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  • 特許-積層造形用サポート材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】積層造形用サポート材
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/40 20170101AFI20221018BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20221018BHJP
   C08F 8/12 20060101ALI20221018BHJP
   C08F 216/06 20060101ALI20221018BHJP
   C08L 29/04 20060101ALI20221018BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B29C64/40
B29C64/314
C08F8/12
C08F216/06
C08L29/04 C
C08L53/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019039932
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2019155917
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2018041056
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】酒井 紀人
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-094599(JP,A)
【文献】特開2017-132142(JP,A)
【文献】特開2016-079379(JP,A)
【文献】国際公開第2015/182681(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/314,64/40
B33Y 10/00,30/00,50/00,70/00
C08F 8/12,216/06
C08L 29/04,53/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)と芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)及び共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの水素添加ブロック(b3)の少なくとも一方とを有するブロック共重合体(B)とを含有し、前記側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)のビカット軟化点が120℃以上であること特徴とする積層造形用サポート材。
【請求項2】
前記ブロック共重合体(B)の含有量が、側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して、10~80重量部であることを特徴とする請求項1に記載の積層造形用サポート材。
【請求項3】
前記ブロック共重合体(B)が、スチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体である請求項1又は2に記載の積層造形用サポート材。
【請求項4】
前記側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)の融点が、120~230℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の積層造形用サポート材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形に用いられ、最終的に除去される積層造形用サポート材に関するものである。
なお、本発明において、モデル材とは、造形物自体の材料を指し、サポート材とは、モデル材による造形物の形成を容易にするための支持形成材料を指すものであり、造形物の形成後には、取り除かれるものである。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する。)系樹脂は、ガスバリア性、強靭性、透明性、熱可塑性などに優れている。主に水溶性の容器・包装材やテンポラリー用途の水溶性治具、または水溶性玩具、生分解性容器の成分など様々な用途に使用されている。
【0003】
近年、PVA系樹脂が積層造形のサポート材としても用いられるようになっている。積層造形とは、所定の構造を有する立体を造形する方法であって、流動状態の材料が押出された後、固化し、その上にさらに材料が積層されていくことで物品が造形される。積層造形方法にはUV硬化法、熱溶融積層法等が提案されているが、装置構造が簡便であることから、熱溶融積層法が広く使用されている。
【0004】
サポート材とは、立体を積層造形する際に用いるものであって、本来の立体の構造には存在しない部分を賄う材料のことを指す。積層造形される立体には様々な構造があり、造形される過程において、他の何かでサポートしておかないと、造形できない部位を含むものもある。そのような立体の部位を支えるために造形過程で用い、最終的には除去されるものである。
かかるサポート材として、水洗除去できる水溶性樹脂が用いられ、かかる水溶性樹脂としてはPVA系樹脂が提案されており、そのPVA系樹脂に柔軟性を付与するために、スチレン系熱可塑性エラストマーである、スチレン/エチレン/ブチレンブロックコポリマー(以下、スチレン/エチレン/ブチレンブロックコポリマーを「SEBS」と略記することがある。)を添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、さらにABS樹脂との接着性が改善されたサポート材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国2011/60445号公報
【文献】国際公開第2015/182681号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、立体を形作る積層造形装置においては、プラットフォームが開放された積層造形装置が主流であり、特許文献1に記載のようなサポート材を使用して積層造形を行ってきた。しかし、近年、積層造形を行う際に積層造形装置の庫内の温度をコントロールする等の目的で、閉鎖系の積層造形装置のニーズが高まってきた。そして、プラットフォームが閉鎖系となったことにより、造形時の積層造形装置庫内の温度が上昇し、従来用いていたサポート材ではフィラメントの送り不良やサポート材の垂れが発生するという問題が生じる場合があった。本発明において、送り不良とは、積層造形装置を長時間運転した場合に、サポート材をノズルから送り出すときの詰まりやズレなどの造形性の不良を意味し、垂れとは、造形後のノズルからサポート材が垂れてきてしまうことを意味する。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決することであり、詳しくは、閉鎖系積層造形装置を用いて積層造形を行う際に、フィラメントの送り不良や垂れが発生しにくく、更には水溶解性にも優れる積層造形用サポート材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
しかるに本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定のビカット軟化点を有する側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂とブロック共重合体とを含有する積層造形用サポート材を用いることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)と芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)及びその水素添加ブロック(b3)の少なくとも一方とを有するブロック共重合体(B)とを含有し、前記側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)のビカット軟化点が120℃以上であること特徴とする積層造形用サポート材である。
【0010】
本発明の積層造形用サポート材において、前記PVA系樹脂が、溶融成形可能なPVA系樹脂であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の積層造形用サポート材によれば、閉鎖系積層造形装置を用いて積層造形を行う際に、一定時間、造形中にフィラメントの送り不良や垂れが発生しない積層造形用サポート材が得られる。また、本発明の積層造形用サポート材は、水溶解性およびモデル材との接着性に優れる。したがって、本発明の積層造形用サポート材は、閉鎖系積層造形装置を用いて積層造形を行う際にサポート材として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】モデル材と本発明に係る積層造形用サポート材の接着性を評価する積層造形物の一形態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0014】
本発明は、側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)と芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)及びその水素添加ブロック(b3)の少なくとも一方とを有するブロック共重合体(B)とを含有し、前記側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)のビカット軟化点が120℃以上であること特徴とする積層造形用サポート材に関するものである。
まずビカット軟化点について説明する。
【0015】
〔ビカット軟化点〕
本発明におけるビカット軟化点とは、ASTM D1525-09に準拠して、試験荷重10N、昇温速度50℃/hにて測定した樹脂の軟化点であり、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130~180℃である。この値が低すぎると、サポート材の耐熱性が低下し、軟らかくなりすぎる傾向がある。また、この値が高すぎると、サポート材とモデル材との接着性が低下する傾向がある。特に、溶融積層型積層造形装置においては、ビカット軟化点が低いとフィラメントが低温で軟らかくなりすぎて、ロールで押し出されてもノズル先端での圧力によって、たゆみが生じたり、膨張によってノズル詰りが発生したりする。
【0016】
〔側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂(A)〕
本発明で用いられる側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂(A)(以下、側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂を、PVA系樹脂(A)と略記することがる。)について説明する。
本発明に用いられるPVA系樹脂(A)は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られる、ビニルアルコール構造単位を主体とする樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位とケン化されずに残存したビニルエステル構造単位、側鎖に一級水酸基を有する構造単位を少なくとも有する。上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
【0017】
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)の平均重合度は、通常、200~1000であり、好ましくは250~800であり、特に好ましくは300~500が用いられる。
かかる平均重合度が低すぎると溶融成形物の強度が低く、もろくなる傾向があり、高すぎると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて溶融成形が困難になる傾向がある。
なお、かかる平均重合度はJIS K 6726に準拠して測定されたものである。
【0018】
また、PVA系樹脂(A)の平均重合度の指標として水溶液とした時の粘度が用いられる場合があり、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)の水溶液の粘度は、通常20℃における4重量%水溶液の粘度として、2~10mPa・sであり、好ましくは2.5~8mPa・sであり、特に好ましくは3~5mPa・sである。粘度が低すぎると溶融成形物の強度が低下し、もろくなる傾向があり、高すぎると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて溶融成形が困難になる傾向がある。
なお、本発明においてPVA系樹脂(A)の水溶液の粘度は、JIS K6726に準拠して測定した20℃における4重量%水溶液の粘度である。
【0019】
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)のケン化度は、通常、72~99.9モル%であり、好ましくは75~98.5モル%であり、特に好ましくは80~90モル%である。かかるケン化度が高すぎると水溶解性が低下する傾向があり、低すぎると柔軟性が高くなり過ぎて、積層時の形状安定性が低下する傾向がある。
なお、かかるケン化度はJIS K 6726に準拠して測定されるものである。
【0020】
かかる側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂(A1)の変性率(含有量)は、通常、0.1~20モル%であり、好ましくは0.5~12モル%であり、より好ましくは1~8モル%であり、さらに好ましくは1~6モル%であり、特に好ましくは1.5~2.7モル%である。かかる変性率が低すぎるとブロック共重合体の官能基との反応性が低下する傾向があり、高すぎると結晶化速度が遅くなりすぎて、積層時に形状が変形する傾向がある。
【0021】
PVA系樹脂(A)は溶融成形可能なPVA系樹脂が好ましく、具体的には融点が120~230℃であることが好ましい。また更に好ましくは150~220℃であり、特に好ましくは160~190℃である。融点が高すぎると溶融成形の際の加工温度が高くなり樹脂が劣化するおそれがあり、低すぎると溶融成形の際の形状安定性が低下する傾向がある。かかる融点はJIS K7121の示差走査熱量測定(以下、DSCと略記する。)によって測定したものである。
【0022】
また、通常のPVA系樹脂(A)の場合、主鎖の結合様式は1,3-ジオール結合が主であり、1,2-ジオール結合の含有量は1.5~1.7モル%程度であるが、ビニルエステル系モノマーを重合する際の重合温度を高温にすることによって含有量を増やすことができ、1,2-ジオール結合の含有量を1.8モル%以上、更には2.0~3.5モル%有することが、後述のブロック共重合体(B)との親和性が向上する点で好ましい。
【0023】
かかるPVA系樹脂(A)として、例えば、側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(A1)やヒドロキシメチル基含有PVA系樹脂、ポリアルキレンオキサイド基を有するPVA系樹脂等が挙げられる。特に、ブロック共重合体(B)との親和性に優れる点で、側鎖に側鎖に1,2-ジオール構造PVA系樹脂(A1)が好ましい。
また、特に下記一般式(1)で示される側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(a1)が、ブロック共重合体(B)の官能基との反応性が高くなる点で好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】
(式(1)中、R1~R4はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表す。)
【0026】
なお、1,2-ジオール構造単位以外の部分は、通常のPVA系樹脂と同様、ビニルアルコール構造単位と未ケン化部分のビニルエステル構造単位である。
【0027】
一般式(1)において、1,2-ジオール構造単位中のR1~R3、およびR4~R6は、すべて水素原子であることが側鎖の末端が一級水酸基となり更にブロック共重合体(B)の官能基との反応性が向上する点で望ましいが、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよい。上記炭素数1~4のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等であり、必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
【0028】
また、一般式(1)において、1,2-ジオール構造単位中のXは熱安定性の点や高温下や酸性条件下での安定性の点で単結合であるものが最も好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよく、かかる結合鎖としては、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、-O-、-(CH2O)m-、-(OCH2)m-、-(CH2O)mCH2-、-CO-、-COCO-、-CO(CH2)mCO-、-CO(C64)CO-、-S-、-CS-、-SO-、-SO2-、-NR-、-CONR-、-NRCO-、-CSNR-、-NRCS-、-NRNR-、-HPO4-、-Si(OR)2-、-OSi(OR)2-、-OSi(OR)2O-、-Ti(OR)2-、-OTi(OR)2-、-OTi(OR)2O-、-Al(OR)-、-OAl(OR)-、-OAl(OR)O-、等(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは1~5の整数)が挙げられる。
中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは-CH2OCH2-が好ましい。
【0029】
かかる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(A1)の変性率(含有量)は、通常、0.1~20モル%であり、好ましくは0.5~12モル%であり、より好ましくは1~8モル%であり、さらに好ましくは1~6モル%であり、特に好ましくは1.5~2.7モル%である。かかる変性率が低すぎるとブロック共重合体の官能基との反応性が低下する傾向があり、高すぎると結晶化速度が遅くなりすぎて、積層時に形状が変形する傾向がある。
【0030】
本発明で用いられる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(A1)の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定。)は、通常、200~1000であり、好ましくは250~800であり、さらに好ましくは300~500が用いられる。
かかる平均重合度が低すぎると溶融成形物の強度が低く、もろくなる傾向があり、高すぎると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて溶融成形が困難になる傾向がある。
【0031】
また、側鎖に1,2-ジオール構造をPVA系樹脂(A1)の重合度の指標として水溶液とした時の粘度が用いられる場合があり、本発明で用いられる上記PVA系樹脂(A1)の水溶液の粘度は、通常20℃における4重量%水溶液の粘度として、2~10mPa・sであり、好ましくは2.5~12mPa・sであり、特に好ましくは3~8mPa・sである。粘度が低すぎると溶融成形物の強度が低下し、もろくなる傾向があり、高すぎると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて溶融成形が困難になる傾向がある。
なお、本明細書において側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂(A1)の水溶液の粘度は、JIS K 6726に準拠して測定した20℃における4重量%水溶液の粘度である。
【0032】
本発明で用いられる側鎖に1,2-ジオール構造をPVA系樹脂(A1)のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定。)は、通常、72~99.9モル%であり、好ましくは78~98.5モル%であり、より好ましくは80~90モル%であり、特に好ましくは85~89モル%である。ケン化度が低すぎると柔軟性が高くなり過ぎて、積層時の形状安定性が低下する傾向がある。
【0033】
また、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、前述のビニルエステル系モノマーと共重合可能なモノマーを少量共重合することも可能である。かかるモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N-アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1-(メタ)アクリルアミド-1,1-ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オール等のヒドロキシ基含有α-オレフィン類及びそのアシル化物などの誘導体等の共重合が挙げられる。
【0034】
また、上記PVA系樹脂(A)を後変性することも可能で、後変性して得られるPVA系樹脂としては、例えば、ジケテンとの反応によるアセトアセチル基を有するもの、エチレンオキサイドとの反応によるポリアルキレンオキサイド基を有するもの、エポキシ化合物等との反応によるヒドロキシアルキル基が有するもの、あるいは各種官能基を有するアルデヒド化合物をPVA系樹脂と反応させて得られたものなどを挙げることができる。
【0035】
かかるPVA系樹脂中(A)のビニルアルコール構造単位、ビニルエステル構造単位及び側鎖に一級水酸基を有する構造単位以外の構造単位(変性種)の含有量は、変性種の種類によって特性が大きく異なるため一概にはいえないが、通常5モル%以下であり、特に2モル%以下の範囲が好ましく用いられる。
【0036】
かかる側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂(A)の製造法として、特に側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(A1)を例にとって説明する。
かかる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(a1)の製造方法は、特に限定されないが、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法や、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸する方法や、(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法が好ましく用いられ、例えば、特開2004-285143の段落[0011]~[0019]に記載の方法で製造することができる。
【0037】
【化2】
【0038】
(式(2)中、R1~R4はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子又はR9-CO-(式中、R9は炭素数1~4のアルキル基である。)を表す。)
【0039】
【化3】
【0040】
(式(3)中、R1~R4はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表す。)
【0041】
【化4】
【0042】
(式(4)中、R1~R4はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。)
【0043】
また、本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよく、その場合は、上述の未変性PVA同士、未変性PVAと各種変性PVA系樹脂、特に側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(a1)との組み合わせ等を挙げることができ、また、ケン化度、重合度、変性度などが異なるPVA系樹脂同士の組み合わせ等も挙げることができる。
【0044】
[ブロック共重合体(B)]
本発明で用いられるブロック共重合体(B)について説明する。
本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、ハードセグメントとして、スチレンに代表される芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)を有し、ソフトセグメントとして共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)や、かかる重合体ブロックに残存する二重結合の一部、または全部が水素添加されたブロック(b3)の少なくとも一方を有するものである。
【0045】
また、本発明においては、かかるブロック共重合体(B)として、側鎖に水酸基と反応しうる官能基を有するものが好ましく、具体的にはカルボン酸基あるいはその誘導体基(以下、「カルボン酸基」と略記することがある。)を有するものが好ましく用いられる。
【0046】
かかるブロック共重合体(B)中の各ブロックの構成は、ハードセグメントをXで示し、ソフトセグメントをYで示した場合に、X-Yで表されるジブロック共重合体、X-Y-XまたはY-X-Yで表されるトリブロック共重合体、さらにXとYが交互に接続したポリブロック共重合体などを挙げることができ、その構造も直鎖状、分岐状などを挙げることができる。中でも、力学特性の点でX-Y-Xで表される直鎖状のトリブロック共重合体が好適である。
【0047】
ハードセグメントである芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)の形成に用いられるモノマーとしては、スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等のアルキルスチレン;モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン等のハロゲン化スチレン;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどのベンゼン環以外の芳香環を有するビニル化合物、およびその誘導体等を挙げることができる。かかる芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)は、上述のモノマーの単独重合体ブロックでも、複数のモノマーによる共重合体ブロックでもよいが、スチレンの単独重合体ブロックが好適に用いられる。
【0048】
なお、かかる芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、芳香族ビニル化合物以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、上記重合体ブロック(b1)全体の10モル%以下である。
【0049】
ブロック共重合体(B)中の芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)の重量平均分子量は、通常、10000~300000であり、さらに20000~200000が好ましく、特に50000~100000のものが好ましく用いられる。
【0050】
また、ソフトセグメントである共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)の形成に用いられるモノマーとしては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどの共役ジエン化合物、およびイソブチレンを挙げることができ、これらを単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
中でもイソプレン、ブタジエン、およびイソブチレンの単独重合ブロックや共重合ブロックが好ましく、特にブタジエン、あるいはイソブチレンの単独重合ブロックが好適に用いられる。
【0051】
なお、かかる共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)の場合、重合によって複数の結合形式をとる場合があり、例えば、ブタジエンでは、1,2-結合によるブタジエン単位(-CH2-CH(CH=CH2)-)と1,4-結合によるブタジエン単位(-CH2-CH=CH-CH2-)が生成する。これらの生成比率は、共役ジエン化合物の種類により異なるので、一概にはいえないが、ブタジエンの場合、1,2-結合が生成する比率は、通常、20~80モル%の範囲である。
【0052】
かかる共役ジエン化合物あるいはイソブチレンによる重合体ブロック(b2)は、残存する二重結合の一部または全部を水素添加し、水素添加ブロック(b3)とすることによって、ブロック共重合体(B)の耐熱性や耐候性を向上させることができる。その際の水素添加率は、50モル%以上であることが好ましく、特に70モル%以上のものが好ましく用いられる。
なお、かかる水素添加により、例えばブタジエンの1,2-結合によるブタジエン単位は、ブチレン単位(-CH2-CH(CH2-CH3)-)となり、1,4-結合によって生成するブタジエン単位は二つの連続したエチレン単位(-CH2-CH2-CH2-CH2-)となるが、通常は前者が優先して生成する。
【0053】
なお、かかるソフトセグメントである重合体ブロック(b2)、(b3)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述のモノマー以外のモノマーが少量共重合されたものでもよく、かかるモノマーとしては、例えば、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物やアリルエーテル化合物等を挙げることができ、その共重合比率は、通常、重合体ブロック全体の10モル%以下である。
【0054】
また、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物、あるいはイソブチレンに由来する重合体ブロック(b2)、(b3)の重量平均分子量は、通常、10000~300000であり、さらに20000~200000が好ましく、特に50000~100000のものが好ましく用いられる。
【0055】
上述の通り、本発明に用いられるブロック共重合体(B)は、ハードセグメントが芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)であり、ソフトセグメントが共役ジエン化合物の重合体ブロックあるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)、またはその残存二重結合の一部、あるいは全部が水素添加された重合体ブロック(b3)などからなるものであり、その代表例としては、スチレンとブタジエンを原料とするスチレン/ブタジエンブロック共重合体(SBS)、SBSのブタジエン構造単位における側鎖二重結合が水素添加されたスチレン/ブタジエン/ブチレンブロック共重合体(SBBS)、さらに主鎖二重結合が水素添加されたスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンとイソプレンを原料とするスチレン/イソプレンブロック共重合体(SIPS)、スチレンとイソブチレンを原料とするスチレン/イソブチレンブロック共重合体(SIBS)などを挙げることができ、中でも熱安定性、耐候性に優れるSEBSやSIBSが好ましく用いられる。
【0056】
かかるブロック共重合体(B)中のハードセグメントである芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、ソフトセグメントである(b2)および(b3)の少なくとも一方である重合体ブロックの含有比率としては、重量比で、通常、30/70~70/30であり、特に、50/50~65/35の範囲のものが好適である。芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)の含有比率が多すぎると樹脂全体が硬くなり、柔軟性が低下する傾向がある。逆に芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)の含有比率が少なすぎると、ABS樹脂等の疎水性樹脂との接着性が低下する傾向がある。
【0057】
かかるブロック共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、共役ジエン化合物あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)を有するブロック共重合体を得て、さらに必要に応じて共役ジエン化合物の重合体ブロック中の二重結合を水素添加することによって得ることができる。
まず、芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と、共役ジエン化合物、あるいはイソブチレンの重合体ブロック(b2)を有するブロック共重合体の製造法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、アルキルリチウム化合物などを開始剤とし、不活性有機溶媒中で芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物、あるいはイソブチレンを逐次重合させる方法などを挙げることができる。
次に、この芳香族ビニル化合物の重合体ブロック(b1)と共役ジエン化合物の重合体ブロック(b2)を有するブロック共重合体を水素添加する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、水素化ホウ素化合物などの還元剤を用いる方法や、白金、パラジウム、ラネーニッケルなどの金属触媒を用いた水素還元などを挙げることができる。
【0058】
本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、更に、側鎖に水酸基と反応しうる官能基を有するブロック(b4)を有することが好ましい。かかる官能基は特にカルボン酸基あるいはその誘導体基であることが好ましく、かかる側鎖に水酸基と反応しうる官能基を有するブロック共重合体を用いることによって、特にモデル樹脂との接着性および耐水性に優れた樹脂組成物を得ることが可能となる。
【0059】
ブロック共重合体(B)中のカルボン酸基の含有量は、滴定法で測定した酸価として、通常、0.5~20mgCH3ONa/gであり、特には1~10mgCH3ONa/g、さらには1.5~3mgCH3ONa/gであることが好ましい。
かかる酸価が低すぎると、官能基を導入した相溶性効果が充分に得られず、また、高すぎると架橋反応により樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎる傾向がある。
かかる酸価の調整に当たっては、官能基の導入量を調整するほかに、官能基を有するブロック共重合体と官能基を有しないブロック共重合体を混合して官能基の含有量を調整するなどして、所望の酸価を有するブロック共重合体(B)とすることもできる。
【0060】
かかるカルボン酸基を含有する官能基をブロック共重合体(B)に導入する方法としては、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、ブロック共重合体の製造時、すなわち、共重合時にα,β-不飽和カルボン酸またはその誘導体を共重合させる方法、あるいは、ブロック共重合体の製造後、これにα,β-不飽和カルボン酸またはその誘導体を付加させる方法が好ましく用いられる。かかる付加方法としては、例えば、ラジカル開始剤の存在下、あるいは非存在下、溶液中でのラジカル反応による方法や、押出機中で溶融混練する方法などを挙げることができる。
【0061】
かかるカルボン酸基を導入するのに用いられるα,β-不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β-不飽和モノカルボン酸またはその誘導体;マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸またはその誘導体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート等のα,β-不飽和モノカルボン酸エステルなどを挙げることができる。また、本発明のブロック共重合体(B)に導入されたカルボン酸基は隣接するカルボン酸基との間で酸無水物構造を形成していてもよく、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物などを挙げることができる。
【0062】
本発明で用いられるブロック共重合体(B)の重量平均分子量は、通常、50000~500000であり、さらに120000~450000が好ましく、特に150000~400000のものが好ましく用いられる。
また、ブロック共重合体(B)の220℃、せん断速度122sec-1での溶融粘度は、通常100~3000mPa・sであり、特に300~2000mPa・s、さらに800~1500mPa・sのものが好ましく用いられる。
かかる重量平均分子量が大きすぎても小さすぎても、溶融粘度が高すぎても低すぎても、PVA系樹脂(A)中に当該ブロック共重合体(B)の均一分散したモルホロジーが得られず、樹脂の機械物性が低下する傾向がある。
なお、かかるブロック共重合体(B)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンを標準として求めた値である。
【0063】
また、本発明においては、上述のブロック共重合体(B)として、一種類のものを用いてもよいが、所望の特性を得る目的で複数のものを適宜混合して用いることも可能である。
【0064】
本発明で用いられるブロック共重合体(B)、即ち、反応性の官能基を有するブロック共重合体の市販品としては、例えばSEBSのカルボキシル基変性品である旭化成社製の「タフテックMシリーズ」や、JSR社製「f-ダイナロン」、シェルジャパン社製「クレイトンFG」などを挙げることができる。
【0065】
[積層造形用サポート材]
本発明の積層造形用サポート材(以下、積層造形用サポート材を単に「サポート材」と言うことがある。)は、PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)を含有するものである。
さらに、本発明においては、PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)を含有するサポート材において、PVA系樹脂(A)のビカット軟化点が120℃以上であることを特徴とするものである。
【0066】
また、本発明のサポート材におけるブロック共重合体(B)の含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して、10~80重量部、さらには15~75重量部、特には20~70重量部が好ましい。含有量が少なすぎると、柔軟性やモデル材との接着性が不充分となる傾向があり、多すぎると水溶解性が低くなる傾向がある。
【0067】
また、本発明のサポート材は、PVA系樹脂(A)が海成分、ブロック共重合体(B)が島成分である海島構造を形成するものである。
かかる海島構造の島成分であるブロック共重合体(B)の平均粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)により、サポート材を用いて成形された溶融成形フィルムの断面観察をすることにより測定される。かかる平均粒径は、通常0.3~10μm、好ましくは0.5~5μm、特に好ましくは1~3μmである。かかる平均粒径が小さすぎると柔軟性が低下する傾向があり、大きすぎると成形物が形成できなくなる傾向がある。
【0068】
本発明のサポート材には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂を含有していてもよい。含有しうる樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂などの各種熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0069】
また、本発明のサポート材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、補強剤、充填剤、保形剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、帯電防止剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤などが含有されてもよい。
【0070】
特に柔軟性の点で可塑剤を含有することもでき、可塑剤としては、例えば、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等の脂肪族多価アルコール、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合付加体等の各種アルキレンオキサイド、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール、キシロール、アラビノース、リブロース等の糖類、ビスフェノールAやビスフェノールS等のフェノール誘導体、N-メチルピロリドン等のアミド化合物、α-メチル-D-グルコシド等のグルコシド類等が挙げられる。なお、
その含有量としては、PVA系樹脂(A)100重量部に対して、20重量部以下、さらには10重量部以下、特には5重量部以下とすることが好ましい。
【0071】
本発明のサポート材の形状としては、フィラメント状、ペレット状などが挙げられ、使用する装置により適宜選択される。
【0072】
本発明のサポート材の製造方法について説明する。
本発明のサポート材の原料(PVA系樹脂(A)とブロック共重合体(B)の組成物)は、通常の高分子材料の混合に用いられる方法、装置によって調製することができる。通常、PVA系樹脂は粉末で得られ、ブロック共重合体はペレット状であるため、均一混合の点で、溶融混練による方法が好ましく用いられる。かかる溶融混練装置としては、例えば、混練機、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられ、特に連続的に処理することが可能で、混合効率に優れる押出機を用いる方法が好適である。
かかる押出機を用いて溶融混練し、本発明のサポート材の原料を得る条件としては、用いる材料の融点などに応じて適宜調節する必要があるが、通常、150~250℃で行われ、特に160~230℃、さらに170~200℃の範囲が好ましく用いられる。
また、かかる押出機での滞留時間は、押出機の容量、温度などに応じて変える必要があるが、通常、0.1~5分、特に0.5~2分の範囲内で実施される。
【0073】
上記のように混合し、ペレット状とすることが好ましい。
なお、かかるペレット状への成形は公知の方法を用いることができるが、上述の押出機からストランド状に押出し、冷却後所定の長さに切断し、円柱状のペレットとする方法が効率的である。
得られたペレットは、そのままペレット状のサポート材として用いることができる。
【0074】
以下、フィラメント状のサポート材について説明する。フィラメント状のサポート材は態で積層造形装置のヘッド部に供給されるため、適度な剛性を有するものが円滑にサポート材を供給できるようになり好ましく、また、積層造形装置のヘッド部にストランド状のサポート材を供給する際、チューブの中を通して供給されることがあり、チューブの内面とサポート材の表面の摺動性が良好であることが好ましく、サポート材の表面状態が均一であり、かつタック性がないことが積層造形装置へのサポート材のストランドを円滑にヘッド部に供給できる点で好ましい。
【0075】
中でも、適度な剛性を有する点、ストランドのタック性を抑制できる点でフィラーを含有することが好ましい。かかるフィラーとしては有機フィラー、無機フィラーが挙げられるが、熱安定性が良好な点で無機フィラーが好ましい。かかる無機フィラーとしては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属類等が挙げられるが、サポート材の熱安定性に対する影響が小さい点で、ケイ酸塩が好ましく、ケイ酸塩としては、例えば、珪酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン等が挙げられ、よりサポート材の表面平滑性が良好となり、タック性が軽減される点でタルクが好ましい。
【0076】
上記無機フィラーの平均粒子径としては0.5~10μmであることが好ましく、さらには1~5μm、特には2~3μmが好ましく、小さすぎると樹脂への練り込みが困難となる傾向があり、大きすぎると表面荒れや強度の低下の原因となる傾向がある。工業的には、例えば、日本タルク社製SG-5、SG-200、富士タルク社製LSM-400などを用いることができる。なお、ここで言う平均粒子径とは、レーザー回折法で測定した粒子径D50を指す。
上記フィラーの配合量としては、サポート材中に0.1~20重量%、更には0.5~10重量%、特には1~5重量%が好ましく、少なすぎるとフィラー添加の効果が発現されず、多すぎるとサポート材表面の平滑性が低下したり、強度が低下したりする傾向がある。
【0077】
また、サポート材には可塑剤が配合されることがあるが、本発明のサポート材の成形安定性を向上させるには可塑剤の配合量は少ないことが好ましく、20重量%以下、さらには10重量%以下、さらには5重量%以下、特には2重量%以下であることが好ましい。
【0078】
また、他の熱可塑性樹脂を配合する場合には、具体的には例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン(炭素数4~20のα-オレフィン)共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン-α-オレフィン(炭素数4~20のα-オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、ポリ環状オレフィン、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0079】
上記のサポート材の作製方法としては上記の各成分について、所定量を混合、加熱され溶融状態で混練されたのち、ストランド状に押出され、冷却され、リールに巻き取られて積層造形に適用されるサポート材となる。具体的には各成分を予め混合したもの、もしくは別々に単軸または多軸の押出機に供給され、加熱溶融混練され、1穴もしくは多穴のストランドダイスから径1.5~3.0mmのストランド状にフィラメントが押出され、空冷または水冷等により冷却固化した後、リールに巻き取られる。ストランド状フィラメントの径は安定していることが必要で、また、リールに巻きつけられても破断しない程度の柔軟性と靭性を有し、積層造形の際、ヘッドに遅滞なく送り出される程度の剛性が必要である。
【0080】
[積層造形方法]
本発明のサポート材を用いた積層造形方法について説明する。
積層造形に用いられる積層造形装置はモデル材とサポート材を各々押し出せるヘッドを複数個以上持つ熱溶融による積層造形ができるものであれば公知のものを用いればよく、例えば、フラッシュフォージ社製クリエイト、レイズ・エンタープライズ社製Eagleed、3Dシステムズ社製MBotGrid II、Ninjabot社製FDM-200HW-X等のデュアルヘッドタイプの積層造形装置を用いることができる。立体を形作るモデル材としては、例えば、ABS樹脂、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、PET樹脂等、種々の樹脂が検討されているが、溶融成形性、熱安定性、固化後の機械物性からABS樹脂が主に用いられ、サポート材はかかるABS樹脂との接着性に優れることが要求される。
モデル材についてもサポート材と同様に、ストランド状に成形され、リールに巻かれた状態で提供される。モデル材とサポート材のストランドは積層造形装置の別々のヘッドに供給され、ヘッド部で加熱溶解され、プラットフォーム上に押し付けられる様に積層されていく。
ヘッド部での溶融温度は通常150~300℃で、200~1000psiの圧力で押
出され、積層厚みは通常0.05~0.2mmである。
【0081】
上記の様に、サポート材およびモデル材により作製された積層物から、サポート材が除去されることで、最終の目的とする積層造形物が得られるのであるが、本発明のサポート材は水により溶解除去することができる。溶解除去の方法として、容器に入れられた水もしくは温水に浸漬しても良いし、流水で洗い流しても良い。浸漬する場合は、除去時間を短縮するために撹拌したり超音波を与えたりすることが好ましく、また、水温は25~80℃程度が好ましい。溶解除去にはサポート材の重量に対し、10~10000倍程度の水もしくは温水が使用される。
【実施例
【0082】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中「部」および「%」とあるのは重量基準である。
また、下記実施例および比較例中におけるPVA系樹脂の4%水溶液粘度、平均ケン化度は前述の方法に従って測定した。
【0083】
[実施例1]
〔PVA系樹脂(A)の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル85部(全体の10重量%を初期仕込み)、メタノール460部、及び3,4-ジアセトキシ-1-ブテン7.6部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.32部投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。さらに、重合開始0.5時間後に酢酸ビニル765部を8時間滴下(滴下速度95.6部/時間)した。重合開始から2.5時間目と4.5時間目にアゾビスイソブチロニトリルを0.2部ずつ追加し、酢酸ビニルの重合率が85%となった時点で、m-ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
【0084】
ついで、上記溶液をメタノールで希釈し、固形分濃度を50重量%に調整して、かかるメタノール溶液をニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウム中のナトリウム分2重量%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4-ジアセトキシ-1-ブテン構造単位の合計量1モルに対して9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、さらに2重量%メタノール溶液を酢酸ビニル構造単位及び3,4-ジアセトキシ-1-ブテン構造単位の合計量1モルに対して4ミリモル追加しケン化を行った。その後、中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量を添加し、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂を得た。
【0085】
得られた側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂のケン化度は、樹脂中の残存酢酸ビニルおよび3,4-ジアセトキシ-1-ブテンの構造単位の加水分解に要するアルカリ消費量にて分析したところ、88モル%であり、ビカット軟化点は、ASTM D1525-09に準拠して、試験荷重10N、昇温速度50℃/hにて分析を行ったところ、140℃であった。また、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、410であった。
また、前記式(1)で表される1,2-ジオール構造単位の変性率(含有量)は、1H-NMR(300MHzプロトンNMR、d6-DMSO溶液、内部標準物質;テトラメチルシラン、50℃)にて測定した積分値より算出したところ、2モル%であった。
【0086】
〔サポート材の作製〕
上記のPVA系樹脂100部と、ブロック共重合体としてカルボン酸基を有するスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)(旭化成社製「タフテックM1943」、スチレン含有量20重量%、酸価10mgCH3ONa/g)とカルボン酸基を持たないスチレン/エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEBS)(旭化成社製「タフテックH1043」、スチレン含有量67重量%、酸価0)を20:80の重量比率でプレドライブレンド(酸価2mgCH3ONa/gに調整)した混合物43部をドライブレンド(PVA系樹脂とブロック共重合体の合計量に対するスチレンの重合体ブロックの含有量:17.4重量%)した後、これを二軸押出機に供給し、下記条件で溶融混練し、直径1.75mmのストランド状に押出して、ベルト上で空冷し、リールに巻き取り、本発明のサポート材を得た。
押出機:テクノベル社製15mmφ L/D=60
押出温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D=150/170/180/190/200/210/220/220/220(℃)
回転数:200rpm
吐出量:1.5kg/時間
得られたサポート材について、以下の評価を行った。
【0087】
<サポート材とモデル材との接着性>
3Dプリンター(Ninjabot社製FDM-200HW-X)にアクリル板でフードを付けたものを使用し、系内を40℃に設定して、上記で得られたサポート材(フィラメント)とABS樹脂のモデル材(フィラメント)(Verbatim社製ABS White 1.75mm)をセットし、図1上部に示す構成の造形物を、プラットフォーム上に、サポート材はノズル温度210℃、ABS樹脂は235℃にて造形した。
ノズル温度:サポート材 210℃
ABS樹脂 235℃
印刷速度:3600mm/min
Infill(樹脂充填率):サポート材 30%(図1の2,6)
ABS樹脂 30%(図1の3)
造形後、1、4、5のサポート樹脂(ABS樹脂)を手で除去して図1下部のような造形物を得た。かかる造形物の、以下の造形部分(界面部分)α、βにおいてそれぞれ接着性を評価した。その結果を表1に示す。
【0088】
(造形部分)
部分α:サポート材2(幅12mm、長さ35mm、高さ5mm)とABS樹脂3(幅12mm、長さ35mm、高さ5mm)との界面部分(幅12mm、長さ15mm)
部分β:ABS樹脂3(幅12mm、長さ35mm、高さ5mm)とサポート材6(幅12mm、長さ35mm、高さ5mm)との界面部分(幅12mm、長さ15mm)
【0089】
(測定方法)
得られた造形物の部分αの接着性を評価するため、サポート材2とABS樹脂3をチャック間距離19mmに調整した固定冶具に固定し、引張試験機(島津製作所製、AG-IS)にて5mm/minの速度で引っ張り、23℃、50%RHにて造形物の切断時に掛かる力(N)を測定した。
得られた造形物の部分βの接着性を評価するため、ABS樹脂3とサポート材6に対して部分αと同様の測定を行い、造形物の切断時に掛かる力(N)を測定した。
【0090】
<サポート材の造形性>
上記で造形した際の、サポート材の造形性をサポート材のフィラメントの送り出し性にて評価した。造形を開始してからフィラメントの送り不良が発生するまでの時間を測定した。結果を表1に示す。
【0091】
<サポート材の垂れ抑制性>
上記で造形したサポート材の垂れ抑制性を造形時のサポート材のフィラメントの垂れにて以下の基準で評価した。造形後、上方にノズルを上げて造形時の温度を保ちながら15分間放置し、ノズルから垂れてくる樹脂フィラメントの長さを測定した。結果を表1に示す。
【0092】
[ノズルから垂れてくる樹脂フィラメントの長さ]
◎:0cm以上1cm未満
〇:1cm以上2cm未満
△:2cm以上5cm未満
×:5cm以上
【0093】
[実施例2]
実施例1において、PVA系樹脂を平均重合度390、変性率2.5モル%、ビカット軟化点130℃の側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に行ない、サポート材を得、同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0094】
[比較例1]
実施例1において、PVA系樹脂を平均重合度550、変性率0モル%、ビカット軟化点150℃の側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に行ない、サポート材を得、同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0095】
[比較例2]
実施例1において、PVA系樹脂を平均重合度380、変性率4モル%、ビカット軟化点105℃の側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に行ない、サポート材を得、同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0096】
[比較例3]
実施例1において、PVA系樹脂を平均重合度450、変性率6モル%、ビカット軟化点87℃の側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に行ない、サポート材を得、同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0097】
[比較例4]
実施例1において、PVA系樹脂を平均重合度350、変性率3モル%、ビカット軟化点115℃の側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に行ない、サポート材を得、同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
上記の結果より、本発明のサポート材を用いた実施例1および2のサポート材は各部分での接着性に優れ、さらに閉鎖系での造形性にも優れ、さらに垂れ抑制性にも優れるものであった。一方、未変性PVAを用いた比較例1及びビカット軟化点の低いPVA系樹脂を用いた比較例2~4は、実施例1及び2に比べて、部分的に接着性に劣り、さらに閉鎖系での造形性、垂れ抑制性に劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の積層造形用サポート材は、ABS樹脂との接着性に優れ、閉鎖系での造形性及び垂れ抑制性に優れるため、有用である。
【符号の説明】
【0101】
1 サポート樹脂(ABS樹脂)
2 本発明の積層造形用サポート材
3 ABS樹脂
4 サポート樹脂(ABS樹脂)
5 サポート樹脂(ABS樹脂)
6 本発明の積層造形用サポート材
図1