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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
H01L21/304 601B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020552932
(86)(22)【出願日】2019-09-03
(86)【国際出願番号】 JP2019034566
(87)【国際公開番号】W WO2020084909
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2018199406
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】森 弘明
(72)【発明者】
【氏名】川口 義広
(72)【発明者】
【氏名】久野 和哉
(72)【発明者】
【氏名】田之上 隼斗
【審査官】馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-096295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
G01B 11/00
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を保持する保持部と、
前記第1の基板の外側端部を検出する第1の検出部と、
前記第1の基板と前記第2の基板が接合された接合領域と、当該接合領域の外側の未接合領域との境界を検出する第2の検出部と、
前記保持部に保持された前記重合基板に対し、前記第1の基板における除去対象の周縁部を除去する周縁除去部と、
前記保持部を水平方向に移動させる保持部移動機構と、
前記保持部、前記第1の検出部、前記第2の検出部、前記周縁除去部、及び前記保持部移動機構を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1の検出部によって前記第1の基板の外側端部を検出させることと、
前記第1の検出部で検出された検出結果から、前記保持部の中心と前記第1の基板の中心との第1の偏心量を算出することと、
前記第2の検出部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を検出させることと、
前記第2の検出部で検出された検出結果から、前記保持部の中心と前記接合領域の中心との水平方向の第2の偏心量を周方向に算出することと、
前記保持部の移動量が周方向における前記第2の偏心量に合致するように、前記周縁除去部に対する前記保持部の位置を決定することと、を実行する、基板処理装置。
【請求項2】
前記保持部移動機構は、
前記保持部を回転させる回転部と、
前記重合基板を搬入出する搬入出位置と、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去する除去位置との間で、前記保持部を水平方向に移動させる水平移動部と、を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2の検出部は、前記接合領域と前記未接合領域との境界を撮像する第2の撮像部であり、
前記制御部は、
前記第1の偏心量が、前記水平移動部による前記保持部の移動方向と直交する直交方向の偏心量を備えない場合、前記第1の偏心量における前記移動方向の偏心量を補正するように、前記水平移動部によって前記保持部を移動させることと、
前記回転部によって前記保持部を回転させながら、前記第2の撮像部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を周方向に撮像させることと、
前記第2の撮像部で撮像された画像から、周方向の前記第2の偏心量を算出することと、を実行する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2の検出部は、前記接合領域と前記未接合領域との境界を撮像する第2の撮像部であり、
前記制御部は、
前記第1の偏心量が、前記水平移動部による前記保持部の移動方向と直交する直交方向の偏心量を備える場合、前記第1の偏心量における前記移動方向の偏心量を補正するように、前記水平移動部によって前記保持部を移動させることと、
前記第1の偏心量における前記直交方向の偏心量を補正するように、前記保持部を前記回転部によって回転させると共に前記水平移動部によって水平方向に移動させながら、前記第2の撮像部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を周方向に撮像させることと、
前記第2の撮像部で撮像された画像から、周方向の前記第2の偏心量を算出することと、を実行する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記保持部の移動量が周方向における前記第2の偏心量に合致するように、前記保持部を前記回転部によって回転させると共に前記水平移動部によって水平方向に移動させながら、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去することを実行する、請求項2~4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記周縁除去部は、前記保持部に保持された前記重合基板に対し、前記周縁部と中央部との境界に沿って前記第1の基板の内部に周縁改質層を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1の基板の内部において前記周縁改質層から径方向外側に延伸した分割改質層を形成する分割改質部を有し、
前記制御部は、前記第2の偏心量に基づいて、前記分割改質層の径方向の長さを補正する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2の検出部は、前記周縁改質層を撮像する第2の撮像部であり、
前記制御部は、前記周縁除去部によって前記周縁改質層を形成させながら、前記第2の撮像部によって当該周縁改質層を撮像させることを実行する、請求項6又は7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2の検出部を水平方向に移動させる検出部移動機構を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1の検出部は、前記第1の基板の外側端部を撮像する第1の撮像部であり、
前記第2の検出部は、前記接合領域と前記未接合領域との境界を撮像する第2の撮像部であり、
前記第2の撮像部の撮像倍率は、前記第1の撮像部の撮像倍率より高い、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1の検出部は、可視光を照射し、前記重合基板からの反射光を受光する第1の撮像部であり、
前記第2の検出部は、赤外光を照射し、前記重合基板からの反射光を受光する第2の撮像部である、請求項1~10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する基板処理方法であって、
第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を保持部で保持することと、
前記第1の基板の外側端部を検出することと、
前記第1の基板の外側端部の検出結果から、前記保持部の中心と前記第1の基板の中心との第1の偏心量を算出することと、
前記第1の基板と前記第2の基板が接合された接合領域と、当該接合領域の外側の未接合領域との境界を検出することと、
前記接合領域と前記未接合領域との境界の検出結果から、前記保持部の中心と前記接合領域の中心との水平方向の第2の偏心量を周方向に算出することと、
前記保持部に保持された前記重合基板に対し、周縁除去部によって、前記第1の基板における除去対象の周縁部を除去するに際し、前記保持部の移動量が周方向における前記第2の偏心量に合致するように、前記周縁除去部に対する前記保持部の位置を決定することと、を有する、基板処理方法。
【請求項13】
回転部によって前記保持部を回転させながら、第1の撮像部によって前記第1の基板の外側端部を周方向に撮像することと、
前記第1の撮像部で撮像された画像から、周方向の前記第1の偏心量を算出することと、を有する、請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記重合基板を搬入出する搬入出位置と、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去する除去位置との間で、水平移動部によって前記保持部は水平方向に移動し、
前記第1の偏心量が、前記水平移動部による前記保持部の移動方向と直交する直交方向の偏心量を備えない場合、前記第1の偏心量における前記移動方向の偏心量を補正するように、前記水平移動部によって前記保持部を移動させることと、
回転部によって前記保持部を回転させながら、第2の撮像部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を周方向に撮像することと、
前記第2の撮像部で撮像された画像から、周方向の前記第2の偏心量を算出することと、を有する、請求項12又は13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記重合基板を搬入出する搬入出位置と、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去する除去位置との間で、水平移動部によって前記保持部は水平方向に移動し、
前記第1の偏心量が、前記水平移動部による前記保持部の移動方向と直交する直交方向の偏心量を備える場合、前記第1の偏心量における前記移動方向の偏心量を補正するように、前記水平移動部によって前記保持部を移動させることと、
前記第1の偏心量における前記直交方向の偏心量を補正するように、前記保持部を回転部によって回転させると共に前記水平移動部によって水平方向に移動させながら、第2の撮像部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を周方向に撮像することと、
前記第2の撮像部で撮像された画像から、周方向の前記第2の偏心量を算出することと、を有する、請求項12又は13に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記重合基板を搬入出する搬入出位置と、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去する除去位置との間で、水平移動部によって前記保持部は水平方向に移動し、
前記保持部の移動量が周方向における前記第2の偏心量に合致するように、前記保持部を回転部によって回転させると共に前記水平移動部によって水平方向に移動させながら、前記周縁除去部によって前記周縁部を除去することを実行する、請求項12~15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記周縁除去部は、前記保持部に保持された前記重合基板に対し、前記周縁部と中央部との境界に沿って前記第1の基板の内部に周縁改質層を形成する、請求項12~16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項18】
分割改質部によって、前記第1の基板の内部において前記周縁改質層から径方向外側に延伸した分割改質層を形成することを有し、
前記第2の偏心量に基づいて、前記分割改質層の径方向の長さを補正する、請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記周縁除去部によって前記周縁改質層を形成させながら、当該周縁改質層を撮像する、請求項17又は18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記第1の基板の外側端部の検出は、第1の撮像部で当該外側端部を撮像することにより行われ、
前記接合領域と前記未接合領域との境界の検出は、第2の撮像部で当該境界を撮像することにより行われ、
前記第2の撮像部の撮像倍率は、前記第1の撮像部の撮像倍率より高い、請求項12~19のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外周部に砥粒が設けられた円板状の研削工具を回転し、研削工具の少なくとも外周面を半導体ウェハに線状に当接させて半導体ウェハの周端部を略L字状に研削することが開示されている。半導体ウェハは、二枚のシリコンウェハを貼り合わせて作製されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-216152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板同士が接合された重合基板において、一の基板の周縁部を所望の位置で除去する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板を処理する基板処理装置であって、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を保持する保持部と、前記第1の基板の外側端部を検出する第1の検出部と、前記第1の基板と前記第2の基板が接合された接合領域と、当該接合領域の外側の未接合領域との境界を検出する第2の検出部と、前記保持部に保持された前記重合基板に対し、前記第1の基板における除去対象の周縁部を除去する周縁除去部と、前記保持部を水平方向に移動させる保持部移動機構と、前記保持部、前記第1の検出部、前記第2の検出部、前記周縁除去部、及び前記保持部移動機構を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1の検出部によって前記第1の基板の外側端部を検出させることと、前記第1の検出部で検出された検出結果から、前記保持部の中心と前記第1の基板の中心との第1の偏心量を算出することと、前記第2の検出部によって前記接合領域と前記未接合領域との境界を検出させることと、前記第2の検出部で検出された検出結果から、前記保持部の中心と前記接合領域の中心との水平方向の第2の偏心量を周方向に算出することと、前記保持部の移動量が周方向における前記第2の偏心量に合致するように、前記周縁除去部に対する前記保持部の位置を決定することと、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板同士が接合された重合基板において、一の基板の周縁部を所望の位置で除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかるウェハ処理システムの構成の概略を模式的に示す平面図である。
図2】重合ウェハの構成の概略を示す側面図である。
図3】重合ウェハの一部の構成の概略を示す側面図である。
図4】ウェハ処理の主な工程を示すフロー図である。
図5】ウェハ処理の主な工程の説明図である。
図6】処理ウェハに周縁改質層を形成した様子を示す縦断面図である。
図7】処理ウェハに周縁改質層を形成した様子を示す平面図である。
図8】本実施形態にかかる改質装置の構成の概略を示す平面図である。
図9】本実施形態にかかる改質装置の構成の概略を示す側面図である。
図10】マクロカメラが撮像する箇所を示す説明図である。
図11】マクロアライメントで算出される第1の偏心量の説明図である。
図12】マイクロカメラが撮像する箇所を示す説明図である。
図13】マイクロアライメントで算出される第1の偏心量の説明図である。
図14】改質処理の主な工程を示すフロー図である。
図15】改質処理の主な工程の説明図である。
図16】処理ウェハの回転角度と処理ウェハの外側端部の位置の関係を示す説明図である。
図17】処理ウェハの回転角度と接合領域の外側端部の位置の関係を示す説明図である。
図18】処理ウェハに周縁改質層及び分割改質層を形成した様子を示す縦断面図である。
図19】処理ウェハに周縁改質層及び分割改質層を形成した様子を示す平面図である。
図20】他の実施形態にかかるウェハ処理の主な工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成されたウェハに対し、当該ウェハの裏面を研削して、ウェハを薄化することが行われている。そして、この薄化されたウェハをそのまま搬送したり、後続の処理を行ったりすると、ウェハに反りや割れが生じるおそれがある。そこで、ウェハを補強するために、例えば支持基板にウェハを貼り付けることが行われている。
【0009】
通常、ウェハの周縁部は面取り加工がされているが、上述したようにウェハに研削処理を行うと、ウェハの周縁部が鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる。そうすると、ウェハの周縁部でチッピングが発生し、ウェハが損傷を被るおそれがある。そこで、研削処理前に予めウェハの周縁部を削る、いわゆるエッジトリムが行われている。
【0010】
上述した特許文献1に記載の端面研削装置は、このエッジトリムを行う装置である。端面研削装置は、チャックテーブルと、スピンドルと、ダイヤモンドホイールとを有する。チャックテーブルは、ウェハを載置し、Z軸方向(鉛直方向)を回転軸として回転する。スピンドルは、その先端部にダイヤモンドホイールを取り付け、Y軸方向(水平方向)を回転軸として回転する。またスピンドルは、Y軸方向及びZ方向に移動する。ダイヤモンドホイールは、外周部にダイヤモンド砥粒が設けられた円板状の研削工具である。かかる端面研削装置を用いて、ウェハの周縁部の端面研削を行う場合には、チャックテーブルを回転しながら、スピンドルをY軸方向及びZ軸方向に移動することにより、ダイヤモンドホイールをウェハに当接させる。そして、ウェハの周縁部を略L字状に研削する。
【0011】
ここで、ウェハの周縁部は所望の位置で除去される必要がある。しかしながら、この端面研削装置では、チャックテーブルに対してウェハがずれて保持される場合があり、かかる場合、チャックテーブルの中心とウェハの中心がずれる。また、貼り合わされたウェハにおいても、そのウェハの中心と接合面の中心がずれている場合がある。このようにチャックテーブルの中心、ウェハの中心、接合面の中心がそれぞれずれていると、端面研削装置において除去される周縁部は上記所望の位置からずれてしまう。このため、ウェハの接合面に対する周縁部のアライメントが必要になるが、特許文献1に記載の端面研削装置ではかかるアライメントは考慮されていない。したがって、従来のエッジトリムには改善の余地がある。
【0012】
本開示にかかる技術は、エッジトリムを適切に行う。以下、エッジトリムを適切に行う本実施形態にかかる基板処理装置としての改質装置を備えたウェハ処理システム、及び基板処理方法としてのウェハ処理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
先ず、本実施形態にかかるウェハ処理システムの構成について説明する。図1は、ウェハ処理システム1の構成の概略を模式的に示す平面図である。
【0014】
ウェハ処理システム1では、図2及び図3に示すように第1の基板としての処理ウェハWと第2の基板としての支持ウェハSとが接合された、重合基板としての重合ウェハTに対して所望の処理を行う。そしてウェハ処理システム1では、処理ウェハWの周縁部Weを除去し、さらに当該処理ウェハWを薄化する。以下、処理ウェハWにおいて、支持ウェハSに接合された面を表面Waといい、表面Waと反対側の面を裏面Wbという。同様に、支持ウェハSにおいて、処理ウェハWに接合された面を表面Saといい、表面Saと反対側の面を裏面Sbという。
【0015】
処理ウェハWは、例えばシリコンウェハなどの半導体ウェハであって、表面Waに複数のデバイスを含むデバイス層(図示せず)が形成されている。また、デバイス層にはさらに酸化膜F、例えばSiO膜(TEOS膜)が形成されている。なお、処理ウェハWの周縁部Weは面取り加工がされており、周縁部Weの断面はその先端に向かって厚みが小さくなっている。
【0016】
なお、図2においては、図示の煩雑さを回避するため、酸化膜Fの図示を省略している。また、以下の説明で用いられる他の図面においても同様に、酸化膜Fの図示を省略する場合がある。
【0017】
支持ウェハSは、処理ウェハWを支持するウェハであって、例えばシリコンウェハである。支持ウェハSの表面Saには酸化膜(図示せず)が形成されている。また、支持ウェハSは、処理ウェハWの表面Waのデバイスを保護する保護材として機能する。なお、支持ウェハSの表面Sa複数のデバイスが形成されている場合には、処理ウェハWと同様に表面Saにデバイス層(図示せず)が形成される。
【0018】
ここで、処理ウェハWの周縁部Weにおいて、処理ウェハWと支持ウェハSが接合されていると、周縁部Weを適切に除去できないおそれがある。そこで、処理ウェハWと支持ウェハSの界面には、酸化膜Fと支持ウェハSの表面Saが接合された接合領域Aaと、接合領域Aaの径方向外側の領域である未接合領域Abとを形成する。このように未接合領域Abが存在することで、周縁部Weを適切に除去できる。なお、詳細は後述するが、接合領域Aaの外側端部は、除去される周縁部Weの内側端部より若干径方向外側に位置させることが好ましい。また、未接合領域Abは、例えば接合前に、酸化膜Fの周縁部を研磨やウェットエッチングなどを行って除去することで形成される。この際、未接合領域Ab(接合領域Aa)の中心と、処理ウェハWの中心とがずれる場合があり、すなわち処理ウェハWの外側端部と未接合領域Abの内側端部との距離が、周方向に一定でない場合がある。
【0019】
また、処理ウェハWと支持ウェハSは、ファンデルワールス力及び水素結合(分子間力)による、いわゆるボンディングウェーブが中心から径方向外側に向けて拡がることで順次接合される。ボンディングウェーブの端部では空気が圧縮されて高圧になるが、酸化膜の外側端部(接合領域の外側端部)において、この高圧な空気が大気開放されると、急激に大気圧まで減圧されることになる。そうすると、この急激な減圧によりジュールトムソン効果が発生して温度が低下し、結露が発生する。さらに、この結露が重合ウェハTの周縁部に閉じ込められ、ボイドとなる。
【0020】
この点、本実施形態では、酸化膜Fの外周部Feには、径方向外側に向けて酸化膜Fの厚みが小さくなる傾斜が形成される。このように外周部Feに傾斜を形成しておくことで、当該外周部Feにおいては径方向外側に向けて徐々に空間が拡がる。そうすると、接合に際しては、ボンディングウェーブの端部の高圧な雰囲気が外周方向に向けて徐々に大気圧まで減圧されていくため、すなわち、急激な減圧を抑えることができるため、ボイドを抑制することができる。
【0021】
図1に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ステーション2と処理ステーション3を一体に接続した構成を有している。搬入出ステーション2は、例えば外部との間で複数の重合ウェハTを収容可能なカセットCtが搬入出される。処理ステーション3は、重合ウェハTに対して所望の処理を施す各種処理装置を備えている。
【0022】
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセットCtをY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCtの個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
【0023】
搬入出ステーション2には、カセット載置台10のX軸負方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送装置20が設けられている。ウェハ搬送装置20は、Y軸方向に延伸する搬送路21上を移動自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置20は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム22、22を有している。各搬送アーム22は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム22の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置20は、カセット載置台10のカセットCt、及び後述するトランジション装置30に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
【0024】
搬入出ステーション2には、ウェハ搬送装置20のX軸負方向側において、当該ウェハ搬送装置20に隣接して、重合ウェハTを受け渡すためのトランジション装置30が設けられている。
【0025】
処理ステーション3には、例えば3つの処理ブロックG1~G3が設けられている。第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2、及び第3の処理ブロックG3は、X軸正方向側(搬入出ステーション2側)から負方向側にこの順で並べて配置されている。
【0026】
第1の処理ブロックG1には、エッチング装置40、洗浄装置41、及びウェハ搬送装置50が設けられている。エッチング装置40と洗浄装置41は、積層して配置されている。なお、エッチング装置40と洗浄装置41の数や配置はこれに限定されない。例えば、エッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれX軸方向に延伸し、平面視において並列に並べて載置されていてもよい。さらに、これらエッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれ、積層されていてもよい。
【0027】
エッチング装置40は、後述する加工装置80で研削された処理ウェハWの裏面Wbをエッチング処理する。例えば、裏面Wbに対して薬液(エッチング液)を供給し、当該裏面Wbをウェットエッチングする。薬液には、例えばHF、HNO、HPO、TMAH、Choline、KOHなどが用いられる。なお、洗浄装置41による裏面Wbの洗浄が十分であれば、エッチング装置40は省略してもよい。
【0028】
洗浄装置41は、後述する加工装置80で研削された処理ウェハWの裏面Wbを洗浄する。例えば裏面Wbにブラシを当接させて、当該裏面Wbをスクラブ洗浄する。なお、裏面Wbの洗浄には、加圧された洗浄液を用いてもよい。また、洗浄装置41は、処理ウェハWの裏面Wbと共に、支持ウェハSの裏面Sbを洗浄する構成を有していてもよい。
【0029】
ウェハ搬送装置50は、例えばエッチング装置40と洗浄装置41に対してY軸負方向側に配置されている。ウェハ搬送装置50は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム51、51を有している。各搬送アーム51は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム51の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置50は、トランジション装置30、エッチング装置40、洗浄装置41、及び後述する改質装置60に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
【0030】
第2の処理ブロックG2には、改質装置60、周縁除去装置61、及びウェハ搬送装置70が設けられている。改質装置60と周縁除去装置61は、積層して配置されている。なお、改質装置60と周縁除去装置61の数や配置はこれに限定されない。
【0031】
改質装置60は、処理ウェハWの内部にレーザ光を照射し、周縁改質層を形成する。改質装置60の具体的な構成は、後述する。
【0032】
周縁除去装置61は、改質装置60で形成された周縁改質層を基点に、処理ウェハWの周縁部Weを除去する。周縁除去装置61の構成は任意であるが、例えば拡張可能なテープ(図示せず)を有している。そして、テープを処理ウェハWの裏面Wbに貼り付けた後、当該テープを処理ウェハWの径方向に拡張(エキスパンド)させることで、周縁改質層を基点に、処理ウェハWから周縁部Weを分離する。
【0033】
なお、周縁除去装置61において周縁部Weを除去する方法は、本実施形態に限定されない。例えば、周縁部Weに対してエアブローやウォータジェットを噴射し、当該周縁部Weを打圧して除去してもよい。あるいは、例えばピンセットのような治具を周縁部Weに接触させ、当該周縁部Weを物理的に除去してもよい。
【0034】
ウェハ搬送装置70は、例えば改質装置60と周縁除去装置61に対してY軸正方向側に配置されている。ウェハ搬送装置70は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム71、71を有している。一例として、第1の搬送アーム71は下方から重合ウェハTを保持し、第2の搬送アーム71は上方から重合ウェハTを保持する。各搬送アーム71は、多関節のアーム部材72に支持され、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム71の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置70は、洗浄装置41、改質装置60、周縁除去装置61、及び後述する加工装置80に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
【0035】
第3の処理ブロックG3には、加工装置80が設けられている。なお、加工装置80の数や配置は本実施形態に限定されず、複数の加工装置80が任意に配置されていてもよい。
【0036】
加工装置80は、処理ウェハWの裏面Wbを研削する。加工装置80は、回転テーブル90、粗研削ユニット100、中研削ユニット110、及び仕上研削ユニット120を有している。
【0037】
回転テーブル90は、回転機構(図示せず)によって、鉛直な回転中心線91を中心に回転自在に構成されている。回転テーブル90上には、重合ウェハTを吸着保持するチャック92が4つ設けられている。チャック92は、回転テーブル90と同一円周上に均等、すなわち90度毎に配置されている。4つのチャック92は、回転テーブル90が回転することにより、受渡位置A0及び加工位置A1~A3に移動可能になっている。また、4つのチャック92はそれぞれ、回転機構(図示せず)によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
【0038】
本実施形態では、受渡位置A0は回転テーブル90のX軸正方向側且つY軸正方向側の位置であり、重合ウェハTの受け渡しが行われる。第1の加工位置A1は回転テーブル90のX軸負方向側且つY軸正方向側の位置であり、粗研削ユニット100が配置される。第2の加工位置A2は回転テーブル90のX軸負方向側且つY軸負方向側の位置であり、中研削ユニット110が配置される。第3の加工位置A3は回転テーブル90のX軸正方向側且つY軸負方向側の位置であり、仕上研削ユニット120が配置される。
【0039】
粗研削ユニット100では、処理ウェハWの裏面Wbを粗研削する。粗研削ユニット100は、環状形状で回転自在な粗研削砥石(図示せず)を備えた粗研削部101を有している。また、粗研削部101は、支柱102に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。そして、チャック92に保持された処理ウェハWの裏面Wbを粗研削砥石に当接させた状態で、チャック92と粗研削砥石をそれぞれ回転させ、裏面Wbを粗研削する。
【0040】
中研削ユニット110では、処理ウェハWの裏面Wbを中研削する。中研削ユニット110は、環状形状で回転自在な中研削砥石(図示せず)を備えた中研削部111を有している。また、中研削部111は、支柱112に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。なお、中研削砥石の砥粒の粒度は、粗研削砥石の砥粒の粒度より小さい。そして、チャック92に保持された処理ウェハWの裏面Wbを中研削砥石に当接させた状態で、チャック92と中研削砥石をそれぞれ回転させ、裏面Wbを中研削する。
【0041】
仕上研削ユニット120では、処理ウェハWの裏面Wbを仕上研削する。仕上研削ユニット120は、環状形状で回転自在な仕上研削砥石(図示せず)を備えた仕上研削部121を有している。また、仕上研削部121は、支柱122に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。なお、仕上研削砥石の砥粒の粒度は、中研削砥石の砥粒の粒度より小さい。そして、チャック92に保持された処理ウェハWの裏面Wbを仕上研削砥石に当接させた状態で、チャック92と仕上研削砥石をそれぞれ回転させ、裏面Wbを仕上研削する。
【0042】
以上のウェハ処理システム1には、制御部としての制御装置130が設けられている。制御装置130は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、ウェハ処理システム1における後述の基板処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御装置130にインストールされたものであってもよい。
【0043】
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。図4は、ウェハ処理の主な工程を示すフロー図である。図5は、ウェハ処理の主な工程の説明図である。なお、本実施形態では、ウェハ処理システム1の外部の接合装置(図示せず)において、処理ウェハWと支持ウェハSが接合され、予め重合ウェハTが形成されている。
【0044】
先ず、図5(a)に示す重合ウェハTを複数収納したカセットCtが、搬入出ステーション2のカセット載置台10に載置される。
【0045】
次に、ウェハ搬送装置20によりカセットCt内の重合ウェハTが取り出され、トランジション装置30に搬送される。続けて、ウェハ搬送装置50により、トランジション装置30の重合ウェハTが取り出され、改質装置60に搬送される。改質装置60では、図5(b)に示すように処理ウェハWの内部に周縁改質層M1が形成される(図4のステップA1)。具体的に改質装置60では、処理ウェハW(重合ウェハT)を回転させながら、後述するレーザヘッドからレーザ光を照射して、処理ウェハWの周縁部Weと中央部Wcの境界に周縁改質層M1を形成する。
【0046】
周縁改質層M1は、エッジトリムにおいて周縁部Weを除去の際の基点となるものであり、図6及び図7に示すように処理ウェハWにおける除去対象の周縁部Weと中央部Wcとの境界に沿って、環状に形成される。なお、周縁部Weは、例えば処理ウェハWの外端部から径方向に1mm~5mmの範囲であり、面取り部が含まれる。
【0047】
また、周縁改質層M1は、接合領域Aaの外側端部よりも径方向内側に形成される。レーザヘッドからのレーザ光によって周縁改質層M1を形成する際に、例えば加工誤差などにより周縁改質層M1が接合領域Aaの外側端部からずれて形成されたとしても、当該周縁改質層M1が接合領域Aaの外側端部から径方向外側に形成されるのを抑制できる。ここで、周縁改質層M1が接合領域Aaの外側端部から径方向外側に形成されると、周縁部Weが除去された後に支持ウェハSに対して処理ウェハWが浮いた状態になってしまう。この点、本実施形態では、かかる処理ウェハWの状態を確実に抑制することができる。
【0048】
なお、本開示者らが鋭意検討したところ、周縁改質層M1と接合領域Aaの外側端部との距離Lが十分に小さいと周縁部Weを適切に除去できることを確認している。そして、この距離Lは500μm以内であるのが好く、さらに好ましくは50μm以内である。
【0049】
また、周縁改質層M1は、厚み方向に延伸し縦長のアスペクト比を有する。周縁改質層M1の下端は、研削後の処理ウェハWの目標表面(図6中の点線)より上方に位置している。すなわち、周縁改質層M1の下端と処理ウェハWの表面Waとの間の距離H1は、研削後の処理ウェハWの目標厚みH2より大きい。かかる場合、研削後の処理ウェハWに周縁改質層M1が残らない。
【0050】
さらに処理ウェハWの内部には、周縁改質層M1からクラックC1が進展し、表面Waと裏面Wbに到達している。なお、周縁改質層M1は厚み方向に複数形成されていてもよい。
【0051】
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置70により周縁除去装置61に搬送される。周縁除去装置61では、図5(c)に示すように周縁改質層M1を基点に、処理ウェハWの周縁部Weを除去する(図4のステップA2)。
【0052】
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置70により加工装置80に搬送される。加工装置80に搬送された重合ウェハTは、受渡位置A0のチャック92に受け渡される。続いて、チャック92を第1の加工位置A1に移動させる。そして、粗研削ユニット100によって、図5(d)に示すように処理ウェハWの裏面Wbを粗研削する(図4のステップA3)。
【0053】
次に、チャック92を第2の加工位置A2に移動させる。そして、中研削ユニット110によって、処理ウェハWの裏面Wbが中研削される(図4のステップA4)。
【0054】
次に、チャック92を第3の加工位置A3に移動させる。そして、仕上研削ユニット120によって、処理ウェハWの裏面Wbが仕上研削される(図4のステップA5)。
【0055】
次に、チャック92を受渡位置A0に移動させる。なお、受渡位置A0では、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、処理ウェハWの裏面Wbが洗浄液によって洗浄されてもよい。
【0056】
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置70により洗浄装置41に搬送される。洗浄装置41では処理ウェハWの研削面である裏面Wbがスクラブ洗浄される(図4のステップA6)。なお、洗浄装置41では、処理ウェハWの裏面Wbと共に、支持ウェハSの裏面 が洗浄されてもよい。
【0057】
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置50によりエッチング装置40に搬送される。エッチング装置40では処理ウェハWの裏面Wbが薬液によりウェットエッチングされる(図4のステップA7)。上述した加工装置80で研削された裏面Wbには、研削痕が形成される場合がある。本ステップA7では、ウェットエッチングすることによって研削痕を除去でき、裏面Wbを平滑化することができる。
【0058】
その後、すべての処理が施された重合ウェハTは、ウェハ搬送装置50によりトランジション装置30に搬送され、さらにウェハ搬送装置20によりカセット載置台10のカセットCtに搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
【0059】
次に、上述した改質装置60について説明する。図8は、改質装置60の構成の概略を示す平面図である。図9は、改質装置60の構成の概略を示す側面図である。
【0060】
改質装置60は、重合ウェハTを上面で吸着保持する、保持部としてのチャック200を有している。チャック200は、エアベアリング201を介して、スライダテーブル202に支持されている。スライダテーブル202の下面側には、回転部203が設けられている。回転部203は、駆動源として例えばモータを内蔵している。チャック200は、回転部203によってエアベアリング201を介して、鉛直軸回りに回転自在に構成されている。スライダテーブル202は、その下面側に設けられた水平移動部204によって、基台206に設けられY軸方向に延伸するレール205に沿って移動可能に構成されている。なお、本実施形態では、回転部203と水平移動部204が、保持部移動機構を構成している。また、水平移動部204の駆動源は特に限定されるものではないが、例えばリニアモータが用いられる。
【0061】
チャック200の上方には、周縁除去部としてのレーザヘッド210が設けられている。レーザヘッド210は、レンズ211を有している。レンズ211は、レーザヘッド210の下面に設けられた筒状の部材であり、チャック200に保持された処理ウェハWにレーザ光を照射する。
【0062】
レーザヘッド210は、レーザ光発振器(図示せず)から発振された高周波のパルス状のレーザ光であって、処理ウェハWに対して透過性を有する波長のレーザ光を、処理ウェハWの内部の所望位置に集光して照射する。これによって、処理ウェハWの内部においてレーザ光が集光した部分が改質し、上述した周縁改質層M1が形成される。
【0063】
レーザヘッド210は、支持部材212を介して、昇降部220によって鉛直方向に昇降自在に構成されている。昇降部220は、鉛直方向に延伸するレール221と、レール221に沿って支持部材212(レーザヘッド210)を昇降させる駆動部222とを有している。なお、昇降部220は支持柱223に支持されている。
【0064】
チャック200の上方であって、レーザヘッド210のY軸正方向側には、第1の撮像部(第1の検出部)としてのマクロカメラ230と、第2の撮像部(第2の検出部)としてのマイクロカメラ240とが設けられている。例えば、マクロカメラ230とマイクロカメラ240は一体に構成され、マクロカメラ230はマイクロカメラ240のY軸正方向側に配置されている。マクロカメラ230とマイクロカメラ240は、昇降機構250によって昇降自在に構成され、さらに移動機構251によってY軸方向に移動自在に構成されている。なお、本実施形態では、この移動機構が検出部移動機構を構成している。
【0065】
マクロカメラ230は、図10に示すように処理ウェハW(重合ウェハT)の外側端部R1(図10中の点線)を撮像(検出)する。マクロカメラ230は、例えば同軸レンズを備え、可視光、例えば赤色光を照射し、さらに対象物からの反射光を受光する。可視光は、処理ウェハWの裏面Wbでは反射するが、チャック200では吸収される。このため、マクロカメラ230で撮像される画像では、処理ウェハWは白く映り、チャック200は黒く映る。なお例えば、マクロカメラ230の撮像倍率は2倍である。
【0066】
マクロカメラ230で撮像された画像は、制御装置130に出力される。制御装置130では、図11に示すようにマクロカメラ230で撮像された画像から、チャック200の中心Ccと処理ウェハWの中心Cwの第1の偏心量を算出する。
【0067】
マイクロカメラ240は、図12に示すように処理ウェハWの周縁部を撮像し、接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2(図12中の点線)を撮像(検出)する。マイクロカメラ240は、例えば同軸レンズを備え、赤外光(IR光)を照射し、さらに対象物からの反射光を受光する。なお例えば、マイクロカメラ240の撮像倍率は10倍であり、視野はマクロカメラ230に対して約1/5であり、ピクセルサイズはマクロカメラ230に対して約1/5である。
【0068】
マイクロカメラ240で撮像された画像は、制御装置130に出力される。制御装置130では、図13に示すようにマイクロカメラ240で撮像された画像から、チャック200の中心Ccと接合領域Aaの中心Caの第2の偏心量を算出する。
【0069】
次に、以上のように構成された改質装置60を用いて行われる改質処理について説明する。図14は、改質処理の主な工程を示すフロー図である。図15は、改質処理の主な工程の説明図である。
【0070】
先ず、図15(a)に示すようにチャック200(スライダテーブル202)を搬入出位置P1に移動させる。そして、ウェハ搬送装置50から重合ウェハTが搬入され、チャック200に保持される(図14のステップB1)。
【0071】
次に、図15(b)に示すようにチャック200をマクロアライメント位置P2に移動させる(図14のステップB2)。マクロアライメント位置P2は、マクロカメラ230が処理ウェハWの外側端部を撮像できる位置である。なお、ステップB2では、マクロカメラ230の高さの調節も行う。
【0072】
次に、マクロカメラ230によって処理ウェハWの外側端部R1を撮像する(図14のステップB3)。このステップB3において、チャック200は、Y軸方向に移動せず固定される。一方、チャック200は、回転部203によって回転させる。そうすると、マクロカメラ230によって、処理ウェハWの周方向360度における外側端部R1の画像が撮像される。撮像された画像は、マクロカメラ230から制御装置130に出力される。
【0073】
制御装置130では、マクロカメラ230の画像から、チャック200の中心Ccと処理ウェハWの中心Cwの第1の偏心量を算出する(図14のステップB4)。具体的には、マクロカメラ230の画像から、図16に示すように処理ウェハWの回転角度(図16中の横軸)に対する、当該処理ウェハWの外側端部の位置(図16中の縦軸)が取得される。そうすると、処理ウェハWの中心Cwの位置が算出でき、さらに第1の偏心量が算出できる。
【0074】
さらに制御装置130では、第1の偏心量に基づいて、当該第1の偏心量のY軸成分を補正するように、チャック200の移動量を算出する。チャック200は、この算出された移動量に基づいてY軸方向に移動し、図15(c)に示すようにチャック200をマイクロアライメント位置P3に移動させる(図14のステップB5)。マイクロアライメント位置P3は、マイクロカメラ240が処理ウェハWの周縁部を撮像できる位置である。ここで、上述したようにマイクロカメラ240の視野はマクロカメラ230に対して約1/5と小さいため、第1の偏心量のY軸成分を補正しないと、処理ウェハWの周縁部がマイクロカメラ240の画角に入らず、マイクロカメラ240で撮像できない場合がある。このため、ステップB5における第1の偏心量に基づくY軸成分の補正は、チャック200をマイクロアライメント位置P3に移動させるためともいえる。なお、ステップB5では、マイクロカメラ240の高さの調節も行う。
【0075】
次に、マイクロカメラ240によって接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2を撮像する(図14のステップB6)。このステップB6において、チャック200の移動及び回転は、次の2つのパターンがある。
【0076】
1つ目のパターンは、ステップB4で算出された第1の偏心量が、X軸成分を備えない場合である。かかる場合、ステップB5でチャック200をY軸方向に移動させる際、第1の偏心量のY軸成分は補正されているので、ステップB6ではチャック200はY軸方向に移動せず固定される。そして、回転部203によってチャック200を回転させながら、マイクロカメラ240によって処理ウェハWの周縁部を撮像する。そうすると、処理ウェハWの周方向360度における、接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2が撮像される。撮像された画像は、マイクロカメラ240から制御装置130に出力される。
【0077】
2つ目のパターンは、ステップB4で算出された第1の偏心量が、X軸成分を備える場合である。かかる場合、ステップB6では、第1の偏心量のX軸成分を補正するように、回転部203によってチャック200を回転させると共に、水平移動部204によってチャック200をY軸方向に移動させる。この際、チャック200の回転とY軸方向の移動を同期させる。そして、このようにチャック200を回転及び移動させながら、マイクロカメラ240によって処理ウェハWの周縁部を撮像する。そうすると、処理ウェハWの周方向360度における、接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2が撮像される。撮像された画像は、マイクロカメラ240から制御装置130に出力される。
【0078】
制御装置130では、マイクロカメラ240の画像から、チャック200の中心Ccと接合領域Aaの中心Caの第2の偏心量を算出する(図14のステップB7)。具体的には、マイクロカメラ240の画像から、図17に示すように処理ウェハWの回転角度(図17中の横軸)に対する、接合領域Aaの外側端部の位置(図17中の縦軸)が取得される。そうすると、接合領域Aaの中心Caの位置が算出でき、さらに第2の偏心量が算出できる。
【0079】
さらに制御装置130では、第2の偏心量に基づいて、接合領域Aaの中心と周縁改質層M1(周縁部We)の中心が一致するように、周縁改質層M1に対するチャック200の位置を決定する。具体的には、図17に示すカーブに合致するように、チャック200の位置が決定される。ここで上述したように、処理ウェハWと支持ウェハSの接合前に未接合領域Abを形成するが、この未接合領域Abの中心(接合領域Aaの中心Ca)と、処理ウェハWの中心とがずれる場合がある。この点、本実施形態のように第2の偏心量に基づいて周縁改質層M1に対するチャック200の位置を調整することで、未接合領域Abのずれが補正される。
【0080】
次に、図15(d)に示すようにチャック200を、除去位置としての改質位置P4に移動させる(図14のステップB8)。改質位置P4は、レーザヘッド210が処理ウェハWにレーザ光を照射して、周縁改質層M1を形成する位置である。なお、本実施形態では、改質位置P4はマイクロアライメント位置P3と同じであり、ステップB8ではチャック200は実質的に移動しない。
【0081】
続いて、改質位置P4において、チャック200に保持された処理ウェハWの裏面Wbの高さを検出し、当該検出結果に基づいて、レーザヘッド210の高さを調節する(図14のステップB9)。レーザヘッド210の高さは、図6に示したように周縁改質層M1が所望の高さに形成されるように調節される。
【0082】
次に、レーザヘッド210から処理ウェハWの内部にレーザ光を照射し、周縁改質層M1を形成する(図14のステップB10)。ここで、上述したように制御装置130では、第2の偏心量に基づいて、図17に示すカーブに合致するように、チャック200の位置が決定されている。ステップB10では、この決定されたチャック200の位置に合わせて、接合領域Aaの中心と周縁改質層M1の中心が一致するように、回転部203によってチャック200を回転させると共に、水平移動部204によってチャック200をY軸方向に移動させる。この際、チャック200の回転とY軸方向の移動を同期させる。このように完全同期制御を行うことで、チャック200の移動を、決定された位置に誤差が少なく適切に追従させることができる。
【0083】
そして、このようにチャック200を回転及び移動させながら、レーザヘッド210から処理ウェハWの内部にレーザ光を照射する。すなわち、第2の偏心量を補正しながら、周縁改質層M1を形成する。そうすると周縁改質層M1は、接合領域Aaと同心円状に環状に形成される。すなわち、図6に示した、周縁改質層M1と接合領域Aaの外側端部との距離Lを一定にすることができる。このため、その後周縁除去装置61において、周縁改質層M1を基点に周縁部Weを適切に除去することができる。
【0084】
なお、上述したように本実施形態において、マイクロアライメント位置P3と改質位置P4は同じである。そしてこの位置では、チャック200に保持された処理ウェハWに対して、マイクロカメラ240はY軸正方向側に配置され、レーザヘッド210のレンズ211はY軸負方向側に配置される。かかる場合、ステップB10では、レーザヘッド210によって周縁改質層M1を形成すると共に、マイクロカメラ240によって周縁改質層M1を撮像する。撮像された画像は制御装置130に出力され、制御装置130において周縁改質層M1が適切な位置に形成されているかを検査する。このように周縁改質層M1の形成と検査を並行して行うことで、作業効率を向上させることができる。また、検査の結果、周縁改質層M1が所望の位置からずれている場合には、チャック200の移動を微調整することも可能となる。
【0085】
なお、例えばマイクロアライメント位置P3と改質位置P4が異なる場合において、周縁改質層M1の形成と検査を並行して行う場合には、マイクロカメラ240をY軸方向に所望の位置に移動させればよい。また、エッジトリムの幅が変わる場合、すなわち周縁部Weの幅が変わる場合にも、マイクロカメラ240をY軸方向に移動させればよい。さらに、周縁改質層M1の形成される高さが変わる場合には、マイクロカメラ240の焦点が周縁改質層M1に合致するように、マイクロカメラ240の高さを調節すればよい。
【0086】
次に、図15(e)に示すようにチャック200を搬入出位置P1に移動させる。そし て、ウェハ搬送装置70によって重合ウェハTが搬出される(図14のステップB11)。こうして、改質装置60における一連の改質処理が終了する。なお、ステップB11では、次に改質処理される重合ウェハTが搬入される。
【0087】
以上の実施形態によれば、マクロカメラ230によるマクロアライメントとマイクロカメラ240によるマイクロアライメントの、2段階のアライメントを行うことで、接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2の位置を正確に把握することができる。このため、処理ウェハWの内部に周縁改質層M1を適切に形成することができ、その結果、周縁部Weを適切に除去することができる。
【0088】
なお、以上の実施形態の改質装置60では、ステップB10において処理ウェハWの内部に環状の周縁改質層M1を形成していたが、図18及び図19に示すよう周縁改質層M1から径方向外側に延伸する分割改質層M2を複数形成してもよい。
【0089】
改質装置60では、周縁改質層M1を形成した後、チャック200をY軸方向に移動させながら、レーザヘッド210から処理ウェハWの内部にレーザ光を照射して、分割改質層M2を形成する。分割改質層M2も、周縁改質層M1と同様に厚み方向に延伸し、縦長のアスペクト比を有する。また、分割改質層M2からクラックC2が進展し、表面Waと裏面Wbに到達している。
【0090】
ここで、図17に示したように接合領域Aaの外側端部の位置は、処理ウェハWの回転角度によって異なる。そうすると、分割改質層M2の長さは、処理ウェハWの回転角度によって異なることになる。そこで、制御装置130では、ステップB7で算出された第2の偏心量に基づいて、分割改質層M2を形成する始点の位置(すなわち周縁改質層M1の位置)を決定し、分割改質層M2の長さを補正する。具体的には、図17に示したカーブに合致するように、分割改質層M2の長さを補正する。
【0091】
そして、分割改質層M2及びクラックC2を径方向に数μmのピッチで複数形成することで、図19に示すように周縁改質層M1から径方向外側に延伸する、1ラインの分割改質層M2が形成される。なお、図示の例においては、径方向に延伸するラインの分割改質層M2は8箇所に形成されているが、この分割改質層M2の数は任意である。少なくとも、分割改質層M2が2箇所に形成されていれば、周縁部Weは除去できる。かかる場合、エッジトリムにおいて周縁部Weを除去する際、当該周縁部Weは、環状の周縁改質層M1を基点に分離しつつ、分割改質層M2によって複数に分割される。そうすると、除去される周縁部Weが小片化され、より容易に除去することができる。
【0092】
また、以上の実施形態では、処理ウェハWの周縁部Weを除去した後、当該処理ウェハWを研削して薄化したが、処理ウェハWの薄化方法はこれに限らず、後述するように内部面改質層M3を基点に処理ウェハWを分離してもよい。また、周縁部Weの除去と処理ウェハWの薄化は同時に行われてもよい。
【0093】
例えば図20(a)に示すように、ステップB10において、処理ウェハWの内部に環状の周縁改質層M1を形成すると共に、処理ウェハWの面方向に沿って内部面改質層M3を形成する。この際、周縁改質層M1の上端を、内部面改質層M3が形成される高さと略一致させる。なお、内部面改質層M3は周縁改質層M1と同様に、処理ウェハWの内部にレーザ光を照射して形成され、周縁改質層M1と内部面改質層M3の形成順序は任意である。
【0094】
その後、図20(b)に示すように、周縁改質層M1と内部面改質層M3を基点に、処理ウェハWの裏面Wb側を分離する。このように、内部面改質層M3を基点として裏面Wb側を分離することにより、処理ウェハWを薄化することができる。またこの際、周縁部Weは裏面Wb側のウェハと一体となって除去される。
【0095】
かかる場合、周縁部Weの除去と処理ウェハWの薄化を同時に行うので、ウェハ処理のスループットをより向上させることができる。また、内部面改質層M3を基点とする分離によって処理ウェハWの薄化を行うことにより、処理ウェハWを研削する場合に比べて、研削屑が発生することがなくなると共に、消耗品である研削工具を設ける必要がなくなり、装置構成を簡易化することができる。
【0096】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0097】
例えば、上記実施形態では、本開示における基板処理装置が改質装置60である場合について説明したが、基板処理装置は周縁除去装置である場合にも適用できる。すなわち、改質装置60のレーザヘッド210に代えて、例えばブレードやホイールなどの周縁除去部が設けられ、処理ウェハWの周縁部Weを除去する場合にも適用できる。このように周縁部Weを除去する場合にも、上記実施形態と同様に、マクロカメラ230とマイクロカメラ240による2段階のアライメントを行うことで、接合領域Aaと未接合領域Abの境界R2の位置を正確に把握することができる。このため、周縁部Weを適切に除去することができる。換言すれば、本開示における周縁除去部は、周縁部Weを除去することに加えて、周縁改質層M1を形成することも含む。
【0098】
また、上記実施形態では、第1の検出部として、赤色光を照射するマクロカメラ230を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、赤外光(IR光)を照射するカメラを用いてもよいし、あるいは処理ウェハWの外側端部に光を照射する変位計を用いてもよい。要は、第1の検出部によるマクロアライメントによって、処理ウェハWの周縁部が第2の検出部としてのマイクロカメラ240の画角に入ればよい。
【0099】
さらに、上記実施形態では、第2の撮像部としてのマイクロカメラ240の撮像倍率が、第の撮像部としてのマクロカメラ230の撮像倍率より大きい場合について説明した。この点、例えば重合ウェハTが精度よくチャック200に対して搬送される場合、すなわち搬送された処理ウェハWの周縁部がマイクロカメラ240の画角に入る場合には、第1の撮像部と第2の撮像部は共通して設けられ、第2の撮像部一つとしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、接合前の処理ウェハWと支持ウェハSの界面に未接合領域Abを形成したが、接合後に未接合領域Abを形成してもよい。例えば接合後、酸化膜の外周部にレーザ光を照射することで、接合強度を低下させ、未接合領域Abを形成することも可能である。
【符号の説明】
【0101】
60 改質装置
130 制御装置
200 チャック
203 回転部
204 水平移動部
210 レーザヘッド
230 マクロカメラ
240 マイクロカメラ
Aa 接合領域
Ab 未接合領域
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 処理ウェハ
図1
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