(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】粉体充填装置および粉体の充填方法
(51)【国際特許分類】
B65B 1/28 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B65B1/28
(21)【出願番号】P 2018173368
(22)【出願日】2018-09-18
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有海 亮介
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-067785(JP,A)
【文献】特開2010-023867(JP,A)
【文献】特開2013-001451(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131397(JP,U)
【文献】特開2018-111062(JP,A)
【文献】登録実用新案第3005326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00
B65B 39/00
B65B 43/00
B65D 83/00
B65G 65/00
F04D 1/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が貯留された第1容器と、
該第1容器から供給される前記粉体が充填される第2容器と、
前記第1容器から前記第2容器への粉体投入管が設けられている粉体供給部と、が備えられ、
該粉体供給部には、前記第2容器の開口部と連結するための連結部と、
該連結部の側方の外周を覆うように位置している集塵フードと、
前記第2容器の内部の気体を吸引するための吸引管と、が設けられて
おり、
前記集塵フードの開放端には、該集塵フードの筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部が設けられている、
ことを特徴とする記載の粉体充填装置。
【請求項2】
前記集塵フードの筒状体の軸心は鉛直であり、
前記整流部の下面が、水平である、
ことを特徴とする請求項1に記載の粉体充填装置。
【請求項3】
前記集塵フードの周方向側面には、
前記集塵フードの内部を負圧にするための、2以上の吸引口が等間隔に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉体充填装置。
【請求項4】
粉体が貯留された第1容器と、
該第1容器から供給される前記粉体が充填される第2容器と、
該第2容器の上部開口部に結合され、前記粉体を前記第1容器から前記第2容器へ投入する粉体供給部と、が備えられ
、
該粉体供給部には、前記第2容器の開口部と連結するための連結部と、
該連結部の側方の外周を覆うように位置している集塵フードと、
前記第2容器の内部の気体を吸引するための吸引管と、が設けられており、
前記集塵フードの開放端には、該集塵フードの筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部が設けられている粉体充填装置による、前記粉体の充填方法であって、
前記粉体が前記第2容器に投入されるときに、前記第2容器内の気体を吸引する、
ことを特徴とする粉体の充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体充填装置および粉体の充填方法に関する。さらに詳しくは、粉体を充填する際に粉塵の発生を抑制することができる粉体充填装置および粉体の充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に粉体を容器に入れる作業では、粉塵による健康被害をなくすために、作業者が粉体に暴露する可能性がある場合は局所排気装置が設けられ、一定以上の風速を確保する必要があることが法令で義務付けられている(粉塵障害防止規則)。
【0003】
特許文献1には、粉体を供給するホッパー等の第1容器と、粉体を受けるフレキシブルコンテナ等の第2容器とを含んで構成されている粉体充填装置が開示されている。粉体充填装置には、粉体供給装置が設けられており、第2容器への粉体の充填が完了したあとは、充填済みの第2容器が取り外され、そして空の状態の第2の容器が粉体供給装置に装着されて、粉体が、装着された第2の容器に充填される。
【0004】
粉体が充填された第2容器を粉体供給装置から外す際には、第2容器の開口部が開放され粉塵が第2容器の開口部から飛散する。この飛散した粉塵は、通常粉体充填装置を囲むように設けられた集塵フードで回収される。すなわち、集塵フードに接続された吸引装置により、集塵フード内が負圧になり、飛散した粉塵が集塵フードに吸い込まれる。これにより粉塵の飛散が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような構成の粉体充填装置においては、粉体が充填された第2容器は、充填された粉体の量が所定の値であるか否かを確認するために計量される。この際、粉塵の飛散を十分に抑制するだけの吸引が行われると、集塵フードに向けて発生する空気の流れにより計量の精度を高くできないという問題がある。また、粉塵の吸引量が多くなると、製造した粉体のロスが多くなるという問題がある。
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明者らは、粉体充填装置において、粉体を投入する際に第2容器の内部の空気が粉体により押し出されることにより粉体が巻き上げられ、粉塵が発生する現象に着目し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、粉塵の発生自体を抑制することで、粉塵の飛散を抑制でき、製造した粉体のロスを少なくすることができる粉体充填装置および粉体の充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の粉体充填装置は、粉体が貯留された第1容器と、該第1容器から供給される前記粉体が充填される第2容器と、前記第1容器から前記第2容器への粉体投入管が設けられている粉体供給部と、が備えられ、該粉体供給部には、前記第2容器の開口部と連結するための連結部と、該連結部の側方の外周を覆うように位置している集塵フードと、前記第2容器の内部の気体を吸引するための吸引管と、が設けられており、前記集塵フードの開放端には、該集塵フードの筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部が設けられていることを特徴とする。
第2発明の粉体充填装置は、第1発明において、前記集塵フードの筒状体の軸心は鉛直であり、前記整流部の下面は、水平であることを特徴とする。
第3発明の粉体充填装置は、第1発明または第2発明において、前記集塵フードの周方向側面には、前記集塵フードの内部を負圧にするための、2以上の吸引口が等間隔に設けられていることを特徴とする。
第4発明の粉体の充填方法は、粉体が貯留された第1容器と、該第1容器から供給される前記粉体が充填される第2容器と、該第2容器の上部開口部に結合され、前記粉体を前記第1容器から前記第2容器へ投入する粉体供給部と、が備えられ、該粉体供給部には、前記第2容器の開口部と連結するための連結部と、該連結部の側方の外周を覆うように位置している集塵フードと、前記第2容器の内部の気体を吸引するための吸引管と、が設けられており、前記集塵フードの開放端には、該集塵フードの筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部が設けられている粉体充填装置による、前記粉体の充填方法であって、前記粉体が前記第2容器に投入されるときに、前記第2容器内の気体を吸引することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、粉体充填装置の粉体供給部に、第2容器の内部の空気を吸引するための吸引管により粉体が充填される際に第2容器内部の空気が吸引されると、第2容器の内部の空気が供給された粉体により押し出されることが少なくなり、粉体が巻き上げられるのを抑制できる。すなわち粉塵の発生自体を抑制できるので、粉塵の飛散量を少なくできるとともに、製造した粉体のロスを少なくすることができる。
また、集塵フードの開放端に、集塵フードの筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部が設けられていることにより、吸引される空気の大部分が集塵フードの下端より下方向のものとなり、空気の流れの乱れが抑制され、第2容器を交換する際に発生する粉塵をより確実に吸引できる。
第3発明によれば、集塵フードの周方向側面に、集塵フードの内部を負圧にするための吸引口が、等間隔に2以上設けられていることにより、集塵フードの粉塵の吸引口の部分の空気の流れの速度のばらつきが抑えられ、粉塵の吸引がさらに確実になる。
第4発明によれば、粉体供給部が設けられた粉体充填装置において、粉体が第2容器に投入されるときに、第2容器内の気体を吸引することにより、第2容器の内部の空気が供給された粉体により押し出されることが少なくなり、粉体が巻き上げられるのを抑制できる。すなわち粉塵の発生自体を抑制できるので、粉塵の飛散量を少なくできるとともに、製造した粉体のロスを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る粉体充填装置に用いられている粉体供給部の正面方向からの断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る粉体充填装置の正面方向からの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態に係る粉体充填装置を図面に基づき説明したあと、粉体の充填方法について説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための粉体充填装置および粉体の充填方法を例示するものであって、本発明は粉体充填装置および粉体の充填方法を以下のものに限定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに本明細書では、「垂直」の表現は、「実質的垂直」を意味しており、厳密に「垂直」である必要はない。
【0013】
(粉体充填装置10)
図4には、本発明の一実施形態に係る粉体充填装置10の正面方向からの要部拡大図を示す。本実施形態に係る粉体充填装置10は、粉体を貯留するホッパーなどの第1容器11から、フレキシブルコンテナなど袋状容器である第2容器12に、粉体を充填する装置であって、粉体を扱う設備の一部を構成する。すなわち
図4は、粉体を扱う設備の一部を示したものでもある。
【0014】
図1には、この粉体充填装置10に用いられている粉体供給部13の正面方向からの断面図を示す。
図1には、粉体供給部13を通過する粉体の方向を白抜き矢印で示す。すなわち粉体は、第1容器11から粉体供給部13を経由して、粉体供給部13の下方に位置する第2容器12へ供給される。
図1および
図4に示すように、本実施形態に係る粉体充填装置10には、第1容器11から第2容器12への粉体の投入管が設けられている粉体供給部13が備えられている。そして、粉体供給部13には、第2容器12の開口部と連結するための連結部23と、この連結部23の側方の外周を覆うように位置している集塵フード24と、第2容器12の内部の気体を吸引するための吸引管22と、が設けられている。
【0015】
第1容器11は、粉体を貯留するホッパーなどである。
図4では、この第1容器11の下部が示されている。第1容器11の下部には、例えばホソカワミクロン株式会社の撹拌機であるナウタミキサ(登録商標)などが設けられている。この撹拌機により粉体に気体を混合する。このように粉体の流動性が高くなった状態で、粉体は第1容器11から粉体供給部13を経由して第2容器12へ供給される。
【0016】
第2容器12は、袋状容器の一つであるフレキシブルコンテナであることが好ましい。フレキシブルコンテナである場合は、フレキシブルコンテナに粉体が充填されたときにフレキシブルコンテナが倒れないように紐体等により支持されていることが好ましい。ただし、第2容器12はフレキシブルコンテナに限定されず、例えばプラスチック製容器などであっても問題ない。この場合、プラスチック製容器の粉体投入口は、粉体供給部13の連結部23に取り付けることができる構成であることが好ましい。
【0017】
第2容器12の下方には、第2容器12に充填された粉体の重量を測定するための計量装置14が備えられている。計量装置14は、粉体を充填する前段階で、風袋として第2容器12と、この第2容器12を載置しているパレットなどの重さを測定し、粉体を充填した後段階で、第2容器12などと一緒に粉体の重量を測定する。
【0018】
本実施形態に係る粉体充填装置10には、粉体供給部13が設けられている。
図2には、
図1で示された粉体供給部13の平面図が、
図3には、その側面図が示されている。
本実施形態では、粉体供給部13には、第1容器11から第2容器12へ粉体を投入するための第1粉体投入管20と、同じく第1容器11から第2容器12へ粉体を投入するための第2粉体投入管21が設けられている。
図4に示すように、第1粉体投入管20は、フランジにより第1容器11からの粉体を導く粉体供給パイプ16に接続されている。また第2粉体投入管21も第1粉体投入管20と同じように、第1容器11からの粉体を導くパイプ(不図示)に、フランジにより接続されている。
【0019】
第1粉体投入管20と第2粉体投入管21との相違点は投入管の内径である。すなわち第2粉体投入管21の内径は、第1粉体投入管20の内径よりも小さくなっている。粉体充填装置10の使用者は、例えば第2容器12への粉体投入の初期段階では第1粉体投入管20を用いて短時間で粉体を投入し、第2容器12への粉体投入の最終段階では第2粉体投入管21を用いて、投入される粉体の重量の精度を上げることができる。なお、粉体の投入管の数または大きさについては、本実施形態に限定されず、例えば内径の異なる3本の投入管を設けたり、1本の投入管としたりすることも可能である。
【0020】
粉体供給部13には、第2容器12の開口部と連結するための連結部23が設けられている。この連結部23の内側に上記した第1粉体投入管20と第2粉体投入管21と、が位置している。
図1に示すように、連結部23は二つの円筒形状体を上下に滑らかに連結した形状をしている。連結部23の下部の外径は、第2容器12の開口部が連結部23に嵌まり込むことができる大きさである。粉体充填装置10の使用者は、連結部23に第2容器12の開口部が嵌まり込んだ状態で、第2容器12の開口部を連結部23に公知の緊結手段により緊結する。
【0021】
本実施形態の粉体供給部13には、固定された第2容器12の内部の気体を吸引するための吸引管22が設けられている。吸引管22の下端は、第1粉体投入管20および第2粉体投入管21の下端よりも上方に位置している。吸引管22の上端部は、図示しない吸引装置に、フランジにより連結されている。なお、吸引装置と吸引管22との間には、気体の吸引量を調整することができるバルブが設けられていることが好ましい。
【0022】
第2容器12内に、投入量の多い第1粉体投入管20により、一度の大量の粉体が投入されると、投入された粉体の量に対する気体が第2容器12から一気に排出される。この排出時の空気の流れは乱流であり、この空気の流れにより粉体が巻き上げられ、粉塵が発生する。そうすると、計量の際、すなわち第2容器12の開口部を連結部23から外した際の、第2容器12の開口部からの飛散粉塵量が増大する。これに対し、第2容器12の内部の気体を吸引するための吸引管22が設けられていると、この吸引管22により、投入された粉体量に見合った空気が、比較的層流に近い状態で第2容器12から排出される。そうすると粉塵の発生量自体が少なくなり、被災する粉塵量が少なくなる。
【0023】
粉体充填装置10の粉体供給部13における吸引管22により粉体が充填される際に第2容器12内部の空気が吸引されると、第2容器12の内部の空気が供給された粉体により押し出されることが少なくなり、粉体が巻き上げられるのを抑制できる。すなわち粉塵の発生自体を抑制できるので、粉塵の飛散量を少なくできるとともに、製造した粉体のロスを少なくすることができる。
【0024】
粉体供給部13には、連結部23の内部に付着した粉塵を落とすための振動装置26が設けられている。この振動装置26としては、例えば公知のエアノッカーを用いることができる。粉体充填装置10の使用者は、第2容器12の開口部を連結部23から外す前に振動装置26を稼動させて、連結部23の内面の粉塵を第2容器12内へ落下させることができる。振動装置26が設けられる高さは特に限定されないが、連結部23の比較的高い位置に設けることが好ましい。
【0025】
本実施形態の粉体供給部13には、集塵フード24が設けられている。集塵フード24は、円筒形状をしている。そして集塵フード24は、水平面での断面において、連結部23とは同心円をなしている。集塵フード24は、連結部23の側方の外周を覆うように位置している。集塵フード24の下端は、連結部23の下端よりも高い。具体的には、集塵フード24の下端は、連結部23の下端よりも150mm程度上に位置している。これは、粉体充填装置10の使用者が、第2容器12の開口部を連結部23に固定する際に集塵フード24が邪魔にならないようにするためである。
【0026】
本実施形態では、集塵フード24の下端には整流部25が設けられている。この整流部25は、フランジ状部材であって、集塵フード24の円筒の筒状体の軸心に対して垂直な面を有している。整流部25は集塵フード24の下端から外側に向けて設けられている。
【0027】
集塵フード24の下端に、集塵フード24の筒状体の軸心に対して垂直な面を有する整流部25が設けられていることにより、吸引される空気の大部分が集塵フード24の下端より下方向のものとなり、空気の流れの乱れが抑制され、第2容器12を交換する際に発生する粉塵をより確実に吸引できる。
【0028】
集塵フード24には、集塵フード24の内部を負圧にするための吸引口27が設けられている。
図2に示すように、本実施形態では、この吸引口27は、水平面内に2箇所等間隔に設けられている。この吸引口27は、吸引用パイプ15とフランジにより連結されている。吸引用パイプ15は、図示しない吸引装置に連結されている。粉体充填装置10の使用者は、第2容器12の開口部を連結部23から外した際に、吸引装置を稼動させることで、集塵フード24内部を負圧にし、第2容器12の開口部から飛散する粉塵を吸引する。なお、吸引口27の個数は2つに限定されず、3つ以上の場合もある。その場合もその3つ以上の吸引口27は等間隔に設けられることが好ましい。
【0029】
集塵フード24の周方向側面に、集塵フード24の内部を負圧にするための吸引口27が、等間隔に2以上設けられていることにより、集塵フード24の粉塵の吸引口27の部分の空気の流れの速度のばらつきが抑えられ、粉塵の吸引がさらに確実になる。
【0030】
(粉体の充填方法)
粉体充填装置10の使用者は、粉体が充填される第2容器12を粉体充填装置10に取り付ける。具体的には、粉体供給部13の連結部23に、第2容器12の開口部を緊結する。この際使用者は、第2容器12が、粉体が投入された際に倒れないように、第2容器12を紐体などにより支持する。また第2容器12は、計量装置14の上に載置されているので、使用者は第2容器12などの重量を風袋として測定する。
【0031】
粉体充填装置10の使用者は、第1粉体投入管20を用いて、第2容器12内に第1容器11からの粉体を重力により投入する。この際使用者は、粉体供給部13に設けられている吸引管22から第2容器12内部の気体を吸引する。この吸引量は、第1粉体投入管20から投入される粉体の体積量と同じ体積量であることが好ましい。ただし厳密に同じ体積量である必要はなく、例えば第2容器12の側面が大きくへこんだり膨らんだりしない程度の体積量であれば問題ない。具体的には投入される粉体の体積量のプラスマイナス10%程度であることが好ましい。使用者は、投入予定量の90%程度の粉体を、第1粉体投入管20を用いて投入する。この粉体の重量は、計量装置14で測定する。
【0032】
粉体供給部13が設けられた粉体充填装置10において、粉体が第2容器12に投入されるときに、第2容器12内の気体を吸引することにより、第2容器12の内部の空気が供給された粉体により押し出されることが少なくなり、粉体が巻き上げられるのを抑制できる。すなわち粉塵の発生自体を抑制できるので、粉塵の飛散量を少なくできるとともに、製造した粉体のロスを少なくすることができる。
【0033】
粉体充填装置10の使用者は、投入予定量の90%程度の粉体を投入した後、第2容器12の開口部を、粉体供給部13の連結部23から外す。これは、第2容器12の開口部を連結部23に連結したままだと、計量装置14による重量の測定が正確に行うことができないためである。第2容器12の開口部を、粉体供給部13から外した後、使用者は第2粉体投入管21により、投入予定量の100%になるように粉体を投入する。この際粉塵の飛散を防止するために使用者は、吸引用パイプ15から集塵フード24内部を負圧にして、粉塵を集塵フード24から吸引する。その後吸引された粉塵は廃棄される。
【0034】
粉体充填装置10の使用者は、第2容器12内の粉体が投入予定量の100%になったことを確認した後、第2容器12の開口を閉じて、粉体充填装置10から第2容器12を取出す。
【0035】
本実施形態では、粉体供給部13に吸引管22が設けられている構成について説明したが、本発明に係る粉体の充填方法は、この構成の装置に限定されない。たとえば、吸引管22を、粉体供給部13を分離しても受けることも可能である。
【0036】
また、本実施形態では、集塵フード24が設けられている構成について説明したが、本発明に係る粉体の充填方法は、この構成の装置に限定されない。たとえば、充填される粉体の種類によっては集塵フード24を設けていない装置を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 粉体充填装置
11 第1容器
12 第2容器
13 粉体供給部
22 吸引管
23 連結部
24 集塵フード
25 整流部
27 吸引口