(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】発光素子及び発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20221019BHJP
H01L 33/40 20100101ALI20221019BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20221019BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/40
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2018236126
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三木 康寛
(72)【発明者】
【氏名】七條 聡
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 邦人
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-107371(JP,A)
【文献】特開2005-109434(JP,A)
【文献】特開2017-224691(JP,A)
【文献】特開平09-069401(JP,A)
【文献】特開2002-314002(JP,A)
【文献】特開2019-062172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0287900(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01L 21/56
H01L 23/28 - 23/30
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層、発光層及び第2半導体層を順に有し、かつ前記第2半導体層側に前記第2半導体層及び前記発光層から前記第1半導体層が露出する複数の露出部が、第1方向に沿って複数の列状に配置される半導体積層体と、
前記半導体積層体を覆い、複数の前記露出部の上方に開口部を有する絶縁膜と、
前記開口部にて前記露出部と接続され、かつ一部が前記絶縁膜を介して前記第2半導体層上に配置された第1電極と、
前記第2半導体層上に接続された第2電極と、
前記第1電極と接続され、平面視において、前記露出部と離間し、前記第1方向に沿って配列する前記露出部の列間に配置された複数の第1外部接続部と、
前記第2電極と接続され、平面視において、前記第1方向に沿って配列する前記露出部を繋ぐ直線上を除く領域に配置された複数の第2外部接続部とを含
み、
平面視において、隣り合う前記第2外部接続部間の間隔は、前記露出部の幅よりも小さい発光素子。
【請求項2】
第1半導体層、発光層及び第2半導体層を順に有し、かつ前記第2半導体層側に前記第2半導体層及び前記発光層から前記第1半導体層が露出する複数の露出部が、第1方向に沿って複数の列状に配置される半導体積層体と、
前記半導体積層体を覆い、複数の前記露出部の上方に開口部を有する絶縁膜と、
前記開口部にて前記露出部と接続され、かつ一部が前記絶縁膜を介して前記第2半導体層上に配置された第1電極と、
前記第2半導体層上に接続された第2電極と、
前記第1電極と接続され、平面視において、前記露出部と離間し、前記第1方向に沿って配列する前記露出部の列間に配置された複数の第1外部接続部と、
前記第2電極と接続され、平面視において、前記第1方向に沿って配列する前記露出部を繋ぐ直線上を除く領域に配置された複数の第2外部接続部とを含み、
前記第1外部接続部は、平面視において前記第1方向に直交する第2方向に延伸する複数の延伸部を有する発光素子。
【請求項3】
前記第2外部接続部は、平面視において前記第1方向に沿って配列する前記露出部を繋ぐ全ての直線上を除く領域に配置されている請求項1
又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1外部接続部及び第2外部接続部は、表面にめっき層を備える請求項1
~3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
平面視において、隣り合う前記第2外部接続部間の間隔は、前記露出部の幅よりも小さい請求項
2及び請求項2を引用する請求項3又は4のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記延伸部の一部は、平面視において、前記第1方向において隣り合う前記露出部間に位置する請求項
2及び請求項2を引用する請求項3~5のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
平面視において、前記複数の第2外部接続部は前記第1方向に直交する第2方向に沿って配置されており、前記第1外部接続部は、前記複数の第2外部接続部を挟む前記半導体積層体の両側に配置されている請求項1~6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
上面に配線パターンを有する基板と、
前記配線パターン上にフリップチップ実装される請求項1~7のいずれか1つに記載の発光素子と、
前記発光素子、前記第1外部接続部及び前記第2外部接続部並びに前記基板を被覆する光反射性物質を含む被覆部材とを備える発光装置。
【請求項9】
前記発光素子が、前記第1方向に直交する第2方向に複数配列されている請求項8に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及び発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、n型半導体層とn型半導体層の一部を露出するように積層された発光層及びp型半導体層とを有する半導体構造と、半導体構造上に設けられた複数の開口部を有する絶縁膜と、複数の開口部のうち発光層及びp型半導体層から露出したn型半導体層上に設けられた開口部を通して接続されたn電極と、複数の開口部のうちp型半導体層上に設けられた開口部を通して接続されたp電極と、p電極に接続されたp側外部接続部と、n電極に接続されたn側外部接続部とを備える発光素子が提案されている(例えば、特許文献1)。そして、このような発光素子は、光反射性の樹脂によって被覆されて発光装置として構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような発光素子では、放熱性と光取り出し効率を向上させるために、めっき層を発光素子の広範囲に配置するとともに、発光装置を形成するために、そのめっき層を複数に分割して、それぞれを離間させて、光反射性の樹脂の充填が容易となるように構成されている。
しかし、一方では、上述した発光素子では、光反射性の樹脂を意図する領域に十分に充填できず、この樹脂による光反射が不十分になり、光取り出し効率を低下させる要因となっている。よって、さらに樹脂を充填しやすくし、発光素子の広い範囲に光反射性の樹脂を配置する必要がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、放熱性と光取り出し効率を向上させるために、発光素子に外部接続部を広範囲に配置しつつ、外部接続部の周辺に光反射性の樹脂を充填することができる発光素子及び発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の発明を含む。
(1)第1半導体層、発光層及び第2半導体層を順に有し、かつ前記第2半導体層側に前記第2半導体層及び前記発光層から前記第1半導体層が露出する複数の露出部が、第1方向に沿って複数の列状に配置される半導体積層体と、
前記半導体積層体を覆い、複数の前記露出部の上方に開口部を有する絶縁膜と、
前記開口部にて前記露出部と接続され、かつ一部が前記絶縁膜を介して前記第2半導体層上に配置された第1電極と、
前記第2半導体層上に接続された第2電極と、
前記第1電極と接続され、平面視において、前記露出部と離間し、前記第1方向に沿って配列する前記露出部の列間に配置された複数の第1外部接続部と、
前記第2電極と接続され、平面視において、前記第1方向に沿って配列する前記露出部を繋ぐ直線上を除く領域に配置された複数の第2外部接続部とを含む発光素子。
(2)上面に配線パターンを有する基板と、
前記配線パターン上にフリップチップ実装される上述した発光素子と、
前記発光素子、前記第1外部接続部及び前記第2外部接続部並びに前記基板を被覆する光反射性物質を含む被覆部材とを備える発光装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態の発光素子及び発光装置によれば、発光素子に外部接続部を広範囲に配置しつつ、外部接続部の周辺に光反射性の樹脂を充填し、放熱性と光取り出し効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の一実施形態の発光素子を模式的に示す平面図である。
【
図2】本開示の別の実施形態の発光素子を模式的に示す平面図である。
【
図3A】本開示の一実施形態の発光装置を模式的に示す斜視図である。
【
図4】本開示の別の実施形態の発光装置を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において参照する図面は、実施形態を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、平面図とその断面図において、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
本願において、第1方向は、半導体積層体13又は発光素子10の一つの辺に平行な一方向を意味する。また、第2方向は、第1方向に直交する方向を意味する。
【0010】
実施形態1:発光素子10
本開示の一実施形態における発光素子10は、
図1Aから1Cに示すように、第1半導体層13n、発光層13a及び第2半導体層13pを順に有する半導体積層体13と、半導体積層体13の側面および上面を覆う絶縁膜14と、第1半導体層13nと接続され、第2半導体層13p上に配置された第1電極11と、第2半導体層13p上に接続された第2電極12と、第1電極11と接続された第1外部接続部21と、第2電極12と接続された第2外部接続部22とを含む。
半導体積層体13は、第2半導体層13p及び発光層13aから第1半導体層13nが露出する複数の露出部13bを有している。露出部13bは、第1方向に沿って複数の列状に配置されている。
絶縁膜14は、複数の露出部13bの上方に開口部14aを有する。
第1電極11は、開口部14aにて露出部13bと接続され、かつ一部が絶縁膜14を介して第2半導体層13p上に配置されている。
第1外部接続部21は、平面視において、露出部13bと離間し、第1方向に沿って配列する露出部13bの列間に配置されて、複数配置されている。
第2外部接続部22は、平面視において、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ直線上を除く領域に複数配置されている。
このような発光素子10においては、第1電極11及び第2電極12と、第1外部接続部21及び第2外部接続部22とが設けられた面側を実装面としたフリップチップ実装に適した構造を有している。この際、実装面と反対側の面が主な光取り出し面となる。
発光素子10の平面形状は、例えば、四角形、六角形等の多角形、これらの角に丸みを帯びた形状、円形又は楕円形等が挙げられる。なかでも、四角形が好ましい。
【0011】
(半導体積層体13)
発光素子10を構成する半導体積層体13は、第1半導体層13n、発光層13a及び第2半導体層13pがこの順に積層されて構成される。このような半導体積層体13は、通常、絶縁性の支持基板15上に形成されている。ただし、最終的に、発光素子10においては、支持基板15が除去されたものでもよい。発光層13aと、発光層13aの上面に設けられた第2半導体層13pとは、第1半導体層13nの上面のうち所定の領域に設けられている。つまり、第1半導体層13n上の一部の領域には、第2半導体層13p及び発光層13aが存在しない。このように、第1半導体層13nが、発光層13a及び第2半導体層13pから露出する領域を露出部13bと称する。つまり、半導体積層体13は、第2半導体層13pの表面に、平面視において互いに離間した複数の孔を有し、孔の底面に第1半導体層13nが露出している。そして、孔の側面には第2半導体層13pの側面、発光層13aの側面、及び第1半導体層13nの側面が露出している。
【0012】
露出部13bの形状、大きさ、位置、数は、所望の発光素子の大きさ、形状、電極パターン等によって適宜設定することができる。
露出部13bの形状は、例えば、平面視において円又は楕円、三角形、四角形、六角形等の多角形等が挙げられ、なかでも、円形又は円形に近い楕円形状が好ましい。露出部13bの大きさは、半導体積層体13の大きさ、求められる発光素子の出力、輝度等によって適宜調整することができ、例えば、直径が数十μm~数百μm程度の大きさであることが好ましい。別の観点から、露出部13bの直径が、半導体積層体13の一辺の1/20~1/5程度の大きさであることが好ましい。露出部13bは、1つの発光素子において規則的に配置していることが好ましい。具体的には、第1方向に沿って複数列配置されていることが好ましい。また、露出部13bは、第2方向にも数行以上配置されていることが好ましい。例えば、露出部13bは、第2方向に数行~十数行配置されていることが好ましい。なかでも、第1方向に沿って列状に配置する露出部13bは、互いに隣接するように3列以上配置されていることがより好ましい。第1方向に並ぶ露出部13bの数は、第2方向に並ぶ露出部13bの数と同じでも、多くても、少なくてもよい。例えば、列状に配置される露出部13bの第1方向に沿った列の数は、1つの列内に配置される露出部13bの数よりも少ないことが好ましい。これにより、後述する第1外部接続部21を、第2方向に沿って配列する露出部13bの列間により大きな面積で形成することができる。
【0013】
複数の露出部13bの平面視形状は、すべてが略同じ形状、略同じ大きさであってもよいし、それぞれ又は一部が異なる形状、大きさであってもよい。露出部13bは発光層13aを有さない領域であるため、同程度の大きさの複数の露出部13bを規則的に整列して配置することにより、発光面積及び電流の供給量の偏りを抑制することができる。その結果、発光素子全体として、輝度ムラを抑制することができる。
【0014】
露出部13bは、半導体積層体13の外縁よりも内側に複数形成されていることが好ましい。半導体積層体13の外縁の内側に配置されるものの合計面積は、半導体積層体13の平面積の30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。露出部13bを半導体積層体13の外縁の内側に、半導体積層体13の平面積の30%以下の範囲とすることで、第1半導体層13n及び第2半導体層13pへの電流供給のバランスを図ることができ、供給される電力の偏りによる輝度ムラを抑制することができる。
露出部13bは、規則的に配置していることが好ましい。具体的には、露出部13bは、平面視において、略等間隔に配置されていることが好ましい。これによって、発光素子の輝度ムラを抑制して、均一に光取り出しすることができる。具体的には、露出部13bは、上面視で略円形状である。露出部13bの大きさは、例えば、直径数十μm~数百μmであり、上面側に一定の間隔で整列して配置されていることが好ましい。
【0015】
半導体積層体13は、例えば、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等、種々の半導体が挙げられる。具体的には、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料が挙げられ、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等を用いることができる。各層の膜厚及び層構造は、当該分野で公知のものを利用することができる。
【0016】
(絶縁膜14)
絶縁膜14は、半導体積層体13の上面及び側面を被覆するとともに、露出部13bの上方に開口部14aを、第2半導体層13pの上方に開口部14bを有する。絶縁膜14が半導体積層体13を被覆し、かつ露出部13bの上方に開口部14aを有することにより、第2半導体層13pの上面を覆う絶縁膜14の上面の広範囲に、例えば絶縁膜14の上面の略全面に第1電極11を形成することができる。
絶縁膜14は、当該分野で公知の材料によって、電気的な絶縁性を確保し得る材料及び厚みで形成されていることが好ましい。具体的には、絶縁膜14は、金属酸化物及び金属窒化物等、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物又は窒化物によって形成することができる。
【0017】
(第1電極11及び第2電極12)
第1電極11及び第2電極12は、半導体積層体13の上面側(つまり、成長基板とは反対側である第2半導体層側)に配置されている。
第1電極11は、露出部13bの上方における絶縁膜14の開口部14aにて、露出部13bと接続している。この場合、第1電極11は複数の露出部13bを覆うように接続されることが好ましく、全部の露出部13bが第1電極11に覆われ、一体的に接続されることがより好ましい。従って、第1電極11は、第1半導体層13n上のみならず、第2半導体層13p上方にも配置される。つまり、第1電極11は、絶縁膜14を介して、露出部13bを形成する孔の側面(つまり発光層13a及び第2半導体層13pの側面)及び第2半導体層13p上に配置される。
【0018】
第2電極12は、第2半導体層13pの上方にある絶縁膜14の開口部14bを通して、第2半導体層13p上に配置され、かつ第2半導体層13pと電気的に接続されている。
第1電極11及び第2電極12は、第1半導体層13n及び第2半導体層13pと、それぞれ直接接触しておらず、後述する光反射性電極等の導電性部材を介して電気的に接続されていてもよい。
【0019】
第1電極11及び第2電極12は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti、Al、Cu等の金属又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。具体的には、これら電極は、半導体層側からTi/Rh/Au、Ti/Pt/Au、W/Pt/Au、Rh/Pt/Au、Ni/Pt/Au、Al-Cu合金/Ti/Pt/Au、Al-Si-Cu合金/Ti/Pt/Au、Ti/Rhなどの積層膜によって形成することができる。第1電極11及び第2電極12の膜厚は、当該分野で用いられる膜の膜厚のいずれでもよい。
第1電極11及び第2電極12の平面視形状は、半導体積層体13の平面視形状が矩形の場合、同様にその外縁形状が矩形又は略矩形であることが好ましい。第1電極11及び第2電極12は、平面視において、1つの半導体積層体13においては、一方向に並行して交互に配置されていることが好ましい。例えば、平面視において、第1電極11が第2電極12を挟むように配置されていることが好ましい。
【0020】
(光反射性電極16)
発光素子10は、第1電極11及び/又は第2電極12と第2半導体層13pとの間に光反射性電極16を有していてもよい。
光反射性電極16としては、銀、アルミニウム又はこれらのいずれかの金属を主成分とする合金を用いることができ、特に発光層から発せられる光に対して高い光反射性を有する銀又は銀合金がより好ましい。光反射性電極16は、発光層から出射される光を効果的に反射することができる程度の厚みを有することが好ましく、例えば、20nm~1μm程度が挙げられる。光反射性電極16は、半導体積層体13の上面の広い範囲に配置されることが好ましい。具体的には、平面視において、光反射性電極16の総平面積は、半導体積層体13の平面積の50%以上、60%以上、70%以上が挙げられる。
【0021】
光反射性電極16が銀を含む場合には、銀のマイグレーションを防止するために、その上面、好ましくは、光反射性電極16の上面及び側面を被覆する保護層17を設けてもよい。保護層17としては、通常、電極材料として用いられている金属又は合金等の導電性部材によって形成してもよいし、絶縁性部材を用いても形成してもよい。導電性部材としては、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属を含有する単層又は積層層が挙げられる。絶縁性部材としては、上述した絶縁膜14と同様の材料が挙げられるが、なかでもSiNを用いることが好ましい。SiNは膜が緻密なため、水分の侵入を抑制する材料として優れている。保護層17の厚みは、効果的に銀のマイグレーションを防止するために、数百nm~数μm程度が挙げられる。保護層17を絶縁性部材で形成する場合、保護層17が光反射性電極16の上方に開口を有することで光反射性電極16と第2電極12とを電気的に接続することができる。なお、発光素子10が第2半導体層13p上に光反射性電極16及び保護層17を有する場合、半導体積層体13を覆う絶縁膜14は光反射性電極16及び保護層17を覆っており、かつ、第2電極12の直下の領域には開口が形成されており、これにより第2電極12と光反射性電極16とが電気的に接続される。
【0022】
(第1外部接続部21及び第2外部接続部22)
第1外部接続部21及び第2外部接続部22は、第1電極11及び第2電極12と電気的に接続され、外部と接続するために設けられる。
第1外部接続部21は、第1電極11と接続され、第2半導体層13pの上方において、絶縁膜14の上面に設けられた第1電極11上に設けられるとともに、平面視において、露出部13bとは離間して配置されている。第1外部接続部21は、第1方向に沿って配列する露出部13bの列間に配置されている。また、第1外部接続部21は、第2方向に沿って複数配置されている。第1外部接続部21は、第1方向に長い形状を有する。第1外部接続部21の第1方向における長さは、半導体積層体13の第1方向の半分の長さよりも若干短い。具体的には、第1外部接続部21の第1方向における長さは、半導体積層体13の第1方向の長さの35%~45%の長さが挙げられる。第1外部接続部21は、第2方向に沿って配列する露出部13bの列間ごとに1つずつ配置されることが好ましい。
【0023】
また、第1外部接続部21は、平面視において第2方向に延伸する複数の延伸部21aを有する。延伸部21aの少なくとも一部は、平面視において第1方向に隣接する露出部13b間に位置するものが好ましい。これにより、第1外部接続部21の平面視形状をより大きなものとすることができる。延伸部21aが第1方向に隣接する露出部13b間に延伸する場合、延伸部21aの端部は露出部13b間に配置されていてもよいし、露出部13bを超えた位置に配置されていてもよい。特に、第1方向に沿った発光素子10の外縁に近接する露出部13b間では、延伸部21aは、露出部13bを超えて延伸し、延伸部21aの端部が露出部13bよりも発光素子の外縁に近い位置に配置されることが好ましい。つまり、第1外部接続部21の延伸部21aは、発光素子10の外縁に隣接する露出部13bに対して、露出部13bの外縁側の端部よりも発光素子10の外縁に近い端部を有することが好ましい。延伸部21aの幅(つまり第1方向における長さ)は、露出部13b間において、露出部13bに近接し、かつ、電気的な短絡を生じさせない程度に設定される。延伸部21aは、1つの第1外部接続部21において複数配置され、それらは一部又は全てが異なる大きさ及び形状であってもよいが、少なくとも同じ方向に延びる縁においては、大きさは同じであることが好ましい。
【0024】
図1Aに示すように、第1外部接続部21は、発光素子10の外縁に隣接する露出部13bに対して、これらの露出部13bの端部よりも外縁に近い端部を有することが好ましい。つまり、延伸部21aは、第1方向に列状に配置される露出部13bの、半導体積層体13の外縁に最も近くに配列される露出部13b間においては、露出部13bを越えて第1方向に延伸することが好ましい。
また、露出部13bが第2方向に沿って複数列が列状に配置される場合、発光素子10は複数の第1外部接続部21を有し、複数の第1外部接続部21は各列間に1つずつ配置されることが好ましい。つまり、各列間に配置する2つ以上の第1外部接続部21は、互いに、列状に配置される露出部13bを挟んで離間して配置されていることが好ましい。そして、それぞれの第1外部接続部21が、第1外部接続部21に沿って隣接する露出部13b間に延伸する延伸部21aを備えることにより、第1外部接続部21の面積をより大きく形成することができる。
【0025】
このように第1方向に沿って形成される第1外部接続部21が、平面視において第2方向に延伸する延伸部21aを有することにより、半導体積層体13上に露出部13bを避けて第1外部電極21をより大面積で配置することができる。平面視において、第1外部接続部21と露出部13bとが重ならないため、後述する発光素子10の基板23への接合の際に、その接合時の応力による露出部13b近傍の絶縁膜及び電極の破損を回避することができる。また、第1外部接続部21を発光素子10の一面において大面積で配置することができるため、放熱性をより一層確保することが可能となる。また、上述したように、第1方向に長い形状を有する2つ以上の第1外部接続部21が、列状に配置される露出部13bを挟んで離間して配置されることにより、発光素子10と基板23との間に後述する被覆部材27を形成する際に、被覆部材27を形成するための未硬化の樹脂材料が流動しやすくなる。これにより、発光素子10の直下におけるボイド等の発生を抑制することができる。つまり、第1外部接続部21が、第1方向に複数の列状に配置された露出部13bの列間で第1方向に長い形状を有することにより、被覆部材27を形成するための未硬化の樹脂材料が基板23上を第1外部接続部21に沿って、露出部13bの直下を第1方向に流動しやすくなる。これにより、露出部13bを形成する孔の内部へも樹脂材料が配置されやすくなり、露出部13b直下(つまり露出部を形成する孔の内部)におけるボイドの発生を抑制することができる。
なお、平面視において第1方向に沿って、半導体積層体13の外縁に隣接して配列する露出部13bが存在する場合、半導体積層体13の外縁と露出部13bとの間には、第1外部接続部21よりも幅狭の第1外部接続部21が配置されていてもよい。この場合、半導体積層体13と対面する第1外部接続部21の形状は、半導体積層体13と同様に、第1方向にまっすぐに伸びる形状であることが好ましい。
【0026】
第1外部接続部21が、露出部13bを挟んで隣接する場合、第1外部接続部21間の最も近い距離は、例えば、発光素子10の一辺の長さの0.1%~2%の長さが挙げられる。
【0027】
第2外部接続部22は、第2電極12と接続される。第2外部接続部22は、平面視において、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ直線上を除く領域に配置されている。ここでは、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ全ての直線上を除く領域に配置されている。従って、第2外部接続部22は、平面視において、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ直線上で分断され、第2方向に沿って複数配置されている。例えば、第2外部接続部22は、第2方向に若干に長い形状であり、第2方向に沿って、第1外部接続部21と同等の長さを有し、第1方向に沿って、発光素子10の一辺の長さの5%~20%の長さが挙げられる。また、平面視において、隣り合う第2外部接続部22間の間隔は、露出部13bの幅よりも小さいことが好ましい。
言い換えると、発光素子10の第1電極11及び第2電極12の上には、露出部13bが並ぶ直線上において、第1外部接続部21及び第2外部接続部22の双方が配置されていない領域が存在する。このような領域は、発光素子10の一辺に平行な直線上に存在することが好ましい。これにより、このような発光素子10を用いて発光装置を構成する場合、発光素子10の第1方向に沿って、被覆部材27を構成する樹脂を第1外部接続部21及び第2外部接続部22が配置されている領域周辺にまで効率よく流し込むことができる。その結果、第1外部接続部21及び第2外部接続部22が配置することにより放熱性を確保しつつ、発光素子10の全体に対して被覆部材27を配置させ、発光素子10の光取り出し効率を向上することができる。また、発光素子10の全体において被覆部材27にボイドが発生することを有効に防止することができる。
【0028】
第2外部接続部22は、例えば、第1方向に沿って延びる第1外部接続部21に挟まれて、半導体積層体13の両側に配置されていることが好ましい。つまり、平面視において、第2外部接続部22は、第2方向に若干長い形状で、第2方向に沿って複数配列されており、第1外部接続部21は、複数の第2外部接続部22を挟んで、半導体積層体13の両側に配置されていることが好ましい。この場合、第1外部接続部21は、第2外部接続部22の第1方向の中心線に対して線対称に配置されていることがより好ましい。これにより、発光素子10を基板23上にフリップチップ実装する際に第1外部接続部21および第2外部接続部22にかかる応力の偏りを少なくすることができる。その結果、発光素子10と基板23との接合精度が安定する。また、第2外部接続部22が第1外部接続部21の間隔と同様に間隔を有して配置されているために、被覆部材27を形成する未硬化の樹脂材料の流動性を発光素子の一方向にわたって良好なものとすることができる。これにより、発光素子10の全体において被覆部材27にボイドが発生することを有効に防止することができるとともに、熱応力の低減を図ることができる。
【0029】
第1外部接続部21及び第2外部接続部22の総面積は、平面視において、半導体積層体13の平面積に対して40%~80%程度であることが好ましく、好ましくは50%~70%程度であることがさらに好ましい。第1外部接続部21及び第2外部接続部22の総面積を半導体積層体13の平面積に対して40%以上とすることで、発光素子の放熱性を向上させることができる。第1外部接続部21及び第2外部接続部22の総面積を半導体積層体13の平面積に対して80%以下とすることで、被覆部材27を形成する未硬化の樹脂材料を流し込むための領域を確保しやすい。
【0030】
第1外部接続部21及び第2外部接続部22は、それぞれ、当該分野で公知の方法で形成することができる。例えば、スパッタリング法、蒸着法、めっき法又はこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。例えば、第1外部接続部21及び第2外部接続部22を形成する場合、Al、Ag、Al合金及びAg合金、Cu、Au、Niなどの金属の単層又は積層構造を用いることができる。第1外部接続部21及び第2外部接続部22は、腐食防止及びAu-Sn共晶半田などのAu合金系の接着部材を用いた基板23との接合性を高めるために、少なくとも最上層をAuで形成することが好ましい。なかでも、第1外部接続部21及び第2外部接続部22は、単層又は積層構造で、それらの表面にめっき層を備えることが好ましい。
【0031】
実施形態2:発光素子30
上述した発光素子10の変形例として、
図2に示す発光素子30が挙げられる。
この実施形態における発光素子30は、第2外部接続部32bが、平面視において、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ一部の直線上を除く領域に配置されているが、ここでは、第1方向に沿って配列する露出部13bを繋ぐ2つの直線上を除く領域に配置されている。第2外部接続部32bの両側の第2外部接続部32aは、平面視において、第2方向に長い形状を有し、それらに挟まれた第2外部接続部32bは、第2外部接続部32aよりも若干第2方向に長い。第2外部接続部32a、32b間の距離は、発光素子10における第2外部接続部32b間の距離と同等であることが好ましい。このような第2外部接続部32aを配置することにより、実施形態1に比べて、発光素子10の第1方向における被覆部材27の流し込みやすさは劣るものの、第2外部接続部32aを配置する面積を増加させ放熱性を向上させることができる。
なお、
図2においては、第2外部接続部32a、32bは3分割されているが、2分割、4分割以上でもよい。
【0032】
実施形態3:発光装置20
本開示の一実施形態における発光装置20は、
図3A及び3Bに示すように、上面に配線パターンを有する基板23と、上述した発光素子10と、被覆部材27とを備える。
【0033】
(基板23)
基板23は、上面に配線パターン24、25を有し、配線パターン24、25上に発光素子10が、フリップチップ実装されている。
基板の材料としては、例えば、ガラスエポキシ、樹脂、セラミックスなどの絶縁性部材、表面に絶縁性部材を形成した金属部材等が挙げられる。なかでも、基板の材料は、耐熱性及び耐候性の高いセラミックスを利用したものが好ましい。セラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
【0034】
配線パターン24、25は、発光素子10に電流を供給し得るものであればよく、当該分野で通常使用されている材料、厚み、形状等で形成されている。具体的には、配線パターン24、25は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、プラチナ、チタン、タングステン、パラジウム、鉄、ニッケル等の金属又はこれらを含む合金等によって形成することができる。特に、基板23の上面に形成される配線パターン24、25は、発光素子10からの光を効率よく取り出すために、その最表面が銀又は金などの反射率の高い材料で覆われていることが好ましい。配線パターン24、25は、電解めっき、無電解めっき、蒸着、スパッタ等によって形成される。例えば、発光素子10の電極として配線パターン24、25に接続される第1外部接続部21及び第2外部接続部22の最表面が金によって形成されている場合、配線パターン24、25の最表面もAuとすることが好ましい。これによって、発光素子10と基板23との接合性を向上することができる。
【0035】
配線パターン24、25は、基板23の上面に第1外部接続部21が接続される配線パターン24と、第2外部接続部22が接続される配線パターン25を有していることが好ましい。このような配線パターン24、25によって、発光素子10をフリップチップ実装により接続することができる。第1外部接続部21及び第2外部接続部22が形成された面を下面として基板23上にフリップチップ実装する場合、下面と反対側の上面が発光素子10の主な光取り出し面となる。配線パターン24、25は、基板23の上面のみならず、内部及び/又は下面に配置されていてもよい。
【0036】
発光素子10における第1外部接続部21及び第2外部接続部22と、配線パターン24、25との接合は、例えば、超音波接合法を用いて接合することができる。また、接合部材として、金、銀、銅などのバンプ、銀、金、銅、プラチナ、アルミニウム、パラジウムなどの金属粉末と樹脂バインダを含む金属ペースト、錫-ビスマス系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系などの半田、低融点金属などのろう材等を用いてもよい。
【0037】
(被覆部材27)
被覆部材27は、発光素子10の側面、発光素子10と基板23との間、基板23の上面、第1外部接続部21及び第2外部接続部22の側面を被覆する。被覆部材27は、発光素子10の下面において、露出部の直下にも配置されることが好ましい。また、後述するように、発光装置20が、発光素子10の上面に透光部材28を有する場合には、被覆部材27は、透光部材28の側面も被覆することが好ましい。
被覆部材27は、光反射性、透光性、遮光性等を有する樹脂、これらの樹脂に光反射性物質、蛍光体、拡散材、着色剤等を含有した樹脂等によって形成することができる。なかでも、被覆部材27は、光反射性及び/又は遮光性を有することが好ましい。被覆部材27を構成する樹脂、光反射性物質等は、当該分野で通常使用されているもののいずれをも利用することができる。例えば、樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂の1種以上を含む樹脂又はハイブリッド樹脂等が挙げられる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが挙げられる。
【0038】
被覆部材27を構成する材料は、発光素子10と基板23との間に入り込みやすく、ボイドの発生を防止しやすいという観点から、流動性が高く、熱又は光の照射により硬化する樹脂を含むことが好ましい。このような材料は、例えば、0.5Pa・s~30Pa・sの粘度での流動性を示すものが挙げられる。また、被覆部材27を構成する材料における光反射性物質等の含有量等によって光の反射量、透過量等を変動させることができる。被覆部材27は、例えば、光反射性物質を20重量%以上含有することが好ましい。
被覆部材27は、例えば、射出成形、ポッティング成形、樹脂印刷法、トランスファーモールド法、圧縮成形などで成形することができる。
【0039】
(透光部材28)
発光装置20は、発光素子10の上面に透光部材28を有することが好ましい。透光部材28は、発光素子の光取り出し面を被覆し、発光素子10から出射される光の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上を透過させ、外部に放出することが可能な部材である。透光部材28は、光拡散材、発光素子10から出射される光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を含有することができる。透光部材28の下面外縁は、発光素子10の上面外縁と一致するか、上面外縁より内側又は外側のいずれかのみに位置することが好ましい。透光部材28は板状であることが好ましく、透光部材28の厚みは、例えば、50μm~300μmが挙げられる。
【0040】
透光部材28は、例えば、樹脂、ガラス、無機物等により形成することができる。また、蛍光体を含有する透光部材は、蛍光体の焼結体、樹脂、ガラス又は他の無機物に蛍光体を含有させたもの等が挙げられる。また、透光部材28は、平板状の樹脂、ガラス、無機物等の成形体の表面に蛍光体を含有する樹脂層を形成したものでもよい。透光部材28は、透明度が高いほど、被覆部材27との界面において光を反射させやすいため、輝度を向上させることが可能となる。
【0041】
透光部材28に含有させる蛍光体としては、例えば、発光素子10として、青色発光素子又は紫外線発光素子を用いる場合には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG:Ce)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO-Al2O3-SiO2:Eu)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体(例えば(Sr,Ba)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えばSi6-zAlzOzN8-z:Eu(0<Z<4.2))、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K2SiF6:Mn)、硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体等が挙げられる。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子との組み合わせにより、所望の発光色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を得ることができる。このような蛍光体を透光部材に含有される場合、蛍光体の濃度は、例えば5%~50%程度とすることが好ましい。
【0042】
透光部材28は、発光素子10の光取り出し面を被覆するように接合されている。透光部材28と発光素子10との接合は、接着材を介して又は介さずに接合することができる。接着材は、例えば、エポキシ又はシリコーン等の樹脂材料を用いたものが利用できる。透光部材28と発光素子10との接合には、圧着、焼結、表面活性化接合、原子拡散接合、水酸基接合による直接接合法を用いてもよい。
【0043】
発光装置20は、任意に、保護素子26等の別の素子又は電子部品等を有していてもよい。これらの素子及び電子部品は、被覆部材27内に埋設されていることが好ましい。
【0044】
実施形態4:発光装置40
本開示の一実施形態における発光装置40は、
図4に示すように、上面に配線パターン42a、42bを有する基板41と、上述した複数、例えば、3つの発光素子10と、被覆部材44とを備える。
複数の発光素子10が一列に配列される場合、発光素子10の第1方向は、発光素子10が配列する方向とは異なる方向、例えば、発光素子10が配列する方向と直交する方向に向いて、配列されることが好ましい。複数の発光素子10を比較的狭い間隔で配列した場合、発光素子10の全方位から被覆部材44を流し込むことができず、発光素子10の直下に被覆部材44を配置することが難しい。本実施形態のような配列によって、被覆部材44を発光素子10の第1方向に沿って効率よく流し込むことができる。そのため、被覆部材44を全発光素子10における全露出部13bの直下に容易に充填することができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
この発光装置40における配線パターン42a、42bの間には中継用の配線パターンが設けられている。この中継用の配線パターンに発光素子10が実装されることで、本実施形態では3つの発光素子10が直列接続されている。また、配線パターン42a、42bの一部が被覆部材44に覆われている。
【符号の説明】
【0045】
10、30 発光素子
11 第1電極
12 第2電極
13 半導体積層体
13a 発光層
13b 露出部
13n 第1半導体層
13p 第2半導体層
14 絶縁膜
14a、14b 開口部
15 支持基板
16 光反射性電極
17 保護層
20、40 発光装置
21 第1外部接続部
21a、21b 延伸部
22、32a、32b 第2外部接続部
23、41 基板
24、25、42a、42b 配線パターン
26 保護素子
27、44 被覆部材
28 透光部材