(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221004BHJP
G03B 13/02 20210101ALI20221004BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221004BHJP
G03B 17/20 20210101ALI20221004BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20221004BHJP
【FI】
H04N5/232 933
H04N5/232 945
G03B13/02
G03B17/02
G03B17/20
G03B17/18 Z
(21)【出願番号】P 2021077003
(22)【出願日】2021-04-30
(62)【分割の表示】P 2020527303の分割
【原出願日】2019-05-28
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】P 2018122043
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】杉原 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 潤
(72)【発明者】
【氏名】石田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】宮田 真彦
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/085983(WO,A1)
【文献】特開2018-036802(JP,A)
【文献】特表2009-540471(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147697(WO,A1)
【文献】特開2010-160581(JP,A)
【文献】特開2018-085570(JP,A)
【文献】特開2017-174363(JP,A)
【文献】特開2018-013745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 13/02
G03B 17/02
G03B 17/20
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される
フォーカスエリアの位置を示す指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、
前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、
前記指標を粗動させる第1の感度又は前記指標を微動させる第2の感度を、前記指標の大きさを変化させずに設定する感度設定部と、
前記感度設定部により設定された
前記第1の感度又は前記第2の感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御部と、
を備え、
前記タッチパネルは、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記感度設定部は、前記接触動作が前記第1の領域で行われた場合には、前記第1の感度に設定し、前記接触動作が前記第2の領域で行われた場合には、前記第2の感度に設定する撮像装置。
【請求項2】
撮像装置の姿勢を検出する姿勢センサと、
前記姿勢センサの検出結果に基づいて、前記第1の領域及び前記第2の領域を設定する領域設定部と、
を更に備える請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作を検出しない不感領域を有する請求項1
又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
所定の場合に
前記第1の感度と前記第2の感度を切り替える感度切替部を備え、
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、
前記感度切替部は、感度が前記第1の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、前記第1の感度から前記第1の感度よりも低い
前記第2の感度に切り替える請求項1から
3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記感度切替部は、感度が前記第2の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が第2の閾値以下である場合には、前記第2の感度から前記第1の感度に切り替える請求項
4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記接触動作は、前記タッチパネルへの前記物体の接触から前記スワイプ操作が開始されるまでの間の動作である請求項1から
5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される
フォーカスエリアの位置を示す指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像方法であって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、
前記指標を粗動させる第1の感度又は前記指標を微動させる第2の感度を、前記指標の大きさを変化させずに設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記
第1の感度又は前記第2の感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
を含
み、
前記タッチパネルは、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記感度設定ステップは、前記接触動作が前記第1の領域で行われた場合には、前記第1の感度に設定し、前記接触動作が前記第2の領域で行われた場合には、前記第2の感度に設定する撮像方法。
【請求項8】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される
フォーカスエリアの位置を示す指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、
前記指標を粗動させる第1の感度又は前記指標を微動させる第2の感度を、前記指標の大きさを変化させずに設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記
第1の感度又は前記第2の感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
を含
み、
前記タッチパネルは、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記感度設定ステップは、前記接触動作が前記第1の領域で行われた場合には、前記第1の感度に設定し、前記接触動作が前記第2の領域で行われた場合には、前記第2の感度に設定する撮像工程をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記記録媒体に格納された指令がコンピュータによって読み取られた場合に、
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される
フォーカスエリアの位置を示す指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像工程であって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、
前記指標を粗動させる第1の感度又は前記指標を微動させる第2の感度を、前記指標の大きさを変化させずに設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記
第1の感度又は前記第2の感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
を含
み、
前記タッチパネルは、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記感度設定ステップは、前記接触動作が前記第1の領域で行われた場合には、前記第1の感度に設定し、前記接触動作が前記第2の領域で行われた場合には、前記第2の感度に設定する撮像工程をコンピュータに実行させる記録媒体。
【請求項10】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、
前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、前記スワイプ操作の移動距離に応じた前記指標の移動距離である感度を設定する感度設定部と、
前記感度設定部により設定された前記感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御部と、
所定の場合に前記感度を切り替える感度切替部と、
を備え、
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、
前記感度切替部は、前記感度が第1の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、前記感度を前記第1の感度から前記第1の感度よりも低い第2の感度に切り替える撮像装置。
【請求項11】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像方法であって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、前記スワイプ操作の移動距離に応じた前記指標の移動距離である感度を設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
所定の場合に前記感度を切り替える感度切替ステップと、
を含み、
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、
前記感度切替ステップは、前記感度が第1の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、前記感度を前記第1の感度から前記第1の感度よりも低い第2の感度に切り替える撮像方法。
【請求項12】
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、前記スワイプ操作の移動距離に応じた前記指標の移動距離である感度を設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
所定の場合に前記感度を切り替える感度切替ステップと、
を含み、
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、
前記感度切替ステップは、前記感度が第1の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、前記感度を前記第1の感度から前記第1の感度よりも低い第2の感度に切り替える撮像工程をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記記録媒体に格納された指令がコンピュータによって読み取られた場合に、
ライブビュー画像及び前記ライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する前記指標を表示するファインダと、前記指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像工程であって、
前記タッチパネルへの物体の接触動作を検出することにより、前記スワイプ操作の移動距離に応じた前記指標の移動距離である感度を設定する感度設定ステップと、
前記感度設定ステップにより設定された前記感度に基づいて、前記指標を移動させる移動制御ステップと、
所定の場合に前記感度を切り替える感度切替ステップと、
を含み、
前記タッチパネルは、前記スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、
前記感度切替ステップは、前記感度が第1の感度に設定され、前記開始地点と前記終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、前記感度を前記第1の感度から前記第1の感度よりも低い第2の感度に切り替える撮像工程をコンピュータに実行させる記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記録媒体に関し、特に、タッチパネルを備える撮像装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ(撮像装置)のボディの背面モニタにタッチパネルが設置される場合がある。ユーザは背面モニタを指でタッチすることにより、様々なデジタルカメラの操作を行うことができる。
【0003】
例えば特許文献1では、ユーザがファインダを覗き込んでいる際に、背面モニタのタッチパネルで検出したユーザの指の動きに従って、ファインダモニタにおけるAF(Auto Focus)ターゲット枠(フォーカスエリア)の表示位置を移動させる技術が記載されている。又、特許文献1では、ユーザの指の動きの移動速度に応じて、AFターゲット枠の移動中表示の移動速度を変更する技術が記載されている。具体的には、ユーザの指の移動速度が所定速度よりも高速である場合に、指の移動方向に従って移動中表示を高速で移動させ(単位時間当たりの移動中表示の位置の移動幅を大きくする)、ユーザの指の移動速度が所定速度よりも高速でない場合に、指の移動方向に従って移動中表示を低速で移動させる(単位時間当たりの移動中表示の位置の移動幅を小さくする)。
【0004】
又、例えば特許文献2では、ユーザがファインダを覗き込んでいる際に、AFターゲット枠の長い距離の移動を、簡便に行うための技術が記載されている。具体的には、特許文献2に記載された技術では、ダブルタップ操作(タッチ位置の移動を含まない操作)が成されると、表示部にAFターゲット枠の移動過程を表示せずに、ダブルタップ操作が行われた位置にAFターゲット枠を表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-203143号公報
【文献】特開2018-013745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、背面モニタのタッチパネルへのタッチと連動してファインダに表示される指標を移動させる場合に、速い速度で指標を移動させたり、遅い速度で指標を移動させたりして、指標の移動速度を制御することが望まれている。
【0007】
例えば、被写体がファインダ内で上下左右に素早く動く場合、又はデジタルカメラの向きを横位置から縦位置(又は縦位置から横位置)に切り替える場合には、被写体の動き及びデジタルカメラの位置の切り替えに応じて、フォーカスエリアを素早く且つ正確に移動させることが望まれている。
【0008】
又例えば、様々な色温度のミックス光源の環境下においてテンポよく撮影するためには、被写体の位置によってホワイトバランスシフトの位置を素早く且つ正確に移動させることが望まれている。
【0009】
特許文献1には、ユーザの指の動きの移動速度に応じて、AFターゲット枠の移動中表示の移動速度を変える技術が記載されている。しかし、この特許文献1に記載された技術では、AFターゲットの移動速度の高低を制御するためには、ユーザは指の移動速度を正確に制御しなければならず、正確に且つ簡便にAFターゲットの移動速度の制御を行うことは困難である。
【0010】
又、特許文献2には、AFターゲット枠の移動の速さを変更することは言及されていない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ファインダ用モニタに表示される指標の移動感度を、背面モニタに設置されるタッチパネルを使用して、ユーザの所望の感度に、正確に且つ簡便に制御することができる撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の一の態様である撮像装置は、ライブビュー画像及びライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する指標を表示するファインダと、指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、スワイプ操作により指標を粗動させる第1の感度又は指標を微動させる第2の感度を、スワイプ操作におけるタッチパネルへの接触動作を検出することにより設定する感度設定部と、タッチパネルでのスワイプ操作及び感度設定部により設定された感度に基づいて、指標を移動させる移動制御部と、を備える。
【0013】
本態様によれば、タッチパネルへの接触動作に応じて、第1の感度又は第2の感度が設定されて、その設定された感度に基づいて、スワイプ操作に沿って指標が移動させられる。これにより、ユーザは、タッチパネルへの接触動作を変えることにより、正確に且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【0014】
好ましくは、タッチパネルは、第1の領域及び第2の領域を有し、感度設定部は、接触動作が第1の領域で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の領域で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0015】
本態様によれば、ユーザは、第1の感度で指標を移動させたい場合には、第1の領域で接触動作を行い、第2の感度で指標を移動させたい場合には、第2の領域で接触動作を行う。これにより、ユーザは、接触動作を行う領域を選択することにより、正確に且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【0016】
好ましくは、撮像装置は、撮像装置の姿勢を検出する姿勢センサと、姿勢センサの検出結果に基づいて、第1の領域及び第2の領域を設定する領域設定部と、を更に備える。
【0017】
本態様によれば、撮像装置の姿勢に基づいて、第1の領域及び第2の領域が設定されるので、ユーザは撮像装置の姿勢に応じて、接触動作を行う領域を容易に選択することができる。
【0018】
好ましくは、タッチパネルは、スワイプ操作を検出しない不感領域である第3の領域を更に有する。
【0019】
本態様によれば、ユーザが意図せずにタッチパネルに接触してしまう領域を、スワイプ操作を検出しない不感領域である第3の領域とすることで、ユーザが意図しない誤操作を抑制し、正確な指標の移動制御を行うことができる。
【0020】
好ましくは、感度設定部は、接触動作が第1の押圧で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の押圧で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0021】
本態様によれば、ユーザは、第1の感度で指標を移動させたい場合には、第1の押圧で接触動作を行い、第2の感度で指標を移動させたい場合には、第2の押圧で接触動作を行う。これにより、ユーザは、接触動作の押圧を選択することにより、正確且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【0022】
好ましくは、感度設定部は、接触動作が第1の接触面積で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の接触面積で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0023】
本態様によれば、ユーザは、第1の感度で指標を移動させたい場合には、第1の接触面積で接触動作を行い、第2の感度で指標を移動させたい場合には、第2の接触面積で接触動作を行う。これにより、ユーザは、接触動作の接触面積を選択することにより、正確且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【0024】
好ましくは、感度設定部は、接触動作が第1の指の本数で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の指の本数で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0025】
本態様によれば、ユーザは、第1の感度で指標を移動させたい場合には、第1の指の本数で接触動作を行い、第2の感度で指標を移動させたい場合には、第2の指の本数で接触動作を行う。これにより、ユーザは、接触動作の指の本数を選択することにより、正確且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【0026】
好ましくは、撮像装置は、感度を強制的に設定する感度強制設定部を更に備え、タッチパネルは、スワイプ操作の開始地点及び終了地点を検出し、感度強制設定部は、開始地点と終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、第1の感度の受付設定と第2の感度の受付設定とを強制的に切り替える。
【0027】
本態様によれば、感度強制設定部は、開始地点と終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、第1の感度の受付設定と第2の感度の受付設定とを強制的に切り替える。これにより、本態様は、ユーザが意図しない感度で指標の移動が行われた場合には、簡便に感度の切り替えを行うことができる。
【0028】
好ましくは、感度強制設定部は、第1の感度での指標の移動において、開始地点と終了地点との間の距離が第1の閾値以下である場合には第2の感度に切り替え、第2の感度での指標の移動において、開始地点と終了地点との間の距離が第2の閾値以下である場合には第1の感度に強制的に切り替える。
【0029】
本態様によれば、指標の設定された感度に応じて、開始地点と終了地点との間の距離に所定の閾値が設定され、この閾値に基づいて、感度強制設定部は感度の切り替えを行う。これにより、指標の移動する感度に応じて適切な感度の切り替えを行うことができる。
【0030】
好ましくは、指標は、フォーカスエリアの位置を示す。
【0031】
本態様によれば、ユーザは意図する感度により、フォーカスエリアの位置を移動させることができる。
【0032】
好ましくは、指標は、ホワイトバランスの補正量を示す。
【0033】
本態様によれば、ユーザは意図する感度により、ホワイトバランスの補正量を変更することができる。
【0034】
本発明の他の態様である撮像方法は、ライブビュー画像及びライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する指標を表示するファインダと、指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像方法であって、スワイプ操作により指標を粗動させる第1の感度又は指標を微動させる第2の感度を、スワイプ操作におけるタッチパネルへの接触動作を検出することにより設定する感度設定ステップと、タッチパネルでのスワイプ操作及び感度設定ステップにより設定された感度に基づいて、指標を移動させる移動制御ステップと、を含む。
【0035】
本発明の他の態様であるプログラムは、ライブビュー画像及びライブビュー画像に重畳表示される指標を表示するファインダであって、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示する指標を表示するファインダと、指標を移動させるスワイプ操作を受け付けるタッチパネルと、を備える撮像装置の撮像工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、スワイプ操作により指標を粗動させる第1の感度又は指標を微動させる第2の感度を、スワイプ操作におけるタッチパネルへの接触動作を検出することにより設定する感度設定ステップと、タッチパネルでのスワイプ操作及び感度設定ステップにより設定された感度に基づいて、指標を移動させる移動制御ステップと、を含む撮像工程をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、タッチパネルへの接触動作に応じて、第1の感度又は第2の感度が設定されて、その設定された感度に基づいて、スワイプ操作に沿って指標が移動させられるので、ユーザは、タッチパネルへの接触動作を変えることにより、正確に且つ簡便に第1の感度又は第2の感度で指標を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、撮像装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、撮像装置の一例を示す背面図である。
【
図3】
図3は、撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、CPUの主な機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、タッチパネルの領域分割の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、タッチパネルにおけるスワイプ操作を示す図である。
【
図7】
図7は、ファインダ用モニタでのフォーカスエリアの移動を示す図である。
【
図8】
図8は、タッチパネルにおけるスワイプ操作を示す図である。
【
図9】
図9は、ファインダ用モニタでのフォーカスエリアの移動を示す図である。
【
図10】
図10は、撮像装置の動作フローを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、タッチパネルに設定された領域を示す図である。
【
図12】
図12は、CPUの主な機能構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、撮像装置が縦位置である場合の領域設定の例を示す図である。
【
図14】
図14は、撮像装置が縦位置である場合の領域設定の例を示す図である。
【
図15】
図15は、撮像装置の縦位置及び横位置に応じて、粗動開始領域、微動開始領域、及び不感領域の領域設定の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、CPUの主な機能構成例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、タッチパネルにおけるスワイプ操作を示す図である。
【
図18】
図18は、ファインダ用モニタでのフォーカスエリアの移動を示す図である。
【
図19】
図19は、戻し操作の検出及び受付設定の変更の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、ファインダ用モニタに、ホワイトバランスシフト画像が表示されていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面に従って本発明にかかる撮像装置、撮像方法、及びプログラムの好ましい実施の形態について説明する。
【0039】
[撮像装置]
図1及び
図2は、それぞれ撮像装置の一例(デジタルカメラ)を示す斜視図及び背面図である。この撮像装置10は、レンズを通った光を撮像素子で受け、デジタル信号に変換して静止画又は動画の画像データとして記録メディアに記録するデジタルカメラである。
【0040】
図1に示すように撮像装置10は、その正面に撮影レンズ12、ストロボ1等が配設され、上面にはシャッタボタン2、電源/モードスイッチ3、モードダイヤル4等が配設されている。一方、
図2に示すように、カメラ背面には、液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される背面モニタ30、ズームボタン5、十字ボタン6、MENU/OKボタン7、再生ボタン8、BACKボタン9、ファインダ11、液晶モニタで構成されるファインダ用モニタ13、アイセンサ17等が配設されている。
【0041】
撮影レンズ12は、沈胴式のズームレンズで構成されており、電源/モードスイッチ3によってカメラの作動モードを撮影モードに設定することにより、カメラ本体から繰り出される。ストロボ1は、主要被写体にストロボ光を照射するものである。
【0042】
シャッタボタン2は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成され、撮影準備指示部として機能するとともに、画像の記録指示部として機能する。
【0043】
撮像装置10は、撮影モードとして静止画撮影モードが選択され、シャッタボタン2が「半押し」されると、AF(Autofocus)/AE(Auto Exposure)制御を行う撮影準備動作を行い、シャッタボタン2が「全押し」されると、静止画の撮像及び記録を行う。
【0044】
又、撮像装置10は、撮影モードとして動画撮影モードが選択され、シャッタボタン2が「全押し」されると、動画の録画を開始し、シャッタボタン2が再度「全押し」されると、録画を停止して待機状態になる。
【0045】
電源/モードスイッチ3は、撮像装置10の電源をON/OFFする電源スイッチとしての機能と、撮像装置10のモードを設定するモードスイッチとしての機能とを併せ持っており、「OFF位置」と「再生位置」と「撮影位置」との間をスライド自在に配設されている。撮像装置10は、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」又は「撮影位置」に合わせることにより、電源がONになり、「OFF位置」に合わせることにより、電源がOFFになる。そして、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、「撮影位置」に合わせることにより、「撮影モード」に設定される。
【0046】
モードダイヤル4は、撮像装置10の撮影モードを設定するモード切替部として機能し、このモードダイヤル4の設定位置により、撮像装置10の撮影モードが様々なモードに設定される。例えば、静止画撮影を行う「静止画撮影モード」、動画撮影を行う「動画撮影モード」等である。
【0047】
背面モニタ30及びファインダ用モニタ13は、撮影モード時のライブビュー画像の表示、再生モード時の静止画又は動画の表示を行うとともに、メニュー画面の表示等を行うことでグラフィカルユーザーインターフェースの一部として機能する。又、背面モニタ30にはタッチパネル31(
図3)が一体的に設置されている。
【0048】
ズームボタン5は、ズームを指示するズーム指示手段として機能し、望遠側へのズームを指示するテレボタン5Tと、広角側へのズームを指示するワイドボタン5Wとからなる。撮像装置10は、撮影モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、撮影レンズ12の焦点距離が変化する。又、再生モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、再生中の画像が拡大、縮小する。
【0049】
十字ボタン6は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。
【0050】
MENU/OKボタン7は、背面モニタ30の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作ボタンである。
【0051】
再生ボタン8は、撮影記録した静止画又は動画を背面モニタ30に表示させる再生モードに切り替えるためのボタンである。
【0052】
BACKボタン9は、入力操作のキャンセルや一つ前の操作状態に戻すことを指示するボタンとして機能する。
【0053】
尚、上述したボタン/スイッチ類に対して固有の部材が設けられているが、タッチパネル31を操作することでそれらボタン/スイッチ類の機能を実現することもできる。
【0054】
[撮像装置の内部構成]
図3は撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。この撮像装置10は、撮像した画像をメモリカード54に記録するもので、装置全体の動作は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)40によって統括制御される。
【0055】
撮像装置10には、シャッタボタン2、電源/モードスイッチ3、モードダイヤル4、テレボタン5T、ワイドボタン5W、十字ボタン6、MENU/OKボタン7、再生ボタン8、BACKボタン9等の操作部38が設けられている。この操作部38からの信号はCPU40に入力され、CPU40は入力信号に基づいて撮像装置10の各回路を制御し、例えば、センサ駆動部32による撮像素子(イメージセンサ)16の駆動制御、シャッタ駆動部33によるメカシャッタ(機械的シャッタ)15の駆動制御、絞り駆動部34による絞り14の駆動制御、及びレンズ駆動部36による撮影レンズ12の駆動制御を司る他、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、ファインダ用モニタ13、及び背面モニタ30の表示制御などを行う。
【0056】
電源/モードスイッチ3により撮像装置10の電源がONされると、図示しない電源部から各ブロックへ給電され、撮像装置10の駆動が開始される。
【0057】
撮影レンズ12、絞り14、メカシャッタ(機械的シャッタ)15等を通過した光束は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型のカラーイメージセンサである撮像素子16に結像される。尚、撮像素子16は、CMOS型に限らず、XYアドレス型、又はCCD(Charge Coupled Device)型のカラーイメージセンサでもよい。
【0058】
撮像素子16は、多数の受光素子(フォトダイオード)が2次元配列されており、各フォトダイオードの受光面に結像された被写体像は、その入射光量に応じた量の信号電圧(又は電荷)に変換され、撮像素子16内のA/D(Analog/Digital)変換器を介してデジタル信号に変換されて出力される。
【0059】
動画又は静止画の撮影時に撮像素子16から読み出された画像信号(画像データ)は、画像入力コントローラ22を介してメモリ(SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory))48に一時的に記憶され、あるいはAF処理部42、AE検出部44等に取り込まれる。
【0060】
CPU40は、操作部38での操作に基づいて撮像装置10の各部を統括制御するが、ライブビュー画像の撮影(表示)、及び動画の撮影(記録)中には、常時AF動作及びAE動作を行う。
【0061】
AF処理部42は、コントラストAF処理又は位相差AF処理を行う部分である。コントラストAF処理を行う場合には、連続して撮像された画像中のAF領域内の画像の高周波成分を抽出し、この高周波成分を積分することにより合焦状態を示すAF評価値を算出する。CPU40は、AF処理部42により算出されたAF評価値に基づいて、AF評価値が極大となるレンズ位置に撮影レンズ12内のフォーカスレンズを移動させることによりAF制御(コントラストAF)を行う。
【0062】
又、撮像素子16が位相差画素を有する場合、AF処理部42は、例えば、AF領域の一対の複数の位相差画素の各出力データに基づいて、位相差データ(例えば、一対の位相差画素の各出力データの差分絶対値の積算値)を算出し、算出した位相差データに基づいて撮影レンズ12によるピント位置と撮像素子16の結像面との光軸方向のずれ量(デフォーカス量)を算出する。CPU40は、AF処理部42により算出されたデフォーカス量に基づいて、デフォーカス量がゼロになるレンズ位置に撮影レンズ12内のフォーカスレンズを移動させることによりAF制御(位相差AF)を行う。
【0063】
AE検出部44は、画像入力コントローラ22を介して取得される画像データ(例えば、画面全体のG画素の画素値)を積算し、又は画面中央部と周辺部とで異なる重みづけをした画像データ(G画素の画素値)を積算し、その積算値をCPU40に出力する。CPU40は、AE検出部44から入力される積算値より被写体の明るさ(撮影Ev値(exposure value))を算出する。撮影モードが静止画撮影モードの場合には、シャッタボタン2の第1段階の押下(半押し)があると、CPU40は、前述のAF制御を再度行い、シャッタボタン2の全押しがあると、被写体の明るさ(撮影Ev値)を算出し、算出した撮影Ev値に基づいて絞り14のF値及びメカシャッタ15による露光時間(シャッタ速度)をプログラム線図にしたがって決定し、静止画の撮影(露出制御)を行う。
【0064】
一方、撮影モードが動画撮影モードの場合には、シャッタボタン2の全押しがあると、CPU40は、動画の撮影及び記録(録画)を開始させる。尚、動画撮影時には、メカシャッタ15を開放し、撮像素子16から画像データを連続的に読み出し(例えば、フレームレートとして30フレーム/秒、60フレーム/秒)、連続的に位相差AFを行うとともに、被写体の明るさを算出し、シャッタ駆動部33によりシャッタ速度(ローリングシャッタによる電荷蓄積時間)及び/又は絞り駆動部34により絞り14を制御する。
【0065】
CPU40は、ズームボタン5からのズーム指令に応じてレンズ駆動部36を介してズームレンズを光軸方向に進退動作させ、焦点距離を変更させる。
【0066】
又、ROM47は、カメラ制御プログラム、撮像素子16の欠陥情報、画像処理等に使用する各種のパラメータやテーブルが記憶されているROM(Read Only Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。
【0067】
画像処理部24は、動画又は静止画の撮影時に画像入力コントローラ22を介して取得され、メモリ48に一時的に記憶された未処理の画像データ(RAWデータ)を読み出す。画像処理部24は、読み出したRAWデータに対してオフセット処理、画素補間処理(位相差検出用画素、傷画素等の補間処理)、ホワイトバランス補正、感度補正を含むゲインコントロール処理、ガンマ補正処理、同時化処理(「デモザイク処理」ともいう)、輝度及び色差信号生成処理、輪郭強調処理、及び色補正等を行う。
【0068】
画像処理部24により処理された画像データであって、ライブビュー画像として処理された画像データは、VRAM(Video RAM Random access memory)50に入力される。
【0069】
VRAM50には、それぞれが1コマ分の画像を表す画像データを記録するA領域とB領域とが含まれている。VRAM50において1コマ分の画像を表す画像データがA領域とB領域とで交互に書き換えられる。VRAM50のA領域及びB領域のうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。
【0070】
VRAM50から読み出された画像データは、ビデオエンコーダ28においてエンコーディングされ、カメラ背面に設けられているファインダ用モニタ13及び背面モニタ30に出力される。これにより、被写体像を示すライブビュー画像がファインダ用モニタ13及び背面モニタ30に表示される。尚ライブビュー画像のファインダ用モニタ13又は背面モニタ30への表示は、アイセンサ17の検出により制御される。アイセンサ17によりユーザがファインダ用モニタ13を覗いていると検出された場合には、ファインダ用モニタ13にライブビュー画像を表示し、ユーザがファインダ用モニタ13を覗いていないと検出された場合には、背面モニタ30にライブビュー画像を表示する。
【0071】
アイセンサ17は、ユーザがファインダ用モニタ13を覗いているか否かを検出するセンサである。アイセンサ17は、例えば赤外線センサにより構成されている。
【0072】
タッチパネル31は、背面モニタ30と一体的に設けられている。タッチパネル31は、ユーザの指120の接触をユーザからの操作として検出する。ここで、タッチパネル31は、抵抗膜方式や静電容量方式等、各種の方式により接触を検出する。
【0073】
タッチセンサ入力部49は、タッチパネル31からの信号から、タッチパネル31上におけるユーザの指120のタッチ位置や指120の動きを解析し、解析した結果を出力する。
【0074】
画像処理部24により処理された画像データであって、記録用の静止画又は動画として処理された画像データ(輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr))は、再びメモリ48に記憶される。
【0075】
圧縮伸張処理部26は、静止画又は動画の記録時に、画像処理部24により処理され、メモリ48に格納された輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr)に対して圧縮処理を施す。静止画の場合には、例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)形式で圧縮し、動画の場合には、例えばH.264形式で圧縮する。圧縮伸張処理部26により圧縮された圧縮画像データは、メディアコントローラ52を介してメモリカード54に記録される。
【0076】
又、圧縮伸張処理部26は、再生モード時にメディアコントローラ52を介してメモリカード54から得た圧縮画像データに対して伸張処理を施す。メディアコントローラ52は、メモリカード54に対する圧縮画像データの記録及び読み出しなどを行う。
【0077】
姿勢センサ51は、撮像装置10の姿勢を検出するセンサであり、例えばジャイロセンサで構成される。姿勢センサ51は、ユーザの撮影姿勢に応じて撮像装置10が横位置であるのか、縦位置であるのかを検出する。又、姿勢センサ51は、撮像装置10が縦位置である場合には、ファインダ13が撮像方向に対して右側にある縦位置であるのか、ファインダ13が撮像方向に対して左側にある縦位置であるのかを検出することができる。
【0078】
<第1の実施形態>
図4は、本実施形態のCPU40の主な機能構成例を示すブロック図である。
【0079】
本実施形態のCPU40は、感度設定部101及び移動制御部103を有する。
【0080】
感度設定部101は、指標を移動させる場合の感度を設定する。感度設定部101は、タッチパネル31で受け付けられたスワイプ操作に応じて移動する指標の感度を設定する。ここで感度とは、タッチパネル31で受け付けられたスワイプ操作の移動距離に応じた指標の移動距離のことである。又、指標とは、ライブビュー画像に重畳表示されるマーク等であり、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示することができる。例えば指標によりフォーカスエリアが示される。又、例えば指標により、ホワイトバランスシフトのシフト量が示される。
【0081】
感度が高い場合(第1の感度)には、スワイプ操作の移動距離に対して、指標の移動距離は長めに設定され、指標の移動速度は速くなる(粗動)。一方、感度が低い場合(第2の感度)には、スワイプ操作の移動距離に対して、指標の移動距離は短めに設定され、指標の移動速度は遅くなる(微動)。
【0082】
移動制御部103は、タッチパネル31でのスワイプ操作及び感度設定部101により設定された感度に基づいて、指標を移動させる。具体的には、移動制御部103は、接触動作により決定された感度により、スワイプ操作と連動して、ファインダ用モニタ13に表示されている指標を移動させる。接触動作により第1の感度が設定された場合には、その後のスワイプ操作に連動させて、第1の感度により指標を移動させる。又、接触動作により第2の感度が設定された場合には、その後のスワイプ操作に連動させて、第2の感度により指標を移動させる。
【0083】
タッチパネル31への接触動作の一例に関して説明する。本例ではタッチパネル31に領域が設けられ、接触動作が行われた領域に応じて感度が設定される。
【0084】
図5は、タッチパネル31の領域分割の一例を示す図である。
【0085】
タッチパネル31は、粗動開始領域(第1の領域)W1と微動開始領域(第2の領域)W2とで構成されている。粗動開始領域W1及び微動開始領域W2は、タッチパネル31の短辺L2を二等分するように設けられている。
【0086】
粗動開始領域W1に接触動作が行われた場合には、粗動感度により、指標が移動される。又、微動開始領域W2に接触動作が行われた場合には、微動感度により、指標が移動される。接触動作とは、スワイプ操作における最初のタッチパネル31へのタッチダウンの動作のことであり、スワイプ操作は、タッチパネル31へ指120の接触動作が行われたのちに、指120がタッチパネル31へ接触した状態のまま移動させることである。感度設定部101は、接触動作(最初のタッチパネル31へのタッチダウン)を検出することにより、粗動感度及び微動感度を設定するので、スワイプ操作の途中で指120が異なる領域に接触した場合であっても、最初に設定された感度により固定して、指標の移動の途中で感度の変化が発生しないようにする。
【0087】
<指標の粗動感度>
図6及び
図7は、粗動感度により指標を移動させる場合の例を示す図である。
【0088】
図6は、タッチパネル31におけるスワイプ操作を示す図である。又、
図7は、
図6に示したスワイプ操作に連動して、ファインダ用モニタ13でのフォーカスエリアFの移動を示す図である。尚
図7では、ファインダ用モニタ13でのフォーカスエリアFの候補が表示されているが、実際のファインダ用モニタ13ではこのフォーカスエリアFの候補は表示されていない場合がある。
【0089】
図6に示すように、ユーザは指120を使用して、タッチパネル31に対してスワイプ操作を行う。具体的には、粗動開始領域W1において、指120の接触動作が行われる。そして、指120は矢印122に沿ってスワイプ操作を行う。このスワイプ操作に連動して、
図7に示すようにファインダ用モニタ13では、指標の一例であるフォーカスエリアFの位置がF1からF2に矢印124に沿って移動する。このフォーカスエリアFの移動は、粗動感度により行われる。このように粗動感度でフォーカスエリアFを移動させることができると、被写体である猫126が素早く動く場合であっても、その動きに応じてフォーカスエリアFの位置を素早く、移動させることができる。
【0090】
<指標の微動の動き>
図8及び
図9は、微動感度により指標が移動する場合の例を示す図である。
【0091】
図8は、タッチパネル31におけるスワイプ操作を示す図である。又、
図9は、
図8に示したスワイプ操作に連動して、ファインダ用モニタ13でのフォーカスエリアFの移動を示す図である。
【0092】
図8に示すように、ユーザは指120を使用して、タッチパネル31に対してスワイプ操作を行う。具体的には、タッチパネル31の微動開始領域W2において、指120の接触動作が行われる。そして、指120は矢印122に沿ってスワイプ操作が行われる。このスワイプ操作に連動して、
図9に示すようにファインダ用モニタ13では、フォーカスエリアFの位置がF3からF4に矢印124に沿って移動する。このフォーカスエリアFの移動は、微動感度により行われる。このように微動感度により指標の移動が行われると、被写体である猫126の顔に正確にフォーカスエリアFの位置を合わせる場合に、ユーザは簡便にフォーカスエリアFの位置を正確に合わせることができる。
【0093】
次に、撮像装置10を使用した撮像方法(撮像工程)を説明する。
【0094】
図10は、撮像装置10の動作フローを示すフローチャートである。
【0095】
先ず、撮像装置10のタッチパネル31により、ユーザの指120の接触動作を検出し、タッチセンサ入力部49を介して、タッチパネル31における接触動作が行われた領域が検出される(ステップS10)。そして、感度設定部101は、タッチパネル31が接触動作を検出した領域が粗動開始領域W1であるか微動開始領域W2であるかを判定する(ステップS11)。接触動作が粗動開始領域W1で検出された場合には、感度設定部101は感度を粗動に設定する(ステップS12:感度設定ステップ)。一方、接触動作が微動開始領域W2で検出された場合には、感度設定部101は感度を微動に設定する(ステップS13:感度設定ステップ)。その後、移動制御部103はタッチパネル上でのスワイプ操作を検出し(ステップS14)、指標を設定された感度によりスワイプ操作に連動させて移動させる(ステップS15:移動制御ステップ)。
【0096】
上記実施形態において、各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0097】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。又、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0098】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0099】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0100】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に関して説明する。本実施形態では、タッチパネル31において、粗動開始領域W1及び微動開始領域W2に加えて、不感領域(第3の領域)W3が設けられている。
【0101】
図11は、タッチパネル31に設定された領域を示す図である。尚、
図5で既に説明を行った箇所は同じ符号を付し説明は省略する。
【0102】
タッチパネル31には、粗動開始領域W1、微動開始領域W2、及び不感領域W3が設けられている。不感領域W3は、スワイプ操作を検出しない領域である。不感領域W3を設けることにより、ユーザが意図せずにタッチパネル31に接触した場合であっても、指標が誤って移動することを抑制することができる。
【0103】
図11では、ユーザが右目によりファインダ11を覗き込む場合に適する不感領域W3の配置を示す。
図11では、ユーザが右目によりファインダ11を覗き込んだ場合に、顔の一部が接触する可能性のある領域を不感領域W3としている。これにより、ユーザが右目によりファインダ11を覗き込んだ場合に、意図せずに顔の一部がタッチパネル31に触れてしまった場合であっても、指標が誤って移動することが抑制される。
【0104】
<第3の実施形態>
次に第3の実施形態に関して説明する。本実施形態では、撮像装置10の姿勢に基づいて、粗動開始領域W1、微動開始領域W2、不感領域W3が設定される。
【0105】
図12は、本実施形態のCPU40の主な機能構成例を示すブロック図である。尚、
図4で既に説明を行った箇所は、同じ符号を付し説明は省略する。
【0106】
領域設定部105は、姿勢センサ51の検出結果に基づいて、タッチパネル31において粗動開始領域W1及び微動開始領域W2を設定する。具体的には、姿勢センサ51により撮像装置10が横位置であるか縦位置であるかが検出され、領域設定部105は、横位置であるか縦位置であるかで、粗動開始領域W1及び微動開始領域W2の配置を変える。又、領域設定部105は、粗動開始領域W1及び微動開始領域W2の配置を変えるのに合わせて、不感領域W3の配置も変える。
【0107】
図13は、撮像装置10が縦位置である場合の領域設定の例を示す図である。
【0108】
図13に示す例は、撮像装置10が縦位置でファインダ11が撮像方向に向かって左側に存在する例である。この場合には、タッチパネル31の長辺L1を二等分する形で粗動開始領域W1と微動開始領域W2とを設定する。このように粗動開始領域W1と微動開始領域W2とを設定することにより、撮像装置10が縦位置になったとしても、ユーザが粗動開始領域W1及び微動開始領域W2において、接触動作及びスワイプ操作を容易に行うことができる。
【0109】
図14は、撮像装置10が縦位置である場合の領域設定の例を示す図である。
【0110】
図14に示す例は、撮像装置10が縦位置でファインダ11が撮像方向に向かって右側に存在する例である。この場合には、タッチパネル31の短辺L2を二等分して撮像方向に向かって左側の長辺L1に沿ってL2を二等分する形で粗動開始領域W1と微動開始領域W2とを設定する。又、短辺L2を二等分した右側(ファインダ側)には、不感領域W3を設定する。このように粗動開始領域W1、微動開始領域W2、及び不感領域W3を設定することにより、撮像装置10が縦位置になったとしても、ユーザが粗動開始領域W1及び微動開始領域W2において、スワイプ操作を容易に行うことができる。又、不感領域W3を図示した位置に設けることにより、ユーザがファインダ11を覗き込んだ際に顔の一部がタッチパネル31に触れて、指標が誤って移動することを抑制することができる。
【0111】
図15は、撮像装置10の縦位置及び横位置に応じて、粗動開始領域W1、微動開始領域W2、及び不感領域W3の領域設定の流れを示すフローチャートである。
【0112】
先ず姿勢センサ51により撮像装置10の位置を検出する(ステップS20)。そして、領域設定部105は、撮像装置10が横位置であるか否かを判定する(ステップS21)。撮像装置10が横位置である場合には、横位置用の粗動開始領域W1と微動開始領域W2の領域設定を行う(ステップS22)。横位置用の領域設定の例としては、
図5及び
図11で示した例が挙げられる。
【0113】
一方、撮像装置10が横位置でなく縦位置である場合には、領域設定部105は、姿勢センサ51の検出結果に基づいて、ファインダ11が撮像方向に向かって左側にある縦位置であるか否かを判定する(ステップS23)。領域設定部105は、ファインダ11が左側にあると判定した場合には、縦位置(ファインダ11が左側)用の粗動開始領域W1と微動開始領域W2の領域設定を行う(ステップS24)。尚、縦位置(ファインダ11が左側)用の粗動開始領域W1と微動開始領域W2の領域設定の例としては、
図13で示した例が挙げられる。又領域設定部105は、ファインダ11が右側にあると判定した場合には、縦位置(ファインダ11が右側)用の粗動開始領域W1と微動開始領域W2の領域設定を行う(ステップS25)。尚、縦位置(ファインダ11が右側)用の粗動開始領域W1と微動開始領域W2の領域設定の例としては、
図14で示した例が挙げられる。
【0114】
以上のように、姿勢センサ51の検出結果に基づいて、粗動開始領域W1、微動開始領域W2の領域設定、及び不感領域W3の領域設定を行うことにより、ユーザは無理なくタッチパネル31に対してスワイプ操作を行うことができる。
【0115】
<第4の実施形態>
次に第4の実施形態に関して説明する。本実施形態では、ユーザがスワイプ操作で戻し操作を行った場合には、領域の設定が変更される。
【0116】
図16は、本実施形態のCPU40の主な機能構成例を示すブロック図である。尚、
図4で既に説明を行った箇所は、同じ符号を付し説明は省略する。
【0117】
本実施形態のCPU40は、感度設定部101、移動制御部103、及び感度強制設定部107を備える。尚、
図4で既に説明を行った箇所は同じ符号を付し説明は省略する。
【0118】
感度強制設定部107は、感度を強制的に設定する。ここで、感度を強制的に設定するとは、予め設定されていた粗動感度と微動感度との受付設定を強制的に切り替える。例えば、感度強制設定部107は、粗動開始領域W1と微動開始領域W2とを入れ替えることにより、予め設定されていた粗動感度と微動感度との受付設定を強制的に切り替える。受付設定の切り替えとは、例えば粗動開始領域W1と微動開始領域W2との領域を入れ替えることである。
【0119】
感度強制設定部107は、スワイプ操作の開始地点(接触動作の地点)と、スワイプ操作の終了地点との間の距離が閾値以下である場合に、第1の感度の受付設定と第2の感度の受付設定とを強制的に切り替える。これは開始地点と終了地点との間の距離が閾値以下である場合には、感度強制設定部107はユーザが戻し操作を行ったと判定するからである。尚、スワイプ操作の開始地点及び終了地点は、タッチパネル31により検出される。
【0120】
又、感度強制設定部107は、感度に応じて戻し操作を判定する閾値を変えてもよい。例えば感度強制設定部107は、粗動感度で指標が移動している場合には、開始地点と終了地点との間の距離が第1の閾値以下である場合には微動感度に切り替える。又例えば感度強制設定部107は、微動感度で指標が移動している場合には、開始地点と終了地点との間の距離が第2の閾値以下である場合には粗動感度に強制的に切り替える。尚、第1の閾値は第2の閾値よりも大きく設定されている。これは粗動感度の場合には、指標は長い距離を移動することが多く、微動感度の場合は短い距離を移動することが多いからである。
【0121】
図17及び
図18は、戻し操作の例を示す図である。
図17は、タッチパネル31におけるスワイプ操作を示す図である。又、
図18は、
図17に示したスワイプ操作に連動して、ファインダ用モニタ13でのフォーカスエリアFの移動を示す図である。尚、接触動作における開始地点(開始座標)T1は、微動開始領域W2において開始され、指120は矢印122に沿ってスワイプ操作を行い、終了地点(終了座標)T2においてスワイプ操作が終了する。この戻し操作に連動して、
図18に示すようにファインダ用モニタ13では、指標の一例であるフォーカスエリアFの位置が矢印124に沿って移動する。感度強制設定部107は、開始地点T1と終了地点T2との間の距離が閾値以下であるので、戻し操作が行われたと判定する。そして、感度強制設定部107は、
図17に示す粗動開始領域W1と微動開始領域W2との領域を変更する。すなわち、戻し操作が行われた後は、指標は粗動感度により移動する。
【0122】
次に、戻し操作の検出及び受付設定の変更の流れを説明する。
【0123】
図19は、戻し操作の検出及び受付設定の変更の流れを示すフローチャートである。
【0124】
先ず、タッチパネル31がスワイプ操作の開始である接触動作を検出する(ステップS30)。タッチパネル31が接触動作を検出すると、タッチパネル31は接触動作の開始座標T1を取得する(ステップS31)。その後、タッチパネル31はスワイプ操作の終了を検出する(ステップS32)。そして、スワイプ操作の終了座標T2を取得する(ステップS33)。
【0125】
その後、感度強制設定部107は開始座標T1が粗動開始領域W1であるか否かを判定する(ステップS34)。そして、スワイプ操作の開始座標T1が粗動開始領域W1である場合には、感度強制設定部107により、開始座標T1と終了座標T2との距離が第1の閾値以下であるか否かが判定される(ステップS35)。開始座標T1と終了座標T2との距離が第1の閾値以下である場合には、感度強制設定部107は、開始座標T1が微動開始領域内となるように、領域の変更を行う(ステップS36)。開始座標T1と終了座標T2との距離が第1の閾値より大きい場合には、感度強制設定部107は領域の変更を行わない。
【0126】
一方、スワイプ操作の開始座標T1が粗動開始領域W1である場合には、感度強制設定部107により、開始座標T1と終了座標T2との距離が第2の閾値以下であるか否かが判定される(ステップS37)。開始座標T1と終了座標T2との距離が第2の閾値以下である場合には、感度強制設定部107は、スワイプ操作の開始座標T1が粗動開始領域内となるように、領域の変更を行う(ステップS38)。開始座標T1と終了座標T2との距離が第2の閾値より大きい場合には、感度強制設定部107は領域の変更を行わない。
【0127】
このように、感度強制設定部107は、戻し操作の判定を閾値を使用して行い、感度を強制的に変更するので、ユーザは簡便に異なる感度により指標を移動させることができる。
【0128】
<その他>
以上の説明では、タッチパネル31の領域において、粗動開始領域W1と微動開始領域W2とを設ける例について説明した。しかし、感度設定部101は、他の態様によっても粗動感度と微動感度とを設定することができる。
【0129】
感度設定部101は、接触動作の押圧により、指標の移動感度を設定してもよい。感度設定部101は、接触動作が第1の押圧で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の押圧で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0130】
又、感度設定部101は、接触面積により、指標の移動感度を設定してもよい。感度設定部101は、接触動作が第1の接触面積で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の接触面積で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0131】
また、感度設定部101は、タッチパネル31への接触の指120の本数により、感度を設定してもよい。感度設定部101は、接触動作が第1の指120の本数で行われた場合には、第1の感度に設定し、接触動作が第2の指120の本数で行われた場合には、第2の感度に設定する。
【0132】
又以上の説明では、指標はフォーカスエリアFの指標に関して説明したが、これに限定されるものではない。指標は、重畳表示される位置に応じて撮像条件又は画像処理条件を指示するもであれば特に限定されない。例えばホワイトバランスの補正量を示す指標に関しても、本発明は適用される。
【0133】
図20は、ファインダ用モニタ13に表示されるライブビュー画像に、重畳してホワイトバランスシフト画像が表示されていることを示す図である。
【0134】
ライブビュー画像に重畳的に表示されるホワイトバランスシフト画像(WBシフト画像)131では、赤軸(R)、青軸(B)、緑軸(G)、及び黄色軸(Y)がそれぞれ示されており、指標Sを移動させることによりホワイトバランスシフト量を調整する。具体的には、指標Sを移動させることにより、ホワイトバランスシフト量を調整し、そのホワイトバランスシフト量がライブビュー画像に反映されるので、ユーザは意図するホワイトバランスの調整を行うことができる。この場合に、WBシフト画像において、ユーザが意図するように微動感度及び粗動感度で指標を動かすことにより、素早く且つ正確にWBシフト画像上で指標を移動させることができる。
【0135】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0136】
1 :ストロボ
2 :シャッタボタン
3 :電源/モードスイッチ
4 :モードダイヤル
5 :ズームボタン
5T :テレボタン
5W :ワイドボタン
6 :十字ボタン
7 :MENU/OKボタン
8 :再生ボタン
9 :BACKボタン
10 :撮像装置
11 :ファインダ
12 :撮影レンズ
13 :ファインダ用モニタ
14 :絞り
15 :メカシャッタ
16 :撮像素子
17 :アイセンサ
22 :画像入力コントローラ
24 :画像処理部
26 :圧縮伸張処理部
28 :ビデオエンコーダ
30 :背面モニタ
31 :タッチパネル
32 :センサ駆動部
33 :シャッタ駆動部
34 :絞り駆動部
36 :レンズ駆動部
38 :操作部
40 :CPU
42 :AF処理部
44 :AE検出部
47 :ROM
48 :メモリ
49 :タッチセンサ入力部
51 :姿勢センサ
52 :メディアコントローラ
54 :メモリカード
101 :感度設定部
103 :移動制御部
105 :領域設定部
107 :感度強制設定部
ステップS10-S15:撮像方法の工程
ステップS20-S25:領域設定の工程
ステップS30-S38:戻し操作の検出及び受付設定の変更の工程