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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】濃度制御装置及び材料ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/52 20060101AFI20221011BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20221011BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221011BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221011BHJP
   G05D 21/00 20060101ALI20221011BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20221011BHJP
   F17C 9/02 20060101ALN20221011BHJP
【FI】
C23C16/52
C23C16/455
H01L21/31 F
H01L21/205
G05D21/00 A
F17C13/02 302
F17C9/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018132341
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2019056173
(43)【公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】P 2017179082
(32)【優先日】2017-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(72)【発明者】
【氏名】志水 徹
(72)【発明者】
【氏名】南 雅和
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/080532(WO,A1)
【文献】特開2012-197941(JP,A)
【文献】特開2008-231515(JP,A)
【文献】特開2008-047600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/52
C23C 16/455
H01L 21/31
H01L 21/205
G05D 21/00
F17C 13/02
F17C 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとの互いに対向する対向面それぞれが、前記第1バイパス流路の開口を有することを特徴とする濃度制御装置。
【請求項2】
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、
前記第1バイパス流路が、
前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも上流側から分岐しており、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を検出する第2流量センサと、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁と、をさらに備え、
前記濃度検出器、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されている請求項記載の濃度制御装置。
【請求項3】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、
前記第1バイパス流路が、
前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも下流側から分岐しており、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁をさらに具備し、
前記濃度検出器及び前記第1流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されている濃度制御装置。
【請求項4】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガス流路を流れる混合ガスの流量を制御する第3流量制御弁をさらに具備し、
前記濃度検出器の検出値に基づき、前記第3流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されている濃度制御装置。
【請求項5】
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側から分岐し、前記混合ガス流路又は前記第1バイパス流路のいずれかに合流する第2バイパス流路を形成できるような構成になっている請求項記載の濃度制御装置。
【請求項6】
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第2バイパス流路を形成した場合に、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第2バイパス流路の分岐点よりも下流側に第1開閉弁をさらに備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガス流路における前記第2バイパス流路の合流点よりも上流側に第2開閉弁をさらに備え、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第2バイパス流路に第3開閉弁をさらに備えている請求項記載の濃度制御装置。
【請求項7】
前記濃度検出器が、
前記混合ガス流路を流れる混合ガスに対して光を照射する光源と、
前記光源から射出されて前記混合ガスを透過した光を検出する受光器と、を備えるものである請求項1乃至のいずれかに記載の濃度制御装置。
【請求項8】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記濃度検出器が、
前記混合ガス流路を流れる混合ガスに対して光を照射する光源と、
前記光源から射出されて前記混合ガスを透過した光を検出する受光器と、を備えるものであり、
前記濃度検出器が、前記光源から射出されて前記混合ガスを透過した光を前記第2ブロックから遠ざかる方向へ屈曲させる反射ミラーをさらに備えている濃度制御装置。
【請求項9】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、
前記第1バイパス流路が、
前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも上流側から分岐しており、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を検出する第2流量センサと、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁と、をさらに備え、
前記濃度検出器、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側から分岐し、前記混合ガス流路又は前記第1バイパス流路のいずれかに合流する第2バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第2バイパス流路を形成した場合に、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第2バイパス流路の分岐点よりも下流側に第1開閉弁をさらに備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガス流路における前記第2バイパス流路の合流点よりも上流側に第2開閉弁をさらに備え、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第2バイパス流路に第3開閉弁をさらに備えており、
前記第2ユニットが、前記混合ガス流路の圧力を検出する圧力センサをさらに備えている濃度制御装置。
【請求項10】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第1ブロック又は前記第2ブロックの少なくとも一方が、ヒータを内部に備えている濃度制御装置。
【請求項11】
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側に第4開閉弁をさらに備えている請求項記載の濃度制御装置。
【請求項12】
前記圧力センサの検出値が予め定められた設定圧力値よりも大きくなった場合に、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を閉じた状態にするように構成されている請求項11記載の濃度制御装置。
【請求項13】
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側であって前記第1開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第1圧力センサをさらに備え、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側であって前記第4開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第2圧力センサをさらに備え、
前記第1圧力センサの検出値が予め定められた設定内圧値よりも大きくなった場合に、前記第1流量制御弁、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第4開閉弁を閉じた状態にすると共に、前記第3開閉弁を開いた状態にし、
前記第2圧力センサの検出値が前記設定内圧値よりも大きくなった場合に、前記第2流量制御弁、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁を閉じた状態にすると共に、前記第4開閉弁を開いた状態にするように構成されている請求項11記載の濃度制御装置。
【請求項14】
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側であって前記第1開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第1圧力センサ及び前記第1開閉弁よりも下流側の圧力を検出する第3圧力センサをさらに備え、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側であって前記第4開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第2圧力センサをさらに備え、
前記第1圧力センサの検出値が前記第3圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第1開閉弁を閉じた状態に維持し、
前記第1圧力センサの検出値が前記圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第3開閉弁を閉じた状態に維持し、
前記第2圧力センサの検出値が前記圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第4開閉弁を閉じた状態に維持するように構成されている請求項11記載の濃度制御装置。
【請求項15】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、
前記第1バイパス流路が、
前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも上流側から分岐しており、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を検出する第2流量センサと、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁と、をさらに備え、
前記濃度検出器、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されており、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第1バイパス流路との分岐点よりも上流側に第5開閉弁をさらに備え、
前記貯留タンクの交換信号を受信した場合に、前記第5開閉弁を所定時間毎に開閉させるように構成されていることを特徴とする濃度制御装置。
【請求項16】
前記第1ユニットが、
前記キャリアガス流路における前記第1バイパス流路との分岐点よりも上流側に第5開閉弁をさらに備え、
前記第1流量センサのゼロ点調整信号を受信した場合に、前記第1開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第5開閉弁を閉じた状態で前記第1流量センサのゼロ点を調整し、
前記第2流量センサのゼロ点調整信号を受信した場合に、前記第4開閉弁及び前記第5開閉弁を閉じた状態で前記第2流量センサのゼロ点を調整するように構成されている請求項11記載の濃度制御装置。
【請求項17】
前記第2ユニットが、
前記混合ガス流路における前記濃度検出器の下流側に設置される第6開閉弁をさらに備え、
前記第1流量センサで検出される検出値に基づき前記第1流量制御弁を制御する流量制御装置の校正信号を受信した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁から前記第1開閉弁までの流路と、前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁の下流側の流路と、前記第2バイパス流路と、前記混合ガス流路における前記第2開閉弁から前記第6開閉弁までの流路とから構成される合成流路内を減圧した状態から、前記第1流量制御弁を開いた状態とし、前記合成流路の容積、前記第1流量センサ及び前記圧力センサの検出値とに基づき前記第1流量センサを校正し、
前記第2流量センサで検出される検出値に基づき前記第2流量制御弁を制御する流量制御装置の校正信号を受信した場合に、前記合成流路内を減圧した状態から、前記第2流量制御弁を開いた状態とし、前記合成流路の容積、前記第2流量センサ及び前記圧力センサの検出値とに基づき前記第2流量センサを校正するように構成されている請求項11記載の濃度制御装置。
【請求項18】
材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、
前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、
前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、
前記第1ユニットが、
前記キャリアガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、
前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、
前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、
前記第2ユニットが、
前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、
前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっており、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、
前記第1バイパス流路が、
前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも上流側から分岐しており、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、
前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を検出する第2流量センサと、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁と、をさらに備え、
前記濃度検出器、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成されており、
前記濃度検出器によって検出される検出値と前記第1流量センサ及び前記第2流量センサによって検出される検出値に基づき算出される前記貯留タンクから導出された材料の導出量が、予め定められた規定量に達した場合に警告する警告機能を備える濃度制御装置。
【請求項19】
前記請求項1乃至18のいずれかに記載の濃度制御装置と、
前記濃度制御装置に接続される前記貯留タンクと、を具備する材料ガス供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃度制御装置及び材料ガス供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいては、貯留タンクに貯留された材料ガスを成膜室(チャンバ)へ供給する場合に、キャリアガス供給装置から供給されるキャリアガスを貯留タンクへ導入し、貯留タンクからキャリアガスと共に導出される材料ガスの濃度を調整しながら成膜室(チャンバ)へ供給する濃度制御装置が使用される。
【0003】
従来の濃度制御装置としては、例えば、特許文献1に示すように、貯留タンクの上方に設置されたパネルに対し、キャリアガス供給装置から貯留タンクへ伸びる配管や、貯留タンクから成膜室へ伸びる配管等の各配管を固定すると共に、その各配管に接続されるマスフローコントローラ等の各機器を固定する態様が採用されている。
【0004】
ところが、前記従来の濃度制御装置においては、各配管や各機器をパネルに対して自由に配置できることから設計自由度は高いものの、各配管の全長が伸び、これに伴って、装置全体の圧損が増し、かつ、装置自体も大型化するという問題があった。さらに、貯留タンクから成膜室へ伸びる配管が長くなると、応答性が悪化するという問題もあった。このため、装置全体の集積化が要求の一つとして存在する。
【0005】
また、濃度制御装置において、貯留タンクよりも下流側に接続され、材料ガスが流れる配管は、材料ガスの付着によって汚れてしまうため、配管の交換等の定期的なメンテナンスが必要であり、メンテナンス性の向上も要求の一つとして存在する。
【0006】
また、前記従来の濃度制御装置においては、各配管が離間していることから、配管毎にヒータを設置する必要があるが、前記要求に応えるべく、装置全体を集積化しようとすると、各配管が密集し、これに伴って、加熱が必要な配管に対してヒータを設置できなくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開昭61-094319
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、メンテナンス性を低下させることなく、配管を短くし、応答性を向上させることができる濃度制御装置を提供することを主な課題とするものである。また、本発明は、各配管を集積しながら加熱が必要な配管(流路)をしっかり加熱することできる濃度制御装置を提供することを別の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係る濃度制御装置は、材料を貯留する貯留タンクへキャリアガスを導入し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、前記貯留タンクへ導入される前記キャリアガスの流量を制御する第1ユニットと、前記貯留タンクから導出される前記材料ガスの濃度を検出する第2ユニットと、を具備し、前記第1ユニットが、前記キャリガスが流れるキャリアガス流路を内部に有する第1ブロックと、前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、を備え、前記第2ユニットが、前記混合ガスが流れる混合ガス流路を内部に有し、前記第1ブロックと着脱可能に連結する第2ブロックと、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
このようなものであれば、貯留タンクから伸びる各配管を効率良く集積することができ、これにより、貯留タンクから伸びる各配管の全長が短くなって圧損を低減できる。また、キャリアガス供給装置から貯留タンクへ伸びる配管の一部を担うキャリアガス流路と、貯留タンクから成膜室へ伸びる配管の一部を担う混合ガス流路と、を別々のブロックに形成し、かつ、各流路に必要となる各機器をそのブロックに設置する構成を採用したので、汚れが生じ易い混合ガス流路を有する第2ブロックのみを交換等することができ、メンテナンス性が格段に向上する。また、第1ブロックに対し、混合ガス流路の光が通過する部分の長さが異なる濃度検出器を設置した複数の第2ブロックを選択的に連結できるように構成しておけば、供給先へ供給する材料ガスの吸光度に合わせ、最適な濃度検出器が設置された第2ブロックを選択的に第1ブロックに接続することができ、設計変更が容易となる。また、第1ブロックとして共通のものを使用することができるため、製造コストを抑えられる。
【0011】
また、前記濃度制御装置において、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁によりも上流側から分岐し、前記混合ガス流路における前記濃度検出器よりも上流側へ合流する第1バイパス流路を形成できるような構成になっているものであってもよい。
【0012】
濃度制御装置には、供給先へ供給する材料ガスの濃度を制御する方式として、混合ガス流路の圧力を制御する圧力方式と、キャリアガス流路からバイパス流路を介して混合ガス流路へ導入されるキャリアガスの流量を制御する希釈方式と、が存在するが、前記構成を採用することにより、第1バイパス流路を形成するか否かで、前記いずれの方式にも使用することができるようになる。これにより、両方式において、部品を共通化することができ、製造コストを低減できる。
【0013】
また、前記濃度制御装置を前記希釈方式として使用する場合、すなわち、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第1バイパス流路を形成した場合に、前記第1バイパス流路が、前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも上流側から分岐しており、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を検出する第2流量センサと、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁と、をさらに備え、前記濃度検出器、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成すればよく、また、前記第1バイパス流路が、前記キャリアガス流路における前記第1流量センサよりも下流側から分岐しており、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第1バイパス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第2流量制御弁をさらに具備し、前記濃度検出器及び前記第1流量センサの検出値に基づき、前記第1流量制御弁及び前記第2流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成すればよい。この場合、前者に比べて後者は、流量センサを一つ省略することができ、これにより、製造コストを抑えることができる。
【0014】
また、前記濃度制御装置を前記圧力方式として使用する場合、すなわち、前記第1バイパス流路を形成しない場合に、前記第2ユニットが、前記混合ガス流路を流れる混合ガスの流量を制御する第3流量制御弁をさらに具備し、前記濃度検出器の検出値に基づき、前記第3流量制御弁によって、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を制御するように構成すればよい。
【0015】
また、前記いずれかの濃度制御装置において、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを連結して前記第2バイパス流路を形成した場合に、前記第1ユニットが、前記キャリアガス流路における前記第2バイパス流路の分岐点よりも下流側に第1開閉弁をさらに備え、前記第2ユニットが、前記混合ガス流路における前記第2バイパス流路の合流点よりも上流側に第2開閉弁をさらに備え、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第2バイパス流路に第3開閉弁をさらに備えているものであってもよい。
【0016】
このようなものであれば、第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁を操作するだけで、キャリアガスの供給を中断することなく、濃度制御装置から材料ガスが導出されることを停止できる。また、第2バイパス流路を利用し、濃度制御装置内のパージ作業を行うこともできるようになる。
【0017】
また、前記いずれかの濃度制御装置において、前記濃度検出器が、前記混合ガス流路を流れる混合ガスに対して光を照射する光源と、前記光源から射出されて前記混合ガスを透過した光を検出する受光器と、を備えるように構成してもよい。
【0018】
また、前記濃度検出器が、前記光源から射出されて前記混合ガスを透過した光を前記第2ブロックから遠ざかる方向へ屈曲させる反射ミラーをさらに備えるものであってもよい。
【0019】
混合ガス流路は、材料ガスの再液化を防止するためヒータで加熱される。このため、混合ガス流路が設けられた第2ブロックに近づくほど、ヒータから発生する熱の影響が大きくなるが、前記のような構成を採用することにより、熱に弱い受光器を第2ブロックから遠ざけて配置できる。
【0020】
また、前記第2ユニットが、前記混合ガス流路の圧力を検出する圧力センサをさらに備えるものであってもよい。
【0021】
また、前記第1ブロック又は前記第2ブロックの少なくとも一方が、ヒータを内部に備えているものであってもよい。この場合、第1ブロック及び第2ブロックが面接触した状態で連結するように構成してもよい。
【0022】
このようなものであれば、第1ブロック及び第2ブロックを面接触させた状態で連結する構造を採用することにより、各ブロックに設置されたヒータの熱が、互いのブロックへ伝導し、これにより、各ブロックの内部に形成されたヒータが設置し難い流路も確実に加熱することができる。
【0023】
また、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁を備える濃度制御装置において、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側に第4開閉弁をさらに備えているものであってもよい。このような構成の濃度制御装置においては、更に次のような構成を備えるものであってもよい。
【0024】
すなわち、前記圧力センサの検出値が予め定められた設定圧力値よりも大きくなった場合に、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を閉じた状態にするように構成してもよい。
【0025】
このようなものであれば、濃度制御装置の二次側の圧力上昇を防止でき、これにより、耐圧性が低い濃度検出器の破損を防止することができる。
【0026】
また、前記第1ユニットが、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側であって前記第1開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第1圧力センサをさらに備え、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側であって前記第4開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第2圧力センサをさらに備え、前記第1圧力センサの検出値が予め定められた設定内圧値よりも大きくなった場合に、前記第1流量制御弁、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第4開閉弁を閉じた状態にすると共に、前記第3開閉弁を開いた状態にし、前記第2圧力センサの検出値が前記設定内圧値よりも大きくなった場合に、前記第2流量制御弁、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁を閉じた状態にすると共に、前記第4開閉弁を開いた状態にするように構成してもよい。
【0027】
このようなものであれば、濃度制御装置の内圧上昇を防止でき、これにより、耐圧性が低い濃度検出器の破損を防止することができる。
【0028】
また、前記第1ユニットが、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁よりも下流側であって前記第1開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第1圧力センサ及び前記第1開閉弁よりも下流側の圧力を検出する第3圧力センサをさらに備え、前記第1ユニット又は前記第2ユニットが、前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁よりも下流側であって前記第4開閉弁よりも上流側の圧力を検出する第2圧力センサをさらに備え、前記第1圧力センサの検出値が前記第3圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第1開閉弁を閉じた状態に維持し、前記第1圧力センサの検出値が前記圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第3開閉弁を閉じた状態に維持し、前記第2圧力センサの検出値が前記圧力センサの検出値よりも小さい場合に、前記第4開閉弁を閉じた状態に維持するように構成してもよい。
【0029】
このようなものであれば、貯留タンク内の材料や当該材料が気化した材料ガスが濃度制御装置内へ逆流することや、混合ガス流路を流れる混合ガスがキャリアガス流路や第1バイパス流路へ逆流することを防止できる。これにより、流量制御装置の破損を防止できる。
【0030】
また、前記第1ユニットが、前記キャリアガス流路における前記第1バイパス流路との分岐点よりも上流側に第5開閉弁をさらに備え、前記貯留タンクの交換信号を受信した場合に、前記第5開閉弁を所定時間毎に開閉させるように構成してもよい。さらに、前記第1ユニットが、前記キャリアガス流路における前記第1バイパス流路との分岐点よりも上流側に第5開閉弁をさらに備え、前記第1流量センサのゼロ点調整信号を受信した場合に、前記第1開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第5開閉弁を閉じた状態で前記第1流量センサのゼロ点を調整し、前記第2流量センサのゼロ点調整信号を受信した場合に、前記第4開閉弁及び前記第5開閉弁を閉じた状態で前記第2流量センサのゼロ点を調整するように構成してもよい。さらに、前記第2ユニットが、前記混合ガス流路における前記濃度検出器の下流側に設置される第6開閉弁をさらに備え、前記第1流量センサで検出される検出値に基づき前記第1流量制御弁を制御する流量制御装置の校正信号を受信した場合に、前記キャリアガス流路における前記第1流量制御弁から前記第1開閉弁までの流路と、前記第1バイパス流路における前記第2流量制御弁の下流側の流路と、前記第2バイパス流路と、前記混合ガス流路における前記第2開閉弁から前記第6開閉弁までの流路とから構成される合成流路内を減圧した状態から、前記第1流量制御弁を開いた状態とし、前記合成流路の容積、前記第1流量センサ及び前記圧力センサの検出値とに基づき前記第1流量センサを校正し、前記第2流量センサで検出される検出値に基づき前記第2流量制御弁を制御する流量制御装置の校正信号を受信した場合に、前記合成流路内を減圧した状態から、前記第2流量制御弁を開いた状態とし、前記合成流路の容積、前記第2流量センサ及び前記圧力センサの検出値とに基づき前記第2流量センサを校正するように構成してもよい。
【0031】
このようなものであれば、濃度制御装置単体でサイクルパージや、流量制御装置のゼロ点調整及び校正を行うことができるようになる。
【0032】
さらに、前記濃度検出器によって検出される検出値と前記第1流量センサ及び前記第2流量センサによって検出される検出値に基づき算出される前記貯留タンクから導出された材料の導出量が、予め定められた規定量に達した場合に警告する警告機能を備えるものであってもよい。
【0033】
このようなものであれば、貯留タンクの適切な交換時期を知ることができ、貯留タンクが空の状態になることを防止できる。
【0034】
また、本発明に係る材料ガス供給装置は、前記いずれかの濃度制御装置と、前記濃度制御装置に接続される前記貯留タンクと、を具備するものである。
【発明の効果】
【0035】
このように構成した本発明によれば、メンテナンス性を低下させることなく、配管を短くし、応答性を向上させることができる濃度制御装置を提供することができる。また、本発明によれば、各配管を集積しながら加熱が必要な配管(流路)をしっかり加熱することできる濃度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施形態1に係る材料ガス供給装置を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る濃度制御装置を模式的に示す分解斜視図である。
図3】実施形態1に係る濃度制御装置を示す模式図である。
図4】実施形態1に係る濃度制御装置を示す斜視図である。
図5】実施形態1に係る第1ブロック及び第2ブロックのヒータを示す模式図である。
図6】実施形態1に係る濃度制御装置を示すX-X断面図である。
図7】実施形態1に係る濃度制御装置を示すY-Y断面図である。
図8】実施形態1に係る濃度制御装置を示すZ-Z断面図である。
図9】実施形態1に係る濃度制御装置を希釈方式で制御する場合の流路を示すブロック図である。
図10】実施形態1に係る濃度制御装置を圧力方式で制御する場合の流路を示すブロック図である。
図11】実施形態2に係る濃度制御装置の流路を示すブロック図である。
図12】実施形態3に係る濃度制御装置の流路を示すブロック図である。
図13】実施形態5に係る濃度制御装置の流路を示すブロック図である。
図14】その他の実施形態に係る濃度検出器を示す断面模式図である。
図15】その他の実施形態に係る濃度制御装置を希釈方式で制御する場合の流路を示すブロック図である。
図16】その他の実施形態に係る濃度制御装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明に係る濃度制御装置を用いた材料ガス供給装置を図面に基づいて説明する。
【0038】
本発明に係る濃度制御装置を用いた材料ガス供給装置は、主に半導体製造プロセスに使用されるものであり、具体的には、貯留タンクに貯留された材料(具体的には、液体材料や固体材料)が気化して生成された材料ガス(具体的には、液体材料が蒸発して生成された材料ガスや固体材料が昇華して生成された材料ガス)を、その濃度を制御しながら成膜室(チャンバ)等の供給先へ供給するために使用されるものである。なお、本発明に係る材料ガス供給装置は、半導体製造プロセス以外に使用することもでき、また、本発明に係る濃度制御装置のみを、半導体製造プロセス以外に使用することもできる。
【0039】
<実施形態1> 本実施形態に係る濃度制御装置を用いた材料ガス供給装置100は、図1に示すように、材料を貯留する貯留タンクSTと、貯留タンクSTに接続される濃度制御装置200と、を具備している。なお、本実施形態においては、濃度制御装置200は、貯留タンクSTの上方に配置され、図示しないパネルや壁等の設置場所に対して断熱ブロック300(図2参照)を介して設置される。
【0040】
前記貯留タンクSTは、材料を貯留するタンク本体10と、タンク本体10へキャリアガスを導入する導入管11と、タンク本体10からキャリアガス及び材料ガスからなる混合ガスを導出する導出管12と、を備えている。
【0041】
前記濃度制御装置200は、図1及び図2に示すように、導入管11に接続され、キャリアガス供給装置(図示せず)から導入管11を介して貯留タンクSTへ供給されるキャリアガスの流量を制御する機能を備えた第1ユニット210と、導出管12に接続され、貯留タンクSTから導出管12を介して供給先へ供給される混合ガスに含まれる材料ガスの濃度を検出する第2ユニット220と、を具備している。なお、第1ユニット210及び第2ユニット220は、互いに着脱可能に連結できる構造になっている。すなわち、濃度制御装置200は、第1ユニット210及び第2ユニット220というブロック要素を組み合わせて構成されている。
【0042】
前記第1ユニット210は、第1ブロックB1と、第1ブロックB1の所定面に設置される二つの流量制御装置MFC、三つの開閉弁V及び四つのバイパスブロックbと、を具備している。なお、第1ユニット210は、第1ブロックB1に形成された複数の内部流路Rを、その所定面に設置される前記各部材MFC,V,bの内部流路rを介して連通させることにより、キャリアガス流路L1、第1バイパス流路L2の上流側及び第2バイパス流路L3の上流側が形成される構造になっている。以下、この構造を主に図3図4図6及び図7に基づき詳述する。なお、図3(a)において、各内部流路Rを点線にて示し、図3(b)において、キャリアガス流路L1、第1バイパス流路L2及び第2バイパス流路L3を点線にて示している。また、図4において、キャリアガス流路L1を太実線にて示し、第1バイパス流路L2及び第2バイパス流路L3を太点線にて示している。
【0043】
前記第1ブロックB1は、直方体状のものであり、図3及び図4に示すように、長手方向の一端側にキャリアガスを導入するための導入ポート23が設けられており、長手方向の他端側にキャリアガスを導出するための導出ポート24が設けられている。なお、本実施形態においては、導出ポート24を、第1ブロックB1と別体のブロックによって形成されているが、導入ポート23と同様に一体に形成してもよい。また、第1ブロックB1は、機能を損なわない範囲において複数の要素に分割した構造としてもよい。
【0044】
第1ブロックB1には、図3(a)に示すように、導入ポート23と導出ポート24とを結ぶ第1直線X上に対し、上流側から順番に内部流路Ra、内部流路Rbが形成されている。なお、内部流路Raは、導入ポート23と連通している。そして、第1ブロックB1には、図6に示すように、内部流路Ra及び内部流路Rbを、第1流量制御装置MFC1の内部流路r1によって接続し、内部流路Rb及び導出ポート24を、第1開閉弁V1の内部流路r2によって接続しており、これにより、図3(b)に示すキャリアガス流路L1が形成されている。
【0045】
また、第1ブロックB1には、図3(a)に示すように、第1直線Xと平行に並ぶ第2直線Y上に対し、上流側から順番に内部流路Rc、内部流路Rd、内部流路Reが形成されている。そして、第1ブロックB1には、図7に示すように、内部流路Ra及び内部流路Rcを、第1バイパスブロックb1の内部流路r3によって接続し、内部流路Rc及び内部流路Rdを、第2流量制御装置MFC2の内部流路r1によって接続し、内部流路Rd及び内部流路Reを、第4開閉弁V4の内部流路r2によって接続し、内部流路Reに第2バイパスブロックb2の内部流路r3が接続されており、これにより、図3(b)に示す第1バイパス流路L2の上流側が形成されている。
【0046】
また、第1ブロックB1には、図3(a)に示すように、第2直線Yの下流側に沿うように、内部流路Rf、内部流路Rgが平行に並んで形成されている。そして、第1ブロックB1には、図3(a)に示すように、内部流路Rb及び内部流路Rfを、第2バイパスブロックb3の内部流路r3によって接続し、内部流路Rf及び内部流路Rgを、第3開閉弁V3の内部流路r2によって接続し、内部流路Rgに第3バイパスブロックb3の内部流路r3が接続されており、これにより、図3(b)に示す第2バイパス流路L3の上流側が形成される。
【0047】
なお、第1ブロックB1には、図5に示すように、第1の直線X上に設けられた内部流路Ra,Rbに沿う外側面側に第1ヒータH1が内蔵されていると共に、第2の直線Y上に設けられた内部流路Rc~Reに沿う外側面側に第2ヒータH2が内蔵されている。なお、これらのヒータH1,H2は、第1ブロックB1を通過するキャリアガスを予備加熱する役割を果たしている。
【0048】
前記流量制御装置MFCは、いずれも同様の構成を備えた所謂熱式のマスフローコントローラである。具体的には、図6又は図7に示すように、流量制御装置MFCは、第1ブロックB1の所定面に設置される台座ブロック20aを備えている。台座ブロック20aは、直方体状のものであり、第1ブロックB1の内部流路Raに連通させて接続される内部流路r1が形成されている。なお、流量制御装置MFCは、この台座ブロック20aの内部流路r1を流れる流体の流量を監視し、その流量を制御するものである。このため、台座ブロック20aには、流量を検出する流量センサ20bと、その流量センサ20bの検出値に基づいて流量を制御する流量制御弁20cと、が設置されている。なお、本実施形態においては、熱式のマスフローコントローラを使用しているが、これに限定されず、圧力式や他の方式のマスフローコントローラを使用することもできる。
【0049】
前記開閉弁Vは、いずれも同様の構成を備えたものである。具体的には、図6に示すように、開閉弁Vは、第1ブロックB1の所定面に設置される台座ブロック21aを備えている。台座ブロック21aは、直方体状のものであり、第1ブロックB1の内部流路Rに連通させて接続される内部流路r2が形成されている。そして、開閉弁Vは、この台座ブロック21aの内部流路r2を流れる流体の流量を開閉によって調節するものである。
【0050】
前記バイパスブロックbは、直方体状のものであり、第1ブロックB1の内部流路Rに連通させて接続される内部流路r3が形成されている。
【0051】
このような構成にすることにより、第1ユニット210には、図3(b)及び図4に示すように、第1ブロックB1に対し、導入ポート23から導出ポート24へ伸びるキャリアガス流路L1と、キャリアガス流路L1の第1流量制御装置MFC1よりも上流側から分岐して伸びる第1バイパス流路L2の上流側と、キャリアガス流路L1の第1流量制御装置MFC1の下流側から分岐して伸びる第2バイパス流路L3の上流側と、が形成される。
【0052】
前記第2ユニット220は、図1及び図2に示すように、第2ブロックB2と、第2ブロックB2の所定面に設置される第2開閉弁V2、濃度検出器IR及び流量制御弁CVと、を具備している。なお、第2ユニット220は、第2ブロックB2に形成された複数の内部流路Rを、その所定面に設置する前記各部材V,IR,CVの内部流路rを介して連通させることにより、混合ガス流路L4、第1バイパス流路L2の下流側及び第2バイパス流路L3の下流側が形成される構造になっている。以下、この構造を主に図3図4及び図8に基づき詳述する。なお、図3(a)において、各内部流路Rを点線にて示し、図3(b)において、混合ガス流路L4、第1バイパス流路L2及び第2バイパス流路L3を点線にて示している。また、図4において、混合ガス流路L4を太実線にて示し、第1バイパス流路L2の下流側及び第2バイパス流路L3の下流側を太点線にて示している。
【0053】
前記第2ブロックB2は、直方体状のものであり、図3及び図4に示すように、長手方向の一端側に混合ガスを導出するための導出ポート33が設けられており、長手方向の他端側に混合ガスを導入するための導入ポート32が設けられている。なお、本実施形態においては、導入ポート32及び導出ポート33を、第2ブロックB2と別体のブロックによって形成されているが、第2ブロックB2と一体に形成してもよい。また、第2ブロックB2は、機能を損なわない範囲において複数の要素に分割した構造としてもよい。
【0054】
第2ブロックB2には、図3(a)に示すように、導入ポート32と導出ポート33とを結ぶ第3直線Z上に、上流側から順番に内部流路Rh、内部流路Riが形成されている。また、第2ブロックB2には、図8に示すように、導入ポート32及び内部流路Rhを、第2開閉弁V2の内部流路r3によって接続し、内部流路Rh及び内部流路Riを、濃度検出器IRの内部流路r4によって接続し、内部流路Ri及び導出ポート33を、流量制御弁CVの内部流路r5によって接続しており、これにより、図3(b)に示す混合ガス流路L4が形成されている。また、第2ブロックB2には、図8に示すように、所定面の開口から内部流路Rhへ合流する第1バイパス流路L2の下流側及び第2バイパス流路L3の下流側が形成されている。
【0055】
なお、第2ブロックB2には、図5に示すように、第3直線Z上に設けられた内部流路Rh,Riに沿うように第3ヒータH3が内蔵されている。なお、第3ヒータH3は、第2ブロックB2を通過する混合ガス中の材料ガスが混合ガス流路L4内へ蓄積又は付着することを防止するために加熱する役割を果たしている。
【0056】
前記濃度検出器IRは、所謂吸光度計である。具体的には、図8に示すように、濃度検出器IRは、第2ブロックB2の所定面に設置される検査用ブロック30aを備えている。検査用ブロック30aは、直方体状のものであり、第2ブロックB2の内部流路Rに連通させて接続される内部流路r4が形成されている。なお、濃度検出器IRは、この検査用ブロック30aの内部流路r4を流れる混合ガスに対し、光を照射し、その混合ガスを透過した光の強度に基づき、混合ガスに含まれる材料ガスの濃度を検出するものである。従って、検査用ブロック30aには、内部流路r4の一部である検査流路r4´が長手方向へ貫通するように形成されており、この検査流路r4´を跨ぐように一対の透光窓30bが設置されている。また、検査用ブロック30aには、一方の透光窓30b側に、光源30cが設置され、他方の透光窓30b側に、光源30cから射出された光を第2ブロックB2から遠ざかる方向へ反射する反射ミラー30dと、その反射ミラー30dで反射された光を受光する受光器30eと、内部流路r4に接続される圧力センサ30fが設置されている。また、検査用ブロック30aには、内部流路r4に沿うようにヒータ(図示せず)が内蔵されている。なお、このヒータは、検査用ブロック30aを通過する混合ガス中の材料ガスが混合ガス流路L4内へ蓄積又は付着することを防止するために加熱する役割を果たしている。因みに、濃度検出器30の感度は、光が混合ガスを透過する距離によって決まるため、検査用ブロック30aの検出流路r4´の長さを伸ばすほど、感度が増す。
【0057】
前記流量制御弁CVは、図8に示すように、第2ブロックB2の所定面に設置される台座ブロック31aを備えている。台座ブロック31aは、直方体状のものであり、第2ブロックB2の内部流路Rに連通させて接続される内部流路r5が形成されている。なお、流量制御弁CVは、この台座ブロック31aの内部流路r5を流れる流体の流量を調節するものである。
【0058】
このように構成することにより、第2ユニット220には、図3(b)及び図4に示すように、第2ブロックB2に対し、導入ポート32から導出ポート33へ伸びる混合ガス流路L4が形成され、混合ガス流路L4の濃度検出器IRよりも上流側に合流するように、第1バイパス流路L2の下流側及び第2バイパス流路L3の下流側が形成される。
【0059】
次に、第1ユニット210及び第2ユニット220の組立てについて説明する。
【0060】
第1ユニット210及び第2ユニット220は、第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結手段によって連結して一体にできる構造になっている。そして、図4に示すように、第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合に、第2バイパス流路L3の上流側及び第2バイパス流路L3の下流側が接続され、図3(b)に示すように、第2バイパス流路L3が形成される。連結手段としては、例えば、第2ブロックB2を貫通して第1ブロックB1に達するネジによって締結する手段が考えられるが、これに限定されるものではない。
【0061】
また、図4に示すように、第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合に、第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路L2の下流側を接続するか否かを選択することできるようになっている。そして、第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路の下流側を接続させた場合には、図3(b)に示すように、第1バイパス流路L2が形成される。これにより、供給先へ供給する材料ガスの濃度を、キャリアガス流路L1から第1バイパス流路L2を介して混合ガス流路L4へ導入するキャリアガスの流量によって制御する希釈方式として使用できるようになる。なお、濃度制御装置200を希釈方式で使用する場合には、流量制御弁CVは必要ないので、これをバイパスブロックに変更することにより、コストを削減できる。
【0062】
一方、第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路L2の下流側を接続させなかった場合には、供給先へ供給する材料ガスの濃度を、混合ガス流路L4の圧力で制御する圧力方式として使用できるようになる。なお、濃度制御装置200を圧力方式で使用する場合には、第2流量制御装置MFC2及び第4開閉弁V4は必要ないので、これらを取り除いて第1バイパス流路L2の上流側を閉鎖することにより、コストを削減することもできる。この場合、第2流体制御装置MFC2及び第4開閉弁V4を取り除くことなく、第2バイパスブロックb2を塞いで第1バイパス流路L2の上流側を閉鎖してもよい。第1バイパス流路L2の上流側の閉鎖には、蓋体等のパーツを使用すればよい。
【0063】
第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合に、第2ヒータH2及び第3ヒータH3によって混合ガス流路L4が挟まれた状態となり、混合ガスがより効率的に加熱されるようになる。この場合、第3ヒータH3は、外気と接触する面に沿って配置され、混合ガス流路L4に外気の温度が伝わり難くなる。因みに、第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合に、断熱ブロック300やパネルに対向する面が平坦になり、設置し易くなっている。
【0064】
また、前記濃度制御装置200は、図示しない制御部に接続されている。具体的には、第1ユニット210における二つの流量制御装置MFC及び三つの開閉弁Vと、第2ユニット220における開閉弁V、濃度検出器IR及び流量制御弁CVと、がそれぞれ制御部に接続されている。制御部は、CPU、内部メモリ、I/Oバッファ回路、ADコンバータ等を有した所謂コンピュータである。そして、内部メモリの所定領域に格納した制御プログラムに従って動作することで、CPU及び周辺機器が協働動作し、供給先へ供給する材料ガスの濃度を制御する機能を発揮する。
【0065】
次に、本実施形態に係る材料ガス供給装置100の構築方法を説明する。
【0066】
先ず、検出流路r4´の長さが異なる濃度検出器IR、即ち、感度が異なる濃度検出器IRを設置した複数の第2ユニット220を事前に複数用意しておく。そして、濃度制御装置200の仕様に従って最適な感度の濃度検出器IRが設置された第2ユニット220を選択し、その選択した第2ユニット220を第1ユニット210へ連結する。この場合、第2バイパス流路L3の上流側及び第2バイパス流路L3の下流側を接続して第2バイパス流路L3を形成すると共に、制御方式(圧力方式又は希釈方式)に合わせて第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路L2の下流側を接続するか否かを選択する。そして、得られた濃度制御装置200を、キャリアガス供給装置、貯留タンクST及び供給先へ接続して材料ガス制御システムを構築する。
【0067】
次に、本実施形態に係る濃度制御装置200を希釈方式で制御した場合の動作を図9に基づいて説明する。なお、図9に示す濃度制御装置200は、制御方式に合わせて流量制御弁CVを取り除いている。
【0068】
材料ガス供給装置100に対して、稼働信号が送信されると、制御部は、先ず、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2及び第4開閉弁V4を開くと共に、第3開閉弁V3を閉じた状態とする。これにより、貯留タンクSTに対し、濃度制御装置200を介してキャリアガスが導入され、供給先に対し、濃度制御装置200を介して混合ガスが供給され始める。因みに、第4開閉弁V4は、希釈方式で制御する場合には、常に開いた状態になっている。
【0069】
そして、制御部は、混合ガス流路L4を流れる材料ガスの濃度を随時濃度検出器IRによって検出し、その検出濃度値が予め定められた設定濃度値に近づくように第1流量制御装置MFC1及び第2流量制御装置MFC2を制御する。具体的には、制御部は、設定濃度値よりも検出濃度値が高い場合には、第1流量制御装置MFC1に設定された目標流量を下げると共に、第2流量制御装置MFC2に設定された目標流量を上げる制御を実施する。これにより、貯留タンクSTへ導入されるキャリアガスの流量が減少すると共に、第1バイパス流路L2を通って混合ガス流路L4へ導入されるキャリアガスの流量が増加する。その結果、混合ガス流路L4を流れる混合ガスの希釈度合いが増し、濃度検出器IRで検出される検出濃度値が低下する。一方、制御部は、設定濃度値よりも検出濃度値が低い場合には、第1流量制御装置MFC1に設定された目標流量を上げると共に、第2流量制御装置MFC2に設定された目標流量を下げる制御を実施する。これにより、貯留タンクSTへ導入されるキャリアガスの流量が増加すると共に、第1バイパス流路L2を通って混合ガス流路L4へ導入されるキャリアガスの流量が減少する。その結果、混合ガス流路L4を流れる混合ガスの希釈度合いが減り、濃度検出器IRで検出される濃度値が上昇する。
【0070】
次に、本実施形態に係る濃度制御装置200を圧力方式で制御した場合の動作を図10に基づいて説明する。なお、図10に示す濃度制御装置200は、制御方式に合わせて、第2流量制御装置MFC2及び第4開閉弁V4を取り除いている。
【0071】
材料ガス供給装置100に対して、稼働信号が送信されると、制御部は、先ず、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開くと共に、第3開閉弁V3を閉じた状態とする。これにより、貯留タンクSTに対し、濃度制御装置200を介してキャリアガスが導入され、供給先に対し、濃度制御装置200を介して混合ガスが供給され始める。
【0072】
そして、制御部は、混合ガス流路L4を流れる材料ガスの濃度を随時濃度検出器IRによって検出し、その検出濃度値が予め定められた設定濃度値に近づくように流量制御弁CVを制御する。具体的には、制御部は、設定濃度値よりも検出濃度値が高い場合には、流量制御弁CVの開度を小さくする制御を実施する。これにより、混合ガス流路L4を流れる混合ガスの濃度が下がり、濃度検出器IRで検出される検出濃度値が低下する。一方、制御部は、設定濃度値よりも検出濃度値が低い場合には、流量制御弁CVの開度を大きくする制御を実施する。これにより、混合ガス流路L4を流れる混合ガスの濃度が上がり、濃度検出器IRで検出される濃度値が上昇する。
【0073】
なお、いずれの制御方式においても、材料ガス供給装置100に対して、材料ガスの供給を停止する停止信号が送信された場合に、制御部は、先ず、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じると共に、第3開閉弁V3及び第4開閉弁V4(圧力方式の場合は、第3開閉弁V3のみ)を開いた状態とする。これにより、濃度制御装置200及び貯留タンクSTの接続が遮断され、貯留タンクSTからの材料ガスの供給が停止する。また、制御部は、材料ガス供給装置100に対してパージ信号が送信されると、前記と同様の制御を実施する。これにより、濃度制御装置200内の各流路L1,L2,L3,L4に対して隅々までキャリアガスのみが流通し、濃度制御装置200内のパージが実施される。従って、第2バイパス流路L3は、キャリアガス流路L1のできるだけ下流側と、混合ガス流路L4のできるだけ上流側と、を繋ぐように設けることが好ましい。
【0074】
前記実施形態においては、材料ガス供給装置100を希釈方式又は圧力方式のいずれかにしか使用できないように濃度制御装置200を組み立てているが、いずれの制御方式にも使用できるように組み立て、制御部によっていずれか一方の制御方式に制御できるようにしてもよい。この場合、第4開閉弁V4の開閉によって制御方式を切り替えるようにすればよい。
【0075】
また、図9に示す濃度制御装置200において、圧力センサ30fで検出される圧力は、濃度制御装置200の二次圧ともいえる。そこで、圧力センサ30fを利用して図9に示す濃度制御装置200に対して二次圧上昇防止機能を追加してもよい。具体的には、制御部が、圧力センサ30fで予め定められた設定二次圧値よりも高い圧力値(二次圧)を検出した場合に、第2開閉弁V2、第3開閉弁V3及び第4開閉弁V4を閉じた状態(二次圧上昇防止状態)にするように構成すればよい。
【0076】
このようなものであれば、濃度制御装置200の二次側の圧力が上昇して耐圧性が低い濃度検出器IRが破損する事態を防止できる。この場合、制御部が、第1流量制御弁20c、第2流量制御弁20c、第1開閉弁V1も閉じた状態にすることが好ましい。これにより、二次圧上昇防止状態になった場合における内部流路と貯留タンクSTの圧力上昇を防止できる。また、この場合、キャリアガス流路L1における第1バイパス流路L2との分岐点よりも上流側に第5開閉弁(図示せず)を設置し、制御部が、第5開閉弁を閉じた状態にするように構成してもよい。これにより、第1流量制御弁20c、第2流量制御弁20cに出流れがあった場合でも、内部流路の圧力上昇を確実に防止できる。
【0077】
さらに、混合ガス流路L4における圧力センサ30fよりも下流側に第6開閉弁(図示せず)を設置し、制御部が、二次圧上昇防止状態にした後に圧力センサ30fで検出される圧力値が上昇する場合に、第6開閉弁も閉じた状態にすることが好ましい。これにより、第6開閉弁よりも下流側の圧力上昇による内部流路の圧力上昇を防止できる。また、この場合、濃度制御装置200の下流側(二次側)に第4圧力センサ(図示せず)を設置すれば、圧力センサ30f及び第4圧力センサを比較することにより、濃度制御装置200を二次圧上昇防止状態から濃度制御状態に自動復帰させることもできる。
【0078】
<実施形態2> 本実施形態は、前記実施形態1に係る濃度制御装置200の変形例であり、図9に示す濃度制御装置200に対して内圧上昇防止機能を追加した態様のものである。具体的には、本実施形態に係る濃度制御装置200は、図11に示すように、図9に示す濃度制御装置200に対してさらに、キャリアガス流路L1における流量制御装置MFC1の下流側に第1圧力センサP1を設置し、第1バイパス流路L2における流量制御装置MFC2の下流側に第2圧力センサP2を設置した態様のものである。より具体的には、第1圧力センサP1は、キャリアガス流路L1における第1開閉弁V1よりも上流側に設置されており、第2圧力センサP2は、第1バイパス流路L2における第4開閉弁V4よりも上流側に設置されている。
【0079】
そして、制御部が、第1圧力センサP1で予め定められた設定内圧値よりも高い圧力値が検出された場合に、流量制御装置MFC1の第1流量制御弁20c、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2及び第4開閉弁V4を閉じた状態にすると共に、第3開閉弁V3を開いた状態(内圧上昇防止状態)にするように構成されている。これにより、キャリアガス流路L1における流量制御装置MFC1の下流側が濃度制御装置200の下流側に接続されたポンプ(図示せず)によって排気されて内圧が低下する。
【0080】
また、制御部が、第2圧力センサP2で予め定められた設定内圧値よりも高い圧力値が検出された場合に、流量制御装置MFC2の第2流量制御弁20c、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2及び第3開閉弁V3を閉じた状態にすると共に、第4開閉弁V4を開いた状態(内圧上昇防止状態)にするように構成されている。これにより、第1バイパス流路L2における流量制御装置MFC2の下流側が前記ポンプによって排気されて内圧が低下する。
【0081】
このようなものであれば、濃度制御装置200の内圧が上昇して耐圧性が低い濃度検出器IRが破損する事態を防止できる。因みに、この場合、キャリアガス流路L1における第1バイパス流路L2との分岐点よりも上流側に第5開閉弁V5(図11中、点線にて示す。)を設置し、第1圧力センサP1又は第2圧力センサP2で予め定められた設定内圧値よりも高い圧力値が検出された場合に、第5開閉弁V5も閉じた状態にすることが好ましい。
【0082】
<実施形態3> 本実施形態は、前記実施形態1に係る濃度制御装置200の変形例であり、図9に示す濃度制御装置200に対して逆流防止機能を追加した態様のものである。具体的には、本実施形態に係る濃度制御装置200は、図12に示すように、図9に示す濃度制御装置200に対してさらに、キャリアガス流路L1における流量制御装置MFC1の下流側であって、第1開閉弁V1よりも上流側に圧力センサP1に設置すると共に、第1開閉弁V1よりも下流側に第3圧力センサP3を設置し、第1バイパス流路L2における流量制御装置MFC2の下流側であって第4開閉弁V4よりも上流側に第2圧力センサP2を設置した態様のものである。
【0083】
そして、制御部が、第1圧力センサP1の圧力値よりも第3圧力センサP3の圧力値が大きくなった場合に、第1開閉弁V1を閉じた状態に維持するように構成されている。このようなものであれば、貯留タンクSTに貯留された材料が濃度制御装置200内へ逆流することを防止できる。
【0084】
また、制御部が、第1圧力センサP1の圧力値よりも圧力センサ30fの圧力値が大きくなった場合に、第3開閉弁V3を閉じた状態に維持し、第2圧力センサP2の圧力値よりも圧力センサ30fの圧力値が大きくなった場合に、第4開閉弁V4を閉じた状態に維持するように構成されている。このようなものであれば、混合ガス流路L4を流れる混合ガスがキャリアガス流路L1や第1バイパス流路L2へ逆流することを防止できる。
【0085】
<実施形態4> 本実施形態は、前記実施形態1に係る濃度制御装置200の変形例であり、図9に示す濃度制御装置200に対して貯留タンクを交換する場合に使用するサイクルパージ機能を追加した態様のものである。具体的には、本実施形態に係る濃度制御装置200は、図9に示す濃度制御装置200に対してさらに、キャリアガス流路L1における第1バイパス流路L2との分岐点よりも上流側に第5開閉弁V5(図11参照)を設置した態様のものである。
【0086】
そして、貯留タンクSTを交換する場合に、貯留タンクSTの導入管11及び導出管12に設置された開閉弁(図示せず)を閉じた状態とした後、ユーザが、貯留タンクSTの交換信号を入力すると、その交換信号を受信した制御部が、第1流量制御弁20c、第2流量制御弁20c、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、第3開閉弁V3及び第4開閉弁V4を開いた状態にした後、第5開閉弁V5を所定時間毎に開閉を繰り返すように構成されている。これにより、第5開閉弁V5を開いた場合に、濃度制御装置200内がキャリアガスによってパージされ、第5開閉弁V5を閉じた場合に、濃度制御装置200内が前記ポンプによって真空引きされ、これを繰り返すことによってサイクルパージされる。
【0087】
なお、本実施形態では、第5開閉弁V5の開閉を繰り返すことによってサイクルパージを行っているが、第5開閉弁V5を設置することなく、制御部が、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、第3開閉弁V3及び第4開閉弁V4を開いた状態とした後、第1流量制御弁20c及び第2流量制御弁20cの開閉を同時に繰り返すことによってサイクルパージするようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態において、第1流量センサ20b及び第2流量センサ20bのゼロ点調整機能を追加してもよい。具体的には、第1流量センサ20bのゼロ点を調整する場合には、第1流量センサ20bに対するゼロ点調整開始信号を受信した制御部が、第1開閉弁V1、第3開閉弁V3及び第5開閉弁V5を閉じた状態とし、第1流量センサ20bのゼロ点を調整するように構成すればよい。また、第2流量センサ20bのゼロ点を調整する場合には、第2流量センサ20bに対するゼロ点調整開始信号を受信した制御部が、第4開閉弁V4及び第5開閉弁V5を閉じた状態とし、第2流量センサ20bのゼロ点を調整するように構成すればよい。
【0089】
<実施形態5> 本実施形態は、前記実施形態1に係る濃度制御装置200の変形例であり、図9に示す濃度制御装置200に対して流量制御装置MFC1及びMFC2の校正機能を追加した態様のものである。具体的には、本実施形態に係る濃度制御装置200は、図13に示すように、図9に示す濃度制御装置200に対してさらに、圧力センサ30fよりも下流側に第6開閉弁V6を設置した態様のものである。
【0090】
なお、この場合、キャリアガス流路L1における第1流量制御弁20cから第1開閉弁V1までの流路、第1バイパス流路L2における第2流量制御弁20cよりも下流側の流路、第2バイパス流路L3の流路、及び、混合ガス流路L4における第2開閉弁V2から第6開閉弁V6までの流路、を合成した合成流路(図13中、点線にて示す。)の容積を予め計測しておく。
【0091】
そして、流量制御装置MFC1を校正する場合には、流量制御装置MFC1の校正開始信号を受信した制御部が、第1流量制御弁20c、第2流量制御弁20c、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じると共に、第3開閉弁V3及び第4開閉弁V4開いた状態として濃度制御装置200内を前記ポンプによって所定時間真空引きした後、第6開閉弁V6を閉じて校正準備状態とする。続いて、制御部が、校正準備状態から第1流量制御弁20cを開き、第1流量センサ20bの流量値、圧力センサ30fの圧力値、及び、合成流路の容積、を参照して流量制御装置MFC1を校正するように構成すればよい。
【0092】
一方、流量制御装置MFC2を校正する場合には、流量制御装置MFC2の校正開始信号を受信した制御部が、前記と同様にして校正準備状態とする。続いて、校正準備状態から第2流量制御弁20cを開き、第2流量センサ20bの流量値、圧力センサ30fの圧力値、及び、合成流路の容積、を参照して流量制御装置MFC2を校正するように構成すればよい。
【0093】
なお、この場合、温度センサを設置し、流量制御装置MFC1,MFC2を校正にあたって温度センサで検出される温度値を参照することにより、より高精度の校正を行うことができる。
【0094】
<その他の実施形態> その他の実施形態としては、前記実施形態における濃度検出器IRの代わりに図14に示す濃度検出器IRを用いてもよい。図14に示す濃度検出器IRは、反射ミラー30dが設けられていない点で前記実施形態における濃度検出器IRと構成が相違している。よって、この濃度検出器IRにおいては、光源30cから射出された光が直線的に受光器30eへ入射する。このようなものであれば、反射ミラー30dを設けていないため、製造コストを抑えることができる。
【0095】
また、その他の実施形態として、前記実施形態における第1バイパス流路L2を、図15に示すように、流量センサ20bと、その流量センサ20bの下流側に設置された流量制御弁20cと、の間から分岐させてもよい。この場合、第1バイパス流路L2には、流量制御弁CV及び第4開閉弁V4を設置する。そして、制御部において、キャリアガス流路L1及び第1バイパス流路L2に設置された流量制御弁20cの目標流量の合計値とその割合を参照し、混合ガス流路L4を流れる材料ガスの濃度を制御するように構成すればよい。このようなものであれば、第1バイパス流路L2に流量センサ20bを設置する必要がなくなり、制御コストを抑えることができる。
【0096】
また、その他の実施形態として、第1ブロックB1において、キャリアガス流路L1を挟むように一対のヒータを設置すると共に、第2ブロックB2において、混合ガス流路L4を挟むように一対のヒータを設置した構成にしてもよい。
【0097】
また、第1ブロックB1及び第2ブロックB2に設置された各ヒータを加熱する場合に、混合ガス流路L4に近いヒータの方が、キャリアガス流路L1に近いヒータよりも高温になるように制御する温度制御部を設けてもよい。
【0098】
また、前記各実施形態における濃度検出器IRにおいて、反射ミラー30dの反射面を凹面状に湾曲させて受光器30eに光が集光されるようにすれば、濃度検出器30の感度が増す。
【0099】
また、前記各実施形態においては、第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路L2の下流側や、第2バイパス流路L3の上流側及び第2バイパス流路L3の下流側を、バイパスブロックbを介して接続した態様になっている。しかし、図16に示すように、第1バイパス流路L2の上流側及び第2バイパス流路L3の上流側を、第1ブロックB1の第2ブロックB2に対向する外側面に開口させ、第1バイパス流路L2の下流側及び第2バイパス流路L3の下流側を、第2ブロックB2の第1ブロックB1に対向する外側面に開口させてもよい。これにより、第1ブロックB1及び第2ブロックB2を接続することにより、バイパスブロックbを介さずに、第1バイパス流路L2の上流側及び第1バイパス流路L2の下流側や、第2バイパス流路L3の上流側及び第2バイパス流路L3の下流側を連通させることができる。
【0100】
また、前記各実施形態においては、第1ブロックB1及び第2ブロックB2として別のブロックを採用しているが、第1ブロックB1及び第2ブロックB2として一体のブロックを採用してもよい。この場合には、第1ユニット210に対し、材料ガスによって汚れが生じ易い第2ユニット220を着脱できなくなるため、メンテナンス性は向上しないが、前記従来の濃度制御装置に比べてヒータの設置容易性は格段に向上する。
【0101】
具体的には、材料を貯留する貯留タンクへ導入されるキャリアガスの流量を制御し、前記貯留タンクから前記キャリアガスとの混合ガスとして導出される前記材料が気化した材料ガスの濃度を制御する濃度制御装置であって、前記キャリガスが流れるキャリアガス流路と前記混合ガスが流れる混合ガス流路とを内部に有するブロックと、前記キャリアガス流路を流れる前記キャリアガスの流量を検出する第1流量センサと、前記第1流量センサの検出値に基づき、前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量を制御する第1流量制御弁と、前記混合ガス流路を流れる前記材料ガスの濃度を検出する濃度検出器と、を具備し、前記ブロックが、ヒータを内部に備えていることを特徴とする濃度制御装置である。
【0102】
この場合、ブロックに内蔵するヒータの配置としては、キャリアガス流路L1又は混合ガス流路L4の少なくとも一方に沿って配置することが好ましい。なお、一般的に、キャリアガス流路L1を流れるキャリアガスよりも混合ガス流路L4を流れる材料ガス(混合ガス)の方が高温で加熱する必要があるため、キャリアガス流路L1又は混合ガス流路L4のいずれか一方に沿ってヒータを配置する場合には、そのヒータをキャリアガス流路L1よりも混合ガス流路L4に近い方に配置することが好ましい。当然、キャリアガス流路L1及び混合ガス流路L4に沿って配置してもよい。
【0103】
また、ヒータの配置として、ブロックのキャリアガス流路L1及び混合ガス流路L4よりも外側に設けられた外側面に沿って配置することが好ましい。このように配置することにより、外気からブロックに伝わる冷気による温度低下が各流路に伝わる前に遮断することができる。なお、ヒータの設置方法としては、例えば、第1ブロックB1や第2ブロックB2を切削して形成した挿入孔に棒状のヒータを挿入して設置する態様が考えられる。
【0104】
また、この場合、濃度制御装置200を希釈方式で使用する場合には、前記各実施形態における第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合と同様に、ブロックの内部に第1バイパス流路L2を形成してもよく、第2バイパス流路L3を形成してもよい。そして、第1バイパス流路L2及び第2バイパス流路L3には、前記各実施形態と同様に濃度制御装置200を希釈方式として使用する場合に必要な各機器を設置する。一方、濃度制御装置200を圧力方式で使用する場合には、前記各実施形態における第1ブロックB1及び第2ブロックB2を連結した場合と同様に、第2バイパス流路L3を形成してもよい。そして、第2バイパス流路L3には、前記各実施形態と同様に濃度制御装置200を圧力方式として使用する場合に必要な各機器を設置する。
【0105】
前記実施形態においては、第2バイパス流路L3として、キャリアガス流路L1から分岐して直接混合ガス流路L4へ合流する構造を採用しているが、これに限定されることなく、キャリアガス流路L1から分岐して第1バイパス流路L2を介して混合ガス流路L4へ合流する構造を採用してもよい。この場合、第1ブロックB1内で合流するように、第2バイパス流路L3の上流側を第1バイパス流路L2へ合流させてもよく、又は、第2ブロックB2内で合流するように、第2バイパス流路L3の下流側を第1バイパス流路L2へ合流させてもよい。
【0106】
また、前記実施形態1において、第1ユニット210や第2ユニット220に設置されている開閉弁、流量制御弁、流量センサの一部を、第1ユニット210や第2ユニット220に接続される各配管に設置してもよい。具体的には、例えば、第1ユニット210に設置されている第1流量センサ20bを、キャリアガス供給装置と第1ユニット210とを繋ぐ配管の途中に設置してもよく、第1ユニット210に設置されている第1開閉弁V1を、第1ユニット210と貯留タンクSTとを繋ぐ配管の途中に設置してもよい。また、第2ユニット220に設置されている流量制御弁CVを、第2ユニット220と供給先とを繋ぐ配管の途中に設置にしてもよく、第2ユニット220に設置されている第2開閉弁V2を、貯留タンクSTと第2ユニット220とを繋ぐ配管の途中に設置してもよい。
【0107】
また、前記実施形態において、貯留タンクSTに貯留された材料の量を予め把握しておき、貯留タンクSTに濃度制御装置200を接続した後、濃度検出器IRで検出される混合ガスの濃度値と第1流量センサ20b及び第2流量センサ20bで測定されるキャリアガスの流量値を継続的に記憶し、これらの値から貯留タンクSTから導出された材料の導出量を算出するようにしてもよい。これにより、貯留タンクSTから導出された材料の導出量が規定量に達した場合に、ユーザに対して警告を行うようにすることができる。これにより、ユーザは、貯留タンクSTの適切な交換時期を知ることができる。
【0108】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0109】
100 材料ガス供給装置
ST 貯留タンク
200 濃度制御装置
210 第1ユニット
B1 第1ブロック
MFC1,MFC2 流量制御装置
20b 第1流量センサ、第2流量センサ
20c 第1流量制御弁、第2流量制御弁
V1 第1開閉弁
V2 第2開閉弁
V3 第3開閉弁
V4 第4開閉弁
L1 キャリアガス流路
L2 第1バイパス流路
L3 第2バイパス流路
220 第2ユニット
B2 第2ブロック
IR 濃度検出器
30c 光源
30e 受光部
30d 反射ミラー
CV 流量制御弁
30f 圧力センサ
P1 圧力センサ
P2 圧力センサ
P3 圧力センサ
L4 混合ガス流路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16