(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】足底圧分布測定システムおよび足底圧分布測定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
A61B5/11 210
A61B5/11 ZDM
(21)【出願番号】P 2018192411
(22)【出願日】2018-10-11
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2017198986
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓巳
(72)【発明者】
【氏名】張 成虎
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 英津子
(72)【発明者】
【氏名】細井 泉澄
(72)【発明者】
【氏名】安 ▲ち▼
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-168529(JP,A)
【文献】特開2015-210109(JP,A)
【文献】国際公開第2014/191849(WO,A1)
【文献】特開2009-028187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
A61B 9/00-10/06
A61B 5/00- 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者を仰臥位とした状態で立位における足底に作用する圧分布である足底圧分布を測定する足底圧分布測定システムであって、
仰臥位とした状態で被験者の下肢を動かすことにより得られる太ももに取り付けられたマーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する中心位置演算装置と、
足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルとを検出する床反力センサと、足底圧分布を検出する足底圧分布センサとを有し、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定する足底圧分布測定装置と、
を備える足底圧分布測定システム。
【請求項2】
請求項1記載の足底圧分布測定システムであって、
前記中心位置演算装置は、前記マーカの位置情報を取得する位置情報取得センサと、仰臥位の状態では下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置が不変であること及び前記マーカと被験者の大腿骨頭の中心との距離が一定であることを用いて前記位置情報取得センサにより取得した前記マーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する情報演算装置と、を有する、
足底圧分布測定システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の足底圧分布測定システムであって、
前記足底圧分布測定装置は、前記床反力センサにより検出される前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在し且つ前記床反力センサにより検出される前記床反力の作用点と立位における前記床反力の作用点との距離が所定距離以内であるときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定する、
足底圧分布測定システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれか1つの請求項に記載の足底圧分布測定システムであって、
前記足底圧分布測定装置は、前記床反力センサと前記足底圧分布センサとが取り付けられて被験者の足底に当接するプレートセンサ部材と、前記プレートセンサ部材に取り付けられたマーカの位置情報に基づいて前記プレートセンサ部材の位置および姿勢を演算する位置姿勢演算装置と、を有する、
足底圧分布測定システム。
【請求項5】
請求項4記載の足底圧分布測定システムであって、
前記足底圧分布測定装置は、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するか否かをインジケータ表示するインジケータ表示手段を備える、
足底圧分布測定システム。
【請求項6】
請求項5記載の足底圧分布測定システムであって、
前記インジケータ表示手段は、前記床反力の作用点
から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線を補助線として表示し、前記補助線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在しないときには前記補助線を第1色で表示し、前記補助線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときには前記補助線を前記第1色とは異なる第2色で表示する、
足底圧分布測定システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれか1つの請求項に記載の足底圧分布測定システムであって、
前記足底圧分布測定装置により立位における足底圧分布として測定した足底圧分布を画像表示する表示装置を備える、
足底圧分布測定システム。
【請求項8】
被験者を仰臥位とした状態で立位における足底に作用する圧分布である足底圧分布を測定する足底圧分布測定方法であって、
仰臥位とした状態で被験者の太ももにマーカを取り付け、被験者の下肢を動かすことに
よって前記マーカの複数の位置情報を取得し、該取得した複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する中心位置演算ステップと、
被験者の足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルと足底圧分布とを検出する検出ステップと、
前記作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布とする足底圧分布取得ステップと、
を備える足底圧分布測定方法。
【請求項9】
請求項8記載の足底圧分布測定方法であって、
前記中心位置演算ステップは、仰臥位の状態では下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置が不変であること及び前記マーカと被験者の大腿骨頭の中心との距離が一定であることを用いて前記マーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する、
足底圧分布測定方法。
【請求項10】
請求項8または9記載の足底圧分布測定方法であって、
前記足底圧分布取得ステップは、仰臥位の状態での前記作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在し且つ仰臥位の状態での前記作用点と立位における前記作用点との距離が所定距離以内であるときの仰臥位の状態での足底圧分布を立位における足底圧分布とする、
足底圧分布測定方法。
【請求項11】
請求項8ないし10のうちのいずれか1つの請求項に記載の足底圧分布測定方法であって、
前記検出ステップは、足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルとを検出する床反力センサと、足底圧分布を検出する足底圧分布センサと、を有するプレートセンサ部材に被験者の足底を押圧することにより前記床反力の作用点と前記床反力ベクトルと前記足底圧分布とを検出し、
前記足底圧分布取得ステップは、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときにインジケータ表示するインジケータがインジケータ表示されるように前記プレートセンサ部材の位置および姿勢を調整し、前記インジケータがインジケータ表示している状態のときの足底圧分布を立位における足底圧分布とする、
足底圧分布測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足底圧分布測定システムおよび足底圧分布測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、被検者の靴の内側に装着され足底圧を計測する足底圧センサと通信可能に構成される足底圧計測装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、被検者の歩行中に、足底の各領域における単位面積当たりの足底圧を取得し、取得した各領域における単位面積当たりの足底圧に基づいて歩行中の被検者の各足の重心位置を求め、各足の重心位置が属する足底上の領域の組み合わせによって足底における病変領域を推定する。そして、推定結果に応じて足底における病変に関するメッセージを通知する。
【0003】
また、フィルム基材内に相互に独立する複数の感圧導電性素子による圧力分布センサと、感圧導電性素子の電気抵抗変化を各別に計測する処理回路と、処理回路から得られた信号の演算と計測結果の表示、記録、解析を行うためのソフトウエアと、を備える圧力分布センサシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-183809号公報
【文献】特開2008-256470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外反母趾や扁平足などの足部疾患の治療のために外科的手術を行なう際に、どの程度の矯正を行なうかについて、立位において足底に作用する圧分布である足底圧分布が考慮される。この場合、手術中に足底圧分布を測定することになるが、手術中は仰臥位であることが多いため、圧力分布センサが取り付けられた平板を足底に押しつけて足底圧分布を得るものの、立位における足底圧分布とは異なる場合が多く、立位における足底圧分布を正確に測定することができない。
【0006】
本発明の足底圧分布測定システムおよび足底圧分布測定方法は、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の足底圧分布測定システムおよび足底圧分布測定方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の足底圧分布測定システムは、
被験者を仰臥位とした状態で立位における足底に作用する圧分布である足底圧分布を測定する足底圧分布測定システムであって、
仰臥位とした状態で被験者の下肢を動かすことにより得られる太ももに取り付けられたマーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する中心位置演算装置と、
足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルとを検出する床反力センサと、足底圧分布を検出する足底圧分布センサとを有し、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定する足底圧分布測定装置と、
を備えることを要旨とする。
【0009】
発明者らは、実験などにより、仰臥位とした状態で被験者の下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置は変化しないこと、立位の状態では足底に作用する床反力の作用点から床反力の方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置とが存在すること、を確認した。この確認に基づいて、本発明の足底圧分布測定システムでは、仰臥位とした状態の被験者の太ももにマーカを取り付け、被験者の下肢を動かすことによってマーカの複数の位置情報を取得し、このマーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算し、足底に作用する床反力の作用点から床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定する。これにより、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することができる。ここで、「直線上に大腿骨頭の中心位置が存在するとき」としては、厳密に存在する場合だけが該当するのではなく、直線との距離が許容される閾値未満である場合も該当する。
【0010】
本発明の足底圧分布測定システムにおいて、前記中心位置演算装置は、前記マーカの位置情報を取得する位置情報取得センサと、仰臥位の状態では下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置が不変であること及び前記マーカと被験者の大腿骨頭の中心との距離が一定であることを用いて前記位置情報取得センサにより取得した前記マーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する情報演算装置と、を有するものとしてもよい。こうすれば、被験者の大腿骨頭の中心位置を比較的簡易に演算することができる。
【0011】
本発明の足底圧分布測定システムにおいて、前記足底圧分布測定装置は、前記床反力センサにより検出される前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在し且つ前記床反力センサにより検出される前記床反力の作用点と立位における前記床反力の作用点との距離が所定距離以内であるときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定するものとしてもよい。こうすれば、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布を更に適正に取得することができる。ここで、「立位における床反力の作用点」としては、健常者(外反母趾や扁平足などの足部疾患を有しない者)の立位における平均的な床反力点の作用点が用いられるものとしてもよい。
【0012】
本発明の足底圧分布測定システムにおいて、前記足底圧分布測定装置は、前記床反力センサと前記足底圧分布センサとが取り付けられて被験者の足底に当接するプレートセンサ部材と、前記プレートセンサ部材に取り付けられたマーカの位置情報に基づいて前記プレートセンサ部材の位置および姿勢を演算する位置姿勢演算装置と、を有するものとしてもよい。ここで、プレートセンサ部材と位置姿勢演算装置とは、別体のものとしてもよいし、一体のものとしてもよい。また、中心位置演算装置が情報演算装置を備える場合には、情報演算装置と位置姿勢演算装置とを別のコンピュータにより構成するものとしてもよいが、一体のコンピュータにより構成するものとしてもよい。
【0013】
足底圧分布測定装置がプレートセンサ部材を備える態様の本発明の足底圧分布測定システムにおいて、前記足底圧分布測定装置は、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するか否かをインジケータ表示するインジケータ表示手段を備えるものとしてもよい。こうすれば、インジケータ表示により、プレートセンサ部材の位置と姿勢が足底圧分布を測定するのに相応しいか否かを判断することができる。この場合、前記インジケータ表示手段は、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線を補助線として表示し、前記補助線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在しないときには前記補助線を第1色で表示し、前記補助線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときには前記補助線を前記第1色とは異なる第2色で表示するものとしてもよい。こうすれば、補助線の色によりプレートセンサ部材の位置と姿勢が足底圧分布を測定するのに相応しいか否かを即時に判断することができる。
【0014】
本発明の足底圧分布測定システムにおいて、前記足底圧分布測定装置により立位における足底圧分布として測定した足底圧分布を画像表示する表示装置を備えるものとしてもよい。こうすれば、足底圧分布を画像により確認することができる。
【0015】
本発明の足底圧分布測定方法は、
被験者を仰臥位とした状態で立位における足底に作用する圧分布である足底圧分布を測定する足底圧分布測定方法であって、
仰臥位とした状態で被験者の太ももにマーカを取り付け、被験者の下肢を動かすことによって前記マーカの複数の位置情報を取得し、該取得した複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する中心位置演算ステップと、
被験者の足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルと足底圧分布とを検出する検出ステップと、
前記作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布とする足底圧分布取得ステップと、
を備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の足底圧分布測定方法では、仰臥位とした状態で被験者の太ももにマーカを取り付け、被験者の下肢を動かすことによってマーカの複数の位置情報を取得し、このマーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算し、さらに、足底に作用する床反力の作用点から床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置が存在するときの足底圧分布を立位における足底圧分布として測定する。これは、上述したように、発明者らの、仰臥位とした状態で被験者の下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置は変化しないこと、立位の状態では足底に作用する床反力の作用点から床反力の方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置とが存在することの確認に基づいている。こうした測定方法により、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することができる。ここで、「直線上に大腿骨頭の中心位置が存在するとき」としては、厳密に存在する場合だけが該当するのではなく、直線との距離が許容される閾値未満である場合も該当する。なお、中心位置演算テップと検出ステップは、いずれを先に行なっても構わない。
【0017】
本発明の足底圧分布測定方法において、前記中心位置演算ステップは、仰臥位の状態では下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置が不変であること及び前記マーカと被験者の大腿骨頭の中心との距離が一定であることを用いて前記マーカの複数の位置情報に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置を演算するものとしてもよい。こうすれば、被験者の大腿骨頭の中心位置を比較的簡易に演算することができる。
【0018】
本発明の足底圧分布測定方法において、前記足底圧分布取得ステップは、仰臥位の状態での前記作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在し且つ仰臥位の状態での前記作用点と立位における前記作用点との距離が所定距離以内であるときの仰臥位の状態での足底圧分布を立位における足底圧分布とするものとしてもよい。こうすれば、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布を更に適正に取得することができる。ここで、「立位における作用点」としては、健常者(外反母趾や扁平足などの足部疾患を有しない者)の立位における平均的な床反力点の作用点が用いられるものとしてもよい。
【0019】
本発明の足底圧分布測定方法において、前記検出ステップは、足底に作用する床反力の作用点と床反力ベクトルとを検出する床反力センサと、足底圧分布を検出する足底圧分布センサと、を有するプレートセンサ部材に被験者の足底を押圧することにより前記床反力の作用点と前記床反力ベクトルと前記足底圧分布とを検出し、前記足底圧分布取得ステップは、前記床反力の作用点から前記床反力ベクトルと同一方向に延ばした直線上に前記大腿骨頭の中心位置が存在するときにインジケータ表示するインジケータがインジケータ表示されるように前記プレートセンサ部材の位置および姿勢を調整し、前記インジケータがインジケータ表示している状態のときの足底圧分布を立位における足底圧分布とするものとしてもよい。こうすれば、インジケータの表示により、プレートセンサ部材の位置と姿勢が足底圧分布を測定するのに相応しいか否かを即時に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施例としての足底圧分布測定システム20の構成の概略を示す構成図である。
【
図2】プレートセンサ装置40の一方の平坦面としての計測面42の一例を示す説明図である。
【
図3】プレートセンサ装置40の他方の平坦面としての表示面52の一例を示す説明図である。
【
図4】コンピュータ54により実行される大腿骨頭中心位置演算処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】被験者の下肢を動かしたときのマーカ34の位置ベクトルa(n)とマーカ34と大腿骨頭の中心位置とを結ぶベクトルb(n)と大腿骨頭の中心位置のベクトルcとの関係の一例を示す説明図である。
【
図6】コンピュータ54により実行されるプレートセンサ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】コンピュータ54により実行される足底圧分布表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】変形例のプレートセンサ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の一実施例としての足底圧分布測定システム20の構成の概略を示す構成図である。実施例の足底圧分布測定システム20は、図示するように、マーカ34と計測本体32とからなる3次元位置計測装置30と、マーカ36が取り付けられたプレートセンサ装置40と、を備える。
【0023】
3次元位置計測装置30は、計測本体32から赤外線を発光し、マーカ34に取り付けられた複数(実施例では4個)の反射マーカにより反射した赤外線を計測本体32で計測することにより、計測物体(この場合、被験者の太もも)に取り付けられたマーカ34の計測本体32からの位置と姿勢(向き)とを取得する。3次元位置計測装置30としては、例えば、NDI社(Nothem Digital Inc.)の商品名POLARIS SPECTRAを用いることができる。計測本体32は、後述するコンピュータ54に有線または無線により接続されており、計測したマーカ34の計測本体32からの位置と姿勢(向き)とをコンピュータ54に送信する。
【0024】
プレートセンサ装置40は、略矩形形状の薄肉の箱形状をしており、一方の平坦面側は床反力計44として、他方の平坦面側はコンピュータ54として構成されており、側部には3次元位置計測装置30に用いられたマーカ34と同一のマーカ36が取り付けられている。
【0025】
マーカ36は、プレートセンサ装置40の位置と姿勢とを検出するために取り付けられている。即ち、計測本体32から赤外線を発光し、マーカ36に取り付けられた複数(実施例では4個)の反射マーカにより反射した赤外線を計測本体32で計測することにより、プレートセンサ装置40に取り付けられたマーカ36の計測本体32からの位置と姿勢(向き)、即ち、プレートセンサ装置40の計測本体32からの位置と姿勢(向き)を得ることができる。なお、上述したように、計測本体32は、コンピュータ54に有線または無線により接続されているから、計測したプレートセンサ装置40の計測本体32からの位置と姿勢(向き)とはコンピュータ54に送信される。
【0026】
図2は、プレートセンサ装置40の一方の平坦面としての計測面42の一例を示す説明図である。プレートセンサ装置40の計測面42側は、図示するように、略全体が床反力計44として構成されており、その表面に靴底模様の圧力分布計46が取り付けられている。床反力計44は、平坦面に作用する6分力(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)を計測すると共に6分力に基づいて床反力の作用点および床反力ベクトルを演算する。床反力計44としては、例えば、株式会社テック技販の商品名フォースプレートを用いることができる。床反力計44は、コンピュータ54に有線により接続されており、計測した6分力(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)および床反力の作用点、床反力ベクトルをコンピュータ54に送信する。また、圧力分布計46もコンピュータ54に有線により接続されており、計測した圧分布をコンピュータ54に送信する。
【0027】
図3は、プレートセンサ装置40の他方の平坦面としての表示面52の一例を示す説明図である。プレートセンサ装置40の表示面52側は、図示するように、薄型の汎用のコンピュータ54として構成されており、その表面には略全面に亘ってコンピュータ54により表示制御される液晶ディスプレイ56が配置されている。コンピュータ54は、3次元位置計測装置30からのマーカ34の計測本体32からの位置と姿勢(向き)とに基づいて被験者の大腿骨頭(
図1,
図3中の丸印)の中心位置を演算したり、プレートセンサ装置40の位置と姿勢を大腿骨頭の中心位置との関係として液晶ディスプレイ56の全体表示枠56aや姿勢調整用枠56bに表示したり、床反力の作用点からの床反力ベクトル方向の直線を補助線gとして姿勢調整用枠56bに表示したり、圧力分布計46により検出された足底圧分布を圧分布表示枠56cに表示したりする。
【0028】
次に、こうして構成された実施例の足底圧分布測定システム20により足底分布圧を測定する様子について説明する。足底分布圧の測定は、まず、仰臥位の状態の被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する。これは、コンピュータ54により
図4に例示する大腿骨頭中心位置演算処理を実行することにより行なわれる。大腿骨頭中心位置演算処理では、まず、仰臥位の状態で被験者の下肢を動かしながらマーカ34の計測本体32からの位置を示す複数の位置ベクトルa(n)を取得する(ステップS100)。次に、被験者の大腿骨頭の中心位置の計測本体32からの位置ベクトルcを演算する(ステップS110)。この演算は、
図5に示すように、被験者の下肢を動かしてもマーカ34と大腿骨頭の中心位置とを結ぶベクトルb(n)の大きさは変化しないこと(|b(n)|=一定)、被験者の下肢を動かしても位置ベクトルcは変化しないこと(c=a(n)+b(n))を用いて行なうことができる。
【0029】
次に、仰臥位の状態の被験者の足底にプレートセンサ装置40を当接してプレートセンサ装置40の姿勢を調整する。この際、コンピュータ54により
図6に例示するプレートセンサ表示処理が実行される。プレートセンサ表示処理では、まず、計測本体32からマーカ36を用いて計測されるプレートセンサ装置40の計測本体32からの位置および姿勢としてのプレート位置ベクトルdおよびプレート姿勢ベクトルeや、床反力計44により検出される床反力の作用点および床反力ベクトルを取得する(ステップS200)。続いて、大腿骨頭の中心位置ベクトルcとプレート位置ベクトルdとに基づいてプレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭との位置関係として液晶ディスプレイ56の全体表示枠56aと姿勢調整用枠56bに表示する(ステップS210)。次に、大腿骨頭の中心位置と床反力の作用点とを結ぶ目標ラインfを全体表示枠56aと姿勢調整用枠56bに表示すると共に(ステップS220)、床反力の作用点から床反力ベクトル方向の直線を補助線gとして姿勢調整用枠56bに表示する(ステップS230)。そして、補助線gが目標ラインfに一致するか否かを判定する(ステップS240)。この判定は、補助線gと大腿骨頭の中心位置との距離(大腿骨頭の中心位置から補助線gに下した垂線の長さ)L1が予め定めた閾値L1ref以内であるか否かにより行なうことができる。この閾値Lref1としては、計測誤差や立位における足底圧分布として許容される程度により定めることができ、例えば、20mmや30mm、40mmなどが用いられる。補助線gが目標ラインfに一致しないと判定したときには補助線gを黒色表示して(ステップS250)、本処理を終了し、補助線gが目標ラインfに一致すると判定したときには補助線gを青色表示して(ステップS260)、本処理を終了する。仰臥位の状態の被験者の足底に当接したプレートセンサ装置40の位置と姿勢とを調整しながらプレート表示処理を繰り返し行なって補助線gを青色表示させることにより、プレートセンサ装置40の姿勢が立位における足底圧分布を測定するのに相応しいものすることができる。なお、このようにプレートセンサ装置40の位置と姿勢を調整するのは、発明者らが立位の状態では足底に作用する床反力の作用点から床反力の方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置が存在することを確かめたことに基づく。
【0030】
こうしてプレートセンサ装置40の位置と姿勢を調整して補助線gを青色表示させた状態でプレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭の中心位置の方向に押圧して足底圧分布を検出する。このときコンピュータ54では
図7に例示する足底圧分布表示処理が行なわれる。足底圧分布表示処理では、まず、補助線gが青色表示されているか否かを判定する(ステップS300)。補助線gが青色表示されていないと判定したときには、プレートセンサ装置40の位置と姿勢は足底圧分布を測定するのに相応しくないと判断し、足底圧分布を表示することなく、本処理を終了する。補助線gが青色表示されていると判定したときには、プレートセンサ装置40の位置と姿勢は足底圧分布を測定するのに相応しいと判断し、圧力分布計46により検出された足底圧分布を取得し(ステップS310)、取得した足底圧分布を圧分布表示枠56cに表示して(ステップS320)、本処理を終了する。こうした処理により、補助線gが青色表示されている状態を保持しながらプレートセンサ装置40を押圧するだけで立位における足底圧分布を得ることができる。
【0031】
以上説明した実施例の足底圧分布測定システム20では、仰臥位の状態で被験者の下肢を動かしながらマーカ34の計測本体32からの位置を示す複数の位置ベクトルa(n)を取得し、この複数の位置ベクトルa(n)に基づいて被験者の大腿骨頭の中心位置の計測本体32からの位置(位置ベクトルc)を演算する。仰臥位の状態の被験者の足底にマーカ36が取り付けられたプレートセンサ装置40を当接して、大腿骨頭の中心位置ベクトルcとプレートセンサ装置40の位置を示すプレート位置ベクトルdとに基づいてプレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭との位置関係を液晶ディスプレイ56に表示すると共に、床反力計44からの床反力の作用点から床反力ベクトル方向の直線として補助線gを液晶ディスプレイ56に表示する。そして、プレートセンサ装置40の位置と姿勢の調整により補助線gが大腿骨頭の中心位置と床反力の作用点とを結ぶ目標ラインfに一致するときに補助線gを青色表示する。補助線gが青色表示されているときにプレートセンサ装置40の姿勢を保持してプレートセンサ装置40を大腿骨頭の中心位置の方向に押圧することにより、圧力分布計46により検出された足底圧分布を立位における足底圧分布として液晶ディスプレイ56に表示する。このため、操作者は、仰臥位の状態の被験者の足底にプレートセンサ装置40を当接し、補助線gが青色表示されるようにプレートセンサ装置40の位置と姿勢を調整し、補助線gが青色表示されているときにプレートセンサ装置40の姿勢を保持してプレートセンサ装置40を大腿骨頭の中心位置の方向に押圧することにより、立位における足底圧分布を液晶ディスプレイ56に表示することができる。発明者らの仰臥位とした状態で被験者の下肢を動かしても被験者の大腿骨頭の中心位置は変化しないことや立位の状態では足底に作用する床反力の作用点から床反力の方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置とが存在することの確認により、実施例の足底圧分布測定システム20で得られる足底圧分布は立位における足底圧分布に適正に整合するものとなる。これらの結果、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することができる。
【0032】
実施例の足底圧分布測定システム20では、被験者の大腿骨頭の中心位置と床半反力の作用点とを結ぶ目標ラインfと床反力の作用点から床反力ベクトルと同一方向の直線としての補助線gとを液晶ディスプレイ56の姿勢調整用枠56bに表示し、補助線gが目標ラインfに一致したときに補助線gを青色表示するものとした。しかし、補助線gの表示色は青色に限定されるものではなく、補助線gが目標ラインfに一致していないときの補助線gの色と異なる色であれば如何なる色を表示色としてもよい。また、補助線gが目標ラインfに一致したときに補助線gの表示色を変更するのではなく、他のインジケータを点灯するものとしたり、特定の音を出力するものとしてもよい。
【0033】
実施例の足底圧分布測定システム20では、被験者の大腿骨頭の中心位置を演算し、仰臥位の状態の被験者の足底にマーカ36が取り付けられたプレートセンサ装置40を当接して、被験者の大腿骨頭の中心位置と床反力の作用点とを結ぶ目標ラインfと床反力の作用点から床反力ベクトルと同一方向の直線をしての補助線gとが一致するときに、プレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭の中心位置の方向に押圧することにより、立位における足底圧分布を取得するものとした。しかし、被験者の大腿骨頭の中心位置を演算する一方で、仰臥位の状態の被験者の足底にマーカ36が取り付けられたプレートセンサ装置40を当接し、プレートセンサ装置40の姿勢を変化させながらプレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭の方向に押圧して各姿勢における床反力の作用点と床反力ベクトルと足底圧分布とを検出し、プレートセンサ装置40の各姿勢のうち床反力の作用点からその床反力ベクトル方向に延ばした直線上に被験者の大腿骨頭の中心位置が存在する姿勢を特定し、特定した姿勢における足底圧分布を立位における足底圧分布とするものとしてもよい。
【0034】
実施例の足底圧分布測定システム20では、仰臥位の状態の被験者の足底にプレートセンサ装置40を当接してプレートセンサ装置40の姿勢を調整する際に、コンピュータ54により、
図6に例示するプレートセンサ表示処理が実行されるものとしたが、これに代えて、
図8に例示するプレートセンサ表示処理が実行されるものとしてもよい。
図8のプレートセンサ表示処理は、ステップS242,244の処理を追加した点を除いて、
図6のプレートセンサ表示処理と同一である。したがって、同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図8のプレートセンサ表示処理では、床反力の作用点から床反力ベクトル方向の直線を補助線gとして姿勢調整用枠56bに表示すると(ステップS230)、補助線gが目標ラインfに一致するか否かを判定すると共に(ステップS240)、床反力計44により検出される床反力の作用点(ステップS200で入力した床反力の作用点)と立位における床反力の作用点との距離L2を演算し、演算した距離L2を閾値L2refと比較する(ステップS244)。
【0036】
ここで、外反母趾や扁平足などの足部疾患を有する患者の外科的手術の手術中や手術後に、仰臥位の状態の患者(被験者)の足底にプレートセンサ装置40を当接してプレートセンサ装置40の姿勢を調整する際を考える。発明者らは、実験などにより、プレートセンサ装置40の姿勢を立位における足底圧分布を測定するのにより相応しいものするには、床反力の作用点から床反力ベクトル方向の直線(補助線g)を目標ラインfに一致させるのに加えて、床反力の作用点をより適正に定めるのがよいことを確認した。通常、手術前と手術後とで患者の立位における床反力の作用点が異なることから、患者の足底にプレートセンサ装置40を当接してプレートセンサ装置40の姿勢を調整する際には、床反力計44により検出される床反力の作用点と手術後(足部疾患が解消されて健常になったとき)の立位における床反力の作用点との距離が十分に小さくなるようにするのが好ましい。しかしながら、この際に、患者の手術後の立位における床反力の作用点を用いることはできない。したがって、実施例では、立位における床反力の作用点として、健常者の立位における平均的な床反力点の作用点を用いるものとした。閾値L2refとしては、計測誤差などを考慮して定めることができ、例えば、20mmや30mm、40mmなどが用いられる。
【0037】
ステップS240で補助線gが目標ラインfに一致しないと判定したときやステップS244で床反力計44により検出される床反力の作用点と立位における床反力の作用点との距離L2が閾値L2refよりも長いときには、補助線gを黒色表示して(ステップS250)、本処理を終了する。一方、ステップS240で補助線gが目標ラインfに一致すると判定し且つステップS250で床反力計44により検出される床反力の作用点と立位における床反力の作用点との距離L2が閾値L2ref以下のときには、補助線gを青色表示して(ステップS260)、本処理を終了する。こうしてプレートセンサ装置40の位置と姿勢を調整して補助線gを青色表示させた状態で、実施例と同様に、プレートセンサ装置40を被験者の大腿骨頭の中心位置の方向に押圧して足底圧分布を検出する。
【0038】
この変形例では、プレートセンサ装置40の位置と姿勢の調整により、補助線gが目標ラインfに一致し且つ床反力計44により検出される床反力の作用点と立位における床反力の作用点との距離L2が閾値L2ref以下のときに、プレートセンサ装置40の姿勢を保持してプレートセンサ装置40を大腿骨頭の中心位置の方向に押圧することにより、圧力分布計46により検出された足底圧分布を立位における足底圧分布として液晶ディスプレイ56に表示する。これにより、距離L2を考慮しない実施例に比して、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布を更に適正に取得することができる。
【0039】
図9は、発明者らが行なった実験の結果を示す説明図である。
図9(A)は、プレートセンサ装置40を用いて立位の被験者の足底圧分布および床反力の作用点を測定した測定結果であり、
図9(B)は、プレートセンサ装置40を用いて変形例の手法により仰臥位の被験者の足底圧分布および床反力の作用点を測定した測定結果であり、
図9(C)は、圧力分布センサが取り付けられた平板を仰臥位の被験者の足底に単に押しつける比較例の手法により足底圧分布および床反力の作用点を測定した測定結果である。
図9中、白枠で黒塗りの菱形が床反力の作用点を示す。この実験では、立位と変形例との相間(
図9(A),(B)の相関)と、立位と比較例との相間(
図9(A),(C)の相関)と、を比較するために、被験者を同一とした。
図9から、立位と変形例との相間が立位と比較例との相間に比して十分に高くなっていることが解る。即ち、変形例の手法を用いることにより、比較例の手法を用いるものに比して、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することができることが解る。なお、図示を省略したが、発明者らは、実施例の手法(距離L2を考慮しない点を除いて変形例と同一の手法)でも、比較例の手法に比して、被験者を仰臥位とした状態で立位における足底圧分布をより適正に取得することができることを確認した。
【0040】
実施例の足底圧分布測定システム20では、プレートセンサ装置40として、計測面42側に床反力計44と圧力分布計46とを有し、表示面52側にコンピュータ54と液晶ディスプレイ56とを有するものとした。しかし、プレートセンサ装置としては、床反力計44と圧力分布計46とを有するだけで、コンピュータ54と液晶ディスプレイ56とを別体としてもよい。
【0041】
実施例の足底圧分布測定システム20では、被験者の大腿骨頭の中心位置の演算を、プレートセンサ装置40が備えるコンピュータ54が行なうものとしたが、被験者の大腿骨頭の中心位置の演算を、プレートセンサ装置とは別体のコンピュータにより行なうものとしてもよい。
【0042】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、3次元位置計測装置30と
図4の大腿骨頭中心位置演算処理を実行するコンピュータ54とが「中心位置演算装置」に相当し、プレートセンサ装置40が「足底圧分布測定装置」に相当する。
【0043】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0044】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、足底圧分布測定システムの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
20 足底圧分布測定システム、30 3次元位置計測装置、32 計測本体、34,36 マーカ、40 プレートセンサ装置、42 計測面、44 床反力計、46 圧力分布計、52 表示面、54 コンピュータ、56 液晶ディスプレイ、56a 全体表示枠、56b 姿勢調整用枠、56c 圧分布表示枠。