(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】メチオニンの製造方法および製造設備
(51)【国際特許分類】
C07C 319/20 20060101AFI20221003BHJP
B01D 9/02 20060101ALI20221003BHJP
C07C 319/28 20060101ALI20221003BHJP
C07C 323/58 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
C07C319/20
B01D9/02 601G
B01D9/02 602E
B01D9/02 603B
B01D9/02 604
B01D9/02 605
B01D9/02 606
B01D9/02 608B
B01D9/02 610Z
B01D9/02 615A
B01D9/02 615Z
C07C319/28
C07C323/58
(21)【出願番号】P 2019514657
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2018017210
(87)【国際公開番号】W WO2018199294
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2017087751
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(72)【発明者】
【氏名】大本 宣仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶孝
(72)【発明者】
【氏名】森川 正幸
(72)【発明者】
【氏名】古泉 善行
(72)【発明者】
【氏名】山城 直也
(72)【発明者】
【氏名】片上 良輔
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-63141(JP,A)
【文献】特表2015-515458(JP,A)
【文献】特開昭60-108357(JP,A)
【文献】特開2015-140342(JP,A)
【文献】特開2010-111641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 319/20
B01D 9/02
C07C 319/28
C07C 323/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程(1)~(4):
(1)反応工程:アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解し、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る工程、
(2)晶析工程:前記反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、該メチオニンを含む第1スラリーを得る工程、
(3)固液分離工程:前記第1スラリーを加圧ろ過機に流入させ、前記第1スラリーから固体メチオニンと母液とを得る工程、および
(4)二酸化炭素回収工程:前記母液から二酸化炭素を回収する工程、
を含むメチオニンの製造方法
であって、
前記二酸化炭素回収工程が、加圧ろ過機内の圧力よりも低い圧力に設定された二酸化炭素回収設備の回収槽へ前記母液を移送し、
当該母液に溶解している二酸化炭素を気体として放出させ、当該二酸化炭素を回収する工程である、方法。
【請求項2】
前記固液分離工程が、第1固液分離工程と第2固液分離工程とを含み、
前記第1固液分離工程は、前記第1スラリーを加圧ろ過機に流入させ、前記第1スラリーから前記固体メチオニンと前記母液とを得る工程であり、
前記第2固液分離工程は、乾燥またはフィルタプレスにより第1固液分離工程で得られる固体メチオニンの含液率をさらに低下させる工程である、請求項1記載のメチオニンの製造方法。
【請求項3】
前記第1固液分離工程で得られた固体メチオニンと、リスラリー液とを混合して第2スラリーとするリスラリー工程を含み、
前記第2固液分離工程は、前記第2スラリーの固液分離を行い、前記第1固液分離工程で得られた固体メチオニンより含液率の低い固体メチオニンを得る、請求項2記載のメチオニンの製造方法。
【請求項4】
前記加圧ろ過機は、連続式の加圧ろ過機である、
請求項1から3のいずれか1つに記載のメチオニンの製造方法。
【請求項5】
アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解してメチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る反応設備と、
前記反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、該メチオニンを含む第1スラリーを得る晶析設備と、
前記第1スラリーから前記固体メチオニンと母液とを得る加圧ろ過設備と、
前記母液から二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収設備
であって、加圧ろ過機内の圧力よりも低い圧力に設定された二酸化炭素の回収槽である二酸化炭素回収設備
が備えられていることを特徴とするメチオニンの製造設備。
【請求項6】
前記加圧ろ過設備の下流側に、固液分離設備が備えられている、請求項5記載のメチオニンの製造設備。
【請求項7】
前記加圧ろ過設備は、連続式の加圧ろ過設備である、請求項5または6記載のメチオニンの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願2017-087751号(2017年4月27日出願)に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が、本明細書中に組み込まれるものとする。
本発明は、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンの加水分解反応により、メチオニンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メチオニンは、動物の体内で合成することができない必須アミノ酸の一種であり、動物用飼料添加剤として広く用いられ、工業的には化学プラントで製造されている。
【0003】
メチオニンを製造する方法として、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解して得られる反応液に、二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させる晶析工程を包含する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の方法において、メチオニンを析出させた後、ろ過やデカンテーションなどの固液分離を行い、メチオニンと母液とを分離する。該母液には、晶析工程において導入された二酸化炭素が溶解しており、該二酸化炭素は固液分離の際に気体となって放出される。該二酸化炭素を回収し、リサイクルすることができればメチオニン製造時のコストを削減できるとともに、二酸化炭素が大気中に放出されることによる環境負荷を低減できると考えられる。
本発明は上記事情に鑑み、晶析工程後の固液分離により分離された母液から二酸化炭素を回収し、リサイクルすることが可能なメチオニンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、晶析工程後の固液分離を、加圧ろ過機により行うことにより、分離された母液から二酸化炭素を回収することができることを見出した。
【0007】
本願の発明は、以下の態様を包含する。
1.次の工程(1)~(4):(1)反応工程:アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解し、メチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る工程、(2)晶析工程:前記反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、該メチオニンを含む第1スラリーを得る工程、(3)固液分離工程:前記第1スラリーを加圧ろ過機に流入させ、前記第1スラリーから前記固体メチオニンと母液とを得る工程、および(4)二酸化炭素回収工程:前記母液から二酸化炭素を回収する工程、を含むメチオニンの製造方法(以下、本明細書中、「本発明のメチオニンの製造方法」と記すことがある)。
2.前記固液分離工程が、第1固液分離工程と第2固液分離工程とを含み、前記第1固液分離工程は、前記第1スラリーを加圧ろ過機に流入させ、前記第1スラリーから前記固体メチオニンと前記母液とを得る工程であり、前記第2固液分離工程は、乾燥またはフィルタプレスにより第1固液分離工程で得られる固体メチオニン(例えば、そのケーキや粉末)の含液率をさらに低下させる工程を含む、前記第1の態様のメチオニンの製造方法。
3.前記第1固液分離工程で得られた固体メチオニン(例えば、そのケーキや粉末)と、リスラリー液(つまり、リスラリー用の液)とを混合して第2スラリーとするリスラリー工程を含み、前記第2固液分離工程は、前記第2スラリーの固液分離を行い、前記第1固液分離工程で得られた固体メチオニンより含液率の低い固体メチオニンを得る工程を含む、前記第2の態様のメチオニンの製造方法。
4.第1から第3の態様のいずれか1つにおける、前記加圧ろ過機は、連続式の加圧ろ過機である、メチオニンの製造方法。
5.アルカリ化合物の存在下に5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを加水分解してメチオニンのアルカリ塩を含む反応液を得る反応設備と、前記反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、該メチオニンを含む第1スラリーを得る晶析設備と、前記第1スラリーから前記固体メチオニンと母液とを得る加圧ろ過設備と、前記母液から二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収設備と、が備えられている、メチオニンの製造設備(以下、本明細書中、「本発明のメチオニンの製造設備」と記すことがある)。
6.第5の態様の製造装置において、前記加圧ろ過設備の下流側に、固液分離設備が備えられている、メチオニンの製造設備。
7.第5または第6の態様における、前記加圧ろ過設備が、連続式の加圧ろ過設備である、メチオニンの製造設備。
8.(5)固液分離工程で得られたメチオニンを乾燥する工程、をさらに含む、前記第1の態様のメチオニンの製造方法。
【0008】
本願の方法および装置によれば、晶析工程後の固液分離を加圧ろ過機で行うことにより、晶析工程で導入された二酸化炭素が母液から放出されるのが抑制されて、二酸化炭素を回収することができる。回収した二酸化炭素をリサイクルすることによりメチオニン製造時のコストを削減できるとともに、環境負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の製造方法の実施形態に係るメチオニンの製造方法の一例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の方法および装置の実施の形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのメチオニンの製造方法、およびメチオニンの製造設備を例示するものであって、本発明を以下のものに特定しない。
【0011】
本明細書では、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンを原料に用い、これをアルカリ化合物の存在下に加水分解することにより、メチオニンをアルカリ塩として含有する反応液(以下、「本反応液」と記すことがある)を得る〔(1)反応工程〕。原料の5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオンの調製方法としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-メチルチオブタンニトリルを、アンモニア及び二酸化炭素と、又は炭酸アンモニウムと反応させることにより、調製する方法が挙げられる。
【0012】
アルカリ化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。アルカリ化合物の使用量は、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオン1モル当たり、カリウムまたはナトリウムとして、通常2~10モル、好ましくは3~6モルである。また、水の使用量は、5-[2-(メチルチオ)エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオン1重量部当たり、通常2~20重量部である。
【0013】
反応工程で行われる加水分解反応は、攪拌式または非攪拌式であって、連続式または回分(バッチ)式の反応槽で行われる。
【0014】
この加水分解反応は、ゲージ圧力で0.5~1MPa程度の加圧下に、150~200℃程度に加熱して行うのがよい。反応時間は通常10分~24時間である。
【0015】
本反応液からメチオニンを得るために、晶析工程が行われる。晶析工程では、晶析設備内に本反応液を流入させ、本反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、該メチオニンを含む第1スラリーを得る〔(2)晶析工程〕。
【0016】
二酸化炭素の導入により本反応液に二酸化炭素が吸収され、メチオニンのアルカリ塩が遊離のメチオニンとなって析出する。晶析工程での二酸化炭素の導入は、ゲージ圧力で0.1~1.0MPa、好ましくは0.2~0.5MPaの加圧下で行うのがよい。晶析温度は、通常0~50℃、好ましくは10~30℃である。また、晶析時間は、本反応液が二酸化炭素で飽和されて、メチオニンが十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常10分~24時間である。
【0017】
析出したメチオニンを含む第1スラリーは、固液分離工程に付される。固液分離工程では、晶析工程で得られた第1スラリーを、加圧ろ過機に流入させ、この第1スラリーから固体メチオニン(例えば、そのケーキや粉末)と母液とを得る操作が行われる〔(3)固液分離工程〕。該母液には、上記晶析工程において加圧下で導入された二酸化炭素が溶解している。固液分離工程では、該二酸化炭素が気体となって放出しないように加圧ろ過機を用いて固液分離が行われる。加圧ろ過機としては、密閉状態でスラリーのろ過が可能なろ過機が用いられ、かかる加圧ろ過機としては、例えば、ドラム式加圧ろ過機、リーフ式加圧ろ過機、キャンドル式加圧ろ過機、ベルトプレス式フィルタプレス、スクリュープレス式フィルタプレスおよびロータリープレス式フィルタプレスが挙げられる。また、加圧ろ過機は、連続式および回分(バッチ)式のいずれでもよいが、生産性が向上されるため、連続式の加圧ろ過機であることが好ましい。
【0018】
加圧ろ過機内の圧力は、ゲージ圧力で0.1~1.0MPa、好ましくは晶析工程での圧力と同じ、またはそれ以上である。ろ過温度は通常0~50℃、好ましくは10~30℃である。
【0019】
固液分離工程で得られた母液は、二酸化炭素回収設備の回収槽へ移送される。この回収槽は、加圧ろ過機内の圧力よりも低い圧力、望ましくは大気圧になっているので、母液に溶解していた二酸化炭素は、気体となって放出される。この回収槽内は密閉されているので、気体となった二酸化炭素が回収される〔(4)二酸化炭素回収工程〕。回収した二酸化炭素は、メチオニンの製造における任意の工程へリサイクルされる。
【0020】
二酸化炭素回収設備の回収槽は、いわゆるフラッシュタンクであり、気液を分離できるものであれば構造は特に限定されない。本実施形態のフラッシュタンクは、タンクの側面から母液を流入させ、フラッシュタンクの内部で気液を分離する。フラッシュタンクへの母液の流量は、限定されるものではなく、例えばフラッシュタンクの大きさおよび個数は、スラリー中の固形分濃度および母液の流量によって適宜決定される。
【0021】
図1には、本願の製造方法の実施形態に係るメチオニンの製造方法の一例を表すフロー図を示す。
図1に示すように、本発明における固液分離工程は、第1固液分離工程と第2固液分離工程とを含んでいてもよい。この場合、第1固液分離工程は、晶析工程で得られた第1スラリーを、加圧ろ過機に流入させ、この第1スラリーから固体メチオニンと母液とを得る工程であり、第2固液分離工程は、固体メチオニンの含液率を低下させる工程である。第1固分離工程では、母液から二酸化炭素ガスが放出されないように第1スラリーの固液分離を行うことを目的とし、第2固液分離工程では、固体メチオニンの含液率を低下させることを目的としており、それぞれの工程で目的に応じた固液分離機を用いることにより、それぞれの工程を効率よく行うことができる。また、生産性を向上させるには、第1固液分離工程で連続式の加圧ろ過機を用いることが好ましい。第1固液分離工程を、連続式の加圧ろ過機を用いて行い、その後、第2固液分離工程を行うことにより、母液から二酸化炭素ガスを回収することができるとともに、生産性を向上させることができる。
第2固液分離工程における固液分離は、ろ過およびデカンテーションなどにより行われる。本発明においては、第2固液分離工程における固液分離は遠心分離により行われることが好ましい。第2固液分離工程では、固体メチオニンの含液率が1~25重量%になるように固液分離される。
なお、本明細書において、「下流側」とは、本発明のメチオニンの製造方法における、最終製品が得られる工程に近い側を意味する。
【0022】
本発明は、第1固液分離工程で得られたメチオニンと、リスラリー液とを混合して第2スラリーとするリスラリー工程を含んでいてもよい。「リスラリー」とは、一般に、スラリーを固液分離して得られる固体を、液体と混合して再度スラリーの状態にする操作を言い、該液体としては、該固体が溶解し難い液体が用いられる。本明細書における「リスラリー液」とは、リスラリーに用いられる液体を意味する。リスラリー液としては、メチオニンが溶解し難い液体が用いられ、好ましくはメチオニンの飽和水溶液が用いられる。
【0023】
本発明がリスラリー工程を含む場合、第2固液分離工程で、リスラリー工程で得られた第2スラリーを固液分離することにより、固体メチオニンの含液率をさらに低下させる。第2固液分離工程は、上記の方法により行われる。第1固液分離工程で得られた固体メチオニンをリスラリーすることにより、メチオニンに含まれる不純物の量が減少される。更に含液率を下げることでメチオニンに含まれる不純物量をより低減することが可能になる。
第2固液分離工程としては上記リスラリー工程を含まない場合には第1固液分離工程で得られる固体メチオニンをそのまま含水率を下げる方法が考えられる。具体的には乾燥、またはフィルタプレスにより固体メチオニン中の液体を除去する。この時の圧力は問わないが減圧下で実施する方がエネルギー効率が良いことが多い。乾燥方法としては材料の搬送方法から材料静地型、材料移送型、材料撹拌型、熱風搬送型があり、乾燥のための伝熱方式として対流伝熱式、伝導伝熱式、輻射伝熱式、マイクロ波加熱式などがある。またベルトプレス式フィルタプレス、スクリュープレス式フィルタプレスまたはロータリープレス式フィルタプレスなどのフィルタプレスなど機械的な圧力により含水率を低減する方法もある。
【0024】
固液分離工程で得られたメチオニンは、乾燥された後、最終製品とされる。乾燥は、微減圧下、50~120℃程度に加熱して行われる。乾燥時間は通常10分~24時間である。
【実施例】
【0025】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例における重量部/hrは、1時間当たりの流量を表す。
【0026】
実施例1
本反応液にゲージ圧力0.35MPa、25℃の条件下で二酸化炭素ガスを導入することによりメチオニンを析出させて、析出したメチオニンを含むスラリーを得る。該スラリーをゲージ圧力0.35MPa、25℃の条件下で加圧ろ過機に流入させ、フィルタによる加圧ろ過によりメチオニンと母液とを分離する。該母液をゲージ圧力0.35MPa、25℃の条件下、流量を118.3重量部/hrとしてフラッシュタンクへ流入させる。母液には、母液118.3重量部あたり18.3重量部の二酸化炭素が溶解している。フラッシュタンク内圧力がゲージ圧力0MPa(大気圧)、25℃の条件下、気体となった二酸化炭素をフラッシュタンクから回収する。二酸化炭素回収量はガス流量で14.5重量部/hrである。また、水分が0.2重量部/hr回収される。