(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】食品
(51)【国際特許分類】
A23L 29/20 20160101AFI20220928BHJP
A23L 29/244 20160101ALI20220928BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20220928BHJP
A23L 29/269 20160101ALI20220928BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20220928BHJP
A23G 9/34 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A23L29/20
A23L29/244
A23L29/256
A23L29/269
A23L29/238
A23G9/34
(21)【出願番号】P 2018069265
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006116
【氏名又は名称】森永製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】柴田 克亮
【審査官】山村 周平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171332(JP,A)
【文献】特開2014-054213(JP,A)
【文献】特開平04-071456(JP,A)
【文献】特開2013-000111(JP,A)
【文献】特開2006-014733(JP,A)
【文献】特開2012-024081(JP,A)
【文献】特開2013-085518(JP,A)
【文献】特開昭54-026363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00-35/00
A23G 1/00-9/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコマンナン及びカラギナンを含む食品であって、
さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の第三の多糖類と、
エタノールと、
を含み、
前記エタノールの含有量が1.4質量%以下であり、
飲み口付きパウチ容器に充填されており、
-20℃の冷凍下でゼリー状であることを特徴とする、食品。
【請求項2】
-20℃の冷凍下でのゲル強度の下限が1N(kg・m/s
2)以上であり、
-20℃の冷凍下でのゲル強度の上限が18N(kg・m/s
2)以下である、請求項1に記載の食品。
【請求項3】
グルコマンナンの含有量と、カラギナンの配合質量比が、1:0.5~1:2であり、
グルコマンナン及びカラギナンの合計含有量と、前記の第三の多糖類の合計含有量の質量比が、1:0.1~1:2である、請求項1又は2に記載の食品。
【請求項4】
前記の第三の多糖類が、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1~3の何れか一項に記載の食品。
【請求項5】
前記食品のエタノール濃度が0.2
質量%以上であることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の食品。
【請求項6】
前記食品のBrix値が25以上、45以下であることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の食品。
【請求項7】
グルコマンナン及びカラギナンを含む冷凍した食品であって、
さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類と、
エタノールと、
を含み、
前記エタノールの含有量が1.4質量%以下であり、
飲み口付きパウチ容器に充填されていることを特徴とする、冷凍した食品。
【請求項8】
前記の冷凍した食品は、-20℃の冷凍下でのゲル強度の下限が1N(kg・m/s
2)以上であり、
-20℃の冷凍下でのゲル強度の上限が18N(kg・m/s
2)以下である、請求項7に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、-20℃の冷凍下でゼリー状である食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲み口付きのパウチ容器に充填された食品(ゼリー飲料)が広く流通している(特許文献1~特許文献5)。また、飲み口付きのパウチ容器に充填された食品を冷凍することについても研究開発がされている(特許文献1、特許文献4、特許文献5)。
【0003】
例えば、特許文献1には、飲み口付きのパウチ容器に充填された食品を冷凍庫で凍結し、適度に解凍して飲用する食品が開示されている。
【0004】
特許文献6には、カルシウムを含有する冷菓生地(脱脂粉乳、生クリーム、牛乳等)中に粒状ゼリーを含有する形態とすることで、-15℃以下の冷凍下であっても未凍結の粒状ゼリーの弾力性を保持することが開示されている。
【0005】
また、特許文献7には、冷凍下でゼリー食感を有するバーアイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-27917号公報
【文献】特開2010-259335号公報
【文献】特開2010-17163号公報
【文献】特許4339391号
【文献】特開2002-272431号公報
【文献】特開2014-54213号公報
【文献】特開2016-158512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の特許文献1、特許文献4、特許文献5に記載される食品は、冷凍状態においてはシャーベットのような舌触りであった。
【0008】
また、種々の飲み口付きのパウチ容器に充填された食品が提案されている中、新たな嗜好性をもった食品の更なる開発が求められていた。
【0009】
上記事情に鑑みなされた本発明は、従来にはない嗜好性をもった食品を提供することを課題とする。
特に、本発明は、冷凍庫(-18~-20℃)から取り出して喫食した場合に、良好なゼリー食感を有する食品又は冷凍した食品を提供することを課題とする。
また、本発明の好ましい形態では、飲み口付きのパウチ容器に充填された食品であって、冷凍庫(-18~-20℃)から取り出して前記容器を手で掴んだり押したりすることにより、飲み口から簡便に食品を吐出させて喫食することのできる食品又は冷凍した食品を提供することを課題とする。
【0010】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、グルコマンナン及びカラギナンを含む食品に、さらに、特定の多糖類と、アルコールとを添加することで、-20℃での冷凍下でゼリー状であり、冷凍庫から取り出して喫食すると良好なゼリー食感を有する食品を製造することができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、グルコマンナン、カラギナンを含む食品であって、さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類と、アルコールと、を含み、-20℃の冷凍下でゼリー状であることを特徴とする。
本発明の食品は、-20℃の冷凍下でゼリー状であり、冷凍下で喫食した場合にもゼリー食感を楽しむことができる。
【0012】
また、本発明の食品の好ましい形態では、冷凍後、解凍してもゼリー状である(以下、冷凍耐性を有する、ともいう)。そのため、本発明の食品は、冷凍下でも、解凍してもゼリー食感を楽しむことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記食品は、飲み口付きパウチ容器に充填されている。
このような形態の食品は、冷凍庫から取り出した後、飲み口から飲用する感覚で手軽に喫食することができる。
【0014】
また、本発明の好ましい形態では、前記アルコールはエタノールである。
アルコールとしてエタノール用いることで、-20℃の冷凍下において良好なゼリー食感とすることができる。また、エタノールは、少量で前記ゼリー食感を良好とする効果を奏するため、風味に与える影響を小さくすることができる。
【0015】
また、前記アルコールがエタノールである場合の、前記食品のアルコール濃度は、好ましくは1.3%質量以下である。
アルコール濃度が1.3%質量以下である食品は、-20℃の冷凍下で適度なゲル強度を有する。そのため、特に、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、容器を手で掴んだり押したりすることにより食品を飲み口から容易に吐出させることができる。
【0016】
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記食品のアルコール濃度は0.2質量%以上である。
アルコール濃度が0.2質量%以上である食品は、-20℃の冷凍下で、適度なゲル強度を有する。そのため、特に、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、食品を飲み口から吐出させた時に食品に剪断力が加わった場合でも、良好なゼリー食感を有する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態では、前記食品のBrix値が25以上であることを特徴とする。
Brix値が25以上である食品は、-20℃の冷凍下で、適度なゲル強度を有する。そのため、特に、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、飲み口から吐出させた場合、吐出時に剪断力が加わった場合でも、良好なゼリー食感を有する。
【0018】
また、前記課題を解決する本発明は、グルコマンナン、カラギナンを含む冷凍した食品であって、さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類と、アルコールと、を含むことを特徴とする。
本発明の冷凍した食品は、-20℃の冷凍下でゼリー状であり、冷凍下で良好なゼリー食感を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、冷凍庫内の温度域で冷凍した場合にゼリー状であり、冷凍庫から取り出してすぐに喫食した場合でも良好なゼリー食感を有する食品又は冷凍した食品を提供することができる。
また、本発明の好ましい形態によれば、独自の嗜好性を備える、飲み口付きのパウチ容器に充填された食品又は冷凍食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更が可能である。
【0021】
本発明の食品は、多糖類やゼラチン等を含む高分子原料のネットワークに水が保持された組織を主とする食品であって、全体として弾力性及び保形性を有する。
「ゼリー状」とは、食品が弾力性及び保形性を有している状態を指す。
「ゼリー状」であることは、スプーンですくった際に、食品が崩壊することなく、角が立った状態であることで評価することができる。
ゼリー状の食品は、口に入れ、咀嚼した時に、弾性を感じながら崩壊していく食感(本明細書において「ゼリー食感」等という。)を有する。
また、「-20℃の冷凍下」とは、食品が-20℃雰囲気の冷凍庫内に一定時間(例えば24時間以上)保管され、十分に冷却された状態をいう。
本発明においては、食品を前記冷凍庫内から室温(25℃)に取り出してすぐ(3分以内)に評価した際にゼリー状であれば、「-20℃の冷凍下でゼリー状」であると評価することができる。
【0022】
以下、本発明の食品のより好ましい形態を説明する。
【0023】
本発明の食品の包装形態は特に限定されず、プラスチック製のカップに充填された形態などをとっても良いが、飲み口付きパウチ容器に充填されている形態であることが好ましい。
飲み口付きパウチ容器に充填されている形態であることで、冷凍庫で冷凍した状態のものを、特段の解凍操作をすることなく、容器の外側から手で掴んだり押したりして飲み口からゼリー食品を吐出させ、飲用する感覚で喫食することができる。このような形態の食品は、一般的にゼリー飲料などと呼ばれる。
【0024】
ここで、飲み口付きパウチ容器としては、例えば、プラスチックフィルムと金属箔とをラミネート加工してなる可撓性のシートからなる袋状の容器にストローが設けられた形態のものを挙げることができる(特許3663084号、特許3477396号、 特許3659775号参照)。また、飲み口付きパウチ容器の飲み口と食品の収容部分をプラスチックフィルムと金属箔とをラミネート加工してなる可撓性のシートからなる袋状の容器で一体成型したものであってもよい。また、スパウト部は、パウチ容器の上部のみにあってもよく、パウチ内部まで侵入しているものであってもよい。さらに、スパウト部(ストロー部)がなくても、パウチ容器先端部分が窄まった形状になっており、ストローの代わりになっている容器(オリヒロ社「Tパウチ」など)であってもよい(例:特許4988882)。
ここで、飲み口付きパウチ容器が備えるストロー部の有無や形状は、押出し後の食品の食感に影響を与える。そのため、求める押出し後の食品に求める食感に合わせて、飲み口付きパウチ容器が備えるストロー部の有無や形状を適宜選択することが可能である。なお、ストロー部がパウチ容器内に侵入していると、押出し後の食品は崩壊する傾向にある。
【0025】
以下、本発明の食品に含まれる各成分について好ましい形態を説明する。
本発明の食品は、グルコマンナン、カラギナンを含み、さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類、並びにアルコールを含む。
なお、本明細書における各成分の含有量(濃度)に関する記載において、「食品全体」とは、特に断りがない限り容器内に収容される可食部分全体をし、容器は含まない。
【0026】
食品におけるグルコマンナンの含有量は、食品全体の好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上である。
グルコマンナンの含有量が下限以上であることで、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感となる。
【0027】
また、食品におけるグルコマンナンの含有量は、食品全体の好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.09質量%以下である。
グルコマンナンの含有量が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度な強度を示し、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において吐出性に優れる。
【0028】
また、カラギナンの含有量は、食品全体の好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上である。
カラギナンの含有量が下限以上であることで、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感となる。
【0029】
カラギナンの含有量は、食品全体の好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
カラギナンの含有量が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度な強度を示し、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において吐出性に優れる。
【0030】
また、グルコマンナンとカラギナンの合計含有量は、食品全体の好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.25質量%以下である。
グルコマンナンとカラギナンの合計含有量が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度な強度を示し、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において吐出性に優れる。
また、グルコマンナンとカラギナンの合計含有量は、食品全体の好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.13質量%以上である。
カラギナンの含有量が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度な強度を示し、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において吐出性に優れる。
【0031】
また、グルコマンナンの含有量と、カラギナンの配合質量比は、1:0.5~1:2、より好ましくは1:0.7~1:1.3の範囲内にあることが好ましい。
グルコマンナンの含有量と、カラギナンの含有量の配合比が上記範囲内にある食品は、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感を有する。
【0032】
以下、本発明の食品に含まれる、グルコマンナン及びカラギナン以外の多糖類(以下、第三の多糖類ともいう)に関し、好ましい形態を説明する。
【0033】
本発明の食品に含まれる、第三の多糖類は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類である。
第三の多糖類として上記の多糖類を含む食品は、-20℃の冷凍下でゼリー食感を有する。また、適度なゼリー強度とすることができるので、特に飲み口付きパウチ容器に充填する形態において、吐出性に優れる。
さらに、グルコマンナン、カラギナンに、前記の第三の多糖類を組み合わせることで、-20℃の冷凍下でゼリー食感を有することに加え、食品を冷凍下から常温に置いて解凍した後でもゼリー食感を有する。従って、特に飲み口パウチ容器に充填する形態において、冷凍庫から取り出し容器を手で掴んだり押したりしながら喫食する場合などに、徐々に解凍されていったとしても始めから最後まで、ゼリー食感を楽しむことができる。
【0034】
中でも、第三の多糖類は、キサンタンガム及び/又はジェランガムであることが好ましい。第三の多糖類としてキサンタンガム及び/又はジェランガムを含む食品は、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、食品を飲み口から吐出させた場合、吐出時に食品に剪断力が加わった場合でも、良好なゼリー食感を有する。
【0035】
ここで、第三の多糖類の含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上である。
第三の多糖類の含有量が下限以上であることで、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感となる。
【0036】
また、第三の多糖類の含有量は、食品全体の好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.2質量%以下、中でも好ましくは0.1質量%以下である。
第三の多糖類の含有量が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度な強度を示し、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において吐出性に優れる。
【0037】
第三の多糖類がキサンタンガムである場合の、キサンタンガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.02質量%以上、中でも好ましくは0.04質量%以上である。
【0038】
また、第三の多糖類がキサンタンガムである場合の、キサンタンガムの含有量は、食品全体の好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.15質量%以下、中でも好ましくは0.1質量%以下である。
【0039】
第三の多糖類がジェランガムである場合の、ジェランガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。
【0040】
また、第三の多糖類がジェランガムである場合の、ジェランガムの含有量は、食品全体の好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
【0041】
第三の多糖類がローカストビーンガムである場合の、ローカストビーンガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.04質量%以上である。
【0042】
また、第三の多糖類がローカストビーンガムである場合の、ローカストビーンガムの含有量は、食品全体の好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下、中でも好ましくは0.1質量%以下である。
【0043】
第三の多糖類がネイティブジェランガムである場合の、ネイティブジェランガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、特に好ましくは0.005質量%以上である。
【0044】
また、第三の多糖類がネイティブジェランガムである場合の、ネイティブジェランガムの含有量は、食品全体の好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下、中でも好ましくは0.05質量%以下である。
【0045】
第三の多糖類がタマリンドガムである場合の、タマリンドガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。
【0046】
また、第三の多糖類がタマリンドガムである場合の、タマリンドガムの含有量は、食品全体の好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、中でも好ましくは0.5質量%以下である。
【0047】
第三の多糖類がグアガムである場合の、グアガムの含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。
【0048】
また、第三の多糖類がグアガムである場合の、グアガムの含有量は、食品全体の好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、中でも好ましくは0.5質量%以下である。
【0049】
第三の多糖類が寒天である場合の、寒天の含有量は、食品全体の好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。
【0050】
また、第三の多糖類が寒天である場合の、寒天の含有量は、食品全体の好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
【0051】
また、グルコマンナン、カラギナン及び第三の多糖類の合計含有量は、食品全体の好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上である。
また、前記合計含有量は、食品全体の好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.4質量%以下である。
【0052】
また、グルコマンナン及びカラギナンの合計含有量と、第三の多糖類の合計含有量の質量比は、1:0.1~1:2、より好ましくは1:0.2~1:1、さらに好ましくは1:0.2~1:0.4の範囲内にあることが好ましい。
【0053】
以下、本発明の食品に含まれるアルコールに関し、より好ましい形態を説明する。
【0054】
本発明の食品に含まれるアルコールは、食品に用いられるものであれば特に制限されず、エタノール、ポリオール、糖アルコール等を用いることができる。アルコールの含有量の下限は、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上である。
アルコール濃度を前記範囲とすることで、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感となる。具体的には、シャリシャリとした氷結晶の食感や、ペースト状の食感を抑制し、良好なゼリーの歯切れを付与することができる。また、-20℃の冷凍下で適度なゼリー強度とすることができるので、特に飲み口付きパウチ容器に充填する形態において、吐出性に優れる。
【0055】
本発明の食品は、エタノールを含むことが好ましい。
これらの種類のアルコールは、比較的少量の添加で前記食感及び強度を適切な範囲とすることが可能となるため、風味に大きく影響を与えることなく良好な食感及び吐出性を実現することができる。
【0056】
エタノールの含有量の下限は、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上である。
また、エタノールの含有量の上限は、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.4質量%以下、さらに好ましくは1.3質量%以下、特に好ましくは1.2質量%以下である。
アルコール濃度が上限以下であることで、-20℃の冷凍下で適度なゼリー強度とすることができるので、特に飲み口付きパウチ容器に充填する形態において、吐出性に優れる。
【0057】
また、本発明の食品は、ポリオール、糖アルコールを含むことが好ましい。糖アルコールとしてはエリスリトールやソルビトール、ポリオールとしては、グリセリンやプロピレングリコールが好ましく挙げられる。
ポリオール、糖アルコールの含有量は、好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。これにより、ゼリー食感と風味を良好にすることができる。糖アルコールの含有量の上限は、風味や安全性の観点から、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下である。
【0058】
本発明の食品は、前述した多糖類以外の多糖類を含んでいてもよいが、多糖類全量のうち、好ましくは70質量%、さらに好ましくは80質量%、特に好ましくは90質量%は、前述した多糖類で構成されることが好ましい。
また、本発明の食品において、ゼラチン等のタンパク質からなるゲル化剤又は増粘剤は含まないことが好ましい。
【0059】
なお、本発明の食品は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、通常ゼリー食品に用いられる他の成分を任意に配合することができる。かかる任意成分としては、例えば、食品添加物、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤等が挙げられる。
【0060】
また、得られる食品のpHが3.0~4.6、より好ましくは3.0~4.0となるように配合することが好ましい。得られる食品のpHを上限以下とすることで、微生物の繁殖を抑えることができるため、食品衛生上好ましい。また、pHを下限以上とすることで食品の酸味を抑えることができるため、好ましい。
【0061】
また、油脂含量は3質量%が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.5質量%未満がさらに好ましく、0.3質量%未満が最も好ましい。
【0062】
ここで、本発明の食品のBrix値の下限は、好ましくは20以上、より好ましくは25以上、さらに好ましくは30以上である。
食品のBrix値が下限以上である食品は、-20℃の冷凍下で適度なゼリー強度を有する。そのため、特に飲み口パウチ容器に充填する形態において、吐出後の良好なゼリー食感と飲み口パウチ容器からの良好な吐出性を両立することができる。
【0063】
また、本発明の食品のBrix値の上限は、風味の観点から好ましくは45以下、より好ましくは40以下である。
【0064】
なお、食品のBrix値を算出する方法としては、例えば、糖度計を用いてBrix値を測定する方法、屈折計を用いてBrix値を算出する方法、食品中の糖分の濃度をBrix値検量線に照らしてBrix値を定める方法、等を挙げることができる。
【0065】
また、食品のBrix値は、食品中の糖質の含有量を調整することで、調節することができる。
【0066】
また、本発明の食品の-20℃の冷凍下でのゲル強度の下限は、好ましくは1N(kg・m/s2)以上、より好ましくは2N(kg・m/s2)以上である。また、本発明の食品の-20℃の冷凍下でのゲル強度の上限は、好ましくは18N(kg・m/s2)以下、より好ましくは15N(kg・m/s2)以下、さらに好ましくは10N(kg・m/s2)以下である。
ゲル強度を前記範囲とすることで、良好な食感とすることができる。また、ゲル強度を上限以下とすることで、特に飲み口付きのパウチ容器に充填する形態において、容器からの吐出性を良好にすることができる。
【0067】
また、本発明の食品を-20℃の冷凍下から室温に24時間放置した時(解凍時)のゲル強度の下限は、好ましくは0.1N(kg・m/s2)以上、より好ましくは0.2N(kg・m/s2)以上である。
また、前記解凍時のゲル強度の上限は、好ましくは2N(kg・m/s2)以下、より好ましくは1N(kg・m/s2)以下である。
解凍時のゲル強度が下限以上である食品は、冷凍庫から食品を取り出して一定時間が経過した後に喫食してもゼリー食感を楽しむことができる。
【0068】
なお、ゲル強度は、例えば、食品を、レオメーター(サン科学製:CR-500DX)を使用し、直径10mmの円柱型プランジャー、進入速度60mm/分、最大荷重20N(kg・m/s2)の条件で測定(圧縮試験)することができる。また、最大荷重を超えた場合には測定値を20N(kg・m/s2)とした。
【0069】
ここで、本発明の食品は、その含水率が90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。また、本発明の食品は、その含水率が好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上である。
含水率を前記範囲とすることで、-20℃の冷凍下でより良好な食感とすることができる。
【0070】
本発明の食品は、水に各原料を加えたものを容器に充填し、加熱後冷却するといった方法や、仕込液を一旦加熱してから容器に充填し冷却する方法など、加熱して製造することもできるが、これに限らず、加熱工程を経ない方法でも製造できる。加熱する場合には、加熱温度は80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。殺菌条件を強くすることで、冷凍前の食品を常温流通することにも対応できる。
【0071】
飲み口パウチ容器に充填する形態では、容器への食品の充填操作は、例えば本出願人による特許第3527019号公報や、特開平11-157502号公報などに記載された方法によって行うことができる。
【0072】
本発明の食品は、常温で流通する製品として提供することも、冷凍状態(-18℃以下)で流通する冷凍食品として提供することもできる。いずれの場合も、家庭用や業務用冷凍庫の温度域(-18~-20℃)で冷凍した後に喫食する形態とすることができる。また、一度冷凍された食品を常温で解凍しながら喫食する形態とすることもできる。
【0073】
本発明は、冷凍状態(-18℃以下)で流通する冷凍した食品にも関する。本発明の冷凍した食品は、グルコマンナン、カラギナンを含み、さらに、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、及びペクチンから選ばれる1種又は2種以上の多糖類、並びにアルコールを含む。
各成分や物性、包装の好ましい形態は、前述した本発明の食品の説明がそのままあてはまる。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0075】
[試験例1] 食品の評価試験
水に、下記表1に示す各原料を加えた食品原料を予め95℃に加熱した後にカップ容器もしくは飲み口付きパウチ容器に充填し、26℃の恒温槽で15分間冷却し、24時間室温で放置した。さらに冷凍庫(-20℃)で24時間保管することで、実施例及び比較例の各食品を製造した。
なお、本実施例では、飲み口付きパウチ容器として、プラスチックフィルムと金属箔とをラミネート加工してなる可撓性のシートからなる袋状の容器にストローが設けられた形態のものを用いた(特許3659775号 参照)。なお、本実施例で用いた飲み口付きパウチ容器は、ストローがパウチ容器内部に侵入している形態である(特許3659775号の
図1 参照)。
【0076】
【0077】
製造した食品について、以下の試験及び評価を行った。また、ゼリー飲料を専門とする評価者により、-20℃雰囲気の冷凍庫から食品を取り出した直後、食品の一部をスプーンですくった際の食品の観察を行った。
【0078】
(1)試験内容及び評価項目
【0079】
・-20℃冷凍下での食感(吐出前)
-20℃雰囲気の冷凍庫で24時間冷却したカップ容器入り食品を、冷凍庫から室温に取り出した後、スプーンですくって喫食した(冷凍庫から取り出して3分以内)。食感について、以下の基準を用いて、ゼリー飲料を専門とする評価者による評価を行った。なお、評価時の品温は-20℃であった。
〇…全体的にゼリー食感を有する
△…ゼリー食感を有するが、シャリシャリとした食感若しくはペースト状の食感もある。
×…ゼリー食感を有さない
【0080】
・-20℃冷凍下での食感(吐出後)
-20℃雰囲気の冷凍庫で24時間冷却した食品を、冷凍庫から室温に取り出し、手で飲み口付きパウチ容器を掴み、容器の飲み口から食品を吐出させて喫食した(冷凍庫から取り出して3分以内)。食感について、以下の基準を用いて、ゼリー飲料を専門とする評価者による評価を行った。なお、評価時の品温は-20℃であった。
〇…全体的にゼリー食感を有する
△…ゼリー食感を有するが、シャリシャリとした食感若しくはペースト状の食感もある。
×…ゼリー食感を有さない
【0081】
・-20℃冷凍下での飲み口付きのパウチ容器からの吐出性
-20℃雰囲気の冷凍庫で24時間冷却した食品を、冷凍庫から室温に取り出し、手で飲み口付きパウチ容器を掴み、容器の飲み口から食品を吐出させて喫食した(冷凍庫から取り出して3分以内)。食品の吐出性について、以下の基準を用いて、ゼリー飲料を専門とする評価者による評価を行った。なお、評価時の品温は-20℃であった。
〇…容器を掴む動作で容易に食品を吐出することができる
△…容器を掴む動作で食品を吐出することができるが、過度な力を入れる必要がある
×…吐出困難
【0082】
・解凍品の食感
-20℃雰囲気の冷凍庫で24時間冷却したカップ容器入り食品を、冷凍庫から室温に取り出した後、水冷して解凍した後、スプーンですくって喫食した。食感について、以下の基準を用いて、ゼリー飲料を専門とする評価者による評価を行った。
〇…ゼリー食感を有する
×…ゼリー食感を有さない(液状又はペースト状)
【0083】
・ゲル強度(-20℃、解凍後)
以下の方法により測定した値を、食品のゲル強度とした。
食品をレオメーター(サン科学製:CR-500DX)を用い、直径10mmの円柱型プランジャー、進入速度60mm/分、進入距離20mmの測定条件(圧縮試験)で、ゲルが破断したときの破断強度(N)もしくは、破断しない場合には測定中の最大応力(N)をゲル強度とした。
【0084】
【0085】
(2)結果及び考察
食品の観察の結果、グルコマンナン及びカラギナンの他に、90%エタノール(アルコール)及び、第三の多糖類(キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、ジェランガム、ペクチン)を含む実施例の食品は、-20℃の冷凍下で、弾力性及び保形性を有し、スプーンですくった際に、食品が崩壊することなく、角が立った状態であった。
【0086】
次に、表2の結果より、実施例1~7の食品は、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感を有することがわかった。また、実施例1~7の食品は、-20℃の冷凍下で、飲み口付きのパウチ容器からの吐出性に優れ、吐出後にもゼリー食感を有することがわかった。
【0087】
一方で、グルコマンナン、カラギナン、及び特定の多糖類のうち、一つ以上を欠く比較例の食品は、-20℃の冷凍下で良好なゼリー食感を有するものではなかった。
【0088】
また、実施例1~7の食品は、解凍後においてもゼリー食感を有していた。
これより、実施例1~7の食品は、冷凍状態と冷凍後解凍した状態の双方で、冷凍耐性を有し、ゼリー食感を楽しむことができることがわかった。
【0089】
また、表2の結果より、第三の多糖類としてキサンタンガム又はジェランガムを用いることで、容器からの吐出後の食感が良好となることがわかった。
【0090】
[試験例2] アルコールの影響
次に、アルコールがゼリー食品の物性に与える影響について検討した。
【0091】
(1)試験内容及び評価項目
表1に示す90%エタノール(アルコール)の含有量を調整することにより、表3に示すアルコール濃度のゼリー食品を試験例1と同じ方法で製造した。
製造した食品を試験例1と同じ評価方法及び評価基準による評価に供した。
【0092】
【0093】
(2)結果及び考察
表3の結果から、エタノール(アルコール)を添加することで、-20℃の冷凍下でのゼリー食感が向上することがわかった。
また、比較例7と実施例8の比較から、アルコール濃度を0.1質量%以上とすることで、-20℃の冷凍下で、良好なゼリー食感とすることができることがわかった。
また、実施例8と実施例9の比較から、アルコール濃度を0.1質量%より大きくすることで、飲み口パウチ容器からの吐出性も良好になることがわかった。
また、実施例8と実施例9の比較から、アルコール濃度を0.2質量%以上とすることで、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、食品を飲み口から吐出させた場合、吐出時にゼリーに剪断力が加わった場合でも、良好なゼリー食感を有することがわかった。
【0094】
また、実施例12と実施例13の比較から、アルコール濃度を1.5質量%より小さくすることで、飲み口パウチ容器からの吐出性が良好になることがわかった。
【0095】
[試験例3] 多糖類の濃度の影響
次に、食品中の多糖類の濃度が食品の物性に与える影響について検討した。
【0096】
(1)試験内容及び評価項目
表1に示す多糖類の含有量を調整し、表4に示す多糖類の濃度の食品を試験例1と同じ方法で製造した。
製造した食品を試験例1と同じ評価方法及び評価基準による評価に供した。
【0097】
【0098】
(2)結果及び考察
表4の結果から、グルコマンナン、カラギナン、及びキサンタンガム(第三の多糖類)の含有量を変えても、-20℃の冷凍下での食感は良好であることがわかった。また、グルコマンナン、カラギナン、及びキサンタンガム(第三の多糖類)のそれぞれの含有量を0.1質量%より小さくすることで、飲み口付きスパウト容器からの吐出性が良好となることがわかった。
【0099】
[試験例3] 食品のBrix値が食品の物性に与える影響
次に、食品のBrix値が食感や吐出性に与える影響について検討した。
【0100】
(1)試験内容及び評価項目
表1に示す糖質(異性化糖、水あめ、食品添加物グリセリン、エリスリトール)の含有量を調整し、表5に示すBrix値のゼリー食品を、試験例1同じ方法で製造した。
製造した食品を試験例1と同じ評価方法及び評価基準による評価に供した。
なお、Brix値は、糖度計を用いて測定した値を用いた。
【0101】
【0102】
(2)結果及び考察
表5の結果から、食品のBrix値を20以上とすることで、-20℃の冷凍下でゼリー食感を呈することがわかった。
また、食品のBrix値を25以上とすることで、前述した飲み口付きのパウチ容器に充填される形態において、食品を飲み口から吐出させた場合、吐出時にゼリーに剪断力が加わった場合でも、良好なゼリー食感を有することがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、水分補給や栄養補給を目的とした食品であって、飲み口付きパウチ容器に充填して提供される製品に応用することができる。