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特許7157236基板処理方法、半導体装置の製造方法、プログラム及び基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】基板処理方法、半導体装置の製造方法、プログラム及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20221012BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/285 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021503958
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2020006792
(87)【国際公開番号】W WO2020179474
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】P 2019040371
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】定田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】加我 友紀直
(72)【発明者】
【氏名】永冨 佳将
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-67869(JP,A)
【文献】特表2003-524888(JP,A)
【文献】特開2013-122068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
H01L 21/285
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室内の基板に対して、金属含有ガスの供給と、シリコンおよび水素を含みハロゲンを含まない還元ガスの供給と、を並行して行う供給工程と、前記処理室内の雰囲気を排気する排気工程とを、行う第1の工程と、
前記第1の工程を複数回繰り返す工程と、
前記第1の工程を複数回繰り返した後であって、前記処理室内の基板に対する窒素含有ガスの供給と前記処理室内の雰囲気の排気とを行う第2の工程と、
前記第2の工程を複数回繰り返す工程と、
を有する基板処理方法
【請求項2】
前記第1の工程では、前記金属含有ガスの供給開始後に前記還元ガスを供給する請求項1に記載の基板処理方法
【請求項3】
前記第1の工程は、前記金属含有ガスの供給停止と前記還元ガスの供給停止とを同時に行う請求項1または2に記載の基板処理方法
【請求項4】
前記第1の工程では、前記還元ガスの供給を停止させた後に前記金属含有ガスの供給を停止させる請求項1または2に記載の基板処理方法
【請求項5】
前記第1の工程の前であって、前記基板に対して、窒素と水素を含むガスの供給と、前記窒素と水素を含むガスの供給後に、パージを行う雰囲気調整工程を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項6】
前記第1の工程は、前記金属含有ガスの供給前に、前記処理内の圧力を前記金属含有ガスの供給時の圧力と揃える様に調整する前処理工程を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項7】
前記第1の工程の排気工程は、前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と前記不活性ガスの供給後に排気する工程とを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項8】
前記第1の工程の間、前記処理室の圧力を維持する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項9】
前記第1の工程では、前記基板に供給される前記金属含有ガスの供給量が前記還元ガスの供給量よりも多くなるように前記金属含有ガスと前記還元ガスが供給される請求項1乃至8のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項10】
前記第1の工程では、前記金属含有ガスはフラッシュタンクを経由して供給し、前記還元ガスは、フラッシュタンクを経由せずに供給される請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項11】
前記第2の工程の繰り返し回数は、前記第1の工程の繰り返し回数よりも多く構成される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の基板処理方法
【請求項12】
処理室内の基板に対して、金属含有ガスの供給と、シリコンおよび水素を含みハロゲンを含まない還元ガスの供給と、を並行して行う供給工程と、前記処理室内の雰囲気を排気する排気工程とを、行う第1の工程と、
前記第1の工程を複数回繰り返す工程と、
前記第1の工程を複数回繰り返した後であって、前記処理室内の基板に対する窒素含有ガスの供給と前記処理室内の雰囲気の排気とを行う第2の工程と、
前記第2の工程を複数回繰り返す工程と、
を有する半導体装置の製造方法
【請求項13】
基板処理装置の処理室内の基板に対して、金属含有ガスの供給と、シリコンおよび水素を含みハロゲンを含まない還元ガスの供給と、を並行して実行させる供給手順と、前記処理室内の雰囲気を排気させる排気手順とを、行わせる第1の手順と、
前記第1の手順を複数回繰り返させる手順と、
前記第1の手順を複数回繰り返した後であって、前記処理室内の基板に対する窒素含有ガスの供給と排気とを行わせる第2の手順と、
前記第2の手順を複数回繰り返させる手順と、
をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項14】
基板を処理する処理室と、
前記基板に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
前記基板にシリコンおよび水素を含みハロゲンを含まない還元ガスを供給する第2ガス供給部と、
前記基板に窒素含有ガスの供給を供給する第3ガス供給部と、
前記処理室内の雰囲気を排気する排気部と、
前記基板に対して、前記金属含有ガスの供給と、前記還元ガスの供給とを並行して実行させる供給処理と、前記処理室内の雰囲気を排気する排気処理とを行う第1の処理と、前記第1の処理を複数回繰り返す処理と、前記第1の処理を複数回繰り返した後であって、前記基板に対する前記窒素含有ガスの供給と、前記処理室内の雰囲気の排気とを行わせる第2の処理と、前記第2の処理を複数回繰り返し行う処理と、を前記第1ガス供給部と前記第2ガス供給部と前記第3ガス供給部と前記排気部に行わせることが可能なように構成された制御部と、
を有する基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理方法、半導体装置の製造方法、プログラム及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元構造を持つNAND(3DNAND)型フラッシュメモリのコントロールゲートには例えばタングステン(W)膜が用いられており、このW膜の成膜にはWを含む六フッ化タングステン(WF)ガスが用いられている。また、このW膜と絶縁膜との間にバリア膜として窒化チタン(TiN)膜を設けることがある。このTiN膜は、W膜と絶縁膜の密着性を高める役割をすると共に、W膜中に含まれるフッ素(F)が絶縁膜へ拡散することを防止する役割を担い、成膜は四塩化チタン(TiCl)ガスとアンモニア(NH)ガスを用いて行われるのが一般的である(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-6783号公報
【文献】特開2015-207591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3DNANDの微細化が進むにつれ、膜特性の更なる向上が求められている。
本開示は、膜特性を向上可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
処理室内の基板に対して、金属含有ガスの供給と、シリコンおよび水素を含みハロゲンを含まない還元ガスの供給と、を並行して行う供給工程と、処理室内の雰囲気を排気する排気工程とを、行う第1の工程と、第1の工程を複数回繰り返す工程と、第1の工程を複数回繰り返した後であって、処理室内の基板に対する窒素含有ガスの供給と処理室内の雰囲気の排気とを行う第2の工程と、第2の工程を複数回繰り返す工程と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、膜特性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】基板処理装置の縦型処理炉の概略を示す縦断面図である。
図2図1におけるA-A線概略横断面図である。
図3】基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。
図4】基板処理フローを示す図である。
図5】第2雰囲気調整工程のフロー例を示す図である。
図6】第1の工程のフロー例を示す図である。
図7】第2の工程のフロー例を示す図である。
図8】ガス供給のタイミングの例を示す図である。
図9】ガス供給のタイミングの例を示す図である。
図10】本開示の効果を示す図である。
図11】第2成膜工程におけるガス供給のタイミングの例を示す図である。
図12】基板表面に形成された構造の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、実施形態の例について、図を参照しながら説明する。
【0009】
(1)基板処理装置の構成
基板処理装置10は、加熱手段(加熱機構、加熱系)としてのヒータ207が設けられた処理炉202を備える。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0010】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成するアウタチューブ203が配設されている。アウタチューブ203は、例えば石英(SiO)、炭化シリコン(SiC)などの耐熱性材料で構成される。アウタチューブ203の形状は、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ203の下方には、アウタチューブ203と同心円状に、マニホールド(インレットフランジ)209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)などの金属材料で構成される。マニホールド209の形状は、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部と、アウタチューブ203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベースに支持されることにより、アウタチューブ203は垂直に据え付けられた状態となる。
【0011】
アウタチューブ203の内側には、反応容器を構成するインナチューブ204が配設されている。インナチューブ204は、例えば石英(SiO)、炭化シリコン(SiC)などの耐熱性材料で構成される。インナチューブ204の形状は、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。主に、アウタチューブ203と、インナチューブ204と、マニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成されている。処理容器の筒中空部(インナチューブ204の内側)には処理室201が形成されている。
【0012】
処理室201は、基板としてのウエハ200を後述するボート217によって水平姿勢で鉛直方向に多段に配列した状態で収容可能に構成されている。
【0013】
処理室201内には、ノズル410,420,430がマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430には、ガス供給管310,320,330が、それぞれ接続されている。ただし、本実施形態の処理炉202は上述の形態に限定されない。
【0014】
ガス供給管310,320,330には上流側から順に流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)311,322,331がそれぞれ設けられている。また、ガス供給管310,320,330には、開閉弁であるバルブ314,324,334がそれぞれ設けられている。ガス供給管310,320,330のバルブ314,324,334の下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管510,520,530がそれぞれ接続されている。ガス供給管510,520,530には、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるMFC512,522,532及び開閉弁であるバルブ514,524,534がそれぞれ設けられている。
【0015】
ガス供給管310,320,330の先端部にはノズル410,420,430がそれぞれ連結接続されている。ノズル410,420,430は、L字型のノズルとして構成されており、その水平部はマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430の垂直部は、インナチューブ204の径方向外向きに突出して配置され、かつ鉛直方向に延在するように形成されているチャンネル形状(溝形状)の予備室201aの内部に設けられており、予備室201a内にてインナチューブ204の内壁に沿って上方(ウエハ200の配列方向上方)に向かって設けられている。
【0016】
ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から処理室201の上部領域まで延在するように設けられており、ウエハ200と対向する位置にそれぞれ複数のガス供給孔410a,420a,430aが設けられている。これにより、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aからそれぞれウエハ200に処理ガスを供給する。このガス供給孔410a,420a,430aは、インナチューブ204の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれ同一の開口面積を有し、さらに同一の開口ピッチで設けられている。ただし、ガス供給孔410a,420a,430aは上述の形態に限定されない。例えば、インナチューブ204の下部から上部に向かって開口面積を徐々に大きくしてもよい。これにより、ガス供給孔410a,420a,430aから供給されるガスの流量をより均一化することが可能となる。
【0017】
ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aは、後述するボート217の下部から上部までの高さの位置に複数設けられている。そのため、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給された処理ガスは、ボート217の下部から上部までに収容されたウエハ200の全域に供給される。ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から上部領域まで延在するように設けられていればよいが、ボート217の天井付近まで延在するように設けられていることが好ましい。
【0018】
ガス供給管310の、MFC311とバルブ314の間には、第1フラッシュタンク312が配置される。
【0019】
ガス供給管330の、MFC331とバルブ334の間には、第2フラッシュタンク332が配置される。
【0020】
ガス供給管310からは、処理ガスとして、金属元素を含む原料ガス(金属含有ガス)が、MFC311、バルブ314、ノズル410を介して処理室201内に供給される。原料としては、例えば金属元素としてのチタニウム(Ti)を含み、ハロゲン系原料(ハロゲン化物、ハロゲン系チタン原料)としての四塩化チタン(TiCl)が用いられる。
【0021】
ガス供給管320からは、処理ガスとして、還元ガスが、MFC322、バルブ324、ノズル420を介して処理室201内に供給される。還元ガスとしては、例えばシリコン(Si)及び水素(H)を含み、ハロゲンを含まない還元ガスとしての例えばシラン(SiH)ガスを用いることができる。SiHは還元剤として作用する。
【0022】
ガス供給管330からは、処理ガスとして、反応ガスが、MFC331、バルブ334、ノズル430を介して処理室201内に供給される。反応ガスとしては、例えば窒素(N)を含むN含有ガスとしての例えばアンモニア(NH)ガスを用いることができる。
【0023】
ガス供給管510,520,530からは、不活性ガスとして、例えば窒素(N)ガスが、それぞれMFC512,522,532、バルブ514,524,534、ノズル410,420,430を介して処理室201内に供給される。以下、不活性ガスとしてNガスを用いる例について説明するが、不活性ガスとしては、Nガス以外に、例えば、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いてもよい。
【0024】
主に、ガス供給管310,320,330、MFC311,322,331、バルブ314,324,334、ノズル410,420,430により処理ガス供給部が構成されるが、ノズル410,420,430のみを処理ガス供給部と考えてもよい。処理ガス供給部は単にガス供給部と称してもよい。ガス供給管310から原料ガスを流す場合、主に、ガス供給管310、MFC311、バルブ314により原料ガス供給部(第1ガス供給部)が構成されるが、ノズル410を原料ガス供給部に含めて考えてもよい。また、第1フラッシュタンク312を原料ガス供給部に含めて考えても良い。また、ガス供給管320から還元ガスを流す場合、主に、ガス供給管320、MFC322、バルブ324により還元ガス供給部が構成されるが、ノズル420を還元ガス供給部(第2ガス供給部)に含めて考えてもよい。また、ガス供給管330から反応ガスを流す場合、主に、ガス供給管330、MFC331、バルブ334により反応ガス供給部(第3ガス供給部)が構成されるが、ノズル430を反応ガス供給部に含めて考えてもよい。また、第2フラッシュタンク332を反応ガス供給部に含めて考えても良い。ガス供給管330から反応ガスとして窒素含有ガスを供給する場合、反応ガス供給部を窒素含有ガス供給部と称することもできる。また、主に、ガス供給管510,520,530、MFC512,522,532、バルブ514,524,534により不活性ガス供給部が構成される。
【0025】
本実施形態におけるガス供給の方法は、インナチューブ204の内壁と、複数枚のウエハ200の端部とで定義される円環状の縦長の空間内の予備室201a内に配置したノズル410,420,430を経由してガスを搬送している。そして、ノズル410,420,430のウエハと対向する位置に設けられた複数のガス供給孔410a,420a,430aからインナチューブ204内にガスを噴出させている。より詳細には、ノズル410のガス供給孔410a、ノズル420のガス供給孔420a及びノズル430のガス供給孔430aにより、ウエハ200の表面と平行方向に向かって原料ガス等を噴出させている。
【0026】
排気孔(排気口)204aは、インナチューブ204の側壁であってノズル410,420,430に対向した位置に形成された貫通孔であり、例えば、鉛直方向に細長く開設されたスリット状の貫通孔である。ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給され、ウエハ200の表面上を流れたガスは、排気孔204aを介してインナチューブ204とアウタチューブ203との間に形成された隙間で構成された排気路206内に流れる。そして、排気路206内へと流れたガスは、排気管231内に流れ、処理炉202外へと排出される。
【0027】
排気孔204aは、複数のウエハ200の側面と対向する位置に設けられており、ガス供給孔410a、420a、430aから処理室201内のウエハ200の近傍に供給されたガスは、水平方向に向かって流れた後、排気孔204aを介して排気路206内へと流れる。排気孔204aはスリット状の貫通孔として構成される場合に限らず、複数個の孔により構成されていてもよい。
【0028】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245,APC(Auto Pressure Controller)バルブ243,真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ243は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気及び真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で弁開度を調節することで、排気コンダクタンスを調整することにより、処理室201内の圧力を調整することができる。主に、排気孔204a,排気路206,排気管231,APCバルブ243及び圧力センサ245により、排気部が構成される。少なくとも排気口204aを排気部と考えても良い。真空ポンプ246を排気部に含めて考えてもよい。
【0029】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に鉛直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料で構成される。シールキャップ219の形状は、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219における処理室201の反対側には、ウエハ200を収容するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、アウタチューブ203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって鉛直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入及び搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217及びボート217に収容されたウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成されている。
【0030】
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば1~200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で鉛直方向に間隔を空けて配列可能なように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で形成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で形成される断熱板218が水平姿勢で多段(図示せず)に支持されている。この構成により、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなっている。ただし、本実施形態は上述の形態に限定されない。例えば、ボート217の下部に断熱板218を設けずに、石英やSiC等の耐熱性材料を含む筒状の部材として構成された断熱筒を設けてもよい。
【0031】
図2に示すように、インナチューブ204内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電量を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル410,420及び430と同様にL字型に構成されており、インナチューブ204の内壁に沿って設けられている。
【0032】
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a,RAM(Random Access Memory)121b,記憶装置121c,I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b,記憶装置121c,I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0033】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラム、後述する半導体装置の製造方法の手順や条件などが記載されたプロセスレシピなどが、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する半導体装置の製造方法における各工程(各ステップ)をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピ、制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本開示においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、プロセスレシピ及び制御プログラムの組み合わせを含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0034】
I/Oポート121dは、上述のMFC311,322,331,512,522,532、バルブ314,324,334,514,524,534、圧力センサ245、APCバルブ243、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、回転機構267、ボートエレベータ115等を、制御可能に接続されている。ここで接続とは、電気的に直接接続されいることや、間接的に接続されていること、電気信号を直接又は間接的に送受信可能に構成されていることも含む。
【0035】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピ等を読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC311,322,331,512,522,532による各種ガスの流量調整動作、バルブ314,324,334,514,524,534の開閉動作、APCバルブ243の開閉動作及びAPCバルブ243による圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、ボート217へのウエハ200の収容動作等を制御するように構成されている。
【0036】
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本開示において記録媒体は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0037】
(2)基板処理工程(成膜工程)
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、ウエハ200上に、例えばゲート電極を構成する金属膜を形成する工程の一例について、図4を用いて説明する。金属膜を形成する工程は、上述した基板処理装置10の処理炉202を用いて実行される。以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0038】
なお、ウエハ200には、図12に示す構造が形成されていても良い。この構造は、3DNANDメモリの途中構造である。この構造では、ウエハ200に複数の絶縁膜102が積層されている。絶縁膜102は、ここでは、説明の便宜上、8層形成された例を示しているが、この層数は、数十層~数百層であっても良い。この積層された絶縁膜102には、チャネルや電荷トラップ膜等を有する構造104が形成されている。また、積層された絶縁膜102には、エッチングにより形成された孔105aが形成されている。また、積層された絶縁膜102の間には、エッチングにより形成された間隙105bが設けられている。また、間隙105bの内部表面には、絶縁膜106が形成されている。この絶縁膜106は、通常、酸化アルミニウム(AlO)で構成される。本開示の成膜工程で用いられるウエハ200は、好適には、この様な構造を有するウエハ200が用いられる。故に、以下の成膜工程S300では、絶縁膜106の表面に成膜が行われる。
【0039】
本開示において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体」、「ウエハとその表面に形成された構造体」を意味する場合がある。本開示において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面」、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面」、「ウエハとその表面に形成された構造体」を意味する場合がある。本開示において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
【0040】
また、本開示において「Si原子を含まないTiN膜」とは、TiN膜中にSi原子を全く含まない場合のほか、Si原子をほぼ含まない場合や、Si原子を実質的に含まない場合等、TiN膜中のSi含有量が極めて低い場合も含まれ、例えばTiN膜中のSi含有量が4%程度であって、好ましくは4%以下である場合も含まれる。
【0041】
以下に図4図9図11に基づいて、本開示の半導体装置の製造方法のフローやガス供給シーケンスについて説明する。なお、図8図9の横軸は時間を表し、縦軸は、それぞれのガス供給量、バルブ開度、圧力の関係の概略を示している。供給量、バルブ開度、圧力は任意単位としている。なお、本開示におけるガスの供給量とは、ガスの流量、ガスの供給時間のいずれか若しくは両方を含みえる。
【0042】
[基板搬入工程S301]
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端開口を閉塞した状態となる。
【0043】
[第1雰囲気調整工程S302]
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づき、APCバルブ243がフィードバック制御される(圧力調整)。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電量がフィードバック制御される(温度調整)。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は継続して行われる。なお、ここでの処理室201内の圧力は、後の第1工程S303で第1ガスが供給される時の圧力に調整される。
【0044】
[第2雰囲気調整工程S403]
続いて、第2雰囲気調整工程S403を行っても良い。第2雰囲気調整工程S403では、処理室201内の酸素濃度の低下させる調整が行われる。具体的には、図5に示すフロー例に従って処理される。このフローは、第3ガス供給工程S403a、不活性ガス供給工程S403b、真空排気工程S403cを含む。
【0045】
[第3ガス供給工程S403a]
第3ガス供給工程S403aでは、まず、バルブ334を開き、ガス供給管330内に、雰囲気調整ガスとして窒素と水素を含むガスとしてNHガスを流す。NHガスは、第2フラッシュタンク332から、ノズル430のガス供給孔430aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル410,420内へのNHガスの侵入を防止するために、バルブ514,524を開き、ガス供給管510,520内にNガスを流す。Nガスは、ガス供給管310,320、ノズル410,420を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。なお、第2フラッシュタンク332には、MFC331で流量調整されたNHガスが、供給されて、所定量のNHガスが貯留される。なお、第2フラッシュタンク322へのガスの貯留は、基板処理装置10のアイドリング中や、NHガス以外のガスの供給中に行われる。
【0046】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1~3990Paの範囲内の圧力とする。MFC331で制御するNHガスの供給流量は、例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。NHガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.01~30秒の範囲内の時間とする。供給時間経過後は、バルブ334を閉じる。
【0047】
還元ガスであるNHガスを処理室201内に供給することにより、少なくとも以下(a)~(b)のいずれかの効果が得られる。
【0048】
(a)処理室201や、ウエハ200表面に吸着した余分な水分(OH)や有機物、残留酸素(O)の除去することができる。
(b)成膜工程S300の最初に供給されるTiClガスの供給状態と、2回目以降に供給されるTiClガスの供給状態や、2サイクル目以降に供給されるTiClガスの供給状態とがそれぞれ異なる状態になり、ウエハ200に形成されるTi含有層の特性が層毎に異なってしまうことを抑制することが可能となる。
【0049】
[不活性ガス供給工程S403b]
不活性ガス供給工程S403bでは、各ノズル410,420,430から、処理室201内に不活性ガスとしてのNガスを導入し、処理室201内に存在する、NHガスや、副生成物を排気管231に押し出すパージ処理が行われる。各ノズル410,420,430に供給されるNガスの流量は、MFC512,522,532で調整される。例えば、0.1slm~20slmで調整される。
【0050】
[真空排気工程S403c]
真空排気工程S403cでは、処理室201内の雰囲気を排気し、処理室201内の圧力の調整が行われる。ここでの処理室201内の圧力は、後の第1工程S303で第1ガスが供給される時の圧力に調整される。この時の不活性ガスの流量は、MFC512,522,532で制御され、それぞれ例えば0.01~1slm、好ましくは0.1~1slm、より好ましくは0.1~1slmの範囲内の流量とする。ここでの処理室201内の圧力を、後の第1工程S303で第1ガスが供給される時の圧力に調整することで、第1ガス供給時の圧力変動を抑制することができ、第1ガスをウエハ200の表面に均一に供給することが可能となる。
【0051】
[成膜工程S300]
続いて、成膜工程S300が行われる。成膜工程S300は、少なくとも、以下に記載する第1の工程S303と第2の工程S304を有する。それぞれの工程について、図4図6図9を用いて説明する。
【0052】
[第1の工程S303]
第1の工程S303は、少なくとも、第1ガスの供給工程と、第2ガスの供給工程を含む。図6の破線で示す様に、第1ガスと第2ガスの供給工程S303bの前に、前処理工程S303aを行っても良い。また、図6の破線で示す様に、第1ガス・第2ガス供給工程S303bの後に、後処理工程S303cを行っても良い。また、第1ガス・第2ガス供給工程S303aの後、又は後処理工程S303cの後に、判定工程S303dを行っても良い。以下に、それぞれの工程について説明する。
【0053】
[前処理工程S303a]
前処理工程S303aでは、不活性ガスの供給と不活性ガスの排気が連続して行われる。
【0054】
不活性ガスの供給では、処理室201内に不活性ガスとしてのNガスを供給し、処理室201内の圧力調整が行われる。Nガスの流量は、例えば0.1~5slm、好ましくは0.3~3slm、より好ましくは0.5~2slmの範囲内の流量とする。この時の圧力は、後の第1ガスの供給時の圧力となる様に調整される。圧力は、例えば1~3990Paの範囲内の圧力とする。具体的には900Paとする。Nガスの供給時間は、T1時間である。T1は、例えば1~10秒である。具体的には7秒とする。
【0055】
ガスを所定時間供給後、Nガスの供給を停止又は流量減少させる。なお、Nガスの供給は、処理室201内に存在する全てのノズルから行う様に構成しても良いし、いずれか一つから供給する様に構成しても良い。また、次の工程で使われるノズル以外のノズルから供給する様に構成しても良い。また、Nガス供給を停止又は流量減少させた状態で、所定時間(T2)維持する。この時の不活性ガスの流量は、MFC512,522,532で制御され、それぞれ例えば0.01~1slm、好ましくは0.1~1slm、より好ましくは0.1~1slmの範囲内の流量とする。ここで所定時間T2は、1~10秒であって、具体的には5秒である。所定時間維持することにより、処理室201内の圧力変動の量をある程度収束させることができる。ここで好ましくは、T1>T2にすることが好ましい。
【0056】
[第1ガス・第2ガス供給工程S303b]
第1ガス・第2ガス供給工程S303bでは、第1ガスとしてのTiClガスが供給され、所定時間経過後に第2ガスとしてのSiHガスが供給される。(第1ガス供給) バルブ314を開き、ガス供給管310内に第1ガス(原料ガス)であるTiClガスを流す。TiClガスは、第1フラッシュタンク312、ノズル410のガス供給孔410aを介して、処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiClガスが供給される。このとき同時にバルブ514を開き、ガス供給管510内にNガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管510内を流れたNガスは、MFC512により流量調整され、TiClガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル420,430内へのTiClガスの侵入を防止するために、バルブ524,534を開き、ガス供給管520,530内にNガスを流す。Nガスは、ガス供給管320,330、ノズル420,430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。なお、第1フラッシュタンク312へのガスの貯留は、基板処理装置10のアイドリング中や、TiClガス以外のガスの供給中に行われる。
【0057】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1~3990Paの範囲内の圧力とする。具体的には900Paとする。MFC311で制御するTiClガスの供給流量は、例えば0.1~2.0slmの範囲内の流量とする。具体的には、0.9slmとする。MFC512,522,532で制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1~20slmの範囲内の流量とする。このときのAPCバルブ243の開度は、5~30%、好ましくは8~12%となる様に制御される。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300~600℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
【0058】
このとき処理室201内に流しているガスはTiClガスとNガスである。TiClガスの供給により、ウエハ200(表面の下地膜)上にTi含有層が形成される。Ti含有層は、Clを含むTi層であってもよいし、TiClの吸着層であってもよいし、それらの両方を含んでいてもよい。なお、TiClガスとNガスが供給されている時間は、所定のT3-T4時間である。
【0059】
ここで供給されたTiClガスは、処理室201内に存在するガスや、ウエハ200上に存在する物質と反応し、成長阻害要因である、HClを発生させる。ここで、処理室201内に存在するガスや、ウエハ200上に存在する物質とは、残留するNHと考えられる。即ち、残留するNHとTiClによりHClが発生する。このHClにより、ウエハ200の面内のTiN膜の均一性や、ウエハ200上に形成された構造体の孔105aや間隙105b内に形成されるTiN膜の均一性を低下させるという課題を、見出した。なお、第3ガス供給工程S403aを行っている場合は、1サイクル目から、HClが生成されてしまう課題を見出した。
【0060】
(SiHガス供給)
TiClガスの供給開始から所定時間経過後に、バルブ324を開き、ガス供給管320内に還元ガスであるSiHガスを流す。ここの所定時間は、例えば0.01~5秒とし、具体的には1秒である。SiHガスは、MFC322により流量調整され、ノズル420のガス供給孔420aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、同時にバルブ524を開き、ガス供給管520内にNガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管520内を流れたNガスは、MFC522により流量調整され、SiHガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル430内へのTiClガスとSiHガスの侵入を防止するために、バルブ534を開き、ガス供給管530内にNガスを流す。Nガスは、ガス供給管330、ノズル430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとNガスが並行して供給されることとなる。すなわち少なくともTiClガスとSiHガスとは並行して供給されるタイミングを有する。このTiClガスとSiHガスが並行して供給されている時間はT4とする。ここで、好ましくは、T4時間>T3時間とする。この様に構成することにより、基板の再表面へのSiの吸着を抑制することが可能となる。なお、この時のAPCバルブ243の開度は、5~40%程度であり、好ましくは8~12%で、TiClガスが供給されている期間の圧力を維持する様に制御される。よって、TIClガスが供給されているときのバルブ開度よりも大きいバルブ開度となる。
【0061】
SiHガスを供給することで、成長阻害要因であるHClを還元し、除去することができる。ここでは、次の様な反応が起きていると推測される。例えば、4HCl+SiH→SiCl+4Hの反応である。ここで生成される物質は、蒸気圧が高く、ウエハ200や処理室201内に吸着することなく、排気管231から排気される。
【0062】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば130~3990Pa、好ましくは500~2660Pa、より好ましくは600~1500Paの範囲内の圧力とする。更に、好適には、TiClガスが供給されている期間と同じ圧力を維持する。具体的には、900Paを維持する。ここで、維持する圧力は、基板処置装置10の構成や、処理室201内の環境、処理対象のウエハ200の表面状態、ウエハ200の枚数等によって変動可能な圧力幅が変化する可能性がある。本開示の技術によれば、TiClガスが供給されている期間の圧力±20%範囲で許容される。なお、圧力範囲について、処理室201内の圧力が130Paより低いと、SiHガスに含まれるSiがTi含有層に進入し、成膜されるTiN膜に含まれる膜中のSi含有率が高くなってTiSiN膜となってしまう可能性がある。処理室201内の圧力が3990Paより高い場合も同様に、SiHガスに含まれるSiがTi含有層に進入し、成膜されるTiN膜に含まれる膜中のSi含有率が高くなってTiSiN膜となってしまう可能性がある。このように、処理室201内の圧力は低すぎても高すぎても、成膜される膜の元素組成が変化してしまう。また、圧力変動を抑制することで、ウエハ200上に形成された構造体の表面に均一にTi含有層を形成することが可能となる。MFC322で制御するSiHガスの供給流量は、TiClガスの流量以上に設定する。例えば0.1~5slm、好ましくは0.3~3slm、より好ましくは0.5~2slmの範囲内の流量とする。具体的には、1.0slmとする。MFC512,522,532で制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0.01~20slm、好ましくは0.1~10slm、より好ましくは0.1~1slmの範囲内の流量とする。このときヒータ207の温度は、TiClガス供給ステップと同様の温度に設定する。
【0063】
なお、TiClガスを第1フラッシュタンク312から供給し、SiHガスは、フラッシュタンクを用いずに供給することにより、ウエハ200の表面や、構造体の表面(特に、孔105aや、間隙105b内)の大部分には、TiClガスが供給され、SiHガスは、処理室201雰囲気中に漂うHClの捕獲に大きく寄与する。つまり、TiClを吸着させつつ、HCl、SiH、SiCl、H、等を除去することが可能となる。
【0064】
SiHガスの供給を開始してから所定時間経過後であって、例えば0.01~60秒後、好ましくは0.1~30秒後、より好ましくは1~20秒後にバルブ324を閉じて、SiHガスの供給を停止する。具体的には、4秒間供給する。つまり、SiHガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.01~60秒、好ましくは0.1~30秒、より好ましくは1~20秒の範囲内の時間とする。SiHガスをウエハ200に対して供給する時間を0.01秒より短くすると、成長阻害要因であるHClが十分にSiHガスにより還元されずTi含有層に残留してしまう可能性がある。SiHガスをウエハ200に対して供給する時間を60秒より長くすると、SiHガスに含まれるSiがTi含有層に進入し、成膜されるTiN膜に含まれる膜中のSi含有率が高くなってTiSiN膜となってしまう可能性がある。また、SiHガス供給を多数回繰り返す場合、膜中のSi濃度の上昇を抑えるため、SiHガスの供給時間を抑える必要がある。ただし、TiClガスの供給停止前に、SiHガスの供給を停止すると、HClが十分にSiHガスにより還元されず残留してしまう可能性がある。具体的には、図8に示す様に同時に供給停止とする。なお、図9の場合には、反応阻害物(副生成物)であるHClが、処理室201内や、ウエハ200上に残留するため、好適には、図8の様に同時に供給停止とする。
【0065】
TiClガスの供給を開始してから所定時間経過後であって、例えば0.01~60秒後、好ましくは0.1~30秒後、より好ましくは1~20秒後に、ガス供給管310のバルブ314を閉じて、TiClガスの供給を停止する。具体的には、5秒間供給する。つまり、TiClガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.01~10秒の範囲内の時間とする。
【0066】
[後処理工程S303c]
後処理工程S303cでは、処理室201内に残留する第1ガス、第2ガス、副生成物を除去する処理が行われる。具体的には、不活性ガスの供給工程と排気工程が行われる。不活性ガスの供給工程では、不活性ガスとしてのNガスを、処理室201内に供給する。ここで、Nガスの流量は、第1ガス・第2ガスの供給工程の時の流量よりも多くなるように設定される。Nガスの供給を開始してから所定時間(T5)経過後であって、例えば、0.01~10秒後、具体的には2秒後、流量を低下させるか、バルブを閉じる。ここで、APCバルブ243の開度は、20~100%とする。好ましくは、50%程度とする。この様にバルブ開度を調整することにより、急激な圧力変動を抑制できる。その結果、処理室201内に残留したガス等を除去することが可能となる。
【0067】
続いて、Nガスの供給停止後、処理室201内を所定時間(T6)の間、真空排気し、残留するガスを取り除く。ここでの真空排気は、例えば、100Pa以下の圧力となる様に排気される。この時のAPCバルブ243の開度は、Nガス供給時のAPCバルブ243の開度を維持する。
【0068】
[判定工程S303d]
判定工程S303dでは、少なくとも第1ガス・第2ガス供給工程S303dが所定回数(X回)実行されたか否かの判定が行われる。所定回数実行されていれば、Y(YES)判定とし、第1の工程S303を終了させる。所定回数実行されていなければ、N(No)判定とし、所定回数となるままで第1ガス・第2ガス供給工程S303dを繰り返し行わせる。ここで所定回数(X回)は、2~30である。好ましくは10~20であり、更に好ましくは、15~20である。回数を多くすることで、ウエハ200面内の均一性や、構造体表面のカバレッジ(被覆率)を向上させることができる。一方で、回数に対する成膜レートは、飽和曲線を描く結果(不図示)となる。この現象は、ウエハ200上のTiClの吸着サイト数の減少、吸着したTiClによる立体障害の発生、副生成物生成量の増加が原因と考えられる。それ故、回数を増やしても成膜レートに寄与せず、スループットの低下を発生させるためこの様な範囲にすることが好ましい。
【0069】
なお、所定回数X回を例えば20以上の様に多くする場合には、例えば11回目以降のT3、T4時間を、10回までのT3,T4時間よりも短く構成する様にしても良い。X回が多くなるにつれ、ウエハ200上のTiClの吸着サイト数の減少飽和と、副生成物生成量の増加する傾向にあるため、成膜に寄与するガスの量が減る。故に、例えば、11回目以降のサイクルにおける第1ガスと第2ガスの供給時間を短くする様に構成しても良い。
【0070】
なお、上述の前処理工程S303aは、好適には、2回目の第1ガス・第2ガス供給工程S303dから行わせる。前処理工程S303aでは、1回目の第1ガス・第2ガス供給工程S303dで発生するHClやSiHの除去が行われる。
【0071】
また、上述の後処理工程S303cでは、2回目以降のTiClガスの吸着を促すため、処理室201内に残留したガスをできる限り除去する必要がある。第1の工程S303で、圧力変動の効果を利用するパージは、後処理工程S303cとなる。故に、第1の工程S303の処理内容に応じて、後処理工程S303cの時間(T5+T6)を前処理工程S303aの時間(T1+T2)よりも長くなるように構成しても良い。この様に構成することで、第1の工程S303の決められた時間内での、TiClの吸着を促進することが可能となる。
【0072】
[パージ工程S304]
なお、第1の工程の後であって、第2の工程S305の前に、パージ工程S304を行わせても良い。ここでのパージ工程S304は、上述の第2雰囲気調整工程403や、後処理工程S303cと略同様の趣旨の工程が行われるので、説明を省略する。
【0073】
[第2の工程S305]
第2の工程S305は、図7図8図9に示す様に、少なくとも第3ガス供給工程S305aを含む。また、第2の工程S305は、図7の破線で示す様に、パージ工程S305bや判定工程S305cを追加しても良い。以下にそれぞれの工程について説明する。
【0074】
[第3ガス供給工程S305a]
(NHガス供給)
第3ガス供給工程S305aでは、バルブ334を開き、ガス供給管330内に、反応ガスとしてNHガスを流す。NHガスは、第2フラッシュタンク332からノズル430のガス供給孔430aを介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このときウエハ200に対して、NHガスが供給される。このとき同時にバルブ534を開き、ガス供給管530内にNガスを流す。ガス供給管530内を流れたNガスは、MFC532により流量調整される。NガスはNHガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル410,420内へのNHガスの侵入を防止するために、バルブ514,524を開き、ガス供給管510,520内にNガスを流す。Nガスは、ガス供給管310,320、ノズル410,420を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。なお、第2フラッシュタンク322へのガスの貯留は、基板処理装置10のアイドリング中や、NHガス以外のガスの供給中に行われる。
【0075】
このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1~3990Paの範囲内の圧力とする。MFC331で制御するNHガスの供給流量は、例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1~30slmの範囲内の流量とする。NHガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.01~30秒の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、第1の工程S303と同様の温度に設定する。
【0076】
このとき処理室201内に流しているガスは、NHガスとNガスである。NHガスは、第1の工程でウエハ200上に形成されたTi含有層の少なくとも一部と置換反応する。置換反応の際には、Ti含有層に含まれるTiとNHガスに含まれるNとが結合して、ウエハ200上にTiとNとを含みSiを実質的に含まないTiN層が形成される。なお、この反応の副生成物として、塩化アンモニウム(NHCl)が形成される。
【0077】
[パージ工程S305b]
(残留ガス除去)
TiN層を形成した後、バルブ334を閉じて、NHガスの供給を停止する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはTiN層の形成に寄与した後のNHガスや副生成物(NHCl)を処理室201内から排除する。なお、ここでのAPCバルブ243のバルブ開度は、略全開(略100%)とし、Nガスの合計流量は、1slm~100slmとし、具体的には、60slmで180Paとなる様に各MFCとAPCバルブ243を制御する。この様に構成することにより、1サイクルで生成される副生成物を排気することができ、次のサイクルに与える影響を低減することができる。
【0078】
(判定工程S305c)
少なくとも第3ガス供給工程S305aが所定回数(Y回)実行されたかを判定しても良い。所定回数行われていなければ、第3ガス供給工程S305aを繰り返し行わせ、所定回数行われていれば、次の工程を行わせる。ここで、所定回数はY回であり、Yは3~50である。好ましくは、20~50回である。ここで、X<Yとし、X:Y=1:2(~4)とすることにより、ウエハ200面内や、構造体表面に均一な特性の膜を形成させることが可能となる。
【0079】
この様にして、第2の工程S305が行われる。第2の工程S305の後は、図4に示す判定工程S307が行われる。
【0080】
(判定工程S307)
判定工程S307では、成膜工程S300が所定回数(Z回)実行されたかを判定する。所定回数回数行われていなければ、成膜工程S300を繰り返し行わせ、所定回数行われていれば、次の工程を行わせる。ここで、所定回数はZ回であり、Zは1~200である。ここでは、例えば0.5~5.0nmのTiN膜が形成されるまでの回数行われる。
【0081】
なお、成膜工程S300を複数回行う場合には、上述のHClおよびNHClの除去を目的として、2回目以降の前処理工程S303aの時間(T1+T2)を、1回目の前処理工程S303aの時間(T1+T2)よりも長く構成しても良い。これにより、処理室201中に残留する、HCLおよびNHClを除去することができる。
【0082】
(第2成膜工程S404)
続いて、第2成膜工程S404が行われても良い。第2成膜工程S404は、図11に示すガス供給シーケンスを所定回数繰り返す工程であり、上述の工程と同様にTiN膜が形成される。なお、成膜工程S300で所望の膜厚のTiN膜が形成されていれば、本工程は、不要である。しかしながら、成膜工程S300での成膜では、従来から知られているTiNの成膜法に比べて、成膜スループットが低下する可能性がある。その場合、所望の膜厚の内の最初に形成されるTiN膜の層を、成膜工程S300で形成し、その後、膜厚を稼ぐため、第2成膜工程S404を行わせることで、成膜スループットの低下を抑制することが可能となる。
【0083】
(雰囲気調整工程S308)
ガス供給管510,520,530のそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。Nガスはパージガスとして作用し、これにより処理室201内が不活性ガスでパージされ、処理室201内に残留するガスや副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0084】
(基板搬出工程S309)
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口される。そして、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。その後、処理済のウエハ200は、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。
【0085】
(3)実施形態による効果
本実施形態の例によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を得ることができる。(a)成膜中に発生し、成膜速度を低下させるHClを効率よく排出でき、成膜速度を上げることができる。(b)膜中のSi濃度を低減させることができる。(c)膜の被覆率を向上させることができる。
図10に示す様に、本開示の技術によれば、平面に占めるTiN粒の比率を大きくすることができ、被覆率が向上する。第1ガスと第2ガスの供給を複数回に分けて行うことで、処理室201内に存在するHCl濃度の減少、ウエハ200上に形成されるTiClによる立体障害の大きさを減少させることで、被覆率が向上していると考えられる。(d)耐酸化性を向上させる。
図10に示す様に、膜の粒径が大きくなることで、結晶粒界が減少(膜の表面積が減少)し、耐酸化性が向上する。
【0086】
また、上述では、原料ガスとしてTiClを用いて説明したが、これに限らず、六フッ化タングステン(WF)、四塩化タンタル(TaCl)、六塩化タングステン(WCl)、五塩化タングステン(WCl)、四塩化モリブデン(MoCl)、四塩化ケイ素(SiCl)、六塩化二ケイ素(SiCl、ヘキサクロロジシラン(HCDS))等のハロゲン含有ガスであって、好ましくはCl含有ガスおよびそれらを用いて形成される膜種に適用することができる。また、タンタル(Ta)系の他、トリクロロジシラン(TCS)等のSi系ガスおよびそれらを用いて形成される膜種にも適用することができる。
【0087】
上述では、HClを還元する還元ガスとしてSiHを用いて説明したが、これに限らず、Hを含む例えば、ジシラン(Si)、トリスジメチルアミノシラン(SiH[N(CH)、などのシラン系ガスや、Si以外の元素と水素を含むガスとして、ジボラン(B)、ホスフィン(PH)、活性水素含有ガス、水素含有ガス、等のガスを適用することができる。
【0088】
また、上述では、一種の還元ガスを用いて説明したが、これに限らず、2種以上の還元ガスを用いてもよい。
【0089】
また、上述では、還元ガスを用いて還元する副生成物としてHClを用いて説明したが、これに限らず、フッ化水素(HF)、ヨウ化水素(HI)、臭化水素(HBr)等が生成される場合にも適用することができる。
【0090】
また、上述では、原料ガスであるTiClガスと還元ガスであるSiHガスをそれぞれノズル410,420から処理室201内に供給する構成について説明したが、これに限らず、1つのノズルからプリミックスして供給するようにしてもよい。
【0091】
また、上述では、TiClガスと同時若しくは供給後、NHガスと同時若しくは供給後のいずれかに還元ガスを供給する構成について説明したが、これに限らず、TiClガス及びNHガスそれぞれの供給時若しくはTiClガス及びNHガスそれぞれの供給後に還元ガスを供給する構成についても適用することができる。
【0092】
また、上述では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて成膜を行う構成について説明したが、本開示はこれに限定されず、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて成膜を行う場合にも、好適に適用できる。
【0093】
また、上述では、半導体基板としてのウエハを用いる例を示したが、他の材料で構成される基板。例えば、セラミック基板やガラス基板等の材料を用いた基板処理を行う場合にも適用することができる。
【0094】
以上、本開示の種々の典型的な実施形態及び実施例を説明してきたが、本開示はそれらの実施形態及び実施例に限定されず、適宜組み合わせて用いることもできる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12