(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】清掃シート及び清掃シートを備える清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20220902BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A47L13/16 A
A47L13/24 A
(21)【出願番号】P 2019134095
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 優佳
(72)【発明者】
【氏名】須田 朋和
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-517268(JP,A)
【文献】実開平02-082255(JP,U)
【文献】特開平10-033443(JP,A)
【文献】特開平10-146306(JP,A)
【文献】登録実用新案第3044992(JP,U)
【文献】特開2007-111297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/00~13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記第1シート部分は、前記挿入部側の第1シート内側面と、前記第1シート内側面と反対側の第1シート外側面と、を有し、
前記第2シート部分は、前記挿入部側の第2シート内側面と、前記第2シート内側面と反対側の第2シート外側面と、を有し、
前記第1長手方向連接部は、前記第1シート内側面の前記幅方向の一端部と、前記第2シート内側面の前記幅方向の一端部とを、対面させた状態で、前記長手方向に接合され、
前記第1長手方向連接部は、
前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを合した長手方向接合部と、
前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側と反対側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とが非接合である長手方向非接合部と、を含み、
前記幅方向において、前記長手方向非接合部における、前記第1シート部分の端縁と前記長手方向接合部との距離と、前記第2シート部分の端縁と前記長手方向接合部との距離とは、互いに異なる、
清掃シート。
【請求項2】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記第1シート部分は、前記挿入部側の第1シート内側面と、前記第1シート内側面と反対側の第1シート外側面と、を有し、
前記第2シート部分は、前記挿入部側の第2シート内側面と、前記第2シート内側面と反対側の第2シート外側面と、を有し、
前記第1長手方向連接部は、前記第1シート内側面の前記幅方向の一端部と、前記第2シート内側面の前記幅方向の一端部とを、対面させた状態で、前記長手方向に接合され、
前記第1長手方向連接部は、
前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した長手方向接合部と、
前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側と反対側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とが非接合である長手方向非接合部と、を含み、
前記長手方向において、前記長手方向非接合部の両端部の少なくとも一方における、前記第1シート部分の端縁と、前記第2シート部分の端縁とは、互いに離間している、
清掃シート。
【請求項3】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記幅方向において、前記第1長手方向連接部における前記第2長手方向連接部の側の端縁と、前記第2長手方向連接部における前記第1長手方向連接部の側の端縁と、の間の距離は、前記清掃シートの前記長手方向の一端部の側の方が、他端部の側よりも長く、
前記第1シート部分の前記長手方向の両端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の両端部とは非連接とされ開口しており、
前記第1長手方向連接部及び
前記第2長手方向連接部の少なくとも一方は、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合する長手方向接合部を含み、
前記長手方向接合部は、前記長手方向の一端部から他端部へ向かうに連れて、連続的に前記幅方向における前記挿入部の中心へ向かうように構成されている、
清掃シート。
【請求項4】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記幅方向において、前記第1長手方向連接部における前記第2長手方向連接部の側の端縁と、前記第2長手方向連接部における前記第1長手方向連接部の側の端縁と、の間の距離は、前記清掃シートの前記長手方向の一端部の側の方が、他端部の側よりも長く、
前記第1長手方向連接部及び
前記第2長手方向連接部の少なくとも一方は、前記長手方向に沿って延び、前記幅方向に間隔を空けて並んだ、前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した複数の長手方向接合部を含み、
前記複数の長手方向接合部は、前記長手方向の他端部の側に配置されている、
清掃シート。
【請求項5】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記第1シート部分の前記長手方向の一端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の一端部と、を紐で括って絞ることが可能な第1絞り部と、
前記第1シート部分の前記長手方向の他端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の他端部とを非連接とする開口部と、を備え、
前記開口部から前記清掃ヘッドが挿入される、
清掃シート。
【請求項6】
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、
互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
第1シート部分と、
前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、
前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、
前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、
前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備え、
前記清掃ヘッドは、
第1ヘッド部材と、
前記第1ヘッド部材から部分的に分離可能な第2ヘッド部材と、を更に備えており、
前記清掃シートは、前記清掃ヘッドが前記挿入部に挿入されたとき、前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材とが分離され、前記清掃シートの一部が前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材との間に差し込まれ、前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材とが結合されて、前記清掃シートが前記清掃ヘッドに保持されるように構成されている、
清掃シート。
【請求項7】
前記第1シート部分と前記第2シート部分とは一体のシート部材であり、
前記清掃シートは、前記シート部材が、前記第2長手方向連接部を折り位置として、二つ折りにされ、前記第1長手方向連接部で接合された構成を有する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の清掃シート。
【請求項8】
前記第1シート部分の前記長手方向の一端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の一端部とを非連接とする開口部と、
前記第1シート部分の前記長手方向の他端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の他端部とを、前記幅方向に連接とする幅方向連接部と、を更に備える、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の清掃シート。
【請求項9】
前記第1シート部分及び前記第2シート部分の少なくとも一方において、前記長手方向の一端部及び他端部の少なくとも一方は、前記第1長手方向連接部及び前記第2長手方向連接部の端縁よりも前記長手方向の外側に延出した延出部を備える、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の清掃シート。
【請求項10】
清掃ヘッドと、
前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、
前記清掃ヘッドに対する取り付け及び取り外しが可能な、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の清掃シートと、を備える、
清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃シート及び清掃シートを備える清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃ヘッドを備え、その清掃ヘッドに清掃シートを取り付けて使用される清掃具が知られている。そのような清掃具としては、例えば特許文献1(実用新案登録第3152632号公報)に記載の清掃用具が挙げられる。その清掃用具は、清掃シートを挟み込むスリットが形成された本体と、その本体が回動自在に支承された略コ字状に形成された支持アームと、その支持アームの端部が自在継手を介して連接されたハンドルと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の清掃具(清掃用具)では、概ね以下の手順で本体に清掃シートを取り付ける。まず、清掃シートを床面などに載置する。次いで、その清掃シートの中央の部分に、本体の下側の面が接するようにして本体を配置する。その後、その清掃シートのうちの本体が配置されていない両側の部分を本体の上側の面のスリットに挟み込む。以上により、取り付けを行っている。本体から清掃シートを取り外す場合には、この逆の手順となる。
【0005】
このように、特許文献1の清掃シートの清掃具への取り付け/取り外しには、複数の手順を踏む作業が必要である。加えて、清掃シートの適切な部分に本体を配置できないと、清掃シートの両側の部分を本体のスリットに挟み込み難くなるため、丁寧に作業する必要がある。したがって、清掃シートの清掃具への取り付け/取り外しの作業は必ずしも簡単であるとは言えず、清掃シートには改善の余地がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、清掃具への取り付け/取り外しの作業を極めて簡単に行うことが可能な清掃シート、及び、その清掃シートを備える清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、第1シート部分と、前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備える、清掃シート、である。
【0008】
また、本発明は、清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、前記清掃ヘッドに対する取り付け及び取り外しが可能な、上記の清掃シートと、を備える、清掃具、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、清掃具への取り付け/取り外しの作業を極めて簡単に行うことが可能な清掃シート、及び、その清掃シートを備える清掃具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る清掃具の構成例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る清掃ヘッドの構成例を示す閉鎖形態の正面図である。
【
図3】実施形態に係る清掃ヘッドの構成例を示す展開形態の正面図である。
【
図4】実施形態に係る清掃シートの構成例を示す断面図及び正面図である。
【
図5】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図6】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図7】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す断面図及び正面図である。
【
図9】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す断面図及び正面図である。
【
図10】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。
【
図13】実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す断面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態は、以下の態様に関する。
【0012】
[態様1]
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、を備える清掃具に取り付け可能な清掃シートであって、互いに直交する長手方向と幅方向と厚さ方向とを有し、第1シート部分と、前記第1シート部分に前記厚さ方向に積層された第2シート部分と、前記第1シート部分の前記幅方向の一端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の一端部とを、前記長手方向に沿って連接する第1長手方向連接部と、前記第1シート部分の前記幅方向の他端部と、前記第2シート部分の前記幅方向の他端部とを、前記長手方向に沿って連接する第2長手方向連接部と、前記第1シート部分と前記第2シート部分との間、かつ、前記第1長手方向連接部と前記第2長手方向連接部との間に位置し、前記長手方向の少なくとも一方の端部から前記清掃ヘッドを挿入可能な挿入部と、を備える、清掃シート。
この清掃シートでは、第1シート部分と第2シート部分とを幅方向の両端部の第1長手方向連接部及び第2長手方向連接部で連接することで、筒を形成可能な形状を得ることができる。そして、第1シート部分と第2シート部分との間、かつ、第1長手方向連接部と第2長手方向連接部との間の部分、すなわち筒の内側となる部分に、清掃ヘッドを挿入可能な挿入部を形成できる。それゆえ、清掃シートを清掃具に取り付けるとき、清掃ヘッドを挿入部(筒の内部)に挿入するだけで、清掃シートを清掃具に極めて容易に取り付けることができる。また、清掃シートを清掃具から取り外すとき、清掃シートの長手方向の端部を掴んで引っ張るだけで、清掃シートを清掃具から極めて容易に取り外すことができる。したがって、この清掃シートにより、清掃具への清掃シートの取り付け/取り外しの作業を極めて簡単に行うことが可能となる。
【0013】
[態様2]
前記第1シート部分と前記第2シート部分とは一体のシート部材であり、前記清掃シートは、前記シート部材が、前記第2長手方向連接部を折り位置として、二つ折りにされ、前記第1長手方向連接部で接合された構成を有する、態様1に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、一枚のシート部材を第2長手方向連接部で二つ折りにし、第1長手方向連接部で接合されて構成されている。そのため、第2長手方向連接部には接合された箇所が存在しない。したがって、清掃シートを清掃ヘッドに取り付ける際、清掃シートは接合箇所の少ない筒を構成することになる。それにより、清掃ヘッドを清掃シートの挿入部(筒の内部)に挿入するときや、挿入部(筒の内部)から抜き出すときに、清掃ヘッドが接合箇所に引っ掛かる等の影響を受け難くするこができ、円滑に清掃ヘッドを挿入又は抜き出すことができる。したがって、この清掃シートにより、清掃具への清掃シートの取り付け/取り外しの作業を更に極めて簡単に行うことが可能となる。
【0014】
[態様3]
前記第1シート部分の前記長手方向の一端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の一端部とを非連接とする開口部と、前記第1シート部分の前記長手方向の他端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の他端部とを、前記幅方向に連接とする幅方向連接部と、を更に備える、態様1又は2に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、第1シート部分と第2シート部分とで形成される筒(挿入部)における長手方向の一端部を筒(挿入部)の入り口として開口部で開放し、他端部を幅方向連接部で閉じている。それにより、清掃シートを清掃具に取り付けるとき、清掃ヘッドを開口部に挿入した後、清掃ヘッドを押し過ぎて(又は清掃シートを引っ張り過ぎて)、清掃ヘッドが清掃シートの開口部と反対側の端部から飛び出してしまう、という事態を防止できる。すなわち、そのような飛び出しを生じさせることなく、清掃シートを清掃具に極めて容易に取り付けることができる。
それに加えて、この清掃シートは以下の効果を奏する。一般に、清掃ヘッドの幅方向連接部に対向する部分の近傍に清掃シートは存在するが、当該部分は清掃シートに覆われていない。そのため、清掃ヘッドの当該部分を用いて清掃することは難しい。しかし、この清掃シートは、清掃ヘッドの当該部分を清掃シートの幅方向連接部を含む部分で覆うことができる。そのため、清掃ヘッドの当該部分を壁などの被清掃物に押し付けることで、清掃シートの幅方向連接部を含む部分で被清掃物を清掃することが可能となる。
【0015】
[態様4]
前記第1シート部分は、前記挿入部側の第1シート内側面と、前記第1シート内側面と反対側の第1シート外側面と、を有し、前記第2シート部分は、前記挿入部側の第2シート内側面と、前記第2シート内側面と反対側の第2シート外側面と、を有し、前記第1長手方向連接部は、前記第1シート内側面の前記幅方向の一端部と、前記第2シート内側面の前記幅方向の一端部とを、対面させた状態で、前記長手方向に接合されている、態様1乃至3のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、少なくとも第1長手方向連接部は、第1シート内側面と第2シート内側面とを対面させて接合されている。そのため、第1長手方向連接部は、第1シート部分と第2シート部分とで形成される筒の本体から、外側に飛び出したひだ状の形状となる。したがって、清掃シートを使用するとき、第1長手方向連接部を容易に摘むことができる。それにより、清掃シートを清掃ヘッドに取り付けるときや、清掃シートを清掃ヘッドから取り外すときに、第1長手方向連接部を摘むことで、清掃シートを容易に動かすことができる。特に、取り外しのときには、清掃シートの汚れた部分(筒の部分)を持たずに、汚れの少ない(又は汚れていない)第1長手方向連接部を摘んで清掃シートを取り外すことができる。
【0016】
[態様5]
前記第1長手方向連接部は、前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した長手方向接合部と、前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側と反対側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とが非接合である長手方向非接合部と、を含み、前記幅方向において、前記長手方向非接合部における、前記第1シート部分の端縁と前記長手方向接合部との距離と、前記第2シート部分の端縁と前記長手方向接合部とは、互いに異なる、態様4に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、幅方向において、長手方向非接合部における第1シート部分の端縁と長手方向接合部との距離と、第2シート部分の端縁と長手方向接合部との距離とは互いに異なり、すなわち、ずれている。そのため、長手方向非接合部における第1シート部分の端縁と第2シート部分の端縁のいずれか一方が幅方向の外側に突出することになる。それゆえ、長手方向非接合部における第1シート部分と第2シート部分との間に指を入れ易くすることができる。そして、例えば、第1長手方向連接部において、第1シート部分と第2シート部分との間に人差し指を入れ、第1シート部分を外側から中指で押さえ、第2シート部分を外側から親指で押さえることで、長手方向非接合部を三本の指で強固に把持できる。それにより、清掃シートの清掃ヘッドへの取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0017】
[態様6]
前記第1長手方向連接部は、前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した長手方向接合部と、前記幅方向における前記第2長手方向連接部の側と反対側に位置し、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とが非接合である長手方向非接合部と、を含み、前記長手方向において、前記長手方向非接合部の両端部の少なくとも一方における、前記第1シート部分の端縁と、前記第2シート部分の端縁とは、互いに離間している、態様4又は5に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、長手方向において、長手方向非接合部の両端部の少なくとも一方における第1シート部分の端縁と、第2シート部分の端縁とは互いに離間し、すなわち、ずれている。そのため、長手方向非接合部における第1シート部分の端縁と第2シート部分の端縁のいずれか一方が長手方向の内側に引っ込むことになる。それゆえ、長手方向非接合部における第1シート部分と第2シート部分との間に指を入れ易くすることができる。そして、例えば、第1長手方向連接部で、第1シート部分と第2シート部分との間に人差し指を入れ、第1シート部分を外側から中指で押さえ、第2シート部分を外側から親指で押さえることで、長手方向非接合部を三本の指で強固に把持できる。それにより、清掃シートの清掃ヘッドへの取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0018】
[態様7]
前記幅方向において、前記第1長手方向連接部における前記第2長手方向連接部の側の端縁と、前記第2長手方向連接部における前記第1長手方向連接部の側の端縁と、の間の距離は、前記清掃シートの前記長手方向の一端部の側の方が、他端部の側よりも長い、態様1乃至6のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、幅方向における、第1長手方向連接部の内側の端縁と第2長手方向連接部の内側の端縁との間の距離は、長手方向の一端部の側の方が、他端部の側よりも長い。すなわち、挿入部を筒状にしたとき、筒の横断面積は、長手方向の一端部の側の方が、他端部の側の方よりも大きくなっている。それにより、清掃ヘッドを清掃シートに挿入するときには、長手方向の一端部の側、すなわち筒の横断面積が大きい側から挿入することで、清掃シートを清掃ヘッドに極めて容易に取り付けることができる。そのとき、清掃シートの長手方向の他端部の側では、筒の横断面積が小さいので、清掃シートが清掃ヘッドを強固かつ安定的に保持することができ、清掃シートを清掃ヘッドから外れ難くなるように取り付けることができる。
【0019】
[態様8]
前記第1長手方向連接部及び前記第2長手方向連接部の少なくとも一方は、前記長手方向に沿って前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した長手方向接合部を含み、前記長手方向接合部は、前記長手方向の一端部の側から他端部の側へ向かうに連れて、前記幅方向における前記挿入部の中心へ向かうように構成されている、態様7のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、第1長手方向連接部及び第2長手方向連接部の少なくとも一方における長手方向接合部が、長手方向の一端部の側から他端部の側へ向かうに連れて、方向における挿入部の中心へ向かうように構成されている。すなわち、挿入部を筒状にしたとき、筒の横断面積は、長手方向の一端部の側の方が、他端部の側の方よりも大きくなっている。それにより、清掃ヘッドを清掃シートに挿入するときには、長手方向の一端部の側、すなわち筒の横断面積が大きい側から挿入することで、清掃シートを清掃ヘッドに極めて容易に取り付けることができる。そのとき、清掃シートの長手方向の他端部の側では、筒の横断面積が小さいので、清掃シートが清掃ヘッドを強固かつ安定的に保持することができ、清掃シートを清掃ヘッドから外れ難くなるように取り付けることができる。
【0020】
[態様9]
前記第1長手方向連接部及び前記第2長手方向連接部の少なくとも一方は、前記長手方向に沿って延び、前記幅方向に間隔を空けて並んだ、前記第1シート部分と前記第2シート部分とを接合した複数の長手方向接合部を含み、前記複数の長手方向接合部は、前記長手方向の他端部の側に配置されている、態様7に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、第1長手方向連接部又は第2長手方向連接部を複数の長手方向接合部で形成することで、第1長手方向連接部の内側の端縁と第2長手方向連接部の内側の端縁との距離のうち、長手方向の一端部の側の方を、他端部の側よりも長くしている。この場合にも、清掃ヘッドを清掃シートに挿入するときには、長手方向の一端部の側、すなわち筒の横断面積が大きい側から挿入することで、清掃シートを清掃ヘッドに極めて容易に取り付けることができる。そして、清掃シートの長手方向の他端部の側では、筒の横断面積が小さいので、清掃シートが清掃ヘッドを強固かつ安定的に保持することができ、清掃シートを清掃ヘッドから外れ難くなるように取り付けることができる。また、複数の長手方向接合部を用いているため、装着中に一つの長手方向接合部が破損しても、他の長手方向接合部でその機能が補完できるので、より安定的に上記機能を確保できる。
【0021】
[態様10]
前記第1シート部分の前記長手方向の一端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の一端部と、を紐で括って絞ることが可能な第1絞り部、及び、前記第1シート部分の前記長手方向の他端部と、前記第2シート部分の前記長手方向の他端部と、を紐で括って絞ることが可能な第2絞り部、の少なくとも一方を備える、態様1乃至9のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、第1シート部分と第2シート部分とで形成される筒(挿入部)における長手方向の一端部及び他端部の少なくとも一方に、第1絞り部及び第2絞り部の少なくとも一つを設け、巾着のように閉じることが出来ようにしている。それにより、清掃シートを清掃具に取り付けるとき、絞り部を予め閉じておくことで、閉じていない側から清掃ヘッドを清掃シートに挿入した後、清掃ヘッドを押し過ぎて(又は清掃シートを引っ張り過ぎて)、清掃ヘッドが清掃シートの挿入側と反対側の端部から飛び出してしまう、という事態を防止できる。すなわち、そのような飛び出しを生じさせることなく、清掃シートを清掃具に極めて容易に取り付けることができる。
それに加えて、この清掃シートは以下の効果を奏する。一般に、清掃ヘッドの第1絞り部や第2絞り部に対向する部分の近傍に清掃シートは存在するが、当該部分は清掃シートに覆われていない。そのため、清掃ヘッドの当該部分を用いて清掃することは難しい。しかし、この清掃シートは、清掃前に絞り部を閉じることで、清掃ヘッドの当該部分を清掃シートの第1絞り部や第2絞り部を含む部分で覆うことができる。そのため、清掃ヘッドの当該部分を壁などの被清掃物に押し付けることで、清掃シートの第1絞り部や第2絞り部を含む部分で被清掃物を清掃することが可能となる。
【0022】
[態様11]
前記第1シート部分及び前記第2シート部分の少なくとも一方において、前記長手方向の一端部及び他端部の少なくとも一方は、前記第1長手方向連接部及び前記第2長手方向連接部の端縁よりも前記長手方向の外側に延出した延出部を備える、態様1乃至10のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、第1シート部分及び前記第2シート部分の少なくとも一方のうちの幅方向における略中央の部分が、長手方向の一端部及び他端部の少なくとも一方において、外側に延出している(延出部)。そのため、延出部における第1シート部分及び第2シート部分の少なくとも一方を摘み易くすることができる。それにより、第1シート部分の延出部と第2シート部分を互いに逆側に開くことや、第1シート部分と第2シート部分の延出部とを互いに逆側に開くことや、第1シート部分の延出部と第2シート部分の延出部とを互いに逆側に開くことを容易に行うことができる。それゆえ、第1シート部分と第2シート部分との距離を拡げることができ、清掃ヘッドの清掃シートへの挿入、取り出しを極めて容易に行うことができる。すなわち、清掃シートの清掃ヘッドへの取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0023】
[態様12]
前記清掃ヘッドは、第1ヘッド部材と、前記第1ヘッド部材から部分的に分離可能な第2ヘッド部材と、を更に備えており、前記清掃シートは、前記清掃ヘッドが前記挿入部に挿入されたとき、前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材とが分離され、前記清掃シートの一部が前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材との間に差し込まれ、前記第1ヘッド部材と前記第2ヘッド部材とが結合されて、前記清掃シートが前記清掃ヘッドに保持されるように構成されている、態様1乃至11のいずれか一項に記載の清掃シート。
この清掃シートでは、清掃シートの取り付けのとき、その一部を第1ヘッド部材と第2ヘッド部材との間に差し込むことで、清掃シートを清掃ヘッドに対して、隙間やずれがなく密着させすることができる。すなわち、簡単な方法で、清掃シートを清掃ヘッドに適切に取り付けることができる。一方、清掃シートの取り外しのとき、第1ヘッド部材と第2ヘッド部材との間に差し込まれていた部分を取り出すことで、清掃シートを清掃ヘッドに対して緩んだ状態にすることができる。それにより、差し込まれていて取り出された部分を掴んで清掃シートを清掃ヘッドから容易に取り外すことができる。その際、差し込まれて汚れていない部分を掴んで、手を汚さずに、清掃シートを清掃ヘッドから取り外すことができる。
【0024】
[態様13]
清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドを回転可能に支持するヘッド回転部材と、前記清掃ヘッドに対する取り付け及び取り外しが可能な、態様1乃至12のいずれか一項の清掃シートと、を備える、清掃具。
この清掃具では、上記の清掃シートを清掃ヘッドに取り付け可能であり、かつ、清掃ヘッドから取り外し可能である。それにより、清掃シートの清掃ヘッドへの取り付け/取り外しを極めて容易に行うことができる。
【0025】
ただし、対象物に関して「所定の方向(又は線)に沿う」とは、対象物の沿う方向(又は線)が所定の方向(又は線)に対して成す交差角が40°以下、好ましくは20°以下、より好ましくは10°以下、更に好ましくは5°以下のことを意味する。ただし、交差角が5°以下である場合に、「所定の方向(又は線)と平行」と称する場合がある。上記の所定の方向としては、例えば、水平方向、垂直方向、平面方向、長手方向、短手方向、幅方向、厚さ方向が挙げられる。上記の所定の線としては、例えば、中心線(例示:長手方向中心線、幅方向中心線)や軸(例示:ヘッド回転軸、挟持部回転軸)が挙げられる。
【0026】
また、清掃ヘッドが清掃シートの一部を挟持可能な挟持部を備えている場合、挟持部に関する「閉鎖形態」は、挟持部が閉じている形態を意味する。また、挟持部に関する「展開形態」は、挟持部が開いている形態を意味する。なお、閉鎖形態及び展開形態ともに、挟持部は、清掃シートを挟持してもよく、そして清掃シートを挟持しなくてもよい。
【0027】
また、「内方(内側)」及び「外方(外側)」は、それぞれ、所定の線、例えば、中心線や、軸(例示:ヘッド回転軸や挟持部回転軸のような回転軸)等を有する対象物において、所定の線に近づく方向(側)及び所定の線から遠ざかる方向(側)を意味する。
【0028】
また、「連接する」とは、別々の部材を接合などで連なるように一体にする場合だけでなく、一つの部材における既に一体である別々の部分が連なっている場合を含む。(既に一体である場合を除き)連接の方法としては、溶着、圧着、接着などが挙げられる。
【0029】
以下、実施形態に係る清掃シート及び清掃シートを備えた清掃具について説明する。
【0030】
(第1実施形態)
まず、清掃具1について説明する。
図1~
図3は実施形態に係る清掃具1の構成例を示す図である。ただし、
図1は清掃具1の全体を示す斜視図であり、
図2は清掃具1の清掃ヘッド3の閉鎖形態の正面図であり、
図3は清掃ヘッド3の展開形態の正面図である。清掃具1は、清掃ヘッド3と、清掃ヘッド3を回転可能に支持するブラケット(ヘッド回転部材)5と、ブラケット5に連結された清掃具用柄7を備えている。
【0031】
清掃ヘッド3は、互いに直交する長手方向D1、短手方向D2、及び、厚さ方向D3を有し、略板状の形状を有している。ただし、長手方向D1及び短手方向D2を含む平面内の任意の方向を平面方向Pとする。清掃ヘッド3は、清掃面111と、ブラケット用孔117と、を備えている。清掃面111は、平面方向Pと平行に延びており、清掃ヘッド3の厚さ方向D3の一方の第1清掃面113と他方の第2清掃面115とを含んでいる。ブラケット用孔117は、ブラケット5を取り付けるための孔であり、長手方向D1と平行に延びているヘッド回転軸RA1を有している。ヘッド回転軸RA1は、清掃ヘッド3を、ブラケット5に対して回転させるための回転軸である。第1清掃面113と、第2清掃面115とは、ヘッド回転軸RA1を間に挟んで、厚さ方向D3においてお互いに対向している。ブラケット用孔117は、第1清掃面113と第2清掃面115とに挟まれた清掃ヘッド3の4つの側面のうちの1つの側面に開口部117aを有している。
【0032】
清掃ヘッド3は、清掃シート30の一部を挟持することが可能な挟持部123を備えている。具体的には、挟持部123は、第1挟持部分(第1ヘッド部材)125と、第2挟持部分(第2ヘッド部材)135とを備えている。第1挟持部分125及び第2挟持部分135は、短手方向D2の一方の端縁151に、ヘッド回転軸RA1(長手方向D1)と平行に延びる挟持部回転軸RA2を有する共通の回転端145を有しており、その回転端145にて互いに連結されている。更に、第1挟持部分125及び第2挟持部分135は、短手方向D2の他方の端縁149に、ヘッド回転軸RA1(長手方向D1)と平行に延びる別々の開閉端147を有している。したがって、第1挟持部分125及び第2挟持部分135は、回転端145の挟持部回転軸RA2を軸として、両者の開閉端147を互いに離間又は接触させること、すなわち開閉することができ、清掃シート30の一部を開放又は挟持することが可能になっている。
【0033】
第1挟持部分125は、第1内面129と、第1内面129と厚さ方向D3の反対側の第1外面127と、を備えている。第2挟持部分135は、第2内面139と、第2内面139と厚さ方向D3の反対側の第2外面137と、を備えている。
【0034】
清掃ヘッド3は、清掃ヘッド3の閉鎖形態において、ヘッド回転軸RA1を通り、平面方向Pに垂直(厚さ方向D3に平行)に延びる仮想面により、第1ヘッド領域119と、第2ヘッド領域121とに区画されている。第1挟持部分125は、第1ヘッド領域119において、第1内面129と第1外面127との間に配置されたおもり153を2つ備えている。2つのおもり153は、ヘッド回転軸RA1(長手方向D1)と平行に延びており、ヘッド回転軸RA1と離間しつつ、ヘッド回転軸RA1と回転端145との間に配置されている。それにより、清掃ヘッド3は、清掃ヘッド3の重心を、第1ヘッド領域119に有する。そのため、清掃具1を持ち上げた際に、回転端145がヘッド回転軸RA1に対して鉛直下方に位置し易くなり、すなわち清掃ヘッド3が起立し易くなる。
【0035】
第1挟持部分125の第1内面129は、長手方向D1に並んで配置された2つの第1凹部157と、2つの第1凹部157に対して長手方向D1の外方に配置された2つの第1凸部155とを備えている。厚さ方向D3において、2つの第1凹部157の各々は第2挟持部分135に対して窪んでおり、2つの第1凸部155の各々は第2挟持部分135に対して突出している。2つの第1凸部155の各々の頂面には、清掃シート30を保持することが可能な第1スリット部163が設けられている。
【0036】
第2挟持部分135の第2内面139は、長手方向D1に並んで配置された2つの第2凸部159と、2つの第2凸部159に対して長手方向D1の外方に配置された2つの第2凹部161とを備えている。厚さ方向D3において、2つの第2凸部159の各々は第1挟持部分125に対して突出しており、2つの第2凹部161の各々は第1挟持部分125に対して窪んでいる。2つの第2凸部159の各々の頂面には、清掃シート30を保持することが可能な、第2スリット部165が設けられている。
【0037】
2つの第2凸部159の各々と2つの第1凹部157の各々とは、挟持部123の閉鎖形態において、お互いに噛み合うように構成されている。また、2つの第2凹部161の各々と、2つの第1凸部155の各々とは、挟持部123の閉鎖形態において、お互いに噛み合うように構成されている。それにより、第1挟持部分125及び第2挟持部分135は、清掃シート30を保持しつつ、挟持部123の閉鎖形態を保持することができる。
【0038】
第1挟持部分125及び第2挟持部分135は、それぞれ挟持部123の閉鎖形態を保持する、互いに嵌合可能な嵌合用突起169及び嵌合用窪み171を備えている。そして、清掃ヘッド3の長手方向D1の両端の両側面における、短手方向D2における回転端145よりも開閉端147側の位置に、閉鎖形態における挟持部123を展開するための窪み部173が配置されている。使用者が、窪み部173に指を入れ、第1挟持部分125及び第2挟持部分135を展開して展開形態を形成させ易くでき、ひいては、清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付け又は清掃ヘッド3から取り外し易くできる。
【0039】
清掃ヘッド3における厚さ方向D3方向から見た形状は、上記の矩形の形状に限定されず、例えば、多角形(例示:三角形、台形、菱形、五角形、六角形)、湾曲形(例示:円形、楕円形)が挙げられる。清掃ヘッド3の厚さ(厚さ方向D3の長さ)は、特に制限されず、例えば、0.5~3.0cmが挙げられ、清掃具の強度の観点及び狭い空間を清掃する観点から好ましくは1.0~2.0cmである。
【0040】
ブラケット用孔117は、第1挟持部分125に配置されている。ブラケット用孔117は、ブラケット5のヘッド連結部201を保持する。ブラケット用孔117とブラケット5のヘッド連結部201との間に、清掃ヘッド3の回転し過ぎを抑制するグリースが配置されている。このような清掃ヘッド3は片手持ち清掃ヘッドということができる。
【0041】
ブラケット5は、横倒しのU字形状の棒状部材から構成されている。ブラケット5は、ブラケット用孔117に回転可能に連結されているヘッド連結部201と、清掃具用柄7に連結されている柄連結部203と、ヘッド連結部201及び柄連結部203を離間させている離間部205とを備えている。ヘッド連結部201、柄連結部203、及び離間部205は、単一の平面であるブラケット仮想面上に配置されている。
【0042】
清掃具用柄7は、コネクティングロッド301と、第1柄部分307と、第2柄部分309と、第3柄部分311と、把持部315を有する第4柄部分313とが、その順で連結されている。コネクティングロッド301と、第1柄部分307と、第2柄部分309と、第3柄部分311と、第4柄部分313とは、連結と分離とを切り替え可能である。
【0043】
コネクティングロッド301は、清掃具用柄7を、所定の方向に回転可能とする柄回転軸RA3を有する回転部であり、一対の第1継手部303及び第2継手部305から構成されている。第1継手部303は、柄連結部203に連結されており、そして第2継手部305が、第1柄部分307に連結されている。コネクティングロッド301(清掃具用柄7)は、ブラケット5の柄連結部203に、コネクティングロッド301(清掃具用柄7)が、ブラケット仮想面上を回転可能となるように連結されている。
【0044】
次に、清掃シート30について説明する。
図4は実施形態に係る清掃シート30の構成例を示す図である。
図4(a)は
図4(b)の清掃シート30のIVa-IVa線に沿った断面図であり、
図4(b)は清掃シート30の正面図である。清掃シート30は、清掃具1(の清掃ヘッド3)に取り付け可能であり、互いに直交する長手方向Lと幅方向Wと厚さ方向Tとを有しており、本実施形態では厚さ方向Tから見て略矩形状の形状を有している。ここで、清掃シート30の長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tは、清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付けたとき、それぞれ清掃ヘッド3の長手方向D1、短手方向D2及び厚さ方向D3と平行とする。
【0045】
清掃シート30は、第1シート部分31と、第1シート部分31に厚さ方向Tに積層された第2シート部分32と、を備えている。第1シート部分31は、第2シート部分32側の第1シート内側面31ISと、第1シート内側面31ISと反対側の第1シート外側面31OSと、を有している。第2シート部分32は、第1シート部分31側の第2シート内側面32ISと、第2シート内側面32ISと反対側の第2シート外側面32OSと、を有している。本実施形態では、第1シート部分31と第2シート部分32とは一体の、したがって一枚のシート部材であり、清掃シート30はその一枚のシート部材が二つ折りにされ形成されている。
【0046】
清掃シート30は、清掃シート30の幅方向Wの一方の端部に、第1シート部分31の幅方向Wの一端部31aと、第2シート部分32の幅方向Wの一端部32aとを、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に連接する第1長手方向連接部35を更に備えている。本実施形態では、第1長手方向連接部35は、第1シート内側面31ISの幅方向Wの一端部と、第2シート内側面32ISの幅方向Wの一端部とを、対面させた状態で、長手方向Lに接合されている。接合の方法としては、特に限定されないが、例えば溶着、圧着、接着などが挙げられる。なお、第1長手方向連接部35は、本実施形態のように、長手方向Lの一端部30E1から他端部30E2までの範囲、すなわち清掃シート30の長手方向Lの全長に亘って連続的又は間欠的に配置されてもよい。なお、第1長手方向連接部35は、全長の一部、例えば50%以上、好ましくは80%以上の範囲に亘って連続的又は間欠的に配置されていればよい。
【0047】
本実施形態では、第1長手方向連接部35は、長手方向接合部33と、長手方向非接合部39と、を含んでいる。長手方向接合部33は、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とを接合している。長手方向非接合部39は、幅方向Wにおいて長手方向接合部33に対して第2長手方向連接部36側と反対側に位置し、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とを非接合としている。このとき、長手方向接合部33は、幅方向Wにおいて、本実施形態のように、第1長手方向連接部35の幅に対して部分的に形成されていてもよいし、全体的に形成されていてもよい。長手方向接合部33が、第1長手方向連接部35の幅に対して全体的に形成される場合、長手方向非接合部39は存在しない。また、長手方向接合部33は、本実施形態のように、清掃シート30の長手方向Lの全長に亘って連続的又は間欠的に配置されるが、全長の一部、例えば50%以上、好ましくは80%以上の範囲に亘って連続的又は間欠的に配置されていればよい。また、本実施形態では、幅方向Wにおいて、第1シート部分31の端縁31aEと第2シート部分32の端縁32aEとは概ね揃っている。
【0048】
清掃シート30は、清掃シート30の幅方向Wの他方の端部に、第1シート部分31の幅方向Wの他端部31bと、第2シート部分32の幅方向Wの他端部32bとを、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に連接する第2長手方向連接部36を更に備えている。本実施形態では、第2長手方向連接部36は、一枚のシート部材における別々の第1シート部分31と第2シート部分32とが連なった部分であり、その一枚のシート部材が二つ折りにされた折り部(折り位置)として形成されている。このとき、幅方向Wにおいて、第1シート部分31の端縁31bEと第2シート部分32の端縁32bEとは概ね揃っている。なお、第2長手方向連接部36は、本実施形態のように、清掃シート30の長手方向Lの全長に亘って連続的又は間欠的に配置されてもよいが、全長の一部、例えば50%以上、好ましくは80%以上の範囲に亘って連続的又は間欠的に配置されていればよい。
【0049】
清掃シート30は、第1シート部分31と第2シート部分32との間かつ第1長手方向連接部35と第2長手方向連接部36との間に位置する挿入部30aを更に備える。挿入部30aは、長手方向Lの両端部30E1、30E2の少なくとも一方の端部から清掃ヘッド3を挿入可能である。挿入部30aは、清掃ヘッド3の挿入前は第1シート内側面31ISと第2シート内側面32ISとが概ね接している領域であり、清掃ヘッド3の挿入後は第1シート部分31と第2シート部分32とで形成される筒状の領域である。本実施形態では、長手方向Lの両端部30E1、30E2のどちらにも挿入部30aに連なる開口部38が形成されており、どちらの開口部38からも清掃ヘッド3を挿入部30aへ挿入可能である。それにより、使用者が清掃シート30の挿入の向きを気にする必要がなく、容易に清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付けられる。
【0050】
清掃シート30の材料のシート部材としては、清掃シートとして使用可能であれば特に制限はなく、例えば、不織布を含むもの、トウを含むもの等が挙げられる。不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、スルーエア不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、が挙げられる。不織布の材料としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、芯部がポリエチレンテレフタレートで鞘部がポリエチレンの芯鞘複合繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維などが挙げられる。また、清掃シート30としては、ドライタイプでもよく、薬液を含浸させたウェットタイプでもよい。また、清掃シート30の坪量は、例えば1~1000g/m2であり、好ましくは10~100g/m2である。清掃シート30の厚さ方向Tの寸法(厚さ)としては、例えば0.1~5mmであり、好ましくは0.1~2mmである。なお、清掃シート30は複数のシート部材の積層体でもよい。材料のシート部材として、例えば国際公開WO2016181514号公報に記載の清掃シートを用いることができる。
【0051】
この清掃シート30では、第1シート部分31と第2シート部分32とを幅方向Wの両端部(31a、31b/32a、32b)の第1長手方向連接部35及び第2長手方向連接部36で連接することで、筒を形成可能な形状を得ることができる。そして、第1シート部分31と第2シート部分32との間、かつ、第1長手方向連接部35と第2長手方向連接部36との間の部分、すなわち筒の内側となる部分に、清掃ヘッド3を挿入可能な挿入部30aを形成できる。それゆえ、清掃シート30を清掃具1に取り付けるとき、清掃ヘッド3を挿入部30a(筒の内部)に挿入するだけで、清掃シート30を清掃具1に極めて容易に取り付けることができる。また、清掃シート30を清掃具1から取り外すとき、清掃シート30の長手方向Lの端部30E1又は端部30E2を掴んで引っ張るだけで、清掃シート30を清掃具1から極めて容易に取り外すことができる。したがって、この清掃シート30により、清掃具1への清掃シート30の取り付け/取り外しの作業を極めて簡単に行うことが可能となる。
【0052】
また、本実施形態の好ましい態様として、清掃シート30は、一枚のシート部材を第2長手方向連接部36で二つ折りにし、第1長手方向連接部35で接合されて構成されている。そのため、第2長手方向連接部36には、接合された箇所が存在しない。したがって、清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付ける際、清掃シート30は接合箇所の少ない筒を構成することになる。それにより、清掃ヘッド3を清掃シート30の挿入部30a、すなわち筒の内部に挿入するときや、筒の内部から抜き出すときに、清掃ヘッド3が接合箇所に引っ掛かる等の影響を受け難くするこができ、円滑に清掃ヘッド3を挿入又は抜き出すことができる。したがって、この清掃シート30により、清掃具1への清掃シート30の取り付け/取り外しの作業を更に極めて簡単に行うことが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の好ましい態様として、清掃シート30では、少なくとも第1長手方向連接部35は、第1シート内側面31ISと第2シート内側面32ISとを対面させて接合されている。そのため、第1長手方向連接部35は、第1シート部分31と第2シート部分32とで形成される筒の本体から、幅方向Wに外側に飛び出したひだ状の形状となる。したがって、清掃シート30を使用するとき、第1長手方向連接部35を容易に摘むことができる。それにより、清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付けるときや、清掃シート30を清掃ヘッド3から取り外すときに、第1長手方向連接部35を摘むことで、清掃シート30を容易に動かすことができる。特に、取り外しのときには、清掃シート30の汚れた部分(筒の部分)を持たずに、汚れの少ない(又は汚れていない)第1長手方向連接部35を摘んで清掃シート30を取り外すことができる。
【0054】
(第2実施形態)
図5は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す正面図である。本実施形態は、清掃シート30の長手方向Lの他端部30E2が部分的又は全体的に接合されている点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0055】
清掃シート30は、長手方向Lの一端部30E1に位置する開口部38と、他端部30E2に位置する幅方向連接部34と、を備えている。開口部38は、第1シート部分31の長手方向Lの一端部31E1と、第2シート部分32の長手方向Lの一端部32E1とを非連接とすることで形成されている。幅方向連接部34は、第1シート部分31の長手方向Lの他端部31E2と、第2シート部分32の長手方向Lの他端部32E2と、を幅方向Wに連続的又は間欠的に連接することで形成されている。連接(又は接合)の方法としては、特に限定されないが、例えば溶着、圧着、接着などが挙げられる。なお、幅方向連接部34は、本実施形態のように、清掃シート30の幅方向Wの全長に亘って連続的又は間欠的に配置されてもよいが、全長の一部、例えば20%以上、好ましくは50%以上の範囲に亘って連続的又は間欠的に配置されていればよい。
【0056】
この清掃シート30では、第1シート部分31と第2シート部分32とで形成される筒(挿入部30a)における長手方向Lの一端部30E1を筒の入り口、すなわち開口部38として開放し、他端部30E2を幅方向連接部34で閉じている。それゆえ、清掃シート30を清掃具1に取り付ける際、清掃ヘッド3を開口部38に挿入するとき、清掃ヘッド3を押し過ぎて(又は清掃シート30を引っ張り過ぎて)、清掃ヘッド3が清掃シート30の開口部38と反対側の端部から飛び出す、という事態を防止できる。すなわち、そのような飛び出しを生じさせずに、清掃シート30を清掃具1に極めて容易に取り付けることができる。
【0057】
また、一般に、清掃ヘッドの幅方向連接部に対向する部分の近傍に清掃シートは存在するが、当該部分は清掃シートに覆われない。そのため、清掃ヘッドの当該部分を用いて清掃することは難しい。しかし、この清掃シート30は、清掃ヘッド3の当該部分を清掃シート30の幅方向連接部34を含む部分(他端部30E2)で覆うことができる。それゆえ、清掃ヘッド3の当該部分を壁などの被清掃物に押し付けることで、清掃シート30の幅方向連接部34を含む部分(他端部30E2)で被清掃物を清掃することができる。
【0058】
(第3実施形態)
図6は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す正面図である。本実施形態は、清掃シート30の挿入部30aの幅方向Wの長さが、長手方向Lの他端部30E2よりも一端部30E1で長い点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0059】
清掃シート30において、幅方向Wにおいて、第1長手方向連接部35における第2長手方向連接部36の側の端縁35Eと、第2長手方向連接部36における第1長手方向連接部35の側の端縁36Eと、の間の距離dとする。その場合、距離dは、長手方向Lの一端部30E1の側の方(距離d1)が、他端部30E2の側の方(距離d2)よりも長い。本実施形態では、距離dは、長手方向Lの一端部30E1から他端部30E2へ向かって単調に減少する。言い換えると、長手方向接合部33は、長手方向Lの一端部30E1の側から他端部30E2の側へ向かうに連れて、幅方向Wの挿入部30aの中心へ向かうように構成されている。すなわち、長手方向接合部33は、長手方向Lに対して傾斜するように構成されている。長手方向Lに対する傾斜の角度として1~5°が例示される。
【0060】
この清掃シート30では、挿入部30aを筒状にしたとき、筒の横断面積が、長手方向Lの一端部30E1の側の方が、他端部30E2の側の方よりも大きくなる。それゆえ、清掃ヘッド3を清掃シート30に挿入するとき、長手方向Lの一端部30E1の側、すなわち筒の横断面積が大きい側から挿入することで、清掃シート30を清掃ヘッド3に極めて容易に取り付けられる。また、清掃シート30の長手方向Lの他端部30E2の側では、筒の横断面積が小さいので、清掃シート30が清掃ヘッド3を強固かつ安定的に保持でき、清掃シート30を清掃中に清掃ヘッド3から外れ難くなるように取り付けられる。
【0061】
(第4実施形態)
図7は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す正面図である。本実施形態は、第1長手方向連接部35及び第2長手方向連接部36の少なくとも一方が、複数の長手方向接合部33を含む点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0062】
清掃シート30は、第1長手方向連接部35において、長手方向Lに沿って延び、幅方向Wに間隔を空けて並んだ、第1シート部分31と第2シート部分32とを接合した複数の長手方向接合部33a、33b、33cを含んでいる。複数の長手方向接合部33a、33b、33cは、少なくとも長手方向Lの他端部30E2の側に配置されている。本実施形態では、長手方向接合部33aは清掃シート30の長手方向Lの全長に亘って配置されている。長手方向接合部33bは清掃シート30の長手方向Lの全長のうちの他端部30E2側の半分以下の範囲に亘って配置されている。長手方向接合部33cは清掃シート30の長手方向Lの全長のうちの他端部30E2近傍の1/4以下の範囲に亘って配置されている。すなわち、長手方向Lの長さは、長手方向接合部33a>長手方向接合部33b>長手方向接合部33cである。
【0063】
この清掃シート30では、第1長手方向連接部35の内側の端縁と第2長手方向連接部36の内側の端縁との距離dのうち、長手方向Lの一端部30E1の側の方(距離d1)を、他端部30E2の側の方(距離d2)よりも長くしている。例えば、長手方向接合部33a、33b、33cの幅方向Wの内側の端縁33aE、33bE、33cEと、第2長手方向連接部36の内側の端縁36Eとの距離d1、d3、d2の関係を、d1>d3>d2としている。この場合も、清掃ヘッド3を清掃シート30に挿入するとき、長手方向Lの一端部30E1の側、すなわち筒の横断面積が大きい側から挿入することで、清掃シート30を清掃ヘッド3に極めて容易に取り付けることができる。また、清掃シート30の長手方向Lの他端部30E2の側では、筒の横断面積が小さいので、清掃シート30が清掃ヘッド3を強固かつ安定的に保持でき、清掃シート30を清掃ヘッド3から外れ難くなるように取り付けることができる。また、複数の長手方向接合部33を用いているため、装着中に一つの長手方向接合部33が破損しても、他の長手方向接合部33でその機能が補完できるので、より安定的に上記機能を確保できる。なお、距離d1、d3、d2の関係をd1>d3>d2としていれば、長手方向接合部33a、33b、33cの長手方向Lの長さは任意である。また、複数の長手方向接合部33の数も任意である。
【0064】
(第5実施形態)
図8は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す図である。
図8(a)は
図8(b)の清掃シート30のVIIIa-VIIIa線に沿った断面図であり、
図8(b)は清掃シート30の正面図である。本実施形態は、第1シート部分31の端縁31aEと第2シート部分32の端縁32aEとが幅方向Wに離間している点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0065】
清掃シート30では、第1長手方向連接部35は、長手方向接合部33と、長手方向非接合部39と、を含んでいる。長手方向接合部33は、幅方向Wにおける第2長手方向連接部36の側に位置し、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とを接合している。長手方向非接合部39は、幅方向Wにおける第2長手方向連接部36の側と反対側に位置し、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とが非接合である。言い換えると、第1シート部分31の端部31a及び第2シート部分32の端部32aにおける、幅方向Wの第2長手方向連接部36側が長手方向接合部33であり、第2長手方向連接部36と反対の側が長手方向非接合部39である。そして、幅方向Wにおいて、長手方向非接合部39における、第1シート部分31の端縁31aEと長手方向接合部33との距離d41と、第2シート部分32の端縁32aEと長手方向接合部33との距離d42は、互いに異なっている。言い換えると、第1シート部分31の端縁31aEと第2シート部分32の端縁32aEとは幅方向Wに距離d4(=|d42-d41|>0)だけ離間しており、すなわち、ずれている。なお、この例では、d42>d41であるが、逆に、d42<d41であってもよい。
【0066】
この清掃シート30では、長手方向非接合部39における第1シート部分31の端縁31aEと第2シート部分32の端縁32aEのいずれか一方が他方に対して幅方向Wの外側に突出する。それゆえ、長手方向非接合部39における第1シート部分31と第2シート部分32との間の領域V1に指を入れ易くすることができる。そして、例えば、第1シート部分31と第2シート部分32との間の領域V1に人差し指を入れ、第1シート部分31を外側から中指で押さえ、第2シート部分32を外側から親指で押さえることで、長手方向非接合部39を三本の指で強固に把持できる。それにより、清掃シート30の清掃ヘッド3への取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0067】
(第6実施形態)
図9は実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す図である。
図9(a)は
図9(b)の清掃シート30のIXa-IXa線に沿った断面図であり、
図9(b)は清掃シート30の正面図である。本実施形態は、第1シート部分31の端縁31aF(又は端縁31bF)と第2シート部分32の端縁32aF(又は端縁32bF)とが長手方向Lに離間している点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0068】
清掃シート30では、第1長手方向連接部35は、長手方向接合部33と、長手方向非接合部39と、を含んでいる。長手方向接合部33は、幅方向Wにおける第2長手方向連接部36の側に位置し、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とを接合している。長手方向非接合部39は、幅方向Wにおける第2長手方向連接部36側と反対側に位置し、長手方向Lに沿って第1シート部分31と第2シート部分32とが非接合である。言い換えると、第1シート部分31の端部31a及び第2シート部分32の端部32aにおける、幅方向Wの第2長手方向連接部36側が長手方向接合部33であり、第2長手方向連接部36と反対の側が長手方向非接合部39である。そして、長手方向Lにおいて、長手方向非接合部39の両端部の少なくとも一方における、第1シート部分31の端縁31aF(又は端縁31bF)と、第2シート部分32の端縁32aF(又は端縁32bF)とは、互いに離間している。言い換えると、第1シート部分31の端縁31aF(又は端縁31bF)と第2シート部分32の端縁32aF(又は端縁32bF)とは長手方向Lに距離d5(又はd6)だけ離間しており、すなわち、ずれている。ただし、本実施形態では、長手方向Lの両端部とも、第2シート部分32が第1シート部分31よりも長手方向L外側に突出しているが、第1シート部分31が第2シート部分32よりも長手方向L外側に突出してもよい。また、長手方向Lの一方の端部のみで、第2シート部分32が第1シート部分31よりも長手方向L外側に突出してもよい。
【0069】
この清掃シート30では、長手方向非接合部39における第1シート部分31の端縁31aF(又は端縁31bF)と第2シート部分32の端縁32aF(又は端縁32bF)のいずれか一方が他方に対して長手方向Lの内側に引っ込むことになる。それゆえ、長手方向非接合部39における第1シート部分31と第2シート部分32との間の領域V21(又は領域V22)に指を入れ易くすることができる。そして、例えば、第1シート部分31と第2シート部分32との間の領域V21(又は領域V22)に人差し指を入れ、第1シート部分31を外側から中指で押さえ、第2シート部分32を外側から親指で押さえて、長手方向非接合部39を三本の指で強固に把持できる。それにより、清掃シート30の清掃ヘッド3への取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0070】
(第7実施形態)
図10は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す正面図である。本実施形態は、第1シート部分31及び第2シート部分32の少なくとも一方が、第1長手方向連接部35と第2長手方向連接部36よりも長手方向Lに延出している点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0071】
清掃シート30では、第1シート部分31及び第2シート部分32の少なくとも一方において、長手方向Lの一端部30E1及び他端部30E2の少なくとも一方は、延出部37を備えている。延出部37は、幅方向Wにおける第1長手方向連接部35と第2長手方向連接部36との間の部分に位置し、第1長手方向連接部35及び第2長手方向連接部36の端縁よりも長手方向Lの外側に延出している。したがって、延出部37は、第1シート部分31及び第2シート部分32の少なくとも一方により形成されている。本実施形態では、延出部37は、清掃シート30の一端部30E1における第1長手方向連接部35及び第2長手方向連接部36の端縁よりも長手方向Lの外側に延出した、第1シート部分31及び第2シート部分32で形成されている。
【0072】
この清掃シート30では、第1シート部分31及び第2シート部分32の少なくとも一方のうちの幅方向Wにおける略中央の部分が、長手方向Lの一端部30E1及び他端部30E2の少なくとも一方において、外側に延出している(延出部37)。そのため、延出部37における第1シート部分31及び第2シート部分32の少なくとも一方を摘み易くすることができる。それにより、第1シート部分31と第2シート部分32とを互いに逆側に開くことを容易に行うことができる。それゆえ、第1シート部分31と第2シート部分32との距離を拡げることができ、清掃ヘッド3の清掃シート30への挿入、取り出しを極めて容易に行うことができる。すなわち、清掃シート30の清掃ヘッド3への取り付け/取り外しを的確に極めて容易に行うことができる。
【0073】
(第8実施形態)
図11は実施形態に係る清掃シートの構成例を示す正面図である。本実施形態は、長手方向Lの両端部30E1、30E2の少なくとも一方に絞り部を有している点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0074】
清掃シート30は、第1シート部分31の長手方向Lの一端部又は他端部と第2シート部分32の長手方向Lの一端部又は他端部とを紐で括って絞ることが可能な第1絞り部又は第2絞り部を備えている。本実施形態では、清掃シート30は、第1絞り部40を備えている。第1絞り部40(第2絞り部も同様)は、挿入部30aの長手方向Lの延長部分である袋部41と、袋部41の端部であり、紐43を通す紐通し部42と、紐43と、を含んでいる。第1絞り部40は、紐43を締めることで清掃シート30の長手方向Lの一端部を閉塞することができ、紐43を緩めることでその一端部を開口することができる。
【0075】
この清掃シート30は、第1絞り部40(又は第2絞り部)を含み、巾着のように開いたり、閉じたりすることが出来るようにしている。そして、清掃シート30を清掃具1に取り付ける際、例えば、第1絞り部40を予め閉じておく。それにより、閉じていない側から清掃ヘッド3を清掃シート30に挿入するとき、清掃ヘッド3を押し過ぎて(又は清掃シート30を引っ張り過ぎて)、清掃ヘッド3が清掃シート30の挿入側と反対側から飛び出す、という事態を防止できる。すなわち、その飛び出しを生じさせることなく、清掃シート30を清掃具1に極めて容易に取り付けることができる。
【0076】
それに加えて、この清掃シート30は以下の効果を奏する。一般に、清掃ヘッドにおける絞り部に対向する部分の近傍に清掃シートは存在するが、当該部分は清掃シートに覆われていない。そのため、清掃ヘッドの当該部分を用いて清掃することは難しい。しかし、この清掃シート30は、清掃前に第1絞り部40(又は第2絞り部)を閉じることで、清掃ヘッド3の当該部分を清掃シート30の第1絞り部40(又は第2絞り部)を含む部分で覆うことができる。そのため、清掃ヘッド3の当該部分を壁などの被清掃物に押し付けることで、清掃シート30の第1絞り部40(又は第2絞り部)を含む部分で被清掃物を清掃することが可能となる。
【0077】
(第9実施形態)
図12は実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す正面図である。本実施形態は、清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付けるとき、第1挟持部分125と第2挟持部分135とで挟持する点で、第1実施形態と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0078】
清掃シート30を清掃ヘッド3に取り付けるとき、以下の手順で取り付ける。まず、
図12(a)に示すように、清掃シート30では、清掃ヘッド3が挿入部30aに挿入し、第1挟持部分125(第1ヘッド部材)と第2挟持部分135(第2ヘッド部材)とを分離し、両者の間に隙間100を形成する。次いで、
図12(b)に示すように、清掃シート30の一部(例示:第2長手方向連接部36)を、隙間100に差し込む。その後、
図12(c)に示すように、第1挟持部分125と第2挟持部分135とを結合する。このとき、第2凸部159と第1凹部157とが清掃シート30を挟みつつ、お互いに噛み合い、かつ、第2凹部161と第1凸部155とが清掃シート30を挟みつつお互いに噛み合う。それにより、清掃シート30が清掃ヘッド3に保持される。
【0079】
この清掃シート30では、清掃シート30の取り付けのとき、その一部を第1挟持部分125と第2挟持部分135との間に差し込むことで、清掃シート30を清掃ヘッド3に対して、隙間やずれがなく密着させすることができる。すなわち、簡単な方法で、清掃シート30を清掃ヘッド3に適切に取り付けることができる。一方、清掃シート30の取り外しのとき、第1挟持部分125と第2挟持部分135との間に差し込まれていた部分を取り出すことで、清掃シート30を清掃ヘッド3に対して緩んだ状態にすることができる。それにより、差し込まれていて取り出された部分を掴んで清掃シート30を清掃ヘッドから容易に取り外すことができる。その際、差し込まれて汚れていない部分を掴んで、手を汚さずに、清掃シート30を清掃ヘッド3から取り外すことができる。
【0080】
なお、上記各実施形態において、第1長手方向連接部35の長手方向接合部33は、長手方向Lに沿って並んだ複数の点状の接合部により形成されていてもよい(図示されず)。この場合、各接合部が点状であるため、各接合点の接合を比較的容易に剥がすことができる。それにより、清掃シート30を清掃具1から取り外すとき、各接合点の接合を剥がし、長手方向接合部33の接合を開放することで、清掃シート30を清掃ヘッド3から容易に取り外すことができる。同様に、第2実施形態の幅方向連接部34も、幅方向Wに沿って並んだ複数の点状の接合部により形成されていてもよい(図示されず)。
【0081】
また、上記各実施形態では、第1長手方向連接部35が第1シート部分31と第2シート部分32との接合により形成され、第2長手方向連接部36がシート部材の折り部として形成されている。ただし、各実施形態において、第2長手方向連接部36も第1シート部分31と第2シート部分32との接合により形成されてもよい。以下、
図13を参照して、第1実施形態を例にして説明する。
図13は実施形態に係る清掃シートの他の構成例を示す断面図及び正面図である。第1長手方向連接部35だけでなく第2長手方向連接部36も、長手方向接合部33と、長手方向非接合部39と、を含んでいる。このように、各実施形態において第2長手方向連接部36も長手方向接合部33等を含む場合についても、各実施形態において第2長手方向連接部36が長手方向接合部33等を含まない場合と同様の効果を奏することができる。
【0082】
また、上記の清掃具1は、各実施形態の清掃シート30を、備えることができる。そのような清掃具1は、各実施形態の清掃シート30を、清掃ヘッド3に取り付け可能であり、かつ、清掃ヘッド3から取り外し可能である。したがって、各実施形態の清掃シート30を備える清掃具1は、清掃シートの清掃ヘッドへの取り付け/取り外しを極めて容易に行うことができる。
【0083】
本発明の清掃シート及び清掃シートを備える清掃具は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、各実施形態同士を組合せることや公知技術を適用すること等が可能である。
【符号の説明】
【0084】
30 清掃シート
31 第1シート部分
32 第2シート部分
35 第1長手方向連接部
36 第2長手方向連接部
3 清掃ヘッド