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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20221003BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221003BHJP
   A63F 13/837 20140101ALI20221003BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20221003BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/79
A63F13/837
A63F13/58
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018247740
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020103797
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】水堀 優樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 敦
(72)【発明者】
【氏名】會田 翔
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-358(JP,A)
【文献】[フォートナイト]縮小する戦闘区域について(Eye of the Storm),[Fortnite]フォートナイト攻略まとめwiki [online],2018年03月19日,https://wiki.denfaminicogamer.jp/fortnite/%E5%8F%8E%E7%B8%AE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%86%86%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6,[2022年8月18日検索]
【文献】Call of Duty: Black Ops 4のBLACKOUT,ACTIVISION SUPPORT,2018年10月26日,https://support.activision.com/ja/black-ops-4/articles/blackout-in-call-of-duty-black-ops-4,[2022年8月18日検索]
【文献】『フォートナイト』最新v6.31パッチノートを公開!「チームランブル」モードや「ポンプショットガン」実装,Game*Spark [online],2018年11月27日,https://www.gamespark.jp/article/2018/11/27/85584.html,[2022年8月18日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間上に形成されたゲームフィールド内で、複数のプレーヤキャラクタを用いたプレーヤ間における対戦ゲームを実行し、当該対戦ゲームに関する情報を端末装置に提供するゲームシステムであって、
所与の指示に基づいて、各プレーヤキャラクタの前記ゲームフィールド内における移動を制御する移動制御手段と、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタの前記対戦ゲーム中の行動を行動履歴情報として順次記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記対戦ゲームの進行状況に応じて、前記ゲームフィールドを、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアと、に設定するエリア設定手段と、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタが存在する前記ゲームエリアを検出する検出手段と、
前記検出手段によって各プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる発生手段と、を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
各プレーヤキャラクタの現時点における行動に基づいて、各プレーヤキャラクタの将来の行動を予測する行動予測手段を更に備え、
前記発生手段が、
前記ゲーム上の制約が発生しているプレーヤキャラクタにおける行動予測が前記第2ゲームエリアから離脱する行動である場合に、当該プレーヤキャラクタに発生させたゲーム上の制約を軽減させる、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、
前記行動履歴情報には、対戦ゲーム中の各プレーヤキャラクタの行動に関する行動パラメータが含まれており、
前記発生手段が、
前記検出手段によって前記プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合には、該当するプレーヤキャラクタの前記行動パラメータの値に応じて前記発生する所与のゲーム上の制約を決定する、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームシステムにおいて、
前記行動パラメータには、該当するプレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在している期間を用いる、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記エリア設定手段が、
前記対戦ゲームの進行状況として、当該対戦ゲームの開始から一定期間経過後、及び、当該対戦ゲームに登場しているプレーヤキャラクタの人数の少なくともいずれか一方に応じて、前記第1ゲームエリアと、前記第2ゲームエリアと、を設定する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記エリア設定手段が、
前記各プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、前記第1ゲームエリアと、前記第2ゲームエリアと、を設定する、ゲームシステム。
【請求項7】
仮想空間上に形成されたゲームフィールド内で、複数のプレーヤキャラクタを用いたプレーヤ間における対戦ゲームを実行し、当該対戦ゲームに関する情報を端末装置に提供するプログラムであって、
所与の指示に基づいて、各プレーヤキャラクタの前記ゲームフィールド内における移動を制御する移動制御手段、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタの前記対戦ゲーム中の行動を行動履歴情報として順次記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
前記対戦ゲームの進行状況に応じて、前記ゲームフィールドを、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアと、に設定するエリア設定手段、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタが存在する前記ゲームエリアを検出する検出手段、及び、
前記検出手段によって各プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる発生手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム等におけるプレーヤキャラクタを追う第3者視点でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うTPS(サード・パーソンシューティング)ゲーム(サードパーソンシューター)、又は、プレーヤキャラクタ視点でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うFPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲーム(ファーストパーソンシューター)などアクションゲームやシューティングゲームが知られている。
【0003】
また、このようなゲームにおいては、複数のプレーヤやチームによって最後までゲームを続けることができたプレーヤ又はチームを勝者として認めるバトルロイヤル形式で実行される対戦ゲームも多い。
【0004】
特に、最近では、バトルロイヤル形式の対戦ゲームとしては、個人間やチーム間における対戦の機会を数多く創出し、ゲームを活性化させるために、滞留するとペナルティが付与され、プレーヤにダメージが与えられるペナルティエリアが時間経過とともに拡大しつつ、戦闘可能なエリアが狭まるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】PLAYERUNKOWN‘S BATTLEGROUNDSの公式サイト[平成30年9月19日検索](URL:http://pubg.dmm.com/about)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載のゲームシステムにあっては、条件に合致すると、各プレーヤキャラクタに対して一律にペナルティが課されるため、例えば、ペナルティエリアでの滞留時間が長いプレーヤキャラクタ(例えば、意図的に滞留していたプレーヤキャラクタ)と当該滞留時間の短いプレーヤキャラクタ(例えば、偶然滞留してしまったプレーヤキャラクタ)とによって同一のペナルティでは不公平感が生じる場合もある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、対戦の機会の創出及びゲームの活性化をしつつも、適切に各プレーヤの利益及び不利益のバランスをとること、及び、その結果、プレーヤが抱える不満を解消し、その興趣性を向上させることが可能なゲームシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
仮想空間上に形成されたゲームフィールド内で、複数のプレーヤキャラクタを用いたプレーヤ間における対戦ゲームを実行し、当該対戦ゲームに関する情報を端末装置に提供するゲームシステムであって、
所与の指示に基づいて、各プレーヤキャラクタの前記ゲームフィールド内における移動を制御する移動制御手段と、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタの前記対戦ゲーム中の行動を行動
履歴情報として順次記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記対戦ゲームの進行状況に応じて、前記ゲームフィールドを、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアと、に設定するエリア設定手段と、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタが存在する前記ゲームエリアを検出する検出手段と、
前記検出手段によって各プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる発生手段と、を備える、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、例えば、対戦ゲームを活性化させるなど第1ゲームエリアに誘導させたい場合であって、第2ゲームエリアに長時間滞留するプレーヤキャラクタ、又は、第1ゲームエリアと第2ゲームエリアを行き来する頻度が多いプレーヤキャラクタなど、対戦ゲームの活性化に寄与しない行動を行うプレーヤキャラクタには、第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、各プレーヤキャラクタの行動履歴に応じて相当のゲーム上の制約(ペナルティ)を課すことができる。
【0010】
すなわち、本発明は、例えば、ペナルティが課されるエリア(ペナルティエリア)などの第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタに不利益を与えることによって、心理的に、ペナルティエリア内に滞留することを回避させてペナルティエリア外などの第1ゲームエリアに誘導することができる。
【0011】
したがって、本発明は、例えば、第1ゲームエリアを徐々に小さくすれば、プレーヤキャラクタの活動範囲を狭くすることができるので、当該プレーヤキャラクタ同士の数多くの対戦の機会を創出することができるなど、ゲームを活性化させること、及び、その興趣性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明は、プレーヤキャラクタ毎にペナルティを変えることができるので、例えば、対戦ゲームの活性化に寄与しない行動をより多く行うプレーヤキャラクタにはより重いペナルティを課すことができる。
【0013】
すなわち、本発明は、プレーヤキャラクタの行動履歴に応じてペナルティの軽重を変えることができるので、適切に各プレーヤの利益及び不利益のバランスをとることができるとともに、その結果、プレーヤが抱える不満を解消し、その興趣性を向上させることができる。
【0014】
なお、「所与の指示」には、プレーヤからの指示及びプログラムに基づくコンピュータからの指示も含む。
【0015】
また、「ゲーム中の行動」には、プレーヤキャラクタにおけるフィールド上の移動(座標上の移動)の他に、他のプレーヤキャラクタへの攻撃(魔法やアイテムを使用した攻撃も含む。)や当該他のプレーヤキャラクタからの攻撃に対する防御(魔法やアイテムをした場合も含む。)、又は、アイテムや他のオブジェクトの使用も含む。
【0016】
そして、「各プレーヤキャラクタが存在するゲームエリアの検出」とは、例えば、対戦ゲーム中であって、プレーヤキャラクタ毎に、かつ、予め定められたタイミング毎(例えば、5ms)に、検出された各プレーヤキャラクタの座標に基づいて、該当するプレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出することを示す。
【0017】
さらに、「ゲーム上の制約」には、例えば、ライフエネルギーの消失、武器などのアイ
テムの消失や使用制限、移動速度の低下などの行動能力の低下、第1ゲームエリアにおいては使用可能なアイテムの使用禁止、第1ゲームエリアに滞留するプレーヤキャラクタに配布したアイテムの未配布など、プレーヤキャラクタに対して第1ゲームエリアに滞留するプレーヤキャラクタより不利な制御を実行することを含む。
【0018】
上記に加えて、「行動履歴情報」には、原則、第1ゲームエリア、第2ゲームエリア又は双方のゲームエリアにおいてプレーヤキャラクタが実行した行動(上述の)ゲーム中の行動)の履歴や行動によって集計された成績に関する情報(すなわち、成績情報)を含む。ただし、行動そのものにおいては、第1ゲームエリア内、又は、第2ゲームエリア内に限った行動の履歴であってもよい。
【0019】
また、「プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、・・・・当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる」とは、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出されたことが最低限の発生条件であり、第1ゲームエリアに存在すれば原則的にはゲーム上の制約は発生しない。ただし、ゲーム上の制約が発生した後に、プレーヤキャラクタが第1ゲームエリアに存在したとしても、当該ゲーム上の制約によっては当該ゲーム上の制約を受け続けることを除外するものではない。
【0020】
さらに、「プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる」とは、行動履歴情報は逐次蓄積されて変化することもあるので、例えば、同一のプレーヤキャラクタであっても、ゲーム上の制約が変化することも含む。
【0021】
(2)また、本発明は、
各プレーヤキャラクタの現時点における行動に基づいて、各プレーヤキャラクタの将来の行動を予測する行動予測手段を更に備え、
前記発生手段が、
前記ゲーム上の制約が発生しているプレーヤキャラクタにおける行動予測が前記第2ゲームエリアから離脱する行動である場合に、当該プレーヤキャラクタに発生させたゲーム上の制約を軽減させる、構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明は、例えば、対戦ゲームを活性化させるなど第1ゲームエリアに誘導させたい場合であって、第2ゲームエリアに存在しているものの、当該第1ゲームエリアに近づく方向など第2ゲームエリアから離れる方向に移動している場合には、発生したペナルティを軽減することができる。
【0023】
すなわち、本発明は、プレーヤの意思に反して第2ゲームエリアに存在した場合、又は、第2ゲームエリアからはやく離脱する意思がある場合には、課されているペナルティを軽減することができる。
【0024】
したがって、本発明は、過度にプレーヤに対してゲーム上の不利益を課すこと無く、不利益とゲームの活性化のバランスを取って興趣性の高いゲームを提供することができる。
【0025】
なお、「離脱する行動」とは、例えば、第1ゲームエリアとの境界に向かって、又は、第2ゲームエリアの外側に向かって移動していることを示す。ただし、これらに向かって移動する行動でない場合(すなわち、最短距離で移動していない場合)であって、かつ、当該方向に障害物などが存在することによってこれらの方向とは異なる方向に移動している場合であっても、第1ゲームエリアとの境界に向かうルートや第2ゲームエリアの外側に向かうルートに沿って(すなわち、迂回ルートに沿って)移動している場合には、又は
、これらの方向にある障害物を取り除くための行動や敵キャラクタを攻撃する行動の場合には、当該離脱する行動に含まれる。ただし、迂回ルートにおいては、予めゲーム上設定されていることが好ましいが、ゲームフィールド内の障害オブジェクト第1ゲームエリアの境界とに基づいて逐次算出されたルートであってもよい。
【0026】
(3)また、本発明は、
前記行動履歴情報には、対戦ゲーム中の各プレーヤキャラクタの行動に関する行動パラメータが含まれており、
前記発生手段が、
前記検出手段によって前記プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合には、該当するプレーヤキャラクタの前記行動パラメータの値に応じて前記発生する所与のゲーム上の制約を決定する、構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明は、各プレーヤキャラクタの行動パラメータを用いてペナルティなどの制約を決定することができるので、プレーヤキャラクタ毎に個別具体的にペナルティを決定することができる。
【0028】
特に、本発明は、第1ゲームエリアに誘導させたいゲームにおいて第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタについては対戦ゲームに寄与していないと判断することができるので、長期に渡って第2ゲームエリアに存在する場合には、よりペナルティを重くすることができる。
【0029】
例えば、本発明は、第2ゲームエリア内における行動パラメータの値に応じて発生させることが好ましく、
(A1)第2ゲームエリア内における移動量、
(A2)第2ゲームエリア内から第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタへの攻撃回数(ただし、第2ゲームエリア内から第1ゲームエリアへの攻撃回数が好ましい。)、
(A3)第2ゲームエリア内から第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタにダメージを与えた量(ただし、第1ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタにダメージを与えた量が好ましい。)、又は、
(A4)第2ゲームエリア内で他のプレーヤキャラクタから受けたダメージ量(ただし、第1ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタから受けたダメージ量が好ましい。)、
が少ないほど(又は、多いほど)、ゲーム上の制約としてペナルティを重くすること(又は、軽くすること)ができる。
【0030】
したがって、本発明は、数値化された値を用いてゲーム上の制約を決定することができるので、容易に又は簡易にゲームシステムを構築することができる。
【0031】
なお、「行動パラメータ」には、ゲーム中の行動に関するパラメータであって、例えば、
(B1)移動量(徒歩や自動車などの移動体を用いた移動を含む仮想空間内における距離)、
(B2)第1ゲームエリア・第2ゲームエリア・双方のエリアに存在した期間やその割合(例えば、全体のゲーム総時間に対する割合)、
(B3)他のプレーヤキャラクタへの攻撃回数(アイテムの使用(例えば、銃の発砲)など他のプレーヤキャラクタに向けて実際の攻撃を仕掛けた回数)や接触回数(例えば、ゲームフィールド上において半径10mの範囲に他のプレーヤキャラクタが存在した場合)、
(B4)攻撃などにより他のプレーヤキャラクタに与えたダメージ量、
(B5)他のプレーヤキャラクタの攻撃などによって自プレーヤキャラクタが受けたダメージ量、
(B6)体力パラメータ量、
(B7)ライフエネルギー量や残基数、及び、
(B8)所定の技の発動回数(例えば、プレーヤキャラクタに設定された得意技や他の味方プレーヤキャラクタとのコンボ攻撃(アイテムを用いた場合も含む。))、
などが含まれる。
【0032】
(4)また、本発明は、
前記行動パラメータには、該当するプレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在している期間を用いる、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、各プレーヤキャラクタの第2ゲームエリアにおける滞留期間に基づいてペナルティなどの制約を決定することができるので、プレーヤキャラクタ毎に個別具体的にペナルティを決定することができる。
【0034】
したがって、本発明は、数値化された値を用いてゲーム上の制約を決定することができるので、容易に又は簡易にゲームシステムを構築することができる。
【0035】
(5)また、本発明は、
前記エリア設定手段が、
前記対戦ゲームの進行状況として、当該対戦ゲームの開始から一定期間経過後、及び、当該対戦ゲームに登場しているプレーヤキャラクタの人数の少なくともいずれか一方に応じて、前記第1ゲームエリアと、前記第2ゲームエリアと、を設定する、構成を有している。
【0036】
この構成により、本発明は、例えば、第1ゲームエリアに誘導することによって対戦機会を創出してゲームを活性化させる場合には、ゲーム開始時からの経過時間に応じて、又は、プレーヤキャラクタの人数に応じてゲームエリアを設定することができる。
【0037】
したがって、本発明は、対戦ゲームの性質に基づいて対戦の機会を創出するように仕向け、プレーヤ全体に対して対戦機会を増加させてゲームの興趣性を向上させることができる。
【0038】
(6)また、本発明は、
前記エリア設定手段が、
前記各プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、前記第1ゲームエリアと、前記第2ゲームエリアと、を設定する、構成を有している。
【0039】
この構成により、本発明は、例えば、第1ゲームエリアに誘導することによって対戦機会を創出してゲームを活性化させる場合には、ゲーム開始時からの経過時間に応じて、又は、プレーヤキャラクタの人数に応じてゲームエリアを設定することができる。
【0040】
例えば、本発明は、行動履歴から集計された成績の上位のプレーヤキャラクタが存在するゲームフィールドを第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに設定すること、又は、行動量が少ないプレーヤキャラクタが存在するゲームフィールドを第¥2ゲームエリアに設定することができる。
【0041】
したがって、本発明は、対戦ゲームの性質に基づいて対戦の機会を創出するように仕向
けることができるので、プレーヤ全体に対して対戦機会を増加させてゲームの興趣性を向上させることができる。
【0042】
(7)上記課題を解決するため、本発明は、
仮想空間上に形成されたゲームフィールド内で、複数のプレーヤキャラクタを用いたプレーヤ間における対戦ゲームを実行し、当該対戦ゲームに関する情報を端末装置に提供するプログラムであって、
所与の指示に基づいて、各プレーヤキャラクタの前記ゲームフィールド内における移動を制御する移動制御手段、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタの前記対戦ゲーム中の行動を行動履歴情報として順次記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
前記対戦ゲームの進行状況に応じて、前記ゲームフィールドを、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアと、に設定するエリア設定手段、
前記プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタが存在する前記ゲームエリアを検出する検出手段、及び、
前記検出手段によって各プレーヤキャラクタが前記第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる発生手段、
としてコンピュータを機能させる、構成を有している。
【0043】
この構成により、本発明は、例えば、ペナルティが課されるエリア(ペナルティエリア)などの第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタに不利益を与えることによって、心理的に、ペナルティエリア内に滞留することを回避させてペナルティエリア外などの第1ゲームエリアに誘導することができる。
【0044】
したがって、本発明は、例えば、第1ゲームエリアを徐々に小さくすれば、プレーヤキャラクタの活動範囲を狭くすることができるので、当該プレーヤキャラクタ同士の数多くの対戦の機会を創出することができるなど、ゲームを活性化させること、及び、その興趣性を向上させることができる。
【0045】
また、本発明は、プレーヤキャラクタの行動履歴に応じてペナルティの軽重を変えることができるので、適切に各プレーヤの利益及び不利益のバランスをとることができるとともに、その結果、プレーヤが抱える不満を解消し、その興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態のサーバ装置の機能ブロックを示す図である。
図3】一実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図である。
図4】一実施形態におけるゲームエリア変換処理を含むペナルティ制御処理を説明するための図である。
図5】一実施形態のプレーヤ情報記憶部に記憶される行動履歴情報を含むプレーヤ情報の一例である。
図6】一実施形態のゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア変換処理を説明するための図(その1)である。
図7】一実施形態のゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア変換処理を説明するための図(その2)である。
図8】一実施形態におけるペナルティ制御処理を説明するための図(その1)である。
図9】一実施形態におけるペナルティ制御処理を説明するための図(その2)である。
図10】一実施形態の変形例におけるゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア設定処理(移動)を説明するための図(その1)である。
図11】一実施形態の変形例におけるゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア設定処理(移動)を説明するための図(その2)である。
図12】一実施形態のサーバ装置によって実行されるペナルティ制御処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0048】
[1]ゲームシステム
まず、図1を用いて本実施形態のゲームシステム1の概要及び概要構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のゲームシステム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0049】
本実施形態のゲームシステム1は、図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0050】
ユーザは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10から送信されてくるゲームをプレーすることができる。さらに、ユーザは端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のユーザとの間でコミュニケーションを図ることができるようになっている。
【0051】
サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、ユーザにゲームをプレーさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。また、サーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0052】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)をと呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0053】
特に、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0054】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のユーザの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0055】
一方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0056】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、ゲーム情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報記憶部146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0057】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。そして、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信し、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にユーザに閲覧可能に提供する各種の処理を行うようになっている。
【0058】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0059】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、ユーザ操作のデータをサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面をユーザに提供する各種の処理を実行し、ユーザによってゲームを実行させるようになっている。ただし、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0060】
具体的には、端末装置20は、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0061】
[2]サーバ装置
次に、図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0062】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0063】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0064】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0065】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0066】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0067】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0068】
また、本実施形態の記憶部140は、主記憶部142の他に、ゲームに関する情報を示すゲーム情報が記憶されるゲームデータ記憶部144、及び、各プレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報及びプレーヤのゲームに関する情報(以下、「プレーヤ関連情報」という。)が記憶されるプレーヤ情報記憶部146を有している。
【0069】
特に、ゲームデータ記憶部144には、ゲームが実施されるゲームフィールドの情報、及び、各種の判定に用いる条件情報、ゲームフィールド上の各オブジェクトの情報、各オブジェクトを変更するための情報、各種のテーブル情報、各プレーヤのプレーヤキャラクタに関する情報などが記憶される。
【0070】
また、プレーヤ情報記憶部146には、プレーヤ毎に
(A1)プレーヤのニックネームやプレーヤID及びチームに属している場合には、所属チーム名やそのID(以下、「所属情報」という。)、
(A2)現在の得点、獲得した報酬若しくはゲーム時間などの個人及びチームの成績に関する情報(以下、「成績情報」ともいう。)、
(A3)プレーヤキャラクタの特性や属性及び当該プレーヤキャラクタが有するアイテムの種別(アイテムの能力も含む)に関する情報(以下、「アイテム情報」ともいう。)、
(A4)他のプレーヤキャラクタや他のチームとの対戦ゲームにおける他のプレーヤキャラクタや他のチームとの勝敗数などの戦績に関する情報(以下、「戦績情報」ともいう。)、
(A5)各プレーヤ又はチームのゲームフィールド内の現在位置を示す現在位置情報、
(A6)経験値やライフエネルギーなどの各プレーヤのプレーヤキャラクタの勝敗に直結するパラメータの値(以下、「エネルギーパラメータ値」という。)の情報(以下、「エネルギー情報」ともいう。)及び敗退の有無(ゲームオーバか否か)の情報(以下、「敗退情報」ともいう。)、並びに、
(A7)各プレーヤキャラクタのゲーム中の行動履歴の情報(以下、「行動履歴情報」という。)、及び、
(A8)課金履歴及び課金額などの課金に関する情報(以下、「課金情報」という。)、
が記憶される。
【0071】
特に、プレーヤ情報に含まれる成績情報、戦績情報及び敗退情報は、予め定められたタイミング毎に更新される。例えば、予め定められたタイミングとしては、所与の期間毎(5分毎など)、プレーヤがログアウトするタイミング、ゲーム内の所定の時刻(朝8:00など)、所定のイベントが発生したタイミング(いずれかの個人間対戦やチーム間対戦が終了したタイミング)などが含まれる。
【0072】
また、エネルギーパラメータ情報は、基本的には、ゲーム中に他のプレーヤキャラクタからの攻撃などの干渉を受けた際に、リアルタイムで減少し、食事や休息などの回復行動を行った場合にリアルタイムで増加する。そして、エネルギーパラメータ情報は、例えば、値が「0」になった場合に、当該プレーヤのゲームがゲームオーバとする情報である。
【0073】
さらに、行動履歴情報は、原則、第1ゲームエリア、第2ゲームエリア又は双方のゲームエリアにおいてプレーヤキャラクタが実行した行動に関する履歴の情報である。
【0074】
例えば、行動履歴情報には、プレーヤキャラクタにおけるフィールド上の過去の移動(座標上の移動)に関する情報(座標及び移動量)の他に、他のプレーヤキャラクタへの攻撃(魔法を使用した攻撃も含む。)に関する情報(攻撃回数や攻撃によって与えたダメージ量の情報)、当該他のプレーヤキャラクタからの攻撃に対する防御(魔法をした場合も含む。)に関する情報(防御回数や攻撃によって受けたダメージ量の情報)、又は、アイテムや他のオブジェクトの使用(使用回数など)の情報が含まれる。
【0075】
なお、各行動履歴情報には、上述の成績情報を含んでもよいし、第1ゲームエリア内、又は、第2ゲームエリア内に限った行動の履歴情報であってもよい。
【0076】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0077】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0078】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0079】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、ゲーム管理部103、移動制御部104、行動履歴管理部105、エリア設定部106、ゲームエリア判定部107、タイマ管理部109、及び、情報提供部110を少なくとも有している。
【0080】
なお、例えば、本実施形態のゲーム管理部103は、本発明の発生手段を構成し、移動制御部104は、本発明の移動制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の行動履歴管理部105は、本発明の記憶制御手段及び行動予測手段を構成し、エリア設定部106は、本発明のエリア設定手段を構成する。さらに、例えば、本発明のゲームエリア判定部107は、本発明の検出手段を構成する。
【0081】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。特に、本実施形態の通信制御部101は、プレーヤの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面を、当該プレーヤの端末装置20に送信する処理を行う。
【0082】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は
、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0083】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例に説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0084】
ゲーム管理部103は、端末装置20と連動し、仮想空間としてのゲーム空間を構築し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、複数のプレーヤによって対戦すると戦闘若しくは格闘などを行うバトルゲーム、アクションゲーム、RPG、音ゲーム、又は、スポーツゲームなどの各種の対戦ゲームに関する各種のゲーム処理を実行する。
【0085】
また、ゲーム管理部103は、対戦ゲームの実行中に、個人間又はグループ間の戦闘などの対戦(以下、「個人間対戦」、又は、「グループ間対戦」という。)に関するゲーム処理を実行する。
【0086】
そして、ゲーム管理部103は、ゲームを実行するゲームフィールド(すなわち、ゲーム空間)内の存在するエリアに応じて、各プレーヤのプレーヤキャラクタに対して所与の制約(すなわち、ペナルティ)を課すための各種の処理を実行する。
【0087】
特に、ゲーム管理部103は、ゲームを実行するゲームフィールド(すなわち、ゲーム空間)が第1ゲームエリアと当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリア第2ゲームエリアに設定された場合であって、各プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上の制約を発生させる。
【0088】
なお、ゲーム管理部103は、NPCなどの予め設定されたプレーヤキャラクタにおける制御を実行する。
【0089】
移動制御部104は、端末装置20に入力されたゲームに参加するプレーヤの操作入力に応じて、各プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタ(以下、「対象プレーヤキャラクタ」ともいう。)におけるゲーム空間内における移動を制御する。
【0090】
行動履歴管理部105は、プレーヤキャラクタ毎に、かつ、所定のタイミング毎に、ゲームフィールドにおける座標及び各プレーヤキャラクタのゲーム中の行動を検出し、当該検出した行動に関する情報を、行動履歴情報として、順次プレーヤ情報記憶部146に記憶させる。
【0091】
また、行動履歴管理部105は、所定のタイミングに、各プレーヤキャラクタのその時点における行動に基づいて、各プレーヤキャラクタの将来の行動を予測する処理を実行する。
【0092】
エリア設定部106は、ゲーム中に、検出されたゲームの進行状況に応じて、ゲームを実行するゲームフィールド(すなわち、ゲーム空間)を、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアと、に設定するゲームエリア設定処理を実行する。
【0093】
特に、本実施形態においては、エリア設定部106は、ゲーム開始時においてはゲームフィールド全体を第1ゲームエリアに設定し、ゲームの進行状況に応じて第1ゲームエリアの一部を第2ゲームエリアに変換することによって、ゲームフィールドを第1ゲームエリアと第2ゲームエリアに設定する。
【0094】
ゲームエリア判定部107は、対戦ゲーム中に、プレーヤキャラクタ毎に、行動履歴管理部105によって検出された座標に基づいて、各プレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出する。
【0095】
タイマ管理部109は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するために用いる。特に、タイマ管理部109は、ゲーム管理部103と連動し、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部109は、各端末装置と同期を取るために用いられる。
情報提供部110は、端末装置20によってゲームを処理させるため各種のゲーム情報を生成して該当する端末装置20に提供する。
【0096】
特に、情報提供部110は、制約設定処理によって設定されたプレーヤキャラクタを端末装置20によって制御するための情報(すなわち、ゲーム情報)を生成し、生成したゲーム情報を該当する端末装置20に提供する。
【0097】
[3]端末装置
次に、図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、図3は、本実施形態における端末装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0098】
入力部260は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、タッチパネル又はタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。すなわち、入力部260は、画像が表示される画面上における2次元の指示位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。例えば、入力部260は、接触検出領域(タッチパネル)における、2次元の接触位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。
【0099】
なお、表示画面(以下、特別な場合を除き「タッチパネル」という。)12への接触操作は、指先を用いて行うようにしてもよいし、タッチペンなどの入力機器を用いて行うようにしてもよい。
【0100】
また、入力部260は、指示位置以外の操作情報(操作信号)を入力可能なボタンやレバー、キーボード、ステアリング、マイク、加速度センサなどを備えていてもよい。
【0101】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、提供するゲームに関しプレーヤとしてのユーザに関する情報を示すユーザ情報273と、テーブルデータなどのゲームを実行する上で必要な各種のデータを記憶するゲームデータ記憶部274と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、サーバ装置10の記憶部140がその一部を構成してもよい。
【0102】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)など
により実現できる。
【0103】
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0104】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0105】
特に、本実施形態では表示部290は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う入力部260としても機能する。ここでタッチパネルとして、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などのタッチパネルを用いることができる。
【0106】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0107】
通信部296は、外部(例えばホスト装置や他の端末装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0108】
なお、端末装置20は、サーバ装置10が有する情報記憶媒体や記憶部270に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280や記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末装置20を機能させる場合も本発明の範囲内に含めることができる。
【0109】
処理部200(プロセッサ)は、入力部260からの入力データやプログラムなどに基づいて、サーバ装置10と連動して、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0110】
特に、本実施形態においては、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、プレーヤキャラクタ、他のプレーヤキャラクタなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などが含まれる。
【0111】
また、処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0112】
特に、本実施形態の処理部200は、オブジェクト空間設定部210と、表示制御部212、入力受付処理部213と、ゲーム制御部214と、ゲーム演算部215と、仮想カメラ制御部216と、ゲーム管理部217と、描画部220と、音処理部230とを含む。また、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0113】
オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(プレーヤキャラクタ、移動体、他のプレーヤキャラクタ)、移動経路、建物、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を
表す各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。
【0114】
具体的には、オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0115】
ここで、オブジェクト空間とは、いわゆる仮想2次元空間、仮想3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0116】
そして、オブジェクト空間を2次元空間とした場合には、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
【0117】
また、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができ、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にあるように見せることができる。
【0118】
なお、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
【0119】
表示制御部212は、サーバ装置10から送信された画像データであって、表示態様が制御されたゲームフィールド内の各プレーヤキャラクタを含めた画像データを表示部290に表示させる。
【0120】
入力受付処理部213は、入力部260によって入力されたプレーヤの入力指示を受け付けるとともに、受け付けた入力指示をゲーム制御部214、サーバ装置10、又は、その双方に出力する。
【0121】
ゲーム制御部214は、サーバ装置10と連動し、入力受付処理部213によって受け付けたコマンドに基づくゲーム処理を実行する。
【0122】
特に、ゲーム制御部214は、サーバ装置10から送信されたゲームに関する各種の情報(ゲーム情報、プレーヤキャラクタの移動に関する情報(移動判定に関する情報を含む。)、画像データ)と、入力受付処理部213によって受け付けたコマンド(すなわち、入力指示)と、に基づいて、操作対象となるキャラクタ(すなわち、プレーヤキャラクタ)に対する制御、又は、他のプレーヤのプレーヤキャラクタやその他の付随するキャラクタに対する制御を実行する。
【0123】
例えば、本実施形態のゲーム制御部214は、アクションゲームを含む対戦ゲームやシューティングゲームの場合には、敵キャラクタに対する攻撃や味方キャラクタに対する能力回復などのサポート、又は、シミュレーションゲームの場合には、作物の作成や建物建築などの所定の作業を実行する。
【0124】
一方、ゲーム制御部214は、オブジェクト空間内における移動体オブジェクト(特に、プレーヤキャラクタや他のプレーヤキャラクタなどのキャラクタオブジェクト)等の操作対象のキャラクタオブジェクトの移動演算を行う。
【0125】
すなわち、ゲーム制御部214は、サーバ装置10と連動し、当該サーバ装置10から送信されたゲーム情報、及び、入力部260によりプレーヤが入力した入力データ又はプログラム(移動アルゴリズム)や各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させ、又は、移動体オブジェクトの動作(モーション、アニメーション)を制御するための処理を行う。
【0126】
具体的には、本実施形態のゲーム制御部214は、オブジェクトの移動情報(移動方向、移動量、移動速度、位置、回転角度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。ここでフレームとは、オブジェクトの移動処理、動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。そして、本実施形態では、フレームレートは、固定としてもよいし、処理負荷に応じて可変としてもよい。
【0127】
なお、ゲーム制御部214は、3次元のオブジェクト空間において入力方向に基づいてオブジェクトを移動させる処理を実行する。例えば、ゲーム制御部214は、予め、入力方向毎に移動方向を対応づけ、入力方向に対応する移動方向にオブジェクトを移動させる。
【0128】
また、ゲーム制御部214は、サーバ装置10と連動して実行してもよいし、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0129】
ゲーム演算部215は、種々のゲーム演算処理を行う。特に、ゲーム演算部215は、シューティングゲームの予め定められたオブジェクト空間の形成、マップに基づくオブジェクト空間の形成、ユーザの操作に応じて予め設定されたシナリオに基づくゲームの進行、プレーヤキャラクタ他のプレーヤキャラクタやその他のオブジェクトとの対戦、及び、当該対戦時のパラメータ管理などのゲームを実行する上で必要な演算処理を行う。
【0130】
なお、ゲーム演算部215は、サーバ装置10と連動して実行するが、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0131】
仮想カメラ制御部216は、所与の視点から見えるゲーム空間の画像であって、奥行きがあるように見える画像を生成する。この場合に、仮想カメラ制御部216が、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0132】
例えば、仮想カメラによりオブジェクト(例えば、キャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
【0133】
この場合には、ゲーム制御部214で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。また、この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
【0134】
なお、仮想カメラをプレーヤキャラクタの視点として設定してもよい。また、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0135】
ゲーム管理部217は、サーバ装置10と連動し、入力部260を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいて対戦ゲーム等のゲームに使用するプレーヤキャラクタ及び各種のアイテムを設定し、ユーザ情報273に登録する。
【0136】
描画部220は、サーバ装置10から送信された画像生成に関する各種の情報、及び、処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部(ディスプレイ)290に出力する。
【0137】
特に、描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。特に、描画部220は、オブジェクト空間における仮想カメラから見える画像であって、画面上に表示する画像を生成する。
【0138】
ここで、2次元画像を生成する場合には、描画部220は、設定された優先度が低いオブジェクトから順に描画して、オブジェクト同士が重なる場合には、優先度の高いオブジェクトを上書きして描画する。
【0139】
また、3次元画像を生成する場合には、本実施形態の描画部220は、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。なお、頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0140】
また、頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。
【0141】
ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ272(フレームバッファ、ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。
【0142】
これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。
【0143】
なお、描画部220が行う頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセル
シェーダ)により実現されてもよい。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、ハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0144】
ロックオン処理部218は、ゲーム空間に登場する複数のオブジェクトの中から、プレーヤキャラクタからの距離が近いオブジェクトを優先的に選定する条件や照準を合わせた際のその中心軸から近いオブジェクトを優先的に選定する条件などのロックオン条件を具備するオブジェクトを選定対象として決定(ロックオン)するロックオン処理を実行する。
【0145】
そして、描画部220は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0146】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理を行う。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)を記憶部270に記憶する。
【0147】
テクスチャマッピングでは、記憶部270のテクスチャ記憶部に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングする処理を行う。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部270のテクスチャ記憶部からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出し、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0148】
なお、本実施形態では、オブジェクトを描画する際に、所与のテクスチャをマッピングする処理を行うようにしてもよい。この場合には、マッピングされるテクスチャの色分布(テクセルパターン)を動的に変化させることができる。
【0149】
また、この場合において、色分布(ピクセルパターン)が異なるテクスチャを動的に生成してもよいし、複数の色分布が異なるテクスチャを予め用意しておき、使用するテクスチャを動的に切り替えるようにしてもよい。またオブジェクト単位でテクスチャの色分布を変化させてもよい。
【0150】
隠面消去処理では、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行う。すなわち、オブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照するとともに、当該参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
【0151】
αブレンディング(α合成)では、描画部220は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)を行う。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0152】
そして、本実施形態での描画部220は、接触検出領域に対応する表示領域に表示させる画像を生成してもよい。表示領域に表示させる画像とは、例えばオブジェクトを含む画
像でもよい。
【0153】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0154】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、図4を用いて本実施形態の手法(ゲームエリア変換処理を含むペナルティ制御処理)の概要について説明する。なお、図4は、本実施形態におけるゲームエリア変換処理を含むペナルティ制御処理を説明するための図である。
【0155】
本実施形態のサーバ装置10は、各プレーヤが操作する端末装置20と連動し、例えば、1つのゲーム空間(すなわち、仮想3次元空間によるゲームフィールド)を形成するとともに、当該ゲームフィールド内において、各プレーヤがそれぞれ操作制御する複数のプレーヤキャラクタによってシューティングゲームやアクションゲームなどの対戦ゲームを実行する構成を有している。
【0156】
また、サーバ装置10は、仮想空間上に形成されたゲームフィールド内を複数のプレーヤキャラクタが移動してゲームを実行し、画像化したゲーム空間の画像(以下、「ゲーム画像」ともいう。)を含む当該ゲームに関する情報を端末装置20に提供する構成を有している。
【0157】
さらに、サーバ装置10は、対戦ゲーム中のゲーム状況に応じて、ゲームフィールドの内におけるプレーヤキャラクタへの制約のないゲームエリアを縮小し、又は、当該ゲームエリアの位置を変更し、プレーヤキャラクタを強制的に移動させることなく、プレーヤキャラクタが集まるエリアを構築することが可能な構成を有している。
【0158】
特に、本実施形態においては、サーバ装置10は、ゲームフィールドを、プレーヤキャラクタへの制約のない第1ゲームエリアと、プレーヤキャラクタが存在した場合にプレーやプレーヤキャラクタに対してペナルティを課すペナルティエリアとして機能させる第2ゲームエリアとに設定し、ゲーム進行に従って第1ゲームエリアに誘導する構成を有している。
【0159】
具体的には、サーバ装置10は、対戦ゲームの実行中に、
(A1)プレーヤの指示やコンピュータからの指示などの所与の指示に基づいて、各プレーヤキャラクタのゲームフィールド内における移動を制御する移動制御処理、及び、
(A2)プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタの前記対戦ゲーム中の行動を行動履歴情報として順次プレーヤ情報記憶部146に記憶させる記憶制御処理、
を実行する構成を有している。
【0160】
そして、サーバ装置10は、
(A3)ゲームの進行状況に応じて、ゲームフィールドを、第1ゲームエリアと、当該第1ゲームエリアとは異なる第2ゲームエリアとに設定するゲームエリア設定処理、
(A4)プレーヤキャラクタ毎に、各プレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出するエリア検出処理、及び、
(A5)エリア検出処理によって、各プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のゲーム上のペナルティを発生させるペナルティ制御処理、
を実行する構成を有している。
【0161】
また、サーバ装置10は、ペナルティ制御処理においては、発生した際に所定のペナルティを課してもよいし、ペナルティの発生後には、第2ゲームエリアから離脱、又は、所定の時間の経過などの所与の終了条件が具備するまで、ペナルティを課す構成を有していてもよい。
【0162】
例えば、サーバ装置10は、図4に示すように、同じように第2ゲームエリアに存在していることが検出された場合(例えば、第1ゲームエリアから第2ゲームエリアに侵入した場合)であっても、各プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、個々にペナルティを発生させる。
【0163】
なお、図4には、プレーヤキャラクタAよりプレーヤキャラクタBが行動履歴情報として過去に第2ゲームエリアに滞留した期間が長い場合であって、プレーヤキャラクタAについては第2ゲームエリアに滞留中にライフエネルギーを5秒毎に-1ポイント減少させるペナルティを課す一方で、プレーヤキャラクタBについいては、第2ゲームエリアに滞留中にライフエネルギーを3秒毎に-2ポイント減少させるペナルティを課す場合の例が示されている。
【0164】
この構成により、本実施形態においては、例えば、プレーヤキャラクタ同士の対戦を数多く創出することによって対戦ゲームを活性化させるために、多くのプレーやキャラクタを第1ゲームエリアに誘導させたい場合であって、第2ゲームエリアに長時間滞留するプレーヤキャラクタ、又は、第1ゲームエリアと第2ゲームエリアを行き来する頻度が多いプレーヤキャラクタなど、対戦ゲームの活性化に寄与しない行動を行うプレーヤキャラクタには、第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、各プレーヤキャラクタの行動履歴に応じて相当のゲーム上の制約(ペナルティ)を課すことができるようになっている。
【0165】
すなわち、本実施形態においては、例えば、ペナルティが課されるエリア(ペナルティエリア)などの第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタに不利益を与えることによって、心理的に、ペナルティエリア内に滞留することを回避させてペナルティエリア外などの第1ゲームエリアに誘導することができるようになっている。
【0166】
そして、本実施形態においては、例えば、第1ゲームエリアを徐々に小さくすれば、プレーヤキャラクタの活動範囲を狭くすることができるので、当該プレーヤキャラクタ同士の数多くの対戦の機会を創出することが可能となり、ゲームを活性化させること、及び、その興趣性を向上させることができるようになっている。
【0167】
また、本実施形態においては、プレーヤキャラクタ毎にペナルティを変えることができるので、例えば、対戦ゲームの活性化に寄与しない行動をより多く行うプレーヤキャラクタにはより重いペナルティを課すことができるようになっている。
【0168】
すなわち、本実施形態においては、プレーヤキャラクタの行動履歴に応じてペナルティの軽重を変えることができるので、適切に各プレーヤの利益及び不利益のバランスをとることができるとともに、その結果、プレーヤが抱える不満を解消し、その興趣性を向上させることができるようになっている。
【0169】
なお、本実施形態においては、ゲームエリア設定処理に関しては、当初のゲームフィールドを第1ゲームエリアに設定し、その後に当該第1ゲームエリアの一部を第2ゲームエリアに変換する変換処理(以下、「ゲームエリア変換処理」という。)を用いて説明する。
【0170】
また、本実施形態においては、プレーヤキャラクタは、プレーヤによって操作されるキャラクタであってもよいし、プログラムなどのゲーム処理に従って制御され、プレーヤによって操作されないNPC(ノンプレーヤキャラクタ)であってもよい。
【0171】
[4.2]行動履歴管理処理及び行動履歴情報
次に、図5を用いて本実施形態の行動履歴管理処理及び行動履歴情報について説明する。なお、図5は、本実施形態のプレーヤ情報記憶部146に記憶される行動履歴情報を含むプレーヤ情報の一例である。
【0172】
本実施形態の行動履歴情報は、対戦ゲーム中において、原則、第1ゲームエリア、第2ゲームエリア又は双方のゲームエリアにおいてプレーヤキャラクタが実行した行動に関する履歴の情報である。
【0173】
行動履歴管理部105は、プレーヤキャラクタ毎であって、ゲームフィールドを移動している場合には予め定められたタイミング(例えば、5ms)毎に、又は、行動が指示された場合や他のプレーヤとの対戦の終了時などの所定のタイミングに、各プレーヤキャラクタのゲーム空間内の座標、実行した行動内容、又は、その双方を検出する。
【0174】
そして、行動履歴管理部105は、図5(A)に示されるように、検出した座標、行動内容又はその双方を、プレーヤ情報記憶部146に記憶されている所属情報及び成績情報などが含まれるプレーヤ毎のプレーヤ情報の一部に、行動履歴情報として、ゲーム開始時からゲーム終了まで逐次記憶する。
【0175】
特に、行動履歴情報には、例えば、プレーヤキャラクタのゲームフィールド内の移動にする情報(以下、「移動履歴情報」という。)と、他のプレーヤキャラクタとの対戦時の攻撃に関する情報(以下、「攻撃履歴情報」という。)と、他のプレーヤキャラクタとの対戦時の防御に関する情報(以下、「防御履歴情報」という。)と、が含まれる。
【0176】
また、行動履歴管理部105は、移動履歴情報としては、プレーヤキャラクタにおけるフィールド上の移動した際の座標と時刻、滞留している座標(例えば、1分以上同一の座標に留まっている場合の座標)、プレーヤキャラクタが存在している(すなわち、移動又は滞留している)座標が含まれるゲームエリアの種別、ゲームエリア毎の移動量(例えば、ゲーム開始時からの総計であって、検出した各座標から距離を算出して加算した量)、及び、各ゲームエリアに滞留した期間(例えば、座標を検出した際に検出した時刻に基づいて算出した期間)などを検出する。
【0177】
そして、行動履歴管理部105は、攻撃履歴情報としては、ゲームエリア毎に、他のプレーヤキャラクタへの攻撃(魔法やアイテムを使用した攻撃も含む。)回数、敵(すなわち、他のプレーヤキャラクタ)を倒した数やそのレート(例えば、倒されたプレーヤキャラクタ数と自機が倒したプレーヤキャラクタ数の割合)、及び、攻撃したことによって他のプレーヤキャラクタに与えたダメージの回数・総量(ゲームエリア毎が好ましい。)などを検出する。
【0178】
さらに、行動履歴管理部105は、防御履歴情報としては、ゲームエリア毎に、他のプレーヤキャラクタからの攻撃を防いだ回数(魔法やアイテムを使用した場合も含む。)、他のプレーヤキャラクタからの攻撃がヒットした回数及び当該ヒットした際の自機のダメージ量の総計などを検出する。
【0179】
そして、行動履歴管理部105は、検出した移動履歴情報、攻撃履歴情報及び防御履歴
情報を、図5(B)に示されるように、該当するプレーヤ情報として、プレーヤ情報記憶部164に記憶する。
【0180】
なお、本実施形態の各行動履歴情報には、上述の成績情報や戦績情報を含んでいてもよいし、第1ゲームエリア内、又は、第2ゲームエリア内に限った行動の履歴情報であってもよい。
【0181】
[4.3]ゲームエリア変換処理
次に、図6及び図7を用いて本実施形態のゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア変換処理について説明する。なお、図6及び図7は、本実施形態のゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア変換処理を説明するための図である。
【0182】
(ゲームの進行状況の検出)
ゲーム状況検出部105は、ゲームの進行中において、ゲームの経過時間などの時間要素、当該時間要素とは異なるゲームに係る非時間要素、又は、その双方を検出する。
【0183】
具体的には、ゲーム状況検出部105は、
(A1)タイマ109と連動し、ゲーム開始から所定の時間経過したタイミング(5分経過する毎)を時間要素として検出し、
(A2)所与のタイミングにおいて、各プレーヤにおけるプレーヤ情報をプレーヤ情報記憶部146から読み出し、読み出した情報に基づいて、プレーヤキャラクタのゲームに関する成績を示す要素、プレーヤキャラクタにおける戦績を示す要素、及び、プレーヤキャラクタのゲームフィールド内における位置に基づく要素の少なくともいずれか一方のゲーム要素を非時間要素として検出し、又は、
(A3)その双方を検出する。
【0184】
特に、ゲーム状況検出部105は、(A2)の非時間要素として、読み出したプレーヤ情報に含まれる所属情報及び各プレーヤキャラクタ(すなわち、各プレーヤ)のゲームに関する成績情報に基づいて、
(A2-1)最高順位のプレーヤキャラクタの得点、若しくは、最高順位のチームの得点を特定し、又は、
(A2-2)各プレーヤ及び各チームの個人順位若しくはチーム順位を特定しつつ、特定の順位間(例えば、最高順位と2位、又は、最高順位と最低順位間)の得点差を特定し、特定した情報などを、プレーヤキャラクタのゲームに関する成績を示す要素として、検出する。
【0185】
なお、ゲーム状況検出部105は、読み出したプレーヤ情報に含まれる各プレーヤキャラクタにおける属性情報及び成績情報、又は、属性情報、戦績情報及び成績情報に基づいて、
(B1)最高順位のプレーキャラクタの勝数、
(B2)各プレーヤキャラクタにおける対戦よって退けたプレーヤキャラクタ(又は敵キャラクタ)の数、又は、
(B3)特定のプレーヤキャラクタやゲームフィールドに出現したプレーヤキャラクタ以外の特定のプレーヤキャラクが敗退した場合
などの情報を、プレーヤキャラクタにおける戦績を示す要素として、検出してもよい。
【0186】
また、ゲーム状況検出部105は、成績情報及び戦績情報の少なくともいずれか一方とともに、少なくとも1のプレーヤキャラクタの位置又は複数のプレーヤキャラクタの位置に基づく要素の状況を検出してもよい。
【0187】
例えば、ゲーム状況検出部105は、少なくとも1のプレーヤキャラクタの位置若しくは複数のプレーヤキャラクタの位置、又は、これらの位置に基づく要素として、
(C1)ゲームフィールドの所定のエリア内におけるプレーヤキャラクタの密集度、若しくは、ゲームフィールドを複数のエリアに分割した場合における密集度の平均、
(C2)ゲームフィールドの所定のエリア内における対戦が発生した対戦発生数、若しくは、ゲームフィールドを複数のエリアに分割した場合における対戦数の平均、
(C3)ゲームフィールドの所定のエリア内において、所定の期間ゲームフィールド内を移動しないプレーヤキャラクタの割合(膠着度)若しくは、ゲームフィールドを複数のエリアに分割した場合における所定の期間ゲームフィールド内を移動しないプレーヤキャラクタの割合(膠着度)の平均、
(C4)ゲームフィールドの所定のエリア内において、チーム戦の戦果を上げているチーム(勝利数が多いなど)の割合、特定の敵キャラクタを倒したことがあるか無いか、若しくは、ゲームフィールドを複数のエリアに分割した場合における当該割合のチーム戦の戦果を上げているチームの割合の平均、又は、
(C5)プレーヤキャララクタが存在しないエリアの出現、
などの情報を検出する。
【0188】
(ゲームエリア変換処理の原理)
エリア設定部106は、
(D1)ゲーム開始時にゲームを実行するゲームフィールド(すなわち、ゲーム空間)を第1ゲームエリアに設定し、
(D2)ゲームの進行状況に応じて第1ゲームエリアを徐々に第2ゲームエリアに変換する。
【0189】
すなわち、エリア設定部106は、対戦ゲームの進行状況として、対戦ゲームの開始から一定期間経過後、当該対戦ゲームに登場しているプレーヤキャラクタの人数、又は、その双方などに応じて、第1ゲームエリアと、第2ゲームエリアと、を設定してもよい。
【0190】
また、エリア設定部106は、上述のように検出されたゲームの進行状況に応じて、第1ゲームエリアとして、既に設定されている範囲から縮小されたエリアを設定し、第2ゲームエリアとして、既に設定されている範囲から拡大されたエリアを設定する。
【0191】
そして、エリア設定部106は、検出されたゲームの進行状況に応じて、段階的に、第1ゲームエリアの範囲を既に設定されている範囲から縮小する(すなわち、第2ゲームエリアの範囲を既に設定されている範囲から拡大する)。
【0192】
具体的には、エリア設定部106は、一定の時間が経過する毎に、一定の割合の第1ゲームエリアを第2ゲームエリアに変換してもよいし、検出されたゲームの進行状況に応じて、第1ゲームエリアの変化割合を決定し、決定した変化割合に基づいて、既に設定されている第1ゲームエリアの範囲を第2ゲームエリアに変化させてもよい。
【0193】
また、エリア設定部106は、ゲームエリア変換処理として、検出されたゲームの進行状況に応じて、第1ゲームエリアの範囲を変化(例えば、変形、移動、これらの組み合わせ及び、これらと縮小の組み合わせ)させて当該第1ゲームエリア外を第2ゲームエリアとして設定してもよい。
【0194】
さらに、エリア設定部106は、各プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、第1ゲームエリアと、前記第2ゲームエリアと、を設定してもよい。
【0195】
特に、エリア設定部106は、行動履歴情報に基づく場合には、例えば、当該行動履歴
情報から集計された成績の上位のプレーヤキャラクタが存在するゲームフィールドを第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに設定すること、又は、行動量が少ないプレーヤキャラクタが存在するゲームフィールドを第¥2ゲームエリアに設定する。
【0196】
例えば、エリア設定部106は、第1ゲームエリアを、
(E1)成績やレベルなどが高いプレーヤキャラクタ(チームを含む。以下同じ。)や数多くの戦果を上げているプレーヤキャラクタの移動が必須となるゲームエリア、若しくは、当該プレーヤキャラクタの苦手のエリア(例えば、地形的に、環境的に又は能力的に苦手のエリア)など当該プレーヤが不利となるゲームエリアに含めること、
(E2)成績やレベルなどが低い下位のプレーヤキャラクタや戦果の数が少ないプレーヤキャラクタの移動が必要とならないゲームエリア、若しくは、当該プレーヤキャラクタの得意なエリア(例えば、地形的に、環境的に又は能力的に得意なエリア)など当該のプレーヤが得意となるゲームエリアに含めること、
(E3)プレーヤキャラクタが密集しているゲームエリアや数多くの接触が発生しているゲームエリア以外のエリアに含めること、又は、
(E4)プレーヤキャラクタ間の接触が膠着しているゲームエリアに含めること、
などの設定条件に基づいて、検出されたゲームの進行状況に応じて、第1ゲームエリアの一部を、第2ゲームエリアに変換してもよい。
【0197】
また、例えば、上述のように、非時間要素としてのゲームに関する成績情報を用いる場合には、エリア設定部106は、図6(A)、(B)及び(C)に示すように、最高順位のプレーヤキャラクタの得点が所定の得点(例えば100000点)に到達し、その後、所定の点数(例えば、10000点)が加算される毎に、徐々に、ゲームフィールドの外側から内側に向かって第1ゲームエリアが徐々に小さくなるように、当該第1ゲームエリアの一部を第2ゲームエリアに変換する。
【0198】
さらに、例えば、上述のように、非時間要素としての位置情報を用いる場合には、エリア設定部106は、図7(A)に示すように、ゲームフィールドの所定のエリア内におけるプレーヤキャラクタの密集度が所定の密集度(例えば、20%以下)に到達すると、図7(B)に示すように、ゲームフィールドの外側から内側に向かって第1ゲームエリアが徐々に小さくなるように、当該第1ゲームエリアの一部を第2ゲームエリアに変換する。
【0199】
なお、この場合には、エリア設定部106は、その後、所定のエリアの密集度が減少する毎(例えば、3%ずつ減少する場合)に、徐々に、ゲームフィールドの外側から内側に向かって第1ゲームエリアが徐々に小さくなるように、当該第1ゲームエリアの一部を第2ゲームエリアに変換する。
【0200】
また、本実施形態においては、ゲームフィールド、第1ゲームエリア及び第2ゲームエリアは、連続して形成されているエリアであってもよいし、飛び地的な複数の不連続なエリアによって形成されていてもよい。
【0201】
[4.4]エリア検出処理
次に、本実施形態の各プレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出するエリア検出処理について説明する。
【0202】
ゲームエリア判定部107は、対戦ゲーム中に、プレーヤキャラクタ毎に、かつ、予め定められたタイミング毎(例えば、5ms)に、行動履歴管理部105によって検出された各プレーヤキャラクタの座標に基づいて、該当するプレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出する。
【0203】
特に、ゲームエリア判定部107は、ゲーム状況に応じて変化する第1ゲームエリア及び第2ゲームエリアの座標範囲を認識し、検出された各プレーヤキャラクタの座標が当該認識した第1ゲームエリア及び第2ゲームエリアの座標範囲に含まれるか否かを判定する。
【0204】
そして、ゲームエリア判定部107は、判定結果によって示されるゲームエリアの種別を該当するプレーヤキャラクタのプレーヤ情報に記憶する。
【0205】
[4.5]ペナルティ制御処理
次に、図8を用いて本実施形態のペナルティの発生を含むペナルティ制御処理について説明する。なお、図8は、本実施形態のペナルティの発生を含むペナルティ制御処理について説明するための図である。
【0206】
(ペナルティ制御処理の基本原理)
ゲーム管理部103は、上述したように、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出された場合に、当該検出されたプレーヤキャラクタの行動履歴に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のペナルティを発生させるペナルティ制御処理を実行する。
【0207】
特に、ゲーム管理部103は、ペナルティとして、例えば、
(A1)ライフエネルギーの消失、
(A2)武器などのアイテムの消失や使用制限、
(A3)移動速度の低下などの行動能力の低下、
(A4)第1ゲームエリアにおいては使用可能なアイテムの使用禁止、又は、
(A5)エネルギー補給用の食料アイテムなど第1ゲームエリアに滞留するプレーヤキャラクタに配布したアイテムの未配布、
など、プレーヤキャラクタに対して第1ゲームエリアに滞留するプレーヤキャラクタより不利な制御を実行する。
【0208】
一方、ゲーム管理部103は、プレーヤキャラクタの行動履歴情報に基づいて、ペナルティを発生させ、当該行動履歴情報に基づいて、発生させるペナルティの軽重を変化させてもよい。
【0209】
特に、ゲーム管理部103は、対戦ゲームの活性化に寄与しない行動をしている(又は、行動をしていた)プレーヤキャラクタに対しては、同じようにペナルティが課されるプレーヤキャラクタであって対戦ゲームに寄与した行動をしている(又は行動をしていた)プレーヤキャラクタに比べて、重いペナルティを課してもよい。
【0210】
このため、本実施形態においては、ゲーム管理部103は、上述のように検出され、プレーヤ情報記憶部146に記憶された、対戦ゲーム中の各プレーヤキャラクタの行動に関する行動履歴情報を用いてペナルティ制御処理を実行する。
【0211】
(行動パラメータ)
本実施形態のゲーム管理部103は、行動履歴情報として、行動履歴情報が数値化された行動パラメータを用いる。
【0212】
具体的には、ゲーム管理部103は、行動パラメータとしては、
(B1)移動量(徒歩や自動車などの移動体を用いた移動を含む仮想空間内における距離)、
(B2)第1ゲームエリア・第2ゲームエリア・双方のエリアに存在した期間やその割合(例えば、全体のゲーム総時間に対する割合)又は第2ゲームエリアに侵入した回数

(B3)他のプレーヤキャラクタへの攻撃回数(アイテムの使用(例えば、銃の発砲)など他のプレーヤキャラクタに向けて実際の攻撃を仕掛けた回数)や接触回数(例えば、ゲームフィールド上において半径10mの範囲に他のプレーヤキャラクタが存在した場合)、
(B4)攻撃などにより他のプレーヤキャラクタに与えたダメージ量(以下、「与ダメージ量」という。)、
(B5)他のプレーヤキャラクタの攻撃などによって自プレーヤキャラクタが受けたダメージ量(以下、「被ダメージ量」という。)、
(B6)体力パラメータ量、
(B7)ライフエネルギー量や残基数、及び、
(B8)所定の技の発動回数(例えば、プレーヤキャラクタに設定された得意技や他の味方プレーヤキャラクタとのコンボ攻撃(アイテムを用いた場合も含む。))
などを用いる。
【0213】
すなわち、ゲーム管理部103は、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出された場合には、該当するプレーヤキャラクタの行動パラメータの値に応じて、発生させるペナルティを決定してもよい。
【0214】
また、この場合には、ゲーム管理部103は、第1ゲームエリアに誘導させたいゲームにおいて第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタについては対戦ゲームに寄与していないと判断し、長期に渡って第2ゲームエリアに存在する場合、第2ゲームエリアと第1ゲームエリアとを繰り返し移動している場合には、よりペナルティを重くすることが可能な構成を有している。
【0215】
なお、攻撃回数としては、原則、第1ゲームエリア内又は第2ゲームエリア内から、第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタへの攻撃回数を示すが、本実施形態としては、第2ゲームエリア内から第1ゲームエリアへの攻撃回数が好ましい。
【0216】
また、与ダメージ量としては、原則、第1ゲームエリア内又は第2ゲームエリア内から第1ゲームエリア又は第2ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタにダメージを与えた量を示すが、第2ゲームエリアから第1ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタにダメージを与えた量が好ましい。
【0217】
さらに、被ダメージ量としては、原則、第1ゲームエリア内又は第2ゲームエリア内で他のプレーヤキャラクタから受けたダメージ量を示すが、第1ゲームエリアに存在する他のプレーヤキャラクタから第2ゲームエリアに存在する際に受けたダメージ量が好ましい。
【0218】
(ペナルティの軽重を含むペナルティの発生)
ゲーム管理部103は、使用する行動パラメータの種別とその値によって第2ゲームエリアに存在するプレーヤキャラクタに対してペナルティを発生させる。
【0219】
具体的には、ゲーム管理部103は、対戦ゲームの開始時より第2ゲームエリアに滞留した滞留期間が長いほど、対戦ゲームの開始してからのゲーム時間中において第2ゲームエリアにおける滞留期間の割合が大きいほど、又は、第2ゲームエリアに侵入した回数が多いほど、重いペナルティに決定し、又は、ペナルティの量を多くする。
【0220】
例えば、ゲーム管理部103は、図8(A)に示すように、ペナルティの量を規定するための範囲であって、対戦ゲームの開始時より第2ゲームエリアに滞留した期間の範囲を
、予め段階的に定める。
【0221】
また、ゲーム管理部103は、図8(B)に示すように、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに侵入した際に、当該プレーヤキャラクタに対応する行動履歴情報を検索し、当該プレーヤキャラクタの対戦ゲームの開始時より第2ゲームエリアに滞留した期間を特定する。
【0222】
そして、ゲーム管理部103は、図8(C)に示すように、特定した期間が予め定められたどの範囲に属するか判定し、該当する範囲に定められたペナルティの量に決定する。
【0223】
なお、ゲーム管理部103は、当該プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに滞留する限り、当該プレーヤキャラクタに決定したペナルティ及びその量を課すようになっている。
【0224】
一方、ゲーム管理部103は、対戦ゲームの開始時より検出された移動量(徒歩や自動車などの移動体を用いた移動を含む仮想空間内における距離)が少ないほど、重いペナルティに決定し、又は、ペナルティの量を多くしてもよい。
【0225】
例えば、ゲーム管理部103は、図9(A)に示すように、予め、ペナルティの量を規定する、移動量の範囲を段階的に定める。
【0226】
また、ゲーム管理部103は、図9(B)に示すように、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに侵入した際に、当該プレーヤキャラクタに対応する行動履歴情報を検索し、当該プレーヤキャラクタの対戦ゲームの開始時より検出した移動量を特定する。
【0227】
そして、ゲーム管理部103は、図9(C)に示すように、特定した移動量が予め定められたどの範囲に属するか判定し、該当する範囲に定められたペナルティの量に決定する。
【0228】
さらに、ゲーム管理部103は、上述と同様に、当該プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに滞留する場合に限り、当該プレーヤキャラクタに決定したペナルティ及びその量を課すようになっている。
【0229】
(行動パラメータ以外の行動履歴情報)
ゲーム管理部103は、行動履歴情報の有無に基づいて、当該検出されたプレーヤキャラクタに対して所与のペナルティを発生させるペナルティ制御処理を実行してもよい。
【0230】
例えば、ゲーム管理部103は、特定のアイテムを有していない場合(プレーヤ情報に当該アイテムを所有している旨が規定されていない場合)、又は、ゲームフィールド内における特定の地点を通過していない場合(プレーヤ情報の座標情報内に特定の地点の座標が記憶されていない場合)であって、第2ゲームエリアに侵入して存在することが検出された場合には、最大級のペナルティを課してもよい。
【0231】
(ペナルティの軽減)
ゲーム管理部103は、各プレーヤキャラクタの現時点における行動に基づいて、各プレーヤキャラクタの将来の行動を予測する行動予測処理を実行し、既にペナルティが発生しているプレーヤキャラクタにおける行動予測が第2ゲームエリアから離脱する行動である場合に、当該プレーヤキャラクタに発生させたペナルティを軽減させてもよい。
【0232】
すなわち、ゲーム管理部103は、例えば、対戦ゲームを活性化させるなど第1ゲーム
エリアに誘導させたい場合であって、第2ゲームエリアに存在しているものの、当該第1ゲームエリアに近づく方向など第2ゲームエリアから離れる方向に移動している場合には、プレーヤの意思に反して第2ゲームエリアに存在したとして、又は、第2ゲームエリアからはやく離脱する意思があるとして、発生したペナルティを軽減する構成を有している。
【0233】
なお、このような構成を有することによって、本実施形態においては、過度にプレーヤに対してゲーム上の不利益を課すこと無く、不利益とゲームの活性化のバランスを取って興趣性の高いゲームを提供することができるようになっている。
【0234】
具体的には、ゲーム管理部103は、第1ゲームエリアとの境界に向かって、又は、第2ゲームエリアの外側に向かって移動していることなど第2ゲームエリアを離脱する方向に移動していることを検出した場合に、段階的に予め設定されたペナルティの量(重さ)を1段階軽くする。
【0235】
例えば、ゲーム管理部103は、第1ゲームエリアとの境界に向かって、所定の移動を行った場合には、第2ゲームエリアを離脱する方向に移動していることを検出した場合に、3秒毎にライフエネルギーを「-2」するペナルティを、5秒毎にライフエネルギーを「-1」するペナルティに変更するなど、段階的に予め設定されたペナルティの量(重さ)を1段軽くする。
【0236】
なお、離脱する行動としては、上記の他に、第1ゲームエリアとの境界などに直接向かって移動する行動でない場合(すなわち、最短距離で移動していない場合)であって、かつ、当該方向に障害物などが存在することによってこれらの方向とは異なる方向に移動している場合であっても、第1ゲームエリアとの境界に向かうルートや第2ゲームエリアの外側に向かうルートに沿って(すなわち、迂回ルートに沿って)移動している場合には、又は、これらの方向にある障害物を取り除くための行動や敵キャラクタを攻撃する行動の場合には、当該離脱する行動に含んでもよい。ただし、迂回ルートにおいては、予めゲーム上設定されていることが好ましいが、ゲームフィールド内の障害オブジェクト第1ゲームエリアの境界とに基づいて逐次算出されたルートであってもよい。
【0237】
また、ゲーム管理部103は、第2ゲームエリアに滞留し、ペナルティが発生している場合において、予め定められた期間(例えば、1分)毎に離脱方向に移動しているか否かを判定し、前回の位置よりさらに第1ゲームエリアとの境界に近づいている場合、又は、第2ゲームエリアの外側に近づいている場合には、さらに、課されているペナルティの処理を軽減してもよい。
【0238】
(その他)
本実施形態のゲーム管理部103は、第2ゲームエリアにおいてプレーヤキャラクタの存在が検出された場合に、ペナルティを課しているが、第2ゲームエリアに存在し、かつ、所定の期間移動していない場合、又は、当該第2ゲームエリアに存在し、かつ、一定期間以上第2ゲームエリアに存在している場合など、第2ゲームエリアに存在しているだけでなく、他の条件を具備した場合に、該当するプレーヤキャラクタにペナルティを発生させてもよい。
【0239】
そして、ゲーム管理部103は、発生時に、上記のペナルティを発生させてもよいし、第2ゲームエリア内に滞留している間中(すなわち、座標が常に第2ゲームエリアの同一の位置に滞留している)、ペナルティを課し続けてもよく、その後第1ゲームエリアに移動したとしても、所定の期間内であれば発生したペナルティを課し続けてもよい。
【0240】
すなわち、本実施形態においては、プレーヤキャラクタが第2ゲームエリアに存在することが検出されたことがペナルティを発生させるための最低限の条件であり、第1ゲームエリアに存在すれば原則的にはペナルティは発生しない(発生中のペナルティは第1ゲームエリアに移動した際に課されているペナルティは解除される)。ただし、ペナルティが発生した後に、プレーヤキャラクタが第1ゲームエリアに存在(移動)したとしても、当該ペナルティの種類や軽重によっては当該ペナルティを受け続けることを除外するものではない。
【0241】
また、ゲーム管理部103は、所定の期間中にペナルティを課し続けた場合であっても、
ゲームの終了タイミングになった場合、実施しているゲームがゲームオーバとなった場合、又は、設定されたペナルティ終了時刻を検出した場合に、該当するプレーヤキャラクタに課されているペナルティを解除する。
【0242】
[4.5]画像データの生成及び提供
次に、本実施形態における画像データの生成及び提供について説明する。
【0243】
情報提供部110は、順次、ゲーム空間内をゲーム画像として画像化し、当該画像化したゲーム画像を端末装置20に提供するための画像データを生成し、当該生成した画像データを該当する端末装置20に提供する。
【0244】
特に、情報提供部110は、ゲーム空間内にプレーヤキャラクタ毎に配置された仮想カメラを視点として、該当するプレーヤの端末装置20に、生成したゲーム画像を画像データとして提供する。
【0245】
[4.6]変形例
[4.6.1]第1ゲームエリア(第2ゲームエリア)の移動
次に、図10及び図11を用いて本実施形態における第1ゲームエリアの移動について説明する。なお、図10及び図11は、本実施形態のゲームの進行状況に応じて実行されるゲームエリア設定処理(移動)を説明するための図である。
【0246】
エリア設定部106は、上述のように検出されたゲームの進行状況に応じて、第1ゲームエリア及び第2ゲームエリアの少なくとも一部を移動させてもよい。
【0247】
特に、エリア設定部106は、上述の縮小を実行するゲームエリア変換処理と同様に、検出されたゲームの進行状況に応じて、段階的に、第1ゲームエリアの範囲を既に設定されている範囲から移動させる。
【0248】
例えば、ゲームに関する成績情報を用いる場合には、エリア設定部106は、図10(A)、(B)及び(C)に示すように、最高順位のプレーヤキャラクタの得点が所定の得点(例えば100000点)に到達し、その後、所定の点数(例えば、10000点)が加算される毎に、徐々に、街の中心部(駅を中心とした中心部)から街の郊外に向かって第1ゲームエリアを移動させるように、当該第1ゲームエリアと第2ゲームエリアとを設定する。
【0249】
また、例えば、位置情報を用いる場合には、エリア設定部106は、図11(A)及び(B)に示すように、ゲームフィールドの所定のエリア内におけるプレーヤキャラクタの密集度が所定の密集度(例えば、20%以下)に到達し、その後、所定の密集度(例えば、3%)に減少する毎に、徐々に、図11(B)に示すように、街の中心部(駅を中心とした中心部)から街の郊外に向かって第1ゲームエリアを移動させるように、当該第1ゲ
ームエリアと第2ゲームエリアとを設定する。
【0250】
一方、エリア設定部106は、検出されたゲームの進行状況に応じて、かつ、所与の設定条件に基づいて、第1ゲームエリアとして、既に設定されている範囲から移動したエリアを設定し、第2ゲームエリアとして、それ以外の範囲を設定してもよい。
【0251】
具体的には、エリア設定部106は、検出されたゲーム進行状況に応じて、かつ、第1ゲームエリアが、
(A1)成績やレベルなどが高いプレーヤキャラクタや数多くの戦果を上げているプレーヤキャラクタの移動が必須となるゲームエリア、若しくは、当該プレーヤキャラクタの苦手のエリアなど当該プレーヤが不利となるゲームエリア、
(A2)成績やレベルなどが低い下位のプレーヤキャラクタや戦果の数が少ないプレーヤキャラクタの移動が必要とならないゲームエリア、若しくは、当該プレーヤキャラクタの得意なエリアなど当該のプレーヤが得意となるゲームエリア、
(A3)プレーヤキャラクタが密集しているゲームエリアや数多くの接触が発生しているゲームエリア、又は、
(A4)プレーヤキャラクタ間の接触が膠着しているゲームエリア以外のゲームエリア
となるように、当該第1ゲームエリアを移動させつつ、設定してもよい。
【0252】
他方、エリア設定部106は、第1ゲームエリアを移動させるにあたっては、検出されたゲームの進行状況に応じて、当該第1ゲームエリアを移動する際の移動距離を決定し、決定した移動距離に基づいて、第1ゲームエリアを既に設定されている範囲から移動させてもよい。
【0253】
すなわち、この場合には、エリア設定部106は、例えば、ゲームに関する成績情報においてプレーヤキャラクタの順位間の差を用いる場合には、その差が大きいほど、移動距離が長くなるように、当該第1ゲームエリアを移動させる際の移動距離合を決定する。
【0254】
[5]本実施形態における動作
次に、図12を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行されるエリア変換処理を含む表示態様制御処理の動作について説明する。
【0255】
なお、図12は、本実施形態のサーバ装置10によって実行されるエリア変換処理を含む表示態様制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0256】
本動作は、ゲームの開始後に実行する動作であり、既に、ゲームが開始されているものとし、かつ、ゲーム開始時には、ゲームフィールド全体が第1ゲームエリアに設定されているものとする。
【0257】
また、本動作においては、行動履歴情報を含む各プレーヤの必要なプレーヤ情報はプレーヤ情報記憶部146に既に登録されており、又は、対戦ゲームの進行に従って順次登録されており、かつ、該当するプレーヤ情報については、適宜、更新されているものとする。
【0258】
さらに、本動作においては、プレーヤキャラクタ毎に、かつ、予め定められたタイミング毎に実行されるものとして説明する。
【0259】
まず、ゲームエリア判定部107は、対戦ゲーム中に、該当するプレーヤキャラクタについて、予め定められたタイミングであると検出すると(ステップS101)、行動履歴管理部105によって検出された該当するプレーヤキャラクタの現在の座標に基づいて、
当該プレーヤキャラクタが存在するゲームエリアを検出する(ステップS102)。
【0260】
次いで、ゲームエリア判定部107は、検出したゲームエリアが第2ゲームエリアであるか否かを判定する(ステップS103)。
【0261】
このとき、ゲームエリア判定部107は、検出したゲームエリアが第2ゲームエリアでないと判定した場合(すなわち、第1ゲームエリアと判定した場合)には、本動作を終了させ、検出したゲームエリアが第2ゲームエリアであると判定した場合には、ステップS104の処理に移行する。
【0262】
次いで、ゲーム管理部103は、検出されたゲームエリアが第2ゲームエリアであると判定された場合には、該当するプレーヤキャラクタの行動履歴情報を検索し、ゲーム開始時から現在までの第2ゲームエリアに滞留した期間の総計の情報を取得する(ステップS104)。
【0263】
次いで、ゲーム管理部103は、ペナルティの種別及びその内容(ペナルティの重さ(量))と、プレーヤキャラクタにおける第2ゲームエリアに滞留した期間の範囲が定められたテーブルデータを読み出しつつ、当該テーブルデータと取得した該当するプレーヤキャラクタの第2ゲームエリアでの蓄積された滞留期間の総計とに基づいて、当該プレーヤキャラクタに発生させるペナルティの内容(種別及びその量を含む。)決定する(ステップS105)。
【0264】
次いで、ゲーム管理部103は、決定したペナルティに基づいて該当するプレーヤに対するペナルティを発生させて(ステップS106)本動作を終了させる。
【0265】
なお、ゲーム管理部103は、該当するプレーヤキャラクタが第2ゲームエリアを離脱するまで当該ペナルティを課し続ける。
【0266】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0267】
本実施形態では、対戦ゲームを用いて説明しているが、RPG又はシミュレーションゲームなどの他のゲームにおいても対戦形式のゲーム使用を有していれば適用することがきる。
【0268】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置に提供してもよい。
【0269】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって提供されたゲームを端末装置20によって実行されているが、操作入力を除き、上記の端末装置20の処理部200の各機能及びゲームプログラムの実行をサーバ装置10で実行し、当該端末装置20は、操作入力とストリーミングによる画像表示を実行することによって、上記のゲームを実現してもよい。
【0270】
また、本実施形態においては、サーバ装置10の機能を備えた単一のゲーム装置、すなわち、サーバ装置などの他の機器に依存せず単独で動作する装置(スタンドアローン)によって実現してもよく、この場合には、複数の入力端末装置があればよい。
【0271】
そして、このようなゲーム端末装置を有線又は無線によって複数連結させ、1のゲーム装置がサーバ装置10として機能して、複数のゲーム装置によって実現することも可能である。
【0272】
また、本実施形態においては、ネットワークを通じて端末装置20と連動して実行するサーバ装置10に本発明のゲームシステムを適用しているが、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータ、又は、アミューズメントパークに設置されるゲーム装置としても適用することができる。
【0273】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0274】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0275】
10 … サーバ装置
20 … 端末装置
200 … 処理部
101 … 通信制御部
102 … Web処理部
103 … ゲーム管理部
104 … 移動制御部
105 … 行動履歴管理部
106 … エリア設定部
107 … ゲームエリア判定部
109 … タイマ管理部
110 … 情報提供部
120 … 入力部
130 … 表示部
140 … 記憶部
142 … 主記憶部
144 … ゲームデータ記憶部
146 … プレーヤ情報記憶部
180 … 情報記憶媒体
196 … 通信部
200 … 処理部
210 … オブジェクト空間設定部
212 … 表示制御部
213 … 入力検出処理部
214 … ゲーム制御部
215 … ゲーム演算部
216 … 仮想カメラ制御部
217 … ゲーム管理部
218 … ロックオン処理部
220 … 描画部
230 … 音処理部
270 … 記憶部
271 … 主記憶部
272 … 画像バッファ
273 … プレーヤ情報記憶部
274 … ゲームデータ記憶部
260 … 入力部
262 … 検出部
280 … 情報記憶媒体
290 … 表示部
291 … 音出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12