(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理装置において部分研磨されるべき領域を特定する方法
(51)【国際特許分類】
B24B 37/005 20120101AFI20220922BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220922BHJP
B24B 49/02 20060101ALI20220922BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20220922BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B24B37/005 Z
H01L21/304 622S
H01L21/304 622Q
H01L21/304 621E
B24B49/02 Z
B24B49/10
B24B49/12
(21)【出願番号】P 2019003449
(22)【出願日】2019-01-11
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203611
【氏名又は名称】奈良 大地
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 和英
(72)【発明者】
【氏名】小畠 厳貴
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114582(JP,A)
【文献】特開2012-138442(JP,A)
【文献】特開2014-154874(JP,A)
【文献】特開2016-058724(JP,A)
【文献】特開2018-134710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B37/00-37/34
H01L21/304;21/463
B24B41/00-51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置において、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する方法であって、
基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面を研磨するための基板研磨装置であって、膜厚センサを備える基板研磨装置と、
前記基板研磨装置により研磨された基板の前記被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置と、
を備える基板処理装置において、
前記基板研磨装置により第1基板の被処理膜の全面を研磨する全体研磨工程と、
前記全体研磨工程の後に、前記基板研磨装置の前記膜厚センサにより前記第1基板の膜厚分布を取得する膜厚測定工程と、
前記膜厚測定工程により得られた膜厚分布のデータから、前記部分研磨装置により部分研磨されるべき前記第1基板の領域を特定する特定工程と、を有する、
方法。
【請求項2】
前記基板研磨装置は、前記被処理膜の全面を研磨テーブル上に配置された研磨パッドに押圧し、液体供給機構によりスラリを供給しながら、前記
第1基板と前記研磨パッドとを相対運動させることで、化学的機械的研磨により前記被処理膜を研磨する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膜厚センサは、前記被処理膜の前記
第1基板の面内における膜厚分布を測定する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータは、
前記第1基板の中心からの半径を1つの次元、被処理膜の膜厚をもう1つの次元とする2次元的な膜厚プロファイルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記の部分研磨されるべき領域の特定において、複数の前記膜厚プロファイルを用いて算出された代表膜厚プロファイルを用いて、
前記第1基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域を特定する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記の、代表膜厚プロファイルを用いて部分研磨されるべき領域を特定する段階において、複数の前記膜厚プロファイルについて、各半径における各膜厚の平均値により代表膜厚プロファイルを算出し、算出された代表膜厚プロファイルを用いて、
前記第1基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域を特定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記膜厚プロファイルは、前記膜厚センサの実測値から得られた膜厚プロファイルであるか、前記膜厚センサの出力した信号から生成されたセンサ出力マップから抽出された膜厚プロファイルである、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記膜厚プロファイルとあらかじめ設定された目標膜厚プロファイルとが比較されることにより、
前記第1基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域が特定される、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記膜厚プロファイルもしくは代表膜厚プロファイルと前記目標膜厚プロファイルとの差分により、部分研磨されるべき領域の研磨量分布がさらに特定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記膜厚センサから得られるデータは、前記基板研磨装置による前記被処理膜の研磨が終了した後に、前記基板研磨装置の前記液体供給機構から前記研磨パッドに向けて水を供給しながら前記膜厚センサを動作させて得られたデータである、
請求項2、および請求項2を引用する請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
スラリによって前記被処理膜の研磨が行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板研磨装置は前記膜厚センサを前記研磨テーブルに複数備える、
請求項2、および請求項2を引用する請求項3から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
基板処理装置であって、
基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面を研磨するための基板研磨装置であって、
研磨パッドが取り付けられる研磨テーブルと、
前記基板を保持して、前記被処理
膜を前記研磨パッドに押圧する基板保持部と、
前記被処理膜の前記基板面内における膜厚分布を測定する膜厚センサと、
を備え、前記基板と前記研磨パッドとを相対運動させることが可能である、基板研磨装置と、
前記基板研磨装置により研磨された基板の前記被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置と、
制御部と、
を備える基板処理装置であって、
前記制御部は、
前記基板研磨装置により第1基板の被処理膜の全面を研磨した後に、前記基板研磨装置の前記膜厚センサにより前記第1基板の前記被処理膜の膜厚分布を測定し、前記第1基板の測定された膜厚分布のデータから、前記部分研磨装置により部分研磨されるべき前記第1基板の領域を特定する、
基板処理装置。
【請求項14】
前記膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータは、
前記第1基板の中心からの半径を1つの次元、膜厚をもう1つの次元とする2次元的な膜厚プロファイルである、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記基板処理装置は、前記研磨パッド上にスラリ、純水もしくは薬液のいずれかを供給する液体供給機構を備える、請求項13または14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記基板研磨装置もしくは前記部分研磨装置にて研磨した前記基板を洗浄する洗浄装置と、
前記基板の洗浄後に該基板を乾燥させる乾燥装置と、
前記基板研磨装置、前記部分研磨装置、前記洗浄装置及び前記乾燥装置間で前記基板を搬送する搬送装置と、
を備え、
前記制御部は、前記基板研磨装置、前記部分研磨装置、前記洗浄装置、前記乾燥装置及び前記搬送装置の動作を制御する、
請求項13から15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記部分研磨装置は、
前記基板の被処理面を上向きに保持するためのステージと、
部分研磨パッドを保持するための部分研磨ヘッドと、
前記部分研磨ヘッドを保持するための保持アームと、
前記保持アームを、前記ステージの表面に対して垂直な方向に移動させるための垂直駆動機構と、
前記保持アームを、前記ステージの表面に対して平行な方向に移動させるための平行駆動機構と、
を有する、
請求項13から16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記部分研磨装置は、前記ステージ上に配置された基板の位置を検出するための検出部を有する、
請求項17に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨する基板研磨装置と、基板研磨装置により研磨された基板の被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置を備えた基板処理装置および基板処理装置において部分研磨されるべき領域を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、処理対象物(例えば半導体基板などの基板または基板の表面に形成された各種の膜)に対して各種処理を行うために処理装置が用いられている。処理装置の一例としては、処理対象物の研磨処理等を行うためのCMP装置を含む装置が挙げられる。
【0003】
基板処理装置は、処理対象物の研磨処理を行うための研磨ユニット、処理対象物の洗浄処理及び乾燥処理を行うための洗浄ユニット、及び、研磨ユニットへ処理対象物を受け渡すとともに洗浄ユニットによって洗浄処理及び乾燥処理された処理対象物を受け取るロード・アンロードユニット、などを備える。また、基板処理装置は、研磨ユニット、洗浄ユニット、及びロード・アンロードユニット内で処理対象物の搬送を行う搬送機構を備えている。基板処理装置は、搬送機構によって処理対象物を搬送しながら研磨、洗浄、及び乾燥の各種処理を順次行う。
【0004】
昨今の半導体デバイスの製造における各工程への要求精度は既に数nmのオーダーに達しており、CMPもその例外ではない。この要求を満たすべく、CMPでは研磨及び洗浄条件の最適化が行われる。しかし、最適条件が決定しても、構成要素の制御バラつきや消耗材の経時変化による研磨及び洗浄性能の変化は避けられない。また、処理対象である半導体ウェハ自身にもバラつきが存在し、例えばCMP前において処理対象物に形成される膜の膜厚やデバイス形状のバラつきが存在する。これらのバラつきはCMP中及びCMP後においては残膜のバラつきや不完全な段差解消、更には本来完全に除去すべき膜の研磨においては膜残りといった形で顕在化する。このようなバラつきはウェハ面内ではチップ間やチップ間を横断した形で発生し、更にはウェハ間やロット間でも発生する。現状は、これらのバラつきをある閾値以内となるように、研磨中のウェハや研磨前のウェハに対する研磨条件(たとえば研磨時にウェハ面内に与える圧力分布、ウェハ保持テーブルの回転数、スラリ)及び洗浄条件を制御すること、および/または閾値を超えたウェハに対するリワーク(再研磨)を行うことで対処している。
【0005】
しかし、上述のような研磨条件によるバラつきの抑制効果は、主にウェハの半径方向に対して現れるために、ウェハの周方向に対するバラつきの調整は困難である。さらに、CMP時の処理条件やCMPにより研磨する膜の下層の状態により、ウェハ面内において局所的な研磨量の分布のバラつきが生じることもある。また、CMP工程におけるウェハの半径方向の研磨分布の制御に関して、昨今の歩留まり向上の観点からウェハ面内のデバイス領域が拡大してきており、よりウェハのエッジ部まで研磨分布を調整する必要がでてきている。ウェハのエッジ部では、研磨圧力分布や研磨材であるスラリの流入のバラつきの影響がウェハの中心付近よりも大きくなる。研磨条件及び洗浄条件の制御やリワークは、基本的にはCMPを実施する研磨ユニットにて行っている。この場合、ウェハ面に対して研磨パッドが全面接触していることがほとんどであり、一部が接触している場合でも、処理速度の維持の観点からは、研磨パッドとウェハとの接触面積は大きく取らざるを得ない。このような状況では、例えばウェハ面内の特定の領域にて閾値を超えるバラつきが発生
したとしても、これをリワーク等で修正する際には、その接触面積の大きさが故にリワークが不要な部分に対しても研磨を施してしまうことになる。その結果として、本来求められる閾値の範囲に修正することが困難となる。従って、より小領域の研磨及び洗浄状態の制御が可能な構成でかつウェハ面内の任意の位置に対して、処理条件の制御やリワークといった再処理が施せる方法及び装置を提供することが求められる。
【0006】
この要求を満たすべく、基板全体をCMP研磨した後に基板の一部を研磨する(修正する、リワーク(再加工)する)部分研磨装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
部分研磨装置によって部分研磨されるべき箇所または領域を特定するためには、部分研磨前(CMP後)の処理対象物の状態、たとえば基板上の被処理膜の膜厚分布の検出が必要である。そして、検出された膜厚分布と目標膜厚分布との差分により、部分研磨されるべき箇所または領域を特定する必要がある。たとえば特許文献1の部分研磨装置では、状態検出部(符号420)が備えられている。特許文献1の状態検出部は基板上に形成された被処理膜の膜厚の分布を検出する。状態検出部からの信号を受け取った制御部は、部分研磨装置が研磨すべき研磨位置と各研磨位置での目標研磨量を算出する。
【0009】
特許文献1では、基板上の被処理膜全面のCMPによる研磨と、CMP後の基板上の被処理膜の部分的な研磨と、の間に基板上の被処理膜の膜厚分布を検出するステップが必要となり得る。ここで、被処理膜の膜厚分布検出ステップでは被処理膜の膜質に応じて従来の渦電流式、光学式等の測定手段により測定が行われるが、これらの測定手段にて基板面内の被処理膜の膜厚分布の測定を行う場合、比較的長い時間を要し得る。特により高精度の部分研磨による膜厚の修正を行う場合は測定点数が膨大になることで、本ステップは多大な時間を要することになる。このような状況では、特許文献1においては基板の部分的な研磨を実行するまでの時間が長期化し、ひいては基板の処理速度が大幅に低下し得た。
【0010】
そこで本願は、上記の課題に鑑み、CMP後の基板上の被処理膜の膜厚分布を迅速に把握し、ひいては高い基板の処理速度を実現することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、一実施形態として、基板処理装置において、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する方法であって、基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面を研磨するための基板研磨装置であって、膜厚センサを備える基板研磨装置と、基板研磨装置により研磨された基板の被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置と、を備える基板処理装置において、基板研磨装置の膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータから、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する、方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】基板から見た膜厚センサの軌道を示す図である。
【
図4】膜厚センサの出力した信号のプロファイルを模式的に示すグラフである。
【
図8】基板処理装置により基板を研磨する手法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】制御部による処理の一例を示すグラフである。
【
図10】制御部による処理の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<基板処理装置の概観>
一実施形態にかかる基板処理装置100の上面図を
図1に示す。
図1およびその他の図は模式図に過ぎないことに留意されたい。たとえば、実際の基板処理装置は
図1と異なった形状であってよい。たとえば、実際の基板処理装置は
図1に図示されていない要素を有していてもよい。基板処理装置およびその部品の具体的な構成は以下に説明される構成に限られない。
【0014】
図1の基板処理装置100は、ロード・アンロード部110と、研磨部120と、を備える。基板処理装置100はさらに、基板搬送ユニット130及び140と、基板洗浄・乾燥部150と、制御部160と、を備える。ロード・アンロード部110は、FOUP111と、ロード・アンロード部の搬送ロボット112と、を備えてよい。研磨部120は、第1の研磨装置121と、第2の研磨装置122と、第3の研磨装置123と、第4の研磨装置124と、を備えてよい。第1の研磨装置121から第4の研磨装置124の少なくとも一つは、基板の少なくとも一方の面の全面を研磨するための一般的なCMP装置であってよい。CMP装置は、研磨パッドを取り付けるための研磨テーブル(図示せず)と、基板を取り付けるためのトップリング(図示せず)と、を備える。第1の研磨装置121から第4の研磨装置124の少なくともひとつは部分研磨装置を含む。追加または代替として、基板処理装置100と独立した部分研磨装置があってもよい。第1の研磨装置121~第4の研磨装置124は、CMP機能と部分研磨機能の双方を有する装置であってよい。部分研磨装置の詳細は後述される。また、基板搬送ユニット130及び140について、例えば140はリニアトランスポーターであり、本リニアトランスポーターは研磨部120の各研磨装置に基板を受け渡す機能を有しても良い。また、基板搬送ユニット130はリニアトランスポーター140間の基板の受け渡しを行う搬送ロボット131及び後述の第1の洗浄部搬送ロボット154へ受け渡す際に一時的に基板を仮置きするステーション132を備えてもよい。また、基板洗浄・乾燥部150は、本図では第1の洗浄モジュール151と、第2の洗浄モジュール152と、乾燥モジュール153と、を備えてよい。基板洗浄・乾燥部150はさらに、第1の洗浄部搬送ロボット154と、第2の洗浄部搬送ロボット155と、を備えてよい。
【0015】
ロード・アンロード部110は、処理が必要な基板を基板処理装置100の外部からロードするために、および、処理が終了した基板を基板処理装置100の内部からアンロードするために設けられている。FOUP111は基板または基板が収容された基板カセットを収容することができる。ロード・アンロード部の搬送ロボット112は所望のFOUP111から/へ、基板を受け取る/受け渡す。ロード・アンロード部の搬送ロボット112によって受け取られた基板は、後述する基板搬送ユニット140および/または図示されない他の機構などによって研磨部120へ送られてよい。
【0016】
研磨部120によって研磨された基板は基板搬送ユニット140及び130内の搬送ロボット131を用いて基板搬送ユニット130内のステーション132に搬送される。ステーション132は研磨された後かつ洗浄される前の基板を保持することが可能であるように構成されている。ステーション132は複数枚の基板を保持することが可能であってもよい。基板搬送ユニット140及び搬送ロボット131は研磨部120から基板搬送ユニット130内のステーション132へ基板を搬送するように構成される。なお、前述の
とおり、基板搬送ユニット140はロード・アンロード部110と研磨部120の間の基板の搬送の少なくとも一部を担当してもよい。
【0017】
ステーション132に保持されている基板は基板洗浄・乾燥部150に搬送される。ステーション132と基板洗浄・乾燥部150との間の基板の搬送は第1の洗浄部搬送ロボット154によって行われる。基板洗浄・乾燥部150に搬送された基板は各洗浄モジュール(第1の洗浄モジュール151、第2の洗浄モジュール152)によって洗浄される。ここで、基板の洗浄については、ロール状のPVAスポンジを基板の表裏面に接触させ、薬液もしくは純水を供給した状態で基板とPVAスポンジを相対運動させるロール洗浄、またペンシル状の小径のPVAスポンジを基板に接触させた状態で揺動させる洗浄、といった接触式洗浄や、メガソニック洗浄や高圧ジェット洗浄といった非接触洗浄を適宜組合せても良い。また、乾燥モジュール153では、洗浄モジュールにより洗浄された基板の乾燥を行う。ここで、乾燥方式としては、基板を高速回転させることで、基板に付着した液体を除去する方式や、IPAを含有したガスを供給しながら基板を高速回転させる方式、などを適宜選択しても良い。なお、乾燥モジュール153は洗浄の最終工程を担当する洗浄モジュールとしての機能と基板を乾燥させる機能の双方を有していてもよい。また、本図では洗浄モジュールは2段であるが、追加的または代替的に、第3の洗浄モジュールを乾燥モジュール153の前段に設けてもよい。
【0018】
第1の洗浄部搬送ロボット154はステーション132から研磨後の基板を受け取り、受け取った基板を第1の洗浄モジュール151に搬送する。また、第1の洗浄部搬送ロボット154は第1の洗浄モジュール151によって洗浄された基板を受け取り、受け取った基板を第2の洗浄モジュール152に搬送する。第2の洗浄部搬送ロボット155は第2の洗浄モジュール152によって洗浄された基板を受け取り、受け取った基板を乾燥モジュール153に搬送する。乾燥モジュール153で乾燥された基板は、何らかの手段、たとえば搬送ロボット112、基板搬送ユニット140または図示されない他の搬送機器などによって乾燥モジュール153から搬出される。乾燥モジュール153から搬出された基板は、ロード・アンロード部110に搬入される。基板は最終的にロード・アンロード部110によって基板処理装置100からアンロードされる。
【0019】
<基板研磨装置の詳細>
図2は、一実施形態にかかる基板研磨装置1210の正面図である。
図2の基板研磨装置1210は研磨部120の少なくとも一部であってよい。たとえば、
図2の基板研磨装置は第1の研磨装置121である。
【0020】
一実施形態にかかる基板研磨装置1210は、研磨テーブル1211と、研磨ヘッド1212と、液体供給機構1213と、制御部1214を備える。制御部1214は、たとえば、ストレージデバイスSTO、プロセッサPROおよび入出力装置I/Oを備えてよい。制御部1214は基板処理装置100の制御部160と同一であってもよく、別個のものであってもよい。
【0021】
研磨テーブル1211の上面には研磨パッド1215が着脱可能に取り付けられている。ここで研磨テーブル1211の「上面」とは、研磨テーブル1211のうち研磨ヘッド1212と対向する面を指す用語である。したがって、研磨テーブル1211の「上面」は「鉛直上方向に位置する面」に限られない。研磨ヘッド1212は研磨テーブル1211と対向するように設けられている。研磨ヘッド1212のうち研磨テーブル1211と対向する面には基板Wfが着脱可能に取り付けられている。液体供給機構1213はスラリなどの研磨液を研磨パッド1215に供給するよう構成されている。液体供給機構1213は、研磨液以外にも純水や洗浄液または薬液などを供給するように構成されていてもよい。
【0022】
一実施形態にかかる基板研磨装置1210は、基板搬送ユニットから基板Wfを研磨ヘッドに受け渡した後、図示しない上下動機構により研磨ヘッド1212を下降させて基板Wfを研磨パッド1215に接触させることができる。上下動機構はエアシリンダ式でもよく、ボールネジによる位置制御式でもよい。また、研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212はモータMOなどによって回転させられる(このモータなどは、「相対運動機構」と呼ばれてもよい)。基板研磨装置1210は、基板Wfと研磨パッド1215とを接触させ、液体供給機構1213により研磨液を供給した状態で研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212の少なくとも一方、好ましくは双方を回転させることで基板Wf上の処理対象膜を研磨する。
【0023】
基板研磨装置1210はさらに、複数の区画に分割されたエアバッグ1216を研磨ヘッド1212内に有してよい。追加または代替として、エアバッグ1216は研磨テーブル1211に設けられていてもよい。エアバッグ1216は基板Wfの領域ごとに研磨圧力を調整するためのゴム状の部材である。エアバッグ1216は、内部に導入された流体の圧力によって体積が変化するように構成されている。なお、「エア」バッグという名称ではあるが、空気以外の流体、たとえば窒素ガスや純水、がエアバッグ1216に導入されてもよい。
【0024】
研磨テーブル1211には膜厚センサ1217が設けられている。膜厚センサ1217は、基板Wf上に形成された膜の厚さまたは基板自体の厚さ(以下では両者をあわせて単に「膜厚」という)を測定することが可能なセンサである。膜厚センサ1217は例えば渦電流センサ、光学式センサ、その他のセンサであってよい。渦電流センサは主に金属膜のような電気伝導性を有する膜、また光学式センサは光の透過性を有する膜に対して有効である。膜厚センサ1217は、典型的には、研磨テーブル1211の研磨中の基板Wfの中心を通過する軌跡上の位置に設置されている。ただし、膜厚センサ1217は他の場所、例えば、基板Wfのエッジ部を精密に測定することを目的として、研磨テーブル1211の中心の近傍などに設けられていてもよい。また、膜厚センサ1217の個数は1個でもよく、2個以上であってもよい。なお、本膜厚センサでの基板Wf上の被処理膜の膜厚測定時間は1点当たりμsecからmsecオーダーであり、よって、膜厚センサ1217が基板Wfを通過する際に、基板Wf面内を通過する軌跡上の複数点の膜厚分布を測定することが可能である。
【0025】
各部品の寸法誤差、組立誤差および回転速度の誤差等が全くない場合、かつ、研磨テーブル1211の回転速度と研磨ヘッド1212の回転速度が所定の組み合わせである場合、基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道は何通りかに限定される。一例として、研磨テーブル1211の回転速度が70 rpm(70 min
-1)かつ研磨ヘッド1212の回転速度が77 rpm(77 min
-1)である場合、基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道は
図3に示される通りとなる。
図3では、膜厚センサ1217の軌道が矢印の付された実線で示されている。この条件下では、研磨テーブル1211が1回転するごとに膜厚センサ1217の軌道が36度回転する。換言すれば、基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道の間隔θは36度である。したがって、この場合の軌道の本数は10本となる(360(度)/36(度/本)=10(本))。
図3中に付された「1」~「10」の符号は、膜厚センサ1217の1周目の軌道~10週目の軌道を表す符号である。
【0026】
典型的な膜厚センサ1217は、基板Wfを通過する際に、基板面内のWf中心を通過する複数の点における膜厚を測定する。
図3にて述べたとおり、膜厚センサ1217は基板Wfと研磨テーブル1211との回転数の組合せにより、基板Wf面内において、複数の軌道を通りながら基板Wf上の被処理膜の膜厚を計測する。膜厚センサ1217の出力
信号は
図4に示すようなプロファイルを有する(
図4では、半径を基準に基板上の位置が定められていることに留意されたい)。ひとつの例として、
図4には3つの軌道上の出力信号が代表して示されている。さらに前述のとおり、膜厚センサ1217の軌道は複数存在し得る。よって、膜厚センサ1217の出力信号の複数の軌跡の組合せから、膜厚の位置依存性を表わしたマップ(
図5参照)を生成することが可能となる。当該マップ、すなわち基板Wfの被研磨面の全面に対する膜厚センサ1217の出力信号の大きさを表すマップを以下では「センサ出力マップ」という。なお、後述するように、センサ出力マップを生成することは必須事項ではない。
【0027】
センサ出力マップのデータポイントは基板Wf上に2次元的に位置する。各データポイントにおいて膜厚センサ1217の出力信号が記録されるので、センサ出力マップは3次元データとなる(位置を表わすための2次元および出力信号の大きさを表わすための1次元、計3次元)。センサ出力マップは、膜厚センサ1217の出力信号の凹凸を十分に解像できる解像度(データポイント数)を有することが好ましい。たとえば、基板Wfの大きさなどの諸条件にもよるが、センサ出力マップのデータポイント数は好ましくは100点×100点以上である。より好ましくは、1000点×1000点以上である。センサ出力マップのデータポイントはxy座標ではなくrθ座標その他の座標で表わされていてもよい。
【0028】
センサ出力マップは、たとえば膜厚センサ1217の実際の出力信号から生成されることによって取得されてよい。センサ出力マップは、基板研磨装置1210を動作させた状態、より具体的には研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212を回転させた場合に膜厚センサ1217が出力した信号から生成される。
【0029】
センサ出力マップを生成する際の、基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道の間隔θは、膜厚センサ1217の出力信号の凹凸を十分に解像できる間隔であることが好ましい。一つの例における、センサ出力マップを生成する際の研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212の回転速度は、基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道の間隔θが10度以下となるよう構成される。たとえば基板Wfから見た膜厚センサ1217の軌道の間隔θが2度ちょうどである場合、軌道の本数は180本となる(360(度)/2(度/本)=180(本))。膜厚センサ1217が基板Wf上の多数の軌道を通ることにより、基板Wfのほぼ全面について膜厚センサ1217の信号が出力される。基板Wfのほぼ全面についての出力信号から、センサ出力マップを生成して取得することが可能である。センサ出力マップは基板Wfの研磨中に生成されてもよい。センサ出力マップは、基板Wfの研磨ステップ後において生成されてもよい。後者においては、センサ出力マップの生成は、基板Wfが実質的に研磨されない条件下において実行するのが望ましい。たとえば研磨ステップ終了後に、液体供給機構1213から純水を供給して研磨液が除去された状態で、研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212を回転させることで実行されてもよい。上記に説明した方法によれば、
図5に示されるようなセンサ出力マップ190が生成される。
【0030】
取得されたセンサ出力マップ(たとえば
図5のセンサ出力マップ190)に描いた任意の線上において、膜厚センサ1217の出力した信号の値をプロファイル化することができる。なお、ここにいう「線」は直線に限らない。したがって、取得されたセンサ出力マップから、任意の軌道上のプロファイルを算出することができる。
【0031】
<部分研磨装置の詳細>
図6は、一実施形態による部分研磨装置1000を模式的に示す斜視図である。部分研磨装置1000は研磨部120の少なくとも一部であってよい。たとえば、
図6の部分研磨装置1000は第1の研磨装置121~第4の研磨装置124の少なくとも一つの少な
くとも一部であってよい。一実施形態にかかる部分研磨装置1000はベース面1002の上に配置されている。部分研磨装置1000は図示しない筐体内に設置されてよい。
【0032】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は、基板Wfを上向きに保持するステージ400を備える。ステージ400は基板Wfを任意の手段で、たとえば真空吸着によって固定可能であってよい。一実施形態にかかる部分研磨装置1000は、ステージ400の周りに上下動が可能な複数のリフトピン402を備えている。リフトピン402は基板搬送装置から基板Wfを受け取り、基板Wfをステージ400に置くために用いられてよい。部分研磨装置1000は基板Wfの位置決めのための位置決め機構404を備えてもよい。
図6の位置決め機構404は位置決めピン(図示せず)と位置決めパッド406とを含む。位置決め機構404は、リフトピン402上に基板Wfが載せられた状態において、位置決めパッド406を基板Wfに押し付けることで基板Wfの位置決めを行うことができる。
【0033】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は検出部408を備える。検出部408はステージ400上に配置された基板Wfの位置を検出する。検出部408は、たとえば基板Wfのノッチ又はオリエンテーションフラットの位置を基準として基板Wfの任意の点を特定することが可能である。結果として、所望の領域の部分研磨が可能となる。
【0034】
ステージ400は、回転駆動機構410により回転軸400Aを中心に回転可能および/または角度回転可能に構成される。ここで、「回転」とは、一定の方向に連続的に回転することを意味しており、「角度回転」とは、所定の角度範囲で円周方向に運動(往復運動も含む)することを意味している。追加または代替として、ステージ400は、保持された基板Wfを平行移動させる機構を備えてもよい。
【0035】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は研磨ヘッド500を備える。研磨ヘッド500は円板形状の研磨パッド502を保持することができる。具体的には、研磨ヘッド500は、研磨パッド502の側面が基板Wfに向くように研磨パッド502を保持する。研磨パッド502の中心には回転シャフト510が挿入されている。ただし、円板形状以外の形状、たとえば円柱状、球状等の研磨パッド502を用いることもできる。また、研磨パッド502が水平移動するように構成されている場合、研磨パッド502は直方体形状等の形状であってもよい。
【0036】
他の例として、
図7に示すように、部分研磨装置1000は複数の研磨ヘッド500を備えてもよい。一つの研磨ヘッド500と基板Wfの中心との間の距離と、他の一つの研磨ヘッド500と基板Wfの中心との間の距離が同一の場合、部分研磨の研磨レートが約2倍になると考えられる。それぞれの研磨ヘッド500と基板Wfの中心との間の距離が異なる場合、複数の研磨ヘッド500によって異なる領域を同時に部分研磨することが可能となる。
【0037】
ここで、研磨パッド502は、例えば発泡ポリウレタン系のハードパッド、スウェード系のソフトパッド、又は、スポンジなどで形成される。ここで、基板面内での被処理膜の膜厚分布のバラつき低減のための制御やリワークにおいては、研磨パッド502と基板Wfとの接触領域が小さいほど、種々のバラつきに対応が可能となる。また、研磨パッドの種類は研磨対象物の材質や除去すべき領域の状態に対して適宜選択すれば良い。例えば除去対象領域が同一材料で且つ局所的な凹凸を有する場合においては、段差解消性が重要な場合があり、その様な場合においては、段差解消性能の向上を目的として、ハードパッド、すなわち硬度や剛性の高いパッドを研磨パッドとして使用しても良い。一方で研磨対象物が例えばLow-k膜等の機械的強度の低い(弱い)材料である場合や複数の材料を同時に処理する場合、被研磨面のダメージ低減のために、ソフトパッドを使用しても良い。
また、スラリのような研磨液が用いられる場合、処理対象物の除去速度、ダメージ発生の有無は単に研磨パッドの硬度や剛性だけでは決まらないため、適宜選択しても良い。また、これらの研磨パッドの表面には、例えば同心円状溝やXY溝、渦巻き溝、放射状溝といった溝形状が施されていても良い。更に、研磨パッドを貫通する穴を少なくとも1つ以上研磨パッド内に設け、本穴を通して処理液を供給しても良い。また、研磨パッドが小さく、研磨パッドを通した研磨液の供給が困難な場合は、例えば保持アーム600に研磨液供給ノズル702を持たせ、保持アーム600の揺動とともに移動させても良く、また、保持アーム600とは独立に研磨液供給ノズル702を設置しても良い。また、研磨パッドを例えばPVAスポンジのような、処理液が浸透可能なスポンジ状の材料を使用しても良い。これらにより、研磨パッド面内での処理液の流れ分布の均一化や研磨で除去された副生成物の速やかな排出が可能となる。
【0038】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は研磨ヘッド500を保持するための保持アーム600を備える。保持アーム600は研磨パッド502を駆動させるための駆動機構、たとえば研磨パッド502を回転させるためのモータ、を備える。駆動機構は研磨パッド502の回転速度を変更(調整)可能な機構であってよい。他の例として、駆動機構は研磨パッド502を水平移動させるための機構であってもよい。
【0039】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は、保持アーム600を基板Wfの表面に対して垂直な方向(
図6においてはz方向)に移動させるための垂直駆動機構602を備える。垂直駆動機構602は、基板Wfを部分研磨するときに基板Wfに研磨パッド502を押圧するための押圧機構としても機能する。
【0040】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は、保持アーム600を基板Wfの表面に対して水平な方向(
図6においてはx方向および/またはy方向)に移動させるための水平駆動機構620を備える。
【0041】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は研磨液供給ノズル702を備える。研磨液供給ノズル702は研磨液、たとえばスラリの供給源(図示せず)に流体的に接続されている。一実施形態では、研磨液供給ノズル702は保持アーム600に保持されている。また、研磨液供給ノズル702は、スラリのような研磨液の他にも、純水、洗浄薬液を供給してもよい。また、部分研磨での除去量は例えば50nm未満、好ましくは10nm以下であることが、CMP後の被研磨面の状態(平坦性や残膜量)の維持にとっては望ましい。このような膜厚や形状のバラつき量が数nm~数十nmオーダーと小さく、通常のCMPほどの除去速度が必要ない場合は、適宜研磨液に対して希釈等の処理を行うことで研磨速度の調整を行ってもよい。
【0042】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は基板Wfを洗浄するための洗浄機構200を備える。一実施形態にかかる洗浄機構200は、洗浄ヘッド202、洗浄部材204、洗浄ヘッド保持アーム206、およびリンスノズル208を備える。洗浄部材204は回転可能かつ基板Wfに接触可能に構成されており、部分研磨後の基板Wfを洗浄することができる。追加または代替として、洗浄部材204として、メガソニック洗浄、高圧水洗浄、二流体洗浄等の手法により基板を洗浄する部材が用いられてもよい。洗浄部材204は洗浄ヘッド202に保持される。洗浄ヘッド202は洗浄ヘッド保持アーム206に保持される。洗浄ヘッド保持アーム206は、洗浄ヘッド202および洗浄部材204を駆動、たとえば回転させるための駆動機構をそなえる。洗浄ヘッド保持アーム206はさらに洗浄ヘッド保持アーム206を揺動するための揺動機構を備える。リンスノズル208は図示しない洗浄液供給源に接続されている。洗浄液は、たとえば純水、薬液などとすることができる。リンスノズル208もまた揺動可能であってよい。
【0043】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は、研磨パッド502のコンディショニングを行うためのコンディショニング部800を備える。コンディショニング部800はドレッサ820を保持するドレスステージ810を備える。ドレスステージ810は回転軸400Aと平行な軸を中心に回転可能である。研磨パッド502がドレッサ820に押圧された状態で研磨パッド502およびドレッサ820が回転すると、研磨パッド502がコンディショニングされる。追加または代替として、ドレスステージ810は直線運動可能であってもよい。
【0044】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は第2コンディショナ850を備える。第2コンディショナ850は、基板Wfを研磨している最中の研磨パッド502をコンディショニングするための部材である。第2コンディショナ850は、研磨パッド502の近傍で保持アーム600に保持される。第2コンディショナ850はコンディショニング部材852を移動させて研磨パッド502に押し付けるための移動機構を備える。たとえば、コンディショニング部材852はx方向に移動可能に構成されている。また、コンディショニング部材852は、図示しない駆動機構により、コンディショニング中に回転運動または直線運動が可能であるように構成されてよい。
【0045】
一実施形態にかかる部分研磨装置1000は制御部900を備える。制御部900は、制御部160および/または制御部1214と同一のものであってもよく、独立した部材であってもよい。
【0046】
<膜厚センサの出力信号の利用について>
従来の部分研磨装置1000は、部分研磨装置1000に設けられた状態検出部により基板Wfの被処理膜の膜厚分布を検出し、検出データと目標の膜厚分布から、部分研磨を行うべき箇所または領域の特定及び研磨量を算出していた。この方法では、部分研磨を行うまでに状態検出ステップが必要であり、また、前述のように膨大な測定時間がかかることから、結果として部分研磨のリードタイムが長くなり得た。そこで一実施形態では、基板研磨装置1210の膜厚センサ1217から得られる膜厚分布データから部分研磨されるべき領域及び好ましくは当該領域での研磨量を特定する。この実施形態によれば、事前の状態検出ステップが不要になることで、部分研磨装置1000は基板Wfを受け取り次第すぐに部分研磨を開始することが可能になる。ただし、部分研磨装置1000が状態検出部を備えることが排除されるわけではないことに留意されたい。
【0047】
また、一般的には、研磨量はθ方向(基板Wfの周方向)よりもr方向(基板Wfの半径方向)においてばらつく傾向にあり、基板研磨装置1210による基板Wfの研磨不足部分はリング状に形成されやすい。例としては、
図4に示されるように、基板Wfのエッジ部分の近傍において研磨不足が発生しやすい(膜厚が大きくなりやすい)。そこで、一実施形態においては、膜厚センサ1217から得られるデータとして、基板の中心からの距離(r)を1つの次元、膜厚(t)をもう1つの次元とする2次元的な膜厚プロファイル(以下では「rtプロファイル」という)が用いられる。この実施形態では、部分研磨されるべき領域はリング状となる。この実施形態では、θ方向の情報を用いないことにより、情報処理量が減少し、かつ、部分研磨装置1000の動作の制御が簡便になり、結果として部分研磨に必要な時間が低減され得るという効果がある。一方で、この実施形態では、θ方向の情報を用いないことから基板Wfの精密な部分研磨が困難であるようにも思える。しかし前述のとおり、典型的には研磨不足部分はリング状に形成されやすいので、θ方向の情報を用いないことによる不利益は小さい。
【0048】
まず、制御部(制御部160、制御部900、制御部1214の少なくともいずれか:以下では符号を付けずに単に「制御部」という)は、ある軌道上におけるrtプロファイルを参照する。rtプロファイルには、膜厚センサ1217の実測値(
図4参照)から得
られた膜厚プロファイルのほか、センサ出力マップ(
図5参照)から抽出された膜厚プロファイルを含む。膜厚センサ1217の実測値が用いられる場合、センサ出力マップの生成は必須ではない。なお、rtプロファイルは、基板研磨装置1210による研磨ステップの終了直前に得られたものであるか、基板研磨装置1210による研磨ステップの終了後に、たとえば液体供給機構1213から純水を供給しながら、被処理膜が研磨されない状態で得られたものであることが好ましい。次に、制御部は、膜厚センサ1217の出力した信号から得られた膜厚プロファイルと、目標膜厚プロファイルとの差分から、部分研磨されるべき領域を特定し、更に当該領域内の部分研磨量の分布を算出する。その後、制御部は、部分研磨装置1000を制御して部分研磨されるべき領域を研磨する。ここで、部分研磨で研磨される領域は研磨パッド径及び幅により決まるが、研磨パッド径及び幅は部分研磨されるべき領域よりも十分に小さいため、部分研磨においては、部分研磨される領域の各半径における研磨を累積させることで、部分研磨量分布に相当する研磨を実施する。具体的には、特定された基板Wf上の部分研磨されるべき領域に、水平駆動機構620により研磨ヘッド500を移動させる。その後、垂直駆動機構602により研磨パッド502を基板Wf上の被処理膜に押圧し、研磨液供給ノズル702より研磨液を供給しながら、保持アーム600内の研磨パッド502を駆動させるためのモータ等の駆動機構により、研磨パッド502を回転させながら、ステージ400の回転駆動機構410により基板Wfを回転させながら、基板Wf上の被処理膜をリング状に所定研磨量研磨する。所定研磨量に達したら、水平駆動機構620により研磨ヘッド500を次の半径位置に移動させて同様の研磨を実施する。ここで、研磨ヘッドの移動の際は、研磨ヘッドの移動量が大きい又は、部分研磨される領域が半径方向に不連続に存在する場合は、研磨パッド502の回転及びステージ400上の基板Wfの回転を一旦停止してから移動させてもよく、また、研磨ヘッドの移動量が小さい又は、部分研磨される領域が半径方向に連続に存在する場合は、研磨パッド502の回転及びステージ400上の基板Wfの回転は継続しながら移動してもよい。なお、本移動の際に研磨パッドを一旦コンディショニング部800に移動させ、研磨パッド502の研磨面のコンディショニングを実施した後に、次の半径位置に移動してもよい。
【0049】
上記の制御においては、1つの軌道上におけるrtプロファイルのみが用いられてもよい。この場合、処理されるべき情報量が少ないという利点がある。一方で、複数の軌道上におけるrtプロファイルが用いられてもよい。この場合、膜厚センサ1217の測定値の誤差またはプロファイル上の異常値の影響が低減され得るという効果がある。複数の軌道上におけるrtプロファイルが用いられる場合、各プロファイルの各半径における各膜厚の平均値から代表膜厚プロファイルとしてのrtプロファイルを求めてもよい。他の例として、複数の各rtプロファイルのうち、最大の平均膜厚を持つプロファイルと、最小の平均膜厚を持つプロファイルの平均値から代表膜厚プロファイルとしてのrtプロファイルを求めてもよい。更なる他の例として、複数の各プロファイルのうち膜厚が中央値となるようなプロファイルを代表膜厚プロファイルとしてのrtプロファイルとしてもよい。限定の意図はない一例として、基板Wf上に、周方向に周期的な膜厚分布のパターンが形成されている場合には各プロファイルの平均値から求めた代表膜厚プロファイルとしてのrtプロファイルが用いられてよい。また、限定の意図はない更なる他の例として、基板Wf上に非周期的な膜厚分布のパターンが形成されている場合には、最大膜厚―最少膜厚の平均値や中央値から求めた代表膜厚プロファイルとしてのrtプロファイルが用いられてもよい。
【0050】
また、前述のとおり、基板Wfのエッジ部分の近傍において研磨不足が発生している場合のように、部分研磨すべき領域が特定の範囲内に分布している場合には、rtプロファイルのうち、エッジ部分の近傍に相当する部分のみが用いられてもよい。ここにいうエッジ部分の近傍とは、たとえば基板の半径の80%以上100%以下に相当する領域、たとえば90%以上100%以下に相当する領域、たとえば95%以上100%以下に相当す
る領域である。エッジ部分の近傍の上限は、基板の半径の100%よりも低い値に設定されてもよい。例えば直径300mm基板の場合、基板Wfの半径で130mm以上の領域であってよい。
【0051】
上記の制御について、
図9を用いて図解する。
図9の左側に示されたグラフは
図4とほぼ同一であるが、基板Wfの半径のa(mm)以上b(mm)以下の領域が「特定領域」として特定されている点が異なる。この「特定領域」がrtプロファイルから抽出される。
図9の右側に示されたグラフは、rtプロファイルの「特定領域」から抽出された部分を示す。制御部は、抽出ステップの後、代表膜厚プロファイルを算出してよい。たとえば、
図9の右側のグラフには、3つのrtプロファイルと、当該3つのプロファイルの平均値として求められた代表膜厚プロファイル(代表膜厚分布)が示されている。前述の他の方法によって代表膜厚プロファイルが算出されてもよい。
【0052】
部分研磨されるべき領域および部分研磨量の特定に際しては、rtプロファイルと、あらかじめ設定された目標膜厚値または目標膜厚プロファイル(以下では単に「目標膜厚」という場合がある)とが比較されてよい。制御部は、rtプロファイル上のある箇所における膜厚が目標膜厚より厚いと判断した場合、当該箇所を部分研磨されるべき領域として特定する。なお、目標膜厚については、一定量の許容誤差を有してもよく、許容誤差範囲以上に膜厚が厚いと判断した場合、当該箇所を部分研磨されるべき領域として特定してもよい。制御部は、rtプロファイルと目標膜厚との差を部分研磨量として特定してよい。部分研磨される領域の各半径における部分研磨量は、基板Wfの回転速度を調整することにより研磨パッド502の滞在時間を制御することで制御してもよく、また、研磨パッド502が基板Wfと接している間に基板Wfを複数回周回させことでの累積研磨量によって制御されてよい。両者ともに、事前に研磨パッド502、基板Wfの回転条件や研磨パッド502の押圧条件、更にはスラリのような研磨液の種類、所望の膜厚や凹凸状態に対する研磨速度を事前に取得しておき、データベースとして制御部内に格納され、研磨条件を設定すると自動的に算出されてもよい。本研磨速度を基に、研磨パッド502の滞在時間や、基板Wfの周回数を決定してもよい。基板Wfの回転回数は、たとえば基板Wfのノッチ等の目印を検出部408により、事前に検出しておき、本目印を基準に回転することなどによって算出されてよい。目標膜厚は、事前に入力された研磨レシピから算出または決定されてよい。
【0053】
上記の制御について、
図10を用いて図解する。
図10の左側に示されたグラフは、代表膜厚プロファイル(
図9の右側参照)と、目標膜厚プロファイル(点線)が示されている。この例における目標膜厚プロファイルは、どの半径位置においても同一の値である。他の例として、目標膜厚プロファイルは、半径位置に応じて異なった値を有してもよい。次に、制御部は、代表膜厚プロファイルから目標膜厚プロファイルを差し引くことで、目標研磨量(
図10の右側に示されたグラフ)を算出する。なお、計算結果が負の値になる場合、その箇所(領域)においては部分研磨が不要であるから、その箇所(領域)における目標研磨量はゼロまたはほぼゼロとなる。こうして得られた目標研磨量に従って、制御部は部分研磨装置1000を制御する。
【0054】
基板処理装置100により基板を研磨する手法の一つの例を、
図8のフローチャートに示す。なお、
図8はあくまで一例にすぎず、ステップの削除、追加、内容の変更、順序の変更などが可能であることに留意されたい。また、
図8に示されたステップのうちいくつかは同時にまたは並行して実行されてもよい。たとえば、基板研磨装置1210による基板Wfの研磨はレシピによらずともよく、レシピのインプット(ステップS1)は基板研磨装置1210への基板Wfの搬送(ステップS2)の後、搬送と同時または搬送と並行して実行されてよい。例えば、水を供給しながら基板Wfの膜厚測定をするステップ(ステップS4)を削除し、代替としてステップS3における膜厚センサ1217の出力信号
からrtプロファイルを取得してもよい。その他、種々の変更が適用されてよい。それぞれのステップは制御部などによって自動で制御されてもよく、オペレータによって手動で実行されてもよい。
【0055】
ステップS1:
基板処理装置100に基板Wfの処理レシピがインプットされる。処理レシピはオペレータが随時入力してもよく、制御部(の記憶部)に記憶されているレシピが読みだされてもよい。ここで、処理レシピは基板研磨装置、部分研磨装置、洗浄装置、乾燥装置のそれぞれについて、それぞれ有している。また、各レシピは複数の処理ステップから構成されており、各ステップにおけるパラメータとしては、例えば基板研磨装置については、研磨テーブル1211や研磨ヘッド1212の回転数、基板Wfの研磨パッド1215への押付圧、液体供給機構1213からの研磨液の供給流量、各ステップでの処理時間、膜厚センサ1217による基板Wfの膜厚測定条件、等である。また、部分研磨モジュールについては、各ステップでの処理時間、研磨パッド502の基板Wfやドレステーブルに配置されたドレッサに対する接触圧力もしくは荷重、研磨パッド502や基板Wfの回転数、研磨ヘッド500の基板Wfの半径方向の移動速度、研磨液供給ノズル702から研磨液流量、ドレスステージ810の回転数、等がある。また、基板研磨装置、部分研磨装置、洗浄装置、乾燥装置間の基板Wfの搬送ルートはプロセスによって異なることから、これらの構成要素の搬送ルートの設定を行ってもよい。
【0056】
ステップS2:
たとえばロード・アンロード部110から、搬送ロボット112などによって基板Wfを基板研磨装置1210に搬送する。基板研磨装置1210に搬送された基板は研磨ヘッド1212に取り付けられ、研磨パッド1215に押し付けられる。
【0057】
ステップS3:
ステップS1でインプットされたレシピに基づいて、基板研磨装置1210により基板Wfを研磨する。前述のとおり、基板Wfの研磨の際には液体供給機構1213からスラリ等の液体が供給され、かつ、研磨テーブル1211および研磨ヘッド1212の少なくとも一方、好ましくは双方が回転させられる。膜厚センサ1217により膜厚をモニタし、膜厚が所定の値に達したならばステップS3は終了する。
【0058】
ステップS4:
ステップS3による基板Wfの研磨の後、膜厚センサ1217により基板Wfの膜厚プロファイルを測定する。本ステップでは例えば液体供給機構1213から水(純水)を供給しながら膜厚センサ1217により基板Wfの膜厚プロファイルを測定し、rtプロファイルを算出する。ステップS4においてセンサ出力マップが生成されてもよい。なお、ステップS4における基板研磨装置1210の動作が基板Wfの洗浄を兼ねてもよい。
【0059】
ステップS5:
ステップS4で算出されたrtプロファイルを目標研磨プロファイルと比較することで、部分研磨されるべき領域および部分研磨量を特定する。rtプロファイルは先述のように、膜厚センサ1217の測定値またはセンサ出力マップから得られる(ステップS4参照)。部分研磨されるべき領域および部分研磨量の特定に際してステップS1でインプットされたレシピの情報が用いられてもよい。
【0060】
ステップS6:
基板Wfを研磨ヘッド1212から取り外し、基板Wfを基板研磨装置1210から部分研磨装置1000へ搬送する。この際、基板搬送ユニット140や搬送ロボット131などの搬送装置が用いられてよい。
【0061】
ステップS7:
部分研磨装置1000を用いて、ステップS5により特定された領域に、特定された量の部分研磨を実行する。前述のように、部分研磨装置1000により部分研磨される領域はリング状となる場合においては、ステップS7において、ステップS1で設定されたパラメータに基づき、ステージ400、研磨ヘッド500、保持アーム600等が制御されてよい。
【0062】
ステップS8:
部分研磨の終了後、部分研磨装置1000から基板Wfを搬出する。搬出には基板搬送ユニット140などが用いられてよい。その後、基板洗浄・乾燥部150などによる基板Wfの洗浄や基板Wfの乾燥が実行されてよい。さらにその後、基板Wfはロード・アンロード部110を介して基板処理装置100からアンロードされてよい。
【0063】
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきた。上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0064】
本願は、一実施形態として、基板処理装置において、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する方法であって、基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面を研磨するための基板研磨装置であって、膜厚センサを備える基板研磨装置と、基板研磨装置により研磨された基板の被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置と、を備える基板処理装置において、基板研磨装置の膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータから、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する、方法を開示する。基板研磨装置は、研磨テーブル上に配置された研磨パッドに押圧し、液体供給機構によりスラリを供給しながら、基板と研磨パッドとを相対運動させることで、化学的機械的研磨により被処理膜を研磨してよい。膜厚センサは、被処理膜の基板の面内における膜厚分布を測定するものであってよい。
【0065】
この方法は、CMP後の基板上の被処理膜の膜厚分布を迅速に把握し、ひいては高い基板の処理速度を実現できるという効果を一例として奏する。
【0066】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータは、基板の中心からの半径を1つの次元、被処理膜の膜厚をもう1つの次元とする2次元的な膜厚プロファイルである、方法を開示する。
【0067】
さらに本願は、一実施形態として、部分研磨されるべき領域の特定において、複数の膜厚プロファイルを用いて算出された代表膜厚プロファイルを用いて、基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域を特定する、方法を開示する。
【0068】
さらに本願は、一実施形態として、代表膜厚プロファイルを用いて部分研磨されるべき領域を特定する段階において、複数の膜厚プロファイルについて、各半径における各膜厚の平均値により代表膜厚プロファイルを算出し、算出された代表膜厚プロファイルを用いて、基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域を特定する、方法を開示する。
【0069】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚プロファイルは、膜厚センサの実測値から得られた膜厚プロファイルであるか、膜厚センサの出力した信号から生成されたセンサ出力マ
ップから抽出された膜厚プロファイルである、方法を開示する。
【0070】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚プロファイルとあらかじめ設定された目標膜厚プロファイルとが比較されることにより、基板の半径方向に対して部分研磨されるべき領域が特定される、方法を開示する。
【0071】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚プロファイルもしくは代表膜厚プロファイルと目標膜厚プロファイルとの差分により、部分研磨されるべき領域の研磨量分布がさらに特定される、方法を開示する。
【0072】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚センサから得られるデータは、基板研磨装置による被処理膜の研磨が終了した後に、基板研磨装置の液体供給機構から研磨パッドに向けて水を供給しながら膜厚センサを動作させて得られたデータである、方法を開示する。被処理膜の研磨はスラリによって行われてよい。
【0073】
さらに本願は、一実施形態として、基板研磨装置は膜厚センサを研磨テーブルに複数備える、方法を開示する。
【0074】
さらに本願は、一実施形態として、基板処理装置であって、基板の少なくとも一方の面に成膜された被処理膜の全面を研磨するための基板研磨装置であって、研磨パッドが取り付けられる研磨テーブルと、基板を保持して、被処理面を研磨パッドに押圧する基板保持部と、被処理膜の基板面内における膜厚分布を測定する膜厚センサと、を備え、基板と研磨パッドとを相対運動させることが可能である、基板研磨装置と、基板研磨装置により研磨された基板の被処理膜を更に部分的に研磨するための部分研磨装置と、制御部と、を備える基板処理装置であって、制御部は、基板研磨装置の膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータから、部分研磨装置により部分研磨されるべき領域を特定する、基板処理装置を開示する。基板研磨装置は研磨パッド上にスラリ、純水もしくは薬液のいずれかを供給する液体供給機構を備えてよい。
【0075】
さらに本願は、一実施形態として、膜厚センサから得られる被処理膜の膜厚分布のデータは、基板の中心からの半径を1つの次元、膜厚をもう1つの次元とする2次元的な膜厚プロファイルである、基板処理装置を開示する。
【0076】
さらに本願は、一実施形態として、基板処理装置は、基板研磨装置もしくは部分研磨装置にて研磨した基板を洗浄する洗浄装置と、基板の洗浄後に該基板を乾燥させる乾燥装置と、基板研磨装置、部分研磨装置、洗浄装置及び乾燥装置間で基板を搬送する搬送装置と、を備え、制御部は、基板研磨装置、部分研磨装置、洗浄装置、乾燥装置及び搬送装置の動作を制御する、基板処理装置を開示する。
【符号の説明】
【0077】
100…基板処理装置
110…ロード・アンロード部
111…FOUP
112…搬送ロボット
120…研磨部
121…第1の研磨装置
122…第2の研磨装置
123…第3の研磨装置
124…第4の研磨装置
130…基板搬送ユニット
131…搬送ロボット
132…ステーション
140…基板搬送ユニット(リニアトランスポーター)
150…基板洗浄・乾燥部
151…第1の洗浄モジュール
152…第2の洗浄モジュール
153…乾燥モジュール
154…第1の洗浄部搬送ロボット
155…第2の洗浄部搬送ロボット
160…制御部
190…センサ出力マップ
200…洗浄機構
202…洗浄ヘッド
204…洗浄部材
206…洗浄ヘッド保持アーム
208…リンスノズル
400…ステージ
400A…回転軸
402…リフトピン
404…位置決め機構
406…位置決めパッド
408…検出部
410…回転駆動機構
500…研磨ヘッド
502…研磨パッド
510…回転シャフト
600…保持アーム
602…垂直駆動機構
620…水平駆動機構
702…研磨液供給ノズル
800…コンディショニング部
810…ドレスステージ
820…ドレッサ
850…第2コンディショナ
852…コンディショニング部材
900…制御部
1000…部分研磨装置
1002…ベース面
1210…基板研磨装置
1211…研磨テーブル
1212…研磨ヘッド
1213…液体供給機構
1214…制御部
1215…研磨パッド
1216…エアバッグ
1217…膜厚センサ
Wf…基板
I/O…入出力装置
PRO…プロセッサ
STO…ストレージデバイス