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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
H05H1/46 M
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018229243
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020092032
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】平山 昌樹
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-153486(JP,A)
【文献】特開2002-85964(JP,A)
【文献】特開2013-149790(JP,A)
【文献】特開2004-172365(JP,A)
【文献】特表2003-506889(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0023742(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
H01L 21/205
C23C 16/50-16/517
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器と、
前記処理容器内に設けられたステージと、
前記ステージの上方に前記処理容器内の空間を介して設けられた誘電体板と、
可撓性を有し、前記誘電体板の上方に設けられた上部電極であり、前記誘電体板と該上部電極との間に間隙を提供するよう構成された、該上部電極と、
VHF波又はUHF波である高周波の導入部であって、前記空間の横方向端部に設けられた、該導入部と、
鉛直方向に延びる前記処理容器の中心軸線であり前記ステージの中心を含む該中心軸線上で前記上部電極に結合された駆動軸と、
前記駆動軸を鉛直方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、
を備えるプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記誘電体板の周縁部と前記処理容器との間に介在する弾性部材を更に備え、
前記誘電体板の周縁部は、前記処理容器と前記上部電極との間で前記弾性部材を介して弾性的に支持されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記上部電極には、前記中心軸線に対して径方向に沿って該上部電極の周縁まで延びる複数のスリットが形成されている、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記中心軸線上での前記鉛直方向における前記間隙の長さは、前記中心軸線から離れた位置での前記鉛直方向における前記間隙の長さよりも大きい、請求項1~3の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記中心軸線上での前記鉛直方向における前記間隙の長さは、前記中心軸線から離れた位置での前記鉛直方向における前記間隙の長さよりも小さい、請求項1~3の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記鉛直方向における前記間隙の長さが前記中心軸線に対して径方向の位置に応じて変動している、請求項1~5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記上部電極の下面は、前記中心軸線を含む任意の断面において、波状をなしている、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記誘電体板には、前記間隙に供給されたガスを前記空間に吐出するように構成された複数のガス吐出孔が形成されている、請求項1~7の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記上部電極の上方に設けられた蓋部であり、該上部電極と該蓋部との間にガスの拡散空間を提供する、該蓋部を更に備え、
前記拡散空間は前記上部電極を介して前記間隙に連通しており、
前記駆動軸は、少なくとも前記蓋部の一部を貫通して前記アクチュエータに接続しており、
前記蓋部と前記駆動軸との間に設けられた封止部材を更に備える、
請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記封止部材は、Oリングである、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記封止部材は、前記蓋部と前記駆動軸との間に設けられたベローズである、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記上部電極には、前記拡散空間と前記間隙を互いに連通させる複数の貫通孔が形成されており、
前記複数の貫通孔は、該複数の貫通孔の各々の下端開口が前記複数のガス吐出孔のうち対応のガス吐出孔の上端開口と対面するように、配置されている、請求項9~11の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
プラズマ処理装置を用いて基板にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
前記プラズマ処理装置の処理容器内の空間にガスを供給する工程と、
前記処理容器内でステージ上に載置された基板に対してプラズマ処理を行うために、前記空間に高周波を導入する工程と、
を含み、
前記プラズマ処理装置は、
前記処理容器と、
前記処理容器内に設けられた前記ステージと、
前記ステージの上方に前記処理容器内の前記空間を介して設けられた誘電体板と、
可撓性を有し、前記誘電体板の上方に設けられた上部電極であり、前記誘電体板と該上部電極との間に間隙を提供するよう構成された、該上部電極と、
VHF波又はUHF波である高周波の導入部であって、前記空間の横方向端部に設けられた、該導入部と、
鉛直方向に延びる前記処理容器の中心軸線であり前記ステージの中心を含む該中心軸線上で前記上部電極に結合された駆動軸と、
前記駆動軸を鉛直方向に移動させるように構成されたアクチュエータと、
を備える、
プラズマ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造においてはプラズマ処理装置が用いられている。一種のプラズマ処理装置は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたプラズマ処理装置は、真空容器、処理室、支持電極、アンテナ、及び放射口を備える。処理室は、真空容器の内部に設けられている。処理室にはガスが供給される。支持電極は、処理室内に設けられている。支持電極は、基板を支持する。アンテナ及び放射口は、超短波(VHF)帯又は極超短波(UHF)帯の高周波を処理室に供給する。特許文献1に記載されたプラズマ処理装置は、電界制御空間を備える。電界制御空間は、誘電体と誘電体を囲む金属仕切板又はディスク状金属とによって構成される。なお、VHF帯とは、30MHz~300MHz程度の範囲の周波数帯である。UHF帯とは、300MHz~3GHz程度の範囲の周波数帯である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-243376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラズマ処理装置では、処理容器内において中心軸線に対して径方向におけるプラズマの密度の分布を調整することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、処理容器、ステージ、誘電体板、上部電極、導入部、駆動軸、及びアクチュエータを備える。ステージは、処理容器内に設けられている。誘電体板は、ステージの上方に処理容器内の空間を介して設けられている。上部電極は、可撓性を有する。上部電極は、誘電体板の上方に設けられており、誘電体板と上部電極との間に間隙を提供するよう構成されている。導入部は、高周波の導入部であり、上記空間の横方向端部に設けられている。高周波は、VHF波又はUHF波である。駆動軸は、処理容器の中心軸線上で上部電極に結合されている。中心軸線は、鉛直方向に延びており、ステージの中心を含む。アクチュエータは、駆動軸を鉛直方向に移動させるように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置によれば、処理容器内において中心軸線に対して径方向におけるプラズマの密度の分布を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図2】一例のステージを示す破断斜視図である。
図3】別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図4】一つの例示的実施形態に係る上部電極を示す斜視図である。
図5】更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図6】更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図7図6に示す例示的実施形態のプラズマ処理装置の一部を拡大して示す図である。
図8】別の例示的実施形態に係るステージを示す破断斜視図である。
図9】別の例示的実施形態に係る上部電極の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、処理容器、ステージ、誘電体板、上部電極、導入部、駆動軸、及びアクチュエータを備える。ステージは、処理容器内に設けられている。誘電体板は、ステージの上方に処理容器内の空間を介して設けられている。上部電極は、可撓性を有する。上部電極は、誘電体板の上方に設けられており、誘電体板と上部電極との間に間隙を提供するよう構成されている。導入部は、高周波の導入部であり、上記空間の横方向端部に設けられている。高周波は、VHF波又はUHF波である。駆動軸は、処理容器の中心軸線上で上部電極に結合されている。中心軸線は、鉛直方向に延びており、ステージの中心を含む。アクチュエータは、駆動軸を鉛直方向に移動させるように構成されている。
【0010】
上記例示的実施形態に係るプラズマ処理装置では、アクチュエータによって駆動軸を鉛直方向に移動させると、上部電極の中心が鉛直方向に移動する。その結果、鉛直方向における間隙の長さが、中心軸線からの距離に応じて調整される。したがって、高周波によって形成される電界の強度が、中心軸線からの径方向の距離に応じて調整される。故に、中心軸線に対して径方向におけるプラズマの密度の分布が調整され得る。
【0011】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、弾性部材を更に備えていてもよい。この実施形態において、弾性部材は、誘電体板の周縁部と処理容器との間に介在する。この実施形態において、誘電体板の周縁部は、処理容器と上部電極との間で弾性部材を介して弾性的に支持され得る。この実施形態によれば、誘電体板の損傷が抑制される。
【0012】
一つの例示的実施形態において、上部電極には、複数のスリットが形成されていてもよい。この実施形態において、複数のスリットは、中心軸線に対して径方向に沿って上部電極の周縁まで延びている。この実施形態によれば、上部電極がより撓み易くなる。
【0013】
一つの例示的実施形態において、中心軸線上での鉛直方向における間隙の長さは、中心軸線から離れた位置での鉛直方向における間隙の長さよりも大きくてもよい。この実施形態によれば、高周波が中心軸線上で互いに強め合う場合に、高周波によって形成される電界の強度の径方向における不均一性が低減され得る。
【0014】
一つの例示的実施形態において、中心軸線上での鉛直方向における間隙の長さは、中心軸線から離れた位置での鉛直方向における間隙の長さよりも小さくてもよい。この実施形態によれば、導入部から中心軸線に向けた伝搬に伴う高周波の減衰が抑制され得る。
【0015】
一つの例示的実施形態において、鉛直方向における間隙の長さが中心軸線に対して径方向の位置に応じて変動していてもよい。この実施形態によれば、高調波が抑制され得る。一つの例示的実施形態においては、上部電極の下面は、中心軸線を含む任意の断面において、波状をなしていてもよい。
【0016】
一つの例示的実施形態において、誘電体板には、間隙に供給されたガスを空間に吐出するように構成された複数のガス吐出孔が形成されていてもよい。即ち、誘電体板は、ガスを吐出するように構成されたシャワープレートであってもよい。
【0017】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、蓋部を更に備えていてもよい。この実施形態において、蓋部は、上部電極の上方に設けられている。蓋部は、上部電極と蓋部との間にガスの拡散空間を提供する。拡散空間は上部電極を介して間隙に連通している。駆動軸は、少なくとも蓋部の一部を貫通してアクチュエータに接続している。この実施形態において、プラズマ処理装置は、蓋部と駆動軸との間に設けられた封止部材を更に備えていてもよい。一つの例示的実施形態において、封止部材は、Oリングであってもよい。別の例示的実施形態において、封止部材は、蓋部と駆動軸との間に設けられたベローズであってもよい。
【0018】
一つの例示的実施形態において、上部電極には、拡散空間と間隙を互いに連通させる複数の貫通孔が形成されていてもよい。複数の貫通孔は、該複数の貫通孔の各々の下端開口が複数のガス吐出孔のうち対応のガス吐出孔の上端開口と対面するように、配置されていてもよい。この実施形態によれば、複数の貫通孔の各々から対応のガス吐出孔にガスが流れ易くなる。
【0019】
別の例示的実施形態においては、プラズマ処理装置を用いて基板にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置の処理容器内の空間にガスを供給する工程を含む。プラズマ処理方法は、処理容器内でステージ上に載置された基板に対してプラズマ処理を行うために、空間に高周波を導入する工程を更に含む。プラズマ処理装置は、上述した種々の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置のうち何れかである。
【0020】
上記例示的実施形態に係るプラズマ処理方法では、中心軸線に対して径方向において調整された密度の分布を有するプラズマにより、基板が処理される。
【0021】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0022】
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、処理容器10、ステージ12、上部電極14、及び導入部16を備えている。
【0023】
処理容器10は、略円筒形状を有する。処理容器10は、鉛直方向に沿って延在している。処理容器10の中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線AXである。処理容器10は、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。処理容器10の表面上には、耐腐食性を有する膜が形成されている。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム膜、酸化フッ化イットリウム膜、フッ化イットリウム膜、又は酸化イットリウム、フッ化イットリウム等を含むセラミック膜であり得る。処理容器10は、接地されている。
【0024】
ステージ12は、処理容器10内に設けられている。ステージ12は、その上面の上に載置された基板Wを略水平に支持するように構成されている。ステージ12は、略円盤形状を有している。ステージ12の中心軸線は、軸線AXに略一致している。即ち、ステージ12の中心は、軸線AX上に位置している。
【0025】
以下、図1と共に図2を参照する。図2は、一例のステージを示す破断斜視図である。一例において、ステージ12は、本体121及び導電層122を有している。本体121は、窒化アルミニウムといった絶縁体から形成されている。本体121は、略円盤形状を有している。本体121の中心軸線は、軸線AXと略一致していてもよい。即ち、軸線AXは、ステージ12の中心を含んでいてもよい。
【0026】
導電層122は、導電性を有する材料、例えばタングステン、モリブデン等から形成されている。導電層122は、本体121内に設けられている。ステージ12は、一つ以上の導電層を有していてもよい。この場合に、導電層122は、ステージ12内に設けられた一つ以上の導電層のうちステージ12の上面から最短の距離を有する。
【0027】
導電層122は、軸線AXの周りで環状に形成されている。導電層122の内径(直径)は、例えば基板Wの直径の1/6、即ち50mm以上である。導電層122の外径は、基板Wの直径よりも小さい。一実施形態において、導電層122は、メッシュ状に形成されていてもよい。
【0028】
一実施形態において、導電層122は、静電吸着用の電極である。この実施形態において、導電層122には、直流電源50が電気的に接続される。直流電源50からの直流電圧が導電層122に印加されると、ステージ12と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは、ステージ12に引き付けられ、ステージ12によって保持される。別の実施形態において、導電層122は、高周波電極であってもよい。この場合には、導電層122には、高周波電源が整合器を介して電気的に接続される。更に別の実施形態において、導電層122は、接地される電極であってもよい。
【0029】
上述したように、ステージ12の導電層122は、環状に形成されている。したがって、ステージ12の中央部と外周部との間での高周波に起因する電位差の発生が抑制される。その結果、ステージ12の中央部と外周部との間で発生する高周波電界が抑制される。
【0030】
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、バッフル部材13を更に備えていてもよい。バッフル部材13は、ステージ12と処理容器10の側壁との間で延在している。バッフル部材13は、略環状の板材である。バッフル部材13は、例えば、酸化アルミニウムといった絶縁体から形成されている。バッフル部材13には、複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、バッフル部材13をその板厚方向に貫通している。ステージ12の下方において処理容器10には、排気口10eが形成されている。排気口10eには、排気装置が接続されている。排気装置は、圧力制御弁並びにターボ分子ポンプ及び/又はドライポンプといった真空ポンプを含んでいる。
【0031】
プラズマ処理装置1は、誘電体板18を更に備えている。誘電体板18は、処理容器10内の空間SPを介してステージ12の上方に設けられている。誘電体板18は、誘電体から形成された板である。誘電体板18は、略円形の平面形状を有し得る。誘電体板18は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、又は窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム等を含む誘電体から形成されている。誘電体板18の表面のうち少なくとも下面には、耐腐食性を有する膜が形成されていてもよい。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム膜、酸化フッ化イットリウム膜、フッ化イットリウム膜、又は酸化イットリウム、フッ化イットリウム等を含むセラミック膜であり得る。誘電体板18の下面とステージ12の上面との間の鉛直方向における距離は、例えば5cm以上、30cm以下である。
【0032】
上部電極14は、誘電体板18の上方に設けられている。上部電極14と誘電体板18は、それらの間に間隙145を提供するように構成されている。上部電極14は、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。上部電極14は、可撓性を有する。上部電極14は、導体製の板材から形成され得る。上部電極14は、略円形の平面形状を有し得る。一実施形態において、上部電極14の中心軸線は、軸線AXに略一致している。
【0033】
一実施形態において、誘電体板18には、ステージ12上に載置された基板Wの全面に均等にガスを供給するために、複数のガス吐出孔18hが形成されている。即ち、誘電体板18は、ガスを吐出するように構成されたシャワープレートであってもよい。
【0034】
プラズマ処理装置1では、バッフル部材13の上側で延在する処理容器10の内壁面の面積は、空間SP側の誘電体板18の表面積に略等しい。即ち、空間SPを画成する面のうちグランド電位に設定された面(グランド面)の面積は、空間SPを画成する面のうち誘電体板18によって提供される面の面積と略同一である。かかる構成により、プラズマが、誘電体板18の直下の領域及びグランド面の周囲の領域で均一な密度で生成される。その結果、基板Wのプラズマ処理の面内均一性が向上される。
【0035】
一実施形態において、誘電体板18の周縁部は、上部電極14の周縁部と処理容器10の上端との間に設けられている。一実施形態において、誘電体板18の周縁部は、上部電極14の周縁部と処理容器10の上端との間で弾性的に保持されている。一実施形態において、誘電体板18の周縁部は、上部電極14の周縁部と処理容器10の上端との間で弾性部材272を介して挟持されている。弾性部材272は、例えばOリングである。誘電体板18の周縁部と処理容器10の上端との間には、サポートリング17が更に設けられていてもよい。サポートリング17は、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムといった誘電体から形成されている。弾性部材272は、サポートリング17と処理容器10の上端との間に介在していてもよい。弾性部材272によれば、誘電体板18の損傷が抑制される。
【0036】
導入部16は、リング状の部材である。導入部16は、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムといった誘電体から形成されている。導入部16は、誘電体板18の周縁部及びサポートリング17の外側で、軸線AXの周りで周方向に延在している。導入部16は、高周波を空間SPに導入する部分である。高周波は、VHF波又はUHF波である。導入部16は、空間SPの横方向端部に設けられている。プラズマ処理装置1は、導入部16に高周波を供給するために、導波部20を更に備えている。
【0037】
一実施形態において、導波部20は、内側部材22i及び円筒部材22tから構成されている。内側部材22iは、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。内側部材22iは、例えば略円盤形状を有している。内側部材22iは、上部電極14の上方に設けられている。内側部材22iは、上部電極14と内側部材22iとの間に空間225(ガスの拡散空間)を提供しており、一実施形態の蓋部を構成している。
【0038】
一実施形態において、内側部材22iの周縁部と処理容器10の上端は、上部電極14の周縁部、誘電体板18の周縁部、及びサポートリング17を、弾性部材272を介して弾性的に保持している。弾性部材272は、例えばOリングである。一実施形態において、導入部16は、内側部材22iの周縁部と処理容器10の上端との間で弾性的に保持されている。一実施形態では、封止部材25が、処理容器10の上端と導入部16との間に介在している。また、封止部材26が、内側部材22iの周縁部と導入部16との間には、介在している。封止部材25及び封止部材26の各々は、弾性を有する。封止部材25及び封止部材26の各々は、軸線AXの周りで周方向に延在している。封止部材25及び封止部材26の各々は、例えばOリングである。
【0039】
円筒部材22tは、上壁部221t及び円筒部223tを含んでいる。上壁部221tは、略円盤形状を有しており、内側部材22iの上方で水平に延在している。上壁部221tは、内側部材22iから離間している。円筒部223tは、略円筒形状を有している。円筒部223tの中心軸線は、軸線AXと略一致している。円筒部223tは、上壁部221tの周縁部から下方に延在している。円筒部223tの下端は、処理容器10の上端に接続している。したがって、円筒部材22tは接地されている。円筒部223tは、内側部材22iを囲むように、軸線AXに対して径方向において内側部材22iの外側に設けられている。円筒部223tは、内側部材22iから離間している。
【0040】
導波部20は、上壁部221tと内側部材22iの上面との間に、導波路206を提供している。導波部20は、円筒部223tと内側部材22iの外周面との間に、筒状の導波路207を提供している。導波路206は、導波路207の上端に接続している。導波路207の下端は、導入部16に接続している。
【0041】
内側部材22iには、高周波電源30が、整合器32を介して電気的に接続されている。高周波電源30は、上述した高周波を発生する電源である。整合器32は、高周波電源30の負荷のインピーダンスを高周波電源30の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を含んでいる。高周波電源30からの高周波は、導波路206及び導波路207を介して導入部16に供給される。高周波は、導入部16を介して空間SPに供給される。高周波が空間SPに供給されると、空間SP内のガスが励起されて、当該ガスからプラズマが形成される。基板Wは、プラズマからの化学種によって処理される。
【0042】
上述の空間225には、配管40が接続されている。配管40には、ガス供給部42が接続されている。ガス供給部42は、基板Wの処理のために用いられる一つ以上のガス源を含む。また、ガス供給部42は、一つ以上のガス源からのガスの流量をそれぞれ制御するための一つ以上の流量制御器を含む。
【0043】
配管40は、導波路206を通って空間225まで延びている。導波路206を画成する内側部材22iは、接地されていない。配管40の中でガスが励起されることを防止するために、配管40は、導波路206の中では部材401によって囲まれている。部材401は、絶縁性を有する材料から形成されている。また、部材401の長さを長くするために、上壁部221tは、部材401の周囲で上方へ突出するように形成されている。
【0044】
一実施形態において、空間225は、上部電極14を介して間隙145に連通している。一実施形態において、上部電極14には、複数の貫通孔14hが形成されている。複数の貫通孔14hは、空間225(即ち、ガスの拡散空間)と間隙145を互いに連通させている。この実施形態では、ガス供給部42からのガスは、配管40を介して空間225に供給され、空間225から複数の貫通孔14hを介して間隙145に供給される。間隙145に供給されたガスは、複数のガス吐出孔18hから空間SPに吐出される。
【0045】
一実施形態において、複数の貫通孔14hの各々の下端開口は、複数のガス吐出孔18hのうち対応のガス吐出孔の上端開口と対面するように、配置されている。この実施形態によれば、間隙145の鉛直方向の長さが短いために間隙145で水平方向にガスが拡散し難くても、複数の貫通孔14hの各々から対応のガス吐出孔にガスが流れ易くなる。
【0046】
プラズマ処理装置1は、駆動軸47及びアクチュエータ46を更に備える。駆動軸47は、軸線AX上で上部電極14に結合されている。一実施形態において、駆動軸47は、ロッドであり、軸線AX上で鉛直方向に延在している。駆動軸47の下端は、上部電極14の径方向中心に結合されている。アクチュエータ46は、駆動軸47を鉛直方向に移動させるように構成されている。
【0047】
一実施形態において、空洞226が内側部材22iの中に形成されている。アクチュエータ46は、空洞226の中に収容されていてもよい。駆動軸47は、空洞226から内側部材22iの一部を貫通して、軸線AXに沿って下方に延びている。駆動軸47と内側部材22iとの間には、Oリングといった封止部材48が設けられていてもよい。
【0048】
プラズマ処理装置1では、アクチュエータ46によって駆動軸47を鉛直方向に移動させると、上部電極14の中心が鉛直方向に移動する。その結果、鉛直方向における間隙145の長さが、軸線AXからの距離に応じて調整される。したがって、高周波によって形成される電界の強度が、軸線AXからの径方向の距離に応じて調整される。故に、軸線AXに対して径方向におけるプラズマの密度の分布が調整され得る。例えば、高周波によって形成される電界の強度の径方向における不均一性が解消されて、径方向におけるプラズマの密度の分布の不均一性が低減される。
【0049】
一実施形態においては、図1に示すように、軸線AX上での鉛直方向における間隙145の長さは、軸線AXから離れた位置での鉛直方向における間隙145の長さよりも大きい。例えば、鉛直方向における間隙145の長さは、軸線AXからの距離の関数で表され、軸線AXからの距離の増加につれて減少する。この例において、上部電極14の下面は、円錐面に沿って延在し得る。この実施形態によれば、高周波が軸線AX上で互いに強め合う場合に、高周波によって形成される電界の強度の径方向における不均一性が低減され得る。
【0050】
以下、プラズマ処理装置1を用いて基板にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法について説明する。プラズマ処理方法では、ステージ12上に基板が載置される。次いで、プラズマ処理方法では、処理容器10内の空間SPにガスが供給される。ガスは、ガス供給部42から空間SPに供給される。次いで、プラズマ処理方法では、空間SPに高周波が導入される。高周波は、導波部20から導入部16を介して空間SPに導入される。空間SP内に導入された高周波は、空間SP内でガスを励起させて、当該ガスからプラズマを生成する。生成されたプラズマによって、基板が処理される。このプラズマ処理方法では、軸線AXに対して径方向において調整された密度の分布を有するプラズマにより、基板が処理される。なお、このプラズマ処理方法は、後述する種々の実施形態のプラズマ処理装置を用いて同様に実行され得る。
【0051】
以下、図3を参照して、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置1Bについて説明する。図3は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。以下、プラズマ処理装置1の構成と異なるプラズマ処理装置1Bの構成について説明する。
【0052】
プラズマ処理装置1Bは、上部電極14に代えて上部電極14Bを備えており、誘電体板18に代えて誘電体板18Bを備えている。誘電体板18Bは、処理容器10内の空間SPを介してステージ12の上方に設けられている。上部電極14Bは、誘電体板18Bの上方に設けられている。上部電極14Bと誘電体板18Bは、それらの間に間隙145Bを提供するように構成されている。上部電極14Bは、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。上部電極14Bは、可撓性を有する。上部電極14Bは、導体製の板材から形成され得る。上部電極14Bは、略円形の平面形状を有し得る。一実施形態において、上部電極14の中心軸線は、軸線AXに略一致している。上部電極14Bの詳細については後述する。
【0053】
誘電体板18Bは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、又は窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム等を含む誘電体から形成されている。誘電体板18Bの表面のうち少なくとも下面には、耐腐食性を有する膜が形成されていてもよい。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム膜、酸化フッ化イットリウム膜、フッ化イットリウム膜、又は酸化イットリウム、フッ化イットリウム等を含むセラミック膜であり得る。誘電体板18Bは、略円盤形状を有している。誘電体板18Bの中心軸線は、軸線AXに略一致している。誘電体板18Bには、誘電体板18と同様に、複数のガス吐出孔18hが形成されている。即ち、一実施形態において、誘電体板18Bは、ガスを吐出するように構成されたシャワープレートであってもよい。誘電体板18Bの下面とステージ12の上面との間の鉛直方向における距離は、例えば5cm以上、30cm以下である。
【0054】
プラズマ処理装置1Bにおいても、バッフル部材13の上側で延在する処理容器10の内壁面の面積は、空間SP側の誘電体板18Bの表面積に略等しい。即ち、空間SPを画成する面のうちグランド電位に設定された面(グランド面)の面積は、空間SPを画成する面のうち誘電体板18Bによって提供される面の面積と略同一である。
【0055】
誘電体板18Bの周縁部の厚みは、誘電体板18Bの中央部分の厚みよりも大きい。誘電体板18Bの中央部分は、誘電体板18Bの周縁部に対して内側で延在する部分である。誘電体板18Bの周縁部は、導入部16を構成している。即ち、導入部16は、環形状を有している。プラズマ処理装置1Bは、導入部16に高周波を供給するために、導波部20Bを更に備えている。
【0056】
一実施形態において、導波部20Bは、共振器200を含んでいる。一実施形態において、共振器200は、空洞共振器であり得る。共振器200は、導波路201を提供している。導波路201は、軸線AXの周りで周方向に延び、軸線AXが延在する方向に延びている。導波路201は、導入部16に接続されている。導波路201は、鉛直方向に沿って延びる筒形状を有している。導波路201の中心軸線は、軸線AXに略一致している。
【0057】
導波路201は、一端202及び他端203を含んでいる。一端202と他端203との間の導波路201の幅は、共振器200が共振状態となるように設定される。即ち、導波路201の当該幅は、導波路201に沿って周方向に伝搬する電磁波の波長が略無限大になるように設定される。本実施形態においては導波路201の内部が中空であるので、導波路201の幅は、使用される高周波の波長(自由空間波長)の約1/2である。導波路201の内部に誘電体が設けられている場合には、導波路201の幅は、自由空間波長の1/2を導波路201内の実効誘電率の平方根で割った値に設定され得る。
【0058】
一実施形態において、導波路201は、内側導波路204及び外側導波路205を含んでいる。内側導波路204及び外側導波路205の各々は、鉛直方向に沿って延びる筒状の導波路である。内側導波路204は、外側導波路205に対して径方向内側で延在している。外側導波路205の下端は、導波路201の一端202を構成している。外側導波路205の上端及び内側導波路204の上端は互いに連続している。即ち、導波路201は、軸線AXが延在する方向において折り返されている。なお、導波路201の上述の幅は、一端202と他端203との間の折り返された導波路201の幅である。内側導波路204の下端は、導波路201の他端203を構成している。導波路201の他端203は、導入部16に接続されている。
【0059】
一実施形態において、導波部20Bは、第1の同軸導波管211及び複数の第2の同軸導波管212を更に含んでいる。第1の同軸導波管211は、その中心軸線が軸線AXに略一致するように、鉛直方向に沿って延在している。即ち、第1の同軸導波管211は、軸線AX上で延在している。第1の同軸導波管211は、内側導体213を有する。内側導体213には、高周波電源30が、整合器32を介して電気的に接続されている。
【0060】
複数の第2の同軸導波管212の各々の一端は、第1の同軸導波管211に接続されている。複数の第2の同軸導波管212の各々は、その一端から軸線AXに対して径方向に沿って延在しており、共振器200の導波路201に接続されている。即ち、複数の第2の同軸導波管212によって提供される複数の同軸線路が、共振器200の導波路201に接続されている。複数の第2の同軸導波管212は、軸線AXに対して周方向において、等間隔に、即ち約360°/Nの角度間隔で配列されている。なお、「N」は、第2の同軸導波管212の個数である。「N」は、限定されるものではないが、例えば3又は4である。
【0061】
一実施形態において、共振器200の導波路201は、主部22及び円筒部材24によって提供されている。主部22は、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。主部22は、上壁部221、中央部222、及び外側円筒部223を含んでいる。上壁部221は、略円形且つ薄板状をなしている。上壁部221は、略水平に延在している。中央部222は、略円柱形状を有している。中央部222は、上壁部221から下方に延びている。中央部222の下面は、中央部222の周縁部の内側に、空間225Bを画成している。空間225Bは、ガスの拡散空間である。
【0062】
導入部16、即ち誘電体板18Bの周縁部は、中央部222の周縁部と処理容器10の上端との間で弾性的に保持されている。具体的に、処理容器10の上端と導入部16の下面との間には、封止部材25が介在している。中央部222の周縁部と導入部16の上面との間には、封止部材26が介在している。
【0063】
上部電極14Bの周縁部は、封止部材26に対して径方向内側において、中央部222の周縁部と導入部16との間で挟持されている。上部電極14Bの周縁部と中央部222の周縁部との間には、導電性弾性部材27、例えばスパイラルリングが設けられている。導電性弾性部材27の材料は、例えば、ステンレス鋼、インコネル、ニッケル、タングステン、タンタル、銅合金又はモリブデン等の金属である。導電性弾性部材27は、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、又は金等の保護膜により被覆されていてもよい。導電性弾性部材27は、上部電極14Bと中央部222との間の電気的接続を安定的に維持する。
【0064】
外側円筒部223は、略円筒形状を有している。外側円筒部223の中心軸線は、軸線AXに略一致している。外側円筒部223は、中央部222に対して径方向外側で、上壁部221から下方に延びている。外側円筒部223の下端は、処理容器10の上端に接続している。したがって、主部22は、接地されている。
【0065】
円筒部材24は、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。円筒部材24は、略円筒形状を有している。円筒部材24の中心軸線は、軸線AXに略一致している。円筒部材24は、中央部222と外側円筒部223との間で、鉛直方向に延在している。円筒部材24の下端は、処理容器10の上端に接続している。したがって、円筒部材24は、接地されている。円筒部材24の上端は、上壁部221から離れている。
【0066】
外側導波路205は、外側円筒部223と円筒部材24との間で延在している。外側導波路205は、処理容器10の上端で終端している。外側導波路205と内側導波路204は、円筒部材24の上端と上壁部221との間で接続している。内側導波路204は、円筒部材24と中央部222との間で延在している。
【0067】
主部22の中央部222は、第1の同軸導波管211の外側導体214及び複数の第2の同軸導波管212の外側導体216を提供している。具体的に、中央部222には、軸線AXに沿って延在する孔217が形成されている。中央部222において孔217を画成する部分は、外側導体214である。第1の同軸導波管211の内側導体213は、孔217の中心線、即ち軸線AXに沿って延在している。
【0068】
中央部222には、軸線AXに対して径方向に延びる複数の孔218が形成されている。複数の孔218は、軸線AXに対して周方向において、約360°/Nの角度間隔で配列されている。上述したように、「N」は、第2の同軸導波管212の個数である。中央部222において複数の孔218を画成する部分は、外側導体216である。複数の孔218の中では、複数の内側導体215、即ち複数の第2の同軸導波管212の内側導体がそれぞれ延在している。複数の内側導体215は、内側導体213から分岐して、軸線AXに対して径方向に延びている。複数の内側導体215の各々の端部は、円筒部材24の上端に接続されている。したがって、内側導体213及び複数の内側導体215は接地されている。故に、導波部20Bが提供する導波路は、接地された導体、即ち接地された導波部20Bの金属壁によって構成されている。
【0069】
複数の内側導体215の各々の端部は、ねじ28によって円筒部材24の上端に接続されている。ねじ28は、外側円筒部223から複数の内側導体215のうち対応の内側導体215の端部まで延びて、この対応の内側導体215に螺合されている。ねじ28の頭部は、外側円筒部223に当接している。ねじ28は絶縁体から形成されている。ねじ28は、例えばポリテトラフルオロエチレンから形成されている。円筒部材24と外側円筒部223との間には、複数のスペーサ29が設けられている。複数のスペーサ29の各々は、円筒部材24と外側円筒部223との間で対応のねじ28を囲んでいる。複数のスペーサ29の各々は、絶縁体から形成されている。複数のスペーサ29の各々は、例えばポリテトラフルオロエチレンから形成されている。
【0070】
以下、図3と共に図4を参照する。図4は、一つの例示的実施形態に係る上部電極を示す斜視図である。一実施形態において、上部電極14Bは、第1部分141及び第2部分142を含んでいる。第1部分141は、上部電極14Bの中央部分を構成している。第1部分141は、上壁143及び筒状壁144を含んでいる。上壁143は、略円盤形状を有している。上壁143は、略水平に延在している。筒状壁144は、略円筒形状を有している。筒状壁144は、上壁143の周縁部から下方に延在している。なお、筒状壁144の厚み(径方向における厚み)は、上壁143の厚み及び第2部分142の厚みよりも小さい。
【0071】
第2部分142は、略環状且つ板状をなしている。第2部分142は、筒状壁144の下端から径方向に延在している。第2部分142の周縁部は、上部電極14Bの周縁部である。上部電極14Bの下面は、当該下面と誘電体板18との間、且つ、上部電極14Bの周縁部の内側に間隙145Bを画成している。
【0072】
上部電極14Bには、複数の第1のスリット147及び複数の第2のスリット148が形成されている。複数の第1のスリット147及び複数の第2のスリット148は、上部電極14Bを貫通している。複数の第1のスリット147の各々は、筒状壁144から上部電極14Bの周縁まで、径方向に沿って延びている。複数の第1のスリット147は、例えば、周方向において360°/Mの角度間隔で配列されている。なお、「M」は、複数の第1のスリット147の個数である。
【0073】
複数の第2のスリット148の各々は、筒状壁144と上部電極14Bの周縁との間の位置から上部電極14Bの周縁まで、径方向に沿って延びている。複数の第2のスリット148は、周方向において、複数の第1のスリット147と交互に配列されている。
【0074】
上述の空間225Bには、配管40が接続されている。配管40には、ガス供給部42が接続されている。配管40は、導波部20Bの導波路を通って空間225Bに延びている。上述したように導波部20Bが提供する全ての導波路は、接地された導体によって構成されている。したがって、配管40内でガスが励起されることが抑制される。
【0075】
空間225Bは、間隙145Bに、複数の第1のスリット147及び複数の第2のスリット148を介して接続されている。ガス供給部42からのガスは、配管40を介して空間225Bに供給される。空間225Bに供給されたガスは、複数の第1のスリット147及び複数の第2のスリット148を介して、間隙145Bに供給される。間隙145Bに供給されたガスは、誘電体板18の複数のガス吐出孔18hを介して、空間SPに吐出される。
【0076】
プラズマ処理装置1Bでは、高周波電源30から導波部20Bの導波路を介して導入部16に高周波が供給される。導波部20Bの共振器200は、軸線AXが延在する方向に延び、且つ、軸線AXの周りで周方向に延びる導波路201を提供している、この導波路201は、周方向に延在する導入部16に接続されている。高周波は、この導入部16から軸線AXに向けて空間SP内に導入される。共振器200は上述した幅の導波路201を提供しているので、導波路201の長手方向(軸線AXの周方向)に沿った管内波長が無限大となる。その結果、導入部16には周方向に均一な強度及び位相の電界が印加される。したがって、導入部16からは、周方向において均一なパワーで高周波が空間SP内に導入される。高周波が空間SPに導入されると、ガスが空間SP内で励起されて、当該ガスからプラズマが生成される。したがって、プラズマは、空間SP内で周方向において均一な密度分布で生成される。ステージ12上の基板Wは、プラズマからの化学種によって処理される。
【0077】
上述した間隙145Bは、第1部分141によって画成されている部分空間と第2部分142によって画成されている部分空間を含む。第1部分141によって画成されている部分空間の鉛直方向における長さは、第2部分142によって画成されている部分空間の鉛直方向における長さよりも大きい。したがって、高周波によって形成される電界の強度の径方向における不均一性が低減される。
【0078】
一実施形態において、空洞226Bが導波部20Bの中央部222内に形成されている。空洞226Bの中には、アクチュエータ46が収容されている。アクチュエータ46からは、駆動軸47が、中央部222を貫いて軸線AXに沿って下方に延びている。駆動軸47と中央部222との間には、Oリングといった封止部材48が設けられている。駆動軸47は、上部電極14Bの第1部分141の上壁143に接続されている。アクチュエータ46は、上壁143を上下に移動させる動力を発生する。アクチュエータ46によって、上壁143が上方に移動されると、間隙145Bの鉛直方向における長さは、軸線AXからの距離の長さに応じて増加する。即ち、アクチュエータ46によって上壁143の鉛直方向における位置を調整することにより、鉛直方向における間隙145Bの長さが、軸線AXからの距離に応じて調整される。したがって、高周波によって形成される電界の強度が、軸線AXからの径方向の距離に応じて調整される。故に、軸線AXに対して径方向におけるプラズマの密度の分布が調整され得る。例えば、高周波によって形成される電界の強度の径方向における不均一性が解消されて、径方向におけるプラズマの密度の分布の不均一性が低減され得る。
【0079】
上述したように、上部電極14Bの筒状壁144の厚みは、薄くなっている。したがって、上部電極14Bは、撓み易くなっている。さらに、上部電極14Bには、上述した複数の第1のスリット147及び複数の第2のスリット148が形成されている。したがって、上部電極14Bは、更に撓み易くなっている。
【0080】
以下、図5を参照して、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置1Cについて説明する。図5は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。以下、プラズマ処理装置1Bの構成と異なるプラズマ処理装置1Cの構成について説明する。
【0081】
プラズマ処理装置1Cは、誘電体板18Bに代えて、誘電体板18Cを備えている。誘電体板18Cは、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、又は窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム等を含む誘電体から形成されている。誘電体板18Cの表面のうち少なくとも下面には、耐腐食性を有する膜が形成されていてもよい。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム膜、酸化フッ化イットリウム膜、フッ化イットリウム膜、又は酸化イットリウム、フッ化イットリウム等を含むセラミック膜であり得る。から形成されている。誘電体板18Cには、誘電体板18Bと同様に、複数のガス吐出孔18hが形成されている。即ち、一実施形態において、誘電体板18Cは、ガスを吐出するように構成されたシャワープレートであってもよい。誘電体板18Cは、略円盤形状を有する。
【0082】
プラズマ処理装置1Cにおいても、バッフル部材13の上側で延在する処理容器10の内壁面の面積は、空間SP側の誘電体板18Cの表面積に略等しい。即ち、空間SPを画成する面のうちグランド電位に設定された面(グランド面)の面積は、空間SPを画成する面のうち誘電体板18Cによって提供される面の面積と略同一である。
【0083】
プラズマ処理装置1Cでは、導入部16は、誘電体板18Cとは別体である。プラズマ処理装置1Cにおいて、導入部16は、リング状の部材である。導入部16は、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムといった誘電体から形成されている。
【0084】
プラズマ処理装置1Cは、導波部20Bに代えて、導波部20Cを備えている。導波部20Cは、主部22C及び円筒部材24を有する。主部22Cは、アルミニウム又はアルミニウム合金といった導体から形成されている。主部22Cは、上壁部221C、中央部222C、外側円筒部223C、及び内側円筒部224Cを含んでいる。
【0085】
上壁部221Cは、略環形状を有しており、板状をなしている。上壁部221Cの中心軸線は、軸線AXに略一致している。外側円筒部223C及び内側円筒部224Cは、略円筒形状を有している。外側円筒部223C及び内側円筒部224Cの各々の中心軸線は、軸線AXに略一致している。内側円筒部224Cは、外側円筒部223Cに対して径方向内側に設けられている。内側円筒部224Cは、上壁部221Cの内縁から下方に延びている。外側円筒部223Cは、上壁部221Cの外縁から下方に延びている。円筒部材24は、外側円筒部223Cと内側円筒部224Cとの間で延在している。円筒部材24の上端は、上壁部221Cから離間している。
【0086】
導波部20Cは、共振器200を構成している。共振器200の内側導波路204は、内側円筒部224Cと円筒部材24との間で延在している。共振器200の外側導波路205は、外側円筒部223Cと円筒部材24との間で延在している。外側導波路205と内側導波路204は、円筒部材24の上端と上壁部221Cとの間の間隙を介して接続されている。内側導波路204は、導入部16に接続されている。導入部16は、中央部222Cの周縁部と処理容器10の上端との間で、封止部材25及び封止部材26を介して挟持されている。中央部222Cは、略円盤形状を有している。中央部222Cは、内側円筒部224Cの下端から径方向内側に延在している。中央部222Cと上部電極14Bは、それらの間に空間225Bを提供している。中央部222Cは、一実施形態の蓋部を構成している。
【0087】
プラズマ処理装置1Cでは、高周波電源30は、円筒部材24に電気的に接続されている。一実施形態では、高周波電源30は、同軸ケーブル31を介して円筒部材24の上部に電気的に接続されている。円筒部材24と主部22Cとの間には、可変コンデンサ56が接続されている。可変コンデンサ56の静電容量は、共振器200内で高周波の共振を生じさせるように、調整される。プラズマ処理装置1Cでは、かかる可変コンデンサ56が用いられるので、高周波電源30は、整合器を介することなく、円筒部材24に電気的に接続されてもよい。
【0088】
プラズマ処理装置1Cは、誘電体部材49を更に備えていてもよい。誘電体部材49は、上部電極14Bの第1部分141の上壁143及び筒状壁144によって囲まれた空間を埋めるように当該空間内に設けられている。誘電体部材49は、当該空間において放電が生じることを抑制する。
【0089】
プラズマ処理装置1Cでは、駆動軸47は、フランジ47fを有している。フランジ47fは、駆動軸47の上端と下端との間に設けられている。フランジ47fと中央部222Cの間には、ベローズ481が設けられている。ベローズ481は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼から形成され得る。ベローズ481と中央部222Cとの間には、Oリングといった封止部材482が設けられている。
【0090】
プラズマ処理装置1Cでは、ステージ12の導電層122は、高周波電極である。導電層122には、高周波電源52が整合器54を介して電気的に接続されている。整合器54は、高周波電源52の負荷のインピーダンスを高周波電源52の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を含んでいる。
【0091】
以下、図6及び図7を参照して、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置1Dについて説明する。図6は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図7は、図6に示す例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の一部を拡大して示す図である。以下、プラズマ処理装置1の構成とは異なるプラズマ処理装置1Dの構成について、説明する。
【0092】
プラズマ処理装置1Dでは、処理容器10の側壁は、突起部10pを有する。突起部10pは、処理容器10の側壁の上端を構成している。突起部10pは、軸線AXに向けて軸線AXに交差する方向に延びている。
【0093】
突起部10pは、導電性弾性部材63を介して壁部62に接続されている。壁部62は、導電性を有している。壁部62は、アルミニウム又はアルミニウム合金といった金属から形成され得る。導電性弾性部材63は、弾性体である。導電性弾性部材63の材料は、例えばステンレス鋼、インコネル、ニッケル、タングステン、タンタル、銅合金、又はモリブデン等の金属である。導電性弾性部材63は、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、又は金等の保護膜により被覆されていてもよい。導電性弾性部材63は、例えばスパイラルリングである。壁部62は、排気室61を画成している。
【0094】
突起部10p上には、導入部16が設けられている。導入部16は、上述したように、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムといった誘電体から形成されている。導入部16は、リング状をなしている。導入部16は、空間SPの横方向端部に設けられている。導入部16は、処理容器10の上端(即ち、突起部10p)と内側部材22iとの間で、封止部材25及び封止部材26を介して保持されている。
【0095】
プラズマ処理装置1Dは、ステージ12に代えてステージ12Dを備えている。ステージ12Dは、処理容器10内に設けられている。ステージ12Dは、その上面の上に載置された基板Wを略水平に支持するように構成されている。ステージ12Dは、略円盤形状を有している。ステージ12Dの中心軸線は、軸線AXに略一致している。プラズマ処理装置1Dでは、誘電体板18の下面とステージ12Dの上面との間の鉛直方向における距離(鉛直方向における空間SPの長さ)は、例えば5mm以上、15mm以下であり得る。
【0096】
プラズマ処理装置1Dは、サポートリング64を更に備えている。サポートリング64は、誘電体板18の周縁部を上部電極14に密着させる部材である。サポートリング64は、酸化アルミニウム等の絶縁性の材料から形成されている。サポートリング64は、内側部材22iと導入部16との間で保持されている。サポートリング64と導入部16との間には弾性部材65が介在している。したがって、誘電体板18は、上部電極14と導入部16との間で弾性的に保持される。弾性部材65は、例えばOリングである。
【0097】
プラズマ処理装置1Dは、カバーリング66を更に備えている。カバーリング66は、ステージ12Dの位置を保持する部材である。カバーリング66は、酸化アルミニウム等の絶縁性の材料から形成されている。カバーリング66は、ステージ12Dの側面付近にプラズマが発生することを防止する。
【0098】
図6及び図7に示す例では、ステージ12Dは、アルミニウム又はアルミニウム合金等の導電性の材料から形成され得る。
【0099】
プラズマ処理装置1Dは、導電部70を更に備えている。導電部70は、ステージ12Dの周縁部12cと処理容器10の側壁との間で延在している。導電部70は、ステージ12Dの周縁部12cと処理容器10の側壁とに電気的に接続されている。
【0100】
導電部70は、導入部16から放射される高周波が空間SPに導入されるように周縁部12cから処理容器10の側壁に向けて延びている。導電部70は、導電板72を含む。導電部70は、排気室61を画成する壁部62の一部を含む。
【0101】
導電板72は、ステージ12Dの周縁部12cにおいて裏面12bに電気的に接触している。導電板72は、可撓性の薄板である。導電板72の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、インコネル、ニッケル、タングステン、タンタル、銅合金又はモリブデン等の導電性の材料である。導電板72は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化フッ化イットリウム、フッ化イットリウム、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、又は金等の保護膜により被覆されていてもよい。導電板72は、ねじによって周縁部12cの裏面(裏面12b)及び壁部62の上面に固定される。
【0102】
上述したように、壁部62は、排気室61を画成している。排気室61は、周縁部12cの周囲から処理容器10の側壁に向けて延びている。排気室61は、空間SPに連通している。排気室61は、排気管67に連通している。
【0103】
排気管67は、排気装置に接続されている。排気装置は、処理容器10の外部に設けられている。排気装置は、圧力制御弁並びにターボ分子ポンプ及び/又はドライポンプ等の真空ポンプを含み得る。
【0104】
壁部62には、複数の通気孔62hが形成されている。空間SPは、複数の通気孔62hを介して、排気室61に連通している。空間SP内のガスは、通気孔62hを介して排気室61に移動し、排気管67を介して処理容器10の外部に排出され得る。
【0105】
処理容器10の側壁には、開口10hが形成されている。基板Wは、開口10hを介して、処理容器10の内部と外部との間で搬送される。処理容器10の内部の空間10sは、開口10hを介して処理容器10の外部に連通しており、ガス供給器68にも連通している。ガス供給器68は、空間10s内に、Arガス等のパージガスを供給し得る。
【0106】
プラズマ処理装置1Dは、支持部81を更に備えている。支持部81は、ステージ12Dに接続されている。ステージ12Dは、支持部81上に設けられている。支持部81は、処理容器10の底部を貫通して、処理容器10の下方まで延在している。支持部81を上下に移動させると、ステージ12Dは、上下に移動する。
【0107】
支持部81の下方には、水冷プレート83が配置されている。支持部81は、水冷プレート83に接している。水冷プレート83は、底板84上に搭載されている。底板84は、略円盤形状を有する。ステージ12Dの熱は、支持部81及び水冷プレート83を介して、外部に排出され得る。水冷プレート83と処理容器10の底部との間には、ベローズ82が設けられている。ベローズ82は、支持部81を囲むように延在している。ベローズ82は、その中を支持部81が通る処理容器10の底部の孔を封止している。
【0108】
排気管67は、壁部62に接続されており、排気室61に連通している。壁部62は、排気管67上に設けられている。排気室61内のガスは、排気管67を介して外部に排出され得る。排気管67は、処理容器10の底部及び底板84を貫通して、処理容器10の下方まで延在している。排気管67を上下に移動させると、排気室61及び壁部62が上下に移動する。
【0109】
排気管67は、その上端と下端との間にフランジ67fを有する。フランジ67fと処理容器10の底部との間には、ベローズ85が設けられている。ベローズ85は、排気管67を囲むように延在している。ベローズ85は、その中を排気管67が通る処理容器10の底部の孔を封止している。ベローズ85の材料は、ステンレス鋼等の導電性の材料であり得る。フランジ67fと底板84の間には、バネ86が設けられている。バネ86の材料は、ステンレス鋼等の導電性の材料であり得る。
【0110】
壁部62は、バネ86によって上方に付勢されている。即ち、壁部62は、バネ86の弾性によって、上部電極14の側(上方)に安定的に配置され得る。したがって、壁部62の周縁部は、突起部10pの裏面に密着する。さらに、導電性弾性部材63の弾性によって、壁部62の周縁部と突起部10pとが安定的に電気的に接触され得る。
【0111】
プラズマ処理装置1Dを用いたプラズマ処理の実行時には、ステージ12Dの周縁部12cと処理容器10の側壁とが導電部70を介して電気的に接続されている状態において、導入部16から空間SPに高周波が導入される。このように導入された高周波に基づく電界によって生成されたプラズマにより、プラズマ処理が行われる。
【0112】
プラズマ処理装置1Dにおいて、導電部70は、処理容器10の側壁に接続されているので、接地されている。したがって、導電部70は、電気的な遮蔽機能を有し得る。この導電部70は、ステージ12Dの周縁部12cと処理容器10の側壁との間で延在している。故に、導入部16から空間SPに向けて放射された高周波は、ステージ12Dの下側に広がる領域等に拡散されずに空間SPに効率的に導入され得る。その結果、空間SPには、十分な強度の高周波が供給され得る。
【0113】
一実施形態においては、導電部70は、可撓性の導電板72を介してステージ12Dの周縁部12cに電気的に接触している。したがって、導電部70の位置が変化しても、導電部70とステージ12Dの周縁部12cとの電気的な接触が確実に維持され得る。
【0114】
以下、図8を参照して、別の例示的実施形態に係るステージ12Eについて説明する。図8は、別の例示的実施形態に係るステージを示す破断斜視図である。図8に示すステージ12Eは、プラズマ処理装置1、プラズマ処理装置1B、及びプラズマ処理装置1Cのステージとして利用され得る。
【0115】
ステージ12Eは、本体121Eを有する。本体121Eは、アルミニウム又はアルミニウム合金といった金属から形成されている。本体121Eは、略円盤形状を有する。本体121Eの中心軸線は、軸線AXに略一致している。
【0116】
本体121Eの上面12tは、基板載置領域12w及びフォーカスリング搭載領域12fを含んでいる。基板載置領域12wは、略円形の領域である。基板Wは、基板載置領域12w上に載置される。基板載置領域12wの直径は、基板Wの直径よりも小さい。フォーカスリング搭載領域12fは、基板載置領域12wの外側で径方向及び周方向に延在している。フォーカスリング搭載領域12fの鉛直方向の位置は、基板載置領域12wの鉛直方向の位置のよりも低い。
【0117】
フォーカスリング搭載領域12f上には、フォーカスリングFRが搭載される。フォーカスリングFRは、略環形状を有しており、板状をなしている。フォーカスリングFRは、酸化アルミニウム又は石英から形成されている。フォーカスリングFRは、その内縁の上面が基板Wのエッジの下面に面するように、フォーカスリング搭載領域12f上に搭載される。
【0118】
このステージ12Eによれば、ステージ12Eの中央部と外周部との間での高周波電界の発生がフォーカスリングFRによって抑制される。
【0119】
以下、図9を参照して、別の例示的実施形態に係る上部電極14Fについて説明する。図9は、別の例示的実施形態に係る上部電極の一部拡大断面図である。図9に示す上部電極14Fは、プラズマ処理装置1及びプラズマ処理装置1Dの各々の上部電極14として用いられ得る。
【0120】
図9に示すように、鉛直方向における間隙145の長さは、軸線AXに対して径方向の位置に応じて変動していてもよい。この実施形態によれば、この実施形態によれば、プラズマシースの非線形な電流電圧特性により生じる高調波による影響が低減され得る。一実施形態においては、図9に示すように、上部電極14Fの下面は、軸線AXを含む任意の断面において、波状をなしていてもよい。なお、プラズマ処理装置1B及びプラズマ処理装置1Cの各々においても、鉛直方向における間隙145Bの長さは、軸線AXに対して径方向の位置に応じて変動していてもよい。また、上部電極14Bの下面は、軸線AXを含む任意の断面において、波状をなしていてもよい。
【0121】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0122】
別の例示的実施形態では、軸線AX上での鉛直方向における間隙145(又は間隙145B)の長さは、軸線AXから離れた位置での鉛直方向における間隙145(又は間隙145B)の長さよりも小さくてもよい。例えば、鉛直方向における間隙145(又は間隙145B)の長さは、軸線AXからの距離の関数で表され、軸線AXからの距離の増加につれて増加してもよい。この実施形態によれば、導入部16から軸線AXに向けた伝搬に伴う高周波の減衰が抑制され得る。
【0123】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0124】
10…処理容器、12…ステージ、14…上部電極、16…導入部、18…誘電体板、46…アクチュエータ、47…駆動軸、145…間隙。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9