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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】ゼオライト材料の連続合成のための方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20220902BHJP
   B01J 29/72 20060101ALI20220902BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20220902BHJP
   B01J 37/30 20060101ALI20220902BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20220902BHJP
   B01J 39/14 20060101ALI20220902BHJP
   B01J 20/18 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
C01B39/48
B01J29/72 A
B01J37/10
B01J37/30
B01J20/30
B01J39/14
B01J20/18 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018566225
(86)(22)【出願日】2017-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017064567
(87)【国際公開番号】W WO2017216236
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】16174896.7
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】マルクス,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】クラーデ,シュテファニー
(72)【発明者】
【氏名】アルノルト,レナ
(72)【発明者】
【氏名】ディールマン,ウヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ウルリヒ
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/005407(WO,A1)
【文献】特表2016-502487(JP,A)
【文献】国際公開第2015/067657(WO,A1)
【文献】Angewandte Chemie,2015年,127,pp.5775-5779, Supporting Information,DOI:10.1002/anie.201501160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B
B01J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライト材料を製造するための連続方法であって、
(i) YOの供給源、任意にXの供給源および液体溶媒系を含む混合物を製造すること、
(ii) 少なくとも1時間の持続期間にわたって0.3~20h-1の範囲の液空間速度で、(i)において製造された混合物を連続フロー反応器内に連続的に供給すること、ならびに
(iii) 連続フロー反応器内の混合物からゼオライト材料を結晶化させることを含み、
混合物が、100~300℃の範囲の温度に加熱され、
連続フロー反応器の容積が、150cm~75mの範囲であり、
Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択され、
Xが、Al、B、In、Gaおよびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択され、
(iii)において結晶化させたゼオライト材料が、2種以上の混合構造を含む、AEI、CHA、MFI、およびMORから成る群より選択された骨格構造を有し、且つ
(i)において製造し、(iii)において結晶化させた混合物が、1種又は複数の有機テンプレートをさらに含む、
方法。
【請求項2】
連続フロー反応器が、管状反応器、環状反応器および連続的に振動する型の反応器から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
連続フロー反応器の壁が、金属材料から作製されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
連続フロー反応器の内壁の表面が、有機ポリマー材料によって裏打ちされている、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(iii)において、混合物が、自然発生的な圧力下で加熱される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
連続フロー反応器が、単一の段からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、物質が添加されない、および/または反応混合物から物質が除去されない、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に直接供給され、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に供給される間に、予備加熱される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(iv) 1種もしくは複数の溶媒を含む液体によって、および/もしくは反応生成物排出物の膨張によって、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物をクエンチすること、
ならびに/または
(v) (iii)もしくは(iv)において得られたゼオライト材料を単離すること、
ならびに/または
(vi) (iii)、(iv)もしくは(v)において得られたゼオライト材料を洗浄すること、
ならびに/または
(vii) (iii)、(iv)、(v)もしくは(vi)において得られたゼオライト材料を乾燥させること、
ならびに/または
(viii) (iii)、(iv)、(v)、(vi)もしくは(vii)において得られたゼオライト材料をか焼すること
をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(v)におけるゼオライト材料の単離から得られた上澄みおよび/または前記上澄みと同じ組成を有する供給物が、反応混合物が連続フロー反応器を通過している間のいかなる時点においても、反応混合物にリサイクルされない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(i)において製造された混合物が、リンおよび/またはリン含有化合物を実質的に含有しない、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法
【請求項12】
分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、触媒として、および/または触媒担体として、請求項1から11のいずれか一項の方法によって得られるゼオライト材料を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト材料の製造のための連続方法に関し、さらには、前記方法によって得ることができるまたは得られる、触媒自体にも関する。さらに、本発明は、特に触媒として、本発明のゼオライト材料を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
簡便な出発化合物からのゼオライト材料の合成は、しばしば高温および/または圧力等の特殊な条件を必要とする複雑な自己組織化プロセスを伴うが、このような反応は一般に、数日から数週間の範囲の長い時間がかかる反応時間の後、ゼオライト材料を得るために自然発生的な圧力下における出発物質の加熱を必要とする。したがって、しばしば過酷である反応条件および長い反応時間のため、バッチ合成が、昔から、ゼオライト材料を合成するために選択される方法とされてきた。しかしながら、バッチ反応は、特に達成され得る空時収率のレベルに関して、数多くの制約をもたらす。
【0003】
したがって、改良型のバッチ反応手順と、ゼオライト材料の合成のために利用される古典的なバッチ式合成手順を代替し、利点を提供する、方法とを見出すことに努力が費やされてきた。この点に関して調査されてきた一方法は、流体試薬がタンク反応器の頂部に連続的に導入され、固体状の反応生成物を含有する排出物がタンク反応器の底から連続的に除去される、連続撹拌タンク反応器の使用を伴う。前記方法は、非連続的な条件下におけるバッチ運転の合間に反応容器を空にする必要性をなくすが、結晶化のために必要な反応時間は、長い時間がかかるままである。
【0004】
連続撹拌タンク反応器の効率を高めるために、これらの連続撹拌タンク反応器は、しばしば、直列に利用されおり、それぞれの段は、完了に至るまでの反応の所与の漸進的な進行に寄与する。利用される段が多いほど、達成され得る効率がより高くなり、最大の効率は、理論的には、無限に小さい無限の数の反応段によって実現される。連続撹拌タンク反応器の場合に加えて、複数の段という構想は例えば、4Aゼオライトの合成のためにUS5,989,518において開示されたような、多段式円筒形反応器においても実現されてきた。
【0005】
上記の系統に沿って、ゼオライト材料の迅速な合成を可能にする反応器の幾何学的形状が考案されてきた。したがって、US2016/0115039A1は、側面表面積に対する低い容積の比を提示する管状反応器内における、ゼオライトの連続作製のための方法に関する。
【0006】
同様に、Liuら、Angew.Chem.Int.Ed.2015、54、5683~5687は、非常に短い反応時間を利用する高シリカゼオライトSSZ-13の連続合成を開示している。一方で、Ju,J.ら、Chemical Engineering Journal 2006、116、115~121およびVandermeersch,T.ら、Microporous and Mesoporous Materials 2016、226、133~139は、それぞれ連続フロー反応器の構成におけるミクロンサイズのNaAゼオライトの迅速な合成を開示している。Liu,Z.ら、Chemistry of Materials 2014、26、2327~2331は、結晶性微孔質アルミノリン酸塩AIPO-5の超高速連続フロー合成に関する。Slangenら「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」12th International Zeolite Conference、Materials Research Society 1999は、6mmの外径(約3mmの内径)および変更可能な長さの管状反応器内における、NaAゼオライト、NaYゼオライトおよびシリケート-1の連続合成に関する。
【0007】
高圧を必要としない反応に関しては、ゼオライトLTAの連続合成に関するBonaccorsi,L.ら、Microporous and Mesoporous Materials 2008、112、481~493等、マイクロ波の補助による手順が調査されてきた。同様に、US2001/0054549A1は、マイクロ波を利用して無機材料を製造するための連続方法および装置に関する。
【0008】
連続撹拌タンクおよび多段式反応器の使用における反応効率に関してはかなりの進歩がなされてきたが、反応時間の短縮に関してなされた進歩は、実験室規模のレベルで適用される反応器の幾何学的形状に限定されてきた。さらに、原則的に絶え間ないものではあるが、反応時間の短縮に関してなされた努力は、反応器の閉塞のため、特に栓流式の方法を採用する用途においては、採算が合う動作の持続期間に関して限定されたもののままである。
【0009】
この点に関して、DE3919400A1は、バッチ反応器内における当該反応混合物の結晶化の前に、少なくとも40時間の反応時間にわたって周囲圧力において工業的な規模で、管状反応器内でバッチ反応混合物を熱水式前処理することを記述している。しかしながら、このようなフロー反応器による技法をバッチ式の方法の一部として用いるだけでなく、結晶化がフロー反応器内において、閉塞の問題との関連で短い動作期間に限定されることなく起きる、連続方法に対しても用いる必要性が、依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】US5,989,518
【文献】US2016/0115039A1
【文献】US2001/0054549A1
【文献】DE3919400A1
【非特許文献】
【0011】
【文献】Liuら、Angew.Chem.Int.Ed.2015、54、5683~5687
【文献】Ju,J.ら、Chemical Engineering Journal 2006、116、115~121
【文献】Vandermeersch,T.ら、Microporous and Mesoporous Materials 2016、226、133~139
【文献】Liu,Z.ら、Chemistry of Materials 2014、26、2327~2331
【文献】Slangenら「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」12th International Zeolite Conference、Materials Research Society 1999
【文献】Bonaccorsi,L.ら、Microporous and Mesoporous Materials 2008、112、481~493
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の一目的は、特に工業的な規模で、中断がない長期間の動作を可能にする、ゼオライト材料を製造するための改良型の連続方法を提供することであった。したがって、驚くべきことに、十分な容積を提示する連続フロー反応器にある特定の範囲の液空間速度を適用することにより、特に達成され得る空時収率のレベルに関して改善された方法が可能になることが見出された。特に、全く予想外なことに、このような方法から得られた生成物は、特に純度および結晶性に関して、改善された特性を提示することが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、ゼオライト材料を製造するための連続方法であって、
(i) YOの供給源、任意にXの供給源および液体溶媒系を含む混合物を製造すること、
(ii) 少なくとも1時間の持続期間にわたって0.3~20h-1の範囲の液空間速度で、(i)において製造された混合物を連続フロー反応器内に連続的に供給すること、ならびに
(iii) 連続フロー反応器内の混合物からゼオライト材料を結晶化させることを含み、
混合物が、100~300℃の範囲の温度に加熱され、連続フロー反応器の容積が、150cm~75mの範囲である、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
連続フロー反応器内における液空間速度に関しては、当該液空間速度が0.3~20h-1の範囲に含まれることを条件にして、原則的に、想定可能な任意の液空間速度が本発明の方法を実施するために選択され得るように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、液空間速度は、0.5~16のどこかにある範囲であり得、好ましくは、本発明の方法が、1~14h-1、より好ましくは2~12h-1、より好ましくは3~10h-1、より好ましくは3.5~8h-1、より好ましくは4~6h-1の液空間速度で実施される。しかしながら、本発明によれば、(i)において製造された混合物が、4.5~5.5h-1の液空間速度範囲で連続フロー反応器内に連続的に供給されることが特に好ましい。
【0015】
本発明によれば、原則的に、(i)において製造された混合物が連続フロー反応器の中を通るように案内される様式に関する制限は存在せず、この結果、液体は、当該混合物が反応器を通行している間に、層流になることも可能であり、および/または、乱流を受けることも可能である。増大した質量および伝熱を達成するために、本発明によれば、(i)において製造された混合物が、(ii)において、少なくとも部分的に乱流である条件下で、連続フロー反応器の中を通るように案内されることが好ましい。したがって、本発明の方法によれば、連続フロー反応器の幾何学的形状および寸法に応じて、液空間速度が、連続フロー反応器の中を通る混合物の通行の少なくとも一部の間に乱流状態、特に、レイノルズ数が2,500超の状態に到達するように選択されることが特に好ましい。
【0016】
連続フロー反応器の中を通るように(i)において製造された混合物を案内する手段に関しては、原則的に、混合物が、0.3~20h-1の範囲の液空間速度で反応器の中を通るように連続的に流れることが可能であることを条件にして、任意の適切な手段を利用することができる。本発明の方法によれば、混合物が、混合物を反応器内に供給するのに用いられる1個または複数のポンプによって連続フロー反応器の中を通るように案内されることが好ましい。前述のように案内するという趣旨で利用され得る1個または複数のポンプの種類および数に関しては、特段の制限は適用されない。したがって、例として、シリンジポンプ、ギヤポンプ、膜ポンプおよびピストンポンプのうちのいずれか1つが、前述のように案内するという趣旨で使用され得るが、本発明の方法によれば、シリンジポンプが、連続フロー反応器の中を通るように(i)において製造された混合物を案内するために利用されることが好ましい。
【0017】
本発明の方法の持続期間に関しては、本発明の方法は、ゼオライト材料を(iii)において連続的に結晶化させることができることを条件にして、想定可能な任意の時間期間にわたって中断なしで実施することができる。したがって、例として、(i)において製造された混合物は、3時間~360日のどこかにある範囲の持続期間にわたって(ii)において連続フロー反応器内に連続的に供給することができ、好ましくは、(i)において製造された混合物が、6時間~120日、より好ましくは12時間~90日、より好ましくは18時間~60日、より好ましくは1~30日、より好ましくは1.5~25日、より好ましくは2~20日、より好ましくは2.5~15日、より好ましくは3~12日、より好ましくは3.5~8日の範囲の期間にわたって連続フロー反応器内に連続的に供給される。本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、4~6日の範囲の期間にわたって連続フロー反応器内に連続的に供給されることが特に好ましい。
【0018】
連続フロー反応器内に連続的に供給される(i)において製造された混合物からゼオライト材料を結晶化させることができることを条件にして、同じことが、混合物が(iii)において連続フロー反応器内で加熱される温度に関しても相応に当てはまる。したがって、例として、混合物は、(iii)において、100~280℃のどこかにある範囲の温度に加熱されてもよく、好ましくは、ゼオライト材料が、140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃の範囲の温度に加熱される。本発明の方法によれば、混合物が、(iii)において、前記混合物からゼオライト材料を結晶化させるために、200~220℃の範囲の温度に加熱されることが特に好ましい。
【0019】
連続フロー反応器の容積に関しては、少なくとも1時間の持続期間、好ましくは、本出願において規定された本発明の方法の好ましい特定の実施形態のいずれかによる持続期間にわたって、ゼオライト材料を(iii)において連続的に結晶化させることができることを条件にして、原則的に制限は存在しない。この連続的な結晶化という趣旨で、連続フロー反応器の容積は、連続フロー反応器の容積が150cm~75mのどこかにある範囲であるように選択される。しかしながら、本発明の方法によれば、連続フロー反応器の容積が、155cm~30mの範囲であり、より好ましくは、160cm~10m、より好ましくは165cm~7m、より好ましくは170cm~3m、より好ましくは175cm~1m、より好ましくは180~700,000cm、より好ましくは185~500,000cm、より好ましくは190~300,000cm、より好ましくは195~100,000cm、より好ましくは200~70,000cm、より好ましくは205~50,000cm、より好ましくは210~30,000cm、より好ましくは215~10,000cm、より好ましくは220~7,000cm、より好ましくは225~5,000cm、より好ましくは230~3,000cm、より好ましくは235~1,000cm、より好ましくは240~700cm、より好ましくは245~500cmの範囲にわたることが好ましい。本発明の方法によれば、連続フロー反応器の容積が、250~300cmの範囲であることが特に好ましい。
【0020】
本発明の方法の好ましい特定の実施形態のいずれかによる連続フロー反応器の容積に関しては、原則的に、(i)において製造された混合物が案内される反応器の容積の幾何学的形状および寸法に関する制限は存在しない。
【0021】
さらに、前述の事柄に対して独立に、前記容積は、連続フロー反応器が異なるおよび/または同一の配列からなり得る態様、好ましくは、(i)において製造された混合物を、反応器内の異なるおよび/または等しい容積、好ましくは等しい容積に分割して、並行して反応させることができるようにするように配置された同一の連続フロー反応器の配列からなり得る態様で、1つまたは複数の部分的な容積に分割されてもよい。したがって、本発明によれば、連続フロー反応器の容積は、平行に接続された2個以上の連続フロー反応器の容積の合計を指すことが特に好ましく、好ましくは、その中を通ることによって相応に等しい体積の(i)において製造された混合物が、好ましくは同じ液空間速度で案内され、より好ましくは、(i)において製造された混合物が各連続フロー反応器内で同じ温度に加熱される同じ液空間速度で案内される、平行に接続された2個以上の同一の連続フロー反応器の容積の合計を指す。
【0022】
本発明の方法において利用され得る連続フロー反応器の種類は、選択された条件下で当該連続フロー反応器が(iii)におけるゼオライト材料の結晶化を可能にすることを条件にして、特に制限されない。したがって、例として、連続フロー反応器は、それらのうちの2種以上の組合せを含む管状反応器、環状反応器および連続的に振動する型の反応器から選択されてもよく、好ましくは、連続フロー反応器が、簡素な管状反応器、管状メンブレン反応器、コアンダ効果を伴う管状反応器、環状反応器および連続的に振動する型のバッフル付き反応器から選択される。しかしながら、本発明の方法によれば、連続フロー反応器が、簡素な管状反応器および/または環状反応器であることが特に好ましく、より好ましくは、連続フロー反応器が、簡素な管状反応器である。上記において述べたように、本発明の方法によれば、利用され得る連続フロー反応器の種類に関して特段の制限は存在しないが、そうは言っても、選択される連続フロー反応器が、撹拌タンクバッチ反応器、フェッドバッチ反応器または連続フロー撹拌タンク反応器を含まないことが好ましく、本発明の方法によれば、半バッチ反応器を含まない連続フロー反応器が、(iii)においてゼオライト材料を結晶化させるために選択されることが特に好ましい。さらに、本発明の意味において、「簡素な管状反応器」は、当該反応器の壁上および/または当該反応器の容積の中に配置された、あらゆる種類のいかなるバッフルも内包しない、管状反応器であって、反応混合物が反応器入口から反応器出口まで反応器の中を通って1回通過することを可能にするように、反応器入口および反応器出口を有する、管状反応器を指す。
【0023】
上記において述べたように、本発明の方法によれば、連続フロー反応器、特に、(i)において製造された混合物が案内される容積の特定の幾何学的形状に関して、特段の制限は適用されない。したがって、一般に、連続フロー反応器が、流れの方向を基準にしてまっすぐであり、および/または1つもしくは複数の曲線を含み、好ましくは、連続フロー反応器が、流れの方向を基準にしてまっすぐであり、および/またはコイル状の形態を有することが好ましい。さらに、前述の事柄に対して独立に、本発明の方法によれば、管状反応器の少なくとも一部が、流れの方向に対して垂直な一定の内径を有する一定の円筒形の形態であることが好ましい。したがって、本発明の方法の前記好ましい特定の実施形態によれば、一定の円筒形の形態は、流れの方向に対して垂直に用意され、この結果、前記円筒形形態は、特定の不変な流れ方向を包含するだけでなく、曲げられた円筒形形態およびねじられた円筒形形態またはこれら以外の変更を受けた円筒形形態の場合のように、流れの方向が方向転換されるが、流れの方向に対して垂直な円形の幾何学的形状の寸法が変わることがない、幾何学的形状も包含する。したがって、好ましい管状反応器の一定の内径に関しては、前記直径が、2~1200mmのどこかにある範囲であり得、好ましくは、一定の内径が、3~800mm、より好ましくは4~500mm、より好ましくは4.5~200mm、より好ましくは5~100mm、より好ましくは5.5~70mm、より好ましくは6~50mm、より好ましくは6.5~30mm、より好ましくは7~20mm、より好ましくは7.5~15mmの範囲である。しかしながら、本発明の方法によれば、管状反応器の少なくとも一部が、8~12mmの範囲である流れの方向に対して垂直な一定の内径を有する一定の円筒形の形態であることが特に好ましい。
【0024】
同じことが、連続フロー反応器の断面に応じて、連続フロー反応器の容積が150cm~75mの範囲に含まれることを条件にして、特に限定されず、したがって、0.2~5,000mのどこかにある範囲であり得る、連続フロー反応器の長さに関しても相応に当てはまる。しかしながら、本発明の方法によれば、連続フロー反応器の長さが、0.5~3,000mの範囲であることが好ましく、より好ましくは、連続フロー反応器が、1~1,000m、より好ましくは3~700m、より好ましくは6~500m、より好ましくは9~300m、より好ましくは11~100m、より好ましくは13~70m、より好ましくは15~50m、より好ましくは17~30m、より好ましくは18~25mの範囲の長さを有する。本発明の方法によれば、連続フロー反応器の長さが、19~21mの範囲であることが特に好ましい。
【0025】
連続フロー反応器の壁を製造する材料に関しては、前記材料が、連続フロー反応器内の混合物を100~300℃の範囲の温度に加熱することを条件にして、特段の制限は適用されない。したがって、連続フロー反応器の壁が、金属材料、特に、適切な熱伝導率を提示する金属材料から作製されていることが、一般に好ましい。さらに、連続フロー反応器の壁は、特に連続フロー反応器内で結晶化させた混合物が、高圧にさらされる、本発明の方法の好ましい特定の実施形態においては、機械的に安定であることが好ましい。最後に、連続フロー反応器の壁は、(i)において製造された混合物中に含有されてもよく、(ii)において連続フロー反応器に連続的に供給され得る、化学反応性の高い試薬を考慮すると、特に、(iii)におけるゼオライト材料の結晶化中に混合物が加熱される高温を考慮すると、腐食に対する耐性があることが好ましい。したがって、本発明の方法によれば、金属材料が、上記有利な特性のうちの1つまたは複数を提示する1種または複数の金属を含むことが特に好ましい。したがって、本発明の方法によれば、金属材料が、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Moおよびこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群より選択される1種または複数の金属を含むことが特に好ましく、より好ましくは、連続フロー反応器の壁は、Ta、Cr、Fe、Ni、Moならびにこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群、より好ましくはCr、Fe、Ni、Moならびにこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群より選択される1種または複数の金属を含む金属材料から作製されている。本発明の方法によれば、連続フロー反応器の壁が、ニッケル合金、ニッケル-モリブデン合金およびより好ましくはニッケル-モリブデン-クロム合金を含む金属材料から作製されていることが特に好ましい。
【0026】
本発明の方法によれば、連続フロー反応器の内壁の表面が、連続フロー反応器の中を通るように案内された反応混合物と連続フロー反応器の内壁との界面における結晶成長を阻害するために、1種または複数の化合物および/または材料によって処理および/または位置合わせされることがさらに好ましい。この点に関して、この処理および/または位置合わせという趣旨で連続フロー反応器の内壁に塗布され得る化合物および/または材料に関する特段の制限は存在せず、この結果、原則的に任意の適切な材料および/または化合物が、この目的のために、内壁に施用され得る。したがって、連続フロー反応器の内壁は、当該内壁上における結晶成長を防止するために、ポリマーおよび/もしくは他の滑らかな材料によって裏打ちされてもよいし、ならびに/または、潤滑剤フィルムが、前記結晶成長の阻害を達成するために、連続フロー反応器の内壁上に施用されてもよい。しかしながら、本発明の方法によれば、連続フロー反応器の内壁の表面が、有機ポリマー材料によって裏打ちされていることが好ましい。本発明の方法の好ましい特定の実施形態によって連続フロー反応器の内壁に適用され得る好ましい有機ポリマー材料に関しては、この内壁への適用という趣旨で任意の適切なポリマーまたはポリマー混合物を利用することができるように、特段の制限は適用されない。しかしながら、本発明の方法によれば、連続フロー反応器の内壁の表面を裏打ちするのに用いる有機ポリマー材料が、フッ素化ポリアルキレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは(C2~C3)ポリアルキレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくはフッ素化ポリエチレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数のポリマーを含むことが特に好ましい。本発明の方法によれば、連続フロー反応器の内壁の表面が、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含む有機ポリマー材料によって裏打ちされていることが特に好ましく、より好ましくは、連続フロー反応器の内壁が、ポリ(テトラフルオロエチレン)によって裏打ちされている。
【0027】
連続フロー反応器の壁上におけるゼオライト材料の結晶化を阻害するための本発明の方法による好ましい手段に関しては、内壁上に1種または複数の化合物および/または材料を用意することの代わりにまたは加えて、特に、本発明の方法の好ましい特定の実施形態のいずれかに従って、有機ポリマー材料によって連続フロー反応器の内壁を裏打ちすることの代わりにまたは加えて、この結晶化の阻害という趣旨で任意のさらなる適切な手段を利用することができる。したがって、上記手段に加えてまたは上記手段の代わりに、連続フロー反応器の壁が、(iii)におけるゼオライト材料の結晶化中に動き、特に振動、好ましくは振動による動きを受けることが好ましく、この結果、連続フロー反応器の壁が、(iii)における結晶化中に振動を受けることが特に好ましい。(iii)における結晶化中に連続フロー反応器の壁の振動を誘起するための手段に関しては、この振動の誘起は、任意の機械的および/または他の手段によって達成することができ、前記振動を誘起するために必要な機械的エネルギーは、超音波および/または機械的に誘起された振動の使用によって用意することができる。
【0028】
さらに、(iii)において連続フロー反応器自体の中で結晶化させた混合物は、機械的に撹拌されてもよく、好ましくは、機械的撹拌が、1つまたは複数の撹拌手段等、連続フロー反応器内に内包された可動式の部品によって達成される。この機械的撹拌の達成という趣旨で、本発明の方法によれば、可動式の部品が、継続的にまたは周期的に、好ましくは継続的に連続フロー反応器の壁を、ゼオライト材料および/または当該ゼオライト材料に付着した固体残留物が存在しないように用意されていることが好ましく、より好ましくは、可動式の部品が、スクレーパ、より好ましくはスクリュー、より好ましくは回転しているスクリューを含む。
【0029】
上記において述べたように、本発明の方法によれば、ゼオライト材料を結晶化させるために(iii)において連続フロー反応器の中を通るように案内された混合物は、当該混合物の加熱中に高圧にさらされることが好ましく、好ましくは、混合物は、この高圧にさらされるという趣旨で、(iii)において自然発生的な圧力下で加熱される。(iii)においてゼオライト材料の結晶化中に適用されるおよび/または発生する好ましい圧力に関しては、(iii)においてゼオライト材料を結晶化することができることを条件にして、このゼオライト材料の結晶化という趣旨で任意の適切な圧力を適用することおよび/または発生させることができるように、やはり、特段の制限は適用されない。したがって、例として、(i)において製造されており、(ii)において連続フロー反応器内に連続的に供給された、混合物は、(iii)において、ゼオライト材料の結晶化中に、0.1~9MPaのどこかにある範囲の圧力で加熱することができ、好ましくは、(iii)における混合物の加熱が、0.5~7MPa、より好ましくは0.8~5MPa、より好ましくは1.2~4MPa、より好ましくは1.6~3.5MPa、より好ましくは1.8~3MPa、より好ましくは2~2.7MPaの範囲の圧力、好ましくは自然発生的な圧力で実施される。本発明の方法によれば、(iii)において、混合物の加熱が、2.2~2.5MPaの範囲の圧力で実施されることが特に好ましく、圧力が、好ましくは、自然発生的なものである。
【0030】
反応器の幾何学的形状に関しては、この点に関して特段の制限が適用されないであろうという事実にもかかわらず、連続フロー反応器は、単一の段からなることが好ましく、本発明の意味において、単一の段は、反応器の中を通る(i)において製造された混合物の連続流が、任意の手段、特に、反応器の壁上および/または反応器の容積の中に配置された任意の種類のバッフルの存在によって妨害されず、または、連続フロー反応器の壁によって決定される流れの方向から方向転換されないことを特徴とする。
【0031】
原則的に、反応器内に当該反応混合物が供給された後で、当該反応混合物が反応器の全長、特に、混合物が100~300℃の範囲の温度に加熱されている連続フロー反応器の全長を完全に通行する前において、(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に物質を添加する、および/または反応混合物から物質を除去する可能性に関する特段の制限は存在しない。したがって、例として、本発明の好ましい特定の実施形態のいずれかによる1種または複数のXの供給源を含有する溶液、特に、1種または複数のアルミナの供給源が、反応器内への当該反応混合物が供給された後で、当該反応混合物が反応器の全長を完全に通行する前において、(iii)において当該反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、1つの場所またはいくつかの場所において反応混合物に添加されてもよい。しかしながら、本発明の方法によれば、(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、物質が添加されない、および/または反応混合物から物質が除去されないことが好ましく、好ましくは、物質が添加されない。本発明の方法によれば、(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、物質が添加されず、反応混合物から物質が除去されないことが特に好ましい。代替的には、(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、上澄み液、特に本発明の方法から得られた上澄み液が、反応混合物に添加されないことが好ましい。
【0032】
本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物は、(iii)におけるゼオライト材料の結晶化のために、(ii)において、連続フロー反応器内に連続的に供給される。(i)において製造された混合物に関しては、(ii)において連続フロー反応器内に当該混合物を連続的に供給する前に、(i)において製造された混合物によって実施され得る1つまたは複数のさらなる工程に関して制限は適用されない。したがって、本発明の方法によれば、(ii)において連続フロー反応器内で混合物を連続的に供給する前に、前記混合物が、前処理工程、特にエージング工程を完全にまたは部分的に受けることが好ましい。したがって、本発明の方法によれば、(ii)の前に、(i)において製造された混合物が、定められた期間にわたって当該混合物を加熱することによってエージングされることが特に好ましい。本発明の方法の前記好ましい特定の実施形態によって混合物をエージングする温度に関しては、(i)において製造された混合物を40~120℃の範囲のどこかにある温度に加熱することによって、エージングを実施することができるように、特段の制限は適用されず、好ましくは(i)において製造された混合物が、(ii)の前に、50~110℃、より好ましくは60~105℃、より好ましくは70~100℃、より好ましくは75~95℃の範囲の温度でエージングされる。本発明の方法によれば、(ii)の前に、(i)において製造された混合物が、80~90℃の範囲の温度でエージングされることが特に好ましい。
【0033】
前述の事柄と独立に、本発明の方法の上記好ましい特定の実施形態による好ましいエージングの持続期間に関する特段の制限は存在しない。したがって、(i)において製造された混合物は、(ii)において連続フロー反応器内に混合物を供給する前に、任意の適切な持続期間にわたってエージングすることが可能であり、この結果、例として、(i)において製造された混合物が、1~72時間のどこかにある範囲の持続期間にわたってエージングすることができる。しかしながら、本発明の方法によれば、(ii)(i)において製造された混合物が、6~72時間、より好ましくは12~66時間、より好ましくは24~66時間、より好ましくは36~60時間、より好ましくは42~54時間の範囲の持続期間にわたってエージングされることが好ましい。しかしながら、本発明の方法によれば、(ii)の前に、(i)において製造された混合物が、46~50時間の範囲の持続期間にわたってエージングされることが特に好ましい。
【0034】
しかしながら、代替的には、本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器内に直接供給され、特に、(i)において製造された混合物が、(iii)におけるゼオライト材料の結晶化の前にいかなる種類の処理も受けず、特に、いかなる種類の加熱レジメンも受けないことが好ましい。したがって、本発明の方法によれば、(i)において混合物を製造している間で、(ii)において連続フロー反応器内に当該混合物を供給する前に、前記混合物が加熱されず、特に、40℃以上、より好ましくは35℃以上の温度に加熱されないことが特に好ましい。しかしながら、本発明の方法によれば、(ii)の前に(i)において、(i)において製造された混合物が、30℃以上の温度に加熱されないことが特に好ましく、より好ましくは、(i)において製造された混合物が、(ii)の前に加熱工程を受けない。
【0035】
本発明の方法の(ii)において、(i)において製造された混合物が、連続フロー反応器に連続的に供給される。本発明の方法の好ましい特定の実施形態によれば、(i)において製造された混合物は、(ii)の前で当該混合物の製造中に、いかなる種類の処理も受けず、特に、いかなる種類の加熱も受けないが、本発明の方法によれば、(ii)(i)において製造された混合物が、連続フロー反応器内に連続的に供給される間に予備加熱されることが好ましい。(i)において製造された混合物が(ii)において予備加熱される温度に関しては、特段の制限は適用されず、好ましくは、混合物が、100~300℃の範囲の温度に予備加熱される。本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に供給される間に、より好ましくは100~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、より好ましくは200~220℃の範囲の温度に予備加熱されることがさらに好ましい。しかしながら、本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に直接供給されることが特に好ましく、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に供給される間に、本発明の方法の上記好ましい特定の実施形態のいずれかによる温度に予備加熱され、より好ましくは、混合物が、連続フロー反応器に供給される間に、本発明の方法の上記好ましい特定の実施形態のいずれかによる反応器の温度に予備加熱される。
【0036】
本発明の方法によれば、(iii)におけるゼオライト材料の結晶化後に含まれ得るさらなる工程に関する、いかなる限定も存在しない。しかしながら、本発明の方法によれば、(iii)における結晶化の後に、本方法が、
(iv) 1種もしくは複数の溶媒を含む液体によって、および/もしくは反応生成物排出物の膨張によって、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物をクエンチすること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(v) (iii)もしくは(iv)において得られたゼオライト材料を単離すること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(vi) (iii)、(iv)もしくは(v)において得られたゼオライト材料を洗浄すること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(vii) (iii)、(iv)、(v)もしくは(vi)において得られたゼオライト材料を乾燥させること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(viii) (iii)、(iv)、(v)、(vi)もしくは(vii)において得られたゼオライト材料をか焼すること
のうちの1つまたは複数をさらに含むことが好ましい。
【0037】
(iv)における反応生成物排出物の好ましいクエンチに関しては、前記クエンチは、反応混合物が連続フロー反応器の全容積を通過したことに合致する、所望されるゼオライト材料の結晶レベルが(iii)において達成された後に実施されてもよい。反応生成物排出物のクエンチを達成することができる手段に関しては、反応を効果的に終了させることを条件にして、任意の適切な手段を適用することができるように、特段の制限は適用されない。しかしながら、本発明の方法によれば、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物のクエンチが、1種または複数の溶媒を含む液体によって実施されることが好ましい。前述の事柄の代替としてまたは前述の事柄に加えて、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物のクエンチは、反応生成物排出物の膨張によって実施される。クエンチが、液体によるクエンチと反応生成物排出物の膨張との組合せによって実施される、本発明の方法の好ましい特定の実施形態によれば、前記工程が順次実施されることが好ましく、好ましくは、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物が最初に、1種または複数の溶媒を含む液体によってクエンチされ、続いて、得られた混合物が膨張した。本発明の意味において、「膨張した」という用語は一般に、反応生成物排出物の圧力と温度が同時に低下することを示唆している。
【0038】
(iv)における反応生成物排出物の好ましいクエンチのために利用され得る液体に関しては、液体が、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物と十分な量の液体が接触したときに反応を終了させるのに適していることを条件にして、特段の制限は適用されない。したがって、例として、反応生成物排出物のクエンチのために(iv)において利用される液体は、極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群より選択される1種または複数の溶媒を含んでもよく、好ましくは液体が、n-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群、より好ましくはエタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群より選択される1種または複数の溶媒を含む。しかしながら、本発明の方法によれば、反応生成物排出物のクエンチのために(iv)において利用される液体が、水を含むことが特に好ましく、より好ましくは、水が、(iv)において液体、好ましくは脱イオン水として使用される。同じことが、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物をクエンチするために(iv)において液体を利用することができる量に関しても相応に当てはまる。したがって、例として、反応器から連続的に出る反応生成物排出物に対する1種または複数の溶媒を含む液体の質量比は、0.5~30のどこかにある範囲であり得、好ましくは、(iv)において、反応生成物排出物に対する1種または複数の溶媒を含む液体の質量比が、1~25、より好ましくは2~20、より好ましくは3~18、より好ましくは4~15、より好ましくは5~12、より好ましくは6~10、より好ましくは6.5~9、より好ましくは7~8.5の範囲である。本発明の方法によれば、本方法が、(iv)における反応生成物排出物のクエンチをさらに含み、反応生成物排出物に対する1種または複数の溶媒を含む液体の質量比が、7.5~8の範囲であることが特に好ましい。
【0039】
本発明の方法によれば、(iii)または(iv)において得られたゼオライト材料が、(v)において単離されることが好ましい。ゼオライト材料の単離のための手段に関しては、このゼオライト材料の単離という趣旨で任意の適切な手段を利用することができるように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、ゼオライト材料は、好ましくは(iv)に従ったろ過法、限外ろ過法、ダイアフィルトレーション法、遠心分離法および/またはデカンテーション法による反応生成物排出物のクエンチ後に、反応生成物排出物から単離されてもよく、ろ過法が、吸引および/または圧力ろ過工程を含み得る。しかしながら、本発明の方法によれば、(v)において、(iii)または(iv)において得られたゼオライト材料が、1つまたは複数のろ過工程によって単離されることが特に好ましい。
【0040】
(v)におけるゼオライト材料の好ましい単離から得られた上澄みに関しては、前記上澄みが、本発明の方法の(i)において混合物を製造する最初の工程にリサイクルされることが好ましい。しかしながら、前述の事柄に対して独立に、(v)におけるゼオライト材料単離から得られた上澄みおよび/または前記上澄みと同じ組成を有する供給物は、反応混合物が連続フロー反応器を通過している間のいかなる時点においても、すなわち、(ii)における(i)で製造された混合物の供給の後で、本発明の方法の好ましい特定の実施形態によれば(iv)におけるクエンチ手順が伴ってもよい、反応器から反応生成物排出物が出る前のいかなる時点においても、反応混合物にリサイクルされないことが好ましい。
【0041】
代替的には、本発明の方法によれば、(v)において、ゼオライト材料を単離することが、(iii)または(iv)において得られたゼオライト材料を噴霧乾燥させる工程を含むことが好ましい。前述の事柄に対して独立に、好ましくは、前述の事柄の代替として、(vii)において、ゼオライト材料の乾燥が、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のいずれかにおいて得られたゼオライト材料を噴霧乾燥させる工程を含むことがさらに好ましい。上記好ましい噴霧乾燥手順を実施することができる温度に関しては、やはり、この噴霧乾燥手順の実施という趣旨で任意の適切な温度を選択することができるように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、(v)および/または(vii)における好ましい噴霧乾燥は、150℃~800℃のどこかにある範囲の温度で実施することができ、好ましくは、(v)および/または(vii)における噴霧乾燥が、200~600℃、より好ましくは250~500℃、より好ましくは300~450℃、より好ましくは350~400℃の範囲の温度で実施される。本発明によれば、本発明の好ましい特定の実施形態のいずれかによって噴霧乾燥を実施する温度は、利用される乾燥処理用の気体の進入温度、および/または、噴霧乾燥区域内でゼオライト材料が加熱される温度を表し、好ましくは、噴霧乾燥区域内への乾燥処理用の気体の進入温度を表す。
【0042】
さらに、本発明の方法によれば、(iii)、(iv)または(v)において得られたゼオライト材料が、(vi)における洗浄を受けることが好ましい。(vi)における1つまたは複数の好ましい洗浄手順に関しては、想定可能な任意の溶媒を使用することができる。使用され得る洗浄剤は例えば、水、メタノール、エタノールもしくはプロパノール等のアルコールまたはこれらのうちの2種以上の混合物である。混合物の例は、メタノールとエタノールもしくはメタノールとプロパノールもしくはエタノールとプロパノールもしくはメタノールとエタノールとプロパノール等の2種以上のアルコールの混合物、または、水とメタノールもしくは水とエタノールもしくは水とプロパノールもしくは水とメタノールとエタノールもしくは水とメタノールとプロパノールもしくは水とエタノールとプロパノールもしくは水とメタノールとエタノールとプロパノール等の水と少なくとも1種のアルコールとの混合物である。水または水と少なくとも1種のアルコールとの混合物、好ましくは水とエタノールとの混合物が好ましく、蒸留水は、唯一の洗浄剤であることが非常に特に好ましい。
【0043】
上記好ましい後処理工程に加えて、または、これらの後処理工程の代替として、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のいずれかにおいて得られたゼオライト材料を、(vii)における乾燥が好ましい。(vii)における乾燥が達成される温度に関しては、原則的に、凍結乾燥の場合のような低温を含む任意の適切な温度で乾燥を実施することができるように、特段の制限は適用されない。しかしながら、本発明の方法によれば、乾燥は、周囲温度、好ましくは周囲温度に比べて高い温度で実施されることが好ましい。したがって、例として、(vii)における乾燥は、50~220℃のどこかにある範囲の温度で実施することができ、好ましくは、(vii)における乾燥が、70~180℃、より好ましくは80~150℃、より好ましくは90~130℃、より好ましくは100~125℃、より好ましくは110~120℃の範囲の温度で実施される。
【0044】
最後に、本発明の方法によれば、(iii)、(iv)、(v)、(vi)または(vii)のいずれか1つにおいて得られたゼオライト材料が、(viii)におけるか焼を受けることが好ましい。やはり、本発明の方法によれば、(viii)においてゼオライト材料をか焼することができる温度に関して特段の制限は適用されない。したがって、例として、か焼は、300~750℃のどこかにある温度で実施することができ、好ましくは、(viii)におけるゼオライト材料のか焼は、325~650℃、より好ましくは350~600℃、より好ましくは375~550℃、より好ましくは400~500℃、より好ましくは425~475℃の範囲の温度で実施される。
【0045】
(i)において製造された混合物に関しては、特段の制限は、混合物が少なくとも1種のYOの供給源および液体溶媒系を含むことを条件にして、この混合物が少なくとも1種のYOの供給源および液体溶媒系を含むという趣旨で利用され得る元素または化合物の数および/または種類に関しても適用されないし、これらの元素または化合物のそれぞれの量に関しても適用されない。さらに、(i)における混合物の製造のために用意される化合物が用意され、(i)において得られた混合物中に含有されるときおよび(ii)において連続フロー反応器内に供給されるときの状態に関して制限は適用されず、ここで、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた供給物を構成する、混合物が、任意に固相を含有する単一の液相からなること、より好ましくは、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた供給物を構成する、混合物が、固相を含有する単一の液相からなることが好ましい。
【0046】
したがって、本発明の方法によれば、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物が、結晶種をさらに含むことが特に好ましく、前記結晶種が好ましくは、結晶化(iii)から得られたものと同じ種類の骨格構造のゼオライト材料を含み、より好ましくは、結晶種が、本発明の方法によって得られるまたは得ることができる、好ましくは本発明の方法によって得られる、ゼオライト材料を含む。したがって、本発明の方法によれば、結晶種が、それらのうちの2種以上の混合構造を含むAEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZRおよびTONからなる群、好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むCAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、GME、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、MFIおよびMWWからなる群より選択される骨格構造を有する1種または複数のゼオライト材料を含むことが特に好ましく、より好ましくは、結晶種が、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含む。本発明によれば、(Ni(deta))-UT-6、チャバサイト、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、DAF-5、脱水されたNa-チャバサイト、K-チャバサイト、LZ-218、Linde D、Linde R、Phi、SSZ-62、UiO-21、ウィルヘンダーソナイト、ZK-14、ZYT-6およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数のゼオライトを含む結晶種であることが特に好ましく、より好ましくは、結晶種が、(Ni(deta))-UT-6、チャバサイト、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、DAF-5、脱水されたNa-チャバサイト、K-チャバサイト(イラン産)、LZ-218、Linde D、Linde R、Phi、SSZ-62、UiO-21、ウィルヘンダーソナイト、ZK-14、ZYT-6およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数のゼオライトを含み、さらにより好ましくは、結晶種が、チャバサイトを含む。さらにより好ましい実施形態によれば、チャバサイトは、本発明の方法において、結晶種として利用され、好ましくは、前記チャバサイト結晶種は、本発明の方法によって得ることができ、または、前記方法によって実際にすでに得られている。
【0047】
本発明の方法によれば、ゼオライト材料が(iii)において結晶化されることを条件にして、任意の適切な量の結晶種が、(i)において製造された混合物中に用意され得る。一般に、(i)によって混合物中に含有される結晶種の量は、混合物中に含有される100wt%のYOに対して0.5~25wt%、好ましくは1~20wt%、より好ましくは2~17wt%、より好ましくは4~15wt%、より好ましくは6~13wt%、より好ましくは8~12wt%の範囲である。本発明の方法の特に好ましい実施形態によれば、本発明の方法の(i)において用意された少なくとも1種のYOの供給源中における100wt%のYOに対して9~11wt%である、本発明の好ましい特定の実施形態のいずれかによる結晶種が利用される。
【0048】
さらに、本発明の方法によれば、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物が、1種または複数の有機テンプレートをさらに含むことが好ましい。やはり、本発明の方法によれば、特段の制限は、利用され得る有機テンプレートの数および種類に関しても適用されないし、これらの有機テンプレートを使用することができる量に関しても適用されない。しかしながら、本発明の方法によれば、1種または複数の有機テンプレートが、テトラアルキルアンモニウム化合物、1N-アルキル-3-キヌクリジノールまたはN,N,N-トリアルキル-exo-アミノノルボルナンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択されることが好ましく、より好ましくは、1種または複数の有機テンプレートが、1-アダマンチルトリ(C1~C3)アルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキル(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-N-ベンジルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C2)アルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキルシクロペンチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキルシクロヘキシルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは1-アダマンチルトリエチルアンモニウム化合物、1-アダマンチルジエチルメチルアルキルアンモニウム化合物、1-アダマンチルエチルジメチルアンモニウム化合物、1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリエチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジエチル-N-メチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジメチル-N-エチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチルシクロヘキシルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される。しかしながら、本発明の方法によれば、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物中にさらに含まれることが好ましい1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数の1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物および/または1種または複数のN,N,N-トリメチルシクロヘキシルアンモニウム化合物をさらに含むことが特に好ましく、より好ましくは、1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数の1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物を含む。
【0049】
代替的には、本発明の方法によれば、1種または複数の有機テンプレートが、テトラ(C~C)アルキルアンモニウム化合物、ジベンジルメチルアンモニウム化合物、ジベンジル-1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、好ましくはテトラ(C~C)アルキルアンモニウム化合物、ジベンジルメチルアンモニウム化合物、ジベンジル-1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンおよびこれらのうちの2種以上の混合物、より好ましくはテトラエチルアンモニウム化合物、トリエチルメチルアンモニウム化合物、ジエチルジメチルアンモニウム化合物、エチルトリメチルアンモニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択されることが好ましい。しかしながら、本発明の方法によれば、代替的には、(i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物中にさらに含まれることが好ましい1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数のテトラエチルアンモニウム化合物をさらに含むことが特に好ましい。
【0050】
(i)において製造された混合物中に有機テンプレートとして含まれる好ましいテトラアルキルアンモニウム化合物に関しては、互いに対して独立に、テトラアルキルアンモニウム化合物が、塩であり、好ましくは、ハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数の塩であることが好ましく、より好ましくは、1種または複数のテトラアルキルアンモニウム化合物が、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドおよび/またはクロリド、さらにより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである。
【0051】
しかしながら、代替的には、本発明の方法によれば、(i)において製造されており、(iii)における結晶化のために(ii)において連続フロー反応器内に供給された、混合物が、有機テンプレートを含まず、特に、有機テンプレートが、連続フロー反応器内で実施された結晶化プロセスの任意の時点において、連続フロー反応器に内包されないことが好ましい。さらに、前述の事柄に対して独立に、本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、リンおよび/またはリン含有化合物を実質的に含有しないことが好ましい。同じことが、(iii)において得られたゼオライト材料に関しても相応に当てはまり、この結果、本発明の方法によれば、前記ゼオライト材料は、リンを実質的に含有せず、好ましくは、(iii)において得られたゼオライト材料が、リンおよび/またはリン含有化合物を実質的に含有しないことが好ましい。
【0052】
本発明の意味において、有機テンプレートならびに/またはリンおよび/もしくはリン含有化合物を含有しない(i)において製造された混合物への言及は、前記各元素または化合物が、(i)において製造された混合物の総質量に対して0.1wt%超の量で、(i)において製造された混合物中に含有されず、好ましくは、(i)において製造された混合物の総質量に対して0.05wt%超、より好ましくは0.001wt%超、より好ましくは0.0005wt%超、さらにより好ましくは0.0001wt%超の量で含有されないことを指し示している。
【0053】
本発明の方法の(i)において混合物を製造するためにYOの供給源として利用されるYOおよび/またはこのYOの前駆物質に関しては、前記元素が四価の元素であり、(iii)において結晶化させたゼオライト材料中に含まれることを条件にして、Yが表す1種または複数の元素に関する特段の制限は存在しない。特に、本発明の意味において、YOは、一般にゼオライト材料の場合には典型的なものである骨格構造によって形成された細孔および空洞の中に存在し得る非骨格元素とは対照的に、構造構成元素としてゼオライト材料の骨格構造中に少なくとも部分的に、好ましくは完全に含まれる。したがって、上記の事柄を考慮に入れると、Yは、想定可能な任意の四価の元素を表すことが可能であり、Yは、単一のまたはいくつかの四価の元素を表す。本発明による好ましい四価の元素は、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびこれらのうちの任意の2種以上の組合せを含む。本発明の好ましい実施形態によれば、Yは、Siおよび/またはSnを表し、本発明の特に好ましい実施形態によれば、Yは、Siを含み、さらにより好ましくは、Yは、Siである。
【0054】
Yが、Siを表し、またはSiと、1種もしくは複数のさらなる四価の元素との組合せを表す、本発明の好ましい実施形態において、好ましくは(i)において用意されたSiOの供給源もまた、想定可能な任意の供給源であってよい。したがって、例として、任意の種類のシリカおよび/またはシリケートおよび/またはシリカ誘導体、好ましくはシリカ、シリケートおよびこれらの混合物が使用されてもよく、より好ましくは、1種または複数のYOの供給源が、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性の高い非晶性固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキシリケート、ジシリケート、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数の化合物を含む。本発明の方法によれば、(i)において使用される1種または複数のYOの供給源が、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくはシリカヒドロゾル、ケイ酸、水ガラス、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは水ガラス、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択されることが特に好ましい。前記特に好ましい実施形態によれば、1種または複数のYOの供給源が、水ガラス、コロイダルシリカおよびこれらの混合物からなる群より選択されることがさらに好ましく、さらにより好ましくは、少なくとも1種のYOの供給源が、水ガラス、コロイダルシリカおよびこれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくは、コロイダルシリカが、YOの供給源として利用される。
【0055】
本発明によれば、(i)において製造された混合物が任意に、1種または複数のXの供給源をさらに含み、式中、Xが、三価の元素である。本発明によれば、(i)において用意された1種または複数のXの供給源中に含まれる三価の元素Xとして利用され得る元素に関しては、骨格元素としてYOおよびXを含むゼオライト材料が(iii)において結晶化することを条件にして、どの元素または元素混合物を利用できるかについての特段の制限は存在しない。本発明の好ましい実施形態によれば、Xは、Al、B、In、Gaおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択され、好ましくは、Xが、Alおよび/またはBである。本発明の特に好ましい実施形態によれば、Xは、Alを含み、さらにより好ましくは、Xは、Alである。
【0056】
(i)において製造された混合物が、1種または複数のXの供給源を含む、本発明の実施形態によれば、1種または複数のAlの供給源が混合物中に含有される場合においては、前記1種または複数の供給源が、1種または複数のアルミニウム塩、好ましくはアルカリ金属のアルミン酸塩および/または水酸化アルミニウム、好ましくは水酸化アルミニウムを含むことが好ましく、より好ましくは、少なくとも1種のXの供給源が、アルカリ金属のアルミン酸塩および/または水酸化アルミニウム、好ましくは水酸化アルミニウムであり、アルカリ金属が好ましくは、Li、Na、K、RbおよびCsからなる群より選択され、より好ましくは、アルカリ金属が、Naおよび/またはKであり、さらにより好ましくは、アルカリ金属が、Naである。
【0057】
本発明の方法によれば、(i)において製造されており、(iii)における結晶化のために(ii)において連続フロー反応器内に供給された、混合物のpHに関する特段の制限は存在しないが、そうは言っても、混合物が塩基性pHを提示することが好ましく、この結果、本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、少なくとも1種のOHの供給源をさらに含むことが好ましく、前記少なくとも1種のOHの供給源は、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、より好ましくは水酸化ナトリウムを含む。
【0058】
本発明によれば、1種または複数のXの供給源が、(i)において用意される、本発明の実施形態に関しては、特段の制限は、1種または複数のXの供給源の種類に関しても適用されないし、これらのXの供給源を使用する量に関しても適用されない。したがって、例として、(i)において製造された混合物中に用意された1種または複数のYOの供給源の量に関しては、混合物のYO:Xモル比は、1~1,000のどこかにある範囲であり得、好ましくは、このモル比が、2~500、より好ましくは4~200、より好ましくは8~150、より好ましくは12~100、より好ましくは16~50、より好ましくは20~30の範囲である。特に好ましい実施形態によれば、(i)において製造された混合物のYO:Xモル比が、24~26の範囲である。
【0059】
混合物の製造のために(i)において用意される液体溶媒系に関しては、(iii)においてゼオライト材料を結晶化することができることを条件にして、原則的に、この液体溶媒系の用意という趣旨で任意の適切な液体溶媒系を利用することができるように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、液体溶媒系は、極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群より選択される1種または複数の溶媒を含んでもよく、好ましくは、1種または複数の溶媒が、n-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群、より好ましくはエタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群より選択される。本発明の方法によれば、溶媒系が、水を含むことが特に好ましく、より好ましくは、水が、液体溶媒系、好ましくは脱イオン水として使用される。
【0060】
混合物を製造するために(i)において用意された液体溶媒系が水を含み、特に、水が液体溶媒系として使用される、本発明の方法の好ましい特定の実施形態に関しては、(i)における混合物の製造のために水を利用することができる量に関する特段の制限は適用されない。したがって、例として、(i)において製造された混合物は、10~800のどこかにある範囲のHO:YOモル比を提示し得、好ましくは、HO:YOモル比が、30~600、より好ましくは50~400、より好ましくは70~300、より好ましくは90~250、より好ましくは110~220、より好ましくは130~190、より好ましくは150~170の範囲である。本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物のHO:YOモル比が、155~165の範囲であることが特に好ましい。
【0061】
上記に加えて、または、上記の代替として、(i)において製造された混合物は、1種または複数のアルカリ金属Mを含んでもよく、好ましくは、1種または複数のアルカリ金属Mが、Li、Na、K、Csおよびこれらの混合物からなる群より選択される。本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物が、アルカリ金属MとしてのNaおよび/またはK、より好ましくはNaをさらに含むことが特に好ましい。
【0062】
(i)において製造された混合物が、1種または複数のアルカリ金属Mを含む、本発明の方法の好ましい特定の実施形態によれば、前記1種または複数のアルカリ金属Mが当該混合物中に含有され得る量に関する特段の制限は存在しない。したがって、例として、(i)において製造された混合物中におけるM:YOモル比は、0.005~5のどこかにある範囲であり得、好ましくは、(i)において製造された混合物中におけるM:YOモル比が、0.01~2、より好ましくは0.02~1、より好ましくは0.04~0.5、より好ましくは0.06~0.2、より好ましくは0.08~0.16の範囲である。本発明の方法によれば、(i)において製造された混合物中におけるM:YOモル比が、0.1~0.14の範囲であることが特に好ましい。
【0063】
本発明の方法は、得ることができるゼオライト材料の数または種類に関して、決して限定されることがない。したがって、原則的に、想定可能な任意のゼオライト材料は、International Zeolite Association(IZA)によって規定された公知の骨格構造型のいずれかを有するように、本発明の連続方法によって得ることができる。したがって、例として、(iii)において結晶化させたゼオライト材料は、それらのうちの2種以上の混合構造を含むAEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZRおよびTONからなる群より選択される骨格構造を有し得、好ましくは、(iii)において結晶化させたゼオライト材料が、それらのうちの2種以上の混合構造を含むCAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、GME、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、MFIおよびMWWからなる群より選択される骨格構造を有する。本発明の方法によれば、(iii)において結晶化させたゼオライト材料が、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有することが特に好ましい。
【0064】
本発明の方法によれば、(v)、(vi)、(vii)または(viii)において得られたゼオライト材料が、(ix)におけるイオン交換手順を受けることがさらに好ましく、ここで、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、1種または複数の金属イオンとイオン交換される。一般に、想定できる任意のイオン交換手順が、金属イオン交換されたゼオライト材料が得られることを条件にして、このイオン交換手順という趣旨でゼオライト材料を対象にして実施され得る。しかしながら、本発明によれば、(v)、(vi)、(vii)または(viii)において得られたゼオライト材料は最初に、銅および/または鉄によるイオン変化の前に、好ましくはアンモニウム形態と、H型を得るために後で行われる当該アンモニウム形態のか焼とを用いて、H型に変換されることが好ましい。
【0065】
したがって、本発明の方法によれば、(ix)において、ゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程が、
(ix.a) (v)、(vi)、(vii)または(viii)において得られたゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程であって、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、NH とイオン交換される、工程と、
(ix.b) ゼオライト材料のH型を得るために、(ix.a)において得られたイオン交換されたゼオライト材料をか焼する工程と、
(ix.c) (ix.b)において得られたゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程であって、イオン性非骨格元素としてゼオライト材料中に含有されるHが、1種または複数の金属イオンとイオン交換される、工程と
を含むことが好ましい。
【0066】
(ix)におけるイオン交換のために利用され得る1種または複数の金属イオンに関しては、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が1種または複数の金属イオンとイオン交換されることを条件にして、このイオン交換のための利用という趣旨で任意の適切な1種または複数の金属イオンを利用することができるように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、1種または複数の金属イオンは、アルカリ土類金属元素および/または遷移金属元素のイオンからなる群より選択され、好ましくは、(ix)において利用される1種または複数の金属イオンは、元素周期表の第4族および第6~11族、好ましくは第4族および第8~11族から選択される金属のイオンからなる群より選択され、より好ましくは、1種または複数の金属イオンは、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auおよびこれらのうちの2種以上の混合物のイオンからなる群、より好ましくはTi、Cu、Fe、Rh、Pd、Ptおよびこれらのうちの2種以上の混合物のイオンからなる群より選択される。しかしながら、本発明の方法によれば、(ix)において、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、Cuおよび/またはFe、好ましくはCuとイオン交換されることが特に好ましい。
【0067】
好ましくは本発明の方法によって(ix)においてゼオライト材料中にイオン交換される1種または複数の金属イオンの量に関しては、原則的に、想定可能な任意の量の銅および/または鉄が当該ゼオライト材料中に交換され得るように、特段の制限は適用されない。したがって、例として、ゼオライト材料は、元素として計算してゼオライト材料中に含有される100wt%のYOに対して0.1~15wt%の範囲であるゼオライト材料中における金属担持量を達成するように、(ix)においてイオン交換されてもよい。しかしながら、本発明の方法によれば、ゼオライト材料が、0.5~10wt%、より好ましくは1~8wt%、より好ましくは1.5~7wt%、より好ましくは2~6wt%、より好ましくは2.5~5.5wt%、より好ましくは3~5wt%、より好ましくは3.5~4.5wt%の範囲の金属イオンの担持量を達成するようにイオン交換されることが好ましい。本発明の方法によれば、ゼオライト材料が、元素として計算してゼオライト材料中に含有される100wt%のYOに対して3.8~4.2wt%の範囲の金属イオン担持量を達成するように、(ix)においてイオン交換されることが特に好ましい。
【0068】
金属がゼオライト材料中にイオン交換されるときの状態、特に価数に関しては、本発明によれば、特段の制限は適用されないことに留意する。銅および/または鉄がゼオライト材料中にイオン交換される、本発明の特に好ましい実施形態の方法に関しては、銅および鉄は、それぞれCu、Cu2+、Fe2+および/またはFe3+としてイオン交換されてもよいが、本発明によれば、互いに対して独立に、銅がCu2+としてイオン交換され、鉄がFe2+としてイオン交換されることが好ましい。
【0069】
ゼオライト材料の作製のための連続方法に関することに加えて、本発明は、本発明による方法によって得られる、または、本発明の方法によって得ることができる触媒をもたらす想定可能な任意の方法によって得られる、ゼオライト材料にさらに関する。したがって、本発明は、本出願に含まれる本発明の方法の好ましい特定の実施形態のいずれかにおいて規定された方法によって得ることができるおよび/または得られる、ゼオライト材料自体にも関する。
【0070】
本発明によるゼオライト材料が、想定可能な任意の用途において使用され得ることにもかかわらず、本発明は、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、触媒として、および/または触媒担体として本発明の触媒を使用する方法であって、好ましくは本発明のゼオライト材料が、触媒および/または触媒担体として使用される、方法にさらに関する。触媒としてのゼオライト材料の使用に関しては、ゼオライト材料によって触媒され得る反応に関して特定の制限は適用されない。しかしながら、本発明によれば、本出願において規定された好ましい特定の実施形態のいずれかによる本発明の触媒が、NOの選択的接触還元のための触媒として、好ましくは選択的接触還元によるNO含有排気ガスの処理において使用されることが特に好ましく、より好ましくは、触媒が、産業排出ガスまたは自動車排気ガスの処理において使用される。本発明によれば、本出願において規定された好ましい特定の実施形態のいずれかによる本発明の触媒が、自動車排気ガスの処理において使用されることが特に好ましい。
【0071】
本発明は、それぞれの従属事項によって指し示された組合せおよび実施形態を含む、下記の好ましい特定の実施形態をさらに特徴とする。
【0072】
1. ゼオライト材料を製造するための連続方法であって、
(i) YOの供給源、任意にXの供給源および液体溶媒系を含む混合物を製造すること、
(ii) 少なくとも1時間の持続期間にわたって0.3~20h-1の範囲の液空間速度で、(i)において製造された混合物を連続フロー反応器内に連続的に供給すること、ならびに
(iii) 連続フロー反応器内の混合物からゼオライト材料を結晶化させることを含み、
混合物が、100~300℃の範囲の温度に加熱され、
連続フロー反応器の容積が、150cm~75mの範囲である、方法。
【0073】
2. 液空間速度が、0.5~16h-1、より好ましくは1~14h-1、より好ましくは2~12h-1、より好ましくは3~10h-1、より好ましくは3.5~8h-1、より好ましくは4~6h-1、より好ましくは4.5~5.5h-1の範囲である、実施形態1の方法。
【0074】
3. (ii) (i)において製造された混合物が、3時間~360日、より好ましくは6時間~120日、より好ましくは12時間~90日、より好ましくは18時間~60日、より好ましくは1~30日、より好ましくは1.5~25日、より好ましくは2~20日、より好ましくは2.5~15日、より好ましくは3~12日、より好ましくは3.5~8日、より好ましくは4~6日の範囲の持続期間にわたって連続フロー反応器内に連続的に供給される、実施形態1または2の方法。
【0075】
4. (iii) 混合物が、100~280℃、好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、より好ましくは200~220℃の範囲の温度に加熱される、実施形態1から3のいずれかの方法。
【0076】
5. 連続フロー反応器の容積が、155cm~30m、好ましくは160cm~10m、より好ましくは165cm~7m、より好ましくは170cm~3m、より好ましくは175cm~1m、より好ましくは180~700,000cm、より好ましくは185~500,000cm、より好ましくは190~300,000cm、より好ましくは195~100,000cm、より好ましくは200~70,000cm、より好ましくは205~50,000cm、より好ましくは210~30,000cm、より好ましくは215~10,000cm、より好ましくは220~7,000cm、より好ましくは225~5,000cm、より好ましくは230~3,000cm、より好ましくは235~1,000cm、より好ましくは240~700cm、より好ましくは245~500cm、より好ましくは250~300cmの範囲である、実施形態1から4のいずれかの方法。
【0077】
6. 連続フロー反応器が、管状反応器、環状反応器および連続的に振動する型の反応器から選択され、好ましくは簡素な管状反応器、管状メンブレン反応器、コアンダ効果を伴う管状反応器、環状反応器および連続的に振動する型のバッフル付き反応器から選択され、より好ましくは、連続フロー反応器が、簡素な管状反応器および/または環状反応器であり、より好ましくは、連続フロー反応器が、簡素な管状反応器である、実施形態1から5のいずれかの方法。
【0078】
7. 管状反応器の少なくとも一部が、流れの方向に対して垂直な一定の内径を有する一定の円筒形の形態であり、内径が、好ましくは2~1200mm、より好ましくは3~800mm、より好ましくは4~500mm、より好ましくは4.5~200mm、より好ましくは5~100mm、より好ましくは5.5~70mm、より好ましくは6~50mm、より好ましくは6.5~30mm、より好ましくは7~20mm、より好ましくは7.5~15mm、より好ましくは8~12mmの範囲である、実施形態1から6のいずれかの方法。
【0079】
8. 連続フロー反応器が、0.2~5,000m、好ましくは0.5~3,000m、より好ましくは1~1,000m、より好ましくは3~700m、より好ましくは6~500m、より好ましくは9~300m、より好ましくは11~100m、より好ましくは13~70m、より好ましくは15~50m、より好ましくは17~30m、より好ましくは18~25m、より好ましくは19~21mの範囲の長さを有する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0080】
9. 連続フロー反応器の壁が、金属材料から作製されており、金属材料が、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Moおよびこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群、好ましくはTa、Cr、Fe、Ni、Moおよびこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群、好ましくはCr、Fe、Ni、Moおよびこれらのうちの2種以上の組合せおよび/または合金からなる群より選択される1種または複数の金属を含み、好ましくは、金属材料が、ニッケル合金、ニッケル-モリブデン合金およびより好ましくはニッケル-モリブデン-クロム合金を含む、実施形態1から8のいずれかの方法。
【0081】
10. 連続フロー反応器の内壁の表面が、有機ポリマー材料によって裏打ちされており、有機ポリマー材料が好ましくは、フッ素化ポリアルキレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、好ましくは(C2~C3)ポリアルキレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、好ましくはフッ素化ポリエチレンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数のポリマーを含み、より好ましくは、ポリマー材料が、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含み、より好ましくは、連続フロー反応器の内壁が、ポリ(テトラフルオロエチレン)によって裏打ちされている、実施形態1から9のいずれかの方法。
【0082】
11. 連続フロー反応器が、流れの方向を基準にしてまっすぐであり、および/または1つもしくは複数の曲線を含み、好ましくは、連続フロー反応器が、流れの方向を基準にしてまっすぐであり、および/またはコイル状の形態を有する、実施形態1から10のいずれかの方法。
【0083】
12. 連続フロー反応器の壁が、(iii)における結晶化中に振動を受ける、実施形態1から11のいずれかの方法。
【0084】
13. (iii)において、混合物が、自然発生的な圧力下で加熱され、好ましくは、圧力が、0.1~9MPaの範囲、より好ましくは0.5~7MPa、より好ましくは0.8~5MPa、より好ましくは1.2~4MPa、より好ましくは1.6~3.5MPa、より好ましくは1.8~3MPa、より好ましくは2~2.7MPa、より好ましくは2.2~2.5MPaの範囲である、実施形態1から12のいずれかの方法。
【0085】
14. 連続フロー反応器が、単一の段からなる、実施形態1から13のいずれかの方法。
【0086】
15. (iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、物質が添加されない、および/または反応混合物から物質が除去されない、好ましくは、物質が添加されない、より好ましくは、(iii)において反応混合物が連続フロー反応器を通過している間に、物質が添加されず、反応混合物から物質が除去されない、実施形態1から14のいずれかの方法。
【0087】
16. (ii)の前に、(i)において製造された混合物が、40~120℃、好ましくは50~110℃、より好ましくは60~105℃、より好ましくは70~100℃、より好ましくは75~95℃、より好ましくは80~90℃の範囲の温度でエージングされる、実施形態1から15のいずれかの方法。
【0088】
17. (ii)の前に、(i)において製造された混合物が、1~72時間、より好ましくは6~72時間、より好ましくは12~66時間、より好ましくは24~66時間、より好ましくは36~60時間、より好ましくは42~54時間、より好ましくは46~50時間の範囲の持続期間にわたってエージングされる、実施形態1から16のいずれかの方法。
【0089】
18. (ii)の前に(i)において、(i)において製造された混合物が、40℃以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは30℃以上の温度に加熱されず、より好ましくは、(ii)の前に(i)において、(i)において製造された混合物が、加熱工程を受けない、実施形態1から17のいずれかの方法。
【0090】
19. (i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に直接供給され、(i)において製造された混合物が、(ii)において連続フロー反応器に供給される間に、好ましくは100~300℃、より好ましくは100~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、より好ましくは200~220℃の範囲の温度に予備加熱される、実施形態1から18のいずれかの方法。
【0091】
20.
(iv) 1種もしくは複数の溶媒を含む液体によって、および/もしくは反応生成物排出物の膨張によって、(iii)において反応器から連続的に出る反応生成物排出物をクエンチすること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(v) (iii)もしくは(iv)において得られたゼオライト材料を単離すること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(vi) (iii)、(iv)もしくは(v)において得られたゼオライト材料を洗浄すること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(vii) (iii)、(iv)、(v)もしくは(vi)において得られたゼオライト材料を乾燥させること、
ならびに/または、好ましくはならびに、
(viii) (iii)、(iv)、(v)、(vi)もしくは(vii)において得られたゼオライト材料をか焼すること
をさらに含む、実施形態1から19のいずれかの方法。
【0092】
21. (iv)において、液体が、極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群、
好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群、
より好ましくはエタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群
より選択される1種または複数の溶媒を含み、
より好ましくは、液体が、水を含み、より好ましくは、水が、液体、好ましくは脱イオン水として使用される、
実施形態20の方法。
【0093】
22. (iv)において、反応器から連続的に出る反応生成物排出物に対する1種または複数の溶媒を含む液体の質量比が、0.5~30、好ましくは1~25、より好ましくは2~20、より好ましくは3~18、より好ましくは4~15、より好ましくは5~12、より好ましくは6~10、より好ましくは6.5~9、より好ましくは7~8.5、より好ましくは7.5~8の範囲である、実施形態20または21の方法。
【0094】
23. (vii)における乾燥させることが、50~220℃、好ましくは70~180℃、より好ましくは80~150℃、より好ましくは90~130℃、より好ましくは100~125℃、より好ましくは110~120℃の範囲の温度で実施される、実施形態20から22のいずれかの方法。
【0095】
24. (viii)におけるか焼することが、300~750℃、より好ましくは325~650℃、より好ましくは350~600℃、より好ましくは375~550℃、より好ましくは400~500℃、より好ましくは425~475℃の範囲の温度で実施される、実施形態20から23のいずれかの方法。
【0096】
25. (v)におけるゼオライト材料の単離から得られた上澄みおよび/または前記上澄みと同じ組成を有する供給物が、反応混合物が連続フロー反応器を通過している間のいかなる時点においても、反応混合物にリサイクルされない、実施形態20から24のいずれかの方法。
【0097】
26. (v)において、ゼオライト材料を単離することが、(iii)もしくは(iv)において得られたゼオライト材料を噴霧乾燥させる工程を含み、
および/または、
(vii)において、ゼオライト材料の乾燥が、(iii)、(iv)、(v)もしくは(vi)において得られたゼオライト材料を噴霧乾燥させる工程を含む、
実施形態20から25のいずれかの方法。
【0098】
27. (i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物が、結晶種をさらに含む、実施形態1から26のいずれかの方法。
【0099】
28. (i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物が、1種または複数の有機テンプレートをさらに含む、実施形態1から27のいずれかの方法。
【0100】
29. 1種または複数の有機テンプレートが、テトラアルキルアンモニウム化合物、1N-アルキル-3-キヌクリジノールまたはN,N,N-トリアルキル-exo-アミノノルボルナンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C3)アルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキル(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-N-ベンジルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C2)アルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキルシクロペンチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C~C)アルキルシクロヘキシルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは1-アダマンチルトリエチルアンモニウム化合物、1-アダマンチルジエチルメチルアルキルアンモニウム化合物、1-アダマンチルエチルジメチルアンモニウム化合物、1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリエチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジエチル-N-メチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジメチル-N-エチルシクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチルシクロヘキシルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択され、
より好ましくは、1種または複数の有機テンプレートが、1種もしくは複数の1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物および/または1種もしくは複数のN,N,N-トリメチルシクロヘキシルアンモニウム化合物を含み、
より好ましくは、1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数の1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物を含む、
実施形態28の方法。
【0101】
30. 1種または複数の有機テンプレートが、テトラ(C1~C3)アルキルアンモニウム化合物、ジベンジルメチルアンモニウム化合物、ジベンジル-1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、好ましくはテトラ(C1~C2)アルキルアンモニウム化合物、ジベンジルメチルアンモニウム化合物、ジベンジル-1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくはテトラエチルアンモニウム化合物、トリエチルメチルアンモニウム化合物、ジエチルジメチルアンモニウム化合物、エチルトリメチルアンモニウム化合物、テトラメチルアンモニウム化合物およびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択され、より好ましくは、1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数のテトラエチルアンモニウム化合物を含む、
実施形態28の方法。
【0102】
31. 互いに対して独立に、テトラアルキルアンモニウム化合物が、塩であり、好ましくは、ハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群より選択される1種または複数の塩であり、より好ましくは、1種または複数のテトラアルキルアンモニウム化合物が、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドおよび/またはクロリド、さらにより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、実施形態29または30の方法。
【0103】
32. (i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、混合物が、1種または複数の有機テンプレートを含まない、実施形態1から31のいずれかの方法。
【0104】
33. (i)において製造されており、(iii)において結晶化させた、供給物を構成する、混合物が、任意に固相を含有する、単一の液相からなる、実施形態1から32のいずれかの方法。
【0105】
34. (iii)において連続フロー反応器内で結晶化させた混合物が、機械的に撹拌され、好ましくは、機械的撹拌が、連続フロー反応器に内包された可動式の部品によって達成され、より好ましくは、可動式の部品が、継続的にまたは周期的に、好ましくは継続的に連続フロー反応器の壁を、ゼオライト材料および/または当該ゼオライト材料に付着した固体残留物が存在しない状態にするように用意されており、より好ましくは、可動式の部品が、スクレーパ、より好ましくはスクリュー、より好ましくは回転しているスクリューを含む、実施形態1から33のいずれかの方法。
【0106】
35. Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択され、Yが、好ましくはSiである、実施形態1から34のいずれかの方法。
【0107】
36. 少なくとも1種のYOの供給源が、シリカ、シリケートおよびこれらの混合物からなる群、
好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性の高い非晶性固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキシリケート、ジシリケート、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、
より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、
より好ましくはシリカヒドロゾル、ケイ酸、水ガラス、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、
より好ましくは水ガラス、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシランおよびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群、
より好ましくは水ガラス、コロイダルシリカおよびこれらの混合物からなる群
より選択される1種または複数の化合物を含み、
より好ましくは、少なくとも1種のYOの供給源が、水ガラス、コロイダルシリカおよびこれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくは、コロイダルシリカが、YOの供給源として利用される、実施形態1から35のいずれかの方法。
【0108】
37. Xが、Al、B、In、Gaおよびこれらのうちの2種以上の組合せからなる群より選択され、Xが、好ましくはAlである、実施形態1から36のいずれかの方法。
【0109】
38. 少なくとも1種のXの供給源が、1種または複数のアルミニウム塩、好ましくはアルカリ金属のアルミン酸塩および/または水酸化アルミニウム、好ましくは水酸化アルミニウムを含み、より好ましくは、少なくとも1種のXの供給源が、アルカリ金属のアルミン酸塩および/または水酸化アルミニウム、好ましくは水酸化アルミニウムであり、
アルカリ金属が、好ましくはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選択され、より好ましくは、アルカリ金属が、Naおよび/またはKであり、さらにより好ましくは、アルカリ金属が、Naである、実施形態1から37のいずれかの方法。
【0110】
39. (i)において製造された混合物が、少なくとも1種のOHの供給源をさらに含み、前記少なくとも1種のOHの供給源が、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、より好ましくは水酸化ナトリウムを含む、実施形態1から38のいずれかの方法。
【0111】
40. (i)において製造された混合物のYO:Xモル比が、1~1,000、好ましくは2~500、より好ましくは4~200、より好ましくは8~150、より好ましくは12~100、より好ましくは16~50、より好ましくは20~30、より好ましくは24~26の範囲である、実施形態1から39のいずれかの方法。
【0112】
41. (i)において製造された混合物が、結晶種をさらに含み、(i)において製造された混合物中における結晶種の量が好ましくは、混合物中に含有される100wt%のYOに対して0.5~25wt%、好ましくは1~20wt%、より好ましくは2~17wt%、より好ましくは4~15wt%、より好ましくは6~13wt%、より好ましくは8~12wt%、より好ましくは9~11wt%の範囲である、実施形態1から40のいずれかの方法。
【0113】
42. 結晶種が、それらのうちの2種以上の混合構造を含むAEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZRおよびTONからなる群、好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むCAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、GME、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、MFIおよびMWWからなる群より選択される骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含み、より好ましくは、結晶種が、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含む、実施形態41の方法。
【0114】
43. 液体溶媒系が、1種または複数の溶媒を含み、液体溶媒系が好ましくは、極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群、
好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群、
より好ましくはエタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群
より選択される1種または複数の溶媒を含み、
より好ましくは、溶媒系が、水を含み、より好ましくは、水が、溶媒系、好ましくは脱イオン水として使用される、実施形態1から42のいずれかの方法。
【0115】
44. (i)において製造された混合物が、溶媒系としての水を含み、(i)において製造された混合物のHO:YOモル比が好ましくは、10~800、好ましくは30~600、より好ましくは50~400、より好ましくは70~300、より好ましくは90~250、より好ましくは110~220、より好ましくは130~190、より好ましくは150~170、より好ましくは155~165の範囲である、実施形態43の方法。
【0116】
45. (i)において製造された混合物が、1種または複数のアルカリ金属M、好ましくは、Li、Na、K、Csおよびこれらの混合物からなる群より選択される1種または複数のアルカリ金属Mを含み、より好ましくは(i)において製造された混合物が、アルカリ金属MとしてのNaおよび/またはK、より好ましくはNaをさらに含む、実施形態1から44のいずれかの方法。
【0117】
46. (i)において製造された混合物中におけるM:YOモル比が、0.005~5、好ましくは0.01~2、より好ましくは0.02~1、より好ましくは0.04~0.5、より好ましくは0.06~0.2、より好ましくは0.08~0.16、より好ましくは0.1~0.14の範囲である、実施形態1から45のいずれかの方法。
【0118】
47. (iii)において結晶化させたゼオライト材料が、それらのうちの2種以上の混合構造を含むAEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZRおよびTONからなる群、好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むCAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、GME、MFI、MORおよびMWWからなる群、より好ましくはそれらのうちの2種以上の混合構造を含むBEA、CHA、MFIおよびMWWからなる群より選択される骨格構造を有し、より好ましくは、(iii)において結晶化させたゼオライト材料が、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有する、実施形態1から46のいずれかの方法。
【0119】
48. (i)において製造された混合物が、リンおよび/またはリン含有化合物を実質的に含有しない、実施形態1から47のいずれかの方法。
【0120】
49. (iii)において得られたゼオライト材料の骨格が、リンを実質的に含有せず、好ましくは、(iii)において得られたゼオライト材料が、リンおよび/またはリン含有化合物を実質的に含有しない、実施形態1から48のいずれかの方法。
【0121】
50.
(ix) (v)、(vi)、(vii)または(viii)において得られたゼオライト材料にイオン交換手順を施すことをさらに含む、実施形態20から49のいずれかの方法であって、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、1種または複数の金属イオンとイオン交換される、方法。
【0122】
51. (ix)において、ゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程が、
(ix.a) (v)、(vi)、(vii)または(viii)において得られたゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程であって、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、NH とイオン交換される、工程と、
(ix.b) ゼオライト材料のH型を得るために、(ix.a)において得られたイオン交換されたゼオライト材料をか焼する工程と、
(ix.c) (ix.b)において得られたゼオライト材料にイオン交換手順を施す工程と
を含み、
イオン性非骨格元素としてゼオライト材料中に含有されるHが、1種または複数の金属イオンとイオン交換される、
実施形態50の方法。
【0123】
52. 1種または複数の金属イオンが、アルカリ土類金属元素および/または遷移金属元素のイオンからなる群、より好ましくは元素周期表の第4族および第6~11族、好ましくは第4族および第8~11族から選択される金属のイオンからなる群より選択され、より好ましくは、1種または複数の金属イオンが、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auおよびこれらのうちの2種以上の混合物のイオンからなる群、より好ましくはTi、Cu、Fe、Rh、Pd、Ptおよびこれらのうちの2種以上の混合物のイオンからなる群より選択され、より好ましくは、ゼオライト材料中に含有される少なくとも1種のイオン性非骨格元素または化合物が、Cuおよび/またはFe、好ましくはCuとイオン交換される、実施形態51の方法。
【0124】
53. (ix)において、ゼオライト材料が、元素として計算してゼオライト材料中に含有される100wt%のYOに対して0.1~15wt%、好ましくは0.5~10wt%、より好ましくは1~8wt%、より好ましくは1.5~7wt%、より好ましくは2~6wt%、より好ましくは2.5~5.5wt%、より好ましくは3~5wt%、より好ましくは3.5~4.5wt%、より好ましくは3.8~4.2wt%の範囲であるゼオライト材料中における1種または複数の金属イオンの担持量を達成するようにイオン交換される、実施形態50から52のいずれかの方法。
【0125】
54. 実施形態1から53のいずれかの方法によって得ることができるおよび/または得られる、ゼオライト材料。
【0126】
55. 分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、触媒として、および/または触媒担体として、好ましくは触媒としておよび/または触媒担体として、より好ましくはNOの選択的接触還元のための触媒として、より好ましくは選択的接触還元によるNO含有排気ガスの処理において、実施形態54によるゼオライト材料を使用する方法であって、より好ましくは、ゼオライト材料が、産業排出ガスまたは自動車排気ガスの処理、好ましくは自動車排気ガスの処理において使用される、方法。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1】それぞれ参考例1、比較例1および例1によって得られた結晶性材料の(CuKα-1線を使用して測定された)X線回折パターンをそれぞれが示す、図であり、ここで、各図面中には比較のために、CHA型骨格のラインパターンがさらに組み入れられた。これらの図面において、°としての角度2θが横座標に沿って示されており、強度が縦座標に沿ってプロットされている。
図2】比較例1によって得られた中間体としてのエージング済みの種晶入り合成ゲルの(CuKα-1線を使用して測定された)X線回折パターンを示す、図であり、ここで、比較のために、CHA型骨格のラインパターンをこの図面中にさらに組み入れた。この図面において、°としての角度2θが横座標に沿って示されており、強度が縦座標に沿ってプロットされている。
図3】それぞれ参考例1、比較例1および例1によって得られた結晶性材料の(CuKα-1線を使用して測定された)X線回折パターンをそれぞれが示す、図であり、ここで、各図面中には比較のために、CHA型骨格のラインパターンがさらに組み入れられた。これらの図面において、°としての角度2θが横座標に沿って示されており、強度が縦座標に沿ってプロットされている。
図4】例1において利用された管状フロー反応器の構成を提示する、図である。
図5】それぞれ参考例1、比較例1および例1によって得られた結晶性材料の(CuKα-1線を使用して測定された)X線回折パターンをそれぞれが示す、図であり、ここで、各図面中には比較のために、CHA型骨格のラインパターンがさらに組み入れられた。これらの図面において、°としての角度2θが横座標に沿って示されており、強度が縦座標に沿ってプロットされている。
図6】新たな試料を対象にして実施された例2の選択的接触還元試験からの結果を提示する、図であり、ここで、本発明の試料に関して得られた値が、符合「○」によって指し示されており、比較用試料の値が、符合「□」によって指し示されている。この図面において、%としてのNO変換レベルが、縦座標に沿ってプロットされており、温度が横座標に沿って示されている。
図7】750℃で5時間エージングした後の試料を対象にして実施された例2の選択的接触還元試験からの結果を提示する、図であり、ここで、本発明の試料に関して得られた値が、符合「○」によって指し示されており、比較用試料の値が、符合「□」によって指し示されている。この図面において、%としてのNO変換レベルが縦座標に沿ってプロットされており、温度が横座標に沿って示されている。
図8】850℃で6時間エージングした後の試料を対象にして実施された例2の選択的接触還元試験からの結果を提示する、図であり、本発明の試料に関して得られた値が、符合「○」によって指し示されており、比較用試料の値が、符合「□」によって指し示されている。この図面において、%としてのNO変換レベルが縦座標に沿ってプロットされており、温度が横座標に沿って示されている。
【0128】
実験の部
粉末状の材料を対象にしたX線回折実験を、Cu型X線供給源およびエネルギー分散点検出器を有するBragg-Brentano型回折計を使用して実施した。2°~70°(2θ)の角度範囲を、固定された発散スリットを使用して0.02°のステップサイズによって走査した。
【0129】
試料の格子パラメータおよび結晶度を判定するために、TOPAS V4ソフトウェアを使用してX線回折データを分析したが、ここで、関連する単位胞パラメータおよび空間群を内包するPawleyモデルを使用して、鋭い回折ピークをモデル化した。これらを洗練して、データを当てはめた。独立したブロードなピークを挿入して、非晶性含量を描写した。結晶性含量は、合計散乱強度に対する結晶性シグナルの強度を描写している。線形バックグラウンド、Lorentzおよび分極の補正、格子パラメータ、空間群および結晶子サイズが、モデルに含まれている。結晶性値Kは、次の比:
【数1】
として計算されており、式中、「crystalline」は、鋭い結晶性反射からの合計散乱強度を表し、「amorphous」は、非晶性含量に関連付けられたブロードな反射の合計強度を表す。
【0130】
参考例1:チャバサイト結晶種の合成
水酸化ナトリウム(50wt%溶液)、コロイダルシリカ(Ludox LS、30wt%水溶液)、非結晶性水酸化アルミニウム、トリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシド(TMAdAOH)および脱塩水を含有する混合物を、20HO:0.04Al:1SiO:0.12NaO:0.2TMAdAOHのモル比を有するように製造した。次いで、合成ゲルをオートクレーブ内に充填し、160℃で5日撹拌した。得られた材料は、母液からの分離のためにろ別し、水によって洗浄し、80℃で乾燥させて、白色粉末を得た。
【0131】
生成物のXRDパターンが図1に提示されており、単結晶相としてチャバサイトを明らかにしている。
【0132】
比較例1:12.5cm容管状フロー反応器内におけるチャバサイトの連続合成
水酸化ナトリウム(50wt%溶液)、コロイダルシリカ(Ludox LS、30wt%水溶液)、非結晶性水酸化アルミニウム、トリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシド(TMAdAOH)および脱塩水を含有する混合物を、20HO:0.04Al:1SiO:0.12NaO:0.2TMAdAOHのモル比を有するように製造したが、ここで、SiOの量に対して10wt%の参考例1から得たチャバサイトを、種晶を含む合成ゲルを得るために添加し、次いで、これを85℃で48時間エージングした。エージングした合成ゲルのXRDパターンが図2に提示されており、チャバサイト結晶種に起因した反射に加えて、シリカ供給源およびアルミナ供給源に由来した非晶性部分も示している。
【0133】
得られた材料は、さらなる精製なしで連続合成のために使用した。さらに、チャバサイトのXRDパターンは視認可能であり、これらのXRDパターンは、ゲルに添加された種晶に由来する。
【0134】
連続合成のために、2個の入口および1個の出口を有する長さが1メートルで内径が4mmの管状フロー反応器を利用した。管状反応器を油中に浸漬し、これを210~230℃に加熱した。水を液体に保つため、および蒸発を防止するために、反応器は、自然発生的な圧力下で運転した。
【0135】
エージングした合成ゲルは、反応器内に連続的に供給する前に、合成ゲルの体積に対して100vol%の水によって希釈し、続いて、入口の1つから反応器内に供給した。並行して、チャバサイト生成物の分離後に参考例1から得られた母液を、希釈済み合成ゲル:母液=1:3のvol%比で第2の入口に供給したが、ここで、これらの供給物は、管状反応器の入り口の前で、または入り口において合流する。反応器内に供給されるときの希釈済み合成ゲルおよび母液中の各供給物の速度は、1.3ml/分の流量を達成するように調節されたが、この結果として、反応器内における滞留時間が約12分であった。
【0136】
反応器から出た反応混合物は、反応を中断するために10ml/分の速度で蒸留水を供給することによって連続的にクエンチされ、続いて、バルブを用いて圧力を大気圧まで低下するままにしたが、反応器内の圧力が低下しないようにした。反応中、管状フロー反応器内における反応混合物の温度が210℃に調節され、反応器内で測定された自然発生的な圧力は、2.2~2.5MPaの範囲であった。
【0137】
管状フロー反応器から得られた結晶性生成物を反応混合物から分離し、水によって洗浄し、乾燥させて、白色粉末を得た。生成物のXRDパターンが図3に提示されており、単結晶相としてのチャバサイトを明らかにしており、ここで、生成物の結晶性は、64%であると測定された。
【実施例1】
【0138】
250cm容管状フロー反応器内におけるチャバサイトの連続合成
比較例1の合成を、2個の入口および1個の出口を有する長さが20メートルで内径が4mmの管状フロー反応器を使用して繰り返した。管状反応器を油中に浸漬し、これを210~230℃に加熱した。水を液体に保つため、および蒸発を防止するために、反応器は、やはり、自然発生的な圧力下で運転した。反応器の構成は、管状反応器の周りに用意された油浴の寸法を含めて、図4に図示されている。
【0139】
種晶入り合成ゲルを製造し、エージングし、希釈し、参考例1から得られた母液と一緒に管状反応器内に供給したが、ここで、比較例1の場合と同じ約12分の反応混合物の滞留時間を達成するために、供給速度を26ml/分に調節した。
【0140】
反応器から出た反応混合物は、反応を中断するために10ml/分の速度で蒸留水を供給することによって連続的にクエンチし、バルブを用いて圧力を大気圧まで低下するままにしたが、反応器内の圧力が低下しないようにした。反応中、管状フロー反応器内における反応混合物の温度は210℃に調節し、反応器内で測定された自然発生的な圧力は、2.2~2.5MPaの範囲であった。
【0141】
管状フロー反応器から得られた結晶性生成物を反応混合物から分離し、水によって洗浄し、乾燥させて、白色粉末を得た。生成物のXRDパターンが図5に提示されており、単結晶相としてのチャバサイトを明らかにしており、ここで、生成物の結晶性は、100%であると測定された。非晶性相または他のゼオライト相は、検出されなかった。
【実施例2】
【0142】
選択的接触還元試験
触媒試験のために、例1から得られたチャバサイトを銅によってイオン交換し、続いてか焼したが、最終的な材料は、563m/gのBET比表面積および740m/g LangmuirのLangmuir表面積を示した。か焼された銅担持試料の元素分析により、Alが4.1wt%、Cuが3.1wt%、Naが0.05wt%、Siが36wt%であるとされた。したがって、イオン交換したときにCu含量は、バッチ式で製造されたチャバサイト試料に比較してわずかに高い。
【0143】
銅交換チャバサイト試料は、SCR触媒作用と、US2011/0076229A1の比較例1(「CE1」)に基づいたバッチ式合成手順から得た銅交換試料に比較した性能とについて、試験された。この試験という趣旨で、試料を様々な温度で、窒素酸化物を含有する気体流と接触させた。試料は、新しい状態のときと、それぞれ750℃で5時間および続いて850℃で6時間にわたる、10wt%の水を含有する空気中における別々のエージングレジメンの後とにおいて、試験された。
【0144】
より厳密には、試験すべき試料を、ゼオライト:Al2O3=70:30の質量比になるように、あらかじめ粉砕したアルミナのスラリー(約30wt%の固形分含量)と混合した。乾燥およびか焼(空気中において550℃で1時間)の後、得られたケークを砕き、250~500μmの粒径になるようにふるい分けし、これを試験のために使用した。エージングのために、わずかばかりの形づくられた粉末を、高温に耐えられる型のセラミックるつぼの中に浅い層として配置した。マッフルオーブン内において、空気流および10%の水蒸気のもとで、温度を上昇させた。750℃または850℃の所望の値に到達した後、それぞれ5時間または6時間にわたって温度を一定に保ち、次いで、加熱のスイッチを切った。
【0145】
新しい粉末およびエージング済み粉末を対象にした触媒性能試験を、スクリーニング用反応器システム内で実施した。形づくられた170mg粉末(新しいものまたはエージング済みのもの)は、一般的なウォッシュコート担持量を有するコーティングされた1mLの触媒に相当する同じ粒径のコランダムによって希釈し、反応器の中に配置した。試料は、70,000h-1の(GHSV)の気体空間速度において、500ppmのNO、500ppmのNH、10%のO、5%のHOおよび残部のNを含有する供給物としての気体混合物にさらされた。試料は、静止条件下において、相異なる別々の温度レベル(T=200℃、300℃、450℃および575℃)で試験された。十分な平衡化時間の後、オンライン気体分析装置(ABB LIMAS)のシグナルを30秒間平均し、得られた値を使用して、変換率を計算した。
【0146】
エージングの前および後における比較試験実験からの結果が、図6から図8に提示されている。したがって、比較試験からの結果から把握することができるように、全く予想外なことに、本発明による連続方法からチャバサイトを使用して製造された触媒試料は、新しい状態(図6を参照されたい。)のときと、約200℃の低温および約550~600℃の高温での各エージングレジメン(それぞれ図7および図8を参照されたい。)後の両方において、大幅に高まったNO変換レベルを提示することが見出された。図6の結果から把握することができるように、この驚くべき技術的効果は、本発明の試料の場合、750℃でエージングした後の低温において(図7を参照されたい。)、特に、約200℃の低いSCR温度における新しい状態のとき(図6を参照されたい。)に、特に驚異的である。
【0147】
したがって、予想外なことに、ゼオライト材料の連続作製のための非常に効率的な方法を本発明によって提供することができることが見出されただけでなく、なおさらには本発明が、純度および結晶性に関してだけでなく、さらには、全く予想外なことに従来の材料をかなりの程度上回る化学的特性に関しても驚異的に改善されたゼオライト材料を提供することも見出された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8