IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-吸収性物品の包装体 図1
  • 特許-吸収性物品の包装体 図2
  • 特許-吸収性物品の包装体 図3
  • 特許-吸収性物品の包装体 図4
  • 特許-吸収性物品の包装体 図5
  • 特許-吸収性物品の包装体 図6
  • 特許-吸収性物品の包装体 図7
  • 特許-吸収性物品の包装体 図8
  • 特許-吸収性物品の包装体 図9
  • 特許-吸収性物品の包装体 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】吸収性物品の包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20220902BHJP
   B65D 85/07 20170101ALI20220902BHJP
   A61F 13/551 20060101ALI20220902BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20220902BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20220902BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A61F13/15 220
B65D85/07
A61F13/551 200
A61F13/47 300
A61F13/514 310
A61F13/56 110
A61F13/15 356
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018108175
(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公開番号】P2019208925
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 菜緒子
(72)【発明者】
【氏名】北川 雅史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 青
(72)【発明者】
【氏名】野田 祐樹
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0109096(US,A1)
【文献】特開2003-199786(JP,A)
【文献】特開2015-173898(JP,A)
【文献】国際公開第2010/117314(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/221941(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
B65D 85/07
A61F 13/551
A61F 13/47
A61F 13/514
A61F 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品が包装シートによって個別に包装される吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品は、
前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、
前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有し、
前記包装体は、前記裏面シートよりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材と、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている前記包装シートと、を有し、
前記吸収性物品は、前記前後方向の一方の端縁である第1物品端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2物品端縁と、を有し、
前記包装シートは、前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2包装端縁と、を有し、
前記第1物品端縁は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されており、
前記吸収性物品は、前記幅方向に延びる少なくとも2つの折り目を有し、
前記少なくとも2つの折り目は、前記少なくとも2つの折り目のうち、前後方向において前記第1物品端縁に最も近い第1折り目と、前記第1折り目の次に前記第1物品端縁に近い第2折り目と、を有し、
前記包装体は、前記第2折り目よりも前記第1物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第1包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第1部分と、前記第2折り目よりも前記第2物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第2包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第2部分と、を有し、
前記吸収性物品が、前記第1折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳まれた後、前記第2折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて前記包装シートと共に折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分は、前記厚さ方向において、前記第1部分のうち少なくとも前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側の部分と重なっており、
テープ部材は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分とを有し、
前記包装体は、前記折り畳み状態において、前記吸収性物品よりも前記幅方向の一方の外側において、前記包装シートどうしが接合された第1接合領域を有し、
前記第1接合領域は、前記第1部分において、前記前後方向の最も外側に位置する外端縁を有し、
前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の内端縁は、前記第1接合領域の前記外端縁よりも内側に位置し、
前記テープ部材は、前記裏面シートに剥離可能に接合された仮固定部を有し、
前記前後方向において、前記仮固定部の前記前後方向の内端縁は、前記第1接合領域の前記前後方向の外端縁よりも内側に位置し、
前記第1接合領域における接合力は、前記仮固定部の接合力よりも大きい、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記包装体は、前記折り畳み状態において、前記吸収性物品よりも前記幅方向の他方の外側において、前記包装シートどうしが接合された第2接合領域を有し、
前記第2接合領域は、前記第1部分において、前記前後方向の最も外側に位置する外端
縁を有し、
前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の内端縁は、前記第2接合領域の前記外端縁よりも内側に位置する、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
吸収性物品が包装シートによって個別に包装される吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品は、
前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、
前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有し、
前記包装体は、前記裏面シートよりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材と、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている前記包装シートと、を有し、
前記吸収性物品は、前記前後方向の一方の端縁である第1物品端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2物品端縁と、を有し、
前記包装シートは、前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2包装端縁と、を有し、
前記第1物品端縁は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されており、
前記吸収性物品は、前記幅方向に延びる少なくとも2つの折り目を有し、
前記少なくとも2つの折り目は、前記少なくとも2つの折り目のうち、前後方向において前記第1物品端縁に最も近い第1折り目と、前記第1折り目の次に前記第1物品端縁に近い第2折り目と、を有し、
前記包装体は、前記第2折り目よりも前記第1物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第1包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第1部分と、前記第2折り目よりも前記第2物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第2包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第2部分と、を有し、
前記吸収性物品が、前記第1折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳まれた後、前記第2折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて前記包装シートと共に折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分は、前記厚さ方向において、前記第1部分のうち少なくとも前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側の部分と重なっており、
テープ部材は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分とを有し、
前記裏面シートは、前記表面シートと共に前記厚さ方向に圧搾されたエンボス部を有し、
前記テープ部材は、前記エンボス部と前記厚さ方向において重ならず、
前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の外端縁は、前記第1物品端縁よりも前記エンボス部の前記前後方向の内端縁に近い、吸収性物品の包装体。
【請求項4】
吸収性物品が包装シートによって個別に包装される吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品は、
前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、
吸収コアと、
前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、
前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有し、
前記包装体は、前記裏面シートよりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材と、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている前記包装シートと、を有し、
前記吸収性物品は、前記前後方向の一方の端縁である第1物品端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2物品端縁と、を有し、
前記包装シートは、前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2包装端縁と、を有し、
前記第1物品端縁は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されており、
前記吸収性物品は、前記幅方向に延びる少なくとも2つの折り目を有し、
前記少なくとも2つの折り目は、前記少なくとも2つの折り目のうち、前後方向において前記第1物品端縁に最も近い第1折り目と、前記第1折り目の次に前記第1物品端縁に近い第2折り目と、を有し、
前記包装体は、前記第2折り目よりも前記第1物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第1包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第1部分と、前記第2折り目よりも前記第2物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第2包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第2部分と、を有し、
前記吸収性物品が、前記第1折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳まれた後、前記第2折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて前記包装シートと共に折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分は、前記厚さ方向において、前記第1部分のうち少なくとも前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側の部分と重なっており、
テープ部材は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分とを有し、
前記テープ部材は、前記裏面シートへ固定される固定部と、前記裏面シートに剥離可能に接合された仮固定部と、を有し、
前記固定部は、前記仮固定部よりも前記前後方向の外側に配置されている、吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記テープ部材は、少なくとも前記第1折り目を跨いで配置されている請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記テープ部材の剛性は、前記表面シートと前記裏面シートとが接合された部分の剛性よりも低い請求項5に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記吸収性物品は、前記裏面シートに配置され、かつ着用物品に前記吸収性物品を固定する粘着部を有し、
前記包装シートは、前記吸収性物品が包装されている包装状態において、前記包装体の外側から視認される第1シートと、前記第1シートと前記粘着部との間に配置されている第2シートとを含み、
少なくとも前記第2シートは、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている請求項1から6のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項8】
前記テープ部材と前記裏面シートとの色差ΔEは、3.0以上である、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項9】
前記テープ部材と前記包装シートとの色差ΔEは、3.0以上である、請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項10】
前記吸収性物品は、前記裏面シートに配置され、かつ着用物品に前記吸収性物品を固定する粘着部を有し、
前記粘着部は、前記幅方向において前記テープ部材を挟んで配置されている請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項11】
前記テープ部材は、前記裏面シートに固定される固定部と、前記固定部よりも前記幅方向の外側に前記裏面シートに固定されていない非固定部と、を有する請求項1から1のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項12】
前記テープ部材は、前記包装シートを介して視認可能である請求項1から1のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項13】
前記テープ部材は、伸長可能に構成されており、
前記テープ部材の最大伸長時の長さは、前記吸収性物品の前記前後方向の長さよりも長い請求項1から1のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品が包装シートによって個別に包装される包装体、及び包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サイドフラップを長手方向において折り畳んで形成したフラップ積層部を有し、当該フラップ積層部がシール加工された吸収性物品が開示されている。フラップ積層部をシール加工することにより、肌当接面が外部に露出しないように折り畳まれた状態を維持することができる。
【0003】
また、特許文献1では、後処理用のテープ部材が開示されている。当該テープ部材を用いることで、使用後の吸収性物品を、肌当接面が露出しないように丸めた状態で固定することができ、吸収性物品を衛生的に処分することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-29351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の吸収性物品では、後処理用のテープ部材が非肌当接面に設けられている。そのため、吸収性物品の使用前に、後処理用のテープ部材が汚れたり、破損したりする不具合が生じることがあった。当該不具合を抑制するために、吸収性物品を包装シートによって個別に包装し、包装シートによってテープ部材を覆うことが考えられる。
【0006】
しかしながら、包装シートでテープ部材を覆うことにより、使用者が包装シートを開封する前にテープ部材を認識し難くなる。このため、吸収性物品の使用に際して包装シートを吸収性物品から剥がす際に、包装シートと共にテープ部材を誤って処分したり、テープ部材を使用せずに吸収性物品を処分したりするおそれがある。
【0007】
そこで、吸収性物品が包装シートによって個別に包装される包装体であって、テープ部材を保護しつつも、使用者がテープ部材を容易に認識できる包装体、及び包装体の製造方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る吸収性物品の包装体は、吸収性物品が包装シートによって個別に包装される吸収性物品の包装体である。前記吸収性物品は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有し、前記包装体は、前記裏面シートよりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材と、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている前記包装シートと、を有し、前記吸収性物品は、前記前後方向の一方の端縁である第1物品端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2物品端縁と、を有し、前記包装シートは、前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2包装端縁と、を有し、前記第1物品端縁は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されており、前記吸収性物品は、前記幅方向に延びる少なくとも2つの折り目を有し、前記少なくとも2つの折り目は、前記少なくとも2つの折り目のうち、前後方向において前記第1物品端縁に最も近い第1折り目と、前記第1折り目の次に前記第1物品端縁に近い第2折り目と、を有し、前記包装体は、前記第2折り目よりも前記第1物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第1包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第1部分と、前記第2折り目よりも前記第2物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第2包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第2部分と、を有し、前記吸収性物品が、前記第1折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳まれた後、前記第2折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて前記包装シートと共に折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分は、前記厚さ方向において、前記第1部分のうち少なくとも前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側の部分と重なっており、テープ部材は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分とを有する。
【0009】
本開示に係る吸収性物品の包装体の製造方法は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有する吸収性物品が個別に包装される包装体の製造方法である。前記製造方法は、前記裏面シートの非肌対向面側に後処理用のテープ部材を固定する固定ステップと、前記テープ部材の非肌対向面側から包装シートを配置する配置ステップと、を有する。前記配置ステップにおいて、前記テープ部材が、前記包装シートの前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分と、を有するように、前記包装シートを配置する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、展開状態における包装体を肌対向面側から見た平面図である。
図2図2は、展開状態における包装体を非肌対向面側から見た平面図である。
図3図3は、フラップ部が本体部の肌対向面側に折り畳まれた第1折り状態における肌対向面側から見た包装体の平面図である。
図4図4は、第1折り状態における非肌対向面側から見た包装体の平面図である。
図5図5は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。
図6図6は、図1に示すA-A線に沿った拡大断面図である。
図7図7は、包装状態における包装体の斜視図である。
図8図8は、図7に示す11A-11A線に沿った断面図である。
図9図9は、製造方法を説明するための図である。
図10図10は、その他実施形態に係る吸収性物品の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
一態様に係る吸収性物品の包装体は、吸収性物品が包装シートによって個別に包装される吸収性物品の包装体である。前記吸収性物品は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有し、前記包装体は、前記裏面シートよりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材と、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている前記包装シートと、を有し、前記吸収性物品は、前記前後方向の一方の端縁である第1物品端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2物品端縁と、を有し、前記包装シートは、前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁と、前記前後方向の他方の端縁である第2包装端縁と、を有し、前記第1物品端縁は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されており、前記吸収性物品は、前記幅方向に延びる少なくとも2つの折り目を有し、前記少なくとも2つの折り目は、前記少なくとも2つの折り目のうち、前後方向において前記第1物品端縁に最も近い第1折り目と、前記第1折り目の次に前記第1物品端縁に近い第2折り目と、を有し、前記包装体は、前記第2折り目よりも前記第1物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第1包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第1部分と、前記第2折り目よりも前記第2物品端縁側の前記吸収性物品と前記第2折り目よりも前記第2包装端縁側の前記包装シートとにより構成されている第2部分と、を有し、前記吸収性物品が、前記第1折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳まれた後、前記第2折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて前記包装シートと共に折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分は、前記厚さ方向において、前記第1部分のうち少なくとも前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側の部分と重なっており、テープ部材は、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分とを有する。
【0013】
本態様によれば、テープ部材の重複部分は、第1包装端縁よりも前後方向の内側に配置されているため、テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている包装シートにより覆われている。これにより、包装シートによりテープ部材を保護することができる。また、吸収性物品及び包装シートが折り畳まれた状態では、第2部分が、第1部分のうち少なくとも第1包装端縁から前後方向の外側の部分と重なっている。これにより、第1包装端縁から前後方向の外側に配置されているテープ部材の非重複部分は、第2部分により覆われている。従って、吸収性物品の使用前において、第2部分によりテープ部材の非重複部分を保護することができる。テープ部材の非重複部分は、第1包装端縁よりも前後方向の外側に配置されているため、包装シートと重ならず、露出している。従って、使用者が、吸収性物品の使用に際にして吸収性物品を展開した場合、非重複部分を視認して、テープ部材を認識することができる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記包装体は、前記折り畳み状態において、前記吸収性物品よりも前記幅方向の一方の外側において、前記包装シートどうしが接合された第1接合領域を有し、前記第1接合領域は、前記第1部分において、前記前後方向の最も外側に位置する外端縁を有し、前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の内端縁は、前記第1接合領域の前記外端縁よりも内側に位置する。
【0015】
ここで、使用者が、包装体の展開時において、使用者が、露出しているテープ部材の前後方向の外端縁に誤って手を引っかけることで、前後方向の内側へ向かう力がテープ部材に掛かり、使用者が意図せずに、テープ部材を剥がす可能性がある。
【0016】
本態様によれば、テープ部材の一部(重複部分)は包装シートに覆われているため、テープ部材が剥がれる場合、包装シートも一緒に剥がれることになる。しかしながら、テープ部材の内端縁が、第1接合領域の外端縁よりも内側に位置するため、テープ部材が裏面シートから完全に剥がれる前に、第1接合領域における接合力が抵抗となり、包装シートが簡単に剥がれることが低減できる。その結果、テープ部材が裏面シートから完全に剥がれる可能性を低減し、テープ部材が誤って処分されることを低減しつつ、テープ部材を認識することができる。
【0017】
好ましい一態様によれば、前記包装体は、前記折り畳み状態において、前記吸収性物品よりも前記幅方向の他方の外側において、前記包装シートどうしが接合された第2接合領域を有し、前記第2接合領域は、前記第1部分において、前記前後方向の最も外側に位置する外端縁を有し、前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の内端縁は、前記第2接合領域の前記外端縁よりも内側に位置する。
【0018】
本態様によれば、第1接合領域における接合力だけでなく、第2接合領域における接合力も抵抗となるため、包装シートが簡単に剥がれることをさらに低減しつつ、テープ部材を認識することができる。
【0019】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記裏面シートに剥離可能に接合された仮固定部を有し、前記前後方向において、前記仮固定部の前記前後方向の内端縁は、前記第1接合領域の前記前後方向の外端縁よりも内側に位置し、前記第1接合領域における接合力は、前記仮固定部の接合力よりも大きい。
【0020】
本態様によれば、使用者が、露出しているテープ部材の前後方向の外端縁に誤って手を引っかけることで、テープ部材の仮固定部を剥がす力がテープ部材(仮固定部)に掛かったとしても、仮固定部が裏面シートから完全に剥がれる前に、第1接合領域における接合力が抵抗となる。従って、包装体を開封する際に、使用者が意図せずに、テープ部材が誤って処分されることを低減しつつ、テープ部材を認識することができる。
【0021】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、少なくとも前記第1折り目を跨いで配置されている。
【0022】
本態様によれば、吸収性物品を開封する際に、使用者が、露出しているテープ部材の前後方向の外端縁に誤って手を引っかけることで、前後方向の内側へ向かう力がテープ部材に掛かったとしても、テープ部材が第1折り目を起点に曲がっているため、第1折り目までしか剥がれない可能性が高い。従って、テープ部材が裏面シートから完全に剥がれる可能性を低減でき、テープ部材が誤って処分されることを低減しつつ、テープ部材を認識することができる。 好ましい一態様によれば、前記テープ部材の剛性は、前記表面シートと前記裏面シートとが接合された部分の剛性よりも低い。
【0023】
本態様によれば、テープ部材は、表面シートと裏面シートが接合された部分よりも剛性が低いため、第1折り目を跨がっていても、折り癖がつかないように保護することができる。テープ部材が折られずに延びた状態を維持し易いため、吸収性物品を廃棄する際に、使用者が、テープ部材を把持して使い易くすることができる。
【0024】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、前記裏面シートに配置され、かつ着用物品に前記吸収性物品を固定する粘着部を有し、前記包装シートは、前記吸収性物品が包装されている包装状態において、前記包装体の外側から視認される第1シートと、前記第1シートと前記粘着部との間に配置されている第2シートとを含み、少なくとも前記第2シートは、前記テープ部材よりも非肌対向面側に配置されている。
【0025】
本態様によれば、包装状態では、包装体の外側から視認される第1シートによりテープ部材を保護することができ、展開状態では、少なくとも第2シートによりテープ部材を保護することができる。従って、テープ部材をさらに保護することができる。
【0026】
好ましい一態様によれば、前記裏面シートは、前記表面シートと共に前記厚さ方向に圧搾されたエンボス部を有し、前記テープ部材は、前記エンボス部と前記厚さ方向において重ならず、前記前後方向において、前記テープ部材の前記前後方向の外端縁は、前記第1物品端縁よりも前記エンボス部の前記前後方向の内端縁に近い。
【0027】
本態様によれば、テープ部材の外端縁は、エンボス部の内端縁に近いため、テープ部材とエンボス部との触り心地の差を感じることができる。エンボス部とテープ部材との触り心地の差のと、エンボス部と非エンボス部との触り心地の差が異なるため、テープ部材を視認だけでなく、触感でも認識することができる。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材と前記裏面シートとの色差ΔEは、3.0以上である。
【0029】
本態様によれば、使用者が、テープ部材と裏面シートとの境界を認識し易くなるため、テープ部材をより認識できる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材と前記包装シートとの色差ΔEは、3.0以上である。
【0031】
本態様によれば、使用者が、テープ部材と包装シートとの境界を認識し易くなるため、テープ部材をより認識できる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、前記裏面シートに配置され、かつ着用物品に前記吸収性物品を固定する粘着部を有し、前記粘着部は、前記幅方向において前記テープ部材を挟んで配置されている。
【0033】
本態様によれば、吸収性物品の着用中では、テープ部材の幅方向の両側で、着用物品に吸収性物品が固定されている。従って、吸収性物品の着用中にテープ部材が剥がれ難くなり、テープ部材を保護できる。
【0034】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記裏面シートに固定される固定部と、前記固定部の前記幅方向の外側に位置し、かつ前記裏面シートに固定されていない非固定部と、を有する。
【0035】
本態様によれば、テープ部材は、固定部よりも幅方向の外側に、裏面シートに固定されていない非固定部を有するため、幅方向に沿った力に対して、テープ部材が捲れやすくなる。これにより、使用者がテープ部材をより認識できる。
【0036】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記包装シートを介して視認可能である。
【0037】
本態様によれば、使用者が、テープ部材の非重複部分だけでなく、テープ部材の重複部分も視認できるため、テープ部材をより認識できる。
【0038】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、伸長可能に構成されており、前記テープ部材の最大伸長時の長さは、前記吸収性物品の前記前後方向の長さよりも長い。
【0039】
本態様によれば、使用者が、テープ部材を吸収性物品に巻き付けを開始する際に、テープ部材が吸収性物品に隠れ難くなるため、テープ部材を巻き付け易くなる。
【0040】
好ましい一態様によれば、前記テープ部材は、前記裏面シートへ固定される固定部と、前記裏面シートに剥離可能に接合された仮固定部と、を有する。前記固定部は、前記仮固定部よりも前記前後方向の外側に配置されている。
【0041】
本態様によれば、使用者が、包装体を開封する際に、前後方向の内側へ向かう力をテープ部材に掛けたとしても、固定部が仮固定部よりも前後方向の外側に配置されているため、固定部を外さない限り、仮固定部が外れ難い。従って、包装体を開封する際に、使用者が意図せずに、仮固定部を外してしまうことを抑制できる。仮固定部を外されたテープ部材が吸収性物品から垂れ下がることで、吸収性物品の着用中に汚れることを抑制できる。
【0042】
一態様に係る吸収性物品の包装体の製造方法は、前後方向と、前記前後方向に直交する幅方向と、前記前後方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向と、吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する表面シートと、前記吸収コアよりも非肌対向面側に位置する裏面シートと、を有する吸収性物品が個別に包装される包装体の製造方法である。当該製造方法は、前記裏面シートの非肌対向面側に後処理用のテープ部材を固定する固定ステップと、前記テープ部材の非肌対向面側から包装シートを配置する配置ステップと、を有する。前記配置ステップにおいて、前記テープ部材が、前記包装シートの前記前後方向の一方の端縁である第1包装端縁よりも前記前後方向の内側に配置されている重複部分と、前記第1包装端縁よりも前記前後方向の外側に配置されている非重複部分と、を有するように、前記包装シートを配置する。
【0043】
本態様によれば、テープ部材を保護しつつも、使用者がテープ部材を容易に認識できると共に、テープ部材の第1部分は、包装シートと厚さ方向において重なるため、吸収性物品の製造中において、搬送時にテープ部材が捲れることを抑制できる。
【0044】
好ましい一態様によれば、製造方法は、前記吸収性物品と前記包装シートとを幅方向に延びる折り目を起点として、前記表面シートを内側に向けて折り畳む折り畳みステップをさらに有する。前記折り畳みステップでは、前記テープ部材が前記厚さ方向において前記折り目と重なるように、前記吸収性物品を折り畳む。
【0045】
本態様によれば、テープ部材が存在する分、折り目部分の剛性を高くすることができる。剛性が高い方が、剛性が低い場合と比べて、折り目がつきやすいため、折り目をより確実につけることができる。
【0046】
(2)吸収性物品の構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッドのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。本実施の形態の吸収性物品1は、夜用の生理用ナプキンであり、吸収性物品1の前後方向の長さは、285mm以上である。
【0047】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0048】
図1は、図1は、展開状態における包装体を肌対向面側から見た平面図である。図2は、図2は、展開状態における包装体を非肌対向面側から見た平面図である。図1及び図2に示す平面図は、展開状態の平面図である。展開状態は、吸収性物品及び包装シートが折り畳まれていない状態であって、防漏ギャザー等による皺が形成されないまで吸収性物品を伸ばした状態である。ここで、「肌対向面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌対向面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0049】
吸収性物品の包装体110(以下、包装体とする)は、吸収性物品1と、吸収性物品を個別に包装する包装シート100と、を有する。包装体110は、包装体110の前後方向の外端縁である第1端縁と第2端縁を有する。第1端縁は、図7に示すように個別に包装された包装状態において、包装体の内側に位置する端縁であり、第2端縁は、包装状態において包装体の外側に位置する端縁である。包装体の内側とは、包装状態の包装体110における厚さ方向の内側である。本実施の形態の第1端縁は、後端縁110Rであり、第2端縁は、前端縁110Fである。なお、他の形態において、第1端縁は、前端縁110Fであり、第2端縁は、後端縁110Rであってもよい。また、包装体110の前端縁110Fは、包装シート100の前端縁100Fによって構成されていてもよいし、吸収性物品1の前端縁1Fによって構成されていてもよい。同様に、包装体110の後端縁110Rは、包装シート100の後端縁100Rによって構成されていてもよいし、吸収性物品1の後端縁1Rによって構成されていてもよい。本実施の形態の包装体110の前端縁110Fは、包装シート100の前端縁100Fによって構成されており、包装体110の後端縁110Rは、吸収性物品1の後端縁1Rによって構成されている。
【0050】
吸収性物品1は、前後方向Lの一方の端縁である第1物品端縁と、前後方向Lの他方の端縁である第2物品端縁と、を有する。本実施の形態では、第1物品端縁は、吸収性物品1の後端縁1Rであり、第2物品端縁は、吸収性物品1の前端縁1Fである。なお、他の形態において、第1物品端縁は、吸収性物品1の前端縁1Fであり、第2物品端縁は、吸収性物品1の後端縁1Rであってもよい。
【0051】
包装シート100は、前後方向Lの一方の端縁である第1包装端縁と、前後方向Lの他方の端縁である第2包装端縁と、を有する。本実施の形態では、第1包装端縁は、包装シート100の後端縁100Rであり、第2包装端縁は、包装シート100の前端縁100Fである。なお、他の形態において、第1包装端縁は、包装シート100の後端縁100Rであり、第2包装端縁は、包装シート100の前端縁100Fであってもよい。
【0052】
以下において、第1物品端縁1R、第2物品端縁1F、第1包装端縁100R、第2包装端縁100Fと称することがあるので留意すべきである。
【0053】
吸収性物品1の後端縁1Rは、包装シート100の後端縁100Rよりも前後方向Lの外側に配置されている。従って、吸収性物品1の裏面シートは、包装シート100により覆われていない露出部分ERを有する。
【0054】
吸収性物品1は、前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。吸収性物品は、肌対向面側T1と非肌対向面側T2に延びる厚さ方向Tを有する。
【0055】
吸収性物品1は、中央域S3、前側域S1及び後側域S2を有する。中央域S3は、着用者の排泄口(例えば膣口)に当接する排泄口当接部を有する領域である。吸収性物品が下着に装着されたときに、中央域S3は、下着の股下部に位置する。つまり、中央域は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域である。中央域S3は、吸収性物品において前側に偏倚してよい。より詳細には、中央域S3の前後方向Lの中心は、吸収性物品1の前後方向Lの中心よりも前側に位置してよい。
【0056】
前側域S1は、中央域S3よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S2は、中央域S3よりも後側に位置する。後側域S2の後端縁は吸収性物品1の後端縁を規定する。後側域S2の前後方向Lの長さは、中央域S3の前後方向Lの長さよりも長くなっていてよい。
【0057】
吸収性物品1は、本体部2と、フラップ部5と、を有する。本体部2は、吸収コア31、表面シート及び裏面シートを少なくとも有し、縦長の形状である。フラップ部5は、本体部2よりも幅方向の外側に延出する。フラップ部5は、中央域S3における吸収コア31の外側縁よりも幅方向Wの外側に延出してよい。なお、本実施の形態における外側縁は、幅方向における外側の端縁であり、内側縁は、幅方向における内側の端縁である。フラップ部5は、ウイング3及びヒップフラップ4によって構成されてよい。本実施の形態では、ウイング3は、中央域S3に設けられ、ヒップフラップ4は、後側域S2に設けられてよい。フラップ部5は、後述する第2折り目FL2よりも前側に位置し、第2折り目FL2を基点に包装体110を展開する際に、展開可能に構成されている。本実施の形態のフラップ部5は、ウイング3によって構成されている。他の形態において、ヒップフラップ4が第2折り目FL2よりも前側に位置する形態にあっては、ヒップフラップ4が本発明のフラップ部を構成してもよい。
【0058】
ウイング3は、本体部2の幅方向の両側に一対で設けられ、ヒップフラップ4も、本体部2の幅方向の両側に一対で設けられている。ウイング3及びヒップフラップ4は、後述するサイドシート15と裏面シート20との積層によって構成されていてよい。ウイング3は、裏面シート20側に折り返し可能に構成されている。ウイング3は、使用時に下着のクロッチ部の非肌対向面側に折り返される。
【0059】
ヒップフラップ4は、ウイング3よりも後側に位置し、後側域S2に設けられている。ヒップフラップ4は、使用時に折り返されず、下着と着用者の臀部との間に配置される。本実施形態では、ヒップフラップ4には吸収材料が設けられていない。この代わりに、ヒップフラップ4には、吸収材料が設けられていてもよい。
【0060】
ウイング3の前端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング3の前端縁は、中央域S3と前側域S1との境界を規定していてもよい。ウイング3の後端縁は、ウイング3の付け根によって規定されており、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング3の後端縁は、中央域S3と後側域S2との間に位置していてよい。ここで、前後方向Lにおけるウイング3の前端縁とウイング3の後端縁との間の領域を「フラップ域」と称する。本実施の形態のフラップ域は、中央域と一致するため、以下、中央域S3として説明する。
【0061】
吸収性物品1は、包装シート100によって個別に包装されるように構成されている。包装体110は、吸収性物品1を包装シート100の上に載せた展開状態で、フラップ折り目FL5を基点として、フラップ部5が本体部2の肌対向面側T1に折り畳まれる。図3は、フラップ部5が本体部2の肌対向面側に折り畳まれた第1折り状態における肌対向面側から見た包装体110の平面図である。図4は、第1折り状態における非肌対向面側から見た包装体110の平面図である。本体部2とフラップ部5の境界は、フラップ折り目FL5であってもよいし、フラップ部5の付け根(ウイングの根元部)であってもよい。フラップ折り目FL5は、前後方向Lに延びており、前後方向Lに平行であってもよい。
【0062】
吸収性物品1は、幅方向Wに延びる少なくとも2つの折り目を有する。本実施の形態では、吸収性物品は、3つの折り目(第1折り目FL1、第2折り目FL2、第3折り目FL3)を有する。
【0063】
第1折り目FL1は、前後方向Lにおいて第1物品端縁に最も近い折り目である。第2折り目FL2は、第1折り目の次に第1物品端縁に近い折り目である。第3折り目FL3は、第2折り目の次に第1物品端縁に近い折り目である。
【0064】
包装体110は、ウイング3が本体部2の肌対向面側T1に折り畳まれた第1折り状態で、幅方向Wに延びる第1折り目FL1を基点に包装体110の内側に折り畳まれる。包装体110は、第1折り目FL1によって折り畳まれた第2折り状態で、第2折り目FL2を基点に包装体の内側に折り畳まれる。第2折り目FL2は、第1折り目FL1よりも第2端縁である前端縁110F側に位置している。
【0065】
なお、本実施の形態の包装体110は、第2折り目FL2によって折り畳まれた第3折り状態で、幅方向Wに延びる第3折り目FL3を基点に包装体の内側に折り畳まれている。第3折り目FL3は、第2折り目FL2よりも第2端縁である前端縁110F側に位置している。第3折り目FL3によって折り畳まれた第4折り状態で、包装シート100の前端縁100Fは、タグテープ102によって包装シート100の外面に固定されている。このようにして、包装シート100によって吸収性物品1が個別に包装された包装状態となる(図7参照)。なお、包装シート100の内面100Tは、展開状態において吸収性物品1側に位置する面であり、包装シート100の外面100Bは、展開状態おいて吸収性物品1と反対側に位置する面である。本実施の形態の吸収性物品1は、図1に示すように、展開状態において、第1折り目FL1と包装体の後端縁110Rとの間の第1領域R11と、第1折り目FL1と第2折り目FL2の間の第2領域R12と、第2折り目FL2と第3折り目FL3の間の第3領域と、第3折り目FL3と包装体の前端縁110Fとの間の第4領域R14と、を有する。なお、他の形態において、包装体110は、第3折り目FL3を基点に折り畳まれてなくてもよい。
【0066】
図1等に示すように、包装体110は、第1部分P1と第2部分P2とを有する。第1部分P1は、第2折り目FL2よりも第1物品端縁(後端縁1R)側の吸収性物品1と、第2折り目FL2よりも第1包装端縁(後端縁100R)側の包装シート100とにより構成されている。第2部分P2は、第2折り目FL2よりも第2物品端縁(前端縁1F)側の吸収性物品1と、第2折り目FL2よりも第1包装端縁(前端縁10F)側の包装シート100とにより構成されている。
【0067】
図5は、図1に示す1A-1A線に沿った断面図である。図5において、後述する固定部210は、省略されている。図6は、図1に示すA-A線に沿った拡大断面図である。吸収性物品1は、着用者の肌に向けられる表面シート10と、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート20と、表面シート10と裏面シート20の間に配置された吸収コア31と、を含む。表面シート10は、吸収コア31よりも肌対向面側に位置し、使用中に着用者の肌の方に向く。裏面シート20は、吸収コア31よりも非肌対向面側に位置し、使用中に、着用者の肌とは反対側に向けられる。吸収コア31は、体液を吸収する吸収材料を含み、吸収性物品の前後方向Lに沿って延びている。
【0068】
表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0069】
裏面シート20は、液不透過性のシートである。裏面シート20は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0070】
吸収コア31は、少なくとも中央域S3及び後側域S2に配置される。また、吸収体コアは、中央域S3から前側域S1まで延びていてもよい。吸収コア31は、液体を吸収する吸収材料によって構成されてよい。吸収コア31は、コアラップ(図示せず)によって包まれていてよい。コアラップは、少なくとも吸収コア31よりも肌対向面側で吸収コア31を覆っていればよい。具体的一例として、コアラップは、吸収コア31よりも肌対向面側に配置されるシートと、吸収コア31よりも非肌対向面側に配置されるシートと、を有していてよい。
【0071】
吸収コア31を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。コアラップは、例えば不織布やティッシュシートから構成することができる。コアラップを構成する肌対向面側のシートと非肌対向面側のシートは、同一のシートから構成されていてもよい。変形例として、吸収コア31は、コアラップによって覆われていなくてもよい。この場合、吸収コア31は、表面シート10と裏面シート20とによって覆われていればよい。
【0072】
吸収コア31は、目付の異なる領域を複数有してよい。吸収コア31は、高目付部33と、低目付部34と、中目付部35と、を少なくとも有してよい。高目付部33の吸収材料(パルプ)の目付は、中目付部35の吸収材料の目付よりも高く、中目付部35の吸収材料(パルプ)の目付は、低目付部34の吸収材料(パルプ)の目付よりも高い。高目付部33は、周囲の吸収コア31よりも厚く、中高部36を構成する。高目付部33は、前後方向に間隔を空けて配置された第1高目付部331及び第2高目付部332を有する。第2高目付部332は、第1高目付部331よりも後側に位置する。第1高目付部331と第2高目付部332の前後方向Lの間には、低目付部34が配置されてよい。
【0073】
高目付部33は、幅方向Wにおいて吸収コア31の中央に配置されてよい。高目付部33の外側縁は、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向Wの内側に位置してよい。高目付部(第1高目付部331及び第2高目付部332)33の少なくとも一部は、中央域S3に配置されてよい。高目付部33は、中央域S3を超えて前後方向Lに延びていてもよい。高目付部33の前後方向Lの中心は、吸収性物品1の前後方向Lの中心よりも前側に位置してよいし、中央域S3の前後方向の中心よりも前側に位置してよい。なお、高目付部33の前後方向Lの中心は、第1高目付部331の前端縁と第2高目付部332の後端縁との前後方向の中心となる。
【0074】
図5に示すように、高目付部33には、吸収性物品1の肌対向面から吸収コア31の非肌対向目面まで厚さ方向Tに貫通する貫通孔38が複数形成されてよい。貫通孔38は、平面視にて間隔を空けて複数形成されてよい。貫通孔38が高目付部33に形成されていることにより、一度に多くの経血や尿等の体液が排泄されたときにも、吸収コア31内部に体液を引き込み、オーバーフローし難くなる。吸収性物品1の肌対向面のドライ性を保ち、フィット感及び装着感の良さを効果的に保つことが可能となる。
【0075】
貫通孔38は、高目付部33よりも後側に設けられていてもよい。寝姿勢において重力方向によって肌を伝い流れる体液を、吸収体側により引き込み易く。
【0076】
高目付部33の外側縁33Eと吸収コア31の外側縁31Eの間及び高目付部33の前端縁と吸収コア31の前端縁の間には、高目付部33よりも目付が低く、かつ低目付部34よりも目付が高い中目付部35が配置されている。中目付部35は、目付が異なる領域のうち、吸収コア31の外側縁及び前端縁に配置された領域である。なお、吸収コア31の外側縁31Eにおいて目付が異なる領域が設けられている構成にあっては、外側縁31Eにおいて占める割外が最も高い領域であり、吸収コア31の前側縁において目付が異なる領域が設けられている構成にあっては、前端縁において占める割外が最も高い領域である。本実施の形態の中目付部35の目付は、300g/m2であり、低目付部34及び高目付部33以外の部分であり、吸収コア31の外側縁31Eの前後方向Lの全域及び吸収コア31の前端縁の幅方向の全域に配置されている。
【0077】
吸収性物品1は、表面シート10と吸収コア31との間に配置されたセカンドシート(図示せず)を有してよい。セカンドシートは、体液等の液体を透過する液透過性のシートであってよい。好ましくは、セカンドシートの親水度は表面シート10の親水度よりも高い。セカンドシートは、表面シート10と同様の材料から構成することができる。
【0078】
吸収性物品1は、表面シート10の外側縁を覆うサイドシート15を有してよい。サイドシート15は、幅方向Wにおける表面シート10の外側縁を覆い、表面シート10よりも幅方向Wの外側へ延びている。なお、本実施形態では、吸収性物品1はサイドシート15を有しているが、吸収性物品1はサイドシート15を有していなくてもよい。この場合、表面シート10は吸収コア全体を覆っていてよい。なお、本発明における外側縁は、幅方向における外側端であり、内側縁は、幅方向における内側端である。
【0079】
サイドシート15は、表面シート10と同様の材料から構成することができる。ただし、表面シート10に付着した体液が、サイドシート15を乗り越えて、幅方向Wにおいて吸収性物品1の外側へ漏れ出すことを防止するためには、サイドシート15は、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。サイドシート15は、幅方向Wにおける吸収コアの外側縁、ウイング3及びヒップフラップ4に配置されていてよい。
【0080】
吸収性物品1は、起立性の防漏ギャザー60を有してよい。防漏ギャザー60は、表面シート10の肌対向面側T1に位置し、着用時に表面シート10よりも肌対向面側T1に起立可能に構成されている。
【0081】
防漏ギャザー60は、サイドシート15と、防漏弾性部材61と、によって構成されている。防漏ギャザー60は、防漏弾性部材61の収縮によって起立する収縮部62と、収縮部62よりも幅方向Wの外側に位置し、かつ収縮部の立ち上がりの基点となる第1基点部63と、収縮部62よりも前後方向Lの外側に位置し、かつ収縮部の立ち上がりの基点となる第2基点部64と、を有する。第2基点部64の内側縁64Iは、第1基点部63の内側縁63Iよりも幅方向Wの内側に位置している。第1基点部63の内側縁63Iは、第2基点部64よりも前後方向Lの内側の領域において、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に配置されている。なお、第2基点部64よりも前後方向Lの内側の領域には、中央域S3が含まれている。第2基点部64の内側縁64Iは、吸収コア31に重なる領域に配置されている。第1基点部63の外側縁63Eは、第2基点部64の外側縁64Eよりも幅方向Wの外側に位置している。なお、第2基点部64では、サイドシート15と表面シート10が幅方向に間隔を空けて配置された2列の接着領域によって構成されている。このように複数列の接着領域によって構成された基点部の内側縁は、最も幅方向の内側に位置する列の接着領域の内側縁である。また、複数列の接着領域によって構成された基点部の外側縁は、最も幅方向の外側に位置する列の接着領域の外側縁である。
【0082】
サイドシート15は、収縮部62の先端において幅方向Wの外側に折り返され、2層に積層されており、この2層のサイドシート15間に防漏弾性部材61が配置されている。
【0083】
図2等に示すように、吸収性物品1は、裏面シート20の非肌対向面側T2に設けられた粘着部70を有する。粘着部70は、吸収性物品1を下着等の着用物品に止めるための粘着剤が設けられた領域である。粘着部70は、裏面シート20に配置され、かつ着用物品に吸収性物品1を固定するためのものである。
【0084】
粘着部70は、本体粘着部71と、ウイング粘着部72と、ヒップフラップ粘着部73と、を有してよい。ウイング粘着部72は、本発明のフラップ粘着部を構成する。本体粘着部71は、本体部2の非肌対向面側T2に配置され、本体部2を下着に止める粘着剤を有する。本体粘着部71は、吸収性物品1の厚さ方向Tにおいて、吸収コア31と重なる領域に設けられている。本体粘着部71は、少なくとも中央域S3から吸収性物品1の後方へ連続的又は断続的に延びていることが好ましい。本体粘着部71は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて複数設けられている。本実施の形態の本体粘着部71は、前側域S1から後側域S2まで連続的に前後方向Lに延びており、本体部2の幅方向の中心を挟んで4本ずつ配置されている。
【0085】
図2に示すように、中央側に配置されている4本の本体粘着部71は、幅方向Wの外側に配置されている本体粘着部71よりも前後方向Lの長さが短い。従って、本体粘着部71は、幅方向Wにおいて、後述するテープ部材200を挟んで配置されている。これにより、吸収性物品1の着用中では、テープ部材200の幅方向Wの両側で、着用物品に吸収性物品1が固定されている。従って、吸収性物品1の着用中にテープ部材200が剥がれ難くなり、テープ部材200を保護できる。
【0086】
本体粘着部71は、本体剥離シート75によって覆われている。本体剥離シート75は、包装シート100と吸収性物品1の間に配置されている。本体剥離シート75は、本体固定部91を介して包装シート100の内面に接合されている。本体粘着部71及び本体剥離シート75は、第1折り目FL1、第2折り目FL2及び第3折り目FL3を跨って配置されている。図2に示すように、本体固定部91は、前後方向Lに間隔を空けて複数配置されている。本体固定部91は、第1領域R11に設けられた第1本体固定部911と、第2領域R12に配置された第2本体固定部912と、第3領域に配置された第3本体固定部913と、第4領域R14に配置された第4本体固定部914と、を有する。なお、本体固定部91は、少なくとも第1本体固定部911を有していればよい。
【0087】
なお、本明細書において、「包装シート」は、包装シート100(第1シート)と、本体剥離シート75(第2シート)とを含んでいてもよい。包装シート100は、吸収性物品1が包装されている包装状態において、包装体110の外側から視認される第1シートに対応し、本体剥離シート75は、第1シートと本体粘着部71との間に配置されている第2シートに対応してもよい。本体剥離シート75は、後述するテープ部材200よりも非肌対向面側に配置されている。これにより、包装状態では、包装体110の外側から視認される包装シート100(第1シート)によりテープ部材200を保護することができ、展開状態では、少なくとも本体剥離シート75によりテープ部材200を保護することができる。
【0088】
ウイング粘着部72は、ウイング3の非肌対向面側T2に配置され、ウイング3を下着に止める粘着剤を有する。図2に示すように、ウイング粘着部72は、第1ウイング粘着部721と、第2ウイング粘着部722と、を有する。第1ウイング粘着部721は、第1フラップ粘着部を構成し、第2ウイング粘着部722は、第2フラップ粘着部を構成する。第2ウイング粘着部722は、吸収性物品1の展開状態において、第1ウイング粘着部721よりも幅方向の内側(ウイングの根元側)に位置する。ヒップフラップ粘着部73は、ヒップフラップ4の非肌対向面側T2に配置され、ヒップフラップ4を下着に止める粘着剤を有する。第1ウイング粘着部721の前端縁は、第2ウイング粘着部722の前端縁よりも後側に配置されてよい。第1ウイング粘着部721の後端縁は、第2ウイング粘着部722後端縁と前後方向において一致してよい。
【0089】
第1ウイング粘着部721の前後方向の長さは、第2ウイング粘着部722の前後方向の長さよりも長くてよい。また、第1ウイング粘着部721の面積は、第2ウイング粘着部722の面積よりも大きい。包装体の展開状態において、ウイング3の幅方向Wの中心よりも内側の領域におけるウイング粘着部72の面積は、ウイングの幅方向の中心よりも外側の領域におけるウイング粘着部72の面積よりも大きくてよい。ウイング3の幅方向Wの中心よりも内側の領域は、フラップ折り目FL5に近く、ウイング3の折りによる皺やれよれが発生し易い。ウイング3の幅方向Wの中心よりも内側の領域におけるウイング粘着部72の面積を大きくすることにより、フラップ折り目FL5の近傍における皺やよれを抑制し、ウイング粘着部72に皺等が生じることを抑制できる。また、ウイング3のよれを抑制し、ウイング粘着部72同士がくっついたり、ウイング粘着部72が意図しない領域にくっついたりする不具合を抑制できる。
【0090】
ウイング粘着部72及びヒップフラップ粘着部73は、フラップ折り目FL5と幅方向Wにおいて離間してよい。フラップ折り目FL5の近傍は、ウイング3及びヒップフラップ4の折りによる皺やれよれが発生し易い。ウイング粘着部72及びヒップフラップ粘着部73は、フラップ折り目FL5と幅方向Wにおいて離間していることにより、当該皺等によってウイング粘着部72やヒップフラップ粘着部73が意図せずに接着することを抑制できる。また、ウイング3等のよれを抑制し、ウイング粘着部72同士やヒップフラップ粘着部73同士がくっついたり、ウイング粘着部72等が意図しない領域にくっついたりする不具合を抑制できる。
【0091】
ウイング3においてウイング粘着部72が設けられていない領域の剛性は、ウイング粘着部72が設けられた領域の剛性よりも低い。同様に、ヒップフラップ4においてヒップフラップ粘着部73が設けられていない領域の剛性は、ヒップフラップ粘着部73が設けられた領域の剛性よりも低い。ウイング粘着部72とフラップ折り目FL5との間及びヒップフラップ粘着部73とフラップ折り目FL5との間に、比較的剛性が低い領域を設けることにより、当該領域においてウイング3等の折りによる変形を吸収し、ウイング粘着部72やヒップフラップ粘着部73に皺等が生じることを抑制できる。また、ウイング3等のよれを抑制し、ウイング粘着部72同士やヒップフラップ粘着部73同士がくっついたり、ウイング粘着部72等が意図しない領域にくっついたりする不具合を抑制できる。
【0092】
図3に示すように、ウイング3及びヒップフラップ4が本体部2の肌対向面側T1に折り返された状態において、ウイング粘着部72及びヒップフラップ粘着部73は、吸収性物品1の表側(包装シート100に向かう面と反対側)に配置され、フラップ剥離シート76によって覆われている。ウイング3が本体部2の肌対向面側T1に折り返された状態において、一対のウイング粘着部72は、互いに離間している。同様に、ヒップフラップ4が本体部2の肌対向面側T1に折り返された状態において、一対のヒップフラップ粘着部73は、互いに離間している。
【0093】
フラップ剥離シート76は、一対のウイング粘着部72を覆っている。また、フラップ剥離シート76は、第2折り目FL2を跨って配置されており、ウイング粘着部72及びヒップフラップ粘着部73の両方を覆う。なお、他の形態において、フラップ剥離シート76は、ウイング粘着部72のみを覆うように配置されていてもよい。ウイング粘着部72及びフラップ剥離シート76の少なくとも一部は、第2折り目FL2よりも包装体の前端縁110F側に配置されていればよい。
【0094】
包装シート100は、第1折り目FL1よりも後端縁側に延出しており、第3折り状態で、フラップ剥離シート76と包装シート100の外面100Bは、対向している。フラップ剥離シート76は、第3折り状態において、フラップ固定部92を介して包装シート100の外面100Bに接合されている。フラップ固定部92は、第2折り目FL2よりも包装体110の前端縁110F側に配置されており、第3折り状態で、包装シート100とフラップ剥離シート76が向き合う領域に配置されている。
【0095】
包装体110は、裏面シート20よりも非肌対向面側に配置されている後処理用のテープ部材200と、テープ部材200よりも非肌対向面側に配置されている包装シート100とを有する。
【0096】
テープ部材200は、第1包装端縁100Rよりも前後方向Lの内側に配置されている重複部分201と、第1包装端縁100Rよりも前後方向Lの外側に配置されている非重複部分202とを有する(図6参照)。
【0097】
テープ部材200は、少なくとも第1折り目FL1を跨いで配置されていてもよい。これにより、吸収性物品1を開封する際に、使用者が、露出しているテープ部材200の前後方向の外端縁に誤って手を引っかけることで、前後方向の内側へ向かう力がテープ部材200に掛かったとしても、テープ部材200が第1折り目FL1を起点に曲がっているため、第1折り目FL1までしか剥がれない可能性が高い。従って、テープ部材200が裏面シート20から完全に剥がれる可能性を低減でき、テープ部材200が誤って処分されることを低減しつつ、テープ部材200を認識することができる。
【0098】
テープ部材200の剛性は、表面シート10と裏面シート20とが接合された部分の剛性よりも低くてもよい。これにより、テープ部材200は剛性が低いため、第1折り目FL1を跨がっていても、折り癖がつかないように保護することができる。テープ部材200が折られずに延びた状態を維持し易いため、吸収性物品1を廃棄する際に、使用者が、テープ部材200を把持して使い易くすることができる。
【0099】
なお、テープ部材200の剛性は、表面シート10と裏面シート20と吸収コア31とが重ねられた部分の剛性より低くてもよい。
【0100】
なお、本明細書における「剛性」は、ガーレー剛軟度によって測定された値であってもよい。ガーレー剛軟度の測定は、(株)安田精機製作所製のNo311のガーレー式柔軟度試験機を用いて、JIS-L1096に準拠して測定することが可能である。ガーレー剛軟度の測定のサンプルの幅方向の長さは、30mm、前後方向の長さは、25mmとすることができる。なお、幅方向の長さが、30mmを満たないサンプルの場合には、サンプルの最大幅を規定した上で、規定された幅のサンプルで測定されたガーレー剛軟度どうしを比較する。同様に、前後方向の長さが25mmを満たないサンプルの場合には、サンプルの最大長さを規定した上で、規定された長さのサンプルで測定されたガーレー剛軟度どうしを比較する。
【0101】
図2等に示すように、裏面シート20は、表面シート10と共に厚さ方向Tに圧搾されたエンボス部400を有してもよい。エンボス部400は、吸収性物品1の前後方向Lの端部に配置されている。ここで、テープ部材200は、エンボス部400と厚さ方向において重ならなくてもよい。前後方向Lにおいて、テープ部材200の外端縁200eoは、第1物品端縁1Rよりもエンボス部400の前後方向Lの内端縁に近い。これにより、テープ部材200とエンボス部400との触り心地の差を感じることができる。エンボス部400とテープ部材200との触り心地の差と、エンボス部400と非エンボス部(通常の裏面シート20)との触り心地の差が異なるため、テープ部材200を視認だけでなく、触感でも認識することができる。
【0102】
テープ部材200と裏面シート20との色差ΔEは、3.0以上であってもよい。これにより、使用者が、テープ部材200と裏面シート20との境界を認識し易くなるため、テープ部材200をより認識できる。
【0103】
テープ部材200と包装シート100との色差ΔEは、3.0以上であってもよい。これにより、使用者が、テープ部材200と包装シート100との境界を認識し易くなるため、テープ部材200をより認識できる。
【0104】
なお、テープ部材200と、裏面シート20又は包装シート100と、の色差ΔEは、測定対象となる2点(2つの領域)について市販の測色器を用いて測色を行い、JIS Z 8729に規定されるCIE1976(L*a*b*)色空間に基づいて数値化した値を比較することによって求めることができる。具体的に、測定対象たる2点間のL*値の差がΔL*、a*の差がΔa*、b*値の差がΔb*であるときに、色差ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2によって求められる。
【0105】
図2等に示されるように、テープ部材200は、裏面シート20に固定される固定部210と、固定210部の幅方向Wの外側に位置し、かつ裏面シート20に固定されていない非固定部と、を有してもよい。従って、固定部210は、テープ部材200の幅方向Wの中央にのみ位置する。すなわち、固定部210は、テープ部材200の幅方向Wの端部に位置しない。これにより、使用者が、テープ部材200を用いる際に、幅方向Wに沿った力に対して、テープ部材200が捲れやすくなるため、使用者がテープ部材200をより認識できる。
【0106】
テープ部材200は、包装シート100を介して視認可能であってもよい。テープ部材200が包装シート100に覆われている状態において、使用者がテープ部材200の非重複部分202だけでなく、テープ部材200の重複部分201も視認できるため、テープ部材200をより認識できる。
【0107】
なお、本明細書における「視認可能」とは、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できる事を意味している。
【0108】
テープ部材200は、伸長可能に構成されていてもよい。ここで、「伸長」とは、「弾性変形」又は「塑性変形」による伸長を含む。一例として、テープ部材200は、伸縮性シート、フィルムから構成されていてよい。更に別の例として、テープ部材は、Z型に折り畳まれたシートから構成されていてもよい。この場合、使用者がテープ部材200の先端を引っ張ることによって、折り畳まれたテープ部材200が展開されてもよい。
【0109】
テープ部材200の最大身長時の長さは、吸収性物品1の前後方向Wの長さよりも長くてもよい。使用者が、テープ部材200を吸収性物品1へ巻き付けることを開始する際に、テープ部材200が吸収性物品1に隠れ難くなるため、テープ部材200を巻き付け易くなる。特に、吸収性物品1の全域に排泄物が広がっている場合に、使用者は、吸収性物品1になるべく触りたくない。このため、吸収性物品1を丸めずに、表面シート10が内側になるように吸収性物品1を2つ折りにした状態であっても、前後方向Lに沿ってテープ部材200で吸収性物品1を縛ることができる。
【0110】
テープ部材200は、固定部210を介して裏面シート20へ接合されているテープ本体部205を有してもよい。テープ本体部205は、剛性が高い部分と、剛性が低い部分とを有してもよい。これにより、テープ部材200が伸縮可能に構成されている場合、使用者は、段階的にテープ部材200を伸ばすことができる。剛性が低い部分は、固定部210に隣接する非固定部の領域であってもよい。当該領域は、例えば、固定部210の前後方向Yの後端縁と接触している部分から前後方向Lの外側に1mm離れたところまでの領域であってもよい。
【0111】
包装体110は、後述する吸収性物品1が折り畳まれた折り畳み状態において、吸収性物品1よりも幅方向Wの一方の外側において、包装シート100どうしが接合された第1接合領域300Aを有してもよい。本実施の形態では、第1接合領域300Aは、図3の右側の領域である。第1接合領域300Aは、第1部分P1において、前後方向Lの最も外側に位置する外端縁300Aeを有する。前後方向Lにおいて、テープ部材200の前後方向Lの内端縁200eiは、第1接合領域300Aの外端縁300Aeよりも内側に位置する。ここで、使用者が、包装体110の展開時において、使用者が、露出しているテープ部材200の前後方向Lの外端縁200eoに誤って手を引っかけることで、前後方向Lの内側へ向かう力がテープ部材200に掛かり、使用者が意図せずに、テープ部材200を剥がす可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、テープ部材200の一部(重複部分201)は包装シート100に覆われているため、テープ部材200が剥がれる場合、包装シート100も一緒に剥がれることになる。しかしながら、テープ部材200の内端縁200eiが、第1接合領域300Aの外端縁300Aeよりも内側に位置するため、テープ部材200が裏面シート20から完全に剥がれる前に、第1接合領域300Aにおける接合力が抵抗となり、包装シート100が簡単に剥がれることが低減できる。その結果、テープ部材200が裏面シート20から完全に剥がれる可能性を低減し、テープ部材200が誤って処分されることを低減しつつ、テープ部材を認識することができる。
【0112】
包装体110は、折り畳み状態において、吸収性物品1よりも幅方向Wの一方の外側において、包装シート100どうしが接合された第2接合領域300Bを有する。本実施の形態では、第2接合領域300Bは、図3の左側の領域である。第2接合領域300Bは、第1部分P1において、前後方向Lの最も外側に位置する外端縁300Beを有する。前後方向Lにおいて、テープ部材200の前後方向Lの内端縁200eiは、第2接合領域300Bの外端縁300Beよりも内側に位置する。これにより、第1接合領域300Aにおける接合力だけでなく、第2接合領域300Bにおける接合力も抵抗となるため、包装シート100が簡単に剥がれることをさらに抑制できる。
【0113】
第1接合領域300A及び第2接合領域300Bは、例えば、ホットメルト型接着剤(HMA)、ソニックシール、圧搾、嵌合などによって構成されてよい。
【0114】
テープ部材200は、後述する仮固定部220を有してもよい。前後方向Lにおいて、仮固定部220の前後方向の内端縁は、第1接合領域300Aの前後方向Lの外端縁300Aeよりも内側に位置してもよい。第1接合領域300Aにおける接合力は、仮固定部220の接合力よりも大きくてもよい。これにより、使用者が、露出しているテープ部材200の前後方向Lの外端縁200eoに誤って手を引っかけることで、テープ部材200の仮固定部220を剥がす力がテープ部材200(仮固定部220)に掛かったとしても、仮固定部220が裏面シート20から完全に剥がれる前に、第1接合領域300Aにおける接合力が抵抗となる。従って、包装体110を開封する際に、使用者が意図せずに、仮固定部220を外してしまうことを抑制できる。仮固定部220を外されたテープ部材200が吸収性物品1から垂れ下がることで、吸収性物品1の着用中に汚れることを抑制できる。
【0115】
同様に、仮固定部220の前後方向の内端縁は、第2接合領域300Bの前後方向Lの外端縁300Beよりも内側に位置してもよい。第2接合領域300Bにおける接合力は、仮固定部220の接合力よりも大きくてもよい。
【0116】
なお、接合力は、引張試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製、型式5543)で測定可能である。例えば、接合力は次のように測定する。まず、引張試験機の上部接合部及び下部接合部に、テープ部材200の試験片と裏面シート20の試験片を接合する。上部接合部及び下部接合部に接合する試験片は幅10mmとする。上部接合部に接合する試験片と下部接合部に接合する試験片との間には、仮固定部220に相当する接合面が形成されている。引張試験機の上部接合部と下部接合部との相対変位速度を100mm/分に設定し、各接合部を剥離している間の最大荷重点を接合力(接着強度)とする。なお、テープ部材200が、裏面シート20に固定されていない非固定部を有する場合には、非固定部と、裏面シート20の試験片とをそれぞれチャックで挟み、各接合部を剥離することができる。テープ部材200が非固定部を有さない場合、すなわち、テープ部材100の非肌面側が仮固定部220と固定部210とで覆われている場合、仮固定部220を3mm程度開いて、開いた箇所をチャックで挟むことで、各接合部を剥離することができる。このようにして、仮固定部220の接合力を測定できる。同様にして、引張試験機の上部接合部及び下部接合部に、包装シート100の試験片と包装シート100の試験片を接合する。包装シート100上部接合部に接合する試験片と下部接合部に接合する試験片との間には、接合面が形成されている。上述と同様に測定することで、第1接合領域300A(及び第2接合領域300B)の接合力を測定できる。なお、試験片の幅10mmを満たないサンプルの場合には、サンプルの最大幅を規定した上で、規定された幅のサンプルで測定された接合力どうしを比較する。
【0117】
図7は、包装状態における包装体110の斜視図である。図8は、図7に示す11A-A線に沿った断面図である。図7及び図8に示す包装状態において、包装シート100の外面100Bは、フラップ固定部92を介してフラップ剥離シート76に接合され、包装シート100の内面100Tは、本体固定部91を介して本体剥離シート75に接合されている。本体固定部91とフラップ固定部92は、厚さ方向Tにおいて重なっている。本体固定部91の少なくとも一部と、フラップ固定部92の少なくとも一部と、が重なっていればよい。
【0118】
なお、本実施の形態のフラップ剥離シート76は、一対のウイング粘着部72を跨いで配置されているが、他の形態において、フラップ剥離シート76は、幅方向に分離しており、各ウイング粘着部72を覆うように配置されていてもよい。フラップ剥離シート76が各ウイング粘着部72を覆う構成にあっては、フラップ固定部92は、各フラップ剥離シート76に設けられていてもよい。
【0119】
本体固定部91による包装シート100と本体剥離シート75の接合強度は、本体粘着部71による本体剥離シート75と吸収性物品の接合強度よりも高い。そのため、使用時に、包装シートを介して本体剥離シート75を引っ張った際に、包装シート100と本体剥離シート75が剥離せずに、本体剥離シート75が吸収性物品1及び本体粘着部71から分離する。
【0120】
同様に、フラップ固定部92よる包装シート100とフラップ剥離シート76の接合強度は、ウイング粘着部72によるフラップ剥離シート76と吸収性物品1の接合強度よりも高い。そのため、使用時に、包装シートを介してフラップ剥離シート76を引っ張った際に、包装シート100とフラップ剥離シート76が剥離せずに、フラップ剥離シート76が吸収性物品及び本体粘着部71から分離する。
【0121】
また、タグテープ102と包装シート100の接合強度は、包装シート100と本体剥離シート75を接合する本体固定部91の強度よりも高くてよい。そのため、包装シート100と本体剥離シート75を接合する本体固定部91の破損なく、タグテープ102をもったまま、包装体110を展開できる。
【0122】
タグテープ102と包装シート100の接合強度は、本体剥離シート75と本体粘着部71の接合強度よりも高くてよい。また、タグテープ102と包装シート100の接合強度は、フラップ剥離シート76とウイング粘着部72の接合強度よりも高くてよい。後述のように、本実施の形態の包装体によれば、使用者は、タグテープ102付近の包装体110と吸収性物品1の前端縁近傍を持って展開し始め、展開が完了するまで手を持ち直さずに、包装シート100と吸収性物品を分離できる。このとき、タグテープ102と包装シート100の接合強度が本体剥離シート75と本体粘着部71の接合強度よりも高いことにより、タグテープ102と包装シート100の接合を維持しつつ、包装シート100を介して本体粘着部71と本体剥離シート75を剥離させることができる。同様に、タグテープ102と包装シート100の接合強度がフラップ剥離シート76とウイング粘着部72の接合強度よりも高いことにより、タグテープ102と包装シート100の接合を維持しつつ、包装シート100を介してウイング粘着部72とフラップ剥離シート76を剥離させることができる。
【0123】
図8に示すように、吸収性物品1が、第1折り目FL1を起点として、表面シート10を内側に向けて折り畳まれている。本実施の形態では、吸収性物品1は、第1折り目FL1を起点として、包装シート100と共に折り畳まれている。なお、他の形態では、包装シート100が第1折り目FL1を起点として折り畳まれていなくてもよい。すなわち、図1等において、包装シート100が第1折り目FL1を跨いでない場合には、包装シート100が第1折り目FL1を起点として折り畳まれていなくてもよい。その後、吸収性物品1は、第2折り目FL2を起点として、包装シート100と共に表面シート10を内側に向けて折り畳まれている。本実施の形態では、吸収性物品1は、第3折り目FL3を起点として、包装シート100と共に表面シート10を内側に向けて折り畳まれている。
【0124】
このように吸収性物品1が折り畳まれた折り畳み状態において、第2部分P2は、厚さ方向Tにおいて、第1部分P1のうち少なくとも第1包装端縁100Rよりも前後方向Lの外側の部分(すなわち、露出部分ER)と重なっている。これにより、テープ部材200が露出していても、吸収性物品1の使用前において、第2部分P2により、テープ部材200の非重複部分202を保護することができる。
【0125】
次に、包装体110の製造方法について説明する。図9は、包装体110の製造方法を説明するための図である。なお、表面シート10、裏面シート20及び吸収コア31により吸収性物品1を形成したり、フラップ部を折り畳んだり、フラップ剥離シート76を配置する工程は、従来と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
第1に、裏面シート20の非肌対向面側にテープ部材200を固定する。裏面シート20に固定部210を配置してもよく、テープ部材200上に固定部210を配置していてもよい。裏面シート20とテープ部材200とで固定部210を挟むことで、テープ部材200を固定することができる。なお、裏面シート20は、連続体であってもよい。
【0127】
テープ部材200の固定部210は、例えば、接着剤、エンボス加工、熱溶着及び超音波溶着によって裏面シート20に固定される。
【0128】
第2に、本体粘着部71を裏面シート20に配置し、その上に、本体剥離シート75を配置する。本体粘着部71は、テープ部材200を固定するよりも前に配置されていてもよい。
【0129】
本体剥離シート75を配置した後に、本体固定部91を本体剥離シート75上に配置する。
【0130】
第3に、テープ部材200の非肌対向面側から包装シート100を配置する。テープ部材200が、重複部分201と非重複部分202とを有するように、包装シート100を配置することができる。すなわち、包装シート100がテープ部材200の一部を覆うように包装シート100を配置することができる。
【0131】
包装シート100は、本体固定部91を介して本体剥離シート75と接合される。これにより、工程S10で示される吸収性物品1及び包装シート100が形成される。なお、吸収性物品1及び包装シート100が幅方向Wに対応する方向で吸収性物品1及び包装シート100が搬送されている。テープ部材200の一部が包装シート100により覆われているため、搬送時に、テープ部材200が捲れることを抑制できる。
【0132】
工程S10において、吸収性物品1及び包装シート100が第1折り目FL1を起点として表面シート10を内側に向けて折り畳まれる。吸収性物品1及び包装シート100は、例えば、セーラーにより折り畳むことができる。本実施の形態では、第1物品端縁1R及び第1包装端縁100Rを表面シート10側へ移動させることで、折り畳まれている。
【0133】
ここで、テープ部材200が厚さ方向Tにおいて、第1折り目FL1と重なるように、吸収性物品1を折り畳んでもよい。これにより、テープ部材200を第1折り目FL1を跨がって配置することができる。従って、第1折り目FL1を起点として折られている状態で、テープ部材200の一部を視認することができる(工程S20参照)。このため、吸収性物品1が完全に展開される前であっても、使用者は、テープ部材200を認識することができる。また、テープ部材200を第1折り目FL1と重なるように、吸収性物品1を折り畳むことで、テープ部材が存在する分、第1折り目FL1部分の剛性を高くすることができる。剛性が高い方が、剛性が低い場合と比べて、折り目がつきやすいため、第1折り目FL1をより確実につけることができる。
【0134】
工程S20において、吸収性物品1及び包装シート100が第2折り目FL2を起点として表面シート10を内側に向けて折り畳まれる。本実施の形態では、第1部分P1を表面シート10側へ移動させることで、折り畳まれている。
【0135】
テープ部材200は、包装シート100を介して視認可能であり、かつ、テープ部材200が第1折り目FL1を跨がって配置されている場合には、第2折り目FL2を起点として折られている状態であっても、テープ部材200の一部を視認することができる(工程S30参照)。従って、吸収性物品1が完全に展開される前であっても、使用者は、テープ部材200を認識することができる。
【0136】
工程S30において、吸収性物品1及び包装シート100が、第3折り目FL3を起点として表面シート10を内側に向けて折り畳まれる。本実施の形態では、第2物品端縁1F及び第2包装端縁100Fを表面シート10側へ移動させることで、折り畳まれている(工程S40参照)。
【0137】
工程S40において、第1包装端縁100Rが搬送中に開かないように、包装シート100の前後方向W(搬送方向MDに直交する方向)の端部と包装シート100とを接合してもよい。さらに、タグテープ102を取り付けてもよい。
【0138】
(3)その他実施形態
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0139】
例えば、図10に示すように、テープ部材200は、固定部210と仮固定部220とを有していてもよい。図10は、その他実施形態に係る吸収性物品1の一部断面図である。仮固定部210は、裏面シート20に剥離可能に接合されている。固定部210は、仮固定部220よりも前後方向Lの外側に配置されていてもよい。これにより、使用者が、包装体110を開封する際に、前後方向Lの内側へ向かう力をテープ部材200に掛けたとしても、固定部210が仮固定部220よりも前後方向の外側に配置されているため、固定部210を外さない限り、仮固定部220が外されることがない。従って、包装体110を開封する際に、使用者が意図せずに、仮固定部220を外してしまうことを抑制できる。
【0140】
また、図2に示すようにテープ部材200は、固定部210と仮固定部220とを有している場合において、固定部210は、仮固定部220よりも前後方向Lの内側に配置されていてもよい。仮固定部220により固定されているため、仮固定部220がない場合と比べて、製造時において、搬送中にテープ部材200が捲れることを抑制できる。
【0141】
また、上述では、テープ部材200は、本体剥離シート75よりも肌対向面側に配置されていたが、これに限られない。テープ部材200は、本体剥離シート75よりも肌対向面側に配置されていてもよい。これにより、本体剥離シート75が存在しても、テープ部材200を包装シート100を介して視認し易くなる。
【0142】
この場合、テープ部材200は、本体剥離シート75と重複しない部分において、固定部210により、裏面シート20に固定されていてもよい。或いは、本体剥離シート75と重複する部分において、固定部210により裏面シート20ではなく、本体剥離シート75に固定されていてもよい。この場合には、吸収性物品1を使用した後に、新たな吸収性物品1と交換する際に、新たな吸収性物品1の本体剥離シート75に固定されたテープ部材200を用いて、使用済みの吸収性物品1を肌当接面が露出しないように固定することができる。なお、新たな吸収性物品1の本体剥離シート75で、使用済みの吸収性物品1の表面シート10を覆った状態で丸めることで、使用済みの表面シート10の肌当接面がより露出しないようにしてもよい。
【0143】
テープ部材200は、吸収性物品1を固定するための後処理用時に使用する接合部を有してもよい。この場合、本体粘着部71等が存在しない場合であっても、接合部により吸収性物品1を丸めた状態で固定することができる。接合部は、例えば、本体粘着部71と同様の構成を有してもよい。
【0144】
テープ部材200は、包装シート100の肌当接面側に固定されていてもよい。上述と同様に、新たな吸収性物品1の包装シート100で、使用済みの吸収性物品1の表面シート10を覆った状態で丸めることで、使用済みの表面シート10の肌当接面がより露出しないようにしてもよい。
【0145】
上述の実施形態では、包装体110は、本体剥離シート75を有していたが、これに限られない。包装体110は、本体剥離シート75を含まなくてもよい。
【0146】
上述の実施の形態では、包装体110は、3つの折り目を有していたが、これに限られない。包装体110は、2つの折り目(第1折り目FL1及び第2折り目FL2)のみを有していてもよい。包装体110は、4つ以上の折り目を有していてもよい。この場合であっても、露出部分ERが包装体110の内側に位置するように、吸収性物品1及び包装シート100を折り畳むことにより、露出部分ER、すなわち、テープ部材200の非重複部分202が包装体110の内側に位置するため、テープ部材200の非重複部分を使用前に保護することができる。
【0147】
上述の実施の形態では、包装シート100がテープ部材200の一部を覆うように包装シート100を配置していたが、これに限られない。搬送時のテープ部材200が捲れることを抑制するという観点では、包装シート100は、テープ部材200の全部を覆うように包装シート100を配置してもよい。この場合、テープ部材200は、重複部分201のみを有する。この場合には、テープ部材200が露出していないため、搬送時のテープ部材200が捲れることをさらに抑制できる。
【符号の説明】
【0148】
1 :吸収性物品
1F :第2物品端縁(前端縁)
1R :第1物品端縁(後端縁)
2 :本体部
3 :ウイング
4 :ヒップフラップ
5 :フラップ部
10 :表面シート
10F :前端縁
15 :サイドシート
20 :裏面シート
31 :吸収コア
31E :外側縁
33 :高目付部
33E :外側縁
34 :低目付部
35 :中目付部
36 :中高部
38 :貫通孔
60 :防漏ギャザー
61 :防漏弾性部材
62 :収縮部
63 :第1基点部
63E :外側縁
63I :内側縁
64 :第2基点部
64E :外側縁
64I :内側縁
70 :粘着部
71 :本体粘着部
72 :ウイング粘着部
73 :ヒップフラップ粘着部
75 :本体剥離シート
76 :フラップ剥離シート
91 :本体固定部
92 :フラップ固定部
100 :包装シート
100B :外面
100F :第2包装端縁(前端縁)
100R :第1包装端縁(後端縁)
100T :内面
102 :タグテープ
110 :包装体
110F :前端縁
110R :後端縁
200 :テープ部材
200ei :内端縁
200eo :外端縁
201 :重複部分
202 :非重複部分
205 :テープ本体部
210 :固定部
220 :仮固定部
300A :第1接合領域
300Ae :外端縁
300B :第2接合領域
300Be :外端縁
331 :第1高目付部
332 :第2高目付部
400 :エンボス部
721 :第1ウイング粘着部
722 :第2ウイング粘着部
911 :第1本体固定部
912 :第2本体固定部
913 :第3本体固定部
914 :第4本体固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10