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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/58 20060101AFI20220902BHJP
   A61F 13/551 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A61F13/58
A61F13/551 200
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017252488
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019115581
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 青
(72)【発明者】
【氏名】黒田 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】野田 祐樹
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-233501(JP,A)
【文献】国際公開第2010/117314(WO,A1)
【文献】実開昭61-031422(JP,U)
【文献】特開平10-014975(JP,A)
【文献】実開昭63-124924(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向と、
前記前後方向に直交する幅方向と、
着用者の肌に面する表面シートと、
着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートの間の吸収体と、を含む本体部と、
前記本体部に固定された後処理用のテープ部材と、を有する吸収性物品であって、
前記裏面シートの非肌面側に設けられた粘着部を有し、
着用状態の前記吸収性物品における前記テープ部材の曲げ剛性は、前記表面シートと前記裏面シートと前記吸収体を重ねた部分の曲げ剛性よりも低く、
前記テープ部材は、
前記本体部に固定された固定部と、
前記固定部に隣接して設けられ、かつ前記本体部に固定されておらず粘着材を有しない非固定部と、を有し、
前記テープ部材は、前記粘着部に粘着して前記吸収性物品を丸めた状態に維持するように構成されており、
前記粘着部は、前記吸収性物品の展開状態において、前記非固定部の延伸を伴わない前記非固定部の可動範囲内よりも外側に設けられている、吸収性物品。
【請求項2】
前記テープ部材は、折り畳まれていない単一のフィルムによって構成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記粘着部は、前記前後方向に延びており、前記幅方向に間隔をあけて複数設けられており、
前記テープ部材の前記前後方向の長さは、粘着部の前記前後方向の長さよりも短く、
前記テープ部材の前記幅方向の長さは、各粘着部の前記幅方向の長さを合計した合計長さよりも短い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記テープ部材の曲げ剛性は、前記吸収体の曲げ剛性よりも低い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記テープ部材は、前記裏面シートの非肌面側に設けられており、
前記テープ部材の曲げ剛性は、前記裏面シートの曲げ剛性よりも低い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記テープ部材の少なくとも前記非固定部は、延伸方向に伸張可能に構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記テープ部材は静電気防止剤を含まないフィルムにより構成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記裏面シートの非肌面側に設けられた粘着部を有し、
前記粘着部は、着衣に前記吸収性物品を固定する用途と、後処理用の前記テープ部材を止着する用途と、を兼ねている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品は、使用時に着用者の下着に固定されるよう構成されており、
前記テープ部材は、前記吸収性物品の後側縁から、前記前後方向における前記吸収性物
品の長さの1/3の長さの範囲内において、前記幅方向における前記吸収性物品の中央部
に設けられている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記テープ部材は、前記吸収性物品の後側縁から、前記前後方向における前記吸収性物品の長さの15%の長さの範囲内に設けられている、請求項9に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記非固定部の全体に亘って粘着材が設けられていない、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理用のテープを備えた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、パンティライナー、大人用失禁パッド又は糞便パッドのような吸収性物品は、使用時に、着用者に着用される着用物品の内側に取り付けられる。一般に、着用物品の内側に取り付けられる吸収性物品は、着用物品に対する吸収性物品のずれを防止するための粘着部を有する。この粘着部は、吸収性物品の肌面側(着用者の肌に面する側)とは反対側の面に設けられる。
【0003】
特許文献1は、後処理用の止着テープを備えた使い捨ておむつや生理用ナプキンのような吸収性物品を開示している。この止着テープは、バックシートに固着された基部と、当該基部に連設された伸長可能な伸長部と、を備える。止着テープは、止着テープの長さ方向に止着テープを略3等分する2つの折曲部を有する。止着テープは、この折曲部で3つ折りに折り畳まれている。伸長部は、弱い粘着面によって基部と剥離自在に粘着されている。伸長部の接着部分は、強い粘着面によって、廃棄時に吸収性物品のバックシートに接着可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-99010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、鋭意検討の結果、後処理用のテープ部材について以下のような課題を発見した。すなわち、従来、後処理用のテープ部材が着用者に着用の違和感を与えるということは想定されていなかった。しかしながら、吸収性物品の着用中に、後処理用のテープ部材付近のシートの端部が捲れることにより、テープ部材の一部が着用者の肌に直接接触することがあることがわかった。
【0006】
また、生理用ナプキン、パンティライナー、大人用失禁パッド又は糞便パッドのように着用者の着衣に取り付けられる吸収性物品においては、吸収性物品が着衣によって着用者の肌に向かって押される状態になるため、テープ部材による違和感が生じ得る。
【0007】
特に、ショーツのような下着に取り付けられる吸収性物品においては、吸収性物品が臀部の丸みに応じて丸く湾曲した状態になる。比較的高い剛性を有するテープ部材をこのように湾曲する領域に配置すると、より着用者に対して違和感を与えることがある。
【0008】
したがって、違和感を抑制できるテープ部材を備えた吸収性物品が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、着用者の肌に面する表面シートと、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間の吸収体と、を含む本体部と、前記本体部に固定された後処理用のテープ部材と、を有し、前記テープ部材の曲げ剛性は、前記表面シートと前記裏面シートと前記吸収体を重ねた部分の曲げ剛性よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、肌面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
図2図2は、非肌面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
図3図3は、前後方向に巻かれた状態の吸収性物品の斜視図である。
図4図4は、非肌面側から見た第2実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、着用者の肌に面する表面シートと、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間の吸収体と、を含む本体部と、前記本体部に固定された後処理用のテープ部材と、を有し、前記テープ部材の曲げ剛性は、前記表面シートと前記裏面シートと前記吸収体を重ねた部分の曲げ剛性よりも低い。
【0013】
吸収性物品の着用中に、後処理用のテープ部材付近のシートの端部が捲れることにより、テープ部材の一部が着用者の肌に直接接触することがある。ここで、テープ部材の曲げ剛性は、表面シートと裏面シートと吸収体を重ねた部分よりも曲げ剛性よりも低いため、着用者は、表面シートと裏面シートと吸収体を重ねた部分よりもテープ部材に関する違和感を感じ難い。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材の曲げ剛性は、前記吸収体の曲げ剛性よりも低い。
【0015】
これにより、テープ部材が着用者に対して与える違和感をより抑制することができる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記裏面シートの非肌面側に設けられており、前記テープ部材の曲げ剛性は、前記裏面シートの曲げ剛性よりも低い。
【0017】
特に、裏面シートの非肌面側に設けられたテープ部材の曲げ剛性が裏面シートの曲げ剛性よりも低いため、着用中の動作により吸収性物品と肌が擦れたとしても、着用者は、テープ部材が存在するという感触を認識し難い。したがって、着用者に対して与える違和感をより抑制することができる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記本体部に固定された固定部と、前記本体部に固定されておらず粘着材を有しない非固定部と、を有する。
【0019】
これにより、吸収性物品の着用中に、後処理用のテープ部材付近のシートの端部が捲れることにより、テープ部材の一部が着用者の肌に直接接触することがある。この場合であっても、テープ部材の非固定部に粘着材が設けられていないため、テープ部材が着用者の肌に粘着することを防止できる。また、テープ部材の非固定部に粘着材が設けられていないため、着用中にテープ部材が、テープ部材自身の粘着材に貼り付くという不具合を防止できる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材の少なくとも前記非固定部は、延伸方向に伸張可能に構成されている。
【0021】
テープ部材の少なくとも非固定部が延伸方向に伸張可能に構成されているため、巻いた吸収性物品をテープ部材で固定する際に、テープ部材で吸収性物品を固定し易くすることができる。
【0022】
また、テープ部材の非固定部を延伸方向に伸張させた場合、テープ部材の非固定部は、延伸方向と直交する方向にネックインすることになる。ここで、非固定部が粘着材を有する場合、粘着材とテープ部材の伸縮性の差により、テープ部材の非固定部は幅方向に反り返り易くなる。テープ部材の非固定部が反り返ると、テープ部材自身が、テープ部材の粘着材に貼り付いてしまうことがある。したがって、テープ部材の少なくとも非固定部が伸張可能に構成されている場合、非固定部は粘着材を有しないことが好ましい。
【0023】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、折り畳まれていない単一のシートによって構成されている。
【0024】
これにより、複数の層に折り畳まれたテープ部材と比較すると、着用者に対して与える違和感をより抑制することができる。
【0025】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は静電気防止剤を含まないフィルムにより構成されている。
【0026】
これにより、テープ部材は、静電気によって本体部に貼り付き易くなる。テープ部材が本体部に貼り付くことにより、吸収性物品の着用中に、テープ部材が捲れることを抑制することができる。
【0027】
好ましい一態様によれば、前記裏面シートの非肌面側に設けられた粘着部を有する。
【0028】
裏面シートの非肌面側に設けられた粘着部によって、例えば生理用ナプキン、パンティライナー、大人用失禁パッド又は糞便パッドのような吸収性物品を着用者のショーツのような着衣に固定することができる。この場合であっても、テープ部材の剛性が低いため、テープ部材に起因する着用者の違和感を抑制することができる。
【0029】
さらに、吸収性物品の使用後に吸収性物品を巻く場合、テープ部材を粘着部に止着させることができる。したがって、粘着部は、着衣に固定する用途と、後処理用のテープ部材を止着する用途の2つに兼用できる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、使用時に着用者の下着に固定されるよう構成されており、前記テープ部材は、前記吸収性物品の後側縁から、前記前後方向における前記吸収性物品の長さの1/3の長さの範囲内において、前記幅方向における前記吸収性物品の中央部に設けられている。
【0031】
これにより、テープ部材は、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に相当する位置に配置される。このように着用者の肌の凹んだ箇所にテープ部材が配置されるため、テープ部材に起因する着用の違和感を軽減することができる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記吸収性物品の後側縁から、前記前後方向における前記吸収性物品の長さの15%の長さの範囲内に設けられている。
【0033】
これにより、テープ部材は、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に相当する位置に配置される。このように着用者の肌の凹んだ箇所にテープ部材が配置されるため、テープ部材に起因する着用の違和感を軽減することができる。
【0034】
(2)吸収性物品の構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、母乳パッド、大人用失禁パッド、糞便パッド又は汗取りシートのような吸収性物品であってよい。特に、吸収性物品は、使用者の下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。
【0035】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0036】
図1は、肌面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図2は、非肌面側から見た第1実施形態に係る吸収性物品の平面図である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0037】
吸収性物品は、前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。
【0038】
吸収性物品10は、着用者の肌に面する表面シート20と、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート22と、表面シート20と裏面シート22の間の吸収体30と、を含む本体部を有する。表面シート20は、使用中に着用者の肌の方に向く。裏面シート22は、使用中に、着用者の肌とは反対側に向けられる。吸収体30は、吸収性物品の前後方向Lに沿って延びている。
【0039】
吸収性物品10は、ウイング40及びヒップフラップ50を有していてもよい。ウイング40は、使用時に着用物品のクロッチ部の非肌面側に折り返される。ヒップフラップ50は、ウイング40よりも後方で、幅方向Wに膨らんだ部分である。ヒップフラップ50は、幅方向Wにおける吸収体30の外縁よりも外側に膨らんだ部分である。
【0040】
吸収性物品10は、使用中に着用者の排泄口(例えば膣口)に対向する排泄口対向域S1を有する。排泄口対向域S1は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域であって、吸収体30が存在する領域に相当する。なお、ウイング40を有する吸収性物品10では、排泄口対向域S1は、ウイング40どうしの間であって、吸収体30が存在する領域に相当する。
【0041】
図2に示すように、吸収性物品10は、裏面シート22の非肌面側に設けられた粘着部42,52,70を有する。粘着部42,52,70は、吸収性物品10を着用物品に止めるための粘着剤が設けられた領域である。粘着部は、本体粘着部70と、ウイング粘着部42と、フラップ粘着部52と、を含む。
【0042】
裏面シート22の非肌面側に設けられた粘着部42,52,70によって、吸収性物品を着用者のショーツのような着衣に固定することができる。吸収性物品10の使用後に吸収性物品を巻く場合、後処理用のテープ部材60を粘着部42,52,70に止着させることができる。したがって、粘着部42,52,70は、着衣に固定する用途と、後処理用のテープ部材を止着する用途の2つに兼用できる。
【0043】
本体粘着部70は、吸収性物品の厚み方向において、吸収体30と重なる領域に設けられている。本体粘着部70は、少なくとも排泄口対向域S1から吸収性物品10の後方へ連続的又は断続的に延びていることが好ましい。本体粘着部70は、前後方向Lに延びており、幅方向Wに間隔をあけて複数設けられていてよい。
【0044】
ウイング粘着部42はウイング40に設けられている。ウイング40は、使用中に着用者の着用物品に折り返され、ウイング粘着部42によって着用物品の非肌面側に取り付けられる。フラップ粘着部52はヒップフラップ50に設けられている。
【0045】
吸収性物品10は、幅方向Wに沿って延びた少なくとも2つの折り線を有していてもよい。図1,2に示す例では、吸収性物品10は、3つの折り線F1~F3を有している。これらの折り線F1~F3は、吸収性物品の包装時に、吸収性物品を折り畳むためのラインである。
【0046】
吸収性物品10は、裏面シート22の非肌面側に、吸収性物品10の外縁よりも内側に配置されたテープ部材60をさらに有する。したがって、テープ部材60は、肌面側から見ると、吸収性物品10に隠れた状態となる。
【0047】
テープ部材60は、吸収性物品10の外縁よりも外側に延出するよう伸張可能に構成されている。ここで、「伸張」とは、「弾性変形」又は「塑性変形」による伸張を含む。本明細書では、テープ部材60は、好ましくは塑性変形可能に構成されている。一例として、テープ部材60は、伸縮性シートから構成されていてよい。この場合、着用者がテープ部材60を引っ張ることによって、テープ部材60が吸収性物品10の外縁よりも外側に延出する。
【0048】
テープ部材60は、後処理用のテープであり、吸収性物品10を丸めた状態で本体粘着部70に取り付けられる程度に延出可能であればよい。また、テープ部材60は、本体粘着部70に取り付け可能な材料であれば、どのような材料から構成されていてもよい。好ましくは、テープ部材60は、表面シート20よりも本体粘着部70に粘着し易い材料からなる。
【0049】
テープ部材60は吸収性物品10の本体部、特に吸収性物品10の非肌面に固定された固定部62を有している。すなわち、テープ部材60の固定部62は、裏面シート22に固定されている。また、テープ部材60は、本体部、特に裏面シート22に固定されていない非固定部64を有する。テープ部材60の非固定部64の表面は、粘着材を有していなくてよい。
【0050】
テープ部材60の少なくとも非固定部64は、延伸方向に伸張可能に構成されている。テープ部材60の少なくとも非固定部64が延伸方向に伸張可能に構成されているため、巻いた吸収性物品10をテープ部材60で固定する際に、テープ部材60で吸収性物品10を固定し易くすることができる(図4参照)。
【0051】
テープ部材60は、折り畳まれていない単一のシートによって構成されていてよい。これにより、複数の層に折り畳まれたテープ部材と比較すると、吸収性物品の装着時に、着用者に対して与える違和感(触感の低下)をより抑制することができる。
【0052】
吸収性物品10の着用中に、後処理用のテープ部材60付近のシートの端部が捲れることにより、テープ部材60の一部が着用者の肌に直接接触することがある。この場合であっても、テープ部材60の非固定部64に粘着材が設けられていないため、テープ部材60が着用者の肌に粘着することを防止できる。
【0053】
また、テープ部材60の非固定部64に粘着材が設けられていないため、着用中にテープ部材が、テープ部材自身の粘着材に貼り付くという不具合を防止できる。
【0054】
具体的には、テープ部材60の非固定部64を延伸方向に伸張させた場合、テープ部材60の非固定部64は、延伸方向と直交する方向にネックインすることになる。ここで、非固定部64が粘着材を有する場合、粘着材とテープ部材60の伸縮性の差により、テープ部材60の非固定部64は幅方向に反り返り易くなる。テープ部材60の非固定部64が反り返ると、テープ部材自身が、テープ部材60の粘着材に貼り付いてしまうことがある。テープ部材60の非固定部64の表面が粘着材を有していない場合、テープ部材60自身が、テープ部材60の粘着材に貼り付いてしまうことを防止できる。
【0055】
本実施の形態の吸収性物品の具体的な構成の一例を示す。表面シートは、目付30g/mのエアースルー不織布(PE/PET)によって構成されてよい。表面シートと吸収コアの間にセカンドシートが設けられてよい。セカンドシートしては、表面シートと同様の材料によって構成されてよい。本体部の幅方向の外側には、表面シートが配置されず、サイドシートが配置されてもよい。サイドシートとしては、目付13g/mのSMS不織布(PP)によって構成されてよい。吸収コアの吸収材料は、針葉樹クラフトパルプと高吸収ポリマーによって構成されてよい。吸収材料全体の重量に対する高吸収ポリマーの重量の比率は、10%であってよい。排泄口対向域S1を含む領域の吸収コアの目付は、周囲の吸収コアの目付よりも高く構成されてよい。排泄口対向域S1を含む領域の吸収コアの目付は、950g/mであってよく、周囲の吸収コアの目付は、300g/mであってよい。裏面シートは、目付23.5g/mのポリエチレンフイルム(非通気タイプ)によって構成されてよい。吸収性物品は、表面シートと吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されていてもよい。本体粘着部は、ゴム系のホットメルト型接着剤によって構成されてよい。本体粘着部の目付は、27g/mのであってよい。本体粘着部は、幅方向に空けて6本設けられてよい。各本体粘着部の幅方向の長さは、5mm、各本体粘着部の前後方向の長さは、320mmであってよい。吸収性物品の前後方向の長さは、420mm、吸収性物品の幅方向の長さは、200mmであってよい。後処理用のテープ部材は、目付35g/mのポリエチレンフイルムによって構成されてよい。テープ部材の長手方向の長さは、45mm、テープ部材の短手方向の長さは、25mmであってよい。テープ部材は、100g/mのゴム系のホットメルト型接着剤によって本体部に固定されてよい。接着剤は、幅21mm、かつ長さ5mmの範囲で塗布されてよい。テープ部材の裏面シート側の面には、印刷が施されてよい。印刷は、ピンク糸のウレタン系インクを用いてよい。また、伸長するテープ部材としては、目付10g/mのポリプロピレン層、10g/mのスチレン系ゴム層、及び目付10g/mのポリプロピレン層の積層によって構成されてよい。
【0056】
延出方向におけるテープ部材60の先端部は、固定部62とは反対側に向けられていてよい。この場合、テープ部材60を吸収性物品10の外縁よりも外側に延出させる際に、テープ部材60の固定部62には延出方向にのみ力が働くことになる。これにより、固定部62にかかる力をなるべく小さくすることができるため、テープ部材60の固定強度を維持することができる。
【0057】
使用者は、吸収性物品10の使用後に吸収性物品10を前後方向Lに巻いた後、テープ部材60を吸収性物品10の外縁よりも外側に延出させることができる(図4参照)。使用中においては、テープ部材60は、裏面シート22の非肌面側で吸収性物品10の外縁よりも内側に配置されているため、テープ部材60に経血のような体液が付着しない。使用者は、吸収性物品10の使用後に、外側に延出させたテープ部材60を、裏面シート22の別の部分に設けられた粘着部70に取り付けることによって、吸収性物品10を丸めた状態に維持することができる。ここで、テープ部材60に経血のような体液が付着しないため、テープ部材60と粘着部70との接合力の低下を防止することができ、これにより吸収性物品10を小さく丸めた状態に維持し易くすることができる。
【0058】
さらに、吸収性物品10の使用中においては、テープ部材60は、裏面シート22の非肌面側に設けられ、吸収性物品10の外縁より外側へ延びていないため、テープ部材60は、着用者の肌に直接当たらない。したがって、使用中の違和感や不快感を低減することができる。
【0059】
テープ部材60は、吸収性物品10の後側縁E2から、前後方向Lにおける吸収性物品10の長さの1/3の長さの範囲内において、幅方向Wにおける吸収性物品10の中央部に設けられていることが好ましい。これにより、テープ部材60は、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に相当する位置に配置される。このように着用者の肌の凹んだ箇所にテープ部材60が配置されるため、テープ部材60に起因する着用の違和感を軽減することができる。
【0060】
テープ部材60は、吸収性物品10の後側縁E2から、前後方向Lにおける吸収性物品10の長さの15%の長さの範囲内に設けられていることがより好ましい。これにより、テープ部材60は、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に相当する位置に配置される。このように着用者の肌の凹んだ箇所にテープ部材60が配置されるため、テープ部材60に起因する着用の違和感を軽減することができる。
【0061】
テープ部材60は、吸収性物品10の後側縁よりも後側に延出可能に構成されていることが好ましい。テープ部材60は、折り線F1~F3のうちの最も後側の折り線F3よりも後側に設けられていることがより好ましい。約8割の使用者は、使用後の吸収性物品10を前側から巻き始める。テープ部材60が吸収性物品10の後側縁よりも後側に延出可能に構成されていることにより、多くの使用者は、巻き取り方向に沿ってテープ部材60を延出させて、テープ部材60を本体粘着部70へ取り付けることができる。
【0062】
好ましくは、本体粘着部70は、テープ部材60を前後方向Lに延長した仮想線上に設けられている。より好ましくは、本体粘着部70は、テープ部材60を延伸方向とは反対の方向に延長した仮想線上に設けられている。これにより、テープ部材60を吸収性物品の後側縁E2よりも後側に延出させ、巻かれた吸収性物品10に真っ直ぐテープ部材60を沿わせると、テープ部材60に本体粘着部70が付着する。したがって、使用者は、テープ部材60を本体粘着部70の位置へ向けて斜めに引っ張ることなく容易に吸収性物品10を丸めた状態に維持することができる。
【0063】
上記の仮想線上に設けられた本体粘着部70の、延伸方向と直交する方向における幅は、テープ部材60の延伸方向と直交する方向における幅よりも大きいことが好ましい。これにより、吸収性物品10を巻いた状態でテープ部材60を延伸方向に伸張させたときに、テープ部材60が真っ直ぐではなく多少曲がって引き出されたとしても、テープ部材60の非固定部64が本体粘着部70のところに位置する。したがって、使用者は、テープ部材を粘着部に容易に貼り付けることができる。
【0064】
本体粘着部70は、幅方向Wに間隔をあけて複数設けられていてよい。この場合、幅方向Wにおけるテープ部材60の幅W1は、幅方向Wにおける本体粘着部70どうしの間隔W2より大きいことが好ましい。これにより、使用者がテープ部材60を引き出した先に本体粘着部70が存在しないということを防ぐことができる。したがって、使用者は、テープ部材60を粘着部70へ容易に取り付けることができる。
【0065】
テープ部材60の、本体粘着部70に当接させる方の面は、平滑であることが好ましい。例えば、テープ部材60の、本体粘着部70に当接させる方の面のKESの表面粗さは、0.5~1.5程度の範囲であってよい。テープ部材60の、本体粘着部70に当接させる方の面が平滑であるため、本体粘着部70に対するテープ部材60の接触面積を増大させることができる。これにより、吸収性物品10を丸めた状態でテープ部材60を本体粘着部70に粘着させたときに、テープ部材60が本体粘着部70から外れてしまうことを抑制することができる。
【0066】
なお、KESの表面粗さは、例えばカトーテック株式会社(Kato Tekko Co.,LTD.)製の表面試験装置(KES-FB4-AUTO-A)を用いて測定することができる。具体的には、まず、測定対象であるテープ部材(試験片)を、表面試験装置の測定テーブル上に載せる。それから、試験片に皺ができないように試験片を固定した状態で、表面試験装置の測定端子を試験片に接触させつつ測定端子を測定方向に移動させる。なお、試験片は、測定方向における長さが100mm、測定方向に直交する方向の幅が50mmのサイズにカットされてもよい。前述のKESの表面粗さは、この測定によって得られた粗さ(SMD)の値によって規定される。
【0067】
裏面シート22とテープ部材60の両方が、フィルム、例えば合成樹脂フィルムから構成されていてよい。また、テープ部材60の裏面シート22に接する面と、裏面シート22のテープ部材60に接する面と、の少なくとも一方、好ましくは両方が、静電気防止処理されていないことが好ましい。
【0068】
また、テープ部材60は静電気防止剤を含まないフィルムにより構成されていてよい。これにより、テープ部材60は、静電気によって本体部に貼り付き易くなる。テープ部材60が本体部に貼り付くことにより、吸収性物品10の着用中に、テープ部材60が捲れることを抑制することができる。
【0069】
テープ部材60の固定部62の少なくとも一部は、吸収体30と厚み方向に重なっていることが好ましい。吸収体30が存在する領域は、吸収性物品10の中で特に剛性が高い領域になる。テープ部材60の固定部62が吸収体30と厚み方向に重なっているため、吸収性物品10を巻いたときに、剛性の高い領域に位置するテープ部材60の固定部62は、吸収性物品10とともにしっかりと湾曲する。このように、テープ部材60の固定部62がしっかりと湾曲することで、テープ部材60の自由端がより裏面シート22から浮き上がり易くなる。よって、使用者は、テープ部材60をより容易につまんで操作できるようになる。
【0070】
テープ部材60の曲げ剛性は、表面シート20と裏面シート22と吸収体30を重ねた部分の曲げ剛性よりも低い。ここで、吸収性物品の着用中に、後処理用のテープ部材付近のシートの端部が捲れることにより、テープ部材60の一部が着用者の肌に直接接触することがある。ここで、テープ部材60の曲げ剛性は、表面シート20と裏面シート22と吸収体30を重ねた部分よりも曲げ剛性よりも低いため、着用者は、表面シート20と裏面シート22と吸収体30を重ねた部分よりも違和感を感じ難い。
【0071】
テープ部材60の曲げ剛性は、吸収体30の曲げ剛性よりも低いことが好ましい。これにより、テープ部材60が着用者に対して与える違和感をより抑制することができる。テープ部材60の曲げ剛性は、吸収体30の曲げ剛性の好ましくは10分の1以下、より好ましくは30分の1以下であってよい。
【0072】
さらに、テープ部材60は、裏面シート22の非肌面側に設けられており、テープ部材60の曲げ剛性は、裏面シート22の曲げ剛性よりも低いことがより好ましい。
【0073】
特に、裏面シート22の非肌面側に設けられたテープ部材60の曲げ剛性が裏面シート22の曲げ剛性よりも低いため、着用中の動作により吸収性物品10と肌が擦れたとしても、着用者は、テープ部材60が存在するという感触を認識し難い。したがって、着用者に対して与える違和感をより抑制することができる。
【0074】
すなわち、テープ部材60は、より剛性の高い裏面シート22により覆われた状態になるため、着用者は着用中にテープ部材60の剛性をほとんど感じることがない。
【0075】
なお、本件の発明者は、市場に流通する種々の吸収性物品の後処理用のテープ部材について、剛性の測定を行ったが、テープ部材60の曲げ剛性が、裏面シート22、吸収体30、表面シート20と裏面シート22と吸収体30を重ねた部分のそれぞれの剛性よりも低いものは見当たらなかった。
【0076】
なお、テープ部材60、裏面シート22、吸収体30、表面シート20と裏面シート22と吸収体30を重ねた部分のそれぞれの剛性は、標準規格JIS P-8125によって規定されるテーバー法によって測定される。
【0077】
例えば、まず、測定対象となるべき部材(シート)から幅38.1mm、長さ70mmの試験片を採取する。次に、試験片の厚みを厚み計(例えば、PEACOCK製 44mmφ 3g/m2)によって計測する。次に、安田精機製のテーバースティッフネステスターに試験片を設置する。次に、試験片をテーバースティッフネステスターのローラーの間に入れ、つかみ間隔を試験片の厚みに合わせてはさむ。なお、試験片の上端とつかみ上面を合わせる。ローラーは試験片を押さえないように試験片との間隔を約0.5mmに調整する。テーバースティッフネステスターの試験片曲げ装置を回転させ、試験片曲げ装置の15度を示す刻線と荷重振り子の指針とが一致した点で曲げ装置の回転を停止し、この時振り子の指針の指示する荷重目盛りを読みとる。荷重振り子を直ちに逆の方向に回転させて、同様に荷重目盛りを読み取り、左右両方向の荷重目盛りの平均値を求める。なお、指示荷重目盛りが最大目盛りの15~85%の範囲にはいるように補助おもりを任意に選定する。それから、試験片の曲げ剛性(剛軟度(g・cm))は、「剛軟度(g・cm)=荷重目盛りの平均値×10×重りの数値」の式によって算出される。
【0078】
延伸方向に直交する方向における固定部62の幅は、延伸方向に直交する方向におけるテープ部材60の幅W1よりも短いことが好ましい。これにより、テープ部材60の非固定部64を引っ張ったときに、テープ部材60の幅全体よりも短い固定部62の幅のところに、伸張方向に強い力がかかる。したがって、テープ部材60の非固定部62を伸張させるために必要な引張力を小さくすることができる。
【0079】
延伸方向に直交する方向における固定部62の幅は、延伸方向に直交する方向におけるテープ部材60の幅W1の半分以上であることがより好ましい。延伸方向に直交する方向における固定部62の幅を大きくすることによって、テープ部材60の非固定部64が、幅方向Wに捲れることを抑制することができる。これにより、テープ部材60の非固定部64が平面的に広がった状態を維持し易くなり、テープ部材60により吸収性物品10を丸めた状態で固定し易くなる。
【0080】
テープ部材60の非固定部64は、吸収体30から離れた位置に設けられていてもよい。例えば、テープ部材60の非固定部64は、吸収体30から50mm以上離れた位置に設けられていることが好ましい。吸収体30が着用者の体液のような液体を吸収することによって、吸収体30と厚み方向に重なる裏面シート22はよれ、裏面シート22に皺が発生することになる。仮に、テープ部材60がこのような皺が生じる箇所に存在すると、皺の発生によりテープ部材60と裏面シート22との間に部分的に空間が生じる。これにより、テープ部材60が裏面シート22に密着できなくなり、テープ部材60は、吸収性物品10の着用中に裏面シート22に対して擦れて動き易くなる。その結果、テープ部材60が幅方向に丸まったり、折れ曲がったりし、テープ部材60が使用し難くなる。本態様では、テープ部材60の非固定部64は厚み方向において吸収体30から離れた位置、すなわち吸収体30が液体を吸収したとしても裏面シート22に皺が生じ難い位置に設けられている。したがって、テープ部材60が、着用中に、幅方向に丸まったり、折れ曲がったりすることを抑制することができる。
【0081】
吸収体30には、所定パターンのエンボス(圧縮部)が形成されていてもよい。また、吸収体30は、周囲の吸収体30の目付よりも低い目付を有する低目付領域を有していてもよい。この場合、テープ部材60は、吸収体30に形成されたエンボス又は吸収体30に設けられた低目付領域と厚み方向に重なっていることが好ましい。テープ部材60が、吸収体30に形成されたエンボス又は吸収体30に設けられた低目付領域と厚み方向に重なっていると、テープ部材60と裏面シート22(吸収体30)との間に隙間ができ易い。したがって、吸収性物品10を巻いたときにテープ部材60がより裏面シート22から浮き上がり易くなり、使用者は、テープ部材60をより容易につまんで操作できるようになる。
【0082】
テープ部材60の少なくとも固定部62を除く領域は、ウイング粘着部42、フラップ粘着部52及び本体粘着部70と重ならない位置に設けられていることが好ましい。これにより、吸収性物品10を巻いたときにテープ部材60が裏面シート22から浮き上がり易くなる。したがって、使用者は、テープ部材60をより容易につまんで操作できるようになる。
【0083】
ウイング粘着部42、フラップ粘着部52及び本体粘着部70は、吸収性物品10の展開状態において、非固定部64の延伸を伴わない非固定部64の可動範囲(図2の領域S)内よりも外側に設けられていることが好ましい。すなわち、テープ部材60は、延伸されない状態では、ウイング粘着部42、フラップ粘着部52又は本体粘着部70に付着しない。これにより、吸収性物品10の着用中に、テープ部材60がウイング粘着部42、フラップ粘着部52及び本体粘着部70に付着してしまうことを防止することができる。
【0084】
また、吸収性物品10の外縁に沿ってエンボスが形成されていてよい。このエンボスは、例えば表面シート20及び裏面シート22に施されていてよい。この場合、エンボスの一部は、テープ部材60にも形成されていてよい。
【0085】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 吸収性物品
20 表面シート
22 裏面シート
30 吸収体
40 ウイング
42 ウイング粘着部
50 ヒップフラップ
52 フラップ粘着部
60 テープ部材
62 固定部
64 非固定部
70 本体粘着部
S1 排泄口対向域
L 前後方向
W 幅方向
図1
図2
図3
図4