(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-09
(45)【発行日】2022-09-20
(54)【発明の名称】化粧品紫外線吸収体の混合物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20220912BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20220912BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20220912BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/04
A61K8/39
A61Q17/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020077914
(22)【出願日】2020-04-27
(62)【分割の表示】P 2016561628の分割
【原出願日】2015-04-07
【審査請求日】2020-05-27
(32)【優先日】2014-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エーリス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グルムラール,ジュリー
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/113745(WO,A2)
【文献】特表2011-504899(JP,A)
【文献】特表2007-536354(JP,A)
【文献】特表2015-505548(JP,A)
【文献】特表2002-518428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)粒子形態の、式
【化1】
に相当する5,6,5',6'-テトラフェニル-3,3'-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水性分散体;並びに
(b)
(b
1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b
2)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b
3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b
4)エチルヘキシルトリアゾン;
(b
5)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(b
6)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b
7)サリチル酸エチルヘキシル;
(b
8)ホモサレート;
(b
9)オクトクリレン;
(b
10)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(b
11)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸;
(b
12)二酸化チタン;
(b
13)トリス-ビフェニルトリアジン;
(b
14)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン;
(b
15)BBDAPT;安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
(b
16)ベンジリデンマロネート
;
(b
18)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(b
19)ポリマーマトリックスにカプセル化されたビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
(b
20)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;及び
(b
21)2-プロぺン酸, 3-(4-メトキシフェニル)-, 2-メチルフェニルエステル
から選択されるUVフィルター
のUVフィルター組合せを含む化粧用組成物又は医薬組成物であって、
式(1)の化合物は、微粒子化状態で存在し、
成分(a)の平均粒径は、0.02~2マイクロメートルの範囲であり、
UVフィルター(b
1)~(b
17)の少なくとも2つを含有し、
薬学的に又は化粧品として許容される賦形剤も含有する化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項2】
成分(a)は、40~50重量%の濃度範囲で、式(1)のUVフィルターを含む水性分散体を表す、請求項1に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項3】
成分(a)による水性分散体は、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルから選択される分散剤を含有する、請求項1又は2に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項4】
成分(a)は、20~50重量%の濃度範囲で、ポリマー担体中にカプセル化された式(1)のUVフィルターを含む水性分散体を表す、請求項1に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項5】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);並びに
(UV3)
(UV3
1) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV3
2) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV3
3) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項6】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10);並びに (UV3)
(UV3
1) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV3
2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV3
3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV3
4) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
から選択されるフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項7】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);及び
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2)
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項8】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) エチルヘキシルトリアゾン(b
4);並びに
(UV3)
(UV3
1) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10);
(UV3
2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV3
3) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV3
4) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV3
5) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項9】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15);並びに
(UV3)
(UV3
1) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10);
(UV3
2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV3
3) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);及び
(UV3
4) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項10】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4);並びに
(UV4)
(UV4
1) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV4
2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV4
3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV4
4) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項11】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4);並びに
(UV4)
(UV4
1) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV4
2) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV4
3) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項12】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2);及び
(UV4) エチルヘキシルトリアゾン(b
4)
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項13】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4);
(UV4)
(UV4
1) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェニル(b
10);
(UV4
2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5);及び
(UV4
3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV5
1) サリチル酸エチルヘキシル(b
7);
(UV5
2) トリス-ビフェニルトリアジン(b
13);
(UV5
3) オクトクリレン(b
9);
(UV5
4) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b
3);
(UV5
5) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b
11);
(UV5
6) 二酸化チタン(b
12);
(UV5
7) ホモサレート(b
8);
(UV5
8) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b
14);及び
(UV5
9) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項14】
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4);
(UV4)
(UV4
1) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5)
(UV4
2) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV5
1) サリチル酸エチルヘキシル(b
7);
(UV5
2) トリス-ビフェニルトリアジン(b
13);
(UV5
3) オクトクリレン(b
9);
(UV5
4) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b
3);
(UV5
5) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b
11);
(UV5
6) 二酸化チタン(b
12);
(UV5
7) ホモサレート(b
8);
(UV5
8) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b
14);及び
(UV5
9) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15)
から選択されるUVフィルター
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【請求項15】
UVフィルター(b
10)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(b
13)トリス-ビフェニルトリアジン及び(b
14)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノンは、微粒子化状態で化粧用組成物又は医薬組成物中に存在する、請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品調製物用のフェニレンビス-ジフェニルトリアジンを含む特定のUVフィルター組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(光)がヒトの皮膚に有害であることは周知である。波長によって、UV照射が異なる種類の皮膚損傷を引き起こす。UV-B照射(約290~約320nm)は、日焼けの原因であり、皮膚がんを引き起こす可能性がある。UV-A照射(約320~約400nm)は、皮膚のタンニングを生じさせる一方で、日焼け及び皮膚がんの誘発にも寄与する。さらに、UV-B照射の悪影響は、UV-A照射によって悪化させられる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
したがって、有効な日焼け止め製剤は、少なくとも1種のUV-A及びUV-Bフィルター、並びにヒトの皮膚を日光の損傷から守るために、約290nm~約400nmまでの全範囲をカバーする広帯域フィルターの両方を含むことが好ましい。
【0004】
驚くべきことに、微粒子化形態の5,6,5',6'-テトラフェニル-3,3,-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)(INCI名:フェニレンビス-ジフェニルトリアジン)は、他の無機及び/又は有機UVフィルターと組み合わせた日焼け止め組成物において非常に良好な特性を有することがわかった。
【0005】
したがって、本発明は、
(a)粒子形態の式
【0006】
【化1】
に相当する5,6,5',6'-テトラフェニル-3,3'-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水性分散体;並びに
(b)
(b
1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b
2)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b
3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b
4)エチルヘキシルトリアゾン;
(b
5)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(b
6)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b
7)サリチル酸エチルヘキシル;
(b
8)ホモサレート;
(b
9)オクトクリレン;
(b
10)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(b
11)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸;
(b
12)二酸化チタン;
(b
13)トリス-ビフェニルトリアジン;及び
(b
14)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン; (b
15)BBDAPT;安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
(b
16)ベンジリデンマロネート;及び
(b
17)メロシアニン誘導体;
(b
18)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(b
19)ポリマーマトリックスにカプセル化されたビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
(b
20)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;及び
(b
21)2-プロぺン酸, 3-(4-メトキシフェニル)-, 2-メチルフェニルエステル
から選択されるUVフィルター
のUVフィルター組合せを含む化粧用組成物又は医薬組成物であって、
UVフィルター(b
1)~(b
17)の少なくとも2つを含有し、
薬学的に又は化粧品として許容される賦形剤も含有する化粧用組成物又は医薬組成物に関する。
【0007】
成分(a)によるUVフィルターは、ナノスケールの、粒子状有機顔料フィルターを示す。式(1)の化合物は、乏しい油溶性及び高融点によって特徴付けられる。
【0008】
式(1)の粒子状不溶性有機UVフィルターは、好ましくは、式(1)の微粒子化した不溶性有機UV吸収体を含む、水性分散体として存在する。
【0009】
水性分散体の調製方法は、1~50重量%の粉砕助剤の存在下で、粉砕装置中で、粗粒子形態で、不溶性有機UV吸収体を粉砕することによって特徴付けられる。
【0010】
任意の公知の方法は、式(1)の化合物の微粒子の調製に使用されうる。例えば:
- 水中又は適切な有機溶媒中で、硬質の粉砕媒体、例えばボールミル中のケイ酸ジルコニウムボール、及び保護界面活性剤又は保護ポリマーを用いた湿式ミル(ポンプ輸送可能な分散体の低粘度微粒子化方法);
- 連続又は非連続(バッチ式)混錬機を使用する湿式混錬(ポンプ輸送不可能なペーストの高粘度微粒子化方法)。湿式混錬プロセスには、溶媒(水又は化粧品として許容される油)、粉砕助剤(界面活性剤、乳化剤)及びポリマー粉砕助剤が使用されうる;
- 適切な溶媒、例えば水性懸濁液若しくは有機溶媒を含有する懸濁液、又は水、エタノール、ジクロロメタン、トルエン若しくはN-メチルピロリドンなど中の真溶液からの噴霧乾燥;
- UVフィルター(複数可)が溶解されている超臨界流体(例えば、CO2)のRESS法(超臨界溶体急速膨張法(Rapid Expansion of Supercritical Solutions))による膨張、又は適切な有機溶媒中の1種以上のUVフィルターの溶液を伴った液体二酸化炭素の膨張;
- 超臨界流体(GASR法=ガス逆溶媒再結晶(Gas Anti-Solvent Recrystallisation)/PCA法=加圧逆溶媒による沈殿(Precipitation with Compressed Anti-solvents))を含む、適切な溶媒からの再沈殿。
【0011】
湿式混錬及びさらに湿式ミルは、本発明による好ましい微粒子化の方法である。
【0012】
式(1)の微粒子化有機UV吸収体の調製に適したミル機器は、例えばジェットミル、ボールミル、振動ミル又はハンマーミル、好ましくは高速混合式ミルである。さらに好ましいミルは、最新のボールミルであり、これらの種類のミルの製造業者は、例えばNetzsch(LMZミル)、Drais(DCP-Viscoflow若しくはCosmo)、Buhler AG(遠心ミル)又はBachhoferである。粉砕は、好ましくは粉砕助剤を用いて実行される。
【0013】
式(1)の微粒子化有機UV吸収体の調製のための混錬機器の例は、シグマブレードバッチ混錬機が典型的であり、シリアルバッチ混錬機(IKA-Werke)又は連続混錬機(Werner und Pfleiderer製のContinua)もまた典型的である。
【0014】
上記微粒子化の方法の全てに対して有用な低分子量の粉砕助剤は、例えばアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤及び乳化剤並びにポリマー粉砕助剤である。
【0015】
このような界面活性剤系は例えば、カルボン酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム及びアンモニアのアルカリ性セッケン、カルシウム又はマグネシウムの金属セッケン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸などの有機塩基セッケン;アルキルリン酸エステル又はリン酸エステル、酸性リン酸エステル、リン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸カリウム;エトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル、PEG-nアクリレート;脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、例えばラウレス-n、ミレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-n;脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えばステアリン酸PEG-n、オレイン酸PEG-n、ヤシ脂肪酸PEG-n;モノグリセリド及びポリオールエステル;1~100モルのエチレンオキシドとポリオールとの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノ及びジエステル;脂肪酸及びポリグリセロールエステル、例えばモノステアリン酸グリセロール、ジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2又はポリグリセリルジメレート;脂肪酸ポリグリコールエステル、例えばモノステアリン酸ジエチレングリコール、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、脂肪酸及びサッカロースエステル、例えばスクロエステル(sucro esters)、グリセロール及びサッカロースエステル、例えばスクログリセリド(sucro glycerides);ソルビトール及びソルビタン、6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノ及びジエステル並びにエチレンオキシド付加生成物;ポリソルベート-nシリーズ、ソルビタンエステル、例えばセスキイソステアリン酸、ソルビタン、PEG-(6)-イソステアリン酸ソルビタン、PEG-(10)-ソルビタンラウリン酸エステル、PEG-17-ジオレイン酸ソルビタン;グルコース誘導体、C8~C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド並びに糖成分として好ましいグルコースを用いるエトキシル化類似体;O/W乳化剤、例えばセスキステアリン酸メチルグルセス-20、ステアリン酸ソルビタン/ヤシ脂肪酸スクロース、セスキステアリン酸メチルグルコース、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド;W/O乳化剤、例えばジオレイン酸メチルグルコース/イソステアリン酸メチルグルコース;スルフェート及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホスクシネート、ジオクチルスクシネート、アルキルラウリルスルホネート、直鎖状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロプリンスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム及びエタノールアミン、ラウリルエーテルスルフェート、ラウレス硫酸ナトリウム[Texapon N70]又はミレス硫酸ナトリウム[Texapon K14S]、スルホスクシネート、イソチオン酸アセチル、硫酸アルカノールアミド、タウリン、メチルタウリン、硫酸イミダゾールを含んでよい。分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基並びに少なくとも1つのカルボキシレート及び/又はスルホネート基を有する双性イオン又は両性界面活性剤。
【0016】
双性イオン界面活性剤の例として、特に適しているのは、ベタイン、例えば、各々アルキル又はアシル基に8~18個の炭素原子を有するN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンであり、またヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインである。
【0017】
適切な緩和な界面活性剤の例は、分散剤であり、すなわち皮膚による耐性が特に良好な界面活性剤であり、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/又はジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又は好ましくはコムギタンパク質に基づくタンパク質脂肪酸縮合物である。
【0018】
非イオン界面活性剤の例は、PEG-6ミツロウ(及び)ステアリン酸PEG-6(及び)イソステアリン酸ポリグリセリル-2[Apifac]、ステアリン酸グリセリル(及び)ステアリン酸PEG-100[Arlacel 165]、ステアリン酸PEG-5グリセリル[arlatone 983 S]、オレイン酸ソルビタン(及び)リシノール酸ポリグリセリル-3[Arlacel 1689]、ステアリン酸ソルビタン及びヤシ脂肪酸スクロース[arlatone 2121]、ステアリン酸グリセリル及びラウレス-23[Cerasynth 945]、セテアリルアルコール及びセテス-20[Cetomacrogol Wax]、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20[Polawax GP 200、Polawax NF]、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド[Emulgade PL 1618]、セテアリルアルコール及びセテアレス-20[Emulgade 1000NI、Cosmowax]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油[Emulgade F Special]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油及びセテアリル硫酸ナトリウム[Emulgade F]、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10[Emulgator E 2155]、セテアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10[Emulsifying wax U.S.N.F]、ステアリン酸グリセリル及びステアリン酸PEG-75[Gelot 64]、酢酸プロピレングリコールセテス-3[Hetester PCS]、酢酸プロピレングリコールイソセス-3[Hetester PHA]、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12[Lanbritol Wax N21]、ステアリン酸PEG-6及びステアリン酸PEG-32[Tefose 1500]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びセテアレス-20[Tefose 2000]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びステアリン酸グリセリル及びステアレス-20[Tefose 2561]、ステアリン酸グリセリル及びセテアレス-20[Teginacid H, C, X]である。
【0019】
アニオン性乳化剤の例は、ステアリン酸PEG-2 SE、ステアリン酸グリセリルSE[Monelgine, Cutina KD]、ステアリン酸プロピレングリコール[Tegin P]、セテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム[Lanette N、Cutina LE、Crodacol GP]、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム[Lanette W]、リン酸トリラネス-4及びステアリン酸グリコール及びステアリン酸PEG-2[Sedefos 75]、ステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウム[Teginacid Special]である。セテアリルアルコール及び臭化セトリモニウムなどのカチオン性酸塩基。
【0020】
脂肪族アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、C12~C15アルコールの安息香酸エステル、アセチル化ラノリンアルコールなどを含む、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール(Guerbet Alcohol)である。
【0021】
水分散体に対する有用なポリマー粉砕助剤は、Mn>500g/molを有する化粧品として許容される水溶性ポリマーであり、例えば:アクリレート(Salcareタイプ)、修飾若しくは非修飾多糖類、ポリグルコシド又はキサンタンガムである。さらに、アルキル化ビニルピロリドンポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アシルグルタメート、アルキルポリグルコシド、セテアレス-25又はリン脂質を使用してもよい。油分散体は、処理中及び処理後の粘度を調整するためのポリマー粉砕助剤として、化粧品として許容されるワキシーポリマー又はナチュラルワックスを含んでもよい。
【0022】
本発明による好ましい有用な粉砕助剤は、HLB(親水性親油性バランス)値が8超、より好ましくは10超のアニオン界面活性剤である。
【0023】
最も好ましい粉砕助剤は、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル(BASF製のEumulgin L)である。
【0024】
このように得られた式(1)の微粒子化UV吸収体は、通常0.02~2μm、好ましくは0.05~1.5μm、及びより特には0.1~1.0μmの平均粒径を有する。
【0025】
式(1)のUV吸収体はまた、乾燥した粉末形態で使用されうる。この目的のために、UV吸収体は公知の粉砕方法、例えば真空アトマイゼーション、向流型噴霧乾燥などに供される。このような粉末は、0.1μm~2μmの粒径を有する。
【0026】
式(1)のUV吸収体は、式(1)のUV吸収体の存在下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、例えばメチルメタクリレート(MMA)、ステアリルメタクリレート(SMA)若しくはブタンジオールジアクリレート(BDDA)又はこれらの混合物のヘテロ相ラジカル重合により調製されたポリマー担体を含む平均粒径1000nm未満の濃縮水性ポリマー分散体としても使用され、ここで、式(1)のUV吸収体とポリマー担体の重量比は、担体100部に対してUV吸収体50部超である。
【0027】
この場合、水性分散体は、好ましくは、40~50重量%の濃度範囲で式(1)の微粒子化粒子状不溶性有機UV吸収体を含有する。
【0028】
あるいは、式(1)の粒子状不溶性UV吸収体は、ポリマー担体内にカプセル化してもよい。この場合、水性分散体は、好ましくは、式(1)のカプセル化粒子状不溶性有機UVフィルターを20~50重量%の濃度範囲で含有する。
【0029】
ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン(b18)は、式(B18)に相当する。
【0030】
ポリマーマトリックスにカプセル化されたチノソーブS, ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(B19)は、IP.com Journal(2009), 9(1B), 17(Tinosorb S aqua、BASF)に記載されている。
【0031】
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール(b20)は、式
【0032】
【0033】
2-プロペン酸, 3-(4-メトキシフェニル)-, 2-メチルフェニルエステル(b21)は、式
【0034】
【0035】
好ましくは、本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);並びに(UV3)
(UV31) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV32) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV33) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b10);並びに
(UV3)
(UV31) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV32) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV33) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV34) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
から選択されるフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);及び
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) エチルヘキシルトリアゾン(b4);並びに
(UV3)
(UV31) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b10);
(UV32) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV33) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV34) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV35) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるUVフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15);並びに
(UV3)
(UV31) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b10);
(UV32) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV33) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);及び
(UV34) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2)
から選択されるUVフィルター
を含む少なくとも3つのUVフィルターの混合物を含有する。
【0036】
好ましくは、本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b10);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b4);並びに
(UV4)
(UV41) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV42) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV43) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV44) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるUVフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b4);並びに
(UV4)
(UV41) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV42) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV43) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]-プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるUVフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2);及び
(UV4) エチルヘキシルトリアゾン(b4)
を含む少なくとも4つのUVフィルターの混合物を含有する。
【0037】
好ましくは、本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b1);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b4);
(UV4)
(UV41) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェニル(b10);
(UV42) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5);及び
(UV43) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV51) サリチル酸エチルヘキシル(b7);
(UV52) トリス-ビフェニルトリアジン(b13);
(UV53) オクトクリレン(b9);
(UV54) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b3);
(UV55) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b11);
(UV56) 二酸化チタン(b12);
(UV57) ホモサレート(b8);
(UV58) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b14);及び
(UV59) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるUVフィルター;又は
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b10);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b4);
(UV4)
(UV41) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b5)
(UV42) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b2)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV51) サリチル酸エチルヘキシル(b7);
(UV52) トリス-ビフェニルトリアジン(b13);
(UV53) オクトクリレン(b9);
(UV54) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b3);
(UV55) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b11);
(UV56) 二酸化チタン(b12);
(UV57) ホモサレート(b8);
(UV58) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b14);及び
(UV59) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b15)
から選択されるUVフィルター
を含む少なくとも5つのUVフィルターの混合物を含有する。
【0038】
好ましくは、UVフィルター(b10)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(b13)トリス-ビフェニルトリアジン及び(b14)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノンは、化粧用組成物又は医薬組成物中にそれらの微粒子化状態で存在する。
【0039】
ベンジリデンマロネート(b16)は、好ましくは、式
【0040】
【化4】
(式中、R
1はメチル;エチル;プロピル;又はn-ブチルであり;
R
1がメチルである場合、
Rはtert.ブチル;
【0041】
【0042】
【0043】
【化7】
のラジカルであり;
R
2及びR
3は互いに独立して水素;又はメチルであり;
R
4はメチル;エチル;又はn-プロピルであり;
R
5及びR
6は互いに独立して水素;又はC
1~C
3アルキルであり;
R
1がエチル;プロピル;n-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである)
に相当する。
【0044】
好ましくは、UVフィルター(b16)は、式(2)
(式中、R1はメチル;エチル;プロピル;又はn-ブチルであり;
R1がメチルである場合、
Rはtert.ブチル;
【0045】
【0046】
【0047】
【化10】
のラジカルであり;
R
2及びR
3は互いに独立して水素;又はメチルであり;
R
4はメチル;エチル;又はn-プロピルであり;
R
5及びR
6は互いに独立して水素;又はC
1~C
3アルキルであり;
R
1がエチル;プロピル;n-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである)
に相当する。
【0048】
好ましくは、式(2)において、
Rは式
【0049】
【化11】
のラジカル;及び
R
1はメチルである。
【0050】
最も好ましくは、式(2a)において、R2又はR3の少なくとも1つがメチルである、式(2)の化合物である。
【0051】
最も好ましくはまた、式(2a)において、R2及びR3がメチルである、式(2)の化合物である。
【0052】
R1はエチル;プロピル;又はn-ブチルであり、
Rはイソプロピルである、
式(2)の化合物も好ましい。
【0053】
式(2)の化合物の例は、以下の表1に列挙されている。
【0054】
【0055】
最も好ましいベンジリデンマロネート(b16)は、式
【0056】
【0057】
本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、紫外線光に感受性をもつ有機物、特にUV照射の作用に対するヒト及び動物の皮膚及び毛髪の保護に特に有用である。したがって、このようなUVフィルター組合せは、化粧用、医薬及び獣医学製剤において光防御剤として適している。
【0058】
本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、組成物の総重量に対して、0.1~15重量%、好ましくは0.5~10重量%のUV吸収体混合物(a)及び(b)並びに化粧品として許容可能なアジュバントを含有する。
【0059】
本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、従来の方法を使用してUV吸収体をアジュバントと物理的に混合することによって、例えば個々の成分を単に一緒に撹拌することによって、特に既に知られている化粧用UV吸収体、例えばメトキシケイヒ酸エチルヘキシルの溶出性を利用することによって調製されうる。UV吸収体は、例えばさらに処理することなく使用することができる。
【0060】
あるいは、UVフィルター、好ましくはUVフィルター(b10)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(b13)トリス-ビフェニルトリアジン及び(b14)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノンは、それらの微粒子化状態で使用されうるか、又は粉末の形態で使用されうる。
【0061】
他の特性に加えて、本発明による化粧用組成物又は医薬組成物は、適切な化粧用担体に適用される場合、皮膚におけるUV誘発フリーラジカル数を有意に減少させることによって、ラジカルスカベンジャーとして使用されうる。
【0062】
化粧用組成物は、本発明によるUV吸収体の組合せに加えて、以下の物質分類の1種以上のさらなるUV保護剤を含んでもよい:p-アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸及びエステル、ベンゾフラン誘導体、ポリマーUV吸収体、カンファー誘導体、カプセル化UV吸収体、及び4,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン誘導体。
【0063】
特に好ましい光防御剤が以下の表3に示されている。
【0064】
【0065】
本発明による組成物が、水及び油含有エマルション(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)に相当する場合、例えば、組成物の総重量に対して、0.1~30重量%、好ましくは0.1~15重量%、特に0.5~10重量%の成分(a)及び(b)の混合物、組成物の総重量に対して、1~60重量%、特に5~50重量%、好ましくは10~35重量%の少なくとも1種の油成分、組成物の総重量に対して、0~30重量%、特に1~30重量%、好ましくは4~20重量%の少なくとも1種の乳化剤、組成物の総重量に対して、10~90重量%、特に30~90重量%の水、0~88.9重量%、特に1~50重量%のさらなる化粧品として許容可能なアジュバントを含有する。
【0066】
油含有組成物(例えば、油、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)の適切な油成分は、例えば6~18、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖状C6~C24脂肪酸と直鎖状C3~C24アルコールとのエステル、分枝状C6~C13カルボン酸と直鎖状C6~C24脂肪族アルコールとのエステル、直鎖状C6~C24脂肪酸と分枝状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分枝状C6~C22脂肪族アルコール、特にリンゴ酸ジオクチルとのエステル、直鎖状及び/又は分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール若しくは三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C6~C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6~C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6~C24脂肪族アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルコール又は2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル、植物油(例えば、ヒマワリ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、アーモンド油、ホホバ油、オレンジ油、麦芽油、桃仁油及びヤシ油の液体成分)、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分枝状C6~C22脂肪族アルコール炭酸エステル、ゲルベ炭酸エステル、安息香酸と直鎖状及び/又は分枝状C6~C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、合計して12~36個の炭素原子、特に12~24個の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状の、対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテル及び2-メチルペンチル-n-オクチルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーン油及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素である。また、重要であるのは、脂肪酸と3~24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルである。この群の物質は、8~24個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにこれらのテクニカルグレードの混合物(例えば、天然油脂の加圧除去下で、レーレンのオキソ合成からのアルデヒドの低減下で、又は不飽和脂肪酸の二量体化において得られる)とアルコール、例えばイソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びにこれらのテクニカルグレードの混合物(例えば、油脂に基づくテクニカルグレードのメチルエステル又はレーレンのオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素添加において、及び不飽和脂肪族アルコールの二量体化におけるモノマー画分として得られる)とのエステル化生成物を含む。特に重要であるのは、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸C16~C18アルキルエステル、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル、オレイン酸セチル、トリカプリン酸グリセロール、ヤシ脂肪族アルコールカプリネート/カプリレート及びステアリン酸n-ブチルである。さらに、使用することができる油成分は、ジカルボン酸エステル、例えばジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)スクシネート及び酢酸ジイソトリデシルであり、またジオールエステル、例えばエチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート及びネオペンチルグリコールジカプリレートである。好ましいモノ又はポリ-オールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール及びソルビトールである。1種以上のアルキルカルボン酸の二価及び/又は三価の金属塩(アルカリ土類金属、とりわけAl3+)を使用することも可能である。
【0067】
油成分は、例えば、組成物の総重量に対して、1~60重量%、特に5~50重量%、好ましくは10~35重量%の量で使用されうる。
【0068】
任意の従来より有用な乳化剤を本発明による化粧用組成物に使用することができる。
【0069】
適切な乳化剤は、例えば以下の群由来の非イオン界面活性剤である。
- 2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドと8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、例えばセテアレス-20又はセテアレス-12;
- 1~30モルのエチレンオキシドと3~6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセロールとの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノ及びジエステル
- 6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールモノ及びジエステル並びにソルビタンモノ及びジエステル、並びにそのエチレンオキシド付加生成物、例えばステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン;
- C8~C22アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド及びこれらのエトキシル化類似体、オリゴマー度は1.1~5、特に1.2~1.4が好ましく、グルコースが糖成分として好ましい;
- 2~60モル、特に15~60モルのエチレンオキシドとヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油との付加生成物;
- ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2又はポリグリセリルジメレート。複数のこれらの物質分類からの化合物の混合物も適している;
- 直鎖状、分枝状、不飽和又は飽和C6~C22脂肪酸、リシノール酸、また12-ヒドロキシステアリン酸に基づく、及びグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、またポリグルコシド(例えば、セルロース)、例えばポリグリセリル-2-ジヒドロキシステアレート又はポリグリセリル-2-ジリシノレエートに基づく部分エステル;
- モノ、ジ及びトリ-アルキルホスフェート、並びにまたモノ、ジ及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート及びこれらの塩;
- ウールワックスアルコール
- 天然誘導体の1種以上のエトキシル化エステル、例えば硬化ヒマシ油のポリエトキシル化エステル;
- シリコーン油乳化剤、例えばシリコーンポリオール;
- ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び相当する誘導体、例えばセチルジメチコンコポリオール;
- ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪族アルコール(DE-A-1 165574参照)の混合エステル並びに/又は6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール若しくはポリグリセロール、例えばジステアリン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸メチルグルコース又はジステアリルクエン酸ジココイルペンタエリスリチルの混合エステル;並びにまた
- ポリアルキレングリコール。
【0070】
エチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドと脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノ及びジ-エステル、並びにまた脂肪酸のソルビタンモノ及びジ-エステルとの、又はヒマシ油との付加生成物は、知られた市販品である。これらは、通常ホモログ混合物であり、その平均アルコキシル化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの量と付加反応が実行される基材の量との比に相当する。エチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12~C18脂肪酸モノ及びジ-エステルは、例えば、化粧用製剤に対する脂肪回復物質としてDE-A-2024051から知られている。
【0071】
C8~C18アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド、これらの製剤並びにこれらの使用は先行技術から知られている。これらは、特にグルコース又はオリゴサッカライドと8~18個の炭素原子を有する第一級アルコールとを反応させることによって調製される。適切なグリコシドラジカルは、環状糖ラジカルが脂肪族アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシド、また好ましくは約8までのオリゴマー度を有するオリゴマーグリコシドを含む。オリゴマー度は、このようなテクニカルグレードの生成物に対する通例の同族体分布に基づく統計的平均値である。
【0072】
双性イオン界面活性剤を乳化剤として使用することも可能である。用語「双性イオン界面活性剤」は、特に、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基並びに少なくとも1つのカルボキシレート及び/又はスルホネート基を有する表面活性化合物を示す。特に適している双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチル-アンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及び2-アルキル-3-カルボキシルメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(各場合に、アルキル又はアシル基に8~18個の炭素原子を有する)並びにまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。特に好ましいのは、CTFA名コカミドプロピルベタインの下に公知の脂肪酸アミド誘導体である。同様に、乳化剤として適切であるのは両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、特に、C8~C18アルキル又はアシル基を含有することに加えて、分子内に少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又は-SO3H基を含有し、内部塩を形成することができるものを意味すると理解される。適切な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸(各場合に、アルキル基に約8~18個の炭素原子を有する)を含む。
【0073】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノ-プロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12~C18アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級乳化剤がまた考慮され、特に好ましいのは、エステル第四級タイプのもの、好ましくはメチル-第四級化二価脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0074】
非イオン性乳化剤、好ましくは8~22個の炭素原子を有し、4~30のEO単位を有するエトキシル化脂肪族アルコールが好ましい。
【0075】
乳化剤は、例えば、組成物の総重量に対して、1~30重量%、特に4~20重量%、及び好ましくは5~10重量%の量で使用してよい。しかし、原則として乳化剤を使用して分散することも可能である。
【0076】
本発明による組成物、例えばクリーム、ゲル、ローション、アルコール及び水性/アルコール溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、粉末又は軟膏は、さらに、さらなるアジュバント及び添加剤として、緩和な界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤(consistency regulator)、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生物由来の活性成分、消臭性の活性成分、ふけ止剤、塗膜形成剤、膨潤剤、抗酸化剤、ハイドロトロープ剤、防腐剤、防虫剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、細菌抑制剤などを含有してよい。
【0077】
過脂肪剤としての使用に適する物質は、例えばラノリン及びレシチン、並びにまたポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は同時に泡安定剤としても作用する。
【0078】
適切な緩和な界面活性剤、すなわち皮膚に特に良好な耐性を示す界面活性剤の例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/又はジ-アルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルフォネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又はタンパク質脂肪酸縮合物を含み、後者は好ましくはコムギタンパク質に基づく。
【0079】
適切な真珠光沢は、例えば:アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価、非置換又はヒドロキシ置換カルボン酸と6~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、例えば脂肪族アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪族炭酸エステル(総じて少なくとも24個の炭素原子を有する)、特にラウロン及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと12~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコール及び/又は2~15個の炭素原子と2~20個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物、並びにこれらの混合物である。
【0080】
適切な稠度調節剤は、特に12~22個の炭素原子、好ましくは16~18個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はヒドロキシ脂肪族アルコールであり、さらに部分グリセリド、脂肪酸及びヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質とアルキル-オリゴグルコシド及び/若しくは同じ鎖長の脂肪酸N-メチルグルカミド並びに/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。適切な増粘剤は、例えばAerosilタイプ(親水性ケイ酸)、多糖類、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、また比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノ及びジ-エステル、ポリアクリレート(例えばGoodrich製のCarbopol(登録商標)、又はSigma製のSynthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、ポリオール、例えばペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンとの脂肪酸のエステル、限定されたホモログ分布を有す脂肪族アルコールエトキシレート及びアルキル-オリゴグルコシド並びに塩化ナトリウム又は塩化アンモニウムなどの電解質を含む。
【0081】
適切なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えばAmerchol製のPolymer JR 400(登録商標)の名で入手できる第四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩及びアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコール及びアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピルヒドロライズドコラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Grunau)、第四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン(Cartaretin(登録商標)/Sandoz)とのコポリマー、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド(Merquat(登録商標)550/Chemviron)とのコポリマー、ポリアミノポリアミド(例えばFR-A-2 252840に記載されている)、及びこれらの架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、場合によっては微晶質として分布する第四級化キトサン、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンの、ビスジアルキルアミン、例えば、ビスジメチルアミノ-1,3-プロパンとの縮合物、カチオン性グアーガム、例えばCelanese製のJaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMiranol製のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1である。
【0082】
適切なアニオン性、双性イオン性、両性及び非イオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びにまた場合によっては誘導体化したセルロースエーテル及びシリコーンである。
【0083】
適切なシリコーン化合物は、例えば、室温で液体又は樹脂形態のいずれかであってもよいジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにまたアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-及び/又はアルキル-修飾シリコーン化合物である。他に適切なのは、ジメチルシロキサン単位数200~300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。適切な揮発性シリコーンについてのToddらによる詳細な調査は、Cosm. Toil. 91, 27(1976)にさらに見出されうる。
【0084】
脂肪の典型例はグリセリドであり、ワックスを考慮に入れると、とりわけミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、モンタンロウ、パラフィンロウ、硬化ヒマシ油及び脂肪酸エステル又は場合によっては親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコール若しくは部分グリセリドと組み合わせて室温で固体のマイクロワックスである。脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸又はリシノール酸マグネシウム、アルミニウム及び/若しくは亜鉛を安定剤として使用してよい。
【0085】
生物由来の活性成分は、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、植物抽出物及びビタミン複合体を意味するものとして理解されるべきである。
【0086】
適切な消臭性の活性成分は、例えばアルミニウムクロロヒドレートなどの制汗剤である(J.Soc.Cosm.Chem. 24, 281(1973)を参照)。Hoechst AG、フランクフルト(FRG)の商標Locron(登録商標)として知られ、市販されている式Al2(OH)5Clx2.5H2Oに相当するアルミニウムクロロヒドレートが特に好ましい(J.Pharm.Pharmacol. 26, 531(1975)を参照)。クロロヒドレートの他に、アルミニウムヒドロキシ-アセテート及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。さらなる消臭性の活性成分として、エステラーゼ阻害剤を添加してもよい。このような阻害剤は、好ましくはクエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、及び特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、デュッセルドルフ/FRG)であり、これらは酵素活性を阻害し、したがって、臭気の形成を低減する。さらに適切なエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェート又はホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールのスルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルである。細菌叢に影響を与え、汗分解菌を殺傷し、又はその増殖を阻害する抗菌活性成分が、同様にその製剤(特にスティック製剤)中に存在することができる。例としては、キトサン、フェノキシエタノール及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(Irgasan(登録商標)、BASF)も、特に効果的であることが証明されている。
【0087】
適切なふけ止剤は、例えばクリンバゾール(climbazole)、オクトピロックス及び亜鉛ピリチオンである。慣例的な塗膜形成剤は、例えばキトサン、微結晶性キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、高比率のアクリル酸を含有する第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに類似の化合物を含む。水性相のための適切な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物、Pemulen、及びまたアルキル変性タイプのCarbopol(Goodrich社)である。さらに適切なポリマー及び膨潤剤は、R.LochheadによるCosm.Toil. 108, 95(1993)のレビューに見出すことができる。
【0088】
一次光防御物質に加えて、UV照射が皮膚又は毛髪を透過する際に誘発される光化学反応連鎖を妨害する抗酸化剤タイプの二次光防御物質を使用することも可能である。このような抗酸化剤の典型例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えばウロカン酸)及びその誘導体、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びその誘導体(例えばアンセリン)などのペプチド、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコペン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグリコース、プロピルチオウラシル及びその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)及びまたその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにまた許容量が非常に少ない(例えばpmol~μmol/kg)スルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン類、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシイミン)、また(金属)キレート化剤(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンA及び誘導体(例えばパルミチン酸ビタミンA)、並びにまたベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、樹脂状ノルジヒドログアヤレチン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えばナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、並びに上述の活性成分の、本発明による適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)である。HALS(=「ヒンダードアミン系光安定化剤」)化合物も挙げられてよい。存在する抗酸化剤の量は、通常、本発明による化粧用組成物の重量に対して、0.001~30重量%、好ましくは0.01~3重量%である。
【0089】
流動性を改善するために、ヒドロトロピー剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールを用いることも可能である。この目的のために適切なポリオールは、好ましくは2~15個の炭素原子、少なくとも2個のヒドロキシ基を含む。
【0090】
ポリオールは、さらに、官能基、特にアミノ基を含有してもよく、及び/又は窒素で変性されていてもよい。典型例は、以下のとおりである:
- グリセロール;
- アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びまた100~1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;
- 1.5~10の固有縮合度を有する工業的オリゴグリセロール混合物(technical oligoglycerol mixtures)、例えば40~50重量%のジグリセロール含量を有する工業的ジグリセロール混合物;
- メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトール及びジペンタエリトリトール;
- 低級アルキル-グルコシド、特にアルキル基内に1~8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル及びブチルグルコシド;
- 5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール;
- 5~12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコース又はサッカロース;
- アミノ糖、例えばグルカミン;
- ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0091】
適切な防腐剤は、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン類、ペンタンジオール又はソルビン酸、及びさらに、Schedule 6,Parts A and B of the Cosmetics Regulationsに列挙された物質分類を含む。
【0092】
適切な香料油は、天然及び/又は合成の芳香性物質の混合物である。天然の芳香性物質の代表は、例えば花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)から、茎及び葉(ゼラニウム、パッチュリ、プチグレン)から、果実(アニスシード、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)から、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)から、根(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)から、木(マツの木、サンダルウッド、グアヤクの木、シーダーの木、シタン)から、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)から、針状葉及び小枝(トウヒ、マツ、ヨーロッパアカマツ、コウザンマツ)から、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)からの抽出物である。動物原料、例えばシベット及びカストリウムも考慮に入れられる。典型的な合成芳香性物質は、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール又は炭化水素類の製品である。
【0093】
エステル類の芳香性物質の化合物は、例えば酢酸ベンジル、イソブチル酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテル類は、例えばベンジルエチルエーテルを含み;アルデヒド類は、例えば8~18個の炭化水素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びボージュナールを含み;ケトン類は、例えばイオノン類、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンを含み;アルコール類は、例えばアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピノールを含み;並びに炭水化物類は、主にテルペン類及びバルサム類を含む。しかしながら魅力的な香気を一緒に生じる、種々の芳香性物質の混合物を使用することが好ましい。主に芳香成分として使用され、比較的低揮発性のエーテル油、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、シナモンの葉の油、ライム花の油、ネズの実の油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラボラヌム油及びラバンジン油も香料油として適している。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイスアンブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、タンゲリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコラート、シクロバータル、ラバンジン油、マスカテルセージ油、β-ダマスコン、ブルボンゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィクスクール、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、エバニール、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラ、イロチル及びフローラマを、単独又は互いに混和して使用することが好ましい。
【0094】
例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの出版物「Kosmetische Farbemittel」, Verlag Chemie, Weinheim, 1984, 81~106ページに編集されたような、化粧目的に適していて認められた物質が、着色剤として使用されてもよい。着色剤は、通常、全混合物に対して、0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【0095】
細菌抑制剤の典型例は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)など、グラム陽性菌に対する特異的作用を有する防腐剤である。
【0096】
多数の芳香性物質及びエーテル油も、抗菌性を有している。典型例は、クローブ油、ミント油及びタイム油中の有効成分のオイゲノール、メントール及びチモールである。目的の天然消臭剤は、ライム花の油に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-トデカトリエン-1-オール)である。モノラウリル酸グリセロールも、静菌剤になることが証明されている。存在する追加の細菌抑制剤の量は、通常、本発明による化粧用組成物の固形分に対して、0.1~2重量%である。
【0097】
本発明による化粧用組成物は、さらにアジュバントとして、シリコーンなどの消泡剤、マレイン酸などの構造物質、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール又はジエチレングリコールなどの可溶化剤、ラテックス、スチレン/PVP又はスチレン/アクリルアミドコポリマーなどの乳白剤、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸又はホスホン酸などの錯化剤、プロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、N2又は空気などの噴射剤、酸化染料前駆体などのいわゆるカップラー及び顕色剤成分、チオグリコール酸とその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸又はα-メルカプトエタンスルホン酸などの還元剤、あるいは過酸化水素、臭化カリウム又は臭化ナトリウムなどの酸化剤を含有してよい。
【0098】
防虫剤は、例えばN,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又は防虫剤3535である。
【0099】
適切なセルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトン、エリスルロース又はジヒドロキシアセトンとエリスルロースとの混合物である。
【0100】
本発明による化粧用製剤は、種々の化粧用調製物、特に以下の調製物中に含有される:- スキンケア調製物、例えば錠剤型又は液体セッケンの形態の皮膚洗浄及びクレンジング調製物、合成洗剤又は洗浄用練り剤;
- 入浴調製物、例えば液体(フォームバス、ミルク、シャワー用調製物)又は固形入浴調製物、例えばバスキューブ及びバスソルト;
- スキンケア調製物、例えばスキンエマルション、マルチエマルション又はスキンオイル;
- 化粧用パーソナルケア調製物、例えばデイクリーム又はパウダークリームの形態のフェイシャルメークアップ、おしろい(粉又は固形)、ほお紅又はクリームメークアップ、アイケア調製物、例えばアイシャドウ調製物、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップスティック、リップグロス、リップ輪郭ペンシル、などのリップケア調製物;ネイルラッカー、ネイルラッカーリムーバー、ネイルハードナー又はキューティクルリムーバーなどのネイルケア調製物;
- フットケア調製物、例えば足浴、フットパウダー、フットクリーム又はフットバルサム、スペシャルデオドラント及び制汗剤又はたこ除去用調製物;
- サンミルク、ローション、クリーム若しくはオイル、サンブロック若しくはトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物などの光防御調製物;
- スキンタンニング調製物、例えばセルフタンニングクリーム;
- 脱色調製物、例えば皮膚を漂白するための調製物、又は美白調製物;
- 防虫剤、例えば防虫オイル、ローション、スプレー又はスティック;
- 脱臭スプレー、ポンプ式スプレー、デオドラントゲル、スティック又はロールオンなどの脱臭剤;
- 制汗剤、例えば制汗スティック、クリーム又はロールオン;
- 傷ついた肌をクレンジング及びケアするための調製物、例えば合成洗剤(固形又は液体)、ピーリング若しくはスクラブ調製物又はピーリングマスク;
- 化学形態の除毛調製物(脱毛)、例えば除毛パウダー、液体除毛調製物、クリーム若しくはペースト形態の除毛調製物、ゲル形態又はエアロゾルフォームの除毛調製物;
- シェービング調製物、例えばシェービングソープ、泡状シェービングクリーム、非泡状シェービングクリーム、フォーム及びゲル、ドライシェービングのためのプレシェーブ調製物、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション;
- 芳香調製物、例えば芳香剤(オードコロン、オードトアレ、オードパルファン、パルファンドトアレット、パルファン)、香料油又は香料クリーム;
- 化粧用ヘアトリートメント調製物、例えばシャンプー及びコンディショナーの形態の洗髪調製物、ヘアケア調製物、例えばプレトリートメント調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、ヘアストラクチャリング調製物、例えばパーマネントウェーブのためのヘアウェーブ調製物(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、縮毛矯正調製物、液体へアセッティング調製物、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白調製物、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト若しくはオイル、一時的、セミパーマネントヘアカラー若しくはパーマネントヘアカラー、自動酸化染料を含有する調製物、又はヘナ若しくはカモミールなどの天然ヘアカラー。
【0101】
最終製剤は、種々の形態で、例えば:
- W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルション及び全種類のミクロエマルションのような液体調製物の形態で、
- ゲルの形態で、
- オイル、クリーム、ミルク若しくはローションの形態で、
- パウダー、ラッカー、錠剤若しくはメークアップの形態で、
- スティックの形態で、
- スプレー(噴射ガスを含むスプレー又はポンプ式スプレー)若しくはエアロゾルの形態で、
- 泡の形態で、又は
- ペーストの形態で存在してもよい。
【0102】
皮膚のために重要な化粧用組成物は、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック若しくはトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物、また皮膚タンニング調製物、例えばセルフタンニングクリームなどの光防御調製物である。特に興味深いのは、サンプロテクションクリーム、サンプロテクションローション、サンプロテクションオイル、サンプロテクションミルク及びスプレー形態のサンプロテクション調製物である。
【0103】
毛髪のために重要な化粧用組成物は、上述のヘアトリートメント用調製物、特に、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアケア調製物、例えばプレトリートメント調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、縮毛矯正調製物、液体へアセッティング調製物、ヘアフォーム及びヘアスプレーの形態の洗髪調製物である。特に興味深いのは、シャンプーの形態の洗髪調製物である。
【0104】
シャンプーは、例えば以下の組成を有する:
本発明のUV吸収体組成物0.01~5重量%、
ラウレス-2-硫酸ナトリウム12.0重量%、
コカミドプロピルベタイン4.0重量%、
塩化ナトリウム3.0重量%、及び
水を添加して100%。
【0105】
特に、以下の毛髪用化粧用製剤が使用されてもよい:
a1)本発明のUV吸収体、PEG-6-C10オキソアルコール及びセスキオレイン酸ソルビタンからなり、水及び所望の任意の第四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はQuaternium 80が添加される自己乳化性ストック製剤、
a2)本発明のUV吸収体、クエン酸トリブチル及びモノオレイン酸PEG-20-ソルビタンからなり、水、及び所望の任意の第四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンクアミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はQuaternium 80が添加される自己乳化性ストック製剤、
b)ブチルトリグリコール及びクエン酸トリブチル中の、本発明のUV吸収体の四倍濃縮溶液(quat-doped solution);
c)本発明のUV吸収体の、n-アルキルピロリドンとの混合物又は溶液。
【0106】
A.調製例
微粒子化UV吸収体分散体の調製
式(1)の化合物100部を、ボールミル中で、粉砕助剤としてのケイ酸ジルコニウムボール(直径0.1~4mm)、分散剤(PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル15部)及び水(85部)と一緒に、平均粒径d50=130nmまでミルする。次いで、安息香酸を防腐剤として分散液に添加する。場合によっては、増粘剤を使用してもよい(キサンタンガム、PVP)。
【0107】
この方法に従って、式(1)のUV吸収体の微小顔料分散液が得られる。
【0108】
B.配合例
以下の実施例において、パーセンテージは重量に関する。使用される微粒子化フェニレンビス-ジフェニルトリアジン化合物の量は純物質に相当する。
【0109】
【0110】
インビトロサンプロテクションファクター測定(SPF)の評価方法
PMMAプレート(Helioplates(登録商標))上の最終製品適用量1.3mg/cm2
Labsphere UV-1000S Transmittance Analyserを用いたUV透過率分析
【0111】
【数1】
式中、E
λ=紅斑作用スペクトル;S
λ=太陽光の分光放射照度及びT
λ=サンプルの分光透過率。
【0112】
インビトロUVAプロテクションファクター(UVA PF)を評価するための方法
PMMAプレート(Helioplates(登録商標))上の最終製品適用量1.3mg/cm2
Labsphere UV-1000S Transmittance Analyserを用いたUV透過率分析
Atlas Suntest CPS+などの太陽シミュレーターを介する前照射工程(サンケアプロダクトの光安定性を考慮に入れるため)
【0113】
【数2】
式中、T
λ=波長λでの日焼け止め製品の透過率及びT
m=UVA範囲での透過率データの算術平均値。
【0114】
臨界波長
臨界波長は、日焼け止めが10%の光線を透過させる波長である。370nm超の臨界波長を有する日焼け止めは、FDAにより優れたUV防御をもたらすと考えられる。
(付記)
(付記1)
(a)粒子形態の、式
【化14】
に相当する5,6,5',6'-テトラフェニル-3,3'-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水性分散体;並びに
(b)
(b
1
)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b
2
)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b
3
)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b
4
)エチルヘキシルトリアゾン;
(b
5
)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(b
6
)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b
7
)サリチル酸エチルヘキシル;
(b
8
)ホモサレート;
(b
9
)オクトクリレン;
(b
10
)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(b
11
)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸;
(b
12
)二酸化チタン;
(b
13
)トリス-ビフェニルトリアジン;及び
(b
14
)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン; (b
15
)BBDAPT;安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
(b
16
)ベンジリデンマロネート;及び
(b
17
)メロシアニン誘導体;
(b
18
)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(b
19
)ポリマーマトリックスにカプセル化されたビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
(b
20
)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;及び
(b
21
)2-プロぺン酸, 3-(4-メトキシフェニル)-, 2-メチルフェニルエステル
から選択されるUVフィルター
のUVフィルター組合せを含む化粧用組成物又は医薬組成物であって、
UVフィルター(b
1
)~(b
17
)の少なくとも2つを含有し、
薬学的に又は化粧品として許容される賦形剤も含有する化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記2)
成分(a)は、40~50重量%の濃度範囲で、式(1)のUVフィルターを含む水性分散体を表す、付記1に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記3)
成分(a)による水性分散体は、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルから選択される分散剤を含有する、付記1又は2に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記4)
式(1)の化合物は、微粒子化状態で存在する、付記1から3のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記5)
成分(a)の平均粒径は、0.02~2マイクロメートルの範囲である、付記1から4のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記6)
成分(a)は、20~50重量%の濃度範囲で、ポリマー担体中にカプセル化された式(1)のUVフィルターを含む水性分散体を表す、付記1に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記7)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);並びに
(UV3)
(UV3
1
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV3
2
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV3
3
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記8)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10
);並びに (UV3)
(UV3
1
) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV3
2
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV3
3
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV3
4
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル
から選択されるフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記9)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);及び
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
)
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記10)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
);並びに
(UV3)
(UV3
1
) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10
);
(UV3
2
) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV3
3
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV3
4
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV3
5
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記11)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
);並びに
(UV3)
(UV3
1
) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10
);
(UV3
2
) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV3
3
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);及び
(UV3
4
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記12)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10
);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
);並びに
(UV4)
(UV4
1
) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV4
2
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV4
3
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV4
4
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記13)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
);並びに
(UV4)
(UV4
1
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV4
2
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV4
3
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記14)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);
(UV3) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
);及び
(UV4) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
)
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記15)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b
1
);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
);
(UV4)
(UV4
1
) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェニル(b
10
);
(UV4
2
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
);及び
(UV4
3
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV5
1
) サリチル酸エチルヘキシル(b
7
);
(UV5
2
) トリス-ビフェニルトリアジン(b
13
);
(UV5
3
) オクトクリレン(b
9
);
(UV5
4
) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b
3
);
(UV5
5
) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b
11
);
(UV5
6
) 二酸化チタン(b
12
);
(UV5
7
) ホモサレート(b
8
);
(UV5
8
) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b
14
);及び
(UV5
9
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記16)
(UV1) 式(1)のフェニレンビス-ジフェニルトリアジン(a);
(UV2) メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(b
10
);
(UV3) エチルヘキシルトリアゾン(b
4
);
(UV4)
(UV4
1
) ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(b
5
)
(UV4
2
) ブチルメトキシジベンゾイルメタン(b
2
)
から選択されるUVフィルター;並びに
(UV5)
(UV5
1
) サリチル酸エチルヘキシル(b
7
);
(UV5
2
) トリス-ビフェニルトリアジン(b
13
);
(UV5
3
) オクトクリレン(b
9
);
(UV5
4
) ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(b
3
);
(UV5
5
) フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(b
11
);
(UV5
6
) 二酸化チタン(b
12
);
(UV5
7
) ホモサレート(b
8
);
(UV5
8
) (2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン(b
14
);及び
(UV5
9
) 安息香酸, 4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-, ジブチルエステル(b
15
)
から選択されるUVフィルター
を含む、付記1から6のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記17)
UVフィルター(b
10
)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(b
13
)トリス-ビフェニルトリアジン及び(b
14
)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノンは、微粒子化状態で化粧用組成物又は医薬組成物中に存在する、付記1から16のいずれか一項に記載の化粧用組成物又は医薬組成物。
(付記18)
式(1)の微粒子化不溶性有機UV吸収体を含む水性分散体の調製方法であって、1~50重量%の粉砕助剤の存在下で、粉砕装置中で、粗粒子形態で、不溶性有機UV吸収体を粉砕することを含む方法。
(付記19)
粉砕装置は、ジェットミル、ボールミル、振動ミル及びハンマーミルから選択される、付記18に記載の方法。
(付記20)
粉砕助剤は、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤、乳化剤及びポリマー粉砕助剤から選択される、付記18又は19に記載の方法。
(付記21)
粉砕助剤は、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルである、付記20に記載の方法。
(付記22)
式(1)の化合物は、0.02~2μmの粒径を示す、付記18から21のいずれか一項に記載の方法。