IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友金属鉱山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-振動篩機 図1
  • 特許-振動篩機 図2
  • 特許-振動篩機 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】振動篩機
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/28 20060101AFI20221013BHJP
   B07B 1/42 20060101ALI20221013BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20221013BHJP
   B03C 1/02 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
B07B1/28 B
B07B1/42 Z
B03C1/00 B
B03C1/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018201415
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020065986
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 巧也
【審査官】寺▲崎▼ 遥
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-324170(JP,A)
【文献】特開2006-289196(JP,A)
【文献】特開2007-050317(JP,A)
【文献】実開昭53-137368(JP,U)
【文献】実開平03-105981(JP,U)
【文献】特開2013-000705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00-15/00
B03C 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から供給される粉体を、加振されながら篩い分ける篩網と、
該篩網を通り抜けた前記粉体を外部へ排出する第1排出口と、を含んで構成され、
前記篩網を通り抜けた前記粉体から磁着物を取り除く着磁体が、
前記粉体が前記篩網から前記第1排出口までの間を通過する位置に配置されている振動篩機であって、
該振動篩機を構成する篩容器は、いずれも扁平な円筒体の形状である第1枠体、第2枠体、第3枠体および第4枠体と、を含んで構成され、
前記第2枠体は、前記第1枠体の下方に位置し、
前記第3枠体は、前記第2枠体の下方に位置し、
前記第4枠体は、前記第3枠体の下方に位置し、
前記第1枠体と前記第2枠体との間に設けられた、前記篩網を構成する上側篩網と、
前記第2枠体と前記第3枠体との間に設けられた、前記篩網を構成する下側篩網と、
前記第3枠体と前記第4枠体との間に設けられた前記着磁体と、を有し、
前記第1排出口が前記第4枠体に設けられている、
ことを特徴とする振動篩機。
【請求項2】
前記篩網を振動させる振動装置が設けられ、
この振動装置により前記着磁体が振動している、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動篩機。
【請求項3】
前記篩網が、上下2段に設けられており、
上側の前記篩網の目開きと、下側の前記篩網の目開きとが同じである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の振動篩機。
【請求項4】
前記篩網を振動させるための超音波振動装置が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の振動篩機。
【請求項5】
前記篩網の網材が磁性体である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の振動篩機。
【請求項6】
前記着磁体の性能領域の最大長さが、前記篩網の性能領域の最大長さの90%以上100%以下である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の振動篩機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動篩機に関する。さらに詳しくは、篩網を加振しながら粉体を篩い分ける振動篩機に関する。
【背景技術】
【0002】
篩網の上に供給された粉体を、篩網を振動させることにより、篩網を通過する粉体と通過しない粉体とを篩い分けるよう構成された振動篩機が広く知られている。特許文献1には、このような振動篩機であって、篩網および受皿の帯電を抑制したものが開示されている。
【0003】
振動篩機は、医薬品などの化学関係の製造工程、鉄粉などの金属関係の製造工程、陶土などの窯業関係の製造工程、小麦粉などの食品関係の製造工程などで用いられている。近年では、リチウムイオン電池の正極活物質などの製造工程でも用いられている。例えば、振動篩機は、正極活物質そのものの篩い分けに用いられたり、正極活物質となる前段階の物質、すなわち水酸化ニッケル、水酸化マンガン、水酸化コバルトまたは水酸化アルミニウム、更にはその酸化物の篩い分けに用いられたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-79706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のリチウムイオン二次電池の正極活物質などでは、金属異物または粗大粒子異物が混入していた場合、リチウムイオン二次電池を構成しているセパレータを金属異物などが突き抜け、電池がショートしたり、このショートにより発火したりする危険性が存在する。そのため、リチウムイオン二次電池全体の製造工程では、混入防止対策として、各工程のクローズ化、陽圧化、金属材料の使用制限などが行われている。
リチウムイオン二次電池の正極活物質などの製造工程では、振動篩機が用いられて粗大粒子異物が取り除かれた後、磁選機により金属異物が取り除かれる。従来、振動篩機と磁選機とは、各々のメーカが製造したものが製造工程の中で並べられて用いられていた。この場合、振動篩機から排出される粉体は、振動篩機の胴回りよりも細い配管を通過して磁選機に入る。そして磁選機では、その細い配管とほぼ同程度の配管中を通過する粉体に対して磁選が行われる。細い配管中では、通過する粉体の単位空間に占める割合が増加するため、磁選が確実に行われなかったり、複数の磁選機を直列に並べて磁選の確実性をあげる必要が生じたりしていた。
【0006】
しかるに、磁選が確実に行われない場合には、電池の不良品率が高止まりするという問題がある。また、複数の磁選機を直列に並べる場合は、全体の設備費が高くなったり、設備全体の大きさが大きくなったりするという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、磁選を確実に行うことができるとともに、全体の設備費を抑制し、かつ設備全体の大きさを抑えることが可能な振動篩機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明の振動篩機は、上方から供給される粉体を、加振されながら篩い分ける篩網と、該篩網を通り抜けた前記粉体を外部へ排出する第1排出口と、を含んで構成され、前記篩網を通り抜けた前記粉体から磁着物を取り除く着磁体が、前記粉体が前記篩網から前記第1排出口までの間を通過する位置に配置されている振動篩機であって、該振動篩機を構成する篩容器は、いずれも扁平な円筒体の形状である第1枠体、第2枠体、第3枠体および第4枠体と、を含んで構成され、前記第2枠体は、前記第1枠体の下方に位置し、前記第3枠体は、前記第2枠体の下方に位置し、前記第4枠体は、前記第3枠体の下方に位置し、前記第1枠体と前記第2枠体との間に設けられた、前記篩網を構成する上側篩網と、前記第2枠体と前記第3枠体との間に設けられた、前記篩網を構成する下側篩網と、前記第3枠体と前記第4枠体との間に設けられた前記着磁体と、を有し、前記第1排出口が前記第4枠体に設けられていることを特徴とする。
第2発明の振動篩機は、第1発明において、前記篩網を振動させる振動装置が設けられ、この振動装置により前記着磁体が振動していることを特徴とする。
第3発明の振動篩機は、第1発明または第2発明において、前記篩網が、上下2段に設けられており、上側の前記篩網の目開きと、下側の前記篩網の目開きとが同じであることを特徴とする。
第4発明の振動篩機は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記篩網を振動させるための超音波振動装置が設けられていることを特徴とする。
第5発明の振動篩機は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前記篩網の網材が磁性体であることを特徴とする。
第6発明の振動篩機は、第1発明から第5発明のいずれかにおいて、前記着磁体の性能領域の最大長さが、前記篩網の性能領域の最大長さの90%以上100%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明によれば、粉体が篩網から第1排出口までの間を通過する位置に着磁体が配置されていることにより、篩網を通り抜けた粉体が、振動篩機を通過する粉体の単位空間あたりの割合がほぼ同じ状態で、着磁体が配置された部分を通るので、粉体が高い分散性を維持したまま着磁体により磁着物が除去される。これにより磁選が確実に行われる。また、振動篩機とは別に磁選機を設ける必要がないので、全体の設備費を抑制するとともに、設備全体の大きさを抑えることができる。
第2発明によれば、着磁体が振動していることにより、篩い分けされる粉体が弱磁性を有している場合であっても、その粉体が着磁体に付着したままになることを防止でき、これにより磁着物の除去能力が落ちないので、さらに確実に磁着物が除去される。
第3発明によれば、篩網が上下2段に設けられており、上側の篩網の目開きと、下側の篩網の目開きが同じであることにより、粗大粒子異物の保証が容易になる。
第4発明によれば、篩網を振動させるための超音波振動装置が設けられていることにより、粉体が篩網を通過する速度をより速くすることができ、振動篩機の効率が向上する。
第5発明によれば、篩網の網材が磁性体であることにより、振動篩機の稼働中に篩網の一部が離脱する破損があっても、その離脱した部分を着磁体により除去できるので、磁選がより確実に行われる。
第6発明によれば、着磁体の性能領域の最大長さが、篩網の性能領域の最大長さの90%以上100%以下であることにより、粉体の分散性が維持でき、より確実に磁着物の除去が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る振動篩機の正面図である。
図2図1の振動篩機の篩網の性能領域を示す平面図である。
図3図1の振動篩機の着磁体の性能領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための振動篩機を例示するものであって、本発明は振動篩機を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0012】
図1には本発明の一実施形態に係る振動篩機10の正面図を示す。上下の中心線から右側は断面図になっている。本実施形態に係る振動篩機10は、投入口46から篩容器11内に投入された粉体を、篩容器11内部に設けられた篩網(本明細書では上側篩網12および下側篩網13)により篩い分け、あらかじめ定められた粒径よりも大きい粒径の粉体を第2排出口16から排出し、あらかじめ定められた粒径以下の粒径の粉体を第1排出口15から排出するように作動する。
【0013】
本実施形態に係る振動篩機10は、粉体が投入される篩容器11と、この篩容器11の下方で篩容器11を支持する架台26と、篩容器11と架台26との間に位置している複数のコイルバネ21と、篩容器11全体を加振する振動装置20と、を含んで構成されている。また、篩容器11には、上方から供給される粉体を、加振されながら篩い分ける篩網と、この篩網を通り抜けた粉体を外部へ排出する第1排出口15と、が設けられており、篩網を通り抜けた粉体から磁着物を取り除く着磁体14が、粉体が篩網から第1排出口15までの間を通過する位置に配置されている。本実施形態に係る振動篩機10は、架台26内に設置された振動装置20により、篩容器11全体を上下に加振しており、この加振により篩容器11内の篩網が加振され、粉体の篩い分けが行われる装置である。また、篩容器11全体が加振されることにより、着磁体14も加振されている。
【0014】
粉体が、篩網から第1排出口15までの間を通過する位置に着磁体14が配置されていることにより、篩網を通り抜けた粉体が、振動篩機10を通過する粉体の単位空間あたりの割合がほぼ同じ状態で、着磁体14が配置された部分を通るので、粉体が高い分散性を維持したまま着磁体14により磁着物が除去される。これにより磁選が確実に行われる。また、振動篩機10とは別に磁選機を設ける必要がないので、全体の設備費を抑制するとともに、設備全体の大きさを抑えることができる。
【0015】
着磁体14が振動していることにより、篩い分けされる粉体が弱磁性を有している場合であっても、その粉体が着磁体14に付着したままになることを防止でき、これにより磁着物の除去能力が落ちないので、さらに確実に磁着物が除去される。
【0016】
本実施形態に係る篩容器11の全体の形状は円筒体である。篩容器11は、扁平な円筒体である部材を縦に積み重ねて構成されている。篩容器11を構成する部材としては、上から第1枠体30、第2枠体31、第3枠体32、第4枠体33である。第1枠体30と第2枠体31との間には、上側篩網12が配置されている。すなわち上側篩網12は第1枠体30と第2枠体31に挟まれている。第2枠体31と第3枠体32との間には下側篩網13が配置されている。すなわち下側篩網13は、第2枠体31と第3枠体32との間に挟まれている。第3枠体32と第4枠体との間には着磁体14が配置されている。すなわち着磁体14が備えられた部材が第3枠体32と第4枠体33との間に挟まれている。
【0017】
第1枠体30は、投入される粉体が飛散しないように蓋を有している。この蓋には粉体の投入口11aが設けられている。この粉体の投入口11aは、例えば、図示しないホッパーなどに接続され、このホッパーから粉体が振動篩機10に投入される。また第1枠体30には、第2排出口16が設けられている。この第2排出口16から、上側篩網12を通過しなかった粉体が排出される。
【0018】
第2枠体31には、超音波振動装置18が設けられている。この超音波振動装置18は、上側篩網12の網叩き19を動作させ、上側篩網12をあらかじめ定められた振動数、および振幅で加振する。すなわち上側篩網12には、篩容器11全体が加振されることによる振動と、超音波振動装置18からの振動と、という2種類の異なる振動が加えられる。
【0019】
篩網を振動させるための超音波振動装置18が設けられていることにより、粉体が篩網を通過する速度をより速くすることができ、振動篩機10の効率が向上する。
【0020】
本実施形態では、篩網として上側篩網12と下側篩網13との2つが設けられているが、これに限定されない。例えば篩網を1つとすることも可能である。また、本実施形態では、2つ設けられた篩網において、上側篩網12の目開きと下側篩網13の目開きは同じ大きさとしている。ただしこれに限定されるものではなく、上側篩網12の目開きを、下側篩網13の目開きよりも大きくすることも可能である。また本実施形態では、上側篩網12および下側篩網13の網材は磁性体である。具体的に網材はダーマロイが採用されている。
【0021】
篩網が上下2段に設けられており、上側の篩網(上側篩網12)の目開きと、下側の篩網(下側篩網13)の目開きが同じであることにより、粗大粒子異物の保証が容易になる。
【0022】
篩網の網材が磁性体であることにより、振動篩機10の稼働中に篩網の一部が離脱する破損があっても、その離脱した部分を着磁体14により除去できるので、磁選がより確実に行われる。
【0023】
図2には、図1のII-II矢視での断面図を示す。この断面図は、下側篩網13および第2枠体31のみを示した平面図である。下側篩網13の目開きは、篩い分けされる粉体の粒径により決定される。例えば目開きは200メッシュとすることができる。また、本明細書では、図2のR1で示される長さを下側篩網13の性能領域の最大長さとする。「性能領域」とは、下側篩網13が篩い分けの性能を発揮できる水平面内の領域を意味し、具体的には下側篩網13において、第2枠体31の円筒側面の内側の領域を意味する。この領域において、下側篩網13は粉体の篩い分けが可能となるからである。また、「最大長さ」は、この性能領域が円形である場合は、直径の長さが該当し、角形である場合は、角形の辺における任意の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さが該当する。
【0024】
図3には、図1のIII-III矢視での断面図を示す。この断面図は、着磁体14および第3枠体32のみを示した平面図である。本実施形態では着磁体14は、円柱状の永久磁石である。本実施形態では複数の着磁体14が、図1に示すように、上下2段に千鳥状に配置されている。このような配置は、図3に示すように、上から見た場合は水平に並んでいるように表される。この着磁体14の形状または構成は、本実施形態で表された形状または構成に限定されない。例えば着磁体14の形状は、四角柱などの多角柱形状とすることもできる。また、円柱状の着磁体14を上下に格子状に並べることも可能である。
【0025】
本明細書では、図3のR2で示される長さを着磁体14の性能領域の最大長さとする。「性能領域」は、着磁体14が磁着の性能を発揮できる水平面内の領域を意味し、具体的には、着磁体14が配置されている部分において、第3枠体32の円筒側面の内側の領域を意味する。この領域において、着磁体14は磁着物の除去が可能となるからである。また、「最大長さ」は、性能領域が円形である場合は、直径の長さが該当し、角形である場合は、角形の辺における任意の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さが該当する。
【0026】
本実施形態では、着磁体14の性能領域の最大長さが、下側篩網13の性能領域の最大長さと同じとなっている。なお、この両性能領域の長さについては、同じである必要はなく、例えば、着磁体14の性能領域の最大長さが、下側篩網13の性能領域の最大長さの90%以上100%以下であれば問題ない。また、本実施形態では2つある篩網のうち下側に位置するものを対象にしたがこれに限定されず、上側に位置するものを対象にすることもできる。
【0027】
着磁体14の性能領域の最大長さが、篩網の性能領域の最大長さの90%以上100%以下であることにより、粉体の分散性が維持でき、より確実に磁着物の除去が行われる。
【0028】
図1に示すように、第4枠体33には篩網、すなわち本実施形態では上側篩網12および下側篩網13の両方を通り抜けた粉体を外部へ排出する第1排出口15が設けられている。また、第4枠体33には、下側篩網13を通り抜けた粉体を集約するための粉体受17が設けられている。この粉体受17は、図1に示すように、篩容器11の軸心に対して所定の角度を持って配置されている。このため下側篩網13を通り抜けた粉体は、図1において右側から左側へ、重力により移動し、第1排出口15へ導かれ、この第1排出口15から排出される。なお、第1排出口15の軸心と垂直な面は、大きくても篩容器11の内径の50%である。内径がこれよりも大きいと、粉体の移送のための配管径が大きくなりすぎ、設備が大型化しすぎるからである。すなわちこの第1排出口15を通過した先が本実施形態の振動篩機10の外部となる。
【0029】
篩容器11を構成する第4枠体33は、複数のコイルバネ21を介して、架台26に支持されている。コイルバネ21の数またはばね定数は、篩容器11に付加される振動の振動数または振幅、さらには篩容器11内に供給される粉体の重量などにより、あらかじめ定められている。
【0030】
架台26は、振動する篩容器11を支持することができる構成を有している。また、架台26は、篩容器11の振動が床面に伝播するのを防止するための、複数の防振ゴム27により支持されている。
【0031】
架台26内には、篩容器11全体を振動させるための振動装置20が設けられている。この振動装置20は、加振装置24とアンバランスウェイト25とを含んで構成されている。加振装置24は、架台26内に同じように収容されているモータ28により、Vベルト23とプーリ22を介してアンバランスウェイト25を回転させ、この回転により篩容器11全体を振動させる。
【0032】
本実施形態に係る振動篩機10は、複数の枠体を積み重ねた篩容器11を有する構成であったがこれに限定されない。例えば一つの枠体中に、一つのまたは複数の篩網および着磁体14のカセットを挿入し、縦にそれらが並ぶ形態としても問題ない。
【0033】
また、本実施形態に係る振動篩機10では、第4枠体33に、下側篩網13を通り抜けた粉体が一方の側に流れるような粉体受17が設けられたが、粉体受17の形態はこれに限定されない。例えば、両側に流れるような形態としたり、第4枠体33の真下に抜けるような形態としたりすることも可能である。
【0034】
加えて、本実施形態に係る振動篩機10では、篩網と着磁体14とを有する篩容器11全体が振動装置20により加振される構成であったがこれに限定されない。例えば、振動装置20による加振される篩容器11には篩網を設け、加振されない部分に着磁体14を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 振動篩機
12 上側篩網(篩網)
13 下側篩網(篩網)
14 着磁体
15 第1排出口
18 超音波振動装置
図1
図2
図3