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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/249 20060101AFI20221006BHJP
   G01D 5/20 20060101ALN20221006BHJP
【FI】
G01D5/249 K
G01D5/20 110E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018198517
(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公開番号】P2019078754
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】15/790,703
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】テッド ステイトン クック
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス アレン ヒッチマン
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-275062(JP,A)
【文献】特開2000-074608(JP,A)
【文献】特開2015-090303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00- 5/62
G01B 7/00- 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定軸方向に沿って延在し、信号変調スケールパターンを有するスケールと、
検出器と、
前記検出器によって与えられる検出器信号に基づいて前記スケールに沿った前記検出器のアブソリュート位置を決定する信号処理部と、を備え、
前記スケールは、
前記スケール上の周期的スケールトラックにおいて、前記測定軸方向に沿って延在する空間波長Wfを有する周期的パターンと、
前記スケール上のコードスケールトラックにおいて、前記測定軸方向に沿って延在するコードビット長Wcodeを有するアブソリュート位置コードパターンと、を備え、
前記アブソリュート位置コードパターンでは、当該アブソリュート位置コードパターンがアブソリュートコード範囲ACRを与え、N個の連続コードビットのグループのそれぞれが、前記アブソリュートコード範囲ACR内の対応するアブソリュート位置を一意に識別し、
前記検出器は、
前記スケールに対して前記測定軸方向に相対的に移動可能なように前記スケールに近接して搭載され、変動磁場を生成する少なくとも1つの導電性ループを有する磁場生成部と、
少なくとも前記変動磁場の一部を受け取って、前記スケールの隣接部分上の前記信号変調スケールパターンに依存した対応する信号を生成する複数の導電性ループを有する検出素子と、を備え、
前記検出素子は、
前記周期的パターンと重なるように配置され、かつ、前記スケール上の前記隣接部分上の前記周期的パターンに依存する空間周期的検出器信号のセットを与える周期的パターン検出素子のセットと、
前記アブソリュート位置コードパターンに重なるように配置され、かつ、コード検出器信号のM個のセットを与えるコードパターン検出素子のM個のセットと、を備え、
前記周期的パターン検出素子のセットの素子のそれぞれが、空間位相を有する周期的信号を与え、
Mは2以上であり、前記コードパターン検出素子のM個のセットは、前記スケールの前記隣接部分上の少なくともN個の連続コードビットを検出するために前記測定軸方向に離隔した少なくともN個の素子を有し、かつ、対応する第1及び第2のコード検出器信号のセットを与える第1及び第2のコードパターン検出素子のセットを少なくとも含み、
Wcodeは、Wfよりも大きく、かつ、M×Wf以下であり、
前記コードパターン検出素子のM個のセットは、それぞれの配列位置で、前記測定軸方向に沿って配置され、
前記それぞれの配列位置は、前記測定軸方向に連接したWf以下の間隔で互いにオフセットされており、
前記信号処理部は、前記コード検出器信号のM個のセットのそれぞれを入力とし、かつ、前記コード検出器信号のM個のセットに基づいて少なくともWfの分解能で前記スケールの前記隣接部分の粗いアブソリュート位置を決定し、また、少なくとも前記空間周期的検出器信号に基づいて、少なくとも0.1×Wfの分解能で前記スケールの前記隣接部分の詳細なアブソリュート位置を決定する、
エンコーダ。
【請求項2】
Mは2である、
請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項3】
前記第1及び第2のコード検出器信号のセットは、それぞれ、少なくともN個のコード検出器信号を与える、
請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項4】
Mは、3以上である、
請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項5】
前記コードパターン検出素子のM個のセットは、それぞれ、少なくともN個のコード検出器信号を与える、
請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項6】
Wfは2mm以下であり、Nは8以下である、
請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項7】
Nは6以下である、
請求項6に記載のエンコーダ。
【請求項8】
Mは2であり、Wcodeは1.25Wf以上、かつ、1.75×Wf以下である、
請求項6に記載のエンコーダ。
【請求項9】
Wfは、1mm以下である、
請求項6に記載のエンコーダ。
【請求項10】
前記検出器は、前記測定軸方向に沿った寸法Ldetを有し、
Ldetは、20mm以下である、
請求項6に記載のエンコーダ。
【請求項11】
Wfは1mm以下であり、Nは6以下である、
請求項6に記載のエンコーダ。
【請求項12】
前記連接したWf以下の間隔のそれぞれは、ほぼ同じである、
請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項13】
前記連接したWf以下の間隔のそれぞれは、およそWcode/Mである、
請求項12に記載のエンコーダ。
【請求項14】
前記検出器及び前記スケールは、変動磁場を生成することで動作する電流トランスデューサである、
請求項1に記載のエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に精密測定機器に関し、特に電磁誘導式検出原理を用いたアブソリュートエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の光学式、容量式、磁気式及び電磁誘導式のトランスデューサや、変位トランスデューサ又は位置トランスデューサが利用可能である。これらのトランスデューサでは、リードヘッドとスケールとの間の変位を測定するために、リードヘッドにおいて様々な幾何学的構成の送信器及び受信器が用いられている。電磁誘導式センサは、粒子、油、水及び他の流体による汚染に対して最も影響を受けないセンサタイプの1つとして知られている。特許文献1には、高精度の用途に使用可能な誘導電流位置トランスデューサが開示されている。特許文献2及び3には、信号生成・処理回路を有する、インクリメント型の電磁誘導式ノギスとリニアスケールとが開示されている。特許文献4~8には、誘導電流トランスデューサを用いた、アブソリュート型の電磁誘導式ノギスと電気巻き尺とが開示されている。上記の特許文献で開示されるように、誘導電流トランスデューサは、プリント回路基板技術を用いて容易に作製可能である。
【0003】
誘導電流トランスデューサの異なる例は、インクリメンタル型又はアブソリュート型の位置エンコーダとしてもよい。一般に、インクリメント型の位置エンコーダはスケールを有し、スケールの初期点からの変位の増分単位を積算することで、スケールに対するリードヘッドの変位を測定できる。しかし、低消費電力の機器で用いられるエンコーダのような特定の用途においては、アブソリュート型の位置エンコーダを用いることが望ましい。アブソリュート型位置エンコーダは、スケール方向の(リードヘッドの)各位置において、固有の出力信号又は信号の組み合わせを与える。アブソリュート型位置エンコーダは、位置を特定するために変位の増分を積算する必要がない。よって、アブソリュート型位置エンコーダは、とりわけ、様々な省電力スキームを可能にする。他にも、特許文献9~18には、アブソリュート型エンコーダに関する様々なエンコーダ構成及び信号処理技術が開示されている。
【0004】
ここで用いられる「トラック」又は「スケールトラック」という用語は、一般に、測定軸方向に延在し、かつ、測定軸と交差する方向でほぼ一定の幅と位置を有する、スケール又はスケールパターン領域を指している。一般に、測定軸方向の相対変位の間では、スケールトラックは、特定の検出器セットの下に位置している。検出器は、下部のスケールトラックのスケール要素のパターンに対応し、トラックに沿った検出器の位置に依存する位置信号を生成する。
【0005】
アブソリュート(ABS)位置をエンコーダでエンコードする一般的な技術としては、インクリメンタルスケールトラック又は周期的スケールトラックに平行に配置されたバイナリコードスケールトラックを用いることである。バイナリコードスケールトラック位置の不確実性を回避し、高精度測定用のインクリメンタル又は周期的スケールトラックの補間アナログ測定を用いるためには、バイナリコードスケールトラックが、少なくとも周期的スケールトラックの空間波長の精度の空間分解能又は測定分解能を有する必要がある。この場合、個々の特定のコード値は、特定の隣接する周期的波長を明確に識別する。よって、最下位の2進数トラックは、通常、インクリメンタルトラックの周期的波長と等しい又はこれよりも小さなコードビット長を有する。
【0006】
測定軸方向と交差する方向のスケール幅を削減することが望ましい小型用途においては、一般に、測定軸方向に沿って配列されたN個の隣接するコードビットのセットのそれぞれが測定軸方向の特定に位置を表すシリアルバイナリコードである、「Nビット」の疑似ランダムコードが用いられる(但し、Nは整数)。(これは、測定軸方向と交差する方向のスケールの広い範囲に配列された、2進数の各ビット用の分離コードトラックであるパラレルバイナリコードとは対照的である。)シリアルバイナリコードは、測定軸方向に沿って1ビット分だけ移動すると、(測定軸方向に沿って配列されたNビットを有する)次のコード値に移動する。上記のバイナリコードと同様に、位置の不確実性を回避し、高精度測定用のインクリメンタル又は周期的スケールトラックの補間アナログ測定を用いるためには、一般に、疑似ランダムコードスケールトラックが、少なくとも周期的スケールトラックの空間波長の精度の空間分解能又は測定分解能を有する必要がある。この場合、個々の特定のコード値は、特定の隣接する周期的波長を明確に識別する。さもなければ、すべての状況下において動作が信頼し得ないか、又は、望ましくない複雑なリードヘッド信号処理が必要となり得る。よって、疑似ランダムスケールトラックは、通常、特に電磁誘導式検出技術を用いたエンコーダにおいて、インクリメンタルトラックの周期的波長(ここでは、Wfと称する)と等しい又はこれよりも小さなコードビット長(ここでは、Wcodeと称する)を有する。
電磁誘導式アブソリュートエンコーダでの疑似ランダムコードシステムの様々な実施例は、例えば特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第6,011,389号明細書
【文献】米国特許第5,973,494号明細書
【文献】米国特許第6,002,250号明細書
【文献】米国特許第5,886,519 号明細書
【文献】米国特許第5,841,274,号明細書
【文献】米国特許第5,894,678,号明細書
【文献】米国特許第6,400,138号明細書
【文献】米国特許第8,309,906号明細書
【文献】米国特許第3,882,482号明細書
【文献】米国特許第5,965,879号明細書
【文献】米国特許第5,279,044号明細書
【文献】米国特許第5,237,391号明細書
【文献】米国特許第5,442,166号明細書
【文献】米国特許第4,964,727号明細書
【文献】米国特許第4,414,754号明細書
【文献】米国特許第4,109,389号明細書
【文献】米国特許第5,773,820号明細書
【文献】米国特許第5,010,655号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、アブソリュートエンコーダにおいて2進数シリアルコードトラック(例えば、疑似ランダムコードトラック)を実施する既知の技術は、全ての用途について最適、理想的なものではない。よって、種々の導入例において、コンパクトな寸法、測定範囲、分解能、動作の堅牢性、電気的複雑性の削減、低コスト化の改善された組み合わせを実現するため、上記した既知のエンコーダシステムの改良が求められている。このような改善された組み合わせを与えるアブソリュートエンコーダ構成することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下は、以下の発明の詳細な説明でさらに説明する概念から選択したものを、単純な形で紹介するために設けたものである。以下は、特許請求の範囲に記載した主題の重要な特徴を特定するものとして解釈されるものではなく、特許請求の範囲に記載した主題の範囲を決定するための一助として用いられるものとして解釈される。
【0010】
電子アブソリュート位置エンコーダは、例えば、高精度の電子デジタルインジケータ、マイクロメータ、リニアスケールなどに実装することができる。また、電子アブソリュート位置エンコーダは、回転式の実装形態(測定軸方向が円又は弧に従い、スケールは回転エレメント上の円形又は曲線)に適用することもできる。
【0011】
エンコーダは、測定軸方向に沿って延在するスケールと、検出器と、前記検出器によって与えられる検出器信号に基づいて前記スケールに沿った前記検出器のアブソリュート位置を決定する信号処理部と、を有する。
【0012】
前記スケールは、周期的パターンとアブソリュート位置コードパターンとを備えた信号変調スケールパターンを含む。前記周期的パターンは、空間波長Wfを有し、前記スケール上の周期的スケールトラックにおいて前記測定軸方向に延在する。前記アブソリュート位置コードパターンは、コードビット長Wcodeを有し、前記スケール上のコードスケールトラックにおいて前記測定軸方向に延在する。前記アブソリュート位置コードパターンは、当該アブソリュート位置コードパターンがアブソリュートコード範囲ACRを与え、N個の連続コードビットのグループのそれぞれが、前記アブソリュートコード範囲ACR内の対応するアブソリュート位置を一意に識別する。
【0013】
前記検出器は、前記スケールに対して前記測定軸方向に相対的に移動可能なように前記スケールに近接して搭載される。前記検出器は、一般に、変動磁場を生成する少なくとも1つの導電性ループを有する磁場生成部と、少なくとも前記変動磁場の一部を受け取って、前記スケールの隣接部分上の前記信号変調スケールパターンに依存した対応する信号を生成する複数の導電性ループを有する検出素子と、を有する。
【0014】
前記検出素子は、周期的パターン検出素子のセットと、コードパターン検出素子のM個のセットとを有する。ここで、Mは2以上の整数である。前記周期的パターン検出素子のセットは、前記周期的パターンと重なるように配置され(前記周期的スケールトラックと重なり且つ対向する)、かつ、前記スケールの前記隣接部分上の前記周期的パターンに依存する空間周期的検出器信号のセットを与え、前記周期的パターン検出素子のセットの各素子は、それぞれ空間位相を有する周期的信号を与える。前記コードパターン検出素子のM個のセットは、前記アブソリュート位置コードパターンに重なるように配置され(前記コードスケールトラックと重なり且つ対向する)、かつ、コード検出器信号のM個のセットを与える。前記コードパターン検出素子のM個のセットは、前記測定軸方向に沿って離間して配置された少なくともN個の素子を有する第1及び第2のコードパターン検出素子のセットを含み、前記スケールの前記隣接部分上の少なくともNの連続するコードビットを検出して、対応する第1及び第2のコード検出信号のセットを与える。
【0015】
上記した構成要素の組み合わせは、さらに、本明細書において説明される原理にしたがって、以下のよう構成される。Wcodeは、Wfよりも大きく、かつ、M×Wf以下である。
【0016】
コードパターン検出素子のセットは、それぞれの配列位置に前記測定軸に沿って配置されており、前記検出器に対して、前記アブソリュート位置コードパターンが前記測定軸方向に沿った単一方向に移動すると、前記コードパターン検出素子のセットと前記アブソリュート位置コードパターンが、連接する配列間隔だけ相対移動して、連接する配列位置のそれぞれで整列又は再整列するように構成され、かつ連接する配列間隔は、Wf以下である。
【0017】
前記電子アブソリュート位置エンコーダは、前記コード検出器信号のM個のセットのそれぞれを入力とし、かつ、前記コード検出器信号のM個のセットに基づいて少なくともWfの分解能で前記スケールの前記隣接部分の粗いアブソリュート位置を決定し、また、少なくとも前記空間周期的検出器信号に基づいて、少なくとも0.1×Wfの分解能で前記スケールの前記隣接部分の詳細なアブソリュート位置を決定する信号処理部をさらに有する。信号処理部で用いられる例示的な動作及び原理は、以下で詳細に説明する。
【0018】
WcodeがWfよりも大きいアブソリュートエンコーダシステムは、疑似ランダムコード型アブソリュートエンコーダでは稀であり、磁気方式又は電磁誘導方式のアブソリュートエンコーダとの関係については、特に稀である。前記したように、上記した位置の不確実性問題を避けるため、Wcodeは典型的には前記インクリメンタルトラックの前記周期的波長Wfと等しく、又は、それよりも小さい。しかし、本明細書において説明される原理にしたがって、WcodeがWfよりも大きい場合、前記コードパターン検出素子のM個のセットにより与えられる信号を分析してWcodeよりも高精度の分解能で前記検出器に対するコード位置を決定することで、位置の不確実性問題が解決される。これは、以下で詳細に説明する原理にしたがって、上記した様々な特徴を用いることで実現される。このようなアブソリュートエンコーダシステムは、ある実装例において、特に、Wfが小さく(例えば、5mm以下、2mm、1mm又はそれよりも小さい場合)、比較的大きいアブソリュート範囲が求められる場合(例えば、Wfの数十倍又は数百倍)、及び/又は、検出器の寸法を削減する場合、及び/又は、コードビット処理の複雑性やサイズが特に重要な場合(小さなゲージ筐体内部など)において、利点をもたらす。これらの又は他の利点は、以下で詳細に説明する。
【0019】
本発明の上述及び他の目的、特徴、及び長所は以下の詳細な説明及び付随する図面からより完全に理解されるだろう。付随する図面は図解のためだけに示されたものであり、本発明を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の既知のコード検出構成を用いた既知のアブソリュートエンコーダシステムの部分図である。
図2】第1の既知のコード検出構成を用いた既知のアブソリュートエンコーダシステムの部分図である。
図3図1及び図2に示すアブソリュートエンコーダシステムの変形例において使用可能な第2の既知のコード検出構成の一態様を示す図である。
図4】アブソリュートエンコーダシステムにおける特定の特徴及びパラメータの関係性模式的な等角分解部分斜視図である。図4は、アブソリュートエンコーダシステム100が、本明細書において説明される原理に従う様々な構成を含む場合にもたらされる利点とは対照的に、先行技術にかかる設計及び図1図3に示すコード検出構成に付随する様々な問題を示すためのものである。
図5】コードパターン検出素子の2つのセットを用いる第1の実施例において、コードビットにより与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、本明細書において説明される原理にしたがって、どのように検出されて処理されるかの一態様を示す概略図である。
図6】コードパターン検出素子の3つのセットを用いる第2の実施例において、コードビットにより与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、本明細書において説明される原理にしたがって、どのように検出されて処理されるかの一態様を示す概略図である。
図7】コードビット長により与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、ここで開示する原理にしたがってどのように検出されて処理されるかの一態様を示す、信号処理部の一実施例の例示的なコンポーネントのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0022】
図1及び図2は、第1の既知のコード検出構成を用いた既知の電磁誘導式アブソリュート位置エンコーダ400の部分図である。図1及び図2は、上記の特許文献5に開示されている。様々な実施例においては、本明細書において説明される原理にしたがって、特許文献5に開示された検出原理及び信号処理を、本明細書において説明される原理と組み合わせて用いることができる。アブソリュート位置エンコーダシステム400の様々な態様について簡潔に説明する。さらなる詳細及び開示については、特許文献5から取得可能である。
【0023】
エンコーダシステム400は、リードヘッド402を有する。リードヘッド402は、以下で説明する磁場生成器と検出素子とを有する検出器を有する。リードヘッド402は、スケール404に近接して搭載される。検出器とスケールとは、測定軸方向MAに沿って相対的に変位する。スケール404は、測定軸方向MAに延在し、かつ、信号変調スケールパターンを有する。信号変調スケールパターンは、空間波長304を有し、周期的トラックスケールにおいて測定軸方向MAに沿って延在する、周期的パターン又は「微細波長スケール」418を有する。リードヘッド402の受信巻線414及び416が、磁場生成送信巻線412と協働する周期的パターン検出素子のセットを構成することで、「微細波長トランスデューサ410」が構成される。簡潔には、磁場生成送信巻線412が変化する電流によって駆動されることで、受信巻線414及び416を通る磁場が変動する。受信巻線414及び416は、変化する磁場を受信する「よじられた(twisted)」導電性ループであり、理想的には、周期的パターン418の磁束攪乱部170がない場合には、変化する磁場に応じてヌル出力を生成(すなわち、0を出力)する。しかし、周期的パターン418の信号変調効果によって、受信巻線414及び416は、隣接する周期的パターン418の位置に依存した空間周期的な信号を生成する。受信巻線414及び416が、(例えば既知の技術のように、図示した実施例において直交信号を与えるように)リードヘッド402上でそれぞれの位置が異なることによって、それぞれの空間位相を有する周期的信号を生成することは、言うまでもない。
【0024】
また、信号変調スケールパターンは、コードスケールトラックにおいて測定軸方向MAに延在する、アブソリュート位置コードパターン又は「バイナリコードスケール」458を有する。様々な実施例において、コードパターン458は、エッジ間距離308に概ね一致する、測定軸方向MAに沿ったコードビット長を有する。以下では、コードビット長は、コードビット長Wcodeとも称する。
【0025】
リードヘッド402のバランスドペア(平衡対)457が磁場生成送信巻線452と協働するコードパターン検出素子のセットを構成することで、バイナリコードトランスデューサ450が構成される。図示した実施例では、Nビットのバイナリコードが用いられている。ここでは、N=8である。簡潔には、磁場生成送信巻線452が変化する電流によって駆動されることで、8つのバランスドペア457を通る変化する磁場が生成される。バランスドペア457は、変化する磁場を受信する「よじられた」導電性ループ(それぞれ、正極ループ454と負極ループ456とを有する)であり、理想的には、アブソリュート位置コードパターン458の磁束攪乱部170がない場合には、変化する磁場に応じてヌル出力を生成(すなわち、0を出力)する。しかし、アブソリュート位置コードパターン458の信号変調効果によって、8つのコードパターン検出素子からなるセット(すなわち、8つのバランスドペア457からなるセット)は、アブソリュート位置コードパターン又は「バイナリコードスケール」458の隣接部上のN個の連続コードビットに依存した対応するコード検出器信号のセットを生成する。図示した実施例では、バイナリコードスケール458は、上部459及び下部459’を有する。図示したように、コードビットのそれぞれについて、磁束変調又は攪乱部170は、重なっているバランスドペア457において所望の極性の信号を生成するため、上部及び下部の一方に配置されてもよく、他の部分では省略されてもよい。(例えば、閾値又は基準レベルよりも高い)正の電圧を論理値「1」に対応させ、負の電圧を論理値「0」に対応させてもよい。
【0026】
図2に、リードヘッド402に接続される信号生成処理回路240の実施例を示す。図2では、図1と同じ符号を有する要素は、類似又は同じであってもよく、上述の説明に基づいて理解されてもよい。信号生成処理回路240の様々な態様について、簡潔に説明する。さらなる詳細及び開示については、特許文献5から取得可能である。
【0027】
簡潔には、微細波長トランスデューサ410については、上述したように、信号生成器250が電場生成送信巻線412を駆動する。受信巻線414又は416で生じた信号は、スイッチ243によって選択されてもよく、プリアンプ245によって増幅されてもよく、サンプルホールド回路260に入力されてもよく、A/D変換器246で変換されてもよい。以下で説明するように、マイクロプロセッサ241は、既知の直交信号処理方法にしたがって空間周期的信号の値とそれらの値の関係性を分析し、バイナリコードトランスデューサ450(または450’)によって示される、局所空間波長304以内の高分解能で補間された位置測定を行う。
【0028】
簡潔には、バイナリコードトランスデューサ450については、上述したように、信号生成器250が電場生成送信巻線452を駆動する。図示した実施例では、送信巻線412又は送信巻線452は、デジタル制御部244による制御の下で、スイッチ242の動作によって選択される。しかし、他の実施例においては、特許文献5で示されるように、トランスデューサ410及び450(または450’)の両方にて用いるために、単一の送信巻線を構成してもよい。いずれの場合でも、バイナリコードトランスデューサ450(または450’)のバランスドペア457で生成された8つの信号は、サンプルホールド回路460に入力されてもよく、プリアンプ462で増幅されてもよく、サンプルホールド回路464によって同時にサンプリングされてもよい。その後、図示するように、デジタル制御部244は、サンプルホールド回路460の様々なスイッチを制御してサンプルされた信号を選択してもよく、各信号はA/D変換器246で変換されてもよい。マイクロプロセッサ241は、(例えば、2進数信号閾値と比較することで)様々なコードビット信号の値を分析し、所定の論理によってコードビット値間の関係性を分析して、対応するアブソリュート位置コードワードを決定してもよい。特許文献5は、1コードビット長の分解能で測定軸方向MAに沿った特定のアブソリュート位置を識別するために、このようなコードビット信号値及びこれらの値の間の倫理的関係性の一方又は両方を用いる様々な代替方法を教示している。よって、ここでは、このような方法の重複説明を要しない。しかし、特許文献5での全ての場合において、アブソリュート位置コード(すなわち、コードビット長)の分解能は、「微細波長スケール」418の周期的パターンの空間波長304以下であり、好ましくは空間波長304よりも小さいことに注目すべきである。さもなければ、アブソリュートコードは、微細波長スケール418の特定の波長又は周期に明確に対応しなくなり、微細波長トランスデューサ410によってもたらされるサブ波長にかかわりなく、潜在的な位置の誤差又は不確実性が生じる。図1及び図2に示す好ましい実施例においては、潜在的な信号計測誤差等にかかわりなく、誤差マージンを確保し、かつ、特定のアブソリュート位置コードを空間波長304の特定周期と結びつけるため、コードビット長又はエッジ間距離308は、空間波長304の半分でしかない。上記した条件下で、特許文献5は、当業者が容易に理解するごとく、高分解能のアブソリュート位置測定を実現するため、粗い分解能のアブソリュート位置コードが、空間波長304の特定周期以内の高分解能の補間位置計測と組み合わされてもよいことを教示している。
【0029】
特許文献5の教示は、図1及び図2に示されたコード検出構成の潜在的な問題を示している。特に、図1に示すように、8つのバランスドペア457がバイナリコードスケール458のコード要素間の中間位置に配列されている場合、コード値が遷移する位置のバランスドペア457の信号値は、「ヌル」(すなわち0)又は未定義(不定)信号値であってもよい。例えば、図1の左側から1番目、3番目、4番目、5番目、7番目及び8番目のバランスドペア457は、これの典型例である。特許文献5は、コードワードにおける隣接コードビット間の「コード値の遷移なし」及び「全てのコード値が遷移」に対応する特定のコード値を除外することで、この問題の解決法が得られることを示している。このような場合、様々な位置で様々な未定義信号値が出現するにもかかわらず、スケールに沿った全てのコード値を論理的にデコードすることができる。しかし、各種の用途において様々な理由から、これは実現困難又は信頼性に欠けるものである。よって、特許文献5は、図3を参照して説明する解決法も教示している。
【0030】
図3は、実施例におけるアブソリュートエンコーダシステム800で使用可能な第2の既知のコード検出構成の一態様を示す図である。アブソリュートエンコーダシステム800は、実施例において図1及び図2に示されるアブソリュートエンコーダシステムの変形例である。特許文献5には、コード値(例えば、バイナリコードスケール458)が遷移する位置における(上記したバランスドペア457に類似又は同一の)1以上のバランスドペア827の信号値が「ヌル」又は未定義値になるという、上記した問題を解決するため、図3が開示されている。周期的信号λ810は、図1に示した微細スケール418の周期的パターンに沿った周期的空間位相位置を表すものである。図3に示すように、コードビット長又はエッジ間距離308は、空間波長304と等しく(又は、空間波長304よりも小さく)てもよい。特許文献5に記載されるように、図3の2進数スケールトランスデューサでは、コード検出構成は、バランスドペア827の第1のセット821と、バランスドペア827の第2のセット823と、を有する。特に、第1のセット821及び第2のセット823は、コードビット長又はエッジ間距離308の半分だけオフセットされている。これにより、セット821及び823の一方は、(例えば図1に示すように)コードスケール素子間の遷移位置に配置され、セット821及び823の他方は、コードスケール素子に沿って配置される。よって、セット821及び823の一方は未定義コード信号を有し、セット821及び823の他方は全て十分に定義されたコード信号を有することとなる。
【0031】
また、特許文献5は、任意の特定の位置においてセット821及び823のいずれを用いるべきかを決定するために用いられる方法について示している。基本的には、特許文献5は、微細波長トランスデューサ(例えば、図1及び図2の微細波長トランスデューサ410)は、セット821及び823のいずれを用いるべきかを決定するために用いることが可能であることを示している。図示した例においては、微細波長304は、コードビット長又はエッジ間距離308と等しく、かつ、1つの受信巻線(例えば、図1及び図2に示すs受信巻線414又は416)の電圧振幅が正である場合、セット821又は823の最初のセットが用いられるべきである。これに対し、受信巻線の振幅が負である場合、セット821又は823の他のセットが用いられるべきである。特許文献5は、セット821及び823のいずれを用いるべきかを決定する他の方法は教示していない。
【0032】
図4に、アブソリュートエンコーダシステム100における特徴及びパラメータの関係性を示す模式的な等角分解部分斜視図を示す。図4は、アブソリュートエンコーダシステム100が本明細書において説明される原理に従う様々な特徴を含む場合にもたらされる利点とは対照的に、先行技術にかかる設計及び図1図3に示すコード検出構成に付随する様々な問題を示すためのものである。パターン寸法(例えば、Wcode、Wf)は、図示の便宜上強調されていることは言うまでもない。
【0033】
図示したアブソリュートエンコーダシステム100は、リードヘッド102、検出器105を有する。リードヘッド102は、信号処理回路又は構成140を有する。検出器105は、磁場生成送信巻線112、周期的パターン検出素子110’及びコードパターン検出素子150’(以下で説明する)を有する。検出器105は、検出器105とスケール104とが測定軸方向MAに沿って相対的に移動するように、スケール104に近接して搭載される。スケール104は、測定軸方向MAに沿って延在し、信号変調スケールパターンを有する。信号変調スケールパターンは、周期的パターン118(図4では、一部のみが図示されている)を有する。周期的パターン118は、周期的スケールトラック118’において、測定軸方向MAの沿った方向に延在する空間波長304を有する。周期的パターン検出素子110’は、図1及び図2における類似の素子を参照して既述したのと同様に、微細波長測定を実現するために、磁場生成送信巻線112と協働する2つの周期的パターン検出素子のセットを構成する、リードヘッド102の受信巻線114及び116を有する。簡潔には、磁場生成送信巻線112が変化する電流によって駆動されることで、受信巻線114及び116(116は不図示)を通る変化する磁場が生成される。受信巻線114及び116は、変化する磁場を受信する(図1及び図2に示す受信巻線414及び416と類似して又は同一となるように配置される)「よじられた」導電性ループであり、理想的には、周期的パターン118の磁束攪乱部170がない場合には、変化する磁場に応じてヌル出力を生成(すなわち、0を出力)する。しかし、周期的パターン118の信号変調効果によって、受信巻線114及び116は、隣接する周期的パターン118の位置に依存する空間周期的信号を生成する。受信巻線114及び116が、(例えば、図1及び図2で示した類似の素子及び既知の技術と同様に、直交信号を与えるように)リードヘッド102上での位置が異なることによって、それぞれの空間位相を有する周期的信号を生成することは、言うまでもない。
【0034】
また、信号変調スケールパターンは、コードスケールトラック158’において測定軸方向MAに延在する、アブソリュート位置コードパターン158(図4では、一部のみが図示されている)を有する。コードパターン158は、測定軸方向MAに沿ったコードビット長Wcodeを有する。コードパターン検出素子150’は、Nビットのコードワードを検出するため、N個のコードパターン検出素子からなる、第1及び第2のセットを少なくとも有する。図4では、このようなセットにおいて、N=6である。図の明確化の都合上、図4では、コードパターン素子のさらなる他のセットについては、図示していない。しかし、一般に、少なくとも第2のセットが含まれることは、言うまでもない。例えば、図3に示す類似の構成は、第1のセット821と第2のセット823とを有する。より一般的には、コードパターン検出素子150’は、アブソリュート位置コードパターン158と重なって配置されたコードパターン検出素子のM個のセットを有してもよく、コード検出器信号のM個のセットを与えてもよい。ここで、Mは、2以上の整数である。様々な実施例においては、コード検出素子157のそれぞれは、図1及び図2に示すバランスドペア457に類似していてもよい。コードパターン検出素子のM個のセットのそれぞれは、アブソリュート位置コードパターン158と重なるように配置され、磁場生成送信巻線112と協働する。これにより、既述した原理にしたがって、アブソリュート位置コードパターン158の隣接する部分の連続するコードビットに依存するコード検出器信号のM個のセットが与えられる。
【0035】
アブソリュートエンコーダシステム100の実用例における各種のパラメータの関係性について説明する。図4に、ゲージ筐体の空洞部又は開口部GHCを模式的に示す。様々な実施例においては、スケール104とリードヘッド102とは、ゲージ筐体の空洞部GHC内に配置され、又は、封止される必要があるものとして理解されよう。ゲージ筐体及びゲージ筐体の空洞部の寸法の最小化が、実用上はしばしば求められる(例えば、ダイヤルゲージ、リニアゲージなど)。スケールは、典型的には、ゲージ筐体の空洞部GHC内において、ベアリングシステムに搭載され、測定軸方向MAに沿ってガイドされる。これにより、このようなゲージにおける測定範囲は、図4に示す移動範囲TR以下となる。ここで、移動範囲TRは、測定軸方向MAに沿ったゲージ筐体の空洞部GHCの寸法と、スケール全長Lscaleとの差となる。また、このようなゲージでの測定範囲は、図4に示す動作範囲OR以下となる。ここで、動作範囲ORは、スケール全長Lscaleと、必要検出器長Ldetとの差となる。これにより、ゲージ筐体の空洞部GHCの所定の寸法とスケール長Lscaleとに対して、必要検出器長Ldetを減少させると、まさにゲージの所望特性であるゲージの使用可能な測定範囲が増大する。様々な実施例においては、Ldetは20mm以内若しくは16mm以内であることが望ましく、又、これらよりも短いことが望ましい。
【0036】
しかし、上述では、Nビットのアブソリュート位置コードパターン158によって与えられるアブソリュートコード範囲ACRが制限要因ではないことを仮定している。すなわち、Nビットのアブソリュート位置コードパターン158が、ゲージの所望の使用可能な測定範囲と等しい又はこれを超えるアブソリュートコード範囲ACRを与える。一般に、ここで説明するタイプのNビットコードの近似的なアブソリュートコード範囲ACRは、およそACR≒2N-1×Wcodeである。これは、コードのビット数及びWcodeの一方又は両方が増加すると、アブソリュートコード範囲ACRが増大することを意味する。
【0037】
しかし、実施例においては、コードビット数Nを増加させることは好ましくない。例えば、様々な実施例においては、スペース、コスト、許容可能な測定サンプル処理時間などの実用面を考慮すると、信号処理部140のコード検出器信号の処理に供する配線及び回路の一方又は両方が制限され得る。例えば、実施例においては、Nビットコードを用いるにあたり、Nは6以下であることが好ましいことが知られている。図4に示したようなゲージ用途においては、問題の影響が大きくなるため、周期的パターンの空間波長304(以下、微細空間波長Wfとも称する)は、高分解能及び高精度を実現する必要性によって制限されてもよい(例えば、10μmオーダー、5μm、1μm又はこれらよりも小さい)。このように実用的な信号補間レベルが与えられる場合、空間波長は2mm、1mm又はこれよりも小さい値に限定されてもよい。この場合、コード検出器信号のセットは、これらの小さな空間波長よりも優れた分解能及び精度を与えなければならない。特許文献5及び他の既知のアブソリュートエンコーダシステムは、Wcodeを空間波長304(すなわち、Wf)と等しく又はそれよりも小さくすることで、これらのシステムが実現されることを教示している。一般に、特許文献5では、空間波長304は、5mmオーダーであると予期される。しかし、このことは、1mmの空間波長Wfに対し、特許文献5及び他の既知のアブソリュートエンコーダシステムでは6ビットコードのアブソリュートコード範囲ACRがおよそ64mmであることを示していることを意味している。これは、幅広い用途にとっては小さ過ぎ、よって、一般的には受け入れることができない。
【0038】
図4は、上記した問題の解決法を示している。特に、図4は、磁気方式又は電磁誘導方式の検出技術を用いる特許文献5及び他の既知のアブソリュートエンコーダシステムの教示とは対照的に、空間波長WfよりもWcodeの寸法が大きいことを示している。図4に示す特定の実施例においては、Wcode≒1.5×Wfである。この特定実施例では。Wf=1を用いてもよく、6ビットのアブソリュートコード範囲ACRをおよそ96mmに増大させてもよい。これにより、幅広い用途に対して十分な範囲となる。しかし、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。より一般的には、以下でより詳細に説明する原理にしたがって、明細書及び特許請求の範囲に記載されるような導電性ループを検出器として用いるアブソリュートエンコーダは、WcodeがWfよりも大きくなる(例えば、1.25Wf、1.5Wf、2Wf又はこれらよりも大きい)ように、コードパターン検出素子のM個のセットを用いる場合にはM×Wf以下となるように、構成される。先行技術の欠陥や制限を克服し、かつ、WcodeがWfよりも大きな構成を使用可能とするため、コードパターン検出素子のM個のセットの配列とこれに関係する信号処理に関する様々な検討について、以下で詳細に説明する。
【0039】
図5は、コードビット長Wcodeにより与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、本明細書において説明される原理にしたがってどのように検出されて処理されるかの一態様を示す概略図500である。図5は、コードパターン検出素子の2つのセットを用いる第1の実施例を示している(すなわち、M=2)。コードパターン検出素子のセットのそれぞれは、含んでいる検出素子のうち、1つの素子によって表される。コードパターン検出素子の第1のセットは、1つのセットRESE1の代表検出素子によって表される。コードパターン検出素子の第2のセットは、1つのセットRESE2の代表検出素子によって表される。
【0040】
本明細書において説明される原理にしたがって、コードパターン検出素子のM個のセットは、測定軸方向MAに沿ったコード配列位置(CAP)に配置され、アブソリュート位置コードパターンが検出器に対して測定軸方向MAに沿って動くにしたがって、コードパターン検出素子のセットとアブソリュート位置コードパターンとは連接する配列間隔分だけ相対的に移動し、連接する配列位置のそれぞれで整列又は再整列する。なお、ここでいう「連接する」とは、例えば複数の要素が隙間なく連続的に配列されている場合だけでなく、ある範囲に複数の要素が離散的に配列されている場合など、ある範囲に複数の要素が配列されている各種の要素の配列状態を意味するものである。連接する配列間隔のそれぞれは、Wf以下である。図5に示した本原理は、代表検出素子RSES1の正中線の基準位置にて示されるコード配列位置CAP1と、代表検出素子RSES2の正中線の基準位置にて示されるコード配列位置CAP2と、によって表される。図5に示すように、これらのコード配列位置は、アブソリュート位置コードパターン558が位置CAP1から位置CAP2まで移動するために移動しなければならない間隔である配列間隔Dcap12だけ異なる。一般に、アブソリュート位置コードパターン558が引き続き同じ方向に位置CAP2から位置CAP1まで移動するのに伴って、後続の配列間隔Dcap21を定義してもよい。図5に示す特定の実施例では、Dcap12はWcode/2と等しく、かつ、Dcap12=Dcap21である。しかし、様々な実施例においては、Dcap12とDcap21とがWfよりも大きくならない限り、Dcap12はDcap21と異なっていてもよい。
【0041】
実際には、代表検出素子RSES1及びRSES2とこれらが示す検出器のセットのそれぞれとは、(例えば、検出素子セット821及び823について図3に示したものと類似するように)リードヘッドの測定軸方向に沿って、重複してもよいし、又は、交互に配置されてもよいものとして解釈される。図5では、代表検出素子RSES1及びRSES2とは離隔しているが、これは本明細書において説明される動作原理を明確に示すためのものであり、本構成に限定されるものではない。これは、アブソリュート位置コードパターン558についても同様であり、アブソリュート位置コードパターン558は、スケール上の同一かつ唯一のコードパターンを示すものとして理解されるべきである。同様に、図5に示されたアブソリュート位置コードパターン558は、代表例のそれぞれにおいて、測定軸方向MAに沿った同一の位置に配置される。図示のため、アブソリュート位置コードパターン558は、測定軸方向MAに沿って交互に配置されたコードビット値だけを有しているが、これは図の簡略化のためであり、これに限られるものではない。様々なコードワードは、隣接する同一のコードビットを有してもよいものとして理解されよう。しかし、上記で示したように、アブソリュート位置コードパターンは、一般には、各コードワードにおいて、隣接するコードビットの間で少なくとも1つの遷移を有するべきである。よって、図示したアブソリュート位置コードパターン558は、このようなコードに関する重要な原理を説明するために有用である。
【0042】
図示した信号レベルSL1(又はSL2)は、代表検出素子RSES1(又はRSES2)とアブソリュート位置コードパターン558との間の測定軸方向MAに沿った相対的位置におけるコード信号強度の代表例である。任意の位置における代表的コード信号強度CSM1及びCSM2の比較を容易にするため、SL1(又はSL2)の実線は図示したアブソリュート位置コードパターン558のコードビットの極性により生じた信号を示している。SL1(又はSL2)の破線は、実線で示したアブソリュート位置コードパターン558の極性と比較して、図示したコードビットの反転極性により生じる信号を示している。倍増したコード信号強度CSM1及びCSM2は、実線と破線との間を示している。配列間隔Dcap12がWcode/2と等しいことより、アブソリュート位置コードパターン558が測定軸方向MAに沿って動くのにしたがって、代表検出素子RSES1及びRSES2の信号レベルSL1及びSL2の応答は、同じ量だけ互いにシフトされる。図5には、例示的なコード基準位置CRPが示されている。このコード基準位置CRPにおいて、代表検出素子RSES1はコード素子間の遷移が生じる位置に配置され、これにより、バランスが取れた又は未定義の信号強度「Undef」を出力する。図示するように、この信号強度Undef間の距離は、Wcodeである。これに対し、コード基準位置CRPでは、代表検出素子RSES2はコード素子の直上に位置することとなり、正の最大信号強度を出力する。図5に示すように、信号強度SL1及びSL2の1周期は、これらの信号強度間の距離Wcodeとなる。
【0043】
また、(大信号強度領域LS2’などで示されるように、Wcodeだけ位置が変化するごとに周期的に繰り返される)網掛けされた大信号強度領域LS2で表示されるように、基準線RL1で示されたコード位置と基準線RL2で示されたコード位置との間で、代表検出素子RSES2の信号強度は代表検出素子RSES1の信号強度よりも大きくなることが、図5に示されている。同様に、(大信号強度領域LS1’などで示されるように、Wcodeだけ位置が変化するごとに周期的に繰り返される)網掛けされた大信号強度領域LS1で表示されるように、基準線RL2で示されたコード位置と基準線RL3で示されたコード位置との間で、代表検出素子RSES1の信号強度は代表検出素子RSES2の信号強度よりも大きくなる。
【0044】
よって、この実施例については、(代表検出素子RSES1及びRSES2で表された)検出素子の第1及び第2のセットのいずれが大きな信号強度を示すかを決定するために信号処理を行う場合、大強度信号強度領域LS1又はLS2の測定軸方向MAに沿った位置分解能又は長さによって示されるように、アブソリュートコード位置は、(理想的な信号又はほぼ理想的な信号の場合には)およそWcode/2の分解能で決定されるものとして解釈される。いずれの検出素子のセットが最大信号強度を示すかを判定するために信号処理部で用いられる例示的な動作又は原理について、以下で説明する。
【0045】
上記で示したように、本明細書で開示する様々な実施例においては、各配列間隔(例えば、Dcap12、Dcap21)は、Wf以下(又は、よりロバストな誤差マージンを実現するため、Wfよりもやや小さいことが好ましい)である。よって、この特定の実施例については、WcodeはWfよりも大きく、Wcodeは2×Wf以下であり、又は、2×Wfよりもやや小さいことが望ましい。上記したように、WcodeがWfよりも大きいアブソリュートエンコーダシステムは、疑似ランダムコード型アブソリュートエンコーダでは稀であり、磁気方式又は誘導方式のアブソリュートエンコーダにおけるこのようなコードの使用との関係については、特に稀である。
【0046】
図6は、コードビット長Wcodeにより与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、本明細書において説明される原理にしたがってどのように検出されて処理されるかの一態様を示す概略図600である。図6は、実質的に図5と同様であり、同様の理解をされてもよい。よって、大きな相違点についてのみ説明する。
【0047】
図5のようにコードパターン検出素子のセットを2つ用いている例に代えて、コードパターン検出素子のセットを3つ用いている(すなわち、M=3)第2の実施例が表されていることを除き、図6図5と同様である。図5と同様に、コードパターン検出素子のセットのそれぞれは、包含する素子の1つであるRSES1、RSES2及びRSES3で表される。本明細書において説明される原理にしたがって、コードパターン検出素子のM個のセットは、測定軸方向MAに沿った代表コード配列位置(CAP)に配置され、アブソリュート位置コードパターンが検出器に対して測定軸方向MAに沿って動くにしたがって、コードパターン検出素子のセットとアブソリュート位置コードパターンとは連接する配列間隔分だけ相対的に移動し、連接する配列位置のそれぞれで整列又は再整列する。連接する配列間隔のそれぞれは、Wf以下である。この原理は、それぞれ対応する代表的検出素子RSES1、RSES2及びRSES3の正中線である基準位置で示された代表的コード配列位置CAP1、CAP2及びCAP3によって、図6に示されている。図6に示すように、CAP1及びCAP2は配列間隔Dcap12だけ異なり、CAP2及びCAP3は配列間隔Dcap23だけ異なる。図6に示した特定の本実施例では、Dcap12=Dcap23=Wcode/3である。Dcap12は、アブソリュート位置コードパターン558が位置CAP1から位置CAP2まで移動するために移動しなければならない配列間隔である。Dcap23は、アブソリュート位置コードパターン558が位置CAP2から位置CAP3まで移動するために移動しなければならない配列間隔である。一般に、アブソリュート位置コードパターン558が引き続き同じ方向に位置CAP3から位置CAP1まで移動するのに伴って、後続の配列間隔Dcap31を定義してもよい。図6に示した特定の本実施例では、Dcap12=Dcap23=Dcap31=Wcode/3である。しかし、様々な実施例においては、各配列間隔がWfよりも大きくならない限り、配列間隔は同じである必要はない。
【0048】
実際には、代表的検出素子RSES1、RSES2及びRSES3とこれらが示す検出器のセットのそれぞれとは、(例えば、検出素子セット821及び823について図3に示したものと類似するように)リードヘッド上において、単一のアブソリュート位置コードパターン558に重なるように、測定軸方向に沿って、重複してもよいし、又は、交互に配置されてもよいものとして理解される。図5では、代表検出素子RSES1、RSES2及びRSE3は離隔しているが、これはここで説明する動作原理を明確に示すためのものであり、本構成に限定されるものではない。アブソリュート位置コードパターン558は、スケール上の同一かつ唯一のコードパターンを示すものとして理解されるべきである。
【0049】
図示した信号レベルSL1、SL2及びSL3と、示されたコード信号強度は、図5のものと同様である。配列間隔Dcap12及びDcap23がWcode/3と等しいため、アブソリュート位置コードパターン558が測定軸方向MAに沿って動くのにしたがって、代表検出素子RSES1、RSES2及びRSES3の信号レベルSL1、SL2及びSL3の応答は、同じ量だけ互いにシフトされる。その結果、(大信号強度領域LS2’などで示されるように、Wcodeだけ位置が変化するごとに周期的に繰り返される)網掛けされた大信号強度領域LS2で表示されるように、基準線RL1で示されたコード位置と基準線RL2で示されたコード位置との間で、代表検出素子RSES2の信号強度は代表検出素子RSES1及びRSES3の信号強度よりも大きくなることが、図6に示されている。同様に、(大信号強度領域LS3’などで示されるように、Wcodeだけ位置が変化するごとに周期的に繰り返される)網掛けされた大信号強度領域LS3で表示されるように、基準線RL2で示されたコード位置と基準線RL3で示されたコード位置との間で、代表検出素子RSES3の信号強度は代表検出素子RSES1及びRSES2の信号強度よりも大きくなる。同様に、(大信号強度領域LS1’などで示されるように、Wcodeだけ位置が変化するごとに周期的に繰り返される)網掛けされた大信号強度領域LS1で表示されるように、基準線RL3で示されたコード位置と基準線RL4で示されたコード位置との間で、代表検出素子RSES1の信号強度は代表検出素子RSES2及びRSES3の信号強度よりも大きくなる。
【0050】
よって、この実施例については、(代表検出素子RSES1、RSES2及びRSES3で表された)検出素子の第1、第2及び第3のセットのいずれが大きな信号強度を示すかを判定するために信号処理を行う場合、大強度信号強度領域LS1、LS2及びL3のいずれか又は全ての測定軸方向MAに沿った位置分解能又は長さによって示されるように、アブソリュートコード位置は、(理想的な信号又はほぼ理想的な信号の場合には)およそWcode/3の分解能で決定される。様々な実施例においては、最大の信号強度を示すセットは、アブソリュート信号値を加算したもの又は信号値の自乗を加算したものを比較することで決定されてもよい。しかし、これらの比較方法は例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0051】
図7は、コードビット長により与えられる分解能よりも高精度なコード化位置を得るため、デジタル位置コードが、本明細書において説明される原理にしたがってどのように検出されて処理されるかの一態様を示す、信号処理部の一実施例の例示的なコンポーネントのブロック図700である。
【0052】
図7に示すように、信号処理部は、それぞれSet1信号入力に及びSet2信号入力に入力されるコード検出器信号の第1及び第2のセットに対応する、N個のコード検出器信号のM個のセット(図示した実施例では、M=2、N=6)のそれぞれが入力する。既述した原理にしたがって、コードパターン検出素子の第1及び第2のセット(例えば、Set1及びSet2のそれぞれ)から信号が生成されてもよい。例えば、図2を参照して説明したように、サンプルホールド回路464により与えられるものと同様の方法で信号が生成されてもよい。そして、信号は、2つの平行信号経路を通じて送られる。一方の経路は比較器アレイ771につながり、比較器アレイ771は信号をデジタル信号基準電圧と比較し、バイナリコード信号772にデジタル化する。他方の経路に沿って、Set1信号がSet1信号整流回路773に送られ、Set2信号がSet2信号整流回路774に送られる。整流回路773及び774は、Set1加算回路775とSet2加算回路776へ、それぞれSet1及びSet2の信号の強度を出力する。Set1加算回路775及びSet2加算回路776は、比較制御回路777へSet1及びSet2の加算信号を出力し、比較制御回路777は、既知の方法にしたがって、いずれの信号が大きいかを判定する。そして、比較制御回路777は、判定に基づいたスイッチ制御信号をスイッチアレイ778へ出力し、判定に基づいた位置コード配列信号がアブソリュート位置決定回路又はルーティン779へ出力する。例えば、Set1加算信号の方が大きい場合には、スイッチアレイ778に送られるスイッチ制御信号は、スイッチアレイ778に、アブソリュート位置コード値として、Set1に対応するバイナリコード信号を出力させる。アブソリュート位置コード値は、アブソリュート位置決定回路779へ送られる。この場合には、比較制御回路777によってアブソリュート位置決定回路又はルーティン779へ送られる位置コード配列信号は、Set1がアブソリュート位置コード値を与えることを示す信号である。これにより、アブソリュート位置決定回路又はルーティン779は、Set1のコードパターン検出素子のセットのコード配列位置と、(Set1の)アブソリュート位置コード値と、を関連付ける。これに対し、Set2加算信号の方が大きい場合には、スイッチアレイ778に送られるスイッチ制御信号は、スイッチアレイ778に、アブソリュート位置コード値として、Set2に対応するバイナリコード信号を出力させる。アブソリュート位置コード値は、アブソリュート位置決定回路779へ送られる。この場合には、比較制御回路777によってアブソリュート位置決定回路又はルーティン779へ送られる位置コード配列信号は、Set2がアブソリュート位置コード値を与えることを示す信号である。これにより、アブソリュート位置決定回路又はルーティン779は、Set2のコードパターン検出素子のセットのコード配列位置と、(Set2の)アブソリュート位置コード値と、を関連付ける。いずれの場合でも、アブソリュート位置決定回路又はルーティン779は、アブソリュート位置コード値を入力及び対応するコードパターン検出素子のセットのコード配列位置を入力とし、かつ、検出器(例えば、図4を参照して説明した検出器105)に隣接するスケールの部分のアブソリュート位置を決定するように構成される。コードパターン検出素子のセットが本明細書において説明される原理にしたがって構成される場合には、アブソリュート位置決定回路又はルーティン779は、対応するコード検出器信号のセットに基づいて、少なくともWfの分解能にて粗いアブソリュート位置を決定することができる。これは、スケール上の隣接部分での周期的パターンの波長Wfである特定周期内でアブソリュート位置を示すのには十分であるため、アブソリュート位置決定回路又はルーティン779は、さらに、既知の方法にしたがって、空間周期的な検出信号に基づいて、少なくとも0.1×Wfの分解能にてスケールの隣接部分の詳細なアブソリュート位置を決定してもよい。
【0053】
図7に示す信号処理部は、コードパターン検出素子のセットからなる2つのセットにより与えられる信号を用いた実施例にかかるものであり、実施例においてMが3以上となるように整流及び加算信号経路を複製することで、追加のコードパターン検出素子のセットからの信号を処理するように、適宜構成を最適化してもよいことは、言うまでもない。
【0054】
上記で説明した原理は、様々な他の実施の形態に適用してもよい。上述の様々な実施の形態は、他の実施の形態を提供するために組み合わされてもよい。他の様々な特許の概念を取り込むために必要ならば、他のさらなる実施の形態を提供するために、実施の形態の態様は変更されてもよい。
【0055】
上記及び他の変更は、上述の詳細な説明に照らして、実施の形態に適用することができる。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用されている用語は、特許請求の範囲を明細書に記載された特定の実施の形態に限定するものとして解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に与えられる権利と均等な範囲の全ての可能な実施の形態が含まれるものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7