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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】投影装置、投影方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20220930BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220930BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
G06F3/04845
G03B21/00 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019177672
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021056652
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄大
(72)【発明者】
【氏名】楠本 修也
(72)【発明者】
【氏名】小宮 優馬
(72)【発明者】
【氏名】島田 智大
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-170613(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159602(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04845
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部と、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記操作者と、前記操作者ではない他の前記人物とを判定する判定部と、
を備え、
前記投影画像生成部は、前記判定部の結果及び前記入力操作検出部の検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成する投影装置。
【請求項2】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部と、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成部と、
を備え、
前記投影画像生成部は、前記入力操作検出部の検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成し、
前記検知部は、予め決められた位置の前記人物を前記操作者として検知する投影装置。
【請求項3】
前記検知部の検知結果に基づいて、前記操作者と、前記操作者ではない他の前記人物とを判定する判定部を備え、
前記投影画像生成部は、前記判定部の結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への操作を前記主画像に反映させる請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記検知部は、予め決められた位置の前記人物を前記操作者として検知する請求項1に記載の投影装置。
【請求項5】
前記投影面の周囲に位置する前記複数の人物の撮像画像を取得する撮像部を備え、
前記検知部は、前記撮像画像に基づいて、前記投影面の周囲に位置する前記複数の人物を検知する請求項1から4のいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項6】
前記投影画像生成部は、前記検知部で検知された前記複数の人物の検知結果に基づいて、前記副画像を配置する請求項5に記載の投影装置。
【請求項7】
前記検知部は、前記撮像画像に基づいて、前記人物の指示動作を検知して前記操作者を検知する請求項又はに記載の投影装置。
【請求項8】
前記複数の人物のうち少なくとも1人が有し、操作指示の入力を行う指示体からの指示を受け付ける指示受付部を備え、
前記入力操作検出部は、前記指示に基づいて前記入力操作を検出し、
前記検知部は、前記指示に基づいて前記操作者を検知する請求項1からのいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項9】
前記検知部は、前記人物が有する特徴部を検知することにより、前記操作者を検知する請求項1からのいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項10】
前記入力操作検出部は、前記投影面の周囲に位置する複数の人物の操作画面の要求指示を検出し、
前記投影画像生成部は、前記入力操作検出部により検出された前記要求指示に応じて、前記操作画面と前記主画像とを含む投影画像を生成する請求項1からのいずれか1項に記載の投影装置。
【請求項11】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法であって、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成ステップと、
前記検知ステップの検知結果に基づいて、前記操作者と、前記操作者ではない他の前記人物とを判定する判定ステップと、
を含み、
前記投影画像生成ステップは、前記判定ステップの結果及び前記入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成する投影方法。
【請求項12】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法であって、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成ステップと、
を含み、
前記投影画像生成ステップは、前記入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成し、
前記検知ステップは、予め決められた位置の前記人物を前記操作者として検知する投影方法。
【請求項13】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成ステップと、
前記検知ステップの検知結果に基づいて、前記操作者と、前記操作者ではない他の前記人物とを判定する判定ステップと、
を含み、
前記投影画像生成ステップは、前記判定ステップの結果及び前記入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成する投影方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
主画像又は前記主画像と前記主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの前記副画像に前記入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知された前記操作者に対応する位置に配置された前記副画像と前記主画像とを含む前記投影画像を生成する投影画像生成ステップと、
を含み、
前記投影画像生成ステップは、前記入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、前記操作者の前記副画像への前記入力操作を前記主画像に反映させた前記投影画像を生成し、
前記検知ステップは、予め決められた位置の前記人物を前記操作者として検知する投影方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置、投影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インタラクティブ操作を行うことができる投影装置が提案されている。ここでインタラクティブ操作とは、ユーザが投影されている画像に対して投影面上で書き込みを行えたり、ユーザの指示により投影されている画像を移動又は拡縮させることである。
【0003】
例えば特許文献1に記載されている技術では、インタラクティブ操作に関連する技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載された技術では、指示手段を移動させた移動軌跡に対応する第1の軌跡画像を画像の表示面上における設定されたオフセット量だけオフセットした位置に表示させるとともに、移動軌跡に対応する第2の軌跡画像をオフセットしない位置にも表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-12039号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明の技術に係る一つの実施形態は、複数の人物に対して主画像を投影する場合において、操作を行う操作者に対して副画像を適切に表示することができる投影装置、投影方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様である投影装置は、主画像又は主画像と主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部と、投影部への入力操作を検出する入力操作検出部と、投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの副画像に入力操作を行う操作者を検知する検知部と、検知部により検知された操作者に対応して配置された副画像と主画像とを含む投影画像を生成する投影画像生成部と、を備え、投影画像生成部は、入力操作検出部の検出結果に基づいて、操作者の副画像への入力操作を主画像に反映させた投影画像を生成する。
【0007】
好ましくは、投影装置は、検知部の検知結果に基づいて、操作者と、操作者ではない他の人物とを判定する判定部を備え、投影画像生成部は、判定部の結果に基づいて、操作者の副画像への操作を主画像に反映させる。
【0008】
好ましくは、投影装置は、投影面の周囲に位置する複数の人物の撮像画像を取得する撮像部を備え、検知部は、撮像画像に基づいて、投影面の周囲に位置する複数の人物を検知する。
【0009】
好ましくは、投影画像生成部は、検知部で検知された複数の人物の検知結果に基づいて、副画像を配置する。
【0010】
好ましくは、検知部は、撮像画像に基づいて、人物の指示動作を検知して操作者を検知する。
【0011】
好ましくは、投影装置は、複数の人物のうち少なくとも1人が有し、操作指示の入力を行う指示体からの指示を受け付ける指示受付部を備え、入力操作検出部は、指示に基づいて前記入力操作を検出し、検知部は、指示に基づいて操作者を検知する。
【0012】
好ましくは、検知部は、人物が有する特徴部を検知することにより、操作者を検知する。
【0013】
好ましくは、検知部は、予め決められた位置の人物を操作者として検知する。
【0014】
好ましくは、入力操作検出部は、投影面の周囲に位置する複数の人物の操作画面の要求指示を検出し、投影画像生成部は、入力操作検出部により検出された要求指示に応じて、操作画面と主画像とを含む投影画像を生成する。
【0015】
本発明の他の態様である投影方法は、主画像又は主画像と主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法であって、投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの副画像に入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、検知ステップにより検知された操作者に対応して配置された副画像と主画像とを含む投影画像を生成する投影画像生成ステップと、を含み、投影画像生成ステップは、入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、操作者の副画像への入力操作を主画像に反映させた投影画像を生成する。
【0016】
本発明の他の態様であるプログラムは、主画像又は主画像と主画像の少なくとも一部が複製された副画像とを含む投影画像を投影面に投影する投影部を有する投影装置の投影方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、投影部への入力操作を検出する入力操作検出ステップと、投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの副画像に入力操作を行う操作者を検知する検知ステップと、検知ステップにより検知された操作者に対応して配置された副画像と主画像とを含む投影画像を生成する投影画像生成ステップと、を含み、投影画像生成ステップは、入力操作検出ステップの検出結果に基づいて、操作者の副画像への入力操作を主画像に反映させた投影画像を生成する投影方法をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、投影装置が使用される一形態に関して説明する図である。
図2図2は、投影装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図3図3は、投影装置を使用した投影方法を示すフローチャートである。
図4図4は、複数の人物が出席する会議において、投影装置により会議の資料を投影する例を説明する図である。
図5図5は、撮像画像を概念的に示す図である。
図6図6は、副画像を必要とする場合を説明する図である。
図7図7は、副画像の表示要求の一例を示す図である。
図8図8は、副画像の表示例を示す図である。
図9図9は、操作者でない他の人物の操作と判定した場合について説明する図である。
図10図10は、操作者のインタラクティブ操作と判定された場合について説明する図である。
図11図11は、投影装置の機能構成例を示すブロック図である。
図12図12は、電子ペンによりインタラクティブ操作を行うことを示す図である。
図13図13は、投影方法を示したフローチャートである。
図14図14は、操作画面の要求指示の例を示す図である。
図15図15は、操作画面の要求指示を行う場合について説明する図である。
図16図16は、表示された操作画面の例を示す図である。
図17図17は、人物が有する特徴部により操作者を検知する場合の例を示す図である。
図18図18は、特定の位置に居る人物を、操作者として検知する場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に従って本発明に係る投影装置、投影方法及びプログラムの好ましい実施の形態について説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
先ず、本発明の第1の実施形態に関して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態の投影装置20が使用される一形態に関して説明する図である。
【0021】
投影装置20は会議室の天井Xに設置されている。投影装置20のプロジェクタ部(投影部)20Aは、投影装置20で生成される投影画像をテーブルTの表面(以後、単にテーブルTという)を投影面として投影する。テーブルTの回りに着席した会議の出席者である人物A及び人物Jは、テーブルTに投影される投影画像を参照する。なお、図1で示されている人物Aと人物Jとの配置は、図4をX軸方向に向かって見た場合の配置である。
【0022】
投影装置20はカメラ部(撮像部)20Bを備え、テーブルTを含む人物が写っている撮像画像を取得する。図1及び図4に示す場合では、テーブルTを囲む人物A~人物Lの撮像画像が取得される。なお、図1は投影装置20が使用される一例を示す図であり、これに限定されるものではない。例えば投影装置20は、天井Xに設置されることには限定されず、テーブルTの表面に投影画像を投影することが可能な位置に設置することができる。また、投影面は、テーブルTに限定されるものではなく、投影画像を投影することができる表面であればよい。例えば、スクリーンやホワイトボードを投影面とすることもできる。
【0023】
図2は、投影装置20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0024】
投影装置20は、投影面であるテーブルTに投影画像を投影するプロジェクタ部20Aと、テーブルTの回りに位置する複数の人物を捉えるカメラ部20Bと、制御部26と、メモリ27と、投影画像生成部28と、入力操作検出部30、検知部31と、判定部33と、入力I/F(interface)29と、を備えている。なお制御部26、メモリ27、及び入力I/F29は、プロジェクタ部20A及びカメラ部20Bにおいて共通に機能する。
【0025】
プロジェクタ部20Aは、所謂単板式の液晶プロジェクタであり、表示用光学素子(光変調素子ともいう)42と、素子ドライバ43と、LED光源44と、光源ドライバ45と、投影レンズ46と、レンズドライバ47と、を含む。
【0026】
表示用光学素子42は、複数色のカラーフィルタを備えた透過型の液晶パネル、或いはダイクロイックミラーとマイクロレンズアレイとモノクロの透過型の液晶パネルとを組み合わせたカラーフィルレス構造の素子等が用いられる。カラーフィルレス構造の素子は、例えば、R(Red)光、G(Green)光、B(Blue)光をそれぞれ反射する3種類のダイクロイックミラーにより白色光をRGBの3色の光に分光し、3色の光を互いに異なった角度で液晶パネル上のマイクロレンズアレイに入射させる。そして、3色の光をマイクロレンズアレイにより液晶パネルのR用画素、G用画素、B用画素にそれぞれ入射させることによりカラー画像の表示が可能となる。
【0027】
なお、プロジェクタ部20Aは、単板式の液晶プロジェクタに限定されるものでなく、色分離光学系及び複数の液晶パネルを備える公知の3板式の液晶プロジェクタであってもよい。また、プロジェクタ部20Aは、透過型液晶方式に限定されるものではなく、反射型液晶表示方式やDMD(Digital Mirror Device)等を用いた反射型表示方式等の他の各種方式を採用してもよい。
【0028】
素子ドライバ43は、制御部26の制御の下、表示用光学素子42を制御して、投影画像生成部28が生成した投影画像を表示させる。
【0029】
LED光源44は、投影光源であり、表示用光学素子42の背面側(投影レンズ46に対向する面とは反対面側)から表示用光学素子42に対して白色光を入射させる。これにより、表示用光学素子42から投影画像の像光が出射される。光源ドライバ45は、制御部26の制御の下、LED光源44の駆動を制御する。なお、投影光源としてLED以外の光源を使用可能である。また、DMD等、R光、B光、G光を時分割で順次投影する表示用光学素子42を用いる場合は、投影光源として、R光、B光、G光を時分割で表示用光学素子42に順次照射させる光源を使用する。すなわち、投影光としては、R光、B光、G光などの白色光以外の光を用いることができる。
【0030】
投影レンズ46は、表示用光学素子42から出射される投影画像の像光を投影面に投影する。レンズドライバ47は、図示しないレンズ駆動部を介して、投影レンズ46のフォーカス制御等を行う。なお、本例では投影装置20及びテーブルTの位置がほぼ固定であるので、テーブルTの位置に合わせて予めフォーカス調整等が予め行われていてもよい。
【0031】
制御部26は、データバス49を介して、レンズドライバ37、撮像素子38、インターフェース回路40、素子ドライバ43、光源ドライバ45、及びレンズドライバ47等に接続している。この制御部26は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む各種の演算部及び処理部及び記憶部により構成されたものであり、メモリ27から読み出した制御用のプログラムやデータを実行することで、投影装置20の全体の動作や処理を統括制御する。
【0032】
メモリ27は、制御部26が処理を実行するための制御用のプログラムを格納している。
【0033】
投影画像生成部28は、プロジェクタ部20Aで投影される投影画像を生成する。具体的には投影画像生成部28は、主画像で構成される投影画像、又は主画像及び副画像で構成される投影画像を生成する。ここで、主画像とは投影面に投影される比較的大きな画像である。例えば主画像は、会議に出席した出席者全員が見ることを想定した画像である。また、副画像とは、主画像に対してインタラクティブ操作(入力操作)を行う操作者に補助的に投影される画像である。すなわち、主画像に対してインタラクティブ操作を行う場合に、出席者の位置によっては、直接主画像の所定の領域に手が届かない場合がある。このような場合には、副画像を操作者の手元に表示して、操作者は、敢えて移動しなくても主画像に対してインタラクティブ操作を行うことが可能になる。
【0034】
投影画像生成部28は、検知部31により検知された操作者に対応して配置された副画像と主画像とを含む投影画像を生成する。副画像は、予め投影面上の所定の位置に配置することが決められていてもよい。例えば、テーブルTにおいて予め出席者が座る位置が決まっている場合には、副画像はテーブルTにおいて予め決められた位置に表示される。また、副画像は、操作者の場所に応じて表示されてもよい。例えば、検知部31で検知された操作者の手元や周辺に副画像を表示される。
【0035】
投影画像生成部28は、入力操作検出部30の検出結果に基づいて、操作者の副画像へのインタラクティブ操作(入力操作)を主画像に反映させた投影画像を生成する。なお、投影画像生成部28は、副画像においてもインタラクティブ操作を反映させた投影画像を生成してもよい。
【0036】
入力操作検出部30は、プロジェクタ部20Aへのインタラクティブ操作を検出する。具体的には、プロジェクタ部20Aが投影する投影画像へのインタラクティブ操作を検出する。入力操作検出部30は、様々の手法により、インタラクティブ操作を検出することができる。例えば入力操作検出部30は、カメラ部20Bにより撮像された撮像画像に基づいて、インタラクティブ操作を検出する。入力操作検出部30は、撮像画像を画像処理することにより、操作者の書き込みや投影された画像の移動又は拡縮操作を検出して、投影画像生成部28はその検出結果を投影画像(主画像、又は主画像及び副画像)に反映させる。また、入力操作検出部30は、図2では図示は省略しているが、電子ペン等の指示体に送信される信号により、インタラクティブ操作を検出してもよい。入力操作検出部30は、電子ペンから送信されてくる信号により、操作者が書き込んだ文字又は投影された画像への操作を検出し、投影画像生成部28はその検出結果を投影画像に反映させる。
【0037】
検知部31は、投影面の周囲に位置する複数の人物のうちの副画像にインタラクティブ操作を行う操作者を検知する。検知部31は、投影装置20が取得する様々の情報に基づいて、会議の参加者から、インタラクティブ操作を行う操作者を検知する。例えば検知部31は、カメラ部20Bで取得された撮像画像に基づいて、操作者を検知する。
【0038】
判定部33は、インタラクティブ操作が操作者の操作であるか、操作者でない者の操作であるかを判定する。例えば判定部33は、撮像画像に基づいて、操作者と、操作者ではない他の人物とを判定する。
【0039】
カメラ部20Bは、会議の出席者を捉えた撮像画像の取得を行う。カメラ部20Bは出席者の撮像画像を静止画又は動画で取得する。カメラ部20Bは、撮影レンズ36と、レンズドライバ37と、撮像素子38と、図中「A/D」と表示しているAD(Analog-to-Digital)変換器39と、図中「I/F」と表示しているインターフェース(interface)回路40と、を含む。カメラ部20Bは、常時又は一定の間隔で撮像画像を取得する。
【0040】
撮影レンズ36を介して、出席者の像は撮像素子38に結像する。レンズドライバ37は、図示しないレンズ駆動部を介して、撮影レンズ36のフォーカス制御等を行う。
【0041】
撮像素子38は、垂直ドライバ及び水平ドライバ等を有するCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)ドライバにより駆動されるCMOS型のイメージセンサにより構成されている。なお、撮像素子38は、CMOS型に限らず、XYアドレス型、又はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサでもよい。
【0042】
撮像素子38には、RGBの各フィルタが2次元状に配列されたカラーフィルタが備えられており、撮像素子38によりカラー画像が得られる。なお、得られる撮像画像は、カラー画像に限定されるものではなく、モノクロ画像であってもよい。
【0043】
AD変換器39は、撮像素子38から読み出された受光信号をデジタル信号に変換してインターフェース回路40へ出力する。インターフェース回路40は、画像入力コントローラとして機能するものであり、AD変換器39から入力された撮像画像を制御部26へ出力する。
【0044】
図3は、投影装置20を使用した投影方法を示すフローチャートである。なお、図3に示す一連のステップを説明した後に、各ステップの詳細について説明を行う。
【0045】
先ず、会議の出席者が会議室に入室した後に、投影装置20の電源が入れられる(ステップS10)。その後、カメラ部20Bにより出席者の撮像が行われ撮像画像が取得される(ステップS11)。その後、検知部31により、取得された撮像画像に基づいて人物の数及び各人物の位置が検知される(ステップS12)。次に、プロジェクタ部20Aにより投影面に主画像が投影される(ステップS13)。次に、検知部31は、会議の出席者のうちで操作者を検知する(検知ステップ:ステップS14)。そして、検知部31で操作者が検知された場合には、操作者に対応する位置に副画像を表示する(ステップS15)。その後、入力操作検出部30はインタラクティブ操作を検知する(入力操作検出ステップ:ステップS16)。次に、判定部33により、入力操作検出部30で検知された操作が操作者の操作であるか否かが判定される(ステップS17)。検知したインタラクティブ操作が操作者のものである場合には、副画像に検知したインタラクティブ操作を反映させ(投影画像生成ステップ:ステップS18)、投影画像生成部28により、主画像に検知したインタラクティブ操作を反映させた投影画像が生成され投影面に投影される(投影画像生成ステップ:ステップS19)。一方、検知したインタラクティブ操作が操作者のものでない場合には、副画像に検知したインタラクティブ操作を反映させず(ステップS20)、主画像に検知したインタラクティブ操作を反映させない(ステップS21)。
【0046】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0047】
次に、上述したステップの各ステップに関して詳細に説明をする。
【0048】
<<ステップS10~ステップS12>>
先ず、ステップS10~ステップS12に関して説明する。ステップS10では投影装置20の電源が入れられる。投影装置20の電源は、手動で入れられてもよいし、会議の出席者が会議室に入室したことを検知して自動的に電源が入れられてもよい。
【0049】
図4は、複数の人物が出席する会議において、投影装置20により会議の資料を投影する例を説明する図である。
【0050】
会議室にはテーブルTが設置されており、テーブルTの回りに、会議の参加者である人物A~人物Lが位置している。投影装置20は、図1で説明したように天井Xに設置されており、テーブルTを投影面として投影画像を投影する。人物A~人物Lは、テーブルTに投影される会議の資料を見ながら会議に参加する。
【0051】
ステップS11及びステップS12では、カメラ部20Bにより会議の出席者の撮像が行われ、検知部31により人物の数及び位置が検知される。
【0052】
図5は、カメラ部20Bにより撮像された撮像画像を概念的に示す図である。
【0053】
図5に示された撮像画像Pは、カメラ部20Bにより撮像される。撮像画像Pには全ての会議の出席者(人物A~人物L)が写っている。カメラ部20Bにより取得された撮像画像Pに基づいて、検知部31は人物A~人物Lを検知する。例えば、検知部31は、カメラ部20Bで撮像された撮像画像に画像処理を行うことにより、人物A~人物Lを検知する。撮像画像Pにおける点線は、検知部31で人物A~人物Lの各々が検知されたことを示す。検知部31は、人物A~人物Lの各々の位置を検知する。
【0054】
ここで、インタラクティブ操作を行う場合に、操作者が副画像を必要とする場合に関して説明する。
【0055】
図6は、人物Aが操作者であり、副画像を必要とする場合を説明する図である。
【0056】
人物Aは領域MIに表示されている主画像に対してインタラクティブ操作を行いたいと思っている。インタラクティブ操作を行う場合には、領域MIに表示されている主画像に直接触れなければならない場合には、人物Aの位置からは手が届かず人物Aはそのままの位置では領域MIに表示された主画像に対してインタラクティブ操作を行うことができない。このような場合に、人物Aの目の前(手元)に、領域MIに表示されている主画像と同じ内容の副画像を表示し、人物Aの副画像へのインタラクティブ操作を領域MIに反映させることにより、人物Aはそのままの位置から、領域MIに表示された主画像を操作することができる。
【0057】
<<ステップS13~ステップS15>>
次に、ステップS13~ステップS15に関して説明する。
【0058】
ステップS13では、プロジェクタ部20Aにより主画像で構成された投影画像が投影される。主画像は、投影面であるテーブルTの全域に表示されてもよいし、テーブルTの一部分に表示されてもよい。
【0059】
ステップS14では、検知部31により操作者が検知される。具体的には、検知部31は、カメラ部20Bで取得された撮像画像に基づいて、所定の指示動作(ジェスチャ)を検知することにより操作者を検知する。
【0060】
図7は、副画像の表示要求の一例を示す図である。
【0061】
図7に示した場合では、人物Aは、指で領域MIを指し示すことにより、領域MIに表示されている主画像に対応する副画像の表示の要求を行う。カメラ部20Bにより、人物Aの動きが常時撮像されており、人物Aの副画像の表示要求を検知することにより、人物Aが操作者であることを検知する。具体的には、検知部31は、撮像画像を画像処理することにより、人物Aが指を指したことを検知し、人物Aが操作者であることを検知する。また、検知部31は、撮像画像を画像処理することにより、人物Aが指している方向において領域MIが存在することを検知して、人物Aが領域MIの操作者であることを検知する。
【0062】
ステップS15では、検知部31の検知結果に基づいて、画像生成部により主画像と副画像とで構成される投影画像が生成され、その投影画像がテーブルTに投影される。
【0063】
図8は、人物Aに対応する位置に表示された副画像の表示例を示す図である。
【0064】
検知部31により人物Aが領域MIに関しての副画像の表示要求をしたと検知され、投影画像生成部28により人物Aの手元に副画像MSを有する投影画像が表示される。副画像MSは、領域MIに表示されている主画像と同様の内容を表示する。具体的には、領域MIに表示されている「あいう」が副画像MSにおいても表示されている。なお、副画像が表示される位置は、人物Aがインタラクティブ操作を行う観点より、人物Aの位置に対応して様々な位置が採用される。
【0065】
<<ステップS16~ステップS22>>
次に、ステップS16~ステップS22に関して説明する。
【0066】
ステップS16では、入力操作検出部30により、人物Aのインタラクティブ操作が検知される。インタラクティブ操作は、人物Aの指により行われても良いし、電子ペン等の指示体により行われてもよい。人物Aの指でインタラクティブ操作を行う場合には、カメラ部20Bで人物Aを撮像することにより、インタラクティブ操作を検知する。例えば、人物Aが文字を記載する場合には、カメラ部20Bで人物Aの指の軌跡を検知する。また例えば、人物Aが電子ペン51でインタラクティブ操作を行う場合には、電子ペン51から人物Aが記載した文字を認識し、その情報が投影装置20に送られる。
【0067】
ステップS17では、判定部33により、検知したインタラクティブ操作が操作者(人物A)の操作であるか、又は操作者ではない他の人物(人物Bや人物Lなど)の操作であるかを検知する。例えば判定部33は、カメラ部20Bで撮像された撮像画像により、人物Aのインタラクティブ操作であるか、他の人物の操作であるかを判定する。
【0068】
図9は、判定部33が操作者でない他の人物の操作と判定した場合について説明する図である。
【0069】
判定部33は、カメラ部20Bで撮像された撮像画像によって、人物Aのインタラクティブ操作であるか否かを判定する。具体的には判定部33は、撮像画像において、人物Aを検知しており、人物Aの身体での操作か又は他の人物(例えば人物B)の身体での操作かを判定する。判定部33が、人物Aのインタラクティブ操作ではないと判定した場合には、その操作は副画像及び主画像に反映されない(ステップS20及びステップS21)。
【0070】
図10は、判定部33により、操作者のインタラクティブ操作と判定された場合について説明する図である。
【0071】
判定部33により、検知されたインタラクティブ操作が人物Aの操作であることが判定された場合には、そのインタラクティブ操作は副画像及び主画像に反映される(ステップS18及びステップS19)。図10に示した場合では、入力操作検出部30により人物Aの電子ペン51によるインタラクティブ操作(文字「え」を入力)を検出し、投影画像生成部28により、この入力された文字が副画像MS及び領域MIの主画像にも反映された投影画像が生成され投影される。
【0072】
以上で説明したように、本実施形態では、検知部31により、複数の人物から操作者が検知され、その操作者の手元に副画像が表示される。これにより、操作者は副画像にインタラクティブ操作を行うことによって、主画像にもその内容を反映させることができる。また本実施形態では、カメラ部20Bが投影装置20に備えられているので、会議の出席者を捉えた撮像画像から得られる情報を、検知部31、入力操作検出部30及び判定部33は使用することができる。
【0073】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に関して説明する。
【0074】
図11は、第2の実施形態の投影装置20の機能構成例を示すブロック図である。なお、図2で既に説明を行った箇所は、同じ符号を付し説明を省略する。
【0075】
投影装置20は、プロジェクタ部20Aと、制御部26と、メモリ27と、投影画像生成部28と、入力操作検出部30と、検知部31と、判定部33と、入力I/F(interface)29と、指示受付部35と、を備えている。
【0076】
本実施形態の投影装置20は、第1の実施形態の投影装置20とは異なりカメラ部20Bを有していない。すなわち、本実施形態の投影装置20は、カメラ部20Bを構成する、撮像素子38、AD(Analog-to-Digital)変換器39、及びインターフェース回路40を有していない。
【0077】
投影装置20は、電子ペン(指示体)51からの指示受付部35を備える。指示受付部35は、複数の人物のうち少なくとも1人が有し、操作指示の入力を行う電子ペン51からの指示を受け付ける。
【0078】
入力操作検出部30は、指示受付部35が受け付けた指示に基づいて、プロジェクタ部20Aへのインタラクティブ操作を検出する。すなわち、電子ペン51を介してのインタラクティブ操作は、入力操作検出部30により検出される。
【0079】
検知部31は、指示受付部35が受け付けた指示に基づいて、インタラクティブ操作を行う操作者を検知する。具体的には、電子ペン51は予め所持する人物が決められており、電子ペン51から送信されてきた信号により、操作者を検知することができる。
【0080】
判定部33は、指示受付部35が受け付けた指示に基づいて、操作者と操作者ではない他の人物を判定する。具体的には、電子ペン51は予め所持する人物が決められており、電子ペン51から送信されてきた信号により、操作者と操作者ではない他の人物を判定する。
【0081】
図12は、人物A及び人物Bの各々が電子ペン51によりインタラクティブ操作を行うことを示す図である。
【0082】
人物Aは電子ペン51Aを有しており、人物Bは電子ペン51Bを有している。電子ペン51Aは、予め人物A(又は図12中の人物Aが位置する場所に居る人物)が所持することが設定されており、電子ペン51Bは、予め人物Bが所持することが設定されている。従って、入力操作検出部30は、電子ペン51Aからの指示は人物Aのインタラクティブ操作として検出し、電子ペン51Bからの指示は人物Bのインタラクティブ操作として検出する。また、電子ペン51A及び電子ペン51Bの位置は予め決められており、副画像の配置は、電子ペン51A及び電子ペン51Bを基準にして配置される。すなわち、人物Aは、電子ペン51Aを介して副画像の表示要求を行い、電子ペン51Aの予め設定された位置に対応して副画像も配置される。
【0083】
また、各副画像と各電子ペンとは一対一に対応している。すなわち、人物Aの電子ペン51Aは人物Aの副画像MS-Aに対してのみ操作を行うことが可能であり、人物Bの電子ペン51Bは人物Bの副画像MS-Bに対してのみ操作を行うことが可能である。すなわち、判定部33は、電子ペン51Aの副画像MS-Aには電子ペン51Aを介しての指示を操作者のインタラクティブ操作であると判定し、電子ペン51Bの副画像MS-Bには電子ペン51Bを介しての指示を操作者のインタラクティブ操作であると判定する。なお、電子ペン51A及び51Bは、投影装置20に無線又は有線により接続されている。
【0084】
図13は、本実施形態における投影方法を示したフローチャートである。
【0085】
先ず、会議の出席者が会議室に入室した後に、投影装置20の電源が入れられる(ステップS30)。その後、プロジェクタ部20Aにより、投影面に主画像が投影される(ステップS31)。次に、検知部31は、会議の出席者のうちで操作者を検知する(ステップS32)。そして、検知部31で操作者が検知された場合には、操作者に対応する位置に副画像を表示する(ステップS33)。その後、入力操作検出部30はインタラクティブ操作を検出する(ステップS34)。次に、判定部33により、入力操作検出部30で検出された操作が操作者の操作であるか否かが判定される(ステップS35)。検出したインタラクティブ操作が操作者のものである場合には、投影画像生成部28により、副画像に検出したインタラクティブ操作を反映させ(ステップS36)、主画像に検出したインタラクティブ操作を反映(ステップS37)させた投影画像が生成される。一方、検知したインタラクティブ操作が操作者のものでない場合には、副画像に検知したインタラクティブ操作を反映させず(ステップS38)、主画像に検知したインタラクティブ操作を反映させない(ステップS39)。
【0086】
以上で説明したように、本実施形態では、検知部31により複数の人物から操作者が検知され、その操作者の手元に副画像が表示される。これにより、操作者は副画像にインタラクティブ操作を行うことによって、主画像にもその内容を反映させることができる。また本実施形態では、電子ペン51を使用してインタラクティブ操作が行われ、各電子ペン51は各副画像に対応しているので、操作者ではない他の人物の電子ペン51による誤ったインタラクティブ操作の検出を防ぐことができる。
【0087】
<第1の変形例>
次に、第1の変形例に関して説明する。本例においては、操作画面を使用して副画像を表示させる。
【0088】
検知部31は、投影面の周囲に位置する複数の人物の操作画面の要求指示を検知する。そして、投影画像生成部28は、入力操作検出部30により検知された要求指示に応じて、操作画面と主画像とを含む投影画像を生成する。
【0089】
図14は、操作画面の要求指示の例を示す図である。
【0090】
人物Aは、指示動作(指を移動させる)ことにより、操作画面の要求指示を出す。入力操作検出部30は、カメラ部20Bを有する投影装置20(図2を参照)である場合には、人物Aの撮像画像に基づいて、人物Aが操作画面の投影領域の端辺61を指先で1往復移動させることを検出する。これにより、入力操作検出部30は、操作画面の要求指示を検出する。投影画像生成部28は、要求指示に基づいて、端辺61から出現する操作画面を有する投影画像を生成する。
【0091】
図15は、人物Aが有する電子ペン51Aにより、操作画面の要求指示を行う場合について説明する図である。
【0092】
人物Aは、指示体(電子ペン51A)により、操作画面の要求指示を出す。入力操作検出部30は、電子ペン51Aが接続される指示受付部35を有する投影装置20(図11を参照)である場合には、電子ペン51Aから操作画面の要求指示を検出する。具体的には、電子ペン51Aには、操作画面の表示ボタンが設けられており、表示ボタンが押下されることにより、操作画面が表示される。電子ペン51Aの位置は予め決められており、電子ペン51Aの位置を基準にして操作画面が表示される。
【0093】
図16は、表示された操作画面の例を示す図である。入力操作検出部30が操作画面の要求を検知した場合には、投影画像生成部28は主画像と操作画面MOとを含む投影画像を生成する。操作画面MOは、投影面に投影される主画像への操作を行えるアイコンを有している。具体的には操作画面MOは、「色変更」「太さ変更」「副画像表示」「一つ戻す」等のアイコンを有している。操作画面MOのこれらのアイコンを指又は電子ペン51Aによりタッチすることにより、アイコンに応じたインタラクティブ操作を行うことができる。なお、図16に示した場合では、操作画面MOは矢印55に示すようにテーブルTの縁から出現する。
【0094】
以上で説明したように、本実施形態では、入力操作検出部30が操作画面の要求指示を検出し、操作画面が表示される。そして、操作画面が有するアイコンを介してインタラクティブ操作を行うことができるので、ユーザに簡便なインタラクティブ操作を提供することができる。
【0095】
<第2の変形例>
次に、第2の変形例に関して説明する。本例では、検知部31が操作者を検知する態様の他の例に関して説明する。
【0096】
図17は、検知部31が、人物が有する特徴部により操作者を検知する場合の例を示す図である。
【0097】
図17に示す場合には、人物Aは特徴部として色がついた指輪Rをしている。そして、投影装置20がカメラ部20Bを有する場合(図2を参照)には、人物Aの指輪Rが写っている撮像画像が取得され、その撮像画像に基づいて人物Aを操作者として検知する。なお、特徴部としては、色のついた指輪Rに限定されず、様々なものを特徴部として採用することができる。また、判定部33は、指輪Rをしている人物を操作者と判定し、指輪Rしていない人物を操作者でないと判定することができる。
【0098】
このように、人物が身につけている特徴部(指輪)により、操作者を検知及び判定することにより、正確に操作者のインタラクティブ操作を反映させることができる。
【0099】
<第3の変形例>
次に、第3の変形例に関して説明する。本例では、検知部31が操作者を検知する態様の他の例に関して説明する。
【0100】
図18は、特定の位置に居る人物を、操作者として検知する場合の例を示す図である。
【0101】
図18に示す場合には、人物Zは、全ての人物との距離が最も短い場所Sに位置している。検知部31は、場所Sに位置した人物を操作者として検知することが決められおり、人物Zが場所Sに位置したことを検知すると、検知部31は人物Zを操作者として検知する。投影装置20がカメラ部20Bを有する場合(図2を参照)には、人物Zが写っている撮像画像が取得され、検知部31はその撮像画像に基づいて人物Zを操作者として検知し、判定部33はその撮像画像に基づいて操作者を判定する。また、電子ペン51と接続される指示受付部35を有する投影装置20である場合(図11を参照)には、検知部31は場所Sに設置される電子ペン51からの指示に基づいて人物Zを操作者として検知し、判定部33は場所Sに設置される電子ペン51からの指示に基づいて操作者を判定する。
【0102】
このように、予め決められた場所に位置する人物を操作者として検知及び判定することにより、操作者が代表してインタラクティブ操作を行って投影画像を操作し、スムーズ会議の進行を行うことができる。
【0103】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0104】
20 :投影装置
20A :プロジェクタ部
20B :カメラ部
26 :制御部
27 :メモリ
28 :投影画像生成部
29 :入力I/F
30 :入力操作検出部
31 :検知部
33 :判定部
35 :指示受付部
36 :撮影レンズ
37 :レンズドライバ
38 :撮像素子
39 :AD変換器
40 :インターフェース回路
42 :表示用光学素子
43 :素子ドライバ
44 :LED光源
45 :光源ドライバ
46 :投影レンズ
47 :レンズドライバ
49 :データバス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18