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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】試料加工観察方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20221005BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20221005BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/317 D
H01J37/20 A
H01J37/20 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018196666
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020064780
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】503460323
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクサイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀和
(72)【発明者】
【氏名】麻畑 達也
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150990(JP,A)
【文献】特開2006-114225(JP,A)
【文献】特開2006-128068(JP,A)
【文献】特開2007-018928(JP,A)
【文献】特開2007-250371(JP,A)
【文献】特開2013-197046(JP,A)
【文献】特開2014-041734(JP,A)
【文献】国際公開第2014/195998(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104520963(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/28
H01J 37/317
H01J 37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集束イオンビームを照射する集束イオンビーム鏡筒と、電子ビームを照射する電子ビーム鏡筒と、試料を載置するステージと、前記試料から切り出された観察対象部を含む試料片を保持する試料片支持体と、を備えた荷電粒子ビーム装置を用いて、前記試料の観察対象部を含む断面の加工およびSEM画像を得る試料加工観察方法であって、
前記集束イオンビームを前記試料に照射して、前記試料から前記試料片を切り出す試料片形成工程と、
前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記試料片の前記断面に前記集束イオンビームを照射して、前記断面の加工を行う断面加工工程と、
前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記集束イオンビームのビーム光軸と前記電子ビームのビーム光軸との交点よりも前記電子ビーム鏡筒に近接する位置まで前記試料片を移動させる試料片近接移動工程と、
前記試料片の前記断面に向けて前記電子ビームを照射して、前記断面のSEM画像を取得するSEM画像取得工程と、
前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記試料片の前記断面が前記電子ビームのビーム光軸に対して直角になるように傾斜させる試料片角度調節工程と、を備え
前記断面加工工程から前記試料片近接移動工程を経て前記画像取得工程までを、少なくとも複数回繰り返すことを特徴とする試料加工観察方法。
【請求項2】
前記集束イオンビームのビーム軌道を中心に磁場が対称になるように前記ステージを配置する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の試料加工観察方法。
【請求項3】
前記集束イオンビームによる前記試料片の加工時に、前記試料片を複数の前記試料片支持体どうしで移し変える制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の試料加工観察方法。
【請求項4】
前記試料片角度調節工程は、複数の前記試料片支持体どうしの間で前記試料片を受け渡して行うことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載の試料加工観察方法。
【請求項5】
前記試料片にドリフト補正マークを形成する補正マーク形成工程を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項記載の試料加工観察方法。
【請求項6】
前記断面加工工程またはSEM画像取得工程の少なくともいずれか一方では、前記試料を載置するステージを前記試料片に向けて接近動作させることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項記載の試料加工観察方法。
【請求項7】
前記断面加工工程では、前記試料片の周縁部分の少なくとも一部よりも内側だけを薄膜化させることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項記載の試料加工観察方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビームを用いて試料の加工および観察を行う試料加工観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイス等の試料の内部構造を解析したり、立体的な観察を行ったりする手法の1つとして、集束イオンビーム(Focused Ion Beam;FIB)鏡筒、電子ビーム(Electron Beam;EB)鏡筒を搭載した荷電粒子ビーム複合装置を用いて、FIBによる断面形成加工と、その断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)により観察を行う断面加工観察方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この断面加工観察方法は、FIBによる断面形成加工とSEMによる断面観察を繰り返して3次元画像を構築する手法が知られている。この手法では、再構築した3次元立体像から、対象試料の立体的な形体を様々な方向から詳細に解析することができる。特に、試料の厚さに依存することなく高分解能で観察することができるという、他の方法にはない利点を有している。
【0004】
その一方で、SEMは原理上、高倍率(高分解能)の観察に限界があり、また得られる情報も試料表面近くに限定される。このため、より高倍率で高分解能の観察のために、薄膜状に加工した試料に電子を透過させる透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy:TEM)を用いた観察方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-232195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複合荷電粒子ビーム装置を用いて試料の断面加工を高精度に行うためには、高解像度のSEM画像を取得する必要がある。高解像度のSEM画像を取得するためには、電子ビーム鏡筒と試料との距離(working distance:WD)を可能な限り狭めることが望ましい。しかしながら、従来の複合荷電粒子ビーム装置は、試料が載置されたステージと電子ビーム鏡筒との干渉を避ける必要があり、WDを狭めることは困難であった。
【0007】
また、ステージと電子ビーム鏡筒との干渉を避けるために、ステージをより小型化することも考えられるが、この場合、小型化したステージに載置できる試料サイズが制限されるため、大きなステージに載置された試料から観察対象部分をピックアップして、小型化した専用のステージに移載してSEM画像を取得することになる。この場合、大きなステージと小型化した専用のステージとでは形状や容量が異なるため、試料観察位置付近の電界分布が異なってしまい、電界の補正が必要となる。しかしながら電界の補正が可能な範囲には制限があり、電界の補正範囲を超える場合は二次電子検出器の検出効率が低下し、コントラストが低いSEM画像しか得られないという課題もある。
【0008】
また、従来の一般的な複合荷電粒子ビーム装置の場合、試料断面に対して電子ビーム鏡筒の観察角度(電子ビームの入射角度)は概ね54°になっており、得られたSEM画像は上下方向に収縮した画像となる。このため、縦横比を実際の試料と合致させるためにSEM画像を縦方向に引き伸ばす補正を行っているが、ソフトウエア的に画像加工されたSEM画像は、実際の試料断面像を正確に反映していない不正確な画像になってしまうという課題もある。
【0009】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ステージのサイズを変更することなく電子ビーム鏡筒と試料との距離を狭めて高解像度のSEM画像を得ることが可能であり、かつ試料の観察面に正対したSEM画像を得ることが可能な試料加工観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本実施形態の態様は、以下のような試料加工観察方法を提供した。
すなわち、本発明の試料加工観察方法は、集束イオンビームを照射する集束イオンビーム鏡筒と、電子ビームを照射する電子ビーム鏡筒と、試料を載置するステージと、前記試料から切り出された観察対象部を含む試料片を保持する試料片支持体と、を備えた荷電粒子ビーム装置を用いて、前記試料の観察対象部を含む断面の加工およびSEM画像を得る試料加工観察方法であって、前記集束イオンビームを前記試料に照射して、前記試料から前記試料片を切り出す試料片形成工程と、前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記試料片の前記断面に前記集束イオンビームを照射して、前記断面の加工を行う断面加工工程と、前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記集束イオンビームのビーム光軸と前記電子ビームのビーム光軸との交点よりも前記電子ビーム鏡筒に近接する位置まで前記試料片を移動させる試料片近接移動工程と、前記試料片の前記断面に向けて前記電子ビームを照射して、前記断面のSEM画像を取得するSEM画像取得工程と、前記試料片を前記試料片支持体で支持し、前記試料片の前記断面が前記電子ビームのビーム光軸に対して直角になるように傾斜させる試料片角度調節工程と、を備え、前記断面加工工程から前記試料片近接移動工程を経て前記画像取得工程までを、少なくとも複数回繰り返すことを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、前記集束イオンビームのビーム軌道を中心に磁場が対称になるように前記ステージを配置する制御を行うことを特徴とする。
また、本発明では、前記集束イオンビームによる前記試料片の加工時に、前記試料片を複数の前記試料片支持体どうしで移し変える制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、前記試料片にドリフト補正マークを形成する補正マーク形成工程を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明では、前記試料片支持体は複数形成され、前記試料片角度調節工程は、複数の前記試料片支持体どうしの間で前記試料片を受け渡して行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、前記断面加工工程またはSEM画像取得工程の少なくともいずれか一方では、前記試料を載置するステージを前記試料片に向けて接近動作させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明では、前記断面加工工程では、前記試料片の周縁部分の少なくとも一部よりも内側だけを薄膜化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特殊なステージを用いることなく電子ビーム鏡筒と試料との距離を狭めて、高解像度のSEM画像を容易に得ることが可能な試料加工観察方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の荷電粒子ビーム装置の一例を示す構成図である。
図2】本発明の試料加工観察方法を段階的に示したフローチャートである。
図3】第1実施形態を示す説明図である。
図4】第1実施形態の変形例を示す説明図である。
図5】第2実施形態を示す説明図である。
図6】第3実施形態を示す説明図である。
図7】第4実施形態を示す説明図である。
図8】第4実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である荷電粒子ビーム装置、および試料加工観察方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0023】
(荷電粒子ビーム装置)
図1は、本発明の一実施形態の荷電粒子ビーム装置を示す構成図である。
本発明の一実施形態の荷電粒子ビーム装置(複合荷電粒子ビーム装置)10は、図1に示すように、内部を真空状態に維持可能な試料室11と、試料室11の内部において、バルクの試料Vを保持するための試料ホルダPを固定可能なステージ12と、ステージ12を駆動するステージ駆動機構13と、を備えている。
【0024】
荷電粒子ビーム装置10は、試料室11の内部における所定の照射領域(つまり走査範囲)内の照射対象に荷電粒子ビーム、例えば集束イオンビーム(FIB)を照射する集束イオンビーム鏡筒14を備えている。本実施形態では、集束イオンビーム(FIB)として、ガリウムイオンビームが用いられる。
【0025】
荷電粒子ビーム装置10は、試料室11の内部における所定の照射領域内の照射対象に電子ビーム(EB)を照射する電子ビーム鏡筒15を備えている。
荷電粒子ビーム装置10は、集束イオンビーム(FIB)または電子ビーム(EB)の照射によって照射対象から発生する二次荷電粒子(二次電子、二次イオン)Rを検出する検出器16を備えている。
【0026】
荷電粒子ビーム装置10は、試料室11の内部における所定の照射領域内の照射対象に荷電粒子ビームである気体イオンビーム(GB)を照射する気体イオンビーム鏡筒18を備えている。本実施形態では、気体イオンビーム(GB)として、アルゴンイオンビームが用いられる。
【0027】
これら集束イオンビーム鏡筒14、電子ビーム鏡筒15、および気体イオンビーム鏡筒18は、それぞれのビーム照射軸がステージ12上の実質的な1点である交点Cで交差可能なように配置されている。即ち、本実施形態では、試料室11を側面から平面視した時に、電子ビーム鏡筒15は鉛直方向に沿って配置され、集束イオンビーム鏡筒14と気体イオンビーム鏡筒18は、それぞれ鉛直方向に対して例えば60°と45°傾斜した方向に沿って配置されている。こうした配置レイアウトにより、試料室11を側面から平面視した時に、集束イオンビーム鏡筒14から照射される集束イオンビーム(FIB)のビーム照射軸に対して、気体イオンビーム(GB)のビーム照射軸は、例えば直角に交わる方向になる。
【0028】
荷電粒子ビーム装置10は、照射対象の表面にガスGを供給するガス供給部17を備えている。ガス供給部17は具体的には外径200μm程度のノズル17aなどである。
【0029】
荷電粒子ビーム装置10は、ステージ12に固定された試料Vから試料片Sを取り出し、この試料片Sを保持するニードル19aおよびニードル19aを駆動して試料片Sを移動、回転させるニードル駆動機構19bからなる試料片支持体19を備えている。
また、ニードル19aに流入する荷電粒子ビームの流入電流(吸収電流とも言う)を検出し、流入電流信号はコンピュータに送り画像化する吸収電流検出器20と、を備えている。
【0030】
本実施形態では、試料片支持体19は1つだけ形成されているが、試料片支持体19を複数形成することもできる。例えば、試料片支持体19が2つ形成される場合には、試料片支持体19どうしが、水平回りで互いに180°対向して配置されていたり、互いに90°の角度で配置されていればよい。
【0031】
荷電粒子ビーム装置10は、検出器16によって検出された二次荷電粒子Rに基づく画像データなどを表示する表示装置21と、コンピュータ(制御部)22と、入力デバイス23と、を備えている。なお、集束イオンビーム鏡筒14および電子ビーム鏡筒15の照射対象は、ステージ12に固定された試料V、試料片Sなどである。
【0032】
荷電粒子ビーム装置10は、照射対象の表面に荷電粒子ビームを走査しながら照射することによって、被照射部の画像化やスパッタリングによる各種の加工(掘削、トリミング加工など)と、デポジション膜の形成などが実行可能である。荷電粒子ビーム装置10は、試料Vから試料片Sの切り出し、切り出した試料片SからTEMによる観察に用いる微小試料片(例えば、薄片試料、針状試料など)や電子ビーム利用の分析試料片を形成する加工を実行可能である。
【0033】
荷電粒子ビーム装置10は、試料片支持体19のニードル19aの先端で試料Vから切り出した試料片Sを保持した状態で、試料片Sに向けて集束イオンビーム(FIB)や気体イオンビーム(GB)を照射して、試料片Sの観察対象部を含む断面の加工を行うことができる。
【0034】
また、荷電粒子ビーム装置10は、試料片支持体19のニードル19aの先端で試料片Sを保持した状態で、試料片Sの断面に向けて電子ビーム(EB)を照射して、試料片Sの断面から生じた二次荷電粒子(二次電子、二次イオン)Rを検出器16で検出することで、試料片Sの断面のSEM画像を取得することができる。
【0035】
吸収電流検出器20は、プリアンプを備え、ニードルの流入電流を増幅し、コンピュータ22に送る。吸収電流検出器20により検出されるニードル流入電流と荷電粒子ビームの走査と同期した信号により、表示装置21にニードル形状の吸収電流画像を表示でき、ニードル形状や先端位置特定が行える。
【0036】
試料室11は、排気装置(図示略)によって内部を所望の真空状態になるまで排気可能であるとともに、所望の真空状態を維持可能に構成されている。
ステージ12は、試料Vを保持する。ステージ12は、試料Vを固定する試料ホルダPを保持するホルダ固定台12aを備えている。このホルダ固定台12aは複数の試料ホルダPを搭載できる構造であってもよい。
【0037】
ステージ駆動機構13は、ステージ12に接続された状態で試料室11の内部に収容されており、コンピュータ(制御部)22から出力される制御信号に応じてステージ12を所定軸に対して変位させる。ステージ駆動機構13は、少なくとも水平面に平行かつ互いに直交するX軸およびY軸と、X軸およびY軸に直交する鉛直方向のZ軸とに沿って平行にステージ12を移動させる移動機構13aを備えている。ステージ駆動機構13は、ステージ12をX軸またはY軸周りに傾斜させる傾斜機構13bと、ステージ12をZ軸周りに回転させる回転機構13cと、を備えている。
【0038】
集束イオンビーム鏡筒14は、試料室11の内部においてビーム出射部(図示略)を、照射領域内のステージ12の鉛直方向に対して所定角度(例えば60°)傾斜した傾斜方向でステージ12に臨ませるとともに、光軸を傾斜方向に平行にして、試料室11に固定されている。これによって、ステージ12に載置された試料V、試料片S、および照射領域内に存在するニードル19aなどの照射対象に傾斜方向の上方から下方に向かい集束イオンビームを照射可能である。
【0039】
集束イオンビーム鏡筒14は、イオンを発生させるイオン源14aと、イオン源14aから引き出されたイオンを集束および偏向させるイオン光学系14bと、を備えている。イオン源14aおよびイオン光学系14bは、コンピュータ(制御部)22から出力される制御信号に応じて制御され、荷電粒子ビームの照射位置および照射条件などがコンピュータ22によって制御される。
【0040】
イオン源14aは、例えば、液体ガリウムなどを用いた液体金属イオン源やプラズマ型イオン源、ガス電界電離型イオン源などである。イオン光学系14bは、例えば、コンデンサレンズなどの第1静電レンズと、静電偏向器と、対物レンズなどの第2静電レンズと、などを備えている。イオン源14aとして、プラズマ型イオン源を用いた場合、大電流ビームによる高速な加工が実現でき、サイズの大きな試料片Sの摘出に好適である。例えば、ガス電界電離型イオン源としてアルゴンイオンを用いることで、集束イオンビーム鏡筒14からアルゴンイオンビームを照射することもできる。
【0041】
電子ビーム鏡筒15は、試料室11の内部においてビーム出射部(図示略)を、照射領域内のステージ12の鉛直方向上方の位置でステージ12に臨ませるとともに、光軸を鉛直方向に平行にして、試料室11に固定されている。これによって、ステージ12に固定された試料V、試料片S、および照射領域内に存在するニードル19aなどの照射対象に鉛直方向上方から下方に向かい電子ビームを照射可能である。
【0042】
電子ビーム鏡筒15は、電子を発生させる電子源15aと、電子源15aから射出された電子を集束および偏向させる電子光学系15bと、を備えている。電子源15aおよび電子光学系15bは、コンピュータ(制御部)22から出力される制御信号に応じて制御され、電子ビームの照射位置および照射条件などがコンピュータ22によって制御される。電子光学系15bは、例えば、電磁レンズや偏向器などを備えている。
【0043】
なお、電子ビーム鏡筒15と集束イオンビーム鏡筒14の配置を入れ替えて、電子ビーム鏡筒15を鉛直方向に所定角度傾斜した傾斜方向に、集束イオンビーム鏡筒14を鉛直方向に配置してもよい。
【0044】
気体イオンビーム鏡筒18は、例えばアルゴンイオンビームなどの気体イオンビーム(GB)を照射する。気体イオンビーム鏡筒18は、アルゴンガスをイオン化して1kV程度の低加速電圧で照射することができる。こうした気体イオンビーム(GB)は、集束イオンビーム(FIB)に比べて集束性が低いため、試料片Sや微小試料片Qに対するエッチングレートが低くなる。よって、試料片Sや微小試料片Qの精密な仕上げ加工に好適である。
【0045】
検出器16は、試料V、試料片Sおよびニードル19aなどの照射対象に荷電粒子ビームや電子ビームが照射された時に照射対象から放射される二次荷電粒子(二次電子、二次イオン)Rの強度(つまり、二次荷電粒子の量)を検出し、二次荷電粒子Rの検出量の情報を出力する。検出器16は、試料室11の内部において二次荷電粒子Rの量を検出可能な位置、例えば照射領域内の試料V、試料片Sなどの照射対象に対して斜め上方の位置などに配置され、試料室11に固定されている。
【0046】
ガス供給部17は試料室11に固定されており、試料室11の内部においてガス噴射部(ノズルとも言う)を有し、ステージ12に臨ませて配置されている。ガス供給部17は、集束イオンビーム(FIB)による試料V、試料片Sのエッチングを、これらの材質に応じて選択的に促進するためのエッチング用ガスと、試料V、試料片Sの表面に金属または絶縁体などの堆積物によるデポジション膜を形成するためのデポジション用ガスなどを試料V、試料片Sに供給可能である。
【0047】
試料片支持体19を構成するニードル駆動機構19bは、ニードル19aが接続された状態で試料室11の内部に収容されており、コンピュータ(制御部)22から出力される制御信号に応じてニードル19aを変位させる。ニードル駆動機構19bは、ステージ12と一体に設けられており、例えばステージ12が傾斜機構13bによって傾斜軸(つまり、X軸またはY軸)周りに回転すると、ステージ12と一体に移動する。
【0048】
ニードル駆動機構19bは、3次元座標軸の各々に沿って平行にニードル19aを移動させる移動機構(図示略)と、ニードル19aの中心軸周りにニードル19aを回転させる回転機構(図示略)と、を備えている。なお、この3次元座標軸は、試料ステージの直交3軸座標系とは独立しており、ステージ12の表面に平行な2次元座標軸とする直交3軸座標系で、ステージ12の表面が傾斜状態、回転状態にある場合、この座標系は傾斜し、回転する。
【0049】
コンピュータ(制御部)22は、少なくともステージ駆動機構13と、集束イオンビーム鏡筒14と、電子ビーム鏡筒15と、ガス供給部17と、ニードル駆動機構19bを制御する。
【0050】
また、コンピュータ22は、試料室11の外部に配置され、表示装置21と、操作者の入力操作に応じた信号を出力するマウスやキーボードなどの入力デバイス23とが接続されている。コンピュータ22は、入力デバイス23から出力される信号または予め設定された自動運転制御処理によって生成される信号などによって、荷電粒子ビーム装置10の動作を統合的に制御する。
【0051】
コンピュータ22は、荷電粒子ビームの照射位置を走査しながら検出器16によって検出される二次荷電粒子Rの検出量を、照射位置に対応付けた輝度信号に変換して、二次荷電粒子Rの検出量の2次元位置分布によって照射対象の形状を示す画像データを生成する。
【0052】
コンピュータ22は、生成した各画像データとともに、各画像データの拡大、縮小、移動、および回転などの操作を実行するための画面を、表示装置21に表示させる。コンピュータ22は、自動的なシーケンス制御におけるモード選択および加工設定などの各種の設定を行なうための画面を、表示装置21に表示させる。
【0053】
(試料加工観察方法:第1実施形態)
上述した構成の荷電粒子ビーム装置10を用いた本発明の第1実施形態の試料加工観察方法を、図1~4を用いて説明する。
図2は、本発明の試料加工観察方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明の試料加工観察方法によって観察対象部を含む試料片Sの観察断面を形成する際には、まず、観察対象部が含まれるバルクの試料Vを試料ホルダPにセットして、ステージ12上に載置する。観察対象部が含まれる試料Vとしては、例えば、微細な集積回路を形成した半導体チップなどが挙げられる。
【0054】
次に、ステージ12上に載置された試料Vから、観察対象部を含む小領域を切り出して、試料片Sを作成する(試料片形成工程S1)。試料片形成工程S1では、集束イオンビーム鏡筒14から試料Vに向けて集束イオンビーム(FIB)、例えばガリウムイオンビームを照射する。この時、試料Vに予め設定された観察対象部を含む小領域の外縁に沿って集束イオンビーム(FIB)を照射する。これにより、試料Vから、観察対象部を含む小領域を切り出した試料片Sが得られる。試料片Sは、例えば矩形の薄板状に形成される。
【0055】
次に、試料片支持体19のニードル駆動機構19bを操作して、ニードル19aの先端を、切り出した試料片Sの外面、例えばSEMによる観察断面を形成する加工面(断面)に直角な側面に接触させる。
【0056】
そして、ガス供給部17のノズル17aからニードル19aと試料片Sとの接触部分に向けてデポジション用ガス、例えばカーボン系ガスを供給しつつ、この部分に集束イオンビーム鏡筒14から集束イオンビーム(FIB)を照射する。これにより、ニードル19aの先端と試料片Sとの接触部分にデポジション膜が形成される。こうしたデポジション膜によって、ニードル19aの先端と試料片Sとが接着され、試料片Sはニードル19aに支持される。
【0057】
次に、集束イオンビーム(FIB)によって、試料片Sに対してマッチング用マーク(1ポイントドリフト補正マーク)を形成する。マッチング用マークの形成位置は、次工程である断面加工工程S2で消滅しない位置に形成される。次に、試料片Sに加工面(断面)であるスライス加工枠を設定する。この時、ドリフト補正機能をセットする。
【0058】
次に、図3(a)に示すように、この試料片Sの加工面が、それぞれのビーム照射軸が1点で交差する交点Cに一致するように、試料片Sを支持するニードル19aを動かす。そして、例えば試料片Sの加工面(断面)に対して平行な方向に集束イオンビーム鏡筒14から集束イオンビーム(FIB)を照射して、試料片Sの加工面を所定の深さまで削る(断面加工工程S2)。
【0059】
次に、図3(b)に示すように、試料片Sをニードル19aに保持させたまま、ニードル駆動機構19bを介してニードル19aを操作し、試料片Sの加工面が交点Cよりも電子ビーム鏡筒15の照射端に近接するように試料片Sを移動(図3(b)中のZ方向)させる(試料片近接移動工程S3)。すなわち、試料片Sの加工面に対する電子ビーム鏡筒15のワーキングディスタンスが交点Cに比べて小さくなる位置に試料片Sを移動させる。
【0060】
次に、図3(c)に示すように、ニードル駆動機構19bを介してニードル19aを回転させ、試料片Sの加工面(断面)が電子ビーム鏡筒15のビーム光軸に対して直角になるように傾斜させる(試料片角度調節工程S4)。なお、ここで試料片Sの加工面(断面)と電子ビーム鏡筒15のビーム光軸とは、90°±5°範囲でほぼ直角になっていれば、後述するSEM画像の取得時に完全な直角(90°)とほぼ同等の効果が得られる。
【0061】
次に、電子ビーム鏡筒15のビーム光軸に対して加工面(断面)が直角に広がるようにされた試料片Sに向けて、電子ビーム鏡筒15から電子ビーム(EB)を照射する。この時、前工程の試料片角度調節工程S4を経ることで、電子ビーム(EB)は、試料片Sの加工面(断面)に対してほとんど直角に入射する。そして、試料片Sの加工面(断面)から出た二次電子(二次荷電粒子)を検出器16で検出し、検出器16の出力信号に基づいて加工面(断面)のSEM画像をコンピュータ22で形成し、表示装置21に表示する(SEM画像取得工程S5)。なお、SEM画像取得工程S5においては、試料片Sのエッジ部分などでマッチングを行い、SEM画像取得の際の中心位置を自動認識する。
【0062】
このように、試料片近接移動工程S3を経た試料片Sの加工面(断面)のSEM画像は、従来のように、試料片Sの加工面(断面)が交点Cの位置にある状態で得られたSEM画像と比較して、試料片Sの加工面(断面)の位置がより電子ビーム鏡筒15に近接した位置でのSEM画像であるので、加工面(断面)の様子がより一層鮮明になり、拡大倍率を上げても細部まで鮮明に映し出すことができる。従って、観察対象物の構造が微細で複雑な試料片Sであっても、加工面(断面)の状態を正確に把握することができる。
【0063】
また、試料片角度調節工程S4によって、試料片Sの加工面(断面)と電子ビーム鏡筒15のビーム光軸とが直角になるように試料片Sを動かす(回転させる)ことによって、SEM画像取得工程S5で得られる加工面(断面)のSEM画像は、従来のように電子ビーム鏡筒15のビーム光軸に対して直角よりも傾斜した(例えば54°)状態でのSEM画像と比較して、上下方向に収縮が殆どない。これにより、得られたSEM画像をソフトウエア的に画像加工することなく、加工面(断面)の形状を歪みなく正確に反映されたSEM画像を得ることができる。
【0064】
この後、SEM画像取得工程S5で得られる加工面(断面)の様子を確認し、再び断面加工工程S2からSEM画像取得工程S5までを、所望の加工面(断面)が得られるまで繰り返す。試料片Sが集束イオンビーム(FIB)による加工位置に戻った際には、ドリフト補正マークの認識を実行する。
【0065】
また、断面加工工程S2からSEM画像取得工程S5までを、予め設定した所望の回数繰り返し、試料片Sの特定領域における連続した複数の断面のSEM画像を取得して、試料片Sの特定領域の立体像を生成することもできる。つまり、少なくとも、断面加工工程S2において試料片Sを交点Cに移動させ、加工面をスライス加工し、試料片近接移動工程S3において試料片Sを交点Cよりも電子ビーム鏡筒15の照射端に近接するように移動させ、SEM画像取得工程S5においてSEM画像を取得するプロセスを繰り返し実施する。コンピュータ22は、加工位置と観察位置との間を試料片Sが往復するようにニードル駆動機構19bを制御する。これにより、試料片の連続的な断面加工観察を実施することができる。また、断面加工観察により取得した情報に基づき断面工観察を施した領域の立体像を生成することができる。
【0066】
SEM画像取得工程S5から断面加工工程S2に移行する際には、試料片Sをニードル19aに固定したまま、試料片角度調節工程S4の逆回転操作を行い、続けて試料片近接移動工程S3の逆行操作を行えばよい。
【0067】
以上のように、本発明の試料加工観察方法によれば、このように、試料片Sの加工面(断面)の加工とSEM画像による観察とを、試料片Sをニードル19aに固定したまま行うことができるので、試料片Sを例えば専用ステージに移動させることなく観察することができ、作業時間を大幅に短縮できる。
【0068】
また、試料片Sをニードル19aに固定したままSEM画像による観察ができるので、観察位置付近でニードル19aよりも体積の大きい専用のステージを用いた場合よりも電界分布の変化が小く抑えられる。よって、取得したSEM画像のコントラストの低下を防止でき、高コントラストの鮮明なSEM画像を得ることができる。
【0069】
上述した第1実施形態の試料加工観察方法の変形例として、集束イオンビーム(FIB)を用いた断面加工工程S2の完了後に、気体イオンビーム鏡筒18から気体イオンビーム(GB)、例えばアルゴンイオンビームを照射して、試料片Sの加工面(断面)の仕上げ加工を行うことも好ましい(図4参照)。
【0070】
気体イオンビーム鏡筒18は、アルゴンガスをイオン化して、例えば、1.0keV程度の低加速電圧で照射することができる。こうしたアルゴンイオンビームは、ガリウムイオンビームなどの集束イオンビーム(FIB)に比べて集束性が低いため、試料片Sの加工面(断面)に対するエッチングレートが低くなる。従って、アルゴンイオンビームは、ガリウムイオンビームによって試料片Sの加工面(断面)の加工を行った後の精密な仕上げ加工に好適である。
【0071】
このように、気体イオンビーム(GB)によって試料片Sの加工面(断面)の仕上げ加工を行うことによって、SEM画像取得工程S5で得られる加工面(断面)のSEM画像をより鮮明なものにすることができる。
【0072】
(試料加工観察方法:第2実施形態)
SEM画像の高分解能化のために、電子ビーム鏡筒15と試料片Sとの間に電子レンズを形成させるセミインレンズ方式の電子ビーム鏡筒15を用いる場合、電子レンズの磁場が電子ビーム鏡筒15の外側に生じるために、断面加工工程S2で試料片Sを集束イオンビーム(FIB)で加工する際に、特に低加速の集束イオンビーム(FIB)は、電子ビーム鏡筒15の電子レンズの磁場によってビーム軌道が曲がったり、ビーム形状が歪んだりする虞がある。
【0073】
このため、第2実施形態では、断面加工工程S2において、ステージ駆動機構13を操作してステージ12を、ニードル19aに保持された試料片Sに接近させる(図5(a)参照)。ステージ12は、集束イオンビーム(FIB)のビーム軌道を中心に磁場が概ね対称になるように配置すればよい。
【0074】
同様に、SEM画像取得工程S5においても、ステージ駆動機構13を操作してステージ12を、ニードル19aに保持された試料片Sに接近させる(図5(b)参照)。これによって、電子ビーム(EB)に対して磁場が適切な分布になるように制御できる。ステージ12は、電子ビーム(EB)のビーム軌道を中心に磁場が概ね対称になるように配置すればよい。
【0075】
(試料加工観察方法:第3実施形態)
第3実施形態では、断面加工工程S2において、試料片Sに対して額縁加工を行う。即ち、図6(a)に示すように、試料片Sの一方に向けて第1の照射角度から集束イオンビーム(FIB)を照射し、試料片Sの矩形の加工面(断面)の3辺を所定幅で額縁状に周縁部分を残し(額縁部Sa)、その内側を薄膜化(薄膜部Sb)する。
【0076】
次に、図6(b)に示すように、ニードル19aを回転させて試料片Sの表裏を逆にして、第2の照射角度から集束イオンビーム(FIB)を照射し、試料片Sの矩形の加工面(断面)の3辺を所定幅で額縁状に残し(額縁部Sc)、その内側を薄膜化(薄膜部Sd)する(図6(b)参照)。
【0077】
このような第3実施形態によれば、試料片Sの一部だけを薄膜化し、その周囲を額縁部として薄膜化しない部分を残すことで、一部を薄膜化した試料の強度を保つことができる。そして、試料片Sの表裏で異なる方向から額縁加工することで、薄片部の全ての周囲を額縁化できるので試料の強度を保つことができ、かつ、試料片にカーテン効果による縞が形成されることを抑制できる。
【0078】
(試料加工観察方法:第4実施形態)
第4実施形態は、試料片支持体19を2つ備えた荷電粒子ビーム装置10を用いた例であり、互いに離間して配置された2つのニードル19a1,19a2を有する(図7参照)。まず、第1のニードル19a1で試料片Sを保持する。
【0079】
そして、試料片Sを第2のニードル19a2に移し変え、第2のニードル19a2を回転させることにより、試料片Sへの集束イオンビーム(FIB)の入射角度を変更する(図7(a)参照)。図7(b)に示すように、第2のニードル19a2を、電子ビーム(EB)のビーム光軸と、集束イオンビーム(FIB)のビーム光軸のなす面の法線方向に平行になるように配置する。
【0080】
まず、第1のニードル19a1で試料片Sを支持した状態で、第1の入射角度で集束イオンビーム(FIB)を照射してFIB加工を行う(図8(a)参照)。次に、第2のニードル19a2を試料片Sに接続する(図8(b)参照)。次に、第1のニードル19a1から試料片Sを分離し、第2のニードル19a2を回転させる(図8(c)参照)。そして、第1の入射角度で集束イオンビーム(FIB)を照射してFIB加工を行う(図8(d)参照)。
【0081】
このような第4実施形態の試料加工観察方法によれば、第2のニードル19a2は集束イオンビーム(FIB)のビーム光軸に対して、垂直方向を中心に回転可能であるため、集束イオンビーム(FIB)の試料片Sに対する入射角度の調整が容易になり、試料片Sの加工容易性を高めることができる。
【0082】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
10…荷電粒子ビーム装置、11…試料室、12…ステージ(試料ステージ)、13…ステージ駆動機構、14…集束イオンビーム鏡筒、15…電子ビーム鏡筒、16…検出器、17…ガス供給部、18…気体イオンビーム鏡筒、19a…ニードル、19b…ニードル駆動機構、21…表示装置、22…コンピュータ、23…入力デバイス、33…試料台、P…試料ホルダ、R…二次荷電粒子、S…試料片、V…試料。
図1
図2
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図6
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