(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】4-アミノ-ピリダジンを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
C07D 237/20 20060101AFI20221019BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20221019BHJP
C07D 237/14 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
C07D237/20 CSP
C07D403/12
C07D237/14
(21)【出願番号】P 2021015427
(22)【出願日】2021-02-03
(62)【分割の表示】P 2017557929の分割
【原出願日】2016-05-10
【審査請求日】2021-02-05
(32)【優先日】2015-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クローバー,エリック ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ラック,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ,ロランド
(72)【発明者】
【氏名】セルゲル,セバスティアン
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/055497(WO,A1)
【文献】特表2013-505969(JP,A)
【文献】特表平10-504833(JP,A)
【文献】特表2008-513532(JP,A)
【文献】国際公開第2013/156318(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00-521/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化1】
を製造するための方法であって、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化2】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させるステップ
(式中、
R
1はCH
2CH
3である)
を含む方法。
【請求項2】
反応をHClスカベンジャーの非存在下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
HClスカベンジャーは水素化触媒の除去後に添加される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該HClスカベンジャーは水なしで提供される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
HClスカベンジャーが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属アルキル、アルキルマグネシウムハロゲン化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコラートを含む塩基、第3級アミン、ピリジン、二環式アミン、アンモニア、及び第1級アミンを含む窒素含有塩基;並びにその組合せ;酢酸ナトリウム及び/又はギ酸アンモニウムを含む緩衝液;イミダゾールを含むイオン性液体の前駆体;並びにその組合せからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
水素化触媒が、担体上の白金又はパラジウム、ラネーニッケル及びラネーコバルトからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
水素化触媒が、炭素上の白金又はパラジウムである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化3】
を、
式III
【化4】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させることによって製造するステップ
(式中、R
1は、請求項1に規定されている通りである)
をさらに含み、
場合により、式III
【化5】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【化6】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式II
【化7】
の化合物を、
ムコクロル酸(I)
【化8】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化9】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化10】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化11】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、請求項1に規定されている通りであり、
R
2は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、又はC
2~C
10-アルキニルであり、ここで、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、ここで、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
3は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
Nは、H、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、
或いはOR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、S(O)
mNR
eR
f、C(Y)NR
iNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-OR
a、C
1~C
5-アルキレン-CN、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)R
b、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)OR
c、C
1~C
5-アルキレン-NR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)NR
gR
h、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mR
d、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-NR
iNR
eR
f、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル、ヘテロシクリル-C
1~C
5-アルキル、ヘタリール-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルキル-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル-C
1~C
5-アルキル、フェニル-C
1~C
5-アルキル、又はフェニルであり、最後に挙げた10個の基の環は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよく、
R
a、R
b、R
cは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、R
dは、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
e、R
fは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルキルスルホニル、C
1~C
4-ハロアルキルスルホニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルスルホニル、フェニル、フェニルカルボニル、フェニルスルホニル、ヘタリール、ヘタリールカルボニル、ヘタリールスルホニル、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた12個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立して、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、或いは
R
e及びR
fは、それらが結合している窒素原子と一緒に、環員原子としてO、S及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を有していてよい5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環を形成し、複素環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
g、R
hは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
iは、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、フェニル及びフェニル-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた2個の基におけるフェニル環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
xは、CN、NO
2、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
10-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、5員から7員のヘテロシクリル、5員又は6員のヘタリール、フェニル、C
3~C
6-シクロアルコキシ、3員から6員のヘテロシクリルオキシ、及びフェノキシから選択され、ここで、最後に挙げた7個の基は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個又は5個のR
y基を有していてもよく、
R
yは、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル及びC
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキルから選択され、
Yは、O又はSであり、
mは、0、1又は2であり、
X
1は、脱離基である)
をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
X
1は、ハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
R
1が、CH
2CH
3であり、
R
2が、非置換であってよい又は部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよいC
1~C
4-アルキルであり、
R
3が、Hであり、
R
Nが、-CR
4R
5R
6基であり、
R
4は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてよいC
1~C
4-アルキル(R
xは、CN及びC(O)NH
2から選択される)並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよいC
3~C
6-シクロアルキル(R
yは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択される)から選択され、
R
5は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてよいC
1~C
4-アルキル(R
xは、CN及びC(O)NH
2から選択される)、並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよいC
3~C
6-シクロアルキル(R
yは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択される)から選択され、
或いは
R
4及びR
5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、R
jによって部分的又は完全に置換されていてよい3員から12員の非芳香族飽和炭素環を形成し、ここで、R
jは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択され、
R
6は、Hであり、
X
1は、脱離基である、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
X
1は、ハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化12】
を製造するための方法であって、
式III
【化13】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ(式中、R
1は、CH
2CH
3である)
を含み、
場合により、式III
【化14】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【化15】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む方法。
【請求項15】
式II
【化16】
の化合物を、
ムコクロル酸(I)
【化17】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物を、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化18】
に、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化19】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、請求項10に規定されている通りである)
をさらに含み、
場合により、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化20】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化21】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化22】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、請求項10に規定されている通りであり、
式中、R
2、R
3、R
N及びX
1は、請求項
10から13のいずれか1項に規定されている通りである)
をさらに含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化23】
(式中、R
1は、CH
2CH
3である)、
或いは式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化24】
(式中、R
1は、CH
2CH
3である)。
【請求項18】
請求項17に規定される式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドと式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドの混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の反応順序:
【0002】
【化1】
に従って式Vのピリダジンアミン化合物を製造するための方法に関する。
【0003】
上記スキーム及び以下において、ステップ(i)は、ムコクロル酸Iから式IIの化合物への変換を表し、ステップ(ii)は、式IIの化合物から式IIIのトリクロロピリダジン化合物への変換を表し、ステップ(iii)は、式IIIのトリクロロピリダジン化合物から式IVa及びIVbのジクロロピリダジンアミン化合物の混合物への変換を表し、ステップ(iv)は、式IVa及びIVbの化合物の混合物から式Vのピリダジン化合物への変換を表す。ステップ(ii)及び(iii)は、上記スキームにおけるステップ(ii)+(iii)を参照することによって示されるワンポット反応によって達成することもできることが強調される。
【0004】
得られた式Vのピリダジンアミン化合物を、以下の反応スキームに従って、式VIの化合物と反応させることで、式VIIの化合物を得ることができる。
【0005】
【0006】
以下において、この反応ステップをステップ(v)と称する。
【背景技術】
【0007】
ピリダジンアミン化合物、特に、ピリダジン部分の4位にアミノ基を有するピリダジンアミン化合物は、薬学及び農芸化学分野における化合物など、ピリダジン誘導ファインケミカルの製造のための多用途の中間体化合物である。例えば、ピリダジンアミン化合物は、例えばアルツハイマー認知症、うつ病、低血圧及び不安の処置に適当である医薬品についての研究調査の焦点になっている。さらに、ピリダジンアミン化合物は、無脊椎動物の有害生物を駆除するのに特に有用であることが知られている4-ピラゾール-N-ピリダジンアミド化合物など、ピリダジン部分を有する殺有害生物剤の製造のための多用途の中間体化合物である(WO 2009/027393、WO 2010/034737、WO 2010/034738、及びWO 2010/112177を参照されたい)。
【0008】
ある特定の用途では、アミノ置換基以外にさらなる置換基をまったく含まないピリダジンアミン化合物、特に、ハロゲン置換基、例えば塩素によってさらに置換されていないピリダジンアミン化合物が所望される。しかしながら、これらの化合物をアミン化合物との求核置換反応によって製造するための典型的な出発材料は3,4,5-トリクロロピリダジンであるので、塩素置換基はピリダジンアミン化合物中にしばしば存在する。
【0009】
上記を考慮すると、ジクロロピリダジンアミン化合物がピリダジンアミン化合物に変換され得る有効な脱ハロゲン化方法の必要がある。特に、改善された収率を提供する方法の必要がある。結果として得られるピリダジンアミンの後続の変換を考慮すると、水を添加することなく反応を行うことがさらに所望される。
【0010】
ある特定のジクロロピリダジンアミン化合物の脱ハロゲン化は、水素及び水素化触媒の存在下での水素化/脱ハロゲン化反応によって行うことができることが、当技術分野において知られている。当技術分野では、ピリダジンアミン化合物のこの水素化/脱ハロゲン化を塩基の存在下で行うことが提案されている。これに関して、WO 2011/038572、Journal of Heterocyclic Chemistry、21(5)、1389~92、1984、WO 2009/152325、US 4,728,355、WO 2011/124524、WO 2010/049841、WO 2013/142269、US 6,258,822、及びWO 2001/007436が参照される。例えば、WO 2011/038572は、水素化触媒(Pd/C)及び塩基(水酸化ナトリウム)の存在下で混合物を水素と反応させることによる、3,5-ジクロロ-4-ピリダジンアミンと5,6-ジクロロ-4-ピリダジンアミンの混合物の脱ハロゲン化を開示している。
【0011】
塩基が添加される理由は、反応におけるHClの生成による触媒被毒を回避するためである。これは、F. Changら、Bull. Korean Chem. Soc. 2011、32(3)、1075において、芳香族ハロゲン化物のPd触媒脱ハロゲン化に関する論文によって説明されている。脱塩素化から生成されるHClは活性炭上に吸収される傾向があり、Pd/Cの漸進的中毒に至ること、及びHClの除去のために一部の塩基を添加することが効果的であることが開示されている。脱塩素化反応における変換は塩基の存在下で増加し得ることが、さらに開示されている。
【0012】
しかしながら、塩基の添加は、特に工業的に適用可能な方法にとって不利である。第1に、追加の化学物質、即ち該方法をより複雑にする塩基が、該反応に必要とされる。第2に、塩基の存在は、触媒リサイクルを困難にする。特に、反応後に水素化触媒を濾別する場合、塩基のHClとの反応から得られる塩化物塩が追加として濾別されることで、濾過ケーキは、触媒及び塩化物塩(例えば、KCl及びKHCO3)の両方を含む。次いで、再度触媒を単離するためにさらなる後処理手順が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第WO 2009/027393号
【文献】国際公開第WO 2010/034737号
【文献】国際公開第WO 2010/034738号
【文献】国際公開第WO 2010/112177号
【文献】国際公開第WO 2011/038572号
【文献】国際公開第WO 2009/152325号
【文献】米国特許出願公開第US 4,728,355号明細書
【文献】国際公開第WO 2011/124524号
【文献】国際公開第WO 2010/049841号
【文献】国際公開第WO 2013/142269号
【文献】米国特許第US 6,258,822号明細書
【文献】国際公開第WO 2001/007436号
【非特許文献】
【0014】
【文献】Journal of Heterocyclic Chemistry、21(5)、1389~92、1984
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そのため、本発明の目的は、工業用途に適当である、ジクロロピリダジンアミン化合物の脱ハロゲン化のための方法を提供することである。
【0016】
特に、本発明の目的は、さらなる化学物質として塩基の添加を必要とせず、水素化触媒を反応後に精製することなくリサイクルすることができるという利点をもたらす方法を提供することである。同時に、該方法が高収率をもたらすことが当然所望される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は、以下並びに独立請求項1及びそれに直接的又は間接的に従属する請求項において記載されている通りの方法Aによって達成される。
【0018】
そのため、第1の態様において、本発明は式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0019】
【化3】
を製造するための方法であって、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0020】
【化4】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させるステップ
(式中、
R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
を含む、以下において方法Aと称される方法に関する。
【0021】
なお、方法Aの基礎となる反応ステップは、上記反応順序におけるステップ(iv)に対応する。
【0022】
驚くべきことに、ジクロロピリダジンアミン化合物の脱ハロゲン化は、HClスカベンジャーの非存在下で、即ち、塩基、又はHClを結合するのに適当な別の化学物質の非存在下で行うことができること、及び所望の生成物は、それでもなお高収率で得ることができることが、本発明の発明者らによって見出された。水素化触媒は、反応後に単純に濾別することができ、精製することなくリサイクルし得る。
【0023】
さらに、HClスカベンジャーは、塩化水素が結合し、ガス形態で放出されないよう、水素化触媒の除去後に有利に使用することができることが見出された。
【0024】
HClスカベンジャーが水素化触媒の除去後に使用される場合、HClスカベンジャーが水なしで提供されるならば、後処理が容易になるため、有利であることが見出された。
【0025】
さらに、驚くべきことに、ジクロロピリダジンアミン化合物の脱ハロゲン化の収率はアミノ置換基の性質に依存することが、本発明の発明者らによって見出された。これに関連して、驚くべきことに、該反応は、アミノ基がエチルアミノ基であるジクロロピリダジンアミン化合物を用いて有利に実施することができることが見出された。
【0026】
その上、ジクロロピリダジンアミン化合物は、薬学及び農芸化学分野における化合物など、ピリダジンから誘導されるファインケミカルの製造のための多用途の中間体化合物である。特に、塩素置換基は、ピリダジン部分のさらなる誘導体化、例えば、求核置換反応による追加のアミノ基の導入を可能にする。したがって、アミン基が例えば活性化カルボン酸誘導体と反応し得るだけでなく、塩素置換基が他の置換基によって置き換えられ得るため、広く様々な化合物がジクロロピリダジンアミン化合物から入手可能である。
【0027】
したがって、ジクロロピリダジンアミン化合物の製造のための有効な方法の必要もある。
【0028】
さらに、アミノ基がエチルアミノ基であるジクロロピリダジンアミン化合物又はその混合物は、殺有害生物剤及び医薬品の製造における中間体として、特に関心がもたれるものであるため、これらの化合物の提供の必要がある。
【0029】
典型的に、ジクロロピリダジンアミン化合物は、3,4,5-トリクロロピリダジンから出発し、アミン化合物との求核置換反応によって製造される。
【0030】
例えば、WO 2011/038572は、3,4,5-トリクロロピリダジンをアンモニアガスと4日間の反応時間で反応させることによる、3,5-ジクロロ-4-ピリダジンアミンと5,6-ジクロロ-4-ピリダジンアミンの混合物の製造を記載している。同じ反応はUS 4,728,355にも記載されており、ここで反応は、密閉チューブ内にて120~130℃の温度で5日間行われる。Tsukasa Kuraisら(Journal of Heterocyclic Chemistry、1964、1巻、42~47ページ)によれば、反応は、125℃で5時間行われる。
【0031】
この反応のための上記の反応条件は、該技術分野が、求核置換反応には長い反応時間又は高温のいずれかが必要とされることを示唆していることをすでに示しており、これらのいずれも商業的方法に不利である。
【0032】
さらに、3,4,5-トリクロロピリダジンを、アンモニアと異なるアミン化合物と反応させることによるジクロロピリダジンアミン化合物の製造は、さらなる問題を伴うと思われる。
【0033】
WO 99/64402は、3,4,5-トリクロロピリダジンと、求核試薬としての3-アミノ-1-プロパノールとの反応を開示している。反応は沸騰するエタノール中で行われるが、収率は非常に低く(粗製生成物のわずか47.7%)、結晶化による手間のかかる後処理が、所望の反応生成物を単離するために必要とされる。
【0034】
WO 2012/098387は、3,4,5-トリクロロピリダジンと、求核試薬としての2-メチルアミノエタノールとの反応を開示している。第1級アミンよりも求核性である第2級アミンが求核試薬として使用されるが、反応は定量的でなく、カラムクロマトグラフィーによる手間のかかる後処理が必要とされる。
【0035】
Donna L. Romeroら(Journal of Medicinal Chemistry、1996、39巻、第19号、3769~3789ページ)は、3,4,5-トリクロロピリダジンと、求核試薬としてのイソプロピルアミンとの反応を開示している。該論文に提供されている情報によると、反応は、還流するトルエン中で、即ち約110℃の温度で行われなければならない。さらに、クロマトグラフィーが精製のために必要とされる。
【0036】
同様に、WO 96/18628が同じ反応を開示しており、ここで、3,4,5-トリクロロピリダジン及びイソプロピルアミンは、トルエン中にて3時間還流される。カラムクロマトグラフィーがその後、所望の化合物4-イソプロピルアミノ-3,5-ジクロロピリダジンを単離するために必要とされる。
【0037】
したがって、従来技術に記載されている通りの、ジクロロピリダジンアミンの製造のための方法は、反応条件、収率及び/又は後処理要件の点から、いずれも不利である。
【0038】
さらに、刺激性化合物3,4,5-トリクロロピリダジンは、出発材料として製造及び取り扱わなければならないことは、該技術に記載されている方法の別の不利な点である。3,4,5-トリクロロピリダジンの固体取扱いは、商業規模で特に不利である。
【0039】
そのため、本発明の目的は、従来技術から明らかな反応条件、収率及び/若しくは後処理要件に関しての不利な点、又は出発材料としての刺激性3,4,5-トリクロロピリダジンの使用に関しての不利な点を克服する、ジクロロピリダジンアミン化合物の製造のための方法を提供することである。
【0040】
これに関連して、スケールアップに適当であるとともに満足させる収率、好ましくは90%超の収率を提供する直接的方法を提供することは、特に関心がもたれる。
【0041】
上記目的は、以下並びに独立請求項12及びそれに直接的又は間接的に従属する請求項において記載されている通りの方法Bによって達成される。
【0042】
そのため、第2の態様において、本発明は(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0043】
【0044】
【化6】
の化合物とPOCl
3とを反応させるステップ、及び
結果として得られる粗反応生成物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
(式中、R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
を含むワンポット反応で製造するための、以下において方法Bと称される方法に関する。
【0045】
なお、方法Bの基礎となるワンポット反応は、上記反応順序におけるステップ(ii)+(iii)に対応する。
【0046】
驚くべきことに、ジクロロピリダジンアミン化合物を製造する該方法は、必ずしも3,4,5-トリクロロピリダジンから出発しなくてもよいことが見出された。代わりに、3,4,5-トリクロロピリダジンは、出発材料として式IIの化合物を用いるワンポット反応において、その場で製造することができる。その場で形成された3,4,5-トリクロロピリダジンを、次いで、アミン化合物と直接反応させることで、所望のジクロロピリダジンアミン化合物が得られる。
【0047】
この方法は、刺激性化合物3,4,5-トリクロロピリダジンを単離及び取り扱うことが必要とされないため、安全性の理由で特に有利である。これは、該方法を工業用途にとってより好ましくしている。さらに、該方法は、より経済的であり、スケールアップに適当である。
【0048】
加えて、ジクロロピリダジンアミン化合物の非常に高い収率は、その場で形成された3,4,5-トリクロロピリダジンとアミン化合物との反応が厳しい反応条件を必要としない上記方法によって得ることができることが見出された。高収率により、手間のかかる後処理も回避することができる。
【0049】
上記目的は、以下並びに独立請求項13及びそれに直接的又は間接的に従属する請求項において記載されている通りの方法Cによっても達成される。
【0050】
そのため、第3の態様において、本発明は(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0051】
【0052】
【化8】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ(式中、R
1はCH
2CH
3である)
を含み、
場合により、式III
【0053】
【0054】
【化10】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、
以下において方法Cと称される方法に関する。
【0055】
なお、方法Cの基礎となる反応ステップは、上記反応順序におけるステップ(iii)によって包含されている。場合により、上記反応順序のステップ(ii)も行われる。
【0056】
驚くべきことに、ジクロロピリダジンアミン化合物を製造する該方法は、エチルアミンが求核置換反応における求核試薬として使用されるならば特に有利であることが見出された。従来技術は、求核置換反応のための厳しい反応条件又は少なくとも非常に長い反応時間を示唆しているが、例えば100℃以下の反応温度及び12時間以下の反応時間を用いる適度な反応条件は、所望のジクロロピリダジンエチルアミンを高収率で及び手間のかかる後処理を行わなくとも提供するのに十分であることが、本発明の発明者らによって見出された。
【0057】
第4の態様において、本発明は、式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0058】
【化11】
(式中、R
1はCH
2CH
3である)
或いは式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0059】
【化12】
(式中、R
1はCH
2CH
3である)
に関する。
【0060】
さらに、本発明は、上記で定義されている通りの式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド及び式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドの混合物に関する。
【0061】
すでに上記で示されている通り、これらの化合物は、薬学及び農芸化学分野における化合物などの化学物質の製造のための高度に多用途の前駆体である。それらは、本明細書に記載されている通りの水素化/脱ハロゲン化方法においても有利に使用することができる。
【0062】
第5の態様において、本発明は、式VII*の化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0063】
【化13】
の製造のための方法であって、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0064】
【化14】
と式VI
*の化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0065】
【化15】
とを反応させるステップ
(式中、
R
1はCH
2CH
3であり、かつ、
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCH
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCF
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCH(CH
3)
2であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又はR
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCHFCH
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4は1-CN-cC
3H
4であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4は1-C(O)NH
2-cC
3H
4であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4及びR
5は一緒にCH
2CH
2CF
2CH
2CH
2であり、R
6はHであり、かつ、式中、
X
1は、好ましくはハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基であり、特に好ましくは塩素である)
を含む方法に関する。
【0066】
なお、前記方法は、以下において方法Dと称される。方法Dの基礎となる反応ステップは上記反応順序におけるステップ(v)によって包含される。
【0067】
該方法は、本明細書に記載されている通りの水素化/脱ハロゲン化方法によって得ることができるピリダジンアミン化合物が、例えば無脊椎動物有害生物を防除するのに適当な殺有害生物剤である4-ピラゾール-N-ピリダジンアミド化合物の製造における重要な中間体であることを示している。
【0068】
上記で定義されている通りの方法A、B、C及びDは、場合により、上記で提供されている反応順序の追加の反応ステップをさらに含むことができることが理解されるべきである。
【0069】
例えば、方法Aは、場合によりステップ(iii)及び場合によりステップ(ii)もさらに含むことができ、ここで、ステップ(ii)及び(iii)は、別々に、又はワンポット反応でステップ(ii)+(iii)として一緒に実施することができる。加えて、方法Aは、場合によりステップ(i)をさらに含むことができる。さらに、方法Aは、場合によりステップ(v)をさらに含むことができることが理解されるべきである。
【0070】
方法Bは、場合によりステップ(i)及び/又はステップ(iv)をさらに含むことができる。加えて、ステップ(v)は、場合によりステップ(iv)の後に続くことができる。
【0071】
方法Cは、場合によりステップ(i)及び/又はステップ(iv)をさらに含むことができる。加えて、ステップ(v)は、場合によりステップ(iv)の後に続くことができる。
【0072】
方法Dは、場合により上記反応順序において示されている通りの先行するステップ(iv)、(iii)、(ii)又は(i)のうちの1つ以上をさらに含むことができる。
【0073】
好ましくは方法A、B、C又はDによって包含される、上記に示されている反応順序の反応ステップは、別々に、即ち中間体化合物の単離下で、又は中間体化合物を単離せずに、実施することができることが理解されるべきである。特に、ある特定の後続ステップは、例えばステップ(ii)+(iii)の場合の通りに、ワンポット反応において行われるのが好ましい。
【0074】
さらに、反応ステップは、技術規模で各々行うことができることが強調される。好ましくは、反応物は同等に良く変換され、収率の点においてわずかな偏差だけが観察される。
【0075】
本発明の上記態様に関連して、以下の定義を提供する。
【0076】
「本発明の化合物」又は「本発明による化合物」、即ち、本明細書において定義されている通りの式I、II、III、IVa、IVb、V、VI及びVII(並びにVI*及びVII*)の化合物は、化合物をそのままで、並びにこれらの誘導体の形成が可能であるならばその塩、互変異性体又はN-オキシドを含み、特に化合物VI及びVII並びに化合物VI*及びVII*について当てはまり得るキラリティーの中心が存在するならば、その立体異性体も含む。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ピリダジンアミン化合物」という用語は、式Vの化合物、即ち、ピリダジン部分の4位に置換基としてアミノ基-NHR1を有するピリダジン化合物を指す。したがって、本発明によるピリダジンアミン化合物は、ピリダジン環において任意のさらなる置換基を含まない。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ジクロロピリダジンアミン化合物」という用語は、式IVa若しくはIVbの化合物又はその組合せ、即ち、置換基としてアミノ基-NHR1及び2個の塩素置換基を有するピリダジン化合物を包含し、ここで置換基は、式IVa及びIVbから誘導することができるピリダジン部分のそれらの位置で存在する。
【0079】
本明細書で使用される場合、「トリクロロピリダジンアミン化合物」という用語は、好ましくは、式IIIの化合物、即ち3,4,5-トリクロロピリダジンを指す。
【0080】
酸性度又は塩基性度並びに反応条件に依存して、本発明の化合物は、塩の形態で存在することができる。こうした塩は、典型的に、化合物がアミンなどの塩基性官能基を有するならば化合物を酸と反応させることによって、又は化合物がカルボン酸基などの酸性官能基を有するならば化合物を塩基と反応させることによって得られる。
【0081】
本発明の化合物と反応する塩基から生じるカチオンは、例えばアルカリ金属カチオンMa
+、アルカリ土類金属カチオンMea
2+又はアンモニウムカチオンNR4
+であり、ここでアルカリ金属は、好ましくはナトリウム、カリウム又はリチウムであり、アルカリ土類金属カチオンは、好ましくはマグネシウム又はカルシウムであり、アンモニウムカチオンNR4
+の置換基Rは、好ましくは、H、C1~C10-アルキル、フェニル及びフェニル-C1~C2-アルキルから独立して選択される。適当なカチオンは、特に、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムのイオン、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウム及びバリウムのイオン、並びに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、並びにその上アンモニウム(NH4+)、及び水素原子の1個から4個がC1~C4-アルキル、C1~C4-ヒドロキシアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、ヒドロキシ-C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、フェニル又はベンジルによって置き換えられている置換アンモニウムである。置換アンモニウムイオンの例は、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム及びベンジル-トリエチルアンモニウム、さらにホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1~C4-アルキル)スルホニウム、及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1~C4-アルキル)スルホキソニウムを含む。
【0082】
本発明の化合物が反応している酸から生じるアニオンは、例えば、塩化物、臭化物、フッ化物、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、ヘキサフルオロケイ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、安息香酸塩、並びにC1~C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩及び酪酸塩である。
【0083】
本発明の化合物の互変異性体としては、ケト-エノール互変異性体、イミン-エナミン互変異性体及びアミド-イミド酸互変異性体などが挙げられる。本発明の化合物は、あらゆる可能な互変異性体を包含する。
【0084】
「N-オキシド」という用語は、少なくとも1個の窒素原子が酸化形態で(NOとして)存在する本発明の化合物の形態に関する。本発明の化合物のN-オキシドは、化合物が、酸化することができる窒素原子を含有する場合にのみ得ることができる。N-オキシドは、主に、標準的方法によって、例えばJournal of Organometallic Chemistry 1989、370、17~31に記載されている方法によって製造することができる。しかしながら、本発明によると、化合物はN-オキシドの形態で存在しないことが好ましい。他方で、ある特定の反応条件下にて、N-オキシドが少なくとも中間で形成されることは回避することができない。
【0085】
「立体異性体」という用語は、光学異性体、例えばエナンチオマー、又は分子における2以上のキラリティーの中心により存在するジアステレオマー、並びに幾何異性体(シス/トランス異性体)の両方を包含する。置換パターンに依存して、本発明の化合物は、1つ以上のキラリティー中心を有することができ、この場合、それらはエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物として存在し得る。本発明は、純エナンチオマー又はジアステレオマー及びそれらの混合物の両方を提供する。本発明の適当な化合物には、全ての可能な幾何立体異性体(シス/トランス異性体)及びその混合物も含まれる。
【0086】
本発明の化合物は、固体若しくは液体の形態で又はガス形態であり得る。化合物が固体として存在するならば、それらは非晶質であり得るか、或いは安定性などの異なる巨視的特性を有することができる又は活性などの異なる生物学的特性を示すことができる1つ以上の異なる結晶状態(多形体)で存在し得る。本発明には、非晶質化合物及び結晶性化合物の両方、異なる結晶状態の混合物、並びにその非晶質塩又は結晶性塩が含まれる。
【0087】
可変物の上記定義において記述されている有機部分は、ハロゲンという用語のように、個々の基員の個々の列挙に対する総称である。接頭辞Cn~Cmは、基における炭素原子の可能な数を各場合において示す。
【0088】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素を各場合において示す。
【0089】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル及びアルコキシアルキルのアルキル部分において、通常1個から10個の炭素原子、多くの場合1個から6個の炭素原子、好ましくは1個から4個の炭素原子、より好ましくは1個から3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基を各場合において示す。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、及び1-エチル-2-メチルプロピルである。
【0090】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルコキシ及びハロアルコキシアルキルのハロアルキル部分において、通常1個から10個の炭素原子、多くの場合1個から6個の炭素原子、好ましくは1個から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基を各場合において示し、ここで、この基の水素原子は、ハロゲン原子で部分的又は全体的に置き換えられている。好ましいハロアルキル部分は、C1~C4-ハロアルキルから、より好ましくはC1~C3-ハロアルキル又はC1~C2-ハロアルキルから、特にC1~C2-フルオロアルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル及びペンタフルオロエチルなどから選択される。
【0091】
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素原子を介して結合している通常1個から10個の炭素原子、多くの場合1個から6個の炭素原子、好ましくは1個から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基を各場合において示す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブチルオキシ、2-ブチルオキシ、iso-ブチルオキシ及びtert.-ブチルオキシなどである。
【0092】
「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、通常1個から10個、多くの場合1個から4個、好ましくは1個から2個の炭素原子を含むアルキルを指し、ここで1個の炭素原子は、上記で定義されている通り通常1個から4個、好ましくは1個又は2個の炭素原子を含むアルコキシ基を有する。例は、CH2OCH3、CH2-OC2H5、2-(メトキシ)エチル及び2-(エトキシ)エチルである。
【0093】
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、1個から10個の炭素原子、多くの場合1個から6個の炭素原子、好ましくは1個から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルコキシ基を各場合において示し、ここで、この基の水素原子は、ハロゲン原子、特にフッ素原子で部分的又は全体的に置き換えられている。好ましいハロアルコキシ部分としては、C1~C4-ハロアルコキシ、特にC1~C2-フルオロアルコキシ、例えばフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロ-エトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオルエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ及びペンタフルオロエトキシなどが挙げられる。
【0094】
「アルキルスルホニル」(アルキル-S(=O)2-)という用語は、本明細書で使用される場合、アルキル基における任意の位置でスルホニル基の硫黄原子を介して結合している1個から10個の炭素原子、好ましくは1個から4個の炭素原子(=C1~C4-アルキルスルホニル)、好ましくは1個から3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和アルキル基を指す。
【0095】
「ハロアルキルスルホニル」という用語は、本明細書で使用される場合、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている、上に記述されている通りのアルキルスルホニル基を指す。
【0096】
「アルキルカルボニル」という用語は、カルボニル基(C=O)の炭素原子を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのアルキル基を指す。
【0097】
「ハロアルキルカルボニル」という用語は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている、上に記述されている通りのアルキルカルボニル基を指す。
【0098】
「アルコキシカルボニル」という用語は、酸素原子を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのアルキルカルボニル基を指す。
【0099】
「ハロアルコキシカルボニル」という用語は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている、上に記述されている通りのアルコキシカルボニル基を指す。
【0100】
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、通常2個から10個、多くの場合2個から6個、好ましくは2個から4個の炭素原子を有する単不飽和炭化水素基、例えばビニル、アリル(2-プロペン-1-イル)、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-2-イル、メタリル(2-メチルプロパ-2-エン-1-イル)、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル及び2-エチルプロパ-2-エン-1-イルなどを各場合において示す。
【0101】
「ハロアルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、水素原子がハロゲン原子で部分的又は全体的に置き換えられている、上記で定義されている通りのアルケニル基を指す。
【0102】
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、通常2個から10個、多くの場合2個から6個、好ましくは2個から4個の炭素原子を有する単不飽和炭化水素基、例えばエチニル、プロパルギル(2-プロピン-1-イル)、1-プロピン-1-イル、1-メチルプロパ-2-イン-1-イル)、2-ブチン-1-イル、3-ブチン-1-イル、1-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、1-メチルブタ-2-イン-1-イル及び1-エチルプロパ-2-イン-1-イルなどを各場合において示す。
【0103】
「ハロアルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、水素原子がハロゲン原子で部分的又は全体的に置き換えられている、上記で定義されている通りのアルキニル基を指す。
【0104】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにシクロアルコキシ及びシクロアルキルチオのシクロアルキル部分において、通常3個から10個又は3個から6個の炭素原子を有する単環式脂環式基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシル又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを各場合において示す。
【0105】
「ハロシクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにハロシクロアルコキシ及びハロシクロアルキルチオのハロシクロアルキル部分において、通常3個から10個のC原子又は3個から6個のC原子を有する単環式脂環式基を各場合において示し、ここで、水素原子の少なくとも1個、例えば1個、2個、3個、4個又は5個は、ハロゲンによって、特にフッ素又は塩素によって置き換えられている。例は、1-及び2-フルオロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジフルオロシクロプロピル、1,2,2-トリフルオロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル、1-及び2-クロロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジクロロシクロプロピル、1,2,2-トリクロロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラクロロシクロプロピル、1-,2-及び3-フルオロシクロペンチル、1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジフルオロシクロペンチル、1-,2-及び3-クロロシクロペンチル、並びに1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジクロロシクロペンチルなどである。
【0106】
「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのシクロアルキル基を指す。
【0107】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、C1~C5-アルキル基又はC1~C4-アルキル基、特にメチル基(=シクロアルキルメチル)などのアルキル基を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのシクロアルキル基を指す。
【0108】
「シクロアルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにシクロアルケニルオキシ及びシクロアルケニルチオのシクロアルケニル部分において、通常3個から10個、例えば3個若しくは4個、又は5個から10個の炭素原子、好ましくは3個から8個の炭素原子を有する単環式単不飽和非芳香族基を各場合において示す。例証的なシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニルが挙げられる。
【0109】
「ハロシクロアルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、並びにハロシクロアルケニルオキシ及びハロシクロアルケニルチオのハロシクロアルケニル部分において、通常3個から10個、例えば3個若しくは4個、又は5個から10個の炭素原子、好ましくは3個から8個の炭素原子を有する単環式単不飽和非芳香族基を各場合において示し、ここで、水素原子の少なくとも1個、例えば1個、2個、3個、4個又は5個は、ハロゲンによって、特にフッ素又は塩素によって置き換えられている。例は、3,3-ジフルオロシクロプロペン-1-イル及び3,3-ジクロロシクロプロペン-1-イルである。
【0110】
「シクロアルケニルアルキル」という用語は、C1~C5-アルキル基又はC1~C4-アルキル基、特にメチル基(=シクロアルケニルメチル)などのアルキル基を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのシクロアルケニル基を指す。
【0111】
「炭素環」又は「カルボシクリル」という用語には、3個から12個、好ましくは3個から8個又は5個から8個、より好ましくは5個又は6個の炭素原子を含む、一般に3員から12員、好ましくは3員から8員又は5員から8員、より好ましくは5員又は6員の単環式非芳香族環が含まれる。好ましくは、「炭素環」という用語は、上記で定義されている通りのシクロアルキル基及びシクロアルケニル基を包含する。
【0112】
「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語には、一般に3員から12員、好ましくは3員から8員又は5員から8員、より好ましくは5員又は6員、特に6員の単環式複素環式非芳香族基が含まれる。複素環式非芳香族基は、通常、環員としてN、O及びSから選択される1個、2個、3個、4個又は5個、好ましくは1個、2個又は3個のヘテロ原子を含み、ここで、環員としてのS原子は、S、SO又はSO2として存在し得る。5員又は6員の複素環式基の例は、飽和又は不飽和の非芳香族複素環式環、例えばオキシラニル、オキセタニル、チエタニル、チエタニル-S-オキシド(S-オキソチエタニル)、チエタニル-S-ジオキシド(S-ジオキソチエタニル)、ピロリジニル、ピロリニル、ピラゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、チオラニル、S-オキソチオラニル、S-ジオキソチオラニル、ジヒドロチエニル、S-オキソジヒドロチエニル、S-ジオキソジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3-及び1,4-ジオキサニル、チオピラニル、S.オキソチオピラニル、S-ジオキソチオピラニル、ジヒドロチオピラニル、S-オキソジヒドロチオピラニル、S-ジオキソジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、S-オキソテトラヒドロチオピラニル、S-ジオキソテトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S-オキソチオモルホリニル、S-ジオキソチオモルホリニル、チアジニルなどを含む。環員として1個又は2個のカルボニル基も含む複素環式環についての例は、ピロリジン-2-オニル、ピロリジン-2,5-ジオニル、イミダゾリジン-2-オニル、オキサゾリジン-2-オニル及びチアゾリジン-2-オニルなどを含む。
【0113】
「ヘタリール」という用語には、N、O及びSから選択される1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を環員として含む単環式の5員又は6員の複素芳香族基が含まれる。5員又は6員の複素芳香族基の例としては、ピリジル、即ち2-、3-又は4-ピリジル、ピリミジニル、即ち2-、4-又は5-ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、即ち3-又は4-ピリダジニル、チエニル、即ち2-又は3-チエニル、フリル、即ち2-又は3-フリル、ピロリル、即ち2-又は3-ピロリル、オキサゾリル、即ち2-、3-又は5-オキサゾリル、イソオキサゾリル、即ち3-、4-又は5-イソオキサゾリル、チアゾリル、即ち2-、3-又は5-チアゾリル、イソチアゾリル、即ち3-、4-又は5-イソチアゾリル、ピラゾリル、即ち1-、3-、4-又は5-ピラゾリル、即ち1-、2-、4-又は5-イミダゾリル、オキサジアゾリル、例えば2-又は5-[1,3,4]オキサジアゾリル、4-又は5-(1,2,3-オキサジアゾール)イル、3-又は5-(1,2,4-オキサジアゾール)イル、2-又は5-(1,3,4-チアジアゾール)イル、チアジアゾリル、例えば2-又は5-(1,3,4-チアジアゾール)イル、4-又は5-(1,2,3-チアジアゾール)イル、3-又は5-(1,2,4-チアジアゾール)イル、トリアゾリル、例えば1H-、2H-又は3H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-トリアゾール-3-イル、1H-、2H-又は4H-1,2,4-トリアゾリル、及びテトラゾリル、即ち1H-又は2H-テトラゾリルが挙げられる。「ヘタリール」という用語には、N、O及びSから選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を環員として含む、二環式の8員から10員の複素芳香族基も含まれ、ここで、5員又は6員のヘテロ芳香族環は、フェニル環に又は5員若しくは6員の複素芳香族基に縮合している。フェニル環に又は5員若しくは6員の複素芳香族基に縮合している5員又は6員のヘテロ芳香族環の例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、チノリニル、イソキノリニル、プリニル、1,8-ナフチリジル、プテリジル、ピリド[3,2-d]ピリミジル又はピリドイミダゾリルなどが挙げられる。これらの縮合ヘタリール基は、5員若しくは6員のヘテロ芳香族環の任意の環原子を介して、又は縮合フェニル部分の炭素原子を介して分子の残部に結合していてよい。
【0114】
「アリール」という用語には、通常6個から14個、好ましくは6個、10個又は14個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式の芳香族基が含まれる。例証的なアリール基としては、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが挙げられる。フェニルがアリール基として好ましい。
【0115】
「ヘテロシクリルオキシ」、「ヘタリールオキシ」及び「フェノキシ」という用語は、酸素原子を介して分子の残部に結合しているヘテロシクリル、ヘタリール及びフェニルを指す。
【0116】
「ヘテロシクリルスルホニル」、「ヘタリールスルホニル」及び「フェニルスルホニル」という用語は、スルホニル基の硫黄原子を介して分子の残部に結合しているヘテロシクリル、ヘタリール及びフェニルをそれぞれ指す。
【0117】
「ヘテロシクリルカルボニル」、「ヘタリールカルボニル」及び「フェニルカルボニル」という用語は、カルボニル基(C=O)の炭素原子を介して分子の残部に結合しているヘテロシクリル、ヘタリール及びフェニルをそれぞれ指す。
【0118】
「ヘテロシクリルアルキル」及び「ヘタリールアルキル」という用語は、C1~C5-アルキル基又はC1~C4-アルキル基、特にメチル基(=それぞれヘテロシクリルメチル又はヘタリールメチル)を介して分子の残部に結合している、上記で定義されている通りのヘテロシクリル又はヘタリールをそれぞれ指す。
【0119】
「フェニルアルキル」という用語は、C1~C5-アルキル基又はC1~C4-アルキル基、特にメチル基(=アリールメチル又はフェニルメチル)を介して分子の残部に結合しているフェニルを指し、例としては、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチルなどが挙げられる。
【0120】
「アルキレン」という用語は、分子と置換基との間のリンカーを表す、上記で定義されている通りのアルキルを指す。
【0121】
本発明の方法A、B、C及びDに関する好ましい実施形態は、以下に記載される。
【0122】
一般に、以下で詳細に記載されている通り方法A、B、C及びDにおいて行われる反応ステップは、こうした反応に通例の反応容器内で行われ、反応は連続的、半連続的又はバッチ式の方式で実施される。
【0123】
一般に、具体的な反応は大気圧下で実施される。該反応は、しかしながら、減圧下で実施することもできる。
【0124】
該反応の温度及び持続時間は、類似した反応から当業者に公知の広域範囲で変動してよい。温度は、しばしば、溶媒の還流温度に依存する。他の反応は、好ましくは、室温で、即ち約25℃で、又は氷冷却下で、即ち約0℃で行われる。反応の終了は、当業者に知られている方法、例えば薄層クロマトグラフィー又はHPLCによってモニタリングすることができる。
【0125】
別段に示されていない限り、該反応において使用される反応物のモル比は、0.2:1から1:0.2、好ましくは0.5:1から1:0.5、より好ましくは0.8:1から1:0.8の範囲である。好ましくは、等モル量が使用される。
【0126】
別段に示されていない限り、反応物は、原則として、任意の所望の順序で互いに接触させることができる。
【0127】
反応物又は試薬が水分の影響を受けやすい場合、反応は保護ガス下、例えば窒素雰囲気下で実施されるべきであり、乾燥溶媒が使用されるべきであることは当業者には公知である。
【0128】
当業者には、反応の終了後の反応混合物の最も良い後処理も公知である。
【0129】
以下において、本発明の方法Aに関する好ましい実施形態が提供されている。本発明の方法Aの、上に記述されている好ましい実施形態及び以下でさらに例示されているものは、単独で又は互いとの組合せで好ましいと理解されるべきでものであることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0130】
すでに上記で示されている通り、本発明は、第1の態様において、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0131】
【化16】
を製造する方法Aであって、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0132】
【化17】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させるステップ
(式中、
R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
を含む方法に関する。
【0133】
方法Aの基礎となる反応ステップは、上記反応順序におけるステップ(iv)に対応する。
【0134】
反応ステップ(iv)は、水素化触媒の存在下でのみ行うことができる。
【0135】
本明細書で使用される場合、「水素化触媒」という用語は、不均一及び均一の水素化触媒を包含するが、好ましくは不均一触媒を指す。白金、パラジウム、ロジウム及びルテニウムは、高活性触媒を形成することが、当技術分野において知られている。ニッケル(ラネーニッケル及び漆原ニッケルなど)に基づく触媒などの非貴金属触媒は、経済的な代替物である。本発明による好ましい水素化触媒は、さらに下記で提供される。
【0136】
反応ステップ(iv)の副生成物として、塩化水素が生成される。
【0137】
それでもなお、方法Aの好ましい実施形態において、該反応は、HClスカベンジャーの非存在下で行われる。驚くべきことに、式Vの化合物は、HClスカベンジャーが反応混合物中に存在しないならば、より高い収率で得られることが見出された。
【0138】
本明細書で使用される場合、「HClスカベンジャー」という用語は、塩化水素(HCl)を除去又は脱活性化するために反応混合物に添加される化学物質を指す。好ましいHClスカベンジャーとしては、塩基、緩衝液、及びイオン性液体の前駆体が挙げられ、下記でさらに詳細に定義されている。特に関心がもたれるのは、プロトンを結合するHClスカベンジャーの能力である。好ましいHClスカベンジャーは下記に提供される。
【0139】
好ましくは、「HClスカベンジャー」という用語は、本明細書で使用される場合、反応混合物に添加される化学物質であって、反応の出発材料、即ち式(IVa)又は(IVb)の化合物を含まない化学物質を指すと理解されるべきである。
【0140】
そのため、反応ステップ(iv)は、HClスカベンジャーとして機能する追加で提供された任意の化学物質の非存在下で実施されるのが好ましい。
【0141】
反応ステップ(iv)は、好ましくはHClスカベンジャーの非存在下で実施されるので、水素化触媒が除去されるときに、生成されたHClはまだ反応混合物中にある。
【0142】
そのため、方法Aの別の好ましい実施形態において、HClスカベンジャーは、水素化触媒の除去後に添加される。好ましくは、HClスカベンジャーは、水なしで提供される。水性相中の化合物の損失を回避し、より簡便な後処理を可能にし、さらなる反応の前に化合物を乾燥させる必要性を回避するため、反応生成物、即ち式Vの化合物を水の存在なく保持することが有利であることが見出された。
【0143】
好ましくは水素化触媒の除去後だけに添加されるHClスカベンジャーは、主に、塩基、緩衝液、イオン性液体の前駆体、及びその組合せから選択することができる。
【0144】
塩基としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属アルキル、ハロゲン化アルキルマグネシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコラート、並びに第3級アミン、ピリジン、二環式アミン、アンモニア及び第1級アミンを含む窒素含有塩基が挙げられる。
【0145】
緩衝液としては水性及び非水性緩衝液が挙げられ、好ましくは非水性緩衝液である。好ましい緩衝液としては、アセテート又はホルメートに基づく緩衝液、例えば酢酸ナトリウム又はギ酸アンモニウムが挙げられる。
【0146】
イオン性液体の前駆体としては、イミダゾールが挙げられる。
【0147】
本発明の方法Aの好ましい実施形態において、HClスカベンジャーは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属アルキル、ハロゲン化アルキルマグネシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコラートを含む塩基、第3級アミン、ピリジン、二環式アミン、アンモニア及び第1級アミンを含む窒素含有塩基、並びにその組合せ;酢酸ナトリウム及び/又はギ酸アンモニウムを含む緩衝液;イミダゾールを含むイオン性液体の前駆体;並びにその組合せからなる群から選択される。
【0148】
好ましい一実施形態において、HClスカベンジャーは、少なくとも1種の塩基を含む。
【0149】
特に好ましい一実施形態において、塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物から、特に水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムからなる群から選択される。
【0150】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物から、特に酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムからなる群から選択される。
【0151】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物から、特に水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウムからなる群から選択される。
【0152】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属アミドから、特にリチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミドからなる群から選択される。
【0153】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩から、特に炭酸リチウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される。
【0154】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属重炭酸塩から選択され、好ましくは重炭酸ナトリウムである。
【0155】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属アルキルから、特にメチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウムからなる群から選択される。
【0156】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルキルマグネシウムハロゲン化物から選択され、好ましくはメチルマグネシウムクロリドである。
【0157】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコラートから、特にナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート、カリウムエタノレート、カリウムtert-ブタノレート及びジメトキシマグネシウムらなる群から選択される。
【0158】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、第3級アミン、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はN-メチルピペリジンである。
【0159】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は、コリジン、ルチジン及び4-ジメチルアミノピリジンなどの置換ピリジンを含むピリジンである。
【0160】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は二環式アミンである。
【0161】
別の特に好ましい実施形態において、塩基はアンモニアである。
【0162】
別の特に好ましい実施形態において、塩基は第1級アミン、特にエチルアミンである。
【0163】
本発明の方法Aの最も好ましい実施形態において、HClスカベンジャーは、水酸化カリウム、又は上記に定義されているカーボネートのいずれか1種である。
【0164】
塩基は、等モル定量で、過剰に、又は適切な場合に溶媒として使用することができる。
【0165】
別の好ましい実施形態において、HClスカベンジャーは、少なくとも1種の緩衝液を含む。
【0166】
特に好ましい実施形態において、緩衝液は、無水酢酸ナトリウム又は無水ギ酸アンモニウムである。
【0167】
別の好ましい実施形態において、HClスカベンジャーは、イオン性液体の前駆体を含む。
【0168】
特に好ましい実施形態において、イオン性液体の前駆体は、水素化/脱ハロゲン化反応において放出されるHClと反応した後にイオン性液体を形成するイミダゾール化合物である。所望のピリダジンアミン化合物を含む非極性有機相は、次いで、新たに形成されたイオン性液体から簡便に分離することができる。
【0169】
すでに上記で示されている通り、当技術分野において知られている任意の水素化触媒は、特に不均一水素化触媒が、反応ステップ(iv)のために使用され得る。
【0170】
好ましい水素化触媒としては、炭素などの担体上の白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル又はコバルトが挙げられる。
【0171】
本発明の方法Aの好ましい実施形態において、水素化触媒は、担体上の白金又はパラジウム、ラネーニッケル及びラネーコバルトからなる群から選択され、好ましくは炭素上の白金又はパラジウムである。
【0172】
場合により、触媒は、硫黄又はセレンがドープされていてよい。これは、触媒の選択性を高めることができる。
【0173】
特に好ましい実施形態において、水素化触媒は、炭素上のパラジウム又は白金であり、ここで、パラジウム又は白金の含有量は、好ましくは、担体材料に基づいて0.1重量%から15重量%、より好ましくは0.5重量%から10重量%の範囲である。
【0174】
別の特に好ましい実施形態において、使用されるパラジウム又は白金の量は、出発材料に基づいて0.001重量%から1重量%、好ましくは0.01重量%から0.1重量%である。
【0175】
特に好ましい一実施形態において、水素化触媒は炭素上のパラジウムであり、ここで、パラジウム含有量は、好ましくは、担体材料に基づいて0.1重量%から15重量%、より好ましくは0.5重量%から10重量%の範囲である。さらに、反応ステップ(iv)において使用されるパラジウムの量は、出発材料に基づいて0.001重量%から1重量%、好ましくは0.01重量%から0.1重量%であるのが特に好ましい。10% Pd/Cは、出発材料の量に基づいて0.01重量%から0.1重量%の量で使用されるのが特に好ましい。
【0176】
別の特に好ましい実施形態において、水素化触媒は炭素上の白金であり、ここで、白金含有量は、好ましくは、担体材料に基づいて0.1重量%から15重量%、より好ましくは0.5重量%から10重量%である。さらに、反応ステップ(iv)において使用される白金の量は、出発材料に基づいて0.001重量%から1重量%、好ましくは0.01重量%から0.1重量%であるのが特に好ましい。10% Pt/Cは、出発材料の量に基づいて0.01重量%から0.1重量%の量で使用されるのが特に好ましい。
【0177】
バッチ式水素化において、触媒は、好ましくは粉末の形態で使用される。連続的水素化において、担体材料の炭素上で使用される触媒は、白金又はパラジウムである。
【0178】
反応サイクル後、触媒は、活性の顕著な損失なく濾別及び再利用することができる。
【0179】
反応ステップ(iv)の出発材料に関して、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物のいずれかが使用され得ることが強調される。
【0180】
方法Aの好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が使用される。
【0181】
式IVa、IVb及びVの化合物における置換基R1は、好ましくは、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択される。
【0182】
方法Aの好ましい実施形態において、式IVa、IVb及びVの化合物におけるR1は、CH2CH3である。
【0183】
方法Aの特に好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が使用され、式IVa、IVb及びVの化合物におけるR1は、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択され、好ましくはCH2CH3である。
【0184】
温和な反応条件が反応ステップ(iv)には好ましい。
【0185】
好ましい実施形態において、適用される水素圧は、0.1バールから10バールの範囲、好ましくは0.1バールから1バールの範囲、より好ましくは0.1バールから0.5バールの範囲である。出発材料が2重量%超又は5重量%超の量で不純物を含有するならば、0.6バールから10バール、好ましくは1バールから5バールの範囲におけるより高い圧力が有利であり得る。
【0186】
好ましい実施形態において、反応温度は、20℃から100℃の範囲内、好ましくは20℃から65℃の範囲で保持される。反応混合物は、反応が好ましく行われる圧力反応器に水素を充填した後で30℃から40℃に加熱するのが好ましい。しかしながら、水素化反応が発熱性であるので、反応混合物をその後に冷却することで、好ましくは60℃より低い温度を保持することが必要とされ得る。50℃から60℃の範囲における反応温度が特に好ましい。
【0187】
反応時間は、広域範囲にわたって変動してよい。好ましい反応時間は、1時間から12時間の範囲、好ましくは3時間から6時間の範囲、例えば4時間又は5時間である。
【0188】
適当な溶媒としては、水並びに脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテル;芳香族炭化水素、例えばトルエン、o-、m-及びp-キシレン;ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム及びクロロベンゼン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノール;C2~C4-アルカンジオール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール;エーテルアルカノール、例えばジエチレングリコール;カルボン酸エステル、例えば酢酸エチル;N-メチルピロリドン;ジメチルホルムアミド;並びに開鎖エーテル及び環状エーテルを含むエーテル、特にジエチルエーテル、メチル-tert-ブチル-エーテル(MTBE)、2-メトキシ-2-メチルブタン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、及び2-メチルテトラヒドロフラン、特にテトラヒドロフラン、MTBE及び2-メチルテトラヒドロフランが挙げられる。前記溶媒の混合物も使用することができる。
【0189】
好ましい溶媒はプロトン性溶媒、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノールなどからなる群から選択されるアルコールである。
【0190】
好ましい実施形態において、溶媒はC1~C4-アルコール、特にエタノールである。
【0191】
上記で説明された通り、方法Aは、反応ステップ(iv)だけでなく、上で記載されている反応順序の他の反応ステップも含むことができる。
【0192】
特に、方法Aは、場合により、ステップ(iii)及び場合によりステップ(ii)もさらに含むことができ、ここで、ステップ(ii)及び(iiii)は別々に、又はワンポット反応におけるステップ(ii)+(iii)として一緒に実施することができる。加えて、方法Aは、場合により、ステップ(i)をさらに含むことができる。さらに、方法Aは場合によりステップ(v)をさらに含むことができることが理解されるべきである。
【0193】
方法Aの一実施形態において、該方法は、反応ステップ(ii)+(iii)、即ち、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0194】
【0195】
【化19】
の化合物とPOCl
3とを反応させるステップ、及び
結果として得られる粗反応生成物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
を含むワンポット反応で製造するステップ
(式中、R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
をさらに含む。
【0196】
上記に示されている通り、ワンポット反応は、刺激性である中間で得られる式IIIのトリクロロピリダジン化合物が単離される必要がないので有利である。
【0197】
(a)若しくは(b)又は(a)と(b)の混合物は、ステップ(ii)+(iii)で得ることができることが理解されるべきである。
【0198】
好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られる。
【0199】
式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2における置換基R1は、好ましくは、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択される。
【0200】
好ましい実施形態において、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH2CH3である。
【0201】
特に好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られ、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択され、好ましくはCH2CH3である。
【0202】
式IIの化合物は、それのピリダゾン互変異性体の形態で存在することもできることが理解されるべきである。
【0203】
中間で得られる式IIIの化合物を単離することがない、上記で定義されている通りのワンポット反応において引き続いて行われるステップ(ii)及び(iii)のための反応条件は、下記でさらに詳細に定義されている。
【0204】
方法Aの代替実施形態において、該方法は、反応ステップ(iii)、即ち、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0205】
【0206】
【化21】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させることによって製造するステップ
(式中、R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
をさらに含み、
該方法は、場合により、反応ステップ(ii)、即ち、式III
【0207】
【化22】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【0208】
【化23】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む。
【0209】
この実施形態によると、式IIIの化合物は単離され、これは例えば沈殿によって行うことができる。
【0210】
(a)若しくは(b)又は(a)と(b)の混合物は、ステップ(iii)で得ることができることが理解されるべきである。
【0211】
好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られる。
【0212】
式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2における置換基R1は、好ましくは、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択される。
【0213】
好ましい実施形態において、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH2CH3である。
【0214】
特に好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られ、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択され、好ましくはCH2CH3である。
【0215】
すでに上記で示されている通り、式IIの化合物は、それのピリダゾン互変異性体の形態で存在することもできることが理解されるべきである。
【0216】
ステップ(ii)+(iiii)としてワンポット反応で行われる状況にも適用されるステップ(ii)及び(iii)のための反応条件は、以下で定義されている。
【0217】
ステップ(ii)のための反応条件は、好ましくは以下の通りである。
【0218】
反応ステップ(ii)の好ましい実施形態において、POCl3が過剰で使用される。
【0219】
別の好ましい実施形態において、POCl3は、式IIの化合物1モル当たり少なくとも1.5molの量で使用される。
【0220】
特に好ましい一実施形態において、POCl3は、式IIの化合物1モル当たり1.5molから2.0molの量で使用される。
【0221】
別の特に好ましい実施形態において、POCl3は、式IIの化合物1モル当たり2.0mol超から10molの量で、好ましくは4.0molから6.0molの量で、特に式IIの化合物1モル当たり4.8molから5.2molの量で使用される。
【0222】
なお別の特に好ましい実施形態において、POCl3は、反応ステップ(ii)のための溶媒として使用される。
【0223】
反応ステップ(ii)は、溶媒の非存在下で行われるのが好ましい。
【0224】
該反応は、保護ガス雰囲気中、例えば窒素下で行われるのがさらに好ましい。
【0225】
反応温度は、60℃から130℃の範囲、好ましくは100℃から125℃の範囲であり得る。
【0226】
反応時間は、広域範囲にわたって変動してよく、好ましくは1時間から24時間の範囲、好ましくは1時間から5時間の範囲、より好ましくは1時間から2時間の範囲である。
【0227】
反応後、過剰のPOCl3は、減圧下で除去することができる。その後、温度は、好ましくは30℃を超えないように、冷却時、反応混合物に水が好ましくは添加される。
【0228】
式IIIのトリクロロピリダジン化合物は、水性相からの沈殿物として、又は式IIIの化合物を有機相へ移動すること及び有機溶媒を除去することによって、単離することができる。
【0229】
これに関連する好ましい有機溶媒としては、ジクロロメタン、iso-ブタノール、酢酸エチル及び酢酸ブチル、特に酢酸ブチルが挙げられる。
【0230】
式IIIのトリクロロピリダジン化合物の製造及び単離に関して、例えば、WO 2013/004984、WO 2014/091368、WO 99/64402、WO 2002/100352、及びRussian Journal of Applied Chemistry、77巻、No.12、2004、1997~2000ページが参照される。
【0231】
上記で定義されている通りのワンポット反応手順が行われるならば、式IIIのトリクロロピリダジン化合物を単離するステップは省くことができる。代わりに、トリクロロピリダジンは有機相に移動され、次の反応ステップで直接使用される。
【0232】
これに関連する好ましい有機溶媒としては、ジクロロメタン、iso-ブタノール、酢酸エチル及び酢酸ブチル、特に酢酸ブチルが挙げられる。
【0233】
有機相は、場合により、水酸化ナトリウム水溶液(例えば、10% NAOH水溶液)及び/又は水でさらなる使用より前に洗浄することができる。
【0234】
ステップ(iii)のための反応条件は、好ましくは以下の通りである。
【0235】
置換基R1に依存して、アミン化合物R1-NH2は、気体又は液体又は固体の形態であってよい。アミン化合物R1-NH2がガス形態であるならば、それは、溶液として又はガスとしてのいずれかで提供され得る。
【0236】
特に好ましいアミン化合物は、すでに上記で示されている通りのエチルアミンである。
【0237】
適当な溶媒としては、プロトン性溶媒、好ましくは水又はC1~C4-アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノール、特にエタノールが挙げられる。
【0238】
好ましい一実施形態において、アミン化合物R1-NH2が提供される溶媒は、水である。適当な濃度は、溶液の合計重量に基づいて10wt.-%から100wt.-%の範囲、好ましくは40wt.-%から90wt.-%の範囲、より好ましくは60%から80%、最も好ましくは66wt.-%から72wt.-%である。
【0239】
特に好ましい実施形態において、アミン化合物R1-NH2はエチルアミンであり、水溶液として、溶液の合計重量に基づいて60%から80%の範囲、好ましくは66wt.-%から72wt.-%の濃度で提供される。
【0240】
該反応混合物における水の存在は、反応ステップ(iii)の収率にネガティブに影響しないことが、本発明の驚くべき所見である。
【0241】
別の好ましい実施形態において、アミン化合物R1-NH2はガス形態で提供されており、それを溶媒中へ泡立てることによって反応混合物に導入し、ここで、反応ステップ(iii)が行われ、式IIIのトリクロロピリダジン化合物はすでに溶解されていることがある。これに関連して、好ましい溶媒としては、プロトン性溶媒、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノールからなる群から選択されるアルコールが挙げられる。溶媒として特に好ましいのは、エタノールである。さらに、気体アミン化合物R1-NH2が反応ステップ(iii)によって溶解され得る好ましい溶媒には、一般に、トルエン、THF及びエタノールが挙げられる。
【0242】
過剰なアミン化合物R1-NH2が使用されるのが好ましい。
【0243】
好ましい実施形態において、アミン化合物R1-NH2は、式IIIの化合物1モル当たり1.5molから10molの量で、好ましくは2.0molから6.0molの量で、特に式IIIの化合物1モル当たり2.0molから3.0molの量で使用される。
【0244】
該反応のための適当な溶媒としては、水並びに脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテル;芳香族炭化水素、例えばトルエン、o-、m-及びp-キシレン;ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム及びクロロベンゼン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノール;C2~C4-アルカンジオール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール;エーテルアルカノール、例えばジエチレングリコール;カルボン酸エステル、例えば酢酸エチル;N-メチルピロリドン;ジメチルホルムアミド;並びに開鎖及び環状エーテルを含むエーテル、特にジエチルエーテル、メチル-tert-ブチル-エーテル(MTBE)、2-メトキシ-2-メチルブタン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン及び2-メチルテトラヒドロフラン、特にテトラヒドロフラン、MTBE及び2-メチルテトラヒドロフランが挙げられる。前記溶媒の混合物も使用することができる。
【0245】
該反応は、出発材料が提供される溶媒の混合物、例えば水及び酢酸ブチルの混合物中で行われるのが特に好ましい。
【0246】
代替として、該反応は、特にアミン化合物がガス形態で提供されているならば、プロトン性溶媒、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール及びtert-ブタノールからなる群から選択されるアルコール、特にエタノール中で行われることが特に好ましい。反応ステップ(iii)は、次いで、このプロトン性溶媒中で行われ、場合により、その上反応ステップ(iv)が、場合により、過剰のアミン化合物をHClスカベンジャーとして使用するワンポット反応においてその後直接行うことができる。
【0247】
該反応は、0℃から140℃の範囲、好ましくは25℃から60℃の範囲、より好ましくは30℃から50℃の範囲における温度で実施することができる。
【0248】
本明細書において定義されている通りのアミン化合物R1-NH2、特にエチルアミンであるアミン化合物R1-NH2に関連して、以下の反応温度が特に好ましい。
【0249】
一実施形態において、反応ステップ(iii)は、100℃以下の温度で行われる。
【0250】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、80℃以下の温度で行われる。
【0251】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、70℃以下の温度で行われる。
【0252】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、60℃以下の温度で行われる。
【0253】
一実施形態において、反応ステップ(iii)は、0℃から100℃の温度で行われる。
【0254】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、0℃から80℃の温度で行われる。
【0255】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、0℃から70℃の温度で行われる。
【0256】
別の実施形態において、反応ステップ(iii)は、0℃から60℃の温度で行われる。
【0257】
好ましい実施形態において、反応ステップ(iii)は、20℃から80℃の温度で行われる。
【0258】
別の好ましい実施形態において、反応ステップ(iii)は、20℃から70℃の温度で行われる。
【0259】
別の好ましい実施形態において、反応ステップ(iii)は、20℃から60℃の温度で行われる。
【0260】
特に好ましい実施形態において、反応ステップ(iii)は、25℃から60℃の温度で行われる。
【0261】
反応時間は、広域範囲にわたって、例えば1時間から4日の範囲で変動する。好ましくは、反応時間は、1時間から24時間の範囲、特に1時間から12時間である。より好ましくは、反応時間は、1時間から5時間の範囲、好ましくは3時間から4時間である。
【0262】
反応ステップ(iii)に関連して、US 4,728,355も参照される。
【0263】
すでに上記で示されている通り、方法Aは、場合により、式IIの化合物を提供するためのステップ(i)をさらに含むことができる。
【0264】
方法Aの一実施形態において、該方法は、別々に又はワンポット反応としてのいずれかで行われるステップ(ii)及び(iii)に加えてステップ(i)も含み、即ち、該方法は、式II
【0265】
【0266】
【化25】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む。
【0267】
ステップ(iii)のための反応条件は、好ましくは以下の通りである。
【0268】
反応物は、好ましくは同様の量で、例えば1.5:1から1:1.5のモル比で、好ましくは等モル量で提供される。
【0269】
ヒドラジンは、好ましくは、塩の形態、好ましくは硫酸ヒドラジンとして提供される。
【0270】
適当な溶媒としては、水などのプロトン性溶媒が挙げられる。
【0271】
反応混合物は、好ましくは100℃に、沈殿物が形成するまで加熱される。
【0272】
さらなる詳細について、US 4,728,355が参照される。
【0273】
すでに上記で示されている通り、方法Aは、場合によりステップ(v)をさらに含む。
【0274】
方法Aの一実施形態において、該方法はステップ(v)をさらに含み、即ち、該方法は、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0275】
【化26】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0276】
【化27】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0277】
【化28】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルであり、
式中、
R
2は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
3は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
Nは、H、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の記述されている基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いはOR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、S(O)
mNR
eR
f、C(Y)NR
iNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-OR
a、C
1~C
5-アルキレン-CN、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)R
b、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)OR
c、C
1~C
5-アルキレン-NR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)NR
gR
h、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mR
d、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-NR
iNR
eR
f、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル、ヘテロシクリル-C
1~C
5-アルキル、ヘタリール-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルキル-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル-C
1~C
5-アルキル、フェニル-C
1~C
5-アルキル、又はフェニルであり、最後に挙げた10個の基の環は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてもよく、かつ
R
a、R
b、R
cは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
dは、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ、及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
e、R
fは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルキルスルホニル、C
1~C
4-ハロアルキルスルホニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルスルホニル、フェニル、フェニルカルボニル、フェニルスルホニル、ヘタリール、ヘタリールカルボニル、ヘタリールスルホニル、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた12個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、或いは
R
e及びR
fは、それらが結合している窒素原子と一緒に、環員原子としてO、S及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を有していてよい5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環を形成し、複素環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
g、R
hは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
iは、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、フェニル及びフェニル-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた2個の基におけるフェニル環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
xは、CN、NO
2、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
10-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、5員から7員のヘテロシクリル、5員又は6員のヘタリール、フェニル、C
3~C
6-シクロアルコキシ、3員から6員のヘテロシクリルオキシ及びフェノキシから選択され、最後に挙げた7個の基は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個又は5個のR
y基を有していてもよく、
R
yは、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル及びC
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキルから選択され、かつ、
Yは、O又はSであり、
mは、0、1又は2であり、
X
1は、好ましくはハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基である)
をさらに含む。
【0278】
好ましい実施形態において、
R1は、CH2CH3であり、
R2は、非置換であってよい又は部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよいC1~C4-アルキルであり、
R3は、Hであり、
RNは、-CR4R5R6基であり、かつ
R4は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい、又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基Rxを有していてよいC1~C4-アルキル (Rxは、CN及びC(O)NH2から選択される)、並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基Ryを有していてよいC3~C6-シクロアルキル(Ryは、ハロゲン、CN及びC(O)NH2から選択される)から選択され、
R5は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基Rxを有していてよいC1~C4-アルキル(Rxは、CN及びC(O)NH2から選択される)、並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基Ryを有していてよいC3~C6-シクロアルキル(Ryは、ハロゲン、CN及びC(O)NH2から選択される)から選択され、
或いは
R4及びR5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、Rjによって部分的又は完全に置換されていてよい3員から12員の非芳香族飽和炭素環を形成し、Rjは、ハロゲン、CN及びC(O)NH2から選択され、
R6は、Hであり、
X1は、好ましくはハロゲン、N3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基であり、特に好ましくは塩素である。
【0279】
より好ましい実施形態において、RNは、-CR4R5R6であり、
R1は、CH2CH3であり、
R2はCH3であり、R3はHであり、R4はCH3であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又は
R2はCH3であり、R3はHであり、R4はCF3であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又は
R2はCH3であり、R3はHであり、R4はCH(CH3)2であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又は
R2はCH3であり、R3はHであり、R4はCHFCH3であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又はR2はCH3であり、R3はHであり、R4は1-CN-cC3H4であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又は
R2はCH3であり、R3はHであり、R4は1-C(O)NH2-cC3H4であり、R5はCH3であり、R6はHであるか、又は
R2はCH3であり、R3はHであり、R4及びR5は一緒にCH2CH2CF2CH2CH2であり、R6はHであり、X1は、好ましくはハロゲン、N3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基であり、特に好ましくは塩素である。
【0280】
ステップ(v)のための反応条件に関して、WO 2009/027393及びWO 2010/034737が参照される。
【0281】
以下において、本発明の方法Bに関する好ましい実施形態が提供されている。本発明の方法Bの、上に記述されている好ましい実施形態及びさらに下記に例示されているものは、単独又は互いとの組合せが好ましいと理解されるべきであると理解されるべきである。
【0282】
すでに上記で示されている通り、本発明は、第2の態様において、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0283】
【0284】
【化30】
の化合物とPOCl
3とを反応させるステップ、及び
結果として得られる粗反応生成物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
(式中、R
1は、H、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
を含むワンポット反応で製造する方法Bに関する。
【0285】
方法Bの基礎となる反応ステップは、上記反応順序におけるステップ(ii)+(iii)に対応する。
【0286】
上記で示されている通り、該ワンポット反応は、刺激性である中間で得られる式IIIのトリクロロピリダジン化合物が単離される必要がないので有利である。
【0287】
すでに上記で示されている通り、式IIの化合物は、それのピリダゾン互変異性体の形態で存在することもできることが理解されるべきである。
【0288】
(a)若しくは(b)又は(a)と(b)の混合物は、ステップ(ii)+(iii)で得ることができることが理解されるべきである。
【0289】
好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られる。
【0290】
式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2における置換基R1は、好ましくは、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択される。
【0291】
好ましい実施形態において、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH2CH3である。
【0292】
特に好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られ、式IVa及びIVbの化合物並びにアミン化合物R1-NH2におけるR1は、CH3、CH2CH3及びCH2OCH3からなる群から選択され、好ましくはCH2CH3である。
【0293】
中間で得られる式IIIの化合物を単離することがない、上記で定義されている通りのワンポット反応において引き続いて行われるステップ(ii)及び(iii)のための反応条件は、上記ですでに提供されている。
【0294】
方法Bの好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(i)、即ち、式II
【0295】
【0296】
【化32】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む。
【0297】
この反応ステップ(i)のための反応条件は、上記ですでに提供されている。
【0298】
方法Bの別の好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(iv)、即ち、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物を、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0299】
【化33】
に、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0300】
【化34】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、上記で定義されている通りである)
をさらに含み、
場合により、ステップ(v)、即ち、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0301】
【化35】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0302】
【化36】
と、式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0303】
【化37】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、上記で定義されている通りであり、
式中、R
2、R
3、R
N及びX
1は、上記で定義されている通りである)
をさらに含む。
【0304】
反応ステップ(iv)及び(v)についての好ましい実施形態及び反応条件は、方法Aに関連して上記ですでに提供されている。
【0305】
以下において、本発明の方法Cに関する好ましい実施形態が提供されている。本発明の方法Cの、上に記述されている好ましい実施形態及びさらに下記に例示されているものは、単独又は互いとの組合せが好ましいと理解されるべきであると理解されるべきである。
【0306】
すでに上記で示されている通り、本発明は、第3の態様において、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0307】
【化38】
を製造する方法Cであって、
式IIIの
【0308】
【化39】
トリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
(式中、R
1は、CH
2CH
3である)
を含む方法に関し、ここで該方法は、場合により、式III
【0309】
【化40】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【0310】
【化41】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む。
【0311】
方法Cの基礎となる反応ステップは、上記反応順序におけるステップ(iii)、及び場合により、追加としてステップ(ii)を別々のステップとして包含する。
【0312】
驚くべきことに、反応ステップ(iii)における特に高い収率は、エチルアミンがアミン化合物R1-NH2として使用されるならば得ることができることが見出された。さらに、手間のかかる後処理は必要とされない。
【0313】
すでに上記で示されている通り、式IIの化合物は、それのピリダゾン互変異性体の形態で存在することもできることが理解されるべきである。
【0314】
(a)若しくは(b)又は(a)と(b)の混合物は、ステップ(iii)で得ることができることが理解されるべきである。
【0315】
好ましい実施形態において、(a)と(b)の混合物が得られる。
【0316】
方法Cに従って別々に行われるステップ(ii)及び(iii)のための反応条件は、上記ですでに提供されている。
【0317】
方法Cの好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(i)、即ち、式II
【0318】
【0319】
【化43】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む。
【0320】
この反応ステップ(i)のための反応条件は、上記ですでに提供されている。
【0321】
方法Cの別の好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(iv)、即ち、(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物を、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0322】
【化44】
に、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【0323】
【化45】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、上記で定義されている通りである)
をさらに含み、
場合により、ステップ(v)、即ち、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0324】
【化46】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0325】
【化47】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0326】
【化48】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、上記で定義されている通りであり、
式中、R
2、R
3、R
N及びX
1は、上記で定義されている通りである)
をさらに含む。
【0327】
反応ステップ(iv)及び(v)のための好ましい実施形態及び反応条件は、方法Aに関連して上記ですでに提供されている。
【0328】
以下において、本発明の方法Dに関する好ましい実施形態が提供される。本発明の方法Dの、上に記述されている好ましい実施形態及び下記でさらに例示されているものは、単独又は互いとの組合せが好ましいと理解されるべきであると理解されるべきである。
【0329】
すでに上記で示されている通り、本発明は、さらなる態様において、式VII*の化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0330】
【化49】
の製造のための方法であって、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0331】
【化50】
と式VI
*の化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0332】
【化51】
とを反応させるステップ
(式中、
R
1はCH
2CH
3であり、式中
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCH
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCF
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCH(CH
3)
2であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又はR
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4はCHFCH
3であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4は1-CN-cC
3H
4であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4は1-C(O)NH
2-cC
3H
4であり、R
5はCH
3であり、R
6はHである、又は
R
2はCH
3であり、R
3はHであり、R
4及びR
5は一緒にCH
2CH
2CF
2CH
2CH
2であり、R
6はHであり、式中
X
1は、好ましくはハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基であり、特に好ましくは塩素である)
を含む方法Dに関する。
【0333】
方法Dの基礎となる反応ステップは、上記反応順序のステップ(v)によって包含される。
【0334】
好ましい実施形態において、該方法は、反応順序のステップ(iv)をさらに含む。
【0335】
より好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(iii)及び場合によりステップ(ii)もさらに含み、ここで、ステップ(ii)及び(iii)は、式IIIの化合物の単離を介して別々に、又は一緒にワンポット反応で実施することができる。
【0336】
いっそう好ましい実施形態において、該方法は、ステップ(i)をさらに含む。
【0337】
ステップ(i)、(ii)、(iii)及び(iv)に関するさらなる詳細は、上記で提供されている。
【0338】
すでに上記で示されている通り、本発明は、別の態様において、式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0339】
【化52】
(式中、R
1はCH
2CH
3である)
或いは式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【0340】
【化53】
(式中、R
1はCH
2CH
3である)
に関する。
【0341】
さらなる態様において、本発明は、上記で定義されている通りの、即ちR1が各場合においてCH2CH3である、式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド及び式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドの混合物に関する。
【0342】
これらの化合物は、それ自体例えば式VIIの殺有害生物的に活性な4-ピラゾール-N-ピリダジンアミド化合物に変換することができる4-エチルアミノピリダジンの製造のための貴重な出発材料である。
【0343】
典型的に、上記で定義されている通りの、即ちR1が各場合においてCH2CH3である、式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド及び式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドの混合物は、本明細書に記載されている通りの方法B又はCによって得ることができる。該混合物は、構成成分(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド及び(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドに、当業者に知られている分離技術によって、例えばカラムクロマトグラフィーによって分離することができる。しかしながら、2種の構成成分の分離は、両構成成分が脱ハロゲン化/水素化反応のための適当な出発材料なので、式Vのピリダジンアミン化合物の製造に必要とされない。
【0344】
該混合物において、構成成分(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド及び(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドは、任意の比で、好ましくは100:1から1:100、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは5:1から1:5、最も好ましくは2:1から1:2、特に好ましくは1:1の重量比範囲で存在することができる。
【実施例】
【0345】
I.特性評価
特性評価は、連結された高速液体クロマトグラフィー/質量分光分析法(HPLC/MS)によって、NMRによって、又はそれらの融点によって行うことができる。
【0346】
HPLC: Agilent Extend 1.8μm C18 4.6×100mm、移動相:A:水+0.1% H3PO4、B:アセトニトリル(MeCN)+0.1% H3PO4、勾配:10分で5~95% A、0~10分は5:95 A:B次いで勾配10~10.1分から95:5 A:B流速:10分にて60℃で1.2ml/min。
【0347】
【0348】
1H-NMR:シグナルは、化学シフト(ppm)vs.テトラメチルシランによって、それらの多重度によって、及びそれらの積分(与えられた水素原子の相対数)によって特徴付けられる。シグナルの多重度を特徴付けるために、以下の略語が使用される:m=マルチプレット、q=カルテット、t=トリプレット、d=ダブレット及びs=シングレット。
【0349】
使用される略語:hは時間、minは分であり、室温は20~25℃である。
【0350】
II.製造例
1. 4,5-ジクロロ-3-ヒドロキシピリダジンから出発する、ワンポット手順における3,4-ジクロロ-5-エチルアミノピリダジンと3,5-ジクロロ-4-エチルアミノピリダジンの混合物の製造:
4,5-ジクロロ-3-ヒドロキシピリダジン200gを反応器内に20℃でN2下にて入れ、POCl3(930g、5当量)を添加し、反応混合物を100℃に加熱した。反応混合物を、完全な変換が達成されるまで約1時間さらに撹拌した。蒸留により、過剰のPOCl3を除去した。温度を30℃で制御しながら、反応混合物を1200gのH2Oに投入した。酢酸ブチル(1200g)を添加し、二相混合物を30分間30℃で撹拌し、次いで、相を分離させた。別の分量の酢酸ブチル(400g)を使用して、水性相を洗浄した。合わせた有機相を10% HCl及び次いでH2Oで洗浄した。
【0351】
酢酸ブチル中のトリクロロピリダジンの混合物に、エチルアミンの水溶液を、溶液の合計重量に基づいてエチルアミン70wt.-%の濃度で(234g、3当量)35℃で添加した。反応物を45℃で3時間(又は完全な変換が観察されるまで)保持した。相を40℃で分離させ、有機相をH2Oで1回洗浄した。合わせた水性相を酢酸ブチルで1回抽出した。合わせた有機相からの酢酸ブチルを蒸留させることで(15mbar、35℃)、反応混合物を濃縮した。このプロセス中、生成物が溶液から沈殿した。反応混合物を10℃に冷却し、生成物を濾別した。母液を次に濃縮し、粗材料をMTBEから再結晶化させることで、生成物の残部を単離した。
【0352】
2. 4-エチルアミノピリダジンの製造:
3,4-ジクロロ-5-エチルアミノピリダジンと3,5-ジクロロ-4-エチルアミノピリダジンの混合物600g(3.09mol)をEtOH(3.5リットル)中に溶解させた。10% Pd/Cを15g(0.01mol)添加し、圧力反応器を窒素でパージした。圧力反応器を0.2バールにH2で加圧し、35℃に加熱した。反応が発熱性なので、温度を55℃で4時間制御した。その後、圧力を解放し、反応器をN2でパージした。反応混合物を室温で濾過することで、触媒を除去した。触媒は、精製することなく次のバッチで再利用することができる。
【0353】
第2の反応器において、K
2CO
3(1kg)とEtOH 1リットルの混合物を製造した。反応混合物を炭酸カリウム溶液に60分かけて投入し、温度を20~25℃で制御した。反応混合物を3時間さらに撹拌した。該方法において生成された塩を濾別した。反応混合物からの溶媒の一分量を蒸留させ、MTBEを添加することで、純粋なエチルアミノピリダジン(354g、91%純度、85%の収率)を沈殿させた。
(付記)
(付記1)
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化54】
を製造するための方法であって、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化55】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させるステップ
(式中、
R
1はH、C
1~C
2-アルキル又はC
1~C
2-アルコキシ-C
1~C
2-アルキルである)
を含む方法。
(付記2)
反応をHClスカベンジャーの非存在下で行う、付記1に記載の方法。
(付記3)
HClスカベンジャーは水素化触媒の除去後に添加し、該HClスカベンジャーは好ましくは水なしで提供される、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
HClスカベンジャーが、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属アルキル、アルキルマグネシウムハロゲン化物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコラートを含む塩基、第3級アミン、ピリジン、二環式アミン、アンモニア、及び第1級アミンを含む窒素含有塩基;並びにその組合せ;酢酸ナトリウム及び/又はギ酸アンモニウムを含む緩衝液;イミダゾールを含むイオン性液体の前駆体;並びにその組合せからなる群から選択される、付記1から3のいずれか一項に記載の方法。
(付記5)
水素化触媒が、担体上の白金又はパラジウム、ラネーニッケル及びラネーコバルトからなる群から選択され、好ましくは炭素上の白金又はパラジウムである、付記1から4のいずれか一項に記載の方法。
(付記6)
R
1がCH
2CH
3である、付記1から5のいずれか一項に記載の方法。
(付記7)
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化56】
を、
式II
【化57】
の化合物とPOCl
3とを反応させるステップ、及び
結果として得られる粗反応生成物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
(式中、R
1は付記1又は6に規定されている通りである)
を含むワンポット反応で製造するステップをさらに含む、付記1から6のいずれか一項に記載の方法。
(付記8)
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化58】
を、
式III
【化59】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させることによって製造するステップ
(式中、R
1は、付記1又は6に規定されている通りである)
をさらに含み、
場合により、式III
【化60】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【化61】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、
付記1から6のいずれか一項に記載の方法。
(付記9)
式II
【化62】
の化合物を、
ムコクロル酸(I)
【化63】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、付記7又は8に記載の方法。
(付記10)
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化64】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化65】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化66】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、付記1又は6に規定されている通りであり、
R
2は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、又はC
2~C
10-アルキニルであり、ここで、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、ここで、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
3は、H、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いは
OR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル又はフェニルであり、最後に挙げた5個の基は、非置換であってもよく、又はR
y及びR
x基から選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基を有していてもよく、
R
Nは、H、CN、NO
2、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル又はC
2~C
10-アルキニルであり、最後に挙げた3個の基は、非置換であってもよく、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてもよく、又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてもよく、或いはOR
a、SR
a、C(Y)R
b、C(Y)OR
c、S(O)R
d、S(O)
2R
d、NR
eR
f、C(Y)NR
gR
h、S(O)
mNR
eR
f、C(Y)NR
iNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-OR
a、C
1~C
5-アルキレン-CN、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)R
b、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)OR
c、C
1~C
5-アルキレン-NR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-C(Y)NR
gR
h、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mR
d、C
1~C
5-アルキレン-S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
5-アルキレン-NR
iNR
eR
f、ヘテロシクリル、ヘタリール、C
3~C
10-シクロアルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル、ヘテロシクリル-C
1~C
5-アルキル、ヘタリール-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルキル-C
1~C
5-アルキル、C
3~C
10-シクロアルケニル-C
1~C
5-アルキル、フェニル-C
1~C
5-アルキル、又はフェニルであり、最後に挙げた10個の基の環は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよく、
R
a、R
b、R
cは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、R
dは、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
e、R
fは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルキルスルホニル、C
1~C
4-ハロアルキルスルホニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルスルホニル、フェニル、フェニルカルボニル、フェニルスルホニル、ヘタリール、ヘタリールカルボニル、ヘタリールスルホニル、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた12個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立して、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、或いは
R
e及びR
fは、それらが結合している窒素原子と一緒に、環員原子としてO、S及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を有していてよい5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環を形成し、複素環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
g、R
hは、互いに独立して、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C
1~C
4-アルキル、フェニル、ヘタリール、フェニル-C
1~C
4-アルキル及びヘタリール-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた6個の基における環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
iは、H、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキルメチル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル、C
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキル、フェニル及びフェニル-C
1~C
4-アルキルから選択され、最後に挙げた2個の基におけるフェニル環は、非置換であってもよく、又は互いに独立してハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ及びC
1~C
4-ハロアルコキシから選択される1個、2個、3個、4個若しくは5個の置換基を有していてもよく、
R
xは、CN、NO
2、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
10-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、5員から7員のヘテロシクリル、5員又は6員のヘタリール、フェニル、C
3~C
6-シクロアルコキシ、3員から6員のヘテロシクリルオキシ、及びフェノキシから選択され、ここで、最後に挙げた7個の基は、非置換であってもよく、又は1個、2個、3個、4個又は5個のR
y基を有していてもよく、
R
yは、ハロゲン、CN、NO
2、C
1~C
4-アルキル、C
1~C
4-ハロアルキル、C
1~C
4-アルコキシ、C
1~C
4-ハロアルコキシ、S(O)
mR
d、S(O)
mNR
eR
f、C
1~C
4-アルキルカルボニル、C
1~C
4-ハロアルキルカルボニル、C
1~C
4-アルコキシカルボニル、C
1~C
4-ハロアルコキシカルボニル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
3~C
6-ハロシクロアルキル、C
2~C
4-アルケニル、C
2~C
4-ハロアルケニル、C
2~C
4-アルキニル及びC
1~C
4-アルコキシ-C
1~C
4-アルキルから選択され、
Yは、O又はSであり、
mは、0、1又は2であり、
X
1は、好ましくはハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基である)
をさらに含む、付記1から9のいずれか一項に記載の方法。
(付記11)
R
1が、CH
2CH
3であり、
R
2が、非置換であってよい又は部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよいC
1~C
4-アルキルであり、
R
3が、Hであり、
R
Nが、-CR
4R
5R
6基であり、
R
4は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてよいC
1~C
4-アルキル(R
xは、CN及びC(O)NH
2から選択される)並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよいC
3~C
6-シクロアルキル(R
yは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択される)から選択され、
R
5は、非置換であってよい、部分的若しくは完全にハロゲン化されていてよい又は1個若しくは2個の同一若しくは異なる置換基R
xを有していてよいC
1~C
4-アルキル(R
xは、CN及びC(O)NH
2から選択される)、並びに
非置換であってよい又は1個、2個若しくは3個の同一若しくは異なる置換基R
yを有していてよいC
3~C
6-シクロアルキル(R
yは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択される)から選択され、
或いは
R
4及びR
5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、R
jによって部分的又は完全に置換されていてよい3員から12員の非芳香族飽和炭素環を形成し、ここで、R
jは、ハロゲン、CN及びC(O)NH
2から選択され、
R
6は、Hであり、
X
1は、好ましくはハロゲン、N
3、p-ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから選択される脱離基であり、特に好ましくは塩素である、
付記10に記載の方法。
(付記12)
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化67】
を、
式II
【化68】
の化合物とPOCl
3とを反応させるステップ、及び
結果として得られる粗反応生成物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ
(式中、R
1は、付記1又は6に規定されている通りである)
を含むワンポット反応で製造するための方法。
(付記13)
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化69】
を製造するための方法であって、
式III
【化70】
のトリクロロピリダジン化合物とアミン化合物R
1-NH
2又はその塩とを反応させるステップ(式中、R
1は、CH
2CH
3である)
を含み、
場合により、式III
【化71】
のトリクロロピリダジン化合物を、
式II
【化72】
の化合物とPOCl
3とを反応させることによって製造するステップをさらに含む方法。
(付記14)
式II
【化73】
の化合物を、
ムコクロル酸(I)
【化74】
とヒドラジン又はその塩とを反応させることによって製造するステップをさらに含む、付記12又は13に記載の方法。
(付記15)
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物を、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化75】
に、
(a)式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(b)式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド、或いは(c) (a)と(b)の混合物
【化76】
と水素とを水素化触媒の存在下で反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、付記12又は13に規定されている通りである)
をさらに含み、
場合により、式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドを、式VIIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化77】
に、
式Vのピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化78】
と式VIの化合物又はその立体異性体、塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化79】
とを反応させることによって変換するステップ
(式中、R
1は、付記12又は13に規定されている通りであり、
式中、R
2、R
3、R
N及びX
1は、付記10又は11に規定されている通りである)
をさらに含む、付記12から14のいずれか一項に記載の方法。
(付記16)
式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化80】
(式中、R
1は、CH
2CH
3である)、
或いは式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシド
【化81】
(式中、R
1は、CH
2CH
3である)。
(付記17)
付記16に規定される式IVaのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドと式IVbのジクロロピリダジンアミン化合物又はその塩、互変異性体若しくはN-オキシドの混合物。