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特許7145128低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤
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  • 特許-低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤
(51)【国際特許分類】
   C08B 11/08 20060101AFI20220922BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
C08B11/08
A61K47/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019149384
(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公開番号】P2021031513
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】小黒 翼
(72)【発明者】
【氏名】平間 康之
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-062654(JP,A)
【文献】米国特許第6380381(US,B1)
【文献】特開2003-238448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B 11/
A61K 47/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5~16質量%であり、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子と、短繊維状粒子とに分類した場合、前記全粒子に対する前記長繊維状粒子の体積分率が50.0%を超える低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであって、
前記微粒子が、繊維長が40μm未満の粒子であり、
前記球状粒子は繊維長が40μm以上であり、かつ繊維径と繊維長の比率である伸長比が0.5以上の第1球状粒子と、伸長比が0.5未満であり、最小フェレー径と最大フェレー径の比率であるアスペクト比が0.5以上であり、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長(PEQPC)と実際の粒子の周囲長(Preal)の比率である円形度が0.7以上である第2球状粒子とからなり、
前記長繊維状粒子は繊維長が200μm以上、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1長繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2長繊維状粒子とからなり、
前記短繊維状粒子は繊維長が40μm以上200μm未満、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1短繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2短繊維状粒子とからなる低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
【請求項2】
前記繊維状粒子及び前記短繊維状粒子からなる繊維状粒子の体積分率が、80.0%以上である請求項1に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
【請求項3】
前記球状粒子の体積分率が、19.0%以下である請求項1又は請求項2に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを少なくとも含む固形製剤。
【請求項5】
錠剤である請求項4に記載の固形製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品又は食品分野において固形製剤中に結合剤や崩壊剤として添加される低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品又は健康食品等の固形製剤は、それらの中に含有される崩壊剤が、吸水、膨潤することによって崩壊する。崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、「L-HPC」とも記載する)、カルボキシメチルセルロース及びそのカルシウム塩、デンプン及びその誘導体等を挙げることができる。
特に医薬品分野では、新規に開発される薬物について不安定なものが増え、利用できる添加物も相互作用の観点から制約されてきている。こうした中でL-HPCは、非イオン性の崩壊剤、結合剤として幅広く使用されてきており、好ましい添加剤といえる。
【0003】
医薬品又は食品の固形製剤の剤型の一つである錠剤は、粉体を一定の形状に圧縮成形した固形製剤であり、取り扱いが容易である等の利点を有し、特に医薬品分野においては全生産額に占める錠剤の比率は約50%と最も汎用されている。
【0004】
錠剤の製造方法としては、乾式直接打錠法、乾式造粒打錠法、押出造粒打錠法、湿式造粒打錠法等が挙げられる。
乾式直接打錠法は、薬物と賦形剤等の混合物を直接打錠して錠剤を得る方法であり、湿式造粒打錠法と比較して、造粒・乾燥・整粒工程を省略できるため、製造工程がシンプルで製造コストを大幅に削減できるメリットを有する。一方で、薬物の含量均一性、錠剤の重量ばらつき、打錠障害等の問題が湿式造粒打錠法よりも生じやすい。
【0005】
打錠障害とは、打錠工程時におけるトラブルであり、代表的なものとしてスティッキング、バインディング、キャッピング等が挙げられる。特に、キャッピングは、錠剤が帽子状に剥離する現象であり、錠剤のコーティング時、充填時や輸送時においても見られる。キャッピングは、外観異常に加え、薬物含量が低下することになるため、発生を抑制する必要がある。例えば、キャッピングの防止を目的として、ヒドロキシプロポキシ基含有量が5~16質量%であり、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子及び短繊維状粒子からなる繊維状粒子とに分類した場合、前記長繊維状粒子の体積分率が15~50%であり、前記短繊維状粒子の体積分率が23~60%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(特許文献1)や、ヒドロキシプロポキシ基含有量が5~16質量%であり、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子及び短繊維状粒子からなる繊維状粒子とに分類した場合、前記長繊維状粒子の体積分率が20~40%であり、前記短繊維状粒子の体積分率が26~60%であり、前記短繊維状粒子の体積分率が前記長繊維状粒子の体積分率より大きい低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-062653号公報
【文献】特開2018-062654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1又は特許文献2に記載のL-HPCは、乾式直接打錠法等に低添加量にて用いる場合には、結合性が不足して、キャッピングが発生する場合があり、改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な結合性、キャッピング防止性能及び崩壊性を有する低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、繊維状粒子、特に長繊維状粒子の割合を制御したL-HPCが、良好な結合性、キャッピング防止性能及び崩壊性を示すことを見出し、本発明を為すに至った。
本発明の一つの様態によれば、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5~16質量%であり、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子と、短繊維状粒子とに分類した場合、前記全粒子に対する前記長繊維状粒子の体積分率が50.0%を超える低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであって、前記微粒子が、繊維長が40μm未満の粒子であり、前記球状粒子は繊維長が40μm以上であり、かつ繊維径と繊維長の比率である伸長比が0.5以上の第1球状粒子と、伸長比が0.5未満であり、最小フェレー径と最大フェレー径の比率であるアスペクト比が0.5以上であり、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長(PEQPC)と実際の粒子の周囲長(Preal)の比率である円形度が0.7以上である第2球状粒子とからなり、前記長繊維状粒子は繊維長が200μm以上、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1長繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2長繊維状粒子とからなり、前記短繊維状粒子は繊維長が40μm以上200μm未満、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1短繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2短繊維状粒子とからなる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが提供される。
また、本発明の他の態様によれば、上述の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを少なくとも含む固形製剤が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、良好な結合性、キャッピング防止性能及び崩壊性を有する高品質な固形製剤を製造することができる。更に、低添加量であっても、固形製剤に対して、良好な結合性、キャッピング防止性能及び崩壊性を付与することができるため、固形製剤中のL-HPC以外の他成分の含量を、従来に比して増加させたり、錠剤の小型化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】L-HPCの「全粒子」を、「微粒子」、「長繊維状粒子(LF1及びLF2)」、「短繊維状粒子(SF1及びSF2)」、「球状粒子(S1及びS2)」及びの4種類の粒子に分類するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、L-HPCについて説明する。
本明細書において、L-HPCは、「長繊維状粒子」、「短繊維状粒子」、「球状粒子」及び「微粒子」の4種類の粒子に分類される。図1は、L-HPCの「全粒子」を、「微粒子」、「長繊維状粒子(LF1及びLF2)」、「短繊維状粒子(SF1及びSF2)」及び「球状粒子(S1及びS2)」の4種類の粒子に分類する方法についてまとめたフローチャートを示す。
L-HPC中の前記各粒子の体積分率は、動的画像解析法により、以下の繊維長(LEFI)、繊維径(DIFI)、伸長比、アスペクト比及び円形度等の形状パラメータを測定することにより算出できる。動的画像解析法とは、気体又は溶媒等の流体に分散させた粒子の画像を連続的に撮影し、二値化・解析を行うことにより粒子径や粒子形状を求める方法である。例えば、動的画像解析式粒度分布測定装置QICPIC/R16(シンパテック社製)を用いて測定できる。
【0012】
全粒子Aは、繊維長(Length of Fiber:LEFI)が40μm以上の粒子Cと、40μm未満の微粒子Bに分けられる。LEFIは、粒子の両端間の長さとして定義され、粒子輪郭の中の片側から別の片側までで最も長い経路である。なお、M7レンズを搭載した場合のQICPIC/R16の検出限界は4.7μmであるため、4.7μm未満の粒子は検出されないが、4.7μm未満のLEFIを有する粒子の体積がL-HPC全体に占める割合は極僅かであることから、本発明の目的上無視できる。
【0013】
LEFIが40μm以上の粒子Cは、繊維径(Diameter of Fiber:DIFI)とLEFIの比率(DIFI/LEFI)である伸長比(elongation)が0.5以上の第1球状粒子(S1)と、0.5未満の粒子Dに分けられる。DIFIは、粒子の短径として定義され、粒子の投影面積を繊維の分枝の全ての長さの合計で割ることにより算出される。
【0014】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満の粒子Dは、最小フェレー径(Fmin)と最大フェレー径(Fmax)の比率(Fmin/Fmax)であるアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の粒子Eと、0.5以上の粒子Fに分けられる。いずれの粒子も、アスペクト比は0を超えて1以下の値となる。フェレー径は、粒子を挟む2本の平行接線間の距離のことであり、最大フェレー径(Fmax)は、粒子を挟む2接線間の距離で、0°から180°まで方向を変化させた時の最大径をいい、最小フェレー径(Fmin)は、粒子を挟む2接線間の距離で、0°から180°まで方向を変化させた時の最小径をいう。
【0015】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満であり、かつアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の繊維状粒子Eは、LEFIが200μm以上の第1長繊維状粒子(LF1)と、200μm未満の第1短繊維状粒子(SF1)に分けられる。
【0016】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満であり、かつアスペクト比(aspect ratio)が0.5以上の粒子Fは、円形度(circularity)が0.7以上の第2球状粒子(S2)と、0.7未満の繊維状粒子Gに分けられる。円形度(circularity)は、粒子の投影面積(A)と同じ面積を有する円における周囲長(PEQPC)と、実際の粒子の周囲長(Preal)の比率で、下記式により定義される。いずれの粒子も、円形度は0を超えて1以下の値となる。円形度が小さいほど、粒子の形はより不規則となる。EQPCは、面積円相当径(Diameter of a ircle of Equal rojection Area)、すなわち、粒子の投影面積と同等の面積を有する円の直径として定義され、Heywod径とも言う。
【0017】
【数1】
【0018】
LEFIが40μm以上、伸長比(elongation)が0.5未満でアスペクト比(aspect ratio)が0.5以上であり、かつ円形度(circularity)が0.7未満の繊維状粒子Gは、LEFIが200μm以上の第2長繊維状粒子(LF2)と、200μm未満の第2短繊維状粒子(SF2)に分けられる。
【0019】
L-HPC中の微粒子の体積(V)は、微粒子を直径がEQPCの球であると仮定することにより、下記式により算出することができる。
=(π/6)×(EQPC)×N
ここで、Nは試料中の微粒子の数であり、EQPCは微粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンEQPCである。
【0020】
本明細書において、全粒子からLEFIが40μm未満の微粒子を除いた、40μm以上のLEFIを有する粒子は、上記の粒子の形状パラメータである、LEFI、伸長比、アスペクト比及び円形度に基づき「長繊維状粒子」、「短繊維状粒子」及び「球状粒子」に分類され、それぞれ区別される。
【0021】
<長繊維状粒子>
以下の定義LF1又はLF2のいずれかを満たす粒子は、「長繊維状粒子」に分類される。
LF1:0.5未満の伸長比、0.5未満のアスペクト比、及び200μm以上のLEFI(繊維長)を有する粒子。
LF2:0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比、0.7未満の円形度及び200μm以上のLEFI(繊維長)を有する粒子。
L-HPC中の長繊維状粒子の体積(VLF)は、長繊維状粒子を、底面の直径をDIFI、高さをLEFIとする円柱と仮定することにより、下記式により算出することができる。
LF=(π/4)×(DIFI)×(LEFI)×NLF
ここで、NLFは試料中の長繊維状粒子の数であり、DIFIは長繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンDIFIであり、LEFIは長繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンLEFIである。
なお、上記LF1及びLF2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の長繊維状粒子の体積である。
【0022】
<短繊維状粒子>
以下の定義SF1又はSF2のいずれかを満たす粒子は、「短繊維状粒子」に分類される。
SF1:0.5未満の伸長比、0.5未満のアスペクト比、及び40μm以上200μm未満のLEFI(繊維長)を有する粒子。
SF2:0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比、0.7未満の円形度及び40μm以上200μm未満のLEFI(繊維長)を有する粒子。
L-HPC中の短繊維状粒子の体積(VSF)は、上記の長繊維状粒子と同様に、短繊維状粒子を、底面の直径をDIFI、高さをLEFIとする円柱と仮定することにより、下記式により算出することができる。
SF=(π/4)×(DIFI)×(LEFI)×NSF
ここで、NSFは試料中の短繊維状粒子の数であり、DIFIは短繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンDIFIであり、LEFIは短繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンLEFIである。
なお、上記SF1及びSF2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の短繊維状粒子の体積である。
【0023】
<球状粒子>
以下の定義S1又はS2のいずれかを満たす粒子は、「球状粒子」に分類される。
S1:40μm以上のLEFI(繊維長)及び0.5以上の伸長比を有する粒子。
S2:40μm以上のLEFI(繊維長)、0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比及び0.7以上の円形度を有する粒子。
L-HPC中の球状粒子の体積(V)は、球状粒子を直径がEQPCの球であると仮定することにより、下記式により算出することができる。
=(π/6)×(EQPC)×N
ここで、Nは試料中の球状粒子の数であり、EQPCは球状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンEQPCである。
なお、上記S1及びS2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の球状粒子の体積である。
【0024】
L-HPC中の各種粒子の体積分率は、上記で定義した体積V、VLF、VSF及びVからそれぞれ下記式により算出できる。
微粒子の体積分率={V/(V+VLF+VSF+V)}×100
長繊維状粒子の体積分率={VLF/(V+VLF+VSF+V)}×100
短繊維状粒子の体積分率={VSF/(V+VLF+VSF+V)}×100
球状粒子の体積分率={V/(V+VLF+VSF+V)}×100
【0025】
各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率は、定量フィーダーVIBRI/L、気流式分散器 RODOS/L及びM7レンズを搭載した動的画像解析式粒度分布測定装置QICPIC/R16(シンパテック社製)を用いて、フレームレート500Hz、インジェクタ4mm、分散圧1barの条件で測定を行い、撮像した粒子の画像を解析ソフトWINDOX5 Version:5.9.1.1により解析して各種粒子の個数基準のメジアンEQPC、個数基準のメジアンLEFI、個数基準のメジアンDIFI、伸長比、アスペクト比及び円形度を求め、その値を基に前述した計算式により算出した。なお、解析時の区分はM7を使用した。
【0026】
L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、5.0~16.0質量%、好ましくは6.0~15.0質量%、より好ましくは7.0~14.0質量%である。ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5.0質量%未満の場合は、L-HPCの吸水後の膨潤性が低くなる。ヒドロキシプロポキシ基の含有量が16.0質量%を超える場合は、L-HPCの水溶性が大きくなるため、固形製剤に使用した場合に崩壊性が不十分となる。
L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、第十七改正日本薬局方の「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」の項に収載された定量法によって測定することができる。
【0027】
L-HPCにおける長繊維状粒子の体積分率は、50.0%を超える、好ましくは51.0~100.0%、より好ましくは52.5~99.0%、更に好ましくは65.0~98.0%、特に好ましくは75.0~95.0%である。L-HPCにおける長繊維状粒子の体積分率50%未満である場合においては、低添加量にて用いる際には、結合性が不足して、キャッピングが発生するために不十分である。
【0028】
L-HPCにおける短繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは50.0%未満、より好ましくは1.0~40.0%、更に好ましくは2.0~35.0%、特に好ましくは3.0~25.0%である。
【0029】
L-HPCにおける繊維状粒子の体積分率(長繊維状粒子及び短繊維状粒子の体積分率の合計)は、L-HPCの高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは80.0%以上、より好ましくは82.0~100.0%、更に好ましくは85.0~99.0%、特に好ましくは90.0~98.0%である。
L-HPCにおける球状粒子の体積分率は、L-HPCの高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは19.0%以下、より好ましくは0.0~18.0%、更に好ましくは1.0~15.0%、特に好ましくは2.0~10.0%である。
L-HPCにおける微粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性を得る観点から、好ましくは20.0%以下、より好ましくは0.0~10.0%、更に好ましくは0.3~2.0%、特に好ましくは0.5~1.0%である。
【0030】
L-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準のD50(メジアン径)は、L-HPCの崩壊性、成形性(結合性)、キャッピング防止性能及び流動性の観点から、好ましくは30~200μm、より好ましくは70~180μm、更に好ましくは78~160μm、特に好ましくは90~150μm、最も好ましくは120~140μmである。
L-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準のD90は、L-HPCの崩壊性、成形性(結合性)、キャッピング防止性能及び流動性の観点から、好ましくは100~500μm、より好ましくは240~480μm、更に好ましくは260~450μm、特に好ましくは300~430μm、最も好ましくは340~410μmである。
L-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準D50(メジアン径)及びD90は、レーザー回折式粒度分布測定装置マスターサイザー3000(Malvern社製)を用いて、乾式法にてFraunhofer回折理論により、乾式法にて、分散圧2bar、散乱強度2~10%の条件で、体積基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当する径を測定した。
【0031】
L-HPCにおける水分量は、製剤添加時の良好な結合性、崩壊性及び活性成分の保存安定性の観点から、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは0.1~10.0質量%である。
L-HPCにおける水分量は、第十七改正日本薬局方の「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」の項に収載された測定法により測定することができる。
【0032】
次に、上述したL-HPCの製造方法について説明する。
上述したL-HPCは、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させてアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースと、酸化プロピレンとを反応させてL-HPCの反応生成混合物を得る工程と、前記反応生成混合物と、水と、酸を混合することにより、L-HPCの析出物(すなわち、粗L-HPC)を得る工程と、前記析出物を洗浄することによりL-HPCを得る工程と、前記L-HPCを乾燥することにより乾燥L-HPCを得る工程と、前記乾燥L-HPCを粉砕及び/又は篩分けすることにより、L-HPC粉末を得る工程を含んでなる製造方法により製造することができる。
【0033】
まず、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させてアルカリセルロースを得る。
パルプとしては、木材由来のパルプ、コットンリンター由来のパルプ等が挙げられるが、GMO(遺伝子組み換え生物)フリーの観点から、木材由来のパルプが好ましい。木材の樹種は、マツ、トウヒ、ツガ等の針葉樹及びユーカリ、カエデ等の広葉樹を用いることができる。パルプの形状としては、シート状、チップ状及び粉末状等が挙げられる。
パルプの長さ平均繊維幅は、粉砕工程における適度な粉砕性の観点から、好ましくは10~40μm、より好ましくは25~35μmである。パルプの長さ平均繊維長は、調整効率又はアルカリ金属水酸化物溶液との混合性の観点から、好ましくは0.1~3.0mmである。
パルプの長さ平均繊維幅及び長さ平均繊維長は、JISP8226に基づいた方法(光学的自動分析法)により測定できる。例えば、カヤーニ繊維長測定機FS300(メッツォオートメーション社製)を用いて測定できる。
【0034】
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、経済性の観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液におけるアルカリ金属水酸化物の濃度は、アルカリセルロースの均一性及び反応効率の観点から、好ましくは20~50質量%である。
【0035】
アルカリセルロースは、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させた後、所望の量のアルカリ金属水酸化物を含むアルカリセルロースを得るために圧搾を行ってもよい。
アルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物の含有量は、酸化プロピレンの反応効率の観点から、好ましくは5~35質量%である。アルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物の含有量は、アルカリセルロースを、濃度既知の硫酸等の酸を用いて中和滴定することにより、測定することができる。
パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液の混合温度は、好ましくは20~80℃である。パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液の混合時間は、好ましくは5~120分である。
【0036】
次に、前記アルカリセルロースと、酸化プロピレンとを反応させてL-HPCの反応生成混合物を得る。
反応は、反応制御性の観点から、好ましくはジャケットにより内温を調整することが可能である自転型反応器、内部撹拌機付き反応器内等で行うことが好ましい。酸化プロピレンの仕込み量は、酸化プロピレンの反応効率の観点から、無水パルプ100質量部に対して、好ましくは5.5~30.0質量部である。
反応温度は、反応制御性及び生産性の観点から、好ましくは40℃~80℃である。反応時間は、反応制御性及び生産性の観点から、好ましくは0.5~6時間である。
【0037】
次に、前記反応生成混合物と、水と、酸を混合することにより、L-HPCの析出物(すなわち、粗L-HPC)を得る。
混合は、例えば、内部撹拌機付き反応器、ジャケット付き双軸ニーダー等を用いて行うことができる。
水の使用量は、反応生成物(L-HPC)の溶解性の観点から、アルカリセルロース100質量部に対して、好ましくは100~1000質量部である。なお、水は使用量全量を一度に用いてもよいし、複数回に分けて使用してもよい。
酸としては、酢酸、塩酸等が挙げられる。酸の使用量は、L-HPC中に残留するアルカリ金属水酸化物を低減する観点から、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物の当量の好ましくは95~100%(当量)である。酸はそのまま使用してもよいし、水と混合して使用してもよいが、反応生成混合物と酸との局所的な中和反応を避ける観点から、水と混合して使用することが好ましい。
また、反応生成混合物と、アルカリセルロース中に含まれるアルカリ金属水酸化物を中和するのに要する当量の一部分にあたる酸を含む水とを混合し、反応生成物の一部を溶解させてもよいし、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物を中和するのに要する当量分にあたる酸を含む水とを混合し、反応生成物を全く溶解させずにL-HPCを析出させてもよい。
反応生成物の一部を溶解させた場合には、更に、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物を中和するのに要する当量まで酸を含む水を追加し、L-HPCの析出物を得る。
混合温度は、反応生成物の溶解性の観点から、好ましくは5~80℃である。なお、混合温度は、ジャケット温度で制御してもよい。
【0038】
次に、L-HPCの析出物を洗浄することにより、L-HPCを得る。
洗浄は、例えば、析出物と水を接触させた後、脱水機を用いて脱水することにより、行うことができる。洗浄に用いる水の温度は、洗浄性の観点から、好ましくは50℃以上である。水の使用量は、経済性の観点から、アルカリセルロース100質量部に対して、好ましくは1000~10000質量部である。
脱水機としては、圧搾式脱水機、バッチ式遠心脱水機等が挙げられる。バッチ式遠心脱水機における遠心効果は、十分に脱水できればよいが、生産性の観点から、好ましくは遠心加速度500G以上である。
【0039】
次に、洗浄により得られたL-HPCを乾燥することにより、乾燥L-HPCを得る。
乾燥は、乾燥機(乾燥器)を用いて行うことができる。乾燥機(乾燥器)としては、流動層乾燥機、気流乾燥機、箱型乾燥機、振動乾燥機、自然対流式定温乾燥器、送風定温乾燥器、送風定温恒湿器、棚段乾燥機等が挙げられる。乾燥温度は、乾燥効率の観点から、好ましくは60~120℃である。乾燥時間は、生産性の観点から、好ましくは0.5~36時間である。
【0040】
次に、乾燥L-HPCを粉砕及び/又は篩分けすることにより、L-HPC粉末を得る。
粉砕は、粉砕機を用いて行うことができる。粉砕機としては、ハンマーミル、インパクトミル、ビクトリーミル等の衝撃式粉砕機が好ましい。粉砕機におけるスクリーン径は、L-HPCの目的とする粒度分布に応じて、適宜選択すればよいが、好ましくは0.1~6.0mmである。粉砕条件は、使用する篩分け機やL-HPCの目的とする体積分率に応じて、適宜選択することができる。
【0041】
篩分けは、篩振盪機を用いて行うことができる。篩振盪機としては、振動式篩分け機、面内運動式篩分け機及びロータップ型篩分け機等が挙げられる。
振動式篩分け機としては、リップルフロースクリーン型K・Rスクリーン(幸袋テクノ社製)、ローヘッド型K・Rスクリーン(幸袋テクノ社製)、電磁スクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、電磁式実験用篩振とう機(フリッチェ社製)、RVスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、バランス形スクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、BMスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ウェーブスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、リニアドライブスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ジャイロスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ゴムスプリングスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、グリズリフィーダ(シンフォニアテクノロジー社製)、円形振動篩分け機(ダルトン社製)等が挙げられる。
【0042】
面内運動式篩分け機としては、アルミスケヤシフター(明治機械社製)、プランシフター(明治機械社製)、ジャイレトリーシフター(明治機械社製)、ジャイロシフター(徳寿工作社製)、ローテックススクリーナー(ローテックス社製)、アルガイヤシフター(アルガイヤ社製)等が挙げられる。
ロータップ型篩分け機としては、ロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製、関西金網社製)、BSシーブシェカー(セイシン企業社製)等が挙げられる。
【0043】
篩における有効篩面積は、工業的な入手可能性の観点から、好ましくは0.0001~1,000m、より好ましくは0.0010~100mである。
篩における篩面の目開きは、必要に応じて適宜選択すればよいが、処理速度又はL-HPCの流動性、崩壊性及び結合性の観点から、好ましくは0.045~0.500mm、より好ましくは0.060~0.300mmである。
篩における篩面の線径は、必要に応じて適宜選択すればよいが、強度の観点から、好ましくは0.001~5.0mm、より好ましくは0.01~1.0mmである。
【0044】
篩分け条件は、使用する篩分け機やL-HPCの目的とする体積分率に応じて、適宜選択し、篩通過分又は篩上残分、もしくは両者を任意の割合で混合した混合物を回収すればよい。
篩分け時間、すなわち、L-HPCの篩分けを開始してから篩分けが完了するまでの時間と、篩分け時間の中で、篩通過分又は篩上残分を回収する時間の範囲は、L-HPCの目的とする粒度分布に応じて、適宜選択すればよいが、生産性の観点から、好ましくは0.1~12時間である。
【0045】
次に、上述したL-HPCを少なくとも含む固形製剤について説明する。
固形製剤の剤形としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤等が挙げられるが、取り扱いが容易で最も汎用されている観点から、錠剤が好ましい。なお、顆粒剤及び細粒剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを少なくとも含む粉末組成物を造粒することにより得られる。また、顆粒剤又は細粒剤は、カプセルに充填して用いることができる。
【0046】
固形製剤には、必要に応じて、活性成分や添加剤を含めてもよい。
活性成分としては、経口投与可能な活性成分であれば特に限定されるものではないが、医薬品に用いられる薬物、並びに栄養機能食品、特定保健用食品及び機能性表示食品等の健康食品に用いられる活性成分等が挙げられる。活性成分は、必要に応じて2種類以上を併用して用いてもよい。また、活性成分は、市販のものを用いることができる。
医薬品に用いられる薬物としては、中枢神経系薬物、循環器系薬物、呼吸器系薬物、消化器系薬物、抗生物質、鎮咳・去たん剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛消炎剤、利尿剤、自律神経作用薬、抗マラリア剤、止潟剤、向精神剤、ビタミン類及びその誘導体等が挙げられる。
【0047】
中枢神経系薬物としては、ジアゼパム、イデベノン、ナプロキセン、ピロキシカム、インドメタシン、スリンダック、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノフェン、エテンザミド、ケトプロフェン及びクロルジアゼポキシド等が挙げられる。
循環器系薬物としては、モルシドミン、ビンポセチン、プロプラノロール、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジビン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イソソルビト、塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム、塩酸エチレフリン、ジギトキシン及び塩酸アルプレノロール等が挙げられる。
【0048】
呼吸器系薬物としては、アムレキサノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、プソイドエフェドリン、サルブタモール及びグアイフェネシン等が挙げられる。
消化器系薬物としては、2-[〔3-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-2-ピリジル〕メチルスルフィニル]ベンゾイミダゾール及び5-メトキシ-2-〔(4-メトキシ-3,5-ジメチル-2-ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンゾイミダゾール等の抗潰瘍作用を有するベンゾイミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、塩酸ピレンゼピン、パンクレアチン、ビサコジル及び5-アミノサリチル酸等が挙げられる。
【0049】
抗生物質としては、塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、セファクロル及びエリスロマイシン等が挙げられる。
鎮咳・去たん剤としては、塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、クエン酸イソアミニル及びリン酸ジメモルファン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジン等が挙げられる。
解熱鎮痛消炎剤としては、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン及びケトプロフェン等が挙げられる。
【0050】
利尿剤としては、カフェイン等が挙げられる。
自律神経作用薬としては、リン酸ジヒドロコデイン及びdl-塩酸メチルエフェドリン、硫酸アトロピン、塩化アセチルコリン、ネオスチグミン等が挙げられる。
抗マラリア剤としては、塩酸キニーネ等が挙げられる。
止潟剤としては、塩酸ロペラミド等が挙げられる。
向精神剤としては、クロルプロマジン等が挙げられる。
ビタミン類及びその誘導体としては、ビタミンA、ビタミンB1、フルスルチアミン、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸カルシウム及びトラネキサム酸等が挙げられる。
【0051】
健康食品に用いられる活性成分としては、前記ビタミン類及びその誘導体、ミネラル、カロテノイド、アミノ酸及びその誘導体、植物エキス並びに健康食品素材等が挙げられる。
ミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅、セレン、クロム、硫黄、ヨウ素等が挙げられる。
カロテノイドとしては、β-カロチン、α-カロチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、マルチカロチン等が挙げられる。
【0052】
アミノ酸としては、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸及び酸性アミノ酸アミド等が挙げられる。
酸性アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸等が挙げられる。
塩基性アミノ酸としては、リシン、アルギニン及びヒスチジン等が挙げられる。
中性アミノ酸としては、アラニン及びグリシン等の直鎖状の脂肪族アミノ酸、バリン、ロイシン及びイソロイシン等の分岐状の脂肪族アミノ酸、セリン及びトレオニン等のヒドロキシアミノ酸、システイン及びメチオニン等の含硫アミノ酸、フェニルアラニン及びチロシン等の芳香族アミノ酸、トリプトファン等の複素環式アミノ酸及びプロリン等のイミノ酸等が挙げられる。
酸性アミノ酸アミドとしては、アスパラギン及びグルタミン等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、アセチルグルタミン、アセチルシステイン、カルボキシメチルシステイン、アセチルチロシン、アセチルヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシプロリン、グルタチオン、クレアチン、S-アデノシルメチオニン、グリシルグリシン、グリシルグルタミン、ドーパ、アラニルグルタミン、カルニチン及びγ-アミノ酪酸等が挙げられる。
【0053】
植物エキスとしては、アロエ、プロポリス、アガリクス、高麗人参、イチョウ葉、ウコン、クルクミン、発芽玄米、椎茸菌糸体、甜茶、甘茶、メシマコブ、ごま、にんにく、マカ、冬虫夏草、カミツレ及びトウガラシ等が挙げられる。
健康食品素材としては、ローヤルゼリー、食物繊維、プロテイン、ビフィズス菌、乳酸菌、キトサン、酵母、グルコサミン、レシチン、ポリフェノール、動物魚介軟骨、スッポン、ラクトフェリン、シジミ、エイコサペンタエン酸、ゲルマニウム、酵素、クレアチン、カルニチン、クエン酸、ラズベリーケトン、コエンザイムQ10、メチルスルホニルメタン及びリン脂質結合大豆ペプチド等が挙げられる。
【0054】
添加物としては、崩壊剤、結合剤、増量剤、矯味成分、香料、滑沢剤等が挙げられる。添加物は、必要に応じて2種類以上を併用して用いてもよい。また、添加物は、市販のものを用いることができる。
崩壊剤としては、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、クロスポビドン等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
増量剤としては、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
矯味成分としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
香料としては、メントール、ハッカ油、バニリン等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0055】
固形製剤におけるL-HPCの含有量は、結合性、崩壊性、保存安定性の観点から、好ましくは2~50質量%、より好ましくは2~30質量%、更に好ましくは3~20質量%である。特に、上述のL-HPCを用いる場合には、好ましくは1~4.5質量%、より好ましくは1~3.5質量%まで含有量を減らしても、固形製剤に良好な硬度及び崩壊性を付与し、キャッピングを防止することができる。
固形製剤における活性成分の含有量は、特に制限されないが、薬効もしくは効能の観点から、好ましくは0.05~98.95質量%、より好ましくは0.1~97.9質量%、更に好ましくは0.5~96.5質量%である。
固形製剤における添加物の含有量は、錠剤の成形性、崩壊性、活性成分の溶出性等の観点から、好ましくは0.05~98.95質量%、より好ましくは0.1~97.9質量%、更に好ましくは0.5~96.5質量%である。
【0056】
固形製剤の一つである錠剤は、L-HPCと、必要に応じて、活性成分及び/又は添加物を混合することにより打錠末を得る工程と、前記打錠末を打錠することにより、錠剤を得る打錠工程を少なくとも含む錠剤の製造方法により、製造することができる。
打錠方法としては、乾式直接打錠法、湿式撹拌造粒打錠法、流動層造粒打錠法、乾式造粒打錠法等が挙げられるが、乾式直接打錠法は製造プロセスが単純で、湿式撹拌造粒打錠法等と比較して製造工程を簡略化でき、製造コストを大幅に削減できるため好適である。打錠は、例えばロータリー式打錠機、単発式打錠機等の打錠機を用いて行うことができる。
【0057】
打錠工程には、必要に応じて、滑沢剤を用いてもよい。
滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、パラフィン及びカルナウバロウ等のワックス類及びヒマシ硬化油、菜種硬化油及び牛脂硬化油等の硬化油等が挙げられる。滑沢剤の使用量は、滑沢剤を含まない打錠末100質量部に対して、好ましくは、0.05~2.0質量部である。滑沢剤の滑沢方法は、外部滑沢法や内部滑沢法のいずれであってもよい。
【0058】
錠剤径としては、取り扱い性及び服用性の観点から、好ましくは3~20mmである。錠剤質量は、取り扱い性及び服用性の観点から、一錠あたり好ましくは70~700mgである。打錠時の打錠圧は、錠剤硬度及び打錠障害の観点から、好ましくは3~20kNである。
【実施例
【0059】
以下に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
マツ科木材由来の長さ平均繊維幅が26μm、長さ平均繊維長が0.5mmである粉末状パルプ600g(無水換算566g)を内容積10Lの内部撹拌機付き反応器に仕込み、撹拌しながら35質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液240gを仕込んだ。そして、ジャケット温度45℃にて30分間混合することにより、10質量%の水酸化ナトリウムを含むアルカリセルロースを得た。
次に、同一反応機内を窒素置換し、酸化プロピレン90.6g(無水パルプ100質量部に対して16.0質量部)を仕込み、撹拌しながらジャケット温度60℃で2時間反応させることにより、920gのL-HPCの反応生成物を得た。
次に、同一反応機に水と氷酢酸とを混合し調整した2質量%濃度酢酸水溶液を、6300g(中和当量の100%)仕込み、ジャケット温度60℃で撹拌して中和することにより、粗低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを析出させた。
その後、バッチ式遠心脱水を用いて遠心加速度1000Gの条件で60℃の水(アルカリセルロース100質量部に対し2500質量部)で洗浄、脱水後、棚段乾燥機で80℃にて18時間乾燥することにより、乾燥L-HPCを得た。
前記L-HPCをスクリーン径が0.5mmである衝撃式粉砕機(ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製)で粉砕することにより粉砕L-HPCを得た。
粉砕品の全量を面内運動式篩分け機(ジャイロシフターGS-A1H型、徳寿工作所社製)に投入し、200メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き77μm、線径50μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を回収することにより、水分量2.0質量%のL-HPCを製造した。
得られたL-HPCについて、ヒドロキシプロポキシ基の含有量、メジアン径(D50)、D90及び各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率を測定した。結果を表1に示す。
【0060】
<錠剤評価>
(1)アセトアミノフェン錠の製造
アセトアミノフェン(微粉グレード、山本化学工業社製)490gを流動層造粒機(マルチプレックスMP-01、パウレック社製)に仕込み、吸気温度60℃、流動エアー量0.5~0.7m/min、排気温度30~35℃、スプレーエアー圧200kPa、スプレー速度10g/minの条件で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒドロキシプロポキシ基の含有量:8.8質量%、メトキシ基の含有量:29.0質量%、2質量%水溶液の20℃における粘度:3.0mPa・s)の5質量%水溶液200gを噴霧して造粒を行った。続いて、排気温度が45℃になるまで乾燥を行った後、目開き500μmの篩でふるうことにより、アセトアミノフェンを98質量%含有するアセトアミノフェン顆粒を得た。
得られたアセトアミノフェン顆粒95~97質量部とL-HPC3~5質量部を、両者の合計が100質量部となるよう混合することにより打錠末を得た。次に、打錠末に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム1.0質量部を添加して混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO、菊水製作所製)を用いて、打錠圧10kN、打錠速度20rpmで打錠を行うことにより、直径(錠剤径)8mm、曲率半径6.5mm、錠剤質量200mgのアセトアミノフェン錠を製造した。
【0061】
(2)グルコサミン錠の製造
また、第二の処方としてグルコサミン(コーヨーグルコサミンSC、甲陽ケミカル社製)40質量部、乳糖(ダイラクトーズS、フロイント産業社製)57質量部、L-HPC3質量部を混合することにより打錠末を得た。次に、打錠末に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加して混合し、ロータリー式打錠機(VIRGO、菊水製作所製)を用いて、打錠圧12kN、打錠速度20rpmで打錠を行うことにより、直径(錠剤径)8mm、曲率半径6.5mm、錠剤質量300mgのグルコサミン錠を製造した。
【0062】
(3)キャッピング発生率の評価
得られた錠剤のキャッピング発生率を評価した。結果を表1に示す。なお、錠剤のキャッピング発生率は、摩損度試験器(TA、ERWEKA社製)のドラムに錠剤50錠を入れ、25rpmで500回転(20分間)させた後、キャッピングを生じた錠剤数、すなわち錠剤が2層に割れていた錠剤数をカウントし、下記式により算出した。
キャッピング発生率(%)={(キャッピングを生じた錠剤数)/50}×100
【0063】
(4)錠剤の硬度及び崩壊時間の評価
アセトアミノフェン錠、及びグルコサミン錠の硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。なお、錠剤の硬度は、錠剤硬度計(TBH-125、ERWEKA社製)を用いて、錠剤の直径方向に1mm/秒の速度で荷重をかけ、錠剤が破断したときの最大破断強度として測定した。また、錠剤の崩壊時間は、第十七改正日本薬局方の崩壊試験法(試験液:水、補助盤なし)に従い、錠剤崩壊試験機(NT-400型、富山産業社製)を用いて測定した。
【0064】
実施例2
乾燥L-HPCを、スクリーン径が0.3mmである衝撃式粉砕機(ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製)で粉砕後、100メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き154μm、線径100μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を更に350メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き38μm、線径35μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩上残分を回収した以外は、実施例1と同様にして、水分量2.0質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、ヒドロキシプロポキシ基の含有量、メジアン径(D50)、D90、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0065】
実施例3
マツ科木材由来で長さ平均繊維幅が30μm 、長さ平均繊維長が0.5mmの粉末状パルプを使用して反応を行い、乾燥L-HPCを、スクリーン径が0.3mmである衝撃式粉砕機(ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製)で粉砕後、100メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き154μm、線径100μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を回収した以外は、実施例1と同様にして、水分量2.5質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0066】
実施例4
乾燥L-HPCを、スクリーン径が0.5mmである衝撃式粉砕機(ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製)で粉砕後、350メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き38μm、線径35μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩上残分を回収した以外は、実施例1と同様にして、水分量2.0質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、ヒドロキシプロポキシ基の含有量、メジアン径(D50)、D90、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0067】
実施例5
乾燥L-HPCを粉砕後、80メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き198μm、線径120μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を更に350メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き38μm、線径35μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩上残分を回収した以外は、実施例1と同様にして、水分量2.0質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0068】
実施例6
実施例3と同様にして製造したL-HPCを、200メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き77μm、線径50μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩上残分を回収して、水分量2.5質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0069】
実施例7
酸化プロピレンの仕込み量を65.7g(無水パルプ100質量部に対して11.6質量部)とした以外は、実施例2と同様にして、水分量2.7質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0070】
実施例8
酸化プロピレンの仕込み量を121g(無水パルプ100質量部に対して21.6質量部)とした以外は、実施例2と同様にして、水分量2.1質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0071】
比較例1
乾燥L-HPCを粉砕後、100メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き154μm、線径100μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を回収した以外は、実施例2と同様にして、水分量2.0質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0072】
比較例2
マツ科木材由来の長さ平均繊維長が2.56mm、長さ平均繊維幅が26μmであるシート状パルプ324g(無水換算300g)を43質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬後、圧搾することにより、22.0質量%の水酸化ナトリウムを含むアルカリセルロース663gを得た。
得られたアルカリセルロースを内容積5Lの自転型反応機内に仕込み、窒素置換を行った後に77g(無水パルプ100質量部に対して25.7質量部)の酸化プロピレンを仕込み、撹拌しながらジャケット温度50℃で2時間及び60℃で1時間反応させることにより、740gのL-HPCの反応生成物を得た。
次に、ニーダー反応器に、L-HPCの反応生成物と、水1650gと氷酢酸とを混合し調整した33質量%濃度の酢酸水溶液199g(中和当量の30%)を入れ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの反応生成物を分散後、ジャケット温度45℃で40分間混合し、L-HPCの一部を溶解した。
その後、水と氷酢酸とを混合し調整した33質量%濃度の酢酸水溶液464g(中和当量の70%)を入れて完全に中和することにより、粗L-HPCを析出させた。
得られた析出品を約90℃の熱水3000質量部に分散し、バッチ式遠心分離機を用いて遠心加速度1000Gの条件で洗浄、脱水後、棚段乾燥機で80℃にて18時間乾燥し、乾燥L-HPCを得た。
前記乾燥L-HPCを目開き0.3mmのスクリーンを有する衝撃式粉砕機(ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製)で粉砕した。
粉砕品の全量を面内運動式篩分け機(ジャイロシフターGS-A1H型、徳寿工作所社製)に投入し、100メッシュの篩(有効篩面積0.14m、目開き154μm、線径100μm、関西金網社製)で20分間ふるい、その篩通過分を回収することにより、水分量2.1質量%のL-HPCを製造し、実施例1と同様にして、錠剤のキャッピング率、硬度及び崩壊時間を評価した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1並びに比較例1及び2より、長繊維状粒子が50.0%を超えるL-HPCを用いて固形製剤である錠剤を製造し、評価した場合においては、キャッピング発生率が低減されることが知見された。
また、実施例1~8より、長繊維状粒子のL-HPCに占める割合が大きくなるにつれて、また、添加量が多くなるにつれて、より効果が発現されることが知見された。更に、実施例7及び8より、ヒドロキシプロポキシ基の含有量の異なるL-HPCにおいても、同様の効果が確認された。
加えて、錠剤の硬度については、長繊維状粒子のL-HPCに占める割合が大きくなるにつれて、また、添加量が多くなるにつれて、より高い値を得られることが知見された。崩壊時間については、添加量が多くなるにつれて、短時間での崩壊が知見され、また驚くべきことに長繊維状粒子のL-HPCに占める割合が大きくなるにつれて、高い錠剤成形性を示すにもかかわらず、長繊維状粒子のL-HPCに占める割合に依らず、同程度の素早い崩壊性を発現することが知見された。これは膨潤力の強い長繊維状粒子が、L-HPC中に高い割合で含まれることに起因すると考えられる。
【符号の説明】
【0075】
A:全粒子
B:微粒子
C:LEFI(繊維長)が40μm以上の粒子
D:LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満の粒子
E:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の粒子
F:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比が0.5 以上の粒子
G:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比が0.5 以上で円形度(circularity)が0.7未満の粒子
S1:第1球状粒子
S2:第2球状粒子
LF1:第1長繊維状粒子
LF2:第2長繊維状粒子
SF1:第1短繊維状粒子
SF2:第2短繊維状粒子
LEFI:繊維長
elongation:伸長比
aspectratio:アスペクト比
circularity:円形度
図1