(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】シート保持装置、シート給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20220901BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H1/00 501A
(21)【出願番号】P 2018197588
(22)【出願日】2018-10-19
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2018133534
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】大▲塚▼ 里詠
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-088629(JP,A)
【文献】特開2002-267439(JP,A)
【文献】特開2000-074611(JP,A)
【文献】特開平11-130271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 3/68
B65H 7/00 - 7/20
G01D 5/00 - 5/252
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの端部に対して接離する方向へ移動可能な規制部材と、
前記規制部材の移動に応じて回転する回転部材と、
前記回転部材に取り付けられて一体的に回転する被検知部材と、
前記被検知部材の回転位置を検知する回転位置検知手段とを備えたシート保持装置であって、
前記回転部材の当接部が前記被検知部材の被当接部に対して該回転部材の回転方向から当接することで、該被検知部材が該回転部材に対して一体的に回転する構成であり、
前記回転部材及び前記被検知部材の一方に設けられるDカット軸である回転軸と、他方に設けられる該回転軸に係合する係合孔とを有し、
前記当接部及び前記被当接部の一方が前記Dカット軸のDカット面であり、他方が該Dカット面と係合する前記係合孔の内壁面である係合面であり、
前記当接部と前記被当接部との当接状態を維持させる付勢力を、前記回転部材と前記被検知部材との間に付与する付勢部材を有
し、
前記付勢部材は、前記回転軸の軸方向に対して直交方向における前記Dカット面の一端側が前記係合面から離間する向きへ付勢するように、前記係合孔の内部に取り付けられることを特徴とするシート保持装置
。
【請求項2】
請求
項1に記載のシート保持装置において、
前記付勢部材は、線材の変形に対する復元力によって前記付勢力を付与するバネ部材であることを特徴とするシート保持装置。
【請求項3】
請求
項2に記載のシート保持装置において、
前記バネ部材は、前記線材を屈曲させた1又は2以上の屈曲部を有し、該屈曲部を閉方向又は開方向へ変形させたときの復元力によって前記付勢力を付与することを特徴とするシート保持装置。
【請求項4】
請求
項3に記載のシート保持装置において、
前記バネ部材は、少なくとも1つの前記屈曲部が前記係合孔を貫通するように取り付けられ、かつ、該屈曲部が前記回転軸の軸方向に対して直交する面方向において該係合孔よりも外側に位置する姿勢に保持されることを特徴とするシート保持装置。
【請求項5】
請求
項4に記載のシート保持装置において、
前記バネ部材は、前記バネ部材の取り付け時に前記屈曲部を前記係合孔に挿入していって該バネ部材による前記付勢力が発生する時点で該屈曲部が該係合孔を通過している形状を有することを特徴とするシート保持装置。
【請求項6】
請求
項1乃
至5のいずれか1項に記載のシート保持装置において、
前記係合孔に取り付けられた付勢部材が該係合孔から離脱するのを阻止する離脱阻止部材を有することを特徴とするシート保持装置。
【請求項7】
請求項1乃
至6のいずれか1項に記載のシート保持装置において、
前記付勢部材は把持部を有することを特徴とするシート保持装置。
【請求項8】
請求
項7に記載のシート保持装置において、
前記把持部の外形は円形状であることを特徴とするシート保持装置。
【請求項9】
シート保持装置に保持されたシートを給送するシート給送装置であって、
前記シート保持装置として、請求項1乃
至8のいずれか1項に記載のシート保持装置を用いたことを特徴とするシート給送装置。
【請求項10】
シート保持装置を備えた画像形成装置であって、
前記シート保持装置として、請求項1乃
至8のいずれか1項に記載のシート保持装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート保持装置、シート給送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートの端部に対して接離する方向へ移動可能な規制部材と、前記規制部材の移動に応じて回転する回転部材と、前記回転部材に取り付けられて一体的に回転する被検知部材と、前記被検知部材の回転位置を検知する回転位置検知手段とを備えたシート保持装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、原稿サイズが変わっても常に原稿の幅方向中央を固定トレイの幅方向中央に一致させるセンタリング位置決め機構を備えた原稿トレイ(シート保持装置)が開示されている。センタリング位置決め機構は、ピニオンと、ピニオンの両側に設けられ、ピニオンと噛み合って互いにすれ違いの向き(原稿幅方向)に案内されるラック対とを備えている。ラック対のそれぞれには幅寄せ板が設けられ、各幅寄せ板は、原稿の幅方向端部に対して接離する方向へ移動可能である。ラック対の一方にはロータリーセンサーの入力軸に取り付けられた歯車が噛み合っており、ユーザーが一方の幅寄せ板を掴んで移動することによりラック対が移動し、これにより歯車が回転して、その回転量がロータリーセンサーによって検知される。このロータリーセンサーの検知結果(入力軸の回転量)は、原稿の幅方向サイズの判定に利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示のような構成において、ロータリーセンサー(回転位置検知手段)の入力軸(被検知部材)に歯車(回転部材)を取り付ける際、ガタが生じ得る構成を採用すると、ロータリーセンサーの検知結果から歯車の回転角を精度よく検知することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートの端部に対して接離する方向へ移動可能な規制部材と、前記規制部材の移動に応じて回転する回転部材と、前記回転部材に取り付けられて一体的に回転する被検知部材と、前記被検知部材の回転位置を検知する回転位置検知手段とを備えたシート保持装置であって、前記回転部材の当接部が前記被検知部材の被当接部に対して該回転部材の回転方向から当接することで、該被検知部材が該回転部材に対して一体的に回転する構成であり、前記回転部材及び前記被検知部材の一方に設けられるDカット軸である回転軸と、他方に設けられる該回転軸に係合する係合孔とを有し、前記当接部及び前記被当接部の一方が前記Dカット軸のDカット面であり、他方が該Dカット面と係合する前記係合孔の内壁面である係合面であり、前記当接部と前記被当接部との当接状態を維持させる付勢力を、前記回転部材と前記被検知部材との間に付与する付勢部材を有し、前記付勢部材は、前記回転軸の軸方向に対して直交方向における前記Dカット面の一端側が前記係合面から離間する向きへ付勢するように、前記係合孔の内部に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、回転位置検知手段の検知結果から回転部材の回転角を精度よく検知できるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】同複写機の手差し給紙装置を示す外観斜視図である。
【
図3】実施形態に係る手差しトレイの斜視図である。
【
図4】同手差しトレイにおけるサイドフェンスの移動機構を示す平面図である。
【
図5】(a)~(c)は、ロータリーセンサーの検知結果とギヤの回転量とのズレが生じる場合の説明図である。
【
図6】実施形態におけるギヤの回転軸とロータの係合孔との連結構造を示す説明図である。
【
図7】同ギヤの回転軸が同ロータリーセンサーのロータの係合孔に嵌め込まれた状態であって、スプリングがまだ取り付けられていない状態を示す斜視図である。
【
図8】(a)は、組み付け前におけるスプリングの形状を示す説明図であり、(b)は、組み付け後におけるスプリングの形状を示す説明図である。
【
図9】同ギヤの回転軸が同ロータリーセンサーのロータの係合孔に嵌め込まれ、スプリングを取り付けた状態を、一部断面で示した斜視図。
【
図11】同スプリングがスペースGから離脱するのを阻止するひさし部が設けられた部分のギヤの拡大図。
【
図13】(a)は、ギヤの回転軸の軸方向に直交する断面において、Dカット面の長さxと切り欠きの長さyとが、ロータ及びギヤを一体的に回転させる関係である場合の説明図。(b)は、ギヤの回転軸の軸方向に直交する断面において、Dカット面の長さxと切り欠きの長さyとが、ロータ及びギヤを一体的に回転させることのできない関係である場合の説明図。
【
図14】ロータリーセンサーからギヤを取り外した状態の斜視図。
【
図15】手差しトレイの基台からロータリーセンサーを取り外した状態の斜視図。
【
図16】ロータリーセンサーからギヤを取り外した状態の平面図。
【
図17】ギヤが取り付けられたロータリーセンサー及びその周辺の部分断面を示す斜視図。
【
図18】ギヤとラックとの噛み合い部分付近の断面図。
【
図19】スプリングの取り付け時に、先端屈曲部をロータのスペースに挿入していってスプリングが同スペースの入口縁部に当接することで受ける、スプリングの弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eの説明図。
【
図20】(a)は、変形例1における組み付け前のスプリングの形状を示す説明図。(b)は、組み付け途中におけるスプリングの状態を示す説明図。(c)は、組み付け後のスプリングの形状を示す説明図。
【
図22】変形例2において、スプリングと把持部との連結部分が持ち上げられて、把持部を構成するワイヤの巻き方向が逆巻きになった状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係るシート保持装置を、画像形成装置としての複写機の手差しトレイに適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機1を示す模式図である。
本実施形態に係る複写機1は、画像形成装置本体2と、この画像形成装置本体2の上に配置された画像読取装置3と、画像形成装置本体2の下に配置されたテーブル状の給紙装置4と、画像読取装置3の上に開閉自在に配置された原稿自動搬送装置5とを備えている。また、複写機1は、スイッチバック装置42と、手差し給紙装置70とを備えている。
【0009】
画像形成装置本体2は、その内部に像担持体としてドラム状の感光体10を備えている。感光体10の周囲には、図中左側に帯電装置11が配置され、感光体10の回転方向(反時計方向:図中矢印A)に沿って、現像装置12、転写装置13、クリーニング装置14が配置されている。転写装置13は、上下のローラ15,16の間に転写ベルト17を掛け回して構成され、転写ベルト17を転写位置Tで感光体10の周面に押し当てる構成になっている。
【0010】
帯電装置11及びクリーニング装置14の左側には、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20が配置されている。また、画像形成装置本体2の内部には、用紙・OHPシート等のシートを後述する供給位置から送り出し、転写位置Tを経てスタック位置まで搬送するシート搬送装置D1が配置されている。シート搬送装置D1は、後述する供給路R1、手差し供給路R2、及びシート搬送路Rを備えている。シート搬送路Rは、感光体10と転写装置13との間を通って図中の下から上へと伸びてから左に曲がる略L字状をなしている。
【0011】
そして、シート搬送路Rには、感光体10のシート搬送方向上流位置にレジストローラ21が配置されている。また、感光体10のシート搬送方向下流位置には、定着装置22が配置されている。定着装置22は、一対の定着ローラ(定着ローラ回転体)31,32を備えている。一方の定着ローラ31の内部には定着ヒータが配置され、他方の定着ローラ32の周囲には加圧スプリング、加圧アームが配置されている。この加圧スプリング、加圧アームにより、一方の定着ローラ31には、他方の定着ローラ32が押し当てられる。また、一方の定着ローラ31には、サーミスタ、及びサーモスタットが配置されている。
【0012】
そして、定着ヒータは、サーミスタにより定着ローラ31の温度を測定しつつ、サーモスタットにより定着ヒータをオン、またはオフすることにより、一方の定着ローラ31を所定の温度に保つ。
【0013】
定着装置22の更にシート搬送方向下流には、排出分岐爪34、排出ローラ35、第1加圧ローラ36、第2加圧ローラ37、腰付ローラ38が配置され、その先に、画像形成済みのシートをスタックする排出スタック部(排出位置)39が配置されている。
【0014】
現像装置12の図中左側には、レーザ書込装置47が配置されている。レーザ書込装置47は、レーザ光源、走査用の回転多面鏡48、ポリゴンモータ49、fθレンズ等の走査光学系50などを備えている。
【0015】
画像読取装置3は、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55、CCD等のイメージセンサ56などを備え、上面にはコンタクトガラス57が配置されている。
【0016】
原稿自動搬送装置5は、一端を画像読取装置3の上面一端にヒンジ構造の連結具により連結されている。原稿自動搬送装置5は、下面が、コンタクトガラス57の上面に載置される原稿用紙を上から押し付ける水平状態から、コンタクトガラス57の上面との傾き角度が例えば最大で90度開いた状態となるように開閉自在に設けられている。原稿自動搬送装置5は、原稿の載置位置に載置台や、排出位置に排出台を備えるほか、原稿などのシートを、載置台から画像読取装置3のコンタクトガラス57上の読取位置を経て排出台まで搬送する原稿搬送路を有するシート搬送装置を備えている。シート搬送装置は、原稿などのシートを搬送するシート搬送ローラ(シート搬送回転体)を複数個備えている。
【0017】
給紙装置4は、内部に、シートSの供給位置である用紙分離装置61を多段に備えている。各用紙分離装置61は、それぞれ対応してピックアップローラ(給送ローラ)62、フィードローラ(給送ローラ)63、リバースローラ(分離ローラ)64を備えている。多段に配置された用紙分離装置61の図中右側には画像形成装置本体2のシート搬送路Rへと通じる供給路R1が形成される。供給路R1は、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を備えている。
【0018】
スイッチバック装置42は、画像形成装置本体2の図中右側面に配置されている。スイッチバック装置42は、シート搬送路Rの排出分岐爪34の位置から分岐するシート搬送装置D2を備えている。シート搬送装置D2は、一対のスイッチバックローラ43が配置されたスイッチバック位置44まで導く反転路R3と、スイッチバック位置44から、再びシート搬送路Rのレジストローラ21まで導く再搬送路R4とを有している。また、シート搬送装置D2は、シートを搬送する複数のシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を有している。本実施の形態では、スイッチバック装置42は、後述する開閉部材71に取り付けられるよう構成されている。
【0019】
手差し給紙装置70は、画像形成装置本体2の図中右側面に配置されている。手差し給紙装置70は、ピックアップローラ(給送ローラ)67A、フィードローラ(給送ローラ)67B、リバースローラ(給送ローラ)67Cを備え、手差しトレイ72に積載されたシートSを画像形成装置本体2のシート搬送路Rに供給するものである。
【0020】
次に、複写機1の動作を説明する。
まず、この複写機1を用いてコピーを生成するには、メインスイッチをオンするとともに、原稿自動搬送装置5に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置5を開いて画像読取装置3のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、原稿自動搬送装置5を閉じてそれで押える。
【0021】
そして、スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置5に原稿をセットしたときは、原稿をシート搬送ローラにより原稿搬送路を通して、コンタクトガラス57上へと移動してから画像読取装置3を駆動し、原稿内容を読み取って排出台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは直ちに画像読取装置3を駆動する。
【0022】
画像読取装置3が駆動を開始すると、光源53は、発光しつつコンタクトガラス57に沿って移動し光をコンタクトガラス57上の原稿面に照射する。複数のミラー54は、原稿面からの反射光を入光して結像用光学レンズ55に向かって反射する。結像用光学レンズ55は、この反射光をイメージセンサ56上で結像させる。これにより、イメージセンサ56は、原稿内容を読み取る。
【0023】
また、このとき同時に、感光体10が感光体駆動モータにより回転され、これに伴い、感光体表面が帯電ローラを用いた帯電装置11により一様に帯電され、次いでレーザ書込装置47が上述の画像読取装置3で読み取った原稿内容に応じてレーザ光を感光体表面に照射することにより、感光体表面に書込みが行われ、これにより、感光体10の表面に静電潜像が形成される。その後、感光体表面に形成された静電潜像部分が現像装置12に対向する時に感光体表面にトナーが吸着し、静電潜像が可視像化する。
【0024】
また、スタートスイッチを押したときに、給紙装置4中に多段に備える複数の用紙分離装置61の中、用紙サイズの選択信号に基づいて対応する用紙分離装置61が選択される。そして、この用紙分離装置61に対応するピックアップローラ62がこの用紙分離装置61内のシートSを1枚送り出す。リバースローラ64は、複数枚のシートSを送り出そうとするときに最上位の1枚のシートSを分離し、残りのシートSの搬送を阻止する。続いて、フィードローラ63がシートSを搬送しながら供給路R1に入れ、シート搬送ローラ66がシートSを引き続いて搬送しシート搬送路Rへ導き、レジストローラ21がシートSに当接しシートSの搬送を止める。そして、このレジストローラ21が、上述した感光体10の回転にタイミングを合わせて回転し、シートSを感光体10の右側へ送り込む。
【0025】
手差し給紙を行う場合には、手差し給紙装置70の手差しトレイ72を直立姿勢の閉鎖状態から、
図1に示すような傾斜姿勢の開放状態へ移行し、その手差しトレイ72のシート積載面72B上にシートをセットする。スタートスイッチを押したときに、ピックアップローラ67Aがシートを1枚送り出し、引き続いてフィードローラ67Bがシートの送り出しを引き継ぐ。リバースローラ67Cは、複数枚のシートを送り出そうとするときに最上位の1枚のシートを分離し、残りのシートの搬送を阻止する。シート搬送ローラ66は、手差し供給路R2に供給されたシートを引き続き搬送してシート搬送路Rへと導く。以後は、上述した給紙装置4と同様に、レジストローラ21が感光体10の回転にタイミングを合わせて感光体10の右側へと送り込む。
【0026】
次いで、転写装置13は、感光体10の右側へと送り込んだシートSが転写位置Tに来た時に、シートSに感光体10上のトナー画像を転写して画像を形成する。クリーニング装置14が、画像転写後の感光体10上の残留トナーを除去・清掃し、次いで、除電装置が、感光体10上の残留電位を除去して帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
【0027】
次いで、定着装置22は、上述したトナー画像が転写されたシートSを転写ベルト17により搬送して一対の定着ローラ31,32間を通し、定着位置で熱と圧力を加えて転写画像を定着する。定着が行われたシートSは、その後、第1加圧ローラ36、排出ローラ35、第2加圧ローラ37、腰付ローラ38を通過する過程において平面上とされ腰を付けられ、排出スタック部39上に排出され、そこにスタックされる。
【0028】
なお、シートSの両面に画像を転写する場合、排出分岐爪34を切り替える。そして、表面に画像を転写したシートSを、シート搬送路Rから反転路R3に入れ、シート搬送ローラ66により搬送してスイッチバック位置44へ入れ、そのスイッチバック位置44においてスイッチバックする。その後、シートを再搬送路R4に入れ反転して、シート搬送ローラ66により搬送して、再び、シート搬送路Rに導き、前述と同様にしてシートの裏面にも画像を転写する。
【0029】
図2は、手差し給紙装置70を示す外観斜視図である。
本実施形態の手差し給紙装置70は、
図1に示すように、画像形成装置本体2に対して下部に回動支点71Aを持って上部が開閉する開閉部材71と、開閉部材71に対して下部に回動支点72Aを持って上部が開閉する手差しトレイ72とを備えている。また、手差し給紙装置70は、
図2に示すように、画像形成装置本体2に開閉部材71を開閉可能に連結するリンク部材73を備えている。
【0030】
シート搬送路R、再搬送路R4に詰まったジャム・シートの除去や、画像形成装置本体2の内部のメンテナンス等を簡単に行うには、開閉部材71を傾斜姿勢の開放状態にしてシート搬送路Rや再搬送路R4を開放する。すなわち、手差し給紙装置70は、開閉部材71を直立姿勢の閉鎖状態から傾斜姿勢の開放状態にしてシート搬送路Rや再搬送路R4を開放することにより、ジャム・シートの除去や、メンテナンス等を簡単に行うことができる。
【0031】
また、手差し給紙装置70は、手差しトレイ72を直立姿勢の閉鎖状態から傾斜姿勢の開放状態(
図1参照)にして手差しトレイ72のシート積載面72Bにシートを積載することにより、手差し用のシートをシート搬送路Rに供給することができる。
【0032】
図3は、本実施形態に係る手差しトレイの斜視図である。
図3に示すように、シート保持装置である手差しトレイ72は、サイドフェンス74A,74B、ガイドレール75が設けられている。サイドフェンス74A,74Bは、シート積載面72Bの上方空間(シートSの積載空間)におけるシート幅方向(Y方向)に設置されている。
【0033】
本実施形態の手差しトレイ72には、案内部であるガイドレール75が、シート幅方向(Y方向)に延在して設けられている。シートSを挟むようにシート幅方向両端部にそれぞれ設置された一対のサイドフェンス74A,74Bは、ガイドレール75に沿って、シートSの幅方向端部に対して接離する方向(シート幅方向)に手動で移動可能であり、シートSの幅方向のサイズに合わせて位置決めされる。すなわち、サイドフェンス74A,74Bは、シートSの幅方向の位置を規制する規制部材として機能する。
【0034】
本実施形態の手差しトレイにおいて、シート積載面72Bの上方空間(シートSの積載空間)におけるシート給送方向(X方向)の上流側に、エンドフェンスを設けてもよい。具体的には、例えば、手差しトレイ72に案内部であるガイドレールをシート給送方向(X方向)に延在して設け、このガイドレールに沿ってエンドフェンスがシート給送方向に移動可能に設置する。エンドフェンスは、シート積載面72Bに載置されるシートSの給送方向のサイズに合わせて位置決めされる。すなわち、エンドフェンスは、シートSの給送方向の端部位置を規制する規制部材として機能する。
【0035】
本実施形態では、一対のサイドフェンス74A,74Bが連動して幅方向の間隔を増減するように構成されている。すなわち、一方のサイドフェンス74A,74Bが+Y方向に手動で移動されたとき、他方のサイドフェンス74B,74Aは-Y方向に連動して移動する。また、一方のサイドフェンス74A,74Bが-Y方向に手動で移動されたとき、他方のサイドフェンス74B,74Aが+Y方向に連動して移動する。
【0036】
なお、
図3において、シートSの給送方向はX方向であり、手差しトレイ72はY方向に挿脱できるとしたが、本発明はこれらの方向関係に限定されるものではない。
【0037】
図4は、本実施形態の手差しトレイ72におけるサイドフェンス74A,74Bの移動機構を示す平面図である。
本実施形態におけるサイドフェンス74A,74Bの移動機構は、シートSの幅方向サイズが変わってもシートSの幅方向中央が底板24の幅方向中央に一致させるように、一対のサイドフェンス74A,74Bが連動して移動する構成となっている。本実施形態では、サイドフェンス74A,74Bの移動機構として、ピニオン・ラック機構を用いている。
【0038】
具体的には、
図4に示すように、各サイドフェンス74A,74Bにはそれぞれラック81A,81Bが設けられている。各ラック81A,81Bは、シート幅方向略中央に配置されているピニオン82を両側から挟み込むようにしてピニオンと噛み合っている。これにより、一方のサイドフェンス74A,74Bがシート幅方向へ移動されると、そのサイドフェンス74A,74Bのラック81A,81Bが連動してシート幅方向へ移動し、ピニオン82を回転させる。このピニオン82の回転によって他方のラック81B,81Aがシート幅方向に沿ってすれ違い方向へ移動し、これに連動して他方のサイドフェンス74B,74Aがシート幅方向へ移動する。
【0039】
本実施形態において、一方のラック81Aには、ギヤ(回転部材)84が噛み合っている。ギヤ84の回転軸84aは、ロータリーセンサー83のロータ(被検知部材)83aに形成されている係合孔83bに嵌め込まれて連結されている。ユーザーが例えばサイドフェンス74Aをシート幅方向へ移動させると、そのサイドフェンス74Aのラック81Aが連動してシート幅方向へ移動し、ラック81Aに噛み合っているギヤ84を回転させる。これにより、ギヤ84に連結されているロータリーセンサー83のロータ83aがギヤ84と一体的に回転し、ロータ83aの回転量がロータリーセンサー83によって検知される。このロータリーセンサー83の検知結果(ロータ83aの回転量)は、画像形成装置の制御部に送られ、例えば手差しトレイ72にセットされたシートSの幅方向サイズの判定に利用される。
【0040】
図5(a)~(c)は、ロータリーセンサー83の検知結果(ロータ83aの回転量)とギヤ84の回転量(サイドフェンス74A,74Bの位置)とのズレが生じる場合の説明図である。
本実施形態において、ロータリーセンサー83のロータ83aとギヤ84との連結は、ギヤ84の回転軸84aをDカット軸にし、そのDカット面(当接部)84bに係合する係合面となる内壁平面部(被当接部)83cが形成されるように、ロータ83aの係合孔83bをDカット形状として、ロータ83aとギヤ84とが一体的に回転するようにしている。
【0041】
ここで、このような連結構造は、Dカット形状の係合孔83bやこれに嵌め込まれるDカット軸である回転軸84aの寸法バラツキによって、
図5(a)に示すように、回転軸84aのDカット面84bと係合孔83bの内壁平面部83cとの間に隙間Cが生じ得る。このような隙間Cが存在すると、ギヤ84の回転軸84aに形成されたDカット面84bとロータ83aの係合孔83bの内壁平面部83cとの当接状態が一意に決まらない。
【0042】
具体的には、サイドフェンス74A,74Bが互いの間隔を広げる方向へ移動された場合、
図5(b)に示すように、これに連動してギヤ84の回転軸84aが図中反時計回りに回転し、隙間Cの分だけロータ83aの係合孔83bに対して相対回転する。その結果、ギヤ84の回転軸84aの軸方向に対して直交方向におけるDカット面84bの一端側(図中右側の端部)が、ロータ83aの係合孔83bの内壁平面部83cの一端側(図中右側の端部)に当接する一方、Dカット面84bの他端側と内壁平面部83cの他端側とが離間するという当接状態になる。この当接状態は、Dカット面84bと内壁平面部83cとが平行であるときの状態と比べると、ロータ83aに対してギヤ84が-θ°の角度分だけ相対的に回転した回転位置をとる。
【0043】
また、今度は、サイドフェンス74A,74Bが互いの間隔を狭める方向へ移動された場合、
図5(c)に示すように、これに連動してギヤ84の回転軸84aが図中時計回りに回転し、隙間Cの分だけロータ83aの係合孔83bに対して相対回転する。その結果、ギヤ84の回転軸84aの軸方向に対して直交方向におけるDカット面84bの他端側(図中左側の端部)が、ロータ83aの係合孔83bの内壁平面部83cの他端側(図中左側の端部)に当接する一方、Dカット面84bの一端側と内壁平面部83cの一端側とが離間するという当接状態になる。この当接状態は、Dカット面84bと内壁平面部83cとが平行であるときの状態と比べると、ロータ83aに対してギヤ84が+θ°の角度分だけ相対的に回転した回転位置をとる。
【0044】
以上の結果、サイドフェンス74A,74Bの位置が同じであっても、ロータリーセンサー83で検出される角度は2θ°の角度範囲内で変動し得る。特に、サイドフェンス74A,74Bが互いの間隔を広げる方向へ移動させた場合と狭める方向へ移動させた場合とでは、最大で2θ°分の角度の違いが生じてしまう。したがって、ロータリーセンサー83での検出結果(ロータ83aの回転量)からは、ギヤ84の回転量(回転角)を正確に得ることができず、サイドフェンス74A,74Bの位置を正確に把握できない。よって、例えば、ロータリーセンサー83での検出結果(ロータ83aの回転量)からシートSの幅方向サイズを判定する場合には、その判定を適切に行うことができない。
【0045】
図6は、本実施形態におけるギヤ84の回転軸84aとロータ83aの係合孔83bとの連結構造を示す説明図である。
本実施形態においては、ギヤ84の回転軸84aにおけるDカット面84bとロータ83aの係合孔83bにおける内壁平面部83cとの当接状態が維持されるように、ギヤ84とロータ83aとの間に回転方向への付勢力を付与する付勢部材としてのスプリング85が設けられている。
【0046】
本実施形態においては、ロータ83aの係合孔83bの内部にスプリング85を取り付けるため、ギヤ84の回転軸84aに切り欠きを設けてDカット面84bの一部を除去し、スプリング85を取り付けるスペースGを形成している。
【0047】
付勢部材としては、前記のような付勢力を付与できるものであれば特に制限はない。本実施形態の付勢部材は、ロータ83aの係合孔83bの内部に取り付けられているが、その設置場所もこれに限定されることはない。
【0048】
本実施形態のスプリング85は、
図6中符号Fの向きの付勢力を付与するものであり、回転軸84aの軸方向に対して直交方向におけるDカット面84bの一端側(図中右側の端部)が係合孔83bの内壁平面部83cから離間する向きへ付勢している。この付勢力により、Dカット面84bと係合孔83bの内壁平面部83cとの当接状態は、常に、
図5(c)に示した当接状態(片寄せした状態)に維持される。
【0049】
スプリング85による付勢力は、ロータ83aの回転トルク以上となるように設定されているため、
図5(b)に示すように、ギヤ84の回転軸84aが図中反時計回りに回転する場合でも、Dカット面84bと係合孔83bの内壁平面部83cとの当接状態は
図5(c)に示した当接状態に維持され、その状態で回転するギヤ84とロータ83aとが一体的に回転する。したがって、回転軸84aのDカット面84bと係合孔83bの内壁平面部83cとの間に隙間Cが存在していても、Dカット面84bと係合孔83bの内壁平面部83cとの当接状態が一意に決まり、ロータリーセンサー83での検出結果(ロータ83aの回転量)から、ギヤ84の回転量(回転角)を正確に得ることができるようになる。その結果、ロータリーセンサー83での検出結果(ロータ83aの回転量)から、サイドフェンス74A,74Bの位置を正確に把握できるようになり、例えば、ロータリーセンサー83での検出結果からシートSの幅方向サイズを判定する場合には、その判定を適切に行うことができるようになる。
【0050】
一方、本実施形態におけるスプリング85による付勢力は、ロータ83aの破損許容圧未満に設定されている。そのため、ロータ83aに対するギヤ84の組み付け時に、ロータ83aの破損許容圧を超えるような過剰な外力が加わることがなく、ロータリーセンサー83の故障や破損の心配が少ない。
【0051】
また、本実施形態では、回転軸84aのDカット面84bとロータ83aの係合孔83bの内壁平面部83cとの間に隙間Cが存在することが許容される。そのため、ロータ83aの係合孔83bにギヤ84の回転軸84aを圧入するような連結構造を採用する必要がなく、圧入によってロータリーセンサー83に過剰な外力が加わることもなく、この点でも、ロータリーセンサー83の故障や破損の心配が少ない。
【0052】
次に、スプリング85の構成について更に説明する。
図7は、ギヤ84の回転軸84aがロータリーセンサー83のロータ83aの係合孔83bに嵌め込まれた状態であって、スプリング85がまだ取り付けられていない状態を示す斜視図である。
本実施形態のスプリング85は、金属などからなる線材の変形に対する復元力によって付勢力を付与するものである。詳しくは、
図7に示すように、線材を屈曲させた1又は2以上の屈曲部85a,85b,85cを有し、その屈曲部85a,85b,85cを閉方向又は開方向へ変形させたときの復元力によって付勢力を付与する。屈曲部85a,85b,85cは、弾性変形時の応力集中を避けるため、R形状となっている。
【0053】
また、本実施形態のスプリング85を構成する線材の一端には、スプリング85の組み付け時に作業者が把持するための把持部86が設けられ、他端は自由端になっている。本実施形態では、作業者が持ちやすいように、把持部86の外形が円形状となっている。なお、その外形が円形状であれば、円板部材でも円環部材でもよい。把持部86の外形は、円形状に限らず、その他の外形形状であってもよい。
【0054】
図8(a)は、組み付け前におけるスプリング85の形状を示す説明図であり、
図8(b)は、組み付け後におけるスプリング85の形状を示す説明図である。
スプリング85を組み付ける場合、作業者は、スプリング85の把持部86を2本の指で挟むようにして把持する。そして、作業者は、把持部86の中心軸方向(図中上下方向)へスプリング85を移動させるようにして、スプリング85の先端屈曲部85aを、ギヤ84の回転軸84aの切り欠きによって形成されるロータ83aの係合孔83b内のスペースGへ、
図7の矢印Bに示すように回転軸84aの軸方向から挿入する。スプリング85の挿入は、ギヤ84の軸方向端面のうち、ロータリーセンサー83と対面する側とは反対側の端面側から行われる。
【0055】
ここで、スプリング85の第一屈曲部85bと線材の固定端(把持部86が取り付けられる線材端部)との間の第一直線部85dは、円形状の把持部86の中心軸方向に略平行に延びている。そのため、スプリング85の挿入時には、第一直線部85dは、回転軸84aの回転方向においてスペースGを形成する回転軸84aの面に沿って真っすぐ進む。一方、スプリング85の第二屈曲部85cと線材の自由端(線材の固定端とは反対側の端部)との間の第二直線部85eは、
図8(a)に示すように、スプリング85の全体形状が略V字状をなすように、把持部86の中心軸方向に対し、第一直線部85dから離れる方向へ傾斜する方向へ延びている。そのため、スプリング85の挿入時には、第二直線部85eは、回転軸84aの回転方向においてスペースGを形成するロータ83aの内壁平面部83cに当接する。その結果、第二直線部85eが第一直線部85dへ近づくように、スプリング85が弾性変形する。
【0056】
また、この弾性変形に伴い、スプリング85の先端屈曲部85aは、ロータ83aの裏側(スプリング挿入方向先端側)に回り込む位置へ移動する。その結果、スプリング85は、
図8(b)に示すように、先端屈曲部85aが回転軸84aの軸方向に対して直交する面方向(図中左右方向)においてスペースGよりも外側に位置する姿勢に保持される。これにより、先端屈曲部85aと第二屈曲部85cとの間の第三直線部85fがロータ83aの裏側に引っ掛かり、スプリング85がスペースGから容易に抜けないようになる。
【0057】
以上のような構成は、本実施形態のスプリング85の形状によって実現されている。すなわち、本実施形態のスプリング85における組み付け前の形状は、
図8(a)に示すように、第一直線部85dと第三直線部85fとが円形状の把持部86の中心軸方向に略平行に延びている。そして、第一直線部85dと第三直線部85fとの間隔D2は、スペースGの間隔D1よりも狭く設定されている。また、本実施形態のスプリング85における組み付け後の形状は、
図8(b)に示すように、ロータ83aの裏側に回り込んだスプリング部分の最大間隔、すなわち、第一直線部85dと先端屈曲部85aとの間隔D3が、スペースGの間隔D1よりも広く設定されている。
【0058】
図9は、ギヤ84の回転軸84aがロータリーセンサー83のロータ83aの係合孔83bに嵌め込まれ、スプリング85を取り付けた状態を、一部断面で示した斜視図である。
なお、
図9に示す断面は、
図6中符号W-Wで切断したときのものである。
【0059】
図10は、ギヤ84単体を示す斜視図である。
図11は、スプリング85がスペースGから離脱するのを阻止するひさし部87が設けられた部分のギヤ84の拡大図である。
図12は、
図11に示すギヤを一部断面で示した斜視図である。
本実施形態においては、スペースGに取り付けられたスプリング85がスペースGから離脱するのを阻止する離脱阻止部材としてのひさし部87が設けられている。このひさし部87は、ギヤ84の軸方向端面のうち、スプリング85が挿入される側の端面、すなわち、ロータリーセンサー83と対面する側とは反対側の端面に設けられている。ひさし部87は、一端側がギヤ84の軸方向端面に固定され、他端側がギヤ84の回転軸84a側へせり出すように設けられている。スプリング85は、ギヤ84に設けられたスプリング受入開口G’を介してスペースGに挿入される。スプリング85がスペースGに挿入されたとき、ひさし部87のせり出した部分が、そのスプリング85の把持部86に挿入方向後方側から当接することで、スプリング85がスペースGから離脱するのを阻止する。なお、スプリング85の挿入時には、把持部86を指で弾性変形させることでひさし部87のせり出した部分を乗り越えさせることができる。
【0060】
なお、本実施形態におけるロータリーセンサー83のロータ83aとギヤ84との連結は、ギヤ84の回転軸84aをDカット軸にし、ロータ83aの係合孔83bをDカット形状にして、ロータ83aとギヤ84とが一体的に回転するようにしている。このとき、
図13(b)に示すように、ギヤ84の回転軸84aの軸方向に直交する断面において、Dカット面84bの長さxがX/2以下になると、ロータ83aとギヤ84とが一体的に回転できなくなる。したがって、Dカット面84bの長さxは、
図13(a)に示すように、ロータ83aとギヤ84とが一体的に回転できるような関係に設定される。
【0061】
図14は、ロータリーセンサー83からギヤ84を取り外した状態の斜視図である。
図15は、手差しトレイ72の基台72Cからロータリーセンサー83を取り外した状態の斜視図である。
図16は、ロータリーセンサー83からギヤ84を取り外した状態の平面図である。
図17は、ギヤ84が取り付けられたロータリーセンサー83及びその周辺の部分断面を示す斜視図である。
図18は、ギヤ84とラック81Aとの噛み合い部分付近の断面図である。
【0062】
本実施形態のロータリーセンサー83は、手差しトレイ72の基台72C上に設置されるセンサ基板88上に実装されている。このセンサ基板88は、基台72C上の位置決め主基準ボス89aと位置決め従基準ボス89bとによって、基台72C上に位置決めされる。
【0063】
ここで、サイドフェンス74Aの移動時には、サイドフェンス74Aに連動して移動するラック81Aに噛み合うギヤ84がばたつく。このばたつき(ギヤ84の変位)の度合いが大きいと、ラック81Aとギヤ84との噛み合いが外れてしまい、サイドフェンス74Aとギヤ84が取り付けられたロータ83aの回転量との対応関係が崩れ、手差しトレイ72にセットされたシートSの幅方向サイズを適切に判定することができなくなる。
【0064】
そこで、本実施形態の基台72C上には、
図15に示すように、センサ基板88の位置決め用ボス89a,89bとは別に、ギヤ84のばたつき(ギヤ84の変位)を抑制するためのばたつき抑制ボス89c,89d,89e,89fが設けられている。センサ基板88には、
図14や
図16に示すように、これらのばたつき抑制ボス89c,89d,89e,89fに対応する孔や切り欠きが形成されている。
【0065】
センサ基板88の孔や切り欠きがばたつき抑制ボス89c,89d,89e,89fと係合するように、センサ基板88が基台72C上に取り付けられることで、ギヤ84が固定されているセンサ基板88の変位(ばたつき)が規制される。その結果、サイドフェンス74Aの移動時におけるギヤ84のばたつきが抑制される。
【0066】
〔変形例1〕
次に、本実施形態におけるスプリングの一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
上述した実施形態のスプリング85においては、ギヤ84の回転軸84aに切り欠きを設けて形成されたスペースGにスプリング85を挿入するとき、
図19に示すように、第二直線部85eがロータ83aのスペースGの入口縁部83dに当接し、第二直線部85eが第一直線部85dへ近づくように、スプリング85が弾性変形する。このとき、スプリング85の第二直線部85eは、
図19に示すように、スペースGの入口縁部83dから、スプリング85の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受ける。この抗力Eは、スプリング85の挿入方向とは逆方向(
図19中上側)の分力Eaをもつので、スプリング85をスペースGから抜け出させるように作用する。そのため、スプリング85の挿入時(組み付け時)に、スプリング85の弾性力によってスプリング85がスペースGから飛び出して抜け出てしまうという問題が発生し得る。
【0067】
また、スプリング85の挿入が不十分なまま組み付けられた場合、組み付け後にスプリング85の弾性力によってスプリング85がスペースGから抜け出る方向へずれてしまい、ギヤ84とロータ83aとの間に回転方向への十分な付勢力を付与できなくなるおそれがある。
【0068】
図20(a)は、本変形例1における組み付け前のスプリング185の形状を示す説明図であり、
図20(b)は、組み付け途中におけるスプリング185の状態を示す説明図である。
図20(c)は、組み付け後のスプリング185の形状を示す説明図である。
【0069】
本変形例1において、作業者は、
図20(a)に示すように、スプリング185の先端屈曲部85aを、ロータ83aのスペースGへ挿入する。ここで、本変形例1のスプリング185には、先端屈曲部85aと第二屈曲部85cとの間に、上述した実施形態の第三直線部85fに代えて、第四直線部85f1及び第五直線部85f2と、これらを接続する第三屈曲部85f3とが、設けられている。これにより、第二直線部85eがロータ83aのスペースGの入口縁部83dに当接して、スプリング185の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受ける前に、
図20(b)に示すように、スプリング185の先端屈曲部85aがスペースGの出口縁部83eを超えることができる。
【0070】
このように、本変形例1のスプリング185は、スプリング185の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受ける時点で、すでに、スプリング185の先端屈曲部85aがスペースGの出口縁部83eを超えることになる。そのため、この時点で、
図20(b)の矢印Hの方向へ回動させるように把持部86を操作しながら、スプリング185をスペースGに挿入することで、第四直線部85f1をロータ83aの裏側に引っ掛けた状態で、第二直線部85eが第一直線部85dへ近づくようにスプリング185を弾性変形させることができる。したがって、スプリング185が挿入方向とは逆方向の分力Eaをもつ抗力Eを受けても、第四直線部85f1の引っ掛かりによって、スプリング185がスペースGから飛び出して抜け出てしまうような事態を抑制することができる。
【0071】
〔変形例2〕
次に、本実施形態における把持部の一変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図21は、本変形例2における把持部186を示す斜視図である。なお、
図21は、
図9と同様に、ギヤ84の回転軸84aがロータリーセンサー83のロータ83aの係合孔83bに嵌め込まれ、スプリング85を取り付けた状態を、一部断面で示した斜視図である。
【0072】
上述した実施形態の把持部86は、スプリング85とは別部材によって構成されていたが、本変形例2では、スプリング85を構成するワイヤの一端側を巻き加工してコイル状にしたものである。これにより、把持部をスプリング85とは別部材で構成する場合よりも、部品点数が少なくなり、低コスト化に有利となる。
【0073】
ところが、本変形例2においては、把持部186が、スプリング85を構成するワイヤの一端側を巻き加工してコイル状にしたものであるため、次のような問題が生じやすい。すなわち、組み付け後も、スプリング85の第二直線部85eがスペースGの入口縁部83dから、スプリング85の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受けて、スプリング85がスペースGから抜け出る方向へずれる力が作用することがある。
【0074】
通常、このような力が作用しても、スプリング85の第三直線部85fがロータ83aの裏側に引っ掛かる力と、ひさし部87のせり出した部分がスプリング85の把持部186に押さえつける力とによって、スプリング85がスペースGから抜けることが阻止される。しかしながら、スプリング85を構成するワイヤの一端側を巻き加工してコイル状とした把持部186を用いる場合、組み付け後にスプリング85がスペースGから抜け出る方向へずれる力が作用すると、その力によって、スプリング85と把持部186との連結部分85gが持ち上げられ、
図22に示すように、把持部186を構成するワイヤの巻き方向が逆巻き状態になるおそれがある。このような状態になると、ひさし部87のせり出した部分がスプリング85の把持部186を押さえていても、連結部分85gが持ち上げられた分だけスプリング85がスペースGから抜け出る方向へ移動し、スプリング85の第三直線部85fのロータ83aの裏側への引っ掛かりが不十分な状態になってしまう。その結果、ギヤ84とロータ83aとの間に回転方向への十分な付勢力を付与できなくなるおそれがある。
【0075】
また、スプリング85の第三直線部85fのロータ83aの裏側への引っ掛かりが不十分な状態になると、ギヤ84の回転軸84aにおいて、ギヤ84がロータリーセンサー83のロータ83aの係合孔83bから抜け出る方向に動きやすくなる。その結果、サイドフェンス74Aの移動時に、サイドフェンス74Aに連動して移動するラック81Aに噛み合うギヤ84がばたつくと、ギヤ84とラック81Aとの噛み合いが外れるおそれがある。
【0076】
したがって、本変形例2のように、スプリング85を構成するワイヤの一端側を巻き加工してコイル状にした把持部186を用いる場合、前記変形例1に示したようなスプリング185の形状を採用してもよい。すなわち、スプリング185の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受ける時点で、すでにスプリング185の先端屈曲部85aがスペースGの出口縁部83eを超えているように構成する。これによれば、スプリング185の弾性変形の復元力(弾性力)に対する抗力Eを受けても、スプリング185の第四直線部85f1がロータ83aの裏側に引っ掛かっているため、スプリング85と把持部186との連結部分85gが持ち上げられるようなことはなく、把持部186を構成するワイヤの巻き方向が逆巻き状態になることがない。よって、サイドフェンス74Aの移動時に、サイドフェンス74Aに連動して移動するラック81Aに噛み合うギヤ84がばたついても、ギヤ84とラック81Aとの噛み合いが外れることが抑制される。
【0077】
以上、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)は、2つのサイドフェンス74A,74Bが連動して動く構成について説明したが、2つのサイドフェンス74A,74Bが互いに独立して動く構成においても、いずれか一方のサイドフェンス74A,74Bのみが動く構成においても、本発明は同様に適用できる。
【0078】
また、本実施形態は、シート搬送方向に対して直交するシート幅方向に沿ってシート端部に接離するサイドフェンス74A,74Bに適用する場合について説明したが、シート搬送方向に沿ってシート端部に接離するエンドフェンスに対して本発明を適用してもよい。
【0079】
また、本実施形態は、ギヤ84側をDカット軸にし、ロータ83a側をDカット形状とした係合孔とした構成であるが、これとは逆に、ロータ83a側をDカット軸にし、ギヤ84側をDカット形状とした係合孔としてもよい。
【0080】
また、本実施形態は、手差しトレイ72について説明したが、シートを保持するものであれば、手差しトレイ72に限らず、給紙装置4の用紙分離装置61におけるシート収容部、排出スタック部39、原稿自動搬送装置5の載置台などにも本発明は適用可能である。
【0081】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する
[第1態様]
第1態様は、シート(例えばシートS)の端部に対して接離する方向へ移動可能な規制部材(例えばサイドフェンス74A,74B)と、前記規制部材の移動に応じて回転する回転部材(例えばギヤ84)と、前記回転部材に取り付けられて一体的に回転する被検知部材(例えばロータ83a)と、前記被検知部材の回転位置を検知する回転位置検知手段(例えばロータリーセンサー83)とを備えたシート保持装置(例えば手差しトレイ72)であって、前記回転部材の当接部(例えばDカット面84b)が前記被検知部材の被当接部(例えば内壁平面部83c)に対して該回転部材の回転方向から当接することで、該被検知部材が該回転部材に対して一体的に回転する構成であり、前記当接部と前記被当接部との当接状態を維持させる付勢力Fを、前記回転部材と前記被検知部材との間に付与する付勢部材(例えばスプリング85)を有することを特徴とするものである。
回転部材と被検知部材との連結には、一般に、回転部材と被検知部材のうちの一方に設けられる軸をDカット軸にし、そのDカット面(当接部又は被当接部)に係合する内壁面(被当接部又は当接部)が形成されるように他方の孔をDカット形状とする構造が採用されることが多い。しかしながら、この構造は、Dカット形状の孔やこれに嵌め込まれるDカット軸の寸法バラツキによって、Dカット面と孔の内壁面との間に隙間Cが生じ得る。このような隙間が存在すると、回転部材の回転角と被検知部材の回転角との関係が一意に決まらず、被検知部材の回転角から回転部材の回転角を正確に得ることができなくなる。その結果、規制部材の位置を正確に把握できず、シートサイズを適切に判定できないなどの弊害をもたらす。
本態様においては、付勢部材により付与される付勢力によって、回転部材の当接部と被検知部材の被当接部との当接状態が維持される。これにより、回転部材の当接部と被検知部材の被当接部との間に隙間Cが存在していても、回転部材の当接部と被検知部材の被当接部との当接状態が維持される結果、回転部材の回転角と被検知部材の回転角との関係が一意に定まる。したがって、回転部材の回転角を精度よく検知できるようになり、規制部材の位置も精度よく検知できるようになる。よって、例えば、規制部材の位置に応じてシートのサイズを検出する場合において、シートのサイズを精度よく検出することが可能となる。
しかも、本態様では、回転部材の当接部と被検知部材の被当接部との間に隙間が存在しても回転部材の回転角を精度よく検知できる結果、当該隙間をなくすために回転部材と被検知部材とを圧入させるような連結構造を採用する必要がなくなる。このような圧入による連結構造では、その圧入の際、被検知部材を介して回転位置検知手段に過剰な外力が加わり、回転位置検知手段の故障や破損が心配されるところ、本態様においてはそのような心配がなくなる。
【0082】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記回転部材及び前記被検知部材の一方に設けられる回転軸84aと、他方に設けられる該回転軸に係合する係合孔83bとを有し、前記当接部及び前記被当接部の一方が前記回転軸の周面に形成され、他方が前記係合孔の内壁面に形成されており、前記付勢部材は、前記係合孔の内部に取り付けられることを特徴とするものである。
これによれば、付勢部材が係合孔の内部に取り付けられるため、付勢部材が邪魔になりにくい。
【0083】
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記回転軸はDカット軸であり、前記回転軸の周面に形成される前記当接部又は前記被当接部は、前記Dカット軸のDカット面84bであり、前記係合孔の内壁面に形成される前記被当接部又は前記当接部は、該Dカット面と係合する係合面(例えば内壁平面部83c)であることを特徴とするものである。
これによれば、一般に採用されているDカット軸を用いた結合構造において、圧入による回転位置検知手段の故障や破損の心配がなく、回転位置検知手段の検知結果から回転部材の回転角を精度よく検知できる。
【0084】
[第4態様]
第4態様は、第3態様において、前記付勢部材は、前記回転軸の軸方向に対して直交方向における前記Dカット面の一端側が前記係合面から離間する向きへ付勢することを特徴とするものである。
これによれば、回転部材の当接部と被検知部材の被当接部との当接状態を常に片寄せした状態に維持され、簡易な構成で、当接状態の維持を実現できる。
【0085】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記付勢部材は、線材の変形に対する復元力によって前記付勢力を付与するバネ部材(例えばスプリング85)であることを特徴とするものである。
これによれば、狭いスペースでも付勢部材を設置することが容易である。
【0086】
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記バネ部材は、前記線材を屈曲させた1又は第2以上の屈曲部85a,85b,85cを有し、該屈曲部を閉方向又は開方向へ変形させたときの復元力によって前記付勢力を付与することを特徴とするものである。
これによれば、狭いスペースに設置が容易な付勢部材を簡易な構成で実現できる。
【0087】
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、前記バネ部材は、少なくとも1つの前記屈曲部(例えば先端屈曲部85a)が前記係合孔を貫通するように取り付けられ、かつ、該屈曲部が前記回転軸の軸方向に対して直交する面方向において該係合孔よりも外側に位置する姿勢に保持されることを特徴とするものである。
これによれば、係合孔に挿入したバネ部材を係合孔の縁に引っ掛けて、バネ部材が係合孔から容易に抜けないようにすることができる。
【0088】
[第8態様]
第8態様は、第7態様において、前記バネ部材は、前記バネ部材の取り付け時に前記屈曲部を前記係合孔に挿入していって該バネ部材による前記付勢力が発生する時点で該屈曲部が該係合孔を通過している形状を有することを特徴とするものである。
これによれば、係合孔に挿入したバネ部材が係合孔から容易に抜けないようにすることができる。
【0089】
[第9態様]
第9態様は、第2乃至第8態様のいずれかにおいて、前記係合孔に取り付けられた付勢部材が該係合孔から離脱するのを阻止する離脱阻止部材(例えばひさし部87)を有することを特徴とするものである。
これによれば、係合孔に挿入したバネ部材が係合孔から容易に抜けないようにすることができる。
【0090】
[第10態様]
第10態様は、第1乃至第9態様のいずれかにおいて、前記付勢部材は把持部86を有することを特徴とするものである。
これによれば、作業者による付勢部材の取り扱いが容易になる。
【0091】
[第11態様]
第11態様は、第10態様において、前記把持部の外形は円形状であることを特徴とするものである。
これによれば、作業者が把持部を把持しやすい。
【0092】
[第12態様]
第12態様は、シート保持装置に保持されたシートを給送するシート給送装置(例えば手差し給紙装置70、給紙装置4)であって、前記シート保持装置として、第1乃至第11態様のいずれかのシート保持装置を用いたことを特徴とするものである。
これによれば、回転位置検知手段の検知結果から回転部材の回転角を精度よく検知できるシート保持装置を備えたシート給送装置を提供できる。
【0093】
[第13態様]
第13態様は、シート保持装置を備えた画像形成装置(例えば複写機1)であって、前記シート保持装置として、第1乃至第11態様のいずれかのシート保持装置を用いたことを特徴とするものである。
これによれば、回転位置検知手段の検知結果から回転部材の回転角を精度よく検知できるシート保持装置を備えた画像形成装置を提供できる。
【符号の説明】
【0094】
1 :画像形成装置
2 :画像形成装置本体
3 :画像読取装置
4 :給紙装置
5 :原稿自動搬送装置
70 :手差し給紙装置
71 :開閉部材
71A,72B:回動支点
72 :手差しトレイ
72B :シート積載面
72C :基台
73 :リンク部材
74A,74B:サイドフェンス
75 :ガイドレール
81A,81B:ラック
82 :ピニオン
83 :ロータリーセンサー
83a :ロータ
83b :係合孔
83c :内壁平面部
83d :入口縁部
83e :出口縁部
84 :ギヤ
84a :回転軸
84b :Dカット面
85,185:スプリング
85a :先端屈曲部
85b :第一屈曲部
85c :第二屈曲部
85d :第一直線部
85e :第二直線部
85f :第三直線部
85f1:第四直線部
85f2:第五直線部
85f3:第三屈曲部
85g :連結部分
86,186:把持部
87 :ひさし部
88 :センサ基板
89a :位置決め主基準ボス
89b :位置決め従基準ボス
89c,89d,89e,89f:ばたつき抑制ボス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】