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特許7157599食品用コーティング剤および食品の外観を維持する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】食品用コーティング剤および食品の外観を維持する方法
(51)【国際特許分類】
   A23D 9/00 20060101AFI20221013BHJP
   A21D 13/22 20170101ALN20221013BHJP
【FI】
A23D9/00 510
A21D13/22
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018165622
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020036557
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J-オイルミルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣島 理樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 利佳
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-231785(JP,A)
【文献】特開2012-125152(JP,A)
【文献】特開2009-050234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D、A21D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である食品用コーティング剤(ただし揚げ物用油脂組成物を除く)
【請求項2】
前記中間的油脂が、脱ガム工程を経たものである、請求項1に記載の食品用コーティング剤。
【請求項3】
前記中間的油脂が、さらに、脱色工程及び脱臭工程を経たものである、請求項2に記載の食品用コーティング剤。
【請求項4】
前記中間的油脂が、前記脱色工程後のイソオクタンを対照とした、波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.03以上である、請求項3に記載の食品用コーティング剤。
【請求項5】
前記食用油脂が、菜種油、大豆油、コーン油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品用コーティング剤。
【請求項6】
前記食用油脂と前記中間的油脂の合計量が60質量%以上100質量%以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の食品用コーティング剤。
【請求項7】
食品の製造方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記製造方法。
【請求項8】
食品の外観を維持する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。
【請求項9】
食品の食感を維持する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。
【請求項10】
食品の素材の甘味を増強する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の外見を向上させる方法に関し、より詳細には食品用コーティング剤、食品の外観を維持する方法、食品の食感を維持する方法及び食品の素材の甘味を増強する方法である。
【背景技術】
【0002】
一般的に、トマト、ナス、コーン等の野菜;ウインナー等の畜肉加工品;ツナ等の魚肉加工品;チーズ等の乳加工品などの惣菜が表面に露出した状態で載せられた惣菜パンが知られている。
【0003】
このような惣菜パンは、パン生地の上に、惣菜を載置して焼成される。表面に露出している惣菜には、焼成時において、焼き色や香ばしさが付与される反面、水分が飛びすぎて硬い食感となる、ツヤが失われるという課題を有していた。
【0004】
従来から、このような課題を解決するべく、予め惣菜に対して、オリーブオイル及び胡麻油等の食用油脂やマヨネーズ等の食用油脂を含む加工品を添加して、惣菜の表面に油膜を形成する試みがなされてきた。
【0005】
上記方法以外にも、特許文献1に記載の菜種油にレシチン等の乳化剤を混合した麺用のツヤだし油を惣菜パンに転用することが検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-279092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の麺用のツヤだし油は、十分な効果は認めらなかった。また、特許文献1の麺用ツヤだし油を用いた場合には、油っぽさや不自然な食感が感じられた。このため、惣菜パンに適した食品用コーティング剤の開発が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、食品に対して瑞々しい食感を維持するとともに、美しいツヤを付与することが可能な食品用コーティング剤、食品の製造方法及び食品の外観を維持する方法を提供することを目的とする。またさらに、食品の瑞々しい食感を維持する方法及び食品の素材由来の甘味を増強させる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の食品用コーティング剤は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記中間的油脂が、脱ガム工程を経たものであることが好ましい。
【0011】
前記中間的油脂が、さらに、脱色工程及び脱臭工程を経たものであることが好ましい。
【0012】
前記中間的油脂が、前記脱色工程後のイソオクタンを対照とした、波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.03以上であることが好ましい。
【0013】
前記食用油脂が、菜種油、大豆油、コーン油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。
【0014】
前記油糧原料が、菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
【0015】
食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【0016】
前記食用油脂と前記中間的油脂の合計量が60質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0017】
本発明の食品の製造方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることを特徴とする。また、前記油脂組成物が、100℃以下であることが好ましい。
【0018】
本発明の食品の外観を維持する方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることを特徴とする。また、前記油脂組成物が、100℃以下であることが好ましい。
【0019】
本発明の食品の食感を維持する方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることを特徴とする。また、前記油脂組成物が、100℃以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることを特徴とする。また、前記油脂組成物が、100℃以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の食品用コーティング剤によれば、食品に対して瑞々しい食感を維持するとともに、美しいツヤを付与することを可能とする。
【0022】
また、本発明の食品の製造方法及び本発明の食品の外観を維持する方法によれば、瑞々しい食感と美しいツヤを有する食品を容易に提供することを可能とする。
【0023】
またさらに、食品の食感を維持する方法及び食品の素材の甘味を増強する方法によれば、瑞々しい食感を維持し、素材の甘味に優れた食品を容易に提供することを可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の食品用コーティング剤、食品の製造方法、食品の外観を維持する方法、食品の食感を維持する方法及び食品の素材の甘味を増強する方法の具体的な実施形態について説明する。
【0025】
本明細書において「食品」とは、特に限定するものではないが、焼成工程や経時によって表面の水分が失われることで外観や食感に変化が生じる加工品が好ましい。より具体的には、トマト、ナス、コーン、パプリカ等の野菜;ウインナー等の畜肉加工品;ツナ等の魚肉加工品;チーズ等の乳加工品などの具材が表面に露出した状態の食品である。具材は、好ましくは野菜及び畜肉加工品から選ばれる1種または2種であり、より好ましくはコーン、パプリカ及びウインナーから選ばれる1種又は2種以上である。また該食品としては、惣菜パン、グラタン、ピザ、ドリア及びラザニアなどが挙げられる。
【0026】
本明細書において、「食品の外観」とは、食品の具材のツヤ感を意味する。すなわち、食品の外観を維持するとは、焼成工程等によって前記具材のツヤ感が失われることがなく、食品の具材が優れたツヤ感を維持することである。
【0027】
本明細書において、「食品の食感」とは、食品の具材の瑞々しい食感を意味する。すなわち、食品の食感を維持するとは、焼成工程などによって前記具材の瑞々しい食感が失われることなく、食品の具材が瑞々しい食感を維持することである。
【0028】
本明細書において、「食品の素材の甘味」とは、食品の具材に用いられる素材の甘味を意味する。すなわち、食品の素材の甘味を増強するとは、食品の具材に用いられる素材の甘味を向上させることである。
【0029】
[1.食品用コーティング剤]
本発明の食品用コーティング剤は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含むことが重要である。
【0030】
前記食用油脂とは、油糧原料から得られる粗原油に対して、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程及び脱臭工程を経たものである。各精製工程の精製方法及び精製条件は、特に限定するものではなく、一般的な精製油脂に行われる方法及び条件を適用することができる。
【0031】
前記食用油脂としては、菜種油、大豆油、コーン油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、菜種油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、米油および紅花油から選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、菜種油を含むことがさらに好ましい。
【0032】
前記食用油脂は、全脂肪酸中にオレイン酸を35質量%以上80質量%以下含有することが好ましく、50質量%以上80質量%以下含有することがより好ましく、60質量%以上78質量%以下含有することがさらに好ましい。
【0033】
本発明の食品用コーティング剤において、前記食用油脂の含有量は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99.9質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらにより好ましく、93質量%以上99.9質量%以下であることがことさらに好ましく、95質量%以上99.9質量%以下であることがことさらにより好ましく、96質量%99質量%以下であることが特に好ましい。食品用コーティング剤にマヨネーズが含まれる場合には、マヨネーズ中の油脂も前記食用油脂の含有量に含まれる。
【0034】
前記食用油脂中において、菜種油、大豆油、コーン油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる1種又は2種以上を50質量%以上100質量%含むことが好ましく、70質量%以上100質量%以下含むことがより好ましい。前記食用油脂の上昇融点は、10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがより好ましい。なお、前記上昇融点は、基準油脂分析試験法の3.2.2.2-2013によって測定することができる。
【0035】
前記中間的油脂の油糧原料としては、菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、菜種及び大豆から選ばれる1種又は2種がより好ましく、菜種が特に好ましい。
【0036】
前記粗原油は、上記油糧原料を圧搾抽出及び溶剤抽出から選ばれる1種又は2種の方法を施すことにより得られる。ここで、圧搾抽出とは、油糧原料に対して高圧を加えて細胞中の油分を搾り取ることにより行うものである。このような圧搾抽出は、菜種のような比較的油分の高い油糧原料に好適である。また、溶剤抽出とは、油糧原料を圧扁もしくは圧搾抽出後の残渣に溶剤を接触させ、油分を溶剤溶液として抽出し、得られた溶液から溶剤を除去して油分を得るものである。このような溶剤抽出は、大豆のような油分の少ない油糧原料に好適である。溶剤としては、ヘキサン等の有機溶剤が使用される。
【0037】
そして、前記中間的油脂は、少なくとも脱酸工程を経ていないことが重要であり、脱ガム工程を経ていることが好ましく、脱ガム工程・脱色工程・脱臭工程を経ていることがより好ましい。
【0038】
前記脱酸工程とは、炭酸ナトリウムや苛性ソーダといったアルカリの水溶液で処理することにより、油分中に含まれる遊離脂肪酸をセッケン分として除去する工程を意味する。
【0039】
前記脱ガム工程とは、油分中に含まれるリン脂質を主成分とするガム質を水和除去する工程である。具体的には、粗原油に水蒸気又は水を加えて撹拌し、ガム質を水和して水層へ移した後、該水層を分離除去して脱ガム油を得る。前記中間的油脂における脱ガム工程の処理条件は、一般的な精製油脂の製造工程に用いられる条件を採用することが可能であるが、例えば、以下の(1)乃至(4)を満たす処理条件を採用することが好ましい。
(1)水の使用量:粗原油対して、1質量%以上5質量%以下、好ましくは1.5質量%以上3質量%以下
(2)脱ガム助剤:必要に応じて用いることが可能であり、シュウ酸、クエン酸及びリン酸から選ばれる1種又は2種以上の酸の水溶液が好ましい
(3)脱ガム温度:30℃以上95℃以下、好ましくは35℃以上60℃以下
(4)撹拌時間:0秒超60分以下が好ましく、ラインミキサーを用いる場合には、1秒以上10秒以下が好ましく、タンク内で撹拌する場合には、10分以上60分以下が好ましい
【0040】
前記脱色工程とは、減圧下において油分中に含まれる色素を活性白土、活性炭等へ吸着させて除去する工程である。具体的には、前記脱ガム油に活性白土又は活性炭を接触させた後、減圧濾過などにより色素を吸着した活性白土又は活性炭を除去して脱色油を得る。前記中間的油脂における脱色工程の処理条件は、一般的な精製油脂の製造工程に用いられる条件を採用することが可能であるが、例えば、以下の(5)乃至(7)を満たす処理条件を採用することが好ましい。
(5)活性白土の使用量:脱ガム油に対して0.05質量%以上5質量%以下、好ましくは0.05質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上0.7質量%以下、さらにより好ましくは0.05質量%以上0.6質量%以下
(6)脱色温度:60℃以上120℃以下、好ましくは70℃以上120℃以下、より好ましくは75℃以上110℃以下
(7)脱色時間:5分以上120分以下、好ましくは5分以上80分以下、より好ましくは5分以上60分以下
【0041】
前記脱臭工程とは、減圧下で水蒸気蒸留することによって油分中に含まれる有臭成分を除去する工程である。具体的には、脱色油に対して減圧下において水蒸気を吹き込んで有臭成分を除去して脱臭油を得る。前記中間的油脂における脱臭工程の処理条件は、一般的な精製油脂の製造工程に用いられる条件を採用することが可能であるが、例えば、以下の(8)乃至(11)を満たす処理条件を採用することが好ましい。
(8)水蒸気の使用量:脱色油に対して0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.3質量%以上5質量%以下
(9)脱臭温度:180℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下、より好ましくは230℃以上300℃以下、さらに好ましくは240℃以上280℃以下
(10)脱臭時間:10分以上240分以下、好ましくは20分以上240分以下
(11)減圧度:150Pa以上1000Pa以下、好ましくは200Pa以上800Pa以下
【0042】
本発明の食品用コーティング剤において、前記中間的油脂は、前記脱ガム油であることが好ましく、前記脱臭油であることがより好ましい。
【0043】
また、本発明の食品用コーティング剤における前記中間的油脂が、脱色工程後のイソオクタンを対照とした、波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差(以下、単に吸光度差と称する)が、0.03以上であることが好ましく、0.045以上であることがより好ましく、0.065以上であることがさらに好ましい。吸光度差の上限は、特に限定するものではないが、0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましい。
【0044】
ここで、吸光度差の求め方について説明する。まず、対照用及び測定用石英セル(1cm)にイソオクタン(分光分析用試薬、和光純薬工業株式会社製)を入れ、紫外可視分光光度計(SHIMADZU UV-2450、株式会社島津製作所製)を用いて600~750nmの範囲でベースライン補正を行う。次に、測定用石英セルにサンプルを入れて吸光度を測定する。750nmにおける吸光度をゼロとしたときの660nmにおける吸光度を吸光度差として得る。
【0045】
本発明の食品用コーティング剤において、前記中間的油脂の含有量は、前記食用油脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上5質量部下であることがさらに好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがさらにより好ましく、0.8質量部以上4質量部以下であることが特に好ましい。
【0046】
そして、本発明の食品用コーティング剤においては、前記食用油脂と前記中間的油脂の合計量が60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがさらにより好ましい。
【0047】
本発明の食品用コーティング剤は、前記食用油脂及び前記中間的油脂以外にも発明の効果を損ねない範囲において、例えば、シリコーン;乳化剤;酸化防止剤;香料;着色料;乳原料;マヨネーズ、ケチャップ等の調味料;カレーやホワイトソース等のソース類;等を含んでもよい。
【0048】
このような本発明の食品用コーティング剤を用いることにより、瑞々しい食感と美しいツヤを備える食品を容易に得ることができる。さらに、本発明の食品用コーティング剤によれば、食品の具材の甘味を増強することができるため、優れた甘味を有する食品を提供することができる。
【0049】
[2.食品の製造方法]
本発明の食品の製造方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂、中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
【0050】
前記油脂組成物は、マヨネーズ、ケチャップ等の調味料;カレーやホワイトソース等のソース類;等を含んでもよい。
【0051】
前記油脂組成物中の前記食用油脂の含有量は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99.9質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらにより好ましく、93質量%以上99.9質量%以下であることがことさらに好ましく、95質量%以上99.9質量%以下であることがことさらにより好ましく、96質量%99質量%以下であることが特に好ましい。なお、油脂組成物が、前記調味料及び前記ソース類等を含む場合には、該調味料及びソース類の油脂も前記食用油脂に含まれる。
【0052】
また、前記油脂組成物中の前記中間的油脂の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、0.8質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。
【0053】
本発明の食品の製造方法において、前記油脂組成物を前記食品の表面に付着させる方法は、特に限定するものではなく、例えば、かける、噴霧、浸漬、塗布及び和える等から、適宜、選択して行うことができる。また、食品の表面へ前記油脂組成物の付着は、全体又は部分的でもよく、例えば、食品に含まれる一部の具材だけでもよい。
【0054】
前記油脂組成物を前記食品に付着させる際は、前記油脂組成物の温度の上限は100℃以下が好ましく、80℃以下であることがより好ましく、下限は-20℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましい。
【0055】
本発明の食品の製造方法においては、前記油脂組成物を付着させる量は、前記具材100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上6質量部以下であることがさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがさらにより好ましい。
【0056】
本発明の食品の製造方法においては、具材が瑞々しい食感と美しいツヤを有する食品を容易に提供することを可能とする。さらに、本発明の食品の製造方法においては、具材の甘味に優れた食品を容易に得ることができる。
【0057】
[3.食品の外観を維持する方法]
本発明の食品の外観を維持する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
【0058】
前記油脂組成物は、マヨネーズ、ケチャップ等の調味料;カレーやホワイトソース等のソース類;等を含んでもよい。
【0059】
前記油脂組成物中の前記精製された食用油脂の含有量は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99.9質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらにより好ましく、93質量%以上99.9質量%以下であることがことさらに好ましく、95質量%以上99.9質量%以下であることがことさらにより好ましく、96質量%99質量%以下であることが特に好ましい。なお、油脂組成物が、前記調味料及び前記ソース類等を含む場合には、該調味料及びソース類の油脂も前記食用油脂に含まれる。
【0060】
また、前記油脂組成物中の前記中間的油脂の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、0.8質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。
【0061】
本発明の食品の外観を維持する方法において、前記油脂組成物を前記食品の表面に付着させる方法は、特に限定するものではなく、例えば、かける、噴霧、浸漬、塗布及び和える等から、適宜、選択して行うことができる。また、食品の表面へ前記油脂組成物の付着は、全体又は部分的でもよく、例えば、食品に含まれる一部の具材だけでもよい。
【0062】
前記油脂組成物を前記食品に付着させる際は、前記油脂組成物の温度の上限は100℃以下が好ましく、80℃以下であることがより好ましく、下限は-20℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましい。
【0063】
本発明の食品の外観を維持する方法においては、前記油脂組成物を付着させる量は、前記具材100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上6質量部以下であることがさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがさらにより好ましい。
【0064】
本発明の食品の外観を維持する方法においては、具材が瑞々しい食感と美しいツヤを有する食品を容易に提供することを可能とする。
【0065】
[4.食品の食感を維持する方法]
本発明の食品の食感を維持する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
【0066】
前記油脂組成物は、マヨネーズ、ケチャップ等の調味料;カレーやホワイトソース等のソース類;等を含んでもよい。
【0067】
前記油脂組成物中の前記精製された食用油脂の含有量は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99.9質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらにより好ましく、93質量%以上99.9質量%以下であることがことさらに好ましく、95質量%以上99.9質量%以下であることがことさらにより好ましく、96質量%99質量%以下であることが特に好ましい。なお、油脂組成物が、前記調味料及び前記ソース類等を含む場合には、該調味料及びソース類の油脂も前記食用油脂に含まれる。
【0068】
また、前記油脂組成物中の前記中間的油脂の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、0.8質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。
【0069】
本発明の食品の外観を維持する方法において、前記油脂組成物を前記食品の表面に付着させる方法は、特に限定するものではなく、例えば、かける、噴霧、浸漬、塗布及び和える等から、適宜、選択して行うことができる。また、食品の表面へ前記油脂組成物の付着は、全体又は部分的でもよく、例えば、食品に含まれる一部の具材だけでもよい。
【0070】
前記油脂組成物を前記食品に付着させる際は、前記油脂組成物の温度の上限は100℃以下が好ましく、80℃以下であることがより好ましい。前記油脂組成物の温度の下限は-20℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましい。
【0071】
本発明の食品の食感を維持する方法においては、前記油脂組成物を付着させる量は、前記具材100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上6質量部以下であることがさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがさらにより好ましい。
【0072】
本発明の食品の食感を維持する方法においては、食品の製造時に加熱工程を経ても、具材が瑞々しい食感を有する食品を容易に提供することを可能とする。
【0073】
[5.食品の素材の甘味を増強する方法]
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
【0074】
前記油脂組成物は、マヨネーズ、ケチャップ等の調味料;カレーやホワイトソース等のソース類;等を含んでもよい。
【0075】
前記油脂組成物中の前記精製された食用油脂の含有量は、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、70質量%以上99.9質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらにより好ましく、93質量%以上99.9質量%以下であることがことさらに好ましく、95質量%以上99.9質量%以下であることがことさらにより好ましく、96質量%99質量%以下であることが特に好ましい。なお、油脂組成物が、前記調味料及び前記ソース類等を含む場合には、該調味料及びソース類の油脂も前記食用油脂に含まれる。
【0076】
また、前記油脂組成物中の前記中間的油脂の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、0.8質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。
【0077】
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法において、前記油脂組成物を前記食品の表面に付着させる方法は、特に限定するものではなく、例えば、かける、噴霧、浸漬、塗布及び和える等から、適宜、選択して行うことができる。また、食品の表面へ前記油脂組成物の付着は、全体又は部分的でもよく、例えば、食品に含まれる一部の具材だけでもよい。
【0078】
前記油脂組成物を前記食品に付着させる際は、前記油脂組成物の温度の上限は100℃以下が好ましく、80℃以下であることがより好ましく、下限は-20℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましい。
【0079】
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法においては、前記油脂組成物を付着させる量は、前記具材100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上6質量部以下であることがさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがさらにより好ましい。
【0080】
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法においては、具材が優れた甘味を有する食品を容易に提供することを可能とする。
【実施例
【0081】
本発明の食品用コーティング剤、食品の製造方法及び食品の外観を維持する方法の実施例について以下に説明する。
【0082】
まずは、本実施例において用いた中間的油脂の調製方法について説明する。本実施例の中間的油脂は、菜種から搾油した粗原油に対して、通常の条件にて、脱ガム工程、脱色工程及び脱臭工程を経て得た。脱色工程後の吸光度差は、0.346であった。
(脱ガム工程の条件)
水の使用量:粗原油に対して2質量%
脱ガム助剤:添加なし
脱ガム温度:40℃
撹拌時間:3秒
(脱色工程の条件)
活性白土の使用量:脱ガム油に対して0.3質量%
脱色温度:100℃
脱色時間:20分
(脱臭工程の条件)
水蒸気の使用量:脱色油に対して4質量%
脱臭温度:255℃
脱臭時間:120分
減圧度:4Torr(533Pa)
【0083】
以下の表1に示す配合で食品用コーティング剤としての試験油1~4を得た。精製された食用油脂としては、精製菜種油(オレイン酸70質量%、社内調製)を用いた。該精製菜種油の上昇融点は、0℃以下であった。なお、表1において、中間的油脂2質量%配合は、精製菜種油100質量部に対して2.0質量部である。
【0084】
実施例に用いた試験油を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
[実施例1]
本実施例においては、表1の試験油1乃至4をそれぞれコーンパンのコーンに和えて焼成した際の外観、食感及び甘味について評価した。以下に、コーンパンの調製方法及び評価方法について説明する。
【0087】
<コーンパンの調製方法>
コーンパンは、以下の(a)乃至(c)の手順にて調製した。
(a)スイートコーン(食塩無添加コーン、いなば食品株式会社製)50gに、試験油(24℃)1.1gを和える。
(b)耳を切り取った食パン(超熟、敷島製パン株式会社製)1枚を紙製のパウンドケーキ型に入れ、パン工房コーン&マヨ(キユーピー株式会社製)30gを載せた後、(a)のスイートコーン15gをその上に載せる。
(c)190℃に温めた電気オーブン(NE-S2625、Panasonic製)で15分間焼成してコーンパンを得た。
【0088】
<評価方法>
評価は、専門パネラー2名にて行った。外観評価においては、実施例1-1は比較例1-1を対照とし、実施例1-2は比較例1-2を対照として、コーンパンのスイートコーンの色、ふっくら感及びツヤの良し悪しを評価した。食感評価は、コーンパンのスイートコーンの瑞々しさ及びコーンの皮残りについて官能評価を行った。甘味評価、コーンパンのスイートコーンの甘味の強度について官能評価を行った。得られた試験結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
表2に示すように、実施例1-1及び1-2のコーンパンのスイートコーンは、色鮮やかでふっくらとしたツヤ感のある外観を備え、瑞々しい食感と、優れたコーンの甘味を有していた。
【0091】
また、実施例1-1及び1-2の結果から、スイートコーンに対して、精製菜種油に前記中間的油脂を2質量%添加した油脂組成物を和えることにより、優れたツヤ感及び瑞々しい食感を有し、コーンの甘味に優れたコーンパンが得られた。
【0092】
実施例1の結果より、本発明の食品用コーティング剤によれば、焼成前の惣菜パンの惣菜に対して付着させることによって、精製された食用油脂のみと比較して、鮮やかな色とふっくらとしてツヤ感のある外観及び瑞々しい食感を有するとともに、具材の甘味に優れた惣菜パンを提供可能であることが明らかとなった。
【0093】
[実施例2]
本実施例においては、前記コーンパンの調製方法の工程(a)において、試験油2とマヨネーズ(ピュアセレクトマヨネーズ;油脂含量73質量%、味の素株式会社製)とを混合して食品用コーティング剤を調製した以外は、実施例1と同じ方法にてコーンパンを得た(実施例2-1)。評価方法は、実施例1と同じ方法を用いた。得られた評価結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
表3に示すように、実施例2-1のコーンパンのスイートコーンは、色鮮やかでふっくらとしたツヤ感に優れた外観を備え、ジューシーで瑞々しい食感と優れた甘味を有していた。
【0096】
また、実施例1-1及び実施例2-1を比較すると、試験油と合わせてマヨネーズを含む食品用コーティング剤をスイートコーンに和えることにより、ツヤ感、瑞々しい食感及びコーンの甘味がさらに向上した。
【0097】
実施例2の結果より、本発明の食品用コーティング剤によれば、マヨネーズを含むことにより、色鮮やかでふっくらとした極めてツヤ感に優れた外観を備えるとともに、ジューシーで瑞々しい食感と優れた具材の甘味を有する惣菜パンを提供可能であることが明らかとなった。
【0098】
[実施例3]
本実施例においては、表1の試験油2をパプリカ及びウインナーに和えてピザを調製し、外観、食感及び甘味について評価した。ピザは、以下の(A)乃至(D)の手順にて調製した。
【0099】
<ピザの調製方法>
(A)解凍したピザ生地(ピザクラストベビー、直径20cm、マリンフード株式会社製)に周囲2cm程を残して中心側にレトルトカレー(おいしいカレー、エスビー食品株式会社製)50gを塗り広げる
(B)パプリカ半分(75g)を2cm×2cm、ウインナー(日本ハム株式会社製)3本(1本あたり20g)を1cm幅の輪切りにする
(C)(B)のパプリカ及びウインナーと、3gの試験油2とをボールに入れて和える
(D)(A)のピザ生地に(C)のパプリカ及びウインナーを重ならないように並べた後、200℃に温めた電気オーブン(NE-S2625、Panasonic製)で5分間焼成してピザを得た。
【0100】
得られたピザのパプリカは、ふっくらとしてツヤ感のある外観、シャキシャキとして瑞々しい食感及び優れた甘味を有していた。また、得られたピザのウインナーは、ふっくらとしてツヤ感のある外観、ジューシーでパリッとした食感を有していた。
【0101】
実施例3の結果より、本発明のコーティング剤によれば、焼成前のピザの具材に対して付着させることによって、ツヤ感のある外観、瑞々しい食感及び具材の甘味に優れたピザを提供可能であることが明らかとなった。
【0102】
本発明の食品用コーティング剤、食品の製造方法及び食品の外観を維持する方法は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の効果を損なわない範囲において、種々の変更が可能である。また、本発明は、前記食品の製造方法によって製造された食品も含む。