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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-08
(45)【発行日】2022-09-16
(54)【発明の名称】パターニングスタック最適化
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019532170
(86)(22)【出願日】2017-08-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017069513
(87)【国際公開番号】W WO2018041507
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2019-05-07
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】16186305.5
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】テル、ヴィム、ティボー
(72)【発明者】
【氏名】フィンデルス、ヨーゼフ、マリア
(72)【発明者】
【氏名】モウレール、オリオン、ヨナタン、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ファン オーステン、アントン、ベルンハルト
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】野村 伸雄
【審判官】加々美 一恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-74176(JP,A)
【文献】特開2008-85332(JP,A)
【文献】米国特許第6898537(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/30
G03F 7/20-7/24
G03F 9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のパターニングスタックに構造的に転写されたパターンに関する物理的かつ構造的特性を表すパラメータが、パターニングスタックの材料層の物理的特性を表すパターニングスタック変数によってどのように影響されるかをシミュレーションする目的関数を定義し、
ハードウェアコンピュータシステムによって、目的関数の値が予め決定された状態を満たす終了条件が満たされるまで、パターニングスタック変数を変更し、ハードウェアコンピュータシステムによって、変更されたパターニングスタック変数に関する目的関数を評価し、
終了条件が満たされると、終了条件を満たすパターニングスタック変数の値を出力することを含む、パターニングスタックを調整する方法。
【請求項2】
前記パターニングスタック変数が、前記パターニングスタックの層の屈折率、前記パターニングスタックの層の吸光係数、及び/又は前記パターニングスタックの層の厚さから選択される1つまたは複数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パラメータが、リソグラフィプロセス及び/又はエッチングプロセスにおけるパターンプロファイルの性を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目的関数は、前記基板上の前記パターニングスタックに転写された前記パターンに関する物理的かつ構造的特性をそれぞれ表す複数のパラメータが、前記パターニングスタック変数によってどのように影響を受けるかをシミュレーションする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
記パターニングスタック変数に関する前記目的関数を評価することは、前記パターニングスタック変数に基づいて前記パラメータの値を決定するためにコンピュータシミュレーションを実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パラメータの値が、エッチングモデルを使用する前記コンピュータシミュレーションに基づき決定される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記パラメータの値が、レジストモデルを使用する前記コンピュータシミュレーションに基づき決定される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
記パターニングスタック変数に関する前記目的関数を評価することは、シミュレーションによって得られたパターンプロファイルに基づいて前記パラメータの値を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パターンプロファイルは、レジストモデルを用いたシミュレーションによるレジスト画像、又はエッチングモデルを用いたシミュレーションによるエッチング画像のいずれかである、請求項に記載の方法。
【請求項10】
目的関数を評価することは、前記目的関数の値が局所極値又は局所極値の周辺の予め設定された範囲内となる前記パターニングスタック変数の値を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法を実行するためのプロセッサで構成された機械可読命令を含む、非一過性コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年8月30日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、欧州特許出願16186305.5の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、デバイス製造装置、及びプロセスに関し、より詳細には、デバイス製造装置又はプロセス、例えば計測装置もしくはプロセス、リソグラフィ投影装置、もしくはリソグラフィ投影装置、及び/又はエッチング装置もしくはプロセスで使用するためのパターニングスタックを最適化する方法又は装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)などのデバイスの製造に使用することができる。このような場合、パターニングデバイス(例えばマスク)は、デバイスの個々の層に対応するデバイス(例えば回路)パターンを含むか提供することができ(「設計レイアウト」)、このパターンをパターニングデバイスのパターンを介してターゲット部分を照射する方法によって、放射感応性材料(「レジスト」)の層が被覆された基板(例えばシリコンウェーハ)の(例えば1つ又はそれ以上のダイを含む)ターゲット部分に転写することができる。一般に、単一の基板は、リソグラフィ投影装置によって一度に1つのターゲット部分ずつパターンが連続的に転写される複数の隣接するターゲット部分を含む。ある種のリソグラフィ投影装置では、パターニングデバイス全体のパターンが一度に1つのターゲット部分に転写され、そのような装置は一般にステッパと呼ばれる。ステップ・アンド・スキャン装置と一般に呼ばれる他の装置では、投影ビームを所与の基準方向(「走査」方向)にパターニングデバイス上を走査させながら、基板を基準に対して平行又は反平行に同期移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分は、徐々に1つのターゲット部分に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は拡大係数M(一般に<1)を有するので、基板が移動される速度Fは投影ビームがパターニングデバイスを走査する速度のM倍になる。
【0004】
パターン形成装置から基板にパターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々な手順を経てもよい。露光後、基板を露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写パターンの測定/検査などの他の手順にかけてもよい。この一連の手順は、例えばICのようなデバイスの個々の層を作るための基礎として使用される。次いで、基板は、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨など、すべてデバイスの個々の層を仕上げることを目的とした様々なプロセスを経てもよい。デバイスにいくつかの層が必要な場合は、各層について全手順又はその変形を繰り返す。最終的に、デバイスは基板上の各ターゲット部分に存在することになる。次いで、これらのデバイスは、ダイシング又はソーイングのような技術によって互いに分離され、それによって個々のデバイスはキャリアに取り付けられ、ピンに接続される等してもよい。
【0005】
上述したように、リソグラフィはデバイス製造における重要なステップであり、そこでは基板上に形成されたパターンはマイクロプロセッサ、メモリチップなどのようなデバイスの機能要素を画定する。同様のリソグラフィ技術は、フラットパネルディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)及び他のデバイスの形成にも使用されている。
【0006】
デバイス製造プロセスが進歩し続けるにつれて、デバイス当たりのトランジスタなどの機能要素の量が数十年にわたって着実に増加している間、機能要素の寸法は絶えず縮小されてきた。例えば、デバイスの層は、深紫外線照射源からの光を使用して基板上に設計レイアウトを投影するリソグラフィ装置を使用して製造され、100nmを十分に下回る寸法、すなわち放射源(例えば193nm照射源)からの放射の波長の半分未満を有する個々の機能要素を作り出す。
【0007】
リソグラフィ投影装置の古典的な解像度限界よりも小さい寸法を有するフィーチャが印刷されるこのプロセスは、解像度式CD=k1×λ/NAにより低k1リソグラフィとして一般的に知られており、λは使用される放射の波長(例えば、193nm又は<19)であり、NAはリソグラフィ投影装置内の投影光学系の開口数、CDは「クリティカルディメンジョン」、一般に印刷される最小特徴サイズ、及びk1は経験的解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の機能性及び/又は性能を達成するためにデバイス設計者によって計画された形状及び寸法に似たパターンを基板上に再現することがより困難になる。これらの困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置及び/又は設計レイアウトに適用される。これらには、例えば、NA及び光コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照射方式、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC)、又は一般に「解像度向上技術(RET)」として定義される他の方法が含まれる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、半導体デバイスなどのデバイスを製造することは、通常、様々な機構及びデバイスの複数の層を形成するためにいくつかの製造プロセスを使用して基板(たとえば、半導体ウェハ)を処理することを含む。そのような層及び機構は、典型的には、例えば堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を使用して製造及び処理される。複数の装置を基板上の複数のダイ上に製造し、次いで個々の装置に分離することができる。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスと見なすことができる。パターン形成プロセスは、パターン形成装置上のパターン形成装置を使用してパターン形成装置上のパターンを基板に転写するための光及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターン形成ステップを含み、通常、任意で1つ又は複数の関連パターン処理ステップを含む。例えば、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンを用いたエッチングなどが挙げられる。
【0009】
さらに、パターニングプロセスの一部として、基板の上に複数の層を積層することができる。複数の層をまとめてパターニングスタックと呼ぶことがある。パターニングスタックの各層は、例えば、ハードマスク層、反射防止コーティング(ARC)層、レジスト層、トップコート層、及び機能素子層から選択することができる。パターニングプロセスでは、基板のパラメータを測定するために、1つ又は複数の計測システム(例えば、レベルセンサ、及び/又はアライメント測定システム、及び/又はCD、オーバーレイ、フォーカス又はドーズ測定システム)を使用することができ、リソグラフィ装置を使用してレジスト層上にパターンを形成することができ、エッチング装置を使用してレジスト層上のパターンを層(例えばハードマスク層)に転写することができる。
【0010】
パターニングスタックの1つ以上の光学特性は、1つ以上の計測システムの測定精度及びパターニングプロセス(例えば、リソグラフィ装置及び/又はエッチング装置)のパターニング性能に影響を及ぼし得る。パターニングスタックの1つ以上の光学特性は、例えば、パターニングスタックの層の材料及び厚さによって決定される。
【0011】
パターニングスタックは複雑であるため、パターニングスタックを画定する(例えば、材料の選択及びパターニングスタックの各層の厚さの決定)には、多大な時間と労力が必要となる可能性がある。結果として、製造プロセスにおいて、例えば7nm技術ノードにおいて、デバイスを製造するためのパターニングスタックを画定するのに1年かかるかもしれない。パターニングスタックを画定する既存のプロセスは、多くの実験を含み得る。したがって、既存のプロセスは高価で時間がかかる可能性がある。さらに、大量の製造仕様、要件、及び可能性のある変動のために、既存のプロセスを使用して適切なパターニングスタックを得ることは困難であり得る。したがって、例えば、パターニングプロセスにおける最適性能のためにパターニングスタックの各層の材料及び/又は厚さを最適化する方法及び装置を提供することが望ましい。そのような最適化プロセスは、パターニングスタック最適化と呼ばれる。したがって、例えば、パターン形成スタック最適化のための効率的で費用対効果の高い方法及び/又は装置が必要とされている。
【0012】
有利には、本明細書に記載される、パターニングスタックを最適化するための方法及び/又は装置は、満足のいくパターニングスタックを達成するための総時間を大幅に短縮することができる。追加的に又は代替的に、本明細書に記載の方法及び/又は装置は、かなりの量の実験作業を削減又は排除することができ、それによって製造コストが削減される。追加的又は代替的に、既存のプロセスは、パターニングプロセス統合の最終段階の前の計測プロセス及び/又はエッチングプロセスを考慮しないが、本明細書に記載の方法及び/又は装置は、リソグラフィプロセスと共に計測プロセス及び/又はエッチングプロセスを同時に考慮してもよい。追加的又は代替的に、本明細書に記載の方法及び/又は装置は、パターニングプロセス(計測プロセス、リソグラフィプロセス、及び/又はエッチングプロセス)におけるロバスト性能(たとえばプロセス変動に応答して有効性能を有する)に関してパターニングスタックの各層の材料及び/又は厚さを効果的に最適化できる。
【0013】
一実施形態では、パターニングスタックの調整方法が提供され、方法は、基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性を表すパラメータがパターニングスタック変数の変化によってどのように影響を受けるかを測定する関数を定義することを含み、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの材料層の物理的特性を表し、ハードウェアコンピュータシステムによって、パターニングスタック変数を変更し、終了条件が満たされるまで、ハードウェアコンピュータシステムによって、変更されたパターニングスタック変数に関する関数を評価し、終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する。
【0014】
一実施形態では、終了条件が満たされるまで、ハードウェアコンピュータシステムによってパターニングスタック変数を最適化することを含み、パターニングスタック変数は、それぞれが基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する、基板上のパターニングスタックの材料層の物理的特性を表し、終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する。
【0015】
一実施形態では、プロセッサに本明細書に記載の方法を実行させるように構成された機械可読命令を含む非一過性コンピュータプログラム製品が提供される。
【0016】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部をなすものである。本明細書は、発明の実施形態を例示し、その説明と共に、発明の実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を製作及び使用することを可能にするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】リソグラフィ投影装置の一実施形態を概略的に示す図である。
図2】例示的なレベルセンサの概略図を示す。
図3】リソグラフィセル又はクラスタの一実施形態を概略的に示す図である。
図4】シミュレーションモデルの一実施形態のブロック図である。
図5】同時最適化/共最適化の例示的な方法論の態様を示すフロー図である。
図6】さらなる最適化方法の一実施形態を示す図である。
図7】パターニングスタックの一例を示す図である。
図8】一実施形態による、パターニングスタック最適化プロセスの例示的なフローチャートである。
図9】レジスト画像に基づいて定在波パラメータを決定する例示的な方法を示す図である。
図10】レジスト画像に基づいてコントラスト変動パラメータを決定する例示的な方法を示す図である。
図11】空画像に基づいて側壁角度パラメータを決定する例示的な方法を示す図である。
図12】コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
図13】例示的なリソグラフィ投影装置の概略図である。
図14図13の装置のより詳細な図である。
図15図13及び図14の装置の放射源コレクタモジュールのより詳細な図である。
【0018】
添付の図面を参照して、1つ又は複数の実施形態を説明する。図面において、類似の参照番号は、同一又は機能的に類似の要素を示すことがある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態を詳細に説明する前に、実施形態が実施され得る例示的な環境を提示することは有益である。
【0020】
図1は、リソグラフィ投影装置LAを概略的に示す。装置は:放射ビームB(例えばDUV放射又はEUV放射)を調整するように構成された照射システム(イルミネータ)IL;
パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT;基板(例えばレジスト被覆ウェーハ)Wを保持するように構成され且つ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウエハテーブル)WTa;パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又はそれ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折型又は反射型投影システム)PSを含む。
【0021】
照射システムは、放射を方向付け、整形、又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気又は他の種類の光学部品、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々な種類の光学部品を含むことができる。
【0022】
本明細書で用いる「投影光学系」又は「投影システム」の用語は、用いられる露光放射や、液浸液の使用または真空の使用といった他の要素について適切であれば、屈折型、反射型、屈折反射型、磁気型、電磁気型および静電型の光学システムまたはこれらの任意の組み合わせを含む、任意の形式の投影システムを包含するもの広く解釈されるべきである。「投影光学系」又は「投影システム」という用語はまた、投影ビームの放射を方向付け、整形又は制御するために、集合的に又は単独で、これらの設計タイプのいずれかに従って動作する構成要素も含み得る。「投影光学系」又は「投影システム」という用語は、光学部品がリソグラフィ投影装置の光路上のどこに配置されていても、リソグラフィ投影装置内の任意の光学部品を含むことができる。投影光学系又はシステムは、放射がパターニングデバイスを通過する前に放射を成形、調整及び/又は放射するための光学部品、及び/又は放射がパターニングデバイスを通過した後に放射を成形、調整及び/又は投射するための光学部品を含み得る。本書での「投影レンズ」の用語の任意の使用は、より一般的な用語である「投影システム」と同義とみなしてもよい。
【0023】
パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ投影装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境に保持されているかどうかなどの他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを保持する。パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスを保持するために機械的、真空、静電又は他のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイス支持構造は、例えば、必要に応じて固定式又は可動式とすることができるフレーム又はテーブルとすることができる。パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにすることができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語の同義語と見なすことができる。
【0024】
本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを作成するなど、断面にパターンを有する放射ビームを付与するのに使用できる任意のデバイスを指すものとして広く解釈されるべきである。例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、放射ビームに付与されたパターンは基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に対応しないことがあることに留意すべきである。一般に、放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0025】
パターニングデバイスは透過型又は反射型であってもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいてよく知られており、バイナリ、レベンソン型位相シフト、及び減衰型位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、入ってくる放射ビームを異なる方向に反射するようにそれぞれが個々に傾けられることができる小さなミラーのマトリックス配置を使用する。傾けられたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0026】
上記で言及したパターニングデバイスは、1つ又は複数の設計レイアウトを含むか、又は形成することができる。設計レイアウトは、CAD(コンピュータ支援設計)プログラムを利用して生成することができ、このプロセスはしばしばEDA(電子設計自動化)と呼ばれる。大部分のCADプログラムは、機能設計レイアウト/パターニングデバイスを作成するために1組の所定の設計規則に従う。これらの規則は、処理上及び設計上の制限によって設定される。例えば、設計規則は、回路デバイス又はラインが互いに望ましくない方法で相互作用しないようにするために、回路デバイス(ゲート、キャパシタなど)又は相互接続ライン間のスペース許容値を定義する。1つ以上のデザインルールの制限事項はCDであってもよい。回路のCDは、線又は穴の最小幅、あるいは2つの線又は2つの穴の間の最小スペースとして定義してもよい。従って、CDは設計された回路の全体の大きさと密度を決定する。もちろん、集積回路製造における目標の1つは、元の回路設計を基板上に(パターン形成装置を介して)忠実に再現することである。
【0027】
本明細書で使用される「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、入射する放射ビームに、基板のターゲット部分に形成されるべきパターンに対応するパターン化断面を与えるために使用できる一般的なパターニングデバイスを指すものとして広く解釈され、この文脈では用語「ライトバルブ」も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、パターニングデバイスの例には、プログラマブルミラーアレイが含まれる。そのような装置の例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス指定可能面である。このような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレス指定された領域が入射放射を回折放射として反射する一方、アドレス指定されていない領域は入射放射を非回折放射として反射することである。適切なフィルタを使用して、前記非回折放射を反射ビームから除去し、回折放射のみを残すことができ、この方法により、ビームはマトリックスアドレス指定可能面のアドレスパターンに従ってパターン化される。必要とされるマトリクスアドレッシングは、プログラマブルLCDアレイのような適切な電子手段を用いて実行することができる。
【0028】
本明細書に示されているように、装置は透過型のもの(例えば透過型マスクを採用しているもの)である。あるいは、装置は反射型のもの(例えば、上で言及したような種類のプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射型マスクを使用するもの)であってもよい。
【0029】
リソグラフィ投影装置は、2つ(デュアルステージ)以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブル、2つ以上のパターニングデバイス支持構造、基板テーブル及び計測テーブルなど)を有するタイプのものとしてもよい。このような「マルチステージ」機械では、複数の複数のテーブルを並行して使用することができ、あるいは1つ又は複数の他のテーブルをパターン転写に使用しながら準備ステップを1つ又は複数のテーブルで実行することができる。
【0030】
リソグラフィ投影装置はまた、投影システムと基板との間の空間を満たすように、基板の少なくとも一部を比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で覆うことができるタイプのものでもよい。液浸液は、リソグラフィ投影装置内の他の空間、例えばマスクと投影システムとの間にも適用することができる。液浸技術は、投影システムの開口数を増大させるための技術分野において周知である。本明細書で使用される用語「液浸」は、基板などの構造が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、むしろ露光中に液体が投影システムと基板との間に位置することを意味するだけである。
【0031】
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ投影装置とは別体であってもよい。そのような場合、放射源はリソグラフィ投影装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、例えば適切な方向付けミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて放射源SOから照射装置ILに通過する。他の場合では、例えば放射源が水銀灯であるとき、放射源はリソグラフィ投影装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ぶことができる。
【0032】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含んでもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ-outer及びσ―innerと呼ばれる)を調整できる。さらに、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々な構成要素を含んでもよい。イルミネータを使用して放射ビームを調整し、その断面に所望の均一性及び強度分布を持たせてもよい。
【0033】
放射ビームBは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを通過した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計装置、リニアエンコーダ、2-Dエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いた場合、基板テーブルWTaは、たとえば放射ビームBの経路内に異なるターゲット部分Cを配置するように正確に移動させることができる。ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使用して、たとえばマスクライブラリからの機械的回収後に、又はスキャン中に放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(たとえばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。一般に、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現することができる。同様に、基板テーブルWTaの移動は、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0034】
パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示の基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが、それらはターゲット部分間のスペースに配置されてもよい(これらはスクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に複数のダイが設けられている状況では、マスクアライメントマークはダイ間に配置されてもよい。装置の特徴の中で、小さなアライメントマークもダイ内に含めることができ、その場合、マークはできるだけ小さく、隣接する特徴と異なる結像又はプロセス条件を必要としないことが望ましい。アラインメントマークを検出するアラインメントシステムは、以下でさらに説明される。
【0035】
図示の装置は、以下のモードの少なくとも1つで使用することができる。ステップモードでは、放射ビームに与えられたパターン全体が一度にターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一静的露光)間、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTaは本質的に静止した状態に保たれる。その後、基板テーブルWTaは、異なるターゲット部分Cを露光することができるようにX方向及び/又はY方向にシフトされる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。スキャンモードでは、パターニングデバイスサポート(たとえばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTaは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付けられたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTaの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)倍率及び画像反転特性によって決定されるのがよい。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズが単一動的露光における目標部分の幅(非スキャン方向)を制限するのに対して、スキャン運動の長さは(走査方向の)ターゲット部分の高さを決定する。別のモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTは、プログラム可能なパターニングデバイスを保持して本質的に静止したままにされ、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される間、基板テーブルWTaは移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が使用され、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTaの各移動後又は走査中の連続放射パルス間で必要に応じて更新される。この動作モードは、上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0036】
上述の使用モードの組合せ及び/又はバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0037】
図1のリソグラフィ投影装置LAは、2つのテーブルWTa、WTb(例えば2つの基板テーブル)と2つのステーション(パターン転写ステーションと測定ステーション)とを有するいわゆるデュアルステージタイプであり、両者の間でテーブルを交換することができる。例えば、1つのテーブル上の基板がパターン転写ステーションでパターンが転写されている間に、他の基板を測定ステーションで他の基板テーブルにロードし、様々な準備ステップを実行することができる。準備ステップは、レベルセンサLSを使用して(例えばマップを生成するために)基板上の複数の位置で基板の表面の高さ及び/又は傾斜を決定することと、アラインメントセンサASを使用して基板上のアラインメントマークの位置を測定することとを含み、両方のセンサは基準フレームRFによって支持されている。結果に基づいて、基板Wの最上面が投影システムPSの焦点面に配置され、基板の適切な部分がパターン化されることを確実にするためテーブルWTa、WTbの一方又は両方がそれに応じて制御されてもよい。別の例として、1つのテーブル上の基板がパターン転写ステーションでそれに転写されたパターンを有する一方で、基板のない別のテーブルが測定ステーションで待機する(任意選択で測定活動が発生し得る)。この他のテーブルは、1つ以上の測定装置を有し、そして任意に他のツール(例えば、洗浄装置)を有してもよい。基板がパターン転写を完了すると、基板のないテーブルは、例えば測定を実行するためにパターン転写ステーションに移動し、基板のあるテーブルは、基板が降ろされ、(例えば、測定ステーション)に移動し、他の基板がロードされる。これらのマルチテーブル構成は装置のスループットの向上を可能にする。
【0038】
リソグラフィ装置が複数のテーブルを備えるか単一のテーブルを備えるかにかかわらず、基板の表面の高さ及び/又は傾斜を決定し、投影システムPSの焦点に対して制御するためにレベルセンサLSをパターン転写ステーション又はその近くに設けることができる。同様に、正確なパターン転写を可能にするように基板上のアライメントマークの位置を測定するためにアライメントセンサASをパターン転写ステーション又はその近くに設けてもよい。
【0039】
図2は、レベルセンサLSの一例を示す図である。図2に示すように、出力Sによって提供される(例えば、レーザなどの適切な光源Sによって生成される)放射ビーム1は、折り畳みミラー2を介して基板3に向けられる。ビーム1は基板の表面から反射され、第2の折り畳みミラー4を介して検出器5に向けられる。基板3の表面の高さの変化は、ビーム1が検出器5に入射する位置の変位として見られる。例えば、基板の表面が平坦であれば、ビーム1は検出器5の中心に入射する。基板の表面が例えば点線3aで示される刻み目を含む場合、破線1aで示されるように、ビーム1が反射される点が変位する。ビーム1の関連する並進が検出器5で発生し、これは基板の表面の高さが変化したことを示す。したがって、基板3の表面の高さは、レベルセンサによって厳密に監視されている。同様に、傾斜は、複数の位置で高さを測定することから導き出すことができる。
【0040】
図3に示すように、リソグラフィ投影装置LAは、リソセル又はリソクラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィセルLCの一部を形成することができ、これは、基板上に1つ又は複数のパターン前後転写プロセスを実行する装置も含む。従来、これらは、レジスト層を堆積するための1つ以上のスピンコーターSC、露光されたレジストを現像するための1つ以上のデベロッパDE、1つ以上のチルプレートCH及び1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ、又はロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板をピックアップし、それを異なるプロセスデバイス間で移動させ、それをリソグラフィ投影装置のローディングベイLBに引き渡す。しばしばまとめてトラックと呼ばれるこれらの装置は、それ自体が監視制御システムSCSによって制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にあり、監視制御システムSCSもまたリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ投影装置を制御する。したがって、スループット及び処理効率を最大にするように異なる装置を動作させることができる。
【0041】
例えば計測装置MET(例えばCD-SEMツール、回折型光学測定システム、画像ベースの光学測定システムなど)を使用して、パターン化基板を検査して、層間のオーバーレイエラー、線の太さ、クリティカルディメンジョン(CD)、焦点、ドーズ量などの1つ以上の特性を測定することが望ましい。エラーが検出された場合、例えば、制御システムSCSを使用して1つ又は複数の後続の基板のパターニングに対して調整を行うことができる。これは、例えば、同じバッチの別の基板を依然としてパターニングするのに十分な速さで検査を迅速に行うことができる場合に特に有用である。また、既にパターン化された基板は、(歩留まりを向上させるために)剥ぎ取り及び再加工されるか、又は廃棄されてもよく、それによって、欠陥があることが知られている基板上でのパターン化の実行を回避する。基板のいくつかのターゲット部分のみに欠陥がある場合、さらなるパターニングは、良好なターゲット部分に対してのみ実行されてもよい。他の可能性は、誤差を補償するために後続の処理ステップの設定を適合させることである。トリムエッチング工程の時間は、リソグラフィプロセス工程から生じる基板間のCD変動を補償するように調整することができる。以下でさらに論じるように、測定は、パターニングプロセス設計(例えば、デバイス設計の設計)、制御、及び/又はモニタリングにおいて使用され得る。
【0042】
したがって、一実施形態では、検査装置METを使用して基板の1つ又は複数の特性、特に異なる基板又は同じ基板の異なる層の1つ又は複数の特性が層ごとに及び/又は基板全体にわたってどのように変化するかを判定する。検査装置は、リソグラフィ投影装置LA又はリソセルLCに統合されてもよく、又は独立型装置であってもよい。最も迅速な測定を可能にするために、検査装置はパターニング直後にレジスト層内の1つ以上の特性を測定することが望ましい。一実施形態では、露光されたレジスト中の潜像を測定することができる。しかし、レジスト内の潜像は非常に低いコントラストを有する、即ち、放射線に露光された部分とそうでない部分との間には非常に小さな屈折率の差しかない。したがって、露光後のベーク工程(PEB)の後に測定を行うことができ、これは通常、露光された基板に対して行われる最初の工程であり、レジストの露光部分と未露光部分との間のコントラストを高める。この段階で、レジスト内の像は半潜像的と呼ばれることがある。さらに、一実施形態では、一般的には、現像されたレジストイメージ、即ちレジストの露光部分又は未露光部分が除去された時点、又はエッチングなどのパターン転写ステップの後に測定を行うことができる。エッチング後の測定は、欠陥のある基板の再加工の可能性を制限するが、パターニングプロセス制御のための有用な情報を提供することがある。
【0043】
システム又はプロセスの最適化プロセスにおいて、システム及び/又はプロセスの性能指数は目的関数として表すことができる。最適化プロセスは、システムの一組のパラメータ(設計変数)を見つけるプロセス及び/又は目的関数を最適化する(たとえば、最小化又は最大化する)プロセスに帰結する。目的関数は、最適化の目的に応じて任意の適切な形をとることができる。例えば、目的関数は、これらの特性の意図された値(例えば理想値)に対するシステム及び/又はプロセスの特定の特性の偏差の加重二乗平均平方根(RMS)であり得る。目的関数はこれらの偏差の最大値(すなわち最悪の偏差)でもあり得る。システム及び/又はプロセスの設計変数は、有限範囲に限定することができ、及び/又はシステム及び/又はプロセスの実装形態の実用性により相互依存することがある。パターニングプロセスの場合、制約は、ハードウェア及び/又は調整可能範囲などの材料の物理的特性及び特性、ならびに/又はパターニングデバイス製造可能性設計規則に関連することが多い。
【0044】
リソグラフィ投影装置では、光源がパターニングデバイスに照射(すなわち放射)を供給し、投影光学系がパターニングデバイスを介して基板上に照射を向けて整形する。空画像(AI)は、基板レベルでの放射強度分布である。基板上のレジスト層が露光され、空画像がその中の潜在的な「レジスト画像」(RI)としてレジスト層に転写される。レジスト画像(RI)は、レジスト層中のレジストの溶解度の空間分布として定義することができる。レジストモデルを使用して空画像からレジスト画像を計算することができ、その例は米国特許出願公開第2009-0157360号に見出すことができ、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光中に発生する化学プロセス、PEB及び現像の影響)にのみ関係している。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、光源、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)は、空画像を決定づける。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスを変更することができるので、パターニングデバイスの光学特性を、少なくとも光源及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい場合がある。
【0045】
リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィをシミュレートするための例示的なフローチャートが図4に示されている。図4に示すように、放射源モデル31は、放射源の光学特性(例えば、放射強度分布及び/又は位相分布及び/又は偏光を含む)を表す。投影光学系モデル32は、投影光学系の光学特性(例えば、投影光学系によって引き起こされる放射強度分布及び/又は位相分布への変化を含む)を表す。設計レイアウトモデル35は、設計レイアウトの特性(例えば、所与の設計レイアウト33によって引き起こされる放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表し、これは、これは、パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスによって形成されたフィーチャの配置の表現である。空中像36は、設計レイアウトモデル35、投影光学モデル32及び設計レイアウトモデル35からシミュレートすることができる。レジストモデル37を用いて、空中像36からレジスト画像38をシミュレートすることができる。リソグラフィのシミュレーションは、例えば、レジスト画像内の輪郭及びCDを予測することができる。
【0046】
より具体的には、光源モデル31は、レンズ開口数設定、照射シグマ(σ)設定、及び/又は照射形状特性(例えば環状、四極、双極のようなオフアクシス放射など)のような照射の光学特性を表すことができることに留意すべきである。投影光学系モデル32は、収差、ディストーション、1つ以上の屈折率、1つ以上の物理的サイズ、1つ以上の物理的寸法などのような投影光学系の光学特性を表すことができる。設計レイアウトモデル35は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,587,704号に記載されているように、物理的パターニングデバイスの1つ又は複数の物理的特性を表すことができる。シミュレーションの目的は、例えば、エッジ配置、強度照度勾配及び/又はCDを正確に予測することである。シミュレーション結果は、意図された設計レイアウトについての関連値と比較してもよく、改善された設計レイアウトを生成するために任意に使用できる。意図された設計レイアウトは、一般に、OPC前の設計レイアウトとして定義され、設計レイアウトは、GDSII又はOASISなどの標準化されたデジタルファイルフォーマット、又は他のファイルフォーマットで提供することができる。
【0047】
エッチング装置内のエッチング又は計測装置内の計測(例えば、レベルセンサ、アライメントセンサ、CD、オーバーレイ、線量又は焦点測定システムなど)をシミュレートするために同様のフローチャートを適用することができることを理解すべきである。例えば、光学計測装置の場合、線源モデルは、測定放射線の光学特性(例えば、放射線強度分布及び/又は位相分布及び/又は偏光を含む)を表すことができる。測定ハードウェアモデルは、計測装置ハードウェアの光学投影及び測定特性を表すことができる。測定放射線分布(例えば、瞳孔内の強度分布)は、線源モデル及び測定ハードウェアモデルからシミュレートすることができる。
【0048】
設計レイアウトから、1つ又は複数の部分を識別することができ、それらは「クリップ」と呼ばれる。一実施形態では、設計レイアウト内の複雑なパターンを表す一組のクリップが抽出される(任意の数のクリップを使用することができるが、典型的には約50~1000個のクリップ)。これらのパターン又はクリップは、設計の小さな部分(すなわち回路、セル又はパターン)を表し、より具体的には、クリップは通常、特定の注意及び/又は検証が必要とされる小さな部分を表す。言い換えれば、クリップは、設計レイアウトの一部であり得るか、又は設計レイアウトの一部の類似又は類似の挙動を有し得、ここで1つ又は複数の重要な特徴が経験によって(顧客によって提供されるクリップを含む)、トライアンドエラーによって、又はフルチップシミュレーションを実行することで特定できる。クリップには、1つ以上のテストパターン又はゲージパターンを含めることができる。クリップはプロセスを制限することがあるので、それらの研究は、設計レイアウトの全ての挙動を研究することを回避するのを助けるか、又はより効率的かつ迅速にパターニングプロセスの研究(そして制御、モニタリング、設計など)を可能にする。
【0049】
特定の画像最適化を必要とする設計レイアウト内の1つ又は複数の既知の重要な特徴領域に基づいて、初期のより大きいクリップのセットが顧客によって先験的に提供されることがある。あるいは、別の実施形態では、1つ又は複数の重要な特徴領域を識別する何らかの種類の自動化(マシンビジョンなど)又は手動のアルゴリズムを使用することによって、最初のより大きいクリップのセットを設計レイアウト全体から抽出することができる。
【0050】
シミュレーション又は他の評価を可能にするために、目的関数は次のように表現され得る。
【0051】
【数1】
【0052】
ここで、(z,z,・・・,zN)は、N個の設計変数又はその値である。f(z,z,・・・,zN)は、(z,z,・・・,zN)の設計変数の値のセットの特性の実際値と目標値との差のような設計変数(z,z,・・・,zN)の関数であってもよい。(z,z,・・・,zN)の設計変数の値wpは、f(z,z,・・・,zN)に関連付けられた重み定数である。もちろん、CF(z,z,・・・,zN)は式1の形に限定されない。CF(z,z,・・・,zN)は、他の適切な形式にしてもよい。
【0053】
目的関数に含まれる関数f(z,z,・・・,zN)は、例えばリソグラフィ投影装置の、リソグラフィ処理の、基板のパターニング処理の任意の1つ又は複数の適切な特性、例えば、エッチング装置、計測装置、CD、フォーカス、画像シフト、画像歪み、画像回転、確率的変動、スループット、局所的なCD変動、プロセスウィンドウ、層間特性、又はそれらの組み合わせを表すことができる。一実施形態では、設計変数(z,z,・・・,zN)は、パターニングプロセスの1つ又は複数のパラメータ、例えばリソグラフィ投影装置、リソグラフィプロセス、基板、エッチングプロセス、計測装置のフォーカス、ドーズ、パターニングデバイスのグローバルバイアス、照射の偏光、及び/又は照射の形状を含んでもよい。設計変数は、パターニングデバイスの調整可能パラメータ、(投影又は測定)照射、(投影又は測定)光学系、線量、焦点などの任意の調整可能パラメータを含むことができる。基板上のパターンを決定付けるのはレジスト画像であることが多いので、目的関数はレジスト画像の1つ以上の特性を表す関数を含むことができる。例えば、f(z,z,・・・,zN)は、単にレジスト画像内の点とその点の意図された位置との間の距離(すなわち、エッジ配置誤差EPEp(z,z,・・・,zN))であってもよい。
【0054】
リソグラフィ投影装置は、波面の形状ならびに放射ビームの強度分布及び/又は位相シフトを調整するために使用することができる「波面マニピュレータ」と総称される構成要素を含むことができる。一実施形態では、リソグラフィ投影装置は、パターニングデバイスの前、瞳面の近く、像面の近く、及び/又は焦点面の近くなど、リソグラフィ投影装置の光路に沿った任意の位置で波面及び強度分布を調整することができる。波面マニピュレータは、例えば照射システム、パターニングデバイス、リソグラフィ投影装置内の温度変動、リソグラフィ投影装置の構成要素の熱膨張によって引き起こされる波面の特定のディストーション及び強度分布及び/又は位相シフトを補正又は補償するために使用することができる。波面及び強度分布及び/又は位相シフトを調整することは、目的関数によって表される特性の値を変えることができる。このような変化は、モデルからシミュレートすることも、実際に測定することもできる。設計変数は波面マニピュレータのパラメータを含むことができる。
【0055】
設計変数は制約条件を持つことができ、(z1,z2,・・・,zN)∈Zとして表すことができ、ここでZは設計変数の可能な値の集合である。設計変数に対する1つの可能な制約は、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって課されることがある。所望のスループットによって課されるそのような制約がないと、最適化は、現実的ではない設計変数の値のセットを生み出す可能性がある。例えば、線量がそのような制約のない設計変数である場合、最適化はスループットを経済的に不可能にする線量値をもたらす可能性がある。ただし、制約の有用性は必然として解釈されるべきではない。
【0056】
したがって、最適化プロセスは、制約条件(z,z,・・・,zN)∈Zの下で、以下を見つけるために、目的関数を最適化する1つ又は複数の設計変数の値の集合を見つけることである。
【0057】
【数2】
【0058】
【数3】
【0059】
ここで、εはゼロ又はゼロから外れた小さい値である。例えば、εは0.1、0.01、0.2、0.4、-0.01、-0.1、-0.4などに等しい。
【0060】
一実施形態による最適化の一般的な方法が図5に示されている。例として、最適化方法はリソグラフィプロセスを最適化するために使用される。しかしながら、エッチングプロセスを追加的に又は代替的に最適化するために、及び/又は計測プロセスを追加的又は代替的に最適化するために、類似の方法を実施することができることを理解すべきである。図5に示されるように、この方法は、複数の設計変数の多変数目的関数を定義するステップ302を含む。設計変数は、例えば照射の1つ又は複数の特性(300A)(たとえば瞳孔充填率、すなわち瞳孔又は開口部を通過する照射の放射の割合)、投影光学系(300B)のより多くの特性及び/又は設計レイアウト(300C)の1つもしくは複数の特性を表す設計変数の任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えば、設計変数は、照射(300A)及び設計レイアウト(300C)の1つ又は複数の特性(例えば、グローバルバイアス)を表すが投影光学系(300B)の1つ又は複数の特性のものではない設計変数を含み得る。これは、照射パターニングデバイス(例えばマスク)最適化(「光源マスク最適化」又はSMO)をもたらす。あるいは、設計変数は、照射(300A)(任意選択で偏光)、投影光学系(300B)、及び設計レイアウト(300C)の1つ又は複数の特性を表す設計変数を含むことができ、これは照射パターニングデバイス(例えば、マスク)―投影システム(例えば、レンズ)の最適化(放射源―マスク―レンズの最適化、又はSMLO)をもたらす。ステップ304では、目的関数が収束に向かって移動するように設計変数が同時に調整される。ステップ306において、所定の終了条件が満たされるかどうかが決定される。所定の終了条件は、様々な可能性を含み、例えば、使用される数値的手法によって要求されるように、目的関数が最小化又は最大化される、目的関数の値が閾値に等しい、若しくは閾値を越える、目的関数の値が予め設定された誤差限界内に達する、及び/又は予め設定された反復修正回数に達する、の1つ又はそれ以上から選択される。ステップ306の条件が満たされると、方法は終了する。ステップ306における1つ以上の条件が満たされない場合、所望の結果が得られるまでステップ304及び306が反復的に繰り返される。瞳孔充填率、レジストの化学的性質、処理量などの要因によって引き起こされる物理的な制約がある可能性があるため、最適化は必ずしも1つ又は複数の設計変数に対する単一の値のセットをもたらさない。最適化は、1つ又は複数の設計変数及び関連する性能特性(例えばスループット)について複数組の値を提供することができ、リソグラフィ投影装置のユーザが1つ又は複数の組を選択することを可能にする。
【0061】
照射、パターニングデバイス、及び投影光学系は、交互に最適化(代替最適化と呼ばれる)又は同時に最適化(同時最適化と呼ばれる)することができる。設計レイアウトの複数の層上のパターンは、同時に又は交互に最適化することができる。本明細書で使用される「同時」、「同時に」、「共同」及び「共同の」という用語は、パターニングプロセスの1つ又は複数の特性を表す1つ又は複数の設計変数及び/又は任意の他の設計変数が同時に変更可能であることを意味する。本明細書で使用される「代替的」及び「代替的に」という用語は、設計変数のすべてが同時に変化することが許されるわけではないことを意味する。
【0062】
図5では、全ての設計変数の最適化が同時に実行されている。そのようなフローは、同時フロー又は共最適化フローと呼ばれることがある。あるいは、図6に示すように、全ての設計変数の最適化が交互に実行される。このフローでは、各ステップで、目的関数を最適化するために他の設計変数を変更しながら、いくつかの設計変数を固定する。それから、次のステップでは、他の変数が目的関数を最適化するために変更されている間に、変数の異なるセットが固定される。これらのステップは、収束又は特定の終了条件が満たされるまで交互に実行される。図6の非限定的な例示のフローチャートに示されるように、最初に設計レイアウト(ステップ402)が取得され、次にステップ404で照射最適化のステップが実行され、そこで照射の1つ以上の設計変数が最適化され(SO)、他の設計変数が固定されている間に目的関数を最小化又は最大化する。次に、次のステップ406において、他の設計変数が固定されている間に、目的関数を最小化又は最大化するようにパターニング装置(例えばマスク)最適化(MO)が実行される。これら2つのステップは、ステップ408で特定の終了条件が満たされるまで交互に実行される。目的関数の値が閾値と等しくなる、目的関数の値が閾値を超える、目的関数の値が予め設定された誤差限界内に達する、予め設定された反復修正に達するなど、1つ又は複数の様々な終了条件を使用することができる。代替フローの例として、SO-MO-交互最適化が使用されていることに留意すべきである。代替フローは、SO、LO(投影光学系最適化)が実行され、MOが交互に反復的に実行されるSO-LO―MO代替最適化、最初にSMOを1回実行し、次いでLO及びMOを交互に反復的に実行するなど、多くの異なる形態をとることができる。他の選択肢は、SO―PO―MO(照射最適化、偏光最適化及びパターニングデバイス最適化)である。本開示を考慮すると、所望の最適化結果を達成するために、多数の置換及び部分最適化の組み合わせが可能である。最後にステップ410で最適化結果の出力が得られ、プロセスは停止する。
【0063】
また、上記の説明はリソグラフィプロセスに焦点を当てていたが、パターニングプロセスのエッチングプロセス、計測プロセスなどにも同様の技法を適用することができる。さらに、エッチングプロセス又は計測プロセスの最適化は、パターニングプロセスの他のプロセスと組み合わせることができる。例えば、リソグラフィプロセスは、計測プロセス及び/又はエッチングプロセス(同時最適化、代替最適化などによるかどうかにかかわらず)を用いて最適化することができる。別の例として、計測プロセスはエッチングプロセスを用いて最適化することができる(同時最適化、代替最適化などによるものであろうとなかろうと)。
【0064】
上述のように、製品を製造することは、基板上にパターニングスタックを加工することを含み得る。図7は、基板610の上の例示的なパターニングスタック660を示す。図示されているように、パターニングスタック660は、ハードマスク層620、底部反射防止コーティング(BARC)層630、レジスト(例えばフォトレジスト)層640、及びトップコート層650を含む。一実施形態では、パターニングスタック660は、図7に示すように層の一部を含むことができる。例えば、パターニングスタック660はトップコート層650を含まなくてもよい。一実施形態では、パターニングスタック660は、例えばBARC層630とハードマスク層620との間に、1つ又は複数の追加の層、たとえば犠牲光吸収材料(SLAM)層を含むことができる。SLAM層(図示せず)は、パターニングスタック660内の定在波を低減するように構成された放射線吸収特性を有するポリマー材料を含むことができる。
【0065】
ハードマスク層620は、メモリ又は記憶層とも呼ばれ、基板610上に直接配置することができる。ハードマスク層620は、レジスト層640からハードマスク層620にパターンを転写するエッチングプロセスにおいてパターニングされるように設けられる。ハードマスク層620は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、又は1つ以上の他の適切な材料を含んでよい。一実施形態では、ハードマスク層620はスピンオンカーボン(SoC)ハードマスク層とすることができる。BARC層630は、ハードマスク層620の上に配置されてもよく、パターニングスタック660内の定在波を低減するように構成された反射防止材料を含んでもよい。
【0066】
レジスト層640は、BARC層630の上に配置されてもよい。レジスト層640は、パターニングデバイスからレジスト層640にパターンを転写するリソグラフィプロセスでパターニングされるように設けられる。トップコート層650は、レジスト層640上にコーティングされてもよい。例えば、液浸リソグラフィでは、フォトレジストの露光中に、レジスト層640とトップコート層650の両方が液体、例えば水で覆われる。トップコート層650は、液体とレジストとの間の化学拡散を防止するように構成され、したがって、例えば、レジスト層640内の欠陥を減少させる。
【0067】
パターニングプロセスの動作において、パターニングスタック660は、図7に示されるように基板610上に提供される。1つ以上の計測センサ(例えば、レベルセンサ及び/又はアライメントセンサ及び/又はCD、オーバーレイ、焦点又は線量測定システム)を使用して、パラメータ(例えば、位置、オーバーレイ、CDなど)を決定することができる。基板610の上に、リソグラフィ投影装置を使用してレジスト層640を露光することによってレジスト層640上にパターンを生成することができ、エッチング装置を使用してレジスト層640上の現像パターンをハードマスク層620に転写することができる。いくつかの例では、ハードマスク層620は、例えば複数回(二回、三回など)のパターニングにおいて、リソグラフィ処理及びエッチングを繰り返すことによって複数回パターニングすることができる。
【0068】
上述のように、パターニングスタックの光学特性は、計測センサ(例えば、アライメントセンサAS、及び/又はレベルセンサLS、及び/又は計測装置MET)の測定精度及びリソグラフィ装置及びエッチング装置のパターニング性能に影響を及ぼす。さらに、パターニングスタックの光学特性は、1つ又は複数の材料特性及びパターニングスタックの各層の厚さによって決まる。具体的には、パターニングスタックの各層の材料特性は、例えば、材料の種類、材料の屈折率n、及び/又は材料の減衰係数kによって特徴付けることができる。したがって、材料の種類、屈折率n、減衰係数k、及び/又はパターニングスタックの1つ又は複数の層の厚さを変更すると、計測センサ、リソグラフィ装置、及び/又はエッチング装置の性能が変わる可能性がある。
【0069】
さらに、パターニングスタックの各層の材料特性は、材料の電気的要件、材料のエッチング要件(例えば、エッチング選択性、エッチング速度など)、及び/又は任意の他の適切な要件に基づいて選択され得る。材料特性を変更することは、例えば層の材料中に適切な量の酸又は塩基を添加することによって、材料を完全に異なるタイプの材料で置き換えること、又は材料の組成を調整することを含み得る。
【0070】
したがって、パターニングスタックを最適化することは、1つ又はそれ以上の計測センサ、リソグラフィ装置、及びエッチング装置を最適化するために、製造されるデバイスの(例えば電気的要件)、及び/又はパターニングプロセスの(例えば厚さ、使用される材料の要件)1つ又はそれ以上の要件を前提に、屈折率n、減衰係数k、及びパターニングスタックの1つ以上の層の厚さなどの1つ以上の設計変数を最適化することと同じであり得る。
【0071】
パターニングスタックを使用して製造されたデバイスにおいて機能目的でパターニングスタックを選択するだけでなく、リソグラフィプロセス中の投影放射の反射率を最小にするために、パターニングスタック660の1つ以上の層の厚さを選択する。これは、レジスト層640内への入射放射とBARC層630からの反射放射とがレジスト層640内で干渉すると、望ましくない定在波が形成される可能性があるために行われる。定在波は、レジスト層640内のパターンの側壁に望ましくないリッジを生じさせる可能性がある。したがって、例えば、BARC層630の厚さは、レジストを通って戻る放射の反射率を最小にするように選択される。BARC層630の厚さの選択によって反射率を最小にすることは、レジスト層640における定在波の形成を減少させることができる。いくつかの例では、BARC層630の厚さは、BARC層630の厚さが変化するにつれて反射率が正弦曲線を示すように変化することを示す振幅曲線に基づいて選択することができる。
【0072】
しかし、リソグラフィプロセス、計測プロセス、及び/又はエッチングプロセスにおけるパターンプロファイルを考慮に入れないと、既存のプロセスは、エッチングプロセス後にハードマスク層620上に望ましいパターンを形成することができない可能性がある。一実施形態では、パターンプロファイルは、空画像、レジスト画像、又はエッチング像と呼ばれることがあり、適切な数学モデルを使用した測定又はシミュレーションによって得られる。
【0073】
したがって、リソグラフィプロセス、計測プロセス及び/又はエッチングプロセスにおけるパターニングプロファイルを考慮に入れたパターニングスタック最適化のための方法及び/又は装置を提供することが望ましい。パターンスタック最適化のための方法は、BARC層の反射率以外に、計測プロセス、リソグラフィプロセス、及びエッチングプロセスにおける1つ又は複数の特性を最適化するために適用することができる。
【0074】
図8は、パターニングスタックの最適化のための例示的な方法を示す図である。ステップS502において、存在するならば、1つ以上の関連する調整範囲を含む、1つ以上の設計変数の各々の初期値が取得される。一実施形態では、1つ又は複数の設計変数、すなわちz1,z2,・・・,zN(N≧1)は、1つ又はそれ以上のパターニングスタックの材料タイプ、屈折率n、消衰係数k、及び/又は厚さから選択される。
【0075】
ステップS504において、1つ以上の設計変数に対応して、1つ以上のパラメータの各々に対する値が得られる。1つ以上のパラメータのそれぞれは、最適化されるべきパターニングプロセス(例えば、計測プロセス、リソグラフィプロセス、及びエッチングプロセス)の特性を表す。例えば、一実施形態では、1つ又は複数のパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは計測プロセスの1つ又は複数の特性を表す。一実施形態では、少なくとも1つのパラメータは、アライメントセンサ(例えば、図1のリソグラフィ投影装置のセンサAS)のアライメント精度を特徴付けるアライメントパラメータ、レベルセンサ(例えば、図1のリソグラフィ投影装置のセンサLS)の精度を特徴付けるレベリングパラメータ、及び/又は計測装置(例えば、図3の計測装置MET)の測定精度を特徴付ける計測パラメータから選択される1つ又はそれ以上のパラメータである。少なくとも1つのパラメータの値は、センサモデルを使用して計測センサ(例えば、アライメントセンサAS、又はレベルセンサLS、又は計測装置MET)のシミュレーションに基づいて決定することができる。少なくとも1つのパラメータの値は、1つ以上の設計変数に基づいてシミュレート又は測定することができる。
【0076】
一実施形態では、1つ又は複数のパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、パターニングプロセスで生成されたリソグラフィパターンプロファイル(たとえば、転写像の空画像又はレジスト画像)の1つ又は複数の特性を表す。そのような少なくとも1つのパラメータの値は、パターニングプロセスにおいて予測/生成された1つ又は複数のリソグラフィパターンプロファイルに基づいて決定することができる。1つ以上のパターンプロファイルは、1つ以上の設計変数に基づいてシミュレート又は測定されてもよい。一実施形態では、リソグラフィパターンプロファイルは空画像又はレジスト画像である。一実施形態では、そのような少なくとも1つのパラメータは、レジスト画像(図9Aに示す)に基づいて定在波を特徴付ける定在波パラメータ、レジスト画像(図9Bに示す)に基づいてコントラスト変動を特徴付けるコントラスト変動パラメータ、空中像(図9Cに示す)又はレジスト画像に基づいて左側壁角又は右側壁角を特徴付ける側壁角パラメータ、レジスト画像又は測定値に基づいてCD後現像を特徴付ける、空中像又はレジスト画像に基づいて構造の足元での変動を特徴付けるフーティングパラメータ、レジストに基づいてレジスト損失後現像を特徴付けるレジストロスパラメータ、空中像(図9Cに示す)又はレジスト画像に基づいて、構造的非対称性(例えば、左側壁角度と右側壁角度との間の差又は底面傾斜)を特徴付ける非対称性パラメータなどから選択される1つ又はそれ以上のパラメータである。
【0077】
一実施形態では、1つ又は複数のパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、エッチングプロセスの1つ又は複数の特性を表す。一実施形態では、そのような少なくとも1つのパラメータは、シミュレーション又は測定に基づいてエッチング後のCDを特徴付けるバックエンドCDパラメータ、エッチング後のパターン配置誤差を特徴付けるパターン配置パラメータ、リソグラフィエッチバイアス(すなわち、CDポストエッチングとCDポスト現像との間の差)を特徴づけるリソグラフィエッチバイアスパラメータなどから選択される1つ以上を含む。エッチング後のパターン配置誤差は、リソグラフィパターンプロファイルの非対称性によって引き起こされる可能性がある。したがって、パターン配置パラメータを最適化することは、上述のように非対称性パラメータを最適化することと同じであり得る。一実施形態では、リソグラフィエッチングパラメータは、後端CDパラメータと前端CDパラメータとの間の差である。リソグラフィエッチングバイアスは、空画像又はレジスト画像中の側壁角によって引き起こされ得る。したがって、リソエッチングバイアスパラメータを最適化することは、上述のように側壁角度パラメータを最適化することと同じであり得る。一実施形態では、そのような少なくとも1つのパラメータの値は、エッチングモデルを用いた測定又はシミュレーションに基づいて決定される。
【0078】
ステップS505において、1つ又は複数のパラメータに関して1つ又は複数の設計変数の最適値を見つけるために関数(たとえば、目的関数)が設定される。一実施形態では、最適化の目的で、関数は、ステップS504で説明したように、それぞれが1つ又は複数のパラメータのうちの1つを表す、1つ又は複数のf(z,z,・・・,zN)の関数を含む。例えば、一実施形態では、この関数は、ただ1つのパラメータについて1つ又は複数の設計変数z,z,・・・,zN(N≧1)を最適化するために使用される。したがって、目的関数は、1つのパラメータを表す関数f(z,z,・・・,zN)のみを含む。別の例では、一実施形態では、この関数は、2つ以上のパラメータをまとめて最適化するために1つ以上の設計変数z,z,・・・,zN(N≧1)を最適化するために使用される。したがって、一実施形態では、関数は、それぞれが2つ以上のパラメータのうちの1つを表す2つ以上の関数f(z,z,・・・,zN)の組み合わせである。一実施形態では、関数は、それぞれ式(1)のようにパラメータのうちの1つを表す2つ以上の関数f(z,z,・・・,zN)の重み付けされた組合せである、すなわち異なるパラメータは異なる重み付けを有する。
【0079】
ステップS506で、関数は、第1の反復ステップ(i=0)のための1つ又は複数の設計変数の開始点値の周りの十分に小さい範囲内で展開される。
【0080】
ステップS508において、1つ又は複数の設計変数の値のセット、すなわちz,z,・・・,zN(N≧1)に対応する1つ又は複数のパターンプロファイルが、測定又はシミュレーションのいずれかによって得られる。一実施形態では、1つ又は複数のパターンプロファイルのそれぞれは、空画像(例えば、投影光学系又はレジストモデルを用いた測定又はシミュレーションによる)、レジスト画像(例えば、レジストモデルを用いた測定又はシミュレーションによる)、又はエッチング画像(例えば、エッチングモデルを用いた測定又はシミュレーションによる)である。1つ又は複数のパターンプロファイルを使用して、1つ又は複数のパラメータf(z,z,・・・,zN)の値が決定される。
【0081】
ステップS510において、標準的な最適化技術が関数に適用されて、1つ又は複数の設計変数の値の最適な組、すなわち(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)(「z~」はチルダ付きのz)が見つけられる。一実施形態では、例えばシステマチックエラー又は他の回避できないエラーにより設計変数が(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)からずれた場合でも、式(2)又は(2')の目的関数を用いて、1つ又は複数の設計変数の値がわずかにずれても目的関数の値があまり変わらないようにロバストパターニングプロセスを得る。最適化問題は、S510での最適化プロセス中、又は最適化プロセスの後の段階で、1つ又は複数の調整範囲などの制約を適用できることに留意すべきである。
【0082】
ステップ512において、所定の終了条件が満たされるかどうかが決定される。所定の終了条件は、様々な可能性、例えば、使用される数値技術によって要求されるように、関数が最小化又は最大化される、関数の値が閾値に等しい、若しくは閾値を横切る、関数の値が事前設定されたエラー限度内に達する、及び/又は事前設定された反復修正回数に達する、の1つ又は複数から選択される。一実施形態では、終了条件は、1つ又は複数の設計変数の値のセットに対応する1つ又は複数のパターンプロファイルが1つ又は複数の所定のルールを満たすかどうかであり得る。例示的なルールは、得られたパターンプロファイルに従ったレジスト損失の量が事前設定された閾値を下回るべきであることである。しかしながら、他の適切なルールが追加的又は代替的に適用されてもよい。所定の終了条件が満たされない場合、処理はステップS516に進む。ステップS516では、1回以上の設計変数の値を、i回目の繰り返しの結果で更新し、処理をステップS508に戻す。終了条件が満たされる場合、処理はステップS518に進む。
【0083】
ステップS518において、1つ又は複数の設計変数の値のセット、すなわち(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)が出力される。一実施形態では、選択を可能にするために、1つ又は複数の設計変数の複数の値(例えば複数の値の組)を(例えば、1つ又はそれ以上のパラメータ又はパラメータの組み合わせから生成されたインジケータの1つ又はそれ以上の対応する値のような性能インジケータを使用して)出力及びランク付けすることができる。それに加えて又はその代わりに、ステップS518において、1つ又は複数の設計変数の値の組に基づく他のデータが出力される。例えば、ステップS518で、1つ又は複数の設計変数の値の組に従ってパターンスタックレイアウトが生成され、ディスプレイ上にユーザに提示される。
【0084】
上述のように、一実施形態では、図8のパターニングスタック最適化の方法は、パターニングプロセスの頑健性を可能にするために、すなわち1つ又は複数の設計変数の値が(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)から外れるとき、1つのパラメータ又は1つ又はそれ以上のパラメータの重み付けされた組み合わせはあまり変化しない。しかし、1つ又は複数の設計変数(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)の値のセットを考えると、1つ又は複数のパラメータの対応する値は所望の値に等しくない可能性がある。一実施形態では、1つ以上のパラメータの値は、設計変数z~ ,z~ ,・・・,z~ N以外の1つ以上の変数を調整することによって、例えばリソグラフィ処理のドーズ量を変更することによって所望の値に変更され得る。これに関連して、図5図6の方法は、図8の方法と統合することができる。例えば、パターン形成スタックが(例えば、層の光学特性及び/又は厚さにおける)変動に対するロバスト性に関して最適化されている場合、図8の方法を通して、パターンの忠実度それ自体は、(例えば、SMO、OPCなどによる)再調整を必要とし得る。したがって、一実施形態では、例えば、図8の方法によって最適な、又はそうでなければ所望のパターニングスタックが得られると、図5図6で決定された1つ又はそれ以上の設計変数は、図5図6の方法を実行することで再考される。すなわち、図8の方法の結果に基づいてSMO、OPC又は他の関連プロセスを実行することができる。さらに、一実施形態では、次いで、図8の方法は、図5図6の方法の結果に基づいて再実行され、したがって、反復スキームは、1つ又はそれ以上の所望、例えば閾値に達したとき、反復修正の結果が5%以上、2%以上、1%以上異ならない値に達する。追加的又は代替的に、一実施形態では、図5図6及び図8の方法は、共最適化法に統合される。したがって、これらの手法では、例えば、照射、パターニングデバイスパターン、及びパターニングスタックは、例えば3つすべてを最適化する反復又は共最適化プロセスで最適化される。
【0085】
焦点は変動に対するロバスト性であるが、本明細書に記載の方法はそのように限定されない。例えば、追加的に又は代替的に、基板上にパターニングされる(又は実際にパターニングされる)パターンフィーチャのパターン忠実度(例えば、CD、側壁角度(SWA)、エッジラフネスなど)を方法の一部として対象とすることができる。すなわち、例えば、1つ又は複数のパターン忠実度パラメータを、変動に対するロバストネスに加えて又はその代わりに最適化することができる。例えば、パターニングスタックの最適化は、SMO、OPCなどの方法(例えば、上述のように同時最適化又は反復プロセス)に統合することができる。したがって、プロセス変動に対するロバスト性に加えて、又はその代わりに、パターニングされるべき1つ又は複数の公称フィーチャを向上させることができる。
【0086】
ステップS510における最適化プロセスの実施形態は、以下により詳細に説明される。 例示的な最適化プロセスでは、設計変数(z,z,・・・,zN)とfp(z1,z2,との間の関係は、十分に滑らか(例えば、一次関数{∂f(z,z,・・・,zN)}/∂zn,(n=1,2,・・・,N)が存在する)でない限り、仮定又は近似されないが、これは一般的にパターニングで有効である。(z~ ,z~ ,・・・,z~ N)を見つけるために、Gauss-Newtonアルゴリズム、Levenberg-Marquardtアルゴリズム、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズム、勾配降下アルゴリズム、シミュレーテッドアニーリングアルゴリズム、内点アルゴリズム、及び遺伝的アルゴリズムなどのアルゴリズムを適用することができる。一実施形態では、実験データを含めることができ、その場合、分散分析(ANOVA)及び機械学習アルゴリズムを使用して対応するf関数を決定することができる。一実施形態では、EUV照射最適化などのために離散パラメータが関連し得る。そのような場合、「分枝限定」などの離散最適化アルゴリズムを使用することができる。複数の最適条件が共存する場合、例えば手順の粗探索段階においてモンテカルロ法を使用することができる。
【0087】
ここでは、例としてGauss-Newtonアルゴリズムを使用する。Gauss-Newtonアルゴリズムは、一般的な非線形多変数最適化問題に適用可能な反復法である。設計変数(z,z,・・・,zN)が(z1i,z2i,・・・,zNi)の値をとるi回目の反復修正では、Gauss-Newtonアルゴリズムはf(z1i,z2i,・・・,zNi)の近傍で、(z,z,・・・,zN)を計算し、(z1i,z2i,・・・,zNi)の近傍で最小のCF(z,z,・・・,zN)が得られる(z1(i+1),z2(i+1),・・・,zN(i+1))を計算する。設計変数(z,z,・・・,zN)は、(i+1)回目の反復修正で(z1(i+1),z2(i+1),・・・,zN(i+1))の値をとる。この反復修正は、収束がそれ以上減少しなくなる(例えばCF(z,z,・・・,zN)がそれ以上減らなくなる)まで、又はあらかじめ設定された反復回数に達するまで続く。
【0088】
具体的には、i回目の反復では、(z1i,z2i,・・・,zNi)の近傍で、以下の数式4となる。
【0089】
【数4】
【0090】
数式4の近似で、目的関数は、以下の数式5となる。
【0091】
【数5】
【0092】
これは、設計変数(z,z,・・・,zN)の二次関数である。設計変数(z,z,・・・,zN)を除いて、すべての項は定数である。
【0093】
設計変数(z,z,・・・,zN)がどの拘束条件にも該当しない場合、(z1(i+1),z2(i+1),・・・,zN(i+1))は、N個の線形方程式:{∂fp(z,z,・・・,zN)}/∂zn=ε',(n=1,2,・・・,Nであり、ε'=0又は0に近い小さい値である)を解くことによって導き出すことができる。例えば、ε'=-0.1、-0.2、-0.01、0、0.01、0.1、0.2、0.4など。
【0094】
設計変数がJ不等式(例えば(z,z,・・・,zN)の調整範囲)Σ n=1nj≦B(ここでj=1,2,・・・,J)、及びK等式(例えば設計変数間の相互依存)Σ n=1nk≦D(ここでk=1,2,・・・,K)の拘束下にある場合、最適化プロセスは、二次方程式プログラミング問題となり、Anj,B,Cnk,Dは定数である。反復ごとに追加の制約を課してもよい。例えば、数式3の近似が成立するように、(z1(i+1),z2(i+1),・・・,zN(i+1))と(z1i,z2i,・・・,zNi)との差を制限するために、「減衰係数」ΔDを導入してもよい。そのような制約は次のように表せる:zni-Δ≦z≦zni+Δ。(z1(i+1),z2(i+1),・・・,zN(i+1))は、例えば、Jorge NocedalとStephen J. WrightによるNumerical Optimization(第2版:Berlin New York:Vandenberghe Cambridge University Press)に記載された方法で導き出せる。
【0095】
(z,z,・・・,zN)のRMSを最小化する代わりに、最適化プロセスは、意図された値に対する特性の最大偏差(最大の欠陥)を最小化できる。このアプローチでは、代替として目的関数は次の数式6のように表すことができる。
【0096】
【数6】
【0097】
ここでCLPは、f(z,z,・・・,zN)の最大許容値である。この目的関数は、特性の中で最大の欠陥を表す。この目的関数を用いた最適化は最大の欠陥の大きさを最小にする。この最適化のために貪欲な反復アルゴリズムを使用することができる。
【0098】
数式6は、以下の数式7のように近似できる。
【0099】
【数7】
【0100】
ここで、qは、少なくとも4、又は少なくとも10のような偶数の正の整数である。数式7は、数式6の様式に似ており、最急降下法、勾配降下法のような方法を使用することによって最適化を分析的に実行し加速を可能にする。
【0101】
最大の欠陥サイズを最小化することは、f(z,z,・・・,zN)の線形化と組み合わせることもできる。具体的には、f(z,z,・・・,zN)は、数式4のように近似される。次いで、最大の欠陥サイズに対する制約は不等式:ELp≦f(z,z,・・・,zN)≦EUpとして表せ、ELp及びEUpは、f(z,z,・・・,zN)の最小許容偏差と最大許容偏差を指定する2つの定数である。数式4を代入すると、これらの制約は、p=1,・・,Pにおいて以下の数式8及び数式9で表せる。
【0102】
【数8】
【0103】
【数9】
【0104】
数式4は、(z,z,・・・,zN)の近傍でのみ有効であり、所望の制約ELp≦f(z,z,・・・,zN)≦EUpを達成できない(これは不等式間のいかなる矛盾によって判断できる)場合、制約ELpとEUpは、制約が達成可能になるまで緩和できる。この最適化プロセスは、(z,z,・・・,zN)の近傍における最大欠陥サイズを最小化する。その後、各ステップは最大欠陥サイズを徐々に減らし、各ステップは終了条件が満たされるまで繰り返し実行される。これにより、最大欠陥サイズを最適に減らせる。
【0105】
最大欠陥を最小限に抑えるもう1つの方法は、反復修正ごとに重み付けwpを調整することである。例えば、i番目の反復修正の後、r番目の特性が最大欠陥である場合、その特性の欠陥サイズの減少がより高い優先順位を与えられるように、(i+1)番目の反復修正においてwrを増加させることができる。
【0106】
さらに、数式5及び数式6の目的関数は、以下の数式10に示すように、ラグランジュ乗数を導入し、欠陥サイズのRMSでの最適化と、最大欠陥サイズの最適化との間の妥協点を達成することで修正できる。
【0107】
【数10】
【0108】
ここで、λは、欠陥サイズのRMSでの最適化と最大欠陥サイズでの最適化との間の妥協点を指定する事前設定定数である。特に、λ=0の場合、これは数式5となり、欠陥サイズのRMSは最小化され、λ=1の場合、これは数式6になり、最大欠陥サイズは最小化されるだけであり、0<λ<1の場合、最適化において両方が考慮される。そのような最適化は、複数の方法を使用して解決できる。例えば、各反復修正における重み付けは、前述のものと同様に調整することができる。あるいは、不等式から最大欠陥サイズを最小化するのと同様に、数式8及び数式9の不等式は、二次方程式プログラミング問題の解法中の設計変数の制約と見なすことができる。次に、最大欠陥サイズの限界を徐々に緩和するか、最大欠陥サイズの重み付けを増分的に増加させ、達成可能なすべての最大欠陥サイズの目的関数値を計算し、次のステップの最初のポイントとして合計目的関数を最小にする設計変数値を選択する。これを反復的に行うことによって、この新しい目的関数の最小化を達成できる。
【0109】
パターニングプロセスを最適化すると、プロセスウィンドウを拡大できる。より大きなプロセスウィンドウは、プロセス設計(例えば、デバイス設計、処理パラメータ値など)においてより高い柔軟性を提供する。プロセスウィンドウは、例えば、空画像、レジスト画像、又はエッチング像のパラメータ(例えば、CD、SWA、又は任意のプロファイル関連(幾何学的)パラメータ)がパラメータの設計目標の特定の限度内にある一組の焦点及びドーズ値として定義することができる。本明細書で論じられる方法は、露光量及びデフォーカスとは異なる又は追加の基本パラメータ(2つ以上のパラメータ)によって確立することができる、より一般化されたプロセスウィンドウ定義に拡張することができることに留意すべきえある。これらは、限定されないが、NA、シグマ、収差、偏光、又はレジスト層の光学定数などの光学設定を含み得る。したがって、焦点値及びドーズ値に基づいて定義されたプロセスウィンドウは、本開示における一例としてのみ役立つ。例えば、プロセスウィンドウ(PW)が異なるパターニングデバイスパターンバイアス(マスクバイアス)を含む場合、最適化は、基板エッジ配置誤差(EPE)及び誘導パターニングデバイスパターンエッジバイアス間の比として定義されるマスクエラー増強係数(MEEF)の最小化を含むことができる。
【0110】
一実施形態による、例えばドーズ量及び焦点をそのパラメータとして使用してプロセスウィンドウを最大化する方法を以下に説明する。第1のステップでは、プロセスウィンドウ内の既知の条件(f、ε)から開始し、ここでf0は公称焦点であり、εは公称ドーズ量であり、(f±Δf,ε±ε)近傍の目的関数の1つを最小にする。
【0111】
【数11】
【0112】
【数12】
【0113】
【数13】
【0114】
公称焦点f及び公称ドーズ量εをシフトさせることができる場合、それらは設計変数(z,z,・・・,zN)と共に最適化することができる。次のステップでは、(z,z,・・・,zN)の値の組が、目的関数が予め設定された限界内にあるように見出せる場合、(f±Δf,ε±ε)はプロセスウィンドウの一部として受け入れられる。
【0115】
焦点及びドーズ量が移動することを許されない場合、設計変数(z,z,・・・,zN)は、焦点及びドーズ線量を公称焦点f0及び公称線量ε0に固定して最適化される。別の実施形態では、(z,z,・・・,zN)の値の組が、目的関数が予め設定された限界内にあるように見出せる場合、(f±Δf,ε±ε)はプロセスウィンドウの一部として受け入れられる。
【0116】
本開示において先に記載された方法は、数式11~13のそれぞれの目的関数を最小化し、例えば、1つ又は複数の設計変数の最適化に基づいてプロセスウィンドウ最大化をもたらすために使用できる。上述の最適化方法は、リソグラフィ装置及び/又はエッチング装置のスループットを向上させるために使用することができる。例えば、関数は、リソグラフィ装置におけるパターニング(例えば露光)時間を表すf(z,z,・・・,zN)及び/又はエッチング装置のエッチング時間を表すf(z,z,・・・,zN)を含んでもよい。一実施形態では、そのような関数の最適化は、帯域幅又は他の測定基準の尺度によって制約又は影響を受ける。
【0117】
上述したように、パターニングプロセスの様々な特性を表すパラメータの値は、パターンプロファイルに基づいてそして様々な方法によって計算することができる。図9A図9Cは、パターンプロファイルに基づいて3つの異なるパラメータを決定する例示的方法を示す。
【0118】
図9Aは、レジスト画像800に基づいて定在波パラメータを決定する方法の一例を示す。レジスト画像800は、シミュレーション又は測定により得ることができる。定在波パラメータの値は、レジスト画像800に基づいて算出することができる。例えば、最大強度を有するレジスト画像800のピクセル810が見つけられる。画素810を通るZ方向に沿ったカットライン820がレジスト画像800上で識別される。定在波パラメータPswの値は、数式14のように計算することができる。
【0119】
【数14】
【0120】
ここで、Imaxは、カットライン820に沿った全ピクセルの最大強度を表し、Iminは、カットライン820に沿った全ピクセルの最小強度を表す。
【0121】
図9Bは、レジスト画像800に基づいてコントラスト変動パラメータを決定する例示的な方法を示す。コントラスト変動パラメータの値は、レジスト画像800に基づいて算出することができる。例えば、コントラスト値は、レジスト画像800の画素の各行又は複数の行に対して計算される。具体的には、コントラスト値Ciは、レジスト画像800の画素のi番目の行830について、数式15のように計算される。
【0122】
【数15】
【0123】
ここで、Imax,iは、i番目のピクセル行830の中の強度の最大値を表し、レジスト画像800内の画素の数Imin,iは、レジスト画像800内のi番目のピクセル行830のうち強度の最小値を表し、レジスト画像800が(合計で)m列のピクセルを有すると仮定して、i=1,2,3,・・・,mである。
【0124】
レジスト画像800のコントラスト変動パラメータは、数式16のように計算することができる。
【0125】
【数16】
【0126】
ここでmax(C,i=1,2,・・・,m)は、m列のピクセルのコントラスト値の最大値を表し、min(C,i=1,2,・・・,m)は、m列のピクセルのコントラスト値の最小値を表す。
【0127】
図9Cは、空画像805に基づいて側壁角度パラメータを決定する例示的な方法を示す。一実施形態では、空画像805はシミュレーション又は測定により得られる。一実施形態では、図9Cに示すのと同様のプロセスを適用して、レジスト画像に基づいて側壁角度パラメータを決定することができる。レジスト画像は、空画像805とレジストモデルとに基づいてシミュレートすることができる。あるいは、測定によりレジスト画像を得てもよい。図9Cに示すように、側壁角度パラメータの値は、空画像805に基づいて計算することができる。例えば、垂直線845(すなわち、Z方向に沿った線)は、第1の座標で空中像の上端を横切って交差するように決定され、第2の座標(x、z)で空画像の下端860を横切って交差するように決定される。第3の座標(x、z)は、第1の座標と第2の座標のほぼ中間に決定され、ここでz=(z+z)/2である。したがって、第3の座標(x、z)を通る水平線848は、空中像805を上半分(すなわち線848の上)と下半分(すなわち線848の下)に分割することができる。次に、側壁と垂直線845との間の平均距離が、空中像805の上半分及び下半分についてそれぞれ決定される。したがって、第4座標(x、z)と垂直線845との間の距離と、第5座標(x、z)との間の距離とが一致するように、第4座標(x、z)及び第5座標(x、z)が決定され、垂直線845は、空中像805の上半分及び空中像805の下半分についてそれぞれ決定された平均距離に等しい。一実施形態では、z及びzの値は任意の値である。次に、第4座標(x、z)と第5座標(x、z)の両方を通る線850が生成される。次に、空画像805の側壁角度パラメータの値が、線850と空画像805の下端860との間の角度840として決定される。この例における側壁角度パラメータは直角側壁角度を表すことに留意すべきである。側壁角パラメータは左側の側壁角を表すことができ、その値は図9Cに示すのと同様の方法を使用して計算することができる。
【0128】
図10を参照すると、パターニングスタック最適化の例示的なプロセスが示されている。 グラフにおいて、横軸720は、例えば、屈折率n、減衰係数k、又はパターニングスタックの層(例えば、図7のパターニングスタック660)の厚さから選択される設計変数を表す。図10には1つの設計変数しかないが、上述のように2つ以上の設計変数があってもよい。垂直軸710、715のそれぞれは、例えば、アライメントパラメータ、レベリングパラメータ、定在波パラメータ、コントラスト変動パラメータ、側壁角度パラメータ、フロントエンドCDパラメータ、フーティングパラメータ、レジスト損失パラメータ、非対称性パラメータ、バックエンドCDパラメータ、パターン配置パラメータ、及び/又はリソエッチバイアスパラメータから選択されるパラメータを表すことができる。一例として、水平軸720は、パターニングスタックのBARC層の厚さを表す。第1の縦軸710は、コントラスト変動パラメータ(例えば、無単位正規化値)及び定在波パラメータ(例えば、無単位正規化値)を表す。したがって、BARC層の厚さの変動の関数として、コントラスト変動パラメータ及び定在波パラメータの値をそれぞれ表すデータ点は、図10に示すように、それぞれスイング曲線740及び750で示すように接続される。さらに、第2の垂直軸715は、側壁角度パラメータ(例えば、角度(度))を表す。したがって、BARC層の厚さの変化の関数として側壁角度パラメータの値を表すデータ点は、スイング曲線730によって示されるように接続される。図9A図9Cに関連して説明したように、スイング曲線740、750、及び730の各値は、パターニングプロファイル(すなわち、空画像又はレジスト画像)に基づいて計算することができる。具体的には、スイング曲線740によって表されるコントラスト変動パラメータ及びスイング曲線750によって表される定在波パラメータは、図9A及び図9Bに関して説明したようにレジスト画像770に基づいて計算することができる。スイング曲線730によって表される側壁角度パラメータは、図9Cに関して説明したように、空画像760に基づいて計算することができる。
【0129】
一実施形態では、各スイング曲線は、f(z)の関数によって当てはめられて表されてもよく、zは、水平軸720によって表される設計パラメータ(例えば、BARC層の厚さ)である。例えば、コントラスト変動パラメータを表すスイング曲線740はフィッティングされてf(z)で表され、定在波パラメータを表すスイング曲線750はフィッティングされてf(z)で表される。これは、側壁角度パラメータを表すf(z)を当てはめて表すことができる。
【0130】
一実施形態では、関数(例えば、目的関数)は、最適化の目的に応じて1つ又は複数の関数f(z)(i=1、2、又は3)を含む。一実施形態では、関数は、対応する2つ以上のパラメータについて設計変数z1をまとめて最適化するための2つ以上の関数f(z)を含む。一実施形態では、関数は、コントラストバリエーションパラメータ、定在波パラメータ、又は側壁角度パラメータのいずれかについて設計変数z1を最適化するために、関数f(z)、f(z)、及びf(z)のうちの1つのみを含む。上述したような標準的な最適化方法を関数に適用して、関数が、例えば局所的最大値を有する値(極大値又は極小値)又は所与の値のセットの局所的最大値の周辺範囲内の値を有するような設計数z1の値のセットを見つける。例えば、避けられない系統エラーのために、設計変数の値が公称値からわずかにずれているときに関数の値があまり変化しないように、範囲が使用され、したがって、関数内に表されている1つ又は複数のパラメータに関するロバストプロセスを得ることができる。一実施形態では、設計変数z1の値の組は、以下の数式17及び数式18を解くことによって決定することができる。
【0131】
【数17】
【0132】
【数18】
【0133】
ここで、C(z)は目的関数を表し、ε'はゼロから外れたプリセット値である。
【0134】
例えば、関数は定在波パラメータを表すf(z)のみを含み得る。したがって、図10を考慮して、設計変数zの最適値は、T1、T2、T3、及びT4であり得るか、又はT1、T2、T3、及びT4の周りの小さな範囲の値であり得、これにより、定常波パラメータに関してロバストプロセスが得られる。しかし、Tiにおける設計変数の値に従った空画像765は、予め設定された規則を満たさない可能性がある。例えば、空画像765は、著しいレジスト損失を示す。その結果、の値が破棄されることがある。値T2、T3、及びT4、又はT2、T3、T4の周りの小さい範囲の値は、設計変数z1のための出力された値の組に含まれ得る。実際には、設計変数z1が層の厚さを表す場合、それは定常波の局所的最小値を提供するので、ユーザは、パターニングスタック内の設計変数(例えば、BARC層の厚さ)に対してT3又はT3付近の小さな範囲内の数を選択し得る。しかし、図10に見られるように、T3は、コントラストの変動に対する局所的な最小値又は最大値を表すものではなく、90度の側壁角を提供しない。したがって、一実施形態では、関数は、設計変数z1の最適値(例えば、パターニングスタック層の厚さ)に到達するための1つ又は複数の他のパラメータ(例えば、コントラスト変動及び/又は側壁角度)を含む。
【0135】
上述したように、パターンスタック最適化にはただ1つの設計変数があり得る。したがって、設計変数の異なる値に応じた複数の空画像760又はレジスト画像770が、例えば目的関数で表される1つ又は複数のパラメータの値を決定するために最適化プロセスにおいて得られる。他のいくつかの例では、パターニングスタック最適化において2つ以上の設計変数があり得る。したがって、1つ又は複数の設計変数の異なる値に従って複数の空画像又はレジスト画像を決定することができる。例えば、1つ又は他の設計変数は、パターニングスタック内の異なるタイプ及び/又は異なる層に対するものであり得る。
【0136】
図11は、2つの設計変数による複数のレジスト画像の一例を示す。図11に示すように、横軸910は第1の設計変数を表し、縦軸920は第2の設計変数を表す。第1の設計変数及び第2の設計変数はそれぞれ、例えば、屈折率n、減衰係数k、及び/又はパターニングスタックの層(例えば、図7のパターニングスタック660)の厚さから選択することができる。例えば、水平軸910はBARC層(例えばBARC層630)の厚さを表し、垂直軸920はレジスト層(例えばレジスト層640)の厚さを表す。したがって、シミュレーション又は測定により、BARC層とレジスト層の厚さが異なる複数のレジスト画像が得られる。図示のように、複数のレジスト画像は二次元アレイに配置されている。レジスト画像の各列(すなわち、C1~C5のそれぞれ)は、同じ値の第1の設計変数(たとえば、BARC層の厚さ)及び各行(すなわち、R1~R5のそれぞれ)に対応する。レジスト画像は、第2の設計変数(例えば、レジスト層の厚さ)の同じ値に対応する。図示されていないが、複数の空画像を代わりに又は追加的に使用することができる。上述のように、パターニングプロファイルに関連し、最適化のための関数で表される各パラメータの値は、各空画像又はレジスト画像に基づいて計算することができる。上述のような標準的な最適化技術を使用して、2つの設計変数(例えば、BARC層の厚さ及びレジスト層の厚さ)を最適化し、そして最後に出力することができる。
【0137】
したがって、一実施形態では、パターニングスタックを最適化するときに(例えば、レジスト内に)結果として得られるパターンプロファイルが考慮される。一実施形態では、プロセスのロバスト性とパターンプロファイルとの間に共最適化がある。そうするために、一実施形態では、関連するプロセス条件(例えば、適用可能な照射、適用可能なパターン、適用可能な初期パターニングスタック設計変数(例えば、材料の種類と出発厚さ、など))を与えてパターンプロファイル(例えばレジストパターンプロファイル)を決定する。一実施形態では、レジストパターンを(パターンプロファイルの形態として)記述する1つ又は複数のパラメータは、レジスト内で生成された定常波から決定され、定在波はパターニングスタックの光学特性及び照射設定、並びに露光照射の波長から生じる。しかし、一実施形態では、パターンプロファイルを説明する1つ又は複数のパラメータは、露光後ベーク、現像などのプロファイルへの影響など、より多くの要因を捕捉する、より正確なモデル(例えば、Hyperlithソフトウェアなどの物理モデル)を使用して決定できる。最適化を可能にするために、スタックの1つ又は複数の調整可能な設計変数に対するパターンプロファイルの感度が一般に見出される。一実施形態では、1つ又は複数の設計変数の値(例えば、BARC層、レジスト層及び/又はトップコート層の厚さ、層の材料の種類、層の屈折率、層の吸光係数、層の減衰係数、レジスト全高を通した光活性化合物又は消光剤濃度(例えば、フーチング問題のためにBARC層に酸又は塩基を添加することによる)など))が変化し、パターンプロフィールに付属する1つ又は複数のパラメータ(例えば、定在波、コントラスト変動、側壁角度、CDなど)が得られる。一実施形態では、1つ又は複数のパラメータの値は、実験的に検証することができるシミュレーション(たとえば、空画像シミュレーション)によって取得される。
【0138】
そして、そのため、一実施形態では、1つ又は複数の設計変数を変えることによって、パターンプロファイルに関する1つ又は複数のパラメータの最適な1つ又は複数の値が得られる。最適な1つ又は複数のパラメータは、重み付けを適用することができるパラメータの組み合わせとすることができる。最適化の結果は、公称パターニング条件に対する最適なレジストプロファイルとなり得る。 様々な最適化基準がある。例えば、パターンプロファイルの変動は、変動するリソグラフィエッチングバイアスを生じさせるであろう。従って、ピッチ/フィーチャのある範囲の幅に対して実質的に同じリソエッチバイアスを有することが望ましいかもしれない。一実施形態では、最適化基準は、最小のトップラウンディング、最小のフーチング、及び/又は90°又はそれに近い側壁角(SWA)から選択される1つ又は複数を含むことができる。
【0139】
一実施形態では、本方法は、測定センサ性能(例えば、位置合わせ、レベリング)、計測影響(例えば、CD、オーバーレイ、ドーズなど)、イメージングCD、パターンプロファイル、パターン配置、パターンシフト内のエッチング近接効果、リソグラフィエッチングバイアス、エッチングパラメータ(例えばエッチング選択性、エッチング速度など)、レジスト現像パラメータ及び/又は露光後ベークパラメータから選択される1つ以上(望ましくは2つ以上から選択される)を考慮に入れたパターニングスタックのモデルベース最適化を提供する。電気的又は装置機能性能要件を最適化に含めることができる。しかし、一実施形態では、それらは除外され、それらの要件が材料の種類を決定する一方で、最適化は他のパラメータ(例えば、厚さ、屈折率など)に対処する。
【0140】
したがって、一実施形態では、パターニングスタック用に選択された(例えば、デバイス機能の理由から選択された(例えば、電気的特性)及び/又はエッチング要件用に選択された(例えば、エッチング選択性、エッチング速度))材料を入力として使用する最適化ツールセットが提供される。特定されたスタック材料を用いて、1つ以上のパターニングスタック変数を変えることができ、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの1つ以上の層の物理的特性を表す。例えば、パターニングスタック変数は、層の厚さ又は複数の層であり得る。さらに、パターニングスタックの複数の層の各層に対して1つなど、複数のパターニングスタック変数が存在し得る。さらに、異なる種類のパターニングスタック変数(例えば、屈折率及び厚さ)があり得る。次いで、1つ又は複数のパターニングスタック変数が変更される(例えば、それぞれが異なる層の厚さを表す複数のパターニングスタック変数がある場合、次に層の厚さを変更する)。一実施形態では、変動はモンテカルロ方式で実行することができる。1つ又は複数の様々なパターニングスタック変数のそれぞれについて、以下から選択される1つ又は複数のパラメータは、適切なモデル及び/又は測定値を使用することによって決定することができる:センサの性能への影響をあらわすパラメータ(レベルセンサ、アライメントセンサ、オーバーレイ、ドーズ)、CD計測装置、レジストCDへの影響を表すパラメータ、パターンプロファイル、ならびに/又はパターン配置、レジストのパターン、及びプロファイルに影響を表すパラメータ、ならびに/又はエッチングパターンに影響を表すパラメータ。次に、上記を使用して、1つ又は複数のパターニングスタック変数の最適値を決定することができる。例えば、1つ以上のパターニングスタック変数及び1つ以上のパラメータの決定された値に、キーパフォーマンスインジケータを識別又は割り当てることができ、次に1つ以上のパターニングの値を最適とみなされる観点でキーパフォーマンスインジケータをランク付けすることができる(例えば、最適パターン配置、エッチング後の最適パターンCD、及び/又はパターニングスタック変動に対するロバストネス)。
【0141】
したがって、一実施形態では、1つ又は複数の設計変数の適切な値を選択しレジスト内のパターンプロファイルを制御することによって、たとえば結像用のスタックを単に構成するのではなくパターニングを最適化することができる。さらに、1つ又は複数の設計変数の適切な値に達するこのプロセスは、エッチング後のクリティカルディメンジョン均一性の最適化を提供することができる。したがって、このプロセスは、根元のパターンプロファイルに関連する問題に取り組むことを可能にすることができる。
【0142】
一実施形態では、本明細書の手法は、パターニング統合のタスクを支援する。一実施形態では、本手法は、満足のいくパターニングスタックを達成するための総時間を短縮するのに役立つ。一実施形態では、これらの手法は、よりモデルベースの手法を使用することによって(これはコストを削減するのに役立ち得る)、伴う膨大な量の実験作業を削減するのに役立つ。一実施形態では、本手法は、適切なスタックを構成するさらなる態様を考慮に入れ、例えば、スタックの計測への影響は考慮されておらず、又はパターニングスタックの初期設計において考慮に入れられない。一実施形態では、これらの手法は、適切なパターニングスタックに到達するプロセスをより定量的にするので、より最適な終点に到達することが可能になるはずである。
【0143】
一実施形態では、基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性を表すパラメータがパターニングの変化によってどのように影響されるかを測定する関数を定義することを含むパターニングスタックの最適化方法が提供される。スタック変数、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの材料層の物理的特性を表す。ハードウェアコンピュータシステムによって、パターニングスタック変数を変更し、終了条件が満たされるまで、ハードウェアコンピュータシステムによって、変更されたパターニングスタック変数に関する関数を評価する。終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する。
【0144】
一実施形態では、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの層の屈折率、パターニングスタックの層の吸光係数、及び/又はパターニングスタックの層の厚さから選択される1つ又は複数である。一実施形態では、パラメータは、計測プロセスの物理的特性、リソグラフィプロセスの物理的特性、及び/又はエッチングプロセスの物理的特性から選択される1つ又は複数を表す。一実施形態では、パラメータは、アライメントパラメータ、レベリングパラメータ、計測パラメータ、定在波パラメータ、コントラスト変動パラメータ、側壁角度パラメータ、フロントエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、フーティングパラメータ、レジスト損失パラメータ、非対称パラメータ、バックエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、パターン配置パラメータ、トップラウンディングパラメータ、及び/又はリソグラフィエッチバイアスパラメータから選択される1つ又は複数である。一実施形態では、関数は、基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性をそれぞれ表す複数のパラメータがパターニングスタック変数の変化によってどのように影響を受けるかを測定する。一実施形態では、複数のパラメータは計測プロセスの物理的特性を含む。一実施形態では、変動するパターニングスタック変数に関する関数を評価することは、変動するパターニングスタック変数に基づいてパラメータの値を決定するためにコンピュータシミュレーションを実行することを含む。一実施形態では、パラメータはエッチングプロセスの物理的特性を含み、コンピュータシミュレーションはエッチングモデルを使用する。一実施形態では、パラメータは計測プロセスの物理的特性を含み、コンピュータシミュレーションは計測モデルを使用する。一実施形態では、パラメータはリソグラフィプロセスの物理的特性を含み、コンピュータシミュレーションはレジストモデルを使用する。一実施形態では、変化したパターニングスタック変数に関する関数を評価することは、測定又はシミュレーションによって得られたパターンプロファイルに基づいてパラメータの値を決定することを含む。一実施形態では、パターンプロファイルはレジスト画像又はエッチング画像のいずれかである。一実施形態では、変動するパターニングスタック変数に関して関数を評価することは、測定又はシミュレーションによって測定プロセスの物理的特性を表すパラメータの値を決定することを含む。一実施形態では、関数は目的関数であり、その関数が局所極値又は局所極値の周りのプリセット範囲内にあるパラメータの値を有するようにパターニングスタック変数の値を取得することを含む関数を評価することである。
【0145】
一実施形態では、ハードウェアコンピュータシステムによって、終了条件が満たされるまで、パターニングスタック変数を最適化することを含む方法が提供され、パターニングスタック変数は、基板上のパターニングスタックの材料層の物理的特性を表し、複数のパラメータのそれぞれは、基板上のパターニングスタックに転写されるパターンに関する物理的特性を表し、終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する。
【0146】
一実施形態では、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの層の屈折率、パターニングスタックの層の吸光係数、及び/又はパターニングスタックの層の厚さから選択される1つ又は複数である。一実施形態では、パラメータの少なくとも1つは、計測プロセスの物理的特性、リソグラフィプロセスの物理的特性、及び/又はエッチングプロセスの物理的特性から選択される1つ又は複数を表す。一実施形態では、パラメータは、位置合わせパラメータ、レベリングパラメータ、計測パラメータ、定在波パラメータ、コントラスト変動パラメータ、側壁角度パラメータ、フロントエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、フーティングパラメータ、レジスト損失パラメータ、非対称パラメータ、バックエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、パターン配置パラメータ、トップラウンディングパラメータ、及び/又はリソグラフィエッチバイアスパラメータから選択される1つ又は複数を含む。一実施形態では、パラメータは少なくとも計測プロセスの物理的特性を表すパラメータを含む。一実施形態では、最適化することは、パターニングスタック変数に基づいてパラメータの値を決定するためにコンピュータシミュレーションを実行することを含む。一実施形態では、パラメータの少なくとも1つはエッチングプロセスの物理的特性を表し、コンピュータシミュレーションはエッチングモデルを使用する。一実施形態では、パラメータの少なくとも1つは計測プロセスの物理的特性を表し、コンピュータシミュレーションは計測モデルを使用する。一実施形態では、パラメータの少なくとも1つがリソグラフィプロセスの物理的特性を表し、コンピュータシミュレーションはレジストモデルを使用する。一実施形態では、最適化することは、測定又はシミュレーションによって得られたパターンプロファイルに基づいて少なくとも1つのパラメータの値を決定することを含む。一実施形態では、パターンプロファイルはレジスト画像又はエッチング画像のいずれかである。一実施形態では、最適化することは、測定又はシミュレーションによって測定プロセスの物理的特性を表すパラメータのうちの少なくとも1つに対する値を決定することを含む。一実施形態では、最適化は、局所極値で、又は局所極値の周りの事前設定範囲内でパラメータの値を有するようにパターニングスタック変数の値を取得するために目的関数を評価することを含む。一実施形態では、方法は、複数のパターニングスタック変数について複数のパラメータを最適化することをさらに含む。一実施形態では、複数のパターニングスタック変数は、パターニングスタックの異なる層それぞれに対するパターニングスタック変数を含む。
【0147】
図12は、本明細書に開示されている方法及びフローを実施するのを助けることができるコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、リソグラフィ装置に組み込まれてもよく、計測装置に組み込まれてもよく、独立型システムであってもよく、あるいはリソグラフィ装置又は計測装置に接続された別個のシステムであってもよい。一実施形態では、コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102又は他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを含む。一実施形態では、コンピュータシステム100は、プロセッサ102によって実行される情報及び命令を格納するためにバス102に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメインメモリ106を含む。メインメモリ106はまた、プロセッサ104によって実行される命令の実行中に一時変数又は他の中間情報を格納するために使用され得る。一実施形態では、コンピュータシステム100は、静的情報及びプロセッサ104用の命令を格納するためにバス102に結合された読み取り専用メモリ(ROM)108又は他の静的記憶装置を含む。磁気ディスク又は光ディスクなどの記憶装置110が提供され、情報及び命令を記憶するためにバス102に結合される。
【0148】
コンピュータシステム100は、コンピュータユーザに情報を表示するために、バス102を介して陰極線管(CRT)又はフラットパネル又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合することができる。英数字及び他のキーを含む入力装置114は、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合されている。別のタイプのユーザ入力装置は、マウス、トラックボール、又は方向情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイも入力装置として使用することができる。
【0149】
一実施形態によれば、本明細書に記載の方法及び/又はフローの一部は、メインメモリ106に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答してコンピュータシステム100によって実行され得る。そのような命令は、記憶装置110などの他のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる一連の命令を実行することにより、プロセッサ104は本明細書に記載のプロセスステップを実行する。多重処理構成における1つ又は複数のプロセッサもまた、メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために採用され得る。代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用することができる。したがって、本明細書における説明は、ハードウェア回路とソフトウェアとの特定の組み合わせに限定されない。
【0150】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態を取り得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置110のような光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含む。伝送媒体はまた、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの音波又は光波の形態をとることもできる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、後述の搬送波、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体が含まれる。
【0151】
実行のために1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスをプロセッサ104に搬送することには、様々な形態のコンピュータ可読媒体を含めることができる。例えば、命令は最初にリモートコンピュータの磁気ディスクに載せられてもよい。リモートコンピュータはその命令をその動的メモリにロードし、モデムを使用して電話線を介して命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムは電話線上でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で運ばれたデータを受信し、そのデータをバス102に置くことができる。バス102はデータをメインメモリ106に運び、メインメモリ106からプロセッサ104は命令を取り出して実行する。メインメモリ106によって受信された命令は、プロセッサ104による実行の前又は後に、記憶装置110に任意に記憶されてもよい。
【0152】
コンピュータシステム100はまた、バス102に結合された通信インターフェース118を含み得る。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されているネットワークリンク120への双方向データ通信接続を提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話線へのデータ通信接続を提供するための統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。無線リンクも実施することができる。任意のそのような実施形態において、通信インターフェース118は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁気信号、又は光信号を送受信する。
【0153】
ネットワークリンク120は通常、1つ又は複数のネットワークを介して他のデータ装置へのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を介してホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126によって運営されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、今度は一般に「インターネット」128と呼ばれる、世界規模のパケットデータ通信ネットワークを介してデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁気信号、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100との間でデジタルデータをやりとりする、様々なネットワークを通る信号及びネットワークリンク120上の通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態である。
【0154】
コンピュータシステム100は、ネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を介してアプリケーションプログラムのための要求されたコードを送信することができる。受信されたコードは、受信されたときにプロセッサ104によって実行されてもよく、及び/又は後で実行するために記憶装置110又は他の不揮発性記憶装置に格納されてもよい。このようにして、コンピュータシステム100は搬送波の形でアプリケーションコードを取得することができる。
【0155】
別の例示的なリソグラフィ投影装置を概略的に示す図である。リソグラフィ投影装置1000は、ソースコレクタモジュールSO、放射ビームBを調整するように構成された照射システム(イルミネータ)IL(例えば、EUV放射線)、パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続されたサポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MT、基板(例えばレジスト被覆ウェーハ)Wを保持するように構成され且つ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウエハテーブル)WT、及びパターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成される投影システム(例えば反射投影システム)PSを含む。
【0156】
本明細書に示されているように、装置1000は反射型のもの(例えば反射型パターニングデバイスを採用しているもの)である。大部分の材料はEUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えばモリブデンとシリコンのマルチスタックを含む多層反射体を有することができることに留意すべきである。一例では、マルチスタック反射器は、各層の厚さが4分の1波長である40層対のモリブデンとシリコンを有する。X線リソグラフィを用いてさらに短い波長を生成することができる。大部分の材料はEUV及びX線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターニングされた吸収材料(例えば、多層反射体の上のTaN吸収体)は、フィーチャが印刷される(ポジ型レジスト)、又は印刷しない(ネガ型レジスト)場所を定義する。
【0157】
図13を参照すると、イルミネータILは、放射源コレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受け取る。EUV放射を生成するための方法は、EUV範囲内の1つ又は複数の輝線を有する、少なくとも1つの元素、例えばキセノン、リチウム又はスズを有するプラズマ状態に材料を変換することを含むが必ずしもそれに限定されない。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれるこのような方法の1つでは、プラズマは、線放射要素を有する材料の液滴、流れ又はクラスタなどの燃料にレーザビームを照射することによって生成することができる。放射源コレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを供給するための、図13には示されていないレーザを含むEUV放射システムの一部とすることができる。結果として生じるプラズマは、放射源コレクタモジュール内に配置された放射コレクタを使用して収集される出力放射、例えばEUV放射を放出する。例えば、CO2レーザが燃料励起のためのレーザビームを供給するために使用される場合、レーザと放射源コレクタモジュールは別々の構成要素であってもよい。
【0158】
そのような場合、レーザはリソグラフィ投影装置の一部を形成するとは考えられず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビーム送出システムを用いてレーザから放射源コレクタモジュールに送られる。他の場合では、例えば放射源がしばしばDPP放射源と呼ばれる放電生成プラズマEUV発生器であるとき、放射源は放射源コレクタモジュールの一体部分とすることができる。
【0159】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタを備えることができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ-outer及びσ―innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールドデバイス及び瞳孔ミラーデバイスなどの様々な他の構成要素を含み得る。イルミネータを使用して放射ビームを調整し、その断面に所望の均一性及び強度分布を持たせることができる。
【0160】
放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2ポジショナPW及び位置センサPS2を用いて(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)、基板テーブルWTは正確に移動することができる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して放射の経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0161】
図示の装置1000は、以下のモードのうちの少なくとも1つで使用することができる。
【0162】
1.ステップモードでは、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは本質的に静止状態に保たれる一方、放射ビームに付けられたパターン全体が一度にターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、異なるターゲット部分Cを露光することができるようにX方向及び/又はY方向にシフトされる。
【0163】
2.スキャンモードでは、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付けられたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)及び画像反転特性によって決定することができる。
【0164】
3.別のモードでは、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MTはプログラム可能なパターニングデバイスを保持して実質的に静止したままにされ、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される間、基板テーブルWTは移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が使用され、プログラム可能なパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動後又はスキャン中の連続放射パルス間で必要に応じて更新される。この動作モードは、上述したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0165】
図14は、放射源コレクタモジュールSO、照射システムIL、及び投影システムPSを含む装置1000をより詳細に示す。放射源コレクタモジュールSOは、真空環境が放射源コレクタモジュールSOの封入構造220内に維持されるように構成及び配置されている。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成することができる。EUV放射は、ガス又は蒸気、例えばXeガス、Li蒸気もしくはSn蒸気によって生成されてもよく、その中で非常に高温のプラズマ210が生成されて電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出する。非常に高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを引き起こす放電によって生成される。例えば、10PaのXe、Li、Sn蒸気又は他の任意の適切なガスもしくは蒸気の分圧が、放射を効率的に発生させるために必要とされ得る。一実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマがEUV放射を生成するために提供される。
【0166】
高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211に配置され、又はソースチャンバ211の後ろに配置された任意のガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介してソースチャンバ211からコレクタチャンバ212へと通過する。汚染物質トラップ230はチャネル構造を含んでもよい。汚染物質トラップ230はまた、ガスバリア、又はガスバリアとチャネル構造との組み合わせを含んでもよい。本明細書でさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
【0167】
コレクタチャンバ211は、いわゆる斜入射形コレクタであり得る放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251と下流放射コレクタ側252とを有する。コレクタCOを横切る放射は、一点鎖線で示される光軸に沿って仮想放射原点IFに集束されるように格子スペクトルフィルタ240で反射され得る。仮想放射原点IFは一般に中間焦点と呼ばれ、放射源コレクタモジュールは中間焦点IFが囲い構造220の開口部221又はその近くに配置されるように配置される。仮想線原点IFは放射放出プラズマ210の画像である。
【0168】
続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布及び所望の均一性を提供し、パターニングデバイスMAにおける放射強度を測定するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳孔ミラーデバイス24を含み得る照射システムILを横切る。サポート構造体MTによって保持されているパターニングデバイスMAで放射ビーム21を反射すると、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は反射システム28、30を介して投影システムPSによって、基板テーブルWTで保持されている基板W上に結像される。
【0169】
示されているよりも多くの要素が一般に照射光学ユニットIL及び投影システムPS内に存在してもよい。リソグラフィ投影装置の種類に応じて、格子スペクトルフィルタ240が任意に存在してもよい。さらに、図に示されているものよりも多くのミラーが存在していてもよく、例えば、投影システムPSには、図14に示されているよりも1~6個の追加の反射要素が存在してもよい。
【0170】
図14に示されるように、集光光学系COは、まさに集光器(又は集光ミラー)の一例として、斜入射反射器253、254及び255を有する入れ子式集光器として描かれている。斜入射反射器253、254、及び255は、光軸Oの周りに軸対称に配置され、このタイプの集光光学系COは、しばしばDPP源と呼ばれる放電生成プラズマ源と組み合わせて使用することができる。
【0171】
あるいは、放射源コレクタモジュールSOは、図15に示されるようにLPP放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)又はリチウム(Li)などの燃料にレーザエネルギーを堆積させるように構成され、数10eVの電子温度を有する高電離プラズマ210を生成する。これらのイオンの脱励起及び再結合の間に生成されたエネルギー放射は、プラズマから放出され、近垂直入射コレクタ光学系COによって収集され、そして封入構造220の開口部221上に集束される。
【0172】
本明細書に開示される概念は、サブ波長の特徴を画像化するための任意の一般的な画像化システムと共に使用され得、そしてますます短い波長を生成することができる新たな画像化技術と共に特に有用であり得る。既に使用されている新しい技術には、EUV(極端紫外線)、ArFレーザを使用して193nmの波長、さらにフッ素レーザを使用して157nmの波長を生成することができるDUVリソグラフィが含まれる。さらに、EUVリソグラフィは、シンクロトロンを使用することによって、又はこの範囲内の光子を生成するために(固体又はプラズマのいずれかの)材料に衝突することによって、20~5nmの範囲内の波長を生成することができる。
【0173】
本明細書に開示された概念は、シリコンウェハなどの基板上に結像するために使用され得るが、開示された概念は、任意のタイプのリソグラフィ結像システム、例えばシリコンウェハ以外の基板上に結像するために使用されるものと共に使用され得る。
【0174】
本発明の一実施形態は、本明細書に開示される方法を記述する1つ又は複数の一連の機械可読命令を含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムが格納されたデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態を取り得る。さらに、機械可読命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで具現化してもよい。2つ以上のコンピュータプログラムは、1つ以上の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に格納されてもよい。
【0175】
本明細書に記載される任意のコントローラは、リソグラフィ投影装置の少なくとも1つの構成要素内に配置された1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって1つ又は複数のコンピュータプログラムが読み取られるときにそれぞれ又は組み合わせて動作可能であってもよい。コントローラは、それぞれ又は組み合わせて、信号を受信、処理、及び送信するための任意の適切な構成を有することができる。1つ以上のプロセッサは、少なくとも1つのコントローラと通信するように構成される。例えば、各コントローラは、上述の方法のための機械読み取り可能命令を含むコンピュータプログラムを実行するための1つ又は複数のプロセッサを含み得る。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するためのデータ記憶媒体、及び/又はそのような媒体を受け取るためのハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械可読命令に従って動作することができる。
【0176】
本発明のさらなる実施形態は、以下の番号付きリストに開示されている。
1.パターニングスタックを調整する方法であって、該方法は、
基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性を表すパラメータが、パターニングスタック変数の変化によってどのように影響を受けるかを測定する関数を定義し、パターニングスタック変数は、パターニングスタックの材料層の物理的特性を表し、
ハードウェアコンピュータシステムによって、パターニングスタック変数を変更し、終了条件が満たされるまで、ハードウェアコンピュータシステムによって、変更されたパターニングスタック変数に関する関数を評価し、
終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する。
2.パターニングスタック変数が、パターニングスタックの層の屈折率、パターニングスタックの層の吸光係数、及び/又はパターニングスタックの層の厚さから選択される1つ又は複数である、上記1に記載の方法。
3.前記パラメータが、計測プロセスの物理的特性、リソグラフィプロセスの物理的特性、及び/又はエッチングプロセスの物理的特性から選択される1つ又は複数を表す、上記1又は2に記載の方法。
4.前記パラメータが、アライメントパラメータ、レベリングパラメータ、計測パラメータ、定在波パラメータ、コントラスト変動パラメータ、側壁角度パラメータ、フロントエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、フーティングパラメータ、レジスト損失パラメータ、アシンメトリパラメータ、バックエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、パターン配置パラメータ、トップラウンディングパラメータ及び/又はリソグラフィエッチバイアスパラメータから選択される1つ又は複数である、上記1又は2に記載の方法。
5.前記関数は、基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性をそれぞれ表す複数のパラメータがパターニングスタック変数の変化によってどのように影響を受けるかを測定する、上記1~4のいずれかに記載の方法。
6.前記複数のパラメータは、計測プロセスの物理的特性を含むことを特徴とする上記5に記載の方法。
7.可変パターニングスタック変数に関する関数を評価することが、可変パターニングスタック変数に基づいてパラメータの値を決定するためにコンピュータシミュレーションを実行することを含む、上記1~6のいずれかに記載の方法。
8.前記パラメータがエッチングプロセスの物理的特性を含み、前記コンピュータシミュレーションがエッチングモデルを使用する、上記7に記載の方法。
9.前記パラメータが計測プロセスの物理的特性を含み、前記コンピュータシミュレーションが計測モデルを使用する、上記7又は8に記載の方法。
10.パラメータがリソグラフィプロセスの物理的特性を含み、コンピュータシミュレーションがレジストモデルを使用する、上記7~9のいずれかに記載の方法。
11.変更されたパターニングスタック変数に関して関数を評価することは、測定又はシミュレーションによって得られたパターンプロファイルに基づいてパラメータの値を決定することを含む、上記1~10のいずれかに記載の方法。
12.前記パターンプロファイルは、レジスト画像又はエッチング像のいずれかである、上記11に記載の方法。
13.前記可変パターニングスタック変数に関する前記関数を評価することは、測定又はシミュレーションによって測定プロセスの物理的特性を表すパラメータの値を決定することを含む、上記1~12のいずれかに記載の方法。
14.前記関数は目的関数であり、前記関数を評価することは、
局所極値で、又は局所極値の周辺の予め設定された範囲内のパラメータの値を有するように、パターニングスタック変数の値を取得することを含む、上記1~13のいずれかに記載の方法。
15.ハードウェアコンピュータシステムにより、終了条件が満たされるまで、基板上のパターニングスタックに転写されたパターンに関する物理的特性をそれぞれ表す複数のパラメータに関して、基板上のパターニングスタックの材料層の物理的特性を表すパターニングスタック変数を最適化し、
終了条件が満たされると、パターニングスタック変数の値を出力する、方法。
16.パターニングスタック変数が、パターニングスタックの層の屈折率、パターニングスタックの層の吸光係数、及び/又はパターニングスタックの層の厚さから選択される1つ又は複数である、上記15に記載の方法。
17.少なくとも1つのパラメータが、計測プロセスの物理的特性、リソグラフィプロセスの物理的特性、及び/又はエッチングプロセスの物理的特性から選択される1つ又は複数を表す、上記15又は16に記載の方法。
18.前記パラメータが、アライメントパラメータ、レベリングパラメータ、計測パラメータ、定在波パラメータ、コントラスト変動パラメータ、側壁角度パラメータ、フロントエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、フーティングパラメータ、レジスト損失パラメータ、アシンメトリパラメータ、バックエンドクリティカルディメンジョンパラメータ、パターン配置パラメータ、トップラウンディングパラメータ及び/又はリソグラフィエッチバイアスパラメータから選択される1つ又は複数を含む、上記15又は17に記載の方法。
19.前記パラメータは、計測プロセスの物理的特性を表すパラメータを少なくとも含む、上記15~18のいずれかに記載の方法。
20.前記最適化することは、前記パターニングスタック変数に基づいて前記パラメータの値を決定するためにコンピュータシミュレーションを実行することを含む、上記15~19のいずれかに記載の方法。
21.前記パラメータのうちの少なくとも1つがエッチングプロセスの物理的特性を表し、前記コンピュータシミュレーションがエッチングモデルを使用する、上記20に記載の方法。
22.前記パラメータのうちの少なくとも1つが計測プロセスの物理的特性を表し、前記コンピュータシミュレーションが計測モデルを使用する、上記20又は21に記載の方法。
23.パラメータの少なくとも1つがリソグラフィプロセスの物理的特性を表し、コンピュータシミュレーションがレジストモデルを使用する、上記20~22のいずれかに記載の方法。
24.前記最適化することは、測定又はシミュレーションによって得られたパターンプロファイルに基づいて前記パラメータのうちの少なくとも1つの値を決定することを含む、上記15~23のいずれかに記載の方法。
25.前記パターンプロファイルは、レジスト画像又はエッチング画像のいずれかである、上記24に記載の方法。
26.最適化することは、測定又はシミュレーションによって測定プロセスの物理的特性を表すパラメータのうちの少なくとも1つの値を決定することを含む、上記15~25のいずれかに記載の方法。
27.前記最適化することは、局所極値又は局所極値の周りの事前設定範囲内のパラメータの値を有するように、パターニングスタック変数の値を取得するために目的関数を評価することを含む、上記15~26のいずれかに記載の方法。
28.複数のパターニングスタック変数に対して複数のパラメータを最適化することをさらに含む、上記15~27のいずれかに記載の方法。
29.前記複数のパターニングスタック変数は、前記パターニングスタックの異なる層ごとにパターニングスタック変数を含む、上記28に記載の方法。
30.プロセッサに上記1~29のいずれかの方法を実行させるように構成された機械可読命令を含む、非一過性コンピュータプログラム製品。
【0177】
本明細書で使用される「最適化」及び「最適化」という用語は、パターニング及び/又はデバイス製造結果及び/又はプロセス(例えばリソグラフィ)が1又は複数の基板上の設計レイアウトの投影のより高い精度、より大きなプロセスウィンドウなどのような1つ又は複数の望ましい特性を有するように、装置及び/又はプロセス、例えばリソグラフィ装置又は光リソグラフィプロセスステップを調整することを意味する。したがって、本明細書で使用される最適化又は最適化プロセスは、例えば1つ以上のパラメータについての1つ以上の値の初期セットと比較した、少なくとも1つの関連する測定基準における局所最適値の改善をもたらす1つ又は複数のパラメータについて1つ又は複数の値を識別するプロセスを指す又は意味する。「最適」及び他の関連用語はそれに応じて解釈されるべきである。一実施形態では、最適化ステップを繰り返し適用して、1つ又は複数の測定基準をさらに改善することができる。
【0178】
上記では光リソグラフィの文脈における実施形態の使用について具体的に言及したが、本発明の実施形態は他の用途、例えばインプリントリソグラフィにおいて使用されてもよく、内容が許す場合には光リソグラフィに限られない。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層に押し込まれ、その後、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを加えることによってレジストが硬化される。レジストが硬化した後、パターニングデバイスをレジストから移動させてパターンをその中に残す。
【0179】
本明細書ではICの製造について具体的に言及することがあるが、本明細書の説明は他の用途を有することができることを理解すべきである。例えば、集積光学システム、磁区メモリ用の誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造に使用することができる。当業者であれば、そのような代替用途の内容において、本明細書における「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用はそれぞれ、より一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語の同義語と見なすことができる。
【0180】
本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常、レジスト層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、検査/計測ツール及び/又はエッチングツールで処理することができる。適用可能であれば、本明細書の開示はそのような及び他の基板処理ツールに適用されてもよい。さらに、基板は、例えば多層ICを作成するために2回以上処理されてもよく、したがって本明細書で使用される基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことがある。
【0181】
本明細書で使用される「放射線」及び「ビーム」という用語は、近赤外線(例えば、約700nm~約1400nmの範囲の波長を有する放射線)、可視放射線(例えば、約390nm~700nmの範囲、例えば約633nm、又は約495nm~約570nmの範囲、例えば約515nm、約520nm、又は約532nmの波長を有する放射線)、紫外線(UV)放射(例えば、約365、355、248、193、157、又は126nmの波長を有する放射線)、及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する放射線)、並びにイオンビーム又は電子ビームのような粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射線を包含する。
【0182】
「レンズ」という用語は、状況に応じて、屈折、反射、磁気、電磁気及び/又は静電気光学部品を含む様々な種類の光学部品のいずれか1つ又はその組合せを指すことができる。
【0183】
上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨から逸脱することなく、説明されている本発明に修正を加えることができることが当業者には明らかであろう。例えば、1つ又は複数の実施形態の1つ又は複数の態様は、必要に応じて1つ又は複数の他の実施形態の1つ又は複数の態様と組み合わされてもよく、又は代用されてもよい。したがって、そのような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び指針に基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図されている。本明細書の用語又は専門用語は、教示及び手引きに照らして当業者によって解釈されるべきであるので、本明細書における用語又は専門用語は、限定ではなく例証のためのものであることを理解すべきである。本発明の広さ及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15