(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームシステム及びゲーム実行方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20220920BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220920BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220920BHJP
A63F 13/5258 20140101ALI20220920BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/35
A63F13/58
A63F13/5258
(21)【出願番号】P 2017180446
(22)【出願日】2017-09-20
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】手塚 晃司
(72)【発明者】
【氏名】池田 佑基
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-208220(JP,A)
【文献】特開2013-009770(JP,A)
【文献】特開2008-093309(JP,A)
【文献】特開2000-107450(JP,A)
【文献】[#052 大モグラとの死闘!]スーパーマリオギャラクシー実況プレイ,YouTube[online][video],2015年11月04日,https://www.youtube.com/watch?v=Vfp8QAHfKxA,特に動画時間[00:35]-[:1:40], [04:28]-[04:33]等参照。[検索日 2022年2月8日]
【文献】[SFC]ヨッシーアイランド[ボス総集編],YouTube[online][video],2014年09月09日,https://www.youtube.com/watch?v=bH8HtC_QpjE,特に動画時間[10:02]-[11:20]等参照。[検索日 2022年2月8日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するためのプログラムであって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包す
る三次元オブジェクトとを配置する配置部と、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御部と、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成部としてコンピュータを機能させ、
前記行動制御部は、
前記入力受付部で受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御
し、
前記配置部は、
前記仮想三次元空間に、所定の効果に対応付けられた特殊オブジェクトを配置し、
前記行動制御部は、
前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させ、
前記配置部は、
前記プレーヤキャラクタと前記特殊オブジェクトとの位置関係に基づいて前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となった場合に、前記特殊オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するためのプログラムであって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包す
る三次元オブジェクトとを配置する配置部と、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御部と、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成部としてコンピュータを機能させ、
前記行動制御部は、
前記入力受付部で受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御
し、
前記プレーヤキャラクタは複数であり、
前記行動制御部は、
1の前記プレーヤキャラクタが前記敵キャラクタを攻撃する際に、攻撃時の複数の前記プレーヤキャラクタ間の位置関係に基づいて、攻撃の内容を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1
又は2において、
前記表示部は、タッチパネルであり、
前記入力受付部は、
前記タッチパネルの前記仮想三次元空間が表示されている領域においてタッチ位置を任意の方向にスライドさせる操作を、前記方向を指示する操作入力として受け付けることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1
乃至3のいずれか1項において、
前記行動制御部は、
前記ゲームのステージ毎、前記プレーヤキャラクタ毎又は前記敵キャラクタ毎に、前記三次元オブジェクトの表面における前記プレーヤキャラクタの移動可能範囲を設定することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項において、
前記仮想カメラを、前記プレーヤキャラクタの移動に追従させて前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させる仮想カメラ制御部として更にコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項
1又は請求項1に従属する請求項3乃至5のいずれか1項において、
前記行動制御部は、
前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置と前記敵キャラクタの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項
1又は請求項1に従属する請求項3乃至6のいずれか1項において、
前記行動制御部は、
前記行動時に前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタとの間に前記特殊オブジェクトがある場合に、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか1項において、
前記行動制御部は、
前記プレーヤキャラクタに、移動後の位置からプレーヤによって指定された前記敵キャラクタに向けて攻撃させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項
8において、
前記行動制御部は、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタから攻撃を受ける方向に基づいて、攻撃の効果を異ならせることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するゲームシステムであって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包す
る三次元オブジェクトとを配置する配置部と、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御部と、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成部とを含み、
前記行動制御部は、
前記入力受付部で受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御
し、
前記配置部は、
前記仮想三次元空間に、所定の効果に対応付けられた特殊オブジェクトを配置し、
前記行動制御部は、
前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させ、
前記配置部は、
前記プレーヤキャラクタと前記特殊オブジェクトとの位置関係に基づいて前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となった場合に、前記特殊オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するゲームシステムであって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包す
る三次元オブジェクトとを配置する配置部と、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御部と、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成部とを含み、
前記行動制御部は、
前記入力受付部で受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御
し、
前記プレーヤキャラクタは複数であり、
前記行動制御部は、
1の前記プレーヤキャラクタが前記敵キャラクタを攻撃する際に、攻撃時の複数の前記プレーヤキャラクタ間の位置関係に基づいて、攻撃の内容を決定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するゲーム実行方法であって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包する三次元オブジェクトとを配置する配置ステップと、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御ステップと、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成ステップとを含み、
前記行動制御ステップでは、
前記入力受付ステップで受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御し、
前記配置ステップでは、
前記仮想三次元空間に、所定の効果に対応付けられた特殊オブジェクトを配置し、
前記行動制御ステップでは、
前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させ、
前記配置ステップでは、
前記プレーヤキャラクタと前記特殊オブジェクトとの位置関係に基づいて前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となった場合に、前記特殊オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とするゲーム実行方法。
【請求項13】
プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するゲーム実行方法であって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包する三次元オブジェクトとを配置する配置ステップと、
方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御ステップと、
前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタと前記三次元オブジェクトとを含む画像を生成し表示部に出力する画像生成ステップとを含み、
前記行動制御ステップでは、
前記入力受付ステップで受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御し、
前記プレーヤキャラクタは複数であり、
前記行動制御ステップでは、
1の前記プレーヤキャラクタが前記敵キャラクタを攻撃する際に、攻撃時の複数の前記プレーヤキャラクタ間の位置関係に基づいて、攻撃の内容を決定することを特徴とするゲーム実行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレーヤキャラクタが敵キャラクタと対戦するゲームにおいて、入力されたコマンドに応じてプレーヤキャラクタに攻撃等を行わせるゲームを実行するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコマンド選択式のゲームでは、プレーヤはプレーヤキャラクタの行動の内容を選択するのみであり、興趣性に乏しかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、興趣性の高いゲームを実現することが可能なプログラム及びゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するためのプログラムであって、
仮想三次元空間に、前記プレーヤキャラクタと、前記敵キャラクタと、前記敵キャラクタを内包する三次元オブジェクトとを配置する配置部と、方向を指示する操作入力を受け付ける入力受付部と、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する行動を制御する行動制御部と、前記仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像であって、前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタとを含む画像を生成する画像生成部としてコンピュータを機能させ、前記行動制御部は、前記入力受付部で受け付けた操作入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタを前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、前記プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて、前記行動を制御することを特徴とするプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また本発明は、上記各部を含むゲームシステムに関する。
【0007】
本発明によれば、プレーヤは方向を指示する操作を行うことでプレーヤキャラクタを三次元オブジェクト(敵キャラクタを内包するオブジェクト)の表面に沿った方向に移動させることができ、プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて敵キャラクタに対する行動が制御されるため、プレーヤがプレーヤキャラクタの行動時の位置を考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0008】
(2)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記仮想カメラを、前記プレーヤキャラクタの移動に追従させて前記三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させる仮想カメラ制御部として更にコンピュータを機能させてもよい(仮想カメラ制御部を更に含んでもよい)。
【0009】
本発明によれば、プレーヤキャラクタが三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動した場合に、仮想カメラがプレーヤキャラクタの移動に追従して三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動するため、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとの位置関係を把握し易い画像を生成することができる。
【0010】
(3)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記配置部は、前記仮想三次元空間に、所定の効果に対応付けられた特殊オブジェクトを配置し、前記行動制御部は、前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させてもよい。
【0011】
本発明によれば、行動時のプレーヤキャラクタの位置と特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生するため、プレーヤが行動時のプレーヤキャラクタと特殊オブジェクト間の位置関係を考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0012】
(4)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記行動制御部は、前記行動時の前記プレーヤキャラクタの位置と前記特殊オブジェクトの位置と前記敵キャラクタの位置との関係に基づいて、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させてもよい。
【0013】
本発明によれば、プレーヤが行動時のプレーヤキャラクタと特殊オブジェクトと敵キャラクタ間の位置関係を考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0014】
(5)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記行動制御部は、前記行動時に前記プレーヤキャラクタと前記敵キャラクタとの間に前記特殊オブジェクトがある場合に、前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させてもよい。
【0015】
本発明によれば、プレーヤはプレーヤキャラクタと敵キャラクタとの間に特殊オブジェクトが位置するようにプレーヤキャラクタを移動させることで特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させることができ、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0016】
(6)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記配置部は、前記プレーヤキャラクタと前記特殊オブジェクトとの位置関係に基づいて前記特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となった場合に、前記特殊オブジェクトの表示態様を変化させてもよい。
【0017】
本発明によれば、特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となったことをプレーヤに容易に把握させることができる。
【0018】
(7)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記行動制御部は、前記プレーヤキャラクタに、移動後の位置からプレーヤによって指定された前記敵キャラクタに向けて攻撃させる制御を行ってもよい。
【0019】
本発明によれば、プレーヤがプレーヤキャラクタの攻撃位置を考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0020】
(8)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記行動
制御部は、前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタから攻撃を受ける方向に基づいて、攻撃の効果を異ならせてもよい。
【0021】
本発明によれば、プレーヤがどの方向から敵キャラクタに攻撃を与えるかを考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0022】
(9)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記プレーヤキャラクタは複数であり、前記行動制御部は、1の前記プレーヤキャラクタが前記敵キャラクタを攻撃する際に、攻撃時の複数の前記プレーヤキャラクタ間の位置関係に基づいて、攻撃の内容を決定してもよい。
【0023】
本発明によれば、プレーヤが攻撃時の複数のプレーヤキャラクタ間の位置関係を考慮する余地があり、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態のゲームシステムを示す図である。
【
図2】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図10】仮想三次元空間を上から見た模式図である。
【
図11】仮想三次元空間を上から見た模式図である。
【
図12】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0026】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0027】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0028】
本実施形態では、端末10においてゲームプログラムが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0029】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0030】
図2に、本実施形態のゲーム装置(端末10)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0031】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0032】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部170は、プレーヤが保有する(使用可能な)キャラクタ(プレーヤキャラクタ)に関する情報(種類、各種パラメータ、属性、レベル等)、プレーヤが保有する複数のキャラクタのうちプレーヤによってデッキ(パーティ)を構成するキャラクタとして設定された複数のキャラクタの設定情報、プレーヤが保有するアイテムに関する情報、敵キャラクタに関する情報、ゲームを構成するステージに関する情報等を記憶する。
【0033】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0034】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0035】
通信部196はサーバ20との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0036】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0037】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作入力)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、配置部110、入力受付部112、行動制御部114、仮想カメラ制御部116、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0038】
配置部110は、仮想三次元空間(オブジェクト空間、ゲーム空間)に、プレーヤキャラクタと、敵キャラクタと、敵キャラクタを内包(包含)する三次元オブジェクトとを配置する。三次元オブジェクトの形状は、敵キャラクタを内包可能な形状であればどのような形状でもよく、球体等の閉曲面であってもよいし、開曲面でも多面体であってもよい。
【0039】
入力受付部112は、入力部150からの操作入力(方向を指示する操作入力、プレーヤキャラクタ選択する操作入力、敵キャラクタを指定する操作入力等)を受け付ける。
【0040】
行動制御部114は、プレーヤキャラクタの移動と、プレーヤキャラクタによる敵キャラクタに対する行動(攻撃等)を制御する。行動制御部114は、入力受付部112で受け付けた操作入力(方向を指示する操作入力)に基づいて、プレーヤキャラクタを三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させ、プレーヤキャラクタの移動後の位置に基づいて前記行動を制御する。前記行動を制御するとは、行動の内容(例えば、攻撃の種類)を決定すること、行動による効果を発生させること等をいう。行動が攻撃である場合、行動制御部114は、プレーヤキャラクタに、移動後の位置からプレーヤによって指定された敵キャラクタに向けて攻撃させる制御を行ってもよい。この場合、行動制御部114は、敵キャラクタがプレーヤキャラクタから攻撃を受ける方向に基づいて、攻撃の効果(敵キャラクタのヒットポイントの減少量)を異ならせてもよい。また、プレーヤキャラクタが複数である場合には、行動制御部114は、1のプレーヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃する際に、攻撃時の複数のプレーヤキャラクタ間の位置関係に基づいて、攻撃の内容を決定してもよい。
【0041】
配置部110は、仮想三次元空間に、所定の効果(例えば、プレーヤキャラクタの攻撃力を増加又は減少させる効果、敵キャラクタの防御力を増加又は減少させる効果)に対応付けられた特殊オブジェクトを配置してもよい。この場合、行動制御部114は、行動時のプレーヤキャラクタの位置と特殊オブジェクトの位置との関係に基づいて(位置関係が所定条件を満たす場合に)、特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させる。また、行動制御部114は、行動時のプレーヤキャラクタの位置と特殊オブジェクトの位置と敵キャラクタの位置との関係に基づいて、特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させてもよい。例えば、行動時にプレーヤキャラクタと敵キャラクタとの間に特殊オブジェクトがある場合に、当該特殊オブジェクトに対応付けられた効果を発生させてもよい。また、配置部110は、プレーヤキャラクタと特殊オブジェクトとの位置関係に基づいて特殊オブジェクトに対応付けられた効果が発生可能な状態となった場合に、特殊オブジェクトの表示態様を変化させてもよい。
【0042】
仮想カメラ制御部116は、仮想三次元空間内の仮想カメラ(所与の視点)の位置や向きを制御する。仮想カメラ制御部116は、仮想カメラを、プレーヤキャラクタの移動に追従させて三次元オブジェクトの表面に沿った方向に移動させる。
【0043】
画像生成部120は、仮想三次元空間内において仮想カメラから見える画像(いわゆる三次元画像)であって、プレーヤキャラクタと敵キャラクタと三次元オブジェクト(及び、特殊オブジェクト)とを含む画像を生成し、表示部190に出力する。
【0044】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0045】
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。
【0046】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0047】
本実施形態のゲームシステムは、仮想三次元空間に配置されたプレーヤキャラクタと敵キャラクタとを対戦させるゲームを実行するように構成されている。本実施形態のゲームは複数のステージによって構成されており、ステージ毎に敵キャラクタが出現し対戦を行う。対戦で敵キャラクタを倒すと次のステージに進むことができ、最終ステージに出現する敵キャラクタを倒すとゲームクリアとなる。
【0048】
図3は、本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である。ゲーム画面GIは、端末10の表示部190(タッチパネル)に表示される。プレーヤは、指先やタッチペン等をタッチパネルに接触させる操作(タッチ操作)を行うことで操作入力を行うことができる。
【0049】
図3に示すゲーム画面GIは、対戦画面を示しており、ゲーム画面GIには、プレーヤのデッキを構成する複数のプレーヤキャラクタPC(ここでは、3つのプレーヤキャラクタPC
1、PC
2、PC
3)と、対戦相手となる1又は複数の敵キャラクタEC(ここでは、1つの敵キャラクタEC)と、敵キャラクタECを内包する球体SP(三次元オブジェクトの一例)が表示される。各プレーヤキャラクタPC、敵キャラクタEC及び球体SPは、仮想三次元空間内に配置されている。すなわち、ゲーム画面GIには、仮想三次元空間内の仮想カメラから見た画像が表示されている。敵キャラクタECの表示位置の近傍には、敵キャラクタECの体力値(ヒットポイント)を示す体力ゲージEGが表示される。体力ゲージEGの右側に表示されている数字(ここでは、2)は、敵キャラクタECが攻撃を開始するまでの残りターン数を示している。
【0050】
また、ゲーム画面GIの下部領域には、プレーヤキャラクタPC1、PC2、PC3に対応するアイコンIC(IC1、IC2、IC3)と、プレーヤキャラクタPC1、PC2、PC3の体力値の合計値を示す体力ゲージPGが表示される。各アイコンICの下側に表示されている数字(ここでは、2、1、2)は、各プレーヤキャラクタPCが1回の行動で攻撃可能な攻撃回数を示している。この数字は、プレーヤ側の攻撃ターン毎にランダムに決定される。
【0051】
図4は、仮想三次元空間を上から見た模式図である。各プレーヤキャラクタPCは、球体SPの表面付近(球体SPの表面上、又は、球体SP表面から所定距離だけ離れた位置)に配置され、敵キャラクタECは、球体SPの中心付近に配置される。仮想カメラVCは、各プレーヤキャラクタPC、敵キャラクタEC及び球体SPが見える位置に配置され、その視線方向は、球体SPの中心付近に向けられる。
【0052】
プレーヤは、ゲーム画面GIにおいて、いずれかのアイコンICを選択する操作を行うことで、行動(攻撃)させるプレーヤキャラクタPCを選択することができる。例えば、プレーヤが、ゲーム画面GIにおいてアイコンIC
1をタッチ(タップ)する操作を行うと、アイコンIC
1に対応するプレーヤキャラクタPC
1が選択される。このとき、
図5に示すように、仮想カメラVCは、敵キャラクタECから見てプレーヤキャラクタPC
1の奥側の位置であって、仮想カメラVCからプレーヤキャラクタPC
1越しに敵キャラクタECが見える位置に移動する。仮想カメラVCの視線方向は、球体SPの中心(或いは、球体SP中心とプレーヤキャラクタPC
1とを結ぶ線分の中点)付近に向けられる。なお、複数のプレーヤキャラクタPCを選択できるように構成してもよい。
【0053】
プレーヤは、プレーヤキャラクタPCを選択した後、タッチパネル(仮想三次元空間が表示されている領域の任意の位置)に接触させた指先(タッチ位置)を任意の方向にスライドさせる操作(方向を指示する操作の一例)を行うことで、選択したプレーヤキャラクタPCを仮想三次元空間内で球体SPの表面に沿った方向に移動させることができる。例えば、プレーヤが、タッチ位置を右方向にスライドさせる操作を行うと、
図6に示すよう
に、プレーヤキャラクタPC
1は、球体SPの表面に沿って(球体SP表面からの距離を一定に保って)右方向に移動する。このとき、仮想カメラVCは、プレーヤキャラクタPC
1の移動に追従して球体SPの表面に沿って移動する。このように、選択されたプレーヤキャラクタPCが移動しても、常に仮想カメラVCから当該プレーヤキャラクタPC越しに敵キャラクタECが見えるように制御されるため、プレーヤが選択中のプレーヤキャラクタPCと敵キャラクタECとの位置関係を把握し易い画像を生成することができる。
【0054】
同様に、プレーヤがタッチ位置を左方向にスライドさせると、選択されたプレーヤキャラクタPC(及び、仮想カメラVC)は球体SPの表面に沿って左方向に移動し、タッチ位置を上方向にスライドさせると、プレーヤキャラクタPCは球体SPの表面に沿って上方向に(或いは、球体SPの天頂に向けて)移動し、タッチ位置を下方向にスライドさせると、プレーヤキャラクタPCは球体SPの表面に沿って下方向に(或いは、球体SPの底部に向けて)移動する。プレーヤキャラクタPCの移動量は、最初のタッチ位置からのスライド量に応じて決定され、スライド量が大きいほど移動量は大きくなる。なお、プレーヤキャラクタPCの移動可能範囲を制限するようにしてもよい。例えば、球体SP表面における上下方向の移動可能範囲を制限することで、プレーヤキャラクタPCが球体SPの天頂付近や底部付近に進入できないようにしてもよい。また、球体SP表面における左右方向の移動可能範囲を制限してもよい。また、ステージ毎(及び/又は、プレーヤキャラクタPC毎、敵キャラクタEC毎)に移動可能範囲を設定するようにしてもよい。
【0055】
続いて、プレーヤは、ゲーム画面GIにおいて、攻撃対象とする敵キャラクタECを指定する操作を行うことで、選択したプレーヤキャラクタPCに、指定した敵キャラクタECを攻撃(行動の一例)させることができる。プレーヤが、ゲーム画面GIにおいて敵キャラクタECをタッチする操作を行うと、当該敵キャラクタECが攻撃対象として指定され、選択されたプレーヤキャラクタPC1が移動後の位置から攻撃対象として指定された敵キャラクタECに向けて攻撃するゲーム処理及びゲーム演出が行われ、体力ゲージEGで示される敵キャラクタECの体力値が更新される(減少する)。敵キャラクタECの体力値の減少量(ダメージ量)は、攻撃を行ったプレーヤキャラクタPCの攻撃回数と攻撃力及び攻撃を受けた敵キャラクタECの防御力等に基づき決定される。また、敵キャラクタECが受けるダメージ量(攻撃の効果)は、敵キャラクタECがプレーヤキャラクタPCから攻撃を受けた方向によっても変化する。少なくとも一部の敵キャラクタECには、正面、側面及び背面のいずれかに弱点が設定されている。例えば、敵キャラクタECの弱点が側面からの攻撃である場合、当該敵キャラクタECが側面からの攻撃を受けたときには、正面からの攻撃や背面からの攻撃を受けたときよりもダメージ量が大きくなる。従って、プレーヤは、敵キャラクタECの向きとプレーヤキャラクタPCの現在位置を考慮して、プレーヤキャラクタPCの攻撃が敵キャラクタECの弱点に当たるようにプレーヤキャラクタPCを移動させることで、敵キャラクタECに大きなダメージを与えることができる。なお、ゲーム画面GIにおいて、敵キャラクタECの弱点を示唆する情報(例えば、敵キャラクタECの弱点を指し示す矢印)を表示してもよい。
【0056】
プレーヤキャラクタPCの攻撃が行われる(プレーヤ側の攻撃ターンが終了する)と、敵キャラクタECが攻撃を開始するまでの残りターン数が1だけ減少する。当該残りターン数が0となった場合には、敵キャラクタECの攻撃ターンとなり、いずれかのプレーヤキャラクタPCが敵キャラクタECの攻撃対象として自動で指定され、敵キャラクタECが攻撃対象として指定されたプレーヤキャラクタPCを攻撃するゲーム処理及びゲーム演出が行われ、体力ゲージPGで示されるプレーヤキャラクタPCの体力値の合計値が更新される。プレーヤキャラクタPCの体力値の合計値は、攻撃を行った敵キャラクタECの攻撃力及び攻撃を受けたプレーヤキャラクタPCの防御力等に応じて減少する。敵キャラクタECの攻撃ターンではない(残りターン数が0でない)場合には、プレーヤ側の攻撃ターンとなり、再びプレーヤキャラクタPCを選択して移動させる操作入力が受け付けら
れる。敵キャラクタECの体力値が0となり敵キャラクタECを倒すと、次のステージに進み新たな敵キャラクタECが出現する。一方、プレーヤキャラクタPCの体力値の合計値が0となるとゲームオーバとなる。
【0057】
本実施形態のゲームでは、少なくとも一部のステージにおいて、仮想三次元空間に、所定の効果に対応付けられた特殊オブジェクトが配置される。
図7に示す例では、仮想三次元空間に複数の特殊オブジェクトSO(SO
1、SO
2、SP
3)が配置されている。特殊オブジェクトSO
1、SO
2は球体SPの内部に配置され、特殊オブジェクトSO
3は球体SPの表面に配置されている。
【0058】
特殊オブジェクトSO
1は、プレーヤキャラクタPCの攻撃を無効化する(攻撃力を一時的に0にする)効果を発生可能なオブジェクトであり、攻撃時にプレーヤキャラクタPCと攻撃を受ける敵キャラクタECとの間に位置する場合に、当該プレーヤキャラクタPCによる当該敵キャラクタECに対する攻撃を無効化する効果を発生させる。例えば、
図7に示す例では、プレーヤキャラクタPC
1と敵キャラクタECとを結ぶ線分上に特殊オブジェクトSO
1が位置しているため、プレーヤキャラクタPC
1がこの位置から敵キャラクタECに対する攻撃を行っても当該攻撃は無効となる(敵キャラクタECは一切のダメージを受けない)。この場合、プレーヤは、プレーヤキャラクタPC
1と敵キャラクタECとの間に特殊オブジェクトSO
1が存在しなくなる位置までプレーヤキャラクタPC
1を移動させることで、特殊オブジェクトSO
1の効果を発生させずに、敵キャラクタECに対する有効な攻撃を行うことができる。
【0059】
特殊オブジェクトSO
2は、プレーヤキャラクタPCの攻撃力を高める効果を発生可能なアイテムを表すオブジェクトであり、攻撃時にプレーヤキャラクタPCと攻撃を受ける敵キャラクタECとの間に位置する場合に、当該プレーヤキャラクタPCに取得され、当該プレーヤキャラクタPCによる当該敵キャラクタECに対する攻撃力を一時的に高める効果を発生させる。例えば、
図8に示す例では、プレーヤキャラクタPC
1と敵キャラクタECとを結ぶ線分上に特殊オブジェクトSO
2が位置しているため、プレーヤキャラクタPC
1がこの位置から敵キャラクタECに対する攻撃を行う場合、プレーヤキャラクタPC
1は特殊オブジェクトSO
2を自動で取得し、プレーヤキャラクタPC
1の攻撃力が特殊オブジェクトSO
2に設定された増加量或いは増加率に応じて一時的に増加する。
【0060】
特殊オブジェクトSO
3は、プレーヤキャラクタPCの攻撃力を高める効果を発生可能なエリアを表すオブジェクトであり、攻撃時にプレーヤキャラクタPCがこのエリア内に位置する場合に、当該プレーヤキャラクタPCによる敵キャラクタECに対する攻撃力を一時的に高める効果を発生させる。例えば、
図9に示す例では、プレーヤキャラクタPC
1が特殊オブジェクトSO
3で表されるエリア内に位置しているため、プレーヤキャラクタPC
1がこの位置から敵キャラクタECに対する攻撃を行う場合、プレーヤキャラクタPC
1の攻撃力が特殊オブジェクトSO
3に設定された増加量或いは増加率に応じて一時的に増加する。
【0061】
なお、移動中のプレーヤキャラクタPCと特殊オブジェクトSOとの位置関係が所定条件を満たした(当該プレーヤキャラクタPCと敵キャラクタECとの間に特殊オブジェクトSOが位置する、当該プレーヤキャラクタPCが特殊オブジェクトSOで表されるエリア内に位置する)場合には、当該特殊オブジェクトSOの表示態様(色、明度、彩度、模様等)が変化する。これにより、特殊オブジェクトSOの効果が発生可能な状態となったことをプレーヤに容易に把握させることができる。
【0062】
また、プレーヤキャラクタPCが敵キャラクタECを攻撃する際に、攻撃時の当該プレーヤキャラクタPCと他のプレーヤキャラクタPCとの位置関係が所定条件を満たす場合
には、当該位置関係に基づいて攻撃内容が決定される。例えば、
図10に示すように、攻撃を行うプレーヤキャラクタPC
1と他のプレーヤキャラクタPC(ここでは、プレーヤキャラクタPC
2)間の距離が所定範囲内である場合に、プレーヤキャラクタPC
1とプレーヤキャラクタPC
2とが連携して敵キャラクタECを攻撃するように制御される。また、
図11に示すように、攻撃を行うプレーヤキャラクタPC
1に対して敵キャラクタECを挟んで反対側に他のプレーヤキャラクタPC(ここでは、プレーヤキャラクタPC
2)が位置する場合に、プレーヤキャラクタPC
1とプレーヤキャラクタPC
2とが敵キャラクタECを挟み撃ちの攻撃を行うように制御される。また、攻撃時の複数のプレーヤキャラクタPC間を結ぶ線分で形成される図形が所定の図形(例えば、正三角形)に該当する場合に、当該複数のプレーヤキャラクタPCが当該図形に対応する特殊な攻撃を実行するように制御される。
【0063】
このように本実施形態によれば、プレーヤは方向を指示する操作を行うことでプレーヤキャラクタPCを仮想三次元空間内で球体SPの表面に沿った任意の方向に移動させることができ、プレーヤキャラクタPCの移動後の位置に応じて、敵キャラクタECの弱点が攻撃可能となったり、特殊オブジェクトSOの効果が発生可能となったり、他のプレーヤキャラクタPCとの連携攻撃が可能となったりするため、プレーヤがプレーヤキャラクタPCの攻撃時の位置(敵キャラクタEC、特殊オブジェクトSO、他のプレーヤキャラクタPCとの位置関係)を考慮する余地があり、ゲームの興趣性を高めることができる。また、本実施形態によれば、タッチ位置を任意の方向にスライドさせるという簡単な操作でプレーヤキャラクタPCを仮想三次元空間内で移動させることができるため、タッチインターフェースに適した興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0064】
なお、上記例では、プレーヤが敵キャラクタECをタッチする操作を行うことで、攻撃対象とする敵キャラクタECを指定する場合について説明したが、プレーヤキャラクタPCの移動完了後(タッチ位置をスライドさせる操作の完了後)に自動で攻撃対象とする敵キャラクタECを指定するようにしてもよい。
【0065】
また、上記例では、攻撃時のプレーヤキャラクタPCと特殊オブジェクトSO間の位置関係に基づき特殊オブジェクトSOの効果を発生させる場合について説明したが、プレーヤキャラクタPCの移動中に特殊オブジェクトSOとの位置関係が所定条件を満たした場合に(プレーヤキャラクタPCの移動中であっても)、特殊オブジェクトSOの効果を発生させるようにしてもよい。この場合、プレーヤがプレーヤキャラクタPCを移動させるだけで無制限に特殊オブジェクトSOの効果を発生させることができるようになることを防止するために、1回の攻撃ターンにおけるプレーヤキャラクタPCの移動可能距離や移動可能時間に制限を設けるようにしてもよい。
【0066】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(端末10)の処理の一例について
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
まず、配置部110は、仮想三次元空間に、プレーヤキャラクタPC、敵キャラクタEC、球体SP及び特殊オブジェクトSOを配置する(ステップS10)。
【0068】
次に、入力受付部112は、プレーヤキャラクタPCを選択する操作入力を受け付けたか否かを判断し(ステップS11)、当該操作入力を受け付けた(ステップS11のY)には、方向を指示する操作入力(方向指示入力)を受け付けたか否かを判断する(ステップS12)。方向指示入力を受け付けていない場合(ステップS12のN)には、ステップS15に移行する。
【0069】
方向指示入力を受け付けた場合(ステップS12のY)には、行動制御部114は、方向指示入力に基づいて、選択されたプレーヤキャラクタPCを球体SPの表面に沿った方向に移動させる制御を行い(ステップS13)、仮想カメラ制御部116は、仮想三次元空間内の仮想カメラVCをプレーヤキャラクタPCの移動に追従させて球体SPの表面に沿った方向に移動させる制御を行う(ステップS14)。
【0070】
次に、入力受付部112は、攻撃対象とする敵キャラクタECを指定する操作入力を受け付けたか否かを判断し(ステップS15)、当該操作入力を受け付けていない場合(ステップS15のN)には、ステップS12に移行する。当該操作入力を受け付けた場合(ステップS15のY)には、行動制御部114は、選択されたプレーヤキャラクタPCと特殊オブジェクトSO間の位置関係が所定条件を満たすか否かを判断し(ステップS16)、所定条件を満たさない場合(ステップS16のN)には、ステップS18に移行する。当該位置関係が所定条件を満たす場合(ステップS16のY)には、行動制御部114は、当該特殊オブジェクトSOに対応付けられた効果(選択されたプレーヤキャラクタPCの攻撃を無効にする効果、選択されたプレーヤキャラクタPCの攻撃力を高める効果)を発生させる(ステップS17)。次に、行動制御部114は、選択されたプレーヤキャラクタPCによる、攻撃対象として指定された敵キャラクタECに対する攻撃を制御し、敵キャラクタECの体力値を更新する(ステップS18)。
【0071】
次に、処理部100は、敵キャラクタECの攻撃ターンとなったか否かを判断し(ステップS19)、敵キャラクタECの攻撃ターンとなった場合(ステップS19のY)には、当該敵キャラクタECによるプレーヤキャラクタPCに対する攻撃を制御し、プレーヤキャラクタPCの体力値の合計値を更新する(ステップS20)。
【0072】
次に、処理部100は、処理を継続するか否かを判断し(ステップS21)、プレーヤキャラクタPCの体力値の合計値と敵キャラクタECの体力値のいずれも0でない場合には、処理を継続すると判断して(ステップS21のY)、ステップS11に移行し、プレーヤキャラクタPCの体力値の合計値と敵キャラクタECの体力値のいずれかが0となるまでステップS11以降の処理を繰り返す。
【0073】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0074】
10 端末、20 サーバ、100 処理部、110 配置部、112 入力受付部、114 行動制御部、116 仮想カメラ制御部、120 画像生成部、130 音生成部、150 入力部、170 記憶部、190 表示部、192 音出力部、196 通信部