特許 7159772 無線情報収集方法および無線情報収集システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-10-17

(45)【発行日】2022-10-25

(54)【発明の名称】無線情報収集方法および無線情報収集システム

(51)【国際特許分類】

   H04W 16/18 20090101AFI20221018BHJP

【ＦＩ】

H04W16/18 110

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2018192698

(22)【出願日】2018-10-11

(65)【公開番号】P2020061682

(43)【公開日】2020-04-16

【審査請求日】2021-01-29

(73)【特許権者】

【識別番号】000004226

【氏名又は名称】日本電信電話株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003199

【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】小川 智明

(72)【発明者】

【氏名】中村 宏之

(72)【発明者】

【氏名】大槻 信也

(72)【発明者】

【氏名】梅内 誠

(72)【発明者】

【氏名】岩谷 純一

(72)【発明者】

【氏名】坂本 寛

(72)【発明者】

【氏名】鍋島 正義

【審査官】齋藤 浩兵

(56)【参考文献】

【文献】特許第６１０６１１０（ＪＰ，Ｂ２）

【文献】国際公開第２０１３／１０８８１９（ＷＯ，Ａ１）

【文献】国際公開第２０１１／１２９２３１（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開２０１６－１４９７７９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特表２０１６－５１９５０５（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０４Ｗ ４／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とが実行する無線情報収集方法において、
前記ユーザ端末装置は、
定期的に現在位置を測位し、現在位置を示す測位情報を前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置が指示する無線情報計測数に応じて前記無線情報を計測し、位置および時間帯を含む無線情報を前記サーバ装置に送信するステップとを実行し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末装置の計測した位置と時間帯と無線情報を対応付け、前記無線情報の計測を行う位置と時間帯ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新するステップと、
前記ユーザ端末装置の現在位置および時間帯と前記条件マップとを照合し、前記ユーザ端末装置の現在位置と時間帯に応じた無線情報計測数の指示を前記ユーザ端末装置に送信するステップとを実行する
ことを特徴とする無線情報収集方法。

【請求項2】

サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とが実行する無線情報収集方法において、
前記サーバ装置は、
前記無線情報の計測を行う位置と時間帯ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成し、定期的に前記ユーザ端末装置に送信するステップを実行し、
前記ユーザ端末装置は、
計測した自装置の現在位置および時間帯と前記サーバ装置から受信した前記条件マップとを照合し、自装置の現在位置および時間帯に応じた無線情報計測数に応じて前記無線情報を計測して前記サーバ装置に送信するステップを実行する
ことを特徴とする無線情報収集方法。

【請求項3】

請求項１または請求項２に記載の無線情報収集方法において、
前記サーバ装置は、前記無線情報の計測を行う位置と時間帯に加えて、前記ユーザ端末装置の機能に応じて計測可能な無線情報種別ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成し、
前記ユーザ端末装置は、自装置の機能に応じた種別の前記無線情報を、自装置の現在位置、時間帯および無線情報種別に応じた無線情報計測数に応じて計測する
ことを特徴とする無線情報収集方法。

【請求項4】

サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とを備えた無線情報収集システムにおいて、
前記ユーザ端末装置は、
定期的に現在位置を測位し、現在位置を示す測位情報を前記サーバ装置に送信する手段と、
前記サーバ装置が指示する無線情報計測数に応じて前記無線情報を計測し、位置および時間帯を含む無線情報を前記サーバ装置に送信する手段とを備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末装置の計測した位置と時間帯と無線情報を対応付け、前記無線情報の計測を行う位置と時間帯ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新する手段と、
前記ユーザ端末装置の現在位置および時間帯と前記条件マップとを照合し、前記ユーザ端末装置の現在位置と時間帯に応じた無線情報計測数の指示を前記ユーザ端末装置に送信する手段とを備えた
ことを特徴とする無線情報収集システム。

【請求項5】

サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とを備えた無線情報収集システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記無線情報の計測を行う位置と時間帯ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成し、定期的に前記ユーザ端末装置に送信する手段を備え、
前記ユーザ端末装置は、
計測した自装置の現在位置および時間帯と前記サーバ装置から受信した前記条件マップとを照合し、自装置の現在位置および時間帯に応じた無線情報計測数に応じて前記無線情報を計測して前記サーバ装置に送信する手段を備えた
ことを特徴とする無線情報収集システム。

【請求項6】

請求項４または請求項５に記載の無線情報収集システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記無線情報の計測を行う位置と時間帯に加えて、前記ユーザ端末装置の機能に応じて計測可能な無線情報種別ごとに、必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成する手段を含み、
前記ユーザ端末装置は、自装置の機能に応じた種別の前記無線情報を、自装置の現在位置、時間帯および無線情報種別に応じた無線情報計測数に応じて計測する手段を含む
ことを特徴とする無線情報収集システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、サイトサーベイを行う無線情報収集方法および無線情報収集システムに関する。

【背景技術】

【0002】

現在利用中の無線通信の品質の確認や、これから無線通信を利用するために新たに基地局の置局を検討する際には、対象エリアについて、利用したい無線通信システムの現在の通信トラヒック状況の情報、周波数帯ごとの電波の強さの情報、干渉波の状況を示す情報（以下、これらの情報を総称して「無線情報」という）を把握することが求められる。それらの無線情報を精度よく把握するには、実際の場所で計測用の無線端末を用いて、エリア内を移動しながら、実際に検出される無線情報を位置情報（地理的情報）にマッピングした情報として収集するサイトサーベイを行う必要がある。

【0003】

一般的なサイトサーベイにおいては、測定者が地図を表示する機能を備えた無線端末などを携帯し、手元で測定エリア中の自らの位置を確認しながら、さらに測定者が自ら次に計測する測定位置を考えながら移動して無線情報を計測している。

【0004】

また、サイトサーベイにおいて利用エリア内を利用目的に即した精度で無線情報を計測するには、無線情報を計測可能な無線端末を用いて、測定者が自身で無線情報計測の必要な場所を判断して、かつ無線情報の計測タイミングを意識した移動速度で移動しながら無線情報を計測することが求められる。

【0005】

また、無線端末は、一般的に動作中におけるすべての無線情報を収集する。このような大量に収集される無線情報には、無線情報に含まれる誤差要因が大きいために、電波状況の把握の精度向上に支障をきたす無線情報も含まれることがある。例えば、移動しながら計測する電波強度は、測定者の位置の移動によって電波強度の測定位置と異なる測定位置を紐づけてしまうことにより、位置に対する電波強度として誤差要因を含む恐れがある。そのために、大量に計測した無線情報から適切な無線情報を選別する必要がある。また、電波の伝搬路は遮蔽物の移動など環境の変動により時々刻々と変動するため、正確な無線情報を得るにはサイトサーベイを繰り返す必要がある。

【0006】

以上の課題に応えるために、特許文献１の技術が開示されている。本技術では、ユーザ端末がサーバからの指示により測定・収集した無線情報と位置情報をサーバに通知するとともに、サーバにおいて無線情報の未計測エリアや不足エリア、さらに所定の確度となるために必要な無線情報数を判断し、ユーザ端末がサイトサーベイを行うべき位置と、その位置における収集すべき無線情報数を導出し、ユーザ端末に指示することにより、効率的かつ精度の高いサイトサーベイを可能にしている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【文献】特許第６１０６１１０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

ユーザ端末が測定した無線情報と位置情報に基づき、サーバが判断する無線情報の未計測エリアや不足エリア、さらに所定の確度となるために必要な無線情報数などのサイトサーベイを行う条件（条件マップ）は、時間帯においても変化する。例えば、１日を通してみると、あるエリアで計測している無線情報数は十分であっても、朝方や夕方などの特定の時間帯に偏っていて空白の時間帯がある状況も考えられる。しかし、特許文献１に開示の技術では時間帯を考慮してサイトサーベイを行う条件マップになっていない。

【0009】

本発明は、ユーザ端末装置が場所と時間を考慮したサイトサーベイを容易に行うことができる無線情報収集方法および無線情報収集システムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0010】

第１の発明は、サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とが実行する無線情報収集方法において、ユーザ端末装置は、定期的に現在位置を測位し、現在位置を示す測位情報をサーバ装置に送信するステップと、サーバ装置が指示する無線情報計測数に応じて無線情報を計測し、位置および時間を含む無線情報をサーバ装置に送信するステップとを有し、サーバ装置は、ユーザ端末装置の位置と時間と無線情報を対応付け、サイトサーベイを行う位置と時間における無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新するステップと、ユーザ端末装置の現在位置および時間と条件マップとを照合し、ユーザ端末装置の現在位置と時間に応じた無線情報計測数の指示をユーザ端末装置に送信するステップとを有する。

【0011】

第２の発明は、サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とが実行する無線情報収集方法において、サーバ装置は、無線情報の計測を行う位置と時間と無線情報計測数を含む条件マップを作成し、定期的にユーザ端末装置に送信するステップを有し、ユーザ端末装置は、計測した自装置の現在位置と時間が、サーバ装置から受信した条件マップに合致した場合に、無線情報を計測してサーバ装置に送信するステップを有する。

【0012】

第１または第２の発明の無線情報収集方法において、サーバ装置は、ユーザ端末装置の位置と時間に加えて、ユーザ端末装置の機能に応じて計測可能な無線情報種別と無線情報計測数を示す条件マップを作成し、ユーザ端末装置は、現在位置と時間と機能に応じた無線情報を計測してもよい。

【0013】

第３の発明は、サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とを備えた無線情報収集システムにおいて、ユーザ端末装置は、定期的に現在位置を測位し、現在位置を示す測位情報をサーバ装置に送信する手段と、サーバ装置が指示する無線情報計測数に応じて無線情報を計測し、位置および時間を含む無線情報をサーバ装置に送信する手段とを備え、サーバ装置は、ユーザ端末装置の位置と時間と無線情報を対応付け、サイトサーベイを行う位置と時間における無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新する手段と、ユーザ端末装置の現在位置および時間と条件マップとを照合し、ユーザ端末装置の現在位置と時間に応じた無線情報計測数の指示をユーザ端末装置に送信する手段とを備える。

【0014】

第４の発明は、サイトサーベイに用いる無線情報を計測する１以上のユーザ端末装置と、該無線情報を蓄積してサイトサーベイを行うサーバ装置とを備えた無線情報収集システムにおいて、サーバ装置は、無線情報の計測を行う位置と時間と無線情報計測数を含む条件マップを作成し、定期的にユーザ端末装置に送信する手段を備え、ユーザ端末装置は、計測した自装置の現在位置と時間が、サーバ装置から受信した条件マップに合致した場合に、無線情報を計測してサーバ装置に送信する手段を備える。

【0015】

第３または第４の発明の無線情報収集システムにおいて、サーバ装置は、ユーザ端末装置の位置と時間に加えて、ユーザ端末装置の機能に応じて計測可能な無線情報種別と無線情報計測数を示す条件マップを作成する手段を含み、ユーザ端末装置は、現在位置と時間と機能に応じた無線情報を計測する手段を含む構成でもよい。

【発明の効果】

【0016】

本発明は、サーバ装置からの指示に応じて、またはサーバ装置からの条件マップの提供により、ユーザ端末装置が場所と時間を考慮したサイトサーベイを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明の無線情報収集システムの第１の実施形態の構成例を示す図である。

【図2】本発明の無線情報収集システムの第２の実施形態の構成例を示す図である。

【図3】条件マップの例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

（第１の実施形態）
図１は、本発明の無線情報収集システムの第１の実施形態の構成例を示す。
図１において、無線情報収集システムは、サーバ装置１０とネットワーク（図では省略）を介して接続されるユーザ端末装置２０により構成される。ここでは、ネットワークに接続される複数のユーザ端末装置２０の１つを示す。

【0019】

サーバ装置１０は、ユーザ端末装置２０の現在位置を示す測位情報を受信する測位情報受信部１１と、ユーザ端末装置２０が測定した位置および時間を含む無線情報を受信する無線情報受信部１２と、受信した測位情報および無線情報に基づいてサイトサーベイを行う位置と時間ごとに必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成する条件マップ作成部１３と、条件マップとユーザ端末装置２０から受信した測位情報および時間とを照合し、ユーザ端末装置２０の現在位置と時間で無線情報を計測するか否かを判定する無線情報計測判定部１４と、その判定結果に応じて無線情報計測の指示（ユーザ端末装置の位置と時間における無線情報計測数）をユーザ端末装置２０に送信する無線情報計測指示部１５とにより構成される。なお、ここでは、本発明に関係する主要な機能ブロックのみを示しており、一般的にサーバ装置１０で用いられる機能ブロックおよびその説明は省略する。

【0020】

ユーザ端末装置２０は、現在位置を測位してその測位情報をサーバ装置１０に送信する測位情報送信部２１と、サーバ装置１０から送信された無線情報計測の指示を受信する無線情報計測指示受信部２２と、その位置と時間における無線情報計測数だけスキャンして無線情報を計測する無線情報計測部２３と、計測した位置および時間を含む無線情報をサーバ装置１０に送信する無線情報送信部２４とにより構成される。なお、ここでは、本発明に関係する主要な機能ブロックのみを示しており、一般的にユーザ端末装置２０で用いられる機能ブロックおよびその説明は省略する。

【0021】

以下、第１の実施形態の無線情報収集システムの動作手順を示す。
(1) ユーザ端末装置２０の測位情報送信部２１は、定期的に現在位置を測位し、現在位置を示す測位情報をサーバ装置１０に送信する。
(2) サーバ装置１０の測位情報受信部１１は、受信した測位情報からユーザ端末装置２０の現在位置と時間を条件マップ作成部１３および無線情報計測判定部１４に通知する。

【0022】

(3) サーバ装置１０の無線情報計測判定部１４は、ユーザ端末装置２０の現在位置および時間と条件マップ作成部１３の条件マップとを照合し、ユーザ端末装置２０の現在位置と時間に応じて無線情報を計測するか否かを判定し、ユーザ端末装置２０が無線情報を計測する位置と時間であれば、無線情報計測の指示（ユーザ端末装置の位置と時間における無線情報計測数）を無線情報計測指示部１５からユーザ端末装置２０に送信する。
(4) ユーザ端末装置２０の無線情報計測指示受信部２２は、受信した無線情報計測の指示を無線情報計測部２３に通知し、無線情報計測部２３は指示された無線情報計測数に応じてスキャンを繰り返して無線情報を計測し、位置および時間を含む無線情報を無線情報送信部２４からサーバ装置１０に送信する。

【0023】

(5) サーバ装置１０の無線情報受信部１２は、受信した無線情報を条件マップ作成部１３に出力する。
(6) サーバ装置１０の条件マップ作成部１３は、ユーザ端末装置２０の位置と時間と無線情報を対応付け、サイトサーベイを行う位置と時間における無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新する。

【0024】

このように、第１の実施形態は、ユーザ端末装置２０の位置と時間においてサイトサーベイにより無線情報を計測するか否かの判断をサーバ装置１０が行う。ユーザ端末装置２０はサーバ装置１０の判断に基づく指示に応じて、現在位置および時間における必要な無線情報計測数を計測することにより、ユーザ端末装置２０の負担を軽減しつつ必要かつ十分な無線情報を計測することができる。

【0025】

ここで、条件マップの例を図３に示す。
ユーザの周辺エリアをｘ軸およびｙ軸の２次元メッシュに分割し、さらに時間方向にも分割し、２次元位置と時間の３次元メッシュ単位で計測した無線情報を蓄積する。

【0026】

また、ユーザ端末装置２０の移動速度に応じて計測済みの無線情報数に重み付けしてもよい。たとえば、移動速度が大きい場合は、位置と無線情報の対応関係に対する信頼性が低下するので、計測済みの無線情報数から所定数（所定割合）だけ間引いてもよい。また、計測済みの無線情報の鮮度に重み付けをしてもよい。たとえば、古い無線情報は計測済みの無線情報数から所定数（所定割合）だけ間引いてもよい。また、メッシュ単位で計測済みの無線情報数を平準化してもよい。

【0027】

サーバ装置１０の条件マップ作成部１３は、以上を考慮してメッシュごとに要求精度を満たすために必要とする無線情報計測数を導出し、２次元位置と時間の３次元メッシュ単位の条件マップとして作成する。以下に示す第２の実施形態でも同様である。

【0028】

（第２の実施形態）
図２は、本発明の無線情報収集システムの第２の実施形態の構成例を示す。
図２において、無線情報収集システムは、サーバ装置３０とネットワーク（図では省略）を介して接続されるユーザ端末装置４０により構成される。ここでは、ネットワークに接続される複数のユーザ端末装置４０の１つを示す。

【0029】

サーバ装置３０は、ユーザ端末装置４０が測定した位置および時間を含む無線情報を受信する無線情報受信部３１と、受信した無線情報に基づいてサイトサーベイを行う位置と時間ごとに必要とする無線情報計測数を示す条件マップを作成する条件マップ作成部３２と、条件マップをユーザ端末装置４０に送信する条件マップ送信部３３とにより構成される。なお、ここでは、本発明に関係する主要な機能ブロックのみを示しており、一般的にサーバ装置３０で用いられる機能ブロックおよびその説明は省略する。

【0030】

ユーザ端末装置４０は、現在位置の測位を行う測位部４１と、サーバ装置３０から送信された条件マップを受信する条件マップ受信部４２と、受信した条件マップと測位部４１で計測した現在位置および時間とを照合し、ユーザ端末装置４０の現在位置と時間で無線情報を計測するか否かを判定する無線情報計測判定部４３と、現在位置と時間における無線情報計測数だけスキャンして無線情報を計測する無線情報計測部４４と、計測した位置および時間を含む無線情報をサーバ装置３０に送信する無線情報送信部４５とにより構成される。なお、ここでは、本発明に関係する主要な機能ブロックのみを示しており、一般的にユーザ端末装置４０で用いられる機能ブロックおよびその説明は省略する。

【0031】

以下、第２の実施形態の無線情報収集システムの動作手順を示す。
(1) ユーザ端末装置４０の測位部４１は、定期的に現在位置を測位して無線情報計測判定部４３に出力する。
(2) ユーザ端末装置４０の条件マップ受信部４２は、サーバ装置３０から条件マップを受信して無線情報計測判定部４３に出力する。

【0032】

(3) ユーザ端末装置４０の無線情報計測判定部４３は、現在位置および時間と条件マップとを照合し、現在位置と時間に応じて無線情報を計測するか否かを判定し、ユーザ端末装置４０が無線情報を計測する位置と時間であれば、計測すべき無線情報計測数を無線情報計測部４４に通知する。
(4) ユーザ端末装置４０の無線情報計測部４４は、無線情報計測数に応じてスキャンを繰り返して無線情報を計測し、位置および時間を含む無線情報を無線情報送信部４５からサーバ装置３０に送信する。

【0033】

(5) サーバ装置３０の無線情報受信部３１は、ユーザ端末装置４０の位置および時間における無線情報を受信して条件マップ作成部３２に出力する。
(6) サーバ装置３０の条件マップ作成部３２は、ユーザ端末装置４０の位置と時間と無線情報を対応付け、サイトサーベイを行う位置と時間における無線情報計測数を示す条件マップを作成および更新する。

【0034】

このように、第２の実施形態は、ユーザ端末装置４０の位置と時間においてサイトサーベイにより計測する無線情報計測数を示す条件マップをサーバ装置３０が作成してユーザ端末装置４０に定期的に通知する。ユーザ端末装置４０は、その条件マップに応じて現在位置と時間においてサイトサーベイにより無線情報を計測するか否かを判断し、現在位置および時間における必要な無線情報計測数を計測することにより、ユーザ端末装置４０の負担を軽減しつつ必要かつ十分な無線情報を計測することができる。

【0035】

（第３の実施形態）
第３の実施形態は、第１の実施形態および第２の実施形態において、サイトサーベイを行うユーザ端末装置をその機能に応じて選択する無線情報を条件マップに折り込むことを特徴とする。すなわち、条件マップは、２次元位置と時間の３次元メッシュの無線情報計測数に加えて、機能が異なるユーザ端末装置に対応する無線情報の種別単位の無線情報計測数を４次元メッシュとして表記する。

【0036】

図１に示す無線通信システムの構成では、サーバ装置１０の条件マップ作成部１３および無線情報計測判定部１４において、ユーザ端末装置２０の位置と時間に加えて、ユーザ端末装置２０の機能に応じて計測可能な無線情報種別と無線情報計測数を判断し、当該ユーザ端末装置２０に対してサイトサーベイによる無線情報の計測を指示する。

【0037】

図２に示す無線通信システムの構成では、サーバ装置３０の条件マップ作成部３２において、ユーザ端末装置４０の位置と時間に加えて、ユーザ端末装置４０の機能に応じて計測可能な無線情報種別と無線情報計測数を示す条件マップを作成してユーザ端末装置４０に通知する。ユーザ端末装置４０はその条件マップに応じて、現在位置と時間と自機能に応じて計測可能な無線情報計測数を判断し、サイトサーベイによる無線情報を計測する。

【符号の説明】

【0038】

１０，３０ サーバ装置
１１ 測位情報受信部
１２，３１ 無線情報受信部
１３，３２ 条件マップ作成部
１４ 無線情報計測判定部
１５ 無線情報計測指示部
３３ 条件マップ送信部
２０，４０ ユーザ端末装置
２１ 測位情報送信部
２２ 無線情報計測指示受信部
２３，４４ 無線情報計測部
２４，４５ 無線情報送信部
４１ 測位部
４２ 条件マップ受信部
４３ 無線情報計測判定部

【図1】

【図2】

【図3】