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  • 特許-形状測定装置および移動機構 図1
  • 特許-形状測定装置および移動機構 図2
  • 特許-形状測定装置および移動機構 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】形状測定装置および移動機構
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/00 20060101AFI20220922BHJP
   G01B 5/008 20060101ALI20220922BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G01B5/00 L
G01B5/008
G01B21/00 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017001270
(22)【出願日】2017-01-06
(65)【公開番号】P2018112414
(43)【公開日】2018-07-19
【審査請求日】2019-12-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 正洋
(72)【発明者】
【氏名】大山 良和
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 将人
(72)【発明者】
【氏名】竹迫 康次
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】濱野 隆
【審判官】波多江 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-142542(JP,A)
【文献】国際公開第2007/144906(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00
G01B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の移動方向に相対移動する第1部材および第2部材と、
前記第1部材に形成され、前記移動方向に延びかつ互いに平行であって重ならないガイド領域および駆動領域を同一平面上に有するガイド面と、
前記第2部材に形成されて前記ガイド領域に対向するエアパッドと、
前記第2部材に形成されて前記駆動領域を転動する駆動ローラと、を有することを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載した形状測定装置において、
前記エアパッドは、同じ前記ガイド領域に対して複数が前記移動方向の異なる位置に設置されているとともに、
前記駆動ローラは、前記駆動領域に対向する位置であって、前記移動方向の位置は前記エアパッドの中間に配置されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した形状測定装置において、
前記第1部材が測定対象物を支持するテーブルであり、前記ガイド面は前記テーブルの側面に形成されているとともに、
前記第2部材は測定機を支持するコラムであり、前記エアパッドおよび前記駆動ローラは前記コラムの前記ガイド面に対向する部分に設置されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した形状測定装置において、
前記ガイド面には、前記ガイド領域よりも上側に前記駆動領域が形成されていることを特徴とする形状測定装置。
【請求項5】
第1部材および第2部材を所定の移動方向に相対移動させる移動機構であって、
前記第1部材に形成され、前記移動方向に延びかつ互いに平行であって重ならないガイド領域および駆動領域を同一平面上に有するガイド面と、
前記第2部材に形成されて前記ガイド領域に対向するエアパッドと、
前記第2部材に形成されて前記駆動領域を転動する駆動ローラと、を有することを特徴とする移動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状測定装置および移動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
形状測定装置として、測定対象であるワークに対して測定子(プローブ)を三次元移動させる三次元測定機が知られている。大型の三次元測定機では、ワークを跨ぐ門型の移動機構が用いられている(特許文献1参照)。
門型の三次元測定機は、ワークを載置するテーブルと、その両側に設置された一対のコラムと、一対のコラムに架構されたX軸方向のビームと、ビーム上を移動可能なスライダと、スライダに対して昇降するZスピンドルとを備え、Zスピンドルの下端にプローブが装着される。そして、コラムおよびビームがテーブルに対してY軸方向に相対移動され、スライダがビームに沿ってX軸方向に移動され、Zスピンドルがスライダに対してZ軸方向(昇降方向)に移動されることで、プローブをテーブル上のワークに対して三次元移動させることができる。これらのX軸、Y軸およびZ軸の移動は、各軸移動機構であるモータ等により行われる。
【0003】
従来、テーブルとコラムとをY軸方向に相対移動させる移動機構としては、例えばテーブル側面をガイド面としつつローラ駆動する構成が採用される(特許文献2参照)。
詳述すると、テーブルには、その上面の両側および側面にそれぞれ平坦度の高いガイド面が形成され、一対のコラムには各ガイド面に対向するエアパッド(空気静圧軸受)が設置される。エアパッドのうち、テーブル上面に対向するエアパッドにより、各コラムの荷重が支持される。また、テーブルの両側面を各コラムのエアパッドで挟み込むことで、Y軸方向のガイドが行われる。
コラムには、テーブルの側面を転動する駆動ローラが設置される。この駆動ローラでテーブルに対して一方のコラム駆動することで、ビームないし他方のコラムを含む門型構造の全体がテーブルに対してY軸方向へ駆動される。
ローラの表面には、テーブルに対する摩擦力を強化するために、摩擦力強化材料として数mm厚程度のウレタンやゴム、シリコン樹脂などが貼られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-122118号公報
【文献】特開2016-142542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、テーブルの一方の側面には、駆動ローラが転動する領域と、エアパッドが対向するガイド面とが設定される。
前述した特許文献2など、従来はローラの駆動領域とガイド面とが重複して設定されていた。すなわち、駆動側のコラムには、ガイド用の一対のエアパッドが設置されるとともに、その間に駆動ローラが設置され、この駆動ローラがガイド面を転動されていた。
このような構成では、ローラの転動によりローラ表面の摩擦力強化材料が擦り切れて粉塵となり、この粉塵がガイド面に付着することがある。
このような粉塵等がガイド面に付着すると、ガイド面の平滑性が損なわれ、エアパッドの微小間隔での静圧浮上が適切に行われず、所期のガイド機能が得られなくなる可能性があった。一方で、粉塵の発生を回避するために、摩擦力強化材料の硬さや強度を高める等すると、ローラによる駆動性能が適切に得られなくなる可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、エアパッドによるガイド機能および駆動ローラによる駆動性能がそれぞれ適切に得られる形状測定装置および移動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の形状測定装置は、所定の移動方向に相対移動する第1部材および第2部材と、前記第1部材に形成され、前記移動方向に延びかつ互いに平行なガイド領域および駆動領域を有するガイド面と、前記第2部材に形成されて前記ガイド領域に対向するエアパッドと、前記第2部材に形成されて前記駆動領域を転動する駆動ローラと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、ガイド面に対向するエアパッドにより、第1部材に対して第2部材がガイドされる。そして、ガイド面を転動する駆動ローラにより、第1部材に対して第2部材が駆動される。この際、エアパッドが対向するのはガイド面のガイド領域であり、駆動ローラが転動するのはガイド面の駆動領域であり、各々は互いに平行であって重ならない領域である。このため、駆動ローラの転動により摩擦力強化材料の粉塵が生じても、この粉塵は専ら駆動領域に付着し、ガイド領域への付着は防止できる。その結果、ガイド領域の平滑性ないしエアパッドによるガイド機能を常に維持することができる。
【0009】
本発明の形状測定装置において、前記エアパッドは、同じ前記ガイド領域に対して複数が前記移動方向の異なる位置に設置されているとともに、前記駆動ローラは、前記駆動領域に対向する位置であって、前記移動方向の位置は前記エアパッドの中間に配置されていることが望ましい。
【0010】
本発明では、駆動ローラがガイド面の駆動領域に押し付けられることで、第1部材には第2部材からの押圧力が作用するが、駆動ローラの移動方向の両側にエアパッドが配置され、不必要なモーメントなどが発生することがないので、第1部材に対する第2部材の姿勢を維持することができ、移動方向に沿ったガイド機能を適切に維持することができる。
【0011】
本発明の形状測定装置において、前記第1部材が測定対象物を支持するテーブルであり、前記ガイド面は前記テーブルの側面に形成されているとともに、前記第2部材は測定機を支持するコラムであり、前記エアパッドおよび前記駆動ローラは前記コラムの前記ガイド面に対向する部分に設置されていることが望ましい。
【0012】
本発明の形状測定装置としては、例えば三次元測定機を採用することができる。そして、テーブルおよびコラムとしては、三次元測定機のテーブルおよびコラムとすることができる。例えば三次元測定機には、コラムに支持されるクロスビームに対して移動するスライダ、スライダに対して昇降移動するZスピンドルがあり、これらの移動機構として本発明を適用してもよい。しかし、コラムとテーブルとの移動機構は、例えばコラムないしZスピンドルを含む門型構造を移動部分とする場合でも、あるいは門型構造を固定してテーブル側を移動部分とする場合でも、移動部分の質量が大きく、駆動ローラによる駆動力が最も大きくなる。そして、駆動力が大きくなることから、粉塵が発生する頻度も高く、本発明の効果が最も有効となる。
【0013】
本発明の形状測定装置において、前記ガイド面は、前記ガイド領域よりも上側に前記駆動領域が形成されていることが望ましい。
本発明では、駆動ローラがガイドパッドより上方に配置されることになり、駆動ローラからの駆動力を、コラムおよびこれを含む移動部分の重心に近い位置で作用させることができ、移動精度を良好にできる。一方、駆動ローラの粉塵は上方の駆動領域からガイド領域へと落下する可能性があるが、ガイド領域であるため駆動ローラで押し付けられることはなく、ガイド領域を通るエアパッドからの排気で除去されることもあり、ガイド領域への付着を回避できる。
【0014】
本発明の移動機構は、第1部材および第2部材を所定の移動方向に相対移動させる移動機構であって、前記第1部材に形成され、前記移動方向に延びかつ互いに平行なガイド領域および駆動領域を有するガイド面と、前記第2部材に形成されて前記ガイド領域に対向するエアパッドと、前記第2部材に形成されて前記駆動領域を転動する駆動ローラと、を有することを特徴とする。
本発明の移動機構では、所定の移動方向に相対移動する第1部材および第2部材を有する形状測定装置などに適用することで、前述した本発明の形状測定装置で説明した通りの効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ローラの転動で生じる粉塵のガイド面への付着を抑制できる形状測定装置および移動機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の三次元測定機を示す斜視図。
図2】前記実施形態のY軸駆動部分を示す正面図。
図3】前記実施形態のY軸駆動部分を示す拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、三次元測定機1は、本発明の形状測定装置であり、上面にワーク2が載置されるテーブル3と、テーブル3を跨ぐ門型の構造体4とを備えている。構造体4には測定プローブ5が装着され、測定プローブ5は構造体4によりワーク2に対して三次元移動される。
【0018】
門型の構造体4は、テーブル3の両側に設置された一対のコラム41,42と、コラム41,42に掛け渡されたX軸方向のビーム43と、ビーム43に沿って移動可能なスライダ44と、を備えている。スライダ44にはZスピンドル45が支持され、測定プローブ5はZスピンドル45の下端に装着されている。
【0019】
ビーム43とスライダ44との間には、図示しないX軸移動機構が設置され、スライダ44はビーム43に沿ってX軸方向に移動可能である。
スライダ44とZスピンドル45との間には、図示しないZ軸移動機構が設置され、Zスピンドル45はスライダ44に対してZ軸方向に移動可能である。
テーブル3とコラム41,42との間には、Y軸移動機構10が設置され、コラム41,42を含む門型の構造体4は、テーブル3に対してY軸方向へ移動可能である。
これらのX軸、Y軸およびZ軸の各軸移動により、構造体4に装着された測定プローブ5を、テーブル3上のワーク2に対して三次元移動させることができる。
【0020】
Y軸移動機構10は、門型の構造体4の荷重をテーブル3に支持させつつ、テーブル3に対して構造体4をY軸方向へ正確にガイドし、同方向に駆動するものである。
ここで、構造体4の荷重支持はコラム41,42の双方で分担されるが、Y軸方向へのガイドおよび駆動は専らコラム41側で行われる。
Y軸移動機構10に対する防塵などの保護のため、テーブル3のコラム41側はケース6で囲われている。ケース6は上面に伸縮式のカバーを有し、コラム41のY軸移動を妨げることがない。
【0021】
図2において、テーブル3のコラム41側の側面にはガイド面31が形成されている。テーブル3の上面には、ガイド面31が形成された側面に沿って溝32が形成され、この溝32と側面との間にガイドレール33が形成されている。
コラム41には、水平に対向するエアパッド11,12と、上下に対向するエアパッド13,14が設置されている。
【0022】
エアパッド11は、ガイド面31に対向配置されている。エアパッド12は、溝32内に設置されてガイドレール33の側面に対向配置されている。これらのエアパッド11,12により、ガイドレール33が水平に挟み込まれている。
エアパッド13は、ガイドレール33の上面に対向配置されている。エアパッド14は、ガイドレール33の直下の位置においてテーブル3の下面に対向配置されている。
ここで、エアパッド13は、構造体4の荷重支持に必要な十分な負荷容量が設定されている。これに対し、エアパッド14は、エアパッド13とともにテーブル3を上下に挟み込むものであって、比較的小型とされている。
【0023】
これらのエアパッド11~14により、コラム41を含む構造体4は、テーブル3に対してY軸方向へ正確にガイドされている。
また、エアパッド13により、コラム41の荷重をテーブル3に伝達可能である。
なお、反対側のコラム42の下面にも、コラム41のエアパッド13と同様なエアパッドが設置され、テーブル3の上面に対してコラム42の荷重を伝達可能である。
【0024】
コラム41には、ガイド面31と対向する部位に、駆動ローラ19が設置されている。
駆動ローラ19は、ガイド面31を転動するとともに、モータ18で駆動され、ガイド面31に対してY軸方向の駆動力を伝達可能である。
【0025】
図3に示すように、エアパッド11は、コラム41のY軸方向の異なる位置に2個設置されている。
これらのエアパッド11は、ともに数十μm程度の静圧隙間を介してガイド面31のガイド領域311に対向配置されている。
【0026】
駆動ローラ19は、Y軸方向の位置が2つのエアパッド11の中間であって、高さ方向には上方へずれた位置とされ、駆動ローラ19が転動する駆動領域312は、ガイド領域311の上側に隣接し、かつ平行とされた状態で設けられている。つまり、ガイド領域311と駆動領域312とは重ならないようにして設けられている。なお、駆動領域312とガイド領域311の間には、少し隙間が設けられていても良い。
駆動ローラ19の周面には、転動するガイド面31との間の摩擦力を強化するために、ゴム等の摩擦力強化材料が貼られている。摩擦力強化材料は、駆動ローラ19の周面にコーティングされるものであってもよく、駆動ローラ19自体が摩擦力強化材料で形成されていてもよい。
【0027】
本実施形態においては、ワーク2に対する測定プローブ5の三次元移動のうちY軸方向の移動は、Y軸移動機構10により構造体4をテーブル3に対して移動させることで実行される。
Y軸移動機構10においては、4方向のエアパッド11~14により、テーブル3(第1部材)に対して構造体4のコラム41(第2部材)がガイドされる。そして、ガイド面31を転動する駆動ローラ19により、テーブル3に対してコラム41が駆動される。
【0028】
この際、エアパッド11が対向するのはガイド面31のガイド領域311であり、駆動ローラ19が転動するのはガイド面31の駆動領域312であり、各々は互いに平行であって重ならない領域である。
このため、駆動ローラ19の転動により摩擦力強化材料の粉塵が生じても、この粉塵は専ら駆動領域312に付着し、ガイド領域311への付着は防止できる。その結果、ガイド領域311の平滑性ないしエアパッド11によるガイド機能を常に維持することができる。
【0029】
本実施形態では、エアパッド11は、同じガイド領域311に対して複数が移動方向の異なる位置に設置されており、駆動ローラ19は、駆動領域312に対向する位置であって、移動方向の位置はエアパッド11の中間に配置されている。
このため、駆動ローラ19が駆動領域312に押し付けられることで、テーブル3にはコラム41からの押圧力が作用するが、駆動ローラ19の移動方向の両側にエアパッド11が配置され、コラム41に捻れを生じさせるようなモーメントなどが発生せず、テーブル3に対するコラム41の姿勢を維持することができ、移動方向に沿ったガイド機能を適切に維持することができる。
【0030】
本実施形態では、Y軸移動機構10がテーブル3に対してコラム41を含む門型の構造体4を移動させるものであり、移動部分の質量が大きく、駆動ローラ19による駆動力が最も大きくなり、粉塵が発生する頻度も高いことから、本発明に基づく粉塵のガイド領域311への付着やエアパッド11への支障を防ぐ効果が最も有効となる。
【0031】
本実施形態において、ガイド面31は、ガイド領域311よりも上側に駆動領域312が形成されている。このため、駆動ローラ19がエアパッド11より上方に配置されることになり、駆動ローラ19からの駆動力を、コラム41およびこれを含む構造体4の重心に近い位置で作用させることができ、移動精度を良好にできる。一方、駆動ローラ19の粉塵は上方の駆動領域312からガイド領域311へと落下する可能性があるが、ガイド領域311であるため駆動ローラ19で押し付けられることはなく、ガイド領域311を通るエアパッド11からの排気で除去されることもあり、ガイド領域311への付着を回避できる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、テーブル3の側面にガイド面31を形成し、コラム41の対向部分にガイド用のエアパッド11および駆動ローラ19を設置した。本発明の他の実施形態として、テーブル3の上面あるいは下面にガイド面を形成し、エアパッドおよび駆動ローラを設置してもよい。
【0033】
前記実施形態では、移動方向に並ぶ2つのエアパッド11を用いたが、3つ以上であってもよく、あるいは1つだけでもよい。3つ以上の場合、そのうち2つの間に駆動ローラ19を設置することが好ましい。また、1つだけの場合、エアパッドと駆動ローラの移動方向の位置を一致させることが望ましい。
前記実施形態では、2つのエアパッド11の移動方向の中間で上側にずれた位置に駆動ローラ19を設置したが、駆動ローラ19は下側に配置してもよい。ただし、構造体4の重心から離れるため、精度確保のための他の対策などが適宜必要になることがある。
【0034】
前記実施形態では、三次元測定機1において、テーブル3(第1部材)に対して構造体4のコラム41(第2部材)をY軸方向へ移動させるY軸移動機構10に本発明を適用したが、ビーム43(第1部材)に沿ってスライダ44(第2部材)を移動させるX軸移動機構に適用してもよく、さらにはスライダ44(第1部材)に対してZスピンドル45(第2部材)を昇降させるZ軸移動機構に適用することも可能である。あるいは、門型の構造体4が基礎に固定され、テーブル3が基礎に対してY軸方向へ移動される形式の三次元測定機においては、テーブル3と基礎との間の移動機構に適用することができる。
さらに、本発明は三次元測定機1に限らず、テーブル(第1部材)に対してカメラを支持するコラム(第2部材)を移動させる画像測定機など、他の形状測定装置の移動機構に適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、形状測定装置および移動機構に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1…三次元測定機(形状測定装置)、10…Y軸移動機構、11…エアパッド、12…エアパッド、13…エアパッド、14…エアパッド、18…モータ、19…駆動ローラ、2…ワーク、3…テーブル(第1部材)、31…ガイド面、311…ガイド領域、312…駆動領域、32…溝、33…ガイドレール、4…構造体、41…コラム(第2部材)、42…コラム、43…ビーム、44…スライダ、45…Zスピンドル、5…測定プローブ、6…ケース。
図1
図2
図3