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特許7141837研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法、研磨方法、および半導体基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法、研磨方法、および半導体基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220915BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20220915BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018055682
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019169589
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000236702
【氏名又は名称】株式会社フジミインコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉▲崎▼ 幸信
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中田 陽平
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-057398(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169808(WO,A1)
【文献】特開2016-025156(JP,A)
【文献】特開2000-144111(JP,A)
【文献】特開2004-051756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、
有機酸固定シリカと、
分散媒と、
前記(b)材料の研磨速度に対する、前記(a)材料の研磨速度の比を向上させる、選択比向上剤と、
酸と、
を含み、
前記選択比向上剤が、側鎖型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルである、研磨用組成物。
【請求項2】
前記選択比向上剤の分子量は、200以上100,000以下である、請求項1に記載の研磨用組成物。
【請求項3】
前記有機酸固定シリカは、スルホン酸固定シリカである、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
【請求項4】
pHが4以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項5】
前記有機酸固定シリカ、前記分散媒、前記選択比向上剤、および前記酸を混合する工程を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨方法。
【請求項7】
前記(b)その他の材料が、酸化ケイ素である、請求項6に記載の研磨方法。
【請求項8】
(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む半導体基板を請求項に記載の研磨方法により研磨する工程を有する、半導体基板の製造方法
【請求項9】
前記(b)その他の材料が、酸化ケイ素である、請求項8に記載の半導体基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法、研磨方法、および半導体基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integration)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(chemical mechanical polishing;CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線(ダマシン配線)形成において頻繁に利用される技術である。
【0003】
当該CMPは、半導体製造における各工程に適用されてきており、その一態様として、たとえばトランジスタ作製におけるゲート形成工程への適用が挙げられる。トランジスタ作製の際には、金属、シリコン、酸化ケイ素、多結晶シリコン(ポリシリコン)、シリコン窒化物(窒化ケイ素)といった材料を研磨することがあり、トランジスタの構造によっては、各材料の研磨速度(研磨レート)を制御することが求められている。
【0004】
研磨速度を制御する技術として、たとえば、特許文献1には、シリカ及びセリアから選ばれる砥粒と、アンモニア、アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれるアルカリと、ポリオキシエチレン変性シリコーンオイル、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)変性シリコーンオイル、エポキシ/ポリエーテル変性シリコーンオイル及びアミノ/ポリエーテル変性シリコーンオイルから選ばれる有機変性シリコーンオイルとを含有する研磨用組成物が開示されている。このような研磨用組成物によれば、ポリシリコン膜に対するシリコン酸化膜の選択的な研磨が行えるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-130988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各材料の研磨速度を制御したいとの要求の中には、窒化ケイ素膜などのケイ素-窒素結合を含む材料を選択的に研磨したいとの要求も存在している。
【0007】
しかしながら、特許文献1には、窒化ケイ素膜などのケイ素-窒素結合を含む材料を選択的に研磨する技術についての開示はなく、また、窒化ケイ素膜などのケイ素-窒素結合を含む材料の研磨速度の高選択性を発揮することはできなかった。
【0008】
よって、本発明は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む、研磨対象物を研磨するにあたり、前記(b)材料の研磨速度に対する、前記(a)材料の研磨速度の比を向上させることができる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明者らは鋭意研究を積み重ねた。その結果、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、有機酸固定シリカと、分散媒と、前記(b)材料の研磨速度に対する、前記(a)材料の研磨速度の比を向上させる、選択比向上剤と、酸と、を含み、前記選択比向上剤が、親水性基を有するオルガノポリシロキサンである、研磨用組成物により、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む、研磨対象物を研磨するにあたり、前記(b)材料の研磨速度に対する、前記(a)材料の研磨速度の比を向上させることができる手段が提供されうる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、有機酸固定シリカと、分散媒と、前記(b)材料の研磨速度に対する、前記(a)材料の研磨速度の比を向上させる、選択比向上剤と、酸と、を含み、前記選択比向上剤が、親水性基を有するオルガノポリシロキサンである、研磨用組成物である。かような構成を有する本発明の研磨用組成物は、(b)その他の材料の研磨速度に対する、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料の研磨速度の比を向上させることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
【0013】
本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で行う。
【0014】
[研磨対象物]
本発明に係る研磨対象物は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む。
【0015】
(a)ケイ素-窒素結合を有する材料(以下、単に「(a)材料」とも称する)の例としては、窒化ケイ素膜、SiCN(炭窒化ケイ素)膜等が挙げられる。
【0016】
(b)その他の材料(以下、単に「(b)材料」とも称する)の例としては、ケイ素-窒素結合を有する材料以外であれば特に制限されず、含ケイ素材料(ケイ素-窒素結合を有する材料以外)、各種絶縁材料、各種金属材料等などが挙げられる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、(b)その他の材料が、タングステン、銅、タンタル、チタン、コバルト、ルテニウム、ハフニウム、またはアルミニウムである金属材料;前記金属材料と、窒素、酸素、ケイ素、炭素、またはリンとを複合させてなる合金材料;ケイ素-ケイ素結合を有する材料;低誘電率材料(Low-k材料);および絶縁材料;からなる群から選択される少なくとも1種である。かかる研磨対象物であれば研磨速度の高選択性をより効果的に発揮できる。
【0018】
ここで、ケイ素-ケイ素結合を有する材料としては、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコンなどが挙げられる。
【0019】
低誘電率材料(Low-k材料)は、酸化ケイ素(k=4.0)よりも比誘電率kが低い材料であり、好ましくは比誘電率kが3.0以下の材料であり、具体的には、SiOC、メチル基を含有する酸化ケイ素、ベンゾシクロブテン(BCB)、フッ素化酸化ケイ素(SiOF)、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)、MSQ(メチルシルセスキオキサン)、HMSQ(ハイドライド-メチルシルセスキオキサン)、ポリイミド系ポリマー、アリレンエーテル系ポリマー、シクロブテン系ポリマーおよびパーフロロシクロブテン(PFCB)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0020】
絶縁材料は、1×1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有する材料であって、上記以外の材料を言い、たとえば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、カルド系樹脂、ビニル樹脂、イミド樹脂、ノボラック樹脂、ポリパラキシレン等の有機材料や、酸化ケイ素(たとえば、オルトケイ酸テトラエチルを前駆体として使用して生成されるTEOSタイプ酸化ケイ素面(以下、単に「TEOS」とも称する)、HDP膜、USG膜、PSG膜、BPSG膜、RTO膜等)、Al等の無機材料を挙げることができる。
【0021】
[砥粒:有機酸固定シリカ]
本発明において、研磨用組成物の砥粒として作用する有機酸固定シリカは、シリカに有機酸が固定化されてなるものである(本明細書中、「有機酸固定シリカ」を単に「砥粒」とも称する場合がある)。また、シリカとしては、研磨傷の発生を抑制する観点から、コロイダルシリカを用いることが好ましい。
【0022】
コロイダルシリカは、たとえば、ゾルゲル法によって製造されたものでありうる。ゾルゲル法によって製造されたコロイダルシリカは、半導体中に拡散性のある金属不純物や塩化物イオン等の腐食性イオンの含有量が少ないため好ましい。ゾルゲル法によるコロイダルシリカの製造は、従来公知の手法を用いて行うことができ、具体的には、加水分解可能なケイ素化合物(たとえば、アルコキシシランまたはその誘導体)を原料とし、加水分解・縮合反応を行うことにより、コロイダルシリカを得ることができる。
【0023】
ところで、有機酸の固定化は、シリカと有機酸とを単に共存させただけでは果たされない。有機酸の一種であるスルホン酸をシリカに固定化するのであれば、たとえば、“Sulfonic acid-functionalized silica through of thiol groups”, Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのチオール基を有するシランカップリング剤をシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたシリカを得ることができる。実施例で使用したコロイダルシリカも、このようにしてスルホン酸基が修飾されている。
【0024】
あるいは、有機酸の一種であるカルボン酸をシリカに固定化するのであれば、たとえば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2-Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel”, Chemistry Letters, 3, 228-229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2-ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたシリカを得ることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記有機酸固定シリカが、スルホン酸固定シリカである。かかる実施形態によって、研磨用組成物中での砥粒(スルホン酸固定シリカ)の分散性がより優れるという効果が得られる。
【0026】
本発明の研磨用組成物中、砥粒の平均一次粒子径の下限は、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、本発明の研磨用組成物中、砥粒の平均一次粒子径の上限は、60nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、25nm以下がさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチなどの欠陥が生じるのを抑えることができる。なお、砥粒の平均一次粒子径は、たとえば、BET法で測定される砥粒の比表面積に基づいて算出される。
【0027】
本発明の研磨用組成物中、砥粒の平均二次粒子径の下限は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、15nm以上であることがさらに好ましい。また、砥粒の平均二次粒子径の上限は、250nm以下であることが好ましく、170nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であることが特に好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。なお、ここでいう二次粒子とは、砥粒が研磨用組成物中で会合して形成する粒子をいい、この二次粒子の平均二次粒子径は、たとえばレーザー回折散乱法に代表される動的光散乱法により測定することができる。
【0028】
本発明の研磨用組成物中の砥粒における、レーザー回折散乱法により求められる粒度分布において、微粒子側から積算粒子質量が全粒子質量の90%に達するときの粒子の直径D90と、全粒子質量の10%に達するときの粒子の直径D10との比(本明細書中、単に「D90/D10」とも称する)の下限は、1.3以上であることが好ましく、1.4以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。また、D90/D10の上限は特に制限はないが、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。
【0029】
砥粒の平均会合度は、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。砥粒の平均会合度が小さくなるにつれて、欠陥をより低減することができる。砥粒の平均会合度はまた、1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましい。この平均会合度とは、砥粒の平均二次粒子径の値を平均一次粒子径の値で除することにより得られる。砥粒の平均会合度が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する有利な効果がある。
【0030】
砥粒のアスペクト比の上限は、特に制限されないが、2.0未満であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨対象物表面の欠陥をより低減することができる。なお、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡により砥粒粒子の画像に外接する最小の長方形をとり、その長方形の長辺の長さを同じ長方形の短辺の長さで除することにより得られる値の平均であり、一般的な画像解析ソフトウエアを用いて求めることができる。研磨用組成物中の砥粒のアスペクト比の下限は、特に制限されないが、1.0以上であることが好ましい。
【0031】
砥粒の大きさ(平均一次粒子径、平均二次粒子径、アスペクト比、D90/D10等)は、砥粒の製造方法の選択等により適切に制御することができる。
【0032】
本発明の研磨用組成物中、砥粒の含有量の下限は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。また、本発明の研磨用組成物中、砥粒の含有量の上限は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることがよりさらに好ましく、2質量%以下であることが最も好ましい。含有量の上限がこのようであると、研磨用組成物のコストを抑えることができ、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面に表面欠陥が生じるのをより抑えることができる。
【0033】
[分散媒]
本発明の研磨用組成物は、各成分を分散するための分散媒を含む。分散媒としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類等や、これらの混合物などが例示できる。これらのうち、分散媒としては水が好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、分散媒は水を含む。本発明のより好ましい形態によると、分散媒は実質的に水からなる。なお、上記の「実質的に」とは、本発明の目的効果が達成され得る限りにおいて、水以外の分散媒が含まれ得ることを意図し、より具体的には、好ましくは90質量%以上100質量%以下の水と0質量%以上10質量%以下の水以外の分散媒とからなり、より好ましくは99質量%以上100質量%以下の水と0質量%以上1質量%以下の水以外の分散媒とからなる。最も好ましくは、分散媒は水である。
【0034】
研磨用組成物に含まれる成分の作用を阻害しないようにするという観点から、分散媒としては、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水がより好ましい。
【0035】
[選択比向上剤]
本発明では、研磨用組成物に、選択比向上剤を含有させることによって、(b)材料の研磨速度に対する(a)材料の研磨速度の比(選択比)を向上させることができる。
【0036】
本発明において、当該選択比向上剤は、親水性基を有するオルガノポリシロキサンである。親水性基を有するオルガノポリシロキサンは、(b)材料の表面に吸着しやすいことから(b)材料の研磨速度を抑制する働きを有し、その結果(a)材料の研磨速度の選択比が向上する。該選択比向上剤(親水性基を有するオルガノポリシロキサン)は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
【0037】
親水性基を有するオルガノポリシロキサンとしては、好ましくは、親水性基変性シリコーンオイルである。親水性基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、フェノール基、ポリオキシアルキレン基(たとえばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレンオキシド基など)等が挙げられる。
【0038】
また、親水性基の変性位置によって、両末端型、片末端型、側鎖型、側鎖両末端型に分類できる。
【0039】
本発明の所期の効果をより効率的に得るという観点から、両末端型、片末端型、側鎖型、または側鎖両末端型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルが好ましい。すなわち、上記親水性基は、ポリオキシアルキレン基であることが好ましい。より好ましくは、側鎖型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルである。
【0040】
好ましい実施形態において、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
【0041】
両末端型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの市販品としては、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266(以上、信越化学工業株式会社製);FZ-2203、FZ-2207、FZ-2208、FZ-2154(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)、Silsoft(登録商標)870(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製);等が挙げられる。
【0042】
片末端型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの市販品としては、FZ-2122、FZ-720(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)等が挙げられる。
【0043】
側鎖型のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの市販品としては、DBE-224、DBE-621、DBE-712、DBE-814、DBE-821、DBP-732、DBP-534、YAD-122、YBD-125、YMS-T31(以上、ゲレスト社製);KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6020、X-22-6191、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017、X-22-2516(以上、信越化学工業株式会社製);FZ-2110、FZ-2166、FZ-2164、FZ-2191、FZ-7001、FZ-2120、FZ-2130、FZ-2101、FZ-7002、FZ-2123、FZ-2104、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2161、FZ-2162、SF8428、SH3771、BY16-036、BY16-027(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製);TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4453、TSF4460、SF1188A、Silsoft(登録商標)305、Silsoft(登録商標)430、Silsoft(登録商標)440、Silsoft(登録商標)475、Silsoft(登録商標)805、Silsoft(登録商標)810、Silsoft(登録商標)840、Silsoft(登録商標)875、Silsoft(登録商標)876、Silsoft(登録商標)880、Silsoft(登録商標)895(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製);等が挙げられる。
【0044】
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは、たとえば、特開2002-179797号公報、特開2008-1896号公報、特開2008-1897号公報等に記載の方法、またはこれに準じた方法で、容易に合成することができる。
【0045】
選択比向上剤(親水性基を有するポリオルガノシロキサン)の重量平均分子量の下限は、200以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、600以上であることがさらに好ましい。また、重量平均分子量の上限は、100,000以下であることが好ましく、20,000以下であることがより好ましく、15,000以下であることがさらに好ましい。すなわち、選択比向上剤の重量平均分子量は、200以上100,000以下であることが好ましく、400以上20,000以下であることがより好ましく、600以上15,000以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、分散媒中に溶解しやすく、選択比の向上効果が得られやすくなる。また、研磨用組成物の安定性も向上する。
【0046】
なお、選択比向上剤の重量平均分子量は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができ、具体的には下記の装置および条件によって測定することができる。
【0047】
GPC装置:株式会社島津製作所製
型式:Prominence + ELSD検出器(ELSD-LTII)
カラム:VP-ODS(株式会社島津製作所製)
移動相 A:MeOH
B:酢酸1%水溶液
流量:1mL/分
検出器:ELSD temp.40℃、Gain 8、NGAS 350kPa
オーブン温度:40℃
注入量:40μL。
【0048】
研磨用組成物中の選択比向上剤の含有量の下限は、特に制限されないが、0.0001質量%(0.001g/L)以上であることが好ましく、0.001質量%(0.01g/L)以上であることがより好ましく、0.005質量%(0.05g/L)以上であることがさらに好ましい。含有量の下限がかような範囲であると、研磨速度の選択比向上効果が効率よく得られる。
【0049】
また、研磨用組成物中の選択比向上剤の含有量の上限は、1質量%(10g/L)以下であることが好ましく、0.5質量%(5g/L)以下であることがより好ましく、0.05質量%(0.5g/L)以下であることがさらに好ましく、0.03質量%(0.3g/L)以下であることが特に好ましい。含有量の上限がかような範囲であると、砥粒である有機酸固定シリカの凝集を抑制することができる。
【0050】
よって、選択比向上剤の含有量の範囲は、0.0001質量%(0.001g/L)以上1質量%(10g/L)以下であることが好ましく、0.001質量%(0.01g/L)以上0.5質量%(5g/L)以下であることがより好ましく、0.005質量%(0.05g/L)以上0.05質量%(0.5g/L)以下であることがさらに好ましく、0.005質量%(0.05g/L)以上0.03質量%(0.3g/L)以下であることが特に好ましい。
【0051】
[酸]
本発明の研磨用組成物は、酸を含む。酸を含むことにより、窒化ケイ素等の(a)材料の研磨速度がより向上する効果が得られる。
【0052】
酸の具体例としては、無機化合物および有機化合物のいずれであってもよいが、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸およびリン酸等の無機酸;クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ヒドロキシ酢酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシイソ酪酸、および乳酸などのカルボン酸、ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびイセチオン酸等の有機硫酸等の有機酸等が挙げられる。これら酸は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。pH調整剤として無機酸を使用した場合、硫酸、硝酸、亜リン酸、リン酸等がより好ましい。また、pH調整剤として有機酸を使用した場合、酢酸、乳酸、安息香酸、ヒドロキシ酢酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、ヒドロキシイソ酪酸が好ましく、マレイン酸、クエン酸、酒石酸がより好ましい。
【0053】
研磨用組成物中の酸の含有量は、特に制限されず、研磨用組成物が所望のpHとなるように適宜調整すればよい。
【0054】
[pH調整剤]
本発明の研磨用組成物は、酸性領域、中性領域、塩基性領域のいずれかに調整されうるが、窒化ケイ素等の(a)材料の研磨速度向上の観点から、酸性領域に調整されていることが好ましい。
【0055】
本発明において酸性領域とは、pHが7.0未満を意味し、好ましくはpHが6以下であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3以下である。また、好ましくはpHが1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは2以上である。かかる範囲であれば、研磨速度の高選択性をより効果的に発揮できる。また、中性領域とは、pH7.0を意味する。さらに、塩基性領域とは、pH7.0超を意味し、好ましくはpH8以上13以下である。なお、本発明におけるpHの値は、実施例に記載の方法にて測定した値である。
【0056】
酸性領域に調整するためのpH調整剤の具体例としては、上記した酸が挙げられる。また、上記の酸で2価以上の酸(たとえば、硫酸、炭酸、リン酸、シュウ酸など)の場合、プロトン(H)を1つ以上放出できるものであれば、その塩をpH調整剤として使用してもよい。具体的には、たとえば、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる(カウンター陽イオンの種類は基本的に何でもよいが、弱塩基の陽イオン(アンモニウム、トリエタノールアミンなど)が好ましい)。
【0057】
塩基性の領域に調整するためのpH調整剤の具体例としては、無機化合物および有機化合物のいずれであってもよいが、アルカリ金属の水酸化物またはその塩、第四級アンモニウム、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン等が挙げられる。
【0058】
アルカリ金属の具体例としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。塩の具体例としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0059】
第四級アンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0060】
水酸化第四級アンモニウムまたはその塩としては、具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0061】
pH調整剤の添加量は、特に制限されず、研磨用組成物が所望のpHとなるように適宜調整すればよい。
【0062】
[その他の成分]
本発明の研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、酸化剤、錯化剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含んでもよい。
【0063】
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、たとえば、有機酸固定シリカ、選択比向上剤、酸、および必要に応じて他の添加剤を、分散媒(たとえば、水)中で攪拌混合することにより得ることができる。したがって、本発明は、前記有機酸固定シリカ、前記分散媒、前記選択比向上剤、および前記酸を混合することを含む、本発明の研磨用組成物の製造方法を提供する。各成分の詳細は上述した通りである。
【0064】
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も、均一混合できれば特に制限されない。
【0065】
[研磨方法および半導体基板の製造方法]
上述のように、本発明の研磨用組成物は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物の研磨に好適に用いられる。よって、本発明は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む研磨対象物を、本発明の研磨用組成物で研磨する研磨方法を提供する。また、本発明は、(a)ケイ素-窒素結合を有する材料と、(b)その他の材料と、を含む半導体基板を前記研磨方法で研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法を提供する。
【0066】
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
【0067】
研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
【0068】
研磨条件については、たとえば、研磨定盤の回転速度は、10rpm以上500rpm以下が好ましい。研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.5psi以上10psi以下が好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、たとえば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
【0069】
研磨終了後、基板を流水中で洗浄し、スピンドライヤ等により基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることにより、金属を含む層を有する基板が得られる。
【0070】
本発明の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って、たとえば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
【0071】
(選択比)
本発明によれば、前記(b)材料に対する、前記(a)材料の選択比が、実施例の欄に記載のように、本発明に係る選択比向上剤を含有させない場合と比較して、向上する。
【0072】
本発明の好ましい実施形態において、前記(b)材料が、ケイ素-ケイ素結合を有する場合、好ましい選択比は10以上であり、より好ましくは11以上、さらに好ましくは15以上、特に好ましくは20以上である。
【0073】
ここで、同じ選択比向上剤を使用したとしても、(b)材料の種類に応じて、(a)材料の選択比の数値は変わりうる。そのため、選択比向上剤を含有することによって選択比が向上しているかどうかは、各(b)材料の種類毎に、選択比向上剤を含有させなかったときと比較することによって判断することができる。
【実施例
【0074】
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
【0075】
選択比向上剤の重量平均分子量は、下記の装置および条件によって測定した。
【0076】
GPC装置:株式会社島津製作所製
型式:Prominence + ELSD検出器(ELSD-LTII)
カラム:VP-ODS(株式会社島津製作所製)
移動相 A:MeOH
B:酢酸1%水溶液
流量:1mL/分
検出器:ELSD temp.40℃、Gain 8、NGAS 350kPa
オーブン温度:40℃
注入量:40μL。
【0077】
研磨対象物として、表面に厚さ10000ÅのTEOS膜(二酸化ケイ素膜)または3500ÅのSiN膜(窒化ケイ素膜)を形成したシリコンウェーハ(200mm、ブランケットウェーハ)を使用した。
【0078】
<研磨用組成物の調製>
(実施例1)
砥粒(スルホン酸固定コロイダルシリカ、平均二次粒子径:20nm)と、選択比向上剤としてDBE-712(ゲレスト社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量:70質量%、重量平均分子量:600)と、酸としてマレイン酸とを、砥粒濃度が1.5質量%となるように、また、pHが1.5となるように、分散媒(純水)中で攪拌混合し、研磨用組成物を調製した(混合温度:約25℃、混合時間:約10分)。
【0079】
なお、砥粒の平均二次粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した。また、研磨用組成物(液温:25℃)のpHは、pHメーター(株式会社堀場製作所製、型番:LAQUA)により確認した。
【0080】
(実施例2~11、比較例1~6)
pH、砥粒の種類および含有量、ならびに選択比向上剤の種類および含有量を下記表1のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、研磨用組成物を調製した。
【0081】
用いた選択比向上剤の詳細は、以下の通りである;
・DBE-814:ゲレスト社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量80質量%、重量平均分子量1,000
・DBP-732:ゲレスト社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量40質量%、重量平均分子量20,000
・TSF4440:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量9質量%、重量平均分子量8,000
・Silsoft(登録商標)870:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製、両末端型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量9質量%、重量平均分子量10,000
・Silsoft(登録商標)876:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量12質量%、重量平均分子量10,000
・Silsoft(登録商標)895:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製、側鎖型ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、エチレンオキサイド含有量17質量%、重量平均分子量12,000
・PEG600:関東化学株式会社製、ポリエチレングリコール、重量平均分子量600。
【0082】
なお、比較例4は酸を使用せず、比較例6はpH調整剤として水酸化カリウムを使用した。
【0083】
<評価>
上記で得られた各研磨用組成物を用いて、上記の各研磨対象物を以下の研磨条件で研磨した際の研磨速度を測定した。
【0084】
(研磨装置および研磨条件)
研磨装置:200mm用CMP片面研磨装置 Mirra
研磨パッド:ニッタ・ハース株式会社製 硬質ポリウレタンパッド IC1010
研磨圧力:4.0psi(1psi=6894.76Pa)
研磨定盤回転数:90rpm
ヘッド(キャリア)回転数:100rpm
研磨用組成物の供給:掛け流し
研磨用組成物供給量:100mL/min
研磨時間:60sec。
【0085】
(研磨速度)
研磨速度(研磨レート)は、以下の式により計算した。
【0086】
【数1】
【0087】
膜厚は、光干渉式膜厚測定装置(ケーエルエー・テンコール(KLA-Tencor)株式会社製、型番:ASET-f5x)により求めて、研磨前後の膜厚の差を研磨時間で除することにより評価した。評価結果を下記表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
上記表1から明らかなように、実施例の研磨用組成物は、比較例の研磨用組成物に比べて、(b)材料の研磨速度に対する、(a)材料の研磨速度の比を向上させる効果に優れることが分かった。