(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】液体吐出システム
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20220906BHJP
B29C 64/205 20170101ALI20220906BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220906BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20220906BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/205
B33Y30/00
B33Y50/02
B41J2/01 301
(21)【出願番号】P 2018220287
(22)【出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】角田 陽一
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-164703(JP,A)
【文献】特開2017-087578(JP,A)
【文献】特開2016-210081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部の駆動によって造形物を造形する造形部における、前記駆動部の時系列に沿った駆動状態の推移を示す駆動信号と、前記造形物の造形環境の検知結果の時系列に沿った推移を示す検知信号と、を含む計測信号を前記造形部から受付ける受付部と、
前記計測信号に含まれる前記駆動信号および前記検知信号における収集タイミングに応じた位置に、該収集タイミングの時刻を示す時刻情報を付加する付加部と、
を備え
、
前記造形環境は、温度、湿度、振動、加速度のうち1つ以上が含まれる液体吐出システム。
【請求項2】
受付けた前記計測信号について、前記駆動部の駆動開始を検出するごとに、前記駆動開始を検出してから次の前記収集タイミングまでの期間の前記計測信号を取得する取得部を備え、
前記付加部は、取得した前記計測信号に前記時刻情報を付加する、請求項1に記載の液体吐出システム。
【請求項3】
前記付加部は、
前記造形部を造形制御する造形部制御部と同期した時刻に応じた前記時刻情報を前記計測信号に付加する、
請求項1または請求項2に記載の液体吐出システム。
【請求項4】
前記付加部は、ハードウェアによって構成されてなる、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の液体吐出システム。
【請求項5】
前記時刻情報を付加された前記計測信号を分析する分析部、
を備える請求項1~請求項4の何れか1項に記載の液体吐出システム。
【請求項6】
前記分析部の分析結果を出力する出力制御部を備える、
請求項5に記載の液体吐出システム。
【請求項7】
前記時刻情報を付加された前記計測信号と、前記駆動部の駆動時の設定値と、を用いて、前記駆動部の駆動をシミュレーションするシミュレーション実行部を備える、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の液体吐出システム。
【請求項8】
前記造形環境は、温度、湿度、振動、加速度の複数が含まれる請求項1~7に記載の液体吐出システム。
【請求項9】
前記受付部は、前記検知信号として、
造形物の温度、カートリッジの湿度、ノズルまたはキャリッジまたはビルドプレートの振動、キャリッジの加速度、複数種類を受け付ける
請求項1~8に記載の液体吐出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
造形物を造形する造形装置では、造形装置を駆動する各種駆動部のパラメータの調整が必要である。このため、造形装置に設けられた各種センサの検知結果を収集して解析し、パラメータの調整と造形を繰りかえすことで、最適なパラメータを特定する処理が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、センサデータを機器から収集し、故障判定に利用する物理量を算出する装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、造形装置などの造形部では、造形部に設けられた複数のモーター等の駆動部を連動して同期させて駆動する必要がある。このため、各駆動部は、駆動指示を示す信号をバッファに保持した後に他の駆動部と同期させて該駆動指示に応じた駆動を行う場合がある。このため、駆動指示を示す信号が造形部に出力されるタイミングと該駆動指示に応じた駆動によって変化する造形部内の環境の変化のタイミングとにずれが生じ、駆動部の動作に連動したセンサの検知結果を得ることは困難であった。従って、従来技術では、造形部の駆動状態に連動した検知信号を提供することが困難であることが、課題となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、造形部の駆動状態に連動した検知信号を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、液体吐出システムは、駆動部の駆動によって造形物を造形する造形部における、前記駆動部の時系列に沿った駆動状態の推移を示す駆動信号と、前記造形物の造形環境の検知結果の時系列に沿った推移を示す検知信号と、を含む計測信号を前記造形部から受付ける受付部と、前記計測信号に含まれる前記駆動信号および前記検知信号における収集タイミングに応じた位置に、該収集タイミングの時刻を示す時刻情報を付加する付加部と、を備え、前記造形環境は、温度、湿度、振動、加速度のうち1つ以上が含まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、造形部の駆動状態に連動した検知信号を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る造形システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、造形部の構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、キャリッジの構成の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、モーターの駆動信号の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、駆動開始の検出の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、駆動開始の検出の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、駆動指示信号に応じたモーターの駆動の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
液体吐出システムは、液体を吐出することで、二次元または三次元の造形物を形成するシステムである。二次元の造形物は、例えば、画像である。三次元の造形物は、三次元の物体である。本実施の形態では、造形物が、三次元の造形物である場合を一例として説明する。このため、本実施の形態では、液体吐出システムを、造形システムに適用した形態を、一例として説明する。
【0011】
なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換および変更を行うことができる。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る造形システム1の一例を示す模式図である。造形システム1は、液体吐出システムの一例である。
【0013】
造形システム1は、情報処理装置10と、造形装置12と、サーバ14と、を備える。情報処理装置10、造形装置12、およびサーバ14は、通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置10は、造形装置12へ造形データなどの各種データを送信する装置である。情報処理装置10には、3DP(三次元デジタルプリンタ)ソフトウェア10Aが予めインストールされている。3DPソフトウェア10Aは、造形装置12に対して造形データなどの各種データの送信などを実行するためのプログラムである。
【0015】
例えば、ユーザUは、3DPソフトウェア10Aを介して、造形データ、造形パラメータ、設定値、等の各種情報の入力を行う。
【0016】
造形データは、後述する造形部20が造形物を造形するために用いるデータである。後述する造形部20は、造形データを用いて駆動部40などを制御することで、該造形データに応じた造形物を造形する。
【0017】
造形パラメータは、駆動部40が造形データを用いて駆動部40を制御するときの、駆動部40の駆動時のパラメータを示す情報である。
【0018】
設定値は、後述するサーバ14でシミュレーションを実行する時に用いるパラメータである。
【0019】
ユーザUは、キーボードなどの入力機能を操作することで、これらの造形データ、造形パラメータ、および設定値を入力する。情報処理装置10の3DPソフトウェア10Aは、造形データ、造形パラメータ、および設定値を受付ける。そして、3DPソフトウェア10Aは、造形データおよび造形パラメータを、造形装置12へ出力する。
【0020】
造形装置12は、造形データに基づいて造形物を造形する。また、本実施の形態では、造形装置12は、造形物の造形時の計測信号に時刻情報を付加する。
【0021】
詳細には、造形装置12は、コントローラ16と、造形制御部18と、造形部20と、収集部22と、を備える。
【0022】
コントローラ16は、情報処理装置10、造形制御部18、収集部22、およびサーバ14と通信する。コントローラ16は、情報処理装置10から受付けた造形データおよび造形パラメータを、造形制御部18へ出力する。また、コントローラ16は、収集部22から受付けた、時刻情報を付加された計測信号をサーバ14へ出力する。
【0023】
造形制御部18は、コントローラ16から受付けた造形データおよび造形パラメータを用いて、造形パラメータに応じた調整値で造形部20に設けられた駆動部40を駆動し、且つ、造形データによって示される造形物を造形するように、造形部20を制御する。
【0024】
具体的には、造形制御部18は、造形データおよび造形パラメータに応じて、造形部20に設けられた1または複数の駆動部40の各々に、駆動部40を駆動するための駆動指示信号を出力する。本実施の形態では、造形部20には、複数の駆動部40が設けられているものとする。
【0025】
造形部20は、造形データに応じた造形物を造形する装置である。造形部20は、3Dプリンタと称される場合もある。造形部20は、三次元の造形物を造形する装置であればよく、その造形方法は限定されない。例えば、造形部20は、熱溶解積層法、光造形方式、粉末焼結方式、インクジェット方式、プロジェクション方式、インクジェット粉末積層方式の何れであってもよい。
【0026】
本実施の形態では、造形部20が、フィラメントを溶融して吐出し、吐出した溶融フィラメントを積層させることで造形物を造形する、熱溶解積層法を用いた造形部20である形態を、一例として説明する。
【0027】
造形部20には、複数の駆動部40と、1または複数のセンサ42と、が設けられている。
【0028】
図2は、造形部20の構成の一例を示す模式図である。造形部20は、駆動部40と、センサ42と、を備える。
【0029】
駆動部40は、造形部20に設けられた各種の機構を駆動させるための機械的な駆動機構である。駆動部40は、造形制御部18の制御対象外の制御対象外駆動部44と、造形制御部18の制御対象の制御対象駆動部46と、に分類される。
【0030】
制御対象外駆動部44は、例えば、キャリッジ50、チャンパ51、フィラメント搬送経路52、カバー53、アクチュエーター54、パージボックス55、およびカートリッジ56などを含む。チャンパ51は、照明51A、ドア51B、チャンパ51C、ビルドプレート51D、および回転カム51Eなどを含む。
【0031】
制御対象駆動部46は、ファン60、ソレノイド61、温調機62、レーザ駆動部63、モーター64、エア65、冷却部66、レーザー発振器67、LED68、およびヒーター69などを含む。
【0032】
図3は、キャリッジ50の構成の一例を示す模式図である。キャリッジ50は、複数のノズルユニット73を備える。ノズルユニット73は、フィラメント搬送経路52と、ノズルユニット73と、断熱材71と、ヒーター69と、ノズル70と、を備える。
【0033】
フィラメント搬送経路52は、フィラメントFを搬送する搬送経路である。フィラメントFは、造形物を構成する材料となる造形材、または造形物のサポート材などで構成される。冷却部66は、フィラメントFを冷却する。断熱材71は、熱を遮断する。ヒーター69は、フィラメントFに熱を加える。
【0034】
固定ブロック74は、フィラメントFを固定する。固定ブロック74には、ノズルユニット73ごとに、エクストルーダ72、モーター64A、モーター64B、およびロータリーエンコーダ42Bが設けられている。
【0035】
エクストルーダ72は、フィラメント搬送経路52へ供給されたフィラメントFを挟持すると共に、モーター64Aの駆動によってノズル70へ向かって送り出す。モーター64Aは、モーター64の一例である。モーター64Aの駆動量や駆動タイミングが制御されることで、フィラメントFを52へ送り込む送り込み量や押出し速度などが制御される。
【0036】
フィラメント搬送経路52のノズル70に向かって送り込まれたフィラメントFは、ヒーター69によって加熱されることで溶融され、ノズル70から吐出される。また、モーター64Aは、造形データに基づいて制御されることで、ノズル70から造形物の1層分のフィラメントFの溶融液が吐出されるごとに、フィラメントFの液だれを防止するためにエクストルーダ72を反対方向に回転させる。このため、フィラメントFは、造形物の1層分のフィラメントFの溶融液が吐出されるごとに、ノズル70から離れる方向に引き戻され、また、次の層の造形時にノズル70に向かって送り込まれたフィラメントFがヒーター69で溶融されてノズル70から吐出される。
【0037】
モーター64Bは、モーター64の一例である。モーター64Bは、アクチュエーター54を介してノズルユニット73を指示する。モーター64Bは、ノズルユニット73を造形対象の造形物の厚み方向(矢印Z方向)に上下駆動させる。造形物の厚み方向(矢印Z方向)は、鉛直方向に一致する場合を一例として説明する。造形物の厚み方向は、造形物を構成する溶融したフィラメントFによる各層の積層方向に一致する。また、キャリッジ50には、キャリッジ50を、上記厚み方向(矢印Z方向)に直交する平面に沿った方向(矢印X方向、矢印Y方向)に移動させるモーター64が設けられている。モーター64の駆動によって、キャリッジ50は、例えば、矢印Y方向に移動する。
【0038】
図2に戻り説明を続ける。センサ42は、造形部20の造形環境を検知する。センサ42は、例えば、リニアエンコーダ42A、ロータリーエンコーダ42B、温度センサ42C、温度センサ42D、湿度センサ42E、振動センサ42F、加速度センサ42G、マイク42H、カメラ42I、スキャナ42J、変位センサ42K、ロードセル42L、スイッチ42M、フォトインタラプタ42N、圧力センサ42O、および照度センサ42Pなどである。
【0039】
リニアエンコーダ42Aおよびロータリーエンコーダ42Bは、複数のモーター64の各々の駆動を検知する。温度センサ42Cは、接触式の温度センサであり、造形物またはノズル70などの各所の温度、および、造形物の表面温度などを検知する。温度センサ42Dは、接触式の温度センサであり、造形物またはノズル70などの各所の温度、および、造形物の表面温度などを検知する。
【0040】
湿度センサ42Eは、造形部20の環境湿度、カートリッジ56の湿度、フィラメントFの乾燥状態などを検知する。振動センサ42Fは、ノズル70またはキャリッジ50の振動、および、ビルドプレート51Dの振動を検知する。
【0041】
加速度センサ42Gは、キャリッジ50の加速度を検知する。カメラ42Iおよびスキャナ42Jは、造形物の反りなどの形状を示す画像を取得することで、該形状を検知する。マイク42Hは、造形物の造形中の動作音、造形環境の状態、などを検知する。変位センサ42Kは、レーザ光によるメカ変位量や、キャリッジ50の位置ずれなどを検知する。ロードセル42Lは、ノズル70に対する接触圧力を検知する。スイッチ42Mは、造形部20に設けられたスイッチの状態を検知する。フォトインタラプタ42Nは、駆動部40の各位置を検知する。圧力センサ42Oは、ファン60やエア65の風量を検知する。照度センサ42Pは、造形部20内の照度を検知する。
【0042】
図1に戻り説明を続ける。上述したように、造形制御部18は、造形データおよび造形パラメータに応じて、造形部20に設けられた複数の駆動部40の各々に、駆動部40を駆動するための駆動指示信号を出力する。造形部20に設けられた複数の駆動部40は、各々、受付けた駆動指示信号に応じて他の駆動部40とタイミングを併せて連動して駆動する。この処理により、造形部20は、造形データに応じた造形物を造形する。なお、コントローラ16と造形制御部18とを一体的に構成してもよい。
【0043】
収集部22は、造形部20から計測信号を受付ける。計測信号の詳細は後述する。そして、計測信号に時刻情報を付加し、コントローラ16を介してサーバ14へ出力する。
【0044】
収集部22は、造形装置12に設けられているコントローラ16、造形制御部18、および造形部20とは別の装置として構成されていてもよい。この場合、収集部22は、造形装置12における収集部22以外の構成部分に対して、取り外し可能に構成されていることが好ましい。なお、造形装置12に収集部22を接続していない構成であっても、造形部20は、造形物の造形が可能であるものとする。
【0045】
また、収集部22は、ハードウェアで構成することが好ましい。例えば、収集部22は、ASIC、または、FPGAなどのハードウェアで構成することが好ましい。収集部22をハードウェアで構成することで、収集部22をソフトウェアで構成する形態に比べて、造形システム1の負荷状態によらず、高速で処理を実行することができる。また、造形部20に設けられた駆動部40の駆動が高速であっても、収集部22の処理を遅れることなく実行することができる。また、造形装置12を、収集部22を備えた構成にすることによる、造形部20の造形処理に対して与える影響を抑制することができる。
【0046】
収集部22は、受付部22Aと、取得部22Bと、付加部22Cと、を備える。
【0047】
受付部22Aは、計測信号を造形部20から受付ける。計測信号は、駆動信号と、検知信号と、を含む。
【0048】
駆動信号は、駆動部40の駆動によって造形物を造形する造形部20における、駆動部40の時系列に沿った駆動状態の推移を示す信号である。例えば、駆動信号は、モーター64の駆動量、フィラメントFの溶融層を複数積層して造形物を造形する時の、層の切替、ファン60およびエア65の動作状態、レーザー発振器67の駆動、などの制御対象駆動部46の各々の駆動状態の推移を示す信号である。
【0049】
駆動信号は、例えば、駆動部40の駆動を示すパルス信号によって表される。
図4は、モーター64の駆動信号の一例を示す模式図である。モーター64は、上述したように、駆動部40の一例である。例えば、モーター64が、パルス信号に同期して動作するステッピングモーターである場合を想定する。この場合、モーター64の駆動信号は、連続パルス信号を含む信号となる。例えば、モーターパルス信号90は、モーター64の停止中はLow電位(以下、Lowと称する)を示し、モーター64の駆動中は連続パルスまたは単発パルスからなるパルス信号を示す。造形部20に設けられたモーター64などの複数の制御対象駆動部46(
図2参照)は、各々、駆動状態を示す信号として、駆動信号を収集部22へ出力する。
【0050】
なお、モーター64は、ステッピングモーターに限定されず、他のモータであってもよい。この場合、例えば、モーター64は、モーターの回転位置を示すエンコーダ信号(位置検出信号)を、駆動信号として出力すればよい。
【0051】
図1に戻り説明を続ける。検知信号は、造形物の造形環境の検知結果の時系列に沿った推移を示す信号である。
【0052】
造形物の造形環境は、1または複数のセンサ42によって検知される(
図2参照)。本実施の形態では、
図2に示すように、造形部20は複数のセンサ42を備える。このため、検知信号は、複数のセンサ42の各々による、検知結果の時系列に沿った推移を示す信号である。本実施の形態では、センサ42は、時系列に沿って各々が担当する造形環境(例えば、温度、湿度、振動、加速度など)を検知し、時系列に沿った検知結果の推移を示す検知信号を、収集部22へ順次出力する。
【0053】
例えば、造形部20に設けられた複数のセンサ42の各々から検知信号が出力されることで、収集部22は、複数のモーター64の各々の駆動、造形物またはノズル70などの各所の温度、造形物の表面温度、造形部20の環境湿度、カートリッジ56の湿度、フィラメントFの乾燥状態、ノズル70またはキャリッジ50の振動、ビルドプレート51Dの振動、キャリッジ50の加速度、造形物の反りなどの形状を示す画像、造形中の動作音、メカ変位量、キャリッジ50の位置ずれ、ノズル70に対する接触圧力、スイッチの状態、駆動部40の位置、ファン60やエア65の風量、および、造形部20内の照度、などを示す、複数種類の検知信号を受付ける。
【0054】
なお、検知信号は、例えば、各タイミングの検知結果を示す値の時系列群(例えば、波形など)によって表される。なお、センサ42は、収集部22および造形制御部18の双方へ、検知信号を出力してもよい。
【0055】
取得部22Bは、収集タイミングごとに、計測信号の取得を繰返す。詳細には、取得部22Bは、受付部22Aで受付けた計測信号について、予め定めた収集タイミングごとに、前回の収集タイミングから今回の収集タイミングまでの期間の計測信号を取得する。
【0056】
なお、取得部22Bは、受付部22Aで受付けた計測信号について、何れかの駆動部40の駆動開始を検出するごとに、駆動開始を検出してから次の収集タイミングまでの期間の前記計測信号を取得してもよい。この場合、取得部22Bは、受付部22Aで受付けた計測信号の全てではなく、一部の期間の計測信号を抽出して取得することができる。このため、この場合、取得部22Bは、処理対象のデータ量の削減と、分析に必要な箇所のデータ量の増加と、を図ることができる。
【0057】
取得部22Bは、受付部22Aで受付けた計測信号について、以下の方法で駆動部40の駆動開始を検出すればよい。
【0058】
図4に示すように、例えば、計測信号に、モーター64から出力されたモーターパルス信号90が駆動信号として含まれていたと想定する。この場合、取得部22Bは、パルス信号によって示されるモーターパルス信号90における、連続パルスの最初のタイミングt1を、モーター64の駆動開始として検出すればよい。詳細には、取得部22Bは、モーターパルス信号90の連続パルスの最初の単独パルスにおける、LowからHighへの立ち上がりエッジのタイミングt1を、モーター64の駆動開始として検出すればよい。
【0059】
図5および
図6は、駆動開始の検出の他の例の一例を示す模式図である。
【0060】
図5に示すように、例えば、計測信号に、モーター64Aから出力されたE軸パルス信号92と、モーター64Bから出力された回転方向を示すE軸方向信号94と、が駆動信号として含まれていたと想定する。E軸は、造形物の造形方向(厚み方向、
図3中、矢印Z方向)に対して直交する方向(矢印X方向、矢印Y方向)である。
【0061】
E軸パルス信号92の連続パルスの期間は、モーター64Aが駆動中であることを示し、連続パルス以外の期間は、モーター64Aが駆動停止中であることを示す。E軸方向信号94におけるHigh電位は、モーター64Aが駆動した場合のフィラメントFの移動が吐出方向であることを示し、Low電位は、フィラメントFが引き戻される方向であることを示す。
【0062】
上述したように、フィラメントFは、造形物の1層分のフィラメントFの溶融液が吐出されるごとに、ノズル70から離れる方向に引き戻される。このような動作を検知する場合、取得部22Bは、E軸方向信号94がLow電位の期間における、E軸パルス信号92の連続パルスの最初の立ち上がりのエッジのタイミングt10を、モーター64AのフィラメントFの引き戻しのための駆動開始として検出すればよい。
【0063】
図6には、モーター64Bから出力されたZ軸パルス信号96と、モーター64Aから出力されるE軸パルス信号98と、を示した。Z軸は、造形物の厚み方向(矢印Z方向)に一致する。
【0064】
例えば、計測信号に、モーター64Bから出力されたZ軸パルス信号96と、モーター64Aから出力されたE軸パルス信号98と、が含まれていたと想定する。この場合、取得部22Bは、Z軸パルス信号96の連続パルスの最初の立ち上がりタイミングt20を検出した後に、E軸パルス信号98の連続パルスの最初の立ち上がりタイミングt22を検出することで、複数層を積層することで造形される造形物の、各層の開始のための駆動開始を検出する。
【0065】
なお、駆動開始の検出方法は、上記方法に限定されない。例えば、モーター指令部82がモーター64へ出力する上記以外のモーターの指令値や、センサ42の検知結果を用いて、駆動開始を検出してもよい。具体的には、変位センサ42Kによるレーザの変位量の検知結果、または、加速度センサ42Gによる加速度の検知結果が規定値を超えたときに、駆動開始と検出してもよい。
【0066】
図1に戻り説明を続ける。付加部22Cは、収集タイミングごとに、計測信号に含まれる駆動信号および検知信号における収集タイミングに応じた位置に、該収集タイミングの時刻を示す時刻情報を付加する。
【0067】
ここで、造形部20では、造形物の造形時には、造形部20に設けられた複数のモーター64などの駆動部40を連動して同期させて駆動する必要がある。このため、各駆動部40は、駆動指示信号をバッファに保持した後に、他の駆動部40と同期させて該駆動指示信号に応じた駆動を行う。
【0068】
図7は、駆動指示信号に応じたモーター64の駆動の一例を示す説明図である。例えば、造形部20に設けられた駆動部40の各々は、造形制御部18から受付けた駆動指示信号80を、バッファ81に一時的に記憶する。そして、モーター指令部82の処理により、モーター64などの複数の駆動部40が同時に、駆動指示信号80に応じた駆動を実行する。このため、造形制御部18が造形部20へ駆動指示信号80を出力した時刻と、実際にモーター64などの駆動部40が駆動する時刻と、には、ずれが発生する。このずれは、バッファ81の容量が大きいほど、また、同時に駆動する対象の駆動部40の数が多いほど、大きくなると考えられる。
【0069】
このため、造形制御部18が造形部20へ出力した駆動指示信号80の出力時刻を64などの駆動部40の駆動時刻として管理すると、実際に駆動部40が駆動した時刻とは異なる時刻が、管理されることとなる。
【0070】
図1に戻り説明を続ける。そこで、本実施の形態では、付加部22Cが、取得部22Bで収集タイミング毎に取得した、計測信号に含まれる駆動信号および検知信号における収集タイミングに応じた位置に、該収集タイミングの時刻を示す時刻情報を付加する。
【0071】
このように、付加部22Cは、造形部20から受け付けて収集タイミング毎に収集した計測信号に、収集タイミングに応じた時刻情報を付加する。このため、付加部22Cは、造形制御部18が2-へ駆動指示信号80を出力したタイミングではなく、駆動部40が実際に駆動した時刻に応じた時刻情報を、計測信号に付加することができる。
【0072】
なお、付加部22Cは、造形制御部18と時刻情報を同期して管理する。そして、付加部22Cは、造形制御部18と同期した時刻に応じて、収集タイミングの時刻を示す時刻情報を、計測信号の収集タイミングに応じた位置に付加する。
【0073】
そして、付加部22Cは、時刻情報を付加した計測信号を、コントローラ16へ出力する。コントローラ16は、収集部22の付加部22Cから受付けた、時刻情報を付加された計測信号を、サーバ14へ出力する。なお、付加部22Cは、時刻情報を付加された計測信号を、コントローラ16を介さずに、直接サーバ14へ出力してもよい。
【0074】
サーバ14は、計測信号を分析する装置である。サーバ14は、記憶部24と、分析部26と、出力制御部28と、シミュレーション実行部30と、エンジン部32と、表示部34と、を備える。
【0075】
記憶部24は、造形装置12から受付けた、時刻情報を付加された計測信号を記憶する。
【0076】
分析部26は、時刻情報を付加された計測信号を分析する。分析部26による分析方法には、公知の方法を用いればよい。
【0077】
例えば、分析部26は、時刻情報を付加された計測信号を用いて、各時刻に対応する、駆動部40の駆動状態と、センサ42の検知結果とを検証することで、時刻ごとの、駆動状態と検知結果との関係性、駆動部40の駆動状態、駆動状況、故障判定、などを分析する。言い換えると、分析部26は、タイミングごとの、駆動部40の駆動状況とセンサ42の検知結果を分析することで、造形部20に目標とする最適な造形を行わせるために必要な造形パラメータを導出するための情報を、分析結果として得る。
【0078】
例えば、分析部26は、溶融されたフィラメントFがノズル70から吐出されているときの、エクストルーダ72の回転量の検知結果と、エクストルーダ72を回転駆動させるモーター64Aの駆動信号と、実際にノズル70から吐出された溶融されたフィラメントFの吐出量の検知結果と、を分析する。そして、分析部26は、分析結果として、該吐出を行うために造形制御部18から造形部20へ出力された駆動指示信号に対する、実際の要求されたフィラメントFの吐出状態と、を分析する。また、分析部26は、このときの、湿度センサ42E、温度センサ42C、および温度センサ42Dによる検知結果と比較し、フィラメントFの吐出状態に関連する造形環境の検知結果との比較を行い、比較結果を分析結果として更に導出する。
【0079】
このとき、分析部26は、付加された時刻情報ごとに、タイミング毎の分析結果を導出することができるので、駆動部40の各駆動タイミングにおける分析結果を得ることができる。このため、分析部26は、任意のタイミングにおける、造形部20の分析結果を得ることができる。
【0080】
なお、分析部26は、計測信号に含まれる、複数種類の駆動部40の各々の駆動状態を示す駆動信号の内、ユーザUによって選択された、特定の駆動部40の駆動状態の駆動信号と、特定のセンサ42の検知信号と、を分析としてもよい。
【0081】
出力制御部28は、分析部26の分析結果を表示部34へ出力する。ユーザUは、表示部34を参照することで、分析結果を確認することができる。例えば、ユーザUは、表示部34に表示された分析結果を参照することで、造形部20に目標とする最適な造形を行わせるために必要な造形パラメータを導出するための情報を、容易に確認することが可能となる。
【0082】
なお、出力制御部28は、分析結果を情報処理装置10へ出力してもよい。この場合、ユーザUは、情報処理装置10から受付けた分析結果を情報処理装置10の表示部などに表示させる指示を入力することで、分析結果を確認することができる。また、情報処理装置10の3DPソフトウェア10Aが、ブラウザ等を介して、サーバ14の分析部26の分析結果を閲覧可能な構成にしてもよい。
【0083】
シミュレーション実行部30は、時刻情報を付加された計測信号と、駆動部40の駆動時の設定値と、を用いて、駆動部40の駆動を、エンジン部32を用いてシミュレーションする。
【0084】
シミュレーション実行部30は、情報処理装置10から、シミュレーションを実行するときに用いるパラメータである設定値を受付ける。エンジン部32は、造形部20の動作を検証するためのソフトウェアである。シミュレーション実行部30は、記憶部24に記憶されている、時刻情報を付加された計測信号をエンジン部32へ設定すると共に、情報処理装置10から受付けた設定値をエンジン部32へ設定することで、造形部20のシミュレーションを実行する。このように、シミュレーション実行部30は、時刻情報を付加された計測信号を用いてシミュレーションを実行するため、精度の高いシミュレーションを実行することができる。
【0085】
なお、シミュレーション実行部30は、分析部26による分析結果を用いて、情報処理装置10から受付けた設定値を修正し、シミュレーションを実行してもよい。この処理により、シミュレーション実行部30は、より精度の高いシミュレーションを実行することができる。
【0086】
シミュレーション実行部30は、シミュレーション結果を出力制御部28へ出力する。出力制御部28は、シミュレーション実行部30からシミュレーション結果を受付けると、表示部34へ表示、または、情報処理装置10へ送信する。
【0087】
このため、ユーザUは表示部34などを確認することで、シミュレーション結果を確認することができる。
【0088】
次に、造形装置12が実行する情報処理の手順の一例を説明する。
図8は、造形装置12が実行する情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0089】
まず、造形制御部18が、情報処理装置10からコントローラ16を介して受付けた造形データおよび造形パラメータを用いて造形物を造形するように、造形部20へ造形開始指示を出力する(ステップS100)。
【0090】
ステップS100の処理によって、造形部20は、受付けた造形開始指示に応じて、造形データに応じた造形物を、造形パラメータに応じた調整値で造形する造形処理を開始する。そして、造形部20は、駆動信号および検知信号を含む計測信号の、収集部22への出力を開始する。
【0091】
次に、収集部22と造形制御部18とが、時刻の同期を開始する(ステップS102)。
【0092】
次に、受付部22Aが、造形部20からの計測信号の受付けを開始する(ステップS104)。次に、取得部22Bが、ステップS104で受付けた計測信号について、トリガを検出したか否かを判断する(ステップ106)。トリガは、計測信号における、駆動部40の駆動開始の検出である。取得部22Bは、上述した方法で、駆動部40の駆動開始を検出すればよい。
【0093】
取得部22Bは、トリガを検出するまで(ステップS106:Yes)、否定判断を繰返す(ステップS106:No)。そして、トリガを検出すると(ステップS106:Yes)、ステップS108へ進む。
【0094】
ステップS108では、取得部22Bが、収集タイミングか否かを判断する(ステップS108)。取得部22Bは、前回の収集タイミングからの経過時間が、予め定めた時間を経過したか否かを判別することで、ステップS108の判断を実行する。なお、ステップS100で造形開始指示が出力された後の第1回目の判断時には、ステップS104で計測信号の受付を開始してからの経過時間が、予め定めた時間を経過したか否かを判別すればよい。取得部22Bは、ステップS108で肯定判断するまで(ステップS108:Yes)、否定判断を繰返す(ステップS108:No)。そして、肯定判断すると(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。
【0095】
ステップS110では、取得部22Bが、計測信号を取得する(ステップS110)。詳細には、取得部22Bは、ステップS104で受付けを開始した計測信号の内、前回の収集タイミングから今回の収集タイミングまでの期間の計測信号を取得する。なお、ステップS100で造形開始指示が出力された後の第1回目の判断時には、取得部22Bは、ステップS104の計測信号の受付開始から今回の収集タイミングまでの期間の計測信号を取得すればよい。
【0096】
次に、付加部22Cは、ステップS110で取得した計測信号に、時刻情報を付加する(ステップS112)。
【0097】
次に、取得部22Bが、1トリガでの計測信号の収集を終了するか否かを判断する(ステップS114)。ステップS114で否定判断すると(ステップS114:No)、上記ステップS108へ戻る。ステップS114で肯定判断すると(ステップS114:Yes)ステップS116へ進む。
【0098】
ステップS116では、付加部22Cが、ステップS112で時刻情報を付加した計測信号を、サーバ14へ送信する(ステップS116)。
【0099】
次に、取得部22Bが、計測信号の収集を終了するか否かを判断する(ステップS118)。ステップS118で否定判断すると(ステップS118:No)、上記ステップS106へ戻る。ステップS118で肯定判断すると(ステップS118:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0100】
なお、
図8に示すフローチャートにおいて、ステップS106のトリガ検出の判断処理を省略してもよい。この場合、ステップS114では、収集部22は、1トリガでの収集終了か否かの判断に代えて、サーバ14へのデータ送信タイミングか否かを判断すればよい。サーバ14へのデータ送信タイミングは、予め定めたデータ送信単位となったか否かを判別することで行えばよい。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態の造形システム1(液体吐出システム)は、受付部22Aと、付加部22Cと、を備える。受付部22Aは、駆動部40の駆動によって造形物を造形する造形部20における、駆動部40の時系列に沿った駆動状態の推移を示す駆動信号と、造形物の造形環境の検知結果の時系列に沿った推移を示す検知信号と、を含む計測信号を、造形部20から受付ける。付加部22Cは、計測信号に含まれる駆動信号および検知信号における収集タイミングに応じた位置に、該収集タイミングの時刻を示す時刻情報を付加する。
【0102】
このように、本実施の形態の造形システム1は、付加部22Cが、造形部20から受付けた、駆動信号および検知信号を含む計測信号に、収集タイミングに応じた時刻情報を付加する。このため、本実施の形態の造形システム1は、造形部20の駆動状態を示す駆動信号と造形部20の造形環境の検知結果を示す検知信号に、駆動状態に対応する時刻情報を付与することができる。
【0103】
従って、本実施の形態の造形システム1は、造形部20の駆動状態に連動した検知信号を提供することができる。
【0104】
また、取得部22Bは、受付けた計測信号について、駆動部40の駆動開始を検出するごとに、駆動開始を検出してから次の収集タイミングまでの期間の計測信号を取得する。そして、付加部22Cは、取得した計測信号に時刻情報を付加する。
【0105】
また、付加部22Cは、造形部20を造形制御する造形制御部18と同期した時刻に応じた時刻情報を計測信号に付加する。
【0106】
また、付加部22Cは、ハードウェアによって構成されてなる。分析部26は、時刻情報を付加された計測信号を分析する。出力制御部28は、分析部26の分析結果を出力する。
【0107】
シミュレーション実行部30は、時刻情報を付加された計測信号と、駆動部40の駆動時の設定値と、を用いて、駆動部40の駆動をシミュレーションする。
【0108】
図9は、サーバ14およびコントローラ16のハードウェア構成図の一例である。
【0109】
サーバ14およびコントローラ16は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、およびI/F11D等がバス11Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0110】
CPU11Aは、本実施の形態のサーバ14およびコントローラ16を制御する演算装置である。ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。I/F11Dは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0111】
本実施の形態のサーバ14およびコントローラ16で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、ROM11B等に予め組み込んで提供される。なお、本実施の形態のサーバ14およびコントローラ16で実行されるプログラムは、サーバ14およびコントローラ16にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0112】
なお、上記には、実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0113】
例えば、上記実施の形態では、造形物が三次元の造形物であり、液体吐出システムを、三次元の造形物を造形する造形システム1に適用した形態を一例として説明した。しかし、造形システム1が造形する造形物は、三次元の造形物に限定されない。例えば、造形システム1は、二次元の造形物を造形、すなわち、画像を形成する画像形成システムであってもよい。この場合、造形部20は、インクなどの液体を吐出することで画像を形成するインクジェット吐出装置などの画像形成部であればよい。
【符号の説明】
【0114】
1 造形システム
20 造形部
22 収集部
22A 受付部
22B 取得部
22C 付加部
26 分析部
28 出力制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】