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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/00 20120101AFI20221018BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20221018BHJP
   B24B 53/017 20120101ALI20221018BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20221018BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20221018BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B24B37/00 Z
H01L21/304 621B
H01L21/304 622R
B24B53/017 A
B24B41/06 A
B24B37/013
B24B49/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019041015
(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公開番号】P2020142329
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】山口 都章
(72)【発明者】
【氏名】下元 博
(72)【発明者】
【氏名】磯部 壮一
(72)【発明者】
【氏名】前田 幸次
(72)【発明者】
【氏名】新海 健史
(72)【発明者】
【氏名】磯川 英立
(72)【発明者】
【氏名】吉成 大
(72)【発明者】
【氏名】田村 元成
(72)【発明者】
【氏名】徐 海洋
(72)【発明者】
【氏名】江原 俊
(72)【発明者】
【氏名】浅野 建太郎
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-6549(JP,A)
【文献】特開2019-29562(JP,A)
【文献】国際公開第2002/34467(WO,A1)
【文献】特開2018-58197(JP,A)
【文献】特開2016-74048(JP,A)
【文献】特開平10-264011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 - 37/34
H01L 21/304
B24B 53/017
B24B 41/06
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を研磨する研磨部と、
研磨前の基板を前記研磨部へ搬送する搬送部と、
を備え、
前記研磨部は、
第1研磨ユニットおよび第2研磨ユニットと、
前記搬送部と前記第1研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニットのそれぞれに隣接するように配置された研磨部搬送機構と、
を有し、
前記研磨部搬送機構は、
前記第1研磨ユニットに基板を搬送する第1搬送ユニットと、
前記第2研磨ユニットに基板を搬送する第2搬送ユニットと、
前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットとの間に配置され、前記搬送部と前記第1搬送ユニットおよび前記第2搬送ユニットとの間の基板の受け渡しを行う搬送ロボットと、
を有し、
前記第1研磨ユニットは、第1研磨装置および第2研磨装置を有し、
前記第2研磨ユニットは、第3研磨装置および第4研磨装置を有し、
前記第1研磨装置、前記第2研磨装置、前記第3研磨装置および前記第4研磨装置は、それぞれ、
研磨面を有する研磨パッドが取り付けられた研磨テーブルと、
ウェハを保持しかつウェハを研磨テーブル上の研磨パッドに押圧しながら研磨するためのトップリングと、
研磨中の研磨パッドに対して処理を行う補助ユニットと、
を有し、
前記研磨テーブルの周囲には、前記補助ユニットを、前記トップリングの揺動中心と前記研磨テーブルの回転中心とを結ぶ直線に対して左右切替可能に取り付けるための一対の補助ユニット取付部が、前記直線に対して左右対称の位置に設けられている
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1研磨装置、前記第2研磨装置、前記第3研磨装置および前記第4研磨装置は、一列に並んで配置されており、
前記第1研磨装置のトップリングの揺動中心と前記第2研磨装置のトップリングの揺動中心との間の距離は、前記第1研磨装置の研磨テーブルの回転中心と前記第2研磨装置の研磨テーブルの回転中心との間の距離より短く、
前記第3研磨装置のトップリングの揺動中心と前記第4研磨装置のトップリングの揺動中心との間の距離は、前記第3研磨装置の研磨テーブルの回転中心と前記第4研磨装置の研磨テーブルの回転中心との間の距離より短い
ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記補助ユニットは、研磨パッドに研磨液またはドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズルと、研磨パッドの研磨面のドレッシングを行うためのドレッシング装置と、液体と気体の混合気体または液体を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザと、研磨パッドの表面温度を調整する研磨パッド温調スライダのうちのいずれか1つまたは2つ以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記補助ユニット取付部は、前記補助ユニットの揺動軸または支柱を通すための、架台に開けられた穴、または前記補助ユニットの揺動軸または支柱を取り付けるための、架台に設けられた台座を含む
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記研磨テーブルの周囲には、前記補助ユニットを洗浄するユニット洗浄機構が、前記直線に対して左右対称の位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記研磨テーブルのうち、前記研磨テーブルの回転中心から第1距離だけ離れた位置には、第1終点検知センサを取り付けるための第1終点検知センサ取付穴が形成されており、前記研磨テーブルの回転中心から前記第1距離とは異なる第2距離だけ離れた位置には、第2終点検知センサを取り付けるための第2終点検知センサ取付穴が形成されており、
前記第1終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上に定められた回転中心を通る1つの研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されており、前記第2終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記研磨テーブルのうち、前記研磨テーブルの回転中心から第1距離だけ離れた位置には、第1終点検知センサを取り付けるための第1終点検知センサ取付穴が形成されており、前記研磨テーブルの回転中心から前記第1距離とは異なる第2距離だけ離れた位置には、第2終点検知センサを取り付けるための第2終点検知センサ取付穴が形成されており、
前記第1終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上に定められた回転中心を通る1つの研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されており、前記第2終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上基準線上に1つだけ形成されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1終点検知センサおよび第2終点検知センサは、光学式の終点検知センサまたは渦電流式の終点検知センサである
ことを特徴とする請求項6または7に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、特に半導体ウェハなどの基板を平坦に研磨するために用いられる基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。半導体デバイスの製造では、シリコンウェハの上に多くの種類の材料が膜状に繰り返し形成され、積層構造が形成される。この積層構造を形成するためには、ウェハの表面を平坦にする技術が重要となっている。このようなウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行う研磨装置(化学的機械的研磨装置ともいう)が広く用いられている。
【0003】
この化学機械研磨(CMP)装置は、一般に、研磨パッドが取り付けられた研磨テーブルと、ウェハを保持するトップリングと、研磨液を研磨パッド上に供給するノズルとを備えている。ノズルから研磨液を研磨パッド上に供給しながら、トップリングによりウェハを研磨パッドに押し付け、さらにトップリングと研磨テーブルとを相対移動させることにより、ウェハを研磨してその表面を平坦にする。
【0004】
基板処理装置は、このようなCMP装置に加え、研磨後のウェハを洗浄し、さらに乾燥させる機能を有する装置である。このような基板処理装置においては、基板処理のスループットを向上することが求められている。基板処理装置は、研磨や洗浄などを行う様々な処理部を有しているため、各処理部での処理の遅延は、基板処理装置全体のスループットを低下させてしまう。例えば、特許文献1に記載の従来の基板処理装置では、研磨部が複数の研磨ユニットを有している場合であっても、洗浄部には一つの洗浄ラインのみが設けられていたため、複数の研磨されたウェハを同時に洗浄し、乾燥させることができなかった。
【0005】
また、従来の基板処理装置では、研磨部が第1研磨ユニットと第2研磨ユニットを有している場合、第1研磨ユニットにてウェハを研磨する際には、ロード/アンロード部から第1研磨ユニットへと直接ウェハが搬入されるが、第2研磨ユニットにて基板を研磨する際には、ロード/アンロード部から第1研磨ユニットを介して第2研磨ユニットへとウェハが搬入されていた。そのため、第1研磨ユニットおよび第2研磨ユニットの同一の搬入経路部分にて混雑が生じて、スループットを低下させていた。
【0006】
また、従来の基板処理装置では、ロード/アンロード部に配置された搬送ロボットが、研磨前のウェハをロード/アンロード部から研磨部へと直接搬入するとともに、洗浄後のウェハを洗浄部からロードアンロード部へと搬出していた。洗浄後のウェハを把持する搬送ロボットのハンドには高い清浄度が必要とされているが、研磨前のウェハを研磨部へと直接搬入する際に研磨環境に触れて汚染される懸念があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2007/099976号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来の基板処理装置の欠点を補うものとして、本件出願人は、図32に示すように、基板を研磨する研磨部12と、研磨前の基板を研磨部12へ搬送する搬送部14と、研磨後の基板を洗浄する洗浄部13と、を備え、研磨部12は、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bと、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20aのそれぞれに隣接するように配置された研磨部搬送機構22と、を有し、研磨部搬送機構22は、第1研磨ユニット20aに基板を搬送する第1搬送ユニット24aと、第2研磨ユニット20bに基板を搬送する第2搬送ユニット24bと、第1搬送ユニット24aと第2搬送ユニット24bとの間に配置され、搬送部14と第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bとの間の基板の受け渡しを行うとともに、第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bと洗浄部13との間の基板の受け渡しを行う搬送ロボット23と、を有する、基板処理装置10を提案する。
【0009】
ところで、この基板処理装置10では、図32に示すように、第1研磨ユニット20aが第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bを有しており、第2研磨ユニット20bが第3研磨装置21cおよび第4研磨装置21dを有しており、第1研磨装置21a、第2研磨装置21b、第3研磨装置21c、および第4研磨装置21dは、基板処理装置10の長手方向に沿って並んで配置されている構成が考えられる。図32において、符号21aA、21bA、21cA、21dAは、それぞれ、第1~第4研磨装置21a~21dのトップリングの揺動範囲を示しており、符号23Aは、搬送ロボット23の動作範囲を示している。
【0010】
このような構成において、図32に示すように、第1研磨装置21aと第2研磨装置21bのレイアウトがミラーリング(互いに左右対称に配置)され、第3研磨装置21cと第4研磨装置21dのレイアウトがミラーリングされることにより、装置中央に搬送ロボット23の配置スペースを確保して、装置の小型化を実現することが可能となる。しかしながら、ミラーリング配置により、研磨テーブルの回転方向が、隣り合う研磨装置間で逆向きになる。研磨テーブルの回転方向が異なると、プロセスに影響する場合がある。
【0011】
他方、図33に示すように、第1~第4研磨装置21a~21dの研磨テーブルの回転方向が同一方向(図示された例では時計方向CW)に揃えられたレイアウトにされると、搬送ロボット23の動作範囲23Aと、搬送ロボット23の近傍に位置する研磨装置(図示された例では第2研磨装置21b)のトップリングの揺動範囲21bAとは、この図においては一部重なることになり、搬送ロボット23の配置スペースを装置中央に十分確保することができず、場合によっては装置が大型化するという問題がある。
【0012】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、研磨装置ごとに研磨テーブルの回転方向を変更できる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様に係る基板処理装置は、
基板を研磨する研磨部と、
研磨前の基板を前記研磨部へ搬送する搬送部と、
を備え、
前記研磨部は、
第1研磨ユニットおよび第2研磨ユニットと、
前記搬送部と前記第1研磨ユニットおよび前記第2研磨ユニットのそれぞれに隣接するように配置された研磨部搬送機構と、
を有し、
前記研磨部搬送機構は、
前記第1研磨ユニットに基板を搬送する第1搬送ユニットと、
前記第2研磨ユニットに基板を搬送する第2搬送ユニットと、
前記第1搬送ユニットと前記第2搬送ユニットとの間に配置され、前記搬送部と前記第1搬送ユニットおよび前記第2搬送ユニットとの間の基板の受け渡しを行う搬送ロボットと、
を有し、
前記第1研磨ユニットは、第1研磨装置および第2研磨装置を有し、
前記第2研磨ユニットは、第3研磨装置および第4研磨装置を有し、
前記第1研磨装置、前記第2研磨装置、前記第3研磨装置および前記第4研磨装置は、それぞれ、
研磨面を有する研磨パッドが取り付けられた研磨テーブルと、
ウェハを保持しかつウェハを研磨テーブル上の研磨パッドに押圧しながら研磨するためのトップリングと、
研磨中の研磨パッドに対して処理を行う補助ユニットと、
を有し、
前記研磨テーブルの周囲には、前記補助ユニットを、前記トップリングの揺動中心と前記研磨テーブルの回転中心とを結ぶ直線に対して左右切替可能に取り付けるための一対の補助ユニット取付部が、前記直線に対して左右対称の位置に設けられている。
【0014】
このような態様によれば、各研磨装置において、一対の補助ユニット取付部が、トップリングの揺動中心と研磨テーブルの回転中心とを結ぶ直線に対して左右対称の位置に設けられているため、研磨中の研磨パッドに対して処理を行う補助ユニットの配置を、研磨テーブルの回転方向に応じて、前記直線に対して左右対称に切り替えることが可能である。これにより、研磨中の研磨パッドの回転方向とウエハに対する補助ユニットの位置関係を維持しながら、研磨装置ごとに研磨テーブルの回転方向を変更できる。
【0015】
本発明の第2の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、
前記第1研磨装置、前記第2研磨装置、前記第3研磨装置および前記第4研磨装置は、一列に並んで配置されており、
前記第1研磨装置のトップリングの揺動中心と前記第2研磨装置のトップリングの揺動中心との間の距離は、前記第1研磨装置の研磨テーブルの回転中心と前記第2研磨装置の研磨テーブルの回転中心との間の距離より短く、
前記第3研磨装置のトップリングの揺動中心と前記第4研磨装置のトップリングの揺動中心との間の距離は、前記第3研磨装置の研磨テーブルの回転中心と前記第4研磨装置の研磨テーブルの回転中心との間の距離より短い。
【0016】
このような態様によれば、第2研磨装置のトップリングの揺動範囲と第3研磨装置のトップリングの揺動範囲との間の間隔が広がるため、装置中央に搬送ロボットの配置スペースを確保して、装置の小型化を実現することが可能となる。
【0017】
本発明の第3の態様に係る基板処理装置は、第1または2の態様に係る基板処理装置であって、
前記補助ユニットは、研磨パッドに研磨液またはドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズルと、研磨パッドの研磨面のドレッシングを行うためのドレッシング装置と、液体と気体の混合気体または液体を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザと、研磨パッドの表面温度を調整する研磨パッド温調スライダのうちのいずれか1つまたは2つ以上である。
【0018】
本発明の第4の態様に係る基板処理装置は、第1~3のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、
前記補助ユニット取付部は、前記補助ユニットの揺動軸または支柱を通すための、架台に開けられた穴、または前記補助ユニットの揺動軸または支柱を取り付けるための、架台に設けられた台座を含む。
【0019】
本発明の第5の態様に係る基板処理装置は、第1~4のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、
前記研磨テーブルの周囲には、前記補助ユニットを洗浄するユニット洗浄機構が、前記直線に対して左右対称の位置に設けられている。
【0020】
このような態様によれば、研磨テーブルの回転方向に応じて、補助ユニットの配置を左右対称に切り替えた場合であっても、同じ条件で補助ユニットを洗浄することが可能である。
【0021】
本発明の第6の態様に係る基板処理装置は、第1~5のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、
前記研磨テーブルのうち、前記研磨テーブルの回転中心から第1距離だけ離れた位置には、第1終点検知センサを取り付けるための第1終点検知センサ取付穴が形成されており、前記研磨テーブルの回転中心から前記第1距離とは異なる第2距離だけ離れた位置には、第2終点検知センサを取り付けるための第2終点検知センサ取付穴が形成されており、
前記第1終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上に定められた回転中心を通る1つの研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されており、前記第2終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されている。
【0022】
本発明の第7の態様に係る基板処理装置は、第1~5のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、
前記研磨テーブルのうち、前記研磨テーブルの回転中心から第1距離だけ離れた位置には、第1終点検知センサを取り付けるための第1終点検知センサ取付穴が形成されており、前記研磨テーブルの回転中心から前記第1距離とは異なる第2距離だけ離れた位置には、第2終点検知センサを取り付けるための第2終点検知センサ取付穴が形成されており、
前記第1終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上に定められた回転中心を通る1つの研磨テーブル上基準線に対して左右対称の位置に1つずつ形成されており、前記第2終点検知センサ取付穴は、前記研磨テーブル上基準線上に1つだけ形成されている。
【0023】
本発明の第8の態様に係る基板処理装置は、第6または7の態様に係る基板処理装置であって、
前記第1終点検知センサおよび第2終点検知センサは、光学式の終点検知センサまたは渦電流式の終点検知センサである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、研磨装置ごとに研磨テーブルの回転方向を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の一実施の形態における基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す基板処理装置を洗浄部側から見た側面図である。
図3図3は、図1に示す基板処理装置の搬送部を示す分解斜視図である。
図4A図4Aは、図1に示す基板処理装置の第1研磨装置を模式的に示す斜視図である。
図4B図4Bは、図1に示す基板処理装置の第1研磨装置を模式的に示す平面図である。
図4C図4Cは、図1に示す基板処理装置の第1研磨装置を模式的に示す平面図である。
図5図5は、図1に示す基板処理装置の搬送ロボットの側面図である。
図6図6は、図1に示す基板処理装置の第1搬送機構を示す斜視図である。
図7図7は、図6に示す第1搬送機構の第1プッシャを示す縦断面図である。
図8図8は、図2に示す洗浄部の第1ウェハステーションを示す斜視図である。
図9図9は、図8に示す第1ウェハステーションの内部構成を示す分解斜視図である。
図10図10は、図2に示す洗浄部の第2ウェハステーションを示す斜視図である。
図11図11は、図10に示す第2ウェハステーションの内部構成を示す分解斜視図である。
図12図12は、図2に示す洗浄部の第1洗浄ユニットの洗浄部搬送機構を示す図である。
図13A図13Aは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図13B図13Bは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図13C図13Cは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図13D図13Dは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図13E図13Eは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図13F図13Fは、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構の動作を説明するための模式図である。
図14図14は、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構が上段のチャックコマにて基板を把持した状態を示す斜視図である。
図15図15は、図12に示す洗浄部搬送機構の第2ウェハ把持機構が下段のチャックコマにて基板を把持した状態を示す斜視図である。
図16A図16Aは、搬送部の動作を説明するための模式図である。
図16B図16Bは、搬送部の動作を説明するための模式図である。
図16C図16Cは、搬送部の動作を説明するための模式図である。
図17A図17Aは、搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図17B図17Bは、搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図17C図17Cは、搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図17D図17Dは、搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図18A図18Aは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18B図18Bは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18C図18Cは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18D図18Dは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18E図18Eは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18F図18Fは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18G図18Gは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18H図18Hは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18I図18Iは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18J図18Jは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18K図18Kは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18L図18Lは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18M図18Mは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18N図18Nは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図18O図18Oは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19A図19Aは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19B図19Bは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19C図19Cは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19D図19Dは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19E図19Eは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19F図19Fは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19G図19Gは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19H図19Hは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19I図19Iは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19J図19Jは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19K図19Kは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19L図19Lは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19M図19Mは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19N図19Nは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19O図19Oは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図19P図19Pは、第1搬送機構の動作を説明するための模式図である。
図20A図20Aは、洗浄部に対する搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図20B図20Bは、洗浄部に対する搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図20C図20Cは、洗浄部に対する搬送ロボットの動作を説明するための模式図である。
図21A図21Aは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図21B図21Bは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図21C図21Cは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図21D図21Dは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図21E図21Eは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図21F図21Fは、第1洗浄ユニットの動作を説明するための模式図である。
図22A図22Aは、第1洗浄ユニットにて異常が発生した場合の動作を説明するための模式図である。
図22B図22Bは、第1洗浄ユニットにて異常が発生した場合の動作を説明するための模式図である。
図22C図22Cは、第1洗浄ユニットにて異常が発生した場合の動作を説明するための模式図である。
図22D図22Dは、第1洗浄ユニットにて異常が発生した場合の動作を説明するための模式図である。
図22E図22Eは、第1洗浄ユニットにて異常が発生した場合の動作を説明するための模式図である。
図23図23は、図1に示す基板処理装置の漏液検知部の一例を示す模式図である。
図24図24は、従来の漏液検知部を示す模式図である。
図25図25は、図1に示す基板処理装置の漏液検知部の変形例を示す模式図である。
図26図26は、図1に示す基板処理装置の漏液検知部の変形例を示す模式図である。
図27図27は、予備洗浄モジュールを有する洗浄部を示す側面図である。
図28A図28Aは、図27の洗浄部の洗浄モジュールへのウェハ搬送動作を説明するための模式図である。
図28B図28Bは、図27の洗浄部の洗浄モジュールへのウェハ搬送動作を説明するための模式図である。
図28C図28Cは、図27の洗浄部の洗浄モジュールへのウェハ搬送動作を説明するための模式図である。
図28D図28Dは、図27の洗浄部の洗浄モジュールへのウェハ搬送動作を説明するための模式図である。
図28E図28Eは、図27の洗浄部の洗浄モジュールへのウェハ搬送動作を説明するための模式図である。
図29A図29Aは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29B図29Bは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29C図29Cは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29D図29Dは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29E図29Eは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29F図29Fは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29G図29Gは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29H図29Hは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図29I図29Iは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の一例を説明するための模式図である。
図30A図30Aは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30B図30Bは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30C図30Cは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30D図30Dは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30E図30Eは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30F図30Fは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30G図30Gは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30H図30Hは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図30I図30Iは、各洗浄モジュールにて複数のウェハを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構の動作の変形例を説明するための模式図である。
図31図31は、パラレル処理におけるデットロックの発生を説明するための模式図である。
図32図32は、第2比較例に係る研磨部の構成を説明するための図である。
図33図33は、第1比較例に係る研磨部の構成を説明するための図である。
図34図34は、本実施の形態に係る研磨部の構成を説明するための図である。
図35図35は、本実施の形態に係る研磨部の構成を説明するための図である。
図36図36は、本実施の形態に係る研磨部の構成を説明するための図である。
図37図37は、本実施の形態に係る終点検知センサ取付穴の配置を説明するための図である。
図38図38は、本実施の形態の一変形に係る終点検知センサ取付穴の配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置の全体構成を示す平面図であり、図2図1に示す研磨装置を洗浄部側から見た側面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態における基板処理装置10は、平面視略矩形状のハウジングを備えており、ハウジングの内部は隔壁によってロード/アンロード部11と研磨部12と洗浄部13と搬送部14とに区画されている。これらのロード/アンロード部11、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気されるものである。また、基板処理装置10には、ロード/アンロード部11、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14の動作を制御する制御部15(制御盤ともいう)が設けられている。
【0028】
<ロード/アンロード部>
ロード/アンロード部11は、多数のウェハ(基板)Wをストックするウェハカセットを載置する複数(図示された例では4つ)のフロントロード部113を備えている。これらのフロントロード部113は、基板処理装置10の幅方向(長手方向と垂直な方向)に隣接して配列されている。フロントロード部113には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。ここで、SMIF、FOUPは、内部にウェハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0029】
また、ロード/アンロード部11には、フロントロード部113の配列方向に沿って走行機構112が敷設されており、この走行機構112上にフロントロード部113の配列方向に沿って移動可能な搬送ロボット111が設置されている。搬送ロボット111は走行機構112上を移動することによってフロントロード部113に搭載されたウェハカセットにアクセスできるようになっている。この搬送ロボット111は上下に2つのハンドを備えており、例えば、ウェハカセットにウェハWを戻すときに上側のハンドを使用し、研磨前のウェハWを搬送するときに下側のハンドを使用して、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。
なお、これに変えて単一のハンドのみでウェハWを搬送するようにしてもよい。
【0030】
ロード/アンロード部11は最もクリーンな状態を保つ必要がある領域であるため、ロード/アンロード部11の内部は、装置外部、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14のいずれよりも高い圧力に常時維持されている。また、搬送ロボット111の走行機構112の上方には、HEPAフィルタやULPAフィルタなどのクリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルや有毒蒸気、ガスが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって吹き出している。
【0031】
<搬送部>
搬送部14は、研磨前のウェハをロード/アンロード部11から研磨部12へと搬送する領域であり、基板処理装置10の長手方向に沿って延びるように設けられている。図1に示すように、搬送部14は、最もクリーンな領域であるロード/アンロード部11と最もダーティな領域である研磨部12の両方に隣接して配置されている。そのため、研磨部12内のパーティクルが搬送部14を通ってロード/アンロード部11内に拡散しないように、後述するように、搬送部14の内部にはロード/アンロード部11側から研磨部12側へと流れる気流が形成されている。
【0032】
搬送部14の構造について詳しく説明する。図3は、搬送部14の内部構成を示す分解斜視図である。図3に示すように、搬送部14は、長手方向に延びるカバー41と、カバー41の内側に配置され、ウェハWを保持するスライドステージ42と、スライドステージ42を長手方向に沿って直線移動させるステージ移動機構43と、カバー41の内側を排気する排気ダクト44と、を有している。
【0033】
カバー41は、底面板と、4つの側面板と、天面板(図3では不図示)とを有している。このうち長手方向の一方の側面板には、ロード/アンロード部11に連通する搬入口41aが形成されている。また、幅方向の一方の側面板のうち搬入口41aとは反対側の端部には、研磨部12に連通する搬出口41bが形成されている。搬入口41aおよび搬出口41bは不図示のシャッタにより開閉可能となっている。ロード/アンロード部11の搬送ロボット111は、搬入口41aからカバー41の内側のスライドステージ42にアクセス可能となっており、研磨部12の搬送ロボット23は、搬出口41bからカバー41の内側のスライドステージ42にアクセス可能となっている。
【0034】
ステージ移動機構43としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダが用いられる。ステージ移動機構43としてロッドレスシリンダを用いる場合には、摺動部からの発塵を防止できるため好ましい。スライドステージ42は、ステージ移動機構43の可動部分に固定されており、ステージ移動機構43から与えられる動力によりカバー41の内側を長手方向に沿って直線移動される。
【0035】
スライドステージ42の外周部には、4本のピンが上向きに突き出すように設けられている。ロード/アンロード部11の搬送ロボット111によりスライドステージ42上に載せられるウェハWは、その外周縁が4本のピンによりガイドされて位置決めされた状態で、スライドステージ42上に支持されるようになっている。これらのピンは、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成されている。
【0036】
排気ダクト44は、カバー41の長手方向の他方の側面板(搬入口41aとは反対側の側面板)に設けられている。搬入口41aが開けられた状態で排気ダクト44により排気が行われることで、カバー41の内側には搬入口41a側から搬出口41b側へと流れる気流が形成される。これにより、研磨部12内のパーティクルが搬送部14を通ってロード/アンロード部11内に拡散することが防止される。
【0037】
<研磨部>
図1に示すように、研磨部12は、ウェハWの研磨が行われる領域であり、第1研磨装置21aと第2研磨装置21bとを有する第1研磨ユニット20aと、第3研磨装置21cと第4研磨装置21dとを有する第2研磨ユニット20bと、搬送部14と第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bのそれぞれに隣接するように配置された研磨部搬送機構22と、を有している。研磨部搬送機構22は、基板処理装置10の幅方向において洗浄部13と第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bとの間に配置されている。
【0038】
第1研磨装置21a、第2研磨装置21b、第3研磨装置21c、および第4研磨装置21dは、基板処理装置10の長手方向に沿って配列されている。第2研磨装置21b、第3研磨装置21c、および第4研磨装置21dは、第1研磨装置21aと同様の構成を有しているので、以下、第1研磨装置21aについて説明する。
【0039】
図4Aは、第1研磨装置21aの全体構成を模式的に示す斜視図である。図4Bは、第1研磨装置21aの全体構成を模式的に示す平面図である。なお、図4Bでは、後述するアトマイザ304Aおよび研磨パッド温調スライダ51の図示が省略されている。
【0040】
図4Aおよび図4Bに示すように、第1研磨装置21aは、研磨面を有する研磨パッド305Aが取り付けられた研磨テーブル300Aと、研磨対象物である半導体ウエハを保持して研磨テーブル300A上の研磨パッド305Aに押圧するトップリング301Aと、研磨中の研磨パッド305Aに対して処理を行う補助ユニット309Aと、を有している。
【0041】
このうち補助ユニット309Aは、研磨パッド305Aに研磨液またはドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズル302Aと、研磨パッド305Aの研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ303Aと、液体と気体の混合気体または液体を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ304Aと、研磨パッド305Aの表面温度を調整する研磨パッド温調スライダ306Aのうちのいずれか1つまたは2つ以上である。
ここで、ノズル、ドレッサ、アトマイザ、スライダが研磨テーブル300Aの周囲にそれぞれひとつのみの場合を説明したが、それぞれ複数あっても良い。あるいはそのシャフトが複数に分岐していても良い。
さらに、研磨パッドへの純水供給ノズル(不図示)等、必要に応じて付加される機器類があれば、それらも含む。
【0042】
研磨テーブル300Aは、テーブル軸を介してその下方に配置される研磨テーブル回転モータ(図示せず)に連結されており、テーブル軸の回りに回転可能になっている。研磨テーブル300Aの上面には研磨パッド305Aが貼付されており、研磨パッド305Aの表面が半導体ウエハを研磨する研磨面を構成している。研磨パッド305Aには、不織布や発泡ウレタン等の市販品を利用してよい。
【0043】
研磨液供給ノズル302Aは、研磨テーブル300Aの上方に設置されており、この研磨液供給ノズル302Aによって研磨テーブル300A上の研磨パッド305Aに研磨液(スラリー)が供給されるようになっている。
【0044】
トップリング301Aは、シャフト311に接続されており、シャフト311は、支持アーム312に対して上下動するようになっている。シャフト311の上下動により、支持アーム312に対してトップリング301Aの全体を上下動させ位置決めするようになっている。シャフト311は、トップリング回転モータ(図示せず)の駆動により回転するようになっている。シャフト311の回転により、トップリング301Aがシャフト311の回りに回転するようになっている。基本的には、トップリング301Aの回転方向は、研磨テーブル300Aの回転方向と同じ方向である。
【0045】
トップリング301Aは、その下面に半導体ウエハを保持できるようになっている。支持アーム312はシャフト313を中心として旋回可能に構成されており、トップリング301Aをウエハ受け渡し位置TP1(図1参照)に旋回させて、ウエハ受け渡し位置TP1に搬送された半導体ウエハを真空吸着する。そして、下面に半導体ウエハを保持したトップリング301Aは、支持アーム312の旋回によりウエハ受け渡し位置TP1から研磨テーブル300Aの上方に移動可能になっている。
【0046】
トップリング301Aの下面に保持された半導体ウエハの中心が、トップリング301Aの揺動中心と研磨テーブル300Aの回転中心とを結ぶ直線La(図4B参照)上に位置決めされた状態で、トップリング301Aは、下面に保持された半導体ウエハを研磨パッド305Aの表面に押圧する。このとき、研磨テーブル300Aおよびトップリング301Aをそれぞれ回転させ、研磨テーブル300Aの上方に設けられた研磨液供給ノズル302Aから研磨パッド305A上に研磨液(スラリー)を供給する。研磨液には砥粒としてシリカ(SiO2)やセリア(CeO2)を含んだ研磨液が用いられる。第1研磨ユニット20aによる研磨ステップは以下のように行われる。研磨液を研磨パッド305A上に供給しつつ、トップリング301Aにより半導体ウエハを研磨パッド305Aに押圧して半導体ウエハと研磨パッド305Aとを相対移動させて半導体ウエハ上の絶縁膜や金属膜等を研磨する。
【0047】
図4Aに示すように、ドレッシング装置303Aは、ドレッサアーム318と、ドレッサアーム318の先端に回転自在に取り付けられたドレッサ317とを備えている。ドレッサ317の下部はドレッシング部材317aにより構成され、ドレッシング部材317aは円形のドレッシング面を有しており、ドレッシング面には硬質な粒子が電着等により固定されている。この硬質な粒子としては、ダイヤモンド粒子やセラミック粒子などが挙げられる。ドレッサアーム318内には、図示しないモータが内蔵されており、このモータによってドレッサ317が回転するようになっている。ドレッサアーム318はシャフト319により支持されている。
【0048】
研磨パッド305Aの表面(研磨面)のドレッシングステップは以下のように行われる。研磨テーブル300Aを回転させるとともに、モータによりドレッサ317を回転させ、次いで昇降機構によりドレッサ317を下降させ、ドレッサ317の下面のドレッシング部材317aを回転する研磨パッド305Aの研磨面に摺接させる。その状態で、ドレッサアーム318を揺動(スイング)させることにより、その先端に位置するドレッサ317は、研磨パッド305Aの研磨面の外周端から中心部まで横切るように移動することができる。この揺動動作により、ドレッシング部材317aは研磨パッド305Aの研磨面をその中心を含む全体に亘ってドレッシングすることができる。
【0049】
図4Aに示すように、アトマイザ304Aは、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして1または複数のノズルから研磨パッド305Aに噴射するユニットである。アトマイザ304Aは、研磨パッド305Aの上方に配置され、研磨パッド305Aの表面(研磨面)と平行に研磨パッド305Aの略半径方向に延びるように配置されている。
【0050】
図4Aに示すアトマイザ304Aによる研磨パッド305Aの洗浄工程(研磨パッドクリーニング)は以下のように行われる。研磨テーブル300Aを回転させながら、1または複数のノズルから液体と気体の混合流体または液体を研磨パッド305Aに噴射することにより、研磨パッド上の異物(凝集した砥粒や研磨屑など)を取り除く。
【0051】
図4Aに示すように、研磨パッド温調スライダ306Aは、研磨パッド305Aの表面に接触するパッド接触部材51と、パッド接触部材51に温度調整された液体を供給する液体供給システム52と、を有している。パッド接触部材51の内部には、液体供給システム52から供給される液体が通る液体流路が形成されている。
【0052】
パッド接触部材51は、移動機構51aに連結されている。移動機構51aは、パッド接触部材51を移動させるものであり、パッド接触部材51をスライドさせるスライド機構と、パッド接触部材51を昇降させる昇降機構等を有する。パッド接触部材51は、移動機構51aによって、研磨パッド22上をスライドする。パッド接触部材51内部を通る液体の熱量を、パッド接触部材51の表面を介して研磨パッド305Aに伝えることにより、研磨パッド305Aの表面温度を調整する。
【0053】
図4Bに示すように、研磨テーブル300Aの周囲には、補助ユニット309Aを、トップリング301Aの揺動中心(すなわち揺動軸313の中心)と研磨テーブル300Aの回転中心とを結ぶ直線Laに対して左右切替可能に取り付けるための一対の補助ユニット取付部501a、501bおよび502a、502bが、当該直線Laに対して左右対称の位置(すなわち直線Laを対称の軸として鏡像対称の位置)に設けられている。
【0054】
図示された例では、研磨液供給ノズル302Aを直線Laに対して左右対称に取り付けるための一対の研磨液供給ノズル取付部501a、501bが、直線Laに対して左右対称の位置に設けられている。また、ドレッシング装置303aを直線Laに対して左右対称に取り付けるための一対のドレッシング装置取付部502a、502bが、直線Laに対して左右対称の位置に設けられている。
【0055】
図4Bに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向上流側に研磨液を供給する必要があるから、研磨液供給ノズル302Aは、第1研磨液供給ノズル取付部501aに取り付けられる。また、ドレッシング装置303aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向下流側でドレッシングを行う必要があるから、ドレッシング装置303aは、第1ドレッシング装置取付部502aに取り付けられる。
【0056】
他方、図4Cに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向上流側に研磨液を供給する必要があるから、研磨液供給ノズル302Aは、第2研磨液供給ノズル取付部501bに取り付けられる。また、ドレッシング装置303Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向下流側でドレッシングを行う必要があるから、ドレッシング装置303aは、第2ドレッシング装置取付部502bに取り付けられる。
【0057】
同様に、アトマイザ304Aを直線Laに対して左右対称に取り付けるための一対のアトマイザ取付部(不図示)が、直線Laに対して左右対称の位置に設けられていてもよい。また、研磨パッド温調スライダ306Aを直線Laに対して左右対称に取り付けるための一対の研磨パッド温調スライダ取付部(不図示)が、直線Laに対して左右対称の位置に設けられていてもよい。このうち補助ユニット309Aは、研磨パッド305Aに研磨液またはドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズル302Aと、研磨パッド305Aの研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ303Aと、液体と気体の混合気体または液体を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ304Aと、研磨パッド305Aの表面温度を調整する研磨パッド温調スライダ306Aのうちのいずれか1つまたは2つ以上である。さらに、研磨パッドへの純水供給ノズル(不図示)等、必要に応じて付加される機器類があれば、それらも直線Laに対して左右対称の位置に設けられていてもよい。
【0058】
一変形として、一対の補助ユニット取付部501a、501bは、異なる種類の補助ユニット309A(たとえば研磨液供給ノズル302Aとアトマイザ304A)を左右切り替えて(位置を左右で交換して)取り付けるために使用されてもよい。具体的には、たとえば、図4Bに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aが、第1補助ユニット取付部501aに取り付けられ、アトマイザ304Aが、第2補助ユニット取付部501bに取り付けられてもよく、図4Cに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aが、第2補助ユニット取付部501bに取り付けられ、アトマイザ304Aが、第1補助ユニット取付部501aに取り付けられてもよい。この場合、補助ユニット取付部501a、501bの数を減らすことができ、機構を簡略化できる。
【0059】
図示された例では、補助ユニット取付部501a、501bおよび502a、502bは、補助ユニット509Aの揺動軸または支柱を通すための、架台(不図示)に開けられた穴であるが、これに限定されるものではなく、たとえば、補助ユニット309Aの揺動軸または支柱を取り付けるための、架台に設けられた台座、冶具、溝、突起、壁などであってもよい。なお、図4Bを参照し、見栄えとメンテナンス性改善のため、一方の補助ユニット取付部(図示された例では符号501a、502aの補助ユニット取付部)に補助ユニット509Aの揺動軸または支柱が係合されている場合には、他方の補助ユニット取付部(図示された例では符号501b、502bの補助ユニット取付部)は、着脱可能なカバー(不図示)で覆われて目隠しされていてもよい。
【0060】
研磨テーブル300Aの周囲には、補助ユニット309Aを洗浄するユニット洗浄機構(不図示)が、直線Laに対して左右対称の位置に設けられていてもよい。これにより、研磨テーブル300Aの回転方向に応じて、補助ユニット309Aの配置を左右対称に切り替えた場合であっても、同じ条件で補助ユニット309Aを洗浄することが可能である。
【0061】
また、研磨テーブル300Aの周囲には、補助ユニット309Aのメンテナンス時に利用されるメンテナンススペースが、直線Laに対して左右対称に設けられていてもよいし、補助ユニット309Aの冶具を取り付けるための冶具取付スペースが、直線Laに対して左右対称に設けられていてもよい。また、研磨テーブル300Aの周囲には、補助ユニット309Aに接続する配管または配線(不図示)が、直線Laに対して左右対称の位置に設けられていてもよい。
【0062】
図37に示すように、研磨テーブル300Aのうち、研磨テーブル300Aの回転中心から第1距離r1だけ離れた位置には、第1終点検知センサ(不図示)を取り付けるための第1終点検知センサ取付穴1a、1bが形成されており、研磨テーブル300Aの回転中心から第1距離r1とは異なる第2距離r2だけ離れた位置には、第2終点検知センサ(不図示)を取り付けるための第2終点検知センサ取付穴2a、2bが形成されていてもよい。第1終点検知センサおよび第2終点検知センサは、光学式の終点検知センサであってもよいし、渦電流式の終点検知センサであってもよい。
【0063】
一例として、図37に示すように、第1終点検知センサ取付穴1a、1bが、研磨テーブル300A上に定められた回転中心を通る1つの直線Lb(以下、研磨テーブル上基準線という)に対して左右対称の位置に1つずつ形成されており、第2終点検知センサ取付穴2a、2bが、当該研磨テーブル上基準線Lbに対して左右対称の位置に1つずつ形成されていてもよい。これにより、第1終点検知センサ(不図示)の取り付け位置は、研磨テーブル上基準線Lbに対して左右対称に切替可能となり、第2終点検知センサ(不図示)の取り付け位置も、当該研磨テーブル上基準線Lbに対して左右対称に切替可能となる。
【0064】
たとえば、図37を参照し、研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する場合には、一方の第1終点検知センサ取付穴1aに第1終点検知センサ(不図示)が取り付けられ、一方の第2終点検知センサ取付穴2aに第2終点検知センサ(不図示)が取り付けられる。これにより、研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する際に、第2終点検知センサ取付穴2aに取り付けられた第2終点検知センサは、第1終点検知センサ取付穴1aに取り付けられた第1終点検知センサに対して角度θだけ遅れたタイミングで、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過することになる。
【0065】
他方、図37を参照し、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合には、他方の第1終点検知センサ取付穴1bに第1終点検知センサ(不図示)が取り付けられ、他方の第2終点検知センサ取付穴2bに第2終点検知センサ(不図示)が取り付けられる。これにより、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する際に、第2終点検知センサ取付穴2bに取り付けられた第2終点検知センサは、第1終点検知センサ取付穴1bに取り付けられた第1終点検知センサに対して角度θだけ遅れたタイミングで、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過することになる。
【0066】
すなわち、研磨テーブル300Aの回転方向に応じて、第1終点検知センサおよび第2終点検知センサの取り付け位置を、研磨テーブル上基準線Lbに対して左右対称に切り替えることで、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合に、第1終点検知センサおよび第2終点検知センサを、反時計回りCCWに回転する場合と同じ順序およびタイミングにて、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過させることが可能となる。これにより、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合と反時計回りCCWに回転する場合との間で、終点検知精度にバラツキが生じることを抑制できる。
【0067】
一変形例として、図38に示すように、第2終点検知センサ取付穴2が、研磨テーブル上基準線Lb上に1つだけ形成されていてもよい。この単一の第2終点検知センサ取付穴2には、第2終点検知センサ(不図示)が着脱不能に取り付けられていてもよい。
【0068】
たとえば、図38を参照し、研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する場合には、一方の第1終点検知センサ取付穴1aに第1終点検知センサ(不図示)が取り付けられる。これにより、研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する際に、第1終点検知センサ取付穴1aに取り付けられた第1終点検知センサは、第2終点検知センサ取付穴2に取り付けられた第2終点検知センサに対して角度θだけ遅れたタイミングで、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過することになる。
【0069】
他方、図38を参照し、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合には、他方の第1終点検知センサ取付穴1bに第1終点検知センサ(不図示)が取り付けられる。これにより、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する際に、第1終点検知センサ取付穴1bに取り付けられた第1終点検知センサは、第2終点検知センサ取付穴2に取り付けられた第2終点検知センサに対して角度θだけ遅れたタイミングで、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過することになる。
【0070】
すなわち、研磨テーブル300Aの回転方向に応じて、第1終点検知センサの取り付け位置を、研磨テーブル上基準線Lbに対して左右対称に切り替えることで、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合に、第1終点検知センサおよび第2終点検知センサを、反時計回りCCWに回転する場合と同じ順序およびタイミングにて、トップリング301Aに保持されたウエハと対向する位置を通過させることが可能となる。これにより、研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合と反時計回りCCWに回転する場合との間で、終点検知精度にバラツキが生じることを抑制できる。また、図37に示す態様に比べて、第2終点検知センサ取付穴の数を減らすことができるため、コスト削減およびプロセスへのリスク低減になる。
【0071】
図34に示すように、本実施の形態に係る研磨部12では、第1研磨装置21a、第2研磨装置21b、第3研磨装置21cおよび第4研磨装置21dが、基板処理装置10の長手方向に沿って、この順に一列に並んで配置されている。
【0072】
そして、図34に示すように、第1研磨装置21aのトップリングの揺動中心と第2研磨装置21bのトップリングの揺動中心との間の距離Da1は、第1研磨装置21aの研磨テーブルの回転中心と第2研磨装置21bの研磨テーブルの回転中心との間の距離Da2より短くなっている。同様に、第3研磨装置21cのトップリングの揺動中心と第4研磨装置21dのトップリングの揺動中心との間の距離Db1は、第3研磨装置21cの研磨テーブルの回転中心と第4研磨装置21dの研磨テーブルの回転中心との間の距離Db2より短くなっている。
【0073】
ここで第1比較例として、図33に示すように、第1研磨装置21aのトップリングの揺動中心と第2研磨装置21bのトップリングの揺動中心との間の距離Da1が、第1研磨装置21aの研磨テーブルの回転中心と第2研磨装置21bの研磨テーブルの回転中心との間の距離Da2と等しく、第3研磨装置21cのトップリングの揺動中心と第4研磨装置21dのトップリングの揺動中心との間の距離Db1が、第3研磨装置21cの研磨テーブルの回転中心と第4研磨装置21dの研磨テーブルの回転中心との間の距離Db2と等しい配置を考える。この場合、搬送ロボット23の動作範囲23Aと、搬送ロボット23の近傍に位置する研磨装置(図示された例では第2研磨装置21b)のトップリングの揺動範囲21bAとは、この図においては一部重なることになり、搬送ロボット23の配置スペースを装置中央に十分確保することができず、場合によっては装置が大型化するという問題がある。
【0074】
これに対し、本実施の形態によれば、図34に示すように、第2研磨装置21bのトップリングの揺動範囲と第3研磨装置21dのトップリングの揺動範囲との間の距離が広がるため、装置中央に搬送ロボット23の配置スペースを確保して、装置の小型化を実現することが可能となっている。
【0075】
また、第2比較例として、図32に示すように、第1研磨装置21aと第2研磨装置21bのレイアウトがミラーリング(互いに左右対称に配置)され、第3研磨装置21cと第4研磨装置21dのレイアウトがミラーリングされているが、第1~第4研磨装置21a~21dの研磨テーブルの周囲に、上述した一対の補助ユニット取付部501a、501bおよび502a、502bが設けられていない構成を考える。この場合、第2研磨装置21bのトップリングの揺動範囲21bAと第3研磨装置21cのトップリングの揺動範囲21cAとの間の間隔が広がるため、装置中央に搬送ロボット23の配置スペースを確保して、装置の小型化を実現することが可能となる。しかしながら、図32に示すように、ミラーリング配置により、各研磨装置21a~21dの研磨テーブルの回転方向を、隣り合う研磨装置21a~21d間で逆向きにする必要がある。図示された例では、第1研磨装置21aおよび第3研磨装置21cの研磨テーブルの回転方向が時計回りCWとなっており、第2研磨装置21bおよび第4研磨装置21dの研磨テーブルの回転方向が反時計回りCCWとなっている。このように、各研磨装置21a~21dの研磨テーブルの回転方向が異なっていると、プロセスに影響する場合がある。
【0076】
これに対し、本実施の形態によれば、図34図4B図4Cに示すように、各研磨装置21a~21dにおいて、一対の補助ユニット取付部501a、501bおよび502a、502bが、トップリング301Aの揺動中心と研磨テーブル300Aの回転中心とを結ぶ直線Laに対して左右対称の位置に設けられているため、研磨中の研磨パッド305Aに対して処理を行う補助ユニット309Aの配置を、研磨テーブル300Aの回転方向に応じて、前記直線Laに対して左右対称に切り替えることが可能である。
【0077】
具体的には、たとえば、図4Bに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが時計回りCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向上流側に研磨液を供給する必要があるから、研磨液供給ノズル302Aは、第1研磨液供給ノズル取付部501aに取り付けられ、ドレッシング装置303aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向下流側でドレッシングを行う必要があるから、ドレッシング装置303aは、第1ドレッシング装置取付部502aに取り付けられる。他方、図4Cに示すように、上方から見て研磨テーブル300Aが反時計回りCCWに回転する場合には、研磨液供給ノズル302Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向上流側に研磨液を供給する必要があるから、研磨液供給ノズル302Aは、第2研磨液供給ノズル取付部501bに取り付けられ、ドレッシング装置303Aはトップリング301Aに保持されたウエハよりも回転方向下流側でドレッシングを行う必要があるから、ドレッシング装置303aは、第2ドレッシング装置取付部502bに取り付けられる。
【0078】
これにより、プロセスに影響する、研磨テーブル300Aの回転方向とトップリング301Aに保持されたウエハと補助ユニット309Aとの相対位置関係を一定に維持したまま、研磨装置21a~21dごとに研磨テーブルの回転方向を適宜変更することができる。
【0079】
一例として、図35に示すように、第1研磨装置21aおよび第4研磨装置21dの研磨テーブルの回転方向を同一方向(図示された例では時計方向CW)に揃え、第2研磨装置21bおよび第3研磨装置21cの研磨テーブルの回転方向を同一方向(図示された例では反時計方向CCW)に揃えてもよい。この場合、搬送部14から搬送されてくるウエハが、装置中央の搬送ロボット23により第1研磨ユニット20aと第2研磨ユニット20bに振り分けられ、各研磨ユニットの2台の研磨装置にて順番に(連続して)ウエハの研磨が行われてから、装置中央の搬送ロボット23を介して洗浄部13へと搬送される基板処理ステップにおいて、第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第1研磨装置21a、第2研磨装置21bの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第4研磨装置21d、第3研磨装置21cの順番で研磨を行うことにより、第1研磨ユニット20aに振りけられたウエハと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハとを、互いに同じ条件にて研磨することができる。また、第1研磨ユニット20aで研磨されたウエハは、装置中央側の第2研磨装置21bから搬送ロボット23により洗浄部13へと搬送され、第2研磨ユニット20bで研磨されたウエハは、装置中央側の第3研磨装置21cから搬送ロボット23により洗浄部13へと搬送されるため、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることができる。研磨液は短時間で乾燥して固まってしまう傾向があるため、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることにより、洗浄部13での洗浄効率にバラツキが生じることを抑制できる。
【0080】
図35に示す例において、装置中央の搬送ロボット23により第1研磨ユニット20aと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウェハが、各研磨ユニットの2台の研磨装置にて順番に(連続して)研磨される際に、第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第2研磨装置21b、第1研磨装置21aの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第3研磨装置21c、第4研磨装置21dの順番で研磨を行ってもよい。この場合も、第1研磨ユニット20aに振りけられたウエハと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハとを、互いに同じ条件にて研磨することができる。また、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることができため、洗浄部13での洗浄効率にバラツキが生じることを抑制できる。
【0081】
別の一例として、図36に示すように、第1~第4研磨装置21a~21dの研磨テーブルの回転方向をすべて同一方向(図示された例では時計方向CW)に揃えてもよい。この場合も、搬送部14から搬送されてくるウエハが、装置中央の搬送ロボット23により第1研磨ユニット20aと第2研磨ユニット20bに振り分けられ、各研磨ユニットの2台の研磨装置にて順番に(連続して)ウエハの研磨が行われてから、装置中央の搬送ロボット23を介して洗浄部13へと搬送される基板処理ステップにおいて、第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第1研磨装置21a、第2研磨装置21bの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第4研磨装置21d、第3研磨装置21cの順番で研磨を行うことにより、第1研磨ユニット20aに振りけられたウエハと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハとを、互いに同じ条件にて研磨することができる。また、第1研磨ユニット20aで研磨されたウエハは、装置中央側の第2研磨装置21bから搬送ロボット23により洗浄部13へと搬送され、第2研磨ユニット20bで研磨されたウエハは、装置中央側の第3研磨装置21cから搬送ロボット23により洗浄部13へと搬送されるため、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることができる。研磨液は短時間で乾燥して固まってしまう傾向があるため、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることにより、洗浄部13での洗浄効率にバラツキが生じることを抑制できる。
【0082】
図36に示す例において、装置中央の搬送ロボット23により第1研磨ユニット20aと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウェハが、各研磨ユニットの2台の研磨装置にて順番に(連続して)研磨される際に、第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第2研磨装置21b、第1研磨装置21aの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第3研磨装置21c、第4研磨装置21dの順番で研磨を行ってもよい。この場合も、第1研磨ユニット20aに振りけられたウエハと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハとを、互いに同じ条件にて研磨することができる。また、各研磨ユニット20a、20bでの研磨が終了してから、搬送ロボット23により洗浄部13へと搬入されるまでの時間を揃えることができため、洗浄部13での洗浄効率にバラツキが生じることを抑制できる。
【0083】
また、図36に示す例において、装置中央の搬送ロボット23により第1研磨ユニット20aと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウェハが、各研磨ユニットの2台の研磨装置にて順番に(連続して)研磨される際に、(A)第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第1研磨装置21a、第2研磨装置21bの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第3研磨装置21c、第4研磨装置21dの順番で研磨を行ってもよいし、(B)第1研磨ユニット20aに振り分けられたウエハについては第2研磨装置21b、第1研磨装置21aの順番で研磨を行い、第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハについては第4研磨装置21d、第3研磨装置21cの順番で研磨を行ってもよい。(A)または(B)の場合も、第1研磨ユニット20aに振りけられたウエハと第2研磨ユニット20bに振り分けられたウエハとを、互いに同じ条件にて研磨することができる。
【0084】
研磨時にはスラリを使用することを考えるとわかるように、研磨部12は最もダーティな(汚れた)領域である。したがって、本実施形態では、研磨部12内のパーティクルが外部に飛散しないように、第1研磨装置21a、第2研磨装置21b、第3研磨装置21c、および第4研磨装置21dの各研磨テーブルの周囲から排気が行われており、研磨部12の内部の圧力を、装置外部、周囲の洗浄部13、ロード/アンロード部11、および搬送部14よりも負圧にすることでパーティクルの飛散を防止している。また、通常、研磨テーブルの下方には排気ダクト(図示せず)が、上方にはフィルタ(図示せず)がそれぞれ設けられ、これらの排気ダクトおよびフィルタを介して清浄化された空気が噴出され、ダウンフローが形成される。
【0085】
図1に示すように、第1研磨装置21aのトップリング25aは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第1基板搬送位置TP1との間を移動し、第1研磨装置21aへのウェハの受け渡しは第1基板搬送位置TP1にて行われる。同様に、第2研磨装置21bのトップリング25bは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第2基板搬送位置TP2との間を移動し、第2研磨装置21bへのウェハの受け渡しは第2基板搬送位置TP2にて行われ、第3研磨装置21cのトップリング25cは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第3基板搬送位置TP3との間を移動し、第3研磨装置21cへのウェハの受け渡しは第3基板搬送位置TP3にて行われ、第4研磨装置21dのトップリング25dは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第4基板搬送位置TP4との間を移動し、第4研磨装置21dへのウェハの受け渡しは第4基板搬送位置TP4にて行われる。
【0086】
研磨部搬送機構22は、第1研磨ユニット20aにウェハWを搬送する第1搬送ユニット24aと、第2研磨ユニット20bにウェハWを搬送する第2搬送ユニット24bと、第1搬送ユニット24aと第2搬送ユニット24bとの間に配置され、搬送部14と第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bとの間のウェハの受け渡しを行う搬送ロボット23とを有している。図示された例では、搬送ロボット23は、基板処理装置10のハウジングの略中央に配置されている。
【0087】
図5は、搬送ロボット23を示す側面図である。図5に示すように、搬送ロボット23は、ウェハWを保持するハンド231と、ハンド231を上下反転させる反転機構234と、ハンドWを支持する伸縮可能なアーム232と、アーム232を上下移動させるアーム上下移動機構およびアーム232を鉛直な軸線周りに回動させるアーム回動機構を含むロボット本体233と、を有している。ロボット本体233は、研磨部14の天井のフレームに対して吊り下がるように取り付けられている。
【0088】
本実施形態では、ハンド231は、図3に示す搬送部14の搬出口41bからスライドステージ42に対してアクセス可能となっている。また、ハンド231は、研磨部12の第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bに対してもアクセス可能となっている。したがって、搬送部14から研磨部12に連続的に搬送されてくるウェハWは、搬送ロボット23により第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bに振り分けられる。
【0089】
第2搬送ユニット24bは、第1搬送ユニット24aと同様の構成を有しているので、以下、第1搬送ユニット24aについて説明する。図6は、第1搬送ユニット24aを示す斜視図である。
【0090】
図6に示すように、第1搬送ユニット24aは、第1研磨装置21aに対する第1基板搬送位置TP1に配置され、上下移動する第1プッシャ51aと、第2研磨装置21bに対する第2基板搬送位置TP2に配置され、上下移動する第2プッシャ51bと、第1基板搬送位置TP1と第2基板搬送位置TP2との間を互いに独立に水平移動する第1ステージ52a、第2ステージ52bおよび第3ステージ52cを有するエクスチェンジャ50と、を有している。
【0091】
このうち第1プッシャ51aは、第1~第3ステージ52a~52cのいずれかに保持されたウェハWを第1研磨装置21aのトップリング25aに受け渡すとともに、第1研磨装置21aにおける研磨後のウェハWを第1~第3ステージ52a~52cのいずれかに受け渡すものである。また、第2プッシャ51bは、第1~第3ステージ52a~52cのいずれかに保持されたウェハWを第2研磨装置21bのトップリング25bに受け渡すとともに、第2研磨装置21bにおける研磨後のウェハWを第1~第3ステージ52a~52cのいずれかに受け渡すものである。このように、第1プッシャ51aおよび第2プッシャ51bは、エクスチェンジャ50と各トップリングとの間でウェハWを受け渡す受け渡し機構として機能する。第2プッシャ51bは、第1プッシャ51aと同様の構造を有しているため、以下の説明では第1プッシャ51aについてのみ説明する。
【0092】
図7は、第1プッシャ51aを示す縦断面図である。図7に示すように、第1プッシャ51aは、第1研磨装置21aのトップリングを保持するためのガイドステージ331と、ウェハWを保持するプッシュステージ333とを備えている。ガイドステージ331の最外周には、トップリングガイド337が4個設置されている。トップリングガイド337の上段部338はトップリングの(ウェハWの外周を囲む不図示の)ガイドリングの下面とのアクセス部である。上段部338にはトップリングを導入するためのテーパ(25°~35°ぐらいが好ましい)が形成されている。ウェハロード・アンロード時は直接トップリングガイド337でウェハエッジを受ける。
【0093】
ガイドステージ331の裏面には防水機能を持ったガイドスリーブ340が設置されている。ガイドスリーブ340の内側にはプッシャの防水のためのセンタスリーブ341が設置されている。
【0094】
トップリングガイド337に位置合わせ機構を持たせるため、水平なX軸およびY軸方向に移動してガイドステージ331のセンタリングを行うリニアウェイ346を配置している。ガイドステージ331はリニアウェイ346に固定されている。このリニアウェイ346は加圧することにより中心位置に復帰可能な構造となっている。この構造によりガイドステージ331のセンタリングが実現される。あるいは、リニアウェイ346内部のスプリングだけで、加圧することなく中心位置に復帰可能となっている。
【0095】
また、リニアウェイ346はシャフト330に固定されており、このシャフト330は、電動アクチュエータ347に連結されている。電動アクチュエータ347の駆動により、シャフト330を介してガイドステージ331が上下動するようになっている。これにより、後述で説明するエクスチェンジャのステージ52a~52cからウェハWを受け取る際に予備動作としてガイドステージ331を各ステージ毎のクリアランスを最適に保つ高さに待機させることができるので受け取り動作に要する時間を短縮できる。
【0096】
プッシュステージ333はガイドステージ331の上方に配置されており、プッシュステージ333の中心にはガイドステージ331に対してプッシュステージ333を上下動させるシリンダ349が設けられている。プッシュステージ333はシリンダ349によって上下移動し、トップリングへウェハWをロードする。本実施の形態では、プッシュステージ333がシリンダ349により駆動されることで、プッシュステージ333を所望の高さ位置に位置決めすることができる。プッシュステージ333の端には位置決めのための圧縮ばね351が配置されている。
【0097】
なお、プッシャに付着したスラリなどからウェハへの逆汚染を防止するため、汚れを洗浄するための洗浄ノズルが別途設置される。プッシャ上のウェハ有無を確認するためのウェハ有無センサが別途設置される場合もある。
【0098】
図6に示すように、エクスチェンジャ52aは、上下多段に配置された第1ステージ52a、第2ステージ52bおよび第3ステージ52cを有している。図示された例では、第1ステージ52aが下段に配置され、第2ステージ52bが中段に配置され、第3ステージ52cが上段に配置されている。第1ステージ52a、第2ステージ52bおよび第3ステージ52cは、平面視において第1基板搬送位置TP1と第2基板搬送位置TP2とを通過する同一の軸線上を移動するが、設置される高さが異なっているため、互いに干渉することなく自由に移動可能となっている。
【0099】
図6に示すように、第1ステージ52aには、第1ステージ52aを一軸方向に直線移動させる第1ステージ駆動機構54aが設けられており、第2ステージ52bには、第2ステージ52bを前記一軸方向に直線移動させる第2ステージ駆動機構54bが設けられており、第3ステージ52cには、第3ステージ52cを前記一軸方向に直線移動させる第3ステージ駆動機構54cが設けられている。第1~第3ステージ駆動機構54a~54cとしては、例えば電動アクチュエータまたはボールねじを用いたモータ駆動機構が用いられる。第1~第3ステージ52a~52cは、それぞれ異なる第1~第3ステージ駆動機構54a~54cから動力を受けることで、それぞれ異なるタイミングで異なる方向に移動可能となっている。
【0100】
第2ステージ52bおよび第3ステージ52cは、第1ステージ52aと同様の構成を有しているので、以下、第1ステージ52aについて説明する。
【0101】
図6に示すように、第1ステージ52aは、第1ステージ駆動機構54aによる直線移動方向の一方側(図6における右奥側)が開口した平面視「コ」字形状を有している。そのため、第1ステージ52aが第1基板搬送位置TP1に配置された時、第1プッシャ51aは、第1ステージ52aの内側を通過するように上下移動可能となっている。また、第1ステージ52aは、第1ステージ52aの内側を第1プッシャ51aが通過した状態であっても直線移動方向の他方側(図6における左手前側)に移動可能となっている。
【0102】
図示は省略するが、第1ステージ52aには、4本のピンが上方に突き出すように設けられている。そのため、第1ステージ52a上に載せられるウェハは、その外周縁が4本のピンによりガイドされて位置決めされた状態で、第1ステージ52a上に支持されるようになっている。これらのピンは、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成されている。
【0103】
次に、上述のように構成された第1プッシャ51aおよびエクスチェンジャ50の動作の一例を説明する。
【0104】
まず、ウェハロード時には、第1プッシャ51aの上方にエクスチェンジャ50の第1ステージ52aによってウェハWが搬送される。第1研磨装置21aのトップリング25aが第1プッシャ51aの上方のウェハロード位置(第1基板搬送位置TP1)にあってウェハWを保持していないとき、電動アクチュエータ347よりガイドステージ331周りの構成品一式が上昇していく。上昇途中でガイドステージ331は第1ステージ52aの内側を通過する。このとき、ガイドステージ331は通過と同時にウェハWをトップリングガイド337のテーパにて求芯し、プッシュステージ333によりウェハWの(エッジ以外の)パターン面を保持する。
【0105】
プッシュステージ333がウェハWを保持したままトップリングガイド337は停止することなく上昇していき、トップリングガイド337のテーパ(不図示)によってガイドリングを呼び込む。X,Y方向に自在に移動可能なリニアウェイ346による位置合わせでトップリングに求芯し、トップリングガイド337の上段部338がガイドリング下面と接触することでガイドステージ331の上昇は終了する。
【0106】
ガイドステージ331は、トップリングガイド337の上段部338がガイドリング下面に接触して固定されることで、それ以上上昇することはない。このとき、プッシュステージ333はシリンダ349によりさらに上昇される。このとき、プッシュステージ333はウェハWの(エッジ以外の)パターン面を保持し、トップリングまでウェハWを搬送する。トップリングがウェハWの吸着を完了すると、第1プッシャ51aは下降を開始し、下降終了で動作が完了する。
【0107】
なお、本実施の形態では、第1ステージ52aが直線移動方向の一方側(図6における右奥側)が開口した平面視「コ」字形状を有しているため、第1プッシャ51aが下降を開始する前であっても、直線移動方向の他方側(図6における左手前側)に移動可能である。したがって、第1ステージ52aを移動させる際に第1プッシャ51aが下降するのを待つ必要がなくなり、プロセスのスループットが向上する。
【0108】
次に、ウェハアンロード時には、第1プッシャ51a上方のウェハアンロード位置にトップリングによってウェハWが搬送される。エクスチェンジャ50の第1ステージ52aが第1プッシャ51aの上方にあってウェハを搭載していないとき、電動アクチュエータ347によりガイドステージ331周りの構成品一式が上昇し、トップリングガイド337のテーパ(不図示)によってガイドリングを呼び込む。ガイドステージ331はリニアウェイ346による位置合わせにてトップリングに求芯し、トップリングガイド337の上段部338がガイドリングの下面と接触することでガイドステージ331の上昇は終了する。
【0109】
次いで、トップリングよりウェハWがリリースされる。このとき、トップリングガイド337の下段テーパによってウェハWは求芯され、トップリングガイド337にエッジ部が保持される。ウェハWが第1プッシャ51aに保持されると、第1プッシャ51aは下降を開始する。下降の際、トップリング求芯のためセンタ位置を移動していたガイドステージ331はガイドスリーブ340とセンタスリーブ341によりセンタリングされる。下降の途中で第1プッシャ51aより第1ステージ52aにウェハWのエッジ部で受け渡され、下降終了で動作が完了する。
【0110】
<洗浄部>
図1及び図2に示すように、洗浄部13は、研磨後のウェハを洗浄する領域であり、上下二段に配置された第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30bを有している。上述した搬送部14は、第1洗浄ユニット30aと第2洗浄ユニット30bとの間に配置されている。第1洗浄ユニット30aと搬送部14と第2洗浄ユニット30bとが上下方向に重なるように配列されているため、フットプリントが小さいという利点が得られる。
【0111】
図1および図2に示すように、第1洗浄ユニット30aは、複数(図示された例では4つ)の洗浄モジュール311a、312a、313a、314aと、ウェハステーション33aと、各洗浄モジュール311a~314aとウェハステーション33aとの間にてウェハWを搬送する洗浄部搬送機構32aとを有している。複数の洗浄モジュール311a~314aとウェハステーション33aとは、基板処理装置10の長手方向に沿って直列に配置されている。各洗浄モジュール311a~314aの上部には、クリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって吹き出している。また、第1洗浄ユニット30aの内部は、研磨部12からのパーティクルの流入を防止するために研磨部12よりも高い圧力に常時維持されている。
【0112】
同様に、第2洗浄ユニット30bは、複数(図示された例では4つ)の洗浄モジュール311b、312b、313b、314bと、ウェハステーション33bと、各洗浄モジュール311b~314bとウェハステーション33bとの間にてウェハWを搬送する洗浄部搬送機構32bとを有している。複数の洗浄モジュール311b~314bとウェハステーション33bとは、基板処理装置10の長手方向に沿って直列に配置されている。各洗浄モジュール311b~314bの上部には、クリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって吹き出している。また、第2洗浄ユニット30bの内部は、研磨部12からのパーティクルの流入を防止するために研磨部12よりも高い圧力に常時維持されている。
【0113】
なお、後述するが(図27図28A図28Eとその関連説明)、予備洗浄モジュール39aと39bをそれぞれ各洗浄モジュール311a~314aと311b~314bに加えて増設してもよい。
【0114】
図8は、第1洗浄ユニット30aのウェハステーション33aを示す斜視図である。図9は、このウェハステーション33aの内部構成を示す分解斜視図である。図8および図9に示すように、ウェハステーション33aは、略直方体形状を有する筐体71と、筐体71の内部に配置され、ウェハWを保持するステージ72と、ステージ72を上下移動させる駆動機構75と、を有している。
【0115】
このうち筐体71は、底面板と、4つの側面板と、天面板とを有している。図9に示すように、4つの側面板のうち研磨部12に対向する側面板の下端部には、研磨部12に連通する搬入口73が形成されている。搬入口73は、不図示のシャッタにより開閉可能となっている。図9に示すように、研磨部12の搬送ロボット23は、搬入口73から筐体71の内側にアクセスすることができる。
【0116】
また、図8に示すように、4つの側面板のうち残りの3つの側面板(すなわち、後述する第1洗浄部搬送機構32aに対向する側面板および左右の側面板)の搬入口73より高い高さ位置には、洗浄部搬送機構32aのアームを通過させるためのアーム通過用開口74が形成されている。ウェハ搬送用開口74は、不図示のシャッタにより開閉可能となっている。図12および図13に示すように、第1洗浄ユニット30aの洗浄部搬送機構32aは、アーム通過用開口74から筐体71の内側にアクセス可能となっている。
【0117】
駆動機構75としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダが用いられる。ステージ72は、駆動機構75の可動部に固定されており、駆動機構75から与えられる動力により、搬入口73に対向する高さ位置とウェハ搬送用開口74に対向する高さ位置との間を上下移動される(図9参照)。
【0118】
ステージ72の外周部には、4本のピン76が上方に突き出すように設けられている。そのため、ステージ72上に載せられるウェハWは、その外周縁が4本のピン76によりガイドされて位置決めされた状態で、ステージ72上に支持されるようになっている。これらのピン76は、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成されている。
【0119】
図10は、第2洗浄ユニット30bのウェハステーション33bを示す斜視図である。図11は、このウェハステーション33bの内部構成を示す分解斜視図である。図10および図11に示すように、ウェハステーション33bは、略直方体形状を有する筐体81と、筐体81の内部に配置され、ウェハWを保持するステージ82と、ステージ82を上下移動させる駆動機構85と、を有している。
【0120】
このうち筐体81は、底面板と、4つの側面板と、天面板とを有している。図11に示すように、4つの側面板のうち研磨部12に対向する側面板の上端部には、研磨部12に連通する搬入口83が形成されている。搬入口83は、不図示のシャッタにより開閉可能となっている。図11に示すように、研磨部12の搬送ロボット23は、搬入口83から筐体81の内側にアクセスすることができる。
【0121】
また、図10に示すように、4つの側面板のうち残りの3つの側面板(すなわち、研磨部12とは反対側の側面板および左右の側面板)の搬入口83より低い高さ位置には、洗浄部搬送機構32bのアームを通過させるためのアーム通過用開口84が形成されている。アーム通過用開口84は、シャッタ87により開閉可能となっている。図11に示すように、第2洗浄ユニット30bの洗浄部搬送機構32bは、アーム通過用開口84から筐体81の内側にアクセス可能となっている。
【0122】
駆動機構85としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダが用いられる。ステージ82は、駆動機構85の可動部に固定されており、駆動機構85から与えられる動力により、搬入口83に対向する高さ位置とウェハ搬送用開口84に対向する高さ位置との間を上下移動される(図11参照)。
【0123】
ステージ82の外周部には、4本のピン86が上方に突き出すように設けられている。そのため、ステージ82上に載せられるウェハは、その外周縁が4本のピン86によりガイドされて位置決めされた状態で、ステージ82上に支持されるようになっている。これらのピン86は、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成されている。
【0124】
第2洗浄ユニット30bの洗浄モジュール311b~314bは、第1洗浄ユニット30aの洗浄モジュール311a~314aと同様の構成を有しているので、以下、第1洗浄ユニット30aの洗浄モジュール311a~314aについて説明する。
【0125】
図1及び図2に示すように、4つの洗浄モジュール311a~314a(以下、1次~4次洗浄モジュールと呼ぶことがある)は、ウェハステーション33aからこの順に直列に配置されている。各洗浄モジュール311a~314aは、それぞれ、不図示の洗浄機と、図13に示すこの洗浄機をカバーする筐体91とを有している。
【0126】
1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aの洗浄機としては、例えば、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させてウェハの表面および裏面に押し付けてウェハの表面および裏面を洗浄するロールタイプの洗浄機を用いることができる。また、3次洗浄モジュール313aの洗浄機としては、例えば、半球状のスポンジを回転させながらウェハに押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。4次洗浄モジュール314aの洗浄機としては、例えば、ウェハの裏面はリンス洗浄することができ、ウェハ表面の洗浄は半球状のスポンジを回転させながら押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。この4次洗浄モジュール314aの洗浄機は、チャックしたウェハを高速回転させるステージを備えており、ウェハを高速回転させることで洗浄後のウェハを乾燥させる機能(スピンドライ機能)を有している。なお、各洗浄モジュール311a~314aの洗浄機において、上述したロールタイプの洗浄機やペンシルタイプの洗浄機に加えて、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプの洗浄機を付加的に設けてもよい。
【0127】
各洗浄モジュール311a~314aの筐体は、ウェハステーション33aの筐体71と同様に、底面板と、4つの側面板と、天面板とを有している。4つの側面板のうち洗浄部搬送機構32aに対向する側面板および左右の側面板には、洗浄部搬送機構32aのアームを通過させるためのアーム通過用開口94が形成されている(図13A図13E参照)。アーム通過用開口94は、シャッタ97により開閉可能となっている。このアーム通過用開口94の高さ位置は、ウェハステーション33aのアーム通過用開口74と同じ高さ位置に形成されている。洗浄部搬送機構32aは、このアーム通過用開口94から筐体91の内側にアクセス可能となっている。
【0128】
第2洗浄ユニット30bの洗浄部搬送機構32bは、第1洗浄ユニット30aの洗浄部搬送機構32aと同様の構成を有しているので、以下、第1洗浄ユニット30aの洗浄部搬送機構32aについて説明する。
【0129】
図12は、第1洗浄ユニット30aの洗浄部搬送機構32aを示す斜視図である。図12に示すように、洗浄部搬送機構32aは、ウェハWをそれぞれ把持する第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602と、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602を複数の洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って直線移動するアーム搬送機構62と、を有している。すなわち、本実施の形態では、ウェハ把持機構601、602の数は、洗浄モジュール311a~314aの数より少なくなっている。
【0130】
本実施の形態では、例えばウェハWの清浄度に応じて第1ウェハ把持機構601と第2ウェハ把持機構602とを使い分けることができる。例えば、1次~4次洗浄モジュール311a~314aのうち洗浄処理前半の1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aでは第1ウェハ把持機構601を使用し、洗浄処理後半の3次洗浄モジュール313aおよび4次洗浄モジュール314aでは第2ウェハ把持機構602を使用することで、洗浄処理後半のウェハWが第1ウェハ把持機構601に接して汚染されることを防止できる。
【0131】
第1ウェハ把持機構601は、より詳しくは、ウェハを把持する開閉可能な一対の第1アーム611と、一対の第1アーム611を上下移動させる第1上下移動機構641と、一対の第1アーム611を開閉方向と平行な回転軸631Aを中心として回動させる第1回動機構631と、一対の第1アーム611を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する第1開閉機構661とを有している。
【0132】
同様に、第2ウェハ把持機構602は、ウェハを把持する開閉可能な一対の第2アーム612と、一対の第2アーム612を上下移動させる第2上下移動機構642と、一対の第2アーム612を開閉方向と平行な回転軸632Aを中心として回動させる第2回動機構632と、一対の第2アーム612を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する第2開閉機構662とを有している。
【0133】
アーム搬送機構62としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構が用いられる。図12に示すように、アーム搬送機構62のボールねじは、洗浄モジュール311a~314aの上方に洗浄モジュール311a~314aの配列方向に延びるように設けられている。
【0134】
アーム搬送機構62のボールねじには、メインフレーム68が取り付けられている。メインフレーム68は、アーム搬送機構62のボールねじから下方に吊り下がるように取り付けられており、洗浄モジュール311a~314aの側面と対向するようになっている。アーム搬送機構62のボールねじに連結されたモータの駆動により、メインフレーム68は洗浄モジュール311a~314aの側面と対向したまま洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って直線移動される。
【0135】
図示された例では、メインフレーム68は、奥行方向(洗浄モジュール311a~314aの配列方向および上下方向の両方に対して垂直な方向)の位置を調整するための奥行方向移動機構67を有している。奥行方向移動機構67としては、例えばラック・アンド・ピニオンを用いたモータ駆動機構が用いられる。奥行方向移動機構67の駆動により、奥行方向におけるメインフレーム68の位置が調整される。
【0136】
第1上下移動機構641および第2上下移動機構642は、メインフレーム68上に設けられている。第1上下移動機構641および第2上下移動機構642としては、例えばボールねじを用いたモータ駆動機構が用いられる。図16に示すように、第1上下移動機構641のボールねじは、メインフレーム68の左端部において上下方向に延びるように取り付けられており、第2上下移動機構642のボールねじは、メインフレーム68の右端部において上下方向に延びるように取り付けられている。
【0137】
第1上下移動機構641のボールねじには、一対の第1アーム611を支持する第1サブフレーム691が取り付けられている。第1サブフレーム691は、メインフレーム68の左側にメインフレーム68と隣り合うように設けられており、洗浄モジュール311a~314aの側面と対向するようになっている。第1上下移動機構641のボールねじに連結されたモータの駆動により、第1サブフレーム691は上下方向に沿って直線移動される。
【0138】
同様に、第2上下移動機構642のボールねじには、一対の第2アーム612を支持する第2サブフレーム692が取り付けられている。第2サブフレーム692は、メインフレーム68の右側にメインフレーム68と隣り合うように設けられており、洗浄モジュール311a~314aの側面と対向できるようになっている。第2上下移動機構642のボールねじに連結されたモータの駆動により、第2サブフレーム692は上下方向に沿って直線移動される。
【0139】
第1サブフレーム691および第2サブフレーム692は、メインフレーム68に対して対称であること以外は、実質的に同様の構造を有しているため、以下では第2サブフレーム692について説明する。
【0140】
図12に示すように、一対の第2アーム612は互いに平行に配置されており、第2アーム612の基端部は、第2サブフレーム692上に回転可能に設けられた回転軸632Aに取り付けられている。また、第2サブフレーム692上には回転軸632Aを中心として一対の第2アーム612を回転させる第2回動機構632が設けられている。第2回動機構632としては、例えばモータ駆動機構が用いられる。この第2回動機構632の回転軸は、リンク部材632Lを介して回転軸632Aに連結されている。第2回動機構632の回転力は、リンク部材632Lを介して回転軸632Aに伝達され、一対の第2アーム612は、回転軸632Aを中心として回転される。
【0141】
また、第2サブフレーム692上には、一対の第2アーム612を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する第2開閉機構662が設けられている。第2開閉機構662としては、例えばエアシリンダが用いられる。第2開閉機構662により一対の第2アーム612が閉じられることにより、一対の第2アーム612はウェハWの周縁部を挟み込んで保持するようになっている。
【0142】
図14は、第2ウェハ把持機構602の一対の第2アーム612が上段のチャックコマ612a、612にてウェハWを把持した状態を示す斜視図である。図15は、第2ウェハ把持機構602の一対の第2アーム612が下段のチャックコマにてウェハWを把持した状態を示す斜視図である。図14および図15に示すように、一対の第2アーム612には、ウェハWの外周部に当接可能なチャックコマ612a、612bが上下二段に設けられている。例えば相対的に清浄度の高いウェハWは上段のチャックコマ612aにて保持され、相対的に清浄度の低いウェハを下段のチャックコマ612bにて保持されることで、下段のチャックコマ612bが清浄度の高いウェハWに接触してこのウェハWが汚染されることを防止できる。
【0143】
次に、図13A図13Eを参照して、一対の第2アーム612の動作の一例を説明する。上述したように各洗浄モジュールは、ウェハWの洗浄中に外部に使用流体が飛散しないように筐体91によって区画されており、筐体91の側面にはアーム通過用開口94が形成されている。アーム通過用開口94には、開閉可能なシャッタ97が設けられている。
【0144】
洗浄後のウェハWを筐体91から取り出す場合には、図13Aに示すように、先端が上向きに向けられた一対の第2アーム612は、アーム搬送機構62の駆動より筐体91に隣接する待機位置へと移動される。本実施の形態では、筐体91のシャッタ97が閉じられていても、一対の第2アーム612の先端を上向きに向けておくことで、一対の第2アーム612を筐体91に隣接する待機位置へと移動させることができる。したがって、ウェハ取り出し作業の開始タイミングを早くすることができ、プロセス全体のスループットが向上させることができる。
【0145】
次に、図13Bおよび図13Cに示すように、第2回動機構632の駆動により、一対の第2アーム612は、回転軸632Aを中心として回動される。図示された例では、一対の第2アーム612は、側面視において回転軸632Aを中心として時計回りに90°回転され、一対の第2アーム612の先端は横向きに向けられる。
【0146】
次に、図13Dに示すように、第2上下駆動機構642の駆動により、一対の第2アーム612は、アーム通過用開口94と同じ高さ位置まで上昇される。このとき、シャッタ97が退避されアーム通過用開口94が開けられる。
【0147】
次に、図13Eに示すように、第2開閉機構662の駆動により、一対の第2アーム612は、互いに近接する方向に閉じられ、アーム通過用開口94を通って筐体91内側に挿入され、筐体91内のウェハWを把持する。そして、図13Fに示すように、ウェハWを把持した一対の第2アーム612は、ステージのピン(不図示)との干渉を回避するために少し上昇したのち、アーム搬送機構62の駆動より次の洗浄モジュールへと移動される。
【0148】
洗浄前のウェハWを筐体91に搬入する場合には、図13A図13Fに示す上述した動作が逆の順序で行われる。すなわち、図13Fに示すように、ウェハWを把持した一対の第2アーム612は、アーム搬送機構62の駆動よりアーム通過用開口94を通って筐体91内側に移動されたのち、図13Eに示すように、ステージのピン(不図示)の高さまで下降される。
【0149】
次に、図13Dに示すように、第2開閉機構662の駆動により、一対の第2アーム612は、互いに離間する方向に開かれ、アーム通過用開口94を通って筐体91の外側に出される。
【0150】
次に、図13Cに示すように、第2上下駆動機構642の駆動により、一対の第2アーム612は、アーム通過用開口94より低い高さ位置まで下降される。このとき、アーム通過用開口94がシャッタ97により、筐体91の内側にウェハWの洗浄処理が開始される。
【0151】
次に、図13Bおよび図13Aに示すように、第2回動機構632の駆動により、一対の第2アーム612は、回転軸632Aを中心として回動される。図示された例では、一対の第2アーム612は、側面視において回転軸632Aを中心として反時計回りに90°回転され、一対の第2アーム612の先端は上向きに向けられる。そして、先端が上向きに向けられた一対の第2アーム612は、アーム搬送機構62の駆動より次の洗浄モジュールへと移動される。本実施の形態では、第2回動機構632が一対の第2アーム612を先端が上向きになるように回動させる際に、第2上下移動機構642が一対の第2アーム612を下降させるため、一対の第2アーム612の上方に必要なスペースを削減できる。
【0152】
各洗浄モジュール311a~314aおよび311b~314bでは複数のウェハWを並行して洗浄することができる。図29A図29Iを参照して、第1洗浄ユニット30aの1次~3次洗浄モジュール311a~313aにて複数のウェハWを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構32aの動作を一例として説明する。
【0153】
まず、図29Aに示すように、1次洗浄モジュール311aでは、シャッタ97が閉じられて第2ウェハW2に対して第1段階の洗浄が行われており、2次洗浄モジュール312aでは、第1ウェハW1に対する第2段階の洗浄が終了してアーム通過用開口94が開いている状況を想定する。この場合、一対の第1アーム611は2次洗浄モジュール312aに対する待機位置へと移動され、一対の第1アーム611の先端は横向きに向けられる。
【0154】
そして、図29Bに示すように、一対の第1アーム611が互いに近接するように閉じられ、2次洗浄モジュール312a内の第1ウェハW1は、一対の第1アーム611により保持される。また、3次洗浄モジュール313aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開かれる。
【0155】
次に、図29Cに示すように、一対の第1アーム611により保持された第1ウェハW1は、アーム通過用開口94を通って、2次洗浄モジュール312aから3次洗浄モジュール313aへと移動される。
【0156】
そして、図29Dに示すように、一対の第1アーム611は互いに離間するように開かれ、3次洗浄モジュール313aの左右外側に出される。2次洗浄モジュール312aでは乾燥を防止するためにシャッタ97が閉じられる。
【0157】
次に、図29Eに示すように、3次洗浄モジュール313aのシャッタ97が閉じられ、3次洗浄モジュール313aにて第1ウェハW1に対する第3段階の洗浄が行われる。
【0158】
次に、図29Fに示すように、1次洗浄モジュール311aでの第2ウェハW2に対する第1段階の洗浄が終了すると、1次洗浄モジュール311aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開かれる。このとき、一対の第1アーム611は回動機構により回動され、一対の第1アーム611の先端が上向きに向けられる。
【0159】
そして、図29Gに示すように、一対の第1アーム611は、シャッタ97が閉じられた3次洗浄モジュール313aおよび2次洗浄モジュール312aを回避する(スキップする)ように移動され、1次洗浄モジュール311aの待機位置へと配置される。
【0160】
次に、図29Hに示すように、一対の第1アーム611は回動機構により回動され、一対の第1アーム611の先端が横向きに向けられる。そして、図29Iに示すように、一対の第1アーム611が互いに近接するように閉じられ、1次洗浄モジュール311a内の第2ウェハW2は、一対の第1アーム611により保持される。その後、一対の第1アーム611に保持された第2ウェハW2は、2次洗浄モジュール312aへと搬送されて第2段階の洗浄が行われる。
【0161】
以上のように本実施の形態では、各洗浄モジュール311a~314aおよび311b~314bにて複数のウェハWを並行して洗浄することができるため、プロセス全体のスループットを向上させることができる。
【0162】
次に、図30A図30Iを参照して、第1洗浄ユニット30aの1次~3次洗浄モジュール311a~313aにて複数のウェハWを並行して洗浄する場合の洗浄部搬送機構32aの動作の変形例について説明する。
【0163】
まず、図30Aに示すように、1次洗浄モジュール311aでは、シャッタ97が閉じられて第2ウェハW2に対して第1段階の洗浄が行われており、2次洗浄モジュール312aでは、第1ウェハW1に対する第2段階の洗浄が終了してアーム通過用開口94が開いている状況を想定する。この場合、一対の第1アーム611は2次洗浄モジュール312aに対する待機位置へと移動され、一対の第1アーム611の先端は横向きに向けられる。
【0164】
そして、図30Bに示すように、一対の第1アーム611が互いに近接するように閉じられ、2次洗浄モジュール312a内の第1ウェハW1は、一対の第1アーム611により保持される。また、3次洗浄モジュール313aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開かれる。
【0165】
次に、図30Cに示すように、一対の第1アーム611により保持された第1ウェハW1は、アーム通過用開口94を通って、2次洗浄モジュール312aから3次洗浄モジュール313aへと移動される。
【0166】
そして、図30Dに示すように、一対の第1アーム611は互いに離間するように開かれ、3次洗浄モジュール313aの左右外側に出される。2次洗浄モジュール312のシャッタ97が閉じられる。
【0167】
次に、図30Eに示すように、3次洗浄モジュール313aでの第1ウェハW1に対する第3段階の洗浄が開始される前に、1次洗浄モジュール311aでの第2ウェハW2に対する第1段階の洗浄が終了すると、1次洗浄モジュール311aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開かれる。
【0168】
このとき、図30Fに示すように、一対の第1アーム611は第1ウェハW1より高い高さ位置まで上昇される。また、2次洗浄モジュール312aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開かれる。
【0169】
そして、図30Gに示すように、一対の第1アーム611は、先端を横向きに向けたまま、3次洗浄モジュール313aおよび2次洗浄モジュール312aのアーム通過用開口94を通過するように移動され、1次洗浄モジュール311aの待機位置へと配置される。
【0170】
次に、図30Hに示すように、一対の第1アーム611は第2ウェハW2と同じ高さ位置まで下降される。一方、3次洗浄モジュール313aでは、シャッタ97が閉じられて第1ウェハW1に対する第3段階の洗浄が開始される。2次洗浄モジュール312aでは乾燥を防止するためにシャッタ97が閉じられる。
【0171】
そして、図30Iに示すように、一対の第1アーム611が互いに近接するように閉じられ、1次洗浄モジュール311a内の第2ウェハW2は、一対の第1アーム611により保持される。その後、一対の第1アーム611に保持された第2ウェハW2は、2次洗浄モジュール312aへと搬送されて第2段階の洗浄が行われる。
【0172】
以上のような変形例によれば、3次洗浄モジュール313aから1次洗浄モジュール311aへと一対の第1アーム611を移動させる際に、一対の第1アーム611を回動させる動作を省略できる。そのため、プロセス全体のスループットをさらに向上させることができる。
【0173】
一方、図29A図29Iに示す例のように、一対の第1アーム611を回動させて、シャッタ97が閉じられた3次洗浄モジュール313aおよび2次洗浄モジュール312aを回避する(スキップする)ように移動させる場合には、一対の第1アーム611が3次洗浄モジュール313a内の第1ウェハW1の上方を通過することがないため、一対の第1アーム611から落下する洗浄液が第1ウェハW1の表面に付着することを防止できる。また、3次洗浄モジュール313aでの第1ウェハW1に対する第3段階の洗浄を早く開始することができる。
【0174】
各洗浄モジュール311a~314aおよび311b~314bは、故障を検知する検知器(図示せず)を有している。洗浄モジュール311a~314aおよび311b~314bのいずれかに故障が生じたとき、検知器がこれを検知して図1の制御部15に信号を送るようになっている。制御部15は、故障した洗浄モジュールを回避する洗浄ラインを選定し、現在の洗浄ラインを新たに選定された洗浄ラインに切り替える。
【0175】
より詳しくは、たとえば、図22Aに示すように、第1洗浄ユニット30aの3次洗浄モジュール313aに異常が発生した場合には、2次洗浄モジュール312a内に位置するウェハWが洗浄部搬送機構32aの第1アーム611により把持される。そして、図22Bに示すように、洗浄部搬送機構32aの第2アーム612が先端を上向きに向けられた状態で、アーム搬送機構62の駆動により、第1アーム611に把持されたウェハが第1ウェハステーション33aへと搬送される。この時、3次洗浄モジュール313aのシャッタ97が故障して閉じられたままであっても、第2アーム612は先端を上向きに向けられているため、シャッタ97と干渉することなく、3次洗浄モジュール313aを回避して(スキップして)移動することができる。
【0176】
次に、図22Cおよび図22Dに示すように、研磨部12の搬送ロボット23が第1ウェハステーション33aからウェハWを取り出して、第2ウェハステーション33bへと受け渡す。第2ウェハステーション33bへと受け渡されたウェハWは、洗浄部搬送機構32bの第1アーム611により把持される。そして、図22Eに示すように、アーム搬送機構62の駆動により、第1アーム611に把持されたウェハWは、1次洗浄モジュール311bへと搬送されて洗浄される。
【0177】
このように、本実施の形態では、複数の第1洗浄モジュール311a~314aのいずれかに異常が発生した場合であっても、第1洗浄モジュール311a~314a内に位置するウェハWが第2洗浄モジュール311b~314bへと搬送されて洗浄されることで、第1洗浄モジュール311a~314a内に位置するウェハWを救済することができる。同様に、複数の第2洗浄モジュール311b~314bのいずれかに異常が発生した場合であっても、第2洗浄モジュール311b~314b内に位置するウェハWが第1洗浄モジュール311a~314aへと搬送されて洗浄されることで、第2洗浄モジュール311b~314b内に位置するウェハWを救済することができる。
【0178】
図12に示すように、本実施の形態では、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が、アーム搬送機構62の下方に懸垂状に配置されている。これにより、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602のメンテナンススペースを拡大される。したがって、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
【0179】
<予備洗浄モジュール>
図27に示すように、洗浄部13の第1洗浄ユニット30aは、複数の洗浄モジュール311a~314aと同列に配置され、研磨前のウェハWを洗浄する予備洗浄モジュール39aを更に有しており、洗浄部搬送機構32aは、予備洗浄モジュール39aと各洗浄モジュール311a~314aとの間にてウェハWを搬送してもよい。図示された例では、予備洗浄モジュール39aは、第1ウェハステーション33aに対して洗浄モジュール311a~314aとは逆側に第1ウェハステーション33aに隣接して配置されている。
【0180】
同様に、第2洗浄ユニット30bは、複数の洗浄モジュール311b~314bと同列に配置され、研磨前のウェハWを洗浄する予備洗浄モジュール39aを更に有しており、洗浄部搬送機構32aは、予備洗浄モジュール39aと各洗浄モジュール311a~314aとの間にてウェハWを搬送してもよい。図示されて例では、予備洗浄モジュール39bは、第2ウェハステーション33bに対して洗浄モジュール311b~314bとは逆側に第2ウェハステーション33bに隣接して配置されている。
【0181】
予備洗浄モジュール39a、39bは、それぞれ、不図示の洗浄機と、この洗浄機をカバーする筐体91とを有している。予備洗浄モジュール39a、39bの洗浄機としては、例えば、研磨前のウェハWの表面から自然酸化膜を除去するウェットエッチング装置、または研磨前のウェハWの表面からスクラッチの原因になる粗大粒子を除去するバフ研磨装置を用いることができる。
【0182】
第2洗浄ユニット30bの予備洗浄モジュール39bへのウェハ搬送動作は、第1洗浄ユニット30aの予備洗浄モジュール39aへのウェハ搬送動作と同様であるため、以下、第1洗浄ユニット30aの予備洗浄モジュール39aへのウェハ搬送動作について説明する。
【0183】
まず、図28Aに示すように、研磨前のウェハWが、搬送部14のスライドステージ42により長手方向に沿って搬送され、研磨部12の搬送ロボット23がアクセスできる位置にて静止される。
【0184】
次に、図28Bに示すように、研磨部12の搬送ロボット23により、ウェハWが搬送部14から取り出される。そして、図28Cに示すように、搬送ロボット23に保持されたウェハWは、ウェハステーション33aへと受け渡される。
【0185】
次に、図28Dに示すように、ウェハステーション33a内に位置するウェハWは、洗浄部搬送機構32aの第1アーム611により保持される。そして、図28Eに示すように、洗浄部搬送機構32aの第2アーム612が先端を上向きに向けられた状態で、アーム搬送機構62の駆動により、第1アーム611に把持されたウェハWが第1ウェハステーション33aから予備洗浄モジュール39aへと搬送され、洗浄される。
【0186】
予備洗浄モジュール39aにて洗浄されたウェハWは、洗浄部搬送機構32aの第1アーム611により再び保持される。そして、図28Cに示すように、第1アーム611に把持されたウェハWは、アーム搬送機構62の駆動により、予備洗浄モジュール39aからウェハステーション33aへと搬送される。そして、図28Bに示すように、研磨部12の搬送ロボット23により、ウェハWがウェハステーション33aから取り出され、第1搬送ユニット24aまたは第2搬送ユニット24bを介して第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送され、研磨される。
【0187】
より具体的には、予備洗浄モジュール39aおよび1次洗浄モジュール311aがそれぞれ、ウェハWに対してバフパッドを接触させながら、ウェハWとバフパッドを相対運動させ、ウェハWとバフパッドとの間にスラリを介在させることによりウェハWの表面を研磨及び/またはスクラビングするバフ処理装置(例えば、特開2016-43471号公報の図1等に開示されている装置)を有し、2次洗浄モジュール312aが、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させてウェハWの表面および裏面に押し付けてウェハWの表面および裏面を洗浄するロール型洗浄機(例えば、特開2010-50436号公報の図32等に開示されている装置)を有し、3次洗浄モジュール313aが、半球状のスポンジを回転させながらウェハWに押し付けて洗浄するペンシル型洗浄機(例えば、特開2000-173966号公報の図10等に開示されている装置)を有し、4次洗浄モジュール314aが、ウェハWを回転させながらウェハWの表面にIPA(イソプロピルアルコール)蒸気を吹き付けて乾燥させるIPA乾燥装置(例えば、特開2010-50436号公報の図33図39等に開示されている装置)を有している場合には、研磨前のウェハWは、予備洗浄モジュール39aにてバフ処理された後、第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送されて研磨され、次いで、1次洗浄モジュール311aにてバフ処理され、2次洗浄モジュール312aにてロール状のスポンジにより洗浄され、3次洗浄モジュール313aにてペンシル状のスポンジにより洗浄され、4次洗浄モジュール314aにてIPA蒸気乾燥され、その後、ロード/アンロード部11へと取り出される。
【0188】
また、予備洗浄モジュール39aがバフ処理装置を有し、1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aがそれぞれロール型洗浄機を有し、3次洗浄モジュール313aがペンシル型洗浄機を有し、4次洗浄モジュール314aがIPA乾燥装置を有している場合には、研磨前のウェハWは、予備洗浄モジュール39aにてバフ処理された後、第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送されて研磨され、次いで、1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aにて連続してロール状のスポンジにより洗浄され、3次洗浄モジュール313aにてペンシル状のスポンジにより洗浄され、4次洗浄モジュール314aにてIPA蒸気乾燥され、その後、ロード/アンロード部11へと取り出される。
【0189】
また、予備洗浄モジュール39a、1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aがそれぞれロール型洗浄機を有し、3次洗浄モジュール313aがペンシル型洗浄機を有し、4次洗浄モジュール314aがIPA乾燥装置を有している場合には、研磨前のウェハWは、予備洗浄モジュール39aにてロール状のスポンジにより洗浄された後、第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送されて研磨され、次いで、1次洗浄モジュール311aおよび2次洗浄モジュール312aにて連続してロール状のスポンジにより洗浄され、3次洗浄モジュール313aにてペンシルスポンジにより洗浄され、4次洗浄モジュール314aにてIPA蒸気乾燥され、その後、ロード/アンロード部11へと取り出される。
【0190】
また、予備洗浄モジュール39aおよび1次洗浄モジュール311aがそれぞれロール型洗浄機を有し、2次洗浄モジュール312aがペンシル型洗浄機を有し、3次洗浄モジュール313aが、ウェハWに向けて洗浄液とガスを高速で噴出させて2流体ジェット流を生成し高速で噴霧してウェハWを洗浄する2流体ジェット型洗浄機(例えば、特開2010-238850号公報の図4等に開示されている装置)を有し、4次洗浄モジュール314aがIPA乾燥装置を有している場合には、研磨前のウェハWは、予備洗浄モジュール39aにてロール状のスポンジにより洗浄された後、第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送されて研磨され、次いで、1次洗浄モジュール311aにてロール状のスポンジにより洗浄され、2次洗浄モジュール312aにてペンシル状のスポンジにより洗浄され、3次洗浄モジュール313aにて2流体ジェット洗浄され、4次洗浄モジュール314aにてIPA蒸気乾燥され、その後、ロード/アンロード部11へと取り出される。
【0191】
なお、予備洗浄モジュール39aは、研磨前のウェハWを洗浄するために使用されることに限定されず、研磨後のウェハWを洗浄するために使用されてもよい。この場合、まず、図28Aに示すように、研磨前のウェハWが、搬送部14のスライドステージ42により長手方向に沿って搬送され、研磨部12の搬送ロボット23がアクセスできる位置にて静止される。
【0192】
次に、図28Bに示すように、研磨部12の搬送ロボット23により、ウェハWが搬送部14から取り出されたのち、第1搬送ユニット24aまたは第2搬送ユニット24bを介して第1研磨ユニット20aまたは第2研磨ユニット20bへと搬送され、研磨される。そして、図28Cに示すように、研磨後のウェハWが、搬送ロボット23に保持されて、ウェハステーション33aへと受け渡される。
【0193】
次に、図28Dに示すように、ウェハステーション33a内に位置するウェハWは、洗浄部搬送機構32aの第1アーム611により保持される。そして、図28Eに示すように、洗浄部搬送機構32aの第2アーム612が先端を上向きに向けられた状態で、アーム搬送機構62の駆動により、第1アーム611に把持されたウェハWが第1ウェハステーション33aから予備洗浄モジュール39aへと搬送され、洗浄される。
【0194】
予備洗浄モジュール39aにて洗浄されたウェハWは、洗浄部搬送機構32aの第1アーム611により再び保持される。そして、第1アーム611に把持されたウェハWは、アーム搬送機構62の駆動により、予備洗浄モジュール39aから1次洗浄モジュール311aへと搬送され、洗浄される。その後、たとえば、後述する図21B図21Fに示すような工程により、2次~4次洗浄モジュール311b~311dにてウェハWの洗浄および乾燥が行われ、その後、ロード/アンロード部11へと取り出される。
【0195】
<漏液検知部>
図23は、基板処理装置10の下部(ベースフレーム付近)に設けられた漏液検知部1を示す模式図である。図23に示すように、漏液検知部1は、ドレンポット2と、ドレンポット2に向かって傾斜した斜面を有するドレンパン6と、ドレンポット2の底面上に設置された第1設置型漏液センサ3aと、ドレンパン6の斜面上に設置された第2設置型漏液センサ3bと、を有している。
【0196】
第1設置型漏液センサ3aおよび第2設置型漏液センサ3bとしては、例えば光電センサが用いられる。第1設置型漏液センサ3aおよび第2設置型漏液センサ3bは、それぞれ、漏液を検知すると制御部15に信号を送る。制御部15は、第1設置型漏液センサ3aから信号を受けると警報を発するようになっており、第2設置型漏液センサ3bから信号を受けると基板処理装置10の動作を停止するようになっている。
【0197】
ところで、図24に示すように、従来の漏液検知部200では、2段検知型レベルセンサを構成するために、ドレンポット202の底面に設置された設置型漏液センサ203aと、ドレンポット202内に配置されたフロート型漏液センサ203bとが用いられていた。フロート型漏液センサ203bは、その構造上、漏液を検知するために上下方向の動きを必要とする。そのため、ドレンポット202にはある程度の深さが必要であり、ドレンポット202の底面は、基板処理装置のベースフレームの下面205より下方に突き出ていた。この場合、基板処理装置の移動時にフォークリフトのフォークがドレンポット202の底面に当接して持ち上げようとすることで、ドレンポット202が破損してしまう可能性があった。
【0198】
また、図24に示すように、従来の漏液検知部200では、ドレンポット202が破損した場合に容易に交換できるように、ドレンポット202はドレンパン206とは別体に形成されていた。そのため、ドレンポット202とドレンパン206との間から漏液が生じる可能性があった。
【0199】
一方、図23に示すように、本実施の形態では、2段検知型レベルセンサが2つの設置型漏液センサ3a、3bを用いて構成されている。そのため、ドレンポット2の深さを浅くすることが可能であり、ドレンポット2の底面は、基板処理装置10のベースフレームの下面5より上方に配置され得る。これにより、基板処理装置10の移動時にフォークリフトのフォークによりドレンポット2が破損することが防止される。
【0200】
また、本実施の形態では、ドレンポット2の深さを浅くできることから、ドレンポット2をドレンパン6と一体に成形することが可能である。この場合、ドレンポット2とドレンパン6との間からの漏液が生じることを防止できる。
【0201】
図25は、漏液検知部1の変形例を示す模式図である。この変形例では、ドレンポット2の底面の中央部分が1段高くなっており、第2設置型漏液センサ3bは、この1段高くなった部分に設定されている。このような態様によれば、図23に示す態様と同様の作用効果が得られることに加えて、ドレンポット2の底面がリング形状となるため、ドレンポット2の深さを浅くしながら容積を大きくできる。
【0202】
また、図26に示す変形例のように、ドレンポット2の底面が中央部分に向かって2段階で徐々に高くなっており、底面より1段高くなった部分に第2設置型漏液センサ3bが設置され、それより更に1段高くなった部分に第3設置型漏液センサ3cが設置されていてもよい。このような態様によれば、3段階のレベルで漏液を検知することが可能である。同様にして、段数を4段以上に増やしてもよい。
【0203】
<基板処理装置を用いた研磨処理>
次に、このような構成からなる基板処理装置10を用いてウェハWを研磨する処理の一例について説明する。なお、以下に説明する研磨処理は、制御部15がロード/アンロード部11、研磨部12、洗浄部13、および搬送部14の動作を制御することにより行われる。
【0204】
まず、図16Aおよび図1に示すように、フロントロード部113のウェハカセットから研磨前のウェハWは、ロード/アンロード部11の搬送ロボット111により取り出されて、搬送部14の搬入口41aと対向する位置まで移動される。次いで、図16Bおよび図3に示すように、搬送部14の搬入口41aが開けられた後、搬送ロボット111に保持されたウェハWは、搬入口41aからカバー41の内側へと挿入され、スライドステージ42上に載せられて支持される。
【0205】
次に、図16Cおよび図3に示すように、ウェハWを保持するスライドステージ42は、ステージ移動機構43から与えられる動力により、長手方向に沿って搬出口41bと対向する位置まで移動される。そして、搬送部14の搬出口41bが開けられる。このとき、搬送部14のカバー41の内側には、排気ダクト44により、搬入口41a側から搬出口41b側へと流れる気流が形成されている。これにより、研磨部12内のパーティクルが搬送部14を通ってロード/アンロード部11内に拡散することが防止される。
【0206】
図17Aおよび図3に示すように、研磨部12の搬送ロボット23のハンド231が、搬送部14の搬出口41bと同じ高さ位置に位置決めされた状態で、搬送ロボット23のアーム232が伸ばされる。アームの先端に支持されたハンド231は、搬出口41bを通ってカバー41の内側へと挿入され、スライドステージ42上に保持されたウェハWの下方に差し入れられる。次いで、ハンド231が上昇され、ウェハWはスライドステージ42からハンド231へと受け渡される。そして、アーム232が縮められることで、図17Bに示すように、ハンド231上に保持されたウェハWは、搬送部14から研磨部12へと取り出される。その後、図17Cに示すように、搬送ロボット23の反転機構234により、ハンド231がウェハWと一緒に上下反転される。なお、図面において、灰色で塗られたウェハWは上下反転されたウェハを示している。
【0207】
次に、図17Dに示すように、アーム232がロボット本体233の軸線周りに回動され、ハンド231が第1搬送ユニット24a側に向けられる。そして、アーム232が延ばされ、ハンド231に保持されたウェハWは、第1搬送ユニット24aへと受け渡され、第1搬送ユニット24aから第1研磨ユニット20aへと搬送される。なお、第1研磨ユニット20aが混雑している場合などには、ハンド231に保持されたウェハWは、第2搬送ユニット24bへと受け渡され、第2搬送ユニット24bから第2研磨ユニット20bへと基板が搬入されてもよい。本実施の形態では、搬送部14から研磨部12へと搬送されてくるウェハWが、搬送ロボット23により第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bに振り分けられ、第1搬送ユニット24aから第1研磨ユニット20aへとウェハWが搬入されるとともに、第2搬送ユニット24bから第2研磨ユニット20bへとウェハWが搬入される。そのため、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bは搬入経路を共有しておらず、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bへの基板搬入時の混雑が解消される。したがって、プロセス全体のスループットが向上する。
【0208】
第2搬送ユニット24bによるウェハ受け渡し動作は、第1搬送ユニット24aによるウェハ受け渡し動作と同様であるため、以下、第1搬送ユニット24aによるウェハ受け渡し動作について説明する。
【0209】
1つのウェハを第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにて連続して(シリーズで)処理する場合には、図18Aおよび図18Bに示すように、搬送ロボット23に保持された研磨前の第1ウェハW1は、待機位置L1に配置されたエクスチェンジャ50の第3ステージ52cに受け渡される。そして、図18Cに示すように、第1ウェハW1を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へ移動される。
【0210】
次に、図18Dに示すように、第1プッシャ51aが上昇して第3ステージ52cの内側を通過し、第3ステージ52c上の第1ウェハW1が第1プッシャ51aにより押し上げられて第1研磨装置21aのトップリング25aに受け渡される。そして、第1ウェハW1が第1研磨装置21aのトップリング25aに吸着保持された後、図18Eに示すように、第1プッシャ51aが初期高さ位置まで下降する。その後、図18Fに示すように、第1研磨装置21aの研磨位置にて第1ウェハW1の研磨が行われる(より詳しくは、図4を参照し、トップリング25aが研磨パッド102a上に図示しない移動手段により移動され、図示しない昇降手段により研磨パッド102aが、トップリング25aに保持された第1ウェハW1に当接され、トップリング25aと研磨テーブル101aとの相対移動により第1ウェハWの研磨が行われる。以下、他の研磨装置の研磨位置でのウェハWの研磨も同様に行われる)。このとき、第3ステージ52cが第1基板搬送位置TP1から待機位置L1へ移動されるとともに、第2ステージ52bが待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へと移動される。搬送ロボット23は、研磨前の第2ウェハW2を保持する。
【0211】
第1研磨装置21aでの第1ウェハW1の研磨が終了した後、図18Gに示すように、第1プッシャ51aが上昇して、研磨された第1ウェハW1を第1研磨装置21aのトップリング25aから受け取る。そして、図18Hに示すように、第1プッシャ51aが下降して第2ステージ52bを通過し、第1プッシャ51a上の第1ウェハW1が第2ステージ52bに受け渡される。第2ステージ52bに保持された第1ウェハW1は、第1基板搬送位置TP1において洗浄ノズル(図示しない)により洗浄される。また、搬送ロボット23に保持された研磨前の第2ウェハW2は、待機位置L1に配置された第3ステージ52cに受け渡される。
【0212】
次に、図18Iに示すように、第1ウェハW1を保持する第2ステージ52bが、第1基板搬送位置TP1から第2搬送位置TP2へと移動されるのと同時に、第2ウェハW2を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へ移動される。このように、それぞれウェハW1、W2を保持する2つのステージ52b、52cが互いに逆向きに交差するように移動できるため、プロセスのスループットが向上する。
【0213】
次に、図18Jに示すように、第2プッシャ51bが上昇して第2ステージ52bの内側を通過し、第2ステージ52b上の第1ウェハW1が第2プッシャ51bにより押し上げられて第2研磨装置21bのトップリング25bに受け渡される。また、第1プッシャ51aが上昇して第3ステージ52cの内側を通過し、第3ステージ52c上の第2ウェハW2が第1プッシャ51aにより押し上げられて第1研磨装置21aのトップリング25aに受け渡される。そして、図18Kに示すように、第1ウェハW1が第2研磨装置21bのトップリング25bに吸着保持された後、第2プッシャ51bが初期高さ位置まで下降する。また、第2ウェハW2が第1研磨装置21aのトップリング25aに吸着保持された後、第1プッシャ51aが初期高さ位置まで下降する。
【0214】
その後、図18Lに示すように、第2研磨装置21bにて第1ウェハW1の更なる研磨が行われるとともに、第1研磨装置21aにて第2ウェハW2の研磨が行われる。このとき、第3ステージ52cが第1基板搬送位置TP1から待機位置L1へ移動されるとともに、第2ステージ52bが第2基板搬送位置TP2から第1基板搬送位置TP1へと移動される。また、第1ステージ52aが待機位置L1から第2基板搬送位置TP2へと移動される。搬送ロボット23は、研磨前の第3ウェハW3を保持する。
【0215】
第2研磨装置21bでの第1ウェハW1の研磨が終了した後、図18Mに示すように、第2プッシャ51bが上昇して、研磨された第1ウェハW1を第2研磨装置21bのトップリング25bから受け取る。また、第1研磨装置21aでの第2ウェハW2の研磨が終了した後、第1プッシャ51aが上昇して、研磨された第2ウェハW2を第1研磨装置21aのトップリング25aから受け取る。
【0216】
そして、図18Nに示すように、第2プッシャ51bが下降して第1ステージ52aを通過し、第2プッシャ51b上の第1ウェハW1が第1ステージ52aに受け渡される。第1ステージ52aに保持された第1ウェハW1は、第2基板搬送位置TP2において洗浄ノズル(図示しない)により洗浄される。また、第1プッシャ51aが下降して第2ステージ52bを通過し、第1プッシャ51a上の第2ウェハW2が第2ステージ52bに受け渡される。第2ステージ52bに保持された第2ウェハW2は、第1基板搬送位置TP1において洗浄ノズル(図示しない)により洗浄される。搬送ロボット23に保持された研磨前の第3ウェハW3は、待機位置L1に配置された第3ステージ52cに受け渡される。
【0217】
次に、図18Оに示すように、第1ウェハW1を保持する第1ステージ52aは、第2基板搬送位置TP2から待機位置L1へと移動され、第1ステージ52aに保持された第1ウェハW1は、搬送ロボット23により第1ステージ52a上から取り出される。一方、第2ウェハW2を保持する第2ステージ52bは、第2研磨装置21bでの研磨処理のために、第1基板搬送位置TP1から第2基板搬送位置TP2へ移動される。同時に、第3ウェハW3を保持する第3ステージ52cは、第1研磨装置21bでの研磨処理のために、待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へ移動される。
【0218】
2つのウェハを第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにて並行して(パラレルで)処理する場合には、図19Aおよび図19Bに示すように、搬送ロボット23に保持された研磨前の第1ウェハW1は、待機位置L1に配置されたエクスチェンジャ50の第3ステージ52cに受け渡される。そして、図19Cに示すように、第1ウェハW1を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へ移動される。
【0219】
次に、図19Dに示すように、第1プッシャ51aが上昇して第3ステージ52cの内側を通過し、第3ステージ52c上の第1ウェハW1が第1プッシャ51aにより押し上げられて第1研磨装置21aのトップリング25aに受け渡される。そして、第1ウェハW1が第1研磨装置21aのトップリング25aに吸着保持された後、図19Eに示すように、第1プッシャ51aが初期高さ位置まで下降する。搬送ロボット23は、研磨前の第2ウェハW2を保持する。
【0220】
その後、図19Fに示すように、第1研磨装置21aにて第1ウェハW1の研磨が行われる。このとき、第3ステージ52cが第1基板搬送位置TP1から待機位置L1へ移動されるとともに、第2ステージ52bが待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へと移動される。搬送ロボット23に保持された研磨前の第2ウェハW2は、待機位置L1に配置された第3ステージ52cに受け渡される。そして、図19Gに示すように、第2ウェハW2を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第2基板搬送位置TP2へと移動される。
【0221】
ところで、第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにてパラレル処理する場合であっても、第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにてシリーズ処理する場合と同様に、第2ステージ52bを用いて第1研磨装置21aからのウェハ受取りを行うとともに、同じ第2ステージ52bを用いて第2研磨装置21bへのウェハ受け渡しを行うことも可能である。しかしながら、この場合、図31に示すように、第1研磨装置21aからのウェハ受取り時にトラブルが発生して第2ステージ52bを使用できなくなると、これに引きずられて、第2研磨装置21bへのウェハ受け渡しまでできなくなる(デッドロックが発生する)。
【0222】
一方、本実施の形態では、第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにて並行してウェハを研磨する場合には、同じ第3ステージ52cを用いて第1研磨装置21a及び第2研磨装置21bの両方へのウェハ受け渡しを行い、第2ステージ52bおよび第1ステージ52aがそれぞれ第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bからのウェハ受取り専用とされているため、第1研磨装置21aからのウェハ受取り時にトラブルが発生して第2ステージ52bを使用できなくなっても、第2研磨装置21bへのウェハ受け渡しを継続して行うことが可能である(デッドロックが発生しない)。
【0223】
次に、図19Hに示すように、第2プッシャ51bが上昇して第3ステージ52cの内側を通過し、第3ステージ52c上の第2ウェハW2が第2プッシャ51bにより押し上げられて第2研磨装置21bのトップリング25bに受け渡される。そして、第2ウェハW2が第2研磨装置21bのトップリング25bに吸着保持された後、図19Iに示すように、第2プッシャ51bが初期高さ位置まで下降する。搬送ロボット23は、研磨前の第3ウェハW3を保持する。
【0224】
その後、図19Jに示すように、第2研磨装置21bにて第2ウェハW2の研磨が行われる。このとき、第3ステージ52cが第2基板搬送位置TP2から待機位置L1へ移動されるとともに、第1ステージ52aが待機位置L1から第2基板搬送位置TP2へと移動される。搬送ロボット23に保持された研磨前の第3ウェハW3は、待機位置L1に配置された第3ステージ52cに受け渡される。
【0225】
第2研磨装置21bでの研磨が終了する前に第1研磨装置21aでの研磨が終了したら、図19Kに示すように、第1プッシャ51aが上昇して、研磨された第1ウェハW1を第1研磨装置21aのトップリング25aから受け取る。そして、図19Lに示すように、第1プッシャ51aが下降して第2ステージ52bを通過し、第1プッシャ51a上の第1ウェハW1が第2ステージ52bに受け渡される。第2ステージ52bに保持された第1ウェハW1は、第1基板搬送位置TP1において洗浄ノズル(図示しない)により洗浄される。
【0226】
次に、図19Mに示すように、第1ウェハW1を保持する第2ステージ52bが、第1基板搬送位置TP1から待機位置L1へと移動されるのと同時に、第3ウェハW3を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第1基板搬送位置TP1へ移動される。第2ステージ52bに保持された第1ウェハW1は、待機位置L1にて搬送ロボット23により第2ステージ52b上から取り出される。
【0227】
一方、第1研磨装置21aでの研磨が終了する前に第2研磨装置21bでの研磨が終了したら、図19Nに示すように、第2プッシャ51bが上昇して、研磨された第2ウェハW2を第2研磨装置21bのトップリング25bから受け取る。そして、図19Oに示すように、第2プッシャ51bが下降して第1ステージ52aを通過し、第2プッシャ51b上の第2ウェハW2が第1ステージ52aに受け渡される。第1ステージ52aに保持された第2ウェハW2は、第2基板搬送位置TP2において洗浄ノズル(図示しない)により洗浄される。
【0228】
次に、図19Pに示すように、第2ウェハW2を保持する第1ステージ52aが、第2基板搬送位置TP2から待機位置L1へと移動されるのと同時に、第3ウェハW3を保持する第3ステージ52cは、待機位置L1から第2基板搬送位置TP2へ移動される。第1ステージ52aに保持された第2ウェハW2は、待機位置L1にて搬送ロボット23により第1ステージ52a上から取り出される。
【0229】
上述した内容の繰り返しになるが、図20Aに示すように、第1ステージ52a上に保持されたウェハWは、搬送ロボット23のハンド231により第1ステージ52a上から取り出される。その後、搬送ロボット23の反転機構234により、ハンド231がウェハWと一緒に上下反転される。
【0230】
次に、図20Bに示すように、搬送ロボット23のアーム232がロボット本体233の軸線周りに回動され、ハンド231が洗浄部13の第1洗浄ユニット30aの第1ウェハステーション33a側に向けられる。そして、図20Cに示すように、アーム232が延ばされ、ハンド231に保持されたウェハWは、第1ウェハステーション33aへと受け渡される。より詳しくは、搬送ロボット23のハンド231が、第1ウェハステーション33aの搬入口73と同じ高さ位置に位置決めされた状態で、アーム232が延ばされ、ハンド231に保持されたウェハWは、第1ウェハステーション33aの搬入口73を通って筐体71の内側へと搬入され、ステージ72上に載せられて支持される。
【0231】
なお、第1洗浄ユニット30aが混雑している場合などには、ハンド231に保持されたウェハWは、第2洗浄ユニット30aの第2ウェハステーション33bへと受け渡されてもよい。本実施の形態では、研磨部から洗浄部へと搬送されてくるウェハWが、搬送ロボット23により第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30bに振り分けられ、第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30bにて並行して洗浄される。したがって、プロセス全体のスループットが向上する。
【0232】
第2洗浄ユニット30bにおけるウェハ洗浄処理は、第1洗浄ユニット30aにおけるウェハ洗浄処理と同様であるため、以下、第1洗浄ユニット30aにおけるウェハ洗浄処理について説明する。
【0233】
図21Aに示すように、まず、一対の第1アーム611および一対の第2アーム612がそれぞれ先端を上向きに向けられた状態で、アーム搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が第1洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第1アーム611が第1ウェハステーション33aに隣接する待機位置にて静止される。そして、第1回動機構631の駆動により、一対の第1アーム611は回転軸631Aを中心として回動され、一対の第1アーム611の先端は横向きに向けられる。第1ウェハステーション33aのシャッタが退避されてアーム通過用開口74が開けられた後、一対の第1アーム611がアーム通過用開口74を通って第1ウェハステーション33aの内側に挿入され、ステージ72上に保持されたウェハWを把持する。ウェハWが一対の第1アーム611に把持された後、ステージ72は下方に退避される。
【0234】
次に、図21Bに示すように、1次洗浄モジュール311aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、ハンド搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第1アーム611に把持されたウェハWは、第1ウェハステーション33aから1次洗浄モジュール311aへと搬送され、1次洗浄モジュール311aの洗浄機に受け渡される。次いで、一対の第1アーム611が1次洗浄モジュール311aの筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、1次洗浄モジュール311aの洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0235】
1次洗浄モジュール311aでの洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。一対の第1アーム611がアーム通過用開口94を通って1次洗浄モジュール311aの筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。
【0236】
次に、図21Cに示すように、2次洗浄モジュール312aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、アーム搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第1アーム611に把持されたウェハWは、1次洗浄モジュール311aから2次洗浄モジュール312aへと搬送され、2次洗浄モジュール312aの洗浄機に受け渡される。次いで、一対の第1アーム611が2次洗浄モジュール312aの筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、2次洗浄モジュール312aの洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0237】
次に、図21Dに示すように、第1回動機構631の駆動により、一対の第1アーム611は回転軸631Aを中心として回動され、一対の第1アーム611の先端は上向きに向けられる。そして、一対の第1アーム611および一対の第2アーム612がそれぞれ先端を上向きに向けられた状態で、アーム搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が第1洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第2アーム612が第2洗浄モジュール312aに隣接する待機位置にて静止される。第2回動機構632の駆動により、一対の第2アーム612は回転軸632Aを中心として回動され、一対の第2アーム612の先端は横向きに向けられる。
【0238】
2次洗浄モジュール312aでの洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。一対の第2アーム612がアーム通過用開口94を通って2次洗浄モジュール312aの筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。
【0239】
このように、本実施の形態では、2次洗浄モジュール312aでの洗浄前のウェハWは一対の第1アーム611により把持されて搬送され、2次洗浄モジュール312aでの洗浄後のウェハWは一対の第2アーム612により把持されて搬送される。すなわち、2次洗浄モジュール312aにおいてアームが交換される。これにより、2次洗浄モジュール312aでの洗浄後のウェハWに一対の第1アーム611が接触して当該ウェハWが汚染されることを防止できる。
【0240】
次に、図21Eに示すように、3次洗浄モジュール313aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、アーム搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第2アーム612に把持されたウェハWは、2次洗浄モジュール312aから3次洗浄モジュール313aへと搬送され、3次洗浄モジュール313aの洗浄機に受け渡される。次いで、一対の第2アーム612が3次洗浄モジュール313aの筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、3次洗浄モジュール313aの洗浄機にてウェハWの洗浄が行われる。
【0241】
3次洗浄モジュール313aでの洗浄処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。一対の第2アーム612がアーム通過用開口94を通って3次洗浄モジュール313aの筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄されたウェハWを把持する。
【0242】
次に、図21Fに示すように、4次洗浄モジュール314aのシャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられた後、アーム搬送機構62の駆動により、第1ウェハ把持機構601および第2ウェハ把持機構602が洗浄モジュール311a~314aの配列方向に沿って移動され、一対の第2アーム612に把持されたウェハWは、3次洗浄モジュール313aから4次洗浄モジュール314aへと搬送され、4次洗浄モジュール314aの洗浄機に受け渡される。次いで、一対の第2アーム612が4次洗浄モジュール314aの筐体91の外側に出された後、アーム通過用開口94がシャッタ97により閉じられ、4次洗浄モジュール314aの洗浄機にてウェハWの洗浄及び乾燥が行われる。
【0243】
4次洗浄モジュール314aでの洗浄及び乾燥処理が終了した後、シャッタ97が退避されてアーム通過用開口94が開けられる。上述したロード/アンロード部11の搬送ロボット111のハンドがアーム通過用開口94を通って4次洗浄モジュール314aの筐体91の内側に挿入され、洗浄機にて洗浄され、最後の工程として(例えばスピン)乾燥処理されたウェハWがロード/アンロード部11へと取り出される。
【0244】
以上のような本実施の形態によれば、研磨部12の各研磨装置21a~21dにおいて、一対の補助ユニット取付部501a、501bおよび502a、502bが、トップリング301Aの揺動中心と研磨テーブル300Aの回転中心とを結ぶ直線Laに対して左右対称の位置に設けられているため、研磨中の研磨パッド305Aに対して処理を行う補助ユニット309Aの配置を、研磨テーブル300Aの回転方向に応じて、前記直線Laに対して左右対称に切り替えることが可能である。これにより、研磨中の研磨パッド305Aの回転方向とウエハWに対する補助ユニット309Aの位置関係を維持しながら、研磨装置21a~21dごとに研磨テーブル300Aの回転方向を変更できる。
【0245】
また、本実施の形態によれば、第1研磨装置21aのトップリングの揺動中心と第2研磨装置21bのトップリングの揺動中心との間の距離Da1が、第1研磨装置21aの研磨テーブルの回転中心と第2研磨装置21bの研磨テーブルの回転中心との間の距離Da2より短く、第3研磨装置21cのトップリングの揺動中心と第4研磨装置21dのトップリングの揺動中心との間の距離Db1が、第3研磨装置21cの研磨テーブルの回転中心と第4研磨装置21dの研磨テーブルの回転中心との間の距離Db2より短いため、第2研磨装置21bのトップリングの揺動範囲と第3研磨装置21cのトップリングの揺動範囲との間の間隔が広がり、装置中央に搬送ロボット23の配置スペースを確保して、装置の小型化を実現することが可能となる。
【0246】
また、本実施の形態によれば、洗浄部13が上下二段に配置された第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30bを有しているため、複数のウェハWが連続的に研磨部12から洗浄部13へと搬送されてくる場合であっても、第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30bにウェハWを振り分けることにより、これら複数のウェハWを並行して洗浄することができる。したがって、プロセス全体のスループットを向上させることができる。
【0247】
また、本実施の形態によれば、研磨前のウェハWが搬送部14のスライドステージ42より研磨部12へと搬送されるため、ロード/アンロード部11に配置された搬送ロボット111が研磨環境に触れて汚染されることを防止できる。
【0248】
また、本実施の形態によれば、第1洗浄ユニット30aおよび第2洗浄ユニット30aは上下二段に配置されており、スライドステージ42が第1洗浄ユニット30aと第2洗浄ユニット30bとの間に配置されているため、装置全体のフットプリントの増大を抑制できる。
【0249】
また、本実施の形態によれば、研磨部搬送機構22が搬送部14と第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bのそれぞれに隣接するように配置されており、搬送部14から研磨部12へと搬送されてくるウェハWは、研磨部搬送機構22の搬送ロボット23により第1搬送ユニット24aおよび第2搬送ユニット24bに振り分けられる。そして、第1搬送ユニット24aから第1研磨ユニット20aへとウェハWが搬入されるとともに、第2搬送ユニット24bから第2研磨ユニット20bへとウェハWが搬入される。このように、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bはウェハの搬入経路を共有していないから、第1研磨ユニット20aおよび第2研磨ユニット20bへのウェハ搬入時の混雑が解消される。これにより、プロセス全体のスループットを向上させることができる。
【0250】
また、本実施の形態によれば、第1洗浄ユニット30aの洗浄モジュール311a~314aのいずれかに異常が発生した場合であっても、第1洗浄ユニット30a内に位置するウェハWが第2洗浄ユニット30bへと搬送されて洗浄されることで、第1洗浄ユニット30a内に位置するウェハWを救済することができる。
【0251】
また、本実施の形態によれば、研磨部12の第1搬送ユニット24aは、搬送ロボット23から受け取ったウェハWを第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bの各々に搬送することができる。また、研磨部12の第2搬送ユニット24bは、搬送ロボット23から受け取ったウェハWを第3研磨装置21cおよび第4研磨装置21dの各々に搬送することができる。例えば、第1搬送ユニット24aの第1ステージ52aが搬送ロボット23から第1ウェハを受け取って第1基板搬送位置TP1に移動し、第1プッシャ51aが上昇して第1ステージ52aから第1研磨装置21aへと第1ウェハを受け渡し、第1ウェハを第1研磨装置21aにて研磨している間に、第2ステージ52bが搬送ロボット23から第2ウェハを受け取って第2基板搬送位置TP2に移動し、第2プッシャ51bが上昇して第2ステージ52bから第2研磨装置21bへと第2ウェハを受け渡し、第2ウェハを第2研磨装置21bにて研磨することができる。このように2枚のウェハを並行して研磨することで、プロセス全体のスループットを向上させることができる。また、第1研磨装置21aにてウェハを研磨した後、第1プッシャ51aが下降して第1研磨装置21aから第2ステージ52bへとその基板を受け渡し、第2ステージ52bが第2基板搬送位置TP2に移動し、第2プッシャ51bが上昇して第2ステージ52bから第2研磨装置21bへとウェハを受け渡し、そのウェハを第2研磨装置21bにてさらに連続して研磨することも可能である。
【0252】
また、本実施の形態によれば、研磨部12のエクスチェンジャ50が3つのステージ52a~52cを有しているため、例えば第1ステージ52aおよび第2ステージ52bの両方を第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bとのウェハの受け渡しに使用している間に、第3ステージ52cに次のウェハを受け取らせて待機させておくことができる。これにより、次のウェハに対する研磨処理の開始タイミングを早くすることができ、スループットをさらに向上させることができる。
【0253】
また、本実施の形態によれば、第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bにて並行して(パラレルに)第1ウェハW1および第2ウェハW2を研磨する場合に、同じ第3ステージ52cを用いて第1研磨装置21a及び第2研磨装置21bの両方へのウェハ受け渡しを行い、第2ステージ52bおよび第1ステージ52aがそれぞれ第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21bからのウェハ受取り専用とされるため、一方の研磨装置21aからのウェハ受取り時にトラブルが発生したとしても、他方の研磨装置21bへのウェハ受け渡しを継続して行うことができる(デッドロックの発生を回避できる)。
【0254】
また、本実施の形態によれば、各洗浄モジュール311a~314a間にてウェハWを搬送する洗浄部搬送機構32aが開閉可能な一対のアーム611と回動機構631とを有しており、回動機構631が一対のアーム611を先端が上向きになるように回動させることができるため、複数の洗浄モジュール311a~314aのうち特定の洗浄モジュールのシャッタ97が閉まっていても、この洗浄モジュールを回避して(スキップして)アーム611を移動させることができる。したがって、この洗浄モジュールを通過するようにアーム611を移動させる際に、シャッタ97が開くのを待つ必要がなくなり、プロセス全体のスループットを向上させることができる。
【0255】
また、本実施の形態によれば、回動機構631が一対のアーム611を先端が上向きになるように回動させる際に、上下移動機構641が一対のアーム611を下降させるため、一対のアーム611の上方に必要なスペースを削減できる。
【0256】
また、本実施の形態によれば、一対のアーム611、612と上下移動機構641、642と回動機構631、632とからなる組を2組有しているため、保持すべきウェハの清浄度に応じて2組のアームを使い分けることができる。例えば、各洗浄モジュールでの洗浄処理のうち前半の洗浄処理では一方の組のアームを使用し、後半の洗浄処理では他方の組のアームを使用することで、後半の洗浄処理を受けているウェハが一方の組のアームに接して汚染されることを防止できる。
【0257】
また、本実施の形態によれば、一対のアーム611には、ウェハの外周部に当接可能なチャックコマ612a、612bが上下二段に設けられているため、保持すべきウェハの清浄度に応じてチャックコマ612a、612bを使い分けることができる。例えば、各洗浄モジュールでの洗浄処理のうち前半の洗浄処理では下段のチャックコマ612bを使用し、後半の洗浄処理では上段のチャックコマ612aを使用することで、後半の洗浄処理を受けているウェハが下段のチャックコマ612bに接して汚染されることを防止できる。
【0258】
また、本実施の形態によれば、一対のアーム611と上下移動機構641と回動機構631とを有するウェハ把持機構601がアーム搬送機構62の下方に懸垂状に配置されているため、ウェハ把持機構601のメンテナンススペースを拡大される。したがって、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
【0259】
また、本実施の形態によれば、研磨前のウェハWを研磨装置12にて研磨する前に、予備洗浄モジュール39aにて当該ウェハWの表面を洗浄しておくことができる。これにより、ウェハWの研磨処理中に粗大粒子を噛み込んでスクラッチが発生するなどのトラブルを低減できる。
【0260】
なお、上述した実施の形態では、2次洗浄モジュール312aでの洗浄前のウェハWが一対の第1アーム611により把持されて搬送され、2次洗浄モジュール312aでの洗浄後のウェハWが一対の第2アーム612により把持されて搬送されたが、これに限定されない。例えば、1次洗浄モジュール311aでの洗浄前のウェハWが一対の第1アーム611により把持されて搬送され、1次洗浄モジュール311aでの洗浄後のウェハWが一対の第2アーム612により把持されて搬送されてもよいし、3次洗浄モジュール313aでの洗浄前のウェハWが一対の第1アーム611により把持されて搬送され、3次洗浄モジュール313aでの洗浄後のウェハWが一対の第2アーム612により把持されて搬送されてもよい。
【0261】
また、上述した実施の形態では、研磨部12の搬送ユニット(例えば第1搬送ユニット24a)が、2台の研磨装置(第1研磨装置21aおよび第2研磨装置21b)の各々に対する2箇所の基板搬送位置(第1基板搬送位置TP1および第2基板搬送位置TP2)に配置され、上下移動する2台のプッシャ(第1プッシャ51aと第2プッシャ51b)と、上下2段に配置され、搬送ロボット23に対してウェハWの受け渡しを行う待機位置L1と2箇所の基板搬送位置TP1、TP2との間を互いに独立に水平移動する少なくとも2台のステージ(第1ステージ52aおよび第2ステージ52b)を含むエクスチェンジャ50と、を有していたが、これに限定されず、研磨部12の搬送ユニットが、M台(Mは3以上の自然数)の研磨装置の各々に対するM箇所の基板搬送位置に配置され、上下移動するM台のプッシャと、上下M段に配置され、搬送ロボット23に対してウェハWの受け渡しを行う待機位置L1とM箇所の基板搬送位置との間を互いに独立に水平移動する少なくともM台のステージを含むエクスチェンジャ50とを有していてもよい。この場合、エクスチェンジャ50は、M台のステージに対して上下多段に配置され、待機位置L1とM箇所の基板搬送位置との間をM台のステージとは独立に水平移動する少なくとも1台の更なるステージを有していることが好ましい。
【0262】
また、図18A図18О、図19A図19Pに示す例では、待機位置L1が、第1基板搬送位置TP1および第2基板搬送位置TP2よりも搬送ロボット23側(紙面右側)に位置決めされているが、このような位置関係に限定されるものではなく、待機位置L1は、第1基板搬送位置TP1と第2基板搬送位置TP2との間に位置決めされていてもよいし、第1基板搬送位置TP1および第2基板搬送位置TP2に対して搬送ロボット23とは逆側(紙面左側)に位置決めされていてもよい。
【0263】
なお、上述の実施形態では、ウェハを研磨する研磨装置を例に説明したが、本発明は研磨装置に限らず他の基板処理装置にも適用できるものである。例えば、複数の研磨ユニットを他の基板処理ユニット(例えば、めっき処理ユニットやCVDユニットなどの成膜処理ユニット、ウェットエッチングユニットやドライエッチングユニットなど)に置き換え、研磨装置とは別の基板処理装置を構成してもよい。また、異なる複数の基板処理ユニットを組み合わせ、これらを所定の方向に並べて配置してもよい。
【0264】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0265】
10 基板処理装置
11 ロード/アンロード部
12 研磨部
13 洗浄部
14 搬送部
15 制御部
20a 第1研磨ユニット
20b 第2研磨ユニット
21a 第1研磨装置
21b 第2研磨装置
21c 第3研磨装置
21d 第4研磨装置
22 研磨部搬送機構
23 搬送ロボット
231 ハンド
232 アーム
233 ロボット本体
234 反転機構
24a 第1搬送ユニット
24b 第2搬送ユニット
300A 研磨テーブル
301A トップリング
302A 研磨液供給ノズル
303A ドレッシング装置
304A アトマイザ
305A 研磨パッド
306A 研磨パッド温調スライダ
309A 補助ユニット
501a、501b、502a、502b 補助ユニット取付部
1a、1b 第1終点検知センサ
2、2a、2b 第2終点検知センサ
La トップリングの揺動中心と研磨テーブルの回転中心とを結ぶ直線
Lb 研磨テーブルの回転中心を通る直線(研磨テーブル上基準線)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
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図10
図11
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図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
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図14
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図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図18D
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図18H
図18I
図18J
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図18M
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図18O
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図19G
図19H
図19I
図19J
図19K
図19L
図19M
図19N
図19O
図19P
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
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図28B
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図29B
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図30A
図30B
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