(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ウェーハの研削方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220922BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220922BHJP
B23Q 3/08 20060101ALI20220922BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20220922BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20220922BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/304 622H
B23Q3/08 A
B23Q17/24 C
B24B41/06 L
B24B49/12
(21)【出願番号】P 2018086433
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 云峰
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-280287(JP,A)
【文献】特開2013-084755(JP,A)
【文献】特開2002-015977(JP,A)
【文献】特開2007-035900(JP,A)
【文献】特開2006-138836(JP,A)
【文献】特開2017-078813(JP,A)
【文献】特開平05-082628(JP,A)
【文献】特開2014-229875(JP,A)
【文献】特開2006-093333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/304
B23Q 3/08
B23Q 17/24
B24B 41/06
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持テーブルにおいてウェーハの表面を保持し、ウェーハの裏面のうち該表面のデバイス領域に対応する領域を研削して円形状の凹部を形成し、該デバイス領域の周囲の外周余剰領域に対応する領域に環状の凸部を形成するウェーハの研削方法であって、
該保持テーブルは、ウェーハを吸引保持する保持面を有した保持部と、該保持部を囲繞する枠体と、を備え、
該枠体の内径は保持するウェーハの外径よりも小さく、且つ、該枠体の外径は保持するウェーハの外径よりも大きく形成されるとともに、該枠体の上面は保持するウェーハの上面よりも低反射に形成され、
該保持面に保持されたウェーハの外周縁及び該枠体の上面に光を投光して撮像し形成した撮像画像を基にしてウェーハの外周縁を検出し、
検出した該外周縁から所定距離だけ径方向内側の位置に研削砥石の最外周を位置付け、該研削砥石の回転軌道がウェーハの回転中心を通るように該裏面を研削して該凹部を形成する
ウェーハの研削方法。
【請求項2】
該枠体の上面に黒色膜を形成して低反射とする
請求項1に記載のウェーハの研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおけるウェーハの研削において、例えば、外周部分が丸く面取りされたウェーハを研削して薄化すると、ウェーハの外周部は、外周部に向かって尖ったエッジ状に形成される。そして、この尖ったエッジによりウェーハの外周の強度が低下する問題がある。これを防ぐために、ウェーハを薄化する前に、ウェーハの外周部分を切削によりトリミングすることで、薄化後のウェーハに尖ったエッジが形成されないようにする方法(例えば、特許文献1参照)がある。
【0003】
上記のようなエッジトリミング加工に際しては、吸引力が伝達される保持部と保持部を支持する枠体とを備える保持テーブルでウェーハを吸引保持する。そして、保持されたウェーハを上方からカメラで撮像して、形成された撮像画像を基にしてウェーハの外周縁の位置を検出するエッジアライメントを行っている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-173961号公報
【文献】特開2011-249572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、エッジトリミング装置の保持テーブルは枠体が金属で出来ており、ウェーハの撮像に際してウェーハに光を投光して撮像を行うと、形成された撮像画像において、ウェーハの上面も枠体もハレーションしてしまい、ウェーハの外周縁を正確に検出できないという問題がある。
【0006】
よって、保持テーブルで保持したウェーハを撮像してウェーハの外周縁の位置を検出する場合には、形成された撮像画像においてハレーションを発生させないようにしてウェーハの外周縁を正確に検出できるようにするという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、保持テーブルにおいてウェーハの表面を保持し、ウェーハの裏面のうち該表面のデバイス領域に対応する領域を研削して円形状の凹部を形成し、該デバイス領域の周囲の外周余剰領域に対応する領域に環状の凸部を形成するウェーハの研削方法であって、該保持テーブルは、ウェーハを吸引保持する保持面を有した保持部と、該保持部を囲繞する枠体と、を備え、該枠体の内径は保持するウェーハの外径よりも小さく、且つ、該枠体の外径は保持するウェーハの外径よりも大きく形成されるとともに、該枠体の上面は保持するウェーハの上面よりも低反射に形成され、該保持面に保持されたウェーハの外周縁及び該枠体の上面に光を投光して撮像し形成した撮像画像を基にしてウェーハの外周縁を検出し、検出した該外周縁から所定距離だけ径方向内側の位置に研削砥石の最外周を位置付け、該研削砥石の回転軌道がウェーハの回転中心を通るように該裏面を研削して該凹部を形成する。
【0008】
該枠体の上面に黒色膜を形成して低反射としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に用いる保持テーブルは、ウェーハを吸引保持する保持面を有した保持部と、保持部を囲繞する枠体と、を備え、枠体の内径は保持するウェーハの外径よりも小さく、且つ、枠体の外径は保持するウェーハの外径よりも大きく形成されるとともに、枠体の上面は保持するウェーハの上面よりも低反射に形成されているため、ウェーハに光を投光して撮像を行うと、ハレーションが起きずにウェーハと枠体とが明確に区別可能に撮像される。即ち、形成された撮像画像において、例えば、ウェーハのみが白く写り、枠体は黒く写るため、ウェーハの外周縁を正確に検出できる。
【0010】
取得したハレーションの無い撮像画像からウェーハの外周縁を正確に検出し、検出したウェーハの外周縁の正確な位置に基づいてウェーハと加工手段との位置合わせを適切に行って加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】加工装置(エッジトリミング装置)の一例を示す斜視図である。
【
図2】保持テーブルとウェーハとを示す斜視図である。
【
図3】保持テーブルで保持されたウェーハの外周縁に照明手段から光を投光し、保持テーブルで保持されたウェーハの外周縁を撮像手段で撮像している状態を示す断面図である。
【
図4】保持テーブルで保持されたウェーハを加工手段でエッジトリミングしている状態を示す断面図である。
【
図5】加工装置(研削装置)の別例を示す斜視図である。
【
図6】保持テーブルで保持されたウェーハを加工手段で研削している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)加工装置の実施形態1
図1に示す加工装置2(以下、実施形態1の加工装置2とする)は、保持テーブル30によって吸引保持されたウェーハWに対して、加工手段62でエッジトリミング加工を施す装置である。
図1、2に示すウェーハWは、例えば、シリコンを母材とする外形が円形の半導体ウェーハであり、その表面Waには、デバイス領域Wa1と、デバイス領域Wa1を囲繞する外周余剰領域Wa2とが設けられている。外周余剰領域Wa2は、
図2において、ウェーハWの表面Wa中の二点鎖線で示す仮想線L1よりも外側の領域である。デバイス領域Wa1は、直交差する複数の分割予定ラインSで格子状に区画されており、格子状に区画された各領域にはIC等のデバイスDがそれぞれ形成されている。
図1において下方を向いているウェーハWの裏面Wbは、図示しない保護テープが貼着されて保護されている。ウェーハWの外周縁Wdは、例えば面取り加工されており断面が略円弧状になっている。
なお、ウェーハWはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよいし、デバイスDが形成される前のウェーハであってもよい。また、ウェーハWは、ウェーハWよりも大径の図示しない保護テープを介して環状フレームに支持され、環状フレームを用いたハンドリングが可能な状態になっていてもよい。
【0013】
図1に示す加工装置2の基台20上の-Y方向側の一角には、カセット載置台210が設置されており、カセット載置台210は、その下方に配設された図示しない昇降エレベータによりZ軸方向に上下動可能となっている。ウェーハWを複数枚収容したカセット211がカセット載置台210上に載置された状態で、昇降エレベータによりカセット載置台210が昇降されることでカセット211からウェーハWを出し入れする際の高さ位置が調整される。
【0014】
図1に示すように、基台20上のカセット211の+Y方向側の搬入出口211dに対面する位置には、後述するプッシュプル212によりカセット211から引き出されたウェーハWを一定の位置に位置合わせするセンタリングガイド213が配設されている。センタリングガイド213は、断面がL字状に形成されY軸方向に延在する各ガイドレールを備えており、各ガイドレールは、X軸方向に相互に離間又は接近可能であり、段状のガイド面(内側面)が対向するように配置されている。保持テーブル30にウェーハWが搬入される際には、プッシュプル212によりカセット211からウェーハWが引き出されてセンタリングガイド213に載置される。また、加工され洗浄されたウェーハWは、図示しない搬送手段によりセンタリングガイド213に載置されてから、プッシュプル212によりカセット211に押し入れられる。
【0015】
環状フレームFを上下方向から把持した状態で加工前のウェーハWをカセット211から引き出すプッシュプル212は、Y軸方向に往復移動可能となっている。
【0016】
ウェーハWを複数枚収容可能な
図1に示すカセット211は、所定の間隔をおいてX軸方向に平行に配設された第1の側板211aおよび第2の側板211bと、第1の側板211aおよび第2の側板211bの上部側を連結する連結部材211cとを備えている。
【0017】
カセット211の正面側(+Y方向側)は、ウェーハWを出し入れする搬入出口211dとなっている。第1の側板211aおよび第2の側板211bの内側面には、Y軸方向に水平に延びる複数の棚板211eがZ軸方向に所定の間隔を保って固定されており、複数の棚板211eにより、第1の側板211aおよび第2の側板211bにウェーハWを支持する収容棚が複数形成される。第1の側板211aおよび第2の側板211bの内側面後部側(-Y方向側)には、ストッパー211fがそれぞれ取り付けられており、ストッパー211fは、ウェーハWが搬入出口211dから棚板211eに沿ってカセット211内に水平に挿入された際に、カセット211の背面側から飛び出すのを防ぐ。
【0018】
保持テーブル30は、カバー31によって周囲から囲まれ、カバー31の下方に配設された図示しない回転手段によりZ軸方向の軸心周りに回転可能に支持されている。カバー31には、X軸方向に伸縮する蛇腹カバー311が連結しており、カバー31及び蛇腹カバー311の下方には、保持テーブル30を切削送り方向(X軸方向)に往復移動させる図示しない切削送り手段が配設されている。切削送り手段は、モータによりボールネジを回動させることで保持テーブル30を切削送りするボールネジ機構である。
【0019】
図2に示す保持テーブル30は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材などからなりウェーハWを吸着する保持部300と、保持部300を囲繞して支持する枠体301とを備える。保持部300は、真空発生装置等の吸引源39に吸引路380及び吸引路380上に配設されたソレノイドバルブ38を介して連通する。ソレノイドバルブ38が開かれた状態で吸引源39が作動することで、吸引源39が生み出す吸引力が保持部300の露出面であり枠体301の略平坦な上面301aと面一に形成されている保持面300aに伝達され、保持テーブル30は保持面300a上でウェーハWを吸引保持する。
【0020】
図2に示すように、枠体301の内径は保持するウェーハWの外径よりも小さく、且つ、枠体301の外径は保持するウェーハWの外径よりも大きく形成されている。したがって、ウェーハWの中心が保持テーブル30の回転中心におおよそ合致するようにウェーハWが保持テーブル30上に載置されると、ウェーハWは保持面300a全面を覆うと共に、枠体301の上面301a上にも外周縁Wdがはみ出した状態になる。
【0021】
枠体301の上面301aは保持するウェーハWの上面Wa(表面Wa)よりも低反射に形成されている。即ち、ウェーハWの表面Waが光を反射する銀色等の鏡面となっているのに対して、枠体301の上面301aは、例えば光を吸収する黒色面となっている。
【0022】
枠体301の上面301aを黒色面にするには、例えばSUS等の金属からなる枠体301の上面を、予め保持部300の保持面300aよりも少しだけ低く形成しておき、枠体301の上面に非水溶性の黒色塗料を塗布、黒色メッキ処理、又は黒色蒸着処理等して黒色膜を形成し保持面300aと面一の上面301aとする。黒色塗料を塗布する等の代わりに、黒色の高分子樹脂フィルム(光反射防止フィルム)を枠体301の上面に貼着して、保持面300aと面一の上面301aとしてもよい。
枠体301の上面301aのみを黒色面とするのではなく、枠体301全体を黒色のセラミックスで形成することで、枠体301の全面が黒色面となっていてもよい。
【0023】
図1に示すように、基台20上のセンタリングガイド213の近傍には、洗浄手段219が配設されている。洗浄手段219は、例えば、枚葉式のスピンナー洗浄装置であり、図示しない搬送手段によって保持テーブル30から搬送されてきたエッジトリミング済みのウェーハWを洗浄する。
【0024】
図1に示すように、保持テーブル30の移動経路脇には、X軸方向とZ軸方向とに直交するY軸方向に加工手段62を往復移動させる割り出し送り手段60が配設されている。割り出し送り手段60は、モータ600がY軸方向に延在する図示しないボールネジを回動させることで、切り込み送り手段61を介して加工手段62が配設され内部のナットがボールネジに螺合する可動板601がY軸方向に移動し、これに伴い、加工手段62がY軸方向に割り出し送りされる。
【0025】
加工手段62は、可動板601上に配設された切り込み送り手段61によって、Z軸方向(鉛直方向)に往復移動可能となっている。切り込み送り手段61は、鉛直方向の軸心を有するボールネジ610と、ボールネジ610と平行に配設された一対のガイドレール611と、ボールネジ610の上端に連結しボールネジ610を回動させるモータ612と、内部のナットがボールネジ610に螺合し側部がガイドレール611に摺接する昇降部材613とを備えており、モータ612がボールネジ610を回動させると、これに伴い昇降部材613がガイドレール611にガイドされてZ軸方向に往復移動し、昇降部材613に固定された加工手段62がZ軸方向に切り込み送りされる。
【0026】
加工手段62は、軸方向がY軸方向であるスピンドル620と、昇降部材613の側面に固定されスピンドル620を回転可能に支持するハウジング621と、スピンドル620を回転させる図示しないモータと、スピンドル620の先端に装着された切削ブレード623とを備えており、モータがスピンドル620を回転駆動することに伴い切削ブレード623が回転する。
【0027】
図1に示すように、切削ブレード623をY軸方向両側から挟むようにして2本の切削水ノズル624が配設されている。切削水ノズル624の切削ブレード623に相対する位置には、切削水噴射口が複数X軸方向に整列して設けられており、切削水噴射口によって側方から切削水が噴射されて、切削ブレード623とウェーハWとの接触部位の洗浄・冷却が行われる。また、切削水ノズル625が、切削ブレード623の外周方向から切削ブレード623に向かって切削水を噴射できるように配設されている。
【0028】
加工装置2は、Z軸方向において保持テーブル30の保持面300aに対面して配設され、保持テーブル30で保持されたウェーハWの外周縁Wdを撮像する撮像手段81と、Z軸方向において保持面300aに対面して配設され、保持テーブル30で保持されたウェーハWの外周縁Wdに光を投光する照明手段82と、を備えている。
【0029】
撮像手段81及び照明手段82は、例えば、加工手段62の近傍、即ち、ハウジング621の側面に取付部材83を介して配設されており、加工手段62と共にY軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。なお、撮像手段81及び照明手段82の配設位置は、
図1に示す例に限定されるものではない。
【0030】
図3に示すように、撮像手段81は、例えば、外部光が遮光される直方体状の筐体810を備えており、筐体810の側面には照明手段82が取り付けられている。照明手段82は、例えば、図示しない光源としてLED又はキセノンランプ等を備えている。照明手段82が生み出す光は、光ファイバー等の伝送光学系821により筐体810内部に伝搬される。照明手段82が発する光の光量は、図示しない調整器等によって調整できる。
【0031】
撮像手段81は、筐体810内に配設され照明手段82が発する光を下方に向けて反射して方向変換するハーフミラー811と、筐体810内のハーフミラー811の下側に配設されハーフミラー811で反射した光が入光する図示しない対物レンズと、ハーフミラー811の上側に配設されウェーハWで反射され対物レンズが捉えた反射光を光電変換して画像情報として出力する受光部812と、を備えている。受光部812は、例えば、CCD等の複数の受光素子が水平に並んで構成されている。受光素子の各画素が反射光の強さによって伝えるデータは、例えば、輝度値が8ビット階調、即ち、0~255までの256通りで表現される。
【0032】
図1に示すように、加工装置2は、装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。CPUとメモリ等の記憶素子等で構成される記憶部90とを備える制御手段9は、割り出し送り手段60、切り込み送り手段61、及び撮像手段81等に電気的に接続されており、制御手段9の下で、割り出し送り手段60による加工手段62の割り出し送り動作、切り込み送り手段61による加工手段の切り込み送り動作が制御され、また、撮像手段81が形成した撮像画像に基づくエッジアライメントが実施される。
【0033】
以下に、
図1に示す加工装置2によりウェーハWの外周縁Wdをエッジトリミングする場合について説明する。
まず、ウェーハWを複数枚収容したカセット211が、
図1に示すカセット載置台210に載置され、その後、昇降エレベータによりカセット211の高さ調整が行われる。
【0034】
次に、プッシュプル212によりウェーハWがカセット211から1枚引き出され、センタリングガイド213上にウェーハWが載置される。そして、センタリングガイド213の一対のガイドレールが、X軸方向に相互に接近しウェーハWのセンタリングを行う。
【0035】
図示しない搬送手段がセンタリングガイド213上のウェーハWをピックアップして、保持テーブル30まで搬送する。そして、ウェーハWの中心と保持テーブル30の保持面300aの中心とが略合致するようにして、ウェーハWが上面Waを上側に向けた状態で保持面300aと枠体301の上面301aとに跨って載置される。そして、
図2に示す吸引源39が駆動して生み出される吸引力が保持面300aに伝達され、保持テーブル30が保持面300a上でウェーハWを吸引保持する。
【0036】
図示しない切削送り手段が保持テーブル30をX軸方向に移動させるとともに、割り出し送り手段60が撮像手段81をY軸方向に移動させて、
図3に示すように、撮像手段81の撮像領域内にウェーハWの外周縁Wdと枠体301の上面301aとが収まるように保持テーブル30が所定位置に位置付けられる。撮像手段81のピントがウェーハWの上面Waに合うようにオートフォーカスが行われた後、撮像手段81によりウェーハWの外周縁Wdの撮像が行われる。
【0037】
即ち、照明手段82の光源が所定光量の光を発し、光源から発せられた光が、伝送光学系821を通り筐体810内に至り、ハーフミラー811で反射し、図示しない対物レンズを介してウェーハWの上面Waの外周縁Wd及び枠体301の上面301aに投光される。そして、ウェーハWからの反射光が、図示しない対物レンズで捉えられ受光部812の受光素子に入射する。一方、枠体301の上面301aはウェーハWの上面Waよりも低反射の黒色面に形成されているため、上面301aからの反射光はほとんどなく受光部812にも入射しない。
なお、ウェーハWが、ウェーハWよりも大径の保護テープを介して環状フレームに支持され、環状フレームを用いたハンドリングが可能な状態になっている場合には、保護テープは透明なテープであるとよい。この場合には、透明な保護テープの環状フレームの内周縁とウェーハWの外周縁Wdとの間の領域の下方に、枠体301の黒色の上面301aが透けて見える状態になるため、上記と同様の撮像が可能となる。
【0038】
撮像手段81から
図1に示す制御手段9に撮像画像情報が送られる。撮像手段81が得た画像では、受光部812の各受光素子において、ウェーハWに対応する受光素子は受光量が多くその輝度値が255に近づいて白色に近づき、枠体301の上面301aに対応する受光素子は受光量が非常に少なくその輝度値が0に近づいて黒色に近づく。制御手段9は、例えば、
図1、3に示す画像処理部92を備えており、画像処理部92は送られてきた撮像画像情報に対して、光の輝度値が所定の閾値を越えた部分を白とし、光の輝度値が所定の閾値以下の部分を黒とする2値化処理を行う。なお、画像処理部92による2値化処理は行われなくてもよい。
【0039】
そして、2値化処理後の撮像画像Gは、所定の解像度の仮想的な出力画面B(X軸Y軸直交座標系)上に表示される。
本発明に係る保持テーブル30は、ウェーハWを吸引保持する保持面300aを有した保持部300と、保持部300を囲繞する枠体301と、を備え、枠体301の内径は保持するウェーハWの外径よりも小さく、且つ、枠体301の外径は保持するウェーハWの外径よりも大きく形成されるとともに、枠体301の上面301aは保持するウェーハWの上面Waよりも低反射に形成されているため、ウェーハWに照明手段82から光を投光して撮像を行うと、
図3に示す形成された撮像画像Gは、ハレーションが起きておらずウェーハWと枠体301とが明確に区別可能に表示される。即ち、形成された撮像画像Gにおいて、例えば、ウェーハWのみが白く写り、枠体301は黒く写るため、ウェーハWの外周縁Wdを正確に検出できる。
【0040】
制御手段9は、ウェーハWの外周縁Wdを正確に表示する撮像画像Gを基にして、撮像画像G中のウェーハWの外周縁Wd上の一点であるエッジ座標Pの座標位置を決定し、
図1に示す記憶部90にエッジ座標Pの座標位置を記憶する。
【0041】
上記のような撮像画像Gの形成及びエッジ座標Pの決定が、少なくともウェーハWの外周縁Wdの離間した2箇所でさらに行われ、エッジ座標Pを含む少なくとも3点のエッジ座標を制御手段9が決定して記憶部90に記憶する。さらに、3点のエッジ座標に基づく幾何学的演算処理を制御手段9が実施して、保持テーブル30に保持されたウェーハWの中心点の座標位置が求められる。
【0042】
制御手段9は保持テーブル30の保持面300aの中心の座標位置を常に把握しているため、保持テーブル30に保持されたウェーハWの中心点の座標位置が求められたことで、ウェーハWの中心点と保持テーブル30の保持面300aの中心とのズレ量を制御手段9が認識できる。したがって、例えば、該ズレ量を補正した加工手段62の適切な割り出し送り量等を制御手段9は決定できる(所謂、エッジアライメントが実施可能となる)。
【0043】
例えば、上記のようにウェーハWの外周縁Wdのエッジ座標Pの座標位置が検出された後、保持テーブル30が所定の切削送り速度で-X方向に切削送りされて、保持テーブル30に保持されたウェーハWが、
図4に示すように加工手段62の下方に位置付けられる。そして、エッジアライメントが行われて、割り出し送り手段60が、ウェーハWの外周縁Wdのエッジ座標Pの座標位置を基準として、加工手段62をY軸方向に移動させ、ウェーハWの外周縁Wdから所定距離だけ径方向内側の位置に切削ブレード623を位置付ける。即ち、例えば、切削ブレード623の端面の約2/3が、ウェーハWの外周縁Wdを含むウェーハWの外周余剰領域Wa2に接触するように切削ブレード623が位置付けられる。
なお、エッジアライメントは、上記のようなウェーハWの外周縁Wdのエッジ座標Pの座標位置を基として該座標位置から所定距離径方向内側に離れた位置を切削ブレード623の位置付け位置と定める手法では無く、予め認識されているウェーハWの半径の値を用いて、ウェーハWの中心点の座標位置から所定距離径方向外側に離れた位置を切削ブレード623の位置付け位置と定める手法であってもよい。
【0044】
次いで、図示しないモータがスピンドル620を+Y方向側から見て反時計回り方向に高速回転させることで、スピンドル620に固定された切削ブレード623を+Y方向側から見て反時計回り方向に高速回転させる。さらに、
図1に示す切り込み送り手段61が-Z方向に加工手段62を下降させ、切削ブレード623をウェーハWの上面Waから所定深さ切り込ませる。切削ブレード623の切り込み深さは、例えば、ウェーハWのトリミング加工後に実施する研削加工におけるウェーハWの研削量等に基づいて決定される。切削ブレード623を所定の高さ位置まで切り込み送りした後、切削ブレード623を高速回転させ続けた状態で、保持テーブル30を+Z方向側から見て反時計方向に360度回転させることで、ウェーハWの外周縁Wd全周を切削しトリミングする。
【0045】
本発明に係る加工装置2は、保持テーブル30を備え、保持テーブル30の保持面300aに対面して配設され、保持テーブル30で保持されたウェーハWの外周縁Wdを撮像する撮像手段81と、保持面300aに対面して配設され、保持テーブル30で保持されたウェーハWの外周縁Wdに光を投光する照明手段82と、保持テーブル30で保持されたウェーハWを加工する加工手段62と、を備えているため、取得したハレーションの無い撮像画像GからウェーハWの外周縁Wdを正確に検出し、検出したウェーハWの外周縁Wdの正確な座標位置に基づいてウェーハWと加工手段62との位置合わせ(エッジアライメント)を適切に行ってエッジトリミング加工を行うことが可能となる。
【0046】
(2)加工装置の実施形態2
図5に示す加工装置1(以下、実施形態2の加工装置1とする)は、保持テーブル30によって吸引保持されたウェーハWに研削加工を施す装置である。
研削されるウェーハWは、例えば、先に説明した
図2に示すウェーハWと同一のものである。なお、
図5において上方を向いているウェーハWの表面Waは、保護テープTが貼着されて保護される。
【0047】
加工装置1のX軸方向に延びるベース10の前方側(-X方向側)には、オペレータが加工装置1に対して加工条件等を入力するための入力手段110が配設されている。また、ベース10上の前方側には、研削前のウェーハWを収容する第一のカセット111及び研削済みのウェーハWを収容する第二のカセット112が配設されている。第一のカセット111と第二のカセット112との間には、第一のカセット111から研削前のウェーハWを搬出すると共に、研削済みのウェーハWを第二のカセット112に搬入する多関節アームを備えるロボット113が配設されている。
【0048】
ロボット113の可動域には、加工前のウェーハWを仮置きする仮置きテーブル114が設けられており、仮置きテーブル114には位置合わせ手段115が配設されている。位置合わせ手段115は、第一のカセット111から搬出され仮置きテーブル114に載置されたウェーハWを、縮径する位置合わせピンでセンタリングする。
【0049】
ロボット113の可動域には、研削済みのウェーハWを洗浄する洗浄手段116が配設されている。洗浄手段116は、例えば、枚葉式のスピンナー洗浄装置である。
【0050】
位置合わせ手段115の近傍には第一の搬送手段117が配設され、洗浄手段116の近傍には第二の搬送手段118が配設されている。軸部117aにより水平に旋回移動可能でかつ上下動可能である第一の搬送手段117は、仮置きテーブル114に載置されセンタリングされた研削前のウェーハWを保持テーブル30に搬送し、第二の搬送手段118は、保持テーブル30に保持された研削済みのウェーハWを洗浄手段116に搬送する。
【0051】
保持テーブル30は、カバー31によって周囲から囲まれ、カバー31の下方に配設された図示しない回転手段によりZ軸方向の軸心周りに回転可能に支持されている。カバー31には、X軸方向に伸縮する蛇腹カバー311が連結しており、カバー31及び蛇腹カバー311の下方には、保持テーブル30をX軸方向に往復移動させる図示しないX軸方向移動手段が配設されている。X軸方向移動手段は、モータによりボールネジを回動させることで保持テーブル30を移動させるボールネジ機構である。
【0052】
加工装置1の後方側(+X方向側)には、コラム12が立設されており、コラム12の前面には加工手段7を保持テーブル30に対して離間又は接近する鉛直方向(Z軸方向)に研削送りする研削送り手段15が配設されている。研削送り手段15は、鉛直方向の軸心を有するボールネジ150と、ボールネジ150と平行に配設された一対のガイドレール151と、ボールネジ150の上端に連結しボールネジ150を回動させるモータ152と、内部のナットがボールネジ150に螺合し側部がガイドレール151に摺接する昇降板153とを備えており、モータ152がボールネジ150を回動させると、これに伴い昇降板153がガイドレール151にガイドされてZ軸方向に往復移動し、昇降板153に固定された加工手段7がZ軸方向に研削送りされる。
【0053】
加工手段7は、軸方向が鉛直方向であるスピンドル70と、スピンドル70を回転可能に支持するハウジング71と、スピンドル70を回転駆動するモータ72と、スピンドル70の下端に接続された円形状のマウント73と、マウント73の下面に着脱可能に接続された研削ホイール74とを備える。そして、
図6に示すように、研削ホイール74は、ホイール基台740と、ホイール基台740の底面の外縁部に環状に配設された略直方体形状の複数の研削砥石741とを備える。研削砥石741は、例えば、レジンボンドやメタルボンド等でダイヤモンド砥粒等が固着されて成形されている。環状に配列された研削砥石741は、例えば、その最外周の直径がウェーハWのデバイス領域Wa1の半径より大きくデバイス領域Wa1の直径より小さくなるように、かつ、その最内周の直径がデバイス領域Wa1の半径より小さくなるように形成されている。
【0054】
スピンドル70内部には、研削水の通り道となる図示しない流路がスピンドル70の軸方向に貫通して形成されている。この流路はマウント73を通り、ホイール基台740の底面において研削砥石741に向かって研削水を噴出できるように開口している。
【0055】
加工装置1は、
図1に示す実施形態1の加工装置2と同様に、撮像手段81と、照明手段82と、を備えている。撮像手段81及び照明手段82は、例えば、保持テーブル30の移動経路上に配設されており、本実施形態においては、第一の搬送手段117の軸部117aに水平に連結するアーム84の先端に固定されている。
なお、撮像手段81及び照明手段82の配設箇所は上記例に限定されず、撮像手段81及び照明手段82は第一の搬送手段117とは独立して移動可能であってもよい。
【0056】
加工装置2は、装置全体の制御を行う制御手段9を備えており、制御手段9の下で、図示しないX軸方向移動手段による保持テーブル30の移動動作、研削送り手段15による加工手段7の研削送り動作が制御され、また、撮像手段81が形成した撮像画像に基づくエッジアライメントが実施される。制御手段9は、記憶部90及び画像処理部92を備えている。
【0057】
以下に、
図5に示す加工装置1によりウェーハWの裏面Wbを研削する場合について説明する。本研削加工は、ウェーハWを極薄に研削しつつハンドリング性を向上させるための研削加工(所謂、TAIKO研削加工)であり、表面Waのデバイス領域Wa1に対応するウェーハWの裏面Wb中の領域を研削し円形状の凹部を形成し、外周余剰領域Wa2に対応するウェーハWの裏面Wbの領域に補強用の環状の凸部を形成するものである。
【0058】
まず、第一のカセット111内から保護テープTが貼着されたウェーハWが一枚、ロボット113により搬出される。次いで、ロボット113が仮置きテーブル114上にウェーハWを裏面Wb側を上にした状態で載置する。そして、位置合わせ手段115の各位置合わせピンが、ウェーハWの外周縁Wdを押してその位置を修正し、ウェーハWをセンタリングする。
【0059】
センタリングされた状態のウェーハWは第一の搬送手段117により吸着されて、仮置きテーブル114から搬出される。ウェーハWを吸着保持した第一の搬送手段117が旋回移動して、第一の搬送手段117によって、ウェーハWの中心と保持テーブル30の保持面300aの中心とが略合致するようにして、ウェーハWが裏面Wbを上側に向けた状態で保持面300aと枠体301の上面301aとに跨って載置されてから、保持テーブル30が保持面300a上でウェーハWを吸引保持する。
【0060】
図示しないX軸方向移動手段が保持テーブル30をX軸方向に移動させるとともに、軸部117aが回転するのに伴ってアーム84が旋回移動して、撮像手段81の撮像領域内にウェーハWの外周縁Wdと枠体301の上面301aとが収まるように保持テーブル30が所定位置に位置付けられる。撮像手段81のピントがウェーハWの裏面Wbに合うようにオートフォーカスが行われた後、撮像手段81によりウェーハWの外周縁Wdの撮像が行われる。
【0061】
ウェーハWの上面である裏面Wbが光を反射する銀色等の鏡面となっているのに対して、枠体301の上面301aは光を吸収する黒色面となっている。
照明手段82の光源が所定光量の光を発し、光源から発せられた光がウェーハWの裏面Wbの外周縁Wd及び枠体301の上面301aに投光される。そして、ウェーハWからの反射光が、図示しない対物レンズで捉えられ受光部812(
図3参照)の受光素子に入射する。一方、枠体301の上面301aはウェーハWの上面である裏面Wbよりも低反射の黒色面に形成されているため、上面301aからの反射光はほとんどなく受光部812にも入射しない。
【0062】
撮像手段81から
図1に示す制御手段9に撮像画像情報が送られる。制御手段9の画像処理部92は送られてきた撮像画像情報に対して2値化処理を行う。なお、画像処理部92による2値化処理は行われなくてもよい。
【0063】
本発明に係る保持テーブル30は、ウェーハWを吸引保持する保持面300aを有した保持部300と、保持部300を囲繞する枠体301と、を備え、枠体301の内径は保持するウェーハWの外径よりも小さく、且つ、枠体301の外径は保持するウェーハWの外径よりも大きく形成されるとともに、枠体301の上面301aは保持するウェーハWの上面Wbよりも低反射に形成されているため、ウェーハWに照明手段82から光を投光して撮像を行うと、形成された撮像画像にはハレーションが起きておらずウェーハWと枠体301とが明確に区別可能に表示される。即ち、形成された撮像画像において、例えば、ウェーハWのみが白く写り、枠体301は黒く写るため、ウェーハWの外周縁Wdを正確に検出できる。
【0064】
制御手段9は、ウェーハWの外周縁Wdを正確に表示する撮像画像を基にして、実施形態1の加工装置2において説明した場合と同様に、撮像画像に基づくウェーハWの外周縁Wdのエッジ座標の決定、保持テーブル30に保持されたウェーハWの中心点の座標位置の算出を行う。その結果、ウェーハWの中心点と保持テーブル30の保持面300aの中心とのズレ量を補正して行うエッジアライメントが実施可能となり、保持テーブル30に保持されたウェーハWと加工手段7の研削砥石741との適切な位置合わせが可能となる。
【0065】
ウェーハWを保持した保持テーブル30が、加工手段7の下まで+X方向に移動して、加工手段7の研削砥石741と保持テーブル30に保持されたウェーハWとの位置合わせがなされる。この位置合わせは、例えば、ウェーハWの外周縁Wdのエッジ座標の位置を基準として、ウェーハWの外周縁Wdから所定距離だけ径方向内側の位置に研削砥石741を位置付ける。即ち、
図6に示すように、例えば、ウェーハWの外周余剰領域Wa2の内周縁と研削砥石741の回転軌道の最外周の一部とが重なり、かつ、研削砥石741の回転軌道がウェーハWの回転中心を通るように行われる。
【0066】
研削砥石741とウェーハWとの位置合わせが行われた後、モータ72がスピンドル70を例えば+Z方向側から見て反時計回り方向に回転駆動するのに伴って研削砥石741が回転する。また、加工手段7が-Z方向へと送られ、
図6に示すように回転する研削砥石741がウェーハWの裏面Wbに当接することで裏面Wbの研削が行われる。研削加工中は、研削水をスピンドル70中の流路を通して研削砥石741とウェーハWとの接触部位に対して供給して、接触部位を冷却・洗浄する。また、研削加工中は、保持テーブル30が+Z方向側から見て反時計回り方向に自転するのに伴って、保持テーブル30上に保持されたウェーハWも回転する。
【0067】
研削加工中は、例えば、ウェーハWの回転中心が、常に研削砥石741の回転軌道の最外周よりも内側でかつ回転軌道の内周より外側に位置するようにして、研削砥石741が回転する。更に、その研削砥石741の回転軌道の最外周が、ウェーハWの外周余剰領域Wa2に対応する裏面Wbの外周領域に接触しないように加工制御がなされる。そのため、研削砥石741がウェーハWのデバイス領域Wa1に対応する裏面Wbの中央領域を研削していき、該中央領域が円形の凹状に研削加工されていくことで、円形凹部Wb1が形成される。また、ウェーハWの裏面Wbに、外周余剰領域Wa2に対応し円形凹部Wb1を囲繞する環状凸部Wb2が+Z方向に向かって突出するように形成される。
【0068】
本発明に係る加工装置1は、保持テーブル30を備え、保持テーブル30の保持面300aに対面して配設され、保持テーブル300aで保持されたウェーハWの外周縁Wdを撮像する撮像手段81と、保持面300aに対面して配設され、保持テーブル30で保持されたウェーハWの外周縁Wdに光を投光する照明手段82と、保持テーブル30で保持されたウェーハWを加工する加工手段7と、を備えているため、取得したハレーションの無い撮像画像からウェーハWの外周縁Wdを正確に検出し、検出したウェーハWの外周縁Wdの正確な座標位置に基づいてウェーハWと加工手段7との位置合わせ(例えば、エッジアライメント)を適切に行って所謂TAIKO研削を行うことが可能となる。
【0069】
なお、本発明に係る加工装置は上記実施形態1の加工装置2及び実施形態2の加工装置1に限定されるものではなく、添付図面に図示されている加工装置2及び加工装置1の構成についても、図示の例に限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。例えば、実施形態2の加工装置1において、撮像手段81及び照明手段82は、仮置きテーブル114の上方に配設されており、仮置きテーブル114上でウェーハWの外周縁Wdの撮像及びウェーハWの外周縁Wdの正確な検出が行われてもよい。
【符号の説明】
【0070】
W:ウェーハ Wa:ウェーハの表面 Wb:ウェーハの裏面 S:分割予定ライン D:デバイス Wd:ウェーハの外周縁
2:加工装置 20:基台
210:カセット載置台 211:カセット 212:プッシュプル 213:センタリングガイド 219:洗浄手段
30:保持テーブル 300:保持部 301:枠体 31:カバー
60:割り出し送り手段 61:切り込み送り手段 62:加工手段 623:切削ブレード
81:撮像手段 810:筐体 811:ハーフミラー 812:受光部 82:照明手段 821:伝送光学系
1:加工装置 10:ベース 110:入力手段 111:第一のカセット 112:第二のカセット 113:ロボット 114:仮置きテーブル 115:位置合わせ手段
116:洗浄手段 117:第一の搬送手段 118:第二の搬送手段
15:研削送り手段 7:加工手段 74:研削ホイール