(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】改善されたドレイン相互接続部及び/又はゲート相互接続部、並びにフィンガ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20220830BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20220830BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20220830BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20220830BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20220830BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H01L29/78 301G
H01L29/78 301W
H01L29/78 301D
H01L29/58 G
H01L29/44 P
H01L29/50 M
H01L29/78 301X
H01L29/80 H
H01L29/80 F
H01L21/90 B
H01L21/88 Z
(21)【出願番号】P 2021500669
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 US2019040960
(87)【国際公開番号】W WO2020014199
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モクティ、ズラーズミ
(72)【発明者】
【氏名】トラン、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヘドン
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05744843(US,A)
【文献】米国特許第09653410(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0102077(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0190814(US,A1)
【文献】特開2010-147254(JP,A)
【文献】特表2011-524079(JP,A)
【文献】特開2007-173731(JP,A)
【文献】特開2002-299351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/338
H01L 21/768
H01L 21/3205
H01L 23/522
H01L 29/41
H01L 29/49
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 29/778
H01L 29/78
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造と、
前記半導体構造上で第1の方向に延在するゲート・フィンガと、
前記第1の方向に延在し且つゲート相互接続部の内側位置においてゲート信号に結合されるように構成されている、前記ゲート相互接続部と、を備え、前記ゲート相互接続部は、前記ゲート相互接続部の前記内側位置からずらした位置において前記ゲート・フィンガに接続されている、
トランジスタ・デバイス。
【請求項2】
前記ゲート・フィンガは、前記ゲート・フィンガの両縁部に縁部部分を備え、前記縁部部分同士の間には中央部分があり、
前記ゲート相互接続部は複数の導電ビアを介して前記ゲート・フィンガの前記縁部部分に接続されている、請求項1に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項3】
前記ゲート・フィンガは、前記ゲート・フィンガの中央部分に接続される導電ビアを有さない、
請求項1又は2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項4】
前記縁部部分は、前記ゲート・フィンガの両縁部のそれぞれから、前記ゲート・フィンガの前記第1の方向の幅の3分の1以内にある、請求項
2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項5】
前記ゲート相互接続部は、前記ゲート・フィンガの第1の縁部と隣り合う前記ゲート・フィンガ上の第1の場所において、及び、前記ゲート・フィンガの第2の縁部と隣り合う前記ゲート・フィンガ上の第2の場所において、前記ゲート・フィンガに接続されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項6】
前記半導体構造上で前記第1の方向に延在するゲート・ランナを更に備え、
前記ゲート相互接続部は第1の端部と第2の端部とを有し、
前記ゲート相互接続部は、前記ゲート相互接続部の前記第1の端部及び前記第2の端部から離れている前記ゲート相互接続部の前記内側位置において前記ゲート・ランナに接続されている、
請求項1から5までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項7】
前記ゲート・フィンガは前記半導体構造よりも上方の第1のレベルで前記半導体構造上に延在し、前記ゲート相互接続部は、前記半導体構造よりも上方の前記第1のレベルよりも高い第2のレベルで前記半導体構造上に延在し、前記ゲート・ランナは、前記半導体構造よりも上方の前記第2のレベルと同じかそれよりも高い第3のレベルで前記半導体構造上に延在する、
請求項6に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項8】
前記ゲート・フィンガは第1のセグメントと第2のセグメントとを備え、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントの間には間隙がある、請求項1から7までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項9】
前記半導体構造上で前記第1の方向に延在するドレイン・フィンガと、
前記第1の方向に延在し且つドレイン相互接続部の内側位置においてドレイン信号に結合されるように構成されている、前記ドレイン相互接続部と、を更に備え、前記ドレイン相互接続部は複数の導電ビアによって前記ドレイン・フィンガに接続されている、
請求項1から8までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項10】
前記ゲート相互接続部の前記内側位置からずらされている前記位置は、前記ゲート相互接続部の前記内側位置から第1のずれの量だけずらされており、且つ、前記ゲート・フィンガの縁部から第2のずれの量だけずらされており、
前記第1のずれの量は前記第2のずれの量よりも大きい、請求項1から9までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年7月11日に出願された米国出願第16/032,571号の一部継続出願であり且つ同出願に対する優先権を主張する、2019年4月4日に出願された米国出願第16/375,398号に対する優先権を主張し、これらの各々の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載する発明概念はマイクロ電子デバイスに関し、より詳細には、単位セル・ベースの構造を有する高出力、高周波数のトランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
無線周波数(500MHz)、Sバンド(3GHz)、及びXバンド(10GHz)などの高周波数で動作しながら高出力に対応できる能力を必要とする電気回路が、近年ますます一般的になりつつある。高出力、高周波数回路の増加に起因して、無線周波数及びマイクロ波周波数で確実に動作できしかも依然としてより高い電力負荷に対応できるトランジスタの需要も、相応に増加している。
【0004】
出力電力の増大を実現するために、ゲート周辺部をより大きくしたトランジスタが開発されている。トランジスタの有効なゲート周辺部を大きくするための1つの技法は、単位セル構成において並列に接続されている複数のトランジスタ・セルを提供することである。例えば、高出力トランジスタは、
図1に示すように、それぞれの細長いソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトの間に並列に延在する、複数のゲート・フィンガを含み得る。
【0005】
特に、
図1は、半導体基板20上にゲート・パッド12とドレイン・パッド32とを含む、従来の半導体トランジスタ・デバイス10の金属配置を示す。
図1はデバイスの平面図である(すなわち、デバイスを上方から見下ろしている)。
図1に示すように、従来の半導体トランジスタ・デバイス10では、ゲート・パッド12は、ゲート・バス14によって、第1の方向(例えば
図1に示すY方向)に沿って互いから離間されて第2の方向(例えば
図1に示すX方向)に延在する、複数の平行なゲート・フィンガ16に接続される。ドレイン・パッド32は、ドレイン・バス34を介して、複数のドレイン・コンタクト36に接続される。更に、ソース・コンタクト26はまた、半導体トランジスタ・デバイス10上にも位置付けられ得る。各ゲート・フィンガ16がX方向に沿って、隣り合うソース・コンタクト26及びドレイン・コンタクト36の対の間に延びている。半導体トランジスタ・デバイス10の単位セルがボックス40に示されており、これには隣り合うソース・コンタクト26及びドレイン・コンタクト36の間に延在するゲート・フィンガ16が含まれている。「ゲート長さ」はY方向のゲートの金属被覆の距離を指し、一方「ゲート幅」は、X方向にソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト26、36が重なり合う距離である。すなわち、ゲート・フィンガ16の「幅」とは、ゲート・フィンガの16の、隣り合うソース・コンタクト26/ドレイン・コンタクト36と平行に延びる寸法(X方向に沿った距離)を指す。デバイスのゲート周辺部とは、半導体トランジスタ・デバイス10の各ゲート・フィンガ16のゲート幅の合計を指す。
【0006】
単位セルを追加することに加えて、マルチ・セル・トランジスタ・デバイスのゲート周辺部は、ゲート・フィンガの幅を大きく(すなわちX方向により長く)することによって、大きくすることができる。しかしながら、デバイスのゲート・フィンガの幅が大きくなるにつれ、デバイスの高周波数性能に悪影響が及ぶ可能性がある。更に、ゲート・フィンガの幅を大きくすることは通常、ゲート・フィンガが、ゲート・フィンガの金属被覆の電気移動を生じさせる可能性のある大きな電流レベルに対処せねばならないことを意味する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】P.H.Aaen、J.A.Pla、J.Wood、「Modeling and Characterization of RF and Microwave Power FETs」 Cambridge University Press、2007年
【文献】S.C.Cripps、「RF Power Amplifiers for Wireless Communications」、Artech House、2006年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在するゲート・フィンガと、第1の方向に延在し且つゲート相互接続部の内側位置においてゲート信号に結合されるように構成されている、ゲート相互接続部と、を含み、ゲート相互接続部はゲート相互接続部の内側位置からずらした位置においてゲート・フィンガに接続されている、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0009】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、ゲート・フィンガの両縁部に縁部部分を備え、縁部部分同士の間には中央部分があり、ゲート相互接続部は複数の導電ビアを介して、ゲート・フィンガの縁部部分に接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、ゲート・フィンガの中央部分に接続されている導電ビアを有さない。
【0011】
いくつかの実施例では、縁部部分は、ゲート・フィンガの両縁部のそれぞれから、ゲート・フィンガの第1の方向の幅の3分の1以内にある。
【0012】
いくつかの実施例では、ゲート相互接続部は、ゲート・フィンガの第1の縁部と隣り合うゲート・フィンガ上の第1の場所において、及び、ゲート・フィンガの第2の縁部と隣り合うゲート・フィンガ上の第2の場所において、ゲート・フィンガに接続される。
【0013】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在するゲート・ランナを更に含み、ゲート相互接続部は第1の端部と第2の端部とを有し、ゲート相互接続部は、ゲート相互接続部の第1の端部及び第2の端部から離れているゲート相互接続部の内側位置においてゲート・ランナに接続されている。
【0014】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、半導体構造よりも上方の第1のレベルで半導体構造上に延在し、ゲート相互接続部は、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第2のレベルで半導体構造上に延在し、ゲート・ランナは、半導体構造よりも上方の第2のレベルと同じかそれよりも高い第3のレベルで半導体構造上に延在する。
【0015】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは第1のセグメントと第2のセグメントとを備え、第1のセグメントと第2のセグメントの間には間隙がある。
【0016】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在するドレイン・フィンガと、第1の方向に延在し且つドレイン相互接続部の内側位置においてドレイン信号に結合されるように構成されている、ドレイン相互接続部と、を更に含み、ドレイン相互接続部は複数の導電ビアによってドレイン・フィンガに接続されている。
【0017】
いくつかの実施例では、ゲート相互接続部の内側位置からずらした位置は、ゲート相互接続部の内側位置から第1のずれの量だけずらされており、且つ、ゲート・フィンガの縁部から第2のずれの量だけずらされており、第1のずれの量は第2のずれの量よりも大きい。
【0018】
本発明のいくつかの実施例によれば、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在するドレイン・フィンガと、第1の方向に延在し且つドレイン相互接続部の内側位置においてドレイン信号に結合されるように構成されている、ドレイン相互接続部と、を含み、ドレイン相互接続部は、ドレイン相互接続部の内側位置からずらした位置においてドレイン・フィンガに接続されている、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0019】
いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガは、ドレイン・フィンガの両縁部に縁部部分を備え、縁部部分同士の間には中央部分があり、ドレイン相互接続部は、複数の導電ビアを介してドレイン・フィンガの縁部部分に接続されている。
【0020】
いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガは、ドレイン・フィンガの中央部分に接続されている導電ビアを有さない。
【0021】
いくつかの実施例では、縁部部分は、ドレイン・フィンガの両縁部のそれぞれから、ドレイン・フィンガの第1の方向の幅の3分の1以内にある。
【0022】
いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部は、ドレイン・フィンガの第1の縁部と隣り合うドレイン・フィンガ上の第1の場所において、及び、ドレイン・フィンガの第2の縁部と隣り合うドレイン・フィンガ上の第2の場所において、ドレイン・フィンガに接続される。
【0023】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在するドレイン・ランナを更に含み、ドレイン相互接続部は第1の端部と第2の端部とを有し、ドレイン相互接続部は、ドレイン相互接続部の第1の端部及び第2の端部から離れているドレイン相互接続部の内側位置においてドレイン・ランナに接続されている。
【0024】
いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガは、半導体構造よりも上方の第1のレベルで半導体構造上に延在し、ドレイン相互接続部は、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第2のレベルで半導体構造上に延在し、ドレイン・ランナは、半導体構造よりも上方の第2のレベルと同じかそれよりも高い第3のレベルで半導体構造上に延在する。
【0025】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在するゲート・フィンガと、第1の方向に延在し且つゲート相互接続部の内側位置においてゲート信号に結合されるように構成されている、ゲート相互接続部と、を更に含み、ゲート相互接続部は複数の導電ビアによってゲート・フィンガに接続されている。
【0026】
いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部の内側位置からずらされている位置は、ドレイン相互接続部の内側位置から第1のずれの量だけずらされており、且つ、ドレイン・フィンガの縁部から第2のずれの量だけずらされており、第1のずれの量は第2のずれの量よりも大きい。
【0027】
本発明のいくつかの実施例によれば、半導体構造と、複数のゲート・フィンガと、半導体構造上に交互に配置されており各々が第1の方向に延在する、複数のドレイン・フィンガと、を含むトランジスタ・デバイスが提供される。複数のゲート・フィンガのうちのあるゲート・フィンガ及び複数のドレイン・フィンガのうちのあるドレイン・フィンガは、その両縁部にそれぞれの縁部部分を備え、それぞれの縁部部分同士の間には中央部分があり、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの一方は、そのそれぞれの縁部部分に接続されている複数の導電ビアを有し、且つ、中央部分に接続されている導電ビアを有さず、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの他方は、その中央部分に接続されている少なくとも1つの導電ビアを有する。
【0028】
いくつかの実施例では、それぞれの縁部部分は、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの両縁部から、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの第1の方向の幅の3分の1以内にある。
【0029】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、そのそれぞれ1つが複数のゲート・フィンガのそれぞれ1つに結合されている、複数のゲート相互接続部と、半導体構造上に延在する複数のゲート・ランナと、を更に含む。複数のゲート相互接続部の各々は第1の端部と第2の端部とを有し、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つは、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第1の端部及び第2の端部から離れている、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの内側位置において、ゲート・ランナのうちの1つに接続されている。
【0030】
いくつかの実施例では、デバイスは、半導体構造上に交互に配置されている複数のソース領域及び複数のドレイン領域を更に含み、複数のゲート・フィンガのそれぞれ1つは、ソース領域及びドレイン領域のうちの隣り合うものの間に延在し、ゲート・ランナのうちの少なくとも1つはソース領域のうちの1つの上に延在する。
【0031】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナのうちの少なくとも1つは第1の方向に延在し、第1の方向と交差する第2の方向におけるゲート・ランナのうちの少なくとも1つの第1の寸法は、第2の方向におけるゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第2の寸法よりも大きい。
【0032】
本発明のいくつかの実施例によれば、半導体構造と、半導体構造よりも上方の第1のレベルに延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造よりも上方の第2のレベルに延在する複数のドレイン・フィンガと、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第3のレベルにある、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、そのそれぞれ1つがその内側位置においてゲート信号を受け取るように構成されている、ゲート相互接続部と、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第4のレベルにある、半導体構造上にある複数のドレイン相互接続部であって、そのそれぞれ1つがその内側位置においてドレイン信号を出力するように構成されている、ドレイン相互接続部と、を含み、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つが、ゲート・フィンガの両端部において複数のゲート・フィンガのそれぞれのゲート・フィンガに接続されているか、又は、ドレイン相互接続部のうちの少なくとも1つが、ドレイン・フィンガの両端部において複数のドレイン・フィンガのそれぞれのドレイン・フィンガに接続されている、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0033】
本発明のいくつかの実施例によれば、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造上で第1の方向に延在する第1の端部及び第2の端部を各々有する複数のゲート相互接続部であって、各々が複数の第1の導電ビアによってそれぞれのゲート・フィンガに接続される、複数のゲート相互接続部と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のゲート・ランナと、を含むトランジスタ・デバイスが提供される。ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのゲート相互接続部の第1の端部及び第2の端部から離れている、少なくとも1つのゲート相互接続部の内側位置に位置付けられている第2の導電ビアによって、ゲート・ランナのうちの1つに接続されている。
【0034】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガのそれぞれ1つは、トランジスタ・デバイス用のゲート電極として機能するように構成され得る。
【0035】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、半導体構造よりも上方の第1のレベルで半導体構造上に延在してもよく、ゲート相互接続部は、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第2のレベルで半導体構造上に延在してもよく、ゲート・ランナは、半導体構造よりも上方の第2のレベルよりも高い第3のレベルで半導体構造上に延在してもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのゲート相互接続部の内側位置は、少なくとも1つのゲート相互接続部の第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1と3分の2との間にあってもよい。いくつかの実施例では、少なくとも1つのゲート相互接続部の内側位置は、少なくとも1つのゲート相互接続部の第1の端部と第2の端部との間の半分の地点にあってもよい。
【0037】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガのうちの第1のものは第1のセグメントと第2のセグメントとを含んでもよく、第1のセグメントと第2のセグメントの間には間隙がある。そのような実施例では、少なくとも1つのゲート相互接続部の内側位置は、間隙と垂直方向に重なり合っている。
【0038】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは半導体構造上に、ゲート・ランナに接続されているゲート・マニホールドを更に含み得る。ゲート・マニホールドは、半導体構造上で第1の方向と交差する第2の方向に延在し得る。
【0039】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナは第1のゲート・ランナであってもよく、各第1のゲート・ランナは第3の端部と第4の端部とを有し、内側位置は第1の内側位置であってもよく、トランジスタ・デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在する、複数の第2のゲート・ランナを更に含んでもよい。そのような実施例では、少なくとも1つの第2のゲート・ランナは、第3の導電ビアによって第1のゲート・ランナに接続されてもよく、第3の導電ビアは、第1のゲート・ランナの第3の端部及び第4の端部から離れていてもよい、第1のゲート・ランナの第2の内側位置において、第1のゲート・ランナに接続されている。ゲート・マニホールドは、第2のゲート・ランナのそれぞれ1つを介して、第1のゲート・ランナに接続されてもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、内側位置は第1の内側位置であってもよく、トランジスタ・デバイスは、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のドレイン・フィンガと、半導体構造上で第1の方向に延在する第3の端部及び第4の端部を各々有する複数のドレイン相互接続部であって、各々が複数の第3の導電ビアによってそれぞれのドレイン・フィンガに接続されている、複数のドレイン相互接続部と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のドレイン・ランナと、を更に含んでもよい。少なくとも1つのドレイン相互接続部の第3の端部及び第4の端部から離れている、少なくとも1つのドレイン相互接続部の第2の内側位置は、第4の導電ビアによってドレイン・ランナに接続されてもよく、ドレイン・マニホールドが半導体構造上に提供されて、複数のドレイン・ランナに接続されてもよい。
【0041】
本発明の更なる実施例によれば、半導体構造と、半導体構造上に交互に配置されている複数のソース領域及び複数のドレイン領域と、半導体構造よりも上方の第1のレベルでソース領域及びドレイン領域の隣り合うものの間にそれぞれ延在する、複数のゲート・フィンガと、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第2のレベルにある、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、各々が複数の第1の導電ビアによってそれぞれのゲート・フィンガに接続されている、複数のゲート相互接続部と、半導体構造よりも上方の第2のレベルよりも高い第3のレベルにある、半導体構造上にある複数のゲート・ランナと、を含むトランジスタ・デバイスが提供される。ゲート・ランナのうちの少なくとも1つは、第2の導電ビアによってゲート相互接続部のうちの少なくとも1つに接続されており、第2の導電ビアは、隣り合うソース領域と重なり合う、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つにおける第1の内側位置において、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つに接続している。
【0042】
いくつかの実施例では、第1の内側位置は、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1と3分の2との間にあってもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは半導体構造上に、ゲート・ランナに接続されているゲート・マニホールドを更に含んでもよく、複数のゲート・ランナは第1のゲート・ランナであってもよく、各第1のゲート・ランナは第3の端部と第4の端部とを有する。いくつかのそのような実施例では、トランジスタ・デバイスは、半導体構造上に延在する複数の第2のゲート・ランナを更に有してもよく、第2のゲート・ランナは、第3の導電ビアによって第1のゲート・ランナのうちの少なくとも1つに接続されてもよく、第3の導電ビアは、第1のゲート・ランナのうちの少なくとも1つの第3の端部及び第4の端部から離れている、第1のゲート・ランナのうちの少なくとも1つの第2の内側位置において、第1のゲート・ランナのうちの少なくとも1つに接続されている。ゲート・マニホールドは、複数の第2のゲート・ランナのそれぞれ1つを介して、複数の第1のゲート・ランナに接続され得る。
【0044】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナのうちの少なくとも1つの幅は、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの幅よりも大きくできる。
【0045】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、複数のドレイン領域のそれぞれの上にある複数のドレイン・フィンガと、半導体構造上にある複数のドレイン相互接続部であって、各々が複数の第3の導電ビアによってそれぞれのドレイン・フィンガに接続されている、複数のドレイン相互接続部と、半導体構造上にある複数のドレイン・ランナであって、ドレイン・ランナのうちの少なくとも1つは、隣り合うソース領域と重なり合うドレイン相互接続部のうちの少なくとも1つにおける第2の内側位置において、ドレイン相互接続部のうちの少なくとも1つに接続している第4の導電ビアによって、ドレイン相互接続部のうちの少なくとも1つに接続されている、ドレイン・ランナと、半導体構造上にあり且つドレイン・ランナに接続されているドレイン・マニホールドと、を更に含んでもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ランナは、半導体構造よりも上方のドレイン・ランナのうちの少なくとも1つとは異なるレベルにあってもよい。
【0046】
本発明の更に別の実施例によれば、半導体構造と、半導体構造上に延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、各々がゲート・フィンガのそれぞれ1つに電気的に結合されている、複数のゲート相互接続部であって、各ゲート相互接続部は第1の端部及び第2の端部とを有する、複数のゲート相互接続部と、半導体構造上にある複数のゲート・ランナと、を含み、ゲート・ランナのうちの少なくとも1つは、導電ビアによってゲート相互接続部のうちの少なくとも1つに接続されており、導電ビアを介してゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第1の端部において受け取られた電流は、導電ビアを介してゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第2の端部において受け取られた電流との位相差が1度未満である。
【0047】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナ及びゲート相互接続部は第1の方向に延在してもよく、第1の方向と交差する第2の方向におけるゲート・ランナのうちの少なくとも1つの第1の寸法は、第2の方向におけるゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第2の寸法を上回ってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、導電ビアは、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1と3分の2との間にある、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つの内側位置に接続され得る。
【0049】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガのうちの第1のものは第1のセグメントと第2のセグメントとを備えてもよく、第1のセグメントと第2のセグメントの間には間隙がある。
【0050】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために収録されており、本願に組み込まれてその一部を構成するもので、本発明の特定の実施例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】従来のマルチ・セル・トランジスタの金属配置の平面図である。
【
図2A】ゲート・ランナ及びドレイン・ランナを利用するマルチ・セル・トランジスタの実施例を示す平面図である。
【
図3A】従来の横方向拡散金属酸化膜半導体(LDMOS)トランジスタ・デバイスの単位セルの断面図である。
【
図3B】底部ソース端子を利用する従来のLDMOSトランジスタ・デバイスの単位セルの断面図である。
【
図3C】従来の高電子移動度トランジスタ(HEMT)セルの断面図である。
【
図4】ゲート・フィンガの数を増やしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図5A】ゲート・フィンガの幅を大きくしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガの幅を大きくしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図7】
図6Aの線A-A’に沿って取られた本発明の追加の実施例を示す図である。
【
図8】
図6Aの線A-A’に沿って取られた本発明の追加の実施例を示す図である。
【
図9】従来のゲート・フィンガ構成と本発明の実施例に係るゲート・フィンガ構成の比較を示す図である。
【
図10】従来のゲート・フィンガ構成と本発明の実施例に係るゲート・フィンガ構成の比較を示す図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施例に係る、複数のゲート・ランナが利用されるトランジスタ・デバイスを示す断面図である。
【
図12A】ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガが介在する相互接続部を用いずに内側の場所において供給を受けるトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図12B】本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
【
図12C】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
【
図13A】ゲート・ランナがソース領域を覆うように延在するトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図13B】本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた
図13Aの断面図である。
【
図13C】本発明の追加の実施例に係る、同じく線C-C’に沿って取られた
図13Aの断面図である。
【
図14A】本発明のいくつかの実施例に係る導電ビアの追加の構成を示す、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図14B】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図15A】本発明のいくつかの実施例に係る導電ビアの追加の構成を示す、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図15B】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図16A】ゲート・ランナがソース領域を覆うように延在する、エッジ供給(edge-fed)ゲート・フィンガを組み込んだトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図16B】本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図16Aの断面図である。
【
図16C】本発明の追加の実施例に係る、同じく線D-D’に沿って取られた
図16Aの断面図である。
【
図17A】ゲート・ランナ及びゲート相互接続部の両方が、ゲート・フィンガと隣り合っている半導体構造のエリアを覆うように延在する実施例を示す。
【
図17B】本発明の実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図17Aの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明概念の実施例について、本発明の実施例を示す添付の図面を参照して、以下でより十分に記載する。ただし本発明概念は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に明記する実施例に限定されるものと解釈するべきではない。そうではなく、これらの実施例は、本開示が周到且つ完全となり、本発明概念の範囲が当業者に十分に伝わるように提供されている。全体を通して、同様の数字は同様の要素を指している。
【0053】
本発明概念の実施例は、大きい有効ゲート幅を有するマルチ・セル・トランジスタ・デバイスを提供する。ゲート信号を、ゲート相互接続部の内側位置、例えばゲート相互接続部の中間点において、ゲート・フィンガに供給することによって、ゲート信号が長いゲート・フィンガの全長にわたって伝播することに起因して生じ得る大きい位相差を、低減及び/又は回避することができる。いくつかの実施例によれば、ゲート相互接続部の上方にゲート・ランナを追加し、導電ビアによってゲート・ランナをゲート相互接続部における内側位置に結合することによって、マルチ・セル・トランジスタ・デバイスのより大きいゲート幅に対処することができる。ゲート相互接続部の内側位置へのゲート・ランナの接続部は、ゲート・フィンガを複数のセグメントへと分割する役割を果たし得る。ゲート信号はこの場合、ゲート相互接続部の内側位置からゲート相互接続部の端部へと移動してゲート・フィンガに提供され得、このとき結果的な伝播したゲート信号には、位相差がほとんど又は全く生じない。
【0054】
ゲート・フィンガをセグメントへと実質上分割し、ゲート信号をゲート・ランナによってゲート・フィンガ・セグメントの各々に分配することによって、従来のデバイスと比較してトランジスタの利得性能が向上し得る。
【0055】
本発明の態様によれば、ゲート信号がゲート相互接続部の内部部分に供給され、ゲート相互接続部が、ゲート信号がゲート相互接続部に供給される場所からずらされているゲート・フィンガ・セグメントのそれぞれ1つに結合されている場合に、追加の利益が達成され得る。いくつかの実施例では、ゲート信号は、ゲート・フィンガ・セグメントの縁部と隣り合う位置において、又はこの縁部から少しずらした位置において、ゲート・フィンガ・セグメントのそれぞれ1つに供給される。ゲート信号をゲート・フィンガ・セグメントにゲート・フィンガ・セグメントの縁部で又はその近くで供給することによって、個々のセグメントが電気的に並列に配線されているかのように動作することが可能になる。
【0056】
この実施例によれば、ドレイン・フィンガに提供される信号は、内側の場所において引き続き提供され得る。本明細書においてこの後検討するように、ゲート・フィンガ・セグメントの縁部にゲート信号を提供すると、ゲート信号とドレイン信号との間の位相関係の改善によって、トランジスタ・デバイスから結果的に出力される信号を改善できる。
【0057】
例えば、直列に整列させたゲート・フィンガの2つの部分に、2つの両縁部において供給を行い、これらを並列に整列されているかのように振る舞わせることができる。同時に、ドレインには内側位置において供給を行うことができる。この構成は、トランジスタの長い各フィンガを、フィンガの数を2倍にすることなく1対の短いフィンガとして並列に動作させることができるという点で、利点をもたらし得る。この場合、より低いゲート抵抗という利益は維持され、より高い利得が得られると同時に、同じ高出力が得られる。更に、エッジ供給ゲート・フィンガとセンタ供給(center-fed)ドレイン・フィンガを組み合わせた構成はエネルギー伝播方向に従っており、電流加算が同位相で行われることを保証する。このことは、出力電力密度及び効率に関してより短いフィンガのRF性能を保持するのに寄与することになる。
【0058】
本発明の態様によれば、ドレイン相互接続部の内部部分にドレイン信号が供給され、ドレイン相互接続部は、ドレイン信号がドレイン相互接続部に供給される場所からずらされたドレイン・フィンガ・セグメントのそれぞれ1つに結合されている。いくつかの実施例では、ドレイン信号は、ドレイン・フィンガ・セグメントの縁部と隣り合う位置において、又はこの縁部から少しずらした位置において、ドレイン・フィンガ・セグメントのそれぞれ1つに供給される。ドレイン信号をドレイン・フィンガ・セグメントにドレイン・フィンガ・セグメントの縁部で又はその近くで供給することによって、個々のセグメントが電気的に並列に配線されているかのように動作することが可能になる。いくつかの実施例では、ゲート・セグメント及びドレイン・セグメントへの供給はそれぞれ、ドレイン相互接続部及びゲート相互接続部がそれぞれドレイン信号及びゲート信号を供給される内側位置からずらされた位置から行われる。
【0059】
この結果、いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のゲート・フィンガであって、それぞれのゲート・フィンガが、ゲート・フィンガの第1の縁部から第1の方向において反対側に第1の縁部及び第2の縁部を有する、複数のゲート・フィンガと、複数のゲート相互接続部であって、それぞれのゲート相互接続部は、それぞれのゲート・フィンガの第1の縁部と隣り合う第1の位置において及び第2の縁部と隣り合う第2の位置において、それぞれのゲート・フィンガに接続されており、それぞれのゲート相互接続部は、ゲート相互接続部の中央部分にある内側位置においてゲート信号を受け取るように構成されている、複数のゲート相互接続部と、を含む、トランジスタ、が提供される。
【0060】
いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造よりも上方の第1のレベルに延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造よりも上方の第2のレベルに延在する複数のドレイン・フィンガと、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第3のレベルにある、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、そのそれぞれ1つがその内側位置においてゲート信号を受け取るように構成されている、ゲート相互接続部と、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第4のレベルにある、半導体構造上にある複数のドレイン相互接続部であって、そのそれぞれ1つがその内側位置においてドレイン信号を出力するように構成されている、ドレイン相互接続部と、を含み、ゲート相互接続部のうちの少なくとも1つが、ゲート・フィンガの両端部において複数のゲート・フィンガのそれぞれのゲート・フィンガに接続されているか、又は、ドレイン相互接続部のうちの少なくとも1つが、ドレイン・フィンガの両端部において複数のドレイン・フィンガのそれぞれのドレイン・フィンガに接続されている、トランジスタ、が提供される。
【0061】
いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上に交互に配置されており各々が第1の方向に延在する、複数のゲート・フィンガ及び複数のドレイン・フィンガと、を含む、トランジスタ、が提供される。複数のゲート・フィンガのうちのあるゲート・フィンガ及び複数のドレイン・フィンガのうちのあるドレイン・フィンガは、その両縁部にそれぞれの縁部部分を備え、縁部部分同士の間には中央部分があり、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの一方は、その縁部部分に接続されている複数の導電ビアを有し、且つ、中央部分に接続されている導電ビアを有さず、ゲート・フィンガ又はドレイン・フィンガの他方は、その中央部分に接続されている少なくとも1つの導電ビアを有する。
【0062】
いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在するゲート・フィンガと、第1の方向に延在し且つゲート相互接続部の内側位置においてゲート信号を受け取るように構成されている、ゲート相互接続部と、を含み、ゲート相互接続部は、内側位置から離れたゲート相互接続部の遠隔位置においてゲート・フィンガに接続されている、トランジスタ、が提供される。
【0063】
ここで本発明の実施例ついて、
図2A~
図11を参照して更に詳細に記載する。
【0064】
「背景技術」の項で検討したように、トランジスタの有効なゲート周辺部を大きくするための1つの技法は、並列に接続されている複数の単位セル・トランジスタを提供することである。そのような複数の単位セル・トランジスタは、高周波数及び/又は高出力に関与する用途で使用され得る。例えば、基地局は、セルの有効範囲にとって必要な高い出力電力を生成するために、信号増幅の最終段においてRF電力増幅器を使用する場合がある。これらRF電力増幅器並びに類似の用途において重要な要素は、増幅機構を実現する単位セル・トランジスタである。
【0065】
図2Aは、ゲート・ランナ及びドレイン・ランナを利用するマルチ・セル・トランジスタの実施例を示す平面図である。
図2Bは、線A-A’に沿って取られた
図2Aの断面図である。
図2Cは、線B-B’に沿って取られた
図2Aの断面図である。
【0066】
最初に
図2Aを参照すると、複数のトランジスタ・セル200を含むトランジスタ・デバイス100が示されている。トランジスタ・セル200の作用領域は、ゲート・フィンガ210と、ドレイン・フィンガ215と、ソース・コンタクト205とを含み得る。増幅中、ドレイン・フィンガ215とソース・コンタクト205との間を電流が流れ、電流の量はゲート・フィンガ210に適用される電圧信号によって調整される。
【0067】
図2Bに示すように、ゲート・フィンガ210を介してトランジスタ・セル200にゲート信号が提供され得る。ゲート・フィンガ210は、トランジスタ・セル200のゲート領域に電気的に結合され得る。同様に、
図2Cに示すように、ドレイン・フィンガ215を介してトランジスタ・セル200にドレイン信号が提供され得る。
【0068】
ゲート・フィンガ210、ドレイン・フィンガ215、及びソース205が、トランジスタの実施例を包含している半導体構造190上に形成され得る。より具体的には、ドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210はそれぞれ、トランジスタ・セル200の半導体実装のドレイン領域、ソース領域、及びゲート領域(例えばチャネル)に結合され得る。
図2Aのドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210が接続され得る半導体ベースのトランジスタ・セル200の、複数の実施例が可能であることが、理解されるであろう。例えば、ドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210は、LDMOS及び/又はHEMTトランジスタの実施例に結合され得るが、本発明はこれに限定されない。
【0069】
例えば、
図3Aは線C-C’に沿って取られた
図2Aの断面図であり、トランジスタ・セル200がLDMOSトランジスタ・セルである、
図2Aのトランジスタ・セルの実装形態を示す。LDMOS電界効果トランジスタ(FET)は、半導体構造190に形成されているソース領域105及びドレイン領域115を有する、3端子のトランジスタ・デバイスである。半導体構造190は、半導体基板121上に、(例えばp型導電性の)半導体基板121と、(例えばn型導電性の)ドリフト層123と、を含む。半導体基板は、例えば、サファイア、ダイヤモンド、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、炭化シリコン、GaAs、LGO、ZnO、LAO、InPなどを含む、半導体基板及び非半導体基板を含み得る。LDMOSトランジスタ・セル200は、ソース領域105とドレイン領域115と提供する、ドープされたウェル領域を含み得る。LDMOSトランジスタ・セル200のソース領域105、ドレイン領域115、及びゲート領域110は、LDMOSトランジスタ・セル200の動作用のコンタクトに結合され得る。例えば、ゲート領域110は、
図2Aに示されているゲート・フィンガ210に電気的に結合され得る。同様に、ドレイン領域115は、
図2Aに示されているドレイン・フィンガ215に電気的に結合され得る。
【0070】
ゲート領域110は、絶縁体層129(例えばSiO2)によって導電チャネルから隔離されている。ソース領域105に対して正になる電圧をゲート領域110に印加すると、ソース領域105とドレイン領域115との間に反転層(例えばチャネル)が形成されることによって、ドレイン領域115とソース領域105との間を流れる電流が提供され得る。LDMOS FETは「エンハンスメント・モード」で動作することができるが、これは、印加される正のゲート電圧によってpウェルにまたがるチャネルが強化されるまでは、ドレイン-ソース電流が流れない場合のあることを意味する。
【0071】
図3Aは、LDMOSトランジスタ・セル200のソース領域105の上面にコンタクトが接続されているLDMOSを示しているが、他の実施例が可能であることが理解されよう。例えば、いくつかの実施例では、ソース領域105をLDMOSデバイスの底面上のコンタクトに接続するための、ビア又は他の接続領域が提供され得る。例えば、
図3Bは、底部ソース・コンタクト205を利用する従来のLDMOSトランジスタ・セル200の断面図である。
図3Bに示すように、横方向に拡散させた低抵抗のp+「シンカ(sinker)」127によって、ソース領域105を基板121及びソース・コンタクト205に接続することができる。
図3BのLDMOSデバイスが
図2Aに示すもののような並列トランジスタ構成と共に使用される場合は、デバイスの頂面にはソース・フィンガ及び/又は他のソース・コンタクトは必要ない場合がある。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ210及び/又はドレイン・フィンガ215と同様のソース・フィンガが提供され得る。
【0072】
図3Cは線C-C’に沿って取られた
図2Aの断面図であり、トランジスタ・セル200がHEMTトランジスタ・セルである、
図2Aのトランジスタ・セル200の実装形態を示す。
図3Cに示すように、HEMTトランジスタ・セル200は、例えば4H-SiC又は6H-SiCを含み得る基板122を含む、半導体構造190を含み得る。基板材料として炭化シリコンが使用され得るが、本発明の実施例は、サファイア、ダイヤモンド、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、GaAs、LGO、ZnO、LAO、InPなどの、任意の好適な基板を利用してもよい。基板122上にはエピタキシャル構造が形成される。エピタキシャル構造は、基板122上に形成されているチャネル層124と、チャネル層124上に形成されているバリア層126と、を含み得る。チャネル層124及びバリア層126はIII族窒化物系材料を含んでもよく、バリア層126の材料はチャネル層124の材料よりも大きいバンドギャップを有する。例えば、チャネル層124はGaNを含んでもよく、一方、バリア層126はAlGaNを含んでもよい。チャネル層124及びバリア層126は単一層構造として示されているが、チャネル層124及び/又はバリア層126のいずれか又は両方を多層構造として実装してもよいことが、諒解されるであろう。基板122上に提供されるエピタキシャル構造の一部として、例えばバッファ層、歪み調整層、移行層などといった追加の層も含まれてよいこともまた、諒解されるであろう。
【0073】
バリア層126とチャネル層124との間のバンドギャップの違い、及びバリア層126とチャネル層124との間の境界面における圧電効果に起因して、チャネル層124におけるチャネル層124とバリア層126との間の接合部で、二次元電子ガス(2DEG)が誘起される。2DEGは、ソース・コンタクト・セグメント205及びドレイン・フィンガ215の下方にそれぞれあるデバイスのソース領域とドレイン領域との間の導通を可能にする、高導電性層として機能する。ソース・コンタクト・セグメント205及びドレイン・フィンガ215は、バリア層126上に形成される。バリア層126上には、ドレイン・フィンガ215とソース・コンタクト・セグメント205との間に、ゲート・フィンガ210が形成される。
【0074】
図3A、
図3B、及び
図3CのLDMOSデバイス及びHEMTデバイスは、トランジスタ・セル200の可能な構成の実例として挙げられている。ただし、本明細書に記載する実施例の範囲から逸脱することなく、本発明と共に他のトランジスタ・セル構成を利用してもよいことが理解されよう。例えば、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガを使用して他のトランジスタ・セルと組合せ可能なトランジスタ・セル200の任意の構成が、本明細書に記載する実施例から利益を受ける場合がある。したがって、本発明はHEMT及びLDMOSトランジスタ・セルに限定されない。本明細書で使用する場合、用語「半導体構造」は、
図2Aのゲート・フィンガ210及びドレイン・フィンガ215が接続され得るトランジスタ・セル構成(例えば、
図3A、
図3B、及び
図3Cに示すLDMOS及びHEMTの実例など)を指すように使用されることになる。
【0075】
図2A、
図2B、及び
図2Cを再び参照すると、ゲート・フィンガ210は、複数の第1の導電ゲート・ビア228によって、ゲート・ランナ225に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ225は、半導体構造よりも上方のゲート・フィンガ210よりも高いレベルにあり得る。ゲート・ランナ225は、第2の導電ゲート・ビア227によって、ゲート・パッド221に更に接続され得る。ゲート・パッド221は、ゲート・マニホールド220に更に接続され得る。ゲート・マニホールド220は、複数のトランジスタ・セル200にゲート信号を提供し得る。
【0076】
ドレイン・フィンガ215は、複数の第1の導電ドレイン・ビア238によって、ドレイン・ランナ235に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ235は、半導体構造190よりも上方のドレイン・フィンガ215よりも高いレベルにあり得る。ドレイン・ランナ235は、第2の導電ドレイン・ビア237によって、ドレイン・パッド231に更に接続され得る。ドレイン・パッド231は、ドレイン・マニホールド240に更に接続され得る。ドレイン・マニホールド240は、複数のトランジスタ・セル200にドレイン信号を提供し得る。
【0077】
トランジスタ・デバイス100に提供される所与の固定されたドレイン・バイアス電圧に関して、出力電流の量はトランジスタ・デバイス100の出力電力に影響を与え得る。出力電流は、
図2A~
図2Bに示すゲート・フィンガ幅(W)にゲート・フィンガ210の数を乗算したものである、ゲート周辺部の総計に一部基づく。
【0078】
トランジスタ・デバイス100においてより高い電力を生み出すために、より大きいゲート周辺部が使用され得る。このより高い電力出力は、ゲート・フィンガ210の数を増やすことによって、及び/又は、ゲート・フィンガ210の幅を大きくする(例えば、ゲート・フィンガ210をX方向に延ばす)ことによって、のいずれかで達成され得る。しかしながら、各解決法にはその限界がある。
【0079】
例えば、ゲート・フィンガ210の数を増やすことによって、最終的なトランジスタ・ダイの(例えば
図2AのY方向における)物理的な幅が大きくなる場合がある。物理的なトランジスタ・パッケージ及び/又は半導体処理装置はしたがって、デバイスに含まれ得るゲート・フィンガ210の最大数(又は代替として、デバイスがY方向に延在し得る最大範囲)に制約を課す場合がある。このことは、多数のゲート・フィンガ210を有するトランジスタ・デバイス100の平面図である
図4を参照して見て取ることができる。
図4に見ることができるように、物理的なトランジスタ・パッケージ405のサイズは、トランジスタ・デバイス100が表面に設置される基部410のサイズによって限定され得る。物理的なトランジスタ・パッケージ405はまた、ゲート・リード415及び/又はドレイン・リード420などのパッケージ・リードのサイズによっても影響され得る。
【0080】
同じく
図4に示されているように、トランジスタ・デバイス100においてゲート・フィンガ210を数を増やして使用することのもう1つの潜在的なマイナス面は、ゲート・マニホールド220の長さに沿って生じ得る不均一な信号位相分布である。ゲート・フィンガの数を増やすことが信号位相分布及びデバイス性能に与える影響の大きさは、トランジスタ・デバイスの設計に依存し得る。所与のトランジスタ・デバイス100は、中央部分450と端部部分455とを有し得る。ゲート・マニホールド220の長さが長くなるにつれ、例えばゲート・マニホールド220の(例えばY方向における)長さに沿ってゲート・フィンガ210に伝送される、ゲート信号などの信号において、位相差が生じ得る。いくつかの実施例では、ゲート信号はゲート・リード415から、主にゲート・マニホールド220の中央部分450において受け取られて、ゲート・マニホールド220の端部部分455に分配され得る。伝送長さの違いに起因して、端部部分455におけるゲート信号の位相は、中央部分450における位相と異なっている場合がある。これらの異なる領域において生成されるドレイン電流もしたがってまた、出力部において(例えばドレイン・リード420において)同位相で合計されず、合計出力電流の大きさを、及び結果的にトランジスタ・デバイス100の出力電力を、低下させる場合がある。
【0081】
トランジスタ・デバイス100内のゲート・フィンガの数を増やすことに加えて、トランジスタ出力電力を大きくするための別の技法は、ゲート・フィンガ幅(W)を大きくすると共に、ソース・コンタクト及びドレイン・フィンガの幅をそれに対応させて大きくすることを含み得る。
図5Aは、ゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト505、及びドレイン・フィンガ515の幅が大きくなっているトランジスタ・デバイス500の実施例を示す平面図である。
図5Bは、線A-A’に沿って取られた
図5Aの断面図である。
図5Cは、線B-B’に沿って取られた
図5Aの断面図である。
【0082】
図5A~
図5Cのトランジスタ・デバイス500は、
図2A~
図2Cのトランジスタ・デバイスと非常に似ている場合がある。ただし、トランジスタ・デバイス500に含まれるゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト505、及びドレイン・フィンガ515の幅は、対応するトランジスタ・デバイス100のゲート・フィンガ210、ソース・コンタクト205、及びドレイン・フィンガ215の幅と比較して、大きくなっている。例えば、トランジスタ・デバイス500のゲート・フィンガ510の幅は、2W(例えば、トランジスタ・デバイス100のゲート・フィンガ210のゲート幅の2倍の幅)であり得る。幅を大きくしたゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト、及びドレイン・フィンガ515は半導体構造190に接続されて、トランジスタ・セル590を形成し得る。広くしたゲート・フィンガ510は、本明細書において
図2Bのゲート・パッド221及びゲート・ランナ225に関して検討したものと同様の構造を有する、ゲート・パッド221及びゲート・ランナ525を含み得る。広くしたドレイン・フィンガ515は、本明細書において
図2Cのドレイン・パッド231及びドレイン・ランナ235に関して検討したものと同様の構造を有する、ドレイン・パッド231及びドレイン・ランナ535を含み得る。トランジスタ・デバイス500の他の態様は、
図2A~
図2Cに関して上で検討したトランジスタ・デバイス100と同様であり得る。更に、トランジスタ・デバイス500は、
図3A~
図3Cを参照して上で検討したようトランジスタ・デバイス100と同じ様式で、例えばHEMTトランジスタとして、又は例えばLDMOSトランジスタなどの他のタイプのトランジスタとして構成され得る、半導体構造190を含み得ることが、諒解されるであろう。
【0083】
残念ながら、ゲート・フィンガ510の幅は性能の問題をもたらす。第1の問題はゲート抵抗の増大である。(例えば、P.H.Aaen、J.A.Pla、J.Wood、「Modeling and Characterization of RF and Microwave Power FETs」 Cambridge University Press、2007年を参照)。ゲート・フィンガ510の数を一定のままにしてゲート・フィンガ510の長さを変えると、ゲート・フィンガ510のこの新しい構成のゲート抵抗R
newは
【数1】
によって与えられ、上式で、R
orig及びW
origは、それぞれ元のゲート・フィンガ構成(例えば
図2Aのゲート・フィンガ210)のゲート抵抗及びゲート・フィンガ幅であり、W
newは新しい構成のゲート・フィンガ(例えば
図5Aのゲート・フィンガ510)の幅である。式1から分かるように、ゲート・フィンガ幅をWから2Wへと大きくすると、ゲート抵抗は2倍になる。ゲート抵抗を大きくする結果、増幅器の重要な仕様であるトランジスタ利得が、より低くなる可能性がある。例えば、ゲート・フィンガ長さWを有するトランジスタが出力電力Pを生成する場合、ゲート・フィンガ510の幅を2倍の2Wにすることで、生成される出力電力は2Pよりも小さくなる。この非線形であるスケーリングはまた、電力増幅器の設計者が所与の出力電力要件に合わせて適正なトランジスタ・ダイのサイズを選択するのを困難にする。抵抗が増加すると増幅器の効率も低下する。
【0084】
広い幅を有するゲート・フィンガ510及び/又はドレイン・フィンガ515に関連するもう1つの欠点は、信号においてフィンガの長さ(例えば、ゲート・フィンガ510の領域550から領域560まで及び/又はドレイン・フィンガ515の領域555から領域565まで)に沿って生じる位相差の増大である。この位相差は、ゲート・フィンガ510及び/又はドレイン・フィンガ515に沿った伝送距離に関連する、様々な分散された効果によって引き起こされ得る。これらの位相差は、ドレイン・マニホールド240によって合計された(組み合わされた)後の合計出力電流の大きさを減少させ得る。最終的な結果として、トランジスタ・デバイス500の出力電力が、大きくなった寸法から予想されるよりも低くなる場合がある。入力電力が同じであるので、このことはまた、利得の低下現象の原因となり得る。
【0085】
更に、位相のずれた電流の組合せは、時間領域の出力電流波形形状に影響を与える場合があり、電力増幅器のもう1つの重要な仕様であるトランジスタ効率に影響し得る。(例えば、S.C.Cripps、「RF Power Amplifiers for Wireless Communications」、Artech House、2006年を参照)。不均一な位相現象は
図2A~
図2Cのより短い元のゲート・フィンガ210にも存在し得るが、程度は低い。
【0086】
より高い出力電力が必要となるときにこれらの問題を緩和するために、
図6A、
図6B、及び
図6Cに示すような解決法が提案される。
図6Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ610の幅を大きくしたトランジスタ・デバイス600を示す平面図である。
図6Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
図6Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【0087】
図6A、
図6B、及び
図6Cに示すように、本発明のいくつかの実施例は、半導体構造690上に繰り返し配置される複数のトランジスタ・セル700を提供し得る。トランジスタ・セル700は、
図3A~
図3Cに示すもののような半導体構造690(例えば、LDMOS又はHEMTトランジスタ・セル)で形成され得ることが諒解されるであろう。トランジスタ・セル700は、トランジスタ・デバイス600の一部として配置されて、組み合わされた出力信号を提供し得る。例えば、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域のそれぞれは、共有的に接続されて、並列に結合された複数のトランジスタを提供し得る。
【0088】
トランジスタ・セル700は、第1の方向(例えばY方向)に繰り返し配置され得る。それぞれのトランジスタ・セル700のゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域は、第1の方向と交差する第2の方向(例えばX方向)に延在し得る。トランジスタ・セル700の各々の作用領域は、それぞれのゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域が第1の方向(例えばX方向)において重なり合う半導体構造690の領域を含み得る。いくつかの実施例では、隣り合うトランジスタ・セル700のソース領域は、2つの異なるゲート領域のためのソース領域として機能する、共有されたソース領域であり得る。同様に、いくつかの実施例では、隣り合うトランジスタ・セル700のドレイン領域は、2つの異なるゲート領域のためのドレイン領域として機能する、共有されたドレイン領域であり得る。
【0089】
トランジスタ・デバイス600はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)において互いから離間されている、複数のゲート・フィンガ610も含み得る。ゲート・フィンガ610の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2W、又は従来のトランジスタ・デバイスの幅よりも大きい何らかの他の幅を有し得る。いくつかの実施例では、幅2Wは800ミクロンであり得る。
【0090】
ゲート・フィンガ610を、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域(例えばチャネル)のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690上に配設してもよい。複数のゲート・フィンガ610は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つにゲート信号を提供し得る。
【0091】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイス600はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)に配置されている、複数のドレイン・フィンガ615も含み得る。複数のドレイン・フィンガ615の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。複数のドレイン・フィンガ615を、複数のトランジスタ・セル700のドレイン領域のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690上に配設してもよい。ドレイン・フィンガ615は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つにドレイン信号を伝導し得る。
【0092】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイス600はまた、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つのソース領域の各々を、共通のソース信号に接続し得る。いくつかの実施例では、ソース領域用の電気接続は、半導体構造690の背面(例えば、半導体構造690の、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615の反対側の面)上に存在し得る。いくつかの実施例では、複数のソース・フィンガ605もまた、半導体構造690のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615と同じ側に提供され得る。複数のソース・フィンガ605は、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615に関して本明細書で検討したものと同様の構造を有し得る。
【0093】
各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、第2の導電ゲート・ビア627によって、ゲート・ランナ621に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部625よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ゲート・ランナ621は、ゲート・マニホールド620に更に接続され得る。ゲート・マニホールド620は、複数のトランジスタ・セル700にゲート信号を提供し得る。
【0094】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621をそれぞれのゲート相互接続部625に接続する各第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625に接続され得る。例えば、ゲート相互接続部625は、互いに反対側にある第1の端部645及び第2の端部646を有し得る。いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、第1の端部645と第2の端部646との間にあるゲート相互接続部625の内側位置629において、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点(例えばこれらの間の半分のところ)にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646との間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の各々は、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bから構成され得る。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは共線的に延在し得る。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは、第2の導電ゲート・ビア627の両側に配置され得る。例えば、幅2Wを有するゲート・フィンガ610に対して、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bはいずれも幅Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは、
図6Bに示すように、間隙によって物理的に分離され得る。例えば、第1のセグメント610Aと第2のセグメント610Bとの間に、追加の要素(例えば絶縁層)が配設されてもよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施例では、ゲート・フィンガ610が別々の第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bへと分割されない場合があり得ることが、諒解されるであろう。例えば、
図7は、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bが一体に接続されている実施例を示す。
【0096】
上で指摘したように、いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の中間点に位置付けられている内側位置629に位置付けられてもよい。ただし、いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の中間点からずらされている内側位置629に位置付けられてもよい。そのような実施例では、第1のセグメント610Aは、第2のセグメント610Bとは異なる長さを有し得る(又はその逆も成り立つ)。例えば、
図8に示すように、第1のセグメント610Aは第1の長さWを有してもよく、第2のセグメント610Bは第1の長さWとは異なる第2の長さW’を有してもよい。
【0097】
各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、それぞれのドレイン・相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。
【0098】
各ドレイン相互接続部635は、それぞれの第2の導電ドレイン・ビア637によって、それぞれのドレイン・ランナ631に接続され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のドレイン相互接続部635よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のゲート・ランナ621と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のゲート・ランナ621とは異なるレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン相互接続部635よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ドレイン・ランナ631は、ドレイン・マニホールド640に接続され得る。ドレイン・マニホールド640は、複数のトランジスタ・セル700にドレイン信号を提供し得る。
【0099】
ゲート・ランナ621の場合のように、いくつかの実施例では、各ドレイン・ランナ631をそれぞれのドレイン相互接続部635に接続する各第2の導電ゲート・ビア637は、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続され得る。ドレイン・ランナ631をドレイン相互接続部635に接続するための様々な可能な態様は、本明細書においてゲート相互接続部625へのゲート・ランナ621の接続に関して検討したものと同様であり、簡潔にするためにその重複する説明は繰り返さない。
【0100】
本明細書に記載する解決法では各ゲート相互接続部625を2つのセグメントへと分けることができ、ゲート・ランナ621からそれぞれのゲート相互接続部625への供給は、例えば各ゲート相互接続部625の概ね中心(例えば中央部分)に位置付けられた第2の導電ゲート・ビア627を通して行うことができ、ゲート・フィンガ610の第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bには対称な供給が行われる。ドレイン側について(例えば、ドレイン相互接続部635及びドレイン・ランナ631について)も、同様の構成を実装することができる。この手法では、元の短いゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガの長さ(例えば、個々の長さがWである別々のセグメント)が維持しながら、所望のより高い出力電力が達成される。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625よりも広く且つ抵抗が低い場合のある、ゲート・ランナ621の使用は、ゲート抵抗を大きく増大させない可能性があり、トランジスタ・デバイス600の出力電力を低下させる可能性のあるトランジスタ・セル700の組み合わされた信号の位相差を、有利に低減し得る。例えば、本発明の実施例では、信号(例えば電流)が第2の導電ゲート・ビア627を介してゲート相互接続部625に伝送されるとき、ゲート相互接続部625の第1の端部645において受け取られた信号と、ゲート相互接続部625の第2の端部646において受け取られた信号との位相差は、1度未満であり得る。いくつかの実施例では、位相差は0.5度未満であり得る。
【0101】
本発明では、従来のデバイスで使用されるような直列構成ではなく並列構成において、トランジスタ・デバイスのフィンガ長さが大きくなる。しかしながら、本発明は、従来のデバイスと実質的に同じか又はより大きいゲート周辺部を達成する。本明細書に記載する実施例ではしたがって、所望のより高い出力電力が得られるが、従来のデバイスの元のより短い個々のゲート・フィンガの長さは維持される。
【0102】
この技法の場合、ゲート・フィンガのゲート抵抗(又はドレイン・フィンガのドレイン抵抗)は直列ではなく並列に追加され、高出力構成において全体的な抵抗を低減し、トランジスタ利得を改善する。
【0103】
この技法はゲート・フィンガの数を2倍にするのと同様の効果を有するが、この結果、ダイ寸法が物理的に過度に広くなり過ぎてパッケージ内に嵌合しないということはない。これによりまた、本明細書において
図4に関して検討した広いトランジスタ・ダイと関連付けられる、位相変動の問題も緩和される。
【0104】
本明細書に記載するこの実施例ではまた、
図5A~
図5Cに関して記載した、大きくしたゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガの長さ(2W)に沿った位相変動を低減させて、
図2A~
図2Cに関して記載したより短いゲート長さ(W)の元の位相差に戻すことができるが、出力電流は増大する(例えば2倍になる)。
【0105】
図9及び
図10はそれぞれ、従来のトランジスタ・デバイス及び本発明の実施例に係るトランジスタ・デバイスの平面図である。
図10に示す本発明の実施例は、
図9に示すような既存のダイと同じゲート及びドレイン接合パッド構成を使用でき、製造において標準的なワイヤ接合処理が可能となっている。例えば、ゲート・フィンガ幅Wを有する従来のトランジスタ・デバイスと比較して、本発明の実施例は、第1の方向(例えばY方向)における全体的トランジスタ寸法は同じに維持しつつ、例えば、第2の方向(例えばX方向)におけるゲート・フィンガ幅を2倍の2Wにすることができる。したがって、本発明の実施例に係るトランジスタ・デバイスでは、従来のトランジスタ・デバイスの場合と同じか又は実質的に同様の製造工程の使用が可能になり得る。
【0106】
図10に見ることができるように、本明細書に記載するゲート/ドレイン・ランナ及びゲート/ドレイン相互接続部の構成を利用すると、デバイスを通って伝播する信号の位相変位を低減することによって、既存のデバイスの性能を改善することができる。いくつかの実施例では、
図10に示す改善された構成を、製造工程の変更を最小限にしながら、既存のダイと統合することができる。
【0107】
図11は、本発明のいくつかの実施例に係る、複数のゲート・ランナが利用されるトランジスタ・デバイスを示す断面図である。いくつかの実施例では、
図11に示すような分岐形態で追加の導体層(例えばゲート・ランナ)が使用され得る。いくつかの実施例では、分岐は対称であってもよい。導体層の数は、より短いフィンガを使用しながら同じ所望のゲート周辺部を作り出せるように、より多くの分岐が可能になるよう拡張することができる。例えば、
図11に示すように、ゲート・フィンガ1110は、いくつかのゲート・フィンガ・セグメント1110A、1110B、1110C、等へと分離され得る。本明細書において
図6B及び
図7に関して検討するように、ゲート・フィンガ・セグメント1110A、1110B、1110Cは互いから分離されてもよく、又は一体化されてもよい。
【0108】
ゲート・フィンガ1110は、複数の第1の導電ゲート・ビア1128によって、ゲート相互接続部1125に更に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125は、ゲート・フィンガ1110よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ1110よりも大きい寸法を有し得る。ゲート・フィンガ1110は、
図6A~
図6Cの半導体構造690と似た様式で半導体構造1190に接続され得る。
【0109】
ゲート相互接続部1125は、複数の第2の導電ゲート・ビア1127_1によって、第1のゲート・ランナ1121_1に更に接続され得る。第1のゲート・ランナ1121_1は、ゲート相互接続部1125よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ1121_1は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部1125よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125はセグメント化されてもよい。例えば、ゲート相互接続部1125は、互いから物理的に隔離され得る複数の(例えば4つの)セグメントへと分離されてもよい。ゲート相互接続部1125のセグメントの各々は、ゲート相互接続部1125のセグメントの内側位置に設置される複数の第2の導電ゲート・ビア1127_1のうちの1つによって、第1のゲート・ランナ1121_1に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125のセグメントの内側位置は、ゲート相互接続部1125のセグメントの中間点であり得る。
【0110】
第1のゲート・ランナ1121_1は、複数の第3の導電ゲート・ビア1127_2によって、第2のゲート・ランナ1121_2に更に接続され得る。第2のゲート・ランナ1121_2は、ゲート・ランナ1121_1よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、第2のゲート・ランナ1121_2は、第1の方向において(例えばY方向において)第1のゲート・ランナ1121_1よりも大きい寸法を有し得る。第2のゲート・ランナ1121_2は、第4の導電ゲート・ビア1127_3によって、第3のゲート・ランナ1121_3に更に接続され得る。第3のゲート・ランナ1121_3は、第2のゲート・ランナ1121_2よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、第3のゲート・ランナ1121_3は、第1の方向において(例えばY方向において)第2のゲート・ランナ1121_2よりも大きい寸法を有し得る。このようにして、ゲート・ランナの3つの層1121_1、1121_2、1121_3を有するデバイスを構築できる。
【0111】
いくつかの実施例では、各ゲート・ランナ層は、その下方にある隣り合う下側の層に、その隣り合う下側の層の内側位置に位置付けられた導電ビアによって接続され得る。例えば、第3のゲート・ランナ1121_3は、第2のゲート・ランナ1121_2のセグメントの内側位置に設置される第4の導電ゲート・ビア1127_3によって、第2のゲート・ランナ1121_2に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置は、第2のゲート・フィンガ1121_2の中間点であってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の中間点からゲート・ランナ層の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の中間点からゲート・ランナ層の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0112】
図11に示すように、積み重ねられたゲート・ランナ層のうちのいくつかはセグメント化されていてもよい。例えば、第1のゲート・ランナ1121_1は、互いから物理的に隔離され得る2つのセグメントへと分けられてもよい。第1のゲート・ランナ1121_1のセグメントの各々は、セグメントの内側位置に設置される複数の第3の導電ゲート・ビア1127_2のうちの1つによって、第2のゲート・ランナ1121_2に接続され得る。いくつかの実施例では、第1のゲート・ランナ1121_1のセグメントの内側位置は、セグメントの中間点である。いくつかの実施例では、第1のゲート・ランナ1121_1は単一の層であってもよい。更に、
図11は3つのゲート・ランナ1121_1、1121_2、及び1121_3を示しているが、本発明の範囲を超えることなくより多くの又はより少ないゲート・ランナ及び/又は層が提供され得ることが理解されよう。
【0113】
本明細書に記載する発明は、LDMOS、GaN、及び他の高出力RFトランジスタ技術に適用可能であるという意味において、技術的に独立している。LDMOS及びHEMT構造を参照して本発明の実施例が示されているが、本発明概念はそのようなデバイスに限定されない。したがって、本発明の実施例は、複数の単位セルと制御電極とを有する他のトランジスタ・デバイスを含み得る。本発明の実施例は、より広い制御電極が望まれ且つデバイスの単位セルが複数存在する、任意のトランジスタ・デバイスでの使用に好適であり得る。この場合、例えば、本発明の実施例は、MESFET、MMIC、SIT、LDMOS、BJT、pHEMT、等といった、SiC、GaN、GaAs、シリコン、等を使用して製作される様々なタイプのデバイスでの使用に好適であり得る。
【0114】
本明細書に記載する実施例にはゲート相互接続部(例えば、
図6Bのゲート相互接続部625及び
図6Cのドレイン相互接続部635を参照)が組み込まれているが、いくつかの実施例では、ドレイン/ゲート・ランナを内側の場所においてドレイン/ゲート・フィンガに直接接続してもよいことが理解されるであろう。
図12Aは、ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガが介在する相互接続部を用いずに内側の場所において供給を受けるトランジスタ・デバイス1200を示す平面図である。
図12Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
図12Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
図12A~
図12Cの要素のうち、既に記載したものと同様のものは同様の参照番号で表されており、その重複する説明を省略する場合がある。
【0115】
図12A~
図12Cに示すように、介在する相互接続構造を用いずに内側の場所において、ゲート・ランナ621はゲート・フィンガ610に接続され得る、及び/又は、ドレイン・ランナ631はドレイン・フィンガ615に接続され得る。例えば、
図12Bを参照すると、ゲート・ランナ621は、ゲート・フィンガ610を覆うように延在して、導電ビア627を介してゲート・フィンガ610の内側位置1229に接続し得る。いくつかの実施例では、内側位置1229は、ゲート・フィンガ610の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1229は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1229は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1229は、ゲート・フィンガ610の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0116】
同様に、
図12Cに示すように、ドレイン・ランナ631は、ドレイン・フィンガ615を覆うように延在して、導電ビア637を介してドレイン・フィンガ615の内側位置1239に接続し得る。いくつかの実施例では、内側位置1239は、ドレイン・フィンガ615の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1239は、ドレイン・フィンガ615の中間点からドレイン・フィンガ615の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1239は、ドレイン・フィンガ615の中間点からドレイン・フィンガ615の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置1239は、ドレイン・フィンガ615の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0117】
図12Aは、ドレイン・フィンガ615及びゲート・フィンガ610の両方が、対応する相互接続部を用いずにドレイン・ランナ631及びゲート・ランナ621にそれぞれ直接接続されることを示しているが、他の構成が可能であることが理解されよう。例えばいくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば
図6Bに示すように、ゲート相互接続部625の内側位置629を介してゲート・フィンガ610に接続されてもよく、一方、ドレイン・ランナ631は、例えば
図12Cに示すように、内側位置1239において、ドレイン相互接続部を用いずにドレイン・フィンガ615に接続されてもよい。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、例えば
図6Cに示すように、ドレイン相互接続部635の内側位置639を介してドレイン・フィンガ615に接続されてもよく、一方、ゲート・ランナ621は、例えば
図12Bに示すように、内側位置1229において、ゲート相互接続部を用いずにゲート・フィンガ610に接続されてもよい。
【0118】
相互接続部の使用(例えば、ゲート相互接続部及び/又はドレイン相互接続部)によって、トランジスタ・デバイスの固有のフィンガ(例えば、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガ)よりも抵抗の低い層の使用が可能になり得る。例えば、相互接続部は、いくつかの実施例では、金属層で形成され得る、及び/又は、フィンガよりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、フィンガはポリシリコンで作製され得る。いくつかの技術においては、相互接続部として使用される追加の金属層が利用可能でない場合がある。いくつかの実施例では、追加の空間が利用可能である場合に、追加の金属層が使用され得る。例えば、本明細書において検討するように、デバイスのソース領域は、デバイスの頂面ではなく背面を通って、電気的に接続され得る。そのような実施例では、ソース領域への接続部と干渉することなく、ソース領域の表面を覆うように、デバイスのゲート・フィンガへの配線層が延在し得る。
【0119】
図13Aは、ゲート・ランナ621がソース領域605を覆うように延在するトランジスタ・デバイス1300を示す平面図である。
図13Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた
図13Aの断面図である。
図13Cは、本発明の追加の実施例に係る、同じく線C-C’に沿って取られた
図13Aの断面図である。
図13A~
図13Cの要素のうち、既に記載したものと同様のものは同様の参照番号で表されており、その重複する説明を省略する場合がある。
【0120】
図13Aに示すように、いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621及び/又はゲート相互接続部625の一部は、トランジスタ・デバイス1300のソース領域605を覆うように延在し得る。ゲート・ランナ621及び/又はゲート相互接続部625の一部は、ゲート・フィンガ610から(例えばY方向に)ずらされていてもよい。例えば、
図13A及び
図13Bに示すように、ゲート・ランナ621は、ゲート・フィンガ610と隣り合うソース領域605を覆うように延在し得る。ゲート・ランナ621は、ゲート相互接続部625の内側部分629において、ゲート相互接続部625に接続していてもよい。内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646との間にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。ゲート相互接続部625は、複数の導電ビア628によって、ゲート・フィンガ610(例えば第1のセグメント610A及び第2のセグメント610B)に結合され得る。
【0121】
ゲート・ランナ621は、第1の導電性部分627’によって、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、導電性部分627’は、半導体構造690のゲート・ランナ621とゲート相互接続部625との間の表面と平行な方向(例えばY方向)に延在し得る。いくつかの実施例では、導電性部分627’は、ゲート・ランナ621と同じ又は同様の材料から構成され得る。
【0122】
ゲート・ランナ621を、
図13Bに示すように、ゲート相互接続部625と同じレベルに配設してもよいが、本明細書に記載する実施例はこれに限定されない。例えば、
図13Cに示すように、ゲート・ランナ621を、ゲート相互接続部625とは異なるレベルに配設してもよい。そのような実施例では、導電性部分627’はまた、半導体構造690の頂面に対して垂直な方向(例えばZ方向)にも延在し得る。
【0123】
本明細書において検討するように、いくつかの実施例では、相互接続部(例えば、ドレイン相互接続部及び/又はゲート相互接続部)は、複数の導電ビア(例えば、
図6Bの導電ビア628及び/又は
図6Cの導電ビア638)を介して、トランジスタ・デバイスの固有のフィンガに接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガに至る導電ビアの構成が、ドレイン・フィンガに至る導電ビアの構成とは異なっていることは、有益であり得る。
【0124】
例えば、
図6Aのものなどの平面図で検討すると、ゲート・ランナ621に適用されるゲート信号は、ゲート相互接続部625の内側位置においてゲート相互接続部625に連絡されることになることが見て取れる。
図6A~
図6Cに示すように、信号はその後、導電ビア628を介して、ゲート・フィンガ610の内側位置からゲート・フィンガ610の外部/縁部まで、電気的に流れることになる。この結果、ゲート信号は、半導体構造690の内側位置から縁部へと適用される。
【0125】
トランジスタ・セルのドレイン側では、ドレイン・フィンガ615の内部部分において受け取られた電気信号/電流は、デバイスによって出力されるべくドレイン・ランナ631まで移動する距離が最短であり、一方、ドレイン・フィンガ615の縁部部分において受け取られた電気信号/電流は、デバイスによって出力されるべくドレイン・ランナ631まで移動する距離が最長である。完成したトランジスタ・セルとして見ると、ゲート経路に沿って最も長い距離を移動する、ゲート・フィンガ610の最も外側の縁部に適用されるバイアスが、ドレイン・フィンガ615上に、ドレイン経路に沿った同じく最も移動距離の長い信号を誘起する場合がある。本発明者らが認識しているように、この変動は、デバイスにおける電流加算に関して問題を引き起こし得る。
【0126】
図14Aは、内側供給のゲート相互接続部625がゲート・フィンガ610の縁部と隣り合う位置においてゲート・フィンガ610に結合されている本発明の実施例を示す、
図6Aの線A-A’に沿って取られた断面図である。
図14Bは、内側供給のドレイン相互接続部635が複数の導電ビア638を介してドレイン・フィンガ615に結合されている本発明の実施例を示す、
図6Aの線B-B’に沿って取られた断面図である。
図14A及び
図14Bの要素のうち、既に記載したものと同様のものは同様の参照番号で表されており、その重複する説明を省略する場合がある。
【0127】
本発明の態様によれば、ゲート信号はゲート相互接続部625の内側位置629に供給され、ゲート相互接続部625は、内側位置629からずらして(例えば、ずれの量1412及び/又はずれの量1422)、位置647、648においてゲート・フィンガ610に結合されている。いくつかの実施例では、内側供給のゲート相互接続部625は、ゲート・フィンガ610の縁部と隣り合う位置において、ゲート・フィンガ610に結合されている。いくつかの実施例では、14Aに関連して記載したゲート相互接続部/フィンガ構成を、本明細書で更に記載する、
図15Bのドレイン相互接続部/フィンガ構成と一緒に使用できる。いくつかの実施例では、その他の図のいずれかに記載されている構成などの、他のゲート及び/又はドレインの相互接続部/フィンガの構成が可能である。例えば、
図14Aのゲート構成は、
図11に記載したような構成内で又は構成を用いて使用することもできる。
【0128】
図14Aに示すように、ゲート・ランナ621は、既に記載したものと同様の方法でゲート・フィンガ610に結合され得る。例えば、各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、ゲート相互接続部625の内側位置629において、第2の導電ゲート・ビア627によってゲート・ランナ621に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点(例えばこれらの間の半分のところ)にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646との間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部625よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ゲート・ランナ621は、ゲート・マニホールド620に更に接続され得る。ゲート・マニホールド620は、複数のトランジスタ・セル700にゲート信号を提供し得る。
【0130】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は、間に間隙のある第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bから構成することができるが、本発明はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は単一のセグメントであってもよい。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは共線的に配置され得る。第1のセグメント610Aの(例えばX方向における)長さは、第2のセグメント610Bの長さと同じであっても異なっていてもよい。ゲート・フィンガ610は両縁部654及び656を有し得る。第1の一方縁部654は、ゲート・マニホールド620(
図6Aを参照)に最も近いゲート・フィンガ610の縁部に位置付けられ得る。第2の一方縁部656は、ドレイン・マニホールド640(
図6Aを参照)に最も近いゲート・フィンガ610の縁部に位置付けられ得る。ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610との間の第1の導電ビア628は、第1の一方縁部654から第1のずれの量1410だけずらした第1の位置647において、ゲート・フィンガ610に接続することができ、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610との間の第2の導電ビア628は、ゲート・フィンガ610の第2の一方縁部656から第2のずれの量だけ1420だけずらした第2の位置648において、ゲート・フィンガ610に接続することができる。言い換えれば、第1の位置647は第1の一方縁部654と隣り合っていてもよく、第2の位置648は第2の一方縁部656と隣り合っていてもよい。
【0131】
第1のずれの量1410及び第2のずれの量1420は、第1の及び/又は第2の導電ビア628を、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれと隣り合わせて位置付けるように構成され得る。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア628を、最も近くにあるゲート・フィンガ610の一方縁部654、656から(例えばX方向における)ゲート・フィンガの幅の3分の1以内の第1のずれの量1410及び第2のずれの量1420だけ、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれからずらしてもよい。本明細書で使用する場合、ゲート・フィンガ610の幅(例えば、関連するトランジスタ・セルのゲートの幅)は、ゲート・フィンガ・セグメント610A、610Bの間の間隙を含まない、(例えばX方向における)ゲート・フィンガ610の両縁部654、656の間の距離である。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の幅は、第1のゲート・フィンガ・セグメント610Aの幅と第2のゲート・フィンガ・セグメント610Bの幅の合計であり得る。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア628を、最も近くにあるゲート・フィンガ610の一方縁部654、656から(例えばX方向における)ゲート・フィンガ610の幅の4分の1以内の第1のずれの量1410及び第2のずれの量1420だけ、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれからずらしてもよい。縁部654、656からの第1のずれの量1410及び第2のずれの量1420は、互いに異なる値を有し得る(例えば、ずれの量の一方が他方よりも大きくなり得る)ことが、理解されるであろう。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625の内側位置629とゲート・フィンガ610の位置647及び/又は648との間のずれの量1412及び/又は1422は、導電ビア628とゲート・フィンガ610の縁部654、656との間の対応する第1のずれの量1410及び/又は第2のずれの量1420よりも大きくなり得る。
【0132】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は、第1の及び/又は第2の導電ビア628をゲート・フィンガ610に接続できる場所である縁部部分Eへと分割してもよく、これらの間には中央部分Cが存在する。例えば、第1の導電ビア628は第1の位置647において接続されてもよく、第2の導電ビア628は第2の位置648において接続されてもよい。第1の導電ビア628の第1の位置647を、ゲート相互接続部625の内側位置から第1のずれの量1412だけずらしてもよく、第2の導電ビア628の第2の位置648を、ゲート相互接続部625の内側位置から第2のずれの量1422だけずらしてもよい。
【0133】
いくつかの実施例では、第1の位置647は、ゲート・マニホールド620(
図6Aを参照)に最も近い第1のセグメント610Aの半分以内にある、ゲート・フィンガ610の第1のセグメント610A内に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、第2の位置648は、ドレイン・マニホールド640(
図6Aを参照)に最も近い第2のセグメント610Bの半分以内にある、ゲート・フィンガ610の第2のセグメント610B内に位置付けられてもよい。
【0134】
いくつかの実施例では、縁部654からの第1のずれの量1410及び/又は縁部656からの第2のずれの量1420は実質的にゼロであり得るが、本発明はこれに限定されない。言い換えれば、第1の及び/又は第2の導電ビア628は、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれに、又はその近くに、位置付けることができる。この実施例は
図14Cに示されている。
【0135】
図14A及び
図14Cは、ゲート・フィンガ610の各一方縁部654、656が、それぞれの縁部からずらされている単一の導電ビア628を有する実施例を示しているが、本発明はこれに限定されないことが理解されよう。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の縁部部分Eに(例えば、ゲート・フィンガ610の縁部からずらして)、複数の導電ビア628が位置付けられ得る。ゲート・フィンガ・セグメント610A、610Bの各々がそれぞれのゲート・フィンガ・セグメント610A、610Bの縁部部分E内に複数の導電ビア628を有する実例が、
図14Dに示されている。
【0136】
いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610との間の唯一の接続部は、縁部部分E内に(例えば、ゲート・フィンガ610の両縁部からずらして)、例えば第1の位置647及び第2の位置648に存在してもよく、この場合、中央部分(例えば中央部分C)は、ゲート相互接続部625への接続部を有さない。
【0137】
ここで
図14Bを参照すると、ドレイン・フィンガ615がゲート・フィンガ610とは異なる構成の導電ビア638を有し得ることが示されている。ゲート相互接続部625は、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656において又はそこからずらして、ゲート・フィンガ610に接続されてもよく、一方、ドレイン相互接続部635は、ドレイン・フィンガ615の複数の場所にわたってドレイン・フィンガ615に接続されてもよい。言い換えれば、ドレイン・フィンガの構成は、
図6Cに関して既に検討したようなものであり得る。
【0138】
ドレイン・フィンガ615とゲート・フィンガ610との間の導電ビアの様々な構成は、デバイス600のエネルギー伝播方向に沿うことができ、従来のデバイスよりも効率的に動作するトランジスタ・デバイス600を可能にし得る。
【0139】
図14A及び
図14Bは、ゲート・フィンガ610がゲート・フィンガ610の両縁部からずらされている位置においてゲート相互接続部625に接続され、ドレイン・フィンガ615がドレイン相互接続部635にドレイン・フィンガ615の長さにわたって接続される実施例を示しているが、この構成は、
図15A及び
図15Bに示すように逆にできることが理解されよう。
【0140】
いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615は、ドレイン・フィンガ615の両縁部からずらされている位置においてドレイン相互接続部635に接続されてもよく、ゲート・フィンガ610は、ゲート・フィンガ610の長さにわたってゲート相互接続部625に接続されてもよい。この実施例は
図15A及び
図15Bに示されている。
図15Aは、内側供給のゲート相互接続部625が複数の導電ビア628によってゲート・フィンガ610に結合されている本発明の別の実施例を示す、
図6Aの線A-A’に沿って取られた断面図である。
図6Aの線B-B’に沿って取られた断面図である
図15Bでは、内側供給のドレイン相互接続部635が、ドレイン・フィンガ615の縁部と隣り合う位置においてドレイン・フィンガ615に結合されている。
【0141】
本発明の態様によれば、
図15Bは、ドレイン信号がドレイン相互接続部635の内側位置639に供給され、ドレイン相互接続部635は、内側位置639からずれの量1512である第1の位置657において及び内側位置639からずれの量1522である第2の位置658において、少なくとも1つのドレイン・フィンガ615に結合されているのを示している。いくつかの実施例では、内側供給のドレイン相互接続部635は、ドレイン・フィンガ615の縁部と隣り合う位置において、ドレイン・フィンガ615に結合されている。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部/フィンガ構成を、
図15Aのゲート相互接続部/フィンガ構成と一緒に使用できる。いくつかの実施例では、その他の図のいずれかに記載されている構成などの、他のドレイン及び/又はゲートの相互接続部/フィンガの構成が可能である。
図15Bのドレイン構成は、
図11のように構築された構成内で又は構成を用いて使用することもできる。
【0142】
図15Bを参照すると、ドレイン・フィンガ615は、間に間隙のある第1のセグメント615A及び第2のセグメント615Bから構成することができるが、本発明はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615は単一のセグメントであってもよい。いくつかの実施例では、第1のセグメント615A及び第2のセグメント615Bは、共線的に配置され得る。第1のセグメント615Aの(例えばX方向における)長さは、第2のセグメント615Bの長さと同じであっても異なっていてもよい。ドレイン・フィンガ615は両縁部664及び665を有し得る。第1の一方縁部664は、ゲート・マニホールド620(
図6Aを参照)に最も近いドレイン・フィンガ615の縁部に位置付けられ得る。第2の一方縁部665は、ドレイン・マニホールド640(
図6Aを参照)に最も近いドレイン・フィンガ615の縁部に位置付けられ得る。ドレイン相互接続部635とドレイン・フィンガ615との間の第2の導電ビア638は、第1の一方縁部664から第1のずれの量1510だけずらした第1の位置657において、ドレイン・フィンガ615に接続することができ、ドレイン相互接続部635とドレイン・フィンガ615との間の第2の導電ビア638は、ドレイン・フィンガ615の第2の一方縁部665から第2のずれの量だけ1520だけずらした第2の位置658において、ドレイン・フィンガ615に接続することができる。
【0143】
第1のずれの量1510及び第2のずれの量1520は、第1の及び/又は第2の導電ビア638を、ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665のそれぞれと隣り合わせて位置付けるように構成され得る。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア638を、最も近くにあるドレイン・フィンガ615の一方縁部664、665から(例えばX方向における)ドレイン・フィンガ615の幅の3分の1又はいくつかの実施例では4分の1以内の、第1のずれの量1510及び第2のずれの量1520だけ、ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665のそれぞれからずらしてもよい。本明細書で使用する場合、ドレイン・フィンガ615の幅は、ドレイン・フィンガ・セグメント615A、615Bの間の間隙を含まない、(例えばX方向における)ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665の間の距離である。いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615の幅は、第1のドレイン・フィンガ・セグメント615Aの幅と第2のドレイン・フィンガ・セグメント615Bの幅の合計であり得る。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア638を、最も近くにあるドレイン・フィンガ615の一方縁部664、665から(例えばX方向における)ドレイン・フィンガ615の幅の4分の1以内の第1のずれの量1510及び第2のずれの量1520だけ、ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665のそれぞれからずらしてもよい。第1のずれの量1510及び第2のずれの量1520は、互いに異なる値を有し得る(例えば、ずれの量の一方が他方よりも大きくなり得る)ことが、理解されるであろう。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635の内側位置639とドレイン・フィンガ615の位置657及び/又は658との間のずれの量1512及び/又は1522は、導電ビア638とドレイン・フィンガ615の縁部664、665との間の対応する第1のずれの量1510及び/又は第2のずれの量1520よりも大きくなり得る。
【0144】
いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615は、第1の及び/又は第2の導電ビア638をドレイン・フィンガ615に接続できる場所である縁部部分Eへと分割してもよく、これらの間には中央部分Cが存在する。いくつかの実施例では、第1の位置657は、ゲート・マニホールド620(
図6Aを参照)に最も近い第1のセグメント615Aの半分以内にある、ドレイン・フィンガ615の第1のセグメント615A内に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、第2の位置658は、ドレイン・マニホールド640(
図6Aを参照)に最も近い第2のセグメント615Bの半分以内にある、ドレイン・フィンガ615の第2のセグメント615B内に位置付けられてもよい。
【0145】
いくつかの実施例では、第1のずれの量1510及び/又は第2のずれの量1520は実質的にゼロであり得るが、本発明はこれに限定されない。言い換えれば、第1の及び/又は第2の導電ビア638は、ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665のそれぞれに、又はその近くに、位置付けることができる。この実施例は
図15Cに示されている。
【0146】
図15A及び
図15Cは、ドレイン・フィンガ615の各一方縁部664、665が、それぞれの縁部からずらされている単一の導電ビア638を有する実施例を示しているが、本発明はこれに限定されないことが理解されよう。いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615の縁部部分Eに(例えば、ドレイン・フィンガ615の縁部からずらして)、複数の導電ビア638が位置付けられ得る。ドレイン・フィンガ・セグメント615A、615Bの各々がそれぞれのドレイン・フィンガ・セグメント615A、615Bの縁部部分E内に複数の導電ビア638を有する実例が、
図15Dに示されている。
【0147】
いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635とドレイン・フィンガ615との間の唯一の接続部は、縁部部分E内に(例えば、ドレイン・フィンガ615の両縁部からずらして)、例えば第1の位置657及び第2の位置658に存在してもよく、この場合、中央部分(例えば中央部分C)は、ドレイン相互接続部635への接続部を有さない。
【0148】
ここで
図15Aを参照すると、ゲート・フィンガ610がドレイン・フィンガ615とは異なる構成の導電ビア628を有し得ることが示されている。ドレイン相互接続部635は、ドレイン・フィンガ615の両縁部664、665において又はそこからずらして、ドレイン・フィンガ615に接続されてもよく、一方、ゲート相互接続部625は、ゲート・フィンガ610の複数の場所にわたってゲート・フィンガ610に接続されてもよい。言い換えれば、ゲート・フィンガの構成は、
図6Bに関して既に検討したようなものであり得る。
【0149】
既出の実施例に関連して本明細書で検討したように、エッジ供給型のゲート及び/又はドレインを組み込んだ本発明の実施例は、ソース領域を覆ってゲート相互接続部及び/又はゲート・ランナの少なくとも一部に延在するように構成され得る。
図16Aは、ゲート・ランナ621がソース領域605を覆うように延在する、エッジ供給ゲート・フィンガ610を組み込んだトランジスタ・デバイス1300’を示す平面図である。
図16Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図16Aの断面図である。
図16Cは、本発明の追加の実施例に係る、同じく線D-D’に沿って取られた
図16Aの断面図である。
図16A~
図16Cの要素のうち、既に記載したものと同様のものは同様の参照番号で表されており、その重複する説明を省略する場合がある。
【0150】
図16Aに示すように、いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621及び/又はゲート相互接続部625の一部は、トランジスタ・デバイス1300’のソース領域605を覆うように延在し得る。ゲート・ランナ621及び/又はゲート相互接続部625の一部は、ゲート・フィンガ610から(例えばY方向に)ずらされていてもよい。例えば、
図16A及び
図16Bに示すように、ゲート・ランナ621は、ゲート・フィンガ610と隣り合うソース領域605を覆うように延在し得る。ゲート・ランナ621は、ゲート相互接続部625の内側部分629において、ゲート相互接続部625に接続していてもよい。内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646との間にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート・フィンガ610の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0151】
ゲート・ランナ621は、第1の導電性部分627’によって、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、導電性部分627’は、半導体構造690のゲート・ランナ621とゲート相互接続部625との間の表面と平行な方向(例えばY方向)に延在し得る。
【0152】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は第1のゲート・フィンガ・セグメント610A及び第2のゲート・フィンガ・セグメント610Bから構成されてもよく、それらの間には間隙がある。いくつかの実施例では、第1のゲート・フィンガ・セグメント610A及び第2のゲート・フィンガ・セグメント610Bは共線的に配置され得る。ゲート・フィンガ610は両縁部654及び656を有し得る。第1の一方縁部654は、ゲート・マニホールド620(
図6Aを参照)に最も近いゲート・フィンガ610の縁部に位置付けられ得る。第2の一方縁部656は、ドレイン・マニホールド640(
図6Aを参照)に最も近いゲート・フィンガ610の縁部に位置付けられ得る。ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610との間の第1の導電ビア628は、第1の一方縁部654からずらされている第1の位置647において、ゲート・フィンガ610に接続することができ、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610との間の第2の導電ビア628は、ゲート・フィンガ610の第2の一方縁部656からずらされている第2の位置648において、ゲート・フィンガ610に接続することができる。
図16Aは両縁部654、656からのずれの量が実質的にゼロである導電ビア628を示しているが、本発明はこれに限定されず、導電ビア628をゲート・フィンガ610の両縁部654、656からゼロ以外の距離でずらしてもよいことが理解されよう。したがって、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610間の接続部は、本明細書で
図14Aに関して検討したものと実質的に同様であり得る。
【0153】
ゲート・ランナ621を、
図16Bに示すように、ゲート相互接続部625と同じレベルに配設してもよいが、本明細書に記載する実施例はこれに限定されない。例えば、
図16Cに示すように、ゲート・ランナ621を、ゲート相互接続部625とは異なるレベルに配設してもよい。そのような実施例では、導電性部分627’はまた、半導体構造690の頂面に対して垂直な方向(例えばZ方向)にも延在し得る。
【0154】
図16A~
図16Cはゲート相互接続部625がゲート・フィンガ610を覆うように延在する実施例を示しているが、本発明はこれに限定されないことが理解されよう。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625の一部は、半導体基板のゲート・フィンガ610と隣り合うソース領域との間にある部分上に延在し得る。
図17Aは、ゲート・ランナ621及びゲート相互接続部625の両方が、ゲート・フィンガと隣り合っている半導体構造のエリアを覆うように延在する、トランジスタ・デバイス1300”の実施例を示す。
図17Bは、本発明の実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図17Aの断面図を示す。
【0155】
図17Aに示すように、ゲート・ランナ621は、ゲート・フィンガ610と隣り合っているソース領域605を部分的に覆うように延在し得る。ゲート・ランナ621は、第1の導電性部分627’を介して、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、第1の導電性部分627’は、半導体構造690のゲート・ランナ621とゲート相互接続部625との間の表面と平行な方向(例えばY方向)に延在し得る。いくつかの実施例では、第1の導電性部分627’は、ゲート・ランナ621と同じ又は同様の材料から構成され得る。
【0156】
ゲート相互接続部625は、半導体構造690のゲート・フィンガ610と隣り合っている部分を覆うように延在し得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、半導体基板690のゲート・フィンガ610とソース領域105との間にある部分上に延在し得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、ソース領域105の一部を覆うように延在し得る。
【0157】
ゲート相互接続部は、第2の導電性部分627”を通ってゲート・フィンガ610に部分的に接続され得る。第2の導電性部分627”は、ゲート相互接続部625と導電ビア628との間に延在し得る。
図17Bに示すように、導電ビア628は、本明細書において例えば
図14Aに関して検討するように、ゲート・フィンガ610の縁部部分Eに結合され得る。
【0158】
ゲート・ランナ621及びゲート相互接続部625は、異なる高さに配設してもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621の少なくとも一部は、ゲート相互接続部625の一部と重なり合ってもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621及びゲート相互接続部625はいずれも金属を含み得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621の断面は、(例えばY方向において)ゲート相互接続部625の断面よりも大きい寸法を有し得る。
【0159】
本明細書に記載するような実施例によって、共線的に配置されてそれにも関わらず並列に配置されているかのように動作する、セグメント化されたゲート・フィンガ610を実現でき、このときドレインは内側供給(interior-fed)の様式で動作する。いくつかの実施例では、この構成によって、フィンガの数を2倍にしなくても、2Wの幅を有するトランジスタの各ゲート・フィンガが、Wの幅を各々有する並列なより短いゲート・フィンガの対として動作することが可能になる。この構成では、より低いゲート抵抗という利益を維持でき、より高い利得が得られると同時に、同じ高出力が得られる。
【0160】
エッジ供給ゲート・フィンガはセンタ供給ドレイン・フィンガと共にデバイスのエネルギー伝播方向に従っており、電流加算が同位相で行われることを可能にする。このことは、出力電力密度及び効率に関してより短いフィンガのRF性能を保持するのに寄与することになる。いくつかの実施例では、センタ供給ゲート・フィンガをエッジ供給ドレイン・フィンガと共に使用することによって、同様の利益が得ることができる。
【0161】
第1の、第2の、などの用語が、本明細書において様々な要素を記述するために使用される場合があるが、これらの要素は、それらの用語によって限定されるものではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともでき、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された事物のうちの1つ又は複数の、ありとあらゆる組合せを含む。
【0162】
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施例について記載することだけを目的としており、本発明を限定するものとなることを意図していない。本明細書で使用する場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上そうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書で使用するとき、言及された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが、更に理解されよう。
【0163】
別様に定義されていない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術及び/又は科学用語を含む)は、本発明が属する技術の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用する用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるその意味と矛盾しない意味を有するものとして解釈するべきであり、本明細書において明示的にそうであると定義しない限りは、理想化された又は過度に形式ばった意味に解釈されるものではないことが、更に理解されよう。
【0164】
ある要素、例えば層、領域、又は基板が、別の要素の「上にある」又は「上へと」と言及される場合、その要素はその別の要素上に直接存在する若しくはその別の要素上へと直接延在するか、又は介在要素が存在してもよいことが、理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素「上に直接」存在する又は別の要素「上へと直接」延在すると言及される場合は、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続されている」又は「結合されている」と言及される場合、そのある要素はその別の要素に直接接続若しくは結合され得るか、又は介在する要素が存在してもよいことも、理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言及される場合は、介在する要素は存在しない。
【0165】
本明細書では、図に示すようなある要素、層、又は領域と別の要素、層、又は領域との関係を説明するために、「下方の」又は「上方の」又は「上側の」又は「下側の」又は「水平な」又は「横方向の」又は「垂直な」などのような相対的な用語が使用され得る。これらの用語は、図に描写されている配置の他にもデバイスの様々な配置を包含するように意図されていることが理解されよう。
【0166】
本明細書では、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)概略図である断面図を参照して、本発明の実施例が記載されている。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。更に、例えば製造技法及び/又は公差の結果としての、図の形状からの変化が想定される。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されるものではなく、例えば製造の結果生じる、形状の逸脱を含むものと解釈するべきである。
【0167】
図面及び明細書では、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が採用されているものの、それらは単に総称的及び説明的な意味において用いられており、限定を目的とはしておらず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に規定されている。