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特許7138602液体供給装置の液抜き方法、液体供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】液体供給装置の液抜き方法、液体供給装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 648K
H01L21/304 621D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019114437
(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公開番号】P2021002551
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】豊増 富士彦
(72)【発明者】
【氏名】國澤 淳次
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-319060(JP,A)
【文献】特開2006-334540(JP,A)
【文献】特開2008-128145(JP,A)
【文献】特開2006-269677(JP,A)
【文献】特開2017-227525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
G01L 9/00
G01L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給装置の配管の液抜き方法であって、
前記液体供給装置の前記配管を分割することなく、前記配管に不活性ガスを流通させて前記配管内を乾燥する工程と、
前記乾燥する工程において、配管内又は配管内に連通する流路に露出されるセンサ被覆部が前記液体供給装置の筐体に電気的に接続された圧力センサにより、前記圧力センサを静電気から保護する工程と、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記配管は、着脱可能に管を連結する継手を介さずに一体に形成された分岐部を有する、方法。
【請求項3】
請求項1乃至2の何れかに記載の方法において、
前記液体供給装置は、洗浄装置であり、
前記乾燥する工程に先立ち、前記洗浄装置の配管内にDIWを流通させる工程を更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至2の何れかに記載の方法において、
前記液体供給装置は、スラリー供給装置であり、
前記乾燥する工程に先立ち、前記スラリー供給装置の配管内のスラリーを薬液で洗浄する工程を更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の方法において、
前記不活性ガスは、窒素ガスであり、
前記窒素ガスを200kPa以上300kPa以下の範囲の供給圧力で前記配管内に流通させる、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の方法において、
前記乾燥する工程に先立ち、前記配管に設置された流量制御装置への第1液体の供給と第2液体の供給とを切り替えるために、前記流量制御装置への第1液体の供給を制御する第1バルブの開閉を切り替える工程と、前記流量制御装置への第2液体の供給を制御する第2バルブの開閉を切り替える工程と、を含み、
前記第2バルブの開閉の切り替えは、前記第1バルブの開閉の切り替え時から所定の遅延時間後に行われる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記流量制御装置への前記第1液体の供給と前記第2液体の供給とを切り替える際に、前記第1バルブの開から閉への切り替え時から第1遅延時間後に前記第2バルブの閉から開への切り替えを行う、及び/又は、前記第2バルブの開から閉への切り替え時から第2遅延時間後に前記第1バルブの閉から開への切り替えを行う、方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法において、
前記流量制御装置は、流量計と、前記流量計による計測値に基づいて前記第1液体及び/又は前記第2液体の流量を制御するための流量制御バルブと、を有し、
前記遅延時間は、前記第1及び/又は第2バルブの切り替え時に前記流量計の計測値上限エラーを生じない時間に設定される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記流量計は、差圧式流量計又は超音波流量計である、方法。
【請求項10】
液体供給装置であって、
分岐部が継手を介さずに一体に形成された分岐部を含む分岐管を含む配管と、
配管内又は配管内に連通する流路に露出されるセンサ被覆部を有する圧力センサと、
を備え、
前記センサ被覆部が前記液体供給装置の筐体に電気的に接続されている、液体供給装置。
【請求項11】
請求項10に記載の液体供給装置と、
前記液体供給装置から供給される液体を基板に供給して該基板を処理する処理装置と、を備える、基板処理装置。
【請求項12】
基板を研磨する研磨部と、
研磨した基板を洗浄する洗浄部と、を備え、
前記洗浄部及び前記研磨部の少なくとも1つに液体を供給する請求項10に記載の前記液体供給装置をさらに備えた、基板研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給装置の液抜き方法、液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置等の基板処理装置では、洗浄処理、めっき処理、エッチング処理、研磨処理、現像処理等の液処理を行う液処理装置ないし液体供給装置が使用される。例えば、研磨装置の一例であるCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置は、半導体チップが形成された半導体基板の表面を研磨するための研磨ユニットと、研磨ユニットで研磨された半導体基板に対して洗浄薬液を供給しながら洗浄するための洗浄ユニットとを有する。研磨ユニットは、スラリー供給ユニットからスラリーの供給を受け、このスラリーを研磨パッド上に供給しつつ半導体基板と研磨パッドの相対回転により半導体基板の研磨を行う(例えば、特許文献1を参照)。洗浄ユニットは、洗浄薬液を研磨後の半導体基板に供給して洗浄を行う(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-50436号公報
【文献】特開2018-181883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置の移動(装置出荷時、装置交換時)などにおいて、装置搬送時の安全を確保する目的並びに配管内でのバクテリア等の繁殖を防止する目的で、液体供給装置(例えば、液体供給ユニット、洗浄ユニット)の配管内の液抜きを行う必要がある。また、メンテナンス時に装置の配管内の液抜きを行う場合がある。配管を分割して行う液抜きでは、配管連結部の近傍に作業スペースを必要とし、分割作業に多くの作業時間を要する。また、液抜き後の配管を再び組み立てる必要があり、再組立てに起因して、再連結した配管連結部からリークが発生するおそれがある。また、近年では、液体供給装置の小型化の要請があり、集積化のために、着脱可能な配管連結部(ユニオンなど)の数が低減される傾向にある。このため、配管を分割して液抜きを行うことが困難になることも予想される。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、液体供給装置の配管の液抜き方法であって、 前記液体供給装置の前記配管を分割することなく、前記配管に不活性ガスを流通させて前記配管内を乾燥する工程と、 前記乾燥する工程において、配管内又は配管内に連通する流路に露出されるセンサ被覆部が前記液体供給装置の筐体に電気的に接続された圧力センサにより、前記圧力センサを静電気から保護する工程と、を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る液体供給装置を示す概略正面図である。
図2】一実施形態に係る液体供給装置の流体回路図である。
図3】流量制御装置の構成例を示す構成図である。
図4】圧力センサの接地構造の一例を示す概略構成である。
図5】配管の液抜き作業のフローチャートである。
図6】比較例に係る液体供給装置の流体回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、以下、液体供給装置の一例として、洗浄装置を例に挙げて説明するが、これに限らず、本発明は、基板処理に使用される任意の液体供給装置を含む。液体供給装置は、例えば、洗浄ユニット、研磨ユニット、エッチングユニット、現像ユニット、及びめっきユニット、及び、それらのユニットに液体を供給するユニットの少なくとも1つを含む。液体は、薬液、純水等の少なくとも1つを含む。以下の説明では、純水の一例としてDIW(De-Ionized Water)を挙げて説明するが、DIW以外の液体を使用することもできる。
【0009】
図1は、一実施形態に係る液体供給装置を示す概略正面図である。図2は、一実施形態に係る液体供給装置の流体回路図である。本実施形態では、液体供給装置の一例として、洗浄装置10を例に挙げて説明する。なお、洗浄装置10を構成する液体供給ユニット100及び洗浄ユニット200は、それぞれ単独でも液体供給装置の一例である。
【0010】
洗浄装置10は、洗浄ユニット200に洗浄薬液を供給する液体供給ユニット100と、洗浄薬液を洗浄対象物(以下、単に基板と称する)に供給して洗浄する洗浄ユニット200と、を備えている(図2)。洗浄装置10は、例えば、CMP等の研磨処理、めっき処理、エッチング処理、または現像処理における洗浄工程に使用される洗浄ユニットであり、洗浄装置10の一部又は全体は、研磨装置、めっき装置、エッチング装置、または現像装置に、一体又は別体で設けられる。
【0011】
液体供給ユニット100は、酸性又はアルカリ性の薬液を洗浄ユニット200に供給可能に構成される。薬液は、常温であってもよく高温(例えば80度程度の温度)であってもよい。図1に示すように、液体供給ユニット100は、ハウジング(筐体)101と、流量制御装置(ここでは、後述の薬液CLC121)を含む薬液ユーティリティボックス500A~500Cと、流量制御装置(ここでは、後述のDIW CLC111)を含むDIWユーティリティボックス500Dと、その他のバルブ、レギュレータ、圧力センサ等の機器が配置される機器エリア501と、を備えている。本実施形態では、流量制御装置として、後述するCLC(Closed Loop Controller)を例に挙げて説明するが、流量制御装置は、CLC以外の構成の流量制御装置であってもよい。薬液ユーティリティボックス500A~500Cと、DIWユーティリティボックス500Dと、機器エリア501とは、ハウジング101内に収納される。液体供給ユニット100は、DIW又は薬液を輸送するための配管(流路)、バルブ、圧力センサ等を有する。詳細は図2において説明する。この例では、4つのユーティリティボックスが液体供給ユニット100に設けられているが、これは一例であり、洗浄装置の仕様に応じてユーティリティボックスの数、及び/又は、各ユーティリティボックスの種類(薬液ユーティリティボックス、DIWユーティリティボックス)は適宜変更される。
【0012】
図2では、薬液ユーティリティボックスの一例として、薬液ユーティリティボックス500Aのみ示す。なお、薬液ユーティリティボックス500A~500Cは、概ね同一の構成を有するので、以下では薬液ユーティリティボックス500Aについて説明し、他の薬液ユーティリティボックスの説明を省略する。複数種類及び/又は複数ラインの薬液を使用する場合には、複数の薬液ユーティリティボックスが使用される。薬液ユーティリティボックス500Aは、薬液供給源20からの薬液を後述するインライン混合器78に供給するように構成される。また、薬液ユーティリティボックス500Aは、薬液の流量をフィードバック制御により設定された流量に制御することができる。DIWユーティリティボックス500Dは、DIW供給源30からのDIWを後述するインライン混合器78
に供給するように構成される。また、DIWユーティリティボックス50Dは、DIWの流量をフィードバック制御により設定された流量に制御することができる。
【0013】
図2に示すように、液体供給ユニット100は、DIWを供給するためのDIW供給源30及び薬液を供給するための薬液供給源20と、それぞれ配管を介して流体連通するように構成されている。また、液体供給ユニット100は、洗浄ユニット200と流体連通するように構成されている。具体的には、液体供給ユニット100は、DIW及び希釈された薬液(洗浄薬液)を洗浄ユニット200に供給する。
【0014】
洗浄ユニット200は、例えば半導体基板、ガラス基板(FPD)等の基板を、DIWを用いて洗浄するDIW洗浄部210と、例えば半導体基板、ガラス基板(FPD)等の基板を希釈された薬液(洗浄薬液)を用いて洗浄する薬液洗浄部220とを有する。DIW洗浄部210は、例えば超音波水洗浄部やその他のDIW洗浄部等から構成される。薬液洗浄部220は、例えばロール型洗浄部等から構成される。薬液洗浄部220は、洗浄対象物としての基板の上面に向けられる上側ノズル221と、基板の下面に向けられる下側ノズル222と、洗浄前に待機する基板が置かれる待機部223とを備えている。上側ノズル221に供給される洗浄薬液により基板の上面を洗浄し、下側ノズル222に供給される洗浄薬液により基板の下面を洗浄する。また、待機部223に供給される洗浄薬液は、図示しないノズルから待機中の基板に供給される。なお、洗浄ユニット200は、成膜前の基板(パターンが露出している基板)であっても、成膜後の基板(めっき後の基板)であっても洗浄可能である。また、洗浄ユニット200は、半導体基板、ガラス基板(FPD)以外の任意の対象を洗浄対象物としてもよい。
【0015】
液体供給ユニット100は、インライン混合器78と、薬液ユーティリティボックス500Aと、DIWユーティリティボックス500Dと、を備えている。インライン混合器78は、薬液とDIWとを混合して洗浄薬液を生成する。薬液ユーティリティボックス500Aは、薬液供給源20からインライン混合器78に供給される薬液の流量をフィードバック制御する。DIWユーティリティボックス500Dは、DIW供給源30からインライン混合器78に供給されるDIWの流量をフィードバック制御する。制御装置150は、液体供給ユニット100及び洗浄ユニット200の各部を制御する。
【0016】
制御装置150は、例えば、液体供給ユニット100に対して設けられる制御装置、洗浄ユニット200に対して設けられる制御装置、洗浄装置10に対して設けられる制御装置、洗浄装置10が設けられる基板処理装置(研磨装置等)に対して設けられる制御装置の1又は複数を含むことができる。制御装置150は、マイクロコンピュータ、シーケンサー等のコンピュータまたは制御回路と、制御回路で実行されるプログラムを格納した記憶媒体(揮発性メモリ、不揮発性(非一時的)メモリ等の1又は複数のメモリ)と、を備えている。プログラムには、例えば、液体供給ユニット100及び洗浄ユニット200による薬液(希釈後の薬液)の供給、洗浄を実施するプログラム、配管の液抜き(後述)を行うプログラムが含まれている。このプログラムに従って、液体供給ユニット100及び洗浄ユニット200の各部が制御される。なお、上記プログラムは、制御装置150に着脱可能な記憶媒体(CD、フラッシュメモリ等)に格納されてもよい。また、上記プログラムは、制御装置150が有線又は無線を介して読み込み可能な記憶媒体に格納されてもよい。
【0017】
(DIWユーティリティボックス)
DIWユーティリティボックス500Dは、DIW供給バルブ112と、DIW CLC111(流量制御装置の一例)と、圧力センサ76と、DIW圧調節レギュレータ77と、を有する。DIW供給バルブ112は、制御装置150により開閉制御され、DIW
CLC111からインライン混合器78へのDIWの供給のオンオフを切り替える。D
IW CLC111は、閉ループ制御機能を有する流量制御弁であり、制御装置150により制御され、インライン混合器78に供給するDIWの流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。具体的には、DIW CLC111は、計測したDIWの流量に基づいて、DIW CLC111内に流れるDIWの流量が所望の流量になるように、DIW CLC111内部のコントロールバルブの開度を調節(フィードバック制御)する。DIWユーティリティボックス500Dは、DIW供給バルブ112を開けることにより、DIWをインライン混合器78に供給する。DIW圧調節レギュレータ77は、制御装置150により開度が制御され、DIW供給配管81からDIW CLC111へのDIWの供給圧力を調節する。圧力センサ76は、DIW圧調節レギュレータ77とDIW
CLC111との間に配置され、DIW CLC111に流入するDIWの圧力を測定し、制御装置150に測定値を出力する。
【0018】
なお、図2において、符号110は、CLCボックス(DIW供給バルブ112、DIW CLC111)を、圧力センサ76及びDIW圧調節レギュレータ77とは別に個別のボックス(モジュール)で設けた場合におけるCLCボックスに含まれる範囲を示している。本実施形態では、別々に配置されていた構成であるCLCボックス110と、圧力センサ76、及びDIW圧調節レギュレータ77(例えば、特許文献2の図1図2参照)を1つのモジュールであるDIWユーティリティボックス500Dに集積している。1つのDIWユーティリティボックス500Dに集積する構成により、CLCボックスと各構成要素を接続する配管を単一のモジュール内に集約することができ、液体供給ユニットの小型化が図られている。
【0019】
液体供給ユニット100は、一端がDIW供給源30に接続され、他端が洗浄ユニット200の配管250を介してDIW洗浄部210に接続された、DIW供給配管81を備えている。DIW供給配管81には、DIW供給バルブ86と、DIW圧調節レギュレータ87と、DIW圧力センサ88と、が設けられている。DIW供給バルブ86は、制御装置150により開閉制御されることで、DIW供給源30からDIW供給配管81へのDIWの供給を制御する。DIW圧調節レギュレータ87は、制御装置150により開度を制御され、DIW供給配管81からDIW洗浄部210へのDIWの供給圧力を調節する。DIW圧力センサ88は、DIW供給配管81の内部を通過するDIWの圧力を計測し、計測値を制御装置150に出力する。
【0020】
DIW供給配管81上のDIW供給バルブ86とDIW圧調節レギュレータ87との間には、DIW分岐配管82の一端が接続される。DIW分岐配管82の他端は、DIW圧調節レギュレータ77と圧力センサ76を介して、DIWユーティリティボックス500DのDIW CLC111に接続される。DIW CLC111には、DIW配管83の一端が接続される。DIW配管83の他端は、合流部79において薬液配管93に接続され、インライン混合器78に流体連通する。合流部79は、図2において、DIW CLC111からのDIWと、薬液CLC121からの薬液とが合流する点である。DIW供給バルブ112はDIW配管83上に設けられ、インライン混合器78にDIWを供給する場合に、制御装置150により開閉制御される。
【0021】
(薬液ユーティリティボックス)
薬液ユーティリティボックス500Aは、薬液供給バルブ122と、薬液CLC121(流量制御装置の一例)と、を有する。また、薬液ユーティリティボックス500Aは、薬液供給源20と薬液CLC121とを接続する薬液配管91上に設けられるマニュアル弁51と、薬液CLC121への薬液の供給のオンオフを切り替える薬液入口バルブ52と、薬液配管91内の流体圧力を計測する圧力センサ53と、を更に備えている。また、薬液ユーティリティボックス500Aは、DIW供給源30と薬液CLC121とを接続するDIW配管92上に設けられるDIW入口バルブ70を更に備えている。
【0022】
なお、図2において、符号120、50は、それぞれ、CLCボックス及び薬液ユーティリティボックスをそれぞれ個別に設けた場合の各ボックスが含む構成要素を示している。本実施形態では、別々のボックス(モジュール)内に配置されていたCLCボックス120及び薬液ユーティリティボックス50の構成(例えば、特許文献2の図1における符号120、50の構成)を1つのモジュールである薬液ユーティリティボックス500Aに集積している。1つの薬液ユーティリティボックス500Aに集積する構成により、各ボックス(モジュール)間の配管を単一のボックス内に集約することができ、液体供給ユニットの小型化が図られている。マニュアル弁51は、薬液ユーティリティボックス500Aの外部に配置してもよい。
【0023】
薬液供給バルブ122は、制御装置150により開閉制御され、薬液CLC121からインライン混合器78への薬液の供給のオンオフを切り替える。薬液CLC121は、閉ループ制御機能を有する流量制御弁であり、制御装置150により制御され、薬液供給バルブ122を介してインライン混合器78に供給する薬液の流量を計測し、この計測値に基づいて流量を制御する。具体的には、薬液CLC121は、計測した薬液の流量に基づいて、薬液CLC121内に流れる薬液の流量が所望の流量になるように、薬液CLC121内部のコントロールバルブの開度を調節(フィードバック制御)する。
【0024】
マニュアル弁51は、手動で開閉される弁であり、例えば、メンテナンス時に洗浄液体供給ユニット100から薬液供給源20を切り離す際に使用される。薬液入口バルブ52は、制御装置150により開閉制御され、薬液供給源20から薬液CLC121への薬液の供給を制御する。圧力センサ53は、薬液CLC121のイン側(一次側)の圧力、つまり薬液供給源20からの薬液の供給圧力を測定するように構成され、薬液CLC121に流入する薬液の圧力を測定して制御装置150に測定値を出力する。圧力センサ53は、マニュアル弁51と薬液入口バルブ52の間に配置してもよい。なお、図2のように、圧力センサ53を薬液入口バルブ52と薬液CLC121の間に配置する構成によれば、薬液入口バルブ52を開、DIW入口バルブ70を閉の状態で、薬液供給源20からの薬液の供給圧力を計測可能であるとともに、薬液入口バルブ52を閉、DIW入口バルブ70を開の状態で、DIW供給源30からのDIWの供給圧力も計測可能である。薬液供給源20からの薬液の供給圧力を測定する圧力センサと、DIW供給源30からのDIWの供給圧力を測定する圧力センサとを、例えば、薬液配管91及びDIW配管92にそれぞれ個別に設けてもよい。それらの構成以外にも、薬液供給源20からの薬液及び/又はDIW供給源30からのDIWの供給圧力を測定する1又は複数の圧力センサを設けることができる。
【0025】
DIW入口バルブ70は、制御装置150により開閉制御され、DIW供給源30から薬液CLC121へのDIWの供給を制御する。配管92は、薬液CLC121の入口側で薬液配管91に接続されている。言い換えれば、薬液CLC121のイン側は、薬液配管91を介して薬液供給源20に接続され、DIW配管92を介してDIW供給源30に接続されている。薬液入口バルブ52及びDIW入口バルブ70により、薬液CLC121のイン側に供給する液体を、薬液とDIWとの間で切り替えることができる。例えば、配管洗浄(フラッシング)を行う場合、薬液入口バルブ52が閉鎖状態とされ、DIW入口バルブ70が開放状態とされ、薬液CLC121にDIWが供給され、薬液供給流路上の配管が洗浄される。
【0026】
薬液ユーティリティボックス500Aの薬液CLC121には、インライン混合器78に流体連通する薬液配管93が接続される。薬液供給バルブ122は、薬液配管93上に設けられ、インライン混合器78に薬液を供給する場合に、制御装置150により開閉制御される。また、インライン混合器78には、薬液洗浄部220に一端が接続された洗浄
薬液配管96が接続される。インライン混合器78のアウト側(二次側)には、圧力センサ74が設けられる。DIWユーティリティボックス500DのDIW CLC111からのDIWと、薬液ユーティリティボックス500Aの薬液CLC121からの薬液は、DIW配管83と薬液配管93の合流部79において合流するので、DIW CLC111のアウト側(二次側)の圧力は、薬液CLC121のアウト側の圧力と同一になる。したがって、この圧力センサ74は、DIW CLC111及び薬液CLC121のアウト側の圧力を測定することができる。言い換えれば、圧力センサ74は、DIW CLC111及び薬液CLC121から流出する液体の圧力を測定し、測定値を制御装置150に出力する。
【0027】
DIWユーティリティボックス500DのDIW CLC111及び薬液ユーティリティボックス500Aの薬液CLC121は、制御装置150から所定の流量設定値を示す信号(流量設定値)を受信可能に構成される。この流量設定値に基づいて、DIW CLC111及び薬液CLC121の内部コントロールバルブの開度が制御される。
【0028】
(CLCの構成例)
図3は、流量制御装置の構成例を示す構成図である。ここでは、流量制御装置の一例としてのCLC121が図示されている。なお、CLC111の構成も、CLC121の構成と同様であるので、ここではCLC121を例に挙げて説明する。CLC121は、流量計1212と、流量制御弁(内部コントロールバルブ)1211と、制御部1213と、を備えている。CLC121の流量計1212は、例えば、差圧式流量計(オリフィス流量計)である。差圧式流量計は、流量計のイン側とアウト側の圧力差を検出し、この圧力差に基づいて流量を計測するタイプの流量計である。なお、流量計1212として、超音波流量計を採用してもよい。流量制御弁1211は、本実施形態ではモータバルブであり、弁本体1211aの開度が、モータを備える駆動源1211bの動力によって制御される。流量制御弁1211は、開度が調整可能なバルブであればよく、他の種類の可変流量弁(例えば、ソレノイド等で駆動される電磁弁)であってもよい。制御部1213は、マイクロコンピュータ等の制御回路と、制御回路で実行されるプログラムを格納したメモリとを備えている。制御回路及びメモリは、例えば、制御基板に実装されている。制御部1213は、制御装置150から流体の流量設定値iTを受け取るとともに、流量計1212から流体の流量検出値ioを受け取り、流量検出値ioが流量設定値iTに一致するように流量制御弁1211をフィードバック制御する。
【0029】
なお、ここでは、流量計、流量制御弁、及び制御部を含む流量制御弁ユニット(CLC)を例示するが、これらの一部又は全部を別体で設けても良い。例えば、流量計1212と流量制御弁1211とを別体で設け、制御部1213に代えて(又は制御部1213を介して)、制御装置150が流量計1212からの検出値に基づいて流量制御弁1211を制御し、流量を制御するようにしてもよい。制御装置150は、適宜、他の駆動回路を介して流量制御弁1211を制御してもよい。
【0030】
(配管構成)
図2に戻り、洗浄薬液配管96は、洗浄ユニット200の配管240Aの一端に接続されている。配管240Aは、分岐管であり、分岐部において分岐して、分岐後の管の各端がバルブ231及びバルブ234の一端に接続されている。バルブ231の他端は、配管242Aの一端に接続されている。配管242Aは、分岐管であり、分岐部において分岐して、分岐後の管の各端がバルブ232及びバルブ233の一端に接続されている。バルブ232の他端は、配管244により薬液洗浄部220の上側ノズル221に接続され、バルブ233の他端は、配管246により薬液洗浄部220の下側ノズル222に接続されている。バルブ234の他端は、配管249により、待機部223に接続されている。バルブ231~234は、開閉バルブであり、制御装置150により開閉制御される。
【0031】
図6は、比較例に係る液体供給装置としての洗浄装置の流体回路図である。図2と同様の構成には、同一の符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明を省略する。以下、図2と異なる構成について説明する。
【0032】
比較例に係る洗浄装置10では、洗浄薬液配管96は、配管240、241、242、243、244を介して、上側ノズル221に接続され、配管240、241、242、245、246を介して下側ノズル222に接続され、配管240、247、248、249を介して待機部223に接続される。また、DIW供給源30から、配管81A、81B、81C、81D、及び、配管250を介して、DIW洗浄部210に接続される。配管240と配管241と配管247とが継手41を介して接続されることにより、配管240が配管241及び配管247に分岐されている。配管242と配管243と配管245とが継手42を介して接続されることにより、配管242が配管243及び配管245に分岐されている。配管247と配管248とが継手43を介して接続されている。また、配管81Aと配管81Bとが継手44を介して接続され、配管81Bと配管81Cとが継手45を介して接続され、配管81Cと配管81Dとが継手46を介して接続されている。ここで、継手41~46は、ねじ等による取り付け構造を用いる着脱可能な継手(例えば、ユニオンと称される)である。よって、継手41~46により連結された配管は、互いに分離することが可能であり、再び連結することが可能である。
【0033】
本実施形態に係る洗浄装置10(図2)では、比較例に係る洗浄装置10における配管240、241、247、248が、継手41、43を省略して配管240Aとして一体に形成され、比較例に係る洗浄装置10における配管242、243、245が、継手42を省略して配管242Aとして一体に形成されている。また、比較例に係る洗浄装置10における配管81A~81Dが、継手44~46を省略して配管81として一体に形成されている。なお、図2の構成は、着脱可能な継手の省略の一例であり、一部の継手を省略しない他の構成を採用することができる。例えば、継手43を省略し、配管247、248を一体に形成してもよい。
【0034】
ここで、一体に形成されているとは、着脱可能な継手(着脱可能な配管連結部)を介さずに、配管が着脱不能に一体に形成又は連結されていることである。例えば、溶接等により複数の管が接続されている場合(溶接用継手)も、一体に形成されている場合に対応する。本明細書において、単に、「継手」と称する場合は、ねじ等による取り付け構造を用いる着脱可能な継手(溶接用継手を含まない)を意味する。従って、本実施形態に係る洗浄装置10(図2)において、継手を省略して、配管が一体に形成されているとは、着脱可能な継手(ユニオン)を使用せず、溶接継手(アダプタ)を使用して溶接により配管を一体化されていること、単一の配管(曲げ加工された配管を含む)を使用することを意味する。
【0035】
(配管の液抜き処理)
本実施形態の洗浄装置は、比較例の構成と比較して、継手の数を低減することにより、複数の配管が一体化されている。配管の継手(ユニオン)には、各端部にねじ部を設けて配管と螺合させる構成であるため、継手を減少させ、流路上のねじ部を減らすことにより、ねじ部の緩み等による液漏れのリスクを抑制することができる。また、配管を集積化(着脱可能な継手での連結部を削減できる、流路を簡潔に短くできる)させることができる。一方、着脱可能な継手の数を減少した場合、配管を分割して液抜きを行うことが困難となる。特に、分岐部が継手を介さず一体に形成されている場合、分岐部を含む分岐管を分離したとしても、分岐部の液抜きが十分に行えないか、分岐部の液抜きに長時間を要する可能性がある。
【0036】
そこで、本実施形態では、配管を分離または分割せずに、不活性ガスを配管に流通させることにより、配管内の液抜きを行う。本実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスを用いる。但し、アルゴン等の他の不活性ガスを使用してもよい。不活性ガスの供給圧力は、例えば、200k~300kPaに設定される。これは、従来、配管内を不活性ガスでパージさせる場合の圧力(例えば、100kPa未満)よりも十分高い圧力である。配管内に大流量(高圧)の不活性ガスを流通させることにより、配管内の水分を窒素ガスにより吹き飛ばし、配管内を短時間で乾燥させることができる。
【0037】
液抜きの作業時間を短縮するために、不活性ガスを大流量(高圧)で流通させる場合、装置動作上及び安全上も重要機器である圧力センサが、センサ被覆部において不活性ガスとの摩擦により静電気を帯び、センサ素子が静電気で破壊されるおそれがある。また、配管がフッ素樹脂等の電気絶縁材料で形成される場合には、配管内壁と不活性ガスとの摩擦により配管内壁に静電気が蓄積し、この静電気がセンサ被覆部に帯電又は放電する可能性もある。この対策として、本実施形態では、圧力センサのセンサ被覆部を配線によりハウジング101に電気的に接続し、電気的に接地する。センサ被覆部とは、配管内又は配管内に連通する流路に露出される圧力センサの感圧部である。センサ被覆部は、例えば、ダイヤフラム式の圧力センサの場合、ダイヤフラム又はダイヤフラムを覆う保護膜である。
【0038】
(圧力センサ)
図4は、圧力センサの接地構造の一例を示す概略構成である。一例では、圧力センサは、ハウジング300と、ハウジング300内に配置されたダイヤフラム301と、ダイヤフラム301と流体との接触を遮断する保護膜(センサ被覆部)302と、歪ゲージ等のセンサ素子303と、を備えて構成される。このセンサ被覆部302が配管内又は配管内に連通する流路(例えば、配管から分岐する流路)に露出される。ダイヤフラム301は、サファイア、セラミック等の電気絶縁材料で形成される。センサ被覆部302、ハウジング300は、耐薬品性に優れるフッ素樹脂を主成分とする電気絶縁材料又は導電性材料で形成することができる。本実施形態では、センサ被覆部302に静電気が蓄積することを抑制ないし防止するために、センサ被覆部302を配線によりハウジング101の内側壁に電気的に接地する。
【0039】
具体的には、薬液ユーティリティボックス500A中の圧力センサ53のセンサ被覆部302を、配線601により液体供給ユニット100のハウジング101の内側壁に電気的に接続する(図1図2図4)。また、DIWユーティリティボックス500D中の圧力センサ76のセンサ被覆部302を、配線602により液体供給ユニット100のハウジング101の内側壁に電気的に接続する。また、機器エリア501中の圧力センサ74、88のセンサ被覆部302を、1又は複数の配線603により液体供給ユニット100のハウジング101の内側壁に電気的に接続する。電気的な接地の観点から、各配線は、液体供給ユニット100の設置面に近いハウジング101の脚部の近傍の内側壁に接続されることが好ましいが、各圧力センサのセンサ被覆部の電気的な接地を十分に確保できる限り、ハウジング101の何れの箇所に接続してもよい。
【0040】
なお、洗浄ユニット200内の配管に圧力センサが設置される場合も、同様にして、圧力センサのセンサ被覆部を洗浄ユニット200のハウジングに電気的に接地することにより、圧力センサを静電気から保護することができる。
【0041】
(フローチャート)
図5は、配管の液抜き作業のフローチャートである。この処理は、制御装置150により、又は、制御装置150と他の制御装置とが協働して実行される。また、制御装置150は、例えば、液体供給ユニット100に対して設けられる制御装置、洗浄ユニット200に対して設けられる制御装置、洗浄装置10に対して設けられる制御装置、洗浄装置1
0が設けられる基板処理装置(研磨装置等)に対して設けられる制御装置の1又は複数を含むことができる。
【0042】
ステップS11では、洗浄装置10の配管にDIWを流通させ、配管内を洗浄する。例えば、図2において、薬液入口バルブ52を閉鎖し、DIW入口バルブ70を開放し、DIW供給源30から、CLCボックス120を介して薬液洗浄部220まで、DIWを流通させることにより、配管内をDIWで置換し、配管を洗浄(フラッシング)する。このとき、高純度のDIWを使用及び/又は大流量のDIWで配管内をフラッシングしたとしても、上述の通り、圧力センサのセンサ被覆部がハウジングに電気的に接地されているため、圧力センサを保護しつつ、短時間で配管内をフラッシングすることが可能である。なお、このフラッシング処理は、液抜き時に限らず、配管内の薬液をDIW等で置換する必要があるときに行うことができる。
【0043】
上記フラッシング処理では、薬液入口バルブ52を閉鎖してからDIW入口バルブ70を開放するまでに所定の遅延時間Δts(例えば、0.1秒)を設けることが好ましい。CLC121と薬液入口バルブ52との間の配管内の圧力が上昇することを抑制できる。これにより、CLC121に含まれる流量計及び/又は圧力計53の計測値がオーバシュートする計測値上限エラー(圧力上限エラー、流量上限エラーなど)を抑制することができる。
【0044】
本実施形態の液体供給ユニット100では、上述したように、従来のCLCボックス120とユーティリティボックス50とを薬液ユーティリティボックス500Aとして集積し、小型化を図っているため、薬液入口バルブ52とCLC121との間の距離が短く、この区間の配管内の体積が小さくなっている。このため、薬液入口バルブ52を閉鎖すると同時にDIW入口バルブ70を開放すると、薬液入口バルブ52の閉鎖による薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管の小さな体積に対して、DIW入口バルブ70からDIWが流れ込み、この区間の配管内の圧力が急激に上昇(スパイク)する。この結果、CLC121の流量計1212(図3)の検出値がオーバシュートし、圧力(流量)上限エラーを生じるおそれがある。集積化されたモジュールにおける配管内の小さな体積に対しては、数ccの体積の液体の流入によって急激な圧力上昇が生じると考えられる。そこで、薬液入口バルブ52を閉鎖するタイミングt1と、DIW入口バルブを開放するタイミングt2との間に所定の遅延時間Δtsを設け、薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管内の圧力上昇を抑制し、CLC121の流量計1212の圧力(流量)上限エラーを抑制する。なお、薬液入口バルブ52を閉鎖するタイミングt1と同時に又はそれに先立ち、薬液供給バルブ122を開放することが好ましい。CLC121の流量制御弁1211は、開度を最小にした場合でも若干の流通面積を有するので、薬液入口バルブ52を閉鎖するタイミングt1と同時に又はそれに先立ち、薬液供給バルブ122を開放することにより、薬液入口バルブ52とCLC121の間の配管の体積を流量制御弁1211及び薬液供給バルブ122を介して若干であっても下流側に逃がすことができる。これにより、薬液入口バルブ52とCLC121の間の配管内の体積の圧力上昇を更に抑制することができる。
【0045】
このように、薬液入口バルブ52の閉鎖タイミングt1と、DIW入口バルブ70の開放タイミングt2との間に所定の遅延時間Δtsを設けることにより、遅延時間Δtsの間に、薬液入口バルブ52による薬液入口バルブ52とCLC121の間の配管内の体積の圧力上昇を配管面により吸収し、及び/又は、流量制御弁1211から下流側に逃がすことにより、当該区間の配管内の圧力が急上昇することを抑制することができる。また、遅延時間Δtsを設けることにより、薬液入口バルブ52が確実に閉じた後にDIW入口バルブ70を開放するので、薬液入口バルブ52及びDIW入口バルブ70が同時に流通面積を有する期間を確実に除去し、DIW入口バルブ70からのDIWが薬液入口バルブ
52の上流側に逆流することを抑制できる利点もある。
【0046】
なお、薬液入口バルブ52を閉鎖したときの薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管内の圧力上昇は、薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管の距離(体積)に加え、薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管の材質(PVC樹脂、フッ素樹脂等)、及び/又は、薬液入口バルブ52、DIW入口バルブ70の供給能力(供給圧力、供給流量)にも依存すると考えられる。従って、遅延時間tsは、薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管の距離(体積)、薬液入口バルブ52とCLC121との間の配管の材質、及び/又は薬液入口バルブ52の供給能力(供給圧力、供給流量)を考慮して、予め実験及び/又は計算(シミュレーション等)により流量計1212の圧力上限エラーが生じない範囲を設定する。また、装置のスループットの観点からは、遅延時間が短いほど好ましい。一例では、スループットの観点から、遅延時間は、5秒以内であることが好ましい。従って、遅延時間は、流量計1212の圧力上限エラーが生じない範囲でかつ、可能な限り短い期間を、予め実験により求める。本実施形態では、そのような遅延時間Δtsは、例えば、0.1秒に設定される。
【0047】
ステップS11において、必要であれば、薬液配管91にDIW供給源30を接続し、薬液配管91内をDIWで洗浄してもよい。また、必要であれば、DIW供給バルブ86を開放し、DIW供給源30から、DIW供給配管81、配管250を介してDIW洗浄部210まで、DIWを流通させることにより、配管内をDIWで洗浄してもよい。なお、出荷前の試験等で薬液に代えてDIWを配管内に流通させて運転させている場合には、ステップS11に関して述べた上記の工程のうち一部又は全部を省略してもよい。また、ステップS11を省略して、ステップS12による窒素ガスの流通により、配管内の薬液及び/又はDIWを窒素ガスに置換/乾燥するようにしてもよい。
【0048】
ステップS12では、DIW供給配管81、薬液配管91、DIW配管92をそれぞれ、ガス供給源40に接続し、ガス供給源40から洗浄装置10の配管内に高圧の不活性ガス(例えば、窒素ガス)を流通させる。これにより、配管内の水分が窒素ガスにより吹き飛ばされ、配管内が液抜きされるとともに配管内が乾燥される。この結果、装置移動時の安全を確保し、配管内におけるバクテリア等の繁殖を抑制できる。なお、高い供給圧力で窒素ガスを配管内に流通させるため、圧力センサのセンサ被覆部、センサハウジングが窒素ガスとの摩擦等により静電気に帯電する可能性があるが、上述の通り、センサ被覆部302を配線によりハウジング101に電気的に接地しているため、摩擦により生じる静電気はハウジング101に逃がされ、センサ被覆部302に蓄積することが抑制ないし防止される。これにより、装置動作上及び安全上も重要機器である圧力センサを静電気から保護しつつ、不活性ガスにより短時間で配管を乾燥することができる。
【0049】
ステップS13では、洗浄ユニット200及び液体供給ユニット100の乾燥後の配管の入口及び出口(ノズル開口部を含む)を適宜、閉鎖して保護する。また、ノズル開口部の閉鎖及び保護に加えて、液体供給ユニット100、洗浄ユニット200及び/又はこれらに接続されている配管を互いに分離し、液体供給ユニット100及び洗浄ユニット200の配管開口部を閉鎖して保護してもよい。搬送準備が完了後、洗浄ユニット200及び液体供給ユニット100を搬送する。なお、圧力センサの状態を確認する場合には、加圧されていない状態で圧力センサの電位をテスタで測定し、圧力センサのゼロ点位置がシフトしていないか、表示値が正しいかなどを調べることにより、圧力センサが正常か否かを確認する。
【0050】
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、液体供給装置として洗浄装置10を例に挙げて説明したが、上記実施形態は他の液体供給装置にも適用可能である。例えば、研磨装置、及び研磨装置
のスラリー供給装置にも適用可能である。この場合、図5のS11において、配管の洗浄をH2O2水(過酸化水素水)で洗浄する。これにより、配管内に残留するスラリーの成分を溶かして排出することができ、窒素ガスによる乾燥後の配管内に砥粒が残留することを抑制ないし防止できる。
【0051】
(2)DIWユーティリティボックス500Dの構成中の一部又は全部の構成を集積化しない構成にも、上記実施形態を適用可能である。同様に、薬液ユーティリティボックス500Aの構成の一部又は全部を集積化しない構成にも、上記実施形態を適用可能である。
【0052】
(3)上記実施形態では、着脱可能な継手が減少された構成(図2)について不活性ガスによる液抜きを行う例を説明したが、不活性ガスによる液抜きは、図6の比較例の構成に対しても適用可能である。
【0053】
(4)上記実施形態では、液体供給装置の配管の液抜きについて説明したが、液体供給装置に高純度のDIWを流通させる際にも、配管内又は配管内に連通する流路に露出するセンサ被覆部が静電気に帯電する可能性があるため、上記実施形態で述べたようなセンサ被覆部を筐体に接地する構成/方法は有効である。例えば、薬液入口バルブ52を閉鎖し、DIW入口バルブ70を開放し、配管内をDIW供給源30からのDIWで置換する際にも、センサ被覆部がハウジングに電気的に接地されて保護されるので、大流量のDIWを流通させて短時間でフラッシングを行うことができる。
【0054】
また、配管洗浄終了後に薬液供給を開始する場合において、DIW入口バルブ70を閉鎖し、薬液入口バルブ52を開放する際にも、DIW入口バルブ70とCLC121との間の配管内の圧力が上昇し、流量計1212の圧力上限エラーが生じる可能性がある。そのため、配管洗浄終了後に薬液供給を開始する場合においても、DIW入口バルブ70を時刻t3で閉鎖し、その後、所定の遅延時間Δte後に、時刻t4で薬液入口バルブ52を開放する。これにより、CLC121に含まれる流量計及び/又は圧力計53の計測値がオーバシュートする計測値上限エラー(圧力上限エラー、流量上限エラーなど)を抑制することができる。また、遅延時間Δteを設けることにより、DIW入口バルブ70が確実に閉じた後に薬液入口バルブ52を開放するので、薬液入口バルブ52及びDIW入口バルブ70が同時に流通面積を有する期間を確実に除去し、薬液入口バルブ52からの薬液がDIW入口バルブ70の上流側に逆流することを抑制できる利点もある。
【0055】
配管洗浄終了後に薬液供給を開始する場合における遅延時間Δteは、配管洗浄開始時と同様に、DIW入口バルブ70を閉鎖したときのDIW入口バルブ70とCLC121との間の配管内の圧力上昇は、DIW入口バルブ70とCLC121との間の配管の距離(体積)に加え、DIW入口バルブ70とCLC121との間の配管の材質(PVC樹脂、フッ素樹脂等)、及び/又は、薬液入口バルブ52、DIW入口バルブ70の供給能力(供給圧力、供給流量)にも依存すると考えられる。従って、遅延時間Δteは、DIW入口バルブ70とCLC121との間の配管の距離(体積)、薬液入口バルブ52、DIW入口バルブ70とCLC121との間の配管の材質、及び/又は薬液入口バルブ52、DIW入口バルブ70の供給能力(供給圧力、供給流量)を考慮して、予め実験及び/又は計算(シミュレーション等)により流量計1212の圧力(流量)上限エラーが生じない範囲を設定する。また、配管洗浄開始時と同様に、流量計1212の圧力(流量)上限エラーが生じない範囲でかつ、スループットを考慮して可能な限り短い期間を、予め実験及び/又は計算(シミュレーション等)により求める。この結果、配管洗浄終了後に薬液供給を再開する場合においても、DIW入口バルブ70(薬液入口バルブ52)とCLC121との間の配管内の圧力が急上昇することを抑制し、流量計1212の圧力上限エラーを抑制することができる。遅延時間Δteは、例えば、遅延時間Δtsと同一とするこ
とができる。本実施形態では、遅延時間Δts及びΔteは、例えば、0.1秒に設定することが可能である。
【0056】
上記実施形態の記述から少なくとも以下の形態が把握される。
【0057】
第1形態によれば、 液体供給装置の配管の液抜き方法であって、 前記液体供給装置の前記配管を分割することなく、前記配管に不活性ガスを流通させて前記配管内を乾燥する工程と、 前記乾燥する工程において、配管内又は配管内に連通する流路に露出されるセンサ被覆部が前記液体供給装置の筐体に電気的に接続された圧力センサにより、前記圧力センサを静電気から保護する工程と、を含む方法が提供される。液体供給装置は、例えば、洗浄ユニット、研磨ユニット、エッチング処理ユニット、現像処理ユニット、及びめっき処理ユニット、及び、それらのユニットに薬液及び/又はDIWを供給するユニットの少なくとも1つを含む。
【0058】
この形態によれば、液体供給装置の配管内を不活性ガスで乾燥することにより、配管を分割することなく、配管の液抜きを行うことができる。また、圧力センサのセンサ被覆部が液体供給装置の筐体に電気的に接地されているため、不活性ガスとセンサ被覆部により生じ得る静電気から圧力センサを保護することができる。例えば、大流量の不活性ガスを配管に流通させた場合にも、重要機器である圧力センサを静電気から適切に保護することできるので、大流量の不活性ガスによる乾燥により作業時間を短縮することができる。
【0059】
配管を分割する必要がないため、配管連結部の近傍に作業スペースを必要とせず、液抜き作業の労力を低減し、作業時間を短縮することができる。また、配管分割後の再組立てが必要ないため、配管連結部からリークが発生する可能性を抑制することができる。また、液抜きのために配管を分割する必要がないので、配管連結部(着脱可能な継手)の数を低減することができる。
【0060】
第2形態によれば、第1形態の方法において、 着脱可能に管を連結する継手を介さずに一体に形成された分岐部を有する。
【0061】
この形態によれば、着脱可能な継手(ユニオン)が省略された分岐部を含むため配管分割よる液抜きが困難である場合にも、不活性ガスにより配管の液抜きを適切に行うことができる。
【0062】
第3形態によれば、第1乃至2形態の何れかの方法において、 前記液体供給装置は、洗浄装置であり、 前記乾燥する工程に先立ち、前記洗浄装置の配管内にDIWを流通させる工程を更に含む。
【0063】
この形態によれば、配管内をDIWで洗浄した後に、不活性ガスで乾燥することにより液抜きを行うため、乾燥後に、処理液の化学成分等が配管内に残留することを抑制することができる。
【0064】
第4形態によれば、第1乃至2形態の何れかの方法において、 前記液体供給装置は、スラリー供給装置であり、 前記乾燥する工程に先立ち、前記スラリー供給装置の配管内のスラリーを薬液で洗浄する工程を更に含む。
【0065】
この形態によれば、配管内をH2O2水等の薬液で洗浄した後に、不活性ガスで乾燥することにより液抜きを行うため、乾燥後に、スラリーに含有する砥粒等が配管内に残留することを抑制することができる。なお、薬液洗浄後に純水による洗浄を行ってもよい。
【0066】
第5形態によれば、第1乃至4形態の何れかの方法において、 前記不活性ガスは、窒素ガスであり、 前記窒素ガスを200kPa以上300kPa以下の範囲の供給圧力で前記配管内に流通させる。
【0067】
この形態によれば、適切なガスを十分な高圧で配管内に流通させるため、乾燥時間を短縮し、液抜きに要する作業時間を短縮することができる。また、比較的安価に入手可能な窒素ガスを用いることにより、コストアップを抑制ないし防止できる。
【0068】
第6形態によれば、第1乃至5形態の何れかに記載の方法において、 前記乾燥する工程に先立ち、前記配管に設置された流量制御装置への第1液体の供給と第2液体の供給とを切り替えるために、前記流量制御装置への前記第1液体の供給を制御する第1バルブの開閉を切り替える工程と、前記流量制御装置への前記第2液体の供給を制御する第2バルブの開閉を切り替える工程と、を含み、 前記第2バルブの開閉の切り替えは、前記第1バルブの開閉の切り替え時から所定の遅延時間後に行われる。第1及び第2バルブは、例えば開閉弁であり、開閉弁は、例えば電磁弁とすることができる。
【0069】
この形態によれば、第1バルブの切り替え時と第2バルブの切り替え時との間に遅延時間を設けることにより、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力上昇/流量上昇を抑制し、流量制御装置の流量計等のセンサの計測値上限エラー(圧力上限エラー/流量上限エラー)を抑制することができる。各バルブと流量制御装置との間の配管の距離が短い(体積が小さい)場合には、特に、第1及び第2バルブの切り替え時に、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力/流量が上昇する可能性があるが、本形態によれば、各バルブの切り替え時の間に遅延時間を設けることにより、当該区間の配管内の圧力/流量上昇を効果的に抑制することができる。従って、各構成要素を集積化して液体供給装置の小型化を図る際に、各構成要素間の距離が短く(流路体積が小さく)なることに起因するセンサの計測エラー(例えば、計測値上限エラー)を抑制することができる。この結果、液体供給装置の各構成要素を集積化して、液体供給装置の小型化を図ることができる。また、センサの計測エラーを抑制ないし防止しつつ配管に流通させる液体を切り替えて(例えば、薬液から純水)配管内を迅速にフラッシングし、その後、不活性ガスにより配管内の液抜きを行うことができる。
【0070】
第7形態によれば、第6形態の方法において、 前記流量制御装置への前記第1液体の供給と前記第2液体の供給とを切り替える際に、前記第1バルブの開から閉への切り替え時から第1遅延時間後に前記第2バルブの閉から開への切り替えを行う、及び/又は、前記第2バルブの開から閉への切り替え時から第2遅延時間後に前記第1バルブの閉から開への切り替えを行う。
【0071】
この形態によれば、前記流量制御装置への前記第1液体の供給と前記第2液体の供給とを切り替える際に、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力上昇/流量上昇を抑制し、流量制御装置の流量計等のセンサの計測値上限エラーを抑制することができる。
【0072】
第8形態によれば、第6又は7形態の方法において、 前記流量制御装置は、流量計と、前記流量計による計測値に基づいて前記第1液体及び/又は前記第2液体の流量を制御するための流量制御バルブと、を有し、 前記遅延時間は、前記第1及び/又は第2バルブの切り替え時に前記流量計の計測値上限エラーを生じない時間に設定される。
【0073】
この形態によれば、CLC等の流量制御装置の計測値上限エラーが発生しない範囲をあらかじめ実験、計算等により求め設定しておくことにより、流量計の計測値上限エラーを抑制することができる。
【0074】
第9形態によれば、第8形態の方法において、 前記流量計は、差圧式流量計又は超音波流量計である。
【0075】
この形態によれば、差圧式流量計における圧力上限エラー、超音波流量計による流量上限エラーを抑制することができる。
【0076】
第10形態によれば、 液体供給装置であって、 分岐部が継手を介さずに一体に形成された分岐部を含む分岐管を含む配管と、 配管内又は配管内に連通する流路に露出されるセンサ被覆部を有する圧力センサと、を備え、 前記センサ被覆部が前記液体供給装置の筐体に電気的に接続されている液体供給装置が提供される。
【0077】
この形態によれば、配管の分岐部を分割することができない場合に、圧力センサを静電気から保護しつつ、配管に不活性ガスを流通させて乾燥し、液抜き作業を行うことができる。
【0078】
第11形態によれば、 液体供給装置であって、 液体の流量を計測し、計測値に基づいて流量を制御する流量制御装置と、 前記流量制御装置に接続され、前記流量制御装置への第1液体の供給を制御する第1バルブと、 前記流量制御装置に接続され、前記流量制御装置への第2液体の供給を制御する第2バルブと、 前記第1バルブ及び前記第2バルブを制御する制御装置と、を備え、 前記制御装置は、前記第1バルブの開閉切り替え時と前記第2バルブの開閉を切り替える時との間に遅延時間を設けて、前記第1バルブ及び前記第2バルブを切り替える、 液体供給装置が提供される。第1及び第2バルブは、例えば開閉弁であり、開閉弁は、例えば電磁弁とすることができる。
【0079】
この形態によれば、第1バルブの切り替え時と第2バルブの切り替え時との間に遅延時間を設けることにより、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力上昇/流量上昇を抑制し、流量制御装置の流量計等のセンサの計測値上限エラー(圧力上限エラー/流量上限エラー)を抑制することができる。各バルブと流量制御装置との間の配管の距離が短い(体積が小さい)場合には、特に、第1及び第2バルブの切り替え時に、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力/流量が上昇する可能性があるが、本形態によれば、各バルブの切り替え時の間に遅延時間を設けることにより、当該区間の配管内の圧力/流量上昇を効果的に抑制することができる。従って、各構成要素を集積化して液体供給装置の小型化を図る際に、各構成要素間の距離が短く(流路体積が小さく)なることに起因するセンサの計測エラー(例えば、計測値上限エラー)を抑制することができる。この結果、液体供給装置の各構成要素を集積化して、液体供給装置の小型化を図ることができる。
【0080】
第12形態によれば、第11形態の液体供給装置において、前記流量制御装置への前記第1液体の供給と前記第2液体の供給とを切り替える際に、前記制御装置は、前記第1バルブの開から閉への切り替え時から第1遅延時間後に前記第2バルブの閉から開への切り替えを行う、及び/又は、前記第2バルブの開から閉への切り替え時から第2遅延時間後に前記第1バルブの閉から開への切り替えを行う。
【0081】
この形態によれば、前記流量制御装置への前記第1液体の供給と前記第2液体の供給とを切り替える際に、各バルブと流量制御装置との間の配管内の圧力上昇/流量上昇を抑制し、流量制御装置の流量計等のセンサの計測値上限エラーを抑制することができる。
【0082】
第13形態によれば、第11又は12形態の液体供給装置において、 前記流量制御装置は、流量計と、前記流量計による計測値に基づいて前記第1液体及び/又は前記第2液体の流量を制御するための流量制御バルブと、を有し、 前記遅延時間は、前記第1及び
/又は第2バルブの切り替え時に前記流量計の計測値上限エラーを生じない時間に設定される。
【0083】
この形態によれば、CLC等の流量制御装置の計測値上限エラーが発生しない範囲をあらかじめ実験、計算等により求め設定しておくことにより、流量計の計測値上限エラーを抑制することができる。
【0084】
第14形態によれば、第13形態の液体供給装置において、 前記流量計は、差圧式流量計又は超音波流量計である。
【0085】
この形態によれば、差圧式流量計における圧力上限エラー、超音波流量計による流量上限エラーを抑制することができる。
【0086】
第15形態によれば、第11乃至14形態の何れかに記載の液体供給装置において、 前記流量制御装置、前記第1バルブ及び前記第2バルブは、単一のモジュール内に配置されている。
【0087】
この形態によれば、単一のモジュール内で集積化され、各バルブと流量制御装置との間の距離が短い構成においても、バルブ切り替えによる配管内の圧力の急激な上昇を抑制し、センサの計測エラーを抑制することができる。
【0088】
第16形態によれば、第11乃至15形態の何れかの液体供給装置と、 前記液体供給装置に接続された洗浄ユニットと、を備える洗浄装置が提供される。
【0089】
この形態によれば、洗浄装置の液体供給装置において、上述した作用効果を奏する。
【0090】
第17形態によれば、第16形態の洗浄装置において、 前記第1液体は、前記洗浄ユニットに使用される薬液であり、 前記第2液体は、前記液体供給装置の流路を洗浄するための第2薬液又は純水である、 洗浄装置が提供される。
【0091】
この形態によれば、洗浄装置の配管洗浄の開始及び/又は終了時における配管内の圧力上昇を抑制し、センサの計測エラーが発生することを抑制することができる。
【0092】
第18形態によれば、第16又は17形態の洗浄装置を備える基板処理装置が提供される。
【0093】
この形態によれば、基板処理装置(研磨装置、めっき装置、エッチング装置、現像装置等)の洗浄ユニットにおいて、上述した作用効果を奏する。
【0094】
第19形態によれば、第11乃至15形態の何れかの液体供給装置と、 前記液体供給装置に接続された液処理装置と、を備え、 前記第1液体は、前記液処理装置に使用される第3薬液であり、 前記第2液体は、前記液処理装置に使用される第4薬液又は純水である、 基板処理装置が提供される。液処理装置は、例えば、洗浄ユニット、研磨ユニット、エッチングユニット、現像ユニット、及びめっきユニットの少なくとも1つを含む。
【0095】
この形態によれば、液処理装置において、薬液を希釈及び/又は混合する際のバルブの切り替えにより配管内の圧力上昇を抑制し、センサの計測エラーが発生することを抑制することができる。
【0096】
第20形態によれば、液体供給装置の配管に設置された流量制御装置への第1液体の供
給と第2液体の供給とを切り替えるために、 流量制御装置への第1液体の供給を制御する第1バルブの開閉を切り替える工程と、 流量制御装置への第2液体の供給を制御する第2バルブの開閉を切り替える工程と、を含み、 前記第2バルブの開閉切り替えは、前記第1バルブの開閉の切り替え時から所定の遅延時間後に行われる、 液体供給方法が提供される。
【0097】
この形態によれば、第11形態と同様の作用効果を奏する。
【0098】
第21形態によれば、 第10形態の液体供給装置と、 前記液体供給装置から供給される液体を基板に供給して該基板を処理する処理装置と、 を備える、基板処理装置が提供される。
【0099】
この形態によれば、液体供給装置を備えた基板処理装置において、第10形態で述べた作用効果を奏する。
【0100】
第22形態によれば、 基板を研磨する研磨部と、 研磨した基板を洗浄する洗浄部と、を備え、 前記洗浄部及び前記研磨部の少なくとも1つに液体を供給する第10形態の前記液体供給装置をさらに備えた、基板研磨装置が提供される。
【0101】
この形態によれば、洗浄部及び/又は研磨部に液体を供給する液体供給装置を備えた基板研磨装置において、第10形態で述べた作用効果を奏する。
【0102】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0103】
10 洗浄装置
20 薬液供給源
30 DIW供給源
40 ガス供給源
51 マニュアル弁
52 薬液入口バルブ
53 圧力センサ
70 DIW入口バルブ
74 圧力センサ
76 圧力センサ
77 DIW圧調節レギュレータ
78 インライン混合器
79 合流部
81 DIW供給配管
82 DIW分岐配管
83 DIW配管
86 DIW供給バルブ
87 DIW圧調節レギュレータ
88 DIW圧力センサ
91 薬液配管
92 DIW配管
93 薬液配管
96 洗浄薬液配管
111 DIWCLC
112 DIW供給バルブ
121 薬液CLC
122 薬液供給バルブ
100 液体供給ユニット
101 ハウジング
110 CLCボックス
120 CLCボックス
150 制御装置
200 洗浄ユニット
210 DIW洗浄部
220 薬液洗浄部
221 上側ノズル
222 下側ノズル
223 待機部
231~234 バルブ
240~249、240A、242A 配管
300 ハウジング
301 ダイヤフラム
302 保護膜(センサ被覆部)
500A~500C 薬液ユーティリティボックス
500D DIWユーティリティボックス
501 機器エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6