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特許7136779一体型クランプ回路を有するパワーモジュールおよびそのプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】一体型クランプ回路を有するパワーモジュールおよびそのプロセス
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/08 20060101AFI20220906BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220906BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220906BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20220906BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220906BHJP
【FI】
H03K17/08 C
H01L25/04 C
H02M1/08 A
H02M7/48 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019531969
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 US2017066591
(87)【国際公開番号】W WO2018112302
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2019-08-14
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】15/382,172
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/462,552
(32)【優先日】2017-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/441,857
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】カーボウ オースティン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ダニエル
【合議体】
【審判長】角田 慎治
【審判官】衣鳩 文彦
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-187543(JP,A)
【文献】特開2006-296119(JP,A)
【文献】特開2009-284370(JP,A)
【文献】特開2015-126342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K17/08
H02M1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュール装置であって、
パワー基板と、
前記パワー基板に電気的に接続された複数のパワーデバイスと、
前記パワー基板に対して搭載されたゲート-ソースボードであって、前記複数のパワーデバイスに電気的に接続された前記ゲート-ソースボードと、
前記パワー基板に固定されたハウジングと、
前記複数のパワーデバイスに電気的に接続されたクランプ回路と、
前記クランプ回路に電気的に接続されたセンスおよび制御回路であって、前記パワーモジュール装置内の電流および電圧のうち少なくとも一つを感知するように構成され、前記パワーモジュール装置内の前記電流および前記電圧のうち少なくとも一つの関数として前記クランプ回路を制御するように構成された、センスおよび制御回路と、
前記複数のパワーデバイスのゲートにおける電圧チャージアップを所望の電圧の8V以内に低減させるように構成された前記クランプ回路と、
を備え、
前記クランプ回路が負の電圧バイアス(-V)に接続される、
パワーモジュール装置。
【請求項2】
前記クランプ回路がミラークランプを備え、
前記センスおよび制御回路がゲートドライバからのドライバ制御信号を検出して前記クランプ回路を無効にするように構成され、
前記センスおよび制御回路が前記ゲートドライバからの前記ドライバ制御信号の欠如を検出して前記クランプ回路を有効にするように構成される、
請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項3】
前記クランプ回路が前記ゲート-ソースボードに配置され、
前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスの前記ゲートへの入力をクランプするように構成され、
前記パワーモジュール装置が複数の別々のチャネルで構成され、
前記クランプ回路が複数のクランプ回路を備え、
前記複数のクランプ回路のうち少なくとも一つが前記パワーモジュール装置の前記複数の別々のチャネルのうち少なくとも一つで動作するように構成される、
請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項4】
前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスの前記ゲートにおける電圧をピーク・ツー・ピークで8V未満にクランプするように構成され、
前記センスおよび制御回路がドライブ信号を前記クランプ回路に提供するように構成されたバッファを備える、
請求項2に記載のパワーモジュール装置。
【請求項5】
前記センスおよび制御回路がRC(抵抗器-キャパシタ)回路を備え、
前記クランプ回路が前記少なくとも一つのパワーデバイスを個別にオフに保持するトランジスタを備え
請求項に記載のパワーモジュール装置。
【請求項6】
前記センスおよび制御回路が前記複数のパワーデバイスの前記ゲートとゲートドライブコネクタとの間の信号線に電気的に接続され、
前記センスおよび制御回路が前記パワーモジュール装置に一体化される、
請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項7】
前記センスおよび制御回路が立ち下がりエッジ遅延および立ち上がりエッジパススルー動作に基づきドライバ制御信号の関数として前記クランプ回路を制御するように構成される、請求項6に記載のパワーモジュール装置。
【請求項8】
前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスの前記ゲートにおける前記電圧チャージアップを少なくとも10%低減させるように構成され、
前記クランプ回路が前記ゲート-ソースボードに配置される、
請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項9】
前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスのゲートにおける電圧チャージアップを所望の電圧の6V以内に低減させるように構成され、
前記センスおよび制御回路がゲートドライバからのドライバ制御信号を検出して前記クランプ回路を無効にするように構成され、
前記センスおよび制御回路が前記ゲートドライバからの前記ドライバ制御信号の欠如を検出して前記クランプ回路を有効にするように構成される、
請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項10】
前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスの前記ゲートにおける電圧をピーク・ツー・ピークで10V未満にクランプするように構成される、請求項1に記載のパワーモジュール装置。
【請求項11】
パワーモジュール装置であって、
パワー基板と、
前記パワー基板に電気的に接続された複数のパワーデバイスと、
前記パワー基板に対して搭載されたゲート-ソースボードであって、前記複数のパワーデバイスに電気的に接続された前記ゲート-ソースボードと、
前記パワー基板に固定されたハウジングと、
前記複数のパワーデバイスに電気的に接続されたクランプ回路であって、前記複数のパワーデバイスのゲートへの入力をクランプするように構成されたクランプ回路と、
前記クランプ回路に電気的に接続されたセンスおよび制御回路であって、ドライバ制御信号の関数として前記クランプ回路を制御するように構成された、センスおよび制御回路と、
ベースプレート、前記パワー基板、少なくとも二つのパワーコンタクトのうちの一つ、前記複数のパワーデバイス、前記ゲート-ソースボード、ゲートドライブコネクタ、および前記ハウジングのうち少なくとも一つと共に配置される前記クランプ回路と、
を備え、
前記クランプ回路が負の電圧バイアス(-V)に接続される、
パワーモジュール装置。
【請求項12】
前記クランプ回路が複数のクランプ回路を備え、
前記センスおよび制御回路がゲートドライバからのドライバ制御信号を検出して前記クランプ回路を無効にするように構成され、
前記センスおよび制御回路が前記ゲートドライバからの前記ドライバ制御信号の欠如を検出して前記クランプ回路を有効にするように構成され、
前記複数のクランプ回路のうち少なくとも一つが前記パワーモジュール装置の前記複数の別々のチャネルのうち少なくとも一つで動作するように構成され、
前記複数のクランプ回路のうち少なくとも一つがミラークランプを備え、
前記ミラークランプが前記パワーモジュール装置に一体化される、
請求項11に記載のパワーモジュール装置。
【請求項13】
前記クランプ回路が前記ゲート-ソースボードに配置され、
前記パワーモジュール装置が複数の別々のチャネルで構成され、
前記クランプ回路が複数のクランプ回路を備え、
前記複数のクランプ回路のうち少なくとも一つが前記パワーモジュール装置の前記複数の別々のチャネルのうち少なくとも一つで動作するように構成され、
前記センスおよび制御回路がドライブ信号を前記クランプ回路に提供するように構成されたバッファを備える、
請求項11に記載のパワーモジュール装置。
【請求項14】
前記センスおよび制御回路がRC(抵抗器-キャパシタ)回路を備える、請求項11に記載のパワーモジュール装置。
【請求項15】
前記センスおよび制御回路がドライブ信号を前記クランプ回路に提供するように構成されたバッファを備える、請求項14に記載のパワーモジュール装置。
【請求項16】
前記センスおよび制御回路がゲートドライバからのドライバ制御信号を検出して前記クランプ回路を無効にするように構成され、
前記センスおよび制御回路が前記ゲートドライバからの前記ドライバ制御信号の欠如を検出して前記クランプ回路を有効にするように構成される、
請求項14に記載のパワーモジュール装置。
【請求項17】
パワーモジュール装置を構成するプロセスであって、
パワー基板を設けることと、
少なくとも二つのパワーコンタクトに電気的に接続された複数のパワーデバイスを設けることと、
前記パワー基板に対して搭載されたゲート-ソースボードを設けることであって、前記ゲート-ソースボードが前記複数のパワーデバイスに電気的に接続された、前記ゲート-ソースボードを設けることと、
前記パワー基板に固定されたハウジングを設けることと、
前記複数のパワーデバイスに電気的に接続されたクランプ回路を設けることであって、前記クランプ回路が前記複数のパワーデバイスのゲートへの入力をクランプするように構成される、前記クランプ回路を設けることと、
前記クランプ回路をベースプレート、前記パワー基板、前記少なくとも二つのパワーコンタクトのうちの一つ、前記複数のパワーデバイス、前記ゲート-ソースボード、ゲートドライブコネクタ、および前記ハウジングのうち少なくとも一つと共に配置することと、
前記クランプ回路に電気的に接続されたセンスおよび制御回路を設けることと、
前記センスおよび制御回路を用いてドライバ制御信号の関数として前記クランプ回路を制御することと、
を含
前記クランプ回路が負の電圧バイアス(-V)に接続される、
パワーモジュール装置を構成するプロセス。
【請求項18】
前記ゲート-ソースボードに前記クランプ回路を配置することをさらに含み、
前記クランプ回路がミラークランプを備え、
前記パワーモジュール装置が複数の別々のチャネルで構成され、
前記クランプ回路が複数のクランプ回路を備え、
前記複数のクランプ回路のうち少なくとも一つが前記パワーモジュール装置の前記複数の別々のチャネルのうち少なくとも一つで動作するように構成される、
請求項17に記載のパワーモジュール装置を構成するプロセス。
【請求項19】
前記センスおよび制御回路がRC(抵抗器-キャパシタ)回路を備え、前記クランプ回路が前記少なくとも一つのパワーデバイスを個別にオフに保持するトランジスタを備える、請求項17に記載のパワーモジュール装置を構成するプロセス。
【請求項20】
前記センスおよび制御回路がドライブ信号を前記クランプ回路に提供するように構成されたバッファを備え、
前記センスおよび制御回路がゲートドライバからのドライバ制御信号を検出して前記クランプ回路を無効にするように構成され、
前記センスおよび制御回路が前記ゲートドライバからの前記ドライバ制御信号の欠如を検出して前記クランプ回路を有効にするように構成される、
請求項17に記載のパワーモジュールを構成するプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先出願の相互参照]
本出願は、2016年12月6日に出願された米国特許出願第15/382,172号の一部継続出願であり、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。本出願はまた、2017年2月23日に出願された米国仮特許出願第62/462,552に基づく利益を主張し、本明細書に完全に記載されているかのように全ての目的のために参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載]
本発明は、陸軍研究所による政府の支援を受けて行われたものである(契約番号W911NF-16-2-0132)。米国政府は本発明について一定の権利を有する。
【0003】
[本開示の分野]
本開示は一体型クランプ回路を有するパワーモジュールに関する。さらには、本開示は一体型クランプ回路を含むパワーモジュールを構成するプロセスに関する。
【背景技術】
【0004】
当業者によって理解されるように、様々な形態のパワーモジュールが知られている。パワーモジュールはパワー部品、一般にはパワー半導体デバイスを物理的に含む。これらのパワー半導体は通常、パワーエレクトロニクス基板に半田付けまたは焼結される。パワーモジュールは通常、パワー半導体を搭載し、電気的および熱的接触を提供し、そして電気的な絶縁体を含む。
【0005】
パワーモジュールを動作させる際に直面する一般的な課題の一つは、寄生電流および/または電圧信号に起因する意図しない動作である。例えば、スイッチング動作中の経時的な電圧のより大きな変化は、パワーモジュール内のスイッチに寄生ターンオンを引き起こす可能性がある。関連するドライバ回路のこの意図しない動作に対処するために多くの手法が利用されてきた。しかしながら、これらの手法は満足のいくものではなかった。
【0006】
したがって、パワーモジュールの適切な制御を可能にするために、寄生信号に起因する意図しない動作を制限するように構成されたパワーモジュールが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
一つの態様では、パワーモジュール装置はパワー基板、パワー基板に電気的に接続された少なくとも一つのパワーデバイス、パワー基板に搭載されたゲート-ソースボード、少なくとも一つのパワーデバイスに電気的に接続されたゲート-ソースボード、パワー基板に固定されたハウジング、少なくとも一つのパワーデバイスに電気的に接続されたクランプ回路、および少なくとも一つのパワーデバイスのゲートにおける電圧チャージアップを所望の電圧の8V以内に低減するように構成されたクランプ回路を含む。
【0008】
別の態様では、パワーモジュール装置はベースプレートに配置されたパワー基板、少なくとも二つのパワーコンタクトに電気的に接続された少なくとも一つのパワーデバイス、パワー基板に搭載されたゲート-ソースボード、少なくとも一つのパワーデバイスに電気的に接続されたゲート-ソースボード、少なくとも一つのパワーデバイスに電気的に接続されたクランプ回路、入力を少なくとも一つのパワーデバイスにクランプするように構成されたクランプ回路を含み、クランプ回路は少なくとも一つのパワーデバイスのゲートにおける電圧をピーク・ツー・ピークで8V未満にクランプするように構成される。
【0009】
別の態様では、ベースプレートに配置されたパワー基板、少なくとも二つのパワーコンタクトに電気的に接続された少なくとも一つのパワーデバイス、パワー基板に搭載されたゲート-ソースボード、少なくとも一つのパワーデバイスに電気的に接続されたゲート-ソースボード、入力を少なくとも一つのパワーデバイスのゲートにクランプするように構成されたクランプ回路を含み、クランプ回路は少なくとも一つのパワーデバイスのゲートにおける電圧チャージアップを少なくとも10%低減させるように構成される。
【0010】
本開示のさらなる特徴、利点、および態様は以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲を考慮することにより説明されるかまたは明らかになり得る。さらに、前述の本開示の概要および以下の詳細な説明の両方は例示的なものであり、特許請求の範囲に記載の本開示の範囲を限定することなくさらなる説明を提供することを意図したものであることを理解されるべきである。
【0011】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付図面は、本明細書に組み入れられてその一部を構成し、本開示の態様を例示し、詳細な説明と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。本開示の基本的な理解およびそれが実施され得る様々な方法のために必要となり得るよりも詳細に本開示の構造上の詳細を示すことは試みられない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一態様によるパワーモジュールの概略図を示す。
図2A図2Aは、図1のパワーモジュールの一実施形態の概略図を示す。
図2B図2Bは、図1のパワーモジュールの別の実施形態の概略図を示す。
図3図3は、本開示の一態様による例示的なセンスおよび制御回路を示す。
図4図4は、図1のパワーモジュールの構造上の実施形態を示す。
図5図5は、図4のパワーモジュールの分解図を示す。
図6図6は、図4のパワーモジュールの厚さに対する相対的なサイズの比較を示す。
図7図7は、図4のパワーモジュールの複数の並列なデバイスに対する電流の流れを示す。
図8図8は、図4のパワーモジュールのパワーコンタクト構成を示す。
図9図9は、図4のパワーモジュールの薄型パワーコンタクトを示す。
図10図10は、図4のパワーモジュールのパワーモジュールベースプレートを示す。
図11図11は、図4のゲート-ソースPCBを示す。
図12図12は、図4のパワーモジュールのハーフブリッジ配置を有するゲート-ソースPCBを示す。
図13図13は、図4のパワーモジュールの共通ソース/エミッタ配置を有するゲート-ソースPCBを示す。
図14図14は、図4のパワーモジュールの共通ドレイン/コレクタ配置を有するゲート-ソースPCBを示す。
図15図15は、図4のパワーモジュールの単一層モジュール式のゲート-ソースPCBのレイアウトの例を示す。
図16図16は、図4のパワーモジュールのパワー基板ハーフブリッジ配置を示す。
図17図17は、図4のパワーモジュールのパワー基板共通ソース/エミッタ配置を示す。
図18図18は、図4のパワーモジュールのパワー基板共通ドレイン/コレクタ配置を示す。
図19図19は、図4のパワーモジュールのハウジング上面の特徴を示す。
図20図20は、図4のパワーモジュールのハウジング裏面の特徴を示す。
図21図21は、図4のパワーモジュールのパワーモジュールアセンブリから分離されたハウジングを示す。
図22図22は、図4のパワーモジュールのパワーコンタクトガイドを示す。
図23図23は、図4のパワーモジュールのハーフブリッジ、単一チャネル共通ソース/エミッタまたはドレイン/コレクタモジュールを示す。
図24図24は、本開示の別の態様によるパワーモジュールのフルブリッジ、デュアルチャネル共通ソース/エミッタまたはドレイン/コレクタモジュールを示す。
図25図25は、本開示の別の態様によるパワーモジュールの拡張された単一ハウジングの並列モジュール構成を示す。
図26図26は、パワーモジュールの試験性能データを提供するためのクランプ誘導負荷(CIL)試験装置の概略図を示す。
図27図27は、ゲートクランプ無しのパワーモジュールについての試験データのグラフを示す。
図28図28は、ゲートドライバに配置されたクランプ回路有りのパワーモジュールについての試験データのグラフを示す。
図29図29は、本開示に基づくパワーモジュールと共に配置されたクランプ回路を有するパワーモジュールについての試験データのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様および様々な特徴ならびにそれらの有利な詳細は、添付図面において説明および/または例示され、以下の詳細な説明において詳しく説明される非限定的な態様および例を参照してより十分に説明される。図面に示される特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、一つの態様の特徴は本明細書において明示的に言及されなくとも、当業者が認識されるような他の態様と共に用いられ得ることに留意されるべきである。周知の部品および処理技術の説明は本開示の態様を不必要に妨げることのないように省略され得る。本開示の態様を不必要に曖昧にすることのないように、周知の部品および処理技術の説明が省略され得る。本明細書で用いられる例は単に本開示が実施される方法の理解を容易にすること、および当業者が本開示の態様を実施することをさらに可能にすることを意図している。したがって、本明細書の例および態様は本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、これは添付の特許請求の範囲および適用可能な法律によってのみ定義される。さらに、図面のいくつかの図を通して、同様の参照番号は同様の部分を表すことに留意されたい。
【0014】
図1は本開示の態様に基づくパワーモジュールの概略図を示す。図1に示されるように、本開示の一つの例示的な態様は一般的にパワーモジュール100のように示される。パワーモジュール100はハーフブリッジ、フルブリッジ、共通ソース/エミッタ、共通ドレイン/コレクタ等のようないくつかの有用な電力工学の形態で構成可能であり得る。パワーモジュール100は二つ、四つ、六つ、またはそれよりも多くの別々のチャネルで構成することができる。さらに、パワーモジュール100は任意の数の別々のチャネルを用いて構成することができる。
【0015】
パワーモジュール100はベースプレート200、パワー基板300、(図5に示される)パワーコンタクト400、パワーデバイス500、ゲート-ソースプリント基板(PCB)600、ゲートドライブコネクタ700、およびハウジング800を含むいくつかの要素を含み得る。パワーモジュール100はさらにクランプ回路104を含む。クランプ回路104はパワーモジュール100内またはその上に配置される。図1に示される要素の配置は単にクランプ回路104の様々な位置を例示するためのものであり、必ずしも要素の配置およびポジショニングを示すものではない。さらに、パワーモジュール100は本明細書に記載されているよりも少数、多数、または異なる要素を含み得ることが考えられる。
【0016】
ゲートドライバ102はパワーモジュール100とは別に配置してもよく、信号線106に沿ってパワーモジュール100のパワーデバイス500に接続してもよい。ゲートドライバ102は信号線106に沿ってパワーデバイス500に一つまたは複数のゲートドライブ信号を供給し得る。ゲートドライバ102は任意のタイプのドライバとすることができる。ゲートドライバ102はバイポーラドライバ、高性能ドライバ、高周波スイッチングドライバ、10から15アンペア(A)の電流を扱うための構造を有するドライバ、任意の大きさの電流を扱うための構造を有するドライバ等であり得る。ゲートドライバ102は開示されるパワーデバイス500を駆動するように構成された任意のタイプのドライバであり得る。
【0017】
クランプ回路104はパワーモジュール100内またはその上に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104は矢印108で示されるように、ゲート-ソースPCB600上に、またはそれと共に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104は矢印110によって示されるように、ベースプレート200上に、またはそれと共に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104は矢印112によって示されるように、パワー基板300上に、またはそれと共に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104は矢印114によって示されるように、ゲートドライブコネクタ700上に、またはそれと共に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104は矢印116によって示されるように、ハウジング800上に、またはそれと共に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーモジュール100上に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーモジュール100内に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーコンタクト400上に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500上に配置され得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500内に配置され得る。クランプ回路104のこれらの位置の各々はパワーモジュール100に物理的に近接しているかまたはパワーモジュール100に一体化していると定義されている。
【0018】
一つの態様では、クランプ回路104はミラークランプであり得る。別の態様では、クランプ回路104はアクティブミラークランプであり得る。クランプ回路104によりパワーデバイス500のドレイン/コレクタでの電圧の急激な変化の存在下でパワーデバイス500のゲートをオフに保持することが可能になり得る。ドレイン/コレクタでの電圧の急激な変化は寄生ターンオンの一つの原因となっている。寄生ターンオンはまた過度のターンオフ誘起電圧スパイク、ゲートの不必要なチャージ、ゲートとパワーモジュールとの間の寄生インダクタンス、ミラー誘起ターンオン、寄生ミラー容量、ミラー誘起チャージアップ、および/またはパワーモジュールの適切な制御を低下させる同様のものによって特徴付けられ得る。クランプ回路104はパワーデバイス500のうち一つのゲートを低く保持するように構成されてもよく、それによりゲートにみられるあらゆる外乱が最小化および/または除去され得る。パワーデバイス500のゲートをより良く制御するために、クランプ回路104は(図1に示されるように制御されることが意図されている)パワーデバイス500のゲートに物理的に近接して配置され得る。クランプ回路104をパワーモジュール100に物理的に近接して配置することによりパワーデバイス500の性能が向上する。さらに、クランプ回路104をパワーモジュール100に物理的に近接して配置することによりパワーモジュール100の動作および制御に関する顧客の複雑さが低減される。これに関して、ドライバの複雑さおよび動作はパワーモジュール100に実装された本開示のクランプ回路104を利用することによって非常に単純化され得る。一つの態様では、本開示に基づくパワーモジュール100を動作させるドライバは潜在的な寄生ターンオンの問題を考慮する必要がないためドライバの複雑さを低減させる。さらに、物理的な結合、配置、パワーモジュール100に物理的に近接した位置によりパワーデバイス500のより良い制御が可能になり、クランプ回路104がゲートドライバをパワーモジュールの外に配置した従来技術の実装よりもはるかに良好にゲートをオフに保持することが可能になる。
【0019】
動作中、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートへの望ましくない電圧および/または電流の影響を制限および低減する。換言すると、クランプ回路104は寄生ターンオンのようなパワーデバイス500の望ましくない動作を防ぐためにパワーデバイス500のゲートへの入力をクランプする。
【0020】
一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも10%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも20%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも40%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも60%低減させ得る。
【0021】
一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を10V未満に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を8V未満に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を7V未満に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を6V未満に低減させ得る。
【0022】
一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を4-10Vの範囲に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を2-10Vの範囲に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を4-6Vの範囲に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を2-6Vの範囲に低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも10%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも20%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも40%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも60%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバ内に実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加されるピーク・ツー・ピーク電圧を少なくとも80%低減させ得る。
【0023】
一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも10%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも20%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも40%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも60%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも64%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも70%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はクランプ回路無しで実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を少なくとも80%低減させ得る。
【0024】
一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を10%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を20%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を40%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を60%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を62%低減させ得る。一つの態様では、クランプ回路104はゲートドライバに実装されたクランプ回路を用いて実装されるパワーモジュールと比較してパワーデバイス500のゲートに印加される最大電圧を80%低減させ得る。
【0025】
一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の10V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の8V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の6V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の5V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の4V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の3V以内であることを保証し得る。一つの態様では、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートに印加される電圧が所望の電圧の2V以内であることを保証し得る。
【0026】
クランプ回路104は複数のクランプ回路を用いて実装され得る。例えば、パワーモジュール100の各チャネルに対して一つのクランプ回路104が存在する。一つの態様では二つのクランプ回路が存在する。一つの態様では四つのクランプ回路が存在する。一つの態様では六つのクランプ回路が存在する。一つの態様では、パワーデバイス500の各々がクランプ回路を有し得る。さらに、パワーモジュール100は任意の数のチャネルおよびチャネル毎に任意の数のクランプ回路104を用いて構成することができる。
【0027】
開示されるクランプ回路104の実施形態は、寄生ターンオンのようなパワーデバイス500の意図しない動作をもたらすパワーモジュール100内のシュートスルー事象に関する問題を低減する。さらに、クランプ回路104はパワーモジュール100およびパワーデバイス500のよりよい制御性を提供する。これに関して、クランプ回路104をパワーデバイス500に物理的に近接して配置することにより寄生が低減する。例えば、寄生抵抗、寄生誘導、高インピーダンス等であり、いずれも高周波でのスイッチングの際に増加し得る。さらに、クランプ回路がパワーモジュールの外側に配置されると、寄生抵抗、寄生誘導、高インピーダンス等はいずれも増加し得る。寄生は寄生ターンオンの少なくとも一つの原因である。
【0028】
加えて、結果として得られるゲートドライバ102のゲートドライバ構造により複雑さが低減され得る。さらに、本開示のパワーモジュール100を用いて実装されるゲートドライバ102によりバイポーラドライバが必要になるのが回避される。加えて、クランプ回路104の位置はパワーモジュール100のロバスト性、信頼性を高め、故障等を低減させるパワーデバイス500の望ましくないスイッチング(例えば、寄生ターンオン効果)を回避するのに役立つ。これに関して、パワーモジュール100の寄生ターンオンは装置の寿命を縮める有害な影響を有する。
【0029】
クランプ回路104の動作はセンスおよび制御回路等を用いて制御され得る。これに関して、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートへの電圧および/または電流入力をクランプするようにクランプ回路104に伝える入力信号の入力によって個別に動作され得る。同様に、クランプ回路104はパワーデバイス500のゲートへの電圧および/または電流入力をクランプしないようにクランプ回路104に伝える入力信号の入力によって個別に動作され得る。これに関して、クランプ回路104の入力はクランプ回路104の動作を制御するための入力信号であり得る。制御信号は自律制御するロジックによって生成され得る。このロジックは論理ゲートを備える結線された回路であり得る。例えば単一のコンバータである。一つの態様では、制御信号ロジックはパワーデバイス500のうちの一つの現在のスイッチング状態の関数として動作し得る。一つの態様では、制御信号ロジックはパワーデバイス500のうちの一つの現在の所望のスイッチング状態の関数として動作し得る。一つの態様では、パワーデバイス500がスイッチオフされている間に少なくとも部分的にクランプ回路104を動作させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはパワーデバイス500がスイッチオンされている間に少なくとも部分的にクランプ回路104を停止させるように構成され得る。別の態様では、制御ロジックはパワーデバイス500がスイッチオフされている間にクランプ回路104を動作させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはパワーデバイス500がスイッチオンされている間にクランプ回路104を停止させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはゲートドライバ102がパワーデバイス500をスイッチオフしている間に少なくとも部分的にクランプ回路104を動作させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはゲートドライバ102がパワーデバイス500をスイッチオンしている間に少なくとも部分的にクランプ回路104を停止させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはゲートドライバ102がパワーデバイス500をスイッチオフしている間にクランプ回路104を動作させるように構成され得る。一つの態様では、制御ロジックはゲートドライバ102がパワーデバイス500をスイッチオンしている間にクランプ回路104を停止させるように構成され得る。
【0030】
一つの態様では、パワーデバイス500はパワー電界効果トランジスタ(FET)等のスイッチングデバイスを含み得る。しかしながら、パワーデバイス500は任意のタイプのトランジスタまたはスイッチを用いて実装され得る。例えば、パワーデバイス500はMOSFET、シリコンカーバイドMOS、トレンチMOS、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、任意のMOSの構造、および/または同様のものおよびそれらの組み合わせを含む金属酸化物半導体(MOS)フロントエンドを有する任意のデバイスを含み得る。一つの態様では、パワーデバイス500は一つまたは複数のダイオードを含み得る。一つの態様では、パワーデバイス500は一つまたは複数のダイオードを有してもよく、一つまたは複数のスイッチングデバイスを有してもよい。
【0031】
ベースプレート200は機械的支持、熱拡散、およびパワーモジュール100をヒートシンクまたはコールドプレートに効果的に取り付けるための構造を提供し得る。ベースプレート200の材料特性は動作温度が上昇するにつれてますます重要になる。ベースプレート200の材料は熱膨張係数(CTE)を考慮して選択することができ、そうでなければアセンブリ内の材料が熱によって異なる速度で膨張し、それらの界面に大きな応力を生じる可能性がある。
【0032】
ベースプレート200は金属基複合(MMC)材料を利用してもよく、これは高導電性金属、銅、アルミニウム等とモリブデン、ベリリウム、タングステン等の低CTE金属および/またはシリコンカーバイド、酸化ベリリウム、グラファイト等の非金属のいずれかとの複合材料としてもよい。これらの複合材料により寄与している各元素の特徴を組み合わせてそれが取り付けられているパワー基板300と実質的に一致し得るCTEを有する高熱伝導率が可能になる。
【0033】
パワー基板300は金属-セラミック-金属の積層構造であり得る。言うまでもなく、他の材料をパワー基板300に利用してもよい。パワー基板300は非常に高い電流および電圧を扱うように構成および設計され得る。この構造の金属は厚さが異なる銅、アルミニウム等でもよく、一方この構造のセラミック材料はアルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si34)等でもよい。
【0034】
ハウジング800は絶縁材料、合成材料等で形成することができる。一つの態様では、ハウジング800はプラスチック材料であり得る。一つの態様では、ハウジング800は強化高温プラスチックを用いた射出成形プロセスで形成され得る。ハウジング800はパワーデバイス500に対する保護バリアであることに加えていくつかの機能を果たし得る。これらは電圧遮断、機械的支持、パワーコンタクトガイド、ゲルパッシベーションの進入区域、ゲルパッシベーションプロセス用の通気孔、自己強化内部リブ等を含み得る。
【0035】
ゲート-ソースPCB600はパワーデバイス500を制御するためのゲートおよびソースのケルビン接続を形成するために必要とされ得る各スイッチ位置についての独立した電気経路を含み得る。一つの態様では、ゲート-ソースPCB600をパワー基板300上に配置し、さらにベースプレート200に接続してもよい。ゲート-ソースPCB600はゲートドライブコネクタ700用のアタッチメントを含み得る。ゲートドライブコネクタ700はゲートドライバ102からのドライブ信号を受信するために信号線106に接続するように構成され得る。ゲート-ソースPCB600はゲートドライブコネクタ700からパワーデバイス500にドライブ信号を供給し得る。
【0036】
図2A図1のパワーモジュールの実施形態の概略図を示す。特には、図2Aはミラークランプとして実装されたクランプ回路104の実施形態を示す。クランプ回路104は信号線106およびパワーデバイス500のソース/エミッタ206に接続されたトランジスタ202を含み得る。この実施形態はゲートドライバ102の実施を単純化することのできるVターンオフ駆動を可能にし得る。図2Aの実施形態は実施の際にパワーデバイス500のゲートをソース/エミッタ206に短絡する。加えて、図2Aはクランプ回路104がパワーモジュール100に物理的に近接して配置されていることを示す。特には、クランプ回路104は図1に関連して前述したようにパワーモジュール100内に配置されている。この物理的に近接した配置は前述の利益を含むいくつかの利益を提供する。図2Aにさらに示されるように、パワーモジュール100はセンスおよび制御回路214をさらに含み得る。センスおよび制御回路214はパワーモジュール100内の電流、電圧等を感知し、それに応答してクランプ回路104を制御する。一つの態様では、センスおよび制御回路214は信号線106上の電圧および/または電流を感知し、それに応じてクランプ回路104を有効または無効にし得る。一つの態様では、センスおよび制御回路214は信号線106上のゲートドライバ102のドライブ信号を検出し、クランプ回路104を無効にする。さらに、センスおよび制御回路214は信号線106上のゲートドライバ102ドライブ信号の欠如を検出し、クランプ回路104を有効にする。言うまでもなく、他のタイプの制御ロジックもまた考えられる。
【0037】
図2Aの態様では、パワーデバイス500はトランジスタ220を含むパワーFETとしてもよい。言うまでもなく前述のもの以外に他のタイプのパワーデバイス500もまた考えられる。図2Aの実施形態におけるパワーデバイス500はドレイン/コレクタ204およびソース/エミッタ206を含む。パワーデバイス500はドレイン/コレクタ204とソース/エミッタ206との間に接続されたキャパシタ212をさらに含み得る。パワーデバイス500はドレイン/コレクタ204と信号線106との間に接続されたキャパシタ208をさらに含み得る。パワーデバイス500はソース/エミッタ206と信号線106との間に接続されたキャパシタ210をさらに含み得る。言うまでもなく、パワーデバイス500についても他の回路構成が考えられる。
【0038】
図3は、本開示の一態様によるセンスおよび制御回路を示す。特には、図3はRC(抵抗器-キャパシタ)回路として実装されたセンスおよび制御回路214を示す。この態様では、センスおよび制御回路214は信号線106からの入力370でゲートドライバ102ドライブ信号を受信し、クランプ回路を有効にするためにクランプ回路アクチュエーション信号を372で出力し得る。一つの態様では、センスおよび制御回路214の図3の実施形態は立ち下がりエッジ遅延および立ち上がりエッジパススルー動作を用いて実装され得る。一つの態様では、センスおよび制御回路214の図3の実施形態は抵抗器364と並列なダイオード362を用いて実装され得る。ダイオード362および抵抗器364の出力はキャパシタ366およびバッファ368に接続され得る。バッファ368は出力372においてドライブ信号をクランプ回路104に供給し得る。
【0039】
これに関して、RC時定数を利用して、調整可能な遅延をセンスおよび制御回路214のターンオフ事象に導入することができる。これはパワーデバイス500がシグナルオフされたときから出力372がクランプ回路104を作動させるときまでの遅延に相当する。いくつかの態様では、パワーデバイス500がコマンドオンされるとき、クランプ回路104が作動されるのは望ましくない可能性があるため立ち上がりエッジ遅延が導入されない可能性がある。いくつかの態様では、調整可能なRC時定数は抵抗器364のトリマポテンショメータ実装を介して調整可能であり得る。これに関して、パワーデバイス500がシグナルオンされるときから出力372がクランプ回路104を作動させるときまでの遅延量はトリマポテンショメータの調整により抵抗器364の抵抗を変化させることによって調整され得る。
【0040】
図2Aはさらにゲートドライバ102の例示的な構造を示す。ゲートドライバ102はV+およびV-に接続された一つまたは複数のトランジスタ218を含み得る。ゲートドライバ102は回路素子216をさらに含み得る。回路素子216は直列抵抗器RGおよび/またはインダクタLGSを用いて実装され得る。ゲートドライバ102のための他の部品もまた考えられる。
【0041】
図2B図1のパワーモジュールの別の実施形態の概略図を示す。特には、図2Bはミラークランプとして実装されたクランプ回路104の実施形態を示す。クランプ回路104は信号線106およびV-に接続されたトランジスタ302を含み得る。この実施形態は-Vバイアスでパワーデバイス500のゲートをオフに保持する。この実施形態は改善されたホールドオフ性能を提供することがわかっている。加えて、図2Bはクランプ回路104がパワーモジュール100に物理的に近接して配置されていることを示す。特には、クランプ回路104は図1に関連して前述したようにパワーモジュール100内に配置されている。この物理的に近接した配置は前述の利益を含むいくつかの利益を提供する。
【0042】
図4図1のパワーモジュールの構造上の実施形態を示す。図5図4のパワーモジュールの分解図を示す。図6図4のパワーモジュールの厚さに対する相対的なサイズの比較を示す。
【0043】
パワーモジュール100はハーフブリッジ、フルブリッジ、共通ソース/エミッタ、および共通ドレイン/コレクタ等の複数の有用な電力工学の形態で構成可能であり、二つ、四つおよび六つの別々のチャネルで構成することができる。さらに、パワーモジュール100は任意の数の別々のチャネルを用いて構成することができる。
【0044】
パワーモジュール100は図1に関連して説明したようにいくつかの要素を含み得る。これらの要素はベースプレート200、パワー基板300、パワーコンタクト400、パワーデバイス500、ゲート-ソースPCB600、ゲートドライブコネクタ700、ハウジング800等を含み得る。パワーモジュール100は電気的な接続を固定するために一つまたは複数のファスナ900をさらに含み得る。加えて、図5に示されるように、クランプ回路104はゲート-ソースPCB600上に配置され得る。
【0045】
一つの態様では、パワーモジュール100はパワーエレクトロニクス産業で一般的な設置面積で構成され得る。一つの態様では、パワーモジュール100の設置面積は48mm×93mm離れて配置されたM6取付け穴を有する62mm×107mmのベースプレート200を用いて実装され得る。一つの態様では、一般的な設置面積を使用することで既存のシステムを有する顧客がシステムの再設計に投資することなくパワーモジュール100を利用することが可能になる。言うまでもなく、他のサイズの実施形態もまた考えられる。
【0046】
一方、いくつかの態様ではパワーモジュール100の長さおよび幅は業界標準に適合しており、パワーモジュール100の高さは従来技術の実施形態よりも2倍から3倍薄くてもよい。一つの態様では、パワーモジュールは15mm以下の厚さであり得る。一つの態様では、パワーモジュールは13mm以下の厚さであり得る。一つの態様では、パワーモジュールは10mm以下の厚さであり得る。これにより、経路長をより短くすることでパワーモジュールのインダクタンスが劇的に低減され、部分的に通電性能が向上する。それはまたパワーコンバータまたは他の用途においてシステムレベルの体積を節約する主要な要因を提供し得る。
【0047】
パワーモジュール100の上部サイズと厚さ寸法の比較が、上面図と側面図との比較において図6に示されている。一つの態様では、パワーモジュール100の寸法は65mm×110mm×10mmである。ハウジング800は電圧分離のためにベースプレート200を覆うシースのように延在してもよく、これはベースプレート200の寸法を超えて各側に3mmの追加分を占める。一つの態様では、パワーモジュール100は71.5cm3の体積と140gの重量を有し得る。別の態様ではパワーモジュール100の寸法は65mm×110mm×13mm以下である。別の態様では、パワーモジュール100の寸法は65mm×110mm×15mm以下である。
【0048】
一つの態様では、パワーモジュール100は伝導のために設置面積のうち57.5mm×73mm、42cm2を利用し得る。これは通電専用の60%の利用である。残りの面積は取り付けに5%、ゲートドライブ接続部に5%、最小壁厚、電圧クリーページエクステンダ、強化リブを含むプラスチックフィーチャに30%が使用され得る。
【0049】
図7図4のパワーモジュールの複数の並列デバイスに対する電流の流れを示す。図7に示されるように、パワーモジュール100のパワーループ710は多数のパワーデバイス500を効果的に並列接続するために構成され得る。特には、図7はパワーデバイス501-511を示す。それにもかかわらず、パワーモジュール100は任意の数のパワーデバイス500を含み得ることが考えられる。いくつかの態様では、パワーモジュール100はその構成に応じて二つ、四つ、またはそれよりも多くのスイッチ位置を有することができ、これは後に詳細に説明される。さらに、パワーモジュール100は任意の数のスイッチ位置を用いて構成することができる。図7は上方位置480および下方位置490を示す。各スイッチ位置の配置は非常にフレキシブルであり、そのためそれらは高価なパワーモジュール100を修正することなく特定の要素に合わせて調整することができる。例えば、位置はパワーデバイス500と同数のダイオード、少数のダイオードのみを有するか、または全く存在しなくてもよい。図7は「V+」端子410(400)から「中間」端子420(400)へ移動する電流の均等な供給電流経路120を描写するパワーループ710を表したものであり、下方位置490内のパワーデバイス500に使用される「V-」端子430(400)もまた示されている。このレイアウトのさらなる利益は、各パワーデバイス500の均等な間隔がそれらを少ない場所に集中させるのではなくパワーモジュール100にわたって熱源が拡散するのを助けることである。
【0050】
図7にさらに示されるように、所定の態様ではパワーモジュール100のほぼ全幅が電流の伝導のために利用される。パワーモジュール100が高すぎた場合は多くの利益が失われるであろう。最悪の場合、パワーコンタクト410、420、430を通って流れる長さは、パワー基板300に到達した後に流れる経路よりも長くなるであろう。したがって、パワーコンタクト400はシステムの抵抗およびインダクタンスに対してそれらが無視できる量の貢献をするように低い高さを有するように構成および設計され得る。したがって、パワーコンタクト400はそれらがシステムの抵抗およびインダクタンスに対してごくわずかな量しか寄与しかしないように、低い高さを有するように構成および設計され得る。
【0051】
図8図4のパワーモジュールのパワーコンタクト構成を示す。一つの態様では、パワーコンタクト400は低い高さを有し得る。パワーコンタクト400の低い高さはデュアルベンディングプロセスを使用することによって達成され得る。最初に、パワーコンタクト400は金属スタンピング操作でエッチング等によって形成し、続いてプレスブレーキによって形成し得る。ベース450で90°に曲げることで垂直体460を有する「L」字型コネクタが形成される。ベース450はパワー基板300に半田付けされ得る。ベース450は全体的な形状と比較して相対的に薄くなるように構成され得る。これはこの接着によって消費される面積を減らし、パワーモジュール100の内側のよりアクティブなパワーデバイス500の面積を可能にする。これによりこの接着によって消費される面積が減り、パワーモジュール100内でよりアクティブなパワーデバイス500の面積が可能になる。この薄い接着の接着性を向上させるために、千鳥状の穴または半田キャッチ454をベース450の底面上のボンディング面452に沿ってエッチングまたは形成し得る。製造中、溶融半田は毛細管現象により半田キャッチ454を這い上がることがある。ひとたび凝固すると、半田キャッチ454の内側の半田は多方向での接着強度を実質的に向上させる。半田キャッチ454を有する例示的なパワーコンタクト400が図8に示される。
【0052】
図8にはまた、コンタクト上部470を形成するために製造プロセスの最後に「L」字型のパワーコンタクト400を二回曲げる方法が示されている。曲げる前に、アンダーカットが存在しないのでパワーコンタクト400の垂直体460はハウジング800が適切な場所に落ちることを可能にする。所定の態様では、ハウジング800は単一のピースのプラスチックハウジングであり得る。第二の曲げ部472の半径は第一の曲げ部462ほど大きくなくてもよい。これによりプロセスにおいてある程度の公差を提供され、よりスムーズな曲げ操作をもたらされ得る。第二の半径472はこの段階でパワーコンタクト400のリーディングエッジ464に接触し得るプラスチックハウジング800内の予備成形された半径810を介して容易にされ得る。明確に設計された回転曲げハードウェアは反対側の表面466を平らに押し付けて、パワーコンタクト400をキャプティブファスナ900の上に折り畳み得る。「L」字型コンタクトを「C」字型形状に曲げることの例は、図9に湾曲した矢印によって示されている。
【0053】
折り畳まれたパワーコンタクト400の下に薄型ファスナ900を配置してもよく、一つの態様では、ファスナ900はねじ山を設けられてもよい。例えば、ファスナはナットであり得る。これらのファスナ900はパワーコンタクト400の下に固定され得る。ファスナ900はそうでなければ緩んでいてもよい。キャプティブファスナ900は、パワーモジュール100がバスバーにボルトで固定される際にファスナ900およびパワーコンタクト400がバスに向けて上方に引っ張られ、より高品質の電気接続を形成するように配置され得る。ファスナ900がハウジング800に固定されている場合、それらはバスをパワーモジュール100に引き下げるように作用する可能性があり、バスバーの硬さに起因して接続不良を形成する可能性がある。
【0054】
図10図4のパワーモジュールのパワーモジュールベースプレートを示す。特には、図10はパワーモジュール100ベースプレート200が業界標準の62mmジオメトリに適合するようにどのように構成され得るかを示しており、隅に取付け穴203のための設定された直径および位置を有する。いくつかの態様におけるベースプレート200の厚さはCADモデルのパラメトリック有限要素解析を使用することで微調整され得る。これは所定の実用上の制限の間で厚さを一掃することならびに熱的および機械的応答を測定することによって達成される。最小の機械的な歪みで最良の熱的性能を達成する材料と厚さとの組み合わせを次に選択し得る。パワーモジュール100プレートのさらなる特徴はMMC材料に応じてねじ穴が設けられたボード穴242およびハウジング穴290を含み得るスタンドオフ240を含むように機械加工または成形され得る。スタンドオフ240はゲート-ソースPCB600が撓むことなくボルトで固定することができるようにパワー基板300を有する平面を提供し得る。
【0055】
図11図4のパワーモジュールのゲート-ソースPCB二次基板を示す。ゲート-ソースPCB600はゲートおよびソースケルビン接続を形成するために必要とされる各スイッチ位置について独立した電気経路を含んでもよく、これはパワーデバイス500を制御するために必要であり得る。加えて、ゲート-ソースPCB600はクランプ回路104を含み得る。パワーデバイス500は広く均等化されたパワーの経路と干渉しないように構成されたゲートおよびソースケルビンルーティングと並列に配置され得る。図11はパワーモジュール100およびそのバリエーションがパワー基板300上に配置されてもよく、次いでベースプレート200に固定され得る単一のピースの二次ゲート-ソースPCB600をどのように含み得るかを示す。
【0056】
図11から図15に示されるように、ゲート-ソースPCB600は多数のパワーモジュール100構成を可能にするために外部ダイアパーチャ603または中間ダイアパーチャ605等のダイアパーチャを画定するための四つの位置、すなわち上部または第一の位置611、上中部または第二の位置612、下中部または第三の位置613、および底部または第四の位置614のうち一つに位置し得る二つの相互接続チャネル602、604を有し得る。ゲート-ソースPCB600は必要に応じて他の位置および相互接続チャネルを利用し得る。本質的に、各相互接続チャネル602、604の相対的なレイアウトは同じであり得る。しかしながら、関連するダイアパーチャ603、605ならびにパワーデバイス500の配置および回転が各形態に一致するように、位置および方向を一致させるように適合させることができる。これはそれぞれハーフブリッジ、共通ソース/エミッタ、および共通ドレイン/コレクタ形態を示す矢印を用いて図12図13、および図14に示されている。これらの各々は、パワー基板300のレイアウトならびにパワーコンタクト400およびハウジング800のフォーマットに応じて、単一または二つのチャネル配置を含み得る。
【0057】
図15に示されるように、並列接続を助けるために、個々のバラスト抵抗器640がゲート-ソースPCB600に含まれ得る。これらのボードが利用できる平行平面、クロックツリー分配等のような多くの異なるレイアウトが存在するが、より効果的なものの一つは、多数のボンディング位置642を有する低コストの単層モジュラー配置である。示されるように、ゲートトラック650およびソーストラック652は相互接続チャネル654の長さにわたって延在し得る。ソースワイヤボンドはソーストラック652に直接形成され得る。各ゲートは個々のゲートパッド651に接合されてもよく、抵抗器640を介してゲートトラックに接続されてもよい。抵抗器640の値はデバイスおよび用途に依存し、パワーモジュール100の構成間で異なるであろう。
【0058】
図16図4のパワーモジュールのパワー基板ハーフブリッジ配置を示す。図17図4のパワーモジュールのパワー基板共通ソース/エミッタ配置を示す。図18図4のパワーモジュールのパワー基板共通ドレイン/コレクタ配置を示す。特には、図16はパワー基板300を示す。金属層304はハーフブリッジ基板330については図16、共通ソース/エミッタ基板340については図17、共通ドレイン/コレクタ基板350については図18に示されるように、各構成に対する上部および下部デバイス500の位置を示す形態固有のパターン330、340、350にエッチングされ得る。これらのレイアウトの各々はパワー基板300の中心に沿って線をエッチングすることによって二つのチャネル配置に分割され得ることにも留意されたい。必要に応じて、それらをチャネルごとに個々の基板に分割され得る。これはより小さな基板はより少ないストレスを受けるため、より過酷な環境にも有用であり得る。
【0059】
図19図4のパワーモジュールのハウジング上面の特徴を示す。20は図4のパワーモジュールのハウジング裏面の特徴を示す。
【0060】
ハウジング800は強化高温プラスチックを用いて射出成形プロセスで形成され得る。ハウジング800は傷が付きやすいパワーデバイス500に対する保護バリアであるのに加えて多くの機能を果たし得る。これは電圧遮断、キャプティブファスナ900のための機械的支持、パワーコンタクト曲げプロセスのためのガイド、ゲルパッシベーションの進入区域、ゲルパッシベーションプロセスの通気孔、自己強化内部リブ812、を含む。これらの特徴の多くは図19および図20に描写されている。高アスペクト比のトレンチは露出した金属コンタクト間の表面距離を増大させ、電圧遮断性能を増大させるためにパワーコンタクト400の周囲に配置され得る。
【0061】
図19はクリーページエクステンダ802、パッシベーション進入部および通気孔804、キャプティブファスナ開口部806、ラベリング領域808、およびパワーコンタクトピンチおよび半径810を含む高温プラスチックハウジング上面の特徴を示す。図20は強化リブ812、太いボルト孔コアセクション814、ボルトヘッドクリアランス凹部816、ファスナインセットの底部818、パワーコンタクト進入口820、およびワイヤボンドクリアランス開口部822を含む裏面の特徴を示す。
【0062】
図21図4のパワーモジュールのパワーモジュールアセンブリから分離されたハウジングを示す。図22図4のパワーモジュールのパワーコンタクトガイドを示す。
【0063】
図21はパワーコンタクト400が狭い開口部またはスロット820を通ってルーティングされた状態で、パワーモジュール100の上面を形成するためにハウジング800が電子サブアセンブリ上をどのようにスライドするかを示す。ハウジング800は二点でベースプレート200のねじ用ハウジング孔290にボルト830で締められ得る。この段階で、ゲルパッシベーション材料をパワーモジュール100に注入して完全に硬化させることができる。複数の開口部および通気孔804はこの組み立て工程を助ける。パワーコンタクト400用のハウジング800内のスロット820は、このプロセスを助けるための下書きされた「ガイド(guides)」および折り曲げ手順を助けるための上部の丸いフィレット810を有する。これらは図22に示されている。
【0064】
これまでに論じられたように、パワーモジュール100は様々な有用な電力工学の形態で構成可能である。これらはハーフブリッジ、共通ソース/エミッタ、および共通ドレイン/コレクタを含む。パワー基板300およびゲート-ソースPCB600のレイアウト変更ならびにパワーコンタクト400およびハウジング800の変更を通してチャネルを分割することにより、フルブリッジ、共通ソース/エミッタ、および共通ドレイン/コレクタデュアルチャネルを含む三つのさらなる構成が可能になる。
【0065】
図23図4のパワーモジュールのハーフブリッジ、単一チャネル共通ソースまたはドレイン/コレクタモジュールを示す。図24は本開示の別の態様によるパワーモジュールのフルブリッジ、デュアルチャネル共通ソース/エミッタまたはドレイン/コレクタモジュールを示す。図25は本開示の別の態様によるパワーモジュールの延長された単一ハウジングの並列モジュール構成を示す。
【0066】
図23はハーフブリッジ、単一チャネル共通ソース/エミッタ、および単一チャネル共通ドレイン/コレクタ構成のための第一の外部構成150を示す。各側に二つずつ、ゲートドライブコネクション700のための四つの位置701、702、703、704が存在する。片側または両側がこの目的のために使用され得る。図24に示されるデュアルチャネル配置152のためにパワーコンタクト400は分割され二つの完全に分離されたチャネルを提供する。両側にゲートドライブコネクタ700が必要となる場合がある。この配置はフルブリッジ、デュアルチャネル共通ソース/エミッタ、およびデュアルチャネル共通ドレイン/コレクタ形態に使用される。
【0067】
より高い電流のため、および単一モジュールを所望する顧客のために、デュアルパワーモジュール2500のより大きな並列配置は単一のハウジング800内に並んで構築された二つのモジュールから組み立てられ得る。これは図25に示されている。
【0068】
[実験結果]
図26はパワーモジュールの試験性能データを提供するためのクランプ誘導負荷(CIL)試験装置の概略図を示す。クランプ回路104の性能を検証するために、CIL試験装置1が利用された。クランプ回路104の試験の性能基準がパワーモジュール6のゲート電圧であり、コモンモードノイズの影響を受けやすいために差動プローブは利用されなかった。差動プローブを用いることなくパワーモジュール6のゲート性能を正確に測定することを可能にするために、下方デバイス4の電圧のみが測定された。
【0069】
CIL試験装置1の概略図が図26に示されており、そこでは誘導負荷2がパワーモジュール6のハーフブリッジの中間点5からパワーモジュール6の下方デバイス4のソースに結び付けられている。上方デバイス3がターンオンされ、中間点電圧がバス電圧まで急激に上昇する。図26はさらに抵抗器8(CVR)に並列に接続する一対のキャパシタ7(CBULKおよびCHF)を示す。
【0070】
CIL試験装置1のこの配置および動作は、理論的には下方デバイス4に最大電圧外乱を生じさせた。関連するゲート-ソースケルビンPCBの一部はパワーモジュール6をゲートドライバに接続する信号接続専用であるため、ゲート-ソース電圧測定用のケルビン試験ポイントを作成するためにサイドパッドのいくつかが利用された。この測定アプローチはきれいで代表的な電圧波形を可能にし、理論的にはゲートドライバによってパワーモジュール6の相互接続部に導入されるインダクタンスのあらゆる影響を含まなかった。
【0071】
最初に、対照試料を試験した。市販のゲートドライバは逆並列ショットキーダイオードを用いずに、カスタムCAS325M12HM2パワーモジュール6(1200V、325A、アーカンソー州ファイエットビルのWolfspeedによって製造されたシリコンカーバイド高性能62mmハーフブリッジモジュール)を用いて試験された。ゲートドライバでは0Ωターンオン抵抗器と共に5Ωターンオフ抵抗器が使用された。このゲート抵抗器の配置はターンオン損失を低減し、ターンオフ電圧のオーバーシュートを制限するために選択された。バス電圧は400Aのドレイン電流で800Vになるように選択された。下方デバイス4のゲート電圧は上方デバイスがターンオンされたときの図27から図29の下側のグラフに示されている。
【0072】
図27はゲートクランプ無しのパワーモジュールに対する試験データのグラフを示す。特には、図27はゲートクランプ無しでの強制転流時のローサイドMOSFETドレイン電圧および電流(上のグラフ)ならびにゲートクランプ無しでの強制転流時のMOSFETゲート電圧(下のグラフ)を示す。より具体的には、図27はローサイドMOSFETのドレイン電圧および電流(上のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするドレイン電圧および単位をアンペア(A)とするドレイン電流、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。図27はさらにMOSFETのゲート電圧(下のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするゲート電圧、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。図27に示されるように、ゲート電圧はデバイスの閾値電圧を上回る+5Vにまでスパイクする。パワーモジュール6の未使用のゲート-ソースピンは可能な限り多くの結合を除去するためにケルビンコンタクトとして使用された。ゲートでの測定から、パワーモジュール6内のデバイスはミラー誘導チャージアップを経験するが、シュートスルー点までは経験しないことは明らかである。図27はさらにピーク電圧の上昇が-6Vから+5Vまでで、11Vの上昇であることを示す。これは所望の-6Vから11Vである。さらに、図27はピーク・ツー・ピーク電圧が11Vであることを示す。
【0073】
図28はゲートドライバに配置されたクランプ回路を有するパワーモジュールについての試験データのグラフを示す。特には、図28はゲートドライバに配置されたクランプ回路有りの強制転流時のローサイドMOSFETのドレイン電圧および電流(上のグラフ)ならびにゲートドライバに配置されたクランプ回路有りの強制転流時のMOSFETのゲート電圧(下のグラフ)を示す。より具体的には、図28はローサイドMOSFETドレイン電圧(上のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするドレイン電圧および単位をアンペア(A)とするドレイン電流、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。図28はまたMOSFETのゲート電圧(下のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするゲート電圧、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。
【0074】
図28の実施形態では、ゲートドライバボードに配置された(しかしモジュールの内部ではない)クランプ回路を用いて調整されたゲートドライバが試験された。ドライバおよびパワーモジュール6は同じ条件下で試験された。図28の結果はゲートドライバPCBにクランプ回路を導入するとデバイスのゲートにおいてみられるオーバーシュートをわずかに約0.4V低減させることを示している。この時点でゲートは約4.6Vでピークに達し、これはまだデバイスの閾値電圧を上回っている。クランプ回路がゲート抵抗器とMOSFETとの間に配置されているため、ターンオフMOSFETの値を小さくしてもミラー誘導チャージアップを低減させるのには役立たないのは明らかである。クランプ回路はネガティブレールに非常に低インピーダンスの経路を提供することができるが、ゲートドライバとパワーデバイスとの間の相互接続インピーダンスはこの時点で支配的である。これはクランプ回路をゲートドライバ上に配置しなければならない場合、パワーモジュール6のゲートにみられる電圧スパイクを除去するための唯一の方法は相互接続インダクタンスを低減させることであり、これは通常はバスバーのクリーページ、クリアランスの制約等のために実現不可能であることを示している。図28はさらにピーク電圧の上昇が-6Vから+4.6Vまでで、10.6Vの上昇であることを示す。これは所望の-6Vから10.6Vである。さらに、図27はピーク・ツー・ピーク電圧が約13.6Vであることを示す。
【0075】
図29は本開示に基づくパワーモジュールと共に配置されたクランプ回路を有するパワーモジュールについての試験データのグラフを示す。特には、図29は本開示に基づくパワーモジュール内に配置されたクランプ回路有りでの強制転流時のローサイドMOSFETのドレイン電圧および電流(上のグラフ)ならびに本開示に基づくパワーモジュール内にまたしても配置されたクランプ回路有りでの強制転流時のMOSFETのゲート電圧を示す。より具体的には、ローサイドMOSFETのドレイン電圧(上のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするドレイン電圧および単位をアンペア(A)とするドレイン電流、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。さらにMOSFETゲートの電圧(下のグラフ)を示しており、縦軸は単位をボルト(V)とするゲート電圧、横軸は単位を秒(s)とする時間を示す。
【0076】
本開示に基づく組み込まれたクランプ回路実施形態を有するパワーモジュール6は同じ電圧および電流条件下で試験された。
【0077】
図29に示されるように、最大ゲート電圧は-2Vであった。図29はピーク電圧の上昇が-6Vから-2Vまでであり、4Vの上昇であることを示している。これは所望の-6Vから4Vである。さらに、図29はピーク・ツー・ピーク電圧が約8Vであるのを示している。4Vの上昇は図27に関連するクランプ回路を有しない実施形態よりも64%小さく、図28に関連するゲートドライバのクランプ回路を有する実施形態よりも62%小さい。さらに、図29に示されるピーク・ツー・ピーク電圧は8Vであり、これは図28に関連する実施形態よりも27%小さく、図27に関連する実施形態よりも41%小さい。
【0078】
本開示によるクランプ回路の実施形態はMOSFETのゲートへのほぼ直接的なアクセスを有し、したがってゲートでみられる電圧チャージアップを劇的に低減させることが可能である。ゲート電圧は約-2Vまで上昇し、これは適切な負のバイアスよりも大きい。クランプ回路は最悪の条件下であってもゲートを確実に制御し続けることができる。最も厳しい条件下でのクランプ回路の性能を証明するために極端な条件を再現するため、ドレイン電圧dv/dtを非常に高速にした。
【0079】
示された実験結果に基づき、高性能パワーモジュールにクランプ回路を含めることには説得力のある理由が存在する。パワーモジュールのゲートドライバをそれほど複雑にすることなく、優れたゲート制御が可能である。MOSFETのような小信号デバイスによってクランプ回路が実現されるため、このようなデバイスを追加することによる追加費用はほとんどない。さらに、パワーモジュール内のクランプ回路配置の有益な性能は異なる電圧および異なる電流を利用する実施形態にも同様に展開し得ることを理解されるべきである。これに関して、本開示は試験された特定の電圧および電流に限定されるべきではない。本開示は他の可能な電圧および電流に対する利益を考慮する。
【0080】
本開示のさらなる態様では、ゲートドライバの要件をさらに単純化するためにクランプ回路104がパワーモジュール100に組み込まれ得る。これに関して、クランプ回路104はさらにパワーモジュール100内のセンスおよび制御回路214の制御ロジックと一体化されてもよく、そのため顧客側からさらなるゲートドライブ回路が必要とされることは無いだろう。これはさらなる部品を有するより重要なゲート-ソースケルビンPCBを必要としてもよいが、ユーザの観点からの単純化は追加の一回限りの設計の複雑さに値するものである。さらなる態様では、本開示の態様はゲートドライバ回路の単純化を容易にすることができ、これはネガティブゲートレールを除去する能力を有することができる。クランプ回路104は非常に良好なゲート制御能力を示すため、MOSFETのようなパワーデバイスを0Vレベルに駆動することおよびデバイスが確実にオフに保持されるよう一体化されたクランプ回路104を利用することが可能である。ネガティブレールを除去することによりゲートドライバ自体に対するパワー供給の要件を低減してもよく、それによってコストおよび複雑さを低減される。ゲートドライバのパワー供給の要件を単純化することでSiC MOSFETのようなパワーデバイスを標準のSiゲートドライブレールおよびIC上で動作させることを可能にする可能性を有する。したがって、本開示は本明細書に記載の多数の利益を有する一体型クランプ回路を有する改良型パワーモジュール100を説明している。例えば、クランプ回路104をパワーモジュール100に物理的に近接配置することによりパワーデバイス500の性能が向上する。さらに、クランプ回路104をパワーモジュール100に物理的に近接配置することによりパワーモジュール100の動作および制御に関して顧客の複雑さが低減される。パワーモジュール100の用途はモータ駆動装置、太陽光インバータ、回路遮断器、保護回路、DC-DCコンバータ等を含む。
【0081】
本開示の態様は本開示の態様が示されている添付図面を参照して上記で説明されている。しかしながら、この開示は多くの異なる形態で実施されてもよく、上述の態様に限定されるべきでないことを理解されたい。むしろ、これらの態様はこの開示が徹底的かつ完全であり、開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。全体を通して同様の番号は同様の要素を指す。
【0082】
第一、第二等の用語は本明細書を通して様々な要素を説明するために使用されており、これらの要素はこれらの用語によって制限されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語はある要素を別の要素と区別するためにのみ使用されている。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一の要素を第二の要素と呼ぶことができ、同様に、第二の要素を第一の要素と呼ぶことができる。「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の一つまたは複数のいくつかおよび全ての組み合わせを含む。
【0083】
本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprise)」「備えている(comprising)」、「含む(include)」および/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または部品の存在を明示するが、一つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、部品、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0084】
層、領域または基板のような要素が別の要素「上(on)」に存在しているかまたは「上へ(onto)」延在していると述べられる場合、他の要素上に直接存在するかまたは他の要素上へ直接延在する可能性があり、または介在する要素が存在する可能性もあることを理解されたい。対照的に、ある要素が別の要素「上に直接(directly on)」存在しているかまたは他の要素「上へ直接(directly onto)」延在していると述べられる場合、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続されて(connected)」いるかまたは別の要素に「結合されて(coupled)」いると述べられる場合、他の要素に直接接続または結合されるかまたは介在する要素が存在し得ることもまた理解されたい。対照的に、要素が別の要素に「直接接続されて(directly connected)」いるかまたは別の要素に「直接結合されて(directly coupled)」いると述べられる場合、介在する要素は存在しない。
【0085】
「よりも下(below)」または「よりも上(above)」または「上側の(upper)」または「下側の(lower)」または「上部(top)」または「底部(bottom)」等の相対的な用語は、本明細書では図に示される一つの要素、層または領域と別の要素、層または領域との関係を説明するために使用される。これらの用語は、図に描写された方向に加えて、デバイスの異なる方向を包含することを意図していることを理解されたい。
【0086】
本開示の態様は本開示の理想的な実施形態(および介在する構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明されている。図面中の層および領域の厚さは分かりやすくするために誇張されている場合がある。加えて、例えば製造技術および/または公差の結果としての図の形状からの変形が予想されるべきである。
【0087】
図面および明細書において、本開示の典型的な態様が開示されてきたが、固有の用語が用いられているもののそれらは一般的かつ説明する意味でのみ使用され、以下の特許請求の範囲で明らかにされている本開示の範囲を限定することを目的とするものではない。
【0088】
本開示を例示的な態様に関して説明してきたが、当業者においては本開示が添付の特許請求の範囲の精神および範囲内での調整を加えて実施できることを認識されるであろう。前述の所与のこれらの例は単に例示的なものであり、全ての可能性のある本開示の設計、態様、用途または調整の余すところのないリストの意味をもつものではない。前述のこれらの例は単に例示的なものであり、本開示の全ての可能な設計、態様、用途または調整の網羅的なリストを意味するものではない。これに関して、様々な態様、特徴、部品、要素、モジュール、配置、回路等は交換可能、混在、適合、組み合わせ等であると考えられる。これに関して、本開示の異なる特徴はモジュール式であり、互いに混在させ、そして互いに適合させることができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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