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  • 特許-光コネクタおよび光コネクタの組立方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】光コネクタおよび光コネクタの組立方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
G02B6/38
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018105916
(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2019211557
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000147350
【氏名又は名称】株式会社精工技研
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 浩司
(72)【発明者】
【氏名】今村 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 恒聡
(72)【発明者】
【氏名】地引 正幸
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-095410(JP,A)
【文献】国際公開第2016/178020(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0117981(US,A1)
【文献】特開2007-322646(JP,A)
【文献】特開2015-014668(JP,A)
【文献】特開2014-134695(JP,A)
【文献】特開2016-040587(JP,A)
【文献】特開2006-018296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36- 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールに保持された内蔵光ファイバと光コードの内部の光ファイバとが接続された搬送キャップ付の光コネクタであって、
前記フェルールを収容する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングと接合される第2ハウジングと、
搬送キャップと、
を具備し、
光コネクタの接続対象との脱着操作を行うラッチが、前記第1ハウジングに形成されずに、前記第2ハウジングにのみ形成され、
前記フェルールの一部が前記搬送キャップに挿入され、前記搬送キャップの一部が前記第1ハウジングに挿入されることで前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化され
前記搬送キャップはフランジを有し、前記搬送キャップの前記フランジが前記第1ハウジングの先端と接触していることを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記フェルールは、フェルール本体と、前記フェルール本体と接合されるフランジ部とを有し、
前記第1ハウジングの後端は、前記フランジ部の後端よりも前方に位置することを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第2ハウジングの後方に、光コードの外被を押さえる外被押さえ部材が配置され、
前記外被押さえ部材と前記第2ハウジングとが、径方向で重なり合わないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
フェルールに保持された内蔵光ファイバと光コードの内部の光ファイバとが接続された光コネクタの組み立て方法であって、
前記光コネクタは、
前記フェルールを収容する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングと接合される第2ハウジングと、
搬送キャップと、
を具備し、
前記光コネクタの接続対象との脱着操作を行うラッチが、前記第1ハウジングに形成されずに、前記第2ハウジングにのみ形成され、
前記フェルールの一部が前記搬送キャップに挿入され、前記搬送キャップの一部が前記第1ハウジングに挿入されることで前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化されており、
あらかじめ前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化された状態で、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間で、前記内蔵光ファイバと光コードの前記光ファイバとを融着接続する工程と、
前記第2ハウジングと前記第1ハウジングとを接合する工程と、
を具備することを特徴とする光コネクタの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立が容易な光コネクタおよび光コネクタの組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光コードの先端に光コネクタを接続する際には、光コードの光ファイバと、フェルールに内蔵された光ファイバとを接続し、この接続部を収容するようにハウジング等の部材が組み立てられていた。
【0003】
このような、光コネクタの構造としては、フェルールに内蔵される光ファイバ心線と、光コードから引き出した光ファイバ心線とを融着接続し、その後プラグハウジングにフェルールを挿通してリアハウジングと固定し、光コネクタを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-95410号公報
【文献】特開2011-118348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2のように、フェルールに内蔵された光ファイバ心線と光コードの光ファイバ心線とを接続した後、このフェルールをプラグハウジングに挿通する作業は煩雑であり作業性が悪い。
【0006】
これに対し、フェルールとプラグハウジングを一体で構成する方法も考えられる。しかし、いわゆるLCコネクタは、プラグハウジングにアダプタと接続するためのラッチが形成されるため、融着機と干渉するおそれがある。また、この干渉を避けるため、フェルールに内蔵される光ファイバ心線を長くすると、コネクタが大型化する。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、組立作業性が良好であり、コンパクトな光コネクタおよびその組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、フェルールに保持された内蔵光ファイバと光コードの内部の光ファイバとが接続された光コネクタであって、前記フェルールを収容する第1ハウジングと、前記第1ハウジングと接合される第2ハウジングと、搬送キャップと、を具備し、光コネクタの接続対象との脱着操作を行うラッチが、前記第1ハウジングに形成されずに、前記第2ハウジングにのみ形成され、前記フェルールの一部が前記搬送キャップに挿入され、前記搬送キャップの一部が前記第1ハウジングに挿入されることで前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化され、前記搬送キャップはフランジを有し、前記搬送キャップの前記フランジが前記第1ハウジングの先端と接触していることを特徴とする光コネクタである。
【0009】
前記フェルールは、フェルール本体と、前記フェルール本体と接合されるフランジ部とを有し、前記第1ハウジングの後端は、前記フランジ部の後端よりも前方に位置してもよい。
【0010】
前記第2ハウジングの後方に、光コードの外被を押さえる外被押さえ部材が配置され、前記外被押さえ部材と前記第2ハウジングとが、径方向で重なり合わないことが望ましい。
【0011】
第1の発明によれば、第1ハウジングにラッチが形成されていないため、第1ハウジングが融着作業の妨げとなることがない。このため、あらかじめフェルールと第1ハウジングとを組み立てた状態で融着を行うことができ、現場でフェルールを第1ハウジングに通す作業が不要となる。このため、組立作業が容易である。
【0012】
特に、第1ハウジングの後端が、フェルールのフランジ部後端よりも前方に位置することで、第1ハウジングがフェルールの後方に突出せず、内蔵光ファイバを長くすることなく融着を行うことができる。
【0013】
また、第2ハウジングの後方に、光コードの外被を押さえる外被押さえ部材を配置し、外被押さえ部材と第2ハウジングとが径方向で重なり合わないようにすることで、外被押さえを第2ハウジングの外周に嵌める場合と比較して、コネクタの細径化が可能となる。
【0014】
第2の発明は、フェルールに保持された内蔵光ファイバと光コードの内部の光ファイバとが接続された光コネクタの組み立て方法であって、前記光コネクタは、前記フェルールを収容する第1ハウジングと、前記第1ハウジングと接合される第2ハウジングと、搬送キャップと、を具備し、前記光コネクタの接続対象との脱着操作を行うラッチが、前記第1ハウジングに形成されずに、前記第2ハウジングにのみ形成され、前記フェルールの一部が前記搬送キャップに挿入され、前記搬送キャップの一部が前記第1ハウジングに挿入されることで前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化されており、あらかじめ前記フェルールと前記第1ハウジングとが一体化された状態で、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの間で、前記内蔵光ファイバと光コードの前記光ファイバとを融着接続する工程と、前記第2ハウジングと前記第1ハウジングとを接合する工程と、を具備することを特徴とする光コネクタの組立方法である。
【0016】
第2の発明によれば、作業性に優れ、コンパクトな光コードを得ることができる。
【0017】
また、搬送キャップが第1ハウジングに挿入されることで、フェルールと第1ハウジングとが一体化され、フェルールが、第1ハウジングの後方に脱落することが防止される。また、搬送キャップによって、フェルールの中心軸と第1ハウジングの中心軸とを合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、組立作業性が良好であり、コンパクトな光コネクタおよびその組み立て方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】光コネクタ1の分解斜視図。
図2】光コネクタ1の組立断面図。
図3】フェルールユニット7の組立断面図。
図4】光コネクタ1の組立工程を示す図。
図5】光コネクタ1の組立工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態にかかる光コネクタ1について説明する。図1は、光コネクタ1の分解斜視図であり、図2は光コネクタ1の組立断面図である。光コネクタ1は、いわゆるLCコネクタであって、主に、フェルール3、第1ハウジング5、ばね9、保護スリーブ11、第2ハウジング13、外被押さえ部材17、固定部材19、ブーツ21等から構成される。
【0021】
図2に示すように、光コネクタ1は、光コード27の先端部に形成される。光コード27は、内部に光ファイバ29が内蔵され、光ファイバ29の外周に、図示を省略した抗張力繊維と、さらにその外周に外被が形成される。なお、光コード27の詳細は後述する。
【0022】
フェルール3の内部には、内蔵光ファイバ25が保持される。内蔵光ファイバ25は、前述した光コード27の光ファイバ29と接続される。すなわち、光コネクタ1の内部では、フェルール3に保持された内蔵光ファイバ25と光コード27の内部の光ファイバ29とが接続され、接続部は、保護スリーブ11によって補強される。
【0023】
フェルール3は、第1ハウジング5に収容され、フェルールユニット7を構成する。図3は、フェルールユニット7の断面図である。フェルール3は、フェルール本体3aとフランジ部3bとから構成され、フェルール本体3aには、前述した内蔵光ファイバ25が保持される。フェルール本体3aの後端部にはフランジ部3bが接続されて固定される。
【0024】
図2に示すように、フェルール3(フランジ部)の後方には、ばね9が配置される。フェルール3は、ばね9によって、第1ハウジング5に押し付けられる。したがって、フェルール3は、第1ハウジング5に押し付けられた状態において、第1ハウジング5に対して最も深く(前方に)位置し、ばね9に抗してフェルール3を後方に押し込むと、フェルール3は、第1ハウジング5に対して後方にスライド可能である。
【0025】
なお、第1ハウジング5の後端は、フランジ部3bの後端よりも前方に位置する。すなわち、第1ハウジング5は、フェルール3の後端よりも後方へはみ出すことがない。
【0026】
図3に示すように、フェルール3の先端には、搬送キャップ23が取り付けられる。搬送キャップ23は、組立時や取り扱い時におけるフェルール3の先端の保護と、作業時の持ち手として機能する。搬送キャップ23には、フェルール本体3aの先端が挿入されるとともに、搬送キャップ23の一部が第1ハウジング5に挿入される。
【0027】
搬送キャップ23の一部が第1ハウジング5に挿入されることでフェルール3と第1ハウジング5とが一体化される。また、搬送キャップ23のフランジ部が第1ハウジング5の先端と接触することで、フェルール3が、第1ハウジング5の後方に脱落することを防止することができる。また、搬送キャップ23によって、フェルール3の中心軸と第1ハウジング5の中心軸とを合わせることができる。
【0028】
第1ハウジング5の後方には、第2ハウジング13が接合される。第2ハウジング13には、ラッチ15が設けられる。ラッチ15は、光コネクタ1の接続対象であるアダプタとの脱着操作を行う部位である。すなわち、光コネクタ1においては、ラッチ15は、第1ハウジング5には形成されずに、第2ハウジング13にのみ形成される。なお、前述したフェルール3の内蔵光ファイバ25と光コード27の光ファイバ29との接続部は、第2ハウジング13の内部に配置される。
【0029】
第2ハウジング13の後方には、光コードの外被を押さえる外被押さえ部材17が配置される。また、外被押さえ部材17の外周であって、第2ハウジング13の後方には、固定部材19が配置される。
【0030】
外被押さえ部材17は、光コード27の外被を押さえるリング状の部材である。また、固定部材19は、外被押さえ部材17を第2ハウジング13の後端に押圧するとともに、光コード27の抗張力繊維を固定する部材である。外被押さえ部材17と固定部材19による、光コード27の固定構造については、詳細を後述する。
【0031】
なお、外被押さえ部材17は、第2ハウジング13の後方に配置され、第2ハウジング13の一部が外被押さえ部材17に挿入されることがない。すなわち、外被押さえ部材17は、第2ハウジング13の外周には配置されず、外被押さえ部材17と第2ハウジング13とが、径方向で重なり合うことがない。
【0032】
固定部材19の後方には、ブーツ21が接合される。ブーツ21は、可撓性を有する樹脂で構成され、光コード27の急激な曲げを抑制する部材であり、光コード27の外周に配置される。
【0033】
次に、光コネクタの組み立て方法について説明する。まず、図4(a)に示すように、フェルール3の内蔵光ファイバ25と光コード27の光ファイバ29とを第1ハウジング5と第2ハウジング13との間で、融着接続する。この際、フェルールユニット7は予め組み立てられて一体化されており、搬送キャップ23が接続される。
【0034】
光コード27の端部は、予め、外被31が所定長さ剥離されて、内部の抗張力繊維33および光ファイバ29が引き出される。この際、外被31の先端部は、所定長さが引き裂かれて、例えば周方向に2分割される。
【0035】
保護スリーブ11を光コード27に退避させた状態で、光コード27の光ファイバ29とフェルール3の内蔵光ファイバ25とを融着機にセットし、融着する。この際、フェルール3と第1ハウジング5とが、搬送キャップ23によって中心軸が一致するように固定されているため、内蔵光ファイバ25の芯ずれ等を抑制し、融着作業が容易である。
【0036】
光ファイバ29と内蔵光ファイバ25とを融着した後、保護スリーブ11を接続部に移動させて固定する。保護スリーブ11は、例えば熱収縮部材と芯材を有し、光ファイバ29と内蔵光ファイバ25との接続部において加熱することで、保護スリーブ11を当該接続部に固定することができる。
【0037】
次に、図4(b)に示すように、光コード27に退避させていたばね9と第2ハウジング13を移動させて、第1ハウジング5の後端と第2ハウジング13とを接合させる。第1ハウジング5と第2ハウジング13とは、例えば図示を省略したラッチ等で接合することができる。
【0038】
なお、第2ハウジング13を第1ハウジング5と接続した状態において、光コード27の先端部近傍の外被31及び抗張力繊維33は、第2ハウジング13の外側に配置される。例えば、切り裂かれて2分割された外被31は、第2ハウジング13の後端部で広げられる。
【0039】
次に、図5(a)に示すように、光コード27に退避させていた外被押さえ部材17を移動させて、第2ハウジング13の後端部に配置する。外被押さえ部材17の内径は、第2ハウジング13の後端部の外径よりも小さく、外被押さえ部材17の外径は、第2ハウジング13の後端部の内径よりも大きいため、外被押さえ部材17と第2ハウジング13とは、互いに嵌り合うことがなく突き合せられる。
【0040】
この際、外被押さえ部材17の先端と第2ハウジング13の後端との間には、2分割されて広げられた外被31が挟み込まれる。また、外被31と第2ハウジング13との間から抗張力繊維33が取り出される。
【0041】
次に、図5(b)に示すように、光コード27に退避させていた固定部材19を移動させて、第2ハウジング13と接合する。例えば、第2ハウジング13の外周部に雄ねじ部が形成され、固定部材19の内面に形成された雌ねじ部と螺合する。この場合には、固定部材19を第2ハウジング13にねじ込むことで、固定部材19を第2ハウジング13へ固定することができる。
【0042】
この際、固定部材19を第2ハウジング13へねじ込むと、固定部材19の内面の一部が外被押さえ部材17の一部と後方から接触する。すなわち、固定部材19の縮径部の前端が、外被押さえ部材17の拡径部の後方に接触する。このため、固定部材19によって外被押さえ部材17を第2ハウジング13方向へ押し付けることができる。このため、外被押さえ部材17と第2ハウジング13によって外被31が強く挟み込まれて、外被31を固定することができる。
【0043】
また、第2ハウジング13の外周に沿って配置された抗張力繊維33は、第2ハウジング13と固定部材19との間の雄ねじ部と雌ねじ部との間に挟み込まれる。すなわち、第2ハウジング13と固定部材19との間の雄ねじ部と雌ねじ部との間にはわずかに隙間が形成されており、抗張力繊維33は、この隙間に挟み込まれる。このため、抗張力繊維33を、第2ハウジング13の外周に引き留めて固定することができる。
【0044】
最後に、光コード27に退避させていたブーツ21を移動させて、ブーツ21を固定部材19の後端部に接合する。例えば、固定部材19の後端部の一部をブーツ21の内部に挿入して接合する。以上により光コネクタ1を組み立てることができる。固定部材19とブーツ21は予め一体化されていても良い。
【0045】
光コネクタ1の使用時においては、搬送キャップ23を外すことで、フェルール3の先端に内蔵光ファイバ25の先端が露出し、接続対象であるアダプタの光ファイバと光接続可能である。この際、フェルール3はばね9によって先端方向に押圧されているため、接続対象と接触してフェルール3が押し込まれた際に、確実にフィジカルコンタクトを行うことができる。なお、この際、ラッチ15の操作によって、接続対象との脱着操作を行うことができる。
【0046】
本実施の形態によれば、第1ハウジング5と第2ハウジング13とを分割し、フェルール3をあらかじめ第1ハウジング5と一体化しておくことで、組立現場でフェルール3を第1ハウジング5に挿入して固定する作業が不要である。この際、搬送キャップ23をつけたまま組立を行うことができるため、作業が容易である。
【0047】
また、接続対象であるアダプタとの脱着操作を行うためのラッチ15は、第2ハウジングにのみ形成される。このため、第1ハウジング5を小型化することができ、融着接続作業時に、ラッチが邪魔になることがない。
【0048】
特に、第1ハウジング5は、フェルール3のフランジ部3bよりも後方へは突出しないため、融着機と干渉することがなく、内蔵光ファイバ25を長くする必要もない。
【0049】
また、光コード27の外被は、外被押さえ部材17の先端と第2ハウジング13の後端との間に挟み込まれて固定される。すなわち、外被押さえ部材17は、第2ハウジング13の径方向で重なり合うことがない。このため、外被押さえ部材17と第2ハウジング13が重なることによって、径が太くなることがなく、細径の光コネクタ1を達成することができる。
【0050】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0051】
例えば、光コネクタ1を構成する各部の形状は、図示した例には限られない。
【符号の説明】
【0052】
1………光コネクタ
3………フェルール
3a………フェルール本体
3b………フランジ部
5………第1ハウジング
7………フェルールユニット
9………ばね
11………保護スリーブ
13………第2ハウジング
15………ラッチ
17………外被押さえ部材
19………固定部材
21………ブーツ
23………搬送キャップ
25………内蔵光ファイバ
27………光コード
29………光ファイバ
31………外被
33………抗張力繊維
図1
図2
図3
図4
図5