(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】偏光板及びこれを含む液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20221004BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20221004BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20221004BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G02B5/30
G02B5/00 Z
G02B5/02 C
G02F1/1335 510
(21)【出願番号】P 2016033198
(22)【出願日】2016-02-24
【審査請求日】2019-01-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2015-0028637
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0156117
(32)【優先日】2015-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 星 勳
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 泳
(72)【発明者】
【氏名】李 正 浩
(72)【発明者】
【氏名】朱 榮 賢
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】関根 洋之
【審判官】石附 直弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-247783(JP,A)
【文献】特開2014-123568(JP,A)
【文献】特開平7-43703(JP,A)
【文献】特開2009-265616(JP,A)
【文献】国際公開第2008/032490(WO,A1)
【文献】特開2015-28578(JP,A)
【文献】特開2011-118393(JP,A)
【文献】特開2012-145944(JP,A)
【文献】特開2013-174856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02B 5/00
G02B 5/02
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子、並びに
前記偏光子の一面上に形成された、
複数の陰刻パターンを有する高屈折層、及び前記陰刻パターンの少なくとも一部を充填する充填パターンを含む低屈折層を含むパターン層を含む偏光板であって、
前記偏光板は第1の保護層をさらに含み、
前記偏光板は、前記偏光子、前記低屈折層、前記高屈折層、及び前記第1の保護層が順次積層された構造であるか、前記偏光子、前記第1の保護層、前記低屈折層、及び前記高屈折層が順次積層された構造であり、
前記第1の保護層は、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンポリマー(COP)、及びアクリル樹脂のうち一つ以上で形成された基材フィルムを含み、
前記高屈折層の屈折率は前記低屈折層の屈折率より大きく、
前記高屈折層と前記低屈折層の屈折率差は0.30以下であり、
前記陰刻パターンのアスペクト比は1.0以下であり、
前記パターン層は、前記偏光子から入射された偏光を拡散させるために前記偏光子の一面上に形成さ
れ、
前記各陰刻パターンの間に平坦部がさらに形成され、
前記低屈折層のうち前記充填パターン以外の部分は、前記平坦部と前記偏光子との間に位置し、
前記平坦部の幅に対する前記陰刻パターンの最大幅の比は1.0以下である、偏光板。
【請求項2】
前記陰刻パターンは、曲面を含む光学パターンまたは断面がn角形(nは、4~10の整数)であるプリズムパターンを含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記陰刻パターンは、断面が三角形であるプリズムの上部が切断された形態、またはレンチキュラーレンズパターンの上部が切断された形態である陰刻パターンを含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項4】
前記第1の保護層は、波長550nmにおいて面方向位相差(Re)が8,000nm以上である、ポリエチレンテレフタレート樹脂で形成されたものである、請求項1に記載の偏光板。
【請求項5】
前記第1の保護層は、前記基材フィルム、及び前記基材フィルムの少なくとも一面に形成されたプライマー層を含み、前記基材フィルムの屈折率に対する前記プライマー層の屈折率の比は1.0以下である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項6】
前記第1の保護層は、波長550nmにおいて光透過率が90%以上である、請求項
5に記載の偏光板。
【請求項7】
前記第1の保護層は、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂で形成された基材フィルムを1軸延伸したものである、請求項1に記載の偏光板。
【請求項8】
前記偏光子上に前記低屈折層、前記高屈折層及び前記第1の保護層が順次積層されたものである、請求項1に記載の偏光板。
【請求項9】
前記高屈折層と前記第1の保護層は直接接している、請求項
8に記載の偏光板。
【請求項10】
前記偏光子と前記低屈折層の間に形成された接着層をさらに含む、請求項
8に記載の偏光板。
【請求項11】
前記偏光子の他面上に形成された第2の保護層をさらに含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項12】
前記第2の保護層がトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンポリマー(COP)、及びアクリル樹脂のうち一つ以上で形成されたフィルムを含む、請求項
11に記載の偏光板。
【請求項13】
請求項1に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板及びこれを含む液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、バックライトユニットから出た光が液晶パネルを介して出射されることによって作動する。したがって、液晶表示装置の画面中、正面では色感が良い。しかし、液晶表示装置の画面の側面では、正面に比べて色感、明暗比(contrast ratio)及び/または視野角が低下し得る。
【0003】
液晶表示装置は、偏光板、液晶パネル及びバックライトユニットを含む。側面での色感、明暗比及び視野角を高めるために、液晶パネルまたは液晶構造の変形が試みられている。しかし、液晶パネルの変形は、側面での色感、明暗比の改善に限界があり、工程が複雑である。また、液晶表示装置の画面が大きくなるほど、輝度均一度(輝度の均一性の度合い)は低下する。したがって、液晶表示装置の画面が大きくなるほど液晶表示装置用モジュールを別個に製造しなければならないので、加工性及び経済性が低下し得る。
【0004】
本発明の背景技術は、特許文献1などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、側面明暗比と側面視野角を改善することができ、輝度均一度を高めることができ、輝度均一度の変化率を低下させ得る偏光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の偏光板は、偏光子、並びに前記偏光子の一面上に形成された、一つ以上の陰刻パターンを有する高屈折層、及び前記陰刻パターンの少なくとも一部を充填する充填パターンを含む低屈折層を含むパターン層を含み、前記偏光板は第1の保護層をさらに含み、前記偏光板は、前記偏光子、前記低屈折層、前記高屈折層、前記第1の保護層が順次積層された構造であるか、前記偏光子、前記第1の保護層、前記低屈折層、前記高屈折層が順次積層された構造であり、前記第1の保護層は、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンポリマー、及びアクリル樹脂のうち一つ以上で形成された基材フィルムを含み、前記高屈折層の屈折率は、前記低屈折層の屈折率より大きくてもよい。
【0008】
本発明の液晶表示装置は前記偏光板を含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、側面明暗比と側面視野角を改善することができ、輝度均一度を高めることができ、輝度均一度の変化率を低下させ得る偏光板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図3】本発明の他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図4】本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図5】本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図6】本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図7】本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の斜視図である。
【
図9】輝度均一度の測定時における表示装置の画面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参考にして、実施例に対して本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されることはない。図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の図面符号を付した。
【0012】
本明細書において、「上部」と「下部」は、図面を基準にして定義したものであって、視点によって「上部」が「下部」に、「下部」が「上部」に変更されてもよく、「上(on)」と称されるものは、直上に限らず、中間に他の構造を介在した場合を含んでもよい。その一方、「直接上(directly on)」または「直上」と称されるものは、中間に他の構造を介在しないものを意味する。
【0013】
本明細書において、「水平方向」及び「垂直方向」は、それぞれ矩形状の液晶表示装置の画面の長軸方向及び短軸方向を意味する。
【0014】
本明細書において、「側面」は、水平方向を基準にして、球面座標系(spherical coordinate system)による(φ,θ)において正面を(0°,0°)、左側端地点を(180゜,90゜)、右側端地点を(0゜,90゜)としたとき、θが60゜~90゜になる領域を意味する。
【0015】
本明細書において、「アスペクト比(aspect ratio)」は、光学構造物の最大幅に対する最大高さの比(最大高さ/最大幅)を意味する。本明細書において、「周期」は、陰刻パターンと、これと隣接する陰刻パターンとの距離、パターン層の高屈折層のうち一つの陰刻パターンの最大幅と、これと隣接する一つの平坦部の幅との和を意味する。本明細書において、「面方向位相差(Re)」は下記の式Aで表され、「厚さ方向位相差(Rth)」は下記の式Bで表され、「二軸性の程度(degree of biaxiality)(NZ)」は下記の式Cで表される。なお、「二軸性の程度(NZ)」は、一般的にNZ係数とも呼ばれる。
【0016】
<式A>
Re=(nx-ny)×d
【0017】
<式B>
Rth=((nx+ny)/2-nz)×d
【0018】
<式C>
NZ=(nx-nz)/(nx-ny)
【0019】
なお、前記式A、B、Cにおいて、nx、ny及びnzは、波長550nmにおけるそれぞれ該当光学素子の遅軸方向、速軸方向及び厚さ方向の屈折率であって、dは、該当光学素子の厚さ(単位:nm)である。
【0020】
本明細書において、「nx」、「ny」及び「nz」は、波長550nmにおけるそれぞれ該当光学素子の遅軸方向、速軸方向及び厚さ方向の屈折率である。
【0021】
本明細書において、「輝度均一度」は、
図9を参照すると、光源、導光板、及び液晶表示装置用モジュールが組み立てられた液晶表示装置において、液晶表示装置の画面1の中央地点をB、左側端地点をA、右側端地点をCとし、A、B、C地点でそれぞれの輝度を測定し、このうち最大輝度値(輝度max)と最小輝度値(輝度min)を求める。輝度均一度は、{(輝度min)/(輝度max)}×100で計算された値である。輝度は、測定装置EZ CONTRAST X88RC(EZXL―176R―F422A4、ELDIM社)をB地点に固定し、前記測定装置の方向をそれぞれA、B、C地点に動かして測定した値である。
図9において、A、B、Cは同一線上にある。
【0022】
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及び/またはメタアクリルを意味する。本明細書において、「頂上部(top part)」は、構造物のうち最下部から起算したとき、最上部にある部分を意味する。本明細書において、「屈折率」は、波長550nmにおいてアッベ(Abbe)屈折計で測定された値である。
【0023】
以下、
図1及び
図2を参照して本発明の一実施例に係る偏光板を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る偏光板の断面図である。
図2は、
図1のパターン層の分解斜視図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る偏光板100は、偏光子10、パターン層20、第1の保護層30、及び接着層40を含んでもよい。
【0025】
偏光子10は、パターン層20上に形成されるものであって、入射された光を偏光させることができる。偏光子10は、当業者に知られている通常の偏光子を含んでもよい。具体的には、偏光子10は、ポリビニルアルコール系フィルムをMD(machine direction)1軸延伸して製造されるポリビニルアルコール系偏光子、またはポリビニルアルコール系フィルムを脱水して製造されるポリエン系偏光子を含んでもよい。
【0026】
偏光子10は、厚さが約1μm以上約60μm以下、具体的には約2μm以上約50μm以下、より具体的には約2μm以上約30μm以下になってもよい。前記範囲で、偏光子10を液晶表示装置に使用することができ、薄膜化に有利である。
図1には示していないが、偏光子10の下部面には粘着層がさらに形成され、液晶パネル上への偏光板100の接着を容易にすることができる。具体的には、粘着層は、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの粘着性を有する樹脂、硬化剤及びシランカップリング剤を含む粘着剤組成物で形成されてもよい。
【0027】
パターン層20は、偏光子10上に形成されるものであって、偏光子10から入射された偏光を拡散させることができる。その結果、本実施例に係る偏光板100を含む液晶表示装置は、側面での明暗比が高く、側面での視野角及び視認性を改善することができ、輝度均一度を改善することができる。パターン層20は、厚さが約40μm以下、具体的には約3μm以上約40μm以下、より具体的には約5μm以上約30μm以下になってもよい。前記範囲で、パターン層20を液晶表示装置に使用することができ、薄膜化に有利であり、他の光特性に影響を与えないと共に、視野角、視認性及び輝度均一度を改善することができる。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、パターン層20は、一つ以上の陰刻パターン207が形成された高屈折層202、及び陰刻パターン207の少なくとも一部を充填する充填パターン205を含む低屈折層201を含んでもよい。
【0029】
高屈折層202は、低屈折層201上に形成され、低屈折層201に到逹した光のうち平坦部206によって充填パターン205に反射されない光も拡散させることによって、光の拡散効果を増加させることができる。
【0030】
高屈折層202は、低屈折層201に比べて屈折率が高い。具体的には、高屈折層202は、屈折率が約1.50以上、具体的には約1.50以上約1.65以下、より具体的には約1.50以上約1.60以下になってもよい。前記範囲で、光拡散効果が大きくなり得る。高屈折層202は、屈折率が約1.50以上、具体的には約1.50以上約1.65以下、より具体的には約1.50以上約1.60以下である紫外線硬化性透明樹脂を含む高屈折層用組成物で形成されてもよい。具体的には、透明樹脂は、(メタ)アクリル系、ポリカーボネート系、シリコン系、及びエポキシ系樹脂のうち一つ以上を含んでもよいが、これに制限されることはない。高屈折層用組成物は、高屈折層の形成のために通常の光開始剤をさらに含んでもよい。高屈折層202と低屈折層201との屈折率差(高屈折層の屈折率-低屈折層の屈折率)は、約0.30以下、具体的には約0.10以上約0.15以下になってもよい。前記範囲で、光の拡散効果が大きくなり得る。
【0031】
高屈折層202は、光拡散剤をさらに含むことによって、光拡散効果を増加させることもできる。光拡散剤は、有機系光拡散剤、無機系光拡散剤、またはこれらの混合物を含んでもよい。有機系光拡散剤と無機系光拡散剤の混合物は、高屈折層の拡散性と透過性を良好にすることができる。光拡散剤は、単独または2種以上を混合して高屈折層202に含ませてもよい。
【0032】
有機系光拡散剤は、(メタ)アクリル系粒子、シロキサン系粒子、及びスチレン系粒子のうち一つ以上を含んでもよい。無機系光拡散剤は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラス、滑石、雲母、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛のうち一つ以上を含んでもよい。特に、無機系光拡散剤は、有機系光拡散剤のみを含む場合に比べて白色度の低下を防止し、光拡散性を増加させることができる。
【0033】
光拡散剤は、形態及び粒径に制限がない。具体的には、光拡散剤は、球状の架橋された粒子を含んでもよく、平均粒径(D50)は、約0.1μm以上約30μm以下、具体的には約0.5μm以上約10μm以下になってもよい。前記範囲では、光拡散効果を具現することができ、パターン層の表面粗さが増加し、第1の保護層30との接着力が問題にならず、分散度が良好になり得る。光拡散剤は、高屈折層中に約0.1重量%以上約20重量%以下、具体的には約1重量%以上約15重量%以下で含まれてもよい。光拡散剤の含有量を前記範囲とすることにより、光拡散効果を得ることができる。
【0034】
図2を参照すると、高屈折層202には第1の面204が形成されており、第1の面204には、一つ以上の陰刻パターン207と平坦部206が形成されていてもよい。
図2は、一つの陰刻パターン207と一つの平坦部206とが交互に形成されたパターン層を示したものである。しかし、陰刻パターン207と平坦部206のそれぞれの形成順序は特に制限されない。陰刻パターン207は、曲面を含むレンチキュラーレンズパターンになってもよい。曲面がレンズの役割をし、偏光子10から入射された光を到達位置に応じて多様な方向に屈折させることによって拡散させることができる。
【0035】
また、
図2は、陰極パターン207の曲面が非球面であるパターン層20を示したものであるが、曲面は、球面、放物面、楕円面、双曲面または無定形の曲面でもよく、曲面と平面を全て含む形態であってもよい。また、
図2は、陰刻パターン207がレンチキュラーレンズパターンであるパターン層を示したものであるが、陰刻パターン207は、頂上部に曲面が形成され、断面が三角形及び十角形であるプリズムパターンになってもよい。また、
図2は、曲面が滑らかなパターン層を示したものであるが、曲面には凹凸がさらに形成され、光拡散効果をさらに高めることもできる。
【0036】
陰刻パターン207のアスペクト比は、特に制限はないが、例えば、約1.0以下、具体的には約0.4以上約1.0以下、より具体的には約0.7以上約1.0以下になってもよい。前記範囲で、側面での明暗比を高め、側面での視野角を改善し、輝度均一度を高め、液晶表示装置の画面サイズの増加による輝度均一度の変化を最小化することができる。
【0037】
図1を参照すると、アスペクト比は、陰刻パターンの最大幅に対する陰刻パターンの最大高さの比である。陰刻パターン207の幅全体の和は、高屈折層202の全体幅に対して約40%以上約60%以下、具体的には約45%以上約55%以下になってもよい。前記範囲で、側面での明暗比と輝度均一度を高め、側面での視野角を改善し、液晶表示装置の画面サイズ増加による輝度均一度の変化を最小化することができる。
【0038】
再び
図1を参照すると、陰刻パターン207の最大幅(P1)は、約20μm以下、具体的には約10μm以下、より具体的には約5μm以上約10μm以下になってもよい。陰刻パターン207の最大高さ(H1)は、約16μm以下、具体的には約10μm以下、より具体的には約3.0μm以上約10μm以下になってもよい。前記幅及び高さの範囲で、拡散効果及びモアレ改善効果が得られ、加工が容易になり得る。
【0039】
さらに、陰刻パターン207は、所定周期(C)で配置されることによって、光を拡散させる効果が大きくなり得る。具体的には、陰刻パターン207の周期(C)は、約20μm以下、具体的に約10μm以上約20μm以下になってもよい。前記範囲で、光の集光及び拡散効果が大きくなり得る。
【0040】
平坦部206は、陰刻パターン207と陰刻パターン207との間に形成され、平坦部206に到逹した光が陰刻パターン207から全反射されて出射されることによって、光を拡散させることができる。
【0041】
平坦部206の幅(P2)に対する陰刻パターン207の最大幅(P1)の比率(P1/P2)は、約1以下、具体的には約0.5以上約1.0以下になってもよい。前記範囲で、光の集光及び拡散効果が大きく、モアレ改善効果があり得る。平坦部206の幅(P2)は、約10μm以下、具体的には約5μm以上約10μm以下になってもよい。前記範囲で、明暗比及びモアレ改善効果があり得る。
【0042】
低屈折層201は、偏光子10上に形成され、偏光子10から一方向に入射されて偏光された光を入射位置に応じて多様な方向に屈折させて出射させることによって光を拡散させることができる。
【0043】
低屈折層201は、屈折率が約1.50未満、具体的に約1.35以上約1.50未満、より具体的には約1.35以上約1.49以下になってもよい。前記範囲で、光拡散効果が大きく、パターン層の製造が容易になり得る。低屈折層201は、屈折率が約1.50未満、具体的には約1.35以上約1.50未満、より具体的には約1.35以上約1.49以下の紫外線硬化性である透明樹脂を含む低屈折層用組成物で形成されてもよい。具体的には、透明樹脂は、(メタ)アクリル系、ポリカーボネート系、シリコーン系、及びエポキシ系樹脂のうち一つ以上を含んでもよいが、これに制限されることはない。低屈折層用組成物は、低屈折層の形成のために通常の光開始剤をさらに含んでもよい。
【0044】
再び
図2を参照すると、低屈折層201は、高屈折層202の第1の面204と向かい合う第2の面203を含み、第2の面203には一つ以上の充填パターン205が形成されていてもよい。充填パターン205は、高屈折層202の陰刻パターン207の少なくとも一部を充填することができる。前記「少なくとも一部を充填」は、陰刻パターン207を完全に充填する場合と部分的に充填する場合を全て含む。充填パターンが陰刻パターンを部分的に充填する場合、充填されていない陰刻パターンの残余部分は、空気または所定の屈折率を有する樹脂で充填されてもよい。具体的には、前記樹脂は、低屈折層と同一であるかそれより大きく、高屈折層と同一であるかそれより小さい屈折率を有してもよい。
【0045】
図2は、充填パターン205と陰刻パターン207がストライプ状に延長された形態に形成されたパターン層を示したものであるが、充填パターン205と陰刻パターン207はドット状に形成されてもよい。前記「ドット」は、充填パターンと陰刻パターンとの組み合わせが分散されていることを意味する。低屈折層201は、上述した光拡散剤をさらに含んでもよい。光拡散剤は、低屈折層201中に約0.1重量%以上約20重量%以下、具体的には約1重量%以上約15重量%以下で含まれてもよい。前記範囲で、光拡散効果があり得る。
【0046】
図1及び
図2は、パターン層20が、一つ以上の陰刻パターン207が形成された高屈折層202、及び陰刻パターン207の少なくとも一部を充填する充填パターン205を含む低屈折層201を含む場合を示したが、パターン層20は、一つ以上の陰刻パターン207が形成された低屈折層、及び陰刻パターン207の少なくとも一部を充填する充填パターン205を含む高屈折層を含んでもよい。
【0047】
以下、第1の保護層30に対して説明する。
【0048】
再び
図1を参照すると、第1の保護層30は、高屈折層202上に形成され、パターン層20及び偏光子10を保護することができる。
図1は、偏光子10、接着層40、低屈折層201、高屈折層202、及び第1の保護層30が順次積層された構造を示したものであるが、偏光子10、接着層40、第1の保護層30、低屈折層201、及び高屈折層202が順次積層された構造を本発明の実施例に含ませてもよい。
【0049】
第1の保護層30とパターン層20は一体化されてもよい。前記「一体化」とは、第1の保護層30とパターン層20とが互いに独立的に分離されていない状態を意味する。例えば、第1の保護層30は、接着剤などの介在なしで高屈折層202上に直接接触して形成されてもよく、具体的には、高屈折層202は、第1の保護層30上に高屈折層用組成物をコーティングして形成されたコーティング層であってもよい。第1の保護層30は、厚さが約150μm以下、具体的には約20μm以上約150μm以下、より具体的には約30μm以上約100μm以下になってもよい。前記範囲で、第1の保護層30を液晶表示装置に使用することができる。
【0050】
第1の保護層30の厚さに対するパターン層20の厚さの厚さ比(パターン層の厚さ/第1の保護層の厚さ)は、約2以下、具体的には約0.02以上約0.75以下、より具体的には約0.1以上約0.4以下になってもよい。前記範囲で、外部水分の偏光板透過による信頼性喪失を防止し、偏光板のカール(反りなど)及びしわの改善効果があり得る。
【0051】
第1の保護層30は、波長550nmにおいて光透過率が約90%以上、具体的には約90%以上約99%以下になってもよい。前記範囲で、偏光子への積層時の偏光板の透過率を高め、偏光子の透過率を高める必要をなくし、その結果、偏光子の偏光度をさらに高めることができる。
【0052】
第1の保護層30は、光学的透明樹脂で形成された基材フィルムを含んでもよい。具体的には、樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを含むポリエステル、アクリル樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)樹脂、及びトリアセチルセルロース(TAC)などを含むセルロース樹脂のうち一つ以上を含んでもよい。
【0053】
第1の保護層30は、上述した樹脂の変性後に製造された基材フィルムを含んでもよい。前記変性は、共重合、ブランチング、架橋結合、または分子末端の変性などを含んでもよい。一具体例において、第1の保護層30は、面方向位相差(Re)が約8,000nm以上、例えば約10,000nm以上、具体的には約10,000nmを超える範囲、より具体的には約10,100nm以上約50,000nm以下、さらに具体的には約10,100nm以上約15,000nm以下になってもよい。前記範囲で、第1の保護層30は、虹斑が視認されないようにし、いわゆる虹ムラ(rainbow mura)を改善し、側面での光漏れを最小化し、光の入射角によって位相差値が変わることを防止することができる。
【0054】
第1の保護層30は、厚さ方向位相差(Rth)が約15,000nm以下、具体的には約10,000nm以上約12,000nm以下になってもよい。
【0055】
第1の保護層30は、nx-nyが約0.1以上約0.2以下になってもよい。前記範囲で、入射角及び波長による位相差値の変化を小さくし、虹斑の発生を防止することができる。
【0056】
第1の保護層30は、二軸性の程度(NZ)が約1.8以下、具体的には約1.5以上約1.8以下、より具体的には約1.5以上約1.7以下になってもよい。前記範囲で、虹斑が発生しないようにし、側面での光漏れを防止し、入射角によって位相差が変わることを防止し、波長による位相差値の差を最小化することができる。
【0057】
第1の保護層30は、面方向位相差(Re)に対する厚さ方向位相差(Rth)の比(Rth/Re)が約1.3以下、具体的には約1.0以上約1.2以下になってもよい。前記範囲で、虹斑の発生を防止することができる。
【0058】
図1に示していないが、第1の保護層30は、基材フィルム、及び基材フィルムの少なくとも一面に形成されたプライマー層を含んでもよい。基材フィルムは、第1の保護層30を支持するものであって、プライマー層に対する所定範囲の屈折率比を有することによって第1の保護層30の透過率を高めることができる。具体的には、基材フィルムの屈折率に対するプライマー層の屈折率の比(プライマー層の屈折率/基材フィルムの屈折率)は、約1.0以下、具体的に約0.6以上約1.0以下、より具体的には約0.69以上約0.95以下、さらに具体的には約0.7以上約0.9以下、さらに具体的には約0.72以上約0.88以下になってもよい。前記範囲で、第1の保護層の透過率を高めることができる。
【0059】
基材フィルムは、屈折率が約1.3以上約1.7以下、具体的には約1.4以上約1.6以下になってもよい。前記範囲で、この基材フィルムを偏光板の第1の保護層の基材フィルムとして使用することができ、プライマー層との屈折率制御が容易であり、第1の保護層の透過率を高めることができる。
【0060】
基材フィルムは、面方向位相差(Re)が約8,000nm以上、例えば約10,000nm以上、具体的には約10,000nmを超える範囲、より具体的には約10,100nm以上約50,000nm以下、さらに具体的には約10,100nm以上約15,000nm以下になってもよい。前記範囲で、基材フィルムは、虹斑が発生しないようにし、虹ムラを改善し、側面での光漏れを防止し、入射角によって位相差値が変わることを防止し、波長による位相差値の差を最小化することができる。
【0061】
基材フィルムは、厚さ方向位相差(Rth)が約15,000nm以下、具体的には約10,000nm以上約12,000nm以下になってもよい。
【0062】
基材フィルムは、nx-nyが約0.1~0.2になってもよい。前記範囲で、入射角及び波長による位相差値の変化を小さくし、虹斑の発生を防止することができる。
【0063】
基材フィルムは、二軸性の程度(NZ)が約1.8以下、具体的には約1.5以上約1.8以下、より具体的には約1.5以上約1.7以下になってもよい。前記範囲で、基材フィルムは、虹斑が発生しないようにし、側面での光漏れを防止し、入射角によって位相差値が変わることを防止し、波長による位相差値の差を最小化することができる。
【0064】
基材フィルムは、面方向位相差(Re)に対する厚さ方向位相差(Rth)の比(Rth/Re)が約1.3以下、具体的には約1.0以上約1.2以下になってもよい。前記範囲で、虹斑の発生を防止することができる。
【0065】
基材フィルムは、厚さが約150μm以下、具体的には約20μm以上約150μm以下、より具体的には約30μm以上約100μm以下になってもよい。前記範囲で、この基材フィルムを第1の保護層の基材フィルムとして使用することができる。
【0066】
基材フィルムは、光学的に透明な樹脂で形成されたフィルムを1軸延伸したフィルムであってもよい。具体的に、樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを含むポリエステル、アクリル樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)樹脂、及びトリアセチルセルロース(TAC)などを含むセルロース樹脂のうち一つ以上を含んでもよい。より具体的に、基材フィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂で形成されたフィルムを含むことによって、基材フィルムの強度を向上させ、偏光板の工程性を改善することができる。
【0067】
プライマー層は、基材フィルムとパターン層20との間及びパターン層20の直上(上部)に形成されるものであって、基材フィルムとパターン層20との間の付着を強化することができる。プライマー層は、屈折率が約1.0以上約1.6以下、具体的には約1.1以上約1.6以下、より具体的には約1.1以上約1.5以下になってもよい。前記範囲で、プライマー層を偏光板に使用可能であり、基材フィルムに対する適正な屈折率を有して第1の保護層の透過率を高めることができる。
【0068】
プライマー層は、厚さが約1nm以上約200nm以下、具体的には約60nm以上約200nm以下になってもよい。前記範囲で、プライマー層を偏光板に使用可能であり、基材フィルムに対する適正な屈折率を有して第1の保護層の透過率を高めることができ、脆性(brittle)現象をなくすことができる。
【0069】
プライマー層は、ウレタン基を含まない非―ウレタン系プライマー層になってもよい。具体的に、プライマー層は、ポリエステル、アクリルなどの樹脂またはモノマーを含むプライマー層用組成物で形成されてもよい。これらモノマーの混合比率(例:モル比)を制御することによって前記屈折率を提供することができる。プライマー層用組成物は、UV吸収剤、帯電防止剤、消泡剤、界面活性剤などの添加剤を1種以上さらに含んでもよい。
【0070】
第1の保護層30は、基材フィルムの少なくとも一面にプライマー層を形成し、TD(transverse direction)のみに約2倍以上約10倍以下で1軸延伸して製造されてもよいが、これに制限されることはない。第1の保護層30は、前記溶融押出されたフィルムをTDに約2倍以上約10倍以下で1軸延伸した後、所定範囲の温度で加熱処理し、延伸程度を低下させ(tension-relaxation)、TD延伸して製造されてもよい。
【0071】
加熱処理は、前記樹脂のTg以上の温度、具体的に約100℃以上約300℃以下で約1秒~約2時間処理するものである。TD延伸比は、約0倍を超え約3倍以下、具体的には約0.1倍以上約2倍以下、より具体的には約0.1倍以上約1倍以下になってもよい。前記温度と延伸比の範囲で、保護層の位相差値を維持することができ、第1の保護層の結晶化及び安定化を達成することができる。
【0072】
第1の保護層30は、上述したように、TD1軸延伸フィルムであって、偏光子10は、上述したように、MD1軸延伸フィルムである。偏光板100は、第1の保護層30のTDと偏光子10のMDとが実質的に直交し得る。その結果、偏光板100の撓み発生を防止することができる。本明細書において、「実質的に直交」とは、第1の保護層30のTDと偏光子10のMDとが90゜で直交する場合のみならず、90゜で少しの誤差がある場合を含んでもよい。
【0073】
図1に示していないが、第1の保護層30上に機能層がさらに形成されてもよい。機能層は、第1の保護層30に反射防止(anti-reflection)、低反射(low reflection)、ハードコーティング(hard coating)、防眩(anti-glare)、耐指紋性(anti-finger)、防汚(anti-contamination)、拡散、及び屈折機能のうち一つ以上を提供することができる。一具体例において、機能層は、第1の保護層30上に独立的な別個の層として形成されてもよい。例えば、機能層は、第1の保護層30上に機能層形成用組成物を塗布して形成したり、接着層または粘着層を通じて第1の保護層30上に積層したりされてもよい。他の具体例において、機能層は、第1の保護層30の一面が機能層になるように形成されてもよい。
【0074】
以下、接着層40に対して説明する。
【0075】
接着層40は、偏光子10とパターン層20との間に形成され、偏光子10とパターン層20とを接着させることができる。接着層40は、通常の接着層用組成物で形成されてもよい。一具体例において、接着層用組成物は、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル系単量体、光ラジカル開始剤、及び光陽イオン開始剤を含んでもよい。他の具体例において、接着層用組成物は、ポリビニルアルコール系の水系接着剤を含んでもよい。接着層用組成物は、上述した光拡散剤をさらに含むことによって光拡散効果をさらに高めることができる。接着層40は、厚さが約1μm以上約20μm以下、具体的には約1μm以上約10μm以下、より具体的には約1μm以上約5μm以下になってもよい。前記範囲で、接着力に優れ、偏光板の薄膜化に寄与することができる。しかし、パターン層20自体に粘着力があると、接着層40は省略可能である。
【0076】
以下、
図3を参照して本発明の他の実施例に係る偏光板を説明する。
図3は、本発明の他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【0077】
図3を参照すると、本発明の他の実施例に係る偏光板200は、パターン層20の代わりにパターン層21を含むことによって、パターン層20に対する陰刻パターンの幅を減少させることができ、モアレ改善効果があり、陰刻パターンの高さを低下させることでき、パターン層を薄型化できるという点を除いては、本発明の一実施例に係る偏光板100と実質的に同一である。パターン層21は、偏光子10上に形成されるものであって、偏光子10から入射されて偏光された光を拡散させることができる。その結果、側面明暗比を高め、側面の視野角と視認性を改善し、輝度均一度を高めることができる。
【0078】
図3を参照すると、パターン層21は、一つ以上の陰刻プリズムパターン211が形成された高屈折層209、及び陰刻プリズムパターン211の少なくとも一部を充填する一つ以上の充填パターン210を含む低屈折層208を含んでもよい。
図3は、断面が三角形である陰刻プリズムパターン211を含む偏光板を示したものである。しかし、断面がn角形(nは、4~10の整数)である陰刻プリズムパターンを含んでもよい。また、
図3は、各陰刻プリズムパターン211の間に平坦部がないパターン層を示したものである。しかし、各陰刻プリズムパターン211の間に
図1の平坦部206と同様の平坦部がさらに形成されてもよい。
【0079】
また、
図3の陰刻プリズムパターン211に凹凸がさらに形成されることによって、光拡散効果を増加させることができる。陰刻プリズムパターン211は、最大幅(P3)が約20μm以下、具体的には約7μm以上約15μm以下になってもよい。陰刻プリズムパターン211は、最大高さ(H3)が約3μm以上約16μm以下、具体的には約4μm以上約16μm以下になってもよい。陰刻プリズムパターン211は、頂角(θ)が約55゜以上約90゜以下、具体的には約65゜以上約80゜以下になってもよい。陰刻プリズムパターン211のアスペクト比は、特に制限はないが、例えば、約1以下、具体的には約0.50以上約0.96以下、より具体的には約0.6以上約0.8以下になってもよい。前記幅、高さ、頂角及びアスペクト比の範囲では、光の拡散効果が良好になり得る。
【0080】
以下、
図4を参照して、本発明の更に他の実施例に係る偏光板を説明する。
図4は、本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【0081】
図4を参照すると、本発明の更に他の実施例に係る偏光板300は、パターン層20の代わりにパターン層22を含む点を除いては、本発明の一実施例に係る偏光板100と実質的に同一である。パターン層22は、低屈折層212及び高屈折層213を含んでもよい。高屈折層213は、一つ以上の陰刻パターン214及び一つ以上の平坦部215を含み、陰刻パターン214と平坦部215とが出会う境界面に曲面216が形成され、光の拡散効果がさらに大きくなり得る。低屈折層212は、陰刻パターン214の少なくとも一部を充填する一つ以上の充填パターン217を含んでもよい。
【0082】
以下、
図5を参照して本発明の更に他の実施例に係る偏光板を説明する。
図5は、本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【0083】
図5を参照すると、本発明の更に他の実施例に係る偏光板400は、第1の保護層30の代わりに第2の保護層50を含み、高屈折層202が接着層40と低屈折層201との間に形成されたことを除いては、本発明の一実施例に係る偏光板100と実質的に同一である。
図5に示していないが、偏光子10上には、接着層40及び第1の保護層30が順次さらに形成されてもよく、このとき、パターン層20の代わりにパターン層21を含む場合が本発明の実施例に含まれてもよい。以下では、第2の保護層50に対してのみ説明する。
【0084】
第2の保護層50は、低屈折層201の下部に形成され、パターン層20を支持することができる。
【0085】
第2の保護層50は、光学的透明樹脂で形成されたフィルムであってもよい。具体的に、樹脂は、TAC、PET、COP及びアクリル樹脂のうち一つ以上を含んでもよく、より具体的に、TAC、COP及びアクリル樹脂のうち一つ以上を含んでもよい。第2の保護層50は、上述した樹脂の変性後に製造されたフィルムを含んでもよい。前記変性は、共重合、ブランチング、架橋結合、または分子末端の変性などを含んでもよい。
【0086】
第2の保護層50は、所定範囲の位相差を有して視野角補償機能を有することもできる。一具体例において、第2の保護層50は、面方向位相差(Re)が約40nm以上約60nm以下になってもよい。他の具体例において、第2の保護層50は、上述した第1の保護層と同一の位相差を有することができる。前記範囲で、視野角を補償し、画像品質を良好にすることができる。
【0087】
第2の保護層50は、厚さが約150μm以下、具体的には約20μm以上約150μm以下、より具体的には約30μm以上約100μm以下になってもよい。前記範囲で、第2の保護層50を偏光板に使用することができる。
【0088】
第2の保護層50の厚さに対するパターン層20の厚さの厚さ比(パターン層の厚さ/第2の保護層の厚さ)は、約2以下、具体的には約0.02以上約0.75以下、より具体的には約0.1以上約0.4以下になってもよい。前記範囲で、外部水分の偏光板透過による信頼性喪失を防止し、偏光板のカール(反りなど)及びしわ改善効果があり得る。
【0089】
以下、本発明の更に他の実施例に係る偏光板について
図6を参照して説明する。
図6は、本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【0090】
図6を参照すると、本発明の更に他の実施例に係る偏光板500は、偏光子10の下部に接着層40、第2の保護層50が順次さらに形成された点を除いては、本発明の一実施例に係る偏光板100と実質的に同一である。接着層40及び第2の保護層50がさらに形成されることによって、偏光板の撓みをさらに抑制することができる。
【0091】
図6は、偏光子10とパターン層20との間及び偏光子10と第2の保護層50との間にそれぞれ同一の接着層40が形成された偏光板を示したが、偏光子10とパターン層20との間及び偏光子10と第2の保護層50との間に形成されたそれぞれの接着層は、厚さ及び組成などを異ならせてもよい。
【0092】
図6は、パターン層20を含む場合を示したものであるが、パターン層20の代わりにパターン層21を含む場合が本発明の実施例に含まれてもよい。また、
図6に示していないが、第2の保護層50の下部に粘着層がさらに形成されてもよい。粘着層は、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの粘着樹脂、硬化剤及びシランカップリング剤を含む粘着剤組成物で形成されてもよい。(メタ)アクリル系樹脂は、アルキル基、水酸基、芳香族基、カルボン酸基、脂環族基、ヘテロ脂環族基などを有する(メタ)アクリル系共重合体として通常の(メタ)アクリル系共重合体を含んでもよい。
【0093】
具体的には、C1~C10の非置換のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、1個以上の水酸基を有するC1~C10のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、C6~C20の芳香族基を有する(メタ)アクリル系モノマー、カルボン酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、C3~C20の脂環族基を有する(メタ)アクリル系モノマー、及び窒素(N)、酸素(O)及び硫黄(S)のうち一つ以上を有するC3~C10のヘテロ脂環族基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち一つ以上を含む単量体混合物で形成されてもよい。
【0094】
硬化剤は、多官能性(メタ)アクリレートとして、へキサンジオールジアクリレートなどの2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの3官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能(メタ)アクリレート;及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能(メタ)アクリレートを含んでもよいが、これに制限されることはない。
【0095】
シランカップリング剤は、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの通常のシランカップリング剤などを含んでもよい。
【0096】
粘着層用組成物は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部、硬化剤約0.1重量部以上約30重量部以下、シランカップリング剤約0.1重量部以上約20重量部以下を含んでもよい。前記範囲で、偏光板が液晶パネルに効率的に付着し得る。
【0097】
粘着層60は、厚さが約10μm以上約100μm以下になってもよい。前記範囲で、粘着層は、偏光板と液晶パネルを効率的に粘着させることができ、偏光板に使用することができる。
【0098】
以下、本発明の更に他の実施例に係る偏光板について
図7を参照して説明する。
図7は、本発明の更に他の実施例に係る偏光板の断面図である。
【0099】
図7を参照すると、本発明の更に他の実施例に係る偏光板600は、パターン層20の代わりにパターン層23を含む点を除いては、本発明の一実施例に係る偏光板100と実施的に同一である。
【0100】
図7を参照すると、パターン層23は、一つ以上の陰刻パターン220と平坦部206が形成された高屈折層219、及び陰刻パターン220の少なくとも一部を充填する充填パターン221を含む低屈折層218を含んでもよい。陰刻パターン220は、最上面に平面220aを含む陰刻の光学パターンになってもよい。平面220aは、最上面に形成され、光学表示装置から低屈折層218に到達した光を平面220aによってさらに多く拡散させることによって、視野角と輝度をさらに高めることができる。したがって、偏光板600は、光拡散効果を高め、輝度損失は最小化し、1/2視野角または1/3視野角を広げることによって視認性を向上させることができる。平面220aは、偏光子10、平坦部206または保護層30の一面と平行に形成されてもよい。
【0101】
再び
図7を参照すると、
図7の陰刻パターン220は、最上面に一つの平面220aが形成され、傾斜面220bが平面であって、断面が台形の形態(例:断面が三角形であるプリズムの上部が切断された形態、カット―プリズム(cut-prism)形態)であるパターンを示したものである。しかし、本発明の陰刻パターンは、最上面に一つ以上の平面が形成され、傾斜面が曲面である陰刻パターン(例:レンチキュラーレンズパターンの上部が切断された形態であるカット―レンチキュラーレンズ(cut-lenticular lens)、マイクロレンズパターンの上部が切断された形態であるカット―マイクロレンズ(cut-micro lens)、最上面に一つ以上の平面が形成され、断面がn角形(nは、5以上の整数、具体的には、5~20の整数)である陰刻パターンを含んでもよい。
【0102】
以下、本発明の一実施例に係る液晶表示装置について
図8を参照して説明する。
図8は、本発明の一実施例に係る液晶表示装置の斜視図である。
【0103】
図8を参照すると、本発明の一実施例に係る液晶表示装置1100は、光源910、導光板920、反射シート930、拡散シート940、第1の偏光板950、液晶パネル960、及び第2の偏光板970を含み、第2の偏光板970は、本発明の各実施例に係る偏光板を含んでもよい。
【0104】
光源910は、光を発生させるものであって、導光板920に対向して配置されてもよい。光源910としては、線光源ランプまたは面光源ランプ、CCFL(冷陰極管)またはLED(発光ダイオード)などの多様な光源が使用可能である。光源910の外部には光源カバー911がさらに形成され、この光源カバー911によって光源を保護することができる。
図8は、導光板920の一側面にのみ光源910が配置される場合を示したが、光源910は、導光板920の他の一側面(一側面と対向する面)に配置されてもよく、直下型に配置されてもよい。
【0105】
導光板920は、光源910の側面に位置し、光源910から入射された光を内部反射させて拡散シート940に出射させることができる。
【0106】
拡散シート940は、導光板920から出射された光を拡散させて第1の偏光板950に出射させることができる。拡散シート940は、光入射面に光学パターンが形成されたプリズムシート、光出射面に光学パターンが形成されたプリズムシートなどを含んでもよい。拡散シート940は、2個以上のプリズムシートが積層された複合光学シートを含んでもよい。
【0107】
液晶パネル960は、第1の偏光板950と第2の偏光板970との間に形成され、第1の偏光板950から入射された光を第2の偏光板970に透過させることができる。
【0108】
液晶パネル960は、第1の基板、第2の基板、及び第1の基板と第2の基板との間に固定される表示媒体である液晶層を含んでもよい。第1の基板にはカラーフィルター及びブラックマットリックスが装着されている。第2の基板は、液晶の電気光学特性を制御するためのスイッチング素子(例えばトランジスタ)、ソース信号を提供するためにスイッチング素子と信号線にゲート信号を提供するための走査線、画素電極、及びカウンター電極を含む。
【0109】
液晶層は、電界の未印加時には均一に配向された液晶を含む。具体的には、液晶層は、VA(vertical alignment)モード、PVA(patterned vertical alignment)モードまたはS-PVA(super-patterned vertical alignment)モードを含んでもよいが、これに制限されることはない。
【0110】
第1の偏光板950は、拡散シート940の光出射面と対向して液晶パネル960の一面に形成されるものであって、拡散シート940から入射された光を偏光させて液晶パネル960に出射させることができる。第1の偏光板950は、偏光子、及び偏光子の少なくとも一面に形成された保護フィルムを含んでもよい。偏光子及び保護フィルムは、当業者に知られている通常の内容に従う。
【0111】
反射シート930は、導光板920の下部面に形成され、光源910から出射された光を導光板920に反射させることによって光効率を高めることができる。
【0112】
図8は、第2の偏光板970が本発明の各実施例に係る偏光板を含む場合を示したが、第1の偏光板950が本発明の各実施例に係る偏光板を含んでもよい。
【0113】
以下、本発明の一実施例に係る偏光板の製造方法を説明する。
【0114】
本実施例に係る偏光板は、第1の保護層とパターン層の積層体と偏光子とを合紙する段階によって製造されてもよい。
【0115】
まず、第1の保護層とパターン層の積層体を製造する。具体的には、第1の保護層の一面に高屈折層用組成物をコーティングする。コーティング厚さは、約40μm以下、具体的には約3μm以上約40μm以下、より具体的には約5μm以上約30μm以下になってもよい。コーティング方法は特別に制限されないが、具体的には、バーコーティング、ダイコーティング、スリップコーティングなどでもよい。
【0116】
その後、コーティング層上に陽刻の充填パターンと平坦部が形成されたパターンフィルムを用いてパターンを転写し、高屈折層を形成する。その後、低屈折層用組成物をパターン内に充填及びコーティングして硬化させ、低屈折層を形成する。硬化は、光硬化及び熱硬化のうち一つ以上を含んでもよい。光硬化は、波長400nm以下において約10mJ/cm2以上約1000mJ/cm2以下の光量で照射することを含んでもよい。熱硬化は、約40℃以上約200℃以下で約1時間以上約30時間以下の熱処理を行うことを含んでもよい。前記範囲では、パターン層用樹脂またはパターン層組成物が十分に硬化され、パターン層の硬度を高めることができる。このように形成される場合、パターン層は、第1の保護層上に形成されるコーティング層であって、第1の保護層上に直接接触して形成されてもよい。
【0117】
続いて、前記パターン層の一面に接着層用組成物をコーティングし、前記パターン層を偏光子と合紙して硬化させ、偏光板を製造する。硬化は、上述した光硬化及び熱硬化のうち一つ以上を含んでもよい。
【0118】
以下では、本発明の好ましい実施例を通じて本発明の構成及び作用をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明の理解を促進するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例に限定されることはない。
【0119】
実施例1:偏光板の製造
【0120】
ポリビニルアルコールフィルムを60℃で3倍延伸し、ヨードを吸着させた後、40℃のホウ酸水溶液で2.5倍延伸することによって偏光子を製造した。
【0121】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のレンチキュラーレンズパターン(幅:10μm、高さ:10μm)と平坦部(幅:10μm)とが交互に形成されたパターンフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のレンチキュラーレンズパターンと平坦部を形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC140、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のレンチキュラーレンズパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0122】
低屈折層の一面に偏光板用接着剤(Z―200、Nippon Goshei社)をコーティングし、この低屈折層を前記製造した偏光子と合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0123】
実施例2:偏光板の製造
【0124】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0125】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)の一面に紫外線硬化性樹脂(シンアT&C、SSC155)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のプリズムパターン(幅:13μm、高さ:10μm、頂角:65.5゜、断面:三角形)が形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のプリズムパターンを形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC140、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のプリズムパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0126】
低屈折層の一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、この低屈折層を前記製造した偏光子と合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0127】
実施例3:偏光板の製造
【0128】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0129】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のレンチキュラーレンズパターン(幅:10μm、高さ:10μm)と平坦部(幅:10μm)とが交互に形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のレンチキュラーレンズパターンと平坦部を形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC143、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のレンチキュラーレンズパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0130】
低屈折層及び第2の保護層用TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)のそれぞれの一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、低屈折層、偏光子及び第2の保護層用TACフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0131】
実施例4:偏光板の製造
【0132】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0133】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のプリズムパターン(幅:13μm、高さ:10μm、頂角:65.5゜、断面:三角形)が形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のプリズムパターンを形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC143、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のプリズムパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0134】
低屈折層及び第2の保護層用TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)のそれぞれの一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、低屈折層、偏光子及び第2の保護層用TACフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0135】
実施例5:偏光板の製造
【0136】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0137】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のレンチキュラーレンズパターン(幅:10μm、高さ:10μm)と平坦部(幅:10μm)とが交互に形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のレンチキュラーレンズパターンと平坦部を形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC143、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のレンチキュラーレンズパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0138】
低屈折層及び第2の保護層用COPフィルム(ZB12、厚さ:50μm、Zeon社)のそれぞれの一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、低屈折層、偏光子及び第2の保護層用COPフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0139】
実施例6:偏光板の製造
【0140】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0141】
第1の保護層用透明TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のレンチキュラーレンズパターン(幅:10μm、高さ:10μm)と平坦部(幅:10μm)とが交互に形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のレンチキュラーレンズパターンと平坦部を形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC143、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のレンチキュラーレンズパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0142】
低屈折層及び第2の保護層用TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)のそれぞれの一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、低屈折層、偏光子及び第2の保護層用TACフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0143】
実施例7:偏光板の製造
【0144】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0145】
第1の保護層用透明COPフィルム(ZB12、厚さ:50μm、Zeon社)の一面に紫外線硬化性樹脂(SSC155、シンアT&C)をコーティングすることによってコーティング物を得た。陽刻のレンチキュラーレンズパターン(幅:10μm、高さ:10μm)と平坦部(幅:10μm)とが交互に形成されたフィルムを用いて、前記コーティング物に陰刻のレンチキュラーレンズパターンと平坦部を形成して硬化させることによって高屈折層を形成した。前記高屈折層に紫外線硬化性樹脂(SSC143、シンアT&C)をコーティングし、前記陰刻のレンチキュラーレンズパターンを完全に充填して硬化させ、高屈折層の直上に低屈折層が形成されたパターン層を形成した。
【0146】
低屈折層及び第2の保護層用TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)のそれぞれの一面に偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、低屈折層、偏光子及び第2の保護層用TACフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0147】
比較例1:偏光板の製造
【0148】
実施例1と同一の方法で偏光子を製造した。
【0149】
第1の保護層用透明PETフィルム(COSMOSHINE SRF、厚さ:80μm、波長550nmにおいてRe=14,000nm、Toyobo社)及び第2の保護層用TACフィルム(KC4DR-1、厚さ:40μm、Konica社)に組み立てられる偏光子の両面にそれぞれ偏光板用接着剤(Z-200、Nippon Goshei社)をコーティングし、第1の保護層用透明PETフィルム、偏光子及び第2の保護層用TACフィルムを順次合紙して硬化させることによって偏光板を製造した。
【0150】
実施例と比較例で製造した偏光板の構成を下記の表1に示した。また、下記の表1の物性を評価した。このために、下記の方法で液晶表示装置用モジュールを製造した。
【0151】
製造例1:偏光板の製造
【0152】
ポリビニルアルコールフィルムを60℃で3倍延伸し、ヨードを吸着させた後、40℃のホウ酸水溶液で2.5倍延伸することによって偏光子を製造した。偏光子の両面にトリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm)を偏光板用接着剤(Nippon Goshei社、Z-200)で接着させることによって偏光板を製造した。
【0153】
製造例2:複合光学シートの製造
【0154】
エポキシアクリレート(Epoxy Acrylate)35重量%、ウレタンアクリレートオリゴマー(Urethane Acrylate Oligomer)15重量%、オルトフェニルフェノールエトキシレイティドアクリレート(Ortho phenyl phenol ethoxylated acrylate)36重量%、トリメチロールプロパン9-エトキシレイティドアクリレート(Trimethylolpropane 9-ethoxylated acrylate)10重量%、及び光開始剤4重量%を含む組成物を製造した。
【0155】
前記組成物を、透明な第1のベースフィルム用PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(三菱社、T910E、厚さ:125μm)の一面にコーティングすることによってコーティング物を得た。プリズムパターン(高さ:12μm、幅:24μm、頂角:90゜である三角形、アスペクト比:0.5)が陰刻されたパターンロールを用いて前記コーティング物に前記プリズムパターンを形成して硬化させ、第1のプリズムパターンが形成された第1の光学シートを形成した。
【0156】
前記組成物を、透明な第2のベースフィルム用PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(三菱社、T910E、厚さ:125μm)の一面にコーティングすることによってコーティング物を得た。プリズムパターン(高さ:12μm、幅:24μm、頂角:90゜である三角形、アスペクト比:0.5)が陰刻されたパターンロールを用いて前記コーティング物にパターンを形成して硬化させ、第2のプリズムパターンが形成された第2の光学シートを形成した。
【0157】
第1のプリズムパターンと第2のプリズムパターンの長さ方向が互いに直交するように、第1の光学シート上に第2の光学シートを積層させることによって複合光学シートを製造した。
【0158】
製造例3:液晶表示装置用モジュールの製造
【0159】
実施例または比較例の偏光板、液晶パネル(PVAモード)、製造例1の偏光板の順に粘着し、製造例1の偏光板の下部に製造例2の複合光学シートを組み立てることによって液晶表示装置用モジュールを製造した。
【0160】
(1)輝度:LED光源、導光板、及び液晶表示装置用モジュールを組み立てて、1辺エッジ型LED光源を含む液晶表示装置(実施例及び比較例の液晶表示装置用モジュールの構成を除いては、Samsung LED TV(UN32H5500)と同一の構成)を製造した。EZ CONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)を用いて正面輝度値を測定した。相対輝度は、{(実施例と比較例の輝度値)/(比較例1の輝度値)}×100で計算した。
【0161】
(2)1/2視野角と1/3視野角:(1)と同一の方法で液晶表示装置を製造し、EZ CONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)を用いて輝度値を測定した。1/2視野角と1/3視野角は、それぞれ正面輝度の1/2、1/3の輝度を有する視野角を意味する。
【0162】
(3)明暗比:(1)と同一の方法で液晶表示装置を製造し、EZ CONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)を用いて球面座標系(φ,θ)で明暗比を測定した。
【0163】
(4)輝度均一度及び輝度均一度の変化率:LED光源、導光板、液晶表示装置用モジュール、及び長軸と短軸を有する表示装置の画面を組み立てることによって、画面サイズが下記の表1の50インチまたは55インチである液晶表示装置を製造する。
図8を参照すると、光源、導光板及び液晶表示装置用モジュールが組み立てられた液晶表示装置において、表示装置の中央地点をB、左側端地点をA、右側端地点をCとしたとき、A、B、Cでそれぞれの輝度を測定し、このうち最大輝度値(輝度max)と最小輝度値(輝度min)を求める。輝度均一度は、(輝度min)/(輝度max)×100で計算された値である。このとき、輝度は、EZ CONTRAST X88RC(EZXL-176R-F422A4、ELDIM社)をB地点に固定し、輝度測定機の測定方向をA、B、Cのそれぞれの地点に動かして測定する。これから、50インチである場合の輝度均一度(a)と55インチである場合の輝度均一度(b)をそれぞれ求める。輝度均一度の変化率は、|b-a|/a×100で計算される。
【0164】
【0165】
前記表1に示すように、本実施例に係る液晶表示装置用モジュールは、正面での輝度値を高めることができ、1/2視野角と1/3視野角を大きくし、側面視野角を高めることができ、側面での明暗比を高めることができる。また、輝度均一度を高めることができ、液晶表示装置のサイズによる輝度均一度の変化率を最小化させ、液晶表示装置のサイズが変更されるとしてもモジュールを変更する必要がないので、加工性及び経済性を良好にすることができる。したがって、本発明は、側面明暗比と側面視野角を改善することができ、輝度均一度を高めることができ、輝度均一度の変化率を低下させ得る偏光板を提供した。
【0166】
また、本実施例の偏光板を採用していない比較例1は、相対輝度は高いが、視野角と明暗比改善効果が低かった。また、本実施例の偏光板を採用していない比較例1は、本実施例に比べて輝度均一度が低く、液晶表示装置のサイズによる輝度均一度の変化率が大きいので、加工性と経済性が低下し得る。
【0167】
本発明の単純な変形及び変更は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更はいずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。
【符号の説明】
【0168】
10:偏光子、20:パターン層、30:第1の保護層、40:接着層、100:偏光板、201:低屈折層、202:高屈折層、205:充填パターン、206:平坦部、207:陰刻パターン