンチ処理」以外にも、製本処理、見開き両面印刷処理、拡大連射印刷処理等がある。
【0067】
以下に、表示制御処理部240についてさらに説明する。本実施形態の表示制御処理部240は、入力受付部241、対象処理判定部242、表示制御部243を有する。
【0068】
本実施形態の入力受付部241は、操作パネル205に対する入力を受け付ける。対象処理判定部242は、対象処理記憶部260を参照し、入力受付部241が受け付けた操作と対応する処理が、設定画面を表示する対象の処理か否かを判定する。
【0069】
表示制御部243は、対象処理判定部242による判定結果に応じて、操作に対応する指示を実行する前に設定画面を表示させる。
【0070】
以下に、
図5を参照して本実施形態の操作装置200の動作について説明する。
図5は、操作装置の動作を説明するフローチャートである。
【0071】
本実施形態の操作装置200は、表示制御処理部240の入力受付部241により、操作パネル205において実行する処理を選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS501)。なお、本実施形態の操作パネル205の表示の詳細は後述する。ステップS501において、操作を受け付けない場合、入力受付部241は操作を受け付けるまで待機する。
【0072】
ステップS501において、操作を受け付けた場合、表示制御処理部240は、入力受付部241により、選択された処理の実行指示の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS502)。
【0073】
ステップS502において、実行指示を受け付けていない場合、入力受付部241は、操作を受け付けるまで待機する。なお、本実施形態では、所定の時間以内に実行指示を受け付けなかった場合には、表示制御処理部240は、操作パネル205の表示を、ステップS501で表示された、処理を選択するための画面から、ホーム画面へ切り替えてもよい。
【0074】
ステップS502において、実行指示を受け付けた場合、表示制御処理部240は、対象処理判定部242により、対象処理記憶部260を参照し、実行指示を受け付けた処理が設定画面を表示させる対象の処理であるか否かを判定する(ステップS503)。
【0075】
ステップS503において、実行指示を受け付けた処理が設定画面を表示させる対象の処理でない場合、操作装置200は、後述するステップS507へ進む。
【0076】
ステップS503において、実行指示を受け付けた処理が設定画面を表示させる対象の処理であった場合、表示制御処理部240は、表示制御部243により、原稿をセットする向きの設定を行う設定画面表示処理を行う(ステップS504)。なお、設定画面表示処理については後述する。
【0077】
ステップS504の設定画面表示処理について詳細を説明する。ステップS504では、
図9のフローチャートに基づいて処理を行う。
図9のフローチャートの処理は、ADF350に紙センサ309が備えられており、原稿載置台351には紙センサ309が備えてられていない場合の処理である。
【0078】
表示制御部243は、ADF350に備えられた紙センサ309が紙を検出しているか否かを判定する(ステップS901)。ステップS901において紙センサ309が紙を検知している場合は、表示制御部243は、ADF350に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面70)を表示する(ステップS902)。ステップS901において紙センサ309が紙を検知していない場合は、表示制御部243は原稿載置台351に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面72)を表示する(ステップS903)。
【0079】
本実施形態の画像処理装置100のステップS901は、原稿検知ステップ、ステップS902、S903は、画面表示ステップの一例である。
【0080】
なお、
図9においては、ADF350に紙センサ309が備えられ、原稿載置台351には紙センサ309が備えてられていないが、原稿載置台351に紙センサ309が備えられ、ADF350が紙センサ309を備えてられていないようにしてもよい。その場合は、紙センサ309が紙を検知した場合、表示制御部243は、原稿載置台351に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面72)を表示する。また、紙センサ309が紙を検知していない場合、表示制御部243は、ADF350に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面70)を表示する。
【0081】
さらに、ADF350と原稿載置台351の両方に紙センサ309が備えられているようにしてもよい。その場合は、表示制御部243は、紙を検知した方の設定画面を表示するようにしてもよい。両方の紙センサ309が紙を検知した場合、表示制御部243は、両方に紙があることを使用者に報知する画面を表示するようにしてもよい。
【0082】
また、両方の紙センサ309が紙を検知した場合、表示制御部243は、原稿載置台351に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面72)を表示してもよい。さらに、両方の紙センサが紙を検知した場合、表示制御部243は、ADF350に配置される原稿の向きを選択させる設定画面(後述する設定画面70)を表示してもよい。
【0083】
続いて表示制御処理部240は、入力受付部241により、所定時間内に、設定画面において処理の実行指示がなされたか否かを判定する(ステップS505)。
【0084】
ステップS505において、所定時間内に実行指示がなされない場合、表示制御処理部240は、入力受付部241により、所定時間内に、設定画面において前の画面に戻る操作が成されたか否かを判定する(ステップS506)。
【0085】
ステップS506において所定時間内に戻る操作がなされない場合、表示制御処理部240は、処理を終了する。なお、この場合、ステップS501で選択された処理は実行されない。また、表示制御処理部240は、操作パネル205の表示を、設定画面から、ステップS501で表示された処理を選択するための画面やホーム画面に切り替えてもよい。
【0086】
ステップS506において、所定時間内に戻る操作がなされた場合、表示制御処理部240は、ステップS501へ戻る。
【0087】
ステップS505において、処理の実行指示がなされた場合、表示制御処理部240は、本体連携部250に対し、実行指示の本体装置300への送信を要求し、本体連携部250は、この要求を受けて、本体装置300へ処理の実行要求を送信し、処理を終了する(ステップS507)。
【0088】
以下に、
図6及び
図7を参照し、本実施形態の操作装置200における画面の遷移について説明する。
【0089】
図6は、操作装置の操作パネルにおける画面遷移の例を示す図である。
図6(A)は、操作パネル205に表示されたコピー処理のトップ画面の例を示しており、
図6(B)は、両面印刷処理の設定画面の例を示している。
図6(C)は、両面印刷処理の設定後のトップ画面の例を示しており、
図6(D)は設定画面の一例を示している。
【0090】
図6(A)のトップ画面61は、例えば
図5のステップS501において操作パネル205に表示される画面の例である。
図6(A)のトップ画面61では、トップ画面61を表示させる画像62を矢印Y方向にスクロールさせることで、両面印刷処理を選択する表示部品63が操作パネル205に表示される。
【0091】
トップ画面61おいて、表示部品63に対する操作が受け付けられると、操作パネル205の表示は、トップ画面61から
図6(B)に示す両面印刷処理の設定画面64へ遷移する。なお、本実施形態における操作の受け付けとは、例えば表示部品63がタッチされることである。
【0092】
設定画面64では、両面印刷処理に関する設定が行われ、設定が完了したことを示すOKボタン65Aが操作されると、操作パネル205の表示は、設定画面64から、
図6(C)に示すトップ画面61Aに遷移する。
【0093】
なお、ここでトップ画面61に戻るための戻るボタン65Bが操作された場合には、操作パネル205の表示は、設定画面64から
図6(A)に示すトップ画面61へ遷移する。
【0094】
図6(C)に示すトップ画面61Aでは、両面印刷処理の設定が成されたことを示すメッセージ66が表示される。なお、トップ画面61Aに表示されるメッセージの情報は、例えば操作装置200のROM202、RAM203、フラッシュメモリ204等の記憶装置において、各種の処理と対応付けて格納されていてもよい。
【0095】
トップ画面61Aにおいて、スタートボタン67が操作されると、表示制御処理部240は、両面印刷処理の実行指示がなされたものと判断する。ここで、ADF350に設けられた紙センサ309によって紙が検出されていたとする。表示制御処理部240は、
図6(D)に示す原稿の向きの設定画面70を操作パネル205に表示させる。
【0096】
図6(D)に示す設定画面70は、
図5のステップS504で表示される画面の例である。
図6(D)は、ADF350に原稿が置かれている場合の設定画面70である。本実施形態では、設定画面70がトップ画面61Aに重畳されて表示(例えば、ポップアップ表示)されてもよいし、操作パネル205の表示がトップ画面61Aから設定画面70に遷移してもよい。
【0097】
設定画面70において、スタートボタン71が操作されると、表示制御処理部240は、原稿の向きの確認が終了し、両面印刷処理の実行指示がなされたものと判断する。
【0098】
ここで、
図7(A)、
図7(B)を参照して本実施形態の設定画面70、72についてさらに説明する。
図7(A)、
図7(B)は、設定画面の一例を示す図である。
図7(A)は、ADF350に設けられた紙センサ309が紙を検知した場合に操作パネル205に表示される設定画面70を示す図である。設定画面70は、原稿がADF350に置かれている場合を想定した画面である。
図7(B)は、ADF350に設けられた紙センサ309が紙を検知していない場合に操作パネル205に表示される設定画面72を示す図である。設定画面72は、原稿が原稿載置台351に置かれている場合を想定した画面である。
【0099】
本実施形態の設定画面70が自動原稿給送装置に配置される原稿の向きを選択させる第1画面、設定画面72が原稿載置台に配置される原稿の向きを選択させる第2画面、の一例である。
【0100】
図7(A)の原稿がADF350に置かれている場合を想定した設定画面70は、画面の原稿に記載された文字が反転していない。文字が反転していない理由は、ADF350に原稿が配置される場合には、原稿の天井に向けられている面が読み取られるからである。
【0101】
図7(B)の原稿が原稿載置台351に置かれている場面を想定した設定画面72は、画面の原稿に記載された文字が左右反転している。文字が左右反転している理由は、原稿載置台351に原稿が配置される場合には、地面方向に向いている面が読み取られるからである。なお、文字が左右反転しているとは、文字を読む方向から見て左右反転していることを表す。
【0102】
設定画面70、72について、更に詳細に説明する。
【0103】
設定画面70は、ADF350に原稿を置いた画像73、74、75、76を備える。
図7(A)の画像73、74、75、76は、ADF350にそれぞれ異なる向きに配置された原稿の画像である。このように、設定画面70は、ADF350に異なる向きに配置された原稿の複数の画像を備える。なお、画像73、74、75、76が第1画像の一例である。
【0104】
画像73は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」であることを示している。なお、「文字が読める方向」とは、
図7(A)のように、原稿の向きが使用者から見て原稿を読む通常の方向のことである。画像74は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「左に90度回転」した方向であることを示している。画像75は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「180度回転」した方向であることを示している。画像76は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「右に90度回転」した方向であることを示している。
【0105】
なお、ADF350に原稿をセットする場合は、原稿は、文字が印刷されている面が天井を向くようにセットされるため、原稿をセットした状態で、画像処理装置100の前にいるユーザは原稿に印刷されている文字を読むことができる。
【0106】
設定画面72は、原稿載置台351に原稿を置いた画像77、78、79、80を備える。
図7(B)の画像77、78、79、80は、原稿載置台351にそれぞれ異なる向きに配置された原稿の画像である。このように、設定画面72は、原稿載置台351に異なる向きに配置された原稿の複数の画像を備える。なお、画像77、78、79、80が第2画像の一例である。
【0107】
画像77は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」であることを示している。画像78は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「左に90度回転」した方向であることを示している。画像79は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「180度回転」した方向であることを示している。画像80は、原稿が配置される向きが「文字が読める方向」から「右に90度回転」した方向であることを示している。
【0108】
なお、原稿載置台351に原稿をセットする場合、原稿は、文字が印刷されている面が下を向くようにセットされるため、原稿をセットした状態では、画像処理装置100の前にいるユーザは、原稿に印刷されている文字を読むことができない。
【0109】
図7(A)、
図7(B)のように、設定画面70、72において、画像73~76と、画像77~80は、操作パネル205の画面上に同じ並び方で表示される。また、設定画面70、72で原稿が同じ向きに配置された画像、例えば、画像73と画像77は、操作パネル205上の同じ箇所に表示される。
【0110】
図7(A)の例では、画像73はハイライト表示されており、選択された処理と対応する原稿の向きが、画像73が示す向き(画像73が示す状態)であることを示している。つまり、
図7(A)の設定画面70によれば、選択された処理では、原稿の読み取られる面を上にして原稿の文字が読める方向に原稿が配置されていれば、処理を選択したユーザの意図した出力を得ることができる。
【0111】
図7(B)の例では、画像77はハイライト表示されており、選択された処理と対応する原稿の向きが、画像77が示す向き(画像77が示す状態)であることを示している。つまり、
図7(B)の設定画面72によれば、選択された処理では、原稿の読み取られる面を下にして原稿の文字が読める方向に原稿が配置されていれば、処理を選択したユーザの意図した出力を得ることができる。
【0112】
本実施形態では、紙センサ309の検知の結果に応じて、設定画面70又は設定画面72のいずれか操作パネル205に表示される。それによって、画面上に表示される画像の数を減らすことができる。また、画像の数を減らすことによって、ユーザが画像を選択しやすくすることができる。
【0113】
本実施形態の設定画面70、72では、現在選択されている処理に対応した原稿方向を示すことで、原稿が処理と対応した向きにセットされているか否かをユーザが視覚的に確認することができる。また、原稿が処理と対応した面にセットされているか否か、例えば、原稿の読み取られる面を天井に向けるのか、地面に向けるのか、をユーザが視覚的に確認することができる。
【0114】
なお、ADF350に配置される原稿の向きを選択させる設定画面70と原稿載置台351に配置される原稿の向きを選択させる設定画面72とは、画面内の所定のボタンを押すことで、一方から他方に表示を切り替えるようにしてもよい。その場合、画面を切り替え前の一方の画面において選択された原稿の向きが、画面を切り替え後の他方の画面において選択されるように、すなわち、画面切り替えの前後で選択が維持されるように、してもよい。例えば、設定画面70で「文字が読める方向」の画像73が選択されていた場合は、設定画面72に切り替えた際に、「文字が読める方向」の画像77が選択されるようにしてもよい。
【0115】
このように、紙センサ309の検知の結果に応じて、ADF350に配置される原稿の向きを選択させる第1画面、又は、原稿載置台351に配置される原稿の向きを選択させる第2画面のいずれかが表示されることから、ユーザが原稿の方向の設定を容易に行うことができる。
【0116】
<第2の実施形態>
以下に、
図8を参照して第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態を説明する図である。
図8に示すトップ画面81では、原稿の向きを設定する表示部品82が表示されている。
【0117】
画像処理装置100において、トップ画面81において、原稿の向きを設定するために表示部品82が選択された場合、紙センサ309の検知状態に応じて、
図7(A)の設定画面70か
図7(B)の設定画面72が表示される。表示部品82が選択されたときに、紙センサ309が検知信号を出力していれば、
図7(A)の設定画面70が表示される。表示部品82が選択されたときに、紙センサ309が検知信号を出力していなければ、
図7(B)の設定画面72が表示される。
【0118】
なお、第2の実施形態においては、表示部品82から
図7(A)の設定画面70もしくは
図7(B)の設定画面72に移行するが、例えば、第1の実施形態における
図5のS503、S504、S505、S506を行って、処理が設定画面を表示する対象であるかどうか判断してから、設定画面70又は72を表示するようにしてもよい。
【0119】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0120】
100 画像処理装置
205 操作パネル
243 表示制御部
300 本体装置
309 紙センサ
350 ADF(自動原稿給送装置)
351 原稿載置台
70 設定画面
72 設定画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】