(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】フォトニック集積回路をテストするための装置、装置を含む検査システム、及びフォトニック集積回路をテストするための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20220914BHJP
G02B 6/124 20060101ALI20220914BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G02B6/124
G01M11/00 T
(21)【出願番号】P 2019560486
(86)(22)【出願日】2018-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2018051939
(87)【国際公開番号】W WO2018138249
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2019-07-24
(31)【優先権主張番号】102017101626.0
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ヒューブナー フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】リヒター シュテファン
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-185526(JP,A)
【文献】特開2011-145628(JP,A)
【文献】特表2012-515350(JP,A)
【文献】特開2012-108372(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102010029612(DE,A1)
【文献】米国特許第09453723(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/958
G01M 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路(12;29)をテストするための装置であって、
照明光ビーム(212)を生成するための光源(10;20)と、
前記照明光ビームをフォトニック集積回路(12;29)上に導くための照明経路であって、照明場所(14)を選択するための走査デバイス(11;25)を含む照明経路と、
前記フォトニック集積回路(12;29)から来る光(63)を照明光ビーム(212)に対する反応として検出するための検出経路を有する検出デバイス(13)と
を含み、
前記走査デバイス(11;25)は、前記光源(10;20)から前記フォトニック集積回路(12;29)までの前記照明経路内に与えられ、
前記装置は、前記照明経路の瞳平面(211)における前記照明光ビーム(212)の位置を定めるための瞳選択デバイス(22,31)を更に含み、前記瞳平面(211)における前記照明光ビーム(212)の位置を定めることにより、前記フォトニック集積回路(12;29)を照明するための照明角度が調整される、
装置。
【請求項2】
前記瞳選択デバイス(22
,31)が第1の調整可能ミラーデバイス(23)と第2の調整可能ミラーデバイス(24)とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記瞳選択デバイス(22,31)が空間光モジュレータ(31)を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記空間光モジュレータ(31)は少なくとも2つの照明光ビーム(212A,212B)を生成するようにセットアップされる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記検出デバイスが2D検出器(62)を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記2D検出器(62)はイメージセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記検出デバイス(13)はポイント検出器(73)を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記検出デバイス(13)は時間ドメインで動作する光学反射率計及び/又は分光計(80)を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記検出経路は前記走査デバイスを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記検出経路は更なる走査デバイス(93)を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
サンプルホルダ(111)であって、前記フォトニック集積回路(12;29)のためのレセプタクルと、該レセプタクルのまわりに配置された、前記装置へ、又は該装置から光ビームをディフレクトするためのビームディフレクションデバイスとを含む、サンプルホルダ(111)を更に備えた、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ビームディフレクションデバイスはプリズム又はミラーを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置と、
フォトニック集積回路(12;29)であって、少なくとも1つの導波路平面と、該導波路平面に関して平行な該フォトニック集積回路(12;29)の表面に配置される少なくとも1つのカップリング格子(100,101)とを含む、フォトニック集積回路(12;29)と
を含む、検査システム。
【請求項14】
フォトニック集積回路(12;29)をテストするための方法であって、
光源(10;20)から前記フォトニック集積回路(12;29)までの照明経路内に与えられる走査デバイスを用いて、前記フォトニック集積回路(12;29)を照明するための、該光源(10;20)によって生成される照明光ビーム(212)の照明場所を選択することと、
前記フォトニック集積回路(12;29)から来る検出光
(63)を検出することと
を含み、
前記方法は、瞳選択デバイス(22,31)を用いて、前記照明経路の瞳平面(211)における前記照明光ビーム(212)の位置を定めることを更に含み、前記瞳平面(211)における前記照明光ビーム(212)の位置を定めることにより、前記フォトニック集積回路(12;29)を照明するための照明角度が調整される、
方法。
【請求項15】
前記照明光ビーム(212)に対する前記照明経路の前記瞳平面(211)内で前記照明光ビーム(212)の位置をセットすることにより前記
照明光ビーム
(212)の入力カップリング角度を選択することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記検出光(63)に対する検出場所を選択することを更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、フォトニック集積回路(PIC:photonic integrated circuits)をテスト(試験、検査)するための装置、方法、及びサンプルホルダ(sample holders)に関し、及び、そのようなテストのためのフォトニック集積回路セットアップに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック集積回路において、電子集積回路(electronic integrated circuits)の場合におけるやり方に類似するやり方において、多数のパッシブ(passive)及び/又はアクティブ(active)な光学及び光電子工学構成部分(コンポーネント)が、複雑な光回路を形成するために例えば半導体ウェーハのような共通の基板上で集められる。この場合において、例えばフィルタやカプラ(couplers)のような伝統的な光学構成部分を、よりコンパクトな統合された光学構成部分によって置換することができる。フォトニック集積回路のさまざまな構成部分が、フォトニック集積回路の表面近くの導波路(waveguides)を経て互いに接続される。そのようなフォトニック集積回路は、例えば近年、インターネット上のデータトラフィックにおける大きな発展とともに、より面白くなった。これは、十分な帯域幅(bandwidth)を有し、効率よく動作する信号処理回路がここにおいて要求されるからである。遠距離通信(telecommunications)とデータ送信用途は別として、フォトニック集積回路は、センサテクノロジーのような他の用途のためにも、そしてライフサイエンスにおける用途のために興味深い。
【0003】
そのようなフォトニック集積回路の製造プロセスは、従来の電子集積回路又は微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical systems)の製造プロセスに似ている。しかしながら、これら従来のテクノロジーとは対照的に、フォトニック集積回路のために、製造プロセスの間に、又はその後に、そのような回路を効率よくチェックするために使用することができる少数のみのテスト方法が存在する。
【0004】
フォトニック集積回路をテストするために、特にそこに設置される導波路構造をテストするために、フォトニック集積回路の導波路構造内に光をカップリングする(couple)こと、そしてフォトニック集積回路からの、特に導波路構造からの光を検出することが必要である。
【0005】
それは、整列される、そしてテストされるべきフォトニック集積回路に関してそのように配置される、例えばグラスファイバ(glass fibers)のような光ガイドファイバ(light-guiding fibers)に対するこの目的のための従来の実施である。これは、1μm未満の範囲における高精度を必要とするので、比較的長時間がこのために要求され、それはテストをすることを非常に時間を費やすものとする。したがって、そのようなテストをすることは、高い数について制限された程度までにのみ適当であるか、または、そのような数に対して時間及びコストがかかる(time- and cost-intensive)。これは、各テストの前に、そして各回路のために別個に位置決め(positioning)を実行しなければならないからである。
【0006】
これらの理由から、フォトニック集積回路の現代のテストは、主には仕上げられた(finished)構成部分の機能的なチェック及びトポロジカル(topological)な分析に制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、そのようなフォトニック集積回路をテストするための改善された可能性を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当初請求項1において請求されるようなフォトニック集積回路をテストするための装置、当初請求項12において請求されるようなサンプルホルダ、当初請求項14において請求されるようなフォトニック集積回路、そして当初請求項15において請求されるような方法が与えられる。引用形式の当初請求項は、さらなる実施形態を定める。
[当初請求項1]
フォトニック集積回路(12)をテストするための装置であって、
照明光ビーム(212)を生成するための光源(10;20)と、
前記照明光ビームをフォトニック集積回路(29)上に導くための照明経路であって、照明場所(14)を選択するための走査デバイス(11;25)を含む照明経路と、
前記フォトニック集積回路(12)から来る光(63)を照明光ビーム(212)に対する反応として検出するための検出経路を有する検出デバイス(13)と
を含む、装置。
[当初請求項2]
前記照明経路の瞳平面(211)における前記照明光ビーム(212)の位置を定めるための瞳選択デバイス(22,31)を更に含む、当初請求項1に記載の装置。
[当初請求項3]
前記瞳選択デバイス(22)が第1の調整可能ミラーデバイス(23)と第2の調整可能ミラーデバイス(24)とを含む、当初請求項2に記載の装置。
[当初請求項4]
前記瞳選択デバイス(22,31)が空間光モジュレータ(31)を含む、当初請求項2又は3に記載の装置。
[当初請求項5]
前記空間光モジュレータ(31)は少なくとも2つの照明光ビーム(212A,212B)を生成するようにセットアップされる、当初請求項4に記載の装置。
[当初請求項6]
前記検出デバイスが2D検出器(62)を含む、当初請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
[当初請求項7]
前記2D検出器(62)はイメージセンサを含む、当初請求項6に記載の装置。
[当初請求項8]
前記検出デバイス(13)はポイント検出器(73)を含む、当初請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
[当初請求項9]
前記検出デバイス(13)は時間ドメインで動作する光学反射率計及び/又は分光計(80)を含む、当初請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
[当初請求項10]
前記検出経路は前記走査デバイスを含む、当初請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
[当初請求項11]
前記検出経路は更なる走査デバイス(93)を含む、当初請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
[当初請求項12]
当初請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置のためのサンプルホルダ(111)であって、前記フォトニック集積回路(29)のためのレセプタクルと、該レセプタクルのまわりに配置された、該装置へ、又は該装置から光ビームをディフレクトするためのビームディフレクションデバイスとを含む、サンプルホルダ(111)。
[当初請求項13]
前記ビームディフレクションデバイスはプリズム又はミラーを含む、当初請求項12に記載のサンプルホルダ(111)。
[当初請求項14]
当初請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置とともに用いるためのフォトニック集積回路(29)であって、少なくとも1つの導波路平面と、該導波路平面に関して平行な該フォトニック集積回路(29)の表面に配置される少なくとも1つのカップリング格子(100,101)とを含む、フォトニック集積回路(29)。
[当初請求項15]
フォトニック集積回路をテストするための方法であって、
走査デバイスを用いて前記フォトニック集積回路(29)を照明するための照明光ビーム(212)の照明場所を選択することと、
前記フォトニック集積回路から来る検出光を検出することと
を含む方法。
[当初請求項16]
前記照明光ビーム(212)に対する照明経路の瞳平面(211)内で前記照明光ビーム(212)の位置をセットすることにより前記光ビームの入力カップリング角度を選択することを更に含む、当初請求項15に記載の方法。
[当初請求項17]
前記検出光(63)に対する検出場所を選択することを更に含む、当初請求項15又は16に記載の方法。
【0009】
第1の側面によれば、フォトニック集積回路のテストをするための装置が与えられ、それは、
照明光ビームを生成するための光源と、
照明光ビームをフォトニック集積回路上に導く(steer)ための照明経路(illumination path)であって、照明場所を選択するための走査デバイス(scanning device)を含む照明経路と、
フォトニック集積回路から来る検出光(特に、カップルアウトされる(coupled out)、反射される、及び/又は散乱される)を照明光ビームに対する反応(すなわち、フォトニック集積回路から来る検出光)として検出するための検出経路を有する検出デバイスと
を含む。
【0010】
ここにおける単語「光」は、可視範囲内の光と、例えば赤外光のような、その外側の光との両方を含む。「検出光」は、照明に対する反応としてフォトニック集積回路から来る、検出されるべき光に言及する。
【0011】
ここにおいて一般的に走査デバイスは、これを用いて、表面、この場合においてはフォトニック集積回路又はそのまわりのエリアが光ビームを用いて走査可能であるか、又は、目標とされる(targeted)正確性を有してフォトニック集積回路の導波路の入力カップリング構造(input coupling structure)上で光ビームが位置決め可能であるようなデバイスである。そのような走査デバイスを与えることにより、グラスファイバの機械的な整列(alignment)は不要であり、そして、走査デバイスを用いて目標とされる正確性を有して入力カップリング(input coupling)をもたらすことができる。
【0012】
装置は、更に、このやり方で照明角度をセットするために照明経路の瞳平面(pupil plane)において照明光ビームの位置を定めるための瞳選択デバイスを含むことができる。
【0013】
この場合において瞳選択デバイスは、光ビームをフォトニック集積回路を照明するために用いられる光学ユニットの瞳の部分に制限する。これによって、照明の場所だけではなく、フォトニック集積回路上への入射角(入射角度)もセットすることが可能である。
【0014】
瞳選択デバイスは、例えば第1の二軸調整可能(biaxially adjustable)ミラーと第2の二軸調整可能ミラー、単軸のミラーの2ペア、例えば検流計のドライブ(galvanometric drive)を有するミラー(galvo mirrorとしても言及される)、音響光学モジュレータ(acousto-optic modulators)及び/又は音響光学ディフレクタ(acousto-optic deflectors)等の、第1の調整可能ミラーデバイスと第2の調整可能ミラーデバイスを含むことができる。ここにおいて一般的に、調整可能ミラーデバイスは、例えば光のディフレクションの角度が調整可能であるような光のディフレクションにより光をそらす(deflect:ディフレクトする)デバイスである。
【0015】
追加的に又は代替的に、瞳選択デバイスは空間光モジュレータ(spatial light modulator)を含むことができる。
【0016】
空間光モジュレータは少なくとも2つの照明光ビームを生成するようにセットアップされることができる。したがって、フォトニック集積回路の異なるサイト(site)における同時の入力カップリングが可能である。
【0017】
検出デバイスは、2D検出器、すなわち、それを用いてフォトニック集積回路によりエリア的に(areally)、そして特に空間分解的な様式(spatially resolved fashion)で光が検出されることができる検出器を含むことができる。
【0018】
2D検出器は、例えばCCDセンサ又はCMOSセンサのようなイメージセンサを含むことができる。
【0019】
追加的に又は代替的に、検出デバイスはポイント検出器(point detector)を含むことができる。
【0020】
検出デバイスはまた、時間ドメイン(time domain)において動作する光学反射率計及び/又は分光計を含むことができる。
【0021】
検出光に対する検出経路(detection path)は走査デバイスを含むことができる。この場合、検出光は照明場所において検出されることができる。
【0022】
検出光に対する検出経路は、しかしながら、また更なる走査デバイスを含む。この場合、検出光は、照明場所から独立にセットすることが可能な場所において検出されることができる。
【0023】
第2の側面に従って、上述のとおりの装置のためのサンプルホルダが与えられ、ここにおいてサンプルホルダは、フォトニック集積回路のためのレセプタクル(receptacle)と、レセプタクルのまわりに配置されて、光ビームを装置へと又は装置からディフレクトするためのビームディフレクションデバイス(beam deflection device)を含む。そのようなサンプルホルダは、特に横に(laterally)、フォトニック集積回路内へと、またはそれから外へと、光をカップリングするために用いられることができる。この文脈における「まわりに」は、ビームディフレクションデバイスが、フォトニック集積回路がレセプタクル内に配置されるときに、ビームディフレクションデバイスが集積回路の横に(laterally)配置されて後者を完全に又は部分的に囲むよう、レセプタクルの側面に(at sides)配置されることを意味する。
【0024】
ビームディフレクションデバイスは、プリズム及び/又はミラーを含むことができる。
【0025】
さらなる側面に従って、上述のとおりの装置とともに用いるためのフォトニック集積回路が与えられ、ここにおいてフォトニック集積回路は、少なくとも1つの導波路平面(waveguide plane)と、導波路平面に関して平行なフォトニック集積回路の表面に配置される少なくとも1つのカップリング格子(coupling grating)とを含む。カップリング格子は、装置からの照明光ビームを導波路平面内へとカップリングするために、そして検出光をカップルアウトする(couple out)ために用いられることができる。
【0026】
さらなる側面に従って、フォトニック集積回路をテストするための方法が与えられ、その方法は、
走査デバイスを用いてフォトニック集積回路を照明するための照明光ビームの照明場所を選択することと、
フォトニック集積回路から来る検出光を検出することと
を含む。
【0027】
そのような方法は、早急に、そして費用効率的にフォトニック集積回路を検査するために用いられることができる。
【0028】
その方法はさらに、照明光ビームに対する照明経路の瞳平面内で照明光ビームの位置をセットすることにより光ビームの照明角度を選択することを含むことができる
【0029】
その方法はさらに、検出光に対する検出場所を選択することを含むことができる。
【0030】
発明は、例として役立つ実施形態に基づき、以下において、より詳細に説明される。図面において:
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は例として役立つ一実施形態に従う装置のブロック線図を示す。
【
図2】
図2-
図5は、さまざまな例として役立つ実施形態に従う装置に対する照明経路を示す。
【
図3】
図2-
図5は、さまざまな例として役立つ実施形態に従う装置に対する照明経路を示す。
【
図4】
図2-
図5は、さまざまな例として役立つ実施形態に従う装置に対する照明経路を示す。
【
図5】
図2-
図5は、さまざまな例として役立つ実施形態に従う装置に対する照明経路を示す。
【
図6】
図6-
図9は、異なる検出経路を有するさまざまな例として役立つ実施形態に従う装置を示す。
【
図7】
図6-
図9は、異なる検出経路を有するさまざまな例として役立つ実施形態に従う装置を示す。
【
図8】
図6-
図9は、異なる検出経路を有するさまざまな例として役立つ実施形態に従う装置を示す。
【
図9A】
図6-
図9は、異なる検出経路を有するさまざまな例として役立つ実施形態に従う装置を示す。
【
図9B】
図6-
図9は、異なる検出経路を有するさまざまな例として役立つ実施形態に従う装置を示す。
【
図10A】
図10と
図11は、さまざまな例として役立つ実施形態に従うサンプルとサンプルホルダを示す。
【
図10B】
図10と
図11は、さまざまな例として役立つ実施形態に従うサンプルとサンプルホルダを示す。
【
図11A】
図10と
図11は、さまざまな例として役立つ実施形態に従うサンプルとサンプルホルダを示す。
【
図11B】
図10と
図11は、さまざまな例として役立つ実施形態に従うサンプルとサンプルホルダを示す。
【
図12】
図12は例として役立つ一実施形態に従う方法を明らかにするためのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明は、さまざまな例として役立つ実施形態に基づき以下において詳細に説明されるであろう。これら例として役立つ実施形態は、説明的な目的に役立つのみであり、限定として解釈されるべきではないことに注意すべきである。また、光をフォトニック集積回路内にカップリングするための経路(照明経路)と、フォトニック集積回路から来る光を検出するための経路(検出経路)は、以下で説明される装置の異なる変形(variants)を参照して切り離して議論されるであろうことに注意すべきである。これらエキサイテーション(excitation)及び検出経路は、実質的に希望どおりに組み合わせられることができる。
【0033】
加えて、説明される光学構成部分に加えて他の光学構成部分が与えられることができる。例えば、光経路(照明又は検出経路)は、例えば、よりコンパクトな可能な構造を作るべく、1又は2以上のミラーによって実現される1又は2以上の角度を提示することができる。説明されるレンズは単に例として役立つに過ぎず、各々の光学要素の本質的な機能が維持される限り、レンズのグループ及び/又は、例えば回折性の要素のような他のビーム形成要素(beam-shaping elements)として実現されることもできる。
【0034】
図1は、例として役立つ一実施形態に従う装置のブロック線図を示す。
図1の装置は光ビーム15(より簡単な呼称のために、光ビームの呼称がここにおいて用いられ、複数の部分的光ビーム及び/又はビーム束の可能性を含む。)を生成するための光源10を含む。例として役立つ好ましい一実施形態において、光源10はレーザ光源である。いくらかの例として役立つ実施形態において、光源10は、偏光光(polarized light)でフォトニック集積回路12を照明するために、例えば偏光子(polarizer)を用いて偏光光を生成することができる。
【0035】
図1の装置はさらに、それによってフォトニック集積回路12上の光ビームの位置14が変更されることができる走査デバイス11を含む。この目的のために、走査デバイス11は特に、1又は2以上の可動走査ミラー(movable scanning mirrors)及び/又は空間光モジュレータを有することができる。ここにおいて、先行技術において必須であるようなグラスファイバ又は他の光ガイドファイバ(light-guiding fibers)の位置決めをすることなく位置14を正確にセットすることは、可能な走査デバイス11の使用である。
【0036】
好ましくは、走査デバイス11は、また、光ビーム15がフォトニック集積回路12上に入射する角度の可能なセッティングをなし、その結果、例えばフォトニック集積回路12の導波路構造に対する適切な入力カップリング角度を選択することができる。以下においてより詳細に説明されるであろうとおり、これは特に、それを用いて光ビーム15が走査デバイス11の光学ユニットの瞳平面内で動かされるような瞳選択デバイスを用いて行うことができる。言い換えれば、例えば用いられる対物系(objective)全体の瞳が利用されるわけではなく、その結果として、光ビーム15の(すなわち、その部分的光ビームの)角度スペクトルと入射角が特定の制限内でセット可能である。このことは、後により詳しく説明されるであろう。
【0037】
図1の装置はさらに、それを用いて、フォトニック集積回路12から来る光、特に、フォトニック集積回路12の導波路構造からの光を検出することができる検出デバイス13を含む。この検出は、例えばカメラ又は別の2Dセンサを用いて、又は空間分解的な様式で、例えばさらなる走査デバイスを用いて、全体のフォトニック集積回路12に対して同時にもたらすことができる。
【0038】
光ビーム15によってフォトニック集積回路12を照明するために役立つ走査デバイス11と光源10とを有する光経路は、また、以下において照明経路として言及され、検出デバイス13による検出のための光経路は、検出経路として言及されるであろう。照明経路と検出経路の実施のためのさまざまな例として役立つ実施形態が、
図2-9を参照して説明されるであろう。ここにおいて照明経路に対する可能な実施は
図2-5を参照して説明され、検出経路に対する可能な実施は
図6-9を参照して説明されるであろう。反復を避けるために、
図2-9において互いに対応する要素は同じ参照符号を持ち、1回を超えては説明されないであろう。一部分、記載される照明及び検出経路は、レーザ走査型顕微鏡検査(LSM:laser scanning microscopy)から知られる原理を用い、それらを、フォトニック集積回路のテストへと移す。その理由から、図面において示されないが、レーザ走査型顕微鏡において伝統的に用いられる他の要素を、本発明の例として役立つ実施形態において用いることもできる。
【0039】
図2は、例として役立つ実施形態に従うフォトニック集積回路29をテストするための装置の照明経路を示す。
図2における装置は、フォトニック集積回路29を照明するのに役立ち、特にフォトニック集積回路29の導波路内にカップリングされる照明光ビーム212を生成するためのレーザ24を含む。レーザ20はここにおいて、望まれる偏光を有する光を生成することができ、その端に対して、偏光子(図示されていない)又は偏光回転要素(polarization-rotating elements)を与えることもできる。
【0040】
レーザ20から発する光ビームは、開口絞り21によってその開口(aperture)に関してセットされ(delimited:限界を定められ)、そして、ミラー23,24を有するビームウォークデバイス(beamwalk device)22へと進み、その機能はより詳しく以下で説明されるであろう。照明ビーム212はビームウォークデバイス22から可動、特に傾斜可能である走査ミラー25へと進み、その結果として、フォトニック集積回路29上の、又はフォトニック集積回路29における光ビーム212の位置をセットすることが可能である。開口21の代わりに、例えば望遠鏡設備(telescope arrangement)と類似のビーム拡大/ビーム制限設備(beam expansion/beam restriction arrangement)を与えることも可能である。走査ミラー25を、例えばガルバニックミラー(galvanic mirror)、1又は2以上のマイクロメカニカル(微小機械的)ミラー又は空間光モジュレータとして、異なる方法で実現することができる。一般に、可能な光ビーム212の制御可能なディフレクションをもたらすいかなる要素も、走査ミラー25として用いることができる。
【0041】
照明光ビーム212は走査ミラー25から走査レンズ26、チューブレンズ(tube lens)27、及び対物レンズ28を経てフォトニック集積回路29上に結像され(imaged)、ここにおいて
図2の例として役立つ実施形態におけるフォトニック集積回路29はレンズ26,27及び28によって形成される光学配列の焦点に配置される。この光学配列は単にレンズ配列の例であるとして理解されるべきであり、他のレンズ配列、例えばレーザ走査型顕微鏡において伝統的に用いられる他のレンズ配列を用いることができる。参照符号210は対物レンズ28の「周辺光線(marginal rays)」を示す。
【0042】
既に説明したとおり、走査ミラー25経由で、照明光ビーム212の位置をフォトニック集積回路29上にセットすることが可能である。今、説明されるであろうとおり、フォトニック集積回路29上の光ビーム212の入射の角度を、ビームウォークデバイス22経由でセットすることが追加的に可能である、
【0043】
開口絞り21経由での開口の制限のため、光ビーム212は瞳平面211の一部のみを満たし、ここにおいて走査ミラー25は瞳平面内に配置される。ここでレンズ26,27は、対物レンズ28の瞳平面を走査ミラー25の場所へと、いわば「再配置(relocate)」するために役立つ。ビームウォークデバイス22は、ミラー23と24とを含み、ここにおいて、
図2の例として役立つ実施形態において、ミラー23と24とは、二軸傾斜可能(biaxially tiltable)である。ミラー23,24の他の移動オプション又は傾斜オプションが、同様に実現可能である。ミラー23及び/又は24を動かすことにより、瞳平面211内で光ビーム212を移動させることができる。これは、フォトニック集積回路29上の光ビーム212の入射角度を変更する。それゆえに、このやり方で、また、瞳平面の一部のみを利用することにより光ビーム12のフォトニック集積回路上の入射角度を変えることが可能である。ここにおいて開口絞り21は調節可能なものであってよい。このようにして、光ビーム212がフォトニック集積回路29上に入射する角度範囲又は「角度スペクトル(angular spectrum)」を選択することが可能である。
【0044】
走査ミラー25を動かすことにより、ここにおいて特に光ビーム212にとって、フォトニック集積回路29の入力カップリング場所、例えば入力カップリング格子に向けられることが可能である。
【0045】
図3は、開口絞り21とビームウォークデバイス22を与えることに対する代案を示す。これら要素の代わりに、
図3における例として役立つ実施形態において、空間光モジュレータ31と共にミラー30が与えられる。空間光モジュレータ(SLM)31は、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD: digital micromirror device)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid-crystal display)、又はLCoS(liquid crystal on silicon)の形をとることができる。空間光モジュレータ31を、光ビーム212としてレーザ20によって出される光ビームの一部を選択するために用いることができ、その結果、再び、瞳211の選択可能な部分のみが用いられ、照明角度がセット可能である。
【0046】
いくらかの空間光モジュレータ、例えばLCD及びLCoSモジュレータは、追加的に、光ビームの位相をセットすることを可能とし、その結果としてビーム形成(beam-shaping)における大きな自由、例えば多重ビーム配置(multiple beam arrangements)又はベッセルビーム(Bessel beams)を可能とし、それらはフォトニック集積回路のいくらかの試験及びテストにとって有益である。
【0047】
図3の例として役立つ実施形態の変形が
図4に描かれている。
図4において、レンズ40,41は空間光モジュレータ31と走査ミラー25との間に配置されており、当該レンズ40,41は追加的なビーム形成を可能としている。後者は、照明経路内に配置することができる追加的な光学要素の例を構成する。
【0048】
図5は、いくつかのポイントにおいてフォトニック集積回路29を照明するための
図3の例として役立つ実施形態の可能な使用を示す。ここにおいて、空間光モジュレータ31は瞳211の異なるサイト(sites)における2つの照明光ビーム212A,212Bを生成するために用いられ、それは結果として2つの異なる場所におけるフォトニック集積回路の照明という結果をもたらす。このようにして、光を平行に(in parallel)フォトニック集積回路29内へと複数の場所においてカップリングすることができ、追加的なテストオプションが与えられる。2つの別個の照明光ビームの数は例にすぎず、空間光モジュレータ31を経由して2つを超えるビームを生成できることに注意すべきである。
【0049】
次に、
図6-9(9A及び9B)を参照して、発する検出光の照明に対する反応としてのフォトニック集積回路29からの検出のためのさまざまなオプションが説明されるであろう。
図2の照明経路は
図6-9において照明経路の例として用いられる。しかしながら、他の例として役立つ実施形態において、
図3-5の例として役立つ実施形態の1つの照明経路を用いることが同様に可能である。一般に、検出経路は照明経路のように角度と、ことによると偏光に関してそのような厳しいカップリング要求を満たすことを要求されない。
【0050】
図6の例として役立つ実施形態において、2D検出器62、すなわちイメージセンサ、例えばCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサのような表面検出器(surface detector)が、広視野(large field of view; large FOV)内における検出を実行するために用いられる。この目的のために、
図6の例として役立つ実施形態において、照明経路からのフォトニック集積回路29から来る検出光63をカップリングするビームスプリッタ60が与えられる。検出光63は、そして、カメラレンズ61経由で(それは今度は、例としてのみ役立ち、いくつかの構成部分から作られるカメラ対物系(camera objective)であってもよい)表面検出器62上へと結像される。検出器62はここにおいて、フォトニック集積回路29又はその一部の表面を観測するために、レンズ28と61により形成される対物系の像平面内に配置される。ビームスプリッタ61のサイズは、とりわけ、ここにおいて視野を決定する。表面検出器を用い、広視野を有するそのような検出は、特に、フォトニック集積回路上の異なる位置に置かれるフォトニック集積回路の試験される導波路の異なる出力カップリングポートが同時に観測されるときに、特に、それらが、照明光ビーム212がカップルイン(coupled in)される入力ポートから距離をおいて配置されている時に有益である。
図6における検出は、用いられる波長に対して適切な表面検出器62が与えられることをあらかじめ仮定することに注意すべきであり、それはいくらかの赤外線波長に対しては困難であるとわかることがある。
図6の装置を用いたテスト測定は、特に品質測定(quality measurements)に対して、例えばフォトニック集積回路29における光学信号経路が正しく動作するかをチェックするために適切である。
【0051】
さらなる可能性は、「デスキャンされた(descanned)」検出として知られるものであり、それにおいては、光がフォトニック集積回路29から走査デバイスへと進む。検出は、それから、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)、光電子増倍管のようなポイント検出器(point detector)、又は、時間ドメインにおいて動作する光学反射率計又は分光計のような別の測定システム経由で実行される。2つの可能性がここで与えられる。第1のアプローチにおいて、検出光は、照明光ビームがフォトニック集積回路上に入射する位置において検出され、この場合において、1つのみの走査デバイス、例えば走査ミラーが照明経路に対してと検出経路に対してとの両方に用いられる。第2のアプローチにおいて、場所は異なり、そしてそれゆえに、別個の走査デバイスがこの場合において用いられる。第1の場合は、
図7及び8を参照して以下で説明され、一方で第2の場合は、
図9A及び9Bを参照して説明されるであろう。
【0052】
図7の例として役立つ実施形態において、ビームウォークデバイス22と開口絞り21との間に配置されているのがビームスプリッタ70であり、照明経路からのフォトニック集積回路29から来る検出光63をレンズ71に対して結像(image)し、レンズ71は検出光63をピンホール72上へと結像する。光ビームは、それから、ポイント検出器73によって検出される。
【0053】
図8の例として役立つ実施形態において、レンズ81がレンズ71、ピンホール72及び検出器73に取って代わり、そのレンズ81は出力カップリングされた(output coupled)検出光63を測定システム80、例えば上記のように時間ドメインで動作する光学反射率計又は分光計の入り口上に結像する。
【0054】
図7及び8のアプローチは、照明光ビーム212によって照明される入力ポートにおいて、又は照明光ビーム212がそこの中へとカップリングされるような導波路構造内で反射される又は散乱される光を分析することを可能とする。
図7の検出器を用いて実質的に単純な強度検出が可能となる一方、測定システム80のような測定システムは更なる情報、例えば、分光計の場合における光のスペクトル分布、又は、時間ドメインで動作する反射率計を経由して導波路構造内の伝播時間のような時間依存の現象の分析を与えることができる。これにより、導波路(例えばビームスプリッタ、カプラ及び、反射を引き起こす他の要素)の内部構造に関する、そして、フォトニック集積回路内の導波路構造の機能性に関する結果に至ることを可能とすることができる。
【0055】
図9A及び9Bは、フォトニック集積回路29から来る光が、照明光ビーム212が向けられるフォトニック集積回路29上の場所から異なる場所で検出されるような場合のための可能性を示す。これら異なる場所は、特に、
図9A及び9Bにおいて、追加的に図解された、フォトニック集積回路29、対物レンズ28及びそれらの間に位置する光ビームの部分の拡大された描写において明らかである。
【0056】
図9A及び9Bの例として役立つ実施形態において、ビームスプリッタ90は対物レンズ28とチューブレンズ27との間に与えられ、そのビームスプリッタ90は、照明経路から、フォトニック集積回路29から来る光をカップリングする。光ビーム62は更なるチューブレンズ91及び走査レンズ92を経て更なる走査ミラー93又は他の走査デバイスへと誘導され、それ(それら)を経由して、フォトニック集積回路29上の検出場所を変更することができる。走査ミラー93は、例えば走査ミラー25に対して既に説明された異なる可能性に従って設計されることができる。
【0057】
図9Aの例として役立つ実施形態において、光はそれから、更なる走査ミラー93からレンズ71とピンホール72(既に説明された)との組み合わせを経て検出器73(同様に説明される。)へと向けられる。
図9Bの例として役立つ実施形態において、対照的に、
図8の例として役立つ実施形態におけるように、
図8を参照して既に説明されたとおり設計することが可能である測定システム80とレンズ81が与えられる。
図9A及び9Bの装置を用いて、それゆえ、自由に選択可能な入力および出力(走査ミラー29及び更なる走査ミラー93を経て選択可能)を有する、いかなる望まれる導波路経路をもテストすることが可能である。
【0058】
テスト測定を実行するための上述の装置と共に用いることができるフォトニック集積回路のためのサンプルホルダ及びカップリング構造は、
図10及び11を参照して以下に説明されるであろう。
【0059】
図10Aは、対物レンズ28、照明ビーム経路212及び検出ビーム63と共にフォトニック集積回路29の横断的な図を示し、そして
図10Bは、フォトニック集積回路29の平面図を示す。
図10A及び10Bの例におけるフォトニック集積回路29は、フォトニック集積回路のさらなる光学構成部分(図示されない)にカップリングされる導波路構造102を含む。カップリング格子100と出力カップリング格子101は、照明光ビーム212と検出ビーム63とがそれぞれ、導波路構造102内へと、そして導波路構造102から、カップリングされることを可能とするために与えられる。さまざまな入力カップリング格子100と、必要であるならば、またさまざまな出力カップリング格子101が、したがってテスト測定を可能とするために、スキャナデバイス(scanner devices)を与えることのおかげで、上述の装置を用いて正確に「目標とされる(targeted)」ことができる。カップリング格子100,101は、フォトニック集積回路29の表面に対して、ほとんど垂直な導波路102の平面内で(in)及び当該平面から(out of)光をカップリングする。このタイプのカップリング格子は、ウェーハレベルにおいて(ウェーハのダイシング(dicing)の前)及び区分後の両方での異なる構成部分に対してそれらを用いることができるという利点を有する。代わりの選択は、チップ端の近くの斜めの(beveled)導波路からなるエッジカプラ(edge couplers)である。しかしながら、これは、シンギュレーションされた(singulated)チップ(これらチップの外縁(peripheries)(端面(end facets))がアクセス可能な場合)及び既にダイシングされた(diced)ウェーハのために用いることができるのみである。
【0060】
追加的に、チップの端面内へのカップリングはさらに難しい。
図2-9に示されるフォトニック集積回路の方向づけ(orientation)の場合、それらは直接にはアクセス可能ではないからである。いくらかの例として役立つ実施形態において、フォトニック集積回路を「垂直に(perpendicularly)」、すなわち光学構造に面している外縁を有して配置することができ、ここでこの場合において、外縁の1つの側のみが一度にアクセス可能である。好ましい例として役立つ実施形態において、これに対する代わりの選択として、特定のサンプルホルダが与えられ、それは
図11A及び11Bを参照して説明されるであろう。ここで
図11Aは、対物レンズ28、照明ビーム経路212及び検出光63と共にフォトニック集積回路29、そしてサンプルホルダ111の横断的な図を示し、
図11Bは、対応する平面図を示す。
図11の例として役立つ実施形態において、サンプルホルダ111は光を
図2-9のテスト装置から、およそ90°だけディフレクトし、そしてそれを導波路構造110内へとカップリングするミラー又はプリズムのフレームを含む。そのミラーのフレームは、フォトニック集積回路29のためのレセプタクルのまわりに配置されるビームディフレクションデバイスの例である。フォトニック集積回路29は、この目的のために、ダイシング及び、ことによっては端面の磨きの後に、フレーム内に位置付けられ、その結果、光を導波路構造内で、そして導波路構造からカップリングすることができる。
図11Bの平面図において明らかなとおり、上記(すなわちプリズム又はミラー構造における)外縁上における走査デバイスを用いての出力カップリングのための場所113と入力カップリングのための場所112を、導波路構造110内へと光を選択的にカップリングし、既に議論したテストを実行するように、それを選択的に受けるために、それから選択することができる。
【0061】
図12は例として役立つ実施形態に従う方法を説明するためのフローチャートを示す。
図12における方法はステップの連続として描かれているが、これは限定であると解釈されるべきではない。描かれるステップは、部分的に、代わりに、同時に又は異なる連続中において(特にステップ120及び121)起こることができるからである。
図12の方法は
図1-9の装置を参照して以下に説明されるであろうし、そして上記装置経由で実行する、又はそれから独立に用いることができる。装置に対して説明された変形及び変更、そして詳細もまた、
図12の方法に対して、それ相応に適用可能でもある。
【0062】
ステップ120において、フォトニック集積回路上の照明光のためのカップリング場所が、走査デバイス、例えば
図1における走査デバイス11又は
図2-9の走査ミラー25を用いて選択される。追加的に、ステップ121において、例えば、
図2のビームウォークデバイス22又は
図3の空間光モジュレータ31に対して説明されたとおり、照明光ビームに対する瞳を選択することにより入力カップリング角度を選択することがオプションである。
【0063】
方法は、それから、さらに、ステップ122において、フォトニック集積回路からの出される光(検出光)の検出を含み、ここにおいてこれは、
図6-9の装置に対して同様に説明されたとおりエリア的に又は空間分解的な様式で行うことができる。
【0064】
多くの異なる、説明された変形と例として役立つ実施形態を考慮して、それらが例としてのみ役立ち、限定であると解釈されるべきではないことが明らかである。