(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】採血装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/151 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A61B5/151 200
(21)【出願番号】P 2019133951
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】竹中 啓
(72)【発明者】
【氏名】富樫 盛典
(72)【発明者】
【氏名】朴 成一
(72)【発明者】
【氏名】入江 隆史
(72)【発明者】
【氏名】坂詰 卓
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/221698(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/093124(WO,A1)
【文献】特開2003-325485(JP,A)
【文献】特開2019-047893(JP,A)
【文献】国際公開第2016/203853(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の穿刺対象部位を保持する穿刺対象部位保持機構と、前記穿刺対象部位から採血する際に前記穿刺対象部位の圧迫と解放の動作を行う圧迫機構と、前記穿刺対象部位の穿刺痕より流出する血液を捕集する容器を保持する容器保持機構と、前記穿刺痕より流出する血液を捕集する際に前記穿刺対象部位保持機構、前記容器保持機構、または前記容器保持機構に保持された前記容器を上下動させて前記穿刺対象部位と前記容器の相対距離を変動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記容器を上下動させることで、前記穿刺対象部位と前記容器の相対距離を変動させ、
前記容器保持機構は、前記穿刺対象部位を穿刺する穿刺器と、前記穿刺痕に接触するガーゼと、前記穿刺痕を封止するシールを保持する機構を備え、
前記駆動機構は、前記穿刺対象部位と前記穿刺器、前記容器、前記ガーゼ、前記シールの水平面上の相対位置を変化させる水平方向駆動機構と、前記穿刺対象部位と前記穿刺器、前記容器、前記ガーゼ及び前記シールの垂直方向の相対位置を変化させる垂直方向駆動機構を備えることを特徴とする採血装置。
【請求項2】
請求項1記載の採血装置において、前記駆動機構は、前記穿刺対象部位保持機構を上下動させることで、前記穿刺対象部位と前記容器の相対距離を変動させることを特徴とする採血装置。
【請求項3】
請求項
1記載の採血装置において、前記圧迫機構及び前記駆動機構は、装置操作者が入力した動作内容に基づいて、前記穿刺対象部位の圧迫及び解放の動作と、前記容器の上下動を行なうことを特徴とする採血装置。
【請求項4】
請求項
3記載の採血装置において、前記圧迫機構及び前記駆動機構は、周期的に、前記穿刺対象部位の圧迫及び解放の動作と、前記容器の上下動を行なうことを特徴とする採血装置。
【請求項5】
請求項
4記載の採血装置において、前記圧迫機構及び前記駆動機構は、所定の関係で、前記穿刺対象部位の圧迫及び解放の動作と、前記容器の上下動を行なうことを特徴とする採血装置。
【請求項6】
請求項
1記載の採血装置において、前記容器保持機構は、前記容器の内容物を前記容器保持機構の外側から光学的手法により計測することができるように、一部が透過性の物質で構成されている、もしくは、空隙が形成されていることを特徴とする採血装置。
【請求項7】
請求項
6記載の採血装置において、前記穿刺器と、前記容器と、前記ガーゼと、前記シールは、前記容器保持機構を通過する垂直方向の軸を中心とした円周上に配置されていることを特徴とする採血装置。
【請求項8】
請求項
7記載の採血装置において、前記容器保持機構は前記軸を中心とした回転運動をすることで前記穿刺対象部位と前記穿刺器、前記容器、前記ガーゼ及び前記シールの水平面上の相対位置を変化させ、かつ回転運動の際は、前記穿刺器、前記容器、前記ガーゼ、前記シールの順に前記穿刺対象部位の穿刺予定箇所の直下を通過することを特徴とする採血装置。
【請求項9】
請求項8記載の採血装置において、前記容器保持機構は前記容器を二つ保持しており、前記二つの容器は、前記軸に対し対向した位置にあることを特徴とする採血装置。
【請求項10】
請求項
9記載の採血装置において、前記穿刺対象部位保持機構に分離可能に取り付けられ、かつ、前記穿刺対象部位が置かれる部品であって、前記部品は、開口部を有し、前記開口部を介して前記穿刺対象部位と前記穿刺器、前記容器、前記ガーゼ、または前記シールが接触するように構成されていることを特徴とする採血装置。
【請求項11】
請求項1記載の採血装置において、前記穿刺対象部位を前記穿刺対象部位保持機構に固定する際に、穿刺予定箇所を前記穿刺対象部位の中で最も低い位置に固定するように構成されていることを特徴とする採血装置。
【請求項12】
請求項1記載の採血装置において、前記容器の蓋を保持するカバーを前記容器の上方に配置し、前記駆動機構により前記容器を垂直方向に移動させることで、前記容器に蓋をかぶせることを特徴とする採血装置。
【請求項13】
請求項
12記載の採血装置において、前記容器保持機構の一部に空隙と、前記空隙を介して前記容器に接触する部品を備え、前記駆動機構により前記容器保持機構を回転させることで、前記容器が自転公転運動することを特徴とする採血装置。
【請求項14】
請求項1記載の採血装置において、前記容器は、前記穿刺対象部位との接触部に、直線状の溝、テーパ状の溝、または、直線上若しくはテーパ状の突出したガイドを備えていることを特徴とする採血装置。
【請求項15】
請求項1記載の採血装置において、前記駆動機構は機械的な動力源により動作することを特徴とする採血装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者(被採血者)の指から採血を実施する採血装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康的な生活を送るためには、定期的に健康診断を受診することが重要である。健康診断にて一般的によく実施されている検査の一つが、被検者から採血し血液の成分を分析することで全身の組織や臓器の状態を診断する血液検査である。一般的な血液検査は医療機関で実施することが多いが、血糖値のように測定項目を限定した自己検査として、家庭内で実施することも多い。
【0003】
血糖値測定などの自己検査のための採血として実施されることが多い採血方法が、毛細血管採血である。毛細管採血は、被検者の指に専用の皮膚穿刺器具を押し当てることで指の毛細血管を穿刺し、流出した血液を採血する方法である。毛細管採血は、静脈血採血よりも簡便な採血方法である。しかし、確保することのできる血量が少ないため、採血量を確保するためには、採血の際に指を圧迫し絞るなどの煩雑な作業を必要とする。
【0004】
特許文献1には、指からの採血を自動化する採血装置が開示されている。この採血装置は、穿刺器、採血管、絆創膏を保持するカートリッジと、カートリッジの位置を変化させ、かつ穿刺器、容器、シールを指先に押し当てる動作をするための駆動機構と、指先の一部を固定するための固定機構と、指の根元を圧迫するための圧迫機構を備え、指の根元を圧迫したのち穿刺器で被検者の指先を穿孔し、穿刺痕から採血管に血液を採取し、圧迫を解放したのち絆創膏で穿刺痕を止血する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載されている採血装置は、被採血者が煩雑な作業をせずに指先からの採血を実施可能なことが利点である。しかしながら、本発明者らの検討によれば、被採血者の体質には個人差があり、上記特許文献1に記載されている採血装置においても、安定した採血ができずに十分な採血量を確保できない可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、どのような被検者でも安全性かつ簡便性を維持しながら指先からの安定した採血を実現することができる採血装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の採血装置は、上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の構成としたものである。例えば、本発明の採血装置は、被検者の穿刺対象部位を保持する穿刺対象部位保持機構と、前記穿刺対象部位から採血する際に前記穿刺対象部位の圧迫と解放の動作を行う圧迫機構と、前記穿刺対象部位の穿刺痕より流出する血液を捕集する容器を保持する容器保持機構と、前記穿刺痕より流出する血液を捕集する際に前記穿刺対象部位保持機構、前記容器保持機構、または前記容器保持機構に保持された前記容器を上下動させて前記穿刺対象部位と前記容器の相対距離を変動させる駆動機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の採血装置によれば、どのような被検者でも安全性かつ簡便性を維持しながら指先からの安定した採血を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例の採血装置の外観を示す図である。
【
図2】本発明の実施例の採血装置の内部構成図である。
【
図3】本発明の実施例の採血装置におけるカートリッジの構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施例の採血装置による採血の動作チェックプロセスと指セットプロセスのフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例の採血装置による穿刺プロセス、採血プロセス、止血プロセスを含む採血のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例の採血装置による採血プロセスのフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例の採血装置による採血プロセスのフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例の採血装置による採血プロセスのフローチャートである。
【
図9】本発明の実施例の採血装置による採血プロセスのフローチャートである。
【
図10】本発明の実施例の採血装置への指の固定方法を示す図である。
【
図11】本発明の実施例の採血装置への指の固定方法を示す図である。
【
図12】本発明の実施例の採血装置における指及びカートリッジの位置関係を示す図である。
【
図13】本発明の実施例の採血装置における指及び穿刺器の位置関係を示す図である。
【
図14】本発明の実施例の採血装置における指及び採血管の位置関係とカフの圧力変化を示す図である。
【
図15】本発明の実施例の採血装置における採血量観察用カメラ及び採血管の位置関係を示す図である。
【
図16】本発明の実施例の採血装置における指及び採血管の位置関係を示す図である。
【
図17】本発明の実施例の採血装置に用いられる採血管の構成例を示す図である。
【
図18A】本発明の実施例の採血装置における採血管への蓋の取り付け方法を示すもので蓋装着前の状態を示す図である。
【
図18B】本発明の実施例の採血装置における採血管への蓋の取り付け方法を示すもので蓋装着後の状態を示す図である。
【
図19】本発明の実施例の採血装置における採血管の撹拌方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。なお、後述する実施の形態は一例であって、各実施例同士の組み合わせ、公知又は周知の技術との組み合わせや置換による他の態様も可能であることは言うまでもない。
【0012】
また、特許請求の範囲の記載は、引用関係を簡潔化するために、単項引用としているが、多項引用とした場合、さらには、多項引用する請求項を多項引用する場合も本発明は含む。
【0013】
先ず、本発明に至った経緯について説明する。
血液検査の実施には被検者からの採血は必須であるため、誰でも簡単・安全に採血することができることが好ましい。そこで本発明者らは自動採血の方法及びシステムを種々検討し、特許文献1に記載の採血装置を提案している。この特許文献1に記載の採血装置により誰でも簡単・安全に採血することが可能となる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、被検者の体質などによっては圧迫・解放を繰り返しても、例えば、穿刺痕から流出する血液の量が少なく指先に血液が留まった状態が長引くと、穿刺痕において血液が凝固してしまい安定した採血ができなくなることが見出された。したがって、どのような被検者に対しても常に安定した採血を実現するためには、積極的に指先からの出血を促す機能を備えた採血装置が求められる。そして、本発明者らは種々検討した結果、指の圧迫と解放に加えて、採血管と指先の相対距離を繰り返し変動させることにより、指先から採血管が離れる際に指先に留まっている血液が指先から切り離され血液の採血管側への移動が促進され、穿刺痕での血液凝固が抑制されることを見出した。そして、穿刺痕での血液凝固が抑制されるので、指の圧迫と開放を繰り返すことにより安定した採血を実現できる。
【0014】
次に、
図1及び
図2を用い、本発明の実施例における採血装置1の基本構成について説明する。
図1は採血装置1の基本構成図であり、
図2は採血装置1のケース100を外した内部構成図である。採血装置1は、穿刺器1111、血算用採血管1121、生化学・免疫用採血管1131、ガーゼ1141、絆創膏1151を備えたカートリッジ11と、カートリッジ11の移動を制御する駆動機構12と、被検者の指(穿刺対象部位;
図1、
図2では図示せず)の周囲を締め付けるカフ機構130を備えたカフ機構指固定部13と、カフ機構130の圧力を調整するための圧力調整機構17と、駆動機構12と圧力調整機構17の動作を制御するための制御機構16と、指先位置や採血した血液量を画像計測するためのカメラ141,142と、カメラの画像の取り込みや、制御機構16に指示内容の入力及び制御機構16からの出力結果を表示するための入出力器(図示せず)で構成されている。入出力器は、採血装置1に連結したパソコンやタブレットPCを用いることができる。
【0015】
駆動機構12は、回転方向駆動機構120と垂直方向駆動機構121で構成される。回転方向駆動機構120は、カートリッジ11がセットされたカートリッジホルダ122を介して、カートリッジ11をカートリッジ用容器101内で回転(z軸が回転軸)させ、採血対象の指を置くための指置き部131の採血窓1311の直下に穿刺器1111、血算用採血管1121、生化学・免疫用採血管1131、ガーゼ1141または絆創膏(シール)1151が配置されるようにカートリッジ11を回転移動させる。指置き部131の採血窓1311と穿刺器、採血管、ガーゼ、絆創膏の水平面上の相対位置を変化させる水平方向駆動機構でもある。垂直方向駆動機構121は押し棒1211を備え、押し棒1211を介して、採血窓1311の直下に配置された穿刺器1111、血算用採血管1121、生化学・免疫用採血管1131、ガーゼ1141または絆創膏1151を、垂直方向(z方向)に移動させ、指に近づけるか、もしくは押し付ける。穿刺器1111を指に押し付けることで指153を穿刺し、血算用採血管1121または生化学・免疫用採血管1131を指に近づけることで、穿刺箇所から出た血液を周囲に飛散させずに回収し、ガーゼ1141を指に押し付けることで余分な血液をふき取り、絆創膏1151を指に押し付けることで、穿刺箇所を止血することができる。駆動機構12の動力源には外部電源や内蔵電池などの電気的なエネルギーの他、ぜんまいなどの機械的な動力源を使用してもよい。ぜんまいを動力源として用いた場合は、電気の供給が難しい地域で使用することができる。
【0016】
カフ機構指固定部13は、採血対象の指を締め付けるためのカフを備えたカフ機構130と採血対象の指先を置くための指置き部131で構成されており、さらに指置き部131は、使い捨ての指置き用板部品1312を指との接触する箇所に備える。指置き用板部品は採血用の空隙である採血窓1311を備える。
【0017】
圧力調整機構17は、カフ機構130のカフの内圧を計測するためのカフ内圧用圧力センサ171と、カフ内圧を制御するためのカフ用バルブ172及びカフ用ポンプ173で構成され、カフの内圧を制御することで採血対象の指の締め付け圧を調整することができる。
【0018】
なお、カフ機構指固定部13は穿刺対象部位保持機構の構成例である。カフ機構130及び圧力調整機構17は穿刺対象部位から採血する際に穿刺対象部位の圧迫と解放の動作を行う圧迫機構の構成例である。カートリッジ11は穿刺対象部位の穿刺痕より流出する血液を捕集する容器を保持する容器保持機構の構成例である。駆動機構12は穿刺痕より流出する血液を捕集する際に前記穿刺対象部位保持機構、前記容器保持機構、または前記容器保持機構に保持された前記容器を上下動させて穿刺対象部位と容器の相対距離を変動させる駆動機構の構成例である。
【0019】
次に、カートリッジ11の組図である
図3を用いて、本発明の実施例における採血装置1が使用するカートリッジ11の構成について説明する。
【0020】
カートリッジ11は、穿刺器1111を保持する穿刺器ホルダ111と、血算用採血管1121を保持する血算用採血管ホルダ112と、生化学・免疫用採血管1131を保持する生化学・免疫用採血管1131を保持する採血管ホルダ113と、ガーゼ1141を保持するガーゼホルダ114と、絆創膏1151を保持する絆創膏ホルダ115を、カートリッジケース110内の穿刺器ホルダ用保持穴1112、血算用採血管ホルダ用保持穴1122、生化学・免疫用採血管ホルダ用保持穴1132、ガーゼホルダ用保持穴(血算用採血管ホルダ112に隠れているため図示せず)、絆創膏ホルダ用保持穴1152で保持する。それぞれの保持穴の中心は、カートリッジ11の回転軸を中心とした円の円周上にある。また、それぞれの保持穴は貫通穴であるが、穿刺器ホルダ111、血算用採血管ホルダ112、生化学・免疫用採血管ホルダ113、ガーゼホルダ114、絆創膏ホルダ115の一部分がそれぞれの保持穴より大きいため、穿刺器ホルダ111、血算用採血管ホルダ112、生化学・免疫用採血管ホルダ113、ガーゼホルダ114、絆創膏ホルダ115は各保持穴から落下することはない。
【0021】
なお、本実施例では、カートリッジ11に複数の採血管を保持するようにしており、これにより一回の採血で異なる検査の目的のための採血を行うことが可能となる。また、本実施例では、カートリッジ11の複数の採血管をカートリッジ11の回転軸を中心とした円の円周上に保持できるように構成し、回転軸を中心として略点対称の位置に複数の採血管を配置するようにしているので、詳細は後述するが例えば一つの採血管への採血中に他の採血済の採血管を取り出すことができるなどの効果を有する。採血後の採血管を取り出し、速やかに転倒混和により撹拌することが望ましいので、一つの採血管への採血中に他の採血済の採血管を取り出すことができることは有効である。これらは特許文献1に記載の採血装置にも適用できる特徴である。
【0022】
穿刺器1111は穿刺針と穿刺針を内蔵するホルダで構成されている一回使用の皮膚穿刺用器具である。穿刺器1111の先を指に押し付けると、穿刺針が一瞬飛び出し指の皮膚及び毛細血管を穿刺する。血算用採血管113や生化学・免疫用採血管114は血液採取用の容器であり、採血管の口を指の穿孔箇所に押しつけることで、穿孔箇所から出血した血液を採取する。血算用採血管1121は内面に抗凝固剤が塗布された採血管であり、採血後の血液の凝固反応を抑制する効果を備える。生化学・免疫用採血管1131は、分離剤を内蔵した採血管であり、採血後に遠心力をかけることで比重差から、血球と血清の分離を行うことができる。ガーゼ1141は吸水性の布であり、指に押し当てることで余分な血液を指の穿孔箇所からふき取る。絆創膏116は、粘着性のシートの中心に吸収性のパッドを備えたもので、指の穿孔箇所を覆う。絆創膏ホルダ115へのセットの際には粘着面を上向きにして取り付ける。
【0023】
図4~9は、本発明の実施例の採血装置1を用いて指から採血を行う採血工程のフローチャートである。フローチャートには各工程に対応する図番を記載している。採血装置1による採血は、(1)動作チェックプロセス、(2)指セットプロセス、(3)穿刺プロセス、(4)採血プロセス、(5)止血プロセスの順に実施される。採血装置1の操作は被検者自らもしくは被検者以外の者でも実施可能である。
図4~9のフローチャートに沿って採血装置1の採血工程について説明する。図中、太線枠のブロックは操作者の動作を示し、細線枠のブロックは装置の動作を示す。
【0024】
(1)動作チェックプロセス
(a)始めに、装置の電源をつけると、回転方向駆動機構120(
図2)及び垂直方向駆動機構121(
図2)が動作し、それぞれの駆動機構の動作確認を実施する。動作確認に異常がある場合は動作を中止し、異常が無ければカートリッジのセットに移る。
(b)カートリッジ11をカートリッジ用容器101内のカートリッジホルダ122にセットする。カートリッジ11のセット後、カートリッジのチェックに移る。
(c)回転方向駆動機構120(
図2)及び垂直方向駆動機構121(
図2)が動作し、カートリッジ11の穿刺器ホルダ111(
図3)、血算用採血管ホルダ112(
図3)、生化学・免疫用採血管ホルダ113(
図3)、ガーゼホルダ114(
図3)、絆創膏ホルダ115(
図3)が異常なく動作することをチェックする。カートリッジ11の動作に異常が無ければ、使用者のID入力に移る。
(d)装置の使用者は被採血者のIDを入出力器より入力する。被採血者ごとに採血条件は異なり、被採血者の採血条件が装置のメモリに記録されていない場合、もしくは採血条件を変更する場合は、採血条件を入出力器より入力する。本実施例の採血条件は、以下のとおりである。入力が終了後、指セットプロセスに移る。
(i)採血管の種類
血算用採血管、生化学・免疫用採血管
(ii)穿刺時の条件
穿刺前及び後のカフによる圧迫時間:T
前刺、T
後刺、
その際のカフの圧力:P
刺
(iii)採血時の条件
血算用採血管での採血時におけるカフの圧迫・解放の繰り返し数:N
1、
カフの圧迫前の待機時間:T
1カフ前、
カフの圧迫時間:T
1カフ中、
カフの解放時間:T
1カフ後、
カフの圧力:P
1カフ圧
生化学・免疫用採血管での採血時におけるカフの圧迫・解放の繰り返し数:N
2、
カフの圧迫前の待機時間:T
2カフ前、
カフの圧迫時間:T
2カフ中、
カフの解放時間:T
2カフ後、
カフの圧力:P
2カフ圧
【0025】
(2)指セットプロセス
(a)
図10、11は、採血装置1への中指153の固定手順を示す。本実施例では中指からの採血であるが、採血対象の指は薬指や人差し指でもいい。始めに、中指153の指先を指置き部131に置く(
図11)。この際、指先が置かれた位置を確認するため、指先確認用カメラ141で確認する。指先確認用カメラは、指置き部131を下から覗き込むように配置されており、
図10の吹き出しの絵に示したように、指置き部131の他、指置き用板部品1312、採血窓1311を見ることができる。採血窓1311から見える指先の位置から、セットの可否を確認する。また、指先にリング状のテープ157を事前に貼っておき、テープ157のリングの中心と採血窓1311の中心を合わせるようにすることでより正確に位置調整することも可能である。本実施例では、指先の位置確認を目視により行っているが、画像認識技術による自動化も可能である。
(b)指先のセットが完了したのち、
図11のようにカフ機構固定部13を図中の矢印の方向に押し込む。カフ機構固定部13(
図1)を押し込むことで機械的な仕組みにより、カフ機構130が閉じ、カフは中指153を覆う。カフ機構固定部13の位置が変わることで、手15の指先、手の甲、手首の高度差が大きくなり、採血時に指先から出血する血液の量を増大させることができる。すなわち、本実施例では、穿刺対象部位保持機構であるカフ機構指固定部13は指先が手の他の部位よりも低くなるように手の甲を指先より高い位置で装置に保持する構成となっている。この特徴は例えば特許文献1に記載の採血装置にも適用できるものである。
指セットプロセスが完了後、操作者が入出力器を介して開始の指示を出すことで、採血装置1は穿刺プロセスに移る。
【0026】
(3)穿刺プロセス
(a)
図12は、採血装置1の上面図であり、採血窓1311、カートリッジ11とカートリッジ11を構成する穿刺器1111、血算用採血管1121、生化学・免疫採血管1131、ガーゼ114、絆創膏115の位置関係を示したものである。回転方向駆動機構120(
図2)により、カートリッジ11は図中の矢印の方向に回転する。回転により、採血窓1311の直下に穿刺器1111、血算用採血管1121、生化学・免疫採血管1131、ガーゼ114、絆創膏115を配置することができる。
(b)始めに、圧力調整機構(図示せず)によりカフの内圧を上げ、採血対象の中指153の指先を圧迫し、指先に血液を集める。なお、指の第一関節から根本までの範囲を圧迫するより、毛細血管が密集する指の第一関節から指先までの範囲を圧迫する方がより多くの血液を指先に集めることができるため、圧迫する範囲として適している。
(c)カフでの圧迫と並行して、回転方向駆動機構120(
図2)により、カートリッジ11は回転し、採血窓1311の直下に穿刺器1111を動かす。
図13は穿刺直前の中指153と穿刺器1111の位置関係を示した図であり、指先の圧迫中に、垂直方向駆動機構121(
図2)により、穿刺器ホルダ111を中指153の指先の方向に押し上げ、穿刺器1111を中指153に押し付けることで指先を穿刺する。
穿刺プロセスが完了したのち、採血プロセスに移る。
【0027】
(4)採血プロセス
(a)動作チェックプロセスで入力した採血管の条件によって、二本採取(血算、生化学・免疫)、一本採取(血算、または生化学・免疫)の採血プロセスに分かれる。本実施例では、二本採取の場合について説明する。
回転方向駆動機構120(
図2)により、カートリッジ11は回転し、採血窓1311の直下に血算用採血管1121を動かす。続いて、垂直方向駆動機構121により、血算用採血管ホルダ112を中指153の指先の方向に押し上げ、血算用採血管1121の口を中指153に近づける。指先の穿刺箇所から出血した血液が血算用採血管1121の口に触れると、血算用採血管1121の口の濡れ性により血液は血算用採血管1121に入る。
(b)採血量を増大させる効果のある指先の圧迫方法及び採血管の動作方法について、
図14を用いて説明する。
図14は、採血時のカフの内圧及び血算用採血管の位置の時間変化と、4つの時点における指先と血算用採血管1121の位置関係や指先からの血液の様子を示したものである。
カフの内圧は、90kPa、5秒(圧迫時)、0kPa、2.5秒(解放時)の7.5秒周期で変化し、一方、採血管も5mmの上下動を7秒周期で変化する。ここでの圧力は大気圧との差圧である。
指先の圧迫直後(0秒の時点)では指先から出血する血液は少ないが、カフで指先を圧迫することにより指先に血液が集まり、穿刺箇所より出血した血液は、指先に液滴を形成する(2秒の時点)。カフによる圧迫を続けることで、血液の液滴はさらに大きくなる。カフの圧迫終了直前に、血算用採血管1121の口を指先に近づけ、血液の液滴を血算用採血管1121に接触させる(4.5秒の時点)。接触により、血液の液滴の一部は血算用採血管1121の底に落ち、一部の血液は指先と血算用採血管1121の口の間に残る。接触後、カフの内圧を0kPaにして指先を圧迫から解放する。この操作により締め付けられた指の血管が開くため、血液は再び指先に流れる。続いて、採血算用採血管1121の口を指先から離す。この操作により、指先と血算用採血管1121の口にたまった血液を血算用採血管1121の口側に切り離すことができる(7秒の時点)。切り離された血液は重力により、血算用採血管1121の底側に移動する。このようにカフの圧迫・解放と、指先と血算用採血管1121の相対距離の変動を繰り返し実施し、血算用採血管1121への採血を行う。
カフによる圧迫・解放を繰り返すことで、指先からの出血促進と、指先への血液の補充を繰り返すことができる。また、血算用採血管1121と指先の距離を変えない場合、指先と血算用採血管1121の口にたまった血液内で凝固反応が進み、穿刺箇所からの出血が滞るが、本実施例のように、血算用採血管1121と指先の距離を変え、指先と血算用採血管1121の口にたまった血液を一定時間間隔で取り除くことで、穿刺箇所の凝固反応を抑制することができる。結果として、カフによる圧迫・解放と血算用採血管1121と指先の距離を変えることを繰り返し実施することで、採血量の増大効果をもたらすことができる。本実施例では、カフの圧迫・解放を5秒、2.5秒での7.5秒の周期で、また血算用採血管1121の上下運動も振幅5mm、7.5秒の周期で実施しているが、被採血者の状態によってこれらの条件は変更することが好ましい。これらの条件は様々な状態の被検者の採血の結果に基づき見極める。例えば、一般的には指の太い被検者の場合、指の細い被検者よりも短い周期の条件となる。さらに本実施例では、血算用採血管1121を動かすことで指先と血算用採血管1121の相対的距離を変化させたが、血算用採血管1121を固定し指先を動作させることで指先と血算用採血管1121の相対的距離を変化させても同様の効果が期待できる。また、カートリッジ自体を上下動させて指先と血算用採血管1121の相対的距離を変化させても同様の効果が期待できる。また、カフによる指先の圧迫と解放の繰り返しタイミングと指先と血算用採血管1121の相対距離の変動の繰り返しタイミングは、
図14に示すように、カフの圧迫の終了直前で血算用採血管1121を指先に近付け、カフを解放してから血算用採血管1121を指先から離すようにすることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。指先と血算用採血管1121の口にたまった血液を所定時間間隔で取り除くことが重要であり、カフの圧迫・解放による採血の際に、指先と血算用採血管1121の相対距離の変動を所定時間間隔で繰り返し実施することで穿刺箇所における血液の凝固を抑制でき、採血量の増大が見込める。
(c)血算用採血管1121への採血量の計測は、採血量確認用カメラ142(
図2)によって行う。
図15は、血算用採血管1121への採血時におけるカートリッジ用容器101(
図1)を採血量確認用カメラ142(
図2)側から見た図である。カートリッジ用容器101には空隙である採血量観察窓1011があり、また血算用採血管1121を保持する血算用採血管ホルダ112も空隙がある。血算用採血管1121への採血時は、これらの空隙を介して血算用採血管1121に採血された血液1561を観測することができる。目視もしくは画像解析により、所定の採血量が得られた段階で血算用採血管1121への採血は終了し、生化学・免疫用採血管1131への採血に移る。
(d)回転方向駆動機構120(
図2)により、カートリッジ11は回転し、採血窓1311の直下に生化学・免疫用採血管1131を動かす。生化学・免疫用採血管1131への採血は、血算用採血管1121への採血と同様の動作で実施される。
(e)また、血算用採血管1121で採取した血液内では凝固反応が進行するため、生化学・免疫用採血管1131への採血中に、採血の完了した血算用採血管1121を取り出し、転倒混和を行う。転倒混和により、血算用採血管1121の内面に付着している抗凝固剤が血液と混ざり、凝固反応が抑制される。
図16は、血算用採血管1121の取り出し方を示した図である。血算用採血管1121と生化学・免疫用採血管1131は、カートリッジ11(
図3)の中心に対し点対称の配置であるため、生化学・免疫用採血管1131への採血中は、血算用採血管1121は指先から最も離れた位置にある。その位置にある血算用採血管1121を採血管取り出し用棒191で上方に動かすことで、血算用採血管1121を取り出すことができる。
生化学・免疫用採血管1131への採血終了したのち、止血プロセスに移る。
【0028】
(5)止血プロセス
(a)回転方向駆動機構120(
図2)により、カートリッジ11は回転し、採血窓1311の直下にガーゼ1141を動かす。続いて、垂直方向駆動機構121により、ガーゼ1141を中指153の指先の方向に押し上げ、ガーゼ1141を中指153の指先に接触させ、指先の残った血液をふき取る。
(b)その後、カートリッジ11は回転し、採血窓1311の直下に絆創膏1151を動かす。続いて、垂直方向駆動機構121により、絆創膏1151を中指153の指先の方向に押し上げ、絆創膏1151を中指153の指先に張りつけ、指先の穿刺箇所を覆う。絆創膏1151で穿刺箇所を覆う前にガーゼ1141で指先に残った血液をふき取ることで、絆創膏1151から血液が溢れることを防止し、確実に指先に絆創膏1151を張り付けることができる。
(c)絆創膏1151を張り付けたのち、被採血者は中指153をカフ機構から外す。その後、血算用採血管1121と同様の方法で生化学・免疫用採血管1131を取り出す。
採血装置1を用いた上記の手順により、血算用採血管1121と生化学・免疫用採血管1131の採血を実施する。本実施例では、二本の採血管(血算用採血管と生化学・免疫用採血管)への採血を実施したが、
図8、9記載の手順により、血算用採血管1121への採血のみ、生化学・免疫用採血管1131への採血のみも実施可能である。
図8は、血算用採血管への採血のみ実施するときのフローチャートであり、血算用採血管への採血が終了したのち、止血プロセスへ移る。また、
図9は、生化学・免疫用採血管への採血のみ実施するときのフローチャートであり、穿刺プロセス終了したのち、生化学・免疫用採血管への採血プロセスに移る。
【0029】
次に、採血におけるカートリッジ11の好ましい移動方法、好ましい採血管の形状、採血後の採血管の蓋のかぶせ方・撹拌方法、採血プロセスのみ実施する方法について説明する。
【0030】
始めにカートリッジ11の好ましい移動方法について説明する。本実施例の採血装置による採血では、穿刺後の指先から血液が落ちる可能性がある。そのため、後の工程で使用する部品(生化学・免疫用採血管1131、ガーゼ1141や絆創膏1151)の上を通過しないようにカートリッジ11を回転させることが好ましい。そのため、
図12のカートリッジ11を用いた場合では、穿刺プロセス→反時計回り→採血プロセス(血算)→時計回り→採血プロセス(生化学・免疫)→反時計回り→止血プロセス(ガーゼ)→止血プロセス(絆創膏)となるようにカートリッジ11を回転させる。なお、カートリッジに組み込まれた部品の種類や配置が異なった場合には回転方向は異なる。すなわち、後の工程で使用する部品の上を通過しないようにカートリッジを動かすことが好ましい。
【0031】
本実施例によれば、採血管、指の圧迫解放機構、採血管の垂直方向移動機構を使用する採血装置を提供することで、どのような被検者でも常に安定した採血を実現することができるという極めて優れた効果を発揮する。
【0032】
次に、採血管の好ましい形状について説明する。本実施例における採血は、指先と採血管の相対的な距離を変えることで、血液の液滴を指先から採血管に移すことが特徴である。そのため、採血管は接触した血液を引き寄せる性能を備えることが望ましい。
図17には、本実施例で使用した採血管と同形状の採血管210と、表面の濡れ性を向上させて接触した血液を引き寄せる性能を向上させた溝付採血管211、テーパ溝付採血管212、採血ガイド付採血管213の断面図を示す。具体的には、溝付採血管211は口2111に細い直線状の溝を複数、テーパ溝付採血管212は口2121にテーパ状の溝(入口側の溝幅が広く下方側に行くに従い溝幅が狭くなるような溝)を、採血ガイド付採血管213は口2131にテーパ状のガイド(入口側の幅が広く下方側に行くに従い幅が狭くなるような突出したガイド)を設けることにより、濡れ性を増大させている。溝やガイドは単数でも複数でも良い。突出したガイドは直線状でも良い。
【0033】
次に、採血後の採血管の蓋のかぶせ方・撹拌の自動化について説明する。上述の実施例では、採血後の採血管を取り出し、転倒混和により撹拌したが、装置内に下記の機構を加えることで、装置内で自動的に採血管に蓋をかぶせ、撹拌することができる。
【0034】
図18A,
図18Bは、カートリッジ用容器101内で採血管210に採血管用蓋2102を取り付けるための動作を示す図であり、カートリッジ用容器101とカバー117を断面図で表示している。採血管用蓋2102を保持するカバー117をカートリッジ11の上方に配置することで(
図18A)、採血が終了した採血管210を蓋取付用棒192で上方に押し上げ、採血管用蓋2102に押し込むことで(
図18B)、採血管210に採血管用蓋2102をかぶせることが可能になる。
【0035】
図19は、カートリッジ用容器101内で採血管210内の血液を自転公転撹拌するための動作を示す図であり、
図18A,
図18Bと同様にカートリッジ用容器101とカバー117を断面図で表示している。カートリッジ用容器101に突起1012を、またカートリッジケース110の採血管ホルダ21を保持する部分に空隙215を設け、この状態で回転方向駆動機構120によりカートリッジ11を回転(図では反時計回り)させると、採血管ホルダ21は突起1012により時計回りに力を受ける。この力により、採血管ホルダ21は自転しつつ公転する遊星運動をすることになり、採血菅210内の血液を自転公転撹拌することが可能になる。
【0036】
本実施例では採血装置1を用いて穿刺、採血、止血の全工程を行ったが、本発明の特徴の一つは採血時の採血量増大である。このため、穿刺や止血は手動で行っても構わない。その場合は、市販の穿刺器で指を穿刺したのち、あらかじめ採血管を保持するホルダのみ取り付けたカートリッジ11をセットした採血装置1に指をセットする。その後、前述の採血プロセスのみ実施したのち、採血装置1から指を取り外し、手操作で止血を実施する。本実施例の採血装置を用いることで採血を手操作で行うよりも多くの採血量を得ることが期待できる。
【符号の説明】
【0037】
1:採血装置、11:カートリッジ、12:駆動機構、13:カフ機構指固定部、15:手、16:制御機構、17:圧力調整機構、100:ケース、101:カートリッジ用容器、110:カートリッジケース、111:穿刺器ホルダ、112:血算用採血管ホルダ、113:生化学・免疫用採血管ホルダ、114:ガーゼホルダ、115:絆創膏ホルダ、120:回転方向駆動機構、121:垂直方向駆動機構、122:カートリッジホルダ、141:指先確認用カメラ、142:採血量確認用カメラ、153:指、171:カフ内圧用センサ、172:カフ用バルブ、173:カフ用ポンプ、191:採血管取り出し用棒、192:蓋取付用棒、210:採血管、211:溝付採血管、212:テーパ溝付採血管、213:採血ガイド付採血管、1111:穿刺器、1121:血算用採血管、1131:生化学・免疫用採血管、1141:ガーゼ、1151:絆創膏、1311:採血窓、1312:指置き用板部品。