(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ウニ様乾燥食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 17/00 20160101AFI20221018BHJP
【FI】
A23L17/00 H
(21)【出願番号】P 2019056340
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 紫乃
(72)【発明者】
【氏名】田森 はる香
(72)【発明者】
【氏名】山田 真椰
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 次朗
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-208259(JP,A)
【文献】特開平07-067599(JP,A)
【文献】特開平02-138957(JP,A)
【文献】特開2007-054024(JP,A)
【文献】特開平08-332023(JP,A)
【文献】特開昭55-153563(JP,A)
【文献】特開昭62-061566(JP,A)
【文献】特開2017-153470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白粉と、粉末セルロースと、膨化剤と、水と、を含む原料を擂潰したすり身材を、
成型し、加熱することにより加熱凝固及び膨化剤による膨化処理を行い、凍結した後、真空凍結乾燥することを特徴とするウニ様乾燥食品の製造方法。
【請求項2】
前記すり身材の総重量に対して、前記魚肉のすり身が10~20重量%、前記還元水あめが10~25重量%、前記澱粉が10~20重量%、前記油脂が1~8重量%、前記乳化剤が1~5重量%、前記卵白粉が1~4重量%、前記粉末セルロースが1~4重量%、前記膨化剤0.5~1.5重量%を含むことを特徴とする請求項1由来のウニ様乾燥食品の製造方法。
【請求項3】
前記すり身材の水分含量が40~55重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のウニ様乾燥食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウニ様乾燥食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な食品において、イミテーション食品が開発されている。イミテーション食品は、見た目や味、食感を本物の食品と似せた食品であり、例えば、蟹かまぼこ、人工イクラ、成形肉、植物蛋白を用いた擬似肉などがある。
【0003】
このうち、生ウニ様の食品についてもイミテーション食品の開発が検討されている(例えば、特許文献1~6参照)。しかしながら、お湯等で復元する乾燥食品については、検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-192572号公報
【文献】特開昭62-208259号公報
【文献】特開平10-14538号公報
【文献】特開平11-46729号公報
【文献】特開2013-158341号公報
【文献】特開2015-80449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、長期保存が可能であり、お湯等で復元し、喫食することが可能なウニ様乾燥食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、ウニや白子などの海産物を乾燥して水やお湯で復元する即席食品用の乾燥食品の製造を試みたが、これらの海産物は高価であることと、食品に含まれる油が酸化しやすいことから長期保存ができず、即席食品用の乾燥食品として使用することができなかった。そこで、安価で保存性があり、ウニ様の食感を有する乾燥食品を製造すべく、鋭意研究した結果、お湯等で復元し、長期保存可能で、ウニ様の食感を有するウニ様乾燥食品を製造できる方法を見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白粉と、粉末セルロースと、膨化剤と、水と、を含む原料を擂潰したすり身材を、成型し、加熱することにより加熱凝固及び膨化剤による膨化処理を行い、凍結した後、真空凍結乾燥することを特徴とするウニ様乾燥食品の製造方法である。
【0008】
また、本発明に係るすり身材の配合としては、すり身材の総重量に対して、魚肉のすり身が10~20重量%、還元水あめが10~25重量%、澱粉が10~20重量%、油脂が1~8重量%、乳化剤が1~5重量%、卵白粉が1~4重量%、粉末セルロースが1~4重量%、膨化剤0.5~1.5重量%が好ましい。
【0009】
また、本発明に係るすり身材の水分含量としては、40~55重量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、長期保存が可能であり、お湯等で復元し、喫食することが可能なウニ様乾燥食品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
【0012】
1.ウニ様乾燥食品
本発明に係るウニ様乾燥食品とは、お湯等で復元した時に生ウニのようなトロっとした食感を有する乾燥食品であり、生ウニ様の食感を有する食品やフグやタラなどの白子様の食感を有する食品を含む。
【0013】
2.原料
本発明に係るウニ様乾燥食品の原料は、魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白と、粉末セルロースと、膨化剤と、を含む。その他の原料としては、ウニや白子のビューレ、パウダー及びエキス、つなぎとしての大豆蛋白粉、塩ずり用の食塩、グルタミンソーダや昆布エキス、醤油などの調味料、アミノ酸、増粘多糖類、色素、香料、pH調整剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0014】
(魚肉のすり身)
本発明に係る魚肉は、特に限定はないが、スケソウダラやタイ、ヒラメ、タチウオなどの白身魚の魚肉が好ましい。これらの魚肉をチョッパーやサイレントカッターを用いて粗ずりしたものを使用すればよい。また、予め魚肉をすり身にして凍結したものを購入し、解凍して使用することもできる。魚肉のすり身は、ウニや白子に含まれる蛋白様のぼそぼそした食感や弾力感を出すために必要であり、すり身剤の総重量に対して10~20重量%含まれることが好ましい。
【0015】
(還元水あめ)
本発明に係る還元水あめは、澱粉を酸や酵素で加水分解 することにより得られる水あめを原料とし、水素添加によって,水あめのグルコース末端を還元することにより製造される単糖の糖アルコール及び多糖の糖アルコール混合物を指す。還元水あめを使用することにより、復元性が良くトロっとした食感に優れたウニ様乾燥食品を得ることができる。還元水あめの添加量としては、すり身材の総重量に対して10~20重量%となるように添加すればよい。
【0016】
(澱粉)
本発明に係る澱粉は、特に限定はなく、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘薯澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉が挙げられ、これらを単独で使用しても、又は混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酸化澱粉、油脂加工澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。澱粉は、ウニ様乾燥食品のボディー(固形分)としてだけでなく、復元した際にゲル的な食感を得るために必要である。好ましい種類としては、馬鈴薯澱粉やコーンスターチ澱粉の生澱粉や、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムなどの乳化性のある澱粉を組み合わせて使用することが好ましい。澱粉の添加量としては、すり身材の総重量に対して10~20重量%となるように添加すればよい。
【0017】
(油脂)
本発明に係る特に限定はなく、大豆油、菜種油、パーム油、米白絞油などの植物油、鶏脂、豚脂(ラード)、牛脂などの動物油、サンマやイワシなどの魚油、またはこれらの分別油もしくは硬化油を使用できる。ウニ様乾燥食品の場合には、保存性が必要のため、酸化しにくい油であることが必要であり、また、融点が高すぎると熱湯に溶解するのに時間がかかるため、融点が30~40℃の半固形脂を使用することが好ましい。油脂を含むことにより、トロっとした食感に優れたウニ様乾燥食品を得ることができるが、入れすぎると復元性が悪くなる。油脂の添加量については、すり身材の総重量に対して1~8重量%となるように添加すればよい。
【0018】
(乳化剤)
本発明に係る乳化剤は、すり身材中に気泡を作り、すり身材中に油脂を均質に乳化できればよく、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤が挙げられる。乳化剤は、O/W型の乳化剤の他に、起泡性のある乳化剤やW/O型の乳化剤を用いると、膨化剤で発泡した際の気泡の安定性や凍結、真空凍結乾燥時の油脂の安定性が増し、好ましい。乳化剤の添加量としては、すり身材の総重量に対して1~5重量%程度添加することが好ましい。多すぎるとエグ味を感じ、少なすぎると油脂が乳化しない。なお、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムにも乳化剤としての効果があるが、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムだけでは不十分であり、本発明において、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムは、乳化剤ではなく澱粉として取り扱う。
(卵白粉)
本発明に係る卵白としては、卵白粉を含む。卵白粉は、ゲル可能があれば特に限定はなく使用できる。添加量が少なすぎるとすり身材の保形性に欠け、多すぎるとウニ様乾燥食品の食感が硬くなり、復元性に時間がかかるため、添加量としては、すり身材の総重量に対して1~3重量%程度添加することが好ましい。
【0019】
(粉末セルロース)
本発明に係る粉末セルロースは、不溶性の食物繊維であればよく、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性にしたセルロース粉末は含まない。また、広義の意味で、不溶性のセルロースを多く含むものであればよく、ビートファイバーやシトラスファイバーなどの粉末も粉末セルロースに含む。粉末セルロースは、粒度が大きい方が復元性がよく、好ましくは200メッシュ以下の篩を通過したものを使用することが好ましい。また、粉末セルロースの添加量が多ければ多いほど復元性はよくなるが、ざらついた食感が出てくるため、添加量としては、すり身材の総重量に対して1~4重量%程度添加することが好ましい。
【0020】
(膨化剤)
本発明に係る膨化剤は、加熱時に気体を発生するものであればよく、重曹や重炭酸アンモニウムが挙げられる。膨化剤の量が少ないと加熱によりすり身内部を発泡化できず、復元性が悪くなる。重曹を用いる場合は、酸性剤をともに加えることで気体の発生を促進させるとともに風味も改善することができる。酸の種類は特に限定はないが、クエン酸が好ましい。膨化剤の重量としては、すり身材の総重量に対して0.5~1.5重量%程度添加することが好ましい。
【0021】
(水)
本発明においては、チョッパーやサイレントカッターなどによりすり身材を作製する途中に、温度が上昇しないためや原料を均質に分散させるために氷水や冷水を加える。水を加えることで、真空凍結乾燥した乾燥品は、復元する際に水の通り道が増えるため復元性が良くなる。好ましい水の添加量としては、すり身材の水分含量が40~55重量%となるように調整して添加することが好ましい。
【0022】
3.すり身材の作製
本発明に係るウニ様食品の製造方法としては、原料をチョッパーやサイレントカッターを用いて擂潰しながら均質なすり身材を作製する。まず、魚肉のすり身と氷水とを擂潰し、そこに還元水あめやウニ等のビューレ、調味料、アミノ酸、色素、気泡安定化のための乳化剤などの水溶性原料を添加し、空気を抱かせながら擂潰する。次いで、澱粉や卵白、つなぎのため大豆蛋白粉、粉末セルロース、O/W型乳化剤などの粉末系原料を加えてよく擂潰した後、さらに油脂、W/O型乳化剤、酸化防止剤などの油脂系原料を加えて擂潰する。このとき、油脂系原料と粉末系原料は水溶性原料の後であればどちらを先に加えてもよい。次いで、食塩や膨化剤、酸性剤を添加し擂潰する。食塩を加えるタイミングは、何れの原料を加えるタイミングでもよいが、あまり早く入れすぎるとすり身のタンパク質が塩溶し、硬く戻りが悪いものとなるため、できるだけ擂潰の最後の方に加えて、気泡を含んだふわっとした状態のすり身材となるようにすることが好ましい。
【0023】
4.成型、加熱
作製したすり身材は、型に入れて成型するか、チューブで押し出すことにより成型し、加熱する。加熱方法は、特に限定はなく、ボイルやスチーム、焼成によって加熱すればよい。また、スチームにより加熱した後に焼成するなどもできる。加熱することで、蛋白を凝固するだけでなく、膨化剤を発泡化させ、すり身材の内部をより大きな多孔質構造とすることができる。加熱温度は、タンパク質が変性し、凝固し、膨化剤が発泡すればよく、70℃以上、好ましくは85℃以上の温度で加熱すればよい。加熱しすぎるとタンパク質が変性しすぎて硬くなり、加熱が弱いと凝固せず、殺菌もできないため、好ましくは、成型したすり身材の中心が70~90℃くらいの温度となるまで加熱することが好ましい。
【0024】
(凍結工程)
加熱成型されたすり身材は、冷却後、必要により焼成などを行い、凍結して保存する。
凍結方法は、従来技術を適用することができる。例えば、エアブラスト式のトンネルフリーザー、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザーや凍結庫、ブライン式のフレキシブルフリーザー等が適用できる。復元性を良くするためには、-20℃程度の凍結庫で品温がー15℃以下となるように緩慢凍結することが好ましい。凍結したすり身材は、必要により、切断し形状を整えることができる。
【0025】
(真空凍結乾燥工程)
次いで、凍結した身材を真空凍結乾燥機を用いて減圧下で真空凍結乾燥する。真空凍結乾燥条件は特に限定されず、解凍しない程度の真空度、棚加熱温度で乾燥すればよい。好ましい範囲としては真空度が1.5torr以下、棚加熱温度が80℃以下、乾燥後の水分としては1~5重量%となるように乾燥すればよい。
【0026】
乾燥したすり身材は、ウニ様乾燥食品として、お湯で復元する即席食品(例えば、即席カップ麺、即席スープなど)や水を入れてレンジ加熱する即席食品(即席ライスなど)の具材として用いることができる。
【0027】
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0028】
(実施例1)
スケソウダラのすり身(陸上2級)150gと氷水65gをサイレントカッターで2分間擂潰し、そこに還元水あめ190g、起泡性のある乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)30g、昆布エキス30g、氷水120gを入れてさらに1分30秒擂潰して気泡を抱かせた後、ウニビューレ60g、ウニエキス40g、グルタミン酸ナトリウム14g、色素0.9g、ウニフレーバー2gを加えサイレントカッターでさらに3分間擂潰して混ぜ、次いで馬鈴薯澱粉40g、コーンスターチ100g、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム10g、大豆蛋白粉10g、乾燥卵白20g、粉末セルロース(50メッシュパス品)20g、ショ糖脂肪酸エステル(HLB9)2gを加えサイレントカッターさらに1分30秒間擂潰して混ぜ、次いでパーム油40g、グリセリン脂肪酸エステル(HLB7)1g、トコフェロール1重量部1gを加えサイレントカッターさらに1分30秒間擂潰して混ぜ、最後に食塩17g、重曹9g、クエン酸2gを加えてサイレントカッターさらに1分30秒間擂潰して混ぜ、すり身材(1Kg)を作製した。
【0029】
作製したすり身材を口先の形状が直径18mmの円形の口金を用いてすり身を棒状に押出し、90℃で7分間蒸した。次いで蒸したすり身材を-40℃の急速凍結庫で5分間予備凍結し、幅が5mmとなるようにギロチンカッターで切断した後、-20℃のプレハブ冷凍庫で12時間凍結した。
【0030】
凍結したすり身材を真空凍結乾燥機(東洋技研株式会社製TFD10LF4)にて0.1torr以下で、棚温が60℃、品温が58℃になるまで乾燥し、ウニ様乾燥食品サンプルとした。
【0031】
(実施例2)
スケソウダラのすり身(陸上2級)を94gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(すり身10重量%)を作製した。
【0032】
(実施例3)
スケソウダラのすり身(陸上2級)を212gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(すり身20重量%)を作製した。
【0033】
(実施例4)
還元水あめを90gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(還元水あめ10重量%)を作製した。
【0034】
(実施例5)
還元水あめを270gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(還元水あめ25重量%)を作製した。
【0035】
(実施例6)
馬鈴薯澱粉を24g、コーンスターチを65g、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを6gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(澱粉10重量%)を作製した。
【0036】
(実施例7)
馬鈴薯澱粉を67g、コーンスターチを134g、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを12gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(澱粉20重量%)を作製した。
【0037】
(実施例8)
パーム油を1gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(油脂1重量%)を作製した。
【0038】
(実施例9)
パーム油を10gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(油脂8重量%)を作製した。
【0039】
(実施例10)
起泡性のある乳化剤の添加量17gをとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(乳化剤2重量%)を作製した。
【0040】
(実施例11)
起泡性のある乳化剤の添加量48gをとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(乳化剤5重量%)を作製した。
【0041】
(実施例12)
W/O型の乳化剤を添加しない以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(乳化剤3.2重量%)を作製した。
【0042】
(実施例13)
卵白粉の添加量を1gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(卵白粉1重量%)を作製した。
【0043】
(実施例14)
卵白粉の添加量を3gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(卵白粉3重量%)を作製した。
【0044】
(実施例15)
粉末セルロースの添加量を1gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(粉末セルロース1重量%)を作製した。
【0045】
(実施例16)
粉末セルロースの添加量を4.1gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(粉末セルロース4重量%)を作製した。
【0046】
(実施例17)
粉末セルロースの種類を200メッシュパス品とする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプルを作製した。
【0047】
(実施例18)
重曹の添加量を0.5gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(膨化剤0.5重量%)を作製した。
【0048】
(実施例19)
重曹の添加量を1.5gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(膨化剤1.5重量%)を作製した。
【0049】
(実施例20)
添加する氷水120gを50gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(すり身材水分42重量%)を作製した。
【0050】
(実施例21)
添加する氷水120gを160gとする以外は、実施例1の方法に従ってウニ様乾燥食品サンプル(すり身材水分55重量%)を作製した。
【0051】
(参考例1)
生のウニを-20℃のプレハブ冷凍庫で12時間凍結し、実施例1同様に真空凍結乾燥した。
【0052】
各試験区のサンプルを10個紙カップに入れ360mlの熱湯を注ぎ、蓋をして3分間静置し、官能評価を行った。官能評価は、熟練の5人の専門家パネラーによって5点満点で行い、復元性、食感、風味について行った。評価は、5点が非常に良好、4点が良好、3点が概ね可、2点が悪い、1点が非常に悪いとした。
【0053】
また、作製したサンプルは、アルミ包材に入れ40℃湿度75%の恒温恒湿庫で3週間保存試験(常温5か月相当)をし、保存したサンプルを同様に復元して風味について確認した。
【0054】
各試験区の評価結果について実施例1~9を下記表1に、実施例8~14を下記表2に、実施例15~21及び参考例1を下記表3に示す。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
実施例1~21で示すように、魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白粉と、粉末セルロースと、膨化剤と、水と、を含む原料を擂潰したすり身材を、成型し、加熱することにより加熱凝固及び膨化剤による膨化処理を行い、凍結した後、真空凍結乾燥することにより、長期保存が可能であり、お湯等で復元し、喫食することが可能なウニ様乾燥食品の製造方法を提供することができる。なお、記載はしていないが、実施例1の方法のうにピューレの代わりにタラの白子ピューレを、ウニフレーバーの代わりに白子フレーバーを用いることでウニ様乾燥食品(タラの白子様食品)を製造出来た。