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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】交換レンズ
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20210101AFI20220913BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20220913BHJP
【FI】
G03B17/14
G02B7/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018003760
(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公開番号】P2019124762
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】長岡 弘仁
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-015010(JP,A)
【文献】特開平07-114088(JP,A)
【文献】特開平11-174562(JP,A)
【文献】特開2011-187653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディに装着される交換レンズであって、
前記カメラボディのボディ側マウントと嵌合するレンズ側マウントと、
前記レンズ側マウントの外周側に設けられ、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された際に前記ボディ側マウントの外周面に接触して前記レンズ側マウントの径方向に変形可能な弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された状態で前記レンズ側マウントより前記カメラボディに向かって突出する突出部を有し、
前記突出部の内周面の第1範囲は、球面または平面で構成され、
前記突出部の内周面の第2範囲は、前記第1範囲の球面とは前記内周面の内径の変化率が異なる球面、または前記第1範囲の平面とは前記交換レンズの光軸に対する傾斜角が異なる平面で構成され、
前記第1範囲と前記第2範囲とは、前記光軸に沿った方向に並んで配置され、
前記突出部は、前記光軸を中心とする円筒状であり、光軸方向と平行方向の前記ボディ側マウントの外周面に略線接触して弾性変形し、前記レンズ側マウントからの突出量が大きいほどその内径が大きくなる形状である交換レンズ。
【請求項2】
請求項に記載の交換レンズにおいて、
前記第2範囲は、前記第1範囲より前記レンズ側マウントからの突出量が大きい位置に配置されており、
前記第2範囲の内径の変化率は、前記第1範囲の内径の変化率より大きい、または、
前記第2範囲の傾斜角は、前記第1範囲の傾斜角より大きい交換レンズ。
【請求項3】
カメラボディに装着される交換レンズであって、
前記カメラボディのボディ側マウントと嵌合するレンズ側マウントと、
前記レンズ側マウントの外周側に設けられ、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された際に前記ボディ側マウントの外周面に接触して前記レンズ側マウントの径方向に変形可能な弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された状態で前記レンズ側マウントより前記カメラボディに向かって突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記交換レンズの光軸を中心とする円筒状であり、前記レンズ側マウントからの突出量が大きいほどその内径が大きくなり、
前記突出部の内周面の第1範囲は、球面または平面で構成され、
前記突出部の内周面の第2範囲は、前記第1範囲の球面とは前記内周面の内径の変化率が異なる球面、または前記第1範囲の平面とは前記光軸に対する傾斜角が異なる平面で構成され、
前記第1範囲と前記第2範囲とは、前記光軸に沿った方向に並んで配置される交換レンズ。
【請求項4】
請求項に記載の交換レンズにおいて、
前記第2範囲は、前記第1範囲より前記レンズ側マウントからの突出量が大きい位置に配置されており、
前記第2範囲の内径の変化率は、前記第1範囲の内径の変化率より大きい、または、
前記第2範囲の傾斜角は、前記第1範囲の傾斜角より大きい交換レンズ。
【請求項5】
請求項からまでのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記レンズ側マウントは、前記ボディ側マウントのボディ側嵌合部の内周面と外周面が嵌合するレンズ側嵌合部を有し、
前記光軸に沿った方向において、前記第1範囲と前記第2範囲との境界が、前記レンズ側嵌合部と前記ボディ側嵌合部との嵌合領域の端部と略一致する交換レンズ。
【請求項6】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記弾性部材は、前記レンズ側マウントからの突出量が大きいほどその外径が小さくなる形状である交換レンズ。
【請求項7】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記突出部の内周面の第1範囲は、球面または平面の一方で構成され、
前記突出部の内周面の第2範囲は、球面または平面の他方で構成され、
前記第1範囲と前記第2範囲とは、前記光軸に沿った方向に並んで配置される交換レンズ。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記弾性部材の外周に設けられ、レンズ鏡筒の一部を構成する筒体を備え、
前記弾性部材は、外周面において前記径方向の外側へ突出した第1突部を有し、前記第1突部は前記筒体の内周面に接する交換レンズ。
【請求項9】
請求項に記載の交換レンズにおいて、
前記弾性部材の前記第1突部は、前記光軸に沿った方向の略中央部に設けられる交換レンズ。
【請求項10】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記弾性部材は、前記突出部とは反対側の他端部において、径方向の内側へ突出した第2突部を有し、
前記第2突部の内径は、前記レンズ側マウントの外径より小さい交換レンズ。
【請求項11】
請求項10に記載の交換レンズにおいて、
前記第2突部は前記光軸を中心とする環状であり、
前記光軸に沿った方向において、前記弾性部材の片断面形状は略L字形状である交換レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラボディに着脱可能な交換レンズにおいて、マウント部に設けられた防水ゴムが知られている(特許文献1)。従来技術では、防水ゴムの形状に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-15010号公報
【発明の概要】
【0004】
発明の一態様による交換レンズは、カメラボディに装着される交換レンズであって、前記カメラボディのボディ側マウントと嵌合するレンズ側マウントと、前記レンズ側マウントの外周側に設けられ、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された際に前記ボディ側マウントの外周面に接触して前記レンズ側マウントの径方向に変形可能な弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された状態で前記レンズ側マウントより前記カメラボディに向かって突出する突出部を有し、前記突出部の内周面の第1範囲は、球面または平面で構成され、前記突出部の内周面の第2範囲は、前記第1範囲の球面とは前記内周面の内径の変化率が異なる球面、または前記第1範囲の平面とは前記光軸に対する傾斜角が異なる平面で構成され、前記第1範囲と前記第2範囲とは、前記光軸に沿った方向に並んで配置され、前記突出部は、前記交換レンズの光軸を中心とする円筒状であり、光軸方向と平行方向の前記ボディ側マウントの外周面に略線接触して弾性変形し、前記レンズ側マウントからの突出量が大きいほどその内径が大きくなる形状である。
発明の一態様による交換レンズは、カメラボディに装着される交換レンズであって、前記カメラボディのボディ側マウントと嵌合するレンズ側マウントと、前記レンズ側マウントの外周側に設けられ、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された際に前記ボディ側マウントの外周面に接触して前記レンズ側マウントの径方向に変形可能な弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記交換レンズが前記カメラボディに装着された状態で前記レンズ側マウントより前記カメラボディに向かって突出する突出部を有し、前記突出部は、前記交換レンズの光軸を中心とする円筒状であり、前記レンズ側マウントからの突出量が大きいほどその内径が大きくなり、前記突出部の内周面の第1範囲は、球面または平面で構成され、前記突出部の内周面の第2範囲は、前記第1範囲の球面とは前記内周面の内径の変化率が異なる球面、または前記第1範囲の平面とは前記光軸に対する傾斜角が異なる平面で構成され、前記第1範囲と前記第2範囲とは、前記光軸に沿った方向に並んで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】交換レンズを例示する斜視図である。
図2図1の破線で囲む位置の断面を説明する図である。
図3図2の弾性部材の近傍を拡大した図である。
図4】(a)はレンズ側マウントとボディ側マウントとの関係を説明する図、(b)は(a)の円IVb内の拡大図である。
図5】レンズ側マウントとボディ側マウントとの関係を説明する図である。
図6】変形例1による弾性部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、一実施の形態による交換レンズ3を例示する斜視図、図2は、図1において破線Aで囲む位置の断面を説明する図である。
交換レンズ3は、いわゆるバヨネット式のレンズマウント機構を備え、光軸Oを中心とする円筒状のボディマウント機構を備えるカメラボディに対して着脱可能に構成されている。
本実施の形態では、交換レンズ3の光軸Oに沿った方向(以降、光軸O方向と称する)における被写体側を前方、光軸O方向におけるカメラボディ側を後方と称する。また、交換レンズ3の径方向において光軸Oから遠い方を外側(外周側)、光軸Oに近い方を内側(内周側)と称する。
【0007】
図1において、交換レンズ3の周面は外側筒10で覆われている。交換レンズ3の後方には、円筒状のレンズ側マウント20と、レンズ側マウント20の外周側に設けられた円筒状の弾性部材30とが設けられている。弾性部材30は、後に詳述するように、交換レンズ3とカメラボディとの結合部における水密性を確保する機能を有する。
【0008】
円筒状のレンズ側マウント20は、光軸Oと直交する平面視が円環状の基準面23を有している。この基準面23は、交換レンズ3が不図示のカメラボディに装着された場合に、ボディ側マウントの基準面123(図5)と当接する。
【0009】
レンズ側マウント20は、交換レンズ3の後方側にビス27を用いてビス止めされている。図2も参照すると、レンズ側マウント20は、外側筒10の内部に配置されている円筒形状の固定部材(以下で固定筒とも称する)15に対してビス27により固定される。図1の例では、円環状の基準面23において、光軸O周りに略120度間隔の3箇所でビス止めされている。
【0010】
図2も参照して説明すると、レンズ側マウント20は、円環状の基準面23が形成され、固定部材15への取り付け部となるフランジ部20Aと、フランジ部20Aの内周側で後方側に延在する突部24とを有する。突部24は、外周面がカメラボディマウントと嵌合する嵌合部22(大径部)と、嵌合部22(大径部)よりも小径であって所定長さを有する円筒形状の小径部(24)と、小径部(24)の後方端に設けられたレンズ側爪部25とを有する。嵌合部22(大径部)は、フランジ部20Aの内径側において光軸O方向に所定幅Wを有する。突部24は、基準面23よりも後方に位置するマウントの一部を構成する。交換レンズ3がカメラボディ(不図示)に装着されると、突部24の後方端はカメラボディ内に進入する。
【0011】
レンズ側爪部25はそれぞれ、突部24の後端側においてレンズ側マウント20の径方向の外側に向かって突設され、光軸Oに対して略直交する方向に延在する。すなわち、突部24の後方端には、外径方向に突出する複数のレンズ側爪部25が互いに周方向に所定の間隔をおいて所定の周長で設けられている。本実施の形態では、例えば3つのレンズ側爪部25が設けられている。
なお、レンズ側爪部25の数は3つに限られず、4以上であってもよい。
【0012】
図2において、外側筒10の内側に、レンズ鏡筒の一部を構成する固定筒15が設けられている。固定筒15に対し、円筒状のレンズ側マウント20が環状のスペーサ17を介して、ビス27(図1)を用いて固定される。スペーサ17は、省略されても構わない。
【0013】
レンズ側マウント20のフランジ部20Aの外周面は、円筒状の弾性部材30により覆われている。弾性部材30は、例えばゴム等で構成され、弾性変形が可能である。本実施の形態では、弾性部材30のうちレンズ側マウント20の基準面23よりも光軸O方向の後方へ突出した部分である突出部Cにおいて、後に詳述するような弾性変形が生じる。
【0014】
図1を参照して説明したように、レンズ側マウント20の円筒形状の突部24は、フランジ20Aの内周側から光軸O方向の後方に延設されている。より正確に説明すると、レンズ側マウント20の内周側から大径部である嵌合部22が後方に延設され、さらに大径部(嵌合部22)の後方に大径部よりも小さな外径を有する小径部(24)が延設される。小径部(24)の後方端側にレンズ側爪部25が形成されている。嵌合部22は、後述するボディ側マウント120(図4図5)の嵌合部122と嵌合する。
【0015】
レンズ側爪部25は、上述したようにレンズマウント20の後方端、換言すると、突部24の光軸O方向の後方端に設けられている。光軸Oを中心とした円周方向に複数のレンズ側爪部25が互いに間隔をあけて設けられているため、突部24の後方端には、レンズ側爪部25が配置される領域(位置)と配置されない領域(位置)とが交互に存在する。
【0016】
<内周面の突出部>
図3は、図2の弾性部材30の近傍を拡大した図である。円筒状の弾性部材30の内周面には、光軸O方向における前方端に、径方向内側に突出した突出部36が設けられている。突出部36の内径は、レンズ側マウント20の外径よりも小さい。すなわち、突出部36の内径は、弾性部材30のうちレンズ側マウント20の外周面を覆う部分の内径よりも小さい。このように、弾性部材30の片断面形状はL字形状である。
なお、突出部36は、必ずしも弾性部材30の内周面に環状に形成されていなくてもよく、弾性部材30の内周に沿って一部が省略(例えば切り込み部を有する)されていてもよい。
【0017】
弾性部材30の片断面をL字形状に構成したことにより、レンズ側マウント20が固定筒15に固定された状態では、弾性部材30が後方に引っ張られたとしても突出部36がレンズ側マウント20に引っかかる。この結果、弾性部材30が後方へ抜けて交換レンズ3から外れることを防止できる。
【0018】
なお、図3において、レンズ側マウント20の前方端の外周縁部21には、例えば研磨等によって面取り加工を施して角部が除去されている。外周縁部21が面取りされていない場合、固定筒15に対してスペーサ17および弾性部材30を先入れした後、レンズ側マウント20を後方側から固定筒15にビス止めする際に、レンズ側マウント20の前方端の角部によって弾性部材30の突出部36を光軸O方向に押し潰してしまう。面取り加工された外周縁部21を設けることにより、このような突出部36の潰れが防止され、交換レンズ3の組立時の作業性が向上する。
【0019】
<外周面の突出部>
弾性部材30の外周面には、弾性部材30の光軸O方向の長さL1の略中央に相当する位置に、径方向外側に突出した突出部35が設けられている。突出部35の外径は、弾性部材30の他の部分の外径よりも大きい。
なお、突出部35の光軸O方向の位置は、弾性部材30によって覆われているレンズ側マウント20の外周面の光軸O方向の長さL2の略中央に相当する位置であってもよい。
【0020】
レンズ側マウント20が固定筒15に固定された状態では、弾性部材30の突出部35が固定筒15の内周面に接するとともに、弾性部材30の内周面がレンズ側マウント20の外周面と接する。また、弾性部材30の突出部36がスペーサ17に接する。このように構成したので、弾性部材30は、レンズ側マウント20、スペーサ17および固定筒15により挟持されてその位置が安定する。さらに、固定筒15と弾性部材30との隙間から固定筒15内に浸入した水等が、突出部35よりも前方へ浸入することが防止される。
なお、レンズ側マウント20と弾性部材30との間に他の部材を介在させてもよい。すなわち、レンズ側マウント20の外周に別の部材を設け、その部材の外側に弾性部材30を設けてもよい。
【0021】
<後方の突出部>
次に、弾性部材30の突出部Cの形状について説明する。図3において、突出部Cの後方端31は、例えば、突出部Cの外周面と内周面とをつなぐ曲面形状を有する。本実施の形態では、後方端31の形状として曲面形状を例示するが、必ずしも曲面形状でなくてもよい。例えば、突出部Cの外周面と内周面とをつなぐ尖った形状で後方端31を構成してもよいし、突出部Cの外周面と内周面とをつなぐ平面によって後方端31を構成してもよい。平面によって後方端31を構成する場合は、光軸Oと直交する平面と平行な面であってもよい。
【0022】
レンズ側マウント20の基準面23より後方に露出する突出部Cの内周面には、光軸O方向の前方側の第1範囲に第1傾斜面33が、光軸O方向の後方側の第2範囲に第2傾斜面32が、それぞれ設けられる。第1傾斜面33の前方側の位置(傾斜開始位置)S1は、レンズ側マウント20の基準面23より後方にある。この理由は、レンズ側マウント20の外周面と弾性部材30との間に空隙が生じるのを避けるためである。
【0023】
第1傾斜面33および第2傾斜面32の径は、ともに弾性部材30の突出部Cにおいて、前方から後方に向かって徐々に大きくなる。光軸O方向の単位長さ当たりの内径の変化量を傾斜角と称する場合、内径の変化量が小さい傾斜面は光軸Oに対する傾斜角が小さく、内径の変化量が大きい傾斜面は光軸Oに対する傾斜角が大きい。本実施の形態では、後方の第2傾斜面32の傾斜角は、前方の第1傾斜面33の傾斜角より大きい。
【0024】
第1傾斜面33と第2傾斜面32との境界(図3において点Qで示す)は、レンズ側マウント20の基準面23から後方に距離Wの位置である。すなわち、突出部Cの内周面には、レンズ側マウント20の基準面23から距離Wまでの間に第1傾斜面33を配置し、距離Wよりも後方に第2傾斜面32を配置する。
【0025】
基準面23から距離Wの位置Qを境に傾斜角が異なる第1傾斜面33と第2傾斜面32とを配置する理由は、交換レンズ3が不図示のカメラボディに装着される際に、交換レンズ3とカメラボディとの結合部に突出部Cが巻きこまれることを防止するためである。
第2傾斜面32の後方側は、上記後方端31へ滑らかにつながる。
【0026】
交換レンズ3の後方に露出する弾性部材30の外周面には、傾斜面34が設けられる。図3の例ではレンズ側マウント20の基準面23の位置から後方側に所定範囲にわたって傾斜面34が形成されている。したがって、実施形態の交換レンズの前方側の傾斜開始位置S2は、レンズ側マウント20の基準面23の位置である。傾斜開始位置S2は、基準面23に対して光軸O方向に前後していてもよい。
【0027】
傾斜面34は、弾性部材30の突出部Cにおける外径が、前方から後方に向かって徐々に小さく変化する形状である。光軸O方向の単位長さ当たりの外径の変化量を傾斜角と称する場合、本実施の形態では、突出部Cにおいて外周面の傾斜面34の傾斜角は一様である。この理由は、後方端31に向かって突出部Cを先細形状に構成することによって、突出部Cを掴む場合に滑りやすくするためである。突出部Cが掴みにくいと、突出部Cが掴まれて弾性部材30が後方へ引っ張られることを防止できる。
傾斜面34の後方側は、上記後方端31へつながる。
【0028】
<弾性部材30の弾性変形>
交換レンズ3が不図示のカメラボディに装着される場合に生じる弾性部材30の変形について説明する。図4および図5は、交換レンズ3のレンズ側マウント20とカメラボディ130のボディ側マウント120との関係を説明する図である。
【0029】
図4(b)は、図4(a)の円IVb内の拡大図である。図4(b)に示すように、レンズ側マウント20の嵌合部22の外周面の後方端が面取り加工され、面取り部22Mが形成されている。同様に、ボディ側マウント120の嵌合部122の内周面の前方端が面取り加工され、面取り部122Mが形成されている。
【0030】
ユーザーは、交換レンズ3の外側筒10の外周面に付された指標(不図示)とカメラボディ130の外装面に付された指標(不図示)との位置を合わせ、レンズ側マウント20とボディ側マウント120とを対向させて、交換レンズ3のレンズ側爪部25(図1図2の突部24)を、円筒状のボディ側マウント120の内側(すなわちカメラボディ130内)へ進入させる。
【0031】
図4(b)を参照すると、レンズ側マウント20の嵌合部22がボディ側マウント120の嵌合部122と嵌合する際、点Pにおいて双方が接触してから嵌合を始める。本実施の形態では、光軸O方向においてレンズ側マウント20の基準面23から点Pまでの距離Wを、図3のレンズ側マウント20の基準面23から点Qまでの距離Wに対応させている。換言すると、レンズ側マウント20の嵌合部22とボディ側マウント120の嵌合部122とが嵌合を始める位置Pと、弾性部材30の突出部Cの内周面における第1傾斜面33と第2傾斜面32との境界の位置Q(図3)とは、ともにレンズ側マウント20の基準面23から距離Wの位置にある。
【0032】
この理由は以下の通りである。レンズ側嵌合部22とボディ側嵌合部122とが嵌合領域の端部(点P)で嵌合を開始する前は、交換レンズ3の位置がカメラボディ130に対して径方向にずれるおそれがある。そこで、ボディ側マウント120と接触する可能性がある弾性部材30の第2傾斜面32の光軸Oに対する傾斜角を大きくすることにより、弾性部材30の突出部Cが交換レンズ3とカメラボディ130との結合部(レンズ側マウント20の基準面23とボディ側マウント120の基準面123との間)に巻きこまれにくくする。
一方、レンズ側嵌合部22とボディ側嵌合部122とが点Pで嵌合を開始した後は、ボディ側マウント120によって交換レンズ3の位置がガイドされるので、交換レンズ3の位置がカメラボディ130に対して径方向にずれるおそれがない。そのため、点Pで嵌合を開始した後にボディ側マウント120と接触する可能性がある弾性部材30の第1傾斜面33の光軸Oに対する傾斜角を小さくすることにより、弾性部材30の突出部Cを径方向に弾性変形させる。
【0033】
ユーザーが交換レンズ3をカメラボディ130(すなわちボディ側マウント120)に対して押圧しながら光軸Oを中心に装着方向に回転させる。レンズ側マウント20は、その嵌合部22がボディ側マウント120の嵌合部122に嵌合して光軸O方向の後方へ移動する。そして図5に示すように、レンズ側マウント20の基準面23がボディ側マウント120の基準面123に当接してレンズ側マウント20の移動が止まる。
レンズ側マウント20の嵌合部22とボディ側マウント120の嵌合部122とが嵌合する光軸O方向の範囲を嵌合領域と称すると、上記点Pは嵌合領域の一端、すなわち、交換レンズ3の後端側の一端に対応する。
【0034】
弾性部材30の突出部Cの内周面の内径のうち、図3の第1傾斜面33と第2傾斜面32との境界(点Q)の内径は、図4(a)に示すように、ボディ側マウント120の外周面126の外径と略等しく構成される。そして、突出部Cにおける前方の第1傾斜面33の内径は、光軸方向のどの位置であっても、ボディ側マウント120の外周面126の外径よりも小さく構成され、突出部Cにおける後方の第2傾斜面32の内径は、光軸方向のどの位置であっても、ボディ側マウント120の外周面126の外径よりも大きく構成されている。このように構成したので、図4(a)の状態(嵌合開始状態)から図5の状態(嵌合状態)へ移行する過程で、弾性部材30の突出部Cの内周面の第1傾斜面33が、ボディ側マウント120の外周面126と接触する。このため、弾性部材30の突出部Cは径方向に押圧される。
【0035】
弾性部材30の突出部Cがボディ側マウント120の外周面126で押圧されることにより、交換レンズ3とカメラボディ130との結合部(レンズ側マウント20の基準面23とボディ側マウント120の基準面123との接合部)における水密性が確保される。このため、高い防塵、防滴性能が得られる。
【0036】
本実施の形態では、弾性部材30の突出部Cの内周面(第1傾斜面33)とボディ側マウント120の外周面126との接触は、略線接触である。略線接触とは、線接触といえるほど接触面積が小さいことをいう。
弾性部材30とボディ側マウント120の外周面126との接触面積を小さくするメリットは、交換レンズ3を着脱する場合における回転時の接触抵抗を小さく抑えられる点である。接触抵抗が大きいと、着脱時にユーザーが交換レンズ3を光軸O周りに回転させるときの負荷が大きくなり、操作性が悪くなる。しかしながら、接触抵抗が小さければ、着脱時のユーザーの回転負荷が抑えられ、操作性を良くすることができる。
【0037】
図4(a)の状態から図5の状態へ移行するにつれて、弾性部材30の突出部Cは、径方向の外側(矢印の向き)へ弾性変形するが、光軸O方向には変形しない。このように構成したので、弾性変形した弾性部材30は、ボディ側マウント120の外周面126を外側から押す力を発生するだけで、ボディ側マウント120の基準面123を光軸O方向の後方へ押す力を発生しない。
【0038】
また、本実施の形態では、弾性部材30の突出部Cの先端部31がカメラボディの前面と接触しない。このため、図5の径方向の外側(矢印の向き)へ弾性変形した突出部Cの外周面とボディ側マウント120の外周面126との段差は、例えば1ミリ程度である。段差が小さいので、弾性部材30の変形が外観を損なうことがない。
仮に、弾性部材30の突出部Cの先端部31がカメラボディの前面と接触する構造にすると、弾性部材30の突出部Cが光軸O方向に弾性変形することとなる。この場合は、光軸O方向に弾性変形した突出部Cの外周面とボディ側マウント120の外周面126との段差が例えば1.3ミリ程度にまで大きくなる。段差が大きいと、外観を損なうデメリットが生じてしまう。さらに、光軸O方向に弾性変形した弾性部材30がボディ側マウント120の基準面123を光軸O方向の後方へ押す力を発生する、というデメリットも生じてしまう。
【0039】
上記デメリットのうち、弾性部材30が上記ボディ側マウント120の基準面123を光軸O方向の後方へ押す力を発生するデメリットについて詳述する。図5の例では、交換レンズ3をカメラボディ(すなわちボディ側マウント120)に対して回転させ、レンズ側爪部25よりも前方の空間にボディ側マウント120のボディ側爪部125が入り込む。このとき、レンズ側爪部25は、ボディ側爪部125に設けられている光軸Oに沿う後方向に交換レンズ3を付勢する不図示の板バネを押圧する。ここで、バヨネット式のレンズマウント機構における板バネは公知であるため、板バネについての説明は省略する。板バネの形状や材質は、レンズ側爪部25に対して所定の付勢力を発生するものであればよい。
【0040】
レンズ側爪部25は、接触した上記板バネによって、ボディ側爪部125から離れる方向(光軸O方向の後方)に付勢される被付勢部としての機能も有している。このため、レンズ側爪部25がボディ側爪部125の板バネ(不図示)と接触すると、レンズ側爪部25は上記板バネから光軸Oに沿って後方に押し付けられる。このように構成したことにより、上記板バネの付勢力によってレンズ側マウント20がボディ側マウント120に向かって押し付けられ、レンズ側マウント20の基準面23とボディ側マウント120の基準面123とが密着する。この結果、交換レンズ3とカメラボディとの装着が安定する。
【0041】
ところが、弾性部材30が発する上記デメリットの力は、ボディ側マウント120の基準面123を光軸O方向の後方へ押すため、上記板バネの付勢力に抗する向きに作用することになる。すなわち、弾性部材30が発する力が交換レンズ3とカメラボディとの装着の安定性を害してしまう。
しかしながら、本実施の形態では、弾性部材30が光軸方向よりも径方向に変形するようにしたので、弾性変形しても上記デメリットの力、換言すると、上記板バネの付勢力に抗する向きには小さい力だけが発生する。その結果、弾性部材30の反発力が交換レンズ3とカメラボディとの装着安定性を損なうことがない。
【0042】
以上説明した実施の形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)交換レンズ3は、カメラボディ130のボディ側マウント120と嵌合するレンズ側マウント20と、レンズ側マウント20の外周側に設けられ、交換レンズ3がカメラボディ130に装着された際にボディ側マウント120の外周面126に接触してレンズ側マウント20の径方向に変形可能な弾性部材30とを備える。弾性部材30は、交換レンズ3がカメラボディ130に装着された状態でレンズ側マウント20の基準面23よりカメラボディ130に向かって交換レンズ3の光軸O方向の後方に突出する突出部Cを有する。突出部Cは、交換レンズ3の光軸Oを中心とする円筒状であり、レンズ側マウント20の基準面23から離れるほど内径が大きくなる。
このように構成したので、交換レンズ3とカメラボディ130との結合部における水密性を確保することができる。さらに、レンズ側マウント20の基準面23から離れるほど突出部Cの内径を大きくしたことにより、交換レンズ3がカメラボディ130に対して光軸方向のどの位置にあっても、弾性部材30の突出部Cの内周面(第1傾斜面33)と、ボディ側マウント120の外周面126との接触面積を小さくすることができる。また、弾性部材30を径方向に変形させることにより、弾性変形した弾性部材30が上述した板バネの付勢力に抗する向きの大きな力が発生せず、交換レンズ3とカメラボディ130との装着安定性を損なわない。
【0043】
(2)弾性部材30は、レンズ側マウント20の基準面23から離れるほど外径が小さくなるように構成したので、突出部Cを掴みにくくなり、弾性部材30が後方へ引っ張られることを防止できる。
【0044】
(3)突出部Cの内周面の第1範囲は第1傾斜面33で構成され、突出部Cの内周面の第2範囲は第1範囲の第1傾斜面33とは光軸Oに対する傾斜角が異なる第2傾斜面32で構成される。さらに、第1範囲と第2範囲とは、光軸Oに沿った方向に並んで配置される。傾斜角を段階的に変化させたので、交換レンズ3がカメラボディ130に装着される際に、交換レンズ3とカメラボディ130との結合部に弾性部材30の突出部Cが巻きこまれることを防止できる。
【0045】
(4)突出部Cの第2範囲は、突出部Cの第1範囲よりレンズ側マウント20の基準面23から離れた位置に配置されており、また、第2範囲の傾斜角は第1範囲の傾斜角より大きい。このように構成したので、突出部Cの第2範囲の第2傾斜面32によって交換レンズ3とカメラボディ130との結合部に弾性部材30の突出部Cが巻きこまれることを防止するとともに、突出部Cの第1範囲の第1傾斜面33によって弾性部材30の突出部Cをボディ側マウント120の外周面126と適切に接触させることができる。
【0046】
(5)レンズ側マウント20は、ボディ側マウント120のボディ側嵌合部122の内周面と外周面が嵌合するレンズ側嵌合部22を有し、光軸Oに沿った方向において、第1範囲と第2範囲との境界(点Q)が、レンズ側嵌合部22とボディ側嵌合部122との嵌合領域の端部(点P)と略一致する。このように構成したので、交換レンズ3をカメラボディ130に装着する際に図4(a)の状態から図5の状態へ移行する過程で、弾性部材30の突出部Cの第1範囲の第1傾斜面33を、ボディ側マウント120の外周面126と適切に接触させることができる。
【0047】
(6)交換レンズ3は固定筒15を備える。固定筒15は、弾性部材30の外周に設けられ、レンズ鏡筒の一部を構成する。そして、弾性部材30は、外周面において径方向の外側へ突出した突出部35を有し、この突出部35は固定筒15の内周面に接する。このように構成したので、固定筒15と弾性部材30との隙間から固定筒15内に進入した水等が、突出部35よりも光軸O方向の前方へ浸入することを防止できる。
【0048】
(7)弾性部材30の突出部35は、光軸Oに沿った方向の略中央部に設けたので、突出部35が光軸Oに沿った方向の前方または後方に位置する場合に比べて、弾性部材30の突出部Cの第1範囲の第1傾斜面33を、ボディ側マウント120の外周面126と適切に接触させることができる。
【0049】
(8)弾性部材30は、突出部Cとは反対側の他端部(光軸O方向の前方)において、径方向の内側へ突出した突出部36を有する。この突出部36の内径をレンズ側マウント20の外径より小さく構成したので、弾性部材30が光軸O方向の後方に引っ張られたとしても突出部36がレンズ側マウント20に引っかかる。このため、弾性部材30が後方へ抜けて交換レンズ3から外れることを防止できる。
【0050】
(9)突出部36は、光軸Oを中心とする環状に構成し、光軸Oに沿った方向の片断面形状として、弾性部材30を略L字形状に構成する。このように構成したので、弾性部材30が後方に引っ張られたとしても突出部36がレンズ側マウント20に引っかかる。このため、弾性部材30が後方へ抜けて交換レンズ3から外れることを防止できる。
【0051】
弾性部材30は、その外周面に突出部35を一つ設け、内周面に突出部36を一つ設けた。これにより、例えば金型等を用いて弾性部材30を成形する際の型抜き作業を容易にすることができる。一つの面に2以上の突部を形成する場合、型から成型品を無理やり抜く必要があり、弾性部材が変形する原因となる。
【0052】
次のような変形も可能であり、一つもしくは複数の変形例を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0053】
(変形例1)
上述した実施の形態では、図3に例示したように、弾性部材30の内周面うち、レンズ側マウント20の基準面23より後方に露出する突出部Cの内周面に、第1傾斜面33と第2傾斜面32とを設ける例を説明した。この代わりに、第1傾斜面33と第2傾斜面32とのうちの一方の傾斜面を曲面に代えて構成してもよい。また、第1傾斜面33および第2傾斜面32の双方をそれぞれ曲面に代えて構成してもよい。曲面とは、第1傾斜面33および第2傾斜面32のように内径の変化量が一様な傾斜面でなく、内径の変化量が前方から後方に向かってなだらかに変化する面をいう。
【0054】
図6は、変形例1による弾性部材30Aの断面の一例を説明する図である。図6において、図3と同様の構成には図3と同一符号を付して説明を省略する。弾性部材30Aは、その内周面うち、レンズ側マウント20の基準面23(図3)より後方(図6において右方)に露出する突出部Cの内周面に、第1曲面33Aと第2曲面32Aとを有する。
【0055】
突出部Cの内周面のうち、光軸O方向(図3)の前方側(図6において左方)の第1範囲に第1曲面33Aが、後方側の第2範囲に第2曲面32Aが、それぞれ設けられる。第1曲面33Aおよび第2曲面32Aは、ともに弾性部材30Aの突出部Cにおける内径が、前方から後方に向かって徐々に大きく変化する。光軸O方向の内径の変化率が小さい曲面は内径の変化が小さく、光軸O方向の内径の変化率が大きい曲面は内径の変化が大きい。図6の例では、後方の第2曲面32Aの内径の変化率は、前方側の第1曲面33Aの内径の変化率より大きい。
【0056】
第1曲面33Aと第2曲面32Aとの境界(図6において点Qで示す)は、レンズ側マウント20の基準面23(図3)から後方に距離Wの位置である。すなわち、突出部Cの内周面には、レンズ側マウント20の基準面23から距離Wまでの間に第1曲面33Aを配置し、距離Wよりも後方に第2曲面32Aを配置する。
【0057】
距離Wの位置を境に内径の変化率が異なる第1曲面33Aと第2曲面32Aとを配置する理由は、上記実施の形態と同様に、交換レンズ3が不図示のカメラボディに装着される際に、交換レンズ3とカメラボディとの結合部に弾性部材30Aの突出部Cが巻きこまれることを防止するためである。
なお、第2曲面32Aの後方側は、後方端31へつながる。また、突出部Cの外周面に傾斜面34が設けられる点は、上記実施の形態(図3)と同様である。
【0058】
(変形例2)
上記実施の形態では、環状の弾性部材30の内周面に設ける突出部の一例として、光軸O方向における前方端に、径方向内側に突出した突出部36を設けた。突出部36を前方端に設ける代わりに、変形例2においては、前方端から光軸O方向の後方へ移動した位置に突出部36を設ける。ただし、位置を移動した突出部36が、レンズ側マウント20に引っかかるように構成する。
また、突出部36は、必ずしも弾性部材30の内周面において環状に形成されていなくてもよく、弾性部材30の内周に沿って一部が省略(例えば切り込み部を有する)されていてもよい点は、上記実施の形態と同様である。
【0059】
変形例2の構成によれば、弾性部材30の内周面に突出部36を構成したことにより、レンズ側マウント20が固定筒15に固定された状態では、弾性部材30が後方に引っ張られたとしても突出部36がレンズ側マウント20に引っかかる。この結果、弾性部材30が後方へ抜けて交換レンズ3から外れることを防止できる。
変形例2の構成においても、弾性部材30の内周面に設けた突出部36が一つだけであるので、例えば金型等を用いて弾性部材30を成形する際の型抜き作業を容易にすることができる。
【0060】
(変形例3)
上述した実施の形態では、交換レンズ3を例に挙げて説明したが、交換レンズ3以外のアクセサリであって弾性部材30あるいは弾性部材30Aを備えるアクセサリに本発明を適用してもよい。アクセサリは、例えば、カメラボディと交換レンズ3との間に装着され、交換レンズ3の焦点距離を変更するテレコンバーターやワイドコンバーター、接写リングなどでもよい。
【0061】
また、アクセサリは、上述した交換レンズ3とカメラボディとの間のマウント規格が異なる場合に、マウント規格を整合して装着可能にするマウントアダプターであってもよい。その場合、ボディ側マウント120、ボディ側爪部125などは、それぞれアクセサリのアクセサリ側マウント、アクセサリ側爪部などに相当する。
【0062】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
3…交換レンズ
20…レンズ側マウント
22、122…嵌合部
23、123…基準面
24…円筒部
25…レンズ側爪部
30、30A…弾性部材
31…後方端
32…第2傾斜面
32A…第2曲面
33…第1傾斜面
33A…第1曲面
35、36、C…突出部
120…ボディ側マウント
125…ボディ側爪部
126…外周面
O…光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6