(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】透磁率センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/72 20060101AFI20221004BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G01N27/72
G01R33/02 B
(21)【出願番号】P 2018173001
(22)【出願日】2018-09-14
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】大隅 和彦
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112565(JP,A)
【文献】特開平06-051625(JP,A)
【文献】実開昭57-116954(JP,U)
【文献】特開2010-122112(JP,A)
【文献】特開昭59-007978(JP,A)
【文献】米国特許第5581335(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72-27/9093
G01R 33/00-33/26
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物の透磁率を検出する透磁率センサにおいて、
前記被検出物から磁気を受ける第1コイルを含んで発振する第1発振回路と、
前記被検出物から磁気を受ける第2コイルを含んで発振する第2発振回路と、
前記第1発振回路及び第2発振回路夫々における発振パルス数を計測する計測部と、
前記計測部による前記第1発振回路における発振パルス数の計測時間、及び、前記計測部による前記第2発振回路における発振パルスの計測時間の少なくとも一方を調整する調整部と、
前記計測部にて計測した発振パルス数の差分を算出する算出部と、
前記算出部にて算出した差分を透磁率に変換する変換部と
を備え、前記第1コイル及び第2コイルは軸方向に離間して非磁性のボビンに巻きまわされていることを特徴とする透磁率センサ。
【請求項2】
前記計測部は、前記第1発振回路における発振パルス数と、前記第2発振回路における発振パルス数とを交互に計測するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の透磁率センサ。
【請求項3】
前記第1コイル及び第2コイルは、同軸状に配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透磁率センサ。
【請求項4】
前記第1発振回路及び第2発振回路の構成部材は、前記第1コイル及び第2コイルを除いて共通であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の透磁率センサ。
【請求項5】
複数の感度夫々に対する初期計測時間を記憶する記憶部と、
複数の感度から1つを選択する選択信号を取得し、取得した選択信号により選択された感度に対応する初期計測時間を前記記憶部から読み出し、読み出した初期計測時間を、前記第1発振回路の発振パルス数を計測する第1計測時間、及び前記第2発振回路の発振パルス数を計測する第2計測時間に設定する初期設定部と
を備え、
前記算出部は、前記第1計測時間で、前記計測部が前記第1発振回路の計測を行って得た発振パルス数、及び、前記第2計測時間で、前記計測部が前記第2発振回路の計測を行って得た発振パルス数の差分を算出する
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の透磁率センサ。
【請求項6】
前記調整部は、前記初期設定部が設定した前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間の少なくとも一方を調整し、
前記計測部は、前記調整部の調整結果に基づく、前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間にて、前記発振パルス数の計測を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の透磁率センサ。
【請求項7】
前記調整部は前記第2計測時間を調整する
ことを特徴とする請求項6に記載の透磁率センサ。
【請求項8】
被検出物の透磁率を検出する透磁率センサにおいて、
前記被検出物から磁気を受ける第1コイルを含んで発振する第1発振回路と、
前記被検出物から磁気を受ける第2コイルを含んで発振する第2発振回路と、
前記第1発振回路及び第2発振回路夫々における発振パルス数を計測する計測部と、
前記計測部による前記第1発振回路における発振パルス数が所定値となるように計測時間を調整する第1調整部と、
前記第1調整部で調整した前記第1発振回路における発振パルス数の計測時間、及び、前記第2発振回路における発振パルス数の計測時間の少なくとも一方を、所定の環境下にて計測したそれぞれの発振パルス数に基づいて調整する第2調整部と、
前記第1調整部及び前記第2調整部による調整後の計測時間で、前記計測部にて計測した発振パルス数の差分を算出する算出部と、
前記算出部にて算出した差分を透磁率に変換する変換部と
を備え、
前記第1コイル及び第2コイルは軸方向に離間して非磁性のボビンに巻きまわされていることを特徴とする透磁率センサ。
【請求項9】
前記第2調整部は前記第2発振回路における発振パルス数の計測時間を調整することを特徴とする請求項8に記載の透磁率センサ。
【請求項10】
前記算出部は、前記第1調整部及び前記第2調整部による計測時間の調整後、所定の環境下で、前記計測部にて、前記第1調整部及び前記第2調整部による調整後の計測時間で計測した発振パルス数の差分を算出し、
前記算出部が算出した差分により、前記第1発振回路における発振パルス数、及び、前記第2発振回路における発振パルス数の少なくとも一方を調整する第3調整部
をさらに備えることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の透磁率センサ。
【請求項11】
前記第3調整部は前記第2発振回路における発振パルス数を調整することを特徴とする請求項10に記載の透磁率センサ。
【請求項12】
上記所定の環境下は基準磁性板を用いて、実現すること
を特徴とする請求項8から請求項11の何れか一項に記載の透磁率センサ。
【請求項13】
複数の感度夫々に対する初期計測時間を記憶する記憶部と、
複数の感度から1つを選択する選択信号を取得し、取得した選択信号により選択された感度に対応する初期計測時間を前記記憶部から読み出し、読み出した初期計測時間を、前記第1発振回路の発振パルス数を計測する第1計測時間、及び前記第2発振回路の発振パルス数を計測する第2計測時間に設定する初期設定部と
を備え、
前記算出部は、前記第1計測時間で、前記計測部が前記第1発振回路の計測を行って得た発振パルス数、及び、前記第2計測時間で、前記計測部が前記第2発振回路の計測を行って得た発振パルス数の差分を算出する
ことを特徴とする請求項8から請求項12の何れか一項に記載の透磁率センサ。
【請求項14】
前記計測部は、前記第1発振回路における発振パルス数と、前記第2発振回路における発振パルス数とを交互に計測するように構成してあることを特徴とする請求項13に記載の透磁率センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出物の透磁率を検出する透磁率センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機又はプリンタは、感光体上に形成された静電画像を現像するために使用される現像ユニット内のトナーの濃度又は残量を磁気的に検出するトナーセンサを備えている。このようなトナーセンサの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたセンサでは、4つのコイルを使用し、差動トランス方式により、トナー濃度を検出している。
【0003】
また、特許文献2には、第1検出コイルのインダクタンス変化に応じた発振波に位相ズレを生じさせる第1発振回路と、第2検出コイルのインダクタンス変化に応じた発振波に位相ズレを生じさせる第2発振回路とを備えて、両者の位相ズレの差分を求めて、金属の状態を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-165910号公報
【文献】特開2009-31257号公報
【文献】特許第3900442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトナーセンサは、差動トランス方式を採用しており、駆動コイルと差動コイルとが近傍に位置している場合、トナーの影響が両方に及ぶので、トナーが駆動コイル及び差動コイルに与える影響を完全になくすことは困難である。
【0006】
特許文献3にはボビンに巻きまわした駆動コイル及び差動コイルを有し、それぞれを基準コイル及び検知コイルとして用い、当該検知コイルと基準コイルとの差動出力からトナー濃度を検出する技術が開示されている。
特許文献3のトナーセンサについても特許文献1同様にトナーの影響が両方のコイルに及ぶので、トナーが駆動コイル及び差動コイルに与える影響を完全になくすことは困難である。また一方のコイルで発生する磁束が他方のコイルに影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
複数コイルのインダクタンスの変化に応じて、透磁率を検出するようにしているが、この検出には多数の回路部品を用いている。回路部品には特性のばらつきが存在し、しかも回路部品は例えば温度等の検出環境の影響を受け易いので、高精度の検出を図れないという問題がある。
【0008】
特許文献2では、第1発振回路及び第2発振回路からの発振波を計測し、その計測値が所定値に達した時間を計測し、計測した時間に基づいて、蓄積された発振波の位相ズレを検出しているので、検出するプロセスが複雑であるという問題がある。また、特許文献2は、回転軸のトルクを磁気的に検出するための技術であり、トナーの濃度を検出するセンサへの適用は開示も示唆もされていない。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成であっても、温度変動の影響を抑制して高精度に被検出物の透磁率の変化を検出できる透磁率センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る透磁率センサは、被検出物の透磁率を検出する透磁率センサにおいて、前記被検出物から磁気を受ける第1コイルを含んで発振する第1発振回路と、前記被検出物から磁気を受ける第2コイルを含んで発振する第2発振回路と、前記第1発振回路及び第2発振回路夫々における発振パルス数を計測する計測部と、前記計測部による前記第1発振回路における発振パルス数の計測時間、及び、前記計測部による前記第2発振回路における発振パルス数の計測時間の少なくとも一方を調整する調整部と、前記計測部にて計測した発振パルスの差分を算出する算出部と、前記算出部にて算出した差分を透磁率に変換する変換部とを備え、前記第1コイル及び第2コイルは軸方向に離間して非磁性のボビンに巻きまわされていることを特徴とする。ここで、「磁気を受ける」とは、被検出物と磁気的に結合することを意味する。
【0011】
本発明において発振パルス数とは、夫々の発振回路において発振したそれぞれ発振周波数における定められた計測時間内のパルス数をいう。よって計測時間が同じであれば発振パルス数の差は発振周波数の差と同義ととらえることができる。
【0012】
本発明の透磁率センサにあっては、被検出物の近傍に配した第1コイルを含む第1発振回路の発振パルス数と、被検出物の近傍の第1コイルとは被検出物への距離を異ならせて配した第2コイルを含む第2発振回路の発振パルス数とを、計測部で計測する。算出部は、計測部が計測した両発振パルス数の差分を算出し、変換部は、算出部が算出した差分を透磁率に変換する。被検出物の透磁率が大きくなるとコイルのインダクタンスが増えて、そのコイルを含む発振回路の発振パルス数は減少する。ここで、被検出物に近い方のコイルは透磁率の変化に応じたインダクタンスの変化量が大きくなるので、発振回路での発振パルス数の変動も大きくなる。よって、被検出物からの距離を異ならせて配した2つのコイルを用いて、夫々の発振回路による発振パルス数の差分から透磁率を検出することができる。
【0013】
ここで、第1発振回路の発振パルス数を計測した第1計測時間と第2発振回路の発振パルス数を計測した第2計測時間との少なくとも一方を、調整部により調整しておく。具体的には、被検出物からの距離が第1コイルより第2コイルの方が短い場合、第2コイルのインダクタンスは第1コイルのインダクタンスより大きくなって、第2発振回路の発振パルス数が第1発振回路の発振パルス数より小さくなるため、第2計測時間が第1計測時間より相対的に長くなるように調整し発振パルス数が同じになるように調整しておく。このような調整を行っておくことにより、実際の検出時における温度変動の影響が少なくなる。
【0014】
本発明に係る透磁率センサにおいて、前記計測部は、前記第1発振回路における発振パルス数と、前記第2発振回路における発振パルス数とを交互に計測するように構成してあることを特徴とする。
【0015】
本発明の透磁率センサにあっては、第1発振回路における発振パルス数の計測と、第2発振回路における発振パルス数の計測とを、切り替えながら交互に行う。よって、一方の発振回路における発振パルス数の計測時に、他方の発振回路は発振していないので、一方の発振回路における発振パルス数の計測値は、他方の発振回路の発振の影響を受けない。したがって、両発振回路における正確な発振パルス数を計測でき、透磁率の検出精度は高くなる。
【0016】
本発明に係る透磁率センサにおいて、前記第1コイル及び第2コイルは、同軸状に配されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の透磁率センサにあっては、第1コイル及び第2コイルが同軸状に配されている。よって、コイルの配置に要する面積は小さくて済み、透磁率センサの小型化を図れる。
【0018】
本発明に係る透磁率センサにおいて、前記第1発振回路及び第2発振回路の構成部材は、前記第1コイル及び第2コイルを除いて共通であることを特徴とする。
【0019】
本発明の透磁率センサにあっては、第1発振回路と第2発振回路とにおいて、第1コイル及び第2コイルを除く他の構成部材は共通としている。よって、第1発振回路及び第2発振回路夫々で計測される発振パルス数は、コイル以外の異なる構成部材による特性のばらつきの影響を受けず、正確な値が計測される。よって、透磁率の検出精度は高くなる。
【0020】
本発明に係る透磁率センサは、複数の感度夫々に対する初期計測時間を記憶する記憶部と、複数の感度から1つを選択する選択信号を取得し、取得した選択信号により選択された感度に対応する初期計測時間を前記記憶部から読み出し、読み出した初期計測時間を、前記第1発振回路の発振パルス数を計測する第1計測時間、及び前記第2発振回路の発振パルス数を計測する第2計測時間に設定する初期設定部とを備え、前記算出部は、前記第1計測時間で、前記計測部が前記第1発振回路の計測を行って得た発振パルス数、及び、前記第2計測時間で、前記計測部が前記第2発振回路の計測を行って得た発振パルス数の差分を算出することを特徴とする。
【0021】
本発明の透磁率センサは、選択信号により感度を調整可能である。ハードウェアの構成を変更することなく、複数の感度に対応可能となる。
【0022】
本発明に係る透磁率センサにおいて、前記調整部は、前記初期設定部が設定した前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間の少なくとも一方を調整し、前記計測部は、前記調整部の調整結果に基づく、前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間にて、前記発振パルス数の計測を行うことを特徴とする。
【0023】
本発明の透磁率センサにあっては、第1発振回路の発振パルス数を計測した第1計測時間と第2発振回路の発振パルス数を計測した第2計測時間との少なくとも一方を、調整部により調整しておく。具体的には、被検出物からの距離が第1コイルより第2コイルの方が短い場合、第2コイルのインダクタンスは第1コイルのインダクタンスより大きくなって、第2発振回路の発振パルス数が第1発振回路の発振パルス数より小さくなるため、第2計測時間が第1計測時間より相対的に長くなるように調整し発振パルス数が同じになるように調整しておく。このような調整を行っておくことにより、実際の検出時における温度変動の影響が少なくなる。
【0024】
また、発振パルス数の計測、発振パルス数の差分の算出、差分から透磁率への変換の一連の処理を、マイクロコンピュータなどを用いてソフトウェアにて行えて部品点数を削減できるとともに、部品における特性のばらつきを受けることが少なく、検出精度は高くなる。
【0025】
本発明に係る透磁率センサにおいて、前記調整部は前記第2計測時間を調整することを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、第1発振回路を基準として動作させることが可能となる。
【0027】
本発明に係る透磁率センサは、被検出物の透磁率を検出する透磁率センサにおいて、前記被検出物から磁気を受ける第1コイルを含んで発振する第1発振回路と、前記被検出物から磁気を受ける第2コイルを含んで発振する第2発振回路と、前記第1発振回路及び第2発振回路夫々における発振パルス数を計測する計測部と、前記計測部による前記第1発振回路における発振パルス数が所定値となるように計測時間を調整する第1調整部と、前記第1調整部で調整した前記第1発振回路における発振パルス数の計測時間、及び、前記第2発振回路における発振パルス数の計測時間の少なくとも一方を、所定の環境下にて計測したそれぞれの発振パルス数に基づいて調整する第2調整部と、前記第1調整部及び前記第2調整部による調整後の計測時間で、前記計測部にて計測した発振パルス数の差分を算出する算出部と、前記算出部にて算出した差分を透磁率に変換する変換部とを備え、前記第1コイル及び第2コイルは軸方向に離間して非磁性のボビンに巻きまわされていることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、2つのコイル(第1コイルと第2コイルと)を用いて、夫々の発振回路による発振パルス数の差分から透磁率を検出することができる。
【0029】
本発明に係る透磁率センサは、第2発振回路における発振パルス数の計測時間を調整することを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、第1発振回路を基準として動作させることが可能となる。
【0031】
本発明に係る透磁率センサは、前記算出部は、前記第1調整部及び前記第2調整部による計測時間の調整後、所定の環境下で、前記計測部にて、前記第1調整部及び前記第2調整部による調整後の計測時間で計測した発振パルス数の差分を算出し、前記算出部が算出した差分により、前記第1発振回路における発振パルス数、及び、前記第2発振回路における発振パルス数の少なくとも一方を調整する第3調整部をさらに備えることを特徴とする。
【0032】
本発明にあっては、第1調整部及び第2調整部による調整後の計測時間で計測した発振パルス数の差分を算出し、算出した差分により、第1発振回路における発振パルス数、及び、第2発振回路における発振パルス数の少なくとも一方を調整するので、測定中心とすべき所定の環境下で透磁率の差分を0とすることが可能となる。
【0033】
本発明に係る透磁率センサは、前記第3調整部は前記第2発振回路における発振パルス数を調整することを特徴とする。
【0034】
本発明にあっては、第1発振回路を基準として動作させることが可能となる。
【0035】
本発明は、所定の環境下は基準磁性板を用いて、実現することを特徴とする。
【0036】
本発明にあっては、基準磁性板を用いることにより、所定の透磁率を測定範囲の中心とすることが可能となる。
【0037】
本発明に係る透磁率センサは、複数の感度夫々に対する初期計測時間を記憶する記憶部と、複数の感度から1つを選択する選択信号を取得し、取得した選択信号により選択された感度に対応する初期計測時間を前記記憶部から読み出し、読み出した初期計測時間を、前記第1発振回路の発振パルス数を計測する第1計測時間、及び前記第2発振回路の発振パルス数を計測する第2計測時間に設定する初期設定部とを備え、前記算出部は、前記第1計測時間で、前記計測部が前記第1発振回路の計測を行って得た発振パルス数、及び、前記第2計測時間で、前記計測部が前記第2発振回路の計測を行って得た発振パルス数の差分を算出することを特徴とする。
【0038】
本発明の透磁率センサにあっては、選択信号により感度を調整可能である。
【0039】
本発明に係る透磁率センサにおいては、前記計測部は、前記第1発振回路における発振パルス数と、前記第2発振回路における発振パルス数とを交互に計測するように構成してあることを特徴とする。
【0040】
本発明にあっては、一方の発振回路における発振パルス数の計測時に、他方の発振回路は発振していないので、一方の発振回路における発振パルス数の計測値は、他方の発振回路の発振の影響を受けない。したがって、両発振回路における正確な発振パルス数を計測でき、透磁率の検出精度は高くなる。
【発明の効果】
【0041】
本発明では、小型かつ簡単な構成であっても、温度変動の影響を抑制して高精度に被検出物の透磁率を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】透磁率センサの構成例を示す分解斜視図である。
【
図4】透磁率センサの現像ユニットへの取り付け例を示す断面図である。
【
図5】透磁率センサの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】透磁率センサの一構成例を示す回路図である。
【
図7】透磁率センサの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】計測時間調整処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図9】初期補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図10】補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図11】強制補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図12】透磁率補正処理の補正後から強制補正の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明例と従来例とにおけるトナー濃度の検出感度特性を示すグラフである。
【
図14】本発明例と従来例とにおけるオフセット制御を行うための制御電圧特性を示すグラフである。
【
図15】透磁率センサの機能構成の他例を示すブロック図である。
【
図16】モード毎の検出トナー濃度と出力電圧との関係例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
(実施の形態1)
以下、実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は透磁率センサの例を示す斜視図である。
図2は透磁率センサの構成例を示す分解斜視図である。
図3はボビンの構成例を示す斜視図である。
【0044】
透磁率センサ10は直方体状をなす。透磁率センサ10はカバー11、ケース12及びコネクタ15を含む。透磁率センサ10には位置決め孔16、123が設けられている。カバー11は一面が開口された箱状をなす。カバー11は貫通孔111及び貫通孔112を含む。カバー11は樹脂で構成する。
【0045】
ケース12は一面が開口された箱状をなす。ケース12はカバー11よりも長手方向に長い。ケース12は収容部121、貫通孔122、位置決め孔123、複数の凹部124、複数のピン125を含む。ピン125は円柱状をなす。収容部121は円筒状をなす。収容部121はケース12の広面から略垂直に突出している。貫通孔122の円周部には円環部1221が設けてある。凹部124は矩形状をなす。
【0046】
基板13は矩形状をなす。基板13の中央部の上面には、後述する各種の処理を行うマイクロコンピュータからなる電子チップ4が実装されている。さらに、電子チップ4の近傍には、回路部品5が実装されている。回路部品5は発振回路を構成するためのコンデンサなどを含んでいる。基板13には貫通孔131が設けてある。
【0047】
ボビン14は台座141、本体部142、入出力端子143、上コイル鍔144及び下コイル鍔145を含む。台座141は矩形状をなす。本体部142は円筒状をなす。本体部142は台座141から図面下方向に突出している。本体部142の周部に上コイル鍔144及び下コイル鍔145が形成されている。上コイル鍔144には上下方向に亘って溝144aが設けてある。溝144aは対称する位置にも設けてある。溝144aに対応して、台座141には矩形状の切り欠き141aが形成してある。また、台座141にはU字形の切り欠き141bが形成してある。ボビン14は樹脂等の非磁性材料且つ絶縁材料で構成する。
【0048】
ボビン14の台座141と上コイル鍔144との間に絶縁電線を巻回して第1コイル1を形成する。上コイル鍔144と下コイル鍔145との間に絶縁電線を巻回して第2コイル2を構成する。第1コイル1及び第2コイル2のリード線は、溝144aや切り欠き141aを経由して、入出力端子143に接続する。
【0049】
基板13の長手方向の一端にボビン14を配置する。入出力端子143は例えば半田付けにより、基板13に固定する。基板13の長手方向の他端上面にコネクタ15を配置する。コネクタ15のピンの一端が例えば半田付けにより、基板13に固定する。
【0050】
基板13をケース12に収容する。その際、ボビン14を収容部121に収容する。基板13の貫通孔131の内周部がケース12の円環部1221の外周部に嵌合する。基板13の切り欠き141bがケース12のピン125に嵌合する。
【0051】
ケース12にカバー11を取り付ける。カバー11の内側には、凹部124に対応して、図示しない凸部が設けてある。カバー11の内側には、ピン125に対応して、図示しない円筒状のボスが設けてある。ケース12の凹部124とカバー11の凸部とが嵌合し、ケース12のピン125とカバー11のボスとが嵌合することにより、カバー11はケース12に固定される。透磁率センサ10は、以上のような構成をなす。
【0052】
図4は透磁率センサの現像ユニットへの取り付け例を示す断面図である。
図4において30は、現像ユニットの内外を仕切る隔壁である。隔壁30には、凹部31が形成されており、この凹部31に嵌め込まれるように、ケース12に収納された状態で透磁率センサ10が現像ユニットに取り付けられる。
隔壁30には、収容部121(ボビン14を収容)に対向する位置に孔33が形成されており、孔33から収容部121の一部が突出している。
なお、コネクタ15の先端部はカバー11から突出している。
【0053】
この際、
図1及び
図2に示した透磁率センサ10の下面側が隔壁30側になるように、透磁率センサ10が現像ユニットの隔壁30に取り付けられる。よって、第2コイル2が第1コイル1よりも、現像ユニット内に近い位置、言い換えると現像ユニット内の現像剤に近い位置に配されることになる。透磁率センサ10が取り付けられた凹部31は、シール32にて封止されている。
【0054】
図5は、本発明の透磁率センサ10の機能構成を示すブロック図である。
図5において、
図1から
図3と同一又は同様な部分には同一の符号を付している。
【0055】
第1コイル1と回路部品5の一部とにより、第1発振回路6が構成されており、第2コイル2と回路部品5の一部とにより、第2発振回路7が構成されている。本発明の透磁率センサ10にあっては、第1発振回路6と第2発振回路7とにおいて、第1コイル1及び第2コイル2を除く他の構成部材は共通としている。よって、第1発振回路6及び第2発振回路7夫々で計測される発振パルス数は、異なる構成部材による特性のばらつきの影響を受けず、正確な値が計測される。よって、透磁率の検出精度は高くなる。
【0056】
また、電子チップ4は、第1発振回路6及び第2発振回路7夫々における発振パルス数を計測する計測部41と、計測部41での第1発振回路6における発振パルス数の計測時間(第1計測時間)及び第2発振回路7における発振パルス数の計測時間(第2計測時間)の少なくとも一方を調整する調整部(第1調整部、第2調整部、第3調整部)42と、計測部41で計測した発振パルス数の差分を算出する算出部43と、算出部43にて算出した差分を透磁率に変換する変換部44とを機能的に有している。
【0057】
ここで第1調整部は第1発振回路における発振パルス数が所定値となるように計測時間を調整する。第2調整部は第1発振回路における発振パルス数の計測時間、及び第2発振回路における発振パルス数の計測時間の少なくとも一方を、所定の環境下にて計測したそれぞれの発振パルス数に基づいて調整する。第3調整部は、第1調整部及び第2調整部による計測時間の調整後、所定の環境下で、調整後の発振パルス数の差分を計測したのち,その差分から第1発振回路における発振パルス数、及び、第2発振回路における発振パルス数の少なくとも一方を調整する。
【0058】
図6は、本発明の透磁率センサ10の一構成例を示す回路図である。
図6において、コイルL1及びコイルL2は夫々、前述した第1コイル1及び第2コイル2に該当する。また、マイクロコンピュータU1は、前述した電子チップ4に相当する。
【0059】
コイルL1の一端は、マイクロコンピュータU1の第6端子に接続され、コイルL2の一端は、マイクロコンピュータU1の第3端子に接続されている。コイルL1の他端及びコイルL2の他端はコンデンサC1を介してトランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ1のベース、コレクタ間には抵抗R2が設けられ、トランジスタQ1のベース、エミッタ間にはコンデンサC2が設けられている。トランジスタQ1のコレクタは、マイクロコンピュータU1の第2端子に接続されているとともに、抵抗R3を介して接地されている。
【0060】
マイクロコンピュータU1の第1端子には、電源電圧Vddの入力端子が接続されている。電源電圧Vddの入力端子は、抵抗R1を介してトランジスタQ1のエミッタに接続されている。抵抗R1とトランジスタQ1のエミッタとの間にはコンデンサC3の一端が接続され、コンデンサC3の他端は接地されている。電源電圧Vddの入力端子と前記第1端子との間にはコンデンサC6の一端が接続され、コンデンサC6の他端は接地されている。マイクロコンピュータU1の第8端子には、接地用の端子が接続されている。
【0061】
マイクロコンピュータU1の第7端子には、抵抗R4を介して、透磁率に相当する検出電圧Voutを出力する出力端子が接続されている。該出力端子と抵抗R4との間にはコンデンサC7の一端が接続され、コンデンサC7の他端は接地されている。マイクロコンピュータU1の第5端子には、抵抗R6を介して、オフセット制御を行うための制御電圧Vcontを入力する入力端子が接続されている。マイクロコンピュータU1の第5端子と抵抗R6との間にはコンデンサC4の一端が接続され、コンデンサC4の他端は接地されている。
【0062】
コイルL1、2個のコンデンサC2及びC3並びにトランジスタQ1にて、前述した第1発振回路6(コルピッツ発振回路)が構成され、コイルL2、2個のコンデンサC2及びC3並びにトランジスタQ1にて、前述した第2発振回路7(コルピッツ発振回路)が構成されている。そして、マイクロコンピュータU1の切り替え動作(マイクロコンピュータU1の第3端子及び第6端子で切り替え動作を行っている)により、第1発振回路6と第2発振回路7とが調整部42にて調整された夫々の計測時間ずつ交互に発振するようになっている。
【0063】
次に、本発明の透磁率センサ10の動作について説明する。
図7は、本発明の透磁率センサ10の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0064】
調整部42にて調整された第1計測時間に亘って、第1発振回路6を発振させてその発振パルス数を計測部41にて計測する処理と、調整部42にて調整された第2計測時間に亘って、第2発振回路7を発振させてその発振パルス数を計測部41にて計測する処理とを交互に行う。この際、
図7に示すように、第1発振回路6を発振させてその発振パルス数を計測する期間では第2発振回路7を発振させず、また、第2発振回路7を発振させてその発振パルス数を計測する期間では第1発振回路6を発振させない。よって、互いに発振の影響を受けることなく、発振パルス数を計測するので、その計測値は精度が高くなる。
【0065】
所定時間(第1計測時間及び第2計測時間)ずつの発振パルス数の計測を終了すると、第1発振回路6における(第1コイル1に由来する)計測された発振パルス数と、第2発振回路7における(第2コイル2に由来する)計測された発振パルス数との差分を、算出部43にて算出する。そして、変換部44により、算出した差分を透磁率に変換し、透磁率の変化量を求める。具体的には、所望する透磁率の検出範囲の中央値を0に設定し、この中央値に対応する差分と比べた算出差分の多少に基づいて中央値からの変化量を求める。現像ユニットに取り付けられた透磁率センサ(トナーセンサ)10では、トナーの濃度を検出する。
【0066】
また、第1発振回路6を発振させて、その発振パルス数を計測する期間では、それ以前の第1発振回路6と第2発振回路7の計測値(例えばA′とB′)の差分を、算出部43にて算出し、変換部44により、算出した差分を透磁率に変換し、透磁率の変化量を求めるので、各発振回路における発振パルス数の計測開始のタイミングで透磁率の変化量の更新が順次行われる。
【0067】
以下、上述したような手順により、透磁率を検出できる(トナー濃度を検出できる)原理を説明する。
【0068】
被検出物の透磁率が大きくなった場合、被検出物の近傍に配されたコイルのインダクタンスは、この透磁率の変動に応じて増加する。この結果、そのコイルを含む発振回路の発振パルス数は減少する。ここで、被検出物からの距離を異ならせて2個のコイルを配置している場合、何れのコイルもインダクタンスが増加して、何れの発振回路も発振パルス数は減少する。但し、被検出物に近い方のコイルは、遠い方のコイルに比べて、透磁率の変化の影響を強く受けるので、上記の場合、インダクタンスの増加量が大きくなり、発振パルス数の減少量も大きくなる。よって、2個のコイル夫々を含む2つの発振回路における発振パルス数には、透磁率の変化の程度に応じた分の差異が生じることになる。このように、両発振パルス数の差分と透磁率との間には相関関係が存在するので、本発明では、両発振回路の発振パルス数の差分に基づいて被検出物の透磁率を検出することが可能である。
【0069】
前述した実施の形態における透磁率センサ10では、第1コイル1が上記の被検出物に遠い方のコイルに該当し、第2コイル2が上記の被検出物に近い方のコイルに該当する。本発明においては被検出物に近い方のコイルを検知コイル、遠い方のコイルを基準コイルとする。
【0070】
現像ユニット内の現像剤は、トナーと磁性体(鉄粉)とを混合させたものである。複写の際には、用紙にトナーが付着されて磁性体はほとんど付着されない。よって、複写処理が進むにつれて、トナーの量は減少して行くが磁性体の量はほとんど変化しないので、現像剤の透磁率は増加する。よって、現像ユニット内の透磁率とトナーの濃度とには、反比例的な相関関係が存在する。本発明では、上述したように被検出物(現像剤)の透磁率を検出できるので、検出した現像ユニット内の現像剤の透磁率に基づきトナーの濃度を検出できる。
【0071】
ここで、調整部42における第1計測時間及び第2計測時間の少なくとも一方の調整処理について説明する。
【0072】
被検出物に遠い第1コイル1と被検出物から近い第2コイル2とでは使用環境が異なるため、透磁率センサの検出特性は、温度変動の影響を受け易い。また、第1コイル1及び第2コイル2は、前述したように、ボビン14に絶縁電線を巻回して形成するため、絶縁電線の巻き具合の違いに起因する第1コイル1及び第2コイル2の特性の差異が発生しうる。
【0073】
本発明の透磁率センサ10は、このような課題を解決するために、第1計測時間及び第2計測時間の少なくとも一方の調整を行う。この調整処理は、透磁率センサ10の出荷時、又は透磁率センサ10を備えた複写機による複写時など、実際の透磁率検出処理が実行される前に行われる。所望の検出範囲における中央値の状況にあって、第1コイル1及び第2コイル2での1回の計測期間内のパルス数に差がないように、これらの計測時間の調整を行う。なお、この検出範囲の中央値の状況を作り出すためにトナーを準備するのは面倒であるため、同じ透磁率(上記中央値)を有する金属を使用する。このときの環境温度については常温とする。
【0074】
現像剤に近い位置に配される第2コイル2は、磁性体(現像剤)の影響を大きく受けてインダクタンスは大きくなる。一方、現像剤から遠い位置に配される第1コイル1は、磁性体(現像剤)の影響をほとんど受けずにインダクタンスもあまり大きくならない。発振周波数はインダクタンスに略反比例するため、第2発振回路7の発振パルス数は第1発振回路6の発振パルス数より少なくなる。そこで、このような磁性体(現像剤)の影響の大小による差を補償する分だけ、第2計測時間が第1計測時間より相対的に長くなるような調整を行っている。具体的には第1発振回路6の発振パルス数と、第2発振回路7の発振パルス数が同じになるように計測時間を調整する。
【0075】
このような第2計測時間が第1計測時間より相対的に長くなる調整を行う場合、第2計測時間は変更せずに第1計測時間を短くする調整、第1計測時間は変更せずに第2計測時間を長くする調整、第1計測時間を短くして第2計測時間を長くする調整の何れであっても良い。
【0076】
計測時間の調整は、計測にあたってはまず、夫々の計測時間は同じとし、第1発振回路6による発振パルス数の計測と第2発振回路7による発振パルス数の計測を行った後、その差分を測定し差分が無くなるようにどちらか一方の計測時間を調整する。この場合、1回の計測時間の調整で同じ発振パルス数にならない場合がありその場合には以下のように調整する。具体的には、調整された計測時間で再度第1発振回路6による発振パルス数と、第2発振回路7による発振パルス数を計測し、発振パルス数の差分を計算し、差分が無くなるようにどちらか一方の計測時間を調整する。最終的には、第1発振回路6による発振パルス数と第2発振回路7による発振パルス数の差が最も小さい状態を初期値と設定し(検出範囲の中央値と設定し)、実際の測定を行っても良い。この補正は後述のステップS2(補正処理)に該当している。
【0077】
以上に述べた計測時間の調整の全体について、フローチャートを用いて、説明する。
図8は計測時間調整処理の処理手順例を示すフローチャートである。計測時間調整処理は電子チップ4の調整部42が主体となって行う処理である。調整部42は初期補正処理を行う(ステップS1)。初期補正処理は主として電子チップ4のクロックの誤差を補正することを目的とする処理である。調整部42は補正処理を行う(ステップS2)。補正処理は主として測定範囲の中央値と想定する環境で第1発振回路6と第2発振回路7との計測パルス数の差分を最小値(0を含む)にすることを目的とする処理である。調整部42は強制補正処理を行う(ステップS3)。強制補正処理は主として測定範囲の中央値と想定する環境で第1発振回路6と第2発振回路7との計測パルス数の差分を強制的に0にする処理である。強制補正処理は補正処理にて得られた差分の最小値を強制的に0とする処理であり、補正処理にて差分が最小値となったことを確認する意味を含む処理である。調整部42は計測時間調整処理を終了する。
その後、
図8に示す手順にて透磁率の測定を繰り返し行う(ステップS4)。
【0078】
図9は初期補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。第1発振回路6を構成するコイルを基準コイル、第2発振回路7を構成するコイルを検知コイルとし、また第1発振回路6を基準発振回路、第2発振回路7を検知発振回路とする。調整部42は初期計測時間(t0)で第1発振回路6の発振パルス数を、計測部41で計測する(ステップS11)。調整部42は算出部43により計測したパルス数と所定値との差分を算出する(ステップS12)。所定値に基づき、第1発振回路6の発振パルス数が所定値となるように、第1発振回路6の計測時間を補正する(ステップS13)。調整部42は初期補正処理を終了し、処理を呼び出し元に戻す。補正後の計測時間は例えば、t0+αとする。ステップS13で初期補正は完了する。なお、ステップS13の後に、計測時間t0+αで、計測部41により第1発振回路6の発振パルス数を計測し、計測した発振パルス数が所定値となる否かを確認する処理を行う。計測時間t0+αで、第1発振回路6の発振パルス数を計測する(ステップS14)。調整部42は発振パルス数が所定値となったか否かを判定する(ステップS15)。調整部42は発振パルス数が所定値となっていないと判定した場合(ステップS15でNO)、処理をステップS12に戻す。調整部42は発振パルス数が所定値となっていると判定した場合(ステップS15でYES)、処理を終了し呼び出し元に戻す。なお、発振パルス数が所定値とならない場合やαが収束しない場合は、発振パルス数と所定値の差分が最も小さくなる値をαに設定する。なお、処理を簡略化するため、ステップS14、S15の処理を省略してもよい。
【0079】
例えば、第1発振回路6が10MHzで発振する設計とする。そして、発振パルス数を3万回、計測するものとする。この場合、初期計測時間t0を3msとする。計測部41で3ms間、第1発振回路6の発振パルス数を計測する。計測した発振パルス数が3万を下回る場合は下回るパルス数の分、計測時間を長くする。すなわち、αを正の値とする。計測した発振パルス数が3万を上回る場合は上回るパルス数の分、計測時間を短くする。すなわち、αを負の値とする。計測した発振パルス数が3万となった場合は、αを0とする。初期補正処理における調整部42の動作は、上述の第1調整部としての動作例である。
【0080】
図10は補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。補正処理は測定範囲の中心と透磁率を測定されるような環境で行う。例えば、そのような環境を作り出す磁性板(基準磁性板)を用いる。調整部42は初期補正処理で求めた計測時間t0+αで、計測部41により第1発振回路6の発振パルス数を計測する(ステップS21)。調整部42は計測した第1発振回路6の発振パルス数を記憶する(ステップS22)。調整部42は初期補正処理で求めた計測時間t0+αで、計測部41により第2発振回路7の発振パルス数を計測する(ステップS23)。調整部42は算出部43により計測した第2発振回路7の発振パルス数と記憶した第1発振回路6の発振パルス数との差分を算出する(ステップS24)。調整部42は補正処理を終了し、処理を呼び出し元に戻す。差分が0となるように、第2発振回路7の計測時間を補正する(ステップS25)。調整部42は補正後の計測時間は例えば、t0+α+βとする。第2発振回路7のパルス数が第1発振回路6の発振パルス数よりも小さい場合は、βを正の値とする。第2発振回路7のパルス数が第1発振回路6の発振パルス数よりも大きい場合は、βを負の値とする。第2発振回路7のパルス数が第1発振回路6の発振パルス数と等しい場合は、βは0とする。ステップS25の後に、計測時間t0+αで第1発振回路6の発振パルス数を計測し、計測時間t0+α+βで第2発振回路7のパルス数を計測し、両パルス数が等しいか否かを確認する処理を行ってもよい。等しくない場合には、再度、βを設定し直す。βが収束しない場合は、発振パルス数と所定値の差分が最も小さくなる値とする。具体的にはステップS25の後に、調整部42は計測した第1発振回路6の発振パルス数と第2発振回路7のパルス数とが一致するかを判定する。調整部42は両パルス数が一致すると判定した場合、補正処理を終了する。調整部42は両パルス数が一致しないと判定した場合、S21へ戻り、ステップS21以降を繰り返す工程となる。この際の計測時間は第1発振回路6ではt0+αであり(ステップS21)、第2発振回路7ではt0+α+βとする(ステップS23)。同様の要領で第2発振回路7の時間を補正しながら発振パルス数が同じになるように補正する。また、第2発振回路7の計測時間を補正するのではなく、第1発振回路6の計測時間を補正してもよい。補正処理における調整部42の動作は、上述の第2調整部としての動作例である。
【0081】
図11は強制補正処理の処理手順例を示すフローチャートである。強制補正処理は補正処理にて設定した計測時間での発振パルス数も差分を最終確認し差分を強制的に0とする処理である。強制補正処理も補正処理と同様に基準磁性板を用い測定範囲の中心となる透磁率が測定されるような環境で行う。調整部42はt0+αで、計測部41により第1発振回路6の発振パルス数を計測する(ステップS31)。調整部42は計測した第1発振回路6の発振パルス数を記憶する(ステップS32)。調整部42はt0+α+βで、計測部41により第2発振回路7の発振パルス数を計測する(ステップS33)。調整部42は計測した第2発振回路7の発振パルス数を記憶する(ステップS34)。調整部42は算出部43により、第1発振回路6の発振パルス数と第2発振回路7の発振パルス数との差分を算出する(ステップS35)。その後差分を強制的に0とする。この処理により基準磁性板で測定した値を透磁率の中央値と設定することとなる(S36)。この工程は後述のS52からS57を示している。強制補正処理における調整部42の動作は、上述の第3調整部としての動作例である。
【0082】
透磁率の補正処理における一連の流れ(補正後から強制補正)について、フローチャートを用いて、説明する。
図12は透磁率補正処理の補正後から強制補正の処理手順例を示すフローチャートである。調整部42は第1発振回路6の計測時間(第1計測時間t1)をt0+αとする。調整部42は第2発振回路7の計測時間(第2計測時間t2)をt0+α+βとする(ステップS51)。計測部41は第1計測時間t1で第1発振回路6の発振パルス数を計測する(ステップS52)。計測部41は計測した第1発振回路6の発振パルス数を記憶する(ステップS53)。計測部41は第2計測時間t2で第2発振回路7の発振パルス数を計測する(ステップS54)。計測部41は計測した第2発振回路7の発振パルス数を記憶する(ステップS55)。調整部42は強制補正処理で求めた差分(強制差分)で、第1発振回路6の発振パルス数又は第2発振回路7の発振パルス数を補正する。強制補正処理で、第1発振回路6の発振パルス数が第2発振回路7の発振パルス数より大きかった場合、第2発振回路7の発振パルス数の値に強制差分を足す。第1発振回路6の発振パルス数が第2発振回路7の発振パルス数より小さかった場合、第2発振回路7の発振パルス数の値に強制差分を引く(差分を強制的に0とする)ことで補正は完了する(ステップS56、S57)。この処理により、基準磁性板での測定値が透磁率の中央値として設定される。
【0083】
上述したような調整を行っておくことにより、温度変動による検出出力の変動を抑えることができる。また、上述したような形成時における第1コイル1及び第2コイル2の特性についての差異分などの補償も結果的に行えていることになる。したがって、本発明の透磁率センサ10では、温度変動の影響を抑制して高精度に現像剤の透磁率を検出することができ、トナーの正確な濃度を得ることが可能である。
【0084】
なおステップS1の初期補正、ステップS3の強制補正は必須ではなく、要求される仕様に応じて適宜組み合わせても良い。
【0085】
初期補正を行ったのちに補正及び強制補正を行う場合には、基準コイル(本明細書では第1コイル1)の計測時間を一定とし検知コイル(本明細書では第2コイル2)の計測時間を調整するのが望ましい。
【0086】
本発明において下記のような利点もあげられる。使用されるトナーの種類によっては、トナー濃度の制御範囲が変わる場合がある。この場合、例えばマイクロコンピュータU1の未使用端子を利用して、この未使用端子の電圧レベルを外部から制御することで、トナー濃度の制御範囲を、使用するトナーに適切な範囲になるように調節するオフセット機能を与えることができる。
【0087】
また近年は、電子写真方式によっては高画質を得るためにトナー自体の粒径も小さくなる傾向にある。また、不要なトナーの量を極力減らして低コスト、軽量化の傾向にあり、結果として検出できる透磁率の変化が小さくなる傾向にある。小さくなった透磁率の変化を正確に検知するためには小さい透磁率の変化を大きくするために増幅等の方法で測定感度を大きくする必要がある。この場合、透磁率の変化に直線性がなくなり、正確な透磁率の測定ができないことがある。本発明によれば、線形補正等のソフトウェアを利用した方法を用いることにより、悪くなった直線性を改善することが可能になり、透磁率の変化を正確に把握できることが可能になる。
【0088】
なお、
図6には一例として端子を8個有するマイクロコンピュータを記載したが、この構成に限定されるものではない。必要な場合には異なる端子数のマイクロコンピュータを使用し透磁率の変化などの情報をシリアル通信などの手段で、上位の制御側に伝達し、また上位側からの制御信号を受けることも可能である。
【0089】
上述した実施の形態では、同軸状に配した2個のコイル(第1コイル1及び第2コイル2)のインダクタンスの変化を、マイクロコンピュータ(電子チップ4)に内蔵された発振器の正確なクロック信号で駆動される2つの発振回路(第1発振回路6及び第2発振回路7)における発振パルス数の差分として検出し、その差分(発振パルス数の変化量)をマイクロコンピュータにて演算処理して透磁率の変化を検出している。ここで、2個のコイル夫々を交互に発振回路に接続させて、夫々所定時間に亘って交互にマイクロコンピュータにて発振パルス数を計測し、その差分を算出して透磁率の変化を検出している。
【0090】
本実施の形態では、第1コイル1及び第2コイル2を同軸状に配しているので、コイルの配置に必要な面積を低減できる。さらに、マイクロコンピュータを用いて各種の処理を行うようにしたので、部品点数を低減できて、回路部品を実装する面積は少なくて済む。以上のことから、透磁率センサの大幅な小型化を実現できる。
【0091】
2つの発振回路における発振パルス数の計測を交互に行うようにしているので、一方のコイルを含む発振回路の計測が他方のコイルで発生する磁束(他方のコイルでのインダクタンス変化)の影響を受けないため、正確な発振パルス数を計測することができ、この結果、高い精度にて透磁率を検出することが可能である。
【0092】
本実施の形態では、2つの発振回路を構成するトランジスタとコンデンサを共通とし、コイルを発振回路それぞれに配置したので、部品の数を少なくすることができて、コストダウンが図れる。又部品数が少ないため部品特性のばらつきを低減でき、さらに温度変化、ノイズといった外乱の影響を受け難く、正確な測定が可能となる。
【0093】
マイクロコンピュータを用いてソフトウェアにより種々の処理を行うようにしたので、ハードウェアとしての回路部品の点数を減少できて、回路部品における特性のばらつきの影響を受けることが少なくなる。また、ソフトウェアにて処理するので、環境(温度、湿度など)の影響を受けにくくなる。よって、検出される透磁率の精度を高めることができる。
【0094】
また、設定されるトナーの濃度が異なる場合にあっても、ソフトウェアの内容を変更するのみで簡単に対応できる。よって、トナー濃度の異なる設定値毎の管理が不要であるため、大量生産が容易となって、低コスト化を図ることができる。
【0095】
図13は、本発明例と従来例とにおけるトナー濃度の検出感度特性を示すグラフである。
図13において、横軸はトナー濃度を表し、縦軸は透磁率の検出結果としての出力電圧を表している。また、
図13中の(a)、(b)は夫々、本発明例、従来例の特性を示している。
【0096】
本発明例と従来例とを比較した場合、本発明例では、トナー濃度の変化に対して出力電圧がリニアに変動して行く部分が従来例に比べて広くなっている。よって、本発明例の検出精度は、従来例の検出精度より優れていることが分かる。
【0097】
図14は、本発明例と従来例とにおけるオフセット制御を行うための制御電圧特性を示すグラフである。
図14において、横軸は印加する制御電圧を表し、縦軸は出力電圧を表している。また、
図14中の(a)、(b)は夫々、本発明例、従来例の特性を示している。
【0098】
本発明例と従来例とを比較した場合、従来例では制御電圧の変化に対して出力電圧が一部でしかリニアに変動していないのに対して、本発明例では、制御電圧の変化に対して出力電圧が全体に亘ってリニアに変動している。よって、本発明例におけるオフセット制御の精度は、従来例の精度より優れていることが分かる。
【0099】
(実施の形態2)
本実施の形態の透磁率センサ10は感度の設定を可能とする。本実施の形態の透磁率センサ10の構成は一部を除き、実施の形態1と同様である。以下の説明においては、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0100】
図15は透磁率センサの機能構成の他例を示すブロック図である。実施の形態1と異なる点は電子チップ4の機能構成である。電子チップ4は実施の形態1と同様に計測部41、調整部42、算出部43及び変換部44を機能的に有している。加えて、本実施の形態における電子チップ4は記憶部45及び初期設定部46を機能的に有している。計測部41から変換部44の機能は実施の形態1と同様である。記憶部45は感度に応じた発振パルス数の初期値を記憶する。初期設定部46は外部から入力される選択信号に基づいて感度を選択し、選択した感度に対応する初期値を記憶部45から読み出し、発振パルス数の計測時間の初期値(初期計測時間)として設定する。
【0101】
本実施の形態において、
図6に示したマイクロコンピュータU1の第5端子には抵抗R6を介して、感度選択を行うための制御電圧Vrefを出力する出力端子が接続されている。制御電圧Vrefを第5端子に入力し、感度の設定を行う。
【0102】
本実施の形態では、3つの動作モード(以下、単にモードと記す。)を用意し、モード毎に異なる感度を対応させる。計測を開始する前にモードを選択する。3つのモードは感度が高い順に、高感度モード、中感度モード、低感度モードという。以降、高感度モードを単に高感度、中感度モードを単に中感度、低感度モードを単に低感度ともいう。
【0103】
図16はモード毎の検出トナー濃度と出力電圧との関係例を示すグラフである。
図16において、横軸はトナー濃度で、単位は重量%(wt%)である。縦軸は出力電圧で、単位はボルト(V)である。グラフ71は高感度のグラフ例を示す。グラフ72は中感度のグラフ例を示す。グラフ73は低感度のグラフ例を示す。各モードにおいて、検出範囲の中央値において、出力電圧を2.5Vとする。中央値の前後で、それぞれ出力電圧を2V、3Vとする濃度を定めることで、検出濃度に対する出力電圧の変化量が決まるので、感度が設定できる。検出濃度の変化に対する出力電圧の変化量をあげるためには、発振パルス数を計測する時間を長くする。
【0104】
図16に示す感度の設定では、高感度モード、中感度モード、低感度モードの各モードにおける中央値は異なるようにしているが、それに限らない。全てのモードにおいて、中央値を一致させてもよい。任意の2つのモードで中央値を一致させてもよい。さらにまた、複数のモード間で検出範囲に重なりがあってもよいし、重なりがなくてもよい。
【0105】
感度の設定にあたっては、トナー濃度に対応する透磁率を有する磁性板(基準磁性板)を用意する。
図16に示す値を用いて説明すると、高感度の設定用として、濃度の低い方から、濃度Hb、濃度Hc、濃度Htに対応する透磁率を持った磁性板をそれぞれ計3枚用意する。中感度用として、濃度Mb、濃度Mc、濃度Mtに対応する透磁率を持った磁性板を用意する。低感度用として、濃度Lb、濃度Lc、濃度Ltに対応する透磁率を持った磁性板を用意する。計9枚用意した磁性板を透磁率センサ10で計測し、計測時間を決定する。決定した感度毎の計測時間は、電子チップ4に記憶する。
【0106】
続いて、動作時の感度選択方法について説明する。感度の選択は、外部の機器から、マイクロコンピュータU1の第5端子に入力されるVref(選択信号)を用いて行う。
図17は感度選択方法を示すチャート図である。
図17の上から、低感度を選択する場合、中感度を選択する場合、高感度を選択する場合を示している。
図17はVrefの波形を示している。縦軸はVrefに与える電圧を示している。横軸は経過時間を示している。Vrefを1秒間、Hレベル(5V)にすると、マイクロコンピュータU1は初期設定モードに移行する。その次の1秒間で、Vrefの電圧により、感度の指定を行う。Vrefを0Vに保つと、低感度で動作する。Vrefを2.5Vに保つと、中感度で動作する。Vrefをオープン状態(ハイインピーダンス)に保つと、中感度で動作するようにしてもよい。Vrefを5Vに保つと、高感度で動作する。
図17に示す例では、感度選択後の1秒間で、中央値を設定する。Vrefに入力した電圧が、検出範囲の中央値の出力電圧となる。感度は3段階としたが、それに限らない。感度を指定するためのVrefの値を増やすことにより、4段階以上としてもよい。また、感度指定をマイクロコンピュータU1の1つの端子ではなく、2つ以上の端子で行えるようにしてもよい。
【0107】
調整部42における第1計測時間及び第2計測時間の少なくとも一方の調整処理は、実施の形態1と同様である。計測時間調整の全体は次の点を除き、
図8に示した実施の形態1と同様である。本実施の形態において、電子チップ4は、まず感度の設定を行う。初期設定部46は制御電圧Vrefの値から対応する感度を決定し、決定した感度に対する初期計測時間を記憶部45から読み出す。電子チップ4は
図8に示したステップS1以降を実行する。
【0108】
初期補正処理の処理手順は
図9に示した実施の形態1の手順と同様である。補正処理の処理手順は
図10に示した実施の形態1の手順と同様である。但し、本実施の形態において、補正処理は検出範囲の中心と透磁率を計測されるような環境で行う。すなわち、感度に応じた磁性板(基準磁性板)を用いる。強制補正処理の処理手順は
図11に示した実施の形態1の手順と同様である。透磁率の補正処理における一連の流れ(補正後から強制補正)についても、
図12に示した実施の形態1の流れと同様である。
【0109】
本実施の形態においては、実施の形態1が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。予め複数の感度を用意し動作時に選択可能とした。それにより、使用されるトナーの種類によって、トナー濃度の制御範囲が変わる場合であっても、感度を変更することにより対応可能となる。なお、感度は3つとしたが、それに限らない。2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0110】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
10 透磁率センサ
11 カバー
12 ケース
121 収容部
13 基板
14 ボビン
15 コネクタ
1 第1コイル
2 第2コイル
4 電子チップ
41 計測部
42 調整部
43 算出部
44 変換部
45 記憶部
46 初期設定部
5 回路部品
6 第1発振回路
7 第2発振回路