(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】半導体パッケージ、及び駆動装置
(51)【国際特許分類】
G01R 33/07 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
G01R33/07
(21)【出願番号】P 2022106345
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2022-07-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】坂元 亮太
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/085319(WO,A1)
【文献】特開2016-118409(JP,A)
【文献】国際公開第2006/018939(WO,A1)
【文献】特開2012-54339(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091714(WO,A1)
【文献】実開平1-154411(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0153138(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/07
H01L 43/06
G11B 5/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホール素子を内蔵する半導体チップと、前記半導体チップの一面側に配置される複数の外部端子とを有する半導体パッケージであって、
前記半導体パッケージは、平面視で第1方向に延びる矩形状であり、
前記複数の外部端子は、前記第1方向に沿った第1列に含まれる複数の第1外部端子と、前記半導体パッケージの中心を挟んで前記第1列に対向し、かつ前記第1方向に沿った第2列に含まれる複数の第2外部端子とを含み、
前記複数の第1外部端子のそれぞれの重心は、前記複数の第2外部端子のそれぞれの重心と前記第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向において重ならず、
前記複数のホール素子は、第1ホール素子と、第2ホール素子とを含み、
前記第1ホール素子及び前記第2ホール素子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の点に関して点対称に配置され、
前記第1ホール素子は、前記複数の第1外部端子のうちの第1外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われ、
前記第2ホール素子は、前記複数の第2外部端子のうちの第2外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われ、
前記第1ホール素子の前記第1外部端子に平面視で覆われる第1領域と、前記第2ホール素子の前記第2外部端子に平面視で覆われる第2領域とは、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称である、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記複数のホール素子は、第1群に属する前記第1ホール素子及び第3ホール素子と、第2群に属する前記第2ホール素子及び第4ホール素子とを含み、
前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称に配置される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記半導体パッケージを、平面視で、前記半導体パッケージの中心を通る前記第1方向に沿った第1軸及び前記第2方向に沿った第2軸で第1事象領域、第2事象領域、第3事象領域、及び第4事象領域に区分けした場合、前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は前記第1事象領域上に配置され、前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は前記第3事象領域上に配置される、または前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は前記第2事象領域上に配置され、前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は前記第4事象領域上に配置される、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記半導体チップは、前記第1ホール素子、前記第2ホール素子、前記第3ホール素子、及び前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和に基づいて、前記半導体パッケージに対して磁石の位置または姿勢を相対的に変化させる駆動部を制御するための駆動信号を出力する制御回路をさらに内蔵する、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記制御回路は、前記出力の和を増幅する増幅回路を含む、請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記制御回路は、前記第1ホール素子と前記第3ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和と、前記第2ホール素子と前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和との差にさらに基づいて、前記駆動部を制御する、請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記差に対する前記第1ホール素子、前記第2ホール素子、前記第3ホール素子、及び前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の前記和の比を増幅する増幅回路を含む、請求項6に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記複数の外部端子は、前記半導体パッケージに電源を供給する一対の電源用端子と、前記制御回路から前記駆動部への駆動信号を出力する一対の駆動用端子と、外部と通信するための一対の通信用端子とを含み、
前記第1外部端子及び前記第2外部端子は、前記一対の駆動用端子の一方と、前記一対の電源用端子の一方である、請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記複数の外部端子のいずれとも平面視で重ならない、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記第1ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われ、
前記第2ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われ、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われ、
前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われる、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第1ホール素子及び前記第2ホール素子は、前記第1方向において対向する一対の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向において対向する一対の第2電極とを有し、
前記第1ホール素子において、前記一対の第1電極が、出力電極であり、
前記第2ホール素子において、前記一対の第2電極が、出力電極である、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記第1ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われ、
前記第2ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われ、
前記第3ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で一部が覆われ、
前記第4ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で一部が覆われる、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第1方向において対向する一対の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向において対向する一対の第2電極とを有し、
前記第3ホール素子において、前記一対の第2電極が、出力電極であり、
前記第4ホール素子において、前記一対の第1電極が、出力電極である、請求項13に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
前記第1外部端子及び前記第2外部端子のそれぞれは、前記複数の外部端子のうち平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に最も近い位置にある外部端子である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
前記第1外部端子及び前記第2外部端子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項17】
前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は、前記第1方向に沿って一列に配置され、
前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第1方向に沿って一列に配置される、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
前記第3ホール素子と前記第4ホール素子は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って一列に配置される、請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
前記半導体パッケージの前記第1方向の幅は、前記半導体パッケージの前記第1方向と交差する第2方向の幅より長い、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記第1方向の幅は、前記第2方向の幅の1.65倍以上長い、請求項19に記載の半導体パッケージ。
【請求項21】
前記第1方向の幅は、前記第2方向の幅の2.5倍以上長い、請求項19に記載の半導体パッケージ。
【請求項22】
前記複数の外部端子の平面視での面積の合計は、前記半導体パッケージの平面視での面積の14%以上である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項23】
前記複数の外部端子の平面視での面積の合計は、前記半導体パッケージの平面視での面積の19%以上である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項24】
前記複数の外部端子は、前記第1方向に沿って、2列に配置される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項25】
前記半導体チップの上方に配置され、前記半導体チップと電気的に接続される再配線層と、
前記再配線層の上方に配置される封止材とをさらに備え、
前記複数の外部端子は、前記封止材を介して前記再配線層と電気的に接続される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項26】
前記再配線層は、前記複数の外部端子の少なくとも1つの外部端子から前記第1方向に沿って100μm以上延びて前記半導体チップと電気的に接続される配線を含む、請求項25に記載の半導体パッケージ。
【請求項27】
前記配線は、平面視で前記少なくとも1つの外部端子の中心を通る前記第1方向に沿った線上に延びる部分を有する、請求項26に記載の半導体パッケージ。
【請求項28】
前記再配線層は、前記複数の外部端子の少なくとも1つから前記第2方向に沿って100μm以上延びて前記半導体チップと電気的に接続される配線を含む、請求項25に記載の半導体パッケージ。
【請求項29】
ウエハレベルチップサイズパッケージ(WL-CSP)である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項30】
磁石を保持する第1部分と、
請求項1から29の何れか1つに記載の半導体パッケージを前記磁石に対向するよう保持する第2部分であって、前記第1部分に対して前記第2部分の位置または姿勢を変更可能に前記第1部分に保持される第2部分と、
前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を変更させる駆動部と
を備え、
前記半導体パッケージは、前記複数のホール素子からの出力に基づいて前記駆動部に駆動信号を出力する、駆動装置。
【請求項31】
前記第1部分は、レンズ部をさらに保持し、
前記第2部分は、前記レンズ部を介して結像された像を撮像する撮像素子をさらに保持する、請求項30に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ、及び駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長手方向に沿って千鳥状に配置された端子を有する半導体パッケージが開示されている。特許文献2には、ホールセンサを温度及び機械的応力の両方に関して補償するための方法及びデバイスが開示されている。特許文献3には、ホール素子の駆動電流の方向を切り替えることでオフセットを低減することが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第6826088号公報
[特許文献2]特許第6371338号公報
[特許文献3]特許第5658715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ホール素子を内蔵する半導体パッケージにおいて、オフセットの影響を低減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る半導体パッケージは、複数のホール素子を内蔵する半導体チップと、前記半導体チップの一面側に配置される複数の外部端子とを有する半導体パッケージでよい。前記半導体パッケージは、平面視で第1方向に延びる矩形状でよい。前記複数の外部端子は、前記第1方向に沿った第1列に含まれる複数の第1外部端子と、前記半導体パッケージの中心を挟んで前記第1列に対向し、かつ前記第1方向に沿った第2列に含まれる複数の第2外部端子とを含んでよい。前記複数の第1外部端子のそれぞれの重心は、前記複数の第2外部端子のそれぞれの重心と前記第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向において重ならなくてよい。前記複数のホール素子は、第1ホール素子と、第2ホール素子とを含んでよい。前記第1ホール素子及び前記第2ホール素子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の点に関して点対称に配置されてよい。前記第1ホール素子は、前記複数の第1外部端子のうちの第1外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われてよい。前記第2ホール素子は、前記複数の第2外部端子のうちの第2外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われてよい。前記第1ホール素子の前記第1外部端子に平面視で覆われる第1領域と、前記第2ホール素子の前記第2外部端子に平面視で覆われる第2領域とは、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称でよい。
【0005】
前記半導体パッケージにおいて、前記複数のホール素子は、第1群に属する前記第1ホール素子及び第3ホール素子と、第2群に属する前記第2ホール素子及び第4ホール素子とを含んでよい。前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称に配置されてよい。
【0006】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記半導体パッケージを、平面視で、前記半導体パッケージの中心を通る前記第1方向に沿った第1軸及び前記第2方向に沿った第2軸で第1事象領域、第2事象領域、第3事象領域、及び第4事象領域に区分けした場合、前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は前記第1事象領域上に配置され、前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は前記第3事象領域上に配置される、または前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は前記第2事象領域上に配置され、前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は前記第4事象領域上に配置されてよい。
【0007】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記半導体チップは、前記第1ホール素子、前記第2ホール素子、前記第3ホール素子、及び前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和に基づいて、前記半導体パッケージに対して磁石の位置または姿勢を相対的に変化させる駆動部を制御するための駆動信号を出力する制御回路をさらに内蔵してよい。
【0008】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記制御回路は、前記出力の和を増幅する増幅回路を含んでよい。
【0009】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記制御回路は、前記第1ホール素子と前記第3ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和と、前記第2ホール素子と前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の和との差にさらに基づいて、前記駆動部を制御してよい。
【0010】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記制御回路は、前記差に対する前記第1ホール素子、前記第2ホール素子、前記第3ホール素子、及び前記第4ホール素子から出力される磁場の大きさを示す出力の前記和の比を増幅する増幅回路を含んでよい。
【0011】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記複数の外部端子は、前記半導体パッケージに電源を供給する一対の電源用端子と、前記制御回路から前記駆動部への駆動信号を出力する一対の駆動用端子と、外部と通信するための一対の通信用端子とを含んでよい。前記第1外部端子及び前記第2外部端子は、前記一対の駆動用端子の一方と、前記一対の電源用端子の一方でよい。
【0012】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記複数の外部端子のいずれとも平面視で重ならなくてよい。
【0013】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われてよい。前記第2ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われてよい。
【0014】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われてよい。前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われてよい。
【0015】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1ホール素子及び前記第2ホール素子は、前記第1方向において対向する一対の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向において対向する一対の第2電極とを有してよい。前記第1ホール素子において、前記一対の第1電極が、出力電極でよい。前記第2ホール素子において、前記一対の第2電極が、出力電極でよい。
【0016】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で全て覆われてよい。前記第2ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で全て覆われてよい。前記第3ホール素子は、前記第1外部端子に平面視で一部が覆われてよい。前記第4ホール素子は、前記第2外部端子に平面視で一部が覆われてよい。
【0017】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第3ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第1方向において対向する一対の第1電極と、前記第1方向と交差する第2方向において対向する一対の第2電極とを有してよい。前記第3ホール素子において、前記一対の第2電極が、出力電極でよい。前記第4ホール素子において、前記一対の第1電極が、出力電極でよい。
【0018】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1外部端子及び前記第2外部端子のそれぞれは、前記複数の外部端子のうち平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に最も近い位置にある外部端子でよい。
【0019】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1外部端子及び前記第2外部端子は、平面視で前記半導体パッケージの中心の前記点に関して点対称でよい。
【0020】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1ホール素子及び前記第3ホール素子は、前記第1方向に沿って一列に配置されてよい。前記第2ホール素子及び前記第4ホール素子は、前記第1方向に沿って一列に配置されてよい。
【0021】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第3ホール素子と前記第4ホール素子は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って一列に配置されてよい。
【0022】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記半導体パッケージの前記第1方向の幅は、前記半導体パッケージの前記第1方向と交差する第2方向の幅より長くてよい。
【0023】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1方向の幅は、前記第2方向の幅の1.65倍以上長くてよい。
【0024】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記第1方向の幅は、前記第2方向の幅の2.5倍以上長くてよい。
【0025】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記複数の外部端子の平面視での面積の合計は、前記半導体パッケージの平面視での面積の14%以上でよい。
【0026】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記複数の外部端子の平面視での面積の合計は、前記半導体パッケージの平面視での面積の19%以上でよい。
【0027】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記複数の外部端子は、前記第1方向に沿って、2列に配置されてよい。
【0028】
いずれかの前記半導体パッケージは、前記半導体チップの上方に配置され、前記半導体チップと電気的に接続される再配線層と、前記再配線層の上方に配置される封止材とをさらに備えてよい。前記複数の外部端子は、前記封止材を介して前記再配線層と電気的に接続されてよい。
【0029】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記再配線層は、前記複数の外部端子の少なくとも1つの外部端子から前記第1方向に沿って100μm以上延びて前記半導体チップと電気的に接続される配線を含んでよい。
【0030】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記配線は、平面視で前記少なくとも1つの外部端子の中心を通る前記第1方向に沿った線上に延びる部分を有してよい。
【0031】
いずれかの前記半導体パッケージにおいて、前記再配線層は、前記複数の外部端子の少なくとも1つから前記第2方向に沿って100μm以上延びて前記半導体チップと電気的に接続される配線を含んでよい。
【0032】
ウエハレベルチップサイズパッケージ(WL-CSP)でよい。
【0033】
本発明の一態様に係る駆動装置は、磁石を保持する第1部分を備えてよい。駆動装置は、いずれかの前記半導体パッケージを前記磁石に対向するよう保持する第2部分であって、前記第1部分に対して前記第2部分の位置または姿勢を変更可能に前記第1部分に保持される第2部分を備えてよい。前記駆動装置は、前記第1部分に対する前記第2部分の位置または姿勢を変更させる駆動部を備えてよい。前記半導体パッケージは、前記複数のホール素子からの出力に基づいて前記駆動部に駆動信号を出力してよい。
【0034】
前記駆動装置において、前記第1部分は、レンズ部をさらに保持してよい。前記第2部分は、前記レンズ部を介して結像された像を撮像する撮像素子をさらに保持してよい。
【0035】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】半導体パッケージの回路構成の一例を示す図である。
【
図3】磁気センサの出力信号を増幅することでオフセット量が増大する様子を示す図でる。
【
図4】導体パッケージの外部端子側から見た平面図である。
【
図5】
図4に示すA-A断面を模式的に示す図である。
【
図6】レンズユニットの移動距離と、磁気センサで検出される磁場の大きさとの関係を示す図である。
【
図10】複数のホール素子の配置例を示す図である。
【
図11】複数のホール素子の配置例を示す図である。
【
図12】複数のホール素子の配置例を示す図である。
【
図13】複数のホール素子の配置例を示す図である。
【
図14】複数のホール素子の配置例を示す図である。
【
図16A】ホール素子111S1の等価回路を示す図である。
【
図16B】ホール素子111S2の等価回路を示す図である。
【
図16C】ホール素子111S3の等価回路を示す図である。
【
図16D】ホール素子111S4の等価回路を示す図である。
【
図17】それぞれの外部端子の機能について説明するための図である。
【
図18】半導体パッケージの再配線層における配線状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0038】
図1は、本実施形態に係るカメラモジュール10の分解斜視図を示す。カメラモジュール10は、基板300と、基部20と、保持枠30と、レンズユニット40とを備える。基板300には、撮像素子302が配置される。撮像素子302は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。撮像素子302は、レンズユニット40を介して結像された光学像の画像データを出力する。
【0039】
保持枠30は、レンズユニット40を内部に保持する。保持枠30の外側面には、磁石32が配置されている。基部20は、保持枠30をレンズユニット40とともに、レンズユニット40の光軸方向(Z軸方向)及び光軸と交差する方向(X軸及びY軸方向)に移動可能に保持する。基部20の側面には、コイル200及び半導体パッケージ100が配置されている。コイル200は、磁石32に対向する位置に配置される。コイル200は、空芯コイルでよい。
【0040】
磁石32及びコイル200は、基部20に対して保持枠30を移動または回転させる駆動源であるVCM(ボイスコイルモータ)として機能する。保持枠30は、第1部分の一例であり、基部20は、第2部分の一例である。
【0041】
磁石32の磁場内で、コイル200に電流を流すと、コイル200に磁界と垂直な方向に力が発生する。これにより、保持枠30にX方向またはY方向に沿った推力を与える。コイル200に電流を流すことで、保持枠30にZ方向に沿った推力を与えるように、コイル200の配置、または磁石32の磁界の向きを設計してもよい。
【0042】
コイル200の空芯部分には、半導体パッケージ100が配置される。半導体パッケージ100は、基部20に対する保持枠30の位置または姿勢を検出する位置センサとして機能してよい。位置センサは、ホール素子を含む磁気センサでよい。位置センサは、磁場の変化に応じた大きさの電圧を出力してよい。保持枠30が移動することで、半導体パッケージ100と磁石32との位置関係が変化し、位置で検出される磁場の大きさが変化する。これにより、位置センサは、半導体パッケージ100に対する磁石32の位置、すなわち、基部20に対する保持枠30の位置を検出する。本実施形態では、磁気センサとして、ホール効果を応用し、発生する起電力から外部磁場の変化を検知するホール素子を含む磁気センサを例に説明する。しかしながら、磁気センサは、ホール素子を有する形態に限定されるものではない。磁気センサは、ホール素子以外の電磁変換素子を有してもよい。磁気センサは、外部磁場の変化に応じて抵抗が変化するスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子(GMR素子、TMR素子等)等、磁場を検出可能な様々なセンサであってもよく、これら様々なセンサのコンビネーションであってもよい。また、磁気センサは、複数の磁気センサ素子から成るセンサ素子群から構成されてもよい。
【0043】
半導体パッケージ100は、基部20に対する保持枠30の位置または姿勢に応じて、保持枠30の位置または姿勢を目標の位置または姿勢にすべく、コイル200に電流を供給する。半導体パッケージ100は、コイル200の外側に設けられてもよい。また、保持枠30は、半導体パッケージ100及びコイル200を備え、基部20が磁石32を備えてもよい。
【0044】
このように構成されたカメラモジュール10は、磁石32とコイル200とを駆動源として、半導体パッケージ100が、撮像素子302の撮像面に対するレンズユニット40の位置または姿勢が所望の位置または姿勢になるように、コイル200に電流を流す。これにより、レンズユニット40をズームレンズまたはフォーカスレンズとして機能させる。あるいは、半導体パッケージ100が、像振れを打ち消す方向にレンズユニット40の位置または姿勢を変化させるように、コイル200に電流を流すことで、像振れ補正を実行する。本実施形態では、レンズユニット40を駆動する駆動源として、VCM(ボイスコイルモータ)を例に説明する。しかし、駆動源は、VCMには限定されない。カメラモジュール10は、レンズユニット40を駆動する駆動源として、VMC以外に、微小電気機械システム(MEMS)、形状記憶合金(SMA)、高分子アクチュエーター(EAP)、バイメタルアクチュエーター、または圧電素子を有してもよい。
【0045】
図2は、半導体パッケージ100の回路構成の一例を示す図である。半導体パッケージ100は、磁気センサ112、増幅器113、A/Dコンバータ114、PID制御部115、D/Aコンバータ116、及び出力ドライバ117を備える。磁気センサ112、増幅器113、A/Dコンバータ114、PID制御部115、D/Aコンバータ116、及び出力ドライバ117は、半導体チップに内蔵されてよい。
【0046】
磁気センサ112は、複数のホール素子を有し、磁場の大きさに応じた大きさの電圧または電流をレンズユニット40の位置を示す位置信号として出力する。増幅器113は、磁気センサ112から出力される位置信号を増幅する。A/Dコンバータ114は、増幅器113に増幅された位置信号であるアナログ信号をでデジタル信号に変換する。
【0047】
PID制御部115は、A/Dコンバータ114から出力されるデジタル信号に示されるレンズユニット40の位置と、位置指令生成部210から出力されるレンズユニット40の目標位置とに基づいて、PID制御により、レンズユニット40の位置が目標位置になるように制御すべく、駆動信号を出力する。カメラモジュール10の撮像を制御するCPUまたはMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどの制御部が、位置指令生成部210を有してよい。
【0048】
D/Aコンバータ116は、駆動信号をデジタル信号からアナログ信号に変換して出力ドライバ117に出力する。出力ドライバ117は、駆動信号に応じた電流をコイル200に出力する。
【0049】
図3に示すように、磁気センサ112から出力される信号は、少なからずノイズを含む。磁気センサ112の後段の増幅器113は、ノイズを含む信号をそのまま増幅することになる。ノイズが大きいと、すなわちオフセット量が大きいと、増幅器113の増幅率を高めようとしても、A/Dコンバータ114に入力できる信号の大きさには限度があるので、ノイズ以外の信号を適切に増幅できない場合がある。磁気センサ112から出力される信号に含まれるオフセット量を少なくすることで、増幅率を高められ、結果的にS/N比を高めることができる。
【0050】
図4は、半導体パッケージ100の外部端子102側から見た平面図である。半導体パッケージ100は、複数の外部端子102を有する。半導体パッケージ100は、6つの外部端子102を有する。
【0051】
半導体パッケージ100は、平面視で第1方向(X軸方向)に延びる矩形状である。ここで、矩形状は、略矩形状も含む概念である。略矩形状は、4つの角が90°以外の四角形、4つの角が90°±5°の範囲内である四角形、または4つの角が丸められた角丸四角形を含む概念である。半導体パッケージ100は、平面視で第1方向(X軸方向)の幅が第2方向(Z軸方向)の幅より長い長方形でよい。複数の外部端子102は、第1方向に沿って2列に配置されてよい。複数の外部端子102は、第1方向(X軸方向)に沿った第1列に含まれる複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3と、半導体パッケージ100の中心Pを挟んで第1列に対向し、かつ第1方向(X軸方向)に沿った第2列に含まれる複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3とを含む。複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のそれぞれの重心は、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれの重心と第1方向(X軸方向)、及び第1方向に交差する第2方向(Z軸方向)において重ならない。すなわち、複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3、及び複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3は、第1方向に沿って千鳥状に配置されている。
【0052】
複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のそれぞれの第1方向における間隔と、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれの第1方向における間隔とは同一で、かつ、複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のそれぞれと、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれとは、第1方向においてシフトしている。複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のそれぞれは、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれと第2方向においてもシフトしている。ここで、同一は、略同一も含む概念である。すなわち、複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のそれぞれの第1方向における間隔と、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれの第1方向における間隔とは、完全に同一でなくてもよい。
【0053】
半導体パッケージ100などのICの小型化が進み、ICの表面積における外部端子の割合が増えてる。また、半導体パッケージ100をコイル200の空芯部分に配置する場合、空芯部分の隙間は狭いので、半導体パッケージ100の形状は、細長の矩形状が好ましい。このような細長形状の半導体パッケージ100の表面に、
図4に示すように、複数の外部端子102を第1方向に沿って千鳥状に配置することで、半導体パッケージ100の第2方向の幅を狭くできる。複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれが、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のそれぞれと、第2方向において一部のみが重なるように配置することで、半導体パッケージ100の第2方向における幅を狭くできる。複数の外部端子102を千鳥状に配置することによって、端子形状または端子数は同一のまま、半導体パッケージ100を第2方向(幅方向)に小型化することができる。そのため、半導体パッケージ100を幅方向に小型化したとしても、実装時の安定性が低下することを抑制することができる。
【0054】
半導体パッケージ100の第1方向の幅は、第2方向の幅の1.65倍以上長くてよい。半導体パッケージ100の第1方向の幅は、第2方向の幅の2.5倍以上長くてよい。複数の外部端子102の平面視での面積の合計は、半導体パッケージ100の平面視での面積の14%以上でよい。複数の外部端子102の平面視での面積の合計は、半導体パッケージ100の平面視での面積の19%以上でよい。
【0055】
図5は、
図4に示すA-A断面を模式的に示す。本実施形態では、半導体パッケージ100は、ウエハレベルチップサイズパッケージ(WL-CSP)型の半導体パッケージについて説明する。しかし、半導体パッケージ100は、ファンアウトウエハレベルパッケージ(FO-WLP)型の半導体パッケージでもよい。半導体パッケージ100は、シリコン基板110と、シリコン基板110の第1面側に配置される再配線層120と、再配線層120のシリコン基板110側の面と反対側の面に少なくとも配置される封止材130とを備える。シリコン基板110は、半導体チップを内蔵する。半導体チップは、磁気センサ112、増幅器113、A/Dコンバータ114、PID制御部115、D/Aコンバータ116、及び出力ドライバ117を含んでよい。
【0056】
このような半導体パッケージ100を備えるカメラモジュール10において、高画素化に伴い、レンズユニット40の重量化も進んでいる。高画素化に伴い撮像素子302に大型化し、撮像素子302が高温になる傾向にある。また、レンズユニット40が重量化すると、レンズユニット40を駆動するのに必要な電流が大きくなり、電流の増加に伴う温度上昇も生じる。このような温度上昇は、半導体パッケージ100に内蔵される磁気センサ112にも影響を与える。すなわち、温度上昇に伴い磁気センサ112のオフセット量も大きくなる。磁気センサ112のオフセット量が大きくなれば、S/N比は低くなる。温度特性が悪くS/N比が低い磁気センサ112を用いて、カメラモジュール10が、レンズユニット40を制御する場合、ノイズの抑圧性能が劣化し、レンズユニット40の実際の位置と目標位置との誤差が大きくなり、精度よくレンズユニット40の位置の制御を実行できない。よって、高精度な像振れ補正を実現することも難しい。
【0057】
図6は、レンズユニット40の移動距離と、磁気センサ112で検出される磁場の大きさとの関係を示す。直線A1は、通常カメラの場合のレンズユニット40の移動距離と、磁気センサ112で検出される磁場の大きさとの関係を示す。直線A2は、高画素化された高性能カメラの場合のレンズユニット40の移動距離と、磁気センサ112で検出される磁場の大きさとの関係を示す。
図6に示すように、高性能カメラの場合の磁場の大きさの変化に対するレンズユニット40の移動距離が、通常カメラの場合の磁場の大きさの変化に対するレンズユニット40の移動距離より長い。すなわち、磁気センサ112で検出される信号の誤差が同じでも、高性能カメラでのレンズユニット40の位置誤差は、通常カメラのレンズユニット40の位置誤差より大きくなる。高画素化に伴いレンズユニット40の位置誤差は、画像の振れとして顕著に表れてしまう。つまり、磁気センサ112のS/N比の低下は、高精度な像振れ補正ができないなど、高性能カメラで、より顕著に影響が出る。したがって、磁気センサ112のオフセット量の影響をより少なくすることがより望まれている。
【0058】
ところが、
図7に示すように、磁気センサ112を構成する複数のホール素子111を第1方向(X軸方向)及び第2方向(Z軸方向)のそれぞれに並べて配置した場合、複数の外部端子102が千鳥状に配置されていることにより、ホール素子111と外部端子102とが平面視において重なる重複領域の大きさにばらつきが生じる。重複領域の大きさが異なると、半導体パッケージ100の周囲の温度または湿度の変化に伴い発生するホール素子111に加わる応力の大きさの変化が異なる。ホール素子111に加わる応力が変化すると、ホール素子111から出力される信号に含まれるオフセット量も変化する。
【0059】
そこで、本実施形態では、オフセット量の変化を相殺すべく、
図8または
図9に示すように、複数のホール素子111が半導体パッケージ100の平面視における中心Pに関して点対称に配置される。
【0060】
ホール素子111S1と、ホール素子111S2とが中心Pに関して点対称に配置される。ホール素子111S3と、ホール素子111S4とが中心Pに関して点対称に配置される。
【0061】
半導体パッケージ100を、平面視で、中心Pを通る第1方向(X軸方向)に沿った第1軸L1及び第2方向(Z軸方向)に沿った第2軸L2で第1事象領域、第2事象領域、第3事象領域、及び第4事象領域に区分けした場合、ホール素子111S1及びホール素子111S3は、第1事象領域上に配置されてよい。ホール素子111S2及びホール素子111S4は、第1事象領域と中心Pに関して点対称にある第3事象領域上に配置されてよい。または、ホール素子111S1及びホール素子111S3は、第2事象領域上に配置されてよい。ホール素子111S2及びホール素子111S4は、第2事象領域と中心Pに関して点対称にある第4事象領域上に配置されてよい。
【0062】
図8では、ホール素子111S1及びホール素子111S3は、第1方向に沿った第1列に並んで配置されている。ホール素子111S2及びホール素子111S4は、第1方向に沿って第1列に対して中心Pを挟んで反対側の第2列に並んで配置される。ホール素子111S1及びホール素子111S3は、第2方向において、ホール素子111S2及びホール素子111S4に重ならない。
【0063】
図9では、ホール素子111S1及びホール素子111S3は、第1方向に沿った第1列に並んで配置されている。ホール素子111S2及びホール素子111S4は、第1方向に沿って第1列に対して中心Pを挟んで反対側の第2列に並んで配置される。ホール素子111S1は、第2方向において、ホール素子111S2及びホール素子111S4に重ならない。ホール素子111S2は、第2方向において、ホール素子111S1及びホール素子111S3と重ならない。一方、ホール素子111S3は、第2方向において、ホール素子111S4と重なる。すなわち、ホール素子111S3及びホール素子111S4は、第2方向に沿って並んで配置される。
【0064】
ここで、ホール素子111S1の出力をS1、ホール素子111S2の出力をS2、ホール素子111S3の出力をS3、ホール素子111S4の出力をS4とした場合、磁気センサ112は、磁場の大きさを示す信号として、S1、S2、S3、及びS4の和/差演算または和演算の結果を出力する。すなわち、磁気センサ112は、(S1+S2+S3+S4)/((S1+S3)-(S2+S4))、または(S1+S2+S3+S4)を、磁場の大きさを示す信号として出力する。それぞれのホール素子111のペア同士を中心Pに関して点対称に配置することで、それぞれのホール素子111のペア同士の出力を合計することで、それぞれのホール素子111の出力に含まれるノイズ、すなわちオフセット量を相殺できる。
【0065】
PID制御部115は、ホール素子111S1、ホール素子111S2、ホール素子111S3、及びホール素子111S4から出力される磁場の大きさを示す出力の和(S1+S2+S3+S4)に基づいて、半導体パッケージ100に対して磁石32の位置または姿勢を相対的に変化させる駆動部として機能するコイル200を制御するための駆動信号を出力してよい。増幅器113は、出力の和(S1+S2+S3+S4)を増幅して、A/Dコンバータ114を介して、PID制御部115に出力の和を提供してよい。
【0066】
PID制御部115は、ホール素子111S1とホール素子111S3から出力される磁場の大きさを示す出力の和(S1+S3)と、ホール素子111S2とホール素子111S4から出力される磁場の大きさを示す出力の和(S2+S4)との差((S1+S3)-(S2+S4))にさらに基づいて、駆動信号を出力してよい。
【0067】
PID制御部115は、差((S1+S3)-(S2+S4))に対するホール素子111S1、ホール素子111S2、ホール素子111S3、及びホール素子111S4から出力される磁場の大きさを示す出力の和(S1+S2+S3+S4)の比(S1+S2+S3+S4)/((S1+S3)-(S2+S4))に基づいて、駆動信号を出力してよい。増幅器113は、比(S1+S2+S3+S4)/((S1+S3)-(S2+S4))を増幅して、A/Dコンバータ114を介して、PID制御部115に出力の和を提供してよい。
【0068】
図10に示すように、複数のホール素子111は、第1群に属するホール素子111S1及びホール素子S3と、第2群に属するホール素子111S2及びホール素子111S4とを含む。ホール素子111S1は、複数の外部端子102A1、102A2、及び102A3のうちの外部端子102A1に平面視で少なくとも一部を覆われてよい。ホール素子111S2は、複数の外部端子102B1、102B2、及び102B3のうちの外部端子102B1に平面視で少なくとも一部を覆われてよい。ホール素子111S1の外部端子102A1に平面視で覆われる領域R1と、ホール素子111S2の外部端子102B1に平面視で覆われる領域R2とは、平面視で半導体パッケージ100の中心Pに関して点対称である。ホール素子111S3及びホール素子111S4は、平面視で半導体パッケージ100の中心Pに関して点対称に配置される。
【0069】
図11に示すように、ホール素子111S1及びホール素子111Sは、外部端子102A1に平面視で全て覆われてよい。ホール素子111S2及びホール素子111S4は、外部端子102B1に平面視で全て覆われてよい。
【0070】
図12に示すように、ホール素子111S1は、外部端子102A1に平面視で全て覆われてよい。ホール素子111S2は、外部端子B1に平面視で全て覆われてよい。一方。ホール素子111S3及びホール素子111S4は、複数の外部端子102のいずれにも一部も覆われていなくてよい。すなわち、ホール素子111S3及びホール素子111S4は、複数の外部端子102のいずれとも平面視で重ならなくてよい。
【0071】
図13に示すように、ホール素子111S1は、外部端子102A1に平面視で一部が覆われてよい。ホール素子111S2は、外部端子B1に平面視で一部が覆われてよい。一方、ホール素子111S3及びホール素子111S4は、複数の外部端子102のいずれにも一部も覆われていなくてよい。すなわち、ホール素子111S3及びホール素子111S4は、複数の外部端子102のいずれとも平面視で重ならなくてよい。
【0072】
図14に示すように、ホール素子111S1は、外部端子102A1に平面視で全て覆われてよい。ホール素子111S2は、外部端子102B1に平面視で全て覆われてよい。ホール素子111S3は、外部端子102A1に平面視で一部が覆われてよい。ホール素子111S4は、外部端子102B1に平面視で一部が覆われてよい。
【0073】
ここで、ホール素子111は、
図15に示すように、抵抗値Rの4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4をブリッジ接続した等価回路で表すことができる。ホール素子111は、第1方向において対向する一対の電極D1及びD2と、第2方向において対向する一対の電極D3及びD4とを有する。
【0074】
4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4は、抵抗値Rが同一である。しかし、4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4のそれぞれに与えられる応力が異なると、4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4の抵抗値にばらつきが生じる。その結果、ホール素子111から出力される信号に含まれるオフセット量が変化する。
【0075】
このようなオフセット量の変動を低減すべく、ホール素子111から出力される一対の電極を切り替えて、2つの出力を加算することが考えれる。すなわち、第1のタイミングで、ホール素子111の一対の電極D1及びD2から、磁場の大きさに応じた信号Saを出力し、第1のタイミングに続く第2のタイミングで、ホール素子111の一対の電極D3及びD4から、磁場の大きさに応じた信号Sbを出力し、信号Sa及び信号Sbを加算することでオフセット量を低減することが考えられる。しかし、出力する電極を切り替えるための時間が必要となり、応答が遅くなってしまう。例えば、レンズユニット40を移動させてフォーカシングを行ったり、像振れ補正を行ったりする場合には、このような応答の遅れがあると、フォーカシングに遅れが生じたり、高精度な像振れ補正を行えない可能性がある。
【0076】
そこで、点対称に配置されたホール素子111のそれぞれの出力の電極を異なる方向の一対の電極に設定する。それらのホール素子111の出力を加算することで、電極の切り替えを行う形態と同様に、オフセット量を低減できる。さらに、電極の切り替えによる応答の遅れも生じない。このようにオフセット量を低減することで、応答の遅れを抑制できるだけでなく、磁気センサ112は、S1+S2、及びS1+S3を順次時分割で演算するで、ADレンジを犠牲にすることなく各ホール素子111の出力の演算を実施することができる。
【0077】
より具体的に、
図14に示す構成において、ホール素子111S1、111S2、111S3、及び111S4は、第1方向において対向する一対の電極D1及びD2と、第1方向と交差する第2方向において対向する一対の電極D3及びD4とを有する。ホール素子111S1及びホール素子111S4において、一対の電極D1及びD2が、出力電極である。一方、ホール素子111S2及びホール素子111S3において、一対の電極D3及びD4である。
【0078】
図14に示す構成において、ホール素子111S1は、平面視において外部端子102A1に一部のみが覆われている。その結果、ホール素子111S1にかかる応力に、ばらつきが生じる。
図16Aは、ホール素子111S1の等価回路を示す。
図16Aに示すように、ホール素子111S1において、ブリッジ接続された4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4のうち、抵抗R1の抵抗値が、R+rとなり、他の3つの抵抗R2、R3、及びR4の抵抗値が、Rとなる。すなわち、抵抗R1の抵抗値は、抵抗R2、R3、及びR4の抵抗値と差を有する。
【0079】
図16Bは、ホール素子111S2の等価回路を示す。ホール素子111S2は、ホール素子111S1と同様に、平面視において外部端子102B1に一部のみが覆われている。その結果、ホール素子111S2にかかる応力に、ばらつきが生じる。ただし、ホール素子111S2が平面視において外部端子102B1に覆われる領域の位置は、ホール素子111S1が平面視において外部端子102A1に覆われる領域の位置とは異なる。ホール素子111S2が平面視において外部端子102B1に覆われる領域は、中心Pに関して、ホール素子111S1が平面視において外部端子102A1に覆われる領域と点対称である。そのため、ホール素子111S2において、ブリッジ接続された4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4のうち、抵抗R3の抵抗値が、R+rとなり、他の3つの抵抗R1、R2、及びR4の抵抗値が、Rとなる。すなわち、抵抗R3の抵抗値は、抵抗R1、R2、及びR4の抵抗値と差を有する。
【0080】
図16Cは、ホール素子111S3の等価回路、
図16Dは、ホール素子111S4の等価回路を示す。ホール素子111S3は、平面視において外部端子102A1に全て覆われ、ホール素子111S4は、平面視において外部端子102B1に全て覆われている。その結果、ホール素子111S3及びホール素子111S4にかかる応力に、ばらつきは生じない。したがって、ホール素子111S3及びホール素子111S4において、ブリッジ接続された4つの抵抗R1、R2、R3、及びR4の抵抗値は同一である。
【0081】
図16Aに示すホール素子111S1の等価回路において、オフセット量に相当するオフセット電圧V
offset_1は、式(1)で規定される。
V
offset_1=V
1_1-V
2_1=((R+r)/(2R+r)-1/2)×V
in
=r/(2×(2R+r))・・・(1)
【0082】
図16Bに示すホール素子111S2の等価回路において、オフセット量に相当するオフセット電圧V
offset_1は、式(2)で規定される。
V
offset_1=V
1_2-V
2_2=((R/(2R+r))-1/2)×V
in
=-r/(2×(2R+r))・・・(2)
【0083】
図16Cに示すホール素子111S3の等価回路において、オフセット量に相当するオフセット電圧V
offset_3は、式(3)で規定される。
V
offset_3=V
1_3-V
2_3=0 ・・・(3)
【0084】
図16Dに示すホール素子111S4の等価回路において、オフセット量に相当するオフセット電圧V
offset_4は、式(4)で規定される。
V
offset_3=V
1_4-V
2_4=0 ・・・(4)
【0085】
以上から、ホール素子111S1、111S2、111S3、及び111S4の出力をすべて加算すると、磁気センサ112から出力されるオフセット量に相当するオフセット電圧Voffsetは、式(5)で規定され、ホール素子111S1及びホール素子111S2で生じるオフセット量が相殺され、ゼロとなる。
Voffset=Voffset_1+Voffset_2+Voffset_3+Voffset_4
=r/(2×(2R+r))-r/(2×(2R+r))=0・・・(5)
【0086】
図17は、半導体パッケージ100のそれぞれの外部端子102の機能を示す。平面視で、第2事象領域に配置された外部端子102A1及び外部端子102A3が、一対の電源用端子である。第3事象領域に配置された外部端子102B2及び第4事象領域に配置された外部端子102B1が、コイル200の駆動信号を出力する一対の駆動用端子である。第1事象領域に配置された外部端子102A2及び第4事象領域に配置された外部端子102B3が、カメラモジュール10の制御部と通信するための一対の通信用端子である。
【0087】
ホール素子111S1は、一対の電源用端子の一方である外部端子102A1と平面視で少なくとも一部が重なり、ホール素子111S2は、一対の駆動用端子の一方である外部端子102B1と平面視で少なくとも一部が重なってよい。このように、ホール素子111は、一対の通信用端子以外の外部端子と平面視で重なってもよい。しかし、ホール素子111は、一対の通信用端子と平面視で重ならないほうがよい。ホール素子111が平面視で一対の通信用端子のいずれか1つの重なる場合、ホール素子111及び一対の通信用端子が互いにノイズの影響を受け、悪影響が大きくなる。
【0088】
ホール素子111と平面視で少なくとも一部が重なる外部端子102A1及び102B1のそれぞれは、複数の外部端子102のうち平面視で半導体パッケージ100の中心Pに最も近い位置にある外部端子がよい。
【0089】
ホール素子111と平面視で少なくとも一部が重なる外部端子102A1及び102B1は、平面視で半導体パッケージ100の中心Pに関して点対称であれば、外部端子102A1及び102B1の平面視での形状は、円形でなくてもよい。
【0090】
図18は、半導体パッケージ100の再配線層120における配線状況を示す。複数の外部端子102が第1方向に沿って千鳥状に配置されることで、各外部端子102の第1方向及び第2方向に向かう領域にスペースがある。したがって、外部端子102から、半導体チップへの電気的に接続されるための配線を第1方向及び第2方向に向かって比較的に長く延ばすことができる。例えば、再配線層120は、外部端子102B1から第1方向に沿って100μm以上延びて半導体チップと電気的に接続される配線LB1を含んでよ。すなわち、配線LB1の第1方向に沿って延びる部分kb1は、100μm以上でよい。同様に、再配線層120は、外部端子102B3から第1方向に沿って100μm以上延びて半導体チップと電気的に接続される配線LB3を含んでよい。すなわち、配線LB3の第1方向に沿って延びる部分kb3は、100μm以上でよい。このように第11方向または第2方向に沿って配線することで、最短経路で配線を実現することができるため、半導体パッケージ100の平面視での面積を小さくできる。
【0091】
また、配線LB1は、外部端子102B1の中心を通る第1方向に沿った線上に延びる部分kb1を含む。配線LB3は、外部端子102B3の中心を通る第1方向に沿った線上に延びる部分kb3を含む。
【0092】
再配線層120は、外部端子102B2から第2方向に沿って100μm以上延びて半導体チップと電気的に接続される配線LB2を含んでよい。配線LB2は、外部端子102B2の中心を通る第2方向に沿った線上に延びる部分kb2を含む。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 カメラモジュール
20 基部
30 保持枠
32 磁石
40 レンズユニット
100 半導体パッケージ
102 外部端子
110 シリコン基板
111 ホール素子
112 磁気センサ
113 増幅器
114 A/Dコンバータ
115 PID制御部
116 D/Aコンバータ
117 出力ドライバ
120 再配線層
130 封止材
200 コイル
210 位置指令生成部
300 基板
302 撮像素子
【要約】
【解決手段】半導体パッケージは、複数のホール素子を内蔵する半導体チップと、前記半導体チップの一面側に配置される複数の外部端子とを有する。第1ホール素子及び第2ホール素子は、平面視で半導体パッケージの中心の点に関して点対称に配置される。第1ホール素子は、複数の第1外部端子のうちの第1外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われ、第2ホール素子は、前記複数の第2外部端子のうちの第2外部端子に平面視で少なくとも一部を覆われる。第1ホール素子の第1外部端子に平面視で覆われる第1領域と、第2ホール素子の第2外部端子に平面視で覆われる第2領域とは、平面視で半導体パッケージの中心の点に関して点対称である。
【選択図】
図10