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  • 特許-映像表示システムおよび映像表示方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】映像表示システムおよび映像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 21/06 20060101AFI20220930BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220930BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20220930BHJP
   G09F 19/18 20060101ALI20220930BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
G09F21/06
G03B21/00 D
G09F19/00 D
G09F19/18 Z
H04N5/74 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017096441
(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公開番号】P2018194609
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-03-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】230129621
【弁護士】
【氏名又は名称】井深 大
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】能見 基彦
(72)【発明者】
【氏名】関野 夕美子
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】吉村 尚
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-119402(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002298(WO,A1)
【文献】特開平5-249428(JP,A)
【文献】特開2005-318652(JP,A)
【文献】国際公開第2015/146805(WO,A1)
【文献】特開平9-149296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F21/06
G09F19/00
G09F19/18
G03B21/00
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状が多面体であり、その第1平面にプロペラを設けることによって移動可能とした浮遊体と、
前記多面体の前記第1平面とは異なる第2平面に映像を投影する投影装置と、を備える映像表示システム。
【請求項2】
前記投影装置は、前記浮遊体の位置および/または姿勢に応じた映像を投影する、請求項1に記載の映像表示システム。
【請求項3】
前記投影装置は、前記浮遊体の位置および/または姿勢を示す既知のタイムテーブルに基づいて、予め補正された映像を投影する、請求項2に記載の映像表示システム。
【請求項4】
前記浮遊体の位置および/または姿勢を計測する計測器を備え、
前記投影装置は、前記計測器による計測結果に基づいて、予め補正された映像を投影する、請求項2に記載の映像表示システム。
【請求項5】
前記投影装置は、前記第2平面に投影された映像に歪が生じないように予め補正された映像を投影する、請求項2乃至4のいずれかに記載の映像表示システム。
【請求項6】
前記浮遊体の位置に応じて前記投影装置を移動させる移動機構を備える、請求項2乃至5のいずれかに記載の映像表示システム。
【請求項7】
前記投影装置の近傍に配置された音響装置を備える、請求項1乃至6のいずれかに記載の映像表示システム。
【請求項8】
形状が多面体であり、その第1平面にプロペラを設けることによって移動可能とした浮遊体前記多面体の前記第1平面とは異なる第2平面に映像を投影する映像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊体に映像を投影する映像表示システムおよび映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気球に広告宣伝等の映像を投影することが行われている。しかしながら、通常の気球は表面が複雑な曲面であるため、鮮明な映像を投影するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-18613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、鮮明な映像を浮遊体に表示可能な映像表示システムおよび映像表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、平面を有する、移動可能な浮遊体と、前記平面に映像を投影する投影装置と、を備える映像表示システムが提供される。
平面に映像を投影することで、鮮明な映像を表示できる。
【0006】
前記投影装置は、前記浮遊体の位置および/または姿勢に応じた映像を投影するのが望ましい。
これにより、浮遊体が移動した場合でも、鮮明な映像を表示できる。
【0007】
この場合、前記投影装置は、前記浮遊体の位置および/または姿勢を示す既知のタイムテーブルに基づいて、予め補正された映像を投影してもよい。
あるいは、映像表示システムが前記浮遊体の位置および/または姿勢を計測する計測器を備え、前記投影装置は、前記計測器による計測結果に基づいて、予め補正された映像を投影してもよい。
【0008】
前記投影装置は、前記平面に投影された映像に歪が生じないように予め補正された映像を投影するのが望ましい。
これにより、浮遊体が移動した場合でも、歪が少ない映像を表示できる。
【0009】
前記浮遊体の位置に応じて前記投影装置を移動させる移動機構を備えるのが望ましい。
これにより、浮遊体が移動した場合でも、鮮明な映像を表示できる。
【0010】
前記投影装置の近傍に配置された音響装置を備えるのが望ましい。
これにより、演出効果や情報伝達効果が向上する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、移動可能な浮遊体が有する平面に映像を投影する映像表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
浮遊体に鮮明な映像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る映像表示システムの概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る映像表示システムの概略構成を示す図である。映像表示システムは、浮遊体1と、計測器2と、1または複数の投影装置3と、移動機構4と、音響装置5とを備えている。
【0016】
浮遊体1は気球などであるが、本実施形態の特徴の1つとして浮遊体1が少なくとも1つの平面1aを有している。浮遊体1の形状に特に制限はなく、概略立方体、直方体、下向きの多角錐、多角錐台など任意の多面体であってよい。
【0017】
浮遊体1は空中で移動可能であるのが望ましい。図1の例では、浮遊体1にプロペラ1bを設けており、浮遊体1を前後左右に移動させたり、鉛直軸に対して旋回させたり、上下動させたりできる。その他、浮遊体1をドローンで曳航してもよいし、地上に設置したワイヤ駆動機構で移動させてもよい。
【0018】
浮遊体1を屋外に設置してもよいが、風の影響を受けにくいアミューズメント施設内、商業施設内、工場内、スポーツ競技場内、劇場内、パーティ会場内等、屋内に設置するのが好適である。また、現場にいる特定の人(司会者、歌手等の芸能演技者、プレゼンテーションのプレゼンター、政治家、企業幹部等)の近傍に浮遊体1を設置してもよい。この場合、この特定の人の移動に合わせて浮遊体1を移動させてもよい。
【0019】
計測器2は浮遊体1の位置および/または姿勢をリアルタイムで計測する。計測結果は投影装置3および移動機構4に通知される。なお、計測器2による計測結果を用いるのではなく、気球の位置あるいは姿勢を既知のタイムテーブルとして予め投影装置3が把握しておいてもよい。浮遊体1の位置あるいは姿勢は以下に説明する投影装置3および移動機構4によって用いられる。
【0020】
投影装置3は、例えばプロジェクタやスキャニングレーザによる描画装置であり、浮遊体1の平面1aに映像を投影する。望ましくは、投影装置3は浮遊体1の位置や姿勢に応じた映像を投影する。例えば、投影装置3は、ズームレンズや縦横比補正機構を有しており、浮遊体1の位置や姿勢に応じて、浮遊体1の平面1aに投影される映像に歪が生じないよう予め補正した映像を投影する。あるいは、投影装置3は投影方向が可動であり、浮遊体1が位置あるいは姿勢を変えても安定した映像を投影する。
【0021】
投影装置3を複数用意しておき、ある投影装置3の映像投影可能範囲から外れた位置に浮遊体1が移動した場合、別の投影装置3から映像を投影するようにしてもよい。これにより、シームレスに映像を表示できる。
【0022】
移動機構4は投影装置3を移動させる。より具体的には、移動機構4は浮遊体1の位置に追従するよう投影装置3を移動させる。移動機構4および投影装置3が地上に設置される場合、周囲の観察者の妨げにならない範囲で移動機構4が投影装置3を移動させるのが望ましい。なお、移動機構4が投影装置3に内蔵され、投影装置3が自走できてもよい。
【0023】
音響装置5は投影装置3の近傍に配置され、音響を提供する。この音響は浮遊体1の平面1aに投影される映像と関連するのが望ましい。これにより、演出効果や情報伝達効果が向上する。音響装置5は固定されてもよいし、移動機構4によって投影装置3とともに移動されてもよい。
【0024】
以上説明した映像投影システムにおいて、投影装置3が投影する映像に特に制限はなく、予め用意した情報素材(広告宣伝、注意伝達事項、娯楽など)でもよいし、別途用意したカメラで撮影した映像をリアルタイムで投影してもよい。また、災害発生等の緊急時には、投影装置3が避難経路を示す矢印を投影してもよい。この場合、避難経路や非常口等に向けて移動機構4が浮遊体1を移動させてもよいし、避難経路に沿って複数の浮遊体1を浮遊させてもよい。
【0025】
このように、本実施形態では浮遊体1の平面1aに映像を投影する。そのため、鮮明な映像を浮遊体1に表示でき、従来にはない効果的な情報を周囲の人々に提供できる。また、浮遊体1の位置や姿勢を考慮して映像を投影することで、より鮮明な映像を浮遊体1に表示できる。
【0026】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0027】
1 浮遊体
1a 平面
1b プロペラ
2 計測器
3 投影装置
4 移動機構
5 音響装置
図1