(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/24 20060101AFI20220915BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G06F1/24 C
H01L21/82 D
(21)【出願番号】P 2018112766
(22)【出願日】2018-06-13
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】山田 和志
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-179164(JP,A)
【文献】特開平11-312736(JP,A)
【文献】特開2006-073052(JP,A)
【文献】特開2008-010549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/24
H01L21/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビットからなる固定データを用いる半導体装置であって、
前記固定データの前記複数のビットに夫々対応しており、夫々が自身の入力端で受けた1ビットの値をタイミング信号に応じて取り込んで保持しつつ出力する複数の記憶素子と、
固定データ設定信号を受けた場合に初期化信号を前記複数の記憶素子に供給する初期化制御部と、を含み、
前記複数の記憶素子の各々は、前記初期化信号に応じて、自身に対応している前記固定データのビットで表される値を保持する状態に初期化されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数の記憶素子からなる記憶素子群中には、前記初期化信号を受けるリセット端子付きの前記記憶素子と、前記初期化信号を受けるセット端子付きの前記記憶素子と、が混在することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の記憶素子の各々は、フリップフロップ又はラッチであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の記憶素子からなる記憶素子群は、前記フリップフロップと前記ラッチとが混在して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の記憶素子の各々は、リセット端子及びセット端子を有し、
前記固定データの前記複数のビットのうちで第1の値を示すビットに対応している前記記憶素子は、前記リセット端子及び前記セット端子のうちの前記リセット端子のみで前記初期化信号を受け、
前記固定データの前記複数のビットのうちで前記第1の値とは異なる第2の値を示すビットに対応している前記記憶素子は、前記リセット端子及び前記セット端子のうちの前記セット端子のみで前記初期化信号を受けることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の記憶素子から出力された前記固定データを半導体チップの外部に出力する出力バッファを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項7】
夫々が複数ビット幅からなる複数の情報データ片を受け、前記複数の情報データ片のうちの1つを選択し、選択した1つの前記情報データ片の複数のビットを、前記複数の前記記憶素子の入力端に夫々供給するセレクタ、を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の前記記憶素子がシフトレジスタを構成しており、
前記シフトレジスタは、前記複数の前記記憶素子に保持されている前記1つの前記情報データ片の前記複数のビットを1ビットずつ順にシフトしつつ出力することを特徴とする請求項
7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記初期化制御部は、前記固定データ設定信号又はパワーオンリセット信号を受けた場合に前記初期化信号を前記複数の記憶素子に供給することを特徴とする請求項1~8のいずれか1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記固定データは、製品種別を特定するための識別子であるデバイスIDであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、特にデータ値が固定の固定データを出力する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体IC(Integrated circuit)チップ等の半導体装置では、情報データとして、例えば識別子(以下、IDとも称する)のようなデータ値が固定となる固定データを格納しておき、様々な目的及びタイミングでそのIDを読み出して利用できるようにしている。
【0003】
このようなIDとして、例えばチップID(ユニークID)、デバイスID(プロダクトID)、デバイスアドレスコード(スレーブアドレス)等が知られている。
【0004】
チップIDとは、大量生産される半導体ICチップの各々を区別するための個別のIDであり、例えば、製造されたロットの番号、チップが切り出されたウェハの番号、対象となるチップのウェハ上での位置(チップ位置)、又は製造年月日等を表す(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
デバイスIDとは、製品の種別毎に割り振られるIDであり、リビジョンアップ(改良)しない限り、同一製品であれば大量生産される全ての半導体ICチップに同じIDが付される(例えば、特許文献2の第14頁の表6参照)。
【0006】
デバイスアドレスコードとは、複数の半導体ICチップをバス(通信路)を介して相互通信するシステムを構築した場合に、各半導体ICチップを識別する為に用いるIDである。ここで、複数の半導体ICチップのうちの少なくとも1つをマスターデバイス、他の半導体ICチップをスレーブデバイスとした場合、デバイスアドレスコードは、マスターデバイスが各スレーブデバイスを識別し、夫々を個別に制御するために用いられる。
【0007】
例えば特許文献2には、マスターデバイスとしてのメモリコントローラがスレーブデバイスとしての複数のフラッシュメモリを個別に制御するようにしたフラッシュメモリ制御インタフェースが提案されている。当該フラッシュメモリ制御インタフェースでは、メモリコントローラが自身で生成したIDを、各フラッシュメモリの予約メモリ部へ書き込むことにより、夫々に固有のデバイスアドレスコードを設定する。
【0008】
また、例えば特許文献1には、上記したような各種IDを半導体ICチップに格納するために、IDを表す複数のビットに夫々対応した状態(切断、非切断)を有する複数のヒューズ素子を含む半導体装置が示されている。当該半導体装置は、自身に格納されているIDをインタフェース部を介して外部に出力する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2008-10549号公報
【文献】特表2010-506284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
また、例えばフラッシュメモリとして、自身のメモリセルアレイ部から読み出された情報データ片をSPI(serial-parallel interface)バスを介して、シリアル信号の形態で外部出力するものが知られている。このようなフラッシュメモリには、メモリセルアレイ部から読み出されたパラレル形態の情報データ片(以下、読出データ片と称する)をシリアル形態に変換するパラレル/シリアル変換回路(以下、PS変換回路と称する)が設けられている。
【0011】
PS変換回路は、縦続に接続されている複数のフリップフロップ(以下、FFと称する)からなるシフトレジスタを含む。更にPS変換回路には、読出データ片の各ビットを、当該シフトレジスタを構成するFFに夫々取り込ませる2入力選択型のいわゆる2to1セレクタが、互いに接続されているFF間に設けられている。2to1セレクタは、読出データ片中の1ビットと、前段のFFから出力された1ビットと、のうちの一方を選択して次段のFFに供給する。
【0012】
かかる構成により、PS変換回路では、2to1セレクタが読出データ片中の1ビットを選択した場合には、当該読出データ片がシフトレジスタに取り込まれる。一方、2to1セレクタが前段のFFから出力された1ビットを選択すると、シフトレジスタに取り込まれた読出データ片が1ビットずつシフトしつつ最終段のFFから順にSPIバスに送出される。
【0013】
ところで、当該フラッシュメモリを含むシステムでは、運用上において当該フラッシュメモリの状態、及び固定データとしてのIDを認識しておく必要が生じる場合がある。そこで、フラッシュメモリとしては、読出データ片のみならず、自身の状態又はID等を表す複数の情報データ片をもSPIバスを介して外部に出力可能な機能を備えていることが望まれる。
【0014】
例えば、固定データとしてのIDについては、これを予めヒューズ素子や不揮発性メモリ等に格納しておき、必要時に、このIDを表す複数ビットを読み出し、パラレル形態でPS変換回路に取り込ませる構成を採用する。この際、PS変換回路の各FF間に設ける2to1セレクタに代えて、自身の状態、及びID等の固定データを含む複数の情報データ片を選択的にシフトレジスタに取り込むN(3以上の整数)入力型のセレクタを採用することが考えられる。
【0015】
しかしながら、このようなセレクタで選択可能な入力数を増やすと、その分だけ当該セレクタでの遅延時間が長くなり、各FFのセットアップ時間を確保するのが困難となる。
【0016】
この際、セットアップ時間不足に伴うFFの誤動作を防止するには、各FFに供給するクロック信号の周波数を低くする等の対策が必要となり、処理速度の低下を招くという問題が生じる。
【0017】
更に、セレクタで選択可能な入力数を増やすほど、当該セレクタ自体の回路規模が大きくなり、それに伴いセレクタの選択制御に費やされる電力消費も増大する。
【0018】
そこで、本発明は、処理速度の低下及び消費電力の増大を招くことなく、固定データを設定することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る半導体装置は、複数のビットからなる固定データを用いる半導体装置であって、前記固定データの前記複数のビットに夫々対応しており、夫々が自身の入力端で受けた1ビットの値をタイミング信号に応じて取り込んで保持しつつ出力する複数の記憶素子と、固定データ設定信号を受けた場合に初期化信号を前記複数の記憶素子に供給する初期化制御部と、を含み、前記複数の記憶素子の各々は、前記初期化信号に応じて、自身に対応している前記固定データのビットで表される値を保持する状態に初期化される。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、固定データの複数のビットに夫々対応しており、夫々が自身の入力端で受けた1ビットの値をタイミング信号に応じて取り込んで保持しつつ出力する複数の記憶素子の各々が固定データの設定信号に応じて、以下のように初期化される。すなわち、複数の記憶素子の各々が、初期化信号に応じて、自身に対応している固定データのビットで表される値を保持する状態に初期化される。
【0021】
これにより、タイミング信号に対するセットアップ時間を考慮することなく、固定データを複数の記憶素子に保持させることができるので、タイミング信号の高周波数化による処理速度の向上を図ることが可能となる。
【0022】
更に、固定データ以外の複数の情報データ片を選択的に複数の記憶素子に取り込ませる場合に設けるセレクタの回路規模、並びに当該セレクタを選択制御する際に費やされる電力消費を抑えることが可能となる。
【0023】
よって、本発明によれば、処理速度の低下及び消費電力の増大を招くことなく、固定データを用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る半導体装置に含まれるメモリ部100の構成を示すブロック図である。
【
図2】デバイスID[0:23]の一例を表すデータフォーマット図である。
【
図3】PS変換回路125の内部構成の一例を表すブロック図である。
【
図4】8入力セレクタSL0~SL7各々の内部構成の例を示すブロック図である。
【
図5】選択信号SEDと動作モードとの対応関係の一例を表す図である。
【
図6】PS変換回路125の内部動作の一例を表すタイムチャートである。
【
図7】PS変換回路125の内部構成の変形例を表すブロック図である。
【
図8】PS変換回路125の内部構成の他の変形例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る半導体装置に含まれるメモリ部100の構成を示すブロック図である。メモリ部100は、例えばNAND型のフラッシュメモリであり、メモリセルアレイ部10、アレイコントローラ11、及びメモリコントローラ12を含む。
【0027】
メモリセルアレイ部10は、夫々が複数のメモリセルを含む、複数のバンクから構成される。
【0028】
アレイコントローラ11は、メモリコントローラ12から供給されたアドレス、読出指令、書込指令又は消去指令に応じて、データ書込用、データ読出用、或いはデータ消去用の各種電圧を生成し、当該アドレスに対応したメモリセル群に供給する。
【0029】
また、アレイコントローラ11は、上記したデータ読出用の各種電圧をメモリセル群に供給した際に、当該メモリセル群から送出された電流を検出し、この検出電流に基づき読出データの値を判定する。そして、アレイコントローラ11は、判定した読出データを例えば8ビットで表す読出データMEM[0:7]として生成し、メモリコントローラ12に供給する。
【0030】
メモリコントローラ12は、
図1に示すように、ステータスレジスタ121、コンフィグレーションレジスタ122、バンクアドレスレジスタ123、及びセクタプロテクションレジスタ124等の各種レジスタ、及びID格納部130を含む。更に、メモリコントローラ12は、PS(パラレル/シリアル)変換回路125及び出力バッファ126を含む。
【0031】
ステータスレジスタ121には、メモリ部100の現在の状態を8ビットで表すステータスデータSR[0:7]が記憶されている。コンフィグレーションレジスタ122には、メモリコントローラ12によるメモリ制御の方法の設定情報を8ビットで表すコンフィグレーションデータCFG[0:7]が記憶されている。バンクアドレスレジスタ123には、メモリセルアレイ部10に含まれるバンク各々の位置を8ビットで表すバンクアドレスBA[0:7]が記憶されている。セクタプロテクションレジスタ124には、メモリセルアレイ部10に含まれる各バンク内においてデータ書込又は消去の対象から除外するセクタを8ビットで表すセクタプロテクションデータSP[0:7]が記憶されている。
【0032】
ID格納部130には、自身の製品種別の特定情報を24ビットで表すデバイスID[0:23]のうちのID[0:15]が格納されている。後述するが、一般的な例と異なり、本発明では、残りのID[16:23]がPS変換回路125の内部に分散して格納されている。
【0033】
図2は、当該デバイスID[0:23]の一例を表すデータフォーマット図である。
【0034】
図1のID格納部130には、
図2に示すデバイスID[0:23]のうちの第0ビット~第7ビットからなるID[0:7]、及び第8ビット~第15ビットからなるID[8:15]が格納されており、当該ID[0:7]、及びID[8:15]を、PS変換回路125に供給する。
【0035】
PS変換回路125は、上記した読出データMEM[0:7]、ステータスデータSR[0:7]、コンフィグレーションデータCFG[0:7]、バンクアドレスBA[0:7]、セクタプロテクションデータSP[0:7]、及びデバイスID[0:15]を受ける。
【0036】
PS変換回路125は、先ず、上記した6系統の情報データ片、つまりMEM[0:7]、SR[0:7]、CFG[0:7]、BA[0:7]、SP[0:7]、ID[0:15]のうちから1系統分のデータ片を、パラレル/シリアル変換の対象として選択する。次に、PS変換回路125は、選択した1系統分のデータ片を1ビット毎のシリアルデータ信号SIOに変換し、これを出力バッファ126に供給する。出力バッファ126は、出力イネーブル信号ENに応じて、当該シリアルデータ信号SIOを出力端子SOを介してシリアルバスSBSに送出する。
【0037】
図3は、PS変換回路125の内部構成の一例を示す回路図である。
【0038】
PS変換回路125は、フリップフロップFF0~FF7を含むシフトレジスタと、8入力セレクタSL0~SL7と、アンドゲートANと、を含む。
【0039】
8入力セレクタSL0~SL7の各々は、8つの入力端(a、b、c、d、e、f、g、h)を有する。8入力セレクタSL0~SL7の各々は、入力端a~入力端hのうちから選択信号SEDによって指定される1つの入力端が受けたデータビットを選択し、これを出力端Yを介して出力する。
【0040】
図4は、8入力セレクタSL0~SL7各々の内部構成の一例を示す回路図である。
図4に示すように、8入力セレクタSL0~SL7の各々は、2入力セレクタ41、4入力セレクタ42及び43を有する。選択信号SEDは、
図4に示すように5ビットの選択ビット(SELA[0]、SELA[1]、SELB[0]、SELB[1]、SELC)からなる。
【0041】
2入力セレクタ41は、2値(論理レベル0又は1)の選択ビットSELCの値に基づき、入力端aが受けたデータビット、及び入力端bが受けたデータビットのうちの一方を選択し、これを選択データビットrとして次段の4入力セレクタ42に供給する。
【0042】
4入力セレクタ42は、夫々が2値の選択ビットSELB[0]及びSELB[1]にて表される値に基づき、選択データビットr、入力端cが受けたデータビット、入力端dが受けたデータビット、及び入力端eが受けたデータビットのうちの1つを選択する。4入力セレクタ42は、選択した1つのデータビットを選択データビットtとして次段の4入力セレクタ43に供給する。
【0043】
4入力セレクタ43は、夫々が2値の選択ビットSELA[0]及びSELA[1]にて表される値に基づき、選択データビットt、入力端fが受けたデータビット、入力端gが受けたデータビット、及び入力端hが受けたデータビットのうちの1つを選択する。4入力セレクタ43は、選択した1つのデータビットを選択データビットとして出力端Yを介して出力する。
【0044】
夫々が
図4に示す構成を有する8入力セレクタSL0~SL7の入力端aは、データビットとして
図3に示すように、デバイスID[8]、ID[9]、ID[10]、ID[11]、ID[12]、ID[13]、ID[14]、ID[15]を夫々受ける。
【0045】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端bは、データビットとして
図3に示すように、デバイスID[0]、ID[1]、ID[2]、ID[3]、ID[4]、ID[5]、ID[6]、ID[7]を夫々受ける。
【0046】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端cは、データビットとして
図3に示すように、バンクアドレスBA[0]、BA[1]、BA[2]、BA[3]、BA[4]、BA[5]、BA[6]、BA[7]を夫々受ける。
【0047】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端dは、データビットとして
図3に示すように、セクタプロテクションデータSP[0]、SP[1]、SP[2]、SP[3]、SP[4]、SP[5]、SP[6]、SP[7]を夫々受ける。
【0048】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端eは、データビットとして
図3に示すように、コンフィグレーションデータCFG[0]、CFG[1]、CFG[2]、CFG[3]、CFG[4]、CFG[5]、CFG[6]、CFG[7]を夫々受ける。
【0049】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端fは、データビットとして
図3に示すように、読出データMEM[0]、MEM[1]、MEM[2]、MEM[3]、MEM[4]、MEM[5]、MEM[6]、MEM[7]を夫々受ける。
【0050】
8入力セレクタSL0~SL7の入力端gは、データビットとして
図3に示すように、ステータスデータSR[0]、SR[1]、SR[2]、SR[3]、SR[4]、SR[5]、SR[6]、SR[7]を夫々受ける。
【0051】
上記した構成により、8入力セレクタSL0は、上記したID[8]、ID[0]、BA[0]、SP[0]、CFG[0]、MEM[0]、及びSR[0]のうちから、選択信号SED(SELA[0]、SELA[1]、SELB[0]、SELB[1]、SELC)に応じた1つを選択する。8入力セレクタSL0は、これらID[8]、ID[0]、BA[0]、SP[0]、CFG[0]、MEM[0]、及びSR[0]のうちから選択した1つを、データビットD0として、フリップフロップFF0の入力端Dに供給する。尚、8入力セレクタSL0の入力端hは未使用なので接地電位が印加されている。
【0052】
フリップフロップFF0は、データビットD0をタイミング信号としてのクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで取り込み、8入力セレクタSL1の入力端hにフリップフロップFF0の出力信号Q[0]を供給する。
【0053】
8入力セレクタSL1は、上記したID[9]、ID[1]、BA[1]、SP[1]、CFG[1]、MEM[1]、SR[1]、及びフリップフロップFF0から供給されたデータビットQ[0]のうちから、選択信号SEDに応じた1つを選択する。8入力セレクタSL1は、これらID[9]、ID[1]、BA[1]、SP[1]、CFG[1]、MEM[1]、SR[1]、及びQ[0]のうちから選択した1つをデータビットD1として、フリップフロップFF1の入力端Dに供給する。
【0054】
フリップフロップFF1は、データビットD1をクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで取り込み、8入力セレクタSL2の入力端hにフリップフロップFF1の出力信号Q[1]を供給する。
【0055】
以下、同様にして、8入力セレクタSLw(wは2~7の整数)は、上記したID[w+8]、ID[w]、BA[w]、SP[w]、CFG[w]、MEM[w]、SR[w]、及びフリップフロップFF[w-1]から供給されたデータビットQ[w-1]のうちから、選択信号SEDに応じた1つを選択する。8入力セレクタSLwは、これらID[w+8]、ID[w]、BA[w]、SP[w]、CFG[w]、MEM[w]、SR[w]、及びフリップフロップFF[w-1]から供給されたデータビットのうちから選択した1つをデータビットDwとして、フリップフロップFFwの入力端Dに供給する。
【0056】
フリップフロップFFw(ただし、FF7を除く)は、データビットDwをクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで取り込んでこれを保持しつつ、8入力セレクタSLw+1の入力端hにフリップフロップFFwの出力信号Q[w]を供給する。
【0057】
シフトレジスタとしての最終段のフリップフロップFF7は、データビットD7をクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで取り込んでこれを保持しつつ、データビットQ[7]として出力する。尚、PS変換回路125は、フリップフロップFF7から出力されたデータビットQ[7]を、シリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0058】
尚、フリップフロップFF0~FF7のうちのFF0、FF2、FF4及びFF6の各々はセット端子S付きであり、FF1、FF3、FF5及びFF7の各々は、リセット端子R付きである。
【0059】
すなわち、フリップフロップFF0、FF2、FF4及びFF6の各々は、自身のセット端子Sに論理レベル0の初期化信号INIが供給された場合にセット状態、つまり論理レベル1のデータビットの保持状態に初期化される。一方、フリップフロップFF1、FF3、FF5及びFF7の各々は、自身のリセット端子Rに論理レベル0の初期化信号INIが供給された場合にリセット状態、つまり論理レベル0のデータビットの保持状態に初期化される。尚、フリップフロップFF0~FF7は、クロック信号CLKに対して非同期で初期化信号INIを受け付け、当該初期化信号INIに応じて、上記したようにセット状態又はリセット状態に初期化される。
【0060】
アンドゲートANは、パワーオンリセット信号POR及びID設定信号IDSを受ける。尚、パワーオンリセット信号PORは、メモリ部100の電源投入に応じて、所定期間の間だけフリップフロップの初期化を促す論理レベル0の状態を維持し、その後、論理レベル1の状態を維持する信号である。一方、ID設定信号IDSは、例えばメモリ部100の外部から供給されたID読出命令信号に対応した、クロック信号CLKに非同期な信号である。ID設定信号IDSは、例えば論理レベル0の状態にある場合に、
図2に示すデバイスID[0:23]のうちのID[16:23]の値(論理レベル0又は1)をフリップフロップFF0~FF7に設定させる信号である。
【0061】
アンドゲートANは、パワーオンリセット信号POR及びID設定信号IDSのうちのいずれか一方が論理レベル0となる場合に、初期化を促す論理レベル0の初期化信号INIを生成する。アンドゲートANは、かかる初期化信号INIを、フリップフロップFF0、FF2、FF4及びFF6各々のセット端子Sと、フリップフロップFF1、FF3、FF5及びFF7各々のリセット端子Rとに供給する。
【0062】
以下に、
図3に示すPS変換回路125の動作について説明する。
【0063】
PS変換回路125は、選択信号SEDによって指定される動作モードで動作する。
【0064】
図5は、選択信号SED(SELA[1]、SELA[0]、SELB[1]、SELB[0]、SELC)と、当該選択信号SEDによって指定される動作モードとの対応関係の一例を表す図である。
【0065】
例えば
図5に示すように、選択信号SEDによってMEM取込モードが指定されると、8入力セレクタSL0~SL7は入力端fで受けた読出データMEM[0:7]をフリップフロップFF0~FF7の入力端Dに供給する。これにより、メモリセルアレイ部10から読み出された読出データMEM[0:7]が、パラレル形態にてシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込まれる。
【0066】
その取込み終了後に、選択信号SEDによって
図5に示すシリアルモードが指定されると、8入力セレクタSL1~SL7は、入力端hで受けた前段のフリップフロップFF0~FF6からのデータビットQ[0:6]を、次段のフリップフロップFF1~FF7の入力端D1~D7に供給する。これにより、シフトレジスタ(FF0~FF7)は、取り込んだ8ビットの読出データMEM[0:7]を、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して1ビットずつ次段のフリップフロップにシフトさせつつ、最終段のフリップフロップFF7からシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0067】
よって、選択信号SEDによってMEM取込モードが指定され、引き続きシリアルモードが指定されると、PS変換回路125は、アレイコントローラ11から出力された読出データMEM[0:7]をシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOとして1ビットずつ順に出力する。
【0068】
尚、同様に、PS変換回路125は、選択信号SEDにてBA取込モード及びシリアルモードが順に指定されると、バンクアドレスレジスタ123に記憶されているバンクアドレスBA[0:7]をシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOとして1ビットずつ順に出力する。
【0069】
また、PS変換回路125は、選択信号SEDにてSP取込モード及びシリアルモードが順に指定されると、セクタプロテクションレジスタ124に記憶されているセクタプロテクションデータSP[0:7]をシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOとして1ビットずつ順に出力する。
【0070】
また、PS変換回路125は、選択信号SEDにてCFG取込モード及びシリアルモードが順に指定されると、コンフィグレーションレジスタ122に記憶されているコンフィグレーションデータCFG[0:7]をシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOとして1ビットずつ順に出力する。
【0071】
また、PS変換回路125は、選択信号SEDにてSR取込モード及びシリアルモードが順に指定されると、ステータスレジスタ121に記憶されているステータスデータSR[0:7]をシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOとして1ビットずつ順に出力する。
【0072】
ただし、PS変換回路125は、固定データとしての24ビットのデバイスID[0:23]に関しては、以下の手順でシリアル形態に変換し、これを出力する。
【0073】
図6は、PS変換回路125がデバイスID[0:23]をシリアル形態に変換し、シリアルデータ信号SIOとして出力する際の内部動作を表すタイムチャートの一例である。
【0074】
図6に示すように、メモリ部100の外部からID読出命令信号IDRDを受けると、このID読出命令信号IDRDに応じて、PS変換回路125には、固定データとしてのデバイスIDを設定させる論理レベル0のID設定信号IDSが入力される。これにより、
図3に示されるフリップフロップFF0、FF2、FF4及びFF6の各々がセット状態、フリップフロップFF1、FF3、FF5及びFF7の各々がリセット状態に初期化される。つまり、かかる初期化により、
図2に示すデバイスIDの第16~第23ビットに対応した8ビットのデバイスID[16:23]が、フリップフロップFF0~FF7に取り込まれる。
【0075】
引き続き、選択信号SEDによってシリアルモードが指定される。これにより、シフトレジスタ(FF0~FF7)は、取り込んだデバイスID[16:23]をクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して、
図6に示すようにID[23]、ID[22]、ID[21]、ID[20]、ID[19]、ID[18]、ID[17]、ID[16]の順に1ビットずつシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0076】
ここで、デバイスID[16]が出力されると、引き続き、
図6に示すように、選択信号SEDによってID[8:15]取込モードが指定される。この際、8入力セレクタSL0~SL7は、入力端aで受けたデバイスID、つまり
図2に示すデバイスIDの第8ビット~第15ビットに対応したデバイスID[8:15]をフリップフロップFF0~FF7の入力端D0~D7に供給する。これにより、ID格納部130に格納されているデバイスID[8:15]が、
図6に示すように、デバイスID[16]出力よりも1つ後のクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングでシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込まれる。
【0077】
その取込み終了後に、
図6に示すように選択信号SEDにてシリアルモードが指定される。この際、8入力セレクタSL1~SL7は、入力端hで受けた前段のフリップフロップFF0~FF6から出力されたデータビットQ[0:6]を、次段のフリップフロップFF1~FF7の入力端D1~D7に供給する。
【0078】
これにより、シフトレジスタは、取り込んだ8ビットのデバイスID[8:15]をクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して、
図6に示すようにID[15]、ID[14]、ID[13]、ID[12]、ID[11]、ID[10]、ID[9]、ID[8]の順に1ビットずつシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0079】
ここで、デバイスID[8]が出力されると、引き続き、
図6に示すように、選択信号SEDによってID[0:7]取込モードが指定される。この際、8入力セレクタSL0~SL7は、入力端bで受けたデバイスID、つまり
図2に示すデバイスIDの第0ビット~第7ビットに対応したデバイスID[0:7]をフリップフロップFF0~FF7の入力端D0~D7に供給する。これにより、ID格納部130に格納されているデバイスID[0:7]が、
図6に示すように、デバイスID[8]出力よりも1つ後のクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングでシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込まれる。
【0080】
その取込み終了後に、
図6に示すように選択信号SEDにてシリアルモードが指定される。この際、8入力セレクタSL1~SL7は、入力端hで受けた前段のフリップフロップFF0~FF6から出力されたデータビットQ[0:6]を、次段のフリップフロップFF1~FF7の入力端D1~D7に供給する。
【0081】
これにより、シフトレジスタは、取り込んだ8ビットのデバイスID[0:7]をクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して、
図6に示すようにID[7]、ID[6]、ID[5]、ID[4]、ID[3]、ID[2]、ID[1]、ID[0]の順に、1ビットずつシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0082】
以上のように、PS変換回路125では、固定データとしてのデバイスID[0:23]をシリアル形態に変換して出力するにあたり、デバイスID[0:7]又はID[8:15]に対しては、先ず、セレクタ(SL0~SL7)を介してフリップフロップFF0~FF7の入力端D0~D7に供給する。これにより、フリップフロップFF0~FF7は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで、8ビットのデバイスID[0:7]又はID[8:15]の各値をパラレル形態で取り込む。そして、これらフリップフロップFF0~FF7からなるシフトレジスタは、取り込んだ8ビットのデバイスID[0:7]又はID[8:15]を、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して1ビットずつ順にシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0083】
一方、デバイスID[16:23]については、セレクタ(SL0~SL7)を介さずに、フリップフロップFF0~FF7各々のリセット端子R又はセット端子Sを利用した初期化により、これらFF0~FF7に取り込んで保持させる。そして、シフトレジスタ(FF0~FF7)は、設定した8ビットのデバイスID[16:23]を、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して1ビットずつ順にシリアルデータ信号SIOとして出力する。
【0084】
このように、PS変換回路125では、24ビットのデバイスID[0:23]のうち、
図6に示したID読出命令信号IDRDを受けた直後に読み出すためにフリップフロップのセットアップ時間に対してマージンが取れない8ビットのデバイスID[16:23]を、クロック信号CLKに依存せずに、非同期の初期化によってシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込むようにしている。よって、デバイスID[16:23]をシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込むにあたり、クロック信号CLKに対するセットアップ時間を考慮する必要が無い。よって、クロック信号CLKの周波数を下げることなく、デバイスID[16:23]をシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込んで保持させ、これをシリアル形態で出力することが可能となる。
【0085】
尚、8入力セレクタSL0~SL7の各々として
図4に示す構成を採用した場合、入力端aに供給されるデバイスID[8:15]は、3段分のセレクタ(41、42、43)を経てフリップフロップFF0~FF7各々の入力端Dに供給されることになる。同様に、入力端bに供給されるデバイスID[0:7]も、3段分のセレクタ(41、42、43)を経てフリップフロップFF0~FF7各々の入力端Dに供給される。
【0086】
よって、デバイスID[8:15]又はID[0:7]をシフトレジスタ(FF0~FF7)に取り込むためには、3段分のセレクタ(41、42、43)の遅延時間を加味して、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに対し、選択信号SEDのセットアップ時間を確保する必要がある。
【0087】
ところで、選択信号SEDによるシリアルモードの指定は、
図5に示すように、選択ビットSELA[0:1]のみに依存しており、選択ビットSELB[0:1]及びSELCは関与していない。
【0088】
そこで、
図6に示すID[8:15]取込モードを実施する場合には、その直前のシリアルモードの実行中に、
図5に示すようにSELB[0:1]及びSELCを全て論理レベル0に設定しておく。また、
図6に示すID[0:7]取込モードを実施する場合には、その直前のシリアルモードの実行中に、
図5に示すようにSELB[0:1]を論理レベル0、SELCを論理レベル1に設定しておく。
【0089】
これにより、デバイスID[0:7]、又はID[8:15]の取込動作時における8入力セレクタSL0~SL7各々での遅延時間は、実質的には
図4に示す4入力セレクタ43の1段分だけとなる。
【0090】
従って、PS変換回路125によれば、固定データ片(ID)を、他の情報データ片(ID、BA、SP、CFG、MEM、SR)の読み出し速度と同等な速度でシリアル形態で出力することが可能となる。
【0091】
また、PS変換回路125では、デバイスID[0:23]のうちのデバイスID[16:23]は、8入力セレクタ(SL0~SL7)を介さずに、シフトシフトレジスタに取り込まれる。
【0092】
よって、デバイスID[0:15]のみならずデバイスID[16:23]をもセレクタでの選択対象とする一般的なPS変換回路の場合に比べてこのセレクタの回路規模を小さくすることができる。更に、デバイスID[16:23]を選択するための選択信号SEDによる制御が不要となる分だけ電力消費量を低減させることができる。
【0093】
従って、PS変換回路125によれば、処理速度の低下、消費電力の増大、及びチップ面積の増加を招くことなく、固定データ片(ID)を含む複数の情報データ片(ID、BA、SP、CFG、MEM、SR)を選択的にシリアル形態に変換して出力することが可能となる。
【0094】
尚、
図3に示す実施例では、
図2に示すように、デバイスID[16:23]にて表される8ビット10101010に対応させて、フリップフロップFF0、FF2、FF4及びFF6をセット端子付きとし、FF1、FF3、FF5及びFF7をリセット端子付きとしている。
【0095】
つまり、各フリップフロップFF0~FF7として、セット端子付きを採用するのか、或いはリセット端子付きを採用するのかは、デバイスID[16:23]における各ビットの値によって決定している。
【0096】
要するに、デバイスID[0:23]の第16~第23ビットが、以下のようにフリップフロップFF0~FF7に対応している。
【0097】
第16ビット:FF0
第17ビット:FF1
第18ビット:FF2
第19ビット:FF3
第20ビット:FF4
第21ビット:FF5
第22ビット:FF6
第23ビット:FF7
ここで、デバイスID[0:23]の第16~第23ビットのうちで論理レベル0(第1の値)を示すビットに対応するフリップフロップをリセット端子付きとし、論理レベル1(第2の値)を示すビットに対応するフリップフロップをセット端子付きとしている。
【0098】
しかしながら、フリップフロップFF0~FF7としては、セット端子及びリセット端子を共に備えたものを採用しても良い。
【0099】
図7は、かかる点に鑑みてなされたPS変換回路125の変形例としてのPS変換回路125Aを示す回路図である。尚、
図7に示す構成において、フリップフロップFF0~FF7を除く他の構成は、
図3に示すものと同一である。
【0100】
図7に示す構成では、フリップフロップFF0~FF7の各々として、セット端子S及びリセット端子R付きのものを採用する。この際、フリップフロップFF0、FF2、FF4及びFF6各々のセット端子S、フリップフロップFF1、FF3、FF5及びFF7各々のリセット端子Rで初期化信号INIを受ける。尚、フリップフロップFF0、FF2、FF4、FF6各々のリセット端子R、及びフリップフロップFF1、FF3、FF5、FF7各々のセット端子Sは使用しないので、夫々のリセット端子R及びセット端子Sに電源電位を印加する。
【0101】
図7に示す構成によれば、デバイスID[16:23]の各ビットの値に基づき、リセット端子R及びセット端子Sのいずれを使用するのかを選択できるので、デバイスIDの変更等に柔軟に対応することが可能となる。
【0102】
また、
図3や
図7に示した実施例では、デバイスID[16:23]をシフトレジスタ(FF0~FF7)に設定する時のみに、
図6に示すようにID設定信号IDSを論理レベル0に切り替えている。しかしながら、PS変換回路125又は125Aの非動作時には、常にID設定信号IDSを論理レベル0に固定していても良い。
【0103】
例えば、メモリセルアレイ部10から読み出された読出データMEM[0:7]や、デバイスID[0:7]等をシリアルモードで転送し終われば、次の読出動作の開始時点まで、ID設定信号IDSを論理レベル0としてフリップフロップFF0~FF7の各出力を、デバイスID[16:23]の各値と同一となるように初期化しても構わない。
【0104】
また、
図3及び
図7に示す例では、PS変換回路125及び125Aは、複数の情報データ片(ID、BA、SP、CFG、MEM、SR)のうちの任意の1つを選択してシリアル形態に変換したシリアルデータ信号SIOを外部出力している。
【0105】
しかしながら、本発明は、SPIやI2C(Inter-Integrated Circuits)等のシリアルインターフェースや、パラレル/シリアル変換器を備えた半導体装置以外にも、パラレルインターフェースを備えた半導体装置にも適用可能である。
【0106】
例えば、
図8に示すPS変換回路125Bのように、フリップフロップFF0~FF7の各出力Q[0:7]に夫々対応した出力バッファPD0~PD7及び8個の出力端子SO[0:7]を設け、当該8個の出力端子SO[0:7]を介して、フリップフロップFF0~FF7に取り込まれた情報データ片をパラレル形態で外部出力できるようにしても良い。尚、出力バッファPD0~PD7の各々は、出力イネーブル信号ENに応じてフリップフロップFF0~FF7の各出力Q[0:7]を出力端子SO[0:7]を介して出力する。
【0107】
また、
図3、
図7及び
図8に示すPS変換回路125、125A及び125Bでは、複数の情報データ片(ID、BA、SP、CFG、MEM、SR)のうちの任意の1つを取り込む記憶素子群として8つのフリップフロップを用いている。しかしながら、フリップフロップに代えてラッチを採用しても良い。この場合、各ラッチは、クロック信号CLKが論理レベル0及び1のうちの一方の状態にある場合にのみ入力されたデータビットを取り込み、当該クロック信号CLKが論理レベル0及び1のうちの他方の状態にある間は、その取り込んだデータビットの値を保持する。尚、このような記憶素子群を、ラッチ及びフリップフロップを混在させて構成しても良い。すなわち、夫々が1ビットの値をクロック信号CLKに応じて取り込んで保持しつつ、これを出力する複数の記憶素子を介して情報データ片を出力する構成であれば良いのである。
【0108】
また、上記実施例では、各フリップフロップ(又はラッチ)を初期化することで設定する情報データ片をデバイスIDとしているが、デバイスID以外のID、或いはその他の情報データ片をフリップフロップ(又はラッチ)の初期化によって設定しても良い。すなわち、各フリップフロップ(又はラッチ)の初期化によって設定する情報データは、半導体装置の動作中にデータ値が変化しない固定データであれば良い。
【0109】
また、上記した実施例では、デバイスIDのビット数を24ビット、当該デバイスID以外の他の情報データ片(BA、SP、CFG、MEM、SR)のビット数を8ビットとしているが、そのビット数は「8」又は「24」に限定されない。尚、固定データとしてのデバイスIDのビット数を、フリップフロップFF0~FF7のビット数と同一の「8」とした場合には、フリップフロップFF0~FF7の初期化動作のみで、当該デバイスIDの取込が完了する。よって、この際、8入力セレクタSL0~SL7の各々として、8入力セレクタに代えて6入力セレクタを採用することが可能となる。また、同様にフリップフロップ(又はラッチ)の個数についても8個に限定されず、2個以上の複数であれば良い。
【0110】
要するに、本発明に係る半導体装置としては、複数のビットからなる固定データ(ID)を出力するにあたり、複数の記憶素子と、初期化制御部と、を含むものを採用すれば良いのである。
【0111】
すなわち、複数の記憶素子(例えばフリップフロップやラッチ)は、固定データ(ID)の複数のビットに夫々対応しており、夫々が自身の入力端で受けた1ビットの値をタイミング信号に応じて取り込んで保持しつつ出力する。初期化制御部(AN)は、固定データ設定信号(IDS)を受けた場合に初期化信号(INI)を複数の記憶素子に供給する。この際、複数の記憶素子の各々は、この初期化信号に応じて、自身に対応している固定データのビットで表される値を保持する状態に初期化される。
【符号の説明】
【0112】
10 メモリセルアレイ部
11 アレイコントローラ
12 メモリコントローラ
121 ステータスレジスタ
122 コンフィグレーションレジスタ
123 バンクアドレスレジスタ
124 セクタプロテクションレジスタ
125、125A、125B PS変換回路
130 ID格納部
FF0~FF7 フリップフロップ
SL0~SL7 8入力セレクタ